JP2017072070A - 密閉型圧縮機 - Google Patents

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雄一 山本
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Abstract

【課題】弁の開き遅れによる過圧縮損失を低減でき、圧縮効率を向上できる密閉型圧縮機を提供する。
【解決手段】ロータリー圧縮機は、上側端板部材(50)に設けられた吐出口(53)と、吐出口(53)を囲むように突設された弁座(101)と、吐出口(53)からの吐出ガスの圧力により開く弁体を備える。吐出口(53)が設けられた上側端板部材(50)において、シリンダ(21A)に設けられたシリンダボア(110)に対向する領域の径方向外側に弁座(101)の外縁に沿うように第1凹部(102)を設ける。上記弁座(101)の外縁に隣接する第1凹部(102)において、上側端板部材(50)のシリンダ側の平面から第1凹部(102)の底面までの肉厚が、シリンダボア(110)に対向する領域の径方向内側に弁座(101)の外縁に沿うように設けられた第2凹部(103)よりも薄い。
【選択図】図3

Description

この発明は、密閉型圧縮機に関する。
従来、密閉型圧縮機としては、上側端板部材と下側端板部材に挟まれたシリンダ内においてピストンが配置されたものがある(例えば、特開2003−278654号公報(特許文献1)参照)。
特開2003−278654号公報
図9は上記従来の密閉型圧縮機と同様の構成の圧縮機構部の上面図を示しており、この密閉型圧縮機は、図9に示すように、端板部材350(図9では上側のみを示す)に挟まれたシリンダ321内においてピストン(図示せず)が揺動する。図9において、300は弁体、310はシリンダボアである。この弁体300は、吐出口353を覆う円板状の先端部300aと、先端部300aから延びるアーム部300bと、アーム部300bの端に連なり、端板部材350に固定された基部300cを有する。
また、図10Aは図9のX−X線から見た断面であって弁体300の先端部300aが弁座301に当接して吐出口353が閉じた状態の要部断面図を示し、図10Bは図9のX−X線から見た断面であって弁体300が開きかけた状態の要部断面図を示している。図10A,図10Bにおいて、301は吐出口353を囲むように突設された環状の弁座、302は弁座301の周囲を囲むように形成された環状の溝部である。
弁体300が閉じた状態では、図10Aに示すように、冷凍機油が油膜303の表面張力により、弁体300が弁座301に張り付いた状態になっている。このため、圧縮された冷媒ガスの圧力によって弁体300が開き始める際、図10Bに示すように、油膜303の粘着力により弁体300が開きにくくなることがある。
このような密閉型圧縮機では、端板部材350の弁座301の周囲に環状の溝部302を設けているが、強度を保つという設計上の制約があるために溝部302をある程度以上は深くできず、弁体300に油膜が接触しなくなるか、接触する割合を低下できないので、油膜による弁体300の張り付きを充分に防止することができない。
このため、上記密閉型圧縮機では、弁の開き遅れによって過圧縮損失が生じるという問題がある。これにより、上記密閉型圧縮機の圧縮効率が低下する。
そこで、この発明の目的は、弁の開き遅れによる過圧縮損失を低減でき、圧縮効率を向上できる密閉型圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の密閉型圧縮機は、
上側端板部材と下側端板部材に挟まれたシリンダ内にピストンが配置された密閉型圧縮機であって、
上記上側端板部材および/または上記下側端板部材に設けられた吐出口と、
上記上側端板部材および/または上記下側端板部材に、上記吐出口を囲むように突設された弁座と、
上記吐出口からの吐出ガスの圧力により開く弁体と
を備え、
上記吐出口が設けられた上記上側端板部材および/または上記下側端板部材において、上記シリンダに設けられたシリンダボアに対向する領域の径方向外側に上記弁座の外縁に沿うように第1凹部を設け、
上記第1凹部の少なくとも上記弁座の外縁に隣接する領域において、上記上側端板部材および/または上記下側端板部材の上記シリンダ側の平面から上記第1凹部の底面までの肉厚が、上記シリンダボアに対向する領域の径方向内側に上記弁座の外縁に沿うように設けられた第2凹部よりも薄いことを特徴とする。
上記構成によれば、吐出口が設けられた上側端板部材において、シリンダに設けられたシリンダボアに対向する領域の径方向外側に弁座の外縁に沿うように第1凹部を設けて、その第1凹部の少なくとも弁座の外縁に隣接する領域において、上側端板部材のシリンダ側の平面から第1凹部の底面までの肉厚を、シリンダボアに対向する領域の径方向内側に弁座の外縁に沿うように設けられた第2凹部よりも薄くする。また、吐出口が設けられた下側端板部材において、シリンダに設けられたシリンダボアに対向する領域の径方向外側に弁座の外縁に沿うように第1凹部を設けて、その第1凹部の少なくとも一部において、下側端板部のシリンダ側の平面から第1凹部の底面までの肉厚を、シリンダボアに対向する領域の径方向内側に弁座の外縁に沿うように設けられた第2凹部よりも薄くする。これによって、弁体に油膜が接触しなくなるかあるいは接触する割合が低下し、弁体が弁座に張り付きにくくなる。これより、弁の開き遅れによる過圧縮損失を低減でき、圧縮効率を向上できる。
また、この発明の密閉型圧縮機は、
上側端板部材と仕切板に挟まれたシリンダ内にピストンが配置され、上記仕切板と下側端板部材に挟まれたシリンダ内にピストンが配置された密閉型圧縮機であって、
上記上側端板部材および上記下側端板部材に設けられた吐出口と、
上記上側端板部材および上記下側端板部材に、上記吐出口を囲むように突設された弁座と、
上記吐出口からの吐出ガスの圧力により開く弁体と
を備え、
上記吐出口が設けられた上記上側端板部材および上記下側端板部材において、上記シリンダに設けられたシリンダボアに対向する領域の径方向外側に上記弁座の外縁に沿うように第1凹部を設け、
上記第1凹部の少なくとも上記弁座の外縁に隣接する領域において、上記上側端板部材および上記下側端板部材の上記シリンダ側の平面から上記第1凹部の底面までの肉厚が、上記シリンダボアに対向する領域の径方向内側に上記弁座の外縁に沿うように設けられた第2凹部よりも薄いことを特徴とする。
上記構成によれば、吐出口が設けられた上側端板部材において、シリンダに設けられたシリンダボアに対向する領域の径方向外側に弁座の外縁に沿うように第1凹部を設けて、その第1凹部の少なくとも弁座の外縁に隣接する領域において、上側端板部材のシリンダ側の平面から第1凹部の底面までの肉厚を、シリンダボアに対向する領域の径方向内側に弁座の外縁に沿うように設けられた第2凹部よりも薄くする。また、吐出口が設けられた下側端板部材において、シリンダに設けられたシリンダボアに対向する領域の径方向外側に弁座の外縁に沿うように第1凹部を設けて、その第1凹部の少なくとも一部において、下側端板部のシリンダ側の平面から第1凹部の底面までの肉厚を、シリンダボアに対向する領域の径方向内側に弁座の外縁に沿うように設けられた第2凹部よりも薄くする。これによって、冷媒が吐出口から吐出される際、弁体に油膜が接触しなくなるかあるいは接触する割合が低下し、弁体が弁座に張り付きにくくなる。これより、弁の開き遅れによる過圧縮損失を低減でき、圧縮効率を向上できる。
また、一実施形態の密閉型圧縮機では、
上記第1凹部の全部において、上記第2凹部よりも肉厚が薄い。
上記実施形態によれば、第1凹部の全部において、上記第2凹部よりも肉厚を薄くすることによって、油膜により弁体が弁座に張り付くことをより低減できる。
また、一実施形態の密閉型圧縮機では、
上記弁体は、上記弁座に当接して上記吐出口を閉じるための上記弁座よりも外形の大きい先端部を有し、
上記上側端板部材および/または上記下側端板部材に設けられた上記第1凹部のうち、少なくとも上記弁体の上記先端部に対向する領域の肉厚が、上記第2凹部よりも薄い。
上記実施形態によれば、上側端板部材および/または下側端板部材に設けられた第1凹部のうち、少なくとも弁体の先端部に対向する領域の肉厚を、第2凹部よりも薄くすることによって、油膜により弁体が弁座に張り付くことを確実に低減できる。
以上より明らかなように、この発明によれば、弁の開き遅れによる過圧縮損失を低減でき、圧縮効率を向上できる密閉型圧縮機を実現することができる。
図1はこの発明の第1実施形態の密閉型圧縮機の一例としてのロータリー圧縮機の縦断面図である。 図2は上記ロータリー圧縮機の圧縮機構部の上面図である。 図3は上記圧縮機構部の弁体を外した状態の上面図である。 図4は図3のIV−IV線から見た要部断面図である。 図5は上記圧縮機構部のシリンダとピストンの上面図である。 図6Aは図2のVI−VI線から見た弁体が閉じた状態の要部断面図である。 図6Bは図2のVI−VI線から見た弁体が開いた状態の要部断面図である。 図7Aは上記圧縮機構部の要部の断面模式図である。 図7Bは上側端板部材の厚さを薄くした圧縮機構部の要部の断面模式図である。 図7Cは上記圧縮機構部の要部の断面模式図である。 図8はこの発明の第2実施形態の密閉型圧縮機の一例としてのロータリー圧縮機の圧縮機構部の上面図である。 図9は従来の密閉型圧縮機の圧縮機構部の上面図である。 図10Aは図9のX−X線から見た断面であって弁体が閉じた状態の要部断面図である。 図10Bは図9のX−X線から見た断面であって弁体が開きかけた状態の要部断面図である。
以下、この発明の密閉型圧縮機を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1はこの発明の第1実施形態の密閉型圧縮機の一例としてのロータリー圧縮機の縦断面図を示している。この第1実施形態のロータリー圧縮機は、2シリンダ構成のロータリー圧縮機である。
この第1実施形態のロータリー圧縮機は、図1に示すように、密閉容器1と、この密閉容器1内に配置された圧縮機構部2と、密閉容器1内に配置され、圧縮機構部2を駆動軸12を介して駆動するモータ3とを備えている。
このロータリー圧縮機は、いわゆる2シリンダ構成のロータリー圧縮機である。上記ロータリー圧縮機は、密閉容器1内の下側に、圧縮機構部2を配置し、その圧縮機構部2の上側にモータ3を配置している。このモータ3は、密閉容器1の内側に固定された環状のステータ5と、そのステータ5の内側に配置され、駆動軸12に固定されたロータ6とを有する。このロータ6によって、駆動軸12を介して、圧縮機構部2を駆動するようにしている。
上記圧縮機構部2は、アキュームレータ(図示せず)から吸入管11A,11Bを通して冷媒ガスを吸入する。この冷媒ガスは、このロータリー圧縮機とともに、冷凍システムの一例としての空気調和機を構成する図示しない凝縮器、膨張機構、蒸発器を制御することによって得られる。
上記ロータリー圧縮機は、圧縮した高温高圧の冷媒ガス(吐出ガス)を、圧縮機構部2から吐出して密閉容器1の内部に満たすと共に、モータ3のステータ5とロータ6との間の隙間を通して、モータ3を冷却した後、モータ3の上側に設けられた吐出管13から外部に吐出するようにしている。
上記密閉容器1内の高圧領域の下部には、潤滑油が溜められた油溜まり部9が形成されている。この潤滑油は、油溜まり部9から、駆動軸12に設けられた油通路(図示せず)を通って、圧縮機構部2の摺動部に移動して、この摺動部を潤滑する。
上記圧縮機構部2は、密閉容器1の内面に取り付けられた上側端板部材50(フロントヘッド)と、その上側端板部材50の下側に取り付けられたシリンダ21Aと、このシリンダ21Aの下側の開口端に取り付けられた仕切板60(ミドルプレート)とを備える。上記シリンダ21Aと上側端板部材50と仕切板60によって、シリンダ室22Aを形成する。
また、上記圧縮機構部2は、仕切板60の下側に取り付けられたシリンダ21Bと、このシリンダ21Bの下側の開口端に取り付けられた下側端板部材70(リアヘッド)とを備える。上記シリンダ21Bと仕切板60と下側端板部材70とによって、シリンダ室22Bを形成する。
上記上側端板部材50は、円板状の本体部51と、この本体部51の中央に上方へ設けられたボス部52とを有する。本体部51およびボス部52は、駆動軸12が挿通されている。
上記本体部51には、シリンダ室22Aに連通する吐出口53(図2に示す)が設けられている。上記本体部51に関してシリンダ21Aと反対側に位置するように、本体部51に吐出弁(図示せず)が取り付けられている。この吐出弁は、弁体が板バネ状のリード弁であり、吐出口53(図2,図3に示す)を開閉する。
上記本体部51の上側には、吐出弁を覆うようにカップ型のマフラカバー40が取り付けられている。このマフラカバー40は、ボルト(図示せず)などによって本体部51に固定されている。上記マフラカバー40は、ボス部52が挿通されている。
上記マフラカバー40および上側端板部材50によって、マフラ室42を形成する。上記マフラ室42とシリンダ室22Aとは、吐出口53(図2に示す)を介して連通されている。
上記マフラカバー40は、マフラ室42とマフラカバー40の外側とを連通する孔部(図示せず)を有する。
また、上記下側端板部材70は、円板状の本体部71と、この本体部71の中央に下方へ設けられたボス部72とを有する。上記本体部71およびボス部72は、駆動軸12が挿通されている。
上記本体部71には、シリンダ室22Bに連通する吐出口(図示せず)が設けられている。上記本体部71に、吐出口(図示せず)を開閉する吐出弁(図示せず)を取り付けている。この吐出弁は、弁体が板バネ状のリード弁であり、吐出口を開閉する。
このようにして、駆動軸12の一端部は、上側端板部材50および下側端板部材70に支持されている。上記駆動軸12の一端部(支持端側)は、シリンダ室22A,22Bの内部に挿入されている。
上記駆動軸12の支持端側には、圧縮機構部2側のシリンダ室22A,22B内に位置するように、偏心軸部26A,26Bを設けている。この偏心軸部26Aは、ピストン29Aのローラ27Aに嵌合し、偏心軸部26Bは、ピストン29Bのローラ27Bに嵌合している。このピストン29A,29Bは、シリンダ室22A,22B内で公転可能に夫々配置され、このピストン29A,29Bの公転運動で圧縮作用を行う。
図2は上記ロータリー圧縮機の圧縮機構部2の上面図を示している。図2において、図1と同一の構成部には同一参照番号を付している。
図2に示すように、上側端板部材50(フロントヘッド)に円形の吐出口53が設けられ、この吐出口53を開閉する弁体100を取り付けている。この弁体100は、吐出口53を覆う円板状の先端部100aと、先端部100aから延びるアーム部100bと、アーム部100bの端に連なり、上側端板部材50に固定された基部100cを有する。上記上側端板部材50には、図示しない弁押さえを弁体100と共に取り付けている。この弁押さえは、弁体100がガス冷媒の吐出圧力により開くときの開度を制限して、弁体100の開き過ぎを防止するようになっている。
図3は上記圧縮機構部2の弁体100を外した状態の上面図を示している。図3において、図2と同一の構成部には同一参照番号を付している。
図3に示すように、上側端板部材50に吐出口53を囲むように環状の弁座101を突設している。この弁座101に対して、差圧により弁体100の円板状の先端部100a(図2に示す)が当接して、吐出口53を閉じる。上記弁体100と弁座101と弁押さえで吐出弁を構成している。
そして、シリンダ21Aに設けられたシリンダボア110に対向する領域の径方向外側に弁座101の外縁に沿うように、その弁座101の外縁に隣接する半円弧状の第1凹部102(斜線部の領域)を設けている。また、シリンダ21Aに設けられたシリンダボア110に対向する領域の径方向内側に弁座101の外縁に沿うように、半円弧状の第2凹部103を設けている。第1凹部102と第2凹部103で環状の溝を形成している。
この第1凹部102の底面は、第2凹部103の底面よりも深い。図3において、上側端板部材50においてシリンダボア110に対向する領域の最も薄肉の領域は、シリンダボア110に対向する領域内の弁座101近傍に設けられた第2凹部103である。
図4は図3のIV−IV線から見た要部断面図を示している。第1凹部102の底面は、シリンダボア110(図2,図3に示す)に対向する領域の最も薄肉の第2凹部103の底面よりも深い。すなわち、図4において、上側端板部材50のシリンダ側の平面(フェース面50a)から第1凹部102の底面までの肉厚D1が、上側端板部材50のシリンダ側の平面(フェース面50a)から第2凹部103の底面までの肉厚D2よりも薄くなっている。
図5は上記圧縮機構部2のシリンダ21Aとピストン29Aの上面図を示している。
このロータリー圧縮機は、図5に示すように、ローラ27Aとブレード28Aが一体に設けられたピストン29Aを備え、上側端板部材50,仕切板60(図1に示す)に挟まれたシリンダ21A内においてピストン29Aが揺動する。上記ピストン29Aのブレード28Aによってシリンダ室22A内を仕切っている。すなわち、ブレード28Aの右側の室は、吸入管11Aがシリンダ室22Aの内面に開口して、吸入室22Aaを形成している。一方、ブレード28Aの左側の室は、吐出口53がシリンダ室22Aの内面に開口して、圧縮室22Abを形成している。
上記ブレード28Aとブッシュ25A,25Aとの間は、潤滑油で潤滑される。上記ブッシュ25A,25Aによりブレード28Aを両側から挟んで進退可能に支持している。このブレード28Aは、シリンダ21Aに設けられた背面空間120に出没する。
そして、偏心軸部26Aが駆動軸12と共に偏心回転して、偏心軸部26Aに嵌合したローラ27Aが、このローラ27Aの外周面をシリンダ室22Aの内周面に接しながら公転する。
上記ローラ27Aがシリンダ室22A内で公転するのに伴って、吸入管11Aから低圧の冷媒ガスを吸入室22Aaに吸入して、圧縮室22Abで圧縮して高圧にした後、吐出口53から高圧の冷媒ガスを吐出する。
その後、吐出口53から吐出された冷媒ガスは、図1に示すマフラ室42を経由して、マフラカバー40の外側に排出される。
なお、このロータリー圧縮機は、図1に示すように、ローラ27Bとブレード28Bが一体に設けられたピストン29Bを備え、ローラ27Aとブレード28Aが一体に設けられたピストン29Aと同様の構成をしており、仕切板60,下側端板部材70(図1に示す)に挟まれたシリンダ21B内においてピストン29Bが揺動する。
図6Aは図2のVI−VI線から見た弁体100が閉じた状態の要部断面図を示しており、図6Bは図2のVI−VI線から見た弁体100が開いた状態の要部断面図を示している。図6A,図6Bにおいて、図2と同一の構成部には同一参照番号を付している。
図6A,図6Bに示すように、本実施形態のロータリー圧縮機では、第1凹部102が深く形成されるため、第1凹部102に形成された油膜と弁体100との隙間が広がり、
開閉動作を繰り返す弁体100に油膜が接触しなくなるかあるいは接触する割合が低下し、油膜により弁体100が弁座101に張り付くことを低減できる。これより、冷凍機油の粘着力により弁体100が開きにくくなることを抑制できる。
したがって、上記ロータリー圧縮機によれば、弁体100の開き遅れによる過圧縮損失を低減でき、圧縮効率を向上できる。また、上側端板部材および/または下側端板部材に形成された第1凹部の少なくとも一部を深く加工することによって、新たな部材を増やすことなく、圧縮効率を容易に向上できると共に、上側端板部材と下側端板部材に挟まれたシリンダ内にピストンが配置された構成の様々なタイプの密閉型圧縮機に適用することが可能である。
次に、上側端板部材50の厚さと変形量について説明する。
図7Aは圧縮機構部2の要部の断面模式図を示しており、上側端板部材50と仕切板60との間に挟まれたシリンダ21Aのシリンダ室22A内(シリンダボア110の内側)にピストン29Aが配置されている。従来の場合は、密閉容器1内の高圧とシリンダ室22A内の圧力との差圧により上側端板部材50がシリンダ室22A側に変形する(図7Aの点線で示す)。
ここで、上側端板部材50の厚さt1から厚さt2に薄くすると、図7Bに示すように、圧縮機構部2の上方の高圧側からの圧力による上側端板部材50の変形量(図7Bの点線で示す)が大きくなり、上側端板部材50のフェース面とピストン29Aの上端面とが接触して損傷する場合がある。例えば、上側端板部材50のフェース面とピストン29Aの上端面との間隔は、数μm〜十数μmとしている(端板部材60のフェース面とピストン29Aの下端面との間隔も同様)。
そこで、図7Cに示すように、シリンダボア110の径方向外側のみを厚さt2のように薄くし、上側端板部材50の主たる部分の厚さをt1のままにすることで、上側端板部材50のシリンダ室22A側への変形量は図7Aの状態から変化しない。
このように、シリンダ21Aの上端面に当接する上側端板部材50の第1凹部102(図4に示す)の部分を薄肉にしても、すなわち、第1凹部102の底面を、シリンダボア110に対向する領域の最も薄肉の第2凹部103の底面よりも深くしても、上側端板部材50の変形量が大きくならないようにできる。したがって、上側端板部材50のフェース面とピストン29Aの上端面とが接触しない。
上記構成のロータリー圧縮機において、本発明者が実施した実験では、第1凹部102の深さを0.3mm深くすることによって、成績係数COP(Coefficient Of Performance)が0.3ポイント向上することを確認した。
また、上記実施形態の密閉型圧縮機では、上側端板部材50(上側端板部材)に設けられた第1凹部102の全部を、第2凹部103よりも深くすることによって、弁体100が油膜によって弁座101に張り付くことをより広い範囲で防止できる。
また、上記弁体100の先端部100aは、弁座101よりも外形が大きく、上側端板部材50に設けられた凹部のうち、少なくとも弁体100の先端部100aに対向する領域(第1凹部102)を、シリンダボア110の内側領域の最も薄肉の領域の表面(第2凹部102)よりも深くしている。これによって、弁体100が油膜によって弁座101に張り付くことを確実に低減できる。
〔第2実施形態〕
図8はこの発明の第2実施形態の密閉型圧縮機の一例としてのロータリー圧縮機の圧縮機構部の上面図を示している。
この発明の第2実施形態のロータリー圧縮機は、シリンダボア110に対向する領域の径方向外側かつ弁座101(吐出口53を含む)を除く領域に第1凹部202を設けている。
すなわち、第1実施形態のロータリー圧縮機において、シリンダ21Aに設けられたシリンダボア110に対向する領域の径方向外側に、弁座101の外縁に沿うようにその外縁に隣接する領域に設けられた半円弧状の第1凹部102に比べて、さらに広い第1凹部202を設け、第1凹部202の深さをシリンダボア110の内側領域の最も薄肉の領域(第2凹部103)より深くしたものである。
この第2実施形態の場合も、弁体100の開き遅れによる過圧縮損失を低減でき、圧縮効率を向上できる。
上記第1,第2実施形態では、密閉型圧縮機としてのロータリー圧縮機について説明したが、この発明の密閉型圧縮機はこれに限らず、スクロール圧縮機などの他の密閉型圧縮機にこの発明を適用してもよい。
また、上記第1,第2実施形態では、2シリンダ構造の密閉型圧縮機について説明したが、1シリンダ構造の密閉型圧縮機にこの発明を適用してもよい。
この発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記第1,第2実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。
1…密閉容器
2…圧縮機構部
3…モータ
5…ステータ
6…ロータ
7…ハウジング
9…油溜まり部
11A,11B…吸入管
12…駆動軸
13…吐出管
21A,21B…シリンダ
22A,22B…シリンダ室
22Aa…吸入室
22Ab…圧縮室
25A,25A…ブッシュ
26A,26B…偏心軸部
27A,27B…ローラ
28A,28B…ブレード
29A,29B…ピストン
40…マフラカバー
42…マフラ室
50…上側端板部材
50a…フェース面
51…本体部
51a…吐出口
52…ボス部
60…仕切板
70…下側端板部材
71…本体部
72…ボス部
100…弁体
100a…先端部
100b…アーム部
100c…基部
101…弁座
102,202…第1凹部
103…第2凹部
110…シリンダボア
120…背面空間

Claims (4)

  1. 上側端板部材と下側端板部材に挟まれたシリンダ内にピストンが配置された密閉型圧縮機であって、
    上記上側端板部材および/または上記下側端板部材に設けられた吐出口と、
    上記上側端板部材および/または上記下側端板部材に、上記吐出口を囲むように突設された弁座と、
    上記吐出口からの吐出ガスの圧力により開く弁体と
    を備え、
    上記吐出口が設けられた上記上側端板部材および/または上記下側端板部材において、上記シリンダに設けられたシリンダボアに対向する領域の径方向外側に上記弁座の外縁に沿うように第1凹部を設け、
    上記第1凹部の少なくとも上記弁座の外縁に隣接する領域において、上記上側端板部材および/または上記下側端板部材の上記シリンダ側の平面から上記第1凹部の底面までの肉厚が、上記シリンダボアに対向する領域の径方向内側に上記弁座の外縁に沿うように設けられた第2凹部よりも薄いことを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 上側端板部材(50)と仕切板(60)に挟まれたシリンダ(21A)内にピストン(29A)が配置され、上記仕切板(60)と下側端板部材(70)に挟まれたシリンダ(21B)内にピストン(29B)が配置された密閉型圧縮機であって、
    上記上側端板部材(50)および上記下側端板部材(70)に設けられた吐出口(53)と、
    上記上側端板部材(50)および上記下側端板部材(70)に、上記吐出口(53)を囲むように突設された弁座(101)と、
    上記吐出口(53)からの吐出ガスの圧力により開く弁体(100)と
    を備え、
    上記吐出口(53)が設けられた上記上側端板部材(50)および上記下側端板部材(70)において、上記シリンダ(21A,21B)に設けられたシリンダボア(110)に対向する領域の径方向外側に上記弁座(101)の外縁に沿うように第1凹部(102,202)を設け、
    上記第1凹部(102,202)の少なくとも上記弁座(101)の外縁に隣接する領域において、上記上側端板部材(50)および上記下側端板部材(70)の上記シリンダ(21A,21B)側の平面から上記第1凹部(102,202)の底面までの肉厚が、上記シリンダボア(110)に対向する領域の径方向内側に上記弁座(101)の外縁に沿うように設けられた第2凹部(103)よりも薄いことを特徴とする密閉型圧縮機。
  3. 請求項1または2に記載の密閉型圧縮機において、
    上記第1凹部(102,202)の全部において、上記第2凹部(103)よりも肉厚が薄いことを特徴とする密閉型圧縮機。
  4. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の密閉型圧縮機において、
    上記弁体(100)は、上記弁座(101)に当接して上記吐出口(53)を閉じるための上記弁座(101)よりも外形の大きい先端部(100a)を有し、
    上記上側端板部材(50)および/または上記下側端板部材(70)に設けられた上記第1凹部(102,202)のうち、少なくとも上記弁体(100)の上記先端部(100a)に対向する領域の肉厚が、上記第2凹部(103)よりも薄いことを特徴とする密閉型圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111287943A (zh) * 2018-12-06 2020-06-16 上海海立电器有限公司 压缩机

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