JPH0547469U - ローリングピストン型圧縮機 - Google Patents

ローリングピストン型圧縮機

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JPH0547469U
JPH0547469U JP9742491U JP9742491U JPH0547469U JP H0547469 U JPH0547469 U JP H0547469U JP 9742491 U JP9742491 U JP 9742491U JP 9742491 U JP9742491 U JP 9742491U JP H0547469 U JPH0547469 U JP H0547469U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 クランク軸のピン部とローラとの摺動面積の
縮小と、ローラ周辺における隙間の拡大の防止とを両立
できる構成を得る。 【構成】 ローラ(6)にクランク軸(3b)の回転力
を伝達するピン部(12)を、第1ピン(12a)と第
2ピン(12b)とで成す。第1ピン(12a)を、ロ
ーラ(6)の上端面近傍位置におけるローラ(6)の内
周面に接触させる。一方、第2ピン(12b)を、ロー
ラ(6)の下端面近傍位置におけるローラ(6)の内周
面に接触させる。これにより、ピン部(12)とローラ
(6)との摺動面積を小さくしながら、ローラ(6)の
水平状態の維持を図ることができ、摺動による機械損失
の低減と高圧冷媒の漏れの抑制とが図れ、圧縮機効率が
大幅に向上できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ローリングピストン型圧縮機に係り、特に、ローラ周辺部における 流体漏れ防止対策の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷凍機等に設けられる圧縮機の1タイプとして、例えば、特開昭63 −167095号公報に示されるようなローリングピストン型圧縮機が知られて いる。この種の圧縮機は、ケーシング内に、電動モータと該電動モータにクラン ク軸を介して連繋された圧縮機本体とが収納されて構成されている。そして、前 記圧縮機本体は、図6に示すように、シリンダ(a)内に、ローリングピストン としてのローラ(b)が配設されていると共に、シリンダ(a)の上下各端面に フロントヘッド(c)及びリヤヘッド(d)が取付けられており、前記シリンダ (a)の内周面とローラ(b)の外周面との間に図示しない圧縮室が形成されて いる。また、前記電動モータから延びるクランク軸(e)には、該クランク軸( e)の軸心から偏心されて、図6に仮想線で示すように、高さ寸法がローラ(b )と略一致されたピン部(f1)が一体形成されており、このピン部(f1)が 前記ローラ(b)の中央部に嵌入されていることにより、このローラ(b)が前 記シリンダ(a)に対して偏心して配設されている。これによって、ローラ(b )は、その外周面の一部がシリンダ(a)の内周面に当接するようになっている 。更に、前記シリンダ(a)には、流体の吸入路及び吐出路が形成されていると 共に、この吸入路と吐出路との間には、ブレード(g)が圧縮室内に出没自在と なるように設けられており、このブレード(g)の先端面がローラ(b)の外周 面に当接されていることによって前記圧縮室を高圧室と低圧室とに区画している 。
【0003】 そして、この圧縮機の駆動時には、クランク軸(e)の回転が、ピン部(f1 )からローラ(b)に伝達されて、このローラ(b)のシリンダ(a)内での回 転により圧縮室の容積を変化させることによって、冷媒等の流体を圧縮室内に流 入し、この流体を圧縮した後、吐出路から吐出するようにしている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなローリングピストン型圧縮機の運転状態にあっては 、クランク軸(e)のピン部(f1)の外周面がローラ(b)の内周面に常に接 触した状態で、この両者(b),(f1)が互いに摺動するようになっているた めに、この摺動による機械損失が大きく圧縮機効率の低下に繋っていた。このた め、予てより、この摺動による機械損失を低減できる構成が要求されていた。
【0005】 この点に鑑み、図4に実線で示す如く、ピン部(f2)の高さ寸法を小さくし て該ピン部(f2)の外周面とローラ(b)の内周面との摺動面積を縮小させて 前記機械損失の低減を図ることが考えられるが、このような構成では、水平状態 で安定したローラ(b)の回転が行われ難く、各部において圧縮流体の漏れが生 じてしまうといった新たな不具合が生じてしまうことになる。つまり、ピン部( f2)の高さ寸法が小さいために、ローラ(b)を水平状態に支持するための支 持面積が小さくなってしまい、これによって、ローラ(b)が回転中に傾いて図 6に寸法(t1)で示すようなローラ(b)の上端面とフロントヘッド(c)と の間の隙間、寸法(t2)で示すようなローラ(b)の下端面とリヤヘッド(c )との間の隙間、寸法(t3)で示すようなローラ(b)の外周面とシリンダ( a)の内周面との間の隙間等が大きくなってオイルによるシールができなくなっ てしまうといった状況が発生する。従って、この各隙間(t1),(t2),( t3)により流体が高圧側から低圧側に漏れてしまい、所定の圧縮動作が行われ ず、圧縮機効率が著しく低下してしまうといった課題がある。
【0006】 本考案は、これらの点に鑑みてなされたものであって、前記ピン部(f2)と ローラ(b)との摺動面積の縮小と、ローラ(b)周辺における隙間の拡大の防 止という両立し難い要求を両立させることができる構成を得ることを目的とする 。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本考案は、ピン部を複数段の薄肉のピンによって 構成して、ピン部とローラとの摺動面積を縮小しつつ、各ピンによりローラの両 端面近傍部分の位置決めを行ってローラが回転中に傾かないようにした。具体的 に、請求項1記載の考案は、ケーシング(2)内に、駆動手段(3)と該駆動手 段(3)に連繋された圧縮手段(4)とを収容し、前記圧縮手段(4)を、シリ ンダ(5)内にローラ(6)を収容すると共に前記シリンダ(5)の両端面にヘ ッド部(7),(8)を配設形成して前記シリンダ(5)の内周面とローラ(6 )の外周面との間に圧縮室(9)を形成して成す。また、前記ローラ(6)に、 前記駆動手段(3)の駆動軸(3b)の軸心から所定方向に偏心して形成された 偏心部(12)を挿入することにより、ローラ(6)をシリンダ(5)に対して 偏心させ、ローラ(6)外周面の一部をシリンダ(5)内周面に当接するように する。そして、前記シリンダ(5)に、前記圧縮室(9)に出没自在とされたブ レード(11)を配設して、該ブレード(11)の先端面を前記ローラ(6)の 外周面に当接させて、前記圧縮室(9)を低圧室(9a)と高圧室(9b)とに 区画する。更に、前記圧縮室(9)に、流体の吸入路(5a)及び吐出路(5d )を接続し、前記駆動手段(3)の駆動に伴なってローラ(6)がシリンダ(5 )内で回転して、前記吸入路(5a)から圧縮室(9)内へ流体を吸入して該流 体を圧縮するように構成したローリングピストン型圧縮機を前提としている。そ して、前記偏心部(12)を、前記駆動軸(3b)の延長方向に所定間隔を存し て配設された複数の偏心板(12a),(12b),…によって成し、前記各偏 心板(12a),(12b),…のうち駆動軸(3b)延長方向の両外側に位置 する偏心板(12a),(12b)の一方の偏心板(12a)を前記ローラ(6 )の一端面周辺部に位置させる一方、他方の偏心板(12b)を前記ローラ(6 )の他端面周辺部に位置させるような構成とした。
【0008】 また、請求項2記載の考案は、前記請求項1記載のローリングピストン型圧縮 機において、偏心板(12a),(12b),…を、高圧室(9b)内が高圧状 態となった際に該高圧室(9b)に対向する部分の板厚寸法を他の部分の板厚寸 法よりも大きく設定するような構成とした。
【0009】
【作用】
上記構成により、本考案では、以下に述べるような作用が得られる。請求項1 記載の考案では、駆動手段(3)の駆動に伴ない、圧縮手段(4)のローラ(6 )がシリンダ(5)内で回転し、これによって吸入路(5a)を経て圧縮室(9 )内に流体を流入し該流体を圧縮する。その後、この圧縮された流体を吐出路( 5d)から吐出する。このような運転状態において、偏心板(12a),(12 b),…の外周面とローラ(6)の内周面とは相対的に摺動しながら、この偏心 板(12a),(12b),…によって構成される偏心部(12)からローラ( 6)へ回転力が伝達されている。そして、この偏心板(12a),(12b), …のうち駆動軸(3b)延長方向の両外側に位置する偏心板(12a),(12 b)は、ローラ(6)の両端面を支持しているために、ローラ(6)は傾くこと なしに回転され、該ローラ(6)周辺における隙間が大きくなって流体が漏れる ようなことがなくなる。また、各偏心板(12a),(12b)の外周面とロー ラ(6)の内周面との接触面積の総和が縮小されているために、この両者間の摺 動による機械損失が小さくなっている。
【0010】 また、請求項2記載の考案では、圧縮機運転時において、高圧室(9b)内が 高圧状態となると、該高圧室(9b)内の流体圧によってローラ(6)が偏心部 (12)に向って強圧される。この際、この高圧室(9b)に対向する各偏心板 (12a),(12b)の板厚寸法が大きく設定されているために、この各偏心 板(12a),(12b)によりこの圧力を十分に受止めることができ、安定し た運転状態を得ることができる。
【0011】
【実施例】
(第1実施例) 次に、請求項1記載の考案に係る第1実施例を図面に基づいて説明する。図1 に示すように、本考案に係るローリングピストン型圧縮機(1)は、ケーシング (2)内に駆動手段(3)と圧縮手段としての圧縮機本体(4)とが収納されて 構成されている。
【0012】 駆動手段(3)は、電動モータ(3a)と駆動軸としてのクランク軸(3b) とから成っている。電動モータ(3a)は、ケーシング(2)の内部空間(2a )の上部に配設され、該ケーシング(2)の内周面に固着されたステータ(3c )と、該ステータ(3c)の中央部に配設されたロータ(3d)とによって構成 されている。クランク軸(3b)は、その上端部が前記ロータ(3d)の中央部 に接続されていると共に、下端部が下方へ延長されて前記圧縮機本体(4)に連 繋されている。また、ケーシング(2)内の底部には潤滑油(O)が貯留されて おり、前記クランク軸(3b)の下端は、この潤滑油(O)に浸漬されている。 そして、このクランク軸(3b)の下端には遠心ポンプ(3e)が配設されてい ると共に、クランク軸(3b)内には上下方向に延びる図示しない給油路が貫通 形成されていて、圧縮機(1)の駆動時には、遠心ポンプ(3e)によって、潤 滑油(O)が給油路に汲上げられた後、圧縮機(1)の各摺動部分に供給される ようになっている。
【0013】 一方、圧縮機本体(4)は、固定翼形であって、前記電動モータ(3a)の下 方に配設されている。この圧縮機本体(4)は、図1及び図2に示すように、前 記ケーシング(2)の内壁に固着された円筒状のシリンダ(5)内に、ローラ( 6)が収容されていると共に、前記シリンダ(5)の上端面にヘッド部としての フロントヘッド(7)が、下端面に同じくヘッド部としてのリヤヘッド(8)が 夫々取付けられており、このフロントヘッド(7)及びリヤヘッド(8)によっ てシリンダ(5)の内周面とローラ(6)の外周面との間には圧縮室(9)が形 成されている。また、前記フロント及びリヤヘッド(7),(8)には前記クラ ンク軸(3b)の径と略同径に形成されて上下方向に延びる貫通孔(7a),( 8a)が形成され、この貫通孔(7a),(8a)にクランク軸(3b)がメタ ルシール等を介して回転自在に支持されている。また、前記シリンダ(5)には 圧縮室(9)に開口する冷媒の吸入路(5a)が形成されており、該吸入路(5 a)には図示しないアキュームレータから延びる吸入管(10)が連結されてい る。一方、前記ローラ(6)の中央部には、クランク軸(3b)と一体形成され 、該クランク軸(3b)の軸心に対して所定方向に偏心されて成る本考案の特徴 とする部材である偏心部としてのピン部(12)が嵌入されている(詳細は後述 する)。これにより、前記ローラ(6)はシリンダ(5)に対して偏心して設け られ、該ローラ(6)の外周面の一部がシリンダ(5)の内周面に常に接するよ うになっている。
【0014】 そして、前記シリンダ(5)における前記吸入路(5a)の配設位置近傍には 、ブレード溝(5b)が形成されている。該ブレード溝(5b)は、シリンダ( 5)の半径方向に延びていると共に、該シリンダ(5)の上下両端面に貫通し、 且つ、その外周側は前記ケーシング(2)の内部空間(2a)と連通されている 。そして、このブレード溝(5b)には、ブレード(11)が、シリンダ(5) 内に出没自在に挿通されている。該ブレード(11)は、その背面(11a)と 前記ブレード溝(5b)との間に配設されているスプリング(13)の付勢力及 びケーシング(2)の内部空間(2a)の流体圧が前記背面(11a)に作用さ れるようになっていることにより、その先端面がローラ(6)の外周面に押圧さ れ、前記圧縮室(9)を低圧室(9a)と高圧室(9b)とに区画している。
【0015】 また、前記ブレード(11)の配設位置よりも高圧室(9b)側には吐出路( 5d)が設けられている。この吐出路(5d)は、一端がシリンダ(5)の内周 面に開口されており、この開口部分には高圧室(9b)内の圧力上昇に伴なって 開放可能な図示しないリード弁が設けられている。一方、この吐出路(5d)の 他端は、前記ケーシング(2)の内部空間(2a)に開口されている。そして、 前記ケーシング(2)の上面には図示しない凝縮器へ繋がる吐出管(14)が接 続されており、圧縮機本体(4)から吐出された高温高圧の冷媒は、この吐出管 (14)から凝縮器側へ導出されるようになっている。このような構成により、 圧縮機駆動時には、電動モータ(3a)の駆動によるクランク軸(3b)の回転 に伴なって、ローラ(6)がシリンダ(5)内で回転して各圧縮室(9a),( 9b)を収縮するようになっている。
【0016】 次に、本例の特徴とする構成について説明する。本例の特徴とする構成は、上 述した如く、前記クランク軸(3b)に一体形成されているピン部(12)の構 成にある。図1及び図3に示すように、このピン部(12)は、クランク軸(3 b)の延長方向、つまり図1及び図3における上下方向に所定間隔を存して併設 された本考案でいう偏心板としての第1ピン(12a)と第2ピン(12b)と で成っている。第1ピン(12a)は、前記ローラ(6)の上端面近傍位置にお けるローラ(6)の内部に配設されており、その外周面がローラ(6)の内周面 に接触するように配設されている。一方、第2ピン(12b)は、前記ローラ( 6)の下端面近傍位置におけるローラ(6)の内部に配設されており、前記第1 ピン(12a)と同方向に偏心されており、その外周面がローラ(6)の内周面 に接触するように配設されている。このような構成により、ローラ(6)は、そ の上下両端面近傍位置でもって第1ピン(12a)及び第2ピン(12b)によ り支持されており、その水平状態の維持が図れるようになっている。つまり、こ のようなピン部(12)の構造によって、従来のようにローラ(6)の上端面近 傍位置から下端面近傍位置に亘る高さ寸法を有するピン部と同様の支持機能を発 揮するように成っているばかりでなく、ローラ(6)の内周面との接触面積の総 和が小さくなるような構成とされている。尚、図3における(15)は、前記遠 心ポンプ(3e)によって供給される潤滑油(O)の供給孔である。
【0017】 次に、このローリングピストン型圧縮機(1)の運転時について説明する。先 ず、電動モータ(3a)を駆動すると、この駆動力がクランク軸(3b)のピン 部(12)を介して圧縮機本体(4)のローラ(6)に伝達し、該ローラ(6) がシリンダ(5)内で圧縮室(9)を収縮するように回転する。これにより、冷 媒ガスが吸入管(10)より吸入路(5a)を経て圧縮機本体(4)の低圧室( 9a)に流入する。その後、前記ローラ(6)の回転に伴い、低圧室(9a)が 高圧室(9b)となるに従って、冷媒ガスを圧縮し、この冷媒ガスの圧力が所定 値に達すると、この圧力によって前記リード弁が開放し、高圧状態の冷媒ガスが 吐出路(5d)からケーシング(2)の内部空間(2a)へ吐出し、その後、吐 出管(14)によって凝縮器側に導出される。このような運転状態において、ケ ーシング(2)の内部空間(2a)は高圧雰囲気となっている。また、前記クラ ンク軸(3b)の回転に伴って遠心ポンプ(3e)によって給油路に汲上げられ た潤滑油(O)は、圧縮機(1)内の各摺動部分に供給されて、その各部の潤滑 を行う。
【0018】 このような運転状態において、第1及び第2ピン(12a),(12b)の外 周面とローラ(6)の内周面とは相対的に摺動しながら回転力が伝達されること になる。この際、第1及び第2ピン(12a),(12b)は、夫々ローラ(6 )の上下両端面近傍位置を支持してローラ(6)が水平状態を保ちながら回転で きるようにしているために、ローラ(6)が傾いて(図6参照)、該ローラ(6 )の上下各端面とフロント及びリヤヘッド(7),(8)との間の隙間や、ロー ラ(6)の外周面とシリンダ(5)の内周面との間の隙間が大きくなるようなこ とが抑制され、この各隙間は潤滑油(O)により確実にシールされて、所定の圧 縮動作を行わせることができる。また、各ピン(12a),(12b)の高さ寸 法は小さくなっているために、この各ピン(12a),(12b)の外周面とロ ーラ(6)の内周面との接触面積の総和が小さくなっており、これによって、こ の両者間の摺動による機械損失が小さくなっている。
【0019】 従って、従来の構成では両立し得なかったローラ(6)周辺における高圧側か ら低圧側への冷媒漏れの抑制と、摺動による機械損失の抑制との両立を簡単な構 成で得ることができ、この両者が相俟って圧縮機効率を大幅に向上することがで きる。
【0020】 (変形例) 次に、上述した第1実施例の変形例について説明する。本例は、ピン部(12 )の変形例であって、その他の構成は上述した第1実施例と同様であるために、 説明を省略し、本例の特徴とする構成のみについて述べるに止める。
【0021】 図4に示すように、本例のピン部(12)は、上述した第1実施例における第 1ピン(12a)及び第2ピン(12b)に加えて第3ピン(12c)が設けら れて成っている。第1ピン(12a)及び第2ピン(12b)は、上述した第1 実施例のものと略同様である(僅かに高さ寸法が小さく設定されているのみであ る)ために説明を省略する。そして、前記第3ピン(12c)は、前記第1ピン (12a)と第2ピン(12b)との中間位置に配設されており、第1ピン(1 2a)及び第2ピン(12b)と同方向に偏心されていて、その外周面がローラ (6)の内周面に接触するように配設されている。
【0022】 このような構成により、ローラ(6)は、その上下両端面近傍位置でもって第 1ピン(12a)及び第2ピン(12b)により支持されており、その水平状態 の維持が図れるようになっていると共に、第3ピン(12c)が、その補助的役 割を発揮することになってローラ(6)の水平状態の維持をより確実に行うこと ができる。
【0023】 尚、本例では、ピン(12a),(12b),(12c)を3箇所に設けるよ うにしたが、本考案は、これに限らず、4箇所以上に設けるような構成としても よい。但し、このピンを4箇所以上に設けるような構成として、ピン部(12) とローラ(6)との摺動面積を小さくしようとすると、ピン1個あたりの高さ寸 法をかなり小さくする必要があり、このような場合、ローラ(6)の内周面とピ ン部(12)の外周面との間に作用している油膜反力が十分に得られなくなるこ とも考えられるので、この油膜反力が十分に得られる範囲内でピンの個数及びそ の高さ寸法を設定する必要がある。
【0024】 (第2実施例) 次に、請求項2記載の考案に係る第2実施例について説明する。本例は、ピン 部(12)の変形例であって、その他の構成は上述した第1実施例と同様である ために、説明を省略し、本例の特徴とする構成のみについて述べるに止める。
【0025】 図5に示すように、本例のピン部(12)は、第1ピン(12a)及び第2ピ ン(12b)の一部分の高さ寸法が大きく形成されている。つまり、第1ピン( 12a)にあっては、圧縮機(1)の運転状態において前記高圧室(9b)内が 高圧状態となった際に該高圧室(9b)に対向する部分のみの下面(12d)が 傾斜部(12e)を経て僅かに下方へ移行されて、この部分の高さ寸法が僅かに 大きく設定(図5の寸法T1)されている。一方、第2ピン(12b)にあって は、圧縮機(1)の運転状態において前記高圧室(9b)内が高圧状態となった 際に該高圧室(9b)に対向する部分のみの上面(12f)が傾斜部(12g) を経て僅かに上方へ移行されて、この部分の高さ寸法が僅かに大きく設定(図5 の寸法T2)されている。
【0026】 このような構成により、圧縮機(1)の運転時において、高圧室(9b)内が 高圧状態となると、該高圧室(9b)内の流体圧によってローラ(6)がピン部 (12)に向って強圧されることになるが、この強圧される部分の各ピン(12 a),(12b)の高さ寸法が大きくなっているために、この圧力を十分に受止 めることができ、安定した運転状態を得ることができるようになっている。また 、そればかりでなく、前記各ピン(12a),(12b)に傾斜部(12e), (12g)を形成したことにより、第1ピン(12a)と第2ピン(12b)と の間に形成されている空間(S)が流体ノズルとして働き、この空間(S)に存 在している潤滑油の油圧が上昇されて、この圧力により図5に矢印で示すような 前記高圧室(9b)の冷媒圧力に対向する支持力を得ることができるようにもな っている。このため、ローラ(6)の内周面とピン部(12)との摺動による機 械損失が低減されて圧縮機効率の更なる向上が図れる。
【0027】 尚、上述した各実施例は空調機器に具備される圧縮機に関して述べたが本考案 は、これに限らず、種々の流体圧縮機に適用可能である。
【0028】
【考案の効果】
上述したように、本考案によれば以下に述べるような効果が発揮される。請求 項1記載の考案によれば、駆動軸(3b)の回転力をローラ(6)に伝達する偏 心部(12)を、前記駆動軸(3b)の延長方向に所定間隔を存して配設された 複数の偏心板(12a),(12b),…によって成し、前記各偏心板(12a ),(12b),…のうち駆動軸(3b)延長方向の両外側に位置する偏心板( 12a),(12b)の一方の偏心板(12a)を前記ローラ(6)の一端面周 辺部に位置させる一方、他方の偏心板(12b)を前記ローラ(6)の他端面周 辺部に位置させるような構成とし、前記偏心部(12)とローラ(6)との摺動 面積の総和を縮小して偏心部(12)とローラ(6)との摺動による機械損失を 低減させると共に、偏心板(12a),(12b),…によってローラ(6)の 両端面周辺部を支持することでローラ(6)の傾きを防止して該ローラ(6)周 辺における流体の漏れを抑制するようにしたために、従来の構成では両立し得な かった摺動による機械損失の抑制とローラ(6)周辺における流体漏れの抑制と の両立を簡単な構成で得ることができ、この両者が相俟って圧縮機効率の大幅な 向上を図ることができる。
【0029】 また、請求項2記載の考案によれば、偏心板(12a),(12b),…を、 高圧室(9b)内が高圧状態となった際に該高圧室(9b)に対向する部分の板 厚寸法を他の部分の板厚寸法よりも大きく設定するようにして、圧縮機運転時に おいて、高圧室(9b)内が高圧状態となった際に、各偏心板(12a),(1 2b)によりこの圧力を十分に受止めることができるようにしたために、前記請 求項1記載の考案における効果に加えて更に安定した運転状態を得ることができ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるローリングピストン型圧縮
機の縦断面図である。
【図2】図1におけるII−II線に対応した位置における
断面図である。
【図3】圧縮機本体周辺の縦断面図である。
【図4】変形例における図3相当図である。
【図5】第2実施例における図3相当図である。
【図6】従来例における図3相当図である。
【符号の説明】
(1) ローリングピストン型圧縮機 (2) ケーシング (3) 駆動手段 (3b) クランク軸(駆動軸) (4) 圧縮機本体(圧縮手段) (5) シリンダ (5a) 吸入路 (5d) 吐出路 (6) ローラ (7) フロントヘッド(ヘッド部) (8) リヤヘッド(ヘッド部) (9) 圧縮室 (9a) 低圧室 (9b) 高圧室 (11) ブレード (12) ピン部(偏心部) (12a) 第1ピン(偏心板) (12b) 第2ピン(偏心板)

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(2)内に、駆動手段(3)
    と該駆動手段(3)に連繋された圧縮手段(4)とが収
    容され、前記圧縮手段(4)は、シリンダ(5)内にロ
    ーラ(6)が収容されていると共に前記シリンダ(5)
    の両端面にヘッド部(7),(8)が配設形成されて前
    記シリンダ(5)の内周面とローラ(6)の外周面との
    間に圧縮室(9)が形成されており、 前記ローラ(6)には、前記駆動手段(3)の駆動軸
    (3b)の軸心から所定方向に偏心して形成された偏心
    部(12)が挿入されていることにより、ローラ(6)
    がシリンダ(5)に対して偏心されていて、ローラ
    (6)外周面の一部がシリンダ(5)内周面に当接する
    ようになっており、 前記シリンダ(5)には前記圧縮室(9)に出没自在と
    されたブレード(11)が配設されていて、該ブレード
    (11)の先端面が前記ローラ(6)の外周面に当接さ
    れて、前記圧縮室(9)が低圧室(9a)と高圧室(9
    b)とに区画されており、 前記圧縮室(9)には流体の吸入路(5a)及び吐出路
    (5d)が接続されており、前記駆動手段(3)の駆動
    に伴なってローラ(6)がシリンダ(5)内で回転し
    て、前記吸入路(5a)から圧縮室(9)内へ流体を吸
    入して該流体を圧縮するように構成されたローリングピ
    ストン型圧縮機において、 前記偏心部(12)は、前記駆動軸(3b)の延長方向
    に所定間隔を存して配設された複数の偏心板(12
    a),(12b),…によって成っており、前記各偏心
    板(12a),(12b),…のうち駆動軸(3b)延
    長方向の両外側に位置する偏心板(12a),(12
    b)は、一方の偏心板(12a)が前記ローラ(6)の
    一端面周辺部に位置されている一方、他方の偏心板(1
    2b)が前記ローラ(6)の他端面周辺部に位置されて
    いることを特徴とするローリングピストン型圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のローリングピストン型圧
    縮機において、偏心板(12a),(12b),…は、
    高圧室(9b)内が高圧状態となった際に該高圧室(9
    b)に対向する部分の板厚寸法が、他の部分の板厚寸法
    よりも大きく設定されていることを特徴とするローリン
    グピストン型圧縮機。
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