JP4367094B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
本発明は冷凍空調分野等に使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
鏡板上にスクロールラップを形成する固定スクロールと旋回スクロールを組み合わせ、旋回スクロール部品鏡板背面に各々が離反しないような一定圧を印加することで両スクロール部品の外周部端面を互いに密着させて圧縮室を形成し、旋回スクロール部品は鏡板背面部にオルダムリングを配置することで自転を防止しつつ偏心部を有するクランクシャフトに連結させて、またクランクシャフト主軸部に設けた電動機による回転運動を用いて前記旋回スクロールに旋回運動をさせることで、圧縮室が中心に向かって容積を減少させながら移動して圧縮を行い、中央に設けた吐出孔から被圧縮気体を吐出させる構成を持つスクロール圧縮機において、前記固定スクロールと前記旋回スクロールは運転中お互いのラップ上面およびラップ底面でオイルの薄膜を介在した摺動をしており、運転条件においては金属接触することもあるため摩擦によるカジリ、焼き付き等の信頼性悪化を引き起こす要因になっている。
特開平６−２８８３６１号公報
従来の技術では固定スクロールまたは旋回スクロールに設けられたチップシールにより漏れ損失を低減させており、このチップシールを浮上させるために設けられた給油孔からオイルが供給されて、それによりチップシールが浮上するとともに圧縮機内部の潤滑も行うことにより漏れ損失を低減しつつ信頼性も確保していたが、チップシールの浮上性が運転条件により不安定であり、また部品点数も増えてしまうためコストも増加するので高効率・低コスト化を妨げる要因のひとつとなっていた。
本発明は、チップシールを廃止することによるコストダウンを可能とするとともに、給油孔およびラップ上面凹部を設けることにより、チップシールおよびチップシール溝を設けていたときとほぼ同等の給油量を確保することのできるスクロール圧縮機の提供を目的としたものである。
前記従来の課題を解決するために前記旋回スクロールのラップ上面に給油させる通路を設け、かつその給油されたオイルを効率的に前記旋回スクロールのラップ底面部に供給させる凹部を設定するものである。これにより従来例と同等の前記旋回スクロールおよび固定スクロールの信頼性を確保することが可能となる。
本発明は密閉型スクロール圧縮機の圧縮室を形成する旋回スクロールおよび固定スクロールの信頼性を向上させることができる。
第１の発明は、旋回スクロールのラップ上面にオイルの供給孔を設け、前記オイルの給油孔の開口部とその近傍を含むラップ上面に、前記ラップの内側壁面および外側壁面に向かって貫通する凹部を設け、前記凹部の幅をラップの巻き終わり部方向へ延長したものである。この構成によれば、全域に渡って給油経路が確保されることとなり、旋回スクロールおよび固定スクロールのラップ上面、側面、鏡板面の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。
第２の発明は、第１の発明において、旋回スクロールに設けられた凹部のラップ巻始め側および巻き終り側端部の形状をスロープ形状としたものである。この構成によれば、旋回スクロールのラップ上面と固定スクロールのラップ底面が接触した場合でも凹部における応力集中が回避されるため、旋回スクロールおよび固定スクロールのラップ上面、側面
、鏡板面の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。
、鏡板面の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。
第３の発明は、第１または第２の発明において、凹部から旋回スクロールのラップ底面へ垂直な溝による給油経路を形成したものである。この構成によれば、より効率的に旋回スクロールのラップ底面へオイル供給が可能となるため、旋回スクロールおよび固定スクロールのラップ上面、側面、鏡板面の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。
（実施の形態１）
図１はスクロール圧縮機断面図である。吸入管１より吸い込まれた冷媒ガスは、固定スクロール部品２の吸入室３を経て、旋回スクロール部品４とかみ合わさって形成される圧縮室５に閉じ込められ、中心に向かって容積を減少させながら圧縮され吐出ポート６より吐出される。オイルはクランクシャフト８により回転運動を与えられるトロコイドポンプ７により圧縮機下部から吸い上げられ、クランクシャフト８内部にあるオイル供給用の穴９を通り旋回スクロール部品の偏心軸受内部空間１０へと導かれる。ここから、オイル流路が二方向に分かれ、一方は旋回スクロール部品４の鏡板背面に設けられた絞り部１１を経由して固定スクロール部品２と軸受１２に囲まれて形成される背圧室１３へと導かれる。この背圧室１３は高低圧の中間の圧力となっており、背圧調整機構１４によりこの中間圧を一定圧となるよう制御する。背圧調整機構１４は、背圧室１３から固定スクロール部品２の内部を通って吸入室３へと連通している通路１５に、バルブ１６を設けたもので、背圧室１３の圧力が設定圧力より高くなるとバルブ１６が開き、背圧室１３のオイルが吸入室３へと供給され、背圧室内を一定の中間圧に維持している。また吸入室３へと供給されたオイルは旋回運動とともに圧縮室５へと移動し、圧縮室間の漏れ防止に役立っている。もう一方のオイル流路は図２にあるような旋回スクロール部品４のラップ１７高さ方向に設けられた給油孔１８へと導かれ、給油孔１８のスクロールラップ上面開口部を含む近傍に設けられた凹部２３を介して直接圧縮室５に給油される。この給油孔１８を設けることにより、同時に圧縮室内の給油量が確保されているためにラップ上面１９、側面２０、底面２１の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。
図１はスクロール圧縮機断面図である。吸入管１より吸い込まれた冷媒ガスは、固定スクロール部品２の吸入室３を経て、旋回スクロール部品４とかみ合わさって形成される圧縮室５に閉じ込められ、中心に向かって容積を減少させながら圧縮され吐出ポート６より吐出される。オイルはクランクシャフト８により回転運動を与えられるトロコイドポンプ７により圧縮機下部から吸い上げられ、クランクシャフト８内部にあるオイル供給用の穴９を通り旋回スクロール部品の偏心軸受内部空間１０へと導かれる。ここから、オイル流路が二方向に分かれ、一方は旋回スクロール部品４の鏡板背面に設けられた絞り部１１を経由して固定スクロール部品２と軸受１２に囲まれて形成される背圧室１３へと導かれる。この背圧室１３は高低圧の中間の圧力となっており、背圧調整機構１４によりこの中間圧を一定圧となるよう制御する。背圧調整機構１４は、背圧室１３から固定スクロール部品２の内部を通って吸入室３へと連通している通路１５に、バルブ１６を設けたもので、背圧室１３の圧力が設定圧力より高くなるとバルブ１６が開き、背圧室１３のオイルが吸入室３へと供給され、背圧室内を一定の中間圧に維持している。また吸入室３へと供給されたオイルは旋回運動とともに圧縮室５へと移動し、圧縮室間の漏れ防止に役立っている。もう一方のオイル流路は図２にあるような旋回スクロール部品４のラップ１７高さ方向に設けられた給油孔１８へと導かれ、給油孔１８のスクロールラップ上面開口部を含む近傍に設けられた凹部２３を介して直接圧縮室５に給油される。この給油孔１８を設けることにより、同時に圧縮室内の給油量が確保されているためにラップ上面１９、側面２０、底面２１の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。
図３に示す旋回スクロール部品４のラップ上面１９に、設けた凹部２３の深さは給油量を多くする必要があれば深くすることができ給油量の最適化が可能である。また凹部２３は供給孔１８よりラップ巻き終わり方向へ延長されているためにより広範囲にオイルを供給する経路が確保され、ラップ上面１９、側面２０、底面２１の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。
（実施の形態２）
図４に示す旋回スクロール部品４のラップ上面１９に、設けた凹部２３のラップ巻き始めおよび巻き終り側端部の形状をスロープ形状２４とする。これにより旋回スクロールラップ上面１９が固定スクロールラップ底面に接触しても凹部２３の両端における応力集中が発生せず、旋回スクロールのラップ上面１９、側面２０、底面２１の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。
図４に示す旋回スクロール部品４のラップ上面１９に、設けた凹部２３のラップ巻き始めおよび巻き終り側端部の形状をスロープ形状２４とする。これにより旋回スクロールラップ上面１９が固定スクロールラップ底面に接触しても凹部２３の両端における応力集中が発生せず、旋回スクロールのラップ上面１９、側面２０、底面２１の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。
（実施の形態３）
図５に示す旋回スクロール部品４のラップ側面２０にラップ底面２１へとのびる垂直な給油経路２５を設ける。これにより旋回スクロールのラップ底面２１へより効率的にオイル供給が可能となり、旋回スクロールのラップ底面２１の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。ただしその設定においては固定スクロールのラップ側面との漏れ損失が発生しないような深さ等の設定にする必要がある。
図５に示す旋回スクロール部品４のラップ側面２０にラップ底面２１へとのびる垂直な給油経路２５を設ける。これにより旋回スクロールのラップ底面２１へより効率的にオイル供給が可能となり、旋回スクロールのラップ底面２１の摺動による摩耗、カジリ、焼き付き等を防止することができる。ただしその設定においては固定スクロールのラップ側面との漏れ損失が発生しないような深さ等の設定にする必要がある。
以上のように、本発明にかかる密閉型スクロール圧縮機は、従来のチップシール採用式の圧縮機に対して漏れ損失を低減させることによる高性能化を実現しつつ、旋回スクロールおよび固定スクロールの信頼性を損なうことのない圧縮機を提供することができる。
１ 吸入管
２ 固定スクロール部品
３ 吸入室
４ 旋回スクロール部品
５ 圧縮室
６ 吐出ポート
７ トロコイドポンプ
８ クランクシャフト
９ 内部の穴
１０ 偏心軸受け内部空間
１１ 絞り部
１２ 軸受
１３ 背圧室
１４ 背圧調整機構
１５ 通路
１６ バルブ
１７ ラップ
１８ 給油孔
１９ ラップ上面
２０ ラップ側面
２１ ラップ底面
２３ 周方向溝
２４ スロープ
２５ オイル経路
２ 固定スクロール部品
３ 吸入室
４ 旋回スクロール部品
５ 圧縮室
６ 吐出ポート
７ トロコイドポンプ
８ クランクシャフト
９ 内部の穴
１０ 偏心軸受け内部空間
１１ 絞り部
１２ 軸受
１３ 背圧室
１４ 背圧調整機構
１５ 通路
１６ バルブ
１７ ラップ
１８ 給油孔
１９ ラップ上面
２０ ラップ側面
２１ ラップ底面
２３ 周方向溝
２４ スロープ
２５ オイル経路
Claims (3)
- 鏡板上に渦巻きラップを形成した固定スクロール部品と旋回スクロール部品をかみ合わせ複数の圧縮室を形成し、前記旋回スクロール部品背面に一定圧を印加することで前記両スクロール部品の外周部端面を互いに接触させ、かつ前記旋回スクロール部品背面に自転拘束部品を備えて、前記旋回スクロール部品の自転を防ぎ旋回運動をさせ、前記圧縮室を中心に向かって容積を減少させながら圧縮を行うスクロール圧縮機であって、前記旋回スクロールのラップ上面にシール材を設けずに前記旋回スクロールのラップ上面と前記固定スクロールのラップ底面の間に生ずる漏れ隙間を、オイルシールのみによって軽減させるスクロール圧縮機であって、前記旋回スクロール部品のラップ上面に密閉容器底部から汲み上げられたオイルが導かれる偏心軸受内部空間に連通するオイルの給油孔を設け、前記オイルの給油孔の開口部とその近傍を含むラップ上面に、前記ラップの内側壁面および外側壁面に向かって貫通する凹部を設け、前記凹部は前記オイルの供給孔よりラップ巻き終り方向側が広く形成されているスクロール圧縮機。
- 旋回スクロールラップ上面に設けた凹部のラップ巻始め側および巻き終り側端部がスロープ形状である請求項1記載のスクロール圧縮機。
- 旋回スクロールラップ上面に設けた凹部からラップ底面に向かう垂直な給油経路をラップ側面に形成した請求項１または２に記載のスクロール圧縮機。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2003376888A JP4367094B2 (ja) | 2003-11-06 | 2003-11-06 | スクロール圧縮機 |
| CN 200420121288 CN2769556Y (zh) | 2003-11-06 | 2004-11-05 | 涡旋压缩机 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2003376888A JP4367094B2 (ja) | 2003-11-06 | 2003-11-06 | スクロール圧縮機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005139997A JP2005139997A (ja) | 2005-06-02 |
| JP4367094B2 true JP4367094B2 (ja) | 2009-11-18 |
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP2003376888A Expired - Fee Related JP4367094B2 (ja) | 2003-11-06 | 2003-11-06 | スクロール圧縮機 |
Country Status (2)
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| JP (1) | JP4367094B2 (ja) |
| CN (1) | CN2769556Y (ja) |
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| JP6688972B2 (ja) * | 2017-01-27 | 2020-04-28 | パナソニックＩｐマネジメント株式会社 | スクロール圧縮機 |
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2003
- 2003-11-06 JP JP2003376888A patent/JP4367094B2/ja not_active Expired - Fee Related
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2004
- 2004-11-05 CN CN 200420121288 patent/CN2769556Y/zh not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2005139997A (ja) | 2005-06-02 |
| CN2769556Y (zh) | 2006-04-05 |
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