JPH08177773A - 圧縮機における給油ポンプ装置 - Google Patents

圧縮機における給油ポンプ装置

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JPH08177773A
JPH08177773A JP32631894A JP32631894A JPH08177773A JP H08177773 A JPH08177773 A JP H08177773A JP 32631894 A JP32631894 A JP 32631894A JP 32631894 A JP32631894 A JP 32631894A JP H08177773 A JPH08177773 A JP H08177773A
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JP
Japan
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oil
rotary shaft
cylinder chamber
oil supply
pump device
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Application number
JP32631894A
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English (en)
Inventor
Mototoshi Kosaka
元俊 高坂
Koji Hirano
浩二 平野
Tsukasa Chiyotani
司 千代谷
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/02Lubrication; Lubricant separation
    • F04C29/025Lubrication; Lubricant separation using a lubricant pump

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】回転軸の運転周波数を変化させたときにおいて
も安定した給油性を確保し、かつ高速回転域においては
給油量を抑制して過剰な吐油を防止し、信頼性の向上を
図れる圧縮機の給油ポンプ装置を提供する。 【構成】回転軸3の端部にシリンダ室60を有するポン
プシリンダ56を設け、この一端開口面をシール板55
で閉塞し、他端開口面をスラスト板57で閉塞するとと
もに回転軸先端面と摺接させ、このスラスト板に油吸込
み孔62を設け、回転軸のシリンダ室対向部位に切欠溝
53を設け、この切欠溝にローラーピンを変位自在に掛
合してシリンダ室を区分させ、シリンダ室に吐出通路5
2を開口して潤滑油を導き、ここから圧送される潤滑油
を圧縮機構部4へ導く給油通路20を具備し、上記油吸
込み孔62の直径φd1 を、上記給油通路の孔径φd2
よりも小に設定した(φd1 <φd2 )。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮機の回転軸に設け
られ、圧縮機構部に給油するためのものであり、特に容
積型の給油ポンプ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ロータリ式圧縮機や、スクロール式圧縮
機など、圧縮機構部の種類構造に拘らず、全ての圧縮機
は圧縮機構部の確実にして円滑な摺動性を確保するため
に給油手段を備えている。
【0003】この給油手段としてもまた、種々の構造が
あるが、給油量を充分に確保し、万が一の焼付け損傷事
故の発生もない要求を満たすものとして、容積型の給油
ポンプ装置が最適である。
【0004】いわゆるトロコイドポンプやギヤポンプ
は、容積型ポンプの代表的なものであって、これらを給
油ポンプとして適用することが考えられるが、構造が複
雑で部品点数が多く、加工性および組立て性が悪く、コ
スト的に問題が多い。
【0005】現在、これらの不具合を少しでも解消すべ
く開発された容積型の給油ポンプが多用され、確実な給
油性を得てはいるが、やはり部品点数が多く、組立て性
が悪いなど、問題点が全て解消されるまでに至っていな
い。
【0006】そこで、本出願人は、先に特願平5−55
794号に提案したような給油ポンプ装置を開発し、給
油性を確保することは勿論、部品点数を低減し、加工性
および組立て性を改良して、コスト的に有利な条件が得
られるようになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記給
油ポンプ装置においても、回転軸を高速回転させたとき
の給油性に不安が残っている。すなわち、容積ポンプの
特徴として、回転軸の回転数に比例して給油するように
なっているため、回転軸を高速回転させたときに、不必
要で過剰な給油をしてしまう。
【0008】上記提案においては、油吸込み部と、圧縮
機構部に給油する給油通路とを吐出通路で連通してお
り、この吐出通路を回転軸の径方向に沿って設け、高速
回転時の強力な遠心力作用でポンプ摺接部から意図的に
油を漏らすことにより、給油効率を低下させている。
【0009】しかしながら、油の漏れ始めのタイミング
および、その回転数に応じた漏れ量を正確に設定するこ
とは非常に難しく、高速回転域における給油性が不安定
であった。
【0010】本発明は上記事情に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、回転軸の運転周波数
を変化させたときにおいても安定した給油性を確保し、
かつ高速回転域においては給油量を抑制して過剰な吐油
を防止し、信頼性の向上を図れる圧縮機の給油ポンプ装
置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を満足するため
本発明の圧縮機の給油ポンプ装置は、請求項1として、
回転軸を介して連結される電動機部と圧縮機構部とを密
閉ケース内に収容するとともに、密閉ケース内底部に潤
滑油を集溜する油溜り部を備えた圧縮機であり、上記油
溜り部の潤滑油を上記圧縮機構部に給油する給油ポンプ
装置において、上記回転軸の端部に設けられ、この周面
一部が常に転接するよう回転軸の軸心に対して偏心して
形成されるシリンダ室を有するポンプシリンダと、この
ポンプシリンダの端面に設けられ、シリンダ室の開口面
を閉塞するとともに回転軸先端面と摺接するスラスト板
と、このスラスト板に設けられ、油溜り部の潤滑油中に
開口する油吸込み孔と、上記回転軸のシリンダ室対向部
位で、この外周面から径方向に設けられる切欠溝と、こ
の切欠溝に変位自在に掛合され、回転軸に作用する遠心
力によってシリンダ室周面に当接してシリンダ室を区分
し、かつ油溜り部の潤滑油を上記油吸込み孔からシリン
ダ室に吸込ませるローラーピンと、上記シリンダ室の容
量減少にともなう圧力上昇にともない、シリンダ室の潤
滑油を圧送案内する吐出通路と、この吐出通路から圧送
される潤滑油を、上記圧縮機構部へ導く給油通路とを具
備し、上記スラスト板の油吸込み孔の直径寸法φd1
を、上記給油通路の孔径寸法φd2 よりも小に設定した
(φd1 <φd2 )ことを特徴とする。
【0012】請求項2として、請求項1記載の上記吐出
通路は、回転軸の回転数に応じてその孔径を可変する可
変手段を備えたことを特徴とする。請求項3として、請
求項1記載の上記スラスト板は、上記回転軸先端面との
接触面に油溜め溝を備えたことを特徴とする。
【0013】
【作用】このような構成によれば、特に回転軸の高速回
転域では、油吸込み孔の油吸込み量と比較して給油通路
の給油量が大となり、結果として、圧縮機構部への給油
量が抑制される。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、冷凍サイクル装
置を構成するスクロール式圧縮機に適用して、図面にも
とづいて説明する。図中1は密閉ケースであり、この密
閉ケース1内上部に支持フレーム2が設けられ、回転軸
3を回転自在に枢支している。この回転軸3上部には、
後述する圧縮機構部4が連結され、下部にはステータ5
と、ロータ6とからなる電動機部7が設けられる。
【0015】上記圧縮機構部4は、上記支持フレーム2
に支持される固定スクロール8と、回転軸3の上端偏心
部3aに掛合され固定スクロールと噛合する旋回スクロ
ール9と、固定スクロールを軸方向に移動可能に支持す
る支持手段10および固定スクロールの背面側にガス圧
を作用させる背圧案内手段11とから構成される。
【0016】上記固定スクロール8および旋回スクロー
ル9ともに、鏡板部と、この鏡板部に一体に突設される
渦巻状の翼部とからなり、それぞれの翼部が互いに噛合
し、かつ鏡板部と翼部との間に一対の圧縮空間である圧
縮室Sが形成される。
【0017】上記支持手段10は、固定スクロール8が
ある程度の範囲内で軸方向に移動可能となるよう支持す
るものであり、ガイドリングやガイドピンを備えてい
る。上記背圧案内手段11は、固定スクロール8の上面
側に設けられる背圧板12と、圧縮室Sから圧縮途中の
ガスを導入する中間圧導入孔13他を備え、固定スクロ
ールの背面(上面)側に中間圧を付与し、旋回スクロー
ル9との噛合クリアランスを理想状態に保持する、いわ
ゆるコンプライアンス機能を備えている。
【0018】上記固定スクロ−ル8と背圧板12には、
上記圧縮室Sの渦巻き中心部と連通する吐出ポートや逆
止弁を備えた弁座部などからなるガス通路19が設けら
れ、背圧板の上部側空間である密閉ケース1内部と連通
する。
【0019】密閉ケース1の側部には吸込管14が接続
され、密閉ケース内部の背圧板12の下部空間と冷凍サ
イクルを構成する図示しない蒸発器とを連通する。密閉
ケース1上部には吐出管15が接続され、背圧板12上
部空間と、冷凍サイクルを構成する図示しない凝縮器と
を連通する。
【0020】また、密閉ケース1の内底部には、潤滑油
を集溜する油溜り部16が形成される。密閉ケース1内
下部には補助フレーム17が取付け固定され、この中央
部に副軸受け部18が形成されて、回転軸3の下端部を
回転自在に枢支する。
【0021】また、回転軸3の下端部には、回転軸の回
転駆動にともなって潤滑油を吸い上げる後述する容積型
の給油ポンプ装置Sが設けられている。この給油ポンプ
装置Sは、吸い上げられた潤滑油を、回転軸3の軸方向
に沿って設けられる給油通路20を介して、旋回スクロ
ール9を枢支する偏心部3aの上端面から溢出する。
【0022】潤滑油は、ここから回転軸3と旋回スクロ
ール9との摺接部、固定スクロール8と旋回スクロール
との摺接部、回転軸と支持フレーム2との摺接部、支持
フレームと旋回スクロールとの摺接部、回転力伝達機構
などの摺接部等へ給油されるようになっている。
【0023】つぎに、上記給油ポンプ装置Pを、図2お
よび図3にもとづいて説明する。ポンプ装置本体18
は、上記副軸受け部と兼用しており、回転軸3の先端部
である下端部を枢支する。
【0024】上記給油通路20は断面円形をなし、その
孔径寸法である直径寸法を、φd2に設定する。この給
油通路20の下端部近傍位置には、回転軸3の周面から
径方向に沿って設けられる横孔からなる吐出通路52が
連通している。
【0025】さらに、回転軸3の下端部には、周面から
径方向に沿って、かつ給油通路20には至らない範囲で
切欠溝53が設けられる。この切欠溝53は、回転軸3
の周面から中途部までは完全な平行面を有するよう形成
され、先端部においては平行面相互の間隔寸法を直径と
する、半円状になっている。
【0026】上記切欠溝53には、ローラーピン54が
掛合される。このローラーピン54の軸方向長さは、切
欠溝53の深さ寸法と一致し、その直径は切欠溝端部に
形成される半円部の直径よりもわずかに小さく形成さ
れ、したがって溝に対して移動自在である。
【0027】上記回転軸3の下端部には、シール板55
およびポンプシリンダ56が重ねられた状態で掛合され
る。そして、これらシール板55とポンプシリンダ56
はスラスト板57に支持される。このスラスト板57
は、回転軸3下端面が摺接するよう装置本体18に設け
られるスナップリング58によって支持される。
【0028】上記シール板55は、薄板で等径のリング
状をなし、その内径部に回転軸3が緩挿され、外径部は
ポンプシリンダ56外径部と等しい直径である。上記ポ
ンプシリンダ56は、その板厚が切欠溝53の深さ寸法
と、スライドピン54の軸方向長さに等しい。内部に
は、回転軸3の軸心と偏心した中心を有し、回転軸直径
よりも大である直径のシリンダ口56aが設けられる。
換言すれば、ポンプシリンダ56は偏心状のリングであ
る。
【0029】上記シリンダ口56aに回転軸3の周面一
部が転接するような組立てがなされている。すなわち、
シリンダ口56aは回転軸3の軸心に対して偏心し、か
つこの直径よりも大であるので、この組立てが可能であ
る。
【0030】ポンプシリンダ56の上下両端面には、シ
ール板55とスラスト板57とが重ねられ、回転軸3の
回転の有無に拘らずシリンダ口56aの開放部分が閉塞
されて、密閉空間が形成される。この密閉空間を、シリ
ンダ室60と呼ぶ。
【0031】上記ポンプシリンダ56下面側のシリンダ
口56a周部には、油吸込み用切欠部61が設けられて
いて、組立てられた状態で上記シリンダ室60に対向す
る位置にある。
【0032】上記スラスト板57には、油吸込み用切欠
部61と連通する油吸込み孔62が設けられている。こ
の油吸込み孔62の直径寸法φd1 は、先に説明した給
油通路20の直径寸法φd2 よりも小さく設定されてい
る。(φd1 <φd2 ) このようにして構成された給油ポンプ装置Pを備えた圧
縮機であって、電動機部7に通電して圧縮機構部4を駆
動すると、蒸発器で蒸発した低圧の冷媒ガスが吸込管1
4を介して密閉ケース1内に導入され、背圧板12より
下部空間に充満する。
【0033】この冷媒ガスは、旋回スクロール9と固定
スクロール8とで形成される圧縮室Sに吸込まれる。そ
して、旋回スクロール9の旋回運動にともなって徐々に
中心部に移送され、かつ空間容量が減少することにより
圧縮される。
【0034】所定圧まで上昇したところで、高圧の冷媒
ガスは圧縮室Sから吐出ガス通路19を介して背圧板1
2より上部空間の密閉ケース1内部に吐出され、ここに
充満し、さらに吐出管15を介して外部の凝縮器に導か
れる。この凝縮器で高圧の冷媒ガスは凝縮し、液冷媒に
変ってから、断熱膨張をなし、さらに蒸発器に導かれて
蒸発し、被空調室に対する冷房作用をなす。
【0035】一方、給油ポンプ装置Pにおいては、回転
軸3がシリンダ室60の周面一部に転接した状態で回転
する。この回転にともなってローラピン54に遠心力が
作用し、常にシリンダ室60周面に転接した状態で回転
軸3とともに回転(公転)する。そして、ローラピン5
4が回転軸3とシリンダ室60周面との転接部位と一致
したとき以外は、ローラピンはシリンダ室を2分する。
【0036】なお説明すれば、図4(a)に示す状態で
は、ローラピン54が吸込み用切欠部61を通過した直
後であり、こことローラピンとの間のシリンダ室60部
位が負圧状態になっており、その結果、油溜り部16の
潤滑油を油吸込み孔62を介してシリンダ室60に吸込
む。
【0037】また、ローラピン54の回転方向側に区分
されるシリンダ室60部位には、既に潤滑油が吸込まれ
ており、ある程度圧縮された状態で、一部は吐出通路5
2から給油通路20を介して上記圧縮機構部4に給油さ
れる。
【0038】回転軸3が、同図(a)の位置から図にお
いて時計回り方向へ回転し、(b)の位置まで90°変
位すると、吸込み用切欠部61と連通するシリンダ室6
0部分への容量が拡大して、さらに多くの潤滑油を油溜
り部16から吸込む。一方、回転方向側のシリンダ室6
0部分では、容量がさらに縮小化して、吐出通路52へ
圧送される潤滑油量が多くなる。
【0039】(c)に示すように、さらに90°変位し
た位置では、吸込み用切欠部61と連通するシリンダ室
60部分の容量がさらに大となって、引き続いて潤滑油
を吸込む。回転方向側のシリンダ室部分は、その容量が
ほとんどゼロになり、吐出通路52へ吐出される潤滑油
がほとんどない。
【0040】(d)に示すように、さらに90°変位し
た位置では、ローラピン54のシリンダ室60周面に対
する転接部位と一致し、吸込み用切欠部61と吐出通路
52とは連通して、吐出通路から吐出される潤滑油はほ
とんどない。
【0041】ついで、再び(a)の状態に戻って、上述
の給油作用を繰り返す。このようにして給油ポンプ装置
Pは潤滑油を圧縮機構部4の各摺接部に効率よく導い
て、これらの円滑な摺動を保証する。
【0042】なお、冷媒の循環量を上げるため、圧縮機
の回転数を、より高速運転することがある。この場合に
おける給油ポンプ装置Pは、回転数の増大にともなって
給油量を低下させ、過剰にして急激な吐油量増大を抑制
する。
【0043】すなわち、スラスト板57に設けられ潤滑
油を給油ポンプ装置Pに吸込み案内する油吸込み孔62
の直径寸法φd1 を、回転軸3に設けられ圧縮機構部4
の摺接部に給油する給油通路20の直径寸法φd2 より
も小さく設定している。
【0044】(φd1 <φd2 ) 上記の寸法設定から、特に回転軸3の高速回転域では、
給油通路20の給油容量に見合う潤滑油が供給されなく
なる。油吸込み孔62の見かけ上の油吸込み量が減少
し、給油通路20から圧縮機構部4への給油量が抑制さ
れる。
【0045】図7のB変化は、従来の給油ポンプ装置の
特性であり、運転周波数の増加に比例して給油量が増大
する結果、高速回転域でも給油量は抑制されず、過剰吐
油がなされる。そのため、油溜り部16の潤滑油が不足
することとなる。
【0046】本発明の給油ポンプ装置Pを採用すること
により、A変化で示すように、低速回転域から給油量が
従来ポンプと比較して少ない傾向にあるが、必要にして
最小限の給油を確保して圧縮機構部4の摺動性を損なう
ことがない。
【0047】中速回転域においても同様であって、従来
のB変化で示す給油量との差が開く傾向にあるが、それ
でも充分な給油を確保する。特に高速回転域になると、
A変化はほとんど給油量の増加がない状態に至り、過剰
吐油を抑制する反面、確実な摺動性を得られる。
【0048】図2および図5に示す、スライドピン30
を用意することにより、回転軸3の中速回転域から過剰
吐油を抑制する特性が得られ、それ以降、高速回転域で
はさらに確実に抑制効果が得られるものである。
【0049】上記スライドピン30は、両端が開口する
筒状体をなし、その内径寸法φd1は上記吸込み孔62
の直径寸法φd1 と一致する。外径寸法は上記吐出通路
52にスライド自在に緩挿される寸法であり、かつ軸方
向長さは吐出通路の長さに一致する。
【0050】一方の端部近傍位置に、外周面から内周面
に亘って貫通する補助ガイド孔31が設けられていて、
この直径寸法φd3 は直径寸法φd1 よりも小に設定さ
れる。上記給油通路20の直径寸法φd2 との関係は変
わらない。(φd1 <φd3<φd2 )このスライドピ
ン30を、吐出通路52に緩挿し、かつ互いの軸方向長
さが同一であるところから、ピンの両端面を吐出通路の
両端面に一致させる。
【0051】そして、回転軸3を回転すれば、低速回転
域ではスライドピン30の位置変動がなく、しかもこの
内径寸法が油吸込み孔62の直径寸法と一致するところ
から、先に説明したポンプ装置と全く同一の給油量を確
保する。
【0052】中速回転域になると、回転軸3に作用する
遠心力の影響を受けて、スライドピン30の位置が外周
側に移動して、端部が回転軸周面から突出する。そし
て、ついには図6に示すように、ピン30の端部がシリ
ンダ口56aの周面であるシリンダ室60の周面に摺接
する。
【0053】この状態で、油吸込み孔62の直径寸法φ
d1 と給油通路20の直径寸法φd2 とは何らの変化も
ないが、シリンダ室60から給油通路20へ潤滑油を導
く吐出通路52の孔径が実質的にφd3 に縮小する。
【0054】そのため、先に説明したポンプ装置よりも
さらに給油通路20への給油量が減少する。中速回転域
から高速回転域に亘って、この減少傾向が増幅され、図
7のC変化で示すように、吐油量の顕著な抑制が得られ
る。
【0055】しかも、先に説明した給油ポンプ装置に、
極く簡単な構成のスライドピン30を付加するだけで、
さらに充分な効果が得られ、組立て性およびコストに与
える影響もほとんど無視できる。
【0056】なお、回転軸3が中,高速回転域から低速
回転域に戻ると、回転軸に作用する遠心力が極く弱くな
る一方、シリンダ室60から給油通路20へ導かれる潤
滑油の流れに押されてスライドピン30はもとの位置に
戻る。
【0057】すなわち、その両端面が吐出通路52の両
端面と一致する位置である。ここから、スライドピン3
0端部が給油通路20側に飛び出さないように、何らか
のストッパ手段を備えることは言う迄もない。
【0058】図8は、油吸込み孔62が設けられたスラ
スト板であって、同図(A)のスラスト板57Aは、一
側面に複数の円形の油溜め溝33を備えている。同図
(B)のスラスト板57Bは、一側面にリング状の油溜
め溝34を備えている。同図(C)のスラスト板57C
は、一側面に中心点に向かって放射状に配置された複数
の直線状の油溜め溝35を備えている。同図(D)のス
ラスト板57Dは、一側面に中心点からに渦巻き状の油
溜め溝36を備えている。
【0059】上記スラスト板57A〜57Dは、その上
面側で回転軸3を支持し、かつこの回転にともなって下
端面が摺接する。上記油溜め溝33〜36を備えていれ
ば、それぞれの油溜め溝に潤滑油が溜ることとなり、回
転軸との摺接部に特別な給油手段を備えることなく、充
分な摺動性を確保する。
【0060】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、変形例として、シール板を弾力性のある波
形ワッシャーに変更すれば、ポンプシリンダ56をスラ
スト板57側に付勢でき、回転軸方向へのガタツキを防
止し、漏れのない安定した給油が行える。
【0061】また、上記実施例は、ポンプシリンダ56
を別部材により構成していたが、このポンプシリンダ5
6を給油ポンプの装置本体18に一体形成してもよい。
この場合は、シール板55を不要にでき、給油ポンプ装
置の構成が簡略化できるので、組立てが容易となり、か
つコスト低減が図れる。このようにして、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能である。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ス
ラスト板に設けられる油吸込み孔の直径φd1 を、圧縮
機構部へ潤滑油を導く給油通路の孔径φd2 よりも小に
設定した(φd1 <φd2 )から、回転軸の運転周波数
を変化させたときにおいても安定した給油性を確保し、
かつ高速回転域においては給油量を抑制して過剰な吐油
を防止し、信頼性の向上を図れる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、給油ポンプ装置を備
えたスクロール式圧縮機の縦断面図。
【図2】同実施例の、給油ポンプ装置の分解した斜視
図。
【図3】同実施例の、給油ポンプ装置の縦断面図。
【図4】同実施例の、給油ポンプ装置の作動を順に説明
する図。
【図5】他の実施例の、スライドピンの斜視図と縦断面
図。
【図6】同実施例の、給油ポンプ装置の縦断面図。
【図7】給油ポンプ装置の特性図。
【図8】それぞれ異なる他の実施例の、スラスト板の平
面図。
【符号の説明】
3…回転軸、60…シリンダ室、55…シール板、56
…ポンプシリンダ、57…スラスト板、62…油吸込み
孔、61…切欠溝、54…ローラーピン、52…吐出通
路、16…油溜り部、20…給油通路、30…スライド
ピン。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸を介して連結される電動機部と圧縮
    機構部とを密閉ケース内に収容するとともに、密閉ケー
    ス内底部に潤滑油を集溜する油溜り部を備えた圧縮機で
    あり、上記油溜り部の潤滑油を上記圧縮機構部に給油す
    る給油ポンプ装置において、 上記回転軸の端部に設けられ、この周面一部が常に転接
    するよう回転軸の軸心に対して偏心して形成されるシリ
    ンダ室を有するポンプシリンダと、 このポンプシリンダの端面に設けられ、シリンダ室の開
    口面を閉塞するとともに回転軸先端面と摺接するスラス
    ト板と、 このスラスト板に設けられ、油溜り部の潤滑油中に開口
    する油吸込み孔と、 上記回転軸のシリンダ室対向部位で、この外周面から径
    方向に設けられる切欠溝と、 この切欠溝に変位自在に掛合され、回転軸に作用する遠
    心力によってシリンダ室周面に当接してシリンダ室を区
    分し、かつ油溜り部の潤滑油を上記油吸込み孔からシリ
    ンダ室に吸込ませるローラーピンと、 上記シリンダ室の容量減少にともなう圧力上昇にともな
    い、シリンダ室の潤滑油を圧送案内する吐出通路と、 この吐出通路から圧送される潤滑油を、上記圧縮機構部
    へ導く給油通路とを具備し、 上記スラスト板の油吸込み孔の直径寸法φd1 を、上記
    給油通路の孔径寸法φd2 よりも小に設定した(φd1
    <φd2 )ことを特徴とする圧縮機における給油ポンプ
    装置。
  2. 【請求項2】上記吐出通路は、回転軸の回転数に応じて
    その孔径を可変する可変手段を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の圧縮機の給油ポンプ装置。
  3. 【請求項3】上記スラスト板は、上記回転軸先端面との
    接触面に油溜め溝を備えたことを特徴とする請求項1記
    載の圧縮機の給油ポンプ装置。
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