JPH0681781A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JPH0681781A
JPH0681781A JP23695092A JP23695092A JPH0681781A JP H0681781 A JPH0681781 A JP H0681781A JP 23695092 A JP23695092 A JP 23695092A JP 23695092 A JP23695092 A JP 23695092A JP H0681781 A JPH0681781 A JP H0681781A
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JP
Japan
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scroll member
fixed scroll
housing
end plate
fixed
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Application number
JP23695092A
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English (en)
Inventor
Takao Kasagi
孝雄 笠木
Takeshi Takemoto
剛 竹本
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 固定スクロール部材をハウジングに締結した
場合の組み付け歪みによる作動室のシール不良、効率低
下、異常な接触による摩耗、動力損失を防ぐ。 【構成】 固定スクロール部材8は従来のスクロール圧
縮機のようにリヤハウジング5に締結されないので、組
み付け歪みによる変形が発生しない。その端板8aの背
後に形成された円筒状の凸部8cが、ピストンとしてリ
ヤハウジング5に形成されたシリンダ5bに挿入されて
流体圧シリンダを構成し、背圧空間9に吐出弁10から
出た圧縮流体を導いて、固定スクロール部材8を旋回ス
クロール部材18に向かって押圧させる。20は旋回ス
クロール部材18のスラストベアリングを兼ねる回り止
め機構である。固定スクロール部材8が軸方向に可動で
あって、圧縮圧力に応じた強さの軸方向力によって押圧
されるために、シールに必要な最小の歯先接触力が作用
して摩耗等の問題が解消する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固定スクロール部材に
対して旋回スクロール部材を公転させることによって、
それらにそれぞれ設けられた渦巻き形の羽根の間で流体
を圧縮するスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のスクロール圧縮機の一例が特公昭
58−55359号公報に記載されている。従来のスク
ロール圧縮機においては、一般に固定スクロール部材
は、文字通りボルト等によってハウジングに一体的に締
結して固定され、それによって回転方向はもとより軸方
向にも全く移動することがないように、ハウジングによ
ってリジッドに支持されるのが普通である。
【0003】スクロール部材はアルミニウム合金のよう
な材料で製作されるので、固定スクロール部材が運転に
伴う振動等を受けたときにハウジングに対する締結が緩
んだり、それによってシール性が低下したりすることが
ないように、ボルトに十分な強さの締め付け力を加えて
固定スクロール部材を固定する必要があるが、それによ
って固定スクロール部材が変形することがあり、旋回ス
クロール部材の渦巻き形の羽根と噛み合って流体を圧縮
する作動空間を形成する固定スクロール部材の渦巻き形
の羽根の表面や、その渦巻き形の羽根の軸方向先端(歯
先)のシール面に隙間が生じて、圧縮された流体が作動
空間から低圧部分へ漏洩し、効率の低下を招くという問
題がある。また、高負荷運転時にスクロール部材が高温
になっても、固定スクロール部材がハウジングにリジッ
ドに固定されているため自然な熱膨張が阻害され、前述
のような隙間が増大するだけでなく、部分的に接触圧力
が増加した部分では焼付を起こす恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、固定スクロ
ール部材をハウジングにリジッドに締結した従来のスク
ロール圧縮機に見られるこのような問題を解決し、固定
スクロール部材の組み付け歪みを防止して、二つのスク
ロール部材の半径方向及び軸方向における接触面の接触
圧力を適正な強さにすると共に、それらのスクロール部
材の渦巻き形の羽根の間に形成される作動空間のシール
性を高く保持し、異常な摩耗や効率の低下を防止するこ
とを発明の解決課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための第1の手段として、圧縮機のハウジング
と、前記ハウジング内に延びている回転軸と、前記ハウ
ジング内の前記回転軸の実質的な延長上に端板の中心を
有し、前記端板に軸方向に突出する渦巻き形の羽根を備
え、前記ハウジングに対して回転しないように、しかし
軸方向には移動することができるように前記ハウジング
によって支持されている固定スクロール部材と、前記固
定スクロール部材に形成された前記渦巻き形の羽根に対
して、中心と位相をずらせて噛み合う同様な形状の渦巻
き形の羽根を端板上に備え、前記回転軸の回転によって
駆動されて自転を伴わない公転のみをする旋回スクロー
ル部材と、前記固定スクロール部材の前記端板の前記旋
回スクロール部材に対向している面とは反対側の面に形
成され、圧縮された流体の圧力を導入して前記固定スク
ロール部材を前記旋回スクロール部材に向かって軸方向
に押圧する流体圧シリンダとを備えていることを特徴と
するスクロール圧縮機を提供する。
【0006】本発明は、前記の課題を解決するための第
2の手段として、前記第1の手段の他に、前記固定スク
ロール部材に設けられた前記端板の前記旋回スクロール
部材に対向している面とは反対側の面と前記ハウジング
の内壁面との間に設けられ、前記固定スクロール部材を
前記旋回スクロール部材に向かって軸方向に押圧する弾
性手段を備えていることを特徴とするスクロール圧縮機
を提供する。
【0007】
【作用】本発明の第1の解決手段においては、二つのス
クロール部材の、噛み合っているそれぞれの渦巻き形の
羽根の間に形成される作動空間は、スクロール部材の周
辺部分で開放して圧縮すべき流体を取り込み、旋回スク
ロール部材の公転によって作動空間が三日月形に閉じ
て、連続的に中心に向かって移動する間に作動空間の容
積が縮小し、閉じ込めた流体を圧縮してスクロール部材
の中心部から吐出する。圧縮された高圧の流体は固定ス
クロール部材の端板の背後に形成された流体圧シリンダ
に供給され、流体圧シリンダによって固定スクロール部
材を旋回スクロール部材に向かって軸方向に押圧する。
二つのスクロール部材のそれぞれの渦巻き形の羽根の軸
方向先端と、相手方のスクロール部材の端板とは、この
流体圧シリンダが発生する常に圧縮圧力の大きさに応じ
た大きさの軸方向の力によって押圧されて接触するの
で、過不足のない適正な強さの接触状態が得られ、必要
な作動空間のシールがなされると共に、過大な押圧力に
よるスクロール部材の摩耗や、動力の損失、効率の低下
を防止する。
【0008】本発明の第2の解決手段においては、第1
の解決手段における流体圧シリンダに加えて、固定スク
ロール部材を旋回スクロール部材に向かって軸方向に押
圧する弾性手段をも備えているので、固定スクロール部
材を軸方向に押圧する力を、圧縮された高圧の流体によ
る流体圧シリンダによって圧縮圧力の大きさに応じた大
きさとするばかりでなく、弾性手段による軸方向力をそ
れに加えることによって、流体圧シリンダによる軸方向
力を調整したり、圧縮機が運転されていない状態でも二
つのスクロール部材の間に比較的小さな予圧を与え、妄
りに振動することを抑制してフレッティング摩耗を防止
する。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例としてのモータ
付きスクロール圧縮機1を示すもので、この実施例にお
いては、圧縮機1が空調装置用の冷媒圧縮機として使用
された場合を想定して説明することにする。図1におい
て、モータハウジングである円筒形のフロントハウジン
グ2の内部には、概略的に3として示す電動モータが構
成されており、その回転軸4が圧縮機部分の入力軸とし
て、フロントハウジング2の壁面2aの開口を通って図
中左側へ延びている。内部に圧縮機部分が構成されるリ
ヤハウジング、即ち圧縮機ハウジング5は、フロントハ
ウジング2の壁面2aに対して図示しないボルト等によ
って一体的に締結される。リヤハウジング5には圧縮す
べき流体、即ち、低温低圧のガス状冷媒を、空調装置の
冷凍サイクルにおける蒸発器から受け入れるための吸入
口6が設けられ、リヤハウジング5の内部空間として形
成される低圧冷媒室7に通じている。
【0010】リヤハウジング5内には、まず圧縮機部分
の一つの主要構成要素である固定スクロール部材8が支
持される。本発明においては、従来のスクロール圧縮機
の場合のように固定スクロール部材8がリヤハウジング
5内に完全に固定される訳ではないが、便宜上従来の例
に倣って、スクロール部材8を固定スクロール部材と呼
ぶことにする。固定スクロール部材8は、回転軸4と同
心状の円板である端板8aと、端板8aの図における右
側面にインボリュート状に突出して形成された渦巻き形
の羽根8bの他に、端板8aの左側面の中心から後方に
向かって突出して形成された円筒状の凸部8cを有す
る。円筒状の凸部8cは流体圧ピストンとなるが、その
左側の面積の決定方法については後に説明する。
【0011】固定スクロール部材8の円筒状の凸部8c
には、その肉の一部を例えば円筒状に削り取ることによ
って背圧空間9が形成されており、他方、渦巻き形の羽
根8bによって形成される渦巻き形の通路の中心には、
端板8aを貫通する吐出口8dが開口して背圧空間9に
連通し得るようになっており、吐出口8dは弾性のある
薄い金属板からなる吐出弁10によって外側から塞がれ
ている。なお、図中の11は吐出弁10の過度の開放を
抑制する弁抑えを示している。
【0012】固定スクロール部材8の円筒状の凸部8c
に対応して、リヤハウジング5の内部には回転軸4の方
向に円筒状の凸部5aが形成され、その肉の一部を例え
ば円筒状に削り取ることによって、固定スクロール部材
8の円筒状の凸部8cを軸方向摺動可能にに受け入れて
気密状態で案内するシリンダ5bを形成している。シリ
ンダ5bは固定スクロール部材8の円筒状の凸部8cと
共に流体圧シリンダを構成する。図中の12は気密を保
持するためのOリングを示している。Oリング12はま
た、圧縮圧力の脈動によって固定スクロール部材8や後
述の旋回スクロール部材に生じる可能性のある軸方向の
振動を抑える働きもする。
【0013】円筒状の凸部8cがリヤハウジング5のシ
リンダ5b内を摺動することによって、固定スクロール
部材8はリヤハウジング5に対して軸方向前後に移動す
ることができるが、リヤハウジング5に固定された回転
抑止ピン13と、それを摺動可能に受け入れるように固
定スクロール部材8の円筒状の凸部8cに設けられた穴
14とを係合させた回転抑止手段を設けることによっ
て、固定スクロール部材8の軸方向の移動を許しながら
も回転方向の運動は阻止している。
【0014】図示実施例では、本発明の一つの特徴に対
応して、固定スクロール部材8の軸方向の移動を許す回
転抑止手段として、回転抑止ピン13をリヤハウジング
5の側に固定すると共に、軸方向の穴14を固定スクロ
ール部材8の側に形成しているが、ピンと穴の設置位置
の関係は反対にしてもよく、また、同じような作用をす
るものとして、固定スクロール部材8の円筒状の凸部8
cの外形と、それに係合しているリヤハウジング5のシ
リンダ5bの形状を、例えば四角形のような角形とする
等、色々な形の均等手段によって、固定スクロール部材
8の軸方向の移動を許す回転抑止手段を構成することが
できる。
【0015】図示実施例におけるフロントハウジング2
内の空間は、モータ室として前述のように内部に電動モ
ータ3が構成されているが、それによって生じる隙間は
圧縮された冷媒のための高圧冷媒室15を形成してい
る。そのため、リヤハウジング5の壁の内部には、固定
スクロール部材8の背圧空間9に連通する吐出通路5c
と、それに直交して流体的に連通する吐出通路5dが穿
設され、更にそれらに連通するようにフロントハウジン
グ2の壁面2aに穿設された吐出通路2bとによって、
背圧空間9と高圧冷媒室15とを結ぶ一連の吐出冷媒通
路を形成する。吐出通路5cを穿設する際にリヤハウジ
ング5にできる開口をプラグによって閉塞する代わり
に、例えば温度センサ16をねじ込むと、圧縮された吐
出冷媒の温度を都合よく検出することができる。このよ
うに圧縮された冷媒が吐出冷媒通路から高圧冷媒室15
を通過することによって、電動モータ3の発熱は冷媒に
よって冷却されることになる。
【0016】回転軸4の左端には一体的に偏心軸部4a
が形成され、固定スクロール部材8に対向して設けられ
る旋回スクロール部材18が、ラジアルベアリング17
を介して回転可能に、偏心軸部4aによって支持され
る。旋回スクロール部材18は固定スクロール部材8と
同様に、端板18aと渦巻き形の羽根18bとを有して
おり、更に、固定スクロール部材8の円筒状の凸部8c
と比べて多少形状や大きさは異なるが、端板18aの渦
巻き形の羽根18bとは反対側の面から軸方向前方に突
出する円筒状のボス部18cを備えていて、ボス部18
cの内部の円筒状空間によって、前述のラジアルベアリ
ング17と回転軸4の偏心軸部4aとを受入れている。
【0017】旋回スクロール部材18の渦巻き形の羽根
18bと固定スクロール部材8の渦巻き形の羽根8bは
実質的に同じ形状を有するが、それらが中心位置と位相
をずらせて噛み合うことによって、回転的には固定され
る渦巻き形の羽根8bと、公転、即ち平行運動をする渦
巻き形の羽根18bとの間には、軸方向に見たときに三
日月形のように見える作動空間19が少なくとも1個以
上形成される。三日月形の作動空間19は、回転軸4が
回転してその偏心軸部4aによって旋回スクロール部材
18が公転を与えられたときに、その回転方向に応じ
て、二つのスクロール部材8及び18の周辺部から中心
部に向かって、或いはその反対の方向に向かって滑らか
に移動する。この実施例は圧縮機であるから、前者の回
転方向を選択することは言うまでもない。
【0018】回転軸4によって旋回スクロール部材18
を公転させると共に、その自転を阻止するために、旋回
スクロール部材18の端板18aとフロントハウジング
2の壁面2aとの間に回り止め機構20が設けられる。
回り止め機構20は一般的には従来のスクロール圧縮機
に用いられているようなオルダム継手のようなものでも
よいが、図示例における回り止め機構20は、旋回スク
ロール部材18を軸方向に支持する摺動抵抗の少ないス
ラストベアリングをも兼ねており、転動する多数の鋼球
20aを回転軸4の回りに保持している。そして回り止
め機構20がスラストベアリングの作用をするように、
全ての鋼球20aは、旋回スクロール部材18の端板1
8aに嵌め込んで固定された硬質の金属板からなる環状
のレース18dと、フロントハウジング2の壁面2aに
嵌め込まれた硬質の金属板からなる環状のレース2cと
の間で、それ自体は自由に転動することができるように
挟持される。
【0019】更に、回り止め機構20が本来の目的であ
る旋回スクロール部材18の回り止め作用をするよう
に、それぞれの鋼球20aは、旋回スクロール部材18
の端板18aに固定されたリテーナリング20bに開口
している円形の穴20cに挿入されると共に、フロント
ハウジング2の壁面2aに固定されたリテーナリング2
0dに開口している円形の穴20eにも挿入され、転動
の範囲を円形の穴20c及び20eの範囲内に制限され
る。多数の鋼球20aを受け入れる円形の穴20c及び
20eの半径は実質的に全て同じ値であって、その値
は、回転軸4が回転して鋼球20aが円形の穴20c及
び20eの周縁に沿って転動する時に、鋼球20が旋回
スクロール部材18の自転を拘束すると共に、回転軸4
に対する偏心軸部4aの偏心量εと同じ大きさの半径の
公転、即ち平行運動だけを許すような値となっている。
【0020】次に、第1実施例のモータ付きスクロール
圧縮機1の作動について説明する。電動モータ3によっ
て回転軸4が回転すると、偏心軸部4aによって支持さ
れている旋回スクロール部材18も回転しようとする
が、回り止め機構20が自転を阻止しているため、旋回
スクロール部材18は公転だけをすることになり、低圧
冷媒室7の冷媒は三日月形の作動空間19に取り込まれ
て、二つのスクロール部材8及び18の周縁部から中心
部へ移動する間に作動空間19の容積の縮小によって圧
縮され、吐出口8dから吐出弁10を押し開いて吐出さ
れて、吐出通路5c及び5dを通って高圧冷媒室15に
導かれ、電動モータ3を冷却した後、図示しない配管に
よって空調装置の冷凍サイクルにおける凝縮器へ送られ
る。この基本的な作動は従来の空調装置用のスクロール
圧縮機と同様である。
【0021】冷媒が一個以上形成される作動空間19内
で圧縮されることにより、二つのスクロール部材8及び
18を互いに遠ざかる方向に押す軸方向力が発生するの
で、その力を受け止めて、渦巻き形の羽根8b及び18
bと、相手方の端板18a及び8aとの間の気密接触状
態を維持する必要がある。旋回スクロール部材18の背
後においては,回り止め機構20の鋼球20aがレース
2cとレース18dとの間に挟まれて軸方向力を伝達す
るスラストベアリングを構成しているため、圧縮反力は
フロントハウジング2によって支持され、旋回スクロー
ル部材18は軸方向には実質的に全く移動することがな
い。
【0022】他方、固定スクロール部材8においては、
吐出口8dから吐出弁10を押し開いて吐出された冷媒
の圧力が背圧空間9に作用することによって、端板8a
を図において右方へ押す圧縮反力を発生させ、それによ
って渦巻き形の羽根の軸方向先端と端板との間のシール
性が損なわれるような、固定スクロール部材8の軸方向
の大きな移動を防止しているが、渦巻き形の羽根の軸方
向先端と端板との間の所謂歯先接触力は微妙に変化し、
圧縮圧力が高いほど歯先接触力が増大してシール性を高
めるように、また、圧縮圧力が低い時には必要なシール
性が得られる最小限まで歯先接触力が減少して、歯先の
摩擦による摩耗を防ぎ、駆動のための動力を減少して効
率を向上させるように作動する。
【0023】更に、固定スクロール部材8を締結しない
支持方法によって、固定スクロール部材8に組み付け歪
みが発生することがなく、どのような運転状態において
も常に適正な歯先接触力が得られるようになる。なお、
液状の冷媒が作動空間19に吸入されて圧縮される所謂
液圧縮の状態になっても、固定スクロール部材8が軸方
向に逃げて歯先に隙間を形成し、異常な圧力上昇を防止
するので、液圧縮による圧縮機の破損を防止することも
できる。
【0024】このように適正な大きさの歯先接触力を発
生させる結果、背圧空間9の面積、正確には固定スクロ
ール部材8の筒状の凸部8cの左側の面積の大きさが重
要になる。第1実施例においては、固定スクロール部材
8に作用する圧縮反力の全てを、背圧空間9に作用する
吐出冷媒圧力によって発生させているので、どのような
状態でも必要な歯先接触力を維持して渦巻き形の羽根の
軸方向先端におけるシール性を保つために、全ての作動
空間19内において圧縮される冷媒が固定スクロール部
材8に及ぼす軸方向力の合力に比べて、常に10〜20
%程度大きな反対向きの軸方向力を発生させ得るような
大きさの受圧面積を、固定スクロール部材8の筒状の凸
部8cの左側の面積として設定するのが望ましい。
【0025】図2に本発明の第2実施例としてのモータ
付きスクロール圧縮機21の構成を示す。殆どの構成は
図1に示す第1実施例のそれと同じであるから、共通の
部分については同じ参照符号を付すことによって説明を
省略するが、第1実施例に比べて第2実施例が構成上異
なる点は、固定スクロール部材8の端板8aとリヤハウ
ジング5の内壁面との間に、圧縮されたコイルスプリン
グ22が設けられていることだけである。
【0026】従って、第2実施例においては、固定スク
ロール部材8を支持する軸方向力が背圧空間9に作用す
る吐出冷媒の圧力によって発生するだけでなく、コイル
スプリング22がそれを助ける方向に働くことになる。
そこで例えば、背圧空間9に作用する吐出冷媒の圧力に
よって発生する軸方向力が、全ての作動空間19におい
て圧縮される冷媒による圧縮反力の軸方向の合力に略釣
り合うように、固定スクロール部材8の円筒状の凸部8
cの左側の面積の大きさを設定し、渦巻き形の羽根8b
及び18bの先端のシール性を維持するのに必要な歯先
接触力をコイルスプリング22によって発生させるよう
にする。この場合は、スクロール圧縮機21の運転を停
止している状態においても、適度の歯先接触力が加えら
れて、渦巻き形の羽根8b及び18bの軸方向先端が相
手方の端板18a及び8aの面に軽く押し付けられた状
態となし得るから、外部の振動等によってスクロール部
材にフレッティング摩耗を生じるような恐れがなく、起
動時のシール性を確保して吐出圧力の立ち上がりを早め
ることができるという利点が加わる。
【0027】第1実施例及び第2実施例はいずれも本発
明を、電動モータ3を圧縮機部分と共に密閉したハウジ
ング2及び5内に配置したモータ付きスクロール圧縮機
として実施した場合について述べているが、圧縮機部分
が電動モータ3と切り離して配置される所謂開放型のス
クロール圧縮機についても、本発明を適用することがで
きることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、従来のスクロール圧縮
機に見られる固定スクロール部材の組み付け歪みを防止
して、旋回スクロール部材との正しい噛み合い状態を実
現し、従来は二つのスクロール部材の渦巻き形の羽根の
間に形成される作動室のシール面に隙間が生じ、圧縮さ
れた流体が漏洩して効率が低下するという問題があった
のを確実に防止することができる。また、二つのスクロ
ール部材の渦巻き形の羽根の間に異常な強さの接触状態
も発生しないので、それらのスクロール部材の摩耗が防
止され、スクロール圧縮機の耐久性や信頼性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…モータ付きスクロール圧縮機(第1実施例) 2…フロントハウジング(モータハウジング) 3…電動モータ 4…回転軸 4a…偏心軸部 5…リヤハウジング(圧縮機ハウジング) 5b…シリンダ 5c,5d…吐出通路 7…低圧冷媒室 8…固定スクロール部材 8a…端板 8b…渦巻き形の羽根 8c…円筒状の凸部(流体圧ピストン) 8d…吐出口 9…背圧空間 13…回転抑止ピン 14…軸方向の穴 15…高圧冷媒室 18…旋回スクロール部材 18a…端板 18b…渦巻き形の羽根 18c…ボス部 19…作動空間 20…回り止め機構 20a…鋼球 20b,20d…リテーナリング 20c,20e…円形の穴 21…モータ付きスクロール圧縮機(第2実施例) 22…コイルスプリング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機のハウジングと、前記ハウジング
    内に延びている回転軸と、前記ハウジング内の前記回転
    軸の実質的な延長上に端板の中心を有し、前記端板に軸
    方向に突出する渦巻き形の羽根を備え、前記ハウジング
    に対して回転しないように、しかし軸方向には移動する
    ことができるように前記ハウジングによって支持されて
    いる固定スクロール部材と、前記固定スクロール部材に
    形成された前記渦巻き形の羽根に対して、中心と位相を
    ずらせて噛み合う同様な形状の渦巻き形の羽根を端板上
    に備え、前記回転軸の回転によって駆動されて自転を伴
    わない公転のみをする旋回スクロール部材と、前記固定
    スクロール部材の前記端板の前記旋回スクロール部材に
    対向している面とは反対側の面に形成され、圧縮された
    流体の圧力を導入して前記固定スクロール部材を前記旋
    回スクロール部材に向かって軸方向に押圧する流体圧シ
    リンダとを備えていることを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 前記固定スクロール部材に設けられた前
    記端板の前記旋回スクロール部材に対向している面とは
    反対側の面と前記ハウジングの内壁面との間に設けら
    れ、前記固定スクロール部材を前記旋回スクロール部材
    に向かって軸方向に押圧する弾性手段を備えていること
    を特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
JP23695092A 1992-09-04 1992-09-04 スクロール圧縮機 Pending JPH0681781A (ja)

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JP23695092A JPH0681781A (ja) 1992-09-04 1992-09-04 スクロール圧縮機

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