JP2000009065A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JP2000009065A
JP2000009065A JP10176199A JP17619998A JP2000009065A JP 2000009065 A JP2000009065 A JP 2000009065A JP 10176199 A JP10176199 A JP 10176199A JP 17619998 A JP17619998 A JP 17619998A JP 2000009065 A JP2000009065 A JP 2000009065A
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JP10176199A
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English (en)
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Kazuhide Uchida
和秀 内田
Masafumi Nakajima
雅文 中島
Takeshi Sakai
猛 酒井
Hiroyasu Kato
裕康 加藤
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/0021Systems for the equilibration of forces acting on the pump
    • F04C29/0035Equalization of pressure pulses

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール型圧縮機において過圧縮防止用の
バイパス孔を設ける位置を改善し、CO2 冷媒を圧縮す
る際にも過圧縮損失が生じないようにする。 【解決手段】 中心部に最も近い位置に一対の最内周作
動室17が形成されたとき、固定及び旋回スクロールの
各羽根部8a,12aの間にできる接触点のうち外周側
のものを基準接触点19として、そこから固定スクロー
ルの羽根部に沿って中心寄りの90°の角度範囲A内の
端板部8bに過圧縮防止ポート8dを穿設し、それらに
逆止弁を設ける。作動室15内の流体が圧縮されて上昇
する圧力が中心の吐出孔8cにおける最終的な吐出圧力
の実質的に2分の1に達する前でも吐出室内の圧力より
も高くなると、過圧縮防止ポート8dの逆止弁が開弁し
て、作動室17(又は15)内の流体を吐出室へ放出す
るので、それ以上に作動室内で流体を過圧縮することに
よって生じる動力の損失を避けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用等の空調
装置において冷媒圧縮機として使用するためのスクロー
ル型圧縮機に係るもので、特に、二酸化炭素(CO2
を冷媒として使用する空調装置に好適なスクロール型圧
縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車や家庭用の空調装置においては、
冷凍サイクルの冷媒としてフッ素化合物であるR134
a等のフレオンガス類を使用するのが一般的であるが、
フレオンガス類が地球環境に及ぼす悪影響を懸念して、
最近はフレオン使用全廃の気運が高まって来ている。そ
こでフレオンガス類に代わる無害な代替冷媒として注目
されているものの1つに二酸化炭素(CO2 )がある。
また、主として家庭用の空調装置における冷媒圧縮機と
して、従来から広く使用されて来た往復動式圧縮機やベ
ーン型圧縮機に代わって、最近は回転が滑らかで運転音
が低いスクロール型圧縮機を採用するケースが増加して
いるが、CO2 冷媒を使用する空調装置に冷媒圧縮機と
してスクロール型圧縮機を使用した事例は未だ知られて
いない。
【0003】CO2 冷媒用の冷媒圧縮機としてのスクロ
ール型圧縮機の適性を論じる以前の問題であるが、スク
ロール型圧縮機は前述のような利点を有する反面におい
て、固定スクロールと旋回スクロールの間に形成される
複数個の作動室が中心に到達するまで吐出室へ連通する
ことができないという、スクロール型圧縮機特有の構造
から、設定圧力以下の吐出を行うことができないので、
定常状態に入って冷房負荷が小さくなっているような場
合には、「内部過圧縮損失」が大きくなって、駆動力の
一部が無駄になるという欠点を有している。
【0004】特に、自動車用空調装置の冷媒圧縮機とし
てスクロール型圧縮機を用いると、自動車のエンジンの
回転数は運転状態によって非常に広い範囲にわたって変
化するので、冷房負荷が小さいのにエンジンの回転数、
従ってスクロール型圧縮機の駆動回転数が非常に高くな
っている状態では、スクロール型圧縮機の内部過圧縮損
失が著しく大きくなるという問題があるので、自動車用
空調装置に基本的な構造のスクロール型圧縮機を使用す
るのは不適当である。
【0005】その対策として、圧縮比が最低になる状態
に合わせてスクロールの巻き数を少なくすることが考え
られるが、そのようにすると、巻き数が1.5巻き程度
というように極端に少なくなるので、今度は駆動側に及
ぼすトルク変動や、吐出圧の脈動というような別の問題
が起こって来る。それらを考慮するとスクロールの巻き
数は2〜3巻は必要となる。これは圧縮比が、フレオン
ガス類を冷媒とする場合に5程度、CO2 冷媒の場合に
3程度のときに、内部過圧縮が生じないことを条件とし
て計算した巻き数である。しかし、実際には冷房負荷の
変動や駆動回転数の変動があるために、冷媒圧縮機に要
求される圧縮比は、フレオンガス冷媒の場合で2〜8、
CO2 冷媒の場合で2〜5というように変化する結果、
低圧縮比の状態において内部過圧縮が発生する。
【0006】また、スクロール型圧縮機が本来有する前
記問題に対処する従来技術として、シェル(固定スクロ
ール)の端板にバイパス孔と逆止弁を設けて、作動室内
で圧縮された冷媒の圧力が過度に高くなったときに、そ
のバイパス孔から吐出室へ冷媒を逃がすものが古くから
知られているが、バイパス孔を設ける位置を明確に特定
したものは最近までなかった。しかし、家庭用の空調装
置において、インバーターを用いてスクロール型圧縮機
の駆動回転数を広い範囲で変化させるようになって来た
ので、冷房負荷が小さくて駆動回転数が低下したときに
生じる内部過圧縮損失を減少させる目的においてなされ
た、バイパス孔の位置を特定する発明が特公平8−30
471号公報に記載されている。
【0007】この従来技術は、スクロール型圧縮機にお
けるシェル(固定スクロール)と、ロータ(旋回スクロ
ール)との間に形成される作動室(圧縮室)が冷媒を圧
縮しながら求心的に移動して、両スクロールの中心にお
いて吐出孔と吐出弁を介して吐出室に連通する前に作動
室側と吐出室側とを連通させるバイパス孔を、シェルの
渦巻き形の羽根(ラップ)の近傍に設けると共に、該バ
イパス孔に、作動室側から吐出室側への冷媒ガスの流通
を許す逆止弁よりなるバイパス弁を設けるものにおい
て、バイパス孔の位置を作動室の圧力比が設定圧力比の
0.5〜0.75となる位置に設けることを特徴とする
ものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】冷媒としてCO2 を使
用した場合には、単位体積当たりの冷房能力が大きいた
めに、冷媒圧縮機の吸入体積はフレオン冷媒のR134
aの場合の1/8程度に小さくなることから、バイパス
孔の占めるデッドスペースの割合がR134aの場合に
比べて大きくなり、前述の従来技術のように、バイパス
孔を作動室の圧力比が設定圧力比の0.5〜0.75と
なる位置に設けても、十分な省エネルギー効果が得られ
ないという問題がある。
【0009】本発明は、従来技術におけるこの問題に鑑
み、フレオン冷媒のR134aを使用する空調装置にお
ける冷媒圧縮機の圧縮比が4〜7であるのに対して、C
2冷媒を使用する空調装置における冷媒圧縮機の圧縮
比が約3というように格段に小さいことに着目し、従来
技術において過圧縮防止用のバイパス孔を配置する位置
を更に改善して最適化することによって前述の問題を解
消し、CO2 冷媒に対しても効率よく作動するスクロー
ル型圧縮機を得ることを目的としている。
【0010】また、本発明は、スクロールの巻き数が3
以下で、圧縮比が2のような条件においても、バイパス
孔である過圧縮防止ポートを最適の位置に配置すること
によって、駆動側や自動車の車体に振動・騒音として波
及するトルク変動や、吐出圧の脈動の発生を抑えること
が可能であって、しかも内部過圧縮損失を低減させるこ
とができるスクロール型圧縮機を提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項
に記載されたスクロール型圧縮機を提供する。
【0012】請求項1に記載されたスクロール型圧縮機
においては、中心部に最も近い位置に一対の最内周作動
室が形成されたときに、固定スクロールの羽根部と旋回
スクロールの羽根部との間にできる接触点のうち外周側
のものを基準接触点として、それから固定スクロールの
羽根部に沿って中心寄りの90°の範囲内において、固
定スクロールの端板部の適所に過圧縮防止ポートを穿設
すると共に、その過圧縮防止ポートにそれぞれ逆止弁を
設けるので、作動室の縮小に伴ってその内部の流体が圧
縮されることにより上昇して行く圧力が、吐出弁からの
最終的な吐出圧力の実質的に2分の1に達する前であっ
ても、吐出室内の圧力よりも高くなったときには過圧縮
防止ポートの逆止弁が開弁して、作動室内の流体を吐出
室へ放出するので、それ以上に作動室内で流体を過圧縮
することによって生じる動力の損失を避けることができ
る。
【0013】請求項2に記載されたスクロール型圧縮機
においては、フロントケーシング内に駆動源としてのモ
ータ部を一体的に組み込むことにより、全体を小型化す
ることができる。
【0014】請求項3に記載されたスクロール型圧縮機
によれば、それを空調装置の冷凍サイクルに使用される
冷媒圧縮機に適用すると共に、圧縮すべき冷媒として二
酸化炭素を用いる。二酸化炭素を冷媒として用いると全
体に圧力が高くなる反面、圧縮比が小さくなるので、従
来技術のスクロール型圧縮機を用いると過圧縮損失を生
じる運転状態が多くなるが、本発明のスクロール型圧縮
機によれば、最終的な吐出圧力の2分の1以下の領域に
おいても作動室内の圧力が吐出室内の圧力を上回ったと
きは、過圧縮防止ポートの逆止弁が開いて作動室が減圧
されるため、過圧縮となることが回避されて、動力損失
を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に本発明の第1実施形態とし
て、CO2 冷媒に適するように、駆動用のモータを一体
化したモータ組み込み式のスクロール型圧縮機の縦断面
構造を示す。図2は図1のスクロール部の横断面の形状
を示すものである。図において、1は中心部のシャフト
であって、フロント軸受2とリア軸受3によって軸承さ
れている。4は概括的にモータ部を示すもので、モータ
部4はシャフト1に取り付けられて回転し得るモータロ
ータ4aと、固定のモータステータ4bと、モータステ
ータ4bの一部でもあるモータコイル4c等からなって
いる。モータステータ4bはモータケーシング5の内部
に固定されている。モータケーシング5は一端側の中心
部において円筒状に内方に向って突出しており、そこに
前述のフロント軸受2を支持する支持部5bを形成して
いる。また、モータケーシング5の同じ一端側の面には
吸入ポート5aが開口しており、それによって、モータ
ケーシング5内のモータロータ4a及びモータステータ
4bの隙間からなる大きな空間は、後述の吸入室10の
上流側の部分を構成する。
【0016】モータケーシング5の他端側は全部が大き
な開口を形成しているが、その開口面を塞ぐように概ね
円板状のミドルケーシング6が取り付けられる。ミドル
ケーシング6の中心部分はモータ部4の内方に向って円
筒状に突出していて、前述のリア軸受3を取りつけるた
めの支持部6bとなっている。第1実施形態において
は、ミドルケーシング6の他端側に圧縮機部Cとしての
スクロール型圧縮機が取り付けられるので、その自転防
止機構における自転防止ピン14(後述)の可動範囲を
制限するための円形の穴であるポケット6aが、ミドル
ケーシング6の他端側の面に複数個設けられている。
【0017】前述のモータケーシング5及びミドルケー
シング6に対して、それらと連続するようにポンプケー
シング7が、図示しない通しボルト等によって締結され
て一体化される。そして、図1に示す第1実施形態の場
合は、圧縮機部Cとなるスクロール型圧縮機のシェル
(固定スクロール)8が、ミドルケーシング6と、圧縮
機ケーシング7の内部に形成された突出部との間に挟ま
れるようにして固定されている。そのようにして圧縮機
ケーシング7が、圧縮機部Cのシェル8の外周部および
軸方向下端部を隙間を置いて包囲することにより、シェ
ル8の外側の圧縮機ケーシング7の内部に圧縮機部Cの
ための円筒形の吐出室9が形成される。そして、圧縮機
ケーシング7の下端面の適所に吐出ポート7aが設けら
れる。
【0018】良く知られているスクロール型圧縮機と同
様に、固定のシェル8の内部には渦巻き形の羽根からな
るシェル羽根部8aが形成されている。シェル羽根部8
aの外側の空間は吸入室10となっていて、図示しない
通路によって前述のモータ部4内の隙間に形成された空
間と連通しており、その空間を介して吸入ポート5aに
も連通している。その吸入ポート5aは図示しない配管
によって、空調装置の冷凍サイクルにおけるエバポレー
タに接続される。また、シェル端板部8bの中心部には
吐出孔8cが開口しており、それを外側から覆うように
リード弁状の吐出弁11が設けられている。吐出室9の
吐出ポート7aは、図示しない配管によって空調装置の
冷凍サイクルにおけるガスクーラに接続される。
【0019】シェル8(固定スクロール)の内部にはロ
ータ(旋回スクロール)12が設けられる。ロータ12
のロータ端板部12bは、クランク部軸受13を介して
シャフト1の下端に偏心して形成されたクランクピン1
aに係合しており、クランクピン1aによって回転駆動
される。ロータ端板部12bにはロータ羽根部12aが
形成されていて、前述のシェル羽根部8aと噛み合って
いる。ロータ12の自転を阻止するために、ロータ端板
部12bのミドルケーシング6に接触して摺動し得る面
には円形の穴であるロータポケット12cが複数個形成
されており、それぞれに対応する前述のミドルケーシン
グ6のポケット6aとの間に自転防止ピン14が挟持さ
れている。
【0020】第1実施形態のスクロール型圧縮機は図1
及び図2に示すような構成を有するので、モータ部4に
電力を供給してシャフト1を回転させると、圧縮機部C
においては、偏心したクランクピン1aによってロータ
端板部12bが回転駆動されるが、ロータ端板部12b
は自転防止ピン14によって自転を阻止されるので、ロ
ータ12はシャフト1の中心軸線の回りに公転し、ロー
タ羽根部12aと、それが噛み合っているシェル8のシ
ェル羽根部8aとの間に形成される作動室15は、外周
において吸入室10に向かって開いたときにCO2 冷媒
を取り込み、漸次中心部に向かって移動する間に閉じる
と共に容積が縮小することによってそれを圧縮する。そ
して圧縮されたCO2 冷媒は、通常の運転状態において
は中心部に形成される単一の作動室18から吐出孔8c
を通り、吐出弁11を押し開いて吐出室9内へ吐出され
る。
【0021】冷凍サイクルのエバポレータから戻って来
るCO2 冷媒は、モータケーシング5内のモータ部4を
構成するモータロータ4a、モータステータ4b、モー
タコイル4c等の隙間によって形成される吸入室上流側
部分と、それに連通している圧縮機部C内の吸入室10
によって十分に大きな吸入室空間が形成されているた
め、吐出脈動が平滑化される。第1実施形態の場合、モ
ータケーシング5内の空間を吸入室の一部として利用す
ることにより、吐出脈動を平滑化して振動、騒音の発生
を抑えながらも全体の体格と重量が大きくなることを防
止して、冷媒圧縮機を小型化、軽量化することが可能に
なる。
【0022】以上は、本発明の第1実施形態としての、
モータ組み込み式のスクロール型圧縮機についての基本
的な構成の説明であるが、次に、第1実施形態において
本発明の特徴に対応する部分について詳細に説明する。
【0023】両スクロールの中心に関して対称的な位置
に対になって形成される複数個の作動室15がロータ1
2の旋回につれて中心に向かって移動し、中心において
合一して単一の作動室18となる直前の段階として、ロ
ータ12の羽根部12aが吐出孔8cを完全に閉塞(吐
出孔8cの直径は羽根部12aの内端部の厚さよりも小
さくする)している図2に示すような状態において、一
対の最内周作動室17が形成されるが、そのときに1つ
の最内周作動室17の渦巻き方向の両端を閉じるために
シェル8の羽根部8aとロータ12の羽根部12aとの
間にできる2個所の接触点のうち、外周側の接触点(以
下これを「基準接触点19」と呼ぶことにする)からシ
ェル8の羽根部8aの内面又は外面に沿って中心角にし
て90°の範囲A内(90°の位置を参照符号20によ
って示す)の、シェル8の端板部8bの適所に各1個の
過圧縮防止ポート8dを穿設する。
【0024】ここで、基準接触点19から中心角90°
として定められる位置20というのは、表現を替えれ
ば、過圧縮防止ポート8dを設ける前のスクロール型圧
縮機の標準的な運転状態において、作動室15の縮小に
伴ってその内部の冷媒が圧縮されることによって上昇し
て行く圧力が、最終的な吐出圧力(設定圧力)の実質的
に2分の1に達する位置であると言うことができ、この
位置は前述の従来技術によって規定された範囲の最外端
の位置に対応するから、本発明の場合は90°の位置2
0そのものを含まない直前の位置までが該当範囲とな
る。なお、過圧縮防止ポート8dの直径は、吐出孔8c
の直径よりも大きくならないように可及的に小径とす
る。また、過圧縮防止ポート8dの数は少ない方が良い
ので、特別の必要でもない限り1対、即ち2個とする。
【0025】そして、過圧縮防止ポート8dの吐出室9
側となる下流側端部には、吐出室9の側からそれを閉塞
する逆止弁16を設ける。第1実施形態において示した
逆止弁16は吐出弁11と同様なリード弁状のものであ
って、過圧縮防止ポート8dの上流側端部が開口してい
る作動室15或いは最内周作動室17の圧力が吐出室9
内の圧力よりも高くなったときに開弁して、作動室内に
おいて冷媒が過圧縮されるのを防止し、無駄な駆動エネ
ルギーの消費を回避する。
【0026】このように、本発明の特徴として、シェル
8の端板部8bにおいて過圧縮防止ポート8dが開口し
ている位置は、基準接触点19からシェル8の羽根部8
aに沿って90°の角度範囲A内であるが、従来技術で
ある特公平8−30471号公報に記載されたバイパス
孔を設ける範囲「作動室の圧力比が設定圧力比の0.5
〜0.75となる位置」は、位置20から更に羽根部8
aに沿って中心寄りの範囲であるから、本発明の範囲A
は従来技術において規定している範囲と重複することは
なく、従来技術に比べてより低圧側の領域をカバーす
る。
【0027】従って、第1実施形態のスクロール型圧縮
機においては、冷房負荷の減少等によって冷媒圧縮機に
要求される圧縮比が小さくなったときに、作動室15の
中にある冷媒が最内周作動室17と中心部に形成される
単一の作動室18を経由する間に過圧縮されて、吐出弁
11を経て吐出室9内へ吐出される前に、未だ過圧縮の
状態にない作動室15から最内周作動室17に移行する
時期の作動室、即ち従来技術に規定されたものよりも更
に低圧側に形成される作動室から、過圧縮防止ポート8
dと逆止弁16を経て吐出室9へ吐出されるので、フレ
オンガス類を冷媒とする場合は勿論のこと、CO2 冷媒
を使用するような低圧縮比の場合でも、確実に過圧縮を
防止して無駄なエネルギー消費を回避することができ
る。
【0028】図3は本発明の第2実施形態として自動車
のエンジン等によって駆動することができるスクロール
型圧縮機を示すものである。スクロール部の横断面の形
状は実質的に図2と同様な形になるので、横断面を示す
図面は省略する。そのほか、図3に示す第2実施形態の
スクロール型圧縮機は、図1に示す電動式のスクロール
型圧縮機と同様な構成部分を多く有しているので、図1
に示すものと実質的に共通の構成部分には、図3におい
ても同じ参照符号を付すことによって、それらについて
の詳細な説明を省略することにする。
【0029】第2実施形態が第1実施形態と異なる点と
して、シャフト1は、自動車のエンジンのような外部の
駆動源に対して図示しない電磁クラッチ等を介して連結
されるので、シェル8の前部に取り付けられたフロント
ケーシング21内に設けられるフロント軸受22によっ
て軸支される。フロントケーシング21の内部はシャフ
トシール23によって外気に対して遮断されている。な
お、シャフト1の先端部分にはクラッチに接続するため
のスプライン24が形成されている。また、第2実施形
態の場合は圧縮機ケーシングが設けられず、代りにリア
ケーシング25がシェル8の後に設けられて、その内部
に吐出室9が形成され、壁面に吐出ポート25aが設け
られる。
【0030】第2実施形態においても、駆動源がモータ
から外部のエンジン等に変わっただけで、基本的な作動
は第1実施形態のそれと同じであるから、実質的に同様
な作用効果を奏する。ただ、自動車用のエンジンを駆動
源とする場合は、走行状態によってエンジンの回転数が
大幅に変動するので、第1実施形態においてモータ部4
をインバータを介して駆動することにより回転数が変動
する場合と同様に、冷房負荷の変動だけでなく、駆動回
転数の変動による過圧縮損失を防止することを目的とす
るケースが多くなるが、第2実施形態のスクロール型圧
縮機によれば、例えば初期のクールダウンが終わって冷
房負荷が小さくなったときに、自動車が高速運転される
ことによってエンジンの回転数が非常に高くなったよう
な状態においても、過圧縮防止ポート8dと逆止弁16
が低圧側の作動室15から過圧縮となる前の冷媒を吐出
室9へバイパスするので、過圧縮損失を確実に防止し
て、無駄なエネルギー消費を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である電動式のスクロー
ル型圧縮機の構造を示す縦断面図である。
【図2】本発明のスクロール型圧縮機の特徴を説明する
ためにスクロール部の横断面を示すII−II断面図であ
る。
【図3】本発明の第2実施形態である外部駆動式のスク
ロール型圧縮機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…シャフト 4…モータ部 7…圧縮機ケーシング 8…シェル(固定スクロール) 8a…シェルの羽根部 8b…シェルの端板部 8c…吐出孔 8d…過圧縮防止ポート 9…吐出室 10…吸入室 11…吐出弁 12…ロータ(旋回スクロール) 12a…ロータの羽根部 12b…ロータの端板部 13…クランク部軸受 15…作動室 16…逆止弁 17…最内周作動室 18…中心部に形成される単一の作動室 19…基準接触点 20…90°の位置 21…フロントケーシング 22…フロント軸受 C…圧縮機部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 雅文 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 酒井 猛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 加藤 裕康 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA16 AA17 AB03 AB05 BB00 BB21 BB22 BB23 BB41 BB42 BB51 CC04 CC13 CC23 CC52 CC82 3H039 AA03 AA12 BB00 BB17 BB21 BB28 CC03 CC08 CC26 CC30 CC40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源によって回転駆動されるシャフト
    と、前記シャフトを回転自由に支持するフロント軸受
    と、前記フロント軸受を支持するフロントケーシング
    と、前記シャフトの端部に偏心して形成されたクランク
    部と、前記クランク部に設けられたクランク部軸受と、
    前記クランク部軸受を介して前記シャフトに回転可能に
    連結された端板部及びその一面に形成された渦巻き形の
    羽根部からなる旋回スクロールと、固定された端板部及
    びその一面に形成されて前記旋回スクロールの羽根部と
    噛み合う渦巻き形の羽根部からなる固定スクロールと、
    前記旋回スクロールの公転を許すが自転は阻止する自転
    防止機構と、噛み合っている前記旋回スクロール及び前
    記固定スクロールの間に形成されて運転時に外周側から
    中心に向かって縮小しながら移動する対になった複数個
    の作動室と、前記旋回スクロール及び前記固定スクロー
    ルの外周部に形成されて前記作動室がそれに向かって開
    いたときに圧縮すべき流体をそれから吸入する吸入室
    と、複数個の前記作動室が最終的に前記旋回スクロール
    及び前記固定スクロールの中心部において合一して形成
    される単一の作動室と、前記単一の作動室と吐出室との
    間に設けられた吐出孔と、前記吐出孔の前記吐出室側に
    設けられた吐出弁とを備えているスクロール型圧縮機に
    おいて、 複数個の前記作動室が最終的に前記旋回スクロール及び
    前記固定スクロールの中心部において合一して前記単一
    の作動室を形成する直前の段階として、前記旋回スクロ
    ールの前記羽根部の端面が前記吐出孔を完全に閉塞して
    いると共に、前記旋回スクロール及び前記固定スクロー
    ルの中心部に最も近い位置に一対の最内周作動室が形成
    されたときに、前記最内周作動室の渦巻き方向の両端を
    閉じるために前記固定スクロールの羽根部と前記旋回ス
    クロールの羽根部との間にできる接触点のうち、基準と
    なる外周側の接触点から前記固定スクロールの羽根部に
    沿って中心角にして90°の範囲内の前記固定スクロー
    ルの端板部に穿設されて、一対の前記作動室と前記吐出
    室との間を連通させ得る一対の過圧縮防止ポートと、前
    記吐出室側において前記過圧縮防止ポートにそれぞれ設
    けられた逆止弁とを更に備えていることを特徴とするス
    クロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記駆動源が前記フ
    ロントケーシング内に組み込まれたモータ部によって構
    成されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、圧縮すべき前
    記流体が空調装置の冷凍サイクルに使用される冷媒とし
    ての二酸化炭素であることを特徴とするスクロール型圧
    縮機。
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