JP3924817B2 - 容積形流体機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作動流体を移動させるディスプレーサが作動流体が吸入されたケーシングに対して相対的に自転運動せずにほぼ一定の半径で公転運動、すなわち旋回運動することにより作動流体の搬送等を行う高効率の容積形流体機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
古くから容積形の流体機械として、円筒状のシリンダ内をピストンが往復運動を繰り返すことにより作動流体を移動させるレシプロ式流体機械、円筒状のシリンダ内を円筒状のピストンが偏心回転運動することにより作動流体を移動させるロータリ式(ローリングピストン型)流体機械、端板上に直立した渦巻状のラップを有する一対の固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせ、旋回スクロールを旋回運動させることにより作動流体を移動させるスクロール式流体機械が知られている。
【0003】
レシプロ式流体機械は、その構造が単純であることから製作が容易でかつ安価であるという利点がある反面、吸入終了から吐出終了までの行程が軸回転角で180°と短く、吐出過程の流速が速くなるため圧力損失の増加による性能低下という問題、及び、ピストンを往復させる運動を必要とするため回転軸系を完全にバランスさせることができず振動や騒音が大きいという問題がある。
【0004】
また、ロータリ式流体機械は、吸入終了から吐出終了までの行程は軸回転角で360°であるため吐出過程の圧力損失が増加するという問題はレシプロ式流体機械に比べ少ないものの、軸1回転に1回吐出するものであるためガス圧縮トルクの変動が比較的大きくレシプロ式流体機械同様振動と騒音の問題がある。
【0005】
また、旋回運動式の容積形流体機械(以後、旋回型流体機械と略称す)に関しては古くから種々の考案がなされている。米国特許385832には円筒型のディスプレーサをケーシング内で旋回運動させて作動流体を搬送するポンプが開示されている。また、このディスプレーサの円筒を多重にした構造も米国特許406099及び940817に開示されている。これら円筒型ディスプレーサとは別に渦巻型のディスプレーサにより作動流体を圧縮する機械が米国特許801182に開示されている。これは今日、スクロール型流体機械とよばれているものの原形であり、旋回型流体機械の一種だが一つの独立した流れを形成するまでに発展してきている。
【0006】
このスクロール式流体機械は、吸入終了から吐出終了までの行程が軸回転角で360°以上と長い(空調用として実用化されているものは通常900°程度)ため吐出過程の圧力損失が小さく、かつ、一般に複数の作動室が形成されるためガス圧縮トルクの変動も小さく振動及び騒音が小さいという利点がある。しかし
、ラップ噛み合い状態での渦巻状のラップ間のクリアランスや、端板とラップ歯先間のクリアランスの管理が必要で、そのために精度の高い加工を施さねばならず加工費用が高価になるという問題がある。また、吸入終了から吐出終了までの行程が軸回転角で360°以上と長いため圧縮過程の時間が長く内部漏れが増加するという問題があった。
【0007】
ところで、作動流体を移動させるデイスプレーサ(旋回ピストン)が作動流体が吸入されたシリンダに対して相対的に自転運動せずにほぼ一定の半径で公転運動、すなわち旋回運動することにより作動流体を搬送する容積型機械の一種が特開昭55−23353号公報(文献1)及び米国特許2112890号公報(文献2)に提案されている。ここに提案されている容積形流体機械は、複数の部材(ベーン)が中心より放射状に延びている花びら形状を有するピストンと、このピストンと相似形の中空部を有するシリンダとから構成され、このピストンがこのシリンダ内を旋回運動することによって、作動流体を移動させるものである。これらのものは、作動流体の圧力脈動を少なくし軸トルクの変動を小さくする工夫がされてきているが容積形流体機械として一般的に実用化されるまでには至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これら文献1及び文献2に開示された構造は、回転軸系が完全にバランスできるため振動が小さく、ディスプレーサとケーシング間の相対滑り速度が小さいため摩擦損失が比較的少なくできるといった旋回型流体機械として本質的に有利な特長を備えている。
【0009】
しかし、ディスプレーサの複数のベーンによって形成される個々の作動室の吸入終了から吐出終了までの行程が軸回転角θで約180°と短いため(ロータリ式の約半分でレシプロ式と同程度)、吐出行程の流速が速くなり、圧力損失が増加して性能が低下する問題があった。
【0010】
また、この形式の流体機械では圧縮された作動流体からの反力としてディスプレーサに、ディスプレーサ自身を回転させようとする自転モーメントが作用し、ディスプレーサのベーンでこのモーメントを受けるようになっているが、上記文献1及び文献2に開示された構造では、吸入終了から吐出終了までの作動室が駆動軸の片側に集中しているため、ディスプレーサに働く自転モーメントが過大になり、ベーンの摩擦や摩耗といった性能・信頼性上の問題が起こりやすいという欠点もある。
【0011】
ところで、この欠点を考慮に入れて実際に製作し、回転数に対する性能の試験してみたところ、ある回転数を越えると急激に圧縮性能(ポンプ性能も同様と考えられる)が低下するという問題があった。
【0012】
本発明の目的は、容積型流体機械の運転回転数を高くしても性能低下を起こしにくい容積型流体機械を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明の容積形流体機械は、は敷いた間に配置されたディスプレーサ及びケーシングと、前記ディスプレーサを駆動させる駆動軸と、前記ディスプレーサを前記駆動軸の回転中心に合わせたとき前記ディスプレーサの外壁面と前記ケーシングの内壁面とにより一つの空間が形成され、前記ディスプレーサをその旋回位置に合わせたとき前記ディスプレーサの外壁面と前記ケーシングの内壁面とにより複数の空間が形成される容積型流体機械において、前記ディスプレーサと前記端板間に油を供給する油供給機構を備え、その油供給機構は、機械内に溜まっている潤滑油と連通する前記駆動軸若しくは前記端板に設けられた油供給部と、前記ディスプレーサに設けられて前記油供給部から供給された油を導く溝とを有するものである。
【0014】
また上記目的を達成するために、端板間に配置されたディスプレーサ及びケーシングと、前記ディスプレーサを駆動させる駆動軸と、前記ディスプレーサを前記駆動軸の回転中心に合わせたとき前記ディスプレーサの外壁面と前記ケーシングの内壁面とにより一つの空間が形成され、前記ディスプレーサをその旋回位置に合わせたとき前記ディスプレーサの外壁面と前記ケーシングの内壁面とにより複数の空間が形成される容積型流体機械において、前記ディスプレーサと前記端板間に油を供給する油供給機構を備え、その油供給機構は、機械内に溜まっている潤滑油と連通する前記端板に設けられた油供給部と、前記端板に設けられて前記油供給部から供給された油を導く溝とを有するものである。
【0015】
上記した性能の低下は、特に、ディスプレーサが比較的偏平な形状となる旋回型流体機械では、ケーシングの両端部を閉塞している端板とディスプレーサ間のすき間(軸方向すき間)の密封性が悪かったことが原因であると考えられている。上記した本発明では、ケーシング内部の圧縮作動室と吸入室との圧力差によりディスプレーサと端板間のすき間(軸方向すき間)を通って発生する作動流体の内部漏れを大幅に低減し性能向上が図れる旋回型流体機械を提供することができる。また、作動室を構成するディスプレーサとケーシングとの摺動部のすき間を通って発生する作動流体の内部漏れをも抑制することができるので、流体損失及び機械摩擦損失が低減され、高効率な容積形流体機械を提供することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図に示す実施の形態によって詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る旋回型流体機械を圧縮機として用いた密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、図1のA−A横断面図、図3は本発明の旋回型流体機械を圧縮機として用いた場合の作動原理を示す平面図、図4は本発明に係るディスプレーサの平面図、図5は、図4のC−C断面図、図6は本発明に係るディスプレーサと噛み合うケーシングの平面図、図7は、図6のD−D断面図、図8は本発明に係るディスプレーサ端面部の油膜形成説明図である。
【0017】
図2において、1は本発明に係る旋回型圧縮要素、2はこれを駆動する電動要素、3は旋回型圧縮要素1と電動要素2を収納した密閉容器である。図1において、旋回型圧縮要素1は、内周壁4aから内方に向かって突き出した複数の突出部4bおよびこの突出部4bの固定穴4c(図6参照)を有するケーシング(シリンダと云うこともある)4、このケーシング4の内側に配設されケーシング4の内周壁4a及び突出部4bと噛み合うディスプレーサ(旋回ピストンと云うこともある)5、前記ディスプレーサ5の中心部の軸受5aにクランク部6aが嵌合してディスプレーサ5を駆動する駆動軸6、図2において、前記ケーシング4の両端開口部(軸方向開口部)を閉塞する端板と駆動軸6を軸支する軸受を兼ねた主軸受7と副軸受8、前記主軸受7の端板に形成された吸入ポート9、前記副軸受8に形成された吐出ポート10、この吐出ポート10を開閉するリード弁形式の吐出弁11及びストッパ(弁押え)11aから構成されている。
【0018】
図1において、5bはディスプレーサ5の両端面に形成された油溝で、中心部の軸受5aから外周端付近まで湾曲して延びる複数の浅い溝(溝深さ0.5mm程度)からなり、5cはディスプレーサ5の両端面を連通する貫通孔である。図2において、12は主軸受7に取り付けられた吸入カバーで、主軸受7に一体的に吸入室7aを形成し密閉容器3内の圧力(吐出圧力)と区画されている。13は副軸受8に一体的に吐出室8aを形成するための吐出カバーである。
【0019】
電動要素2は、固定子2aと回転子2bからなり、回転子2bは駆動軸6の一端に圧入または焼き嵌め等で固定されている。14は密閉容器3の底部に溜められた潤滑油で、この中に駆動軸6の下端部が浸かっている。6bは潤滑油14を駆動軸6の回転による遠心ポンプ作用により軸受等の各摺動部に供給する給油穴であり、駆動軸6の軸端には給油ピース6cが取り付けられている。15は吸入パイプ、16は吐出パイプ、図1における17はケーシング4の内周壁4a及び突出部4bとディスプレーサ5の噛み合いによって形成される作動室である。また、19は圧縮要素の組立てボルト、18はケーシング4の突出部4b部の圧力変形等を防ぐ固定ボルト、20は吐出ガス通路である。
【0020】
作動ガス(作動流体)の流れを図2により説明する。図中に矢印で示すように、吸入パイプ15を通って密閉容器3に入った作動ガスは、主軸受7に形成された吸入ポート9を通って旋回型圧縮要素1に入り、ここで駆動軸6の回転によってディスプレーサ5が旋回運動を行い作動室の容積が縮少することにより圧縮される(詳細後述)。圧縮された作動ガスは、副軸受8の端板に形成された吐出ポート10を通り吐出弁11を押し上げて吐出室8a内に入り、ここから副軸受8、ケーシング4および主軸受7の外周部を貫通する形で形成された吐出ガス通路(図示せず)を通って密閉容器3内に入り電動要素2を介して吐出パイプ17から外部に流出する。
【0021】
次に、旋回型圧縮要素1の作動原理を図3により説明する。記号oはディスプレーサ5の中心、記号o’はケーシング4(あるいは駆動軸6)の中心である。記号a,b,c,d,e,fはケーシング4の内周壁4a及び突出部ベーン4bとディスプレーサ5の噛み合いの接点(シール点)を表す。ここで、ケーシング4の内周輪郭形状をみると、同じ曲線の組合せが3箇所連続して滑らかに接続されている。このうちの1箇所に着目すると、内周壁4a,突出部ベーン4bを形作る曲線を、厚みのある一つの渦曲線とみることができ、その内壁曲線は実質的な巻き角がほぼ360°の渦曲線で、外壁曲線も実質的な巻き角がほぼ360°の渦曲線である。すなわち、図3(1)において、aからbまでの間に2つの異なる360°の渦曲線があるという意味である。これら2つの曲線からなる渦巻体をo’を中心とする円周上にほぼ等ピッチに配設し、隣合う渦巻体の外壁曲線と内壁曲線(曲線の説明上便宜的に外壁・内壁という語を用いたが、ケーシングの内壁面というときは両者の総称とする)とは円弧等の滑らかな曲線で接続され内周輪郭形状を構成している。
【0022】
ディスプレーサ5の外周輪郭形状も上記ケーシング4と同じ原理で構成している。すなわち、ディスプレーサ5の中心と駆動軸6の中心とを合わせたとき、ケーシング4の内壁面から旋回半径εだけ空間を開けてディスプレーサ5の外壁面が存在するように構成されている。すなわち両者は相似形状で構成されている。
【0023】
圧縮作用は、駆動軸6を時計周りに回転させることにより、ディスプレーサ5が固定側であるケーシング4の中心o’の周りを自転することなしに旋回半径ε(=oo’)で公転運動し、ディスプレーサ5の中心o周りに複数の作動室17が形成される(本実施の形態では常時3個の作動室)。接点aと接点bで囲まれ網かけされた1つの作動室(吸入終了時点では2つに別れているが、圧縮行程が開始されると直ぐにこの2つの作動室はつながって1つになる)に着目すると、図3(1)が吸入ポート9からこの作動室への作動ガスの吸入が終了した状態であり、この状態から90°駆動軸6が時計周りに回転した状態が図(2)で、さらに回転が進み最初から180°回転した状態が図(3)である。図(3)からさらに90°回転すると最初の図(1)の状態に戻る。これより、駆動軸6の回転が進むにしたがって作動室18はその容積を縮少し、吐出ポート10は吐出弁11で閉じられているため作動流体の圧縮作用が行われることになる。
【0024】
そして、作動室17内の圧力が外部の吐出圧力よりも高くなると圧力差で吐出弁11が自動的に開き、圧縮された作動ガスは吐出ポート10を通って吐き出される。吸入終了(圧縮開始)から、吐出終了までの軸回転角は360°(180°より大きい)で、圧縮、吐出の各行程が実施されている間に次の吸入行程が準備されており、吐出終了時が次の圧縮開始となる。この実施の形態では、吸入過程の作動室と圧縮(吐出)過程の作動室は隣接している。このように連続的な圧縮動作を行なう作動室がディスプレーサ5の中心部に位置する駆動軸受5aの周りにほぼ等ピッチで分散して配設され、各作動室は各々位相がずれて圧縮が行われるため軸トルクの変動および吐出ガスの圧力脈動が非常に小さくなり、これに起因する振動、騒音を低減することができる。
【0025】
尚、図3(3)の作動室17の反時計回りに隣接する作動室はこの状態では吸入過程にあるが、図3(4)の状態になると、1つであった作動室が2つに分断されて別々の吐出口から排出されるようになっている点も本実施形態における容積型流体機械の特徴でもある。分断された量に等しい作動流体は時計回りに隣接する作動室から供給されている。
【0026】
以上説明したように、連続的な圧縮動作となる作動室が旋回ピストン5の中心部に位置する駆動軸受5aの周りにほぼ等ピッチで分散して配設され、各作動室は各々位相がずれて圧縮が行われる。すなわち、一つの空間に着目すると吸入から吐出までは軸回転角で360°ではあるが、本実施形態の場合3個の作動室が形成され、これらが120°ずれた位相で吐出をするので、圧縮機として軸回転角で360°間に3回冷媒を吐出することになる。このように冷媒の吐出脈動を小さくし得る点がレシプロ式、ロータリ式及びスクロール式にない点である。さて、圧縮動作を終了した瞬間の空間(接点aとbによって囲まれた空間)を一つの空間として見做すと、いずれの圧縮機動作状態においても、吸入行程となっている空間と圧縮行程となっている空間とが交互になるように設計されており、このため、圧縮行程が終了した瞬間直ちに次の圧縮行程に移行することができ、滑らかで連続的に流体を圧縮することができる。
【0027】
また、上記文献1及び2に示された容積型流体機械は、吸入ポートと吐出ポートとがディスプレーサとケーシングによって囲まれる1つの空間を介して連通する期間が存在する。この連通期間は、実質的に吸入圧縮(吐出)に寄与しておらず無駄である。本実施の形態による容積型流体機械では、上記文献1及び文献2に見られる連通期間が存在せずいずれの空間も作動室としてに寄与しているので高効率な容積型流体機械となりうる。
【0028】
次に、図4〜図8により、本発明の特徴であるディスプレーサと端板間のすき間(軸方向すき間)を効果的に密封する方法について説明する。図4は本発明に係るディスプレーサ5の平面図、図5は、図4のC−C断面図、図6は本発明に係るディスプレーサと噛みあうケーシング4の平面図、図7は、図6のD−D断面図、図8は本発明に係るディスプレーサの端面部の油膜形成説明図を示す。
【0029】
図においてケーシング4の高さ寸法はHで、ディスプレーサ5の高さ寸法hはこの寸法Hより僅かに(10μm程度)小さな値に設定されている。これらの寸法は、一般的な平面研削によって比較的容易に高精度加工が実現され、ディスプレーサ5と端板間のすき間(軸方向すき間)は非常に小さな値(5μm程度)に管理される。ディスプレーサ5の両端面部には中心部の軸受5aから外周端付近まで湾曲して延びた3本の浅い溝(溝深さ0.5 程度)からなる油溝5bが形成されている。これらの油溝5bは、図3の圧縮作動原理図をみても分かるように高圧になった各々の作動室17を取り囲むように配設されている。軸方向すき間の密封作用は以下のように行なわれる。
【0030】
駆動軸6の回転による遠心ポンプ作用で汲み上げられた密閉容器3底部の潤滑油14は給油穴6bを通り軸受等の各摺動部に供給されるが、そのうちディスプレーサ5の中心部の軸受5aに供給された油は軸受端部に達し、そこから図8に実線矢印で図示するように各々の油溝5bを通ってディスプレーサ5の外周端まで供給される。またこの途中で、潤滑油14は高圧(吐出圧)になっているためケーシング4内の低圧部との圧力差により破線矢印で図示するように移動してディスプレーサ5の両端面部に一様に油膜が形成されるようになる(1点鎖線の矢印は軸受5bに供給された潤滑油14が直接ケーシング4内の低圧部に移動する経路を示す)。これにより油の密封作用が有効に機能し、ケーシング4内部の(圧縮)作動室と吸入室との圧力差によりディスプレーサと端板間のすき間(軸方向すき間)を通って発生する作動ガスの内部漏れが大幅に低減されるため、高性能の旋回型流体機械を提供することができる。
【0031】
さらに、作動室および吸入室内に入り込んだ油は、図3に記号a,b,c,d,e,fで示したケーシング4とディスプレーサ5の噛みあい接点部のすき間(半径方向すき間)の密封作用にも有効に機能し、作動ガスの内部漏れ低減に寄与することができる。なお、油溝5bの数や形状は上記実施の形態に限定されるものではなく、圧縮機の作動条件や密封作用に必要な油量、摺動部の潤滑に必要な油量等を考慮して任意に設計することが可能であり、例えば、性能および信頼性の面から最適な潤滑構造が容易に実現できるため、機械設計の自由度を大幅に拡大することが可能となる。
【0032】
図9は、本発明の他の実施の形態に係る密閉型圧縮機の要部縦断面図、図10は、図9におけるディスプレーサの平面図である。ここで、図1,図2と同一符号を附したものは同一部品であり、同一の作用をなす。図において、21は副軸受8の端板に固定された給油パイプで、一端は密閉容器3底部の潤滑油14中に開口し、他端は副軸受8の端板に形成された給油穴8bに接続し、ディスプレーサ5の貫通穴5cに開口している。ディスプレーサ5の両端面部には、この貫通穴5cから外周端付近まで湾曲して延びた3本の油溝5bが形成されている。この構成により、潤滑油14は差圧により給油パイプ21を通って貫通穴5cおよび油溝5b内に給油され、先の実施の形態と同様にディスプレーサ5の両端面部に一様に油膜が形成されるようになるため、軸方向すき間を通って発生する作動ガスの内部漏れが大幅に低減される。この実施の形態では駆動軸6の給油ポンプ作用とは独立してディスプレーサ5端面部への油供給経路を設けているため、軸受等摺動部の給油に影響を与えること無く、容易にディスプレーサ端面部への給油量を増加できるため、圧縮機の信頼性をより向上することができる。
【0033】
図11は、本発明の別の実施の形態に係る密閉型圧縮機の要部縦断面図、図12は、図11におけるEーE横断面図である。図において、22は主軸受7および副軸受8におけるディスプレーサ5が摺動する端板面に形成した油溝で、ディスプレーサ5がどのような回転角位置にあっても常に一端がディスプレーサ5の貫通穴5cに連通するようになっており、図12から分かるように、この油溝22は常に一点鎖線で図示されたディスプレーサ5の内部に位置するようになっている。この構成により、潤滑油14は給油パイプ21を通り貫通穴5cを介して油溝22内に給油され、図9の実施の形態と同様にこの油溝22を通してディスプレーサ5の両端面部に一様に油膜が形成されるようになるため、同様の効果を奏することができる。このように、油溝は可動部材(ディスプレーサ)と固定部材(軸受端板)のどちら側にも形成することができるため、設計の自由度を拡大できる。
【0034】
図13は、本発明のもう一つ別の実施の形態に係る密閉型圧縮機の縦断面図である。この実施の形態は、本発明を横型圧縮機に適用した場合である。図において、23はケーシング4の端面開口を閉塞するフロントヘッドで、吸入ポート9と吐出ポート10が一体的に形成され構造の簡略化を図っている。24はフロントヘッド23の端面を覆うヘッドカバーである。25は電動要素2側の駆動軸6の端を軸支する補助軸受で、フレーム26により密閉容器3に固定されている。27は補助軸受25の軸端を密封する形で取り付けられた給油パイプで、その一端は潤滑油14中に開口している。
【0035】
この構成により、駆動軸6が回転して旋回型圧縮要素1で圧縮動作が行なわれると同時に、吐出圧力と吸入圧力の差圧に依って密閉容器3底部の潤滑油14は給油パイプ27を通って補助軸受25に入り、さらに駆動軸6を貫通して形成された給油穴6b内を通って各軸受摺動部に供給される。ディスプレーサ5の中心部の軸受5aに供給された油は軸受端部に達し、図1〜図8で示した実施の形態と同様に油溝5bを通ってディスプレーサ5の両端面部に一様に油膜が形成されるため、軸方向すき間を通って発生する作動ガスの内部漏れが大幅に低減され、高性能の旋回型流体機械を提供することができる。
【0036】
以上の実施の形態は、密閉容器3内の圧力が高圧(吐出圧力)タイプの密閉型圧縮機について説明したが、高圧タイプにすることにより以下のような利点がある。
【0037】
(1)吸入パイプが直接、旋回型圧縮要素に接続されるため、吸入ガスの加熱が小さく体積効率を向上できる。
【0038】
(2)密閉容器内で吐出ガス中に含まれる油分の大部分が分離されるため、冷凍サイクル中の油循環量が少なく、冷凍サイクル及び熱交換器の効率を向上できる(3)潤滑油が高圧になっているため、各摺動部のすき間を通って作動室内に油が供給され易く、摺動部の潤滑性を向上できる。
【0039】
次に、密閉容器3内の圧力が低圧(吸入圧力)タイプのものについて説明する。図14は本発明の他の実施の形態に係る旋回型流体機械を圧縮機として用いた低圧(吸入圧)タイプの圧縮機縦断面図で、図15のG−G断面に相当する。図15は図14のF−F横断面図、図16は本発明に係るディスプレーサの平面図、図17は図16のH−H断面図である。図において、前述の図1〜図8と同一符号を付したものは同一部品であり、同一の作用をなす。低圧タイプでは、吐出カバー13によって副軸受8に一体的に形成された吐出室8aが密閉容器3内の圧力(吸入圧力)と区画されており、吐出室内の作動ガスは吐出パイプ16によって直接外部に流出する。7bは主軸受7の端板を貫通する形で形成されたガス逃がし穴である。旋回型圧縮要素1の作動原理等は前述した高圧(吐出圧力)タイプと同様である。作動ガスの流れは図中に矢印で示すように、吸入パイプ15を通って密閉容器3から吸入室7aに入った作動ガスは、主軸受7の端板に形成された吸入ポート9を通って旋回型圧縮要素1に入り、ここで駆動軸6の回転によってディスプレーサ5が旋回運動を行い、作動室17の容積が縮少することにより圧縮される。圧縮された作動ガスは、副軸受8の端板に形成された吐出ポート10を通り吐出弁11を押し上げて密封された吐出室8a内に入り、この密閉容器3に接続された吐出パイプ16より外部に流出する。
【0040】
低圧タイプでは、高圧タイプのように差圧による潤滑油の供給ができないため如何にディスプレーサ5端面の軸方向すき間に安定的に油膜を保持するかが重要となる。本発明に係るディスプレーサ5は、図16と図17に示すように両端面の大部分の領域(ディスプレーサ外周の輪郭形状に対して任意のシール幅を確保した残りの領域、シール幅は旋回半径εの2倍より小さい値が選定される)に深さ0.5 程度の凹みからなる油溜り28を形成している。この油溜り28はディスプレーサ5中心部の軸受5aにつながっている。したがって、駆動軸6の回転による遠心ポンプ作用で汲み上げられた密閉容器3底部の潤滑油14は給油穴6bを通り軸受等の各摺動部に供給され、ディスプレーサ5の中心部の軸受5aから油溜り28に流入してディスプレーサ5の端面部に常に油が保持されることから、ディスプレーサ5の旋回運動により両端面部の軸方向すき間に油膜が形成されるようになる。これにより油の密封作用が働き、ケーシング4内部の(圧縮)作動室と吸入室との圧力差によりディスプレーサと端板間のすき間(軸方向すき間)を通って発生する作動ガスの内部漏れが低減され、高性能の旋回型流体機械を提供することができる。この油溜り28は、図15から分かるように各吸入ポート9と間歇的に連通するように構成されているため、吸入側から作動室17内に適宜潤滑油が供給され、ケーシング4とディスプレーサ5の噛みあい接点部のすき間(半径方向すき間)の密封作用を向上し、ここでの作動ガスの内部漏れも低減することができる。また、仮に油溜り28内に作動ガスが漏れ込んだ場合は、主軸受7の端板を貫通する形で形成されたガス逃がし穴7bにより、漏れ込んだ作動ガスは低圧の空間に排除されるため、ガスの流入によって軸受摺動部の潤滑性低下するといった問題は防止される。
【0041】
このような低圧タイプの利点は以下の通りである。
【0042】
(1)圧縮された高温の作動ガスによる電動要素2の加熱が少ないため、固定子2a,回転子2bの温度が低下し、モータ効率が向上して性能向上が図れる。
【0043】
(2)フロン等の潤滑油12と相溶性のある作動流体では、圧力が低いため潤滑油15中に溶解する作動ガスの割合が少なくなり、軸受等での油の発泡現象が起こりにくく、信頼性を向上できる。
【0044】
(3)密閉容器3の耐圧を低くでき、薄肉・軽量化が図れる。
【0045】
以上、潤滑油の密封作用を利用して旋回型流体機械の内部漏れを低減する実施の形態を説明したが、内部漏れ低減は適切なシール部材を配設することによっても実現される。
【0046】
図18は、本発明のもう一つ別の実施の形態に係る旋回型流体機械を圧縮機として用いた低圧(吸入圧)タイプの圧縮機要部縦断面図、図19は本発明に係るディスプレーサの平面図、図20は図19のJーJ断面図、図21はシール部材の密封動作説明図である。図において、29はディスプレーサ5の両端面部に形成された溝の中に嵌めこまれているシール部材で、軸受部5aの周囲に配設された円環状シール部材と高圧作動室を取り囲む形に配設されたC形状シール部材の2種類のシール部材からなる。これらのシール部材は、例えば四弗化エチレン樹脂を主成分とする摩擦係数が小さく自己潤滑性、耐油性、耐熱性に優れた合成樹脂材により作られている。29aは、シール部材29の側面部と底面部に一体的に形成された凸部で、高圧作動流体の導入路となる間隙を作るために複数箇所に設けられている。このシール部材による軸方向すき間の密封動作を図21により説明する。C形状シール部材29の内側の作動室17の圧力が上昇すると、破線矢印で図示するようにシール部材29の凸部29aの周囲の間隙を通り、凸部29aが形成された面に圧力が作用する。このガス圧によって実線矢印で示すような力がシール部材29に働き、低圧側への漏れ経路が遮断されるため軸方向すき間からの作動ガスの内部漏れが大幅に低減され、高性能の旋回型流体機械を提供することができる。また、円環状シール部材29によって軸受摺動部へのガスの流入が防止され、潤滑性能低下の問題は無くなる。
【0047】
なお、凸部29aの代わりにバネ等の付勢手段を配設してもよい。
【0048】
以上、同一平面上に3箇所の作動室をもつ旋回型流体機械について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、作動室の数が2個以上N個の旋回型流体機械に拡張することができる(Nの値は実用上8〜10以下)。作動室の数が多くなると以下のような利点がある。
【0049】
(1)トルク変動が小さくなり、振動・騒音が低減される。
【0050】
(2)シリンダが同一外径で比較した場合、同じ吸入容積Vsを確保するためのシリンダ高さが低くなり、圧縮要素の寸法を小型化できる。
【0051】
(3)旋回ピストンに働く自転モーメントが小さくなるため、旋回ピストンとシリンダの摺動部の機械摩擦損失を低減できるとともに信頼性を向上できる。
【0052】
(4)吸入・吐出配管内の圧力脈動が小さくなり、一層の低振動、低騒音化を図ることができる。これにより、医療用や産業用等で要求のある無脈流の流体機械(圧縮機、ポンプ等)を実現できる。
【0053】
本発明の他の実施の形態を図22に示す。図22は、本発明の旋回型圧縮機を適用した空調システムを示す。このサイクルは冷暖房が可能なヒートポンプサイクルで、前述の図8で説明した本発明の旋回型圧縮機30,室外熱交換器31とそのファン31a,膨張弁32,室内熱交換器33とそのファン33a,4方弁34から構成されている。一点鎖線35は室外ユニット、36は室内ユニットである。旋回型圧縮機30は、図3の作動原理図に示したように動作し、圧縮機を起動することによりケーシング4とディスプレーサ5間で作動流体(例えばフロンHCFC22やR407C,R410A等)の圧縮作用が行われる。
【0054】
冷房運転の場合、圧縮された高温・高圧の作動ガスは破線矢印で示すように吐出パイプ16から4方弁34をとおり室外熱交換器31に流入して、ファン31aの送風作用で放熱、液化し、膨張弁32で絞られ、断熱膨張して低温・低圧となり、室内熱交換器33で室内の熱を吸熱してガス化された後、吸入パイプ15を経て旋回型圧縮機30に吸入される。一方、暖房運転の場合は、実線矢印で示すように冷房運転とは逆に流れ、圧縮された高温・高圧の作動ガスは吐出パイプ16から4方弁34をとおり室内熱交換器33に流入して、ファン33aの送風作用で室内に放熱して、液化し、膨張弁32で絞られ、断熱膨張して低温・低圧となり、室外熱交換器33で外気から熱を吸熱してガス化された後、吸入パイプ15を経て旋回型圧縮機30に吸入される。
【0055】
図23は、本発明の旋回型圧縮機を搭載した冷凍システムを示す。このサイクルは冷凍(冷房)専用のサイクルである。図において、37は凝縮器,37aは凝縮器ファン,38は膨張弁,39は蒸発器,39aは蒸発器ファンである。
【0056】
旋回型圧縮機30を起動することによりシリンダ4と旋回ピストン5間で作動流体の圧縮作用が行われ、圧縮された高温・高圧の作動ガスは実線矢印で示すように吐出パイプ16から凝縮器37に流入して、ファン37aの送風作用で放熱、液化し、膨張弁38で絞られ、断熱膨張して低温・低圧となり、蒸発器39で吸熱ガス化された後、吸入パイプ15を経て旋回型圧縮機30に吸入される。ここに、図22、図23ともに本発明の旋回型圧縮機を搭載しているので、エネルギ効率に優れ、低振動・低騒音で信頼性の高い冷凍・空調システムが得られる。なお、ここでは旋回型圧縮機30として高圧タイプを例にあげて説明したが、低圧タイプでも同様に機能し、同様の効果を奏することができる。
【0057】
これまでに述べた実施の形態では、旋回型流体機械として圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれ以外にポンプ、膨張機、動力機械等にも応用することができる。また、本発明では運動形態として、一方(ケーシング側)が固定しもう一方(ディスプレーサ側)がほぼ一定の旋回半径で自転せずに公転運動を行う形式としたが、相対的に上記の運動と等価な運動形態となる両回転式の旋回型流体機械にも適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればケーシング内を複数の高圧作動室と低圧作動室とに区画するディスプレーサに油保持機構あるいはシール機構を設ける構成により、ディスプレーサ摺動部の軸方向すき間を効果的に密封して作動流体の内部漏れを低減した、高性能の旋回型流体機械が得られる。また、このような旋回型流体機械を冷凍サイクルに搭載することにより、エネルギ効率に優れ、信頼性の高い冷凍・空調システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る旋回型流体機械を圧縮機に適用した密閉型圧縮機の横断面図(図2のBーB断面に相当)
【図2】 図1のA−A縦断面図
【図3】 本発明に係る旋回型流体機械の作動原理説明図
【図4】 本発明に係る旋回型流体機械のディスプレーサ平面図
【図5】 図4のC−C断面図
【図6】 本発明に係る旋回型流体機械のケーシング平面図
【図7】 図5のD−D断面図
【図8】 本発明に係るディスプレーサ端面部の油膜形成説明図
【図9】 本発明の他の実施の形態に係る圧縮機の要部縦断面図
【図10】 本発明の他の実施の形態に係る圧縮機のディスプレーサ平面図
【図11】 本発明の別の実施の形態に係る圧縮機の要部縦断面図
【図12】 図11のE−E断面図
【図13】 本発明のもう一つ別の実施の形態に係る圧縮機の縦断面図
【図14】 本発明に他の実施の形態に係る低圧タイプの圧縮機縦断面図
【図15】 図14のF−F横断面図
【図16】 本発明の他の実施の形態に係る低圧タイプ圧縮機のディスプレーサ平面図
【図17】 図16のH−H断面図
【図18】 本発明のもう一つ他の実施の形態に係る低圧タイプの圧縮機要部縦断面図
【図19】 本発明のもう一つ他の実施の形態に係る低圧タイプ圧縮機のディスプレーサ平面図
【図20】 図19のJ−J断面図
【図21】 シール部材の密封動作説明図
【図22】 本発明の旋回型圧縮機を適用した空調システム
【図23】 本発明の旋回型圧縮機を適用した冷凍システム
【符号の説明】
1……旋回型圧縮要素、2……電動要素、3……密閉容器、4……ケーシング、4a……内周壁、4b……突出部、5……ディスプレーサ、5a……軸受、5b……油溝、5c……貫通穴、6……駆動軸、6a……クランク部、6b……給油穴、7……主軸受、7a……吸入室、7b……ガス逃がし穴、8……副軸受、8a……吐出室、8b……給油穴、9……吸入ポート、10……吐出ポート、11……吐出弁、11a……ストッパ、12……吸入カバー、13……吐出カバー、14……潤滑油、15……吸入パイプ、16……吐出パイプ、17……作動室、18……固定ボルト、19……組立てボルト、20……吐出ガス通路、21……給油パイプ、22……油溝、23……フロントヘッド、24……ヘッドカバー、25……補助軸受、26……フレーム、27……給油パイプ、28……油溜り、29……シール部材、30……旋回型圧縮機、31……室外熱交換器、32……膨張弁、33……室内熱交換器、34……4方弁、37……凝縮器、38……膨張弁、39……蒸発器、o……旋回ピストン中心、o’……シリンダ中心、ε……旋回半径。
Claims (5)
- 端板間に配置されたディスプレーサ及びケーシングと、前記ディスプレーサを駆動させる駆動軸と、前記ディスプレーサを前記駆動軸の回転中心に合わせたとき前記ディスプレーサの外壁面と前記ケーシングの内壁面とにより一つの空間が形成され、前記ディスプレーサをその旋回位置に合わせたとき前記ディスプレーサの外壁面と前記ケーシングの内壁面とにより複数の空間が形成される容積型流体機械において、
前記ディスプレーサと前記端板間に油を供給する油供給機構を備え、
該油供給機構は、機械内に溜まっている潤滑油と連通する前記駆動軸に設けられた油供給部と、前記端板に設けられ機械内に溜まっている潤滑油と連通する油供給部と、前記ディスプレーサに形成され該ディスプレーサの両端面を貫通する貫通孔と、前記ディスプレーサに設けられ前記端板の油供給部から供給された油を導く溝とを有し、
前記端板の油供給部は前記貫通孔に開口させた容積形流体機械。 - 前記駆動軸の油供給部には、潤滑油を通す給油穴が設けられている請求項1記載の容積形流体機械。
- 前記溝は、前記ディスプレーサの両端面に、外周の輪郭形状に対して任意のシール幅を残して設けられた請求項1記載の容積形流体機械。
- 端板間に配置されたディスプレーサ及びケーシングと、前記ディスプレーサを駆動させる駆動軸と、前記ディスプレーサを前記駆動軸の回転中心に合わせたとき前記ディスプレーサの外壁面と前記ケーシングの内壁面とにより一つの空間が形成され、前記ディスプレーサをその旋回位置に合わせたとき前記ディスプレーサの外壁面と前記ケーシングの内壁面とにより複数の空間が形成される容積型流体機械において、
前記ディスプレーサと前記端板間に油を供給する油供給機構を備え、
該油供給機構は、機械内に溜まっている潤滑油と連通する前記駆動軸に設けられた油供給部と、前記端板に設けられ機械内に溜まっている潤滑油と連通する油供給部と、前記ディスプレーサに形成され該ディスプレーサの両端面を貫通する貫通孔と、前記端板に設けられ前記端板の油供給部から供給された油を導く溝とを有し、
前記端板の油供給部は前記貫通孔に開口させた容積形流体機械。 - 前記溝は、その一端が前記油供給部に連通する請求項4記載の容積形流体機械。
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