JPH11264390A - 容積形流体機械 - Google Patents

容積形流体機械

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JPH11264390A
JPH11264390A JP10069783A JP6978398A JPH11264390A JP H11264390 A JPH11264390 A JP H11264390A JP 10069783 A JP10069783 A JP 10069783A JP 6978398 A JP6978398 A JP 6978398A JP H11264390 A JPH11264390 A JP H11264390A
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Japan
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displacer
cylinder
suction port
space
wall surface
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JP10069783A
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Takeshi Kono
雄 幸野
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Masahiro Takebayashi
昌寛 竹林
Shiyunichi Mitsuya
俊一 三津谷
Shigetaro Tagawa
茂太郎 田川
Yasuhiro Oshima
靖浩 大嶋
Kingo Moriyama
金悟 森山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/02Lubrication; Lubricant separation
    • F04C29/028Means for improving or restricting lubricant flow
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/04Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents of internal-axis type

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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダ中心とディスプレーサ中心を合わせた
ときシリンダ内壁面及びディスプレーサ外壁面により1
つの空間が形成され、ディスプレーサとシリンダとの位
置関係を旋回位置においたとき複数の作動空間が形成さ
れる容積形流体機械の、シリンダとディスプレーサ間の
摩耗を低減する。 【解決手段】ディスプレーサ5の表面に給油溝5cを、
ディスプレーサ5の中心部から吸入ポート7aの近傍ま
で形成し、ディスプレーサ5の中心部から潤滑油12を
供給するようにすることでディスプレーサ5とシリンダ
4との間の摺動部に潤滑油12が供給されるので、摩耗
を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポンプ、圧
縮機、膨張機等に係り、特に容積形流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】古くから容積形の流体機械として、円筒
状のシリンダ内をピストンが往復運動を繰り返すことに
より作動流体を移動させるレシプロ式流体機械、円筒状
のシリンダ内を円筒状のピストンが偏心回転運動するこ
とにより作動流体を移動させるロータリ式(ローリング
ピストン形)流体機械、端板上に直立した渦巻状のラッ
プを有する一対の固定スクロール及び旋回スクロールを
噛み合わせ、旋回スクロールを旋回運動させることによ
り作動流体を移動させるスクロール式流体機械が知られ
ている。
【0003】レシプロ式流体機械は、その構造が単純で
あることから製作が容易でかつ安価であるという利点が
ある反面、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で180°と短く、吐出過程の流速が速くなるた
め圧力損失の増加による性能低下という問題、及び、ピ
ストンを往復させる運動を必要とするため回転軸系の不
釣合慣性力を完全にバランスさせることができず振動や
騒音が大きいという問題がある。
【0004】また、ロータリ式流体機械は、吸入終了か
ら吐出終了までの行程は回転軸の回転角で360°であ
るため吐出過程の圧力損失が増加するという問題はレシ
プロ式流体機械に比べ少ないものの、軸1回転に1回吐
出するものであるためガス圧縮トルクの変動が比較的大
きくレシプロ式流体機械同様振動と騒音の問題がある。
【0005】さらに、スクロール式流体機械は、吸入終
了から吐出終了までの行程が回転軸の回転角で360°
以上と長い(空調用として実用化されているものは通常
900°程度)ため吐出過程の圧力損失が小さく、か
つ、一般に複数の作動室が形成されるため1回転中のガ
ス圧縮トルクの変動も小さく振動及び騒音が小さいとい
う利点がある。しかし、ラップ噛み合い状態での渦巻状
のラップ間のクリアランスや、端板とラップ歯先間のク
リアランスの管理が必要で、そのために精度の高い加工
を施さねばならず加工費用が高価になるという問題があ
る。また、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で360°以上と長く、圧縮過程の期間が長けれ
ば長いほど内部漏れが増加するという問題があった。
【0006】ところで、作動流体を移動させるディスプ
レーサが作動流体が吸入されたシリンダに対して相対的
に自転運動せずにほぼ一定の半径で公転運動、すなわち
旋回運動することにより作動流体を搬送する容積形機械
の一種が特開昭55−23353号公報(文献1)、米
国特許2112890号公報(文献2)、特開平5−2
02869号公報(文献3)及び特開平6−28075
8号公報(文献4)に提案されている。ここに提案され
ている容積形流体機械は、複数の部材(ベーン)が中心
より放射状に延びている花びら形状を有するディスプレ
ーサと、このディスプレーサとほぼ相似形の中空部を有
するシリンダとから構成され、このディスプレーサがこ
のシリンダ内を旋回運動することによって、作動流体を
移動させるものである。
【0007】上記文献1乃至文献4に示された容積形流
体機械は、レシプロ式のように往復運動する部分を持た
ないため、回転軸系の不釣り合いをバランスさせること
ができる。このため振動が小さく、さらに、ディスプレ
ーサとシリンダ間の相対滑り速度が小さいので摩擦損失
を比較的少なくできるといった特長を備えている。
【0008】しかしながら、ディスプレーサを構成する
複数のベ−ンとシリンダとによって形成される個々の作
動室の吸入終了から吐出終了までの行程が、回転軸の回
転角θcで約180°(210゜)と短い(ロ−タリ式
の約半分でレシプロ式と同程度)ため、吐出過程におけ
る流体の流速が速くなり圧力損失が増加して性能が低下
する問題がある。
【0009】これら諸問題を解決する容積型流体機械と
して、特開平9−268987号公報(文献5)に記載
された容積型流体機械が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記文
献1乃至文献5に記載された容積型流体機械では、ディ
スプレーサ外壁面とシリンダ内壁面とが摺動する際、デ
ィスプレーサ及びシリンダが摩耗するという問題が新た
に判明した。
【0011】本発明の目的は、シリンダ中心とディスプ
レーサ中心を合わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記
ディスプレーサ外壁面により1つの空間が形成され、前
記ディスプレーサ及び前記シリンダとの位置関係を旋回
位置においたときは複数の作動空間が形成されるよう端
板間に配置されたディスプレーサ及びシリンダとを備え
た容積形流体機械において、ディスプレーサとシリンダ
の摩耗を低減する容積形流体機械を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、シリンダ中
心とディスプレーサ中心を合わせたとき前記シリンダ内
壁面及び前記ディスプレーサ外壁面により1つの空間が
形成され、前記ディスプレーサ及び前記シリンダとの位
置関係を旋回位置においたときは複数の作動空間が形成
されるよう端板間に配置されたディスプレーサ及びシリ
ンダと、前記作動空間に流体を導入する吸入ポートと、
前記作動空間から流体を吐出する吐出ポートとを備えた
容積形流体機械において、前記ディスプレーサの前記吸
入ポート側外壁面及びこの外壁面に対向する前記シリン
ダ内壁面に潤滑油を供給する給油機構を備えることによ
って達成される。
【0013】また、上記目的は、断面形状が連続した曲
線で構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダ
の内壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回位
置においたとき前記内壁とこの外壁とで複数の作動空間
を形成するディスプレーサと、前記作動空間に流体を供
給する吸入ポートと、前記作動空間から流体を吐出する
吐出ポートとを備えた容積形流体機械において、前記吸
入ポートに潤滑油を供給する給油機構を備えることによ
って達成される容積型流体機械。
【0014】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の特徴は以下
の実施形態によりさらに明確になる。以下、本発明の1
実施の形態を図を用いて説明する。まず、本発明の1実
施形態である容積形流体機械の構造を図1乃至図3を用
いて説明する。図1(a)は本発明の1実施形態である容
積形流体機械を圧縮機として用いた場合における密閉形
圧縮機の要部を示す縦断面図((b)のA-A断面図)、図1
(b)は(a)のB-B矢視で圧縮室を形成している状態を示す
平面図、図2は容積形圧縮要素の作動原理図、図3は本
発明の1実施形態である容積形流体機械を圧縮機として
用いた場合における密閉形圧縮機の縦断面図である。
【0015】図1において、密閉容器3内には、容積形
圧縮要素1及びこれを駆動する電動要素2(図示なし)
が収納されている。容積形圧縮要素1の詳細を説明す
る。図1(b)には同一輪郭形状が3組組み合わされた3
条ラップが示されている。シリンダ4の内周形状は、中
空部が120°(中心o’)毎に同一の形状が表れるよ
うに形成されている。この個々の中空部の端部には、内
方に向かって突出する複数(この場合は3条ラップであ
るので3つ存在する)の略円弧形状のベ−ン4bを有す
る。ディスプレーサ5は、このシリンダ4の内側に配設
されシリンダ4の内周壁4a(ベーン4bよりも曲率が
大きい部分)及びベ−ン4bと噛み合うように互いの中
心をεだけずらして構成されている。尚、シリンダ4の
中心o’とディスプレーサ5の中心oを一致させると、
両者の輪郭形状の間には基本形状として一定幅の隙間が
形成される。このディスプレーサとシリンダとの間に形
成される隙間は、旋回半径に等しくなるようにしてい
る。尚、この隙間は全周において旋回半径であることが
望ましいが、ディスプレーサの外周輪郭とシリンダの内
周輪郭とにより形成される作動室が正常な動作をする範
囲において、何らかの理由によってこの関係が崩れる箇
所があっても差し支えない。
【0016】次に、容積形圧縮要素1の作動原理を図1
及び図2により説明する。記号oはディスプレーサ5の
中心、記号o’はシリンダ4(あるいは回転軸6)の中
心である。記号a,b,c,d,e,fはシリンダ4の
内周壁4a及びベ−ン4bとディスプレーサ5の噛み合
いの接点を表す。ここで、シリンダ4の内周輪郭形状を
みると、同じ曲線の組合せが3箇所連続して滑らかに接
続されている。このうちの1箇所に着目すると、内周壁
4a、ベ−ン4bを形作る曲線を、厚みのある一つの渦
曲線(ベーン4bの先端を渦の巻始めと考える)とみる
ことができ、その内壁曲線(g−a)は、曲線を構成す
る各円弧角の合計である巻き角がほぼ360°(設計思
想は360°であるが製造誤差のため丁度その値にはな
らないという意味である。以下、同様。尚、この巻き角
については詳細を後述する)の渦曲線で、外壁曲線(g
−b)は巻き角がほぼ360°の渦曲線である。このよ
うに、上記1箇所の内周輪郭形状は、内壁曲線及び外壁
曲線から形成されている。これら2つの曲線円周上にほ
ぼ等ピッチ(3条ラップであるので120°)に配設
し、隣合う渦巻体の外壁曲線と内壁曲線とは円弧等の滑
らかな接続曲線(b−b’)で結ぶことによって、シリ
ンダ4の内周輪郭形状全体が構成されている。ディスプ
レーサ5の外周輪郭形状も上記シリンダ4と同じ原理で
構成されている。
【0017】なお、3つの曲線からなる渦巻体を円周上
にほぼ等ピッチ(120°)に配設するとしたが、これ
は後述する圧縮動作に伴う荷重を均等に分散させる目的
と製造のし易さを配慮したためで、特に、これらのこと
が問題にならない場合は、不等ピッチでもよい。
【0018】さて、このように構成されたシリンダ4と
ディスプレーサ5による圧縮動作を図2を用いて説明す
る。7aは吸入ポートであり、8aは吐出ポートであ
り、夫々3か所対応する端板に設けられている。回転軸
6を回転させることにより、ディスプレーサ5が固定側
であるシリンダ4の中心o’の周りを自転することなし
に旋回半径ε(=oo’)で公転運動し、ディスプレー
サ5の中心o周りに複数の作動室15(シリンダ内周輪
郭(内壁)とディスプレーサ外周輪郭(側壁)とにより
囲まれて密閉された複数の空間のうち、吸入が終了し圧
縮(吐出)行程となっている空間をいう。すなわち吸入
終了から吐出終了までの期間となっている空間。前述の
巻き角が360゜の場合に限ると、圧縮終了時点ではこ
の空間は無くなるが、その瞬間に吸入も終了するのでこ
の空間を1つと勘定する。但し、ポンプとして用いる場
合は、吐出ポートを介して外部と連通している空間をい
う)が形成される(本実施の形態では常時3個の作動
室)。接点aと接点bで囲まれハッチングが施された1
つの作動室(吸入終了時点では2つに別れているが、圧
縮行程が開始されると直ぐにこの2つの作動室はつなが
って1つになる)に着目して説明する。図2(1)が吸
入ポ−ト7aからこの作動室への作動ガスの吸入が終了
した状態である。この状態から90°回転軸6が回転し
た状態が図2(2)で、回転が進み最初から180°回
転した状態が図2(3)で、さらに回転が進み最初から
270°回転した状態が図2(4)である。図2(4)
から90°回転すると最初の図2(1)の状態に戻る。
これより、回転が進むに従って作動室15はその容積を
縮少し、吐出ポ−ト8aは吐出弁9(図1に示す)で閉
じられているため作動流体の圧縮作用が行われることに
なる。そして、作動室15内の圧力が外部の吐出圧力よ
りも高くなると圧力差で吐出弁9が自動的に開き、圧縮
された作動ガスは吐出ポ−ト8aを通って吐き出され
る。吸入終了(圧縮開始)から、吐出終了までの回転軸
6の回転角は360°で、圧縮、吐出の各行程が実施さ
れている間に次の吸入行程が準備されており、吐出終了
時が次の圧縮開始となる。例えば、接点aとdによって
形成される空間に着目すると、図2(1)の段階で既に
吸入ポート7aから吸入が開始されており、回転が進む
につれてその容積が増し、図2(4)の状態になると、
この空間は分断される。この分断された量に相当する流
体は接点bとeによって形成される空間から補われる。
【0019】この補われ方について詳述する。図2
(1)の状態の接点aとbとにより形成された作動室の
隣の接点aとdによって形成された空間は吸入が始まっ
ている。この空間は、一旦図2(3)に示されるように
広がった後、図2(4)になると分断されてる。従っ
て、接点aとdによって形成された空間の全ての流体が
接点aとbによって形成される空間で圧縮される訳では
ない。分断されて接点aとdによって形成された空間に
取り込まれなかった流体体積と同量の流体は、図2
(4)において吸入過程にある接点bとeによって形成
される空間が、図2(1)に示されるように分断され
て、吐出ポート付近の接点eと接点bとにより形成され
る空間に流入している流体によって充当される。これ
は、前述したように、各ラップを均等ピッチで配置した
ことによる。即ち、ディスプレーサおよびシリンダの形
状が同一輪郭形状の繰返しにより形成されているため、
いずれの作動室も異なる空間から流体を得てもほぼ同量
の流体を圧縮することができるのである。なお、不均等
ピッチであっても各空間に形成される容積が等しくなる
ように加工を施すことは可能であるが製作性が悪い。前
出のいずれの従来技術においても吸込過程にある空間が
閉じられて内部の流体がそのまま圧縮され吐出されるの
に対して、このように作動室に隣合う吸入過程にある空
間が分断されて圧縮動作を行うことは本実施形態の特徴
の一つでである。
【0020】以上説明したように、連続的な圧縮動作と
なる作動室がディスプレーサ5の中心部に位置する回転
軸6のクランク部6aの周りにほぼ等ピッチで分散して
配設され、各作動室は各々位相がずれて圧縮が行われ
る。すなわち、一つの空間に着目すると吸入から吐出ま
では回転軸の回転角で360°ではあるが、本実施形態
の場合3個の作動室が形成され、これらが120°ずれ
た位相で吐出をするので、流体である冷媒を圧縮する圧
縮機として動作させた場合、回転軸の回転角で360°
間に3回冷媒を吐出することになる。
【0021】さて、圧縮動作を終了した瞬間の空間(接
点aとbによって囲まれた空間)を一つの空間として見
做すと、本実施形態の如く巻角が360゜の場合、いず
れの圧縮機動作状態においても、吸入行程となっている
空間と圧縮行程となっている空間とが交互になるように
設計されており、このため、圧縮行程が終了した瞬間直
ちに次の圧縮行程に移行することができ、滑らかで連続
的に流体を圧縮することができる。
【0022】次に、このような形状をした容積形圧縮要
素1を組み込んだ圧縮機を図1及び図3を用いて説明す
る。図3において、容積形圧縮要素1は、上記詳述した
シリンダ4及びディスプレーサ5に加えて、ディスプレ
ーサ5の中心部の軸受部5aにクランク部6aが嵌合し
てディスプレーサ5を駆動する回転軸6、前記シリンダ
4の両端開口部を閉塞する端板と回転軸6を軸支する軸
受を兼ねた主軸受7と副軸受8、前記主軸受7の端板に
形成された吸入ポ−ト7a、前記副軸受8の端板に形成
された吐出ポ−ト8a、この吐出ポ−ト8aを差圧で開
閉する吐出弁9を有する。但し吐出弁9はリ−ド弁形式
でもよい。5bはディスプレーサ5に形成された貫通穴
5bである。また、10は主軸受7に取り付けられた吸
入カバ−10、11は副軸受8に一体的に吐出室8bを
形成するための吐出カバ−11である。
【0023】電動要素2は、固定子2aと回転子2bか
らなり、回転子2bは回転軸6に焼き嵌め等で固定され
ている。この電動要素2は、電動機効率向上のため、ブ
ラシレスモータで構成され、3相インバータにより駆動
制御される。ただし、2は他の電動機形式、例えば、直
流電動機や誘導電動機でも差し支えない。
【0024】12は密閉容器3の内の底部に溜められた
潤滑油12で、この中に回転軸6の下端部が浸かってい
る。13は吸入パイプ13、14は吐出パイプ14、1
5はシリンダ4の内周壁4a及びベ−ン4bとディスプ
レーサ5の噛み合いによって形成される前述した作動室
15である。また、吐出室8bはOリング等のシ−ル部
材16により密閉容器3内の圧力と区画されている。
【0025】本実施形態における容積形流体機械を空調
用圧縮機として利用した場合、その作動ガス(冷媒ガ
ス)の流れを図1により説明する。図中に矢印で示すよ
うに、吸入パイプ13を通って密閉容器3に入った作動
ガスは、主軸受7に取り付けられた吸入カバ−10内に
入り吸入ポ−ト7aを通って容積形圧縮要素1に入り、
ここで回転軸6の回転によってディスプレーサ5が旋回
運動を行い作動室の容積が縮少することにより圧縮され
る。圧縮された作動ガスは、副軸受8の端板に形成され
た吐出ポ−ト8aを通り吐出弁9を押し上げて吐出室8
b内に入り、吐出パイプ14を通って外部に流出する。
尚、吸入パイプ13と吸入カバー10との間に隙間が形
成されている理由は、作動ガスを電動機要素2内にも流
通させることによって電動機要素を冷却するためであ
る。
【0026】内部に溜められた潤滑油12は、差圧や遠
心ポンプ給油によって底部から回転軸6内部に設けられ
た穴を通って、各摺動部に送られ潤滑する。この一部は
作動室内部にも隙間を通って供給される。
【0027】このような容積型流体機械である多条ラッ
プの効果について作用効果を以下説明する。図4は、吸
入終了時からの回転軸の回転角θを横軸にとって本発明
における作動室の容積変化特性(吸入容積Vsと作動室
容積Vの比で表す)を他形式の圧縮機と比較して示す。
これより本実施形態に係る容積形圧縮要素1の容積変化
特性は、吐出開始容積比0.37の空調機の一種の運転
条件(例えば作動ガスがフロンHCFC22の場合、吸
入圧力Ps=0.64MPa,吐出圧力Pd=2.07
MPa)で比べて見ると、圧縮過程はレシプロ式とほぼ
同等で、短時間に圧縮過程が終了するため作動ガスの漏
れが低減され、圧縮機の能力及び効率を向上することが
できる。一方、吐出過程はロ−タリ式(ロ−リングピス
トン形)よりも約50%長くなり、吐出流速が遅くなる
ため圧力損失が低減され、吐出過程の流体損失(過圧縮
損失)を大幅に低減して性能向上を図ることができる。
【0028】図5は、本実施形態における回転軸1回転
中の仕事量の変化、すなわちガス圧縮トルクTの変化を
他形式の圧縮機と比較して示す(ここに、Tmは平均ト
ルクである)。これより本発明の容積形圧縮要素1のト
ルク変動はロ−タリ式の約1/10と非常に小さく、ス
クロ−ル式と同等だが、スクロ−ル式のオルダムリング
のような旋回スクロ−ル自転防止のために往復摺動する
機構をもたないため、回転軸系の慣性バランスがとれ圧
縮機の振動・騒音を低減することができる。
【0029】また、前述の如く多条ラップの輪郭線はス
クロ−ル式のような長い渦巻き形状でないため、加工時
間の短縮、コスト低減が図れるとともに、渦巻き形状を
保持するための端板(鏡板)が無いので、加工工具を貫
通させて加工することができなかったスクロール式に比
べてロータリ式並の加工で製作することができる。
【0030】さらに、ガス圧によるスラスト荷重はディ
スプレーサに作用しないので、スクロール圧縮機に見ら
れるような圧縮機の性能に重要な影響をおよぼす軸方向
クリアランスの管理もしやすくなるため性能向上が図れ
る。さらに、計算の結果、同一容積、同一外径のスクロ
ール圧縮機と比較すると、厚みを薄くすることができ、
圧縮機の小形、軽量化にも寄与することができる。
【0031】次に前述の巻き角と吸入終了から吐出終了
までの(圧縮行程という場合有り)回転軸の回転角θc
との関係について説明する。前述の1実施形態では巻き
角を360゜として説明したが、巻き角を変えることに
よって回転軸の回転角θcを変えることも可能である。
例えば、図2では、巻き角が360゜であるので、吸入
終了から吐出終了までの回転軸の回転角θcが360゜
で元の状態に戻る。この巻き角を360°よりも小さく
することによって吸入終了から吐出終了までの回転軸の
回転角θcを小さくする場合、吐出ポート8aと吸入ポ
ート7aが連通する状態が生じ、吐出ポート8a内の流
体の膨張作用で一旦吸入された流体が逆流するといった
問題が起こる。巻き角を360°よりも大きくすると吸
入終了から吐出終了までの回転軸6の回転角も360゜
より大きくなり、吸入終了から吐出ポート8aのある空
間に連通するまでの間に大きさの異なるの2つの作動室
が形成される。これを圧縮機として用いたとき、これら
2つの作動室の圧力上昇が各々異なるために両者合流時
に不可逆的な混合ロスが生じ、圧縮動力の増加になる。
また、液体ポンプとして用いようとしても、吐出ポート
8aに連通しない作動室が形成されることからポンプと
しては適用しにくくなる。このため、巻き角は許容され
る精度の範囲内において極力360°が望ましいといえ
る。
【0032】前述の特開昭55−23353号公報(文
献1)に記載の流体機械における圧縮行程の回転軸の回
転角θcは、θc=180゜であり、特開平5−202
869号公報(文献3)及び特開平6−280758号
公報(文献4)に記載の流体機械における圧縮行程の回
転軸の回転角θcは、θc=210゜である。作動流体
の吐出が終了してから次の圧縮行程が始まる(吸入終
了)までの期間は、文献1においては回転軸の回転角θ
cで180゜、文献3及び文献4においては150゜で
ある。
【0033】圧縮行程の回転軸の回転角θcが210゜
の場合における軸の1回転中の各作動室(符号I、II、I
II、IVで示す)の圧縮行程線図を図6(a)に示す。但
し、条数N=4である。回転軸の回転角θcが360゜
内には4個の作動室が形成されるが、ある角度において
同時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3とな
っている。同時に形成される作動室数の最大値は条数よ
りも少ない3である。
【0034】同様に条数N=3であり圧縮行程の回転軸
の回転角θcが210゜の場合を図7(a)に示す。こ
の場合も同時に形成される作動室数nは、n=1あるい
は2であり、同時に形成される作動室数の最大値は条数
よりも少ない2である。
【0035】このような状態では、作動室が回転軸の周
りに偏って形成されるため、力学的アンバランスが発生
し、ディスプレーサに働く自転モーメントが過大にな
り、ディスプレーサとシリンダとの接触荷重が増大し機
械摩擦損失の増加による性能低下やベーンの摩耗による
信頼性低下の問題がある。
【0036】この問題を解決するため、本実施の形態で
は、吸入終了から吐出終了までの回転軸の回転角θc
が、◆ (((N−1)/N)・360゜)<θc≦360゜(数1)◆ を満たすように、ディスプレーサの外周輪郭形状及びシ
リンダの内周輪郭形状を形成している。換言すると、前
述の巻き角が数式1の範囲になっている。図6(b)を
参照すると、圧縮行程の回転軸の回転角θcが、270
゜より大きくなっており、同時に形成される作動室数n
は、n=3あるいは4となり、作動室数の最大値は4で
ある。この値は、条数N(=4)に一致する。また、図
7(b)では、圧縮行程の回転軸の回転角θcが、24
0゜より大きくなっており、同時に形成される作動室数
nは、n=2あるいは3となり、作動室数の最大値は3
である。この値は、条数N(=3)と一致する。
【0037】このように圧縮行程の回転軸の回転角θc
の下限値を数式1の左辺の値よりも大きくすることによ
り、作動室数の最大値が条数N以上となり、作動室が回
転軸の周りに分散して配置されるようになるため、力学
的なバランスがよくなり、ディスプレーサに働く自転モ
ーメントが低減され、ディスプレーサとシリンダとの接
触荷重も低減され機械摩擦損失の低減による性能向上と
共に接触部の信頼性を向上することができる。
【0038】一方、圧縮行程の回転軸の回転角θcの上
限は数式1によると360゜となっている。この圧縮行
程の回転軸の回転角θcの上限は360゜である。前述
したように、作動流体の吐出が終了してから次の圧縮行
程が始まる(吸入終了)までのタイムラグを0にするこ
とができ、θc<360゜の場合に起こる隙間容積内の
ガスの再膨張による吸入効率の低下を防止することがで
きると共に、θc>360゜の場合に起こる2つの作動
室の圧力上昇が異なるために両者合流時に発生する不可
逆的な混合ロスを防止することができる。後者について
図8を用いて説明する。
【0039】圧縮行程が回転軸の回転角θcで375゜
となる容積形流体機械を図8に示す。図8(a)は、図
中2つの作動室15aと15bの吸入が終了した状態で
ある。このとき2つの作動室15aと15bの圧力は吸
入圧力Psで両者等しくなっている。吐出ポート8aは
作動室15aと15bの間に位置しており、両作動室と
は連通していない。この状態から回転軸の回転角θで1
5゜回転が進んだ状態を図8(b)に示す。吐出ポート
8aと両作動室15aと15bが連通する直前の状態で
ある。このとき作動室15aの容積は図8(a)の吸入
終了時よりも小さく圧縮が進行しており圧力も吸入圧力
Psよりも高い圧力になっている。これに対して、作動
室15bの容積は逆に吸入終了時よりも大きくなってお
り、膨張作用により圧力も吸入圧力Psよりも低くなっ
ている。次の瞬間作動室15aと15bが合体(連通)
する際に、図8(c)に矢印で示すような不可逆的な混
合が起こり、圧縮動力の増加による性能低下が発生する
こととなる。従って、圧縮行程の回転軸の回転角θcの
上限は360゜が望ましい状態である。
【0040】図9は文献3若しくは文献4に記載された
容積形流体機械の圧縮要素であり、(a)が平面図
(b)が側面図である。条数Nは3であり、圧縮行程の
回転軸の回転角θc(巻き角θ)は210゜である。こ
の図において、作動室数nは図7(a)に示したように
n=1あるいは2となる。この図は回転軸の回転角θが
0゜の状態を示しており、作動室数nは2である。本図
から明らかなように、ディスプレーサの外周輪郭形状と
シリンダの内周輪郭形状とにより形成される空間の内右
側の空間は作動室となってなく、吸入ポート7aと吐出
ポート8aが連通している。このため、吐出ポート8a
の隙間容積内ガスの再膨張により一旦吸入ポート7aか
らシリンダ4内に流入したガスが逆流し、吸入効率が低
下する問題がある。
【0041】ところで、図9に示した容積形流体機械の
圧縮行程の回転軸の回転角θcを、本実施の形態の考え
方を用いて拡大する場合を考える。圧縮行程の回転軸の
回転角θcを拡大するためには2点鎖線で図示するよう
にシリンダ4の輪郭曲線の巻き角を大きくしなければな
らないが、図示の如くベーン4bの厚さが極端に薄くな
り、作動室数nの最大値が条数N(N=3)以上となる
ように圧縮行程の回転軸の回転角θcを240゜より大
きくすることは困難である。
【0042】図10に図9に示された容積形流体機械と
同一行程容積(吸入容積)、同一外径寸法、同一旋回半
径の容積形流体機械の圧縮要素の実施形態の一例を示
す。この図10に示された圧縮要素の圧縮行程の回転軸
の回転角θcは240゜より大きい360゜を実現して
いる。これは、図9に示された圧縮要素では、作動室を
形成するシール点間が一様な曲線によって構成されてい
るため、例え、本実施の形態の考え方に基づいて圧縮行
程の回転軸の回転角θcを拡大しようとしても最大で2
40゜が限界であるが、図10に示された本実施の形態
による圧縮要素では、シール点間(a−c)が一様な曲
線ではなく、接点b付近の形状がディスプレーサから見
て突出するように形成され、ディスプレーサの各条が中
心部から先端部に向かう途中にくびれ部が存在してい
る。これらは図1に示した実施の形態についても云える
ことである。これらの形状により、接点aから接点bま
での巻き角を240゜より大きい360゜とすることが
でき、接点bから接点cまでの巻き角を240゜より大
きい360゜とすることができる。この結果、圧縮行程
の回転軸の回転角θcを240゜より大きな360゜と
することができ、作動室数nの最大値を条数N以上とす
ることができる。このため、作動室が分散配置され自転
モーメントを小さくすることができる。
【0043】さらに、このように有効に機能しうる作動
室数が増加したことで、図9に記載の圧縮要素のシリン
ダ高さ(厚み)をHとしたとき、図10に記載の圧縮要
素のシリンダ高さは0.7Hとなり、30%低くなるの
で、圧縮要素の小形化を図ることができる。
【0044】次に、ディスプレーサ5に作用する荷重及
びモ−メントについて説明する。図1(b)において、
作動ガスの圧縮に伴い、各作動室15の内圧によってデ
ィスプレーサ5には、偏心方向に直角な接線方向力Ft
と偏心方向にあたる半径方向力Frが作用する。Ftと
Frの合力Fのディスプレーサ5の中心oからのずれ
(腕の長さl)によってディスプレーサを反時計回りに
回転させようとする自転モ−メントM(=F・l)が働
く。この自転モ−メントMを支えるのがディスプレーサ
5とシリンダ4の接点aと接点dにおける反力である
(他の作動室でも同様)。この多条ラップでは、常時、
吸入ポ−ト7aに近い2ないし3箇所の接点でモ−メン
トを受け、その他の接点には反力が作用しない。この容
積形圧縮要素1は、ディスプレーサ5の中心部に嵌合さ
れた回転軸6のクランク部6aの周りにほぼ等ピッチで
吸入終了から吐出終了までの回転軸の回転角がほぼ36
0°となる作動室を分散して配設しているため、合力F
の作用点をディスプレーサ5の中心oに近付けることが
でき、モ−メントの腕の長さlを縮少して自転モ−メン
トMを低減することができる。したがって、反力が軽減
される。また、接点aと接点dの位置からわかるよう
に、自転モ−メントMをうけるディスプレーサ5とシリ
ンダ4の摺動部位を、温度が低く油粘度の高い作動ガス
の吸入ポート7a付近になるようにしているため摺動部
の油膜が確保され、摩擦・摩耗の問題を解決した信頼性
の高い容積形流体機械を提供することが出来る。
【0045】図11は作動流体の内圧によってディスプ
レーサに働く軸1回転中の自転モーメントMを図9に示
された圧縮要素及び図10に示された圧縮要素で比較し
たものである。計算条件は作動流体HFC134aの冷
凍条件(吸入圧力Ps=0.095MPa、吐出圧力P
d=1.043MPa)である。これにより作動室数n
の最大値が条数以上となる本実施の形態による圧縮要素
では、吸入終了から吐出終了までの作動室が回転軸の周
りにほぼ等ピッチで分散して配置されるため力学的なバ
ランスがよくなり、圧縮による荷重ベクトルがほぼ中心
を向くように構成できる。このためディスプレーサに働
く自転モーメントMを低減することができる。この結
果、ディスプレーサとシリンダの接触荷重も軽減され機
械効率を向上することができると共に圧縮機としての信
頼性を向上することができる。
【0046】ここで、吸入ポート7aと吐出ポート8a
とが連通する期間と圧縮行程の回転軸の回転角との関係
について説明する。吸入口と吐出ポートが連通する期
間、すなわち作動流体の吐出が終了してから次の圧縮行
程が始まる(吸入終了)までの間の回転軸の回転角で表
すタイムラグΔθは、圧縮行程の回転軸の回転角θcと
して、Δθ=360゜−θcで表される。
【0047】Δθ≦0゜の場合は、吸入ポートと吐出ポ
ートが連通する期間が存在しないため、吐出ポートの隙
間容積内ガスの再膨張による吸入効率の低下はない。
【0048】Δθ>0゜の場合には吸入ポートと吐出ポ
ートが連通する期間が存在するため、吐出ポートの隙間
容積内ガスの再膨張に起因する吸入効率の低下が起こ
り、圧縮機の(冷凍)能力が低下することになる。ま
た、吸入効率(体積効率)の低下は圧縮機のエネルギ効
率である断熱効率あるいは成績係数の低下にもつなが
る。
【0049】圧縮行程の回転軸の回転角θcはディスプ
レーサあるいはシリンダの輪郭曲線の巻き角と吸入ポー
ト及び吐出ポートの位置によって決定される。ディスプ
レーサあるいはシリンダの輪郭曲線の巻き角を360゜
にした場合には、圧縮行程の回転軸の回転角θcは36
0゜にできると共に吸入ポートあるいは吐出ポートのシ
ール点を移動することによってθc<360゜にもする
ことができる。しかし、θc>360゜にすることはで
きない。例えば、前述の図8に示した圧縮要素の圧縮行
程の回転軸の回転角θc=375゜を吐出ポートの位置
や大きさを変えることによりθc=360゜に変更する
ことができる。これは、図8における吸入終了状態の直
後に作動室15aと作動室15bとが連通するように吐
出ポートを大きくすることにより実現することができ
る。このような変更を行うことによりθc=375゜の
時に発生していた2つの作動室の圧力上昇が異なるため
に起こる不可逆的な混合ロスを低減することができる。
従って、輪郭曲線の巻き角は、圧縮行程の回転軸の回転
角θcを決定する必要条件ではあるが十分条件ではない
と云うことができる。
【0050】さて、上記説明した本実施形態、即ち図3
に示す実施形態では、密閉容器3内の圧力が低圧(吸入
圧力)に保持されるタイプの密閉形圧縮機について説明
したが、低圧タイプにすることにより以下のような利点
がある。
【0051】(1)圧縮された高温の作動ガスによる電
動要素2の加熱が少なく、吸入ガスによって冷却される
ため、固定子2a,回転子2bの温度が低下し、モ−タ
効率が向上して性能向上が図ることができる。
【0052】(2)フロン等の潤滑油12と相溶性のあ
る作動流体では、圧力が低いため潤滑油12中に溶解す
る作動ガスの割合が少なくなり、軸受等での油の発泡現
象が起こりにくく、信頼性を向上することができる。
【0053】(3)密閉容器3の耐圧を低くでき、薄肉
・軽量化を図ることができる。
【0054】次に、密閉容器3内の圧力が高圧(吐出圧
力)に保持されるタイプのものについて説明する。図1
2は、本発明の他の実施形態に係る容積形流体機械を圧
縮機として用いた高圧タイプの密閉形圧縮機の要部拡大
断面図である。図12において、前述の図1〜図3と同
一符号を付したものは同一部品であり、同一の作用をな
す。図において、7bは吸入カバ−10によって主軸受
7に一体的に形成された吸入室で、シ−ル部材16等に
よって密閉容器3内の圧力(吐出圧力)と区画されてい
る。17は吐出室8b内と密閉容器3内を連通する吐出
通路である。容積形圧縮要素1の作動原理等は前述した
低圧(吸入圧力)タイプと同様である。
【0055】作動ガスの流れは図中に矢印で示すよう
に、吸入パイプ13を通って吸入室7bに入った作動ガ
スは、主軸受7に形成された吸入ポ−ト7aを通って容
積形圧縮要素1に入り、ここで回転軸6の回転によって
ディスプレーサ5が旋回運動を行い作動室15の容積が
縮少することにより圧縮される。圧縮された作動ガス
は、副軸受8の端板に形成された吐出ポ−ト8aを通り
吐出弁9を押し上げて吐出室8b内に入り、吐出通路1
7を通って密閉容器3内に入り、この密閉容器3に接続
された吐出パイプ(図示せず)より外部に流出する。
【0056】このような高圧タイプの利点は、潤滑油1
2が高圧になっているため、回転軸6の回転による遠心
ポンプ作用等によって各軸受摺動部に給油された潤滑油
12がディスプレーサ5の端面の隙間等を通ってシリン
ダ4内に供給され易くなるため、作動室15のシ−ル性
及び摺動部の潤滑性を向上できる点にある。
【0057】以上、本発明の容積形流体機械を用いた圧
縮機では機器の仕様や用途あるいは生産設備等に応じて
低圧タイプ、高圧タイプどちらでも選択することが可能
となり、設計の自由度が大幅に拡大する。
【0058】次に、給油機構について図1、図2、図1
3及び図14を用いて説明する。ここで、図13は図1
(b)の吸入ポート7a付近の拡大図であり吸入終了(圧
縮開始)から前記回転軸6の1回転中の給油状態をを6
0°毎に示したものである、図14は図13のA-A断面
図である。
【0059】本実施例における容積型流体機械では、前
述したように自転による回転モーメントの影響でディス
プレーサ5の給油ポート7a側先端外壁面が、シリンダ
4の内壁面と接触しながら摺動するため、油切れを起こ
しやすいと云う問題がある。そこで、本実施例では、こ
の部分に優先的に潤滑油が供給される給油機構とした。
【0060】ディスプレーサ5の端面には旋回運動を行
っても吸入ポート7aと連通しない給油溝5cと旋回運
動することにより吸入ポート7aと連通する給油ポケッ
ト5dが形成されている。前記給油溝5cには回転軸6
の遠心ポンプ作用により給油通路6cから常時潤滑油1
2が供給されている。図13及び図14に示すように、
主軸受7と副軸受8の端面には前記シリンダ4の中心
O'を原点とし、ディスプレーサ5の各ラップの同一の
位置にそれぞれ給油溝(凹部)7c、8cが形成されて
いる。また、前記副軸受8には吸入ポート7aと対向す
る位置に吸入ポート7aと略同一形状の油受け溝8dが
形成されている。なお、前記主軸受側に形成された吸入
ポート7a、給油ポケット5d、給油溝7c、5cと前
記副軸受側に形成された油受け溝8d、給油ポケット5
d、給油溝8c、5cはそれぞれの側において同時に連
通することはない。さらに、前記給油溝7c、8cは前
記回転軸6のどの回転角位置においても常にディスプレ
ーサ5の端面に対向するように位置し、作動室15に開
口することがない。また、5bはディスプレーサ5を加
工するときの位置決め用の貫通孔であり、これを油溜と
して利用している。ここに流れ込んだ潤滑油は、ディス
プレーサ5の旋回運動によってディスプレーサ5と端板
(主軸受7及び副軸受け8のディスプレーサ5と対向し
ている面)との間に入り込みこの摺動面を潤滑する。
【0061】このような構成にすることで吸入ポート7
a近傍へ的確に間欠的な給油を行うことができ、潤滑油
12の過剰な供給による圧縮機の性能低下を防止でき
る。
【0062】すなわち、密閉容器3の底部に溜まった潤
滑油12は回転軸6に取り付けられた給油ピース6bに
よって遠心ポンプ作用で吸い上げられ、容積形圧縮要素
1の各摺動部に回転軸6に形成された給油通路6cを通
って供給される。クランク部6aに設置された給油通路
6cを通った潤滑油12は、ディスプレーサ5とクラン
ク部6aとの隙間を通って、ディスプレーサ5の端面に
形成された給油溝5cへと供給される。この給油溝5c
に供給された潤滑油12は図13及び図14の矢印に示
されるように回転軸6の回転角度0°から60°にかけ
主軸受7と副軸受8に形成された給油溝7c、8cと連
通し、潤滑油12を供給する。そして、回転軸6の回転
角度120°から240°にかけ給油ポケット5dと前
記給油溝5cは、前記給油溝7c、8cを介して連通
し、給油ポケット5dへと潤滑油12が供給される。こ
の給油ポケット5dへの潤滑油12の供給は、遠心ポン
プ作用により給油溝5cに供給された油の圧力による。
さらに、潤滑油12が供給された給油ポケット5dは3
00°から60°にかけ吸入ポート7aと油受け溝8d
に連通し、低圧チャンバ方式ではあるが遠心ポンプ作用
による油圧の分だけ、吸入ポート7a側が若干負圧にな
るのでこの圧力差により、給油ポケット5d内の潤滑油
12が吸入ポート7a近傍に放出され摺動部に供給され
る。吸入ポート7aに供給された潤滑油12は、その
後、ディスプレーサ5が旋回運動を行う過程で作動室内
でかき取られるようにして吐出ポートに8aに向かって
いく。なお、給油通路6cは、給油溝5cが給油溝8c
に連通する角度で給油溝5cに潤滑油12を供給する位
置に設けられている。
【0063】さて、上記した給油機構は間欠給油となっ
ている。その理由を説明する。ディスプレーサ5の給油
ポート7a側先端外壁面とシリンダ4の内壁面との間
(給油ポート7a近傍)の摺動面を潤滑する手段とし
て、給油溝5cを給油ポケット5dよりもディスプレー
サ先端付近まで延長させることにより常時油を供給する
ことが考えられるが、この方法では次のような問題があ
る。連続してこのディスプレーサ5の先端に潤滑油12
を供給すると、油が供給過多になり、暖まっている潤滑
油12によって吸入ガスが加熱され体積が増し吸い込み
効率(体積効率)が低下すること、及び潤滑油12が相
当量作動室内に流入することから潤滑油12の体積分作
動室が占有され、この油の体積分有効容積が減少し体積
効率が低下して結果として圧縮機の効率が低下するとい
う問題があるためである。
【0064】一方で、給油溝5cをディスプレーサ先端
付近の給油ポケット5d手前まで形成させて、常時潤滑
油12を貯油するようにした場合(端板とディスプレー
サ間の潤滑は可能)、上記のように連続的にディスプレ
ーサ5の給油ポート7a側先端外壁面とシリンダ4の内
壁面との間に潤滑油12が供給されないので、上記供給
過多になるという問題は解消される。しかし、低圧チャ
ンバであるので、潤滑油12を給油溝5cへ供給する駆
動力は遠心給油のみとなり、この遠心給油による圧力よ
りも作動室内の冷媒の圧力の方が高くなってしまい、デ
ィスプレーサ5の外周壁及びシリンダ4の内周壁に、デ
ィスプレーサ5と端板との隙間を抜けて油が到達する到
達しなくなってしまうという問題がある。
【0065】この相矛盾する両問題を解決するため、本
実施例では、ディスプレーサ5の給油ポート7a側先端
外壁面とシリンダ4の内壁面との間に、潤滑油12が間
欠的に供給されるような潤滑油供給機構とした。
【0066】なお、潤滑油供給過多にならぬように給油
溝5cを中心部から先端部に行くに従って先細りにする
など流路抵抗を増大させることで油量を適正に保つこと
ができるのであれば、常時供給方式でも構わない。
【0067】また、間欠供給方式として、給油溝7c、
8cを用いて一旦供給された潤滑油12をプールするよ
うにしたが、この給油溝7c、8cを設けずに、給油溝
5cを給油ポケット5dに直接接続しても間欠給油され
る。但し、給油ポケット5dが吸入ポート7aに開口し
ている期間は潤滑油供給源と連通することになるので、
もし供給過剰になるようであれば、流路抵抗を設ける必
要がある。
【0068】以上、本実施形態では、接触摺動を起こし
やすい吸入ポート近傍に確実に潤滑油を供給できるとい
う効果、間欠給油とすることで必要量の潤滑油を吸入ポ
ート近傍に供給することができるという効果、給油溝7
c、8cを設けることで必要最小限の量の潤滑油を吸入
ポート近傍に供給することができるという効果がある。
【0069】また、給油ポケット5dの容積を変化させ
ることによりシリンダ4とディスプレーサ5の接触部へ
の油供給量を容積型流体機械の用途によって変わる流体
機械の容量毎に、調節することができる。これにより過
剰な油供給による圧縮機性能低下を防止しうる効果があ
る。
【0070】次に、潤滑油供給機構の第2の実施例を図
15乃至図18を用いて説明する。図15(a)は本発明
に係る容積形流体機械を圧縮機として用いた場合におけ
る密閉形圧縮機の縦断面図((b)のA-A断面図)、図15
(b)は(a)のB-B断面図、図16は容積形圧縮要素の作動
原理図、図17は図15(b)の吸入ポート7a付近の拡
大図であり吸入終了(圧縮開始)から前記回転軸6の1
回転中の給油状態をを60°毎に示したものである、図
18は図17のA-A断面図である。この実施例における
容積形流体機械の基本構造は、第1の実施例と同様であ
り、同一符号を付したものは、同一部品であり同一の作
用をなすため、圧縮動作ならびに軸受摺動部への給油機
構については説明を省略する。
【0071】ディスプレーサ5の端面には給油溝5cが
形成されている。この前記給油溝5cは第1の実施例と
同様常時潤滑油12が供給されている。この前記給油溝
5cは前記回転軸6の旋回運動により主軸受7に形成さ
れた連通孔8eと連通する。なお、この連通孔8eは、
回転軸6のどの回転角度においても常に前記ディスプレ
ーサ5の端面に対向した位置に存在し、作動室15に開
口することがない。図17と図18の矢印に示されるよ
うに、0°から120°にかけて前記ディスプレーサ5
の端面に形成された給油溝5cから連通孔8eを通って
吸入室7bへと潤滑油12が放出される。この動作が前
記回転軸6の回転角度360°中に各ラップにおいて1
回行われ、これを繰り返すことにより冷凍サイクル内の
作動流体中の油循環量よりも、圧縮要素内部の作動流体
中の油循環量を増加することができ、ディスプレーサ5
とシリンダ4の接触部に潤滑油12が作動流体に混入し
た形(ミスト状)で確実に各摺動部に供給されるため、
潤滑状態が改善され、大幅に信頼性を向上した容積形流
体機械を提供することができる。尚、潤滑油の供給量が
多い場合は、第1の実施例と同様に、連通孔8eと給油
溝5cとの間に給油溝8cを設け、ディスプレーサ5側
に給油溝8cと連通孔8eとを連通させる凹部を設ける
ことにより吸入室7bへ一定量の潤滑油を供給すること
ができる。
【0072】ここで、上記第1及び第2の実施例におい
ては密閉容器3内の圧力が低圧(吸入圧)となる密閉形
圧縮機(低圧チャンバ)において説明したが、このよう
な構造にすることにより以下ような利点がある。◆ (1)圧縮された高温の作動ガスによる電動要素の加熱
が少なく、吸入ガスによって冷却されるため、固定子2
a,回転子2bの温度が低下し、モ−タ効率が向上して
性能向上が図ることができる。◆ (2)フロン等の潤滑油12と相溶性のある作動流体で
は、圧力が低いため潤滑油12中に溶解する作動ガスの
割合が少なくなり、軸受等での油の発泡現象が起こりに
くく、信頼性を向上することができる。◆ (3)密閉容器3の耐圧を低くでき、薄肉・軽量化を図
ることができる。◆ 次に、本発明を4条ラップに適用した第3の実施例を図
19及び図20を用いて説明する。図19(a)は、本発
明に係る4条ラップの容積形流体機械を圧縮機として用
いた場合における密閉形圧縮機の縦断面図((b)のA-A断
面図)、図19(b)は(a)のB-B断面図を示す。この実施
例は前記3条ラップの実施例と同一構成で同一作用をな
すものであるため詳細については説明を省略する。
【0073】27はシリンダ4と主軸受7との間に配設
された仕切り板27であり、この仕切り板27には、吸
入ポート7aと給油溝27aが形成されている。このよう
に条数を増やすことにより回転軸6の周りに分散して配
置された作動室15の数が増えて、力学的なバランスが
さらによくなり、ディスプレーサ5に働く自転モーメン
トが低減され、シリンダ4とディスプレーサ5との接触
荷重も低減することができ、機械摩擦損失の低減による
性能向上と共に接触部の信頼性を向上することができ
る。また、有効な作動室数が増加するので、シリンダ4
とディスプレーサ5の高さ(厚み)を薄くする事が可能
となり、容積形圧縮要素1の小型化を図ることができ
る。
【0074】図20(a)は、本発明に係る4条ラップで
の容積形流体機械を圧縮機として用いた場合における密
閉形圧縮機の縦断面図((b)のA-A断面図)、図20(b)
は(a)のB-B断面図を示す。この実施例における容積形流
体機械の基本構造は、先に示した3条ラップの実施例と
同様であり、同一符号を付したものは、同一部品であり
同一の作用をなすため、圧縮動作ならびに軸受摺動部へ
の給油機構については省略する。
【0075】図26(b)に示されるように主軸受7の端
面に配設された仕切り板27及び副軸受8の端面には常
時潤滑油が供給される給油溝27a、8eが形成されて
おり、前記同様の作動原理で潤滑油12を吸入ポート7
a近傍へ供給することができる。なお、前記給油溝27
a、8eはシリンダ4の中心O'を原点とし、同一の位置
に形成されており、常にディスプレーサ5の端面上に位
置し、作動室15に開口することがない。以上本発明の
他の実施例として述べた給油溝5c、7c、8c、27
a、8e、油受け溝8d、給油ポケット5dは加工等の
制約以外、形状はどのような形状でもよい。また、これ
ら本発明の給油機構はラップ条数はいくつでもかまわな
い。
【0076】ここで、図19及び図20に示した実施例
は、吸入パイプ13は圧縮機構部の吸入空間に連通さ
れ、吐出ポート8aからの冷媒は密閉容器内に吐出され
て密閉容器内を介して吐出パイプ14から例えば、冷凍
サイクル内に冷媒を供給する構造のため密閉容器3内の
圧力が高圧(吐出圧力)となる密閉形圧縮機(高圧チャ
ンバ方式)において説明した。このような構造にするこ
とにより、潤滑油12が高圧となり、容積形圧縮要素1
の各摺動部へ潤滑油12が供給され易くなるので、作動
室15のシール性及び各摺動部の潤滑性を向上すること
ができる。
【0077】前記した低圧チャンバにおける実施例と同
様、ディスプレーサ5の給油ポート7a側先端外壁面と
シリンダ4の内壁面との間(給油ポート7a近傍)の摺
動面は、接触摺動しやすくなる箇所であるので、ここへ
潤滑油12を給油することは必要である。
【0078】ディスプレーサ5の給油ポート7a側先端
外壁面とシリンダ4の内壁面との間(給油ポート7a近
傍)の摺動面を潤滑する手段として、給油溝5cを給油
ポケット5dよりもディスプレーサ先端付近まで延長さ
せることにより常時油を供給することが考えられるが、
この方法では次のような問題がある。このチャンバは吐
出圧の高圧チャンバ方式となっており、潤滑油12の供
給は差圧により行っている。従って、給油溝5cを給油
ポケット5dよりもディスプレーサ5の先端まで延長し
て吸入ポートと連通させると、吐出圧と吸入圧との差分
の差圧によって連続してこのディスプレーサ5の先端に
潤滑油12が供給されてしまう。すると、油が供給過多
になり、作動室内は潤滑油の体積比率が増大してしま
う。この体積比率の増大により、吸入ポートから供給さ
れる冷媒量が減少し圧縮機の体積効率が低下してしまう
という問題がある。また、高圧チャンバ方式であるの
で、貯油部に溜まっている潤滑油12の中には多量の冷
媒が溶け込んでおり、これが吸入ポートへ放出された瞬
間に冷媒が発泡して潤滑油から出てきてしまう。この潤
滑油から出てきた冷媒は、外部から吸入された冷媒と一
緒になって、圧縮されて吐出ポートから吐出されるので
あるが、全ての冷媒が吐出パイプ14を介して再び冷凍
サイクルに向かうのではない。高圧チャンバ内は差圧給
油によって吸入ポートに放出された冷媒の量だけ圧力が
低下しており、この分吐出ポートから吐出された冷媒に
よって補われることによって吐出圧が維持される。すな
わち、潤滑油内に溶け込んで給油機構を介して吸入ポー
トに放出された冷媒と同量の冷媒は、再び潤滑油に溶け
込むこととなる閉ループが形成される。閉ループを循環
している量の冷媒は冷凍サイクルに流入してヒートポン
プとしての仕事を行わないので、圧縮機はこの冷媒量分
余計な圧縮仕事をしていることになり、圧縮機としての
性能が低下する。
【0079】一方、給油溝5cをディスプレーサ先端付
近の給油ポケット5d手前まで形成させて、常時潤滑油
12を貯油するようにした場合(端板とディスプレーサ
間の潤滑は可能)、上記のように連続的にディスプレー
サ5の給油ポート7a側先端外壁面とシリンダ4の内壁
面との間に潤滑油12が供給されないので、上記供給過
多になるという問題は解消される。しかし、高圧チャン
バであるので、潤滑油12を給油溝5cへ供給する駆動
力は差圧給油による圧力差であるため、ディスプレーサ
5に形成された給油溝5cから吐出圧よりも低圧な作動
室内にディスプレーサ5と端板との間に形成される隙間
からにじみ出す。しかしながら、このにじみ出す程度の
分量の潤滑油量では油量が不足してしまう。そこで、給
湯量を増大させるため前記隙間を大きくすると、確かに
作動室内に供給される潤滑油量は増大するが、前述した
吸入ポート近傍の最も潤滑油を供給して欲しい箇所に潤
滑油が供給されると云う補償はどこにもない。さらに、
圧縮途中の作動室内に油が漏れ出すことで作動室の内部
圧力が増大して、旋回運動を発生させる駆動部(モー
タ)の仕事が増え、結果として電動機入力が増大してし
まうという問題がある。
【0080】この、問題を解決するため、本実施例では
上記の如く間欠給油を行っている。間欠給油については
前記3条ラップにおける実施例と同様である。
【0081】以上、本発明の給油機構を設けた容積形流
体機械は機器の仕様、用途あるいは生産設備等に応じて
低圧タイプ、高圧タイプどちらでも選択することが可能
である。
【0082】本発明の容積形流体機械を圧縮機として用
い冷暖房が可能なヒートポンプサイクル空調システムに
適用することができる。この際、容積形圧縮機は、図2
に示した作動原理に従って動作し、圧縮機を起動するこ
とによりシリンダ4とディスプレーサ5間で作動流体
(例えばフロンHCFC22やR407C,R410A
等)の圧縮作用が行われる。
【0083】また、本発明の容積形圧縮機は冷蔵庫など
の冷凍システムにも適用することが可能である。さら
に、これまでに述べた実施形態では、容積形流体機械と
して圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれ以外
に膨張機や動力機械にも応用することができる。また、
本発明では運動形態として、一方(シリンダ側)が固定
しもう一方(ディスプレーサ)がほぼ一定の旋回半径で
自転せずに公転運動を行う形式としたが、相対的に上記
の運動と等価な運動形態となる両回転式の容積形流体機
械にも適用することができる。
【0084】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ディスプレーサの吸入ポートが和戦端部の外壁面
とシリンダ内壁面との摺動部に潤滑油を供給することが
できるので、摩擦損失を低減することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る容積形流体機械を圧縮機に適用し
た密閉形圧縮機の圧縮要素の縦断面図及び平面図。
【図2】本発明に係る容積形流体機械の作動原理説明
図。
【図3】本発明に係る容積形流体機械の縦断面図。
【図4】本発明における作動室の容積変化特性図。
【図5】本発明におけるガス圧縮トルク変化図。
【図6】4条ラップにおける回転軸の回転角と作動室と
の関係を示す図。
【図7】3条ラップにおける回転軸の回転角と作動室と
の関係を示す図。
【図8】圧縮要素の巻き角が360゜より大きい場合の
動作説明図。
【図9】圧縮要素の巻き角の拡大を説明する図。
【図10】図1に示した容積形流体機械の変形例。
【図11】圧縮要素の回転軸の回転角と自転モーメント
比との関係を示す図。
【図12】本発明の他の実施形態に係る密閉形圧縮機の
要部縦断面図。
【図13】本発明の実施例における図1(b)における吸
入ポート部拡大図。
【図14】図13におけるA-A断面図。
【図15】本発明の他の実施例における容積形流体機械
を圧縮機に適用した密閉形圧縮機の圧縮要素の縦断面図
及び平面図。
【図16】本発明の他の実施例における容積形流体機械
の作動原理説明図。
【図17】本発明の他の実施例における図15における
吸入ポート部拡大図。
【図18】図27におけるA-A断面図。
【図19】本発明の他の実施例における容積形流体機械
を圧縮機に適用した密閉形圧縮機の圧縮要素の縦断面図
及び平面図(4条ラップ)。
【図20】本発明の他の実施例における容積形流体機械
を圧縮機に適用した密閉形圧縮機の圧縮要素の縦断面図
及び平面図(4条ラップ)。
【符号の説明】
1…容積形圧縮要素、2…電動要素、3…密閉容器、4
…シリンダ、4a…内周壁、4b…ベ−ン、5…ディス
プレーサ、5a…軸受部、5b…貫通穴、5c…給油
溝、5d…給油ポケット、6…回転軸、6a…クランク
部、6b…給油ピース、6c…給油通路、7…主軸受、
7a…吸入ポ−ト、7b…吸入室、7c…給油溝、7e
…連通孔、8…副軸受、8a…吐出ポ−ト、8b…吐出
室、8c…給油溝、8d…油受け溝、8e…給油溝、9
…吐出弁、10…吸入カバ−、11…吐出カバ−、12
…潤滑油、13…吸入パイプ、14…吐出パイプ、15
…作動室、16…シ−ル部材、17…容積形圧縮機、1
8…室外熱交換器、18a…ファン、19…膨張弁、2
0…室内熱交換器、21…4方弁、22…一点鎖線、2
3…一点鎖線、24…凝縮器、25…膨張弁、26…蒸
発器、26a…ファン、27…仕切り板、27a…給油
溝、o…ディスプレーサ中心、o’…シリンダ中心。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三津谷 俊一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 田川 茂太郎 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 大嶋 靖浩 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 森山 金悟 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ中心とディスプレーサ中心を合わ
    せたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外
    壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレーサ
    及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたとき
    は複数の作動空間が形成されるよう端板間に配置された
    ディスプレーサ及びシリンダと、前記作動空間に流体を
    導入する吸入ポートと、前記作動空間から流体を吐出す
    る吐出ポートとを備えた容積形流体機械において、前記
    ディスプレーサの前記吸入ポート側外壁面及びこの外壁
    面に対向する前記シリンダ内壁面に潤滑油を供給する給
    油機構を備えた容積型流体機械。
  2. 【請求項2】シリンダ中心とディスプレーサ中心を合わ
    せたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外
    壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレーサ
    及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたとき
    は複数の作動空間が形成されるよう端板間に配置された
    ディスプレーサ及びシリンダと、前記作動空間に流体を
    導入する吸入ポートと、前記作動空間から流体を吐出す
    る吐出ポートとを備えた容積形流体機械において、前記
    ディスプレーサの前記吸入ポート側外壁面及びこの外壁
    面に対向する前記シリンダ内壁面に潤滑油を間欠的に供
    給する給油機構を備えた容積型流体機械。
  3. 【請求項3】シリンダ中心とディスプレーサ中心を合わ
    せたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外
    壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレーサ
    及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたとき
    は複数の作動空間が形成されるよう端板間に配置された
    ディスプレーサ及びシリンダと、前記作動空間に流体を
    導入する吸入ポートと、前記作動空間から流体を吐出す
    る吐出ポートとを備えた容積形流体機械において、前記
    ディスプレーサの前記吸入ポート側外壁面及びこの外壁
    面に対向する前記シリンダ内壁面に油量が調節された潤
    滑油を供給する給油機構を備えた容積型流体機械。
  4. 【請求項4】シリンダ中心とディスプレーサ中心を合わ
    せたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外
    壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレーサ
    及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたとき
    は複数の作動空間が形成されるよう端板間に配置された
    ディスプレーサ及びシリンダと、前記作動空間に流体を
    導入する吸入ポートと、前記作動空間から流体を吐出す
    る吐出ポートとを備えた容積形流体機械において、前記
    ディスプレーサの前記端板に向かい合う面にこのディス
    プレーサ中央部から前記吸入ポートに対向する位置まで
    形成された溝と、このディスプレーサの中央部から前記
    溝へ潤滑油を供給する手段とを備えた容積型流体機械。
  5. 【請求項5】シリンダ中心とディスプレーサ中心を合わ
    せたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外
    壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレーサ
    及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたとき
    は複数の作動空間が形成されるよう端板間に配置された
    ディスプレーサ及びシリンダと、前記作動空間に流体を
    導入する吸入ポートと、前記作動空間から流体を吐出す
    る吐出ポートとを備えた容積形流体機械において、前記
    ディスプレーサの前記端板に向かい合う面にこのディス
    プレーサ中央部から前記吸入ポート側先端部に向かって
    このディスプレーサの旋回運動によってこの吸入ポート
    に連通する位置まで形成された溝と、このディスプレー
    サの中央部から前記溝へ潤滑油を供給する手段とを備え
    た容積型流体機械。
  6. 【請求項6】シリンダ中心とディスプレーサ中心を合わ
    せたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外
    壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレーサ
    及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたとき
    は複数の作動空間が形成されるよう端板間に配置された
    ディスプレーサ及びシリンダと、前記作動空間に流体を
    導入する吸入ポートと、前記作動空間から流体を吐出す
    る吐出ポートとを備えた容積形流体機械において、前記
    ディスプレーサの前記端板に向かい合う面に、このディ
    スプレーサ中央部から前記吸入ポート側先端部に向かっ
    てこのディスプレーサの旋回運動によってもこの吸入ポ
    ートに連通しない位置まで形成された溝と、前記端板の
    この溝に向かい合う面に形成されこのディスプレーサの
    旋回運動により前記溝と連通する位置に形成された端板
    側凹部と、この端板側凹部が形成された端板の面に向か
    い合う前記ディスプレーサの面に形成されこのディスプ
    レーサの旋回運動により交互に前記端板側凹部及び前記
    吸入ポートに連通するディスプレーサ側凹部と、前記デ
    ィスプレーサの中央部から前記溝へ潤滑油を供給する手
    段とを備えた容積型流体機械。
  7. 【請求項7】シリンダ中心とディスプレーサ中心を合わ
    せたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外
    壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレーサ
    及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたとき
    は複数の作動空間が形成されるよう端板間に配置された
    ディスプレーサ及びシリンダと、前記作動空間に流体を
    導入する吸入ポートと、前記作動空間から流体を吐出す
    る吐出ポートとを備えた容積形流体機械において、前記
    端板の前記ディスプレーサに向かい合う面の裏面に形成
    され前記吸入ポートに通じる吸入空間と、この吸入空間
    に潤滑油を供給する給油機構とを備えた容積型流体機
    械。
  8. 【請求項8】シリンダ中心とディスプレーサ中心を合わ
    せたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外
    壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレーサ
    及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたとき
    は複数の作動空間が形成されるよう端板間に配置された
    ディスプレーサ及びシリンダと、前記作動空間に流体を
    導入する吸入ポートと、前記作動空間から流体を吐出す
    る吐出ポートとを備えた容積形流体機械において、前記
    端板の前記ディスプレーサに向かい合う面の裏面に形成
    され前記吸入ポートに通じる吸入空間と、この端板に設
    けられ前記吸入空間と前記ディスプレーサ側面とを貫通
    する貫通孔と、前記ディスプレーサの前記貫通孔を有す
    る端板に向かい合う面にこのディスプレーサ中央部から
    前記吸入ポート側先端部に向かってこのディスプレーサ
    の旋回運動によってこの貫通孔に連通する位置まで形成
    された溝と、このディスプレーサの中央部から前記溝へ
    潤滑油を供給する手段とを備えた容積型流体機械。
  9. 【請求項9】断面形状が連続した曲線で構成される内壁
    を有するシリンダと、このシリンダの内壁に対向するよ
    うに設けられた外壁を有し、旋回位置においたとき前記
    内壁とこの外壁とで複数の作動空間を形成するディスプ
    レーサと、前記作動空間に流体を供給する吸入ポート
    と、前記作動空間から流体を吐出する吐出ポートとを備
    えた容積形流体機械において、前記吸入ポートに潤滑油
    を供給する給油機構を備えた容積型流体機械。
  10. 【請求項10】断面形状が連続した曲線で構成される内
    壁を有するシリンダと、このシリンダの内壁に対向する
    ように設けられた外壁を有し、旋回位置においたとき前
    記内壁とこの外壁とで複数の作動空間を形成するディス
    プレーサと、前記作動空間に流体を供給する吸入ポート
    と、前記作動空間から流体を吐出する吐出ポートとを備
    えた容積形流体機械において、前記ディスプレーサ側か
    ら前記吸入ポートに潤滑油を供給する給油機構を備えた
    容積型流体機械。
  11. 【請求項11】端板間に設けられ断面形状が連続した曲
    線で構成される内壁を有するシリンダと、前記端板間に
    設けられこのシリンダの内壁に対向するように設けられ
    た外壁を有し、旋回位置においたとき前記内壁とこの外
    壁とで複数の作動空間を形成するディスプレーサと、前
    記作動空間に流体を供給する吸入ポートと、前記作動空
    間から流体を吐出する吐出ポートとを備えた容積形流体
    機械において、前記吸入ポートは前記端板に設けられた
    貫通孔であり、この吸入ポートが設けられた端板の前記
    ディスプレーサと対向する面の裏面側から前記吸入ポー
    トに潤滑油を供給する給油機構を備えた容積型流体機
    械。
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