JPH1150978A - 容積形流体機械及び空気調和機 - Google Patents

容積形流体機械及び空気調和機

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JPH1150978A
JPH1150978A JP20610697A JP20610697A JPH1150978A JP H1150978 A JPH1150978 A JP H1150978A JP 20610697 A JP20610697 A JP 20610697A JP 20610697 A JP20610697 A JP 20610697A JP H1150978 A JPH1150978 A JP H1150978A
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JP
Japan
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displacer
cylinder
fluid machine
rotating shaft
center
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Application number
JP20610697A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Takao
邦彦 高尾
Takeshi Kono
雄 幸野
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Shigeru Machida
茂 町田
Kenji Tojo
健司 東條
Koichi Inaba
恒一 稲場
Kenichi Oshima
健一 大島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスプレーサに働く自転モ−メントを低減
し、摩擦・摩耗の問題を解決するとともに、軸受け部や
摺動部への確実な給油手実施することにより信頼性の高
い容積形流体機械を提供すること。 【解決手段】 断面形状が連続した曲線で構成される中
空シリンダ4内でディスプレーサ5を旋回することによ
り複数の作動室が形成され、前記シリンダ4内方に向か
って突出する突出部の数を4ないし5に構成するととも
に、前記ディスプレーサ5を駆動する回転軸6に潤滑油
溜り12に連通する給油通路41を設け、該給油通路に
連通し、半径方向外向きに形成された軸受け給油孔を設
置した構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポンプ、圧
縮機、膨張機等に係り、特に容積形流体機械及び空気調
和機に関する。
【0002】
【従来の技術】古くから容積形の流体機械として、円筒
状のシリンダ内をピストンが往復運動を繰り返すことに
より作動流体を移動させるレシプロ式流体機械、円筒状
のシリンダ内を円筒状のピストンが偏心回転運動するこ
とにより作動流体を移動させるロータリ式(ローリング
ピストン型)流体機械、端板上に直立した渦巻状のラッ
プを有する一対の固定スクロール及び旋回スクロールを
噛み合わせ、旋回スクロールを旋回運動させることによ
り作動流体を移動させるスクロール式流体機械が知られ
ている。
【0003】レシプロ式流体機械は、その構造が単純で
あることから製作が容易でかつ安価であるという利点が
ある反面、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で180°と短く、吐出過程の流速が速くなるた
め圧力損失の増加による性能低下という問題、及び、ピ
ストンを往復させる運動を必要とするため回転軸系の不
釣合慣性力を完全にバランスさせることができず振動や
騒音が大きいという問題がある。
【0004】また、ロータリ式流体機械は、吸入終了か
ら吐出終了までの行程は回転軸の回転角で360°であ
るため吐出過程の圧力損失が増加するという問題はレシ
プロ式流体機械に比べ少ないものの、軸1回転に1回吐
出するものであるためガス圧縮トルクの変動が比較的大
きくレシプロ式流体機械同様振動と騒音の問題がある。
【0005】さらに、スクロール式流体機械は、吸入終
了から吐出終了までの行程が回転軸の回転角で360°
以上と長い(空調用として実用化されているものは通常
900°程度)ため吐出過程の圧力損失が小さく、か
つ、一般に複数の作動室が形成されるため1回転中のガ
ス圧縮トルクの変動も小さく振動及び騒音が小さいとい
う利点がある。しかし、ラップ噛み合い状態での渦巻状
のラップ間のクリアランスや、端板とラップ歯先間のク
リアランスの管理が必要で、そのために精度の高い加工
を施さねばならず加工費用が高価になるという問題があ
る。また、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で360°以上と長く、圧縮過程の期間が長けれ
ば長いほど内部漏れが増加するという問題があった。
【0006】ところで、作動流体を移動させるデイスプ
レ−サが作動流体が吸入されたシリンダに対して相対的
に自転運動せずにほぼ一定の半径で公転運動、すなわち
旋回運動することにより作動流体を搬送する容積形機械
の一種が特開昭55−23353号公報(文献1)、米
国特許2112890号公報(文献2)、特開平5−2
02869号公報(文献3)及び特開平6−28075
8号公報(文献4)に提案されている。ここに提案され
ている容積形流体機械は、複数の部材(ベーン)が中心
より放射状に延びている花びら形状を有するピストン
と、このピストンとほぼ相似形の中空部を有するシリン
ダとから構成され、このピストンがこのシリンダ内を旋
回運動することによって、作動流体を移動させるもので
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1乃至文献4
に示された容積形流体機械は、レシプロ式のように往復
運動する部分を持たないため、回転軸系の不釣り合いを
バランスさせることができる。このため振動が小さく、
さらに、ピストンとシリンダ間の相対滑り速度が小さい
ので摩擦損失を比較的少なくできるといった特長を備え
ている。
【0008】しかしながら、ピストンを構成する複数の
ベ−ンとシリンダとによって形成される個々の作動室の
吸入終了から吐出終了までの回転軸の回転角が小さく、
作動流体の吐出が終了してから次の(圧縮)行程が始ま
る(吸入終了)までの時間的なずれ(タイムラグ)が存
在していることとなり、吸入終了から吐出終了までの作
動室が回転軸周りに偏って形成されるようになるため力
学的なバランスが悪く、圧縮された作動流体からの反力
としてピストンに、ピストン自身を回転させようとする
自転モ−メントが過大に作用し、ベ−ンの摩擦や摩耗と
いった信頼性上の問題が起こりやすいという欠点があ
る。また、これら文献に示された流体機械では、各軸受
け部への給油手段や給油方法などについての技術的開示
がされておらず、信頼性が低下する問題がある。
【0009】本発明の目的は、ディスプレーサに働く自
転モ−メントを低減し、摩擦・摩耗の問題を解決すると
ともに、軸受け部や摺動部への確実な給油手実施するこ
とにより信頼性の高い容積形流体機械を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的目的を達成する
ため、本発明にかかる容積形流体機械は、端板間にディ
スプレーサとシリンダとを配置し、前記シリンダ中心と
前記ディスプレーサ中心を合わせたとき前記シリンダ内
壁面及び前記ディスプレーサ外壁面により1つの空間が
形成され、前記ディスプレーサ及び前記シリンダとの位
置関係を旋回位置においたときは複数の空間が形成され
る容積形流体機械において、前記ディスプレーサを駆動
する回転軸に潤滑油溜りに連通する給油通路を設け、該
給油通路に連通し、半径方向外向きに形成された軸受け
給油孔と、該軸受け給油孔に連通して形成された給油溝
で構成され、前記潤滑油溜りに連通する前記給油通路に
遠心ポンプ手段を設置することである。
【0011】そして、端板間に平面形状が連続した曲線
で構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの
内壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動
したとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空
間を形成するディスプレーサと、このディスプレーサを
駆動する回転軸と、この回転軸を回転駆動する電動機要
素とを備えた容積形流体機械において、前記ディスプレ
ーサに作用する荷重を前記端板で支持するとともに、前
記電動機要素を支持する補助軸受け手段を設けることで
ある。
【0012】また、端板間にディスプレーサとシリンダ
とを配置し、前記シリンダ中心と前記ディスプレーサ中
心を合わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプ
レーサ外壁面により1つの空間が形成され、前記ディス
プレーサ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置にお
いたときは複数の空間が形成され、前記複数の空間のう
ち、吸入が終了し吐出が終了するまでの行程となってい
る空間の数の最大値が、前記シリンダ内方に向かって突
出する突出部の数以上となるように前記シリンダ内壁面
及び前記ディスプレーサ外壁面が形成される容積形流体
機械において、前記シリンダ内方に向かって突出する突
出部の数を4ないし5に構成することである。
【0013】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の特徴は以下
の実施形態によりさらに明確になる。以下、本発明の一
実施の形態を図を用いて説明する。まず、本発明の1実
施形態である容積形流体機械の構造を図1乃至図3を用
いて説明する。図1(a)は本発明の1実施形態である容
積形流体機械を圧縮機として用いた場合における密閉型
圧縮機の要部を示す縦断面図((b)のA-A断面図)、(b)
は(a)のB-B矢視で圧縮室を形成している状態を示す平面
図、図2は容積形圧縮要素の作動原理図、図3は本発明
の1実施形態である容積形流体機械を圧縮機として用い
た場合における密閉型圧縮機の縦断面図である。
【0014】図1において、密閉容器3内には、容積形
圧縮要素1及びこれを駆動する電動要素2(図示なし)
が収納されている。容積形圧縮要素1の詳細を説明す
る。図1(b)には同一輪郭形状が3組組み合わされた3
条ラップが示されている。シリンダ4の内周形状は、中
空部が120°(中心o’)毎に同一の形状が表れるよ
うに形成されている。この個々の中空部の端部には、内
方に向かって突出する複数(この場合は3条ラップであ
るので3つ存在する)の略円弧形状のベ−ン4bを有す
る。ディスプレーサ5は、このシリンダ4の内側に配設
されシリンダ4の内周壁4a(ベーン4bよりも曲率が
大きい部分)及びベ−ン4bと噛み合うように互いの中
心をεだけずらして構成されている。尚、シリンダ4の
中心o’とディスプレーサ5の中心oを一致させると、
両者の輪郭形状の間には基本形状として一定幅の隙間が
形成される。
【0015】次に、容積形圧縮要素1の作動原理を図1
及び図2により説明する。記号oはディスプレーサ5の
中心、記号o’はシリンダ4(あるいは回転軸6)の中
心である。記号a,b,c,d,e,fはシリンダ4の
内周壁4a及びベ−ン4bとディスプレーサ5の噛み合
いの接点を表す。ここで、シリンダ4の内周輪郭形状を
みると、同じ曲線の組合せが3箇所連続して滑らかに接
続されている。このうちの1箇所に着目すると、内周壁
4a、ベ−ン4bを形作る曲線を、厚みのある一つの渦
曲線(ベーン4bの先端を渦の巻始めと考える)とみる
ことができ、その内壁曲線(g−a)は、曲線を構成す
る各円弧角の合計である巻き角がほぼ360°(設計思
想は360°であるが製造誤差のため丁度その値にはな
らないという意味である。以下、同様。尚、この巻き角
については詳細を後述する)の渦曲線で、外壁曲線(g
−b)は巻き角がほぼ360°の渦曲線である。このよ
うに、上記1箇所の内周輪郭形状は、内壁曲線及び外壁
曲線から形成されている。これら2つの曲線円周上にほ
ぼ等ピッチ(3条ラップであるので120°)に配設
し、隣合う渦巻体の外壁曲線と内壁曲線とは円弧等の滑
らかな接続曲線(b−b’)で結ぶことによって、シリ
ンダ4の内周輪郭形状全体が構成されている。ディスプ
レーサ5の外周輪郭形状も上記シリンダ4と同じ原理で
構成されている。
【0016】なお、3つの曲線からなる渦巻体を円周上
にほぼ等ピッチ(120°)に配設するとしたが、これ
は後述する圧縮動作に伴う荷重を均等に分散させる目的
と製造のし易さを配慮したためで、特に、これらのこと
が問題にならない場合は、不等ピッチでもよい。
【0017】さて、このように構成されたシリンダ4と
ディスプレーサ5による圧縮動作を図2を用いて説明す
る。7aは吸入ポートであり、8aは吐出ポートであ
り、夫々3か所対応する端板に設けられている。回転軸
6を回転させることにより、ディスプレーサ5が固定側
であるシリンダ4の中心o’の周りを自転することなし
に旋回半径ε(=oo’)で公転運動し、ディスプレー
サ5の中心o周りに複数の作動室15(シリンダ内周輪
郭(内壁)とディスプレーサ外周輪郭(側壁)とにより
囲まれて密閉された複数の空間のうち、吸入が終了し圧
縮(吐出)行程となっている空間をいう。すなわち吸入
終了から吐出終了までの期間となっている空間。前述の
巻角が360゜の場合に限ると、圧縮終了時点ではこの
空間は無くなるが、その瞬間に吸入も終了するのでこの
空間を1つと勘定する。但し、ポンプとして用いる場合
は、吐出ポートを介して外部と連通している空間をい
う)が形成される(本実施の形態では常時3個の作動
室)。
【0018】接点aと接点bで囲まれハッチングが施さ
れた1つの作動室(吸入終了時点では2つに別れている
が、圧縮行程が開始されると直ぐにこの2つの作動室は
つながって1つになる)に着目して説明する。図2
(1)が吸入ポート7aからこの作動室への作動ガスの
吸入が終了した状態である。この状態から90°回転軸
6が回転した状態が図2(2)で、回転が進み最初から
180°回転した状態が図2(3)で、さらに回転が進
み最初から270°回転した状態が図2(4)である。
図2(4)から90°回転すると最初の図2(1)の状
態に戻る。これより、回転が進むに従って作動室15は
その容積を縮少し、吐出ポート8aは吐出弁9(図1に
示す)で閉じられているため作動流体の圧縮作用が行わ
れることになる。
【0019】そして、作動室15内の圧力が外部の吐出
圧力よりも高くなると圧力差で吐出弁9が自動的に開
き、圧縮された作動ガスは吐出ポート8aを通って吐き
出される。吸入終了(圧縮開始)から、吐出終了までの
回転軸の回転角は360°で、圧縮、吐出の各行程が実
施されている間に次の吸入行程が準備されており、吐出
終了時が次の圧縮開始となる。例えば、接点aとdによ
って形成される空間に着目すると、図2(1)の段階で
既に吸入ポート7aから吸入が開始されており、回転が
進むにつれてその容積が増し、図2(4)の状態になる
と、この空間は分断される。この分断された量に相当す
る流体は接点bとeによって形成される空間から補われ
る。
【0020】この補われ方について詳述する。図2
(1)の状態の接点aとbとにより形成された作動室の
隣の接点aとdによって形成された空間は吸入が始まっ
ている。この空間は、一旦図2(3)に示されるように
広がった後、図2(4)になると分断されてる。従っ
て、接点aとdによって形成された空間の全ての流体が
接点aとbによって形成される空間で圧縮される訳では
ない。分断されて接点aとdによって形成された空間に
取り込まれなかった流体体積と同量の流体は、図2
(4)において吸入過程にある接点bとeによって形成
される空間が、図2(1)に示されるように分断され
て、吐出ポート付近の接点eと接点bとにより形成され
る空間に流入している流体によって充当される。これ
は、前述したように、各ラップを均等ピッチで配置した
ことによる。即ち、ディスプレーサおよびシリンダの形
状が同一輪郭形状の繰返しにより形成されているため、
いずれの作動室も異なる空間から流体を得てもほぼ同量
の流体を圧縮することができるのである。
【0021】なお、不均等ピッチであっても各空間に形
成される容積が等しくなるように加工を施すことは可能
であるが製作性が悪い。前出のいずれの従来技術におい
ても吸込過程にある空間が閉じられて内部の流体がその
まま圧縮され吐出されるのに対して、このように作動室
に隣合う吸入過程にある空間が分断されて圧縮動作を行
うことは本実施形態の特徴の一つでである。
【0022】以上説明したように、連続的な圧縮動作と
なる作動室がディスプレーサ5の中心部に位置する回転
軸受5aの周りにほぼ等ピッチで分散して配設され、各
作動室は各々位相がずれて圧縮が行われる。すなわち、
一つの空間に着目すると吸入から吐出までは回転軸の回
転角で360°ではあるが、本実施形態の場合3個の作
動室が形成され、これらが120°ずれた位相で吐出を
するので、流体である冷媒を圧縮する圧縮機として動作
させた場合、回転軸の回転角で360°間に3回冷媒を
吐出することになる。
【0023】さて、圧縮動作を終了した瞬間の空間(接
点aとbによって囲まれた空間)を一つの空間として見
做すと、本実施形態の如く巻角が360゜の場合、いず
れの圧縮機動作状態においても、吸入行程となっている
空間と圧縮行程となっている空間とが交互になるように
設計されており、このため、圧縮行程が終了した瞬間直
ちに次の圧縮行程に移行することができ、滑らかで連続
的に流体を圧縮することができる。
【0024】次に、このような形状をした容積(旋回)
型圧縮要素1を組み込んだ圧縮機を図1及び図3を用い
て説明する。図3において、旋回型圧縮要素1は、上記
詳述したシリンダ4及びディスプレーサ5に加えて、デ
ィスプレーサ5の中心部の軸受にクランク部6aが嵌合
してディスプレーサ5を駆動する回転軸6、前記シリン
ダ4の両端開口部を閉塞する端板と回転軸6を軸支する
軸受を兼ねた主軸受7と副軸受8、前記主軸受7の端板
に形成された吸入ポ−ト7a、前記副軸受8の端板に形
成された吐出ポート8a、この吐出ポート8aを差圧で
開閉する吐出弁9を有する。但し吐出弁9はリード弁形
式でもよい。5bはディスプレーサ5に形成された貫通
穴である。また、10は主軸受7に取り付けられた吸入
カバー、11は副軸受8に一体的に吐出室8bを形成す
るための吐出カバーである。
【0025】電動要素2は、固定子2aと回転子2bか
らなり、回転子2bは回転軸6に焼き嵌め等で固定され
ている。この電動要素2は、電動機効率向上のため、ブ
ラシレスモータで構成され、3相インバータにより駆動
制御される。ただし、2は他の電動機形式、例えば、直
流電動機や誘導電動機でも差し支えない。12は密閉容
器3の内の底部に溜められた潤滑油12で、この中に回
転軸6の下端部が浸かっている。13は吸入パイプ、1
4は吐出パイプ、15はシリンダ4の内周壁4a及びベ
ーン4bとディスプレーサ5の噛み合いによって形成さ
れる前述した作動室である。また、吐出室8bはOリン
グ等のシール部材16により密閉容器3内の圧力と区画
されている。
【0026】本実施形態における容積形流体機械を空調
用圧縮機として利用した場合、その作動ガス(冷媒ガ
ス)の流れを図1により説明する。図中に矢印で示すよ
うに、吸入パイプ13を通って密閉容器3に入った作動
ガスは、主軸受7に取り付けられた吸入カバー10内に
入り吸入ポート7aを通って容積形圧縮要素1に入り、
ここで回転軸6の回転によってディスプレーサ5が旋回
運動を行い作動室の容積が縮少することにより圧縮され
る。圧縮された作動ガスは、副軸受8の端板に形成され
た吐出ポート8aを通り吐出弁9を押し上げて吐出室8
b内に入り、吐出パイプ14を通って外部に流出する。
尚、吸入パイプ13と吸入カバー10との間に隙間が形
成されている理由は、作動ガスを電動機要素2内にも流
通させることによって電動機要素を冷却するためであ
る。
【0027】内部に溜められた潤滑油12は、差圧や遠
心ポンプ給油によって底部から回転軸内部に設けられた
穴を通って、各摺動部に送られ潤滑する。この一部は作
動室内部にも隙間を通って供給される。
【0028】ここで、本発明の容積形圧縮要素1を構成
する主要部品であるディスプレーサ5及びシリンダ4の
輪郭形状の構成方法の一例を図4乃至図6を用いて説明
する(3条ラップの場合を例にあげる)。図4(a)
(b)は、一例として平面形状が円弧の組合せにより構
成されたディスプレーサの形状の一例で、(a)は平面
図、(b)は側面図である。図5(a)(b)は、図4
に示したディスプレーサの対となって噛み合うシリンダ
形状の一例で、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。また、図6は、図4に示したディスプレーサの中心
oと図5示したシリンダの中心o’とを重ねてピストン
とシリンダの壁面の一部分を描いた図である。
【0029】図4(a)において、ディスプレーサの平
面形状は中心o(正三角形IJKの図心)の周りに同一
の輪郭形状が3箇所連続して接続されている。その輪郭
形状は、半径R1から半径R7までの全部で7つの円弧
で形成されており、点p,q,r,s,t,u,v,w
は夫々異なる半径の円弧の接続点である。曲線pqは、
正三角形の一辺IK上に中心を持つ半径R1の円弧、こ
こで、点pは頂点IよりR7の距離にある。曲線qrは
接続点qと半径R1の中心を結ぶ直線の延長線上に中心
を持つ半径R2の円弧、曲線rsは接続点rと半径R2
の中心を結ぶ直線上に中心を持つ半径R3の円弧、曲線
stは同様に接続点sと半径R3の中心を結ぶ直線の延
長線上に中心を持つ半径R4の円弧である。曲線tuは
接続点tと半径R4の中心を結ぶ直線の延長線上に中心
を持つ半径R5の円弧、曲線uvは接続点uと半径R5
の中心を結ぶ直線の延長線上の図心oを中心とする半径
R6の円弧、曲線vwは接続点vと半径R6の中心(図
心o)を結ぶ直線上の頂点Jを中心とする半径R7の円
弧である。
【0030】尚、半径R1,R2,R3,R4,R5,
R6の夫々の円弧の角度は接点において滑らかに接続す
る(接点での接線の傾きが同一)という条件により決め
られる。点pから点wに至る輪郭形状を図心oを中心に
反時計周りに120°回転させると点wに点pが重な
り、さらに120°回転させると全周の輪郭形状が完成
する。これによりディスプレーサの平面形状が得られ、
厚みhを与えることによってディスプレーサが構成され
る。ディスプレーサの平面形状が決まると、このディス
プレーサが旋回半径εで旋回運動したときにこれに噛み
合うシリンダの輪郭形状は、図6に示されるようにディ
スプレーサの輪郭形状を構成する曲線の外側の法線距離
がεのオフセット曲線となる。
【0031】図5によりシリンダの輪郭形状を説明す
る。三角形IJKは図4と同一の正三角形である。輪郭
形状は、ディスプレーサと同様に全部で7つの円弧で形
成されており、点p’,q’,r’,s’,t’,
u’,v’,w’は夫々異なる半径の円弧の接続点であ
る。曲線p’q’は、正三角形の一辺IK上に中心を持
つ半径(R1−ε)の円弧、ここで、点p’は頂点Iよ
り(R7+ε)の距離にある。曲線q’r’は接続点
q’と半径(R1−ε)の中心を結ぶ直線の延長線上に
中心を持つ半径(R2−ε)の円弧、曲線r’s’は接
続点r’と半径(R2−ε)の中心を結ぶ直線上に中心
を持つ半径(R3−ε)の円弧、曲線s’t’は同様に
s’と半径(R3−ε)の中心を結ぶ直線上に中心を持
つ半径(R4+ε)の円弧である。曲線t’u’は接続
点t’と半径(R4+ε)の中心を結ぶ直線の延長線上
に中心を持つ半径(R5+ε)の円弧、曲線u’v’は
接続点u’と半径(R5+ε)の中心を結ぶ直線の延長
線上の図心o’を中心とする半径(R6+ε)の円弧、
曲線v’w’は接続点v’と半径(R6+ε)の中心
(図心o’)を結ぶ直線上の頂点Jを中心とする半径
(R7+ε)の円弧である。
【0032】尚、半径(R1−ε),(R2−ε),
(R3−ε),(R4+ε),(R5+ε),(R6+
ε)の夫々の円弧の角度はディスプレーサ同様、夫々の
接点において滑らかに接続する(接続点での接線の傾き
が同一)という条件により決められる。点p’から点
w’に至る輪郭形状を図心o’を中心反時計周りに12
0°回転させると点w’に点p’が一致し、さらに12
0°回転させると全周の輪郭形状が完成する。これによ
りシリンダの平面形状が得られる。シリンダの厚みH
は、ディスプレーサの厚みhよりわずかに厚くなってい
る。
【0033】図6はディスプレーサの中心oとシリンダ
の中心o’を重ねその一部を表した図である。ディスプ
レーサとシリンダとの間に形成される隙間は旋回半径に
等しいεとなるようにしている。尚、この隙間は、全周
においてεであることが望ましいが、ディスプレーサの
外周輪郭とシリンダの内周輪郭とにより形成される作動
室が正常な動作をする範囲において、何らかの理由によ
って、この関係が崩れる箇所があっても差し支えない。
【0034】尚、ここではディスプレーサ外壁及びシリ
ンダ内壁の輪郭形状の構成方法として複数円弧の組合せ
による方法を説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく任意の(n次式で表される曲線等)曲線の組
合せによっても同様の輪郭形状を構成することができ
る。
【0035】図1乃至図6にて説明した1実施形態の作
用効果を以下説明する。図7は、吸入終了時からの回転
軸の回転角θを横軸にとって本発明における作動室の容
積変化特性(吸入容積Vsと作動室容積Vの比で表す)
を他形式の圧縮機と比較して示す。これより本実施形態
に係る容積形圧縮要素1の容積変化特性は、吐出開始容
積比0.37の空調機の一種の運転条件(例えば作動ガ
スがフロンHCFC22の場合、吸入圧力Ps=0.6
4MPa,吐出圧力Pd=2.07MPa)で比べて見
ると、圧縮過程はレシプロ式とほぼ同等で、短時間に圧
縮過程が終了するため作動ガスの漏れが低減され、圧縮
機の能力及び効率を向上することができる。一方、吐出
過程はロータリ式(ローリングピストン型)よりも約5
0%長くなり、吐出流速が遅くなるため圧力損失が低減
され、吐出過程の流体損失(過圧縮損失)を大幅に低減
して性能向上を図ることができる。
【0036】図8は、本実施形態における回転軸1回転
中の仕事量の変化、すなわちガス圧縮トルクTの変化を
他形式の圧縮機と比較して示す(ここに、Tmは平均ト
ルクである)。これより本発明の容積形圧縮要素1のト
ルク変動はロータリ式の約1/10と非常に小さく、ス
クロール式と同等だが、スクロール式のオルダムリング
のような旋回スクロール自転防止のために往復摺動する
機構をもたないため、回転軸系の慣性バランスがとれた
圧縮機の振動・騒音を低減することができる。
【0037】また、図4に示すように輪郭線はスクロー
ル式のような長い渦巻き形状でないため、加工時間の短
縮、コスト低減が図れるとともに、渦巻き形状を保持す
るための端板(鏡板)が無いので、冶具を貫通させて加
工することができなかったスクロール式に比べてロータ
リ式並の加工で製作することができる。さらに、ガス圧
によるスラスト荷重はディスプレーサに作用しないの
で、スクロール圧縮機に見られるような圧縮機の性能に
重要な影響をおよぼす軸方向クリアランスの管理もしや
すくなるため性能向上が図れる。さらに、計算の結果、
同一容積、同一外径のスクロール圧縮機と比較すると、
厚みを薄くすることができ、圧縮機の小型、軽量化にも
寄与することができる。
【0038】次に前述の巻き角と吸入終了から吐出終了
までの回転軸の回転角θcとの関係について説明する。
前述の1実施形態では巻き角を360゜として説明した
が、巻き角を変えることによって回転軸の回転角θcを
変えることも可能である。例えば、図2では、巻き角が
360゜であるので、吸入終了から吐出終了までの回転
軸の回転角θcが360゜で元の状態に戻る。この巻き
角を360°よりも小さくすることによって吸入終了か
ら吐出終了までの回転軸の回転角θcを小さくする場
合、吐出ポートと吸入ポートが連通する状態が生じ、吐
出ポート内の流体の膨張作用で一旦吸入された流体が逆
流するといった問題が起こる。巻き角を360°よりも
大きくすると回転軸の回転角も360゜より大きくな
り、吸入終了から吐出ポートのある空間に連通するまで
の間に大きさの異なるの2つの作動室が形成される。こ
れを圧縮機として用いたとき、これら2つの作動室の圧
力上昇が各々異なるために両者合流時に不可逆的な混合
ロスが生じ、圧縮動力の増加になる。また、液体ポンプ
として用いようとしても、吐出ポートに連通しない作動
室が形成されることからポンプとしては適用しにくくな
る。このため、巻き角は許容される精度の範囲内におい
て極力360°が望ましいといえる。
【0039】前述の特開昭55−23353号公報(文
献1)に記載の流体機械における圧縮行程の回転軸の回
転角θcは、θc=180゜であり、特開平5−202
869号公報(文献3)及び特開平6−280758号
公報(文献4)に記載の流体機械における圧縮行程の回
転軸の回転角θcは、θc=210゜である。作動流体
の吐出が終了してから次の圧縮行程が始まる(吸入終
了)までの期間は、文献1においては回転軸の回転角θ
cで180゜、文献3及び文献4においては150゜で
ある。
【0040】圧縮行程の回転軸の回転角θcが210゜
の場合における軸の1回転中の各作動室(符号I、II、
III、IVで示す)の圧縮行程線図を図9(a)に示す。
但し、条数N=4である。回転軸の回転角θcが360
゜内には4個の作動室が形成されるが、ある角度におい
て同時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3と
なっている。同時に形成される作動室数の最大値は条数
よりも少ない3である。
【0041】同様に条数N=3であり圧縮行程の回転軸
の回転角θcが210゜の場合を図10(a)に示す。
この場合も同時に形成される作動室数nは、n=1ある
いは2であり、同時に形成される作動室数の最大値は条
数よりも少ない2である。このような状態では、作動室
が回転軸の周りに偏って形成されるため、力学的アンバ
ランスが発生し、ディスプレーサに働く自転モーメント
が過大になり、ディスプレーサとシリンダとの接触荷重
が増大し機械摩擦損失の増加による性能低下やベーンの
摩耗による信頼性低下の問題がある。
【0042】この問題を解決するため、本実施の形態で
は、吸入終了から吐出終了までの(圧縮行程という場合
有り)回転軸の回転角θcが、 (((N−1)/N)・360゜)<θc≦360゜(数1) を満たすように、ディスプレーサの外周輪郭形状及びシ
リンダの内周輪郭形状を形成している。換言すると、前
述の巻き角が数式1の範囲になっている。
【0043】図9(b)を参照すると、圧縮行程の回転
軸の回転角θcが、270゜より大きくなっており、同
時に形成される作動室数nは、n=3あるいは4とな
り、作動室数の最大値は4である。この値は、条数N
(=4)に一致する。
【0044】また、図10(b)では、圧縮行程の回転
軸の回転角θcが、240゜より大きくなっており、同
時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3とな
り、作動室数の最大値は3である。この値は、条数N
(=3)と一致する。
【0045】このように圧縮行程の回転軸の回転角θc
の下限値を数式1の左辺の値よりも大きくすることによ
り、作動室数の最大値が条数N以上となり、作動室が回
転軸の周りに分散して配置されるようになるため、力学
的なバランスがよくなり、ディスプレーサに働く自転モ
ーメントが低減され、ディスプレーサとシリンダとの接
触荷重も低減され機械摩擦損失の低減による性能向上と
共に接触部の信頼性を向上することができる。
【0046】一方、圧縮行程の回転軸の回転角θcの上
限は数式1によると360゜となっている。この圧縮行
程の回転軸の回転角θcの上限は360゜である。前述
したように、作動流体の吐出が終了してから次の圧縮行
程が始まる(吸入終了)までのタイムラグを0にするこ
とができ、θc<360゜の場合に起こる隙間容積内の
ガスの再膨張による吸入効率の低下を防止することがで
きると共に、θc>360゜の場合に起こる2つの作動
室の圧力上昇が異なるために両者合流時に発生する不可
逆的な混合ロスを防止することができる。後者について
図11を用いて説明する。
【0047】圧縮行程が回転軸の回転角θcで375゜
となる容積形流体機械を図11に示す。図11(a)
は、図中2つの作動室15aと15bの吸入が終了した
状態である。このとき2つの作動室15aと15bの圧
力は吸入圧力Psで両者等しくなっている。吐出ポート
8aは作動室15aと15bの間に位置しており、両作
動室とは連通していない。この状態から回転軸の回転角
θcで15゜回転が進んだ状態を図11(b)に示す。
吐出ポート8aと両作動室15aと15bが連通する直
前の状態である。このとき作動室15aの容積は図11
(a)の吸入終了時よりも小さく圧縮が進行しており圧
力も吸入圧力Psよりも高い圧力になっている。これに
対して、作動室15bの容積は逆に吸入終了時よりも大
きくなっており、膨張作用により圧力も吸入圧力Psよ
りも低くなっている。次の瞬間作動室15aと15bが
合体(連通)する際に、図11(c)に矢印で示すよう
な不可逆的な混合が起こり、圧縮動力の増加による性能
低下が発生することとなる。従って、圧縮行程の回転軸
の回転角θcの上限は360゜が望ましい状態である。
【0048】図12は文献3若しくは文献4に記載され
た容積形流体機械の圧縮要素であり、(a)が平面図
(b)が側面図である。条数Nは3であり、圧縮行程の
回転軸の回転角θc(巻き角)は210゜である。この
図において、作動室数nは図10(a)に示したように
n=1あるいは2となる。この図は回転軸の回転角θが
0゜の状態を示しており、作動室数nは2である。本図
から明らかなように、ディスプレーサの外周輪郭形状と
シリンダの内周輪郭形状とにより形成される空間の内右
側の空間は作動室となってなく、吸入ポート7aと吐出
ポート8aが連通している。このため、吐出ポート8a
の隙間容積内ガスの再膨張により一旦吸入ポート7aか
らシリンダ4内に流入したガスが逆流し、吸入効率が低
下する問題がある。
【0049】ところで、図12に示した容積形流体機械
の圧縮行程の回転軸の回転角θcを、本実施の形態の考
え方を用いて拡大する場合を考える。圧縮行程の回転軸
の回転角θcを拡大するためには2点鎖線で図示するよ
うにシリンダ4の輪郭曲線の巻角を大きくしなければな
らないが、図示の如くベーン4bの厚さが極端に薄くな
り、作動室数nの最大値が条数N(N=3)以上となる
ように圧縮行程の回転軸の回転角θcを240゜より大
きくすることは困難である。
【0050】図13に図12に示された容積形流体機械
と同一行程容積(吸入容積)、同一外径寸法、同一旋回
半径の容積形流体機械の圧縮要素の実施形態の一例を示
す。この図13に示された圧縮要素の圧縮行程の回転軸
の回転角θcは240゜より大きい360゜を実現して
いる。これは、図12に示された圧縮要素では、作動室
を形成するシール点間が滑らかな曲線によって構成され
ているため、例え、本実施の形態の考え方に基づいて圧
縮行程の回転軸の回転角θcを拡大しようとしても最大
で240゜が限界であるが、図13に示された本実施の
形態による圧縮要素では、シール点間(a−c)が滑ら
かではなく(一様の曲線ではなく)接点b付近の形状が
ディスプレーサから見て突出するように形成され、ディ
スプレーサの各条が中心部から先端部に向かう途中にく
びれ部が存在している。これらは図1に示した実施の形
態についても云えることである。これらの形状により、
接点aから接点bまでの巻き角を240゜より大きい3
60゜とすることができ、接点bから接点cまでの巻き
角を240゜より大きい360゜とすることができる。
この結果、圧縮行程の回転軸の回転角θcを240゜よ
り大きな360゜とすることができ、作動室数nの最大
値を条数N以上とすることができる。このため、作動室
が分散配置され自転モーメントを小さくすることができ
る。
【0051】さらに、このように有効に機能しうる作動
室数が増加したことで、図12に記載の圧縮要素のシリ
ンダ高さ(厚み)をHとしたとき、図13に記載の圧縮
要素のシリンダ高さは0.7Hとなり、30%低くなる
ので、圧縮要素の小型化を図ることができる。
【0052】図14は、本実施形態におけるディスプレ
ーサ5に作用する荷重及びモ−メントの説明図である。
記号θは回転軸6の回転角、εは旋回半径である。作動
ガスの圧縮に伴い、各作動室15の内圧によってディス
プレーサ5には、図に示すように偏心方向に直角な接線
方向力Ftと偏心方向にあたる半径方向力Frが作用す
る。FtとFrの合力がFである。この合力Fのディス
プレーサ5の中心oからのずれ(腕の長さl)によって
ディスプレーサを回転させようとする自転モ−メントM
(=F・l)が働く。この自転モーメントMを支えるの
がディスプレーサ5とシリンダ4の接点eと接点bにお
ける反力R1と反力R2である。本発明では常時、吸入
ポート7aに近い2ないし3箇所の接点でモーメントを
受け、その他の接点には反力が作用しない。
【0053】本発明の容積形圧縮要素1は、ディスプレ
ーサ5の中心部に嵌合された回転軸6のクランク部6a
の周りにほぼ等ピッチで吸入終了から吐出終了までの回
転軸の回転角がほぼ360°となる作動室を分散して配
設しているため、合力Fの作用点をディスプレーサ5の
中心oに近付けることができ、モーメントの腕の長さl
を縮少して自転モーメントMを低減することができる。
したがって、反力R1と反力R2が軽減される。また、
接点gと接点bの位置からわかるように、自転モーメン
トMをうけるディスプレーサ5とシリンダ4の摺動部位
を、温度が低く油粘度の高い作動ガスの吸入口7a付近
になるようにしているため摺動部の油膜が確保され、摩
擦・摩耗の問題を解決した信頼性の高い容積形流体機械
を提供することが出来る。
【0054】図15は作動流体の内圧によってディスプ
レーサに働く軸1回転中の自転モーメントMを図12に
示された圧縮要素及び図13に示された圧縮要素で比較
したものである。計算条件は作動流体HFC134aの
冷凍条件(吸入圧力Ps=0.095MPa、吐出圧力
Pd=1.043MPa)である。これにより作動室数
nの最大値が条数以上となる本実施の形態による圧縮要
素では、吸入終了から吐出終了までの作動室が回転軸の
周りにほぼ等ピッチで分散して配置されるため力学的な
バランスがよくなり、圧縮による荷重ベクトルがほぼ中
心を向くように構成できる。このためディスプレーサに
働く自転モーメントMを低減することができる。この結
果、ディスプレーサとシリンダの接触荷重も軽減され機
械効率を向上することができると共に圧縮機としての信
頼性を向上することができる。
【0055】ここで、吸入ポート7aと吐出ポート8a
とが連通する期間と圧縮行程回転軸の回転角との関係に
ついて説明する。吸入口と吐出口が連通する期間、すな
わち作動流体の吐出が終了してから次の圧縮行程が始ま
る(吸入終了)までの間の回転軸の回転角で表すタイム
ラグΔθは、圧縮行程の回転軸の回転角θcとして、Δ
θ=360゜−θcで表される。Δθ≦0゜の場合は、
吸入ポートと吐出ポートが連通する期間が存在しないた
め、吐出ポートの隙間容積内ガスの再膨張による吸入効
率の低下はない。Δθ>0゜の場合には吸入ポートと吐
出ポートが連通する期間が存在するため、吐出ポートの
隙間容積内ガスの再膨張に起因する吸入効率の低下が起
こり、圧縮機の(冷凍)能力が低下することになる。ま
た、吸入効率(体積効率)の低下は圧縮機のエネルギ効
率である断熱効率あるいは成績係数の低下にもつなが
る。
【0056】圧縮行程の回転軸の回転角θcはディスプ
レーサあるいはシリンダの輪郭曲線の巻き角と吸入ポー
ト及び吐出ポートの位置によって決定される。ディスプ
レーサあるいはシリンダの輪郭曲線の巻き角を360゜
にした場合には、圧縮行程の回転軸の回転角θcは36
0゜にできると共に吸入ポートあるいは吐出ポートのシ
ール点を移動することによってθc<360゜にもする
ことができる。しかし、θc>360゜にはすることは
できない。例えば、前述の図11に示した圧縮要素の圧
縮行程の回転軸の回転角θc=375゜を吐出口の位置
や大きさを変えることによりθc=360゜に変更する
ことができる。これは、図11における吸入終了状態の
直後に作動室15aと作動室15bとが連通するように
吐出ポートを大きくすることにより実現することができ
る。このような変更を行うことによりθc=375゜の
時に発生していた2つの作動室の圧力上昇が異なるため
に起こる不可逆的な混合ロスを低減することができる。
従って、輪郭曲線の巻き角は、圧縮行程の回転軸の回転
角θcを決定する必要条件ではあるが十分条件ではない
と云うことができる。
【0057】さて、上記説明した本実施形態、即ち図3
に示す実施形態では、密閉容器3内の圧力が低圧(吸入
圧力)に保持されるタイプの密閉型圧縮機について説明
したが、低圧タイプにすることにより以下のような利点
がある。 (1)圧縮された高温の作動ガスによる電動要素2の加
熱が少なく、吸入ガスによって冷却されるため、固定子
2a,回転子2bの温度が低下し、モータ効率が向上し
て性能向上が図ることができる。 (2)フロン等の潤滑油12と相溶性のある作動流体で
は、圧力が低いため潤滑油12中に溶解する作動ガスの
割合が少なくなり、軸受等での油の発泡現象が起こりに
くく、信頼性を向上することができる。 (3)密閉容器3の耐圧を低くでき、薄肉・軽量化が図
ることができる。
【0058】次に、密閉容器3内の圧力が高圧(吐出圧
力)に保持されるタイプのものについて説明する。図1
6は、本発明の他の実施形態に係る旋回型流体機械を圧
縮機として用いた高圧タイプの密閉型圧縮機の要部拡大
断面図である。図16において、前述の図1〜図3と同
一符号を付したものは同一部品であり、同一の作用をな
す。図において、7bは吸入カバー10によって主軸受
7に一体的に形成された吸入室で、シール部材16等に
よって密閉容器3内の圧力(吐出圧力)と区画されてい
る。17は吐出室8b内と密閉容器3内を連通する吐出
通路である。容積形圧縮要素1の作動原理等は前述した
低圧(吸入圧力)タイプと同様である。
【0059】作動ガスの流れは図中に矢印で示すよう
に、吸入パイプ13を通って吸入室7bに入った作動ガ
スは、主軸受7に形成された吸入ポート7aを通って容
積形圧縮要素1に入り、ここで回転軸6の回転によって
ディスプレーサ5が旋回運動を行い作動室15の容積が
縮少することにより圧縮される。圧縮された作動ガス
は、副軸受8の端板に形成された吐出ポート8aを通り
吐出弁9を押し上げて吐出室8b内に入り、吐出通路1
7を通って密閉容器3内に入り、この密閉容器3に接続
された吐出パイプ(図示せず)より外部に流出する。こ
のような高圧タイプの利点は、潤滑油12が高圧になっ
ているため、回転軸6の回転による遠心ポンプ作用等に
よって各軸受摺動部に給油された潤滑油12がディスプ
レーサ5の端面の隙間等を通ってシリンダ4内に供給さ
れ易くなるため、作動室15のシール性及び摺動部の潤
滑性を向上できる点にある。
【0060】以上、本発明の容積形流体機械を用いた圧
縮機では機器の仕様や用途あるいは生産設備等に応じて
低圧タイプ、高圧タイプどちらでも選択することが可能
となり、設計の自由度が大幅に拡大する。
【0061】次に本発明の実施例に係るディスプレーサ
の製造方法、特にその独特の形状をした外周輪郭の仕上
げ方法について説明する。図17はこの説明図であり、
図18はディスプレーサの外周加工状態の断面図であ
る。図において、18は加工治具でベース18aとこの
ベース18aに固定された複数のピン部18b及び工作
物を固定するクランプ18cよりなる。19は加工工具
で研削用工具19a、切削用工具19b等からなる。鋳
物あるいは鍛造等で作られたディスプレーサ5の素材は
まず両端面を加工され、位置決め用の貫通穴5b及び軸
受5aが精密に位置決め加工される。
【0062】次に、図17に示すように前記貫通穴5b
を基準に加工治具18のピン部18bに沿って嵌合さ
れ、クランプ18cによりベース18aにねじあるいは
機械力で締め付け固定される。この取り付け状態(図1
8)で、マシニングセンタ等を用い、研削用工具19
a、切削用工具19b等により外周輪郭の仕上げ加工が
行われる。このように、ディスプレーサ5の中心部の軸
受5a周りに複数の貫通穴5bを形成し、この貫通穴5
bを加工治具18への取付けの位置決め基準としている
ため、正確な位置決めが可能になるとともに、切削・研
削加工時の変形等も防止され、輪郭形状の寸法精度を向
上することができる。また、この貫通穴は組立て及び検
査用治具の位置決めと共通化することにより効率的に組
立てや検査作業を行うことができる。さらに、ディスプ
レーサ5の重量軽減にも貢献する。一方、シリンダ4の
内周輪郭の加工はシリンダ4の外周を取付け治具に固定
しマシニングセンタ等を利用して加工される。なお、シ
リンダ4のベーン4b部の剛性を高めるために、シリン
ダ4を主軸受7の端板面に固着してもよいし、シリンダ
4と主軸受7を一体で構成してもよい。
【0063】つぎに、本発明の他の実施形態について図
を用いて説明する。本実施形態はパッケージエアコン用
の圧縮機として用いるのに好適である。図19はその圧
縮機の縦断面図であり、図20はシリンダ4及びディス
プレーサ5の組み立て体の任意断面図である。図20に
示すように本実施形態はベーン4bの数N=4(4条ラ
ップ)の場合を示している。ベーンの数Nの決め方につ
いては後述する。ここで、図1から図3あるいは図16
に示した実施の形態と比較して同一部品には同一番号を
付記したのでその部分の構造の説明は省略する。
【0064】図19に示した圧縮機は、両端が密閉され
軸心を鉛直にして配置された円筒形の密封容器3と、密
封容器3内に、上側フレーム7と端板10とシリンダ4
及びディスプレーサ5と、下側フレーム8と吐出カバー
11前記ディスプレーサ5を回転駆動する回転軸6とを
有して、気体を圧縮する旋回型圧縮要素1と、回転軸6
に連結されて圧縮要素1を駆動する固定子2aと回転子
2bとからなる電動要素2と、密封容器3内を潤滑する
潤滑油の貯油部12とで構成されている。
【0065】圧縮要素1は、密封容器3内の下部に、軸
心を前記密封容器3の軸心と一致させて固定された上側
フレーム7と、この上側フレーム7に軸心を一致させ、
かつ端板21により一方の開口部を閉塞されたシリンダ
4と、該シリンダ4に噛み合わされたディスプレーサ5
と、前記シリンダ4の他方の開口部を閉塞するように配
置された下側フレーム8および吐出カバー11とを有し
ている。
【0066】また、この圧縮機では、前記上側フレーム
7および下側フレーム8と軸心を一致させて、電動要素
2の固定子2aと回転子2bとが前記上側フレーム7の
上方に配置されて回転軸6に固定されている。この回転
子2bが回転することにより、回転軸6および旋回軸受
5aを介して前記ディスプレーサ5が回転駆動される。
さらに、シリンダ4とディスプレーサ5とで形成される
空間に気体を供給する吸入パイプ13と、圧縮された気
体を密封容器3の外に吐出する吐出パイプ14とが、密
封容器3の壁面を貫通して配設されている。
【0067】上側フレーム7は密封容器3の内周壁面に
固定され、下側フレーム8は、吐出カバー11を介し
て、ディスプレーサ5を軸心の周りに偏心円運動可能
に、シリンダ4および端板10を通して上側フレーム7
に複数のボルト21で固定される。また、前記上側フレ
ーム7は、その中心部に密封容器3と同心円状に設けら
れた主軸受7bを有し、その周囲に前記吸入パイプ13
に連通する吸入通路7cが形成されている。そして、前
記吸入通路7cに連通するように端板10には、吸入ポ
ート10aが設置されている。
【0068】回転軸6は、回転子2bに固定されたモー
タ軸6bと、該モータ軸6bから下方に延び前記主軸受
7bに支持された上支持軸6cと、該上支持軸6cから
下方に延び前記ディスプレーサ5の中心部に設けられた
旋回軸受5aに支持されたクランク軸6aと、該クラン
ク軸6aから更に下方に延び前記下側フレーム8の中心
に固定された副軸受け8cに支持された下支持軸6d
と、前記モータ軸6bから上方に延び前記密封容器3の
内周壁面に固定された補助フレーム22に形成された補
助軸受け23に支持された補助支持軸6eとから成って
いる。ここで、補助フレーム22に設置された補助軸受
け23は、補助支持軸6eの軸心ぶれを防止するもので
あり、図では玉軸受けを用いた場合を示したが、たとえ
ば球面軸受けでも効果は同じである。
【0069】クランク軸6aの中心軸線は、モータ軸6
b、上支持軸6cの中心軸線からディスプレーサ5の旋
回半径の大きさだけ偏心している。補助支持軸6e、モ
ータ軸6b、上支持軸6cおよび下支持軸6dの中心軸
線は同一で、密封容器3の軸線と一致している。また、
ディスプレーサ5およびクランク軸6aの遠心力および
遠心力によるモーメントを打ち消して振動等の発生を防
止するために、上支持軸6cにバランスウェイト24
が、回転子2bの上端部にカウンターウェイト25が、
それぞれ取り付けられている。なお、前記下支持軸6d
の下端部には、スラストレース26が前記吐出カバー1
1に設けられており、該圧縮機のスラスト力を受ける。
【0070】上記構成の圧縮機において、回転軸6の回
転駆動によってディスプレーサ5が旋回運動し、冷媒ガ
スは吸入パイプ13から吸入され、上側フレーム7に形
成された吸入通路7cおよび端板10に設置された吸入
ポート10aを介して、シリンダ4の内周壁4a及びベ
ーン4bとディスプレーサ5の噛み合いによって形成さ
れる作動室15に吸入される。該作動室15で圧縮さ
れ、所定の圧力(吐出圧力)に圧縮されたガスは、下側
フレーム8に設けられた吐出ポート8aを通り吐出弁9
を押し上げて吐出室8b内に入り、下側フレーム8、シ
リンダ4、端板10および上側フレーム7に形成された
吐出通路17を介して電動機械室27に一旦吐出され
る。該電動機械室27にて冷媒ガス中の潤滑油を分離し
て、冷媒ガスは、電動機要素を冷却しながら固定子2a
と密封容器3の内壁面に形成された連通路28aおよび
補助フレーム22に形成された穴29を介して吐出パイ
プ14より吐出される。一方、電動機械室27で分離さ
れた潤滑油は、上側フレーム7、端板10、シリンダ
4、下側フレーム8および吐出カバー11に形成された
油戻し通路28bを通じて密閉容器3内の底部に貯油さ
れる。
【0071】つぎに、上記圧縮機の給油構造について説
明する。前記回転軸6において、下支持軸6dの下端部
に固定された給油パイプ40には、前記密閉容器3内の
底部に貯油され潤滑油の貯油部12に連通する給油通路
41が形成されている。
【0072】また、該給油通路41には、各軸受けに連
通するように半径方向外向きに形成された軸受け給油孔
が設置されている。つまり、副軸受け8cには副軸受け
給油孔42が、旋回軸受5aには旋回軸受給油孔43
が、主軸受7bには主軸受給油孔44がそれぞれ設置さ
れている。
【0073】さらに、前記副軸受け給油孔42および前
記旋回軸受給油孔43と連通するように、下支持軸6d
およびクランク軸6dには給油溝6d′および6a′が
形成されている。前記上支持軸6cには、一端を主軸受
給油孔44に連通するように、他端は上側フレーム7の
上端より上側になるように形成された給油溝(スパイラ
ル溝)47が設置されている。
【0074】前記給油通路41の上端部には、前記電動
機械室27に通じるようにガス抜き穴45および46が
設置されている。また、前記給油パイプ40には下端部
には小孔40aが設孔されている。したがって、、本実
施形態においてのポンプ手段は、前記給油パイプ40、
前記給油パイプ40の下端部に設孔された小孔40aお
よび前記給油通路41で構成された遠心ポンプである。
【0075】回転軸6の回転に伴って、密閉容器3内の
底部に貯油され潤滑油が、遠心ポンプ作用によって給油
パイプ40の小孔40aより給油通路41内に押し上げ
られる。ここで、副軸受け給油孔42に流入した油は、
下支持軸6dに形成された給油溝6d′に入り、副軸受
け8cの潤滑を行った後、スラストレース26の潤滑を
行い密閉容器3内の底部に戻る。
【0076】旋回軸受給油孔43に流入した油は給油溝
6a′に入り、ここで上下に分かれて、一部は下方に向
かい旋回軸受5aの潤滑を行った後、上記した給油溝6
d′に流入した油と共に密閉容器3内に戻る。他の油は
上方に向かい旋回軸受5aの潤滑を行った後、主軸受給
油孔44に流入した油と合流する。
【0077】主軸受給油孔44に流入した潤滑油は、上
支持軸6cに形成されたスパイラル溝47に入り、主軸
受7bの潤滑を行った後、前記電動機械室27に流出さ
れる。そして、上記した電動機械室27で冷媒より分離
された油と共に、上側フレーム7、端板10、シリンダ
4、下側フレーム8および吐出カバー11に形成された
油戻し通路28bを通じて密閉容器3内の底部に還油さ
れる。給油通路41内の潤滑油は、各軸受けの潤滑を行
うとともに、ディスプレーサ5やシリンダ4に形成され
た給油手段(図示せず)を介して、前記作動室15との
差圧により両部材の各摺動部にも供給される。
【0078】上記構成とすることによって、ガス圧縮に
伴う荷重、ディスプレーサ5に作用する自転モーメント
および遠心力などの荷重を主軸受7bと副軸受け8cと
の両持ち支持構造とすることができるので、主軸受7b
と副軸受け8cの面圧を低減することができる。また、
密閉容器3内の底部に貯油された潤滑油を遠心ポンプ作
用により軸受け各部や摺動部への確実に給油することが
できる。なお、ここではポンプ手段として遠心ポンプを
例にあげて説明したが、他のポンプ手段、例えばトロコ
イドポンプなどの強制ポンプでも同様に機能し、同様の
効果を奏することができる。
【0079】図21に、本発明の容積形圧縮機を適用し
たマルチ形パッケージエアコンシステムの一例を示す。
このサイクルは冷暖房が可能なヒートポンプサイクル
で、前述の図19で説明した本発明の容積形圧縮機3
0、室外熱交換器31とそのファン31a、膨張弁3
2、室内熱交換器33とそのファン33a、4方弁34
から構成されている。35は室外機、36は室内機であ
る。図21では室内機36、36′が2台組まれたシス
テムを開示した。なお、室外機35および室内機36
(室内機のタイプも含めて)の組み合わせ方によりいろ
いろなバリエーションを作り出すことが出来る。
【0080】容積形圧縮機30は、図2に示した作動原
理図と同様に動作し、圧縮機を起動することによりシリ
ンダ4とディスプレーサ5間で作動流体(例えばフロン
HCFC22やR407C等)の圧縮作用が行われる。
冷房運転の場合、圧縮された高温・高圧の作動ガスは破
線矢印で示すように吐出パイプ14から4方弁34をと
おり室外熱交換器31に流入して、ファン31aの送風
作用で放熱、液化し、膨張弁32、32′で絞られ、断
熱膨張して低温・低圧となり、室内熱交換器33、3
3′で室内の熱を吸熱してガス化された後、吸入パイプ
13を経て容積形圧縮機30に吸入される。
【0081】一方、暖房運転の場合は、実線矢印で示す
ように冷房運転とは冷媒が逆に流れ、圧縮された高温・
高圧の作動ガスは吐出パイプ14から4方弁34を通り
室内熱交換器33、33′に流入して、ファン33a、
33′aの送風作用で室内に放熱して、液化し、膨張弁
32、32′で絞られ、断熱膨張して低温・低圧とな
り、室外熱交換器31で外気から熱を吸熱してガス化さ
れた後、吸入パイプ13を経て容積形圧縮機30に吸入
される。
【0082】ここに、図21では本発明の容積形圧縮機
を搭載しているので、エネルギ効率に優れ、低振動・低
騒音で信頼性の高いエアコンシステムが得られる。な
お、ここでは容積形圧縮機30として高圧タイプを例に
あげて説明したが、低圧タイプでも同様に機能し、同様
の効果を奏することができる。
【0083】つぎに、シリンダ4の内周に形成されるベ
−ンの数Nの決め方について説明する。本発明による実
施形態では、シリンダ4の内周に形成されるベーンの数
Nが3の場合と4の場合について容積形流体機械に適用
した例について説明してきた。適用する容積形流体機械
によってベーンの数Nを決めることになる。概略、ベー
ン4bの数が2個以上N個の容積形流体機械に拡張する
ことができる(Nの値は実用上は8〜10以下となる)
が、この範囲内で適用する容積形流体機械によって最良
のベーンの数Nが存在することになる。ただし、これら
の容積形圧縮要素1の基本的な作動原理は図2に示した
ものと同様である。
【0084】このようにベーンの数Nが実用できる範囲
でしだいに多くなるにしたがって以下のような利点があ
る。 (1)トルク変動が小さくなり、振動・騒音が低減され
る。 (2)シリンダが同一外径で比較した場合、同じ吸入容
積Vsを確保するためのシリンダ高さが低くなり、圧縮
要素の寸法を小型化できる。 (3)ディスプレーサに働く自転モーメントが小さくな
るため、ディスプレーサとシリンダの摺動部の機械摩擦
損失を低減できるとともに信頼性を向上できる。 (4)吸入・吐出配管内の圧力脈動が小さくなり、一層
の低振動、低騒音化を図ることができる。
【0085】その反面、ベーンの数Nが実用できる範囲
でしだいに多くなるにしたがって以下のような欠点もあ
る。ここで、行程容積Vth(あるいは吸入容積V
s)、シリンダ外径φDおよび旋回半径が同一で比較し
た場合 (1)ディスプレーサおよびシリンダの周長が長くなる
ので、機械加工する場合は加工時間が長くなる。 (2)ディスプレーサとシリンダの接触点が増える(2
N+1)ので、シール長さが長くなり、流体の漏れ損失
が増大する。 (3)シリンダの内周に形成されるベーンが外周方向に
移動するため、ベーンの付け根の強度が低下する。
【0086】図22および図23は、本発明を5馬力ク
ラスのパッケージエアコン用の圧縮機として用いた場合
に、行程容積Vth、シリンダ外径φDおよび旋回半径
を一定とした時、ベーンの数(ラップ条数)Nと旋回軸
受け荷重Fpとシリンダの周長Lおよびディスプレーサ
に働く自転モーメントMとシール長さlとの関係をそれ
ぞれ示した図である。
【0087】図22より、旋回軸受け荷重Fpはベーン
の数(ラップ条数)Nに対して右下がりの特性を示し、
一方、シリンダの周長Lはベーンの数(ラップ条数)N
に対して右上がりの特性を示し、両曲線の交点はベーン
の数(ラップ条数)Nの4および5の間に存在する。
【0088】また、図23より、ディスプレーサに働く
自転モーメントMはベーンの数(ラップ条数)Nに対し
て右下がりの特性を示し、一方、シリンダとディスプレ
ーサとのシール長さlはベーンの数(ラップ条数)Nに
対して右上がりの特性を示し、両曲線の交点はベーンの
数(ラップ条数)Nの4および5の間に存在する。以上
より、ベーンの数(ラップ条数)を4あるいは5とする
ことによって、ディスプレーサやシリンダの周長やシー
ル長さなどを長くすることなく、旋回軸受け荷重やディ
スプレーサに働く自転モーメントを低減することができ
【0089】つぎに、本発明の他の実施例について用い
て説明する。図24は本発明の他の実施形態に係るパッ
ケージエアコン用圧縮機の縦断面図である。ここで、図
19に示した実施の形態と比較して同一番号を付記した
ものは同一の作用をなす。本実施の形態の特徴は、上側
フレーム7に設けられた主軸受7bの構造と補助軸受け
23の構造にある。つまり、上側フレーム7の中心部に
密封容器3と同心円状に設けられた主軸受7bは、前記
端板10側にと前記電動機械室27側に設けられてい
る。また、前記モータ軸6bから上方に延び前記密封容
器3の内周壁面に固定された補助フレーム22と該補助
フレーム22に形成された補助軸受け23および該補助
軸受け23に支持された補助支持軸6eをそれぞれ取り
除いている。上記構成とすることによって、原価低減が
図られるとともに、該圧縮機の軸方向の寸法を縮小でき
る。
【0090】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ベーンの数(ラップ条数)を4あるいは5とする
ことによって、ディスプレーサやシリンダの周長やシー
ル長さなどを長くすることなく、旋回軸受け荷重やディ
スプレーサに働く自転モーメントを低減することがで
き、かつ、潤滑油の貯油部に連通し遠心ポンプ作用を持
った給油パイプおよび給油通路に連通するように半径方
向外向き軸受け給油孔を設け、該軸受け給油孔に連通す
る給油溝を設ける構成とすることにより軸受け各部や摺
動部への潤滑を確実に行うことができ、さらに、旋回軸
受けにかかる荷重を両持ち軸受け支持構造とすることに
よって、各軸受けの面圧を低減できるので、信頼性の高
い容積形流体機械を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る容積形流体機械を圧縮機に適用し
た密閉型圧縮機の圧縮要素の縦断面図及び平面図。
【図2】本発明に係る容積形流体機械の作動原理説明
図。
【図3】本発明に係る容積形流体機械の縦断面図。
【図4】本発明に係る容積形流体機械のディスプレーサ
の輪郭構成法を示す図。
【図5】本発明に係る容積形流体機械のシリンダの輪郭
構成法を示す図。
【図6】図4及び図5に示されるディスプレーサとシリ
ンダを重ねあわせた図。
【図7】本発明における作動室の容積変化特性図。
【図8】本発明におけるガス圧縮トルク変化図。
【図9】4条ラップにおける回転軸の回転角と作動室と
の関係を示す図。
【図10】3条ラップにおける回転軸の回転角と作動室
との関係を示す図。
【図11】圧縮要素の巻き角が360゜より大きい場合
の動作説明図。
【図12】圧縮要素の巻き角の拡大を説明する図。
【図13】図1に示した容積形流体機械の変形例。
【図14】本発明のディスプレーサに作用する荷重及び
モーメント説明図。
【図15】圧縮要素の回転軸の回転角と自転モーメント
比との関係を示す図。
【図16】本発明の他の実施形態に係る密閉型圧縮機の
要部縦断面図。
【図17】本発明に係るディスプレーサの外周輪郭加工
の説明図。
【図18】本発明に係るディスプレーサの加工治具取付
け状態を示す断面図。
【図19】本発明の他の実施形態に係るパッケージエア
コン用圧縮機の縦断面図。
【図20】シリンダ及びディスプレーサの組み立て体の
断面図。
【図21】本発明の容積形圧縮機を適用したマルチ形パ
ッケージエアコンシステムを示す図。
【図22】ベーンの数(ラップ条数)Nに対する旋回軸
受け荷重Fpとシリンダの周長Lとの関係を示す図。
【図23】ベーンの数(ラップ条数)Nに対するディス
プレーサに働く自転モーメントMとシール長さlとの関
係を示す図。
【図24】本発明の他の実施形態に係るパッケージエア
コン用圧縮機の縦断面図。
【符号の説明】
1 容積形圧縮要素 2 電動要素 3 密閉容器 4 シリンダ 4a 内周壁 4b ベーン 4c ボルト穴 5 ディスプレーサ 5a 旋回軸受 5b 貫通穴 6 回転軸 6a クランク軸 6′a 給油溝 6b モータ軸 6c 上支持軸 6d 下支持軸 6′d 給油溝 6e 補助支持軸 7 上側フレーム 7a 主軸受 7c 吸入通路 8 下側フレーム 8a 吐出ポート 8b 吐出室 8c 副軸受 9 吐出弁 10 端板 10a 吸入ポート 11 吐出カバー 12 潤滑油 13 吸入パイプ 14 吐出パイプ 15 作動室 16 シール部材 17 吐出通路 18 加工治具 18a ベース 18b ピン部 18c クランプ 19 加工工具 19a 研削工具 19b 切削工具 21 ボルト 22 補助フレーム 23 補助軸受け 24 バランスウェイト 25 カウンターウェイト 26 スラストレース 27 電動機械室 28a 連通路 28b 油戻し通路 29 穴 30 容積形圧縮機 31 室外熱交換器 31a 室外ファン 32、32′ 膨張弁 33、33′ 室内熱交換器 33a、33′a 室内ファン 34 4方弁 35 室外機 36 室内機 40 給油パイプ 40a 小孔 41 給油通路 42 副軸受け給油孔 43 旋回軸受給油孔 44 主軸受給油孔 45、46 ガス抜き穴 47 給油溝(スパイラル溝) o ディスプレーサ中心 o’ シリンダ中心 Om 旋回側部材中心 Of 固定側部材中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 茂 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 東條 健司 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 稲場 恒一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 大島 健一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端板間にディスプレーサとシリンダとを
    配置し、前記シリンダ中心と前記ディスプレーサ中心を
    合わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレー
    サ外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレ
    ーサ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においた
    ときは複数の空間が形成される容積形流体機械におい
    て、前記ディスプレーサを駆動する回転軸に設けられる
    潤滑油溜りに連通する給油通路と、該給油通路に連通
    し、半径方向外向きに形成された軸受け給油孔を備えた
    ことを特徴とする容積形流体機械。
  2. 【請求項2】 端板間にディスプレーサとシリンダとを
    配置し、前記シリンダ中心と前記ディスプレーサ中心を
    合わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレー
    サ外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレ
    ーサ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においた
    ときは複数の空間が形成される容積形流体機械におい
    て、前記ディスプレーサを駆動する回転軸に設けられる
    潤滑油溜りに連通する給油通路と、該給油通路に連通
    し、半径方向外向きに形成された軸受け給油孔と、該軸
    受け給油孔に連通して形成された給油溝を備えたことを
    特徴とする容積形流体機械。
  3. 【請求項3】 前記潤滑油溜りに連通する前記給油通路
    にポンプ手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2
    に記載の容積形流体機械。
  4. 【請求項4】 端板間に平面形状が連続した曲線で構成
    される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内壁に
    対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動したと
    き前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間を形
    成するディスプレーサと、このディスプレーサを駆動す
    る回転軸と、この回転軸を回転駆動する電動機要素とを
    備えた容積形流体機械において、前記ディスプレーサに
    作用する荷重を前記端板で支持する構成としたことを特
    徴とする容積形流体機械。
  5. 【請求項5】 端板間に平面形状が連続した曲線で構成
    される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内壁に
    対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動したと
    き前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間を形
    成するディスプレーサと、このディスプレーサを駆動す
    る回転軸と、この回転軸を回転駆動する電動機要素とを
    備えた容積形流体機械において、前記ディスプレーサに
    作用する荷重を前記端板で支持するとともに、前記電動
    機要素を支持する補助軸受け手段を設けたことを特徴と
    する容積形流体機械。
  6. 【請求項6】 端板間に平面形状が連続した曲線で構成
    される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内壁に
    対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動したと
    き前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間を形
    成するディスプレーサと、このディスプレーサを駆動す
    る回転軸とを備えた容積形流体機械において、前記回転
    軸上で前記端板の外側に取り付けられる前記ディスプレ
    ーサの旋回運動に対するバランスウェイトと、前記端板
    の外側に取り付けられる該回転軸に作用するモーメント
    に対するバランスウェイトを備えたことを特徴とする容
    積形流体機械。
  7. 【請求項7】 端板間にディスプレーサと内方に向かっ
    て突出する複数の突出部を有するシリンダとを配置し、
    前記シリンダ中心と前記ディスプレーサ中心を合わせた
    とき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外壁面
    により1つの空間が形成され、前記ディスプレーサ及び
    前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたときは複
    数の空間が形成される容積形流体機械において、前記複
    数の空間のうち、吸入が終了し吐出が終了するまでの行
    程となっている空間の数の最大値が、前記シリンダ内方
    に向かって突出する突出部の数以上となるように前記シ
    リンダ内壁面及び前記ディスプレーサ外壁面が形成さ
    れ、前記シリンダ内方に向かって突出する突出部の数を
    4又は5に構成したことを特徴とする容積形流体機械。
  8. 【請求項8】 端板間にディスプレーサとシリンダとを
    配置し、前記シリンダ中心と前記ディスプレーサ中心を
    合わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレー
    サ外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレ
    ーサ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においた
    ときは複数の空間が形成される容積形流体機械におい
    て、前記複数の空間のうち、吸入が終了し吐出が終了す
    るまでの行程の回転軸の回転角θcが (((N−1)/N)・360°)<θc≦375° を満たすように、前記シリンダ内壁面及び前記ディスプ
    レーサ外壁面が形成され、前記シリンダ内方に向かって
    突出する突出部の数を4ないし5に構成したことを特徴
    とする容積形流体機械。
  9. 【請求項9】 複数台の室内機と、複数台の室外機で構
    成されるマルチエアコンに搭載される圧縮機であって、
    前記圧縮機は請求項7に記載の構成を備えたことを特徴
    とする冷凍空調用容積形流体機械。
  10. 【請求項10】 所要定格動力が5馬力クラスで圧縮機
    の外形寸法は直径160mm以下であることを特徴とす
    る請求項7に記載の容積形流体機械。
  11. 【請求項11】 圧縮機と圧縮機に接続された室外機
    と、室外機に接続された膨張弁と、膨張弁に接続された
    室内機とを備えた空気調和機において、前記室外機は少
    くとも1台以上で構成され、前記室内機は複数台で構成
    され、前記圧縮機は、端板間にディスプレーサと内方に
    向かって突出する複数の突出部を有するシリンダとを配
    置し、前記シリンダ中心と前記ディスプレーサ中心を合
    わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレーサ
    外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレー
    サ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においたと
    きは複数の空間が形成される容積形流体機械であって、
    前記シリンダ内方に向かって突出する突出部の数が4又
    は5である空気調和機。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6220841B1 (en) * 1998-03-19 2001-04-24 Hitachi, Ltd. Displacement type fluid machine
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JP7134381B1 (ja) * 2022-02-16 2022-09-09 三菱電機株式会社 密閉型圧縮機

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