JPH11336674A - 容積型流体機械 - Google Patents

容積型流体機械

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JPH11336674A
JPH11336674A JP14690398A JP14690398A JPH11336674A JP H11336674 A JPH11336674 A JP H11336674A JP 14690398 A JP14690398 A JP 14690398A JP 14690398 A JP14690398 A JP 14690398A JP H11336674 A JPH11336674 A JP H11336674A
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JP
Japan
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displacer
cylinder
suction
discharge
compression
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Application number
JP14690398A
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English (en)
Inventor
Masaki Koyama
昌喜 小山
Shoichi Nakajima
昌一 中島
Yoichi Inoue
陽一 井上
Muneo Mizumoto
宗男 水本
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Masahiro Takebayashi
昌寛 竹林
Shigetaro Tagawa
茂太郎 田川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吐出過程の流体損失をスクロール式流体機械並
に小さくし、スクロール式流体機械よりも製作容易な容
積型流体機械において優れた耐久性と信頼性を有した容
積型流体機械を提供する。 【解決手段】シリンダあるいはディスプレーサを鉄系焼
結材にて成形し、水蒸気処理により空孔及び表面に酸化
物層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポンプ,圧
縮機,膨張機等の容積型流体機械に係り、特に耐摩耗性
向上につながる材料及びその処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】古くから容積型の流体機械として、円筒
状のシリンダ内をピストンが往復運動を繰り返すことに
より作動流体を移動させるレシプロ式流体機械,円筒状
のシリンダ内を円筒状のピストンが偏心回転運動するこ
とにより作動流体を移動させるロータリ式(ローリング
ピストン型)流体機械,端板上に直立した渦巻状のラッ
プを有する一対の固定スクロール及び旋回スクロールを
噛み合わせ、旋回スクロールを旋回運動させることによ
り作動流体を移動させるスクロール式流体機械が知られ
ている。
【0003】レシプロ式流体機械は、その構造が単純で
あることから製作が容易でかつ安価であるという利点が
ある反面、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で180°と短く、吐出過程の流速が速くなるた
め圧力損失の増加による性能低下という問題、及び、ピ
ストンを往復させる運動を必要とするため回転軸系の不
釣合慣性力を完全にバランスさせることができず振動や
騒音が大きいという問題がある。
【0004】ロータリ式流体機械は、吸入終了から吐出
終了までの行程は回転軸の回転角で360°であるため
吐出過程の圧力損失が増加するという問題はレシプロ式
流体機械に比べ少ないものの、軸1回転に1回吐出する
ものであるためガス圧縮トルクの変動が比較的大きくレ
シプロ式流体機械同様振動と騒音の問題がある。
【0005】スクロール式流体機械は、吸入終了から吐
出終了までの行程が回転軸の回転角で360°以上と長
い(空調用として実用化されているものは通常900°
程度)ため吐出過程の圧力損失が小さく、かつ、一般に
複数の作動室が形成されるため1回転中のガス圧縮トル
クの変動も小さく振動及び騒音が小さいという利点があ
る。しかし、ラップ噛み合い状態での渦巻状のラップ間
のクリアランスや、端板とラップ歯先間のクリアランス
の管理が必要で、そのために精度の高い加工を施さねば
ならず加工費用が高価になるという問題がある。また、
吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の回転角で3
60°以上と長く、圧縮過程の期間が長ければ長いほど
内部漏れが増加するという問題があった。
【0006】また、作動流体を移動させるデイスプレー
サ(旋回ピストン)が作動流体が吸入されたシリンダに
対して相対的に自転運動せずにほぼ一定の半径で公転運
動、すなわち旋回運動することにより作動流体を搬送す
る容積型機械の一種が特開昭55−23353号公報(文献
1),米国特許第2112890号公報(文献2),特開平5−
202869号公報(文献3)及び特開平6−280758 号公報
(文献4)に提案されている。ここに提案されている容
積型流体機械は、複数の部材(ベーン)が中心より放射
状に延びている花びら形状を有するピストンと、このピ
ストンとほぼ相似形の中空部を有するシリンダとから構
成され、このピストンがこのシリンダ内を旋回運動する
ことによって、作動流体を移動させるものである。
【0007】ところで、従来の容積型流体機械では摺動
部材としてはねずみ鋳鉄,アルミニウム合金,鉄系焼結
材等が用いられてきたが、アルミニウム合金では特開平
7−77180 号公報にあるように耐摩耗性を確保するため
の表面処理を施す場合がある。また,鉄系焼結材でも特
開平6−81779号に記載のように高荷重で無潤滑状態でも
摩擦係数を低減し,耐久性を向上させるために表面処理
がなされてきた。表面処理は母材合金の強度特性を活か
したまま,表層のみの耐摩耗性や摩擦係数を改善する効
果がある。また,耐摩耗性の高い母材は加工性が悪く、
むしろ加工しやすい材料を用いて生産性を確保し表面処
理により必要な摺動特性と耐久性が得られることが利点
である。母材として焼結材が用いられるのも,成形性を
確保するためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1乃至文献4
に示された容積型流体機械は、レシプロ式のように往復
運動する部分を持たないため、回転軸系の不釣り合いを
バランスさせることができる。このため振動が小さく、
さらに、ピストンとシリンダ間の相対滑り速度が小さい
ので摩擦損失を比較的少なくできるといった特長を備え
ている。
【0009】しかしながら、個々の作動室の吸入終了か
ら吐出終了までの回転軸の回転角が小さく、作動流体の
吐出が終了してから次の(圧縮)行程が始まる(吸入終
了)までの時間的なずれ(タイムラグ)が存在している
こととなり、吸入終了から吐出終了までの作動室が回転
軸周りに偏って形成されるようになるため力学的なバラ
ンスが悪く、圧縮された作動流体からの反力としてピス
トンに、ピストン自身を回転させようとする自転モーメ
ントが過大に作用し、ベーンの摩擦や摩耗といった信頼
性上の問題が起こりやすいという欠点がある。
【0010】本発明の目的は、ディスプレーサに働く自
転モーメントを低減し、摩擦・摩耗の問題を解決して信
頼性の高い容積型流体機械を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目標を達成するため
の手段として、以下の態様がある。
【0012】(1)端板間に平面形状が連続した曲線で
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
及び前記ディスプレーサを鉄系焼結材料により形成し、
且つ表面および空孔壁面に酸化物皮膜を形成する。
【0013】(2)端板間に平面形状が連続した曲線で
構成される内壁を有するシリンダと、このシリンダの内
壁に対向するように設けられた外壁を有し、旋回運動し
たとき前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間
を形成するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプ
レーサの輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入
行程にある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間とな
るように前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁
曲線を形成した容積型流体機械において、前記シリンダ
及び前記ディスプレーサのうち一方を鉄系焼結材料によ
り形成し、且つ表面および空孔壁面に酸化物皮膜を形成
する。
【0014】(3)上記(1)乃至(2)において、該
鉄系焼結材料の酸化皮膜を水蒸気処理により形成する。
【0015】(4)上記(1)乃至(2)において、該
鉄系焼結材料の成分が銅並びに炭素を含有し残部を鉄と
する。
【0016】(5)上記(1)乃至(2)において、該
鉄系焼結材料は銅1〜2%,炭素0.4〜8%含有し残部
を鉄とする。
【0017】(6)上記(1)乃至(2)において、該
鉄系焼結材料の成分が銅,ニッケル,モリブデン並びに
炭素を含有し残部を鉄とする。
【0018】(7)上記(1)乃至(2)において、該
鉄系焼結材料は銅1〜2%,ニッケル3〜5%,モリブ
デン0.3〜0.6%,炭素0.2〜0.8%含有し残部を
鉄とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の特徴は以下
の実施形態によりさらに明確になる。以下、本発明の一
実施の形態を図を用いて説明する。まず、本発明の一実
施形態である旋回形流体機械の構造を図1乃至図3を用
いて説明する。図1(a)は本発明の一実施形態である
容積型流体機械を圧縮機として用いた場合における密閉
型圧縮機の要部を示す縦断面図((b)のA−A断面
図)、(b)は(a)のB−B矢視で圧縮室を形成して
いる状態を示す平面図、図2は容積型圧縮要素の作動原
理図、図3は本発明の一実施形態である容積型流体機械
を圧縮機として用いた場合における密閉型圧縮機の縦断
面図である。
【0020】図1において、密閉容器3内には、容積型
圧縮要素1及びこれを駆動する電動要素2(図示なし)
が収納されている。容積型圧縮要素1の詳細を説明す
る。図1(b)には同一輪郭形状が3組組合された3条
ラップが示されている。シリンダ4の内周形状は、中空
部が120°(中心o′)毎に同一の形状が表れるよう
に形成されている。この個々の中空部の端部には、内方
に向かって突出する複数(この場合は3条ラップである
ので3つ存在する)の略円弧形状のベーン4bを有す
る。ディスプレーサ5は、このシリンダ4の内側に配設
されシリンダ4の内周壁4a(ベーン4bよりも曲率が
大きい部分)及びベーン4bと噛み合うように互いの中
心をεだけずらして構成されている。尚、シリンダ4の
中心o′とディスプレーサ5の中心oを一致させると、
両者の輪郭形状の間には基本形状として一定幅の隙間が
形成される。
【0021】次に、容積型圧縮要素1の作動原理を図1
及び図2により説明する。記号oはデイスプレーサであ
るディスプレーサ5の中心、記号o′はシリンダ4(あ
るいは駆動軸6)の中心である。記号a,b,c,d,
e,fはシリンダ4の内周壁4a及びベーン4bとディ
スプレーサ5の噛み合いの接点を表す。ここで、シリン
ダ4の内周輪郭形状をみると、同じ曲線の組合せが3箇
所連続して滑らかに接続されている。このうちの1箇所
に着目すると、内周壁4a,ベーン4bを形作る曲線
を、厚みのある1つの渦曲線(ベーン4bの先端を渦の
巻始めと考える)とみることができ、その内壁曲線(g
−a)は、曲線を構成する各円弧角の合計である巻き角
がほぼ360°(設計思想は360°であるが製造誤差
のため丁度その値にはならないという意味である。以
下、同様。尚、この巻き角については詳細を後述する)
の渦曲線で、外壁曲線(g−b)は巻き角がほぼ360
°の渦曲線である。このように、上記1箇所の内周輪郭
形状は、内壁曲線及び外壁曲線から形成されている。こ
れら2つの曲線円周上にほぼ等ピッチ(3条ラップであ
るので120°)に配設し、隣合う渦巻体の外壁曲線と
内壁曲線とは円弧等の滑らかな接続曲線(b−b′)で
結ぶことによって、シリンダ4の内周輪郭形状全体が構
成されている。ディスプレーサ5の外周輪郭形状も上記
シリンダ4と同じ原理で構成されている。
【0022】なお、3つの曲線からなる渦巻体を円周上
にほぼ等ピッチ(120°)に配設するとしたが、これ
は後述する圧縮動作に伴う荷重を均等に分散させる目的
と製造のし易さを配慮したためで、特に、これらのこと
が問題にならない場合は、不等ピッチでもよい。
【0023】さて、このように構成されたシリンダ4と
ディスプレーサ5による圧縮動作を図2を用いて説明す
る。7aは吸入ポートであり、8aは吐出ポートであ
り、夫々3箇所対応する端板に設けられている。駆動軸
6を回転させることにより、ディスプレーサ5が固定側
であるシリンダ4の中心o′の周りを自転することなし
に旋回半径ε(=oo′)で公転運動し、ディスプレー
サ5の中心o周りに複数の作動室15(シリンダ内周輪
郭(内壁)とピストン外周輪郭(側壁)とにより囲まれ
て密閉された複数の空間のうち、吸入が終了し圧縮(吐
出)行程となっている空間をいう。すなわち吸入終了か
ら吐出終了までの期間となっている空間。前述の巻角が
360゜の場合に限ると、圧縮終了時点ではこの空間は
なくなるが、その瞬間に吸入も終了するのでこの空間を
1つと勘定する。但し、ポンプとして用いる場合は、吐
出ポートを介して外部と連通している空間をいう)が形
成される(本実施の形態では常時3個の作動室)。
【0024】接点aと接点bで囲まれハッチングが施さ
れた1つの作動室(吸入終了時点では2つに別れている
が、圧縮行程が開始されると直ぐにこの2つの作動室は
つながって1つになる)に着目して説明する。図2
(1)が吸入ポート7aからこの作動室への作動ガスの
吸入が終了した状態である。この状態から90°駆動軸
6が回転した状態が図2(2)で、回転が進み最初から
180°回転した状態が図2(3)で、さらに回転が進
み最初から270°回転した状態が図2(4)である。
図2(4)から90°回転すると最初の図2(1)の状
態に戻る。これより、回転が進むに従って作動室15は
その容積を縮少し、吐出ポート8aは吐出弁9(図1に
示す)で閉じられているため作動流体の圧縮作用が行わ
れることになる。そして、作動室15内の圧力が外部の
吐出圧力よりも高くなると圧力差で吐出弁9が自動的に
開き、圧縮された作動ガスは吐出ポート8aを通って吐
き出される。
【0025】吸入終了(圧縮開始)から、吐出終了まで
の回転軸の回転角は360°で、圧縮,吐出の各行程が
実施されている間に次の吸入行程が準備されており、吐
出終了時が次の圧縮開始となる。例えば、接点aとdに
よって形成される空間に着目すると、図2(1)の段階
で既に吸入ポート7aから吸入が開始されており、回転
が進むにつれてその容積が増し、図2(4)の状態にな
ると、この空間は分断される。この分断された量に相当
する流体は接点bとeによって形成される空間から補わ
れる。
【0026】この補われ方について詳述する。図2
(1)の状態の接点aとbとにより形成された作動室の
隣の接点aとdによって形成された空間は吸入が始まっ
ている。この空間は、一旦図2(3)に示されるように
広がった後、図2(4)になると分断されてる。従っ
て、接点aとdによって形成された空間の全ての流体が
接点aとbによって形成される空間で圧縮される訳では
ない。分断されて接点aとdによって形成された空間に
取り込まれなかった流体体積と同量の流体は、図2
(4)において吸入過程にある接点bとeによって形成
される空間が、図2(1)に示されるように分断されて、
吐出ポート付近の接点eと接点bとにより形成される空
間に流入している流体によって充当される。
【0027】これは、前述したように、各ラップを均等
ピッチで配置したことによる。即ち、ディスプレーサお
よびシリンダの形状が同一輪郭形状の繰り返しにより形
成されているため、いずれの作動室も異なる空間から流
体を得てもほぼ同量の流体を圧縮することができるので
ある。なお、不均等ピッチであっても各空間に形成され
る容積が等しくなるように加工を施すことは可能である
が製作性が悪い。前出のいずれの従来技術においても吸
込過程にある空間が閉じられて内部の流体がそのまま圧
縮され吐出されるのに対して、このように作動室に隣合
う吸入過程にある空間が分断されて圧縮動作を行うこと
は本実施形態の特徴の1つである。
【0028】以上説明したように、連続的な圧縮動作と
なる作動室がディスプレーサ5の中心部に位置する駆動
軸受5aの周りにほぼ等ピッチで分散して配設され、各
作動室は各々位相がずれて圧縮が行われる。すなわち、
1つの空間に着目すると吸入から吐出までは回転軸の回
転角で360°ではあるが、本実施形態の場合3個の作
動室が形成され、これらが120°ずれた位相で吐出を
するので、流体である冷媒を圧縮する圧縮機として動作
させた場合、回転軸の回転角で360°間に3回冷媒を
吐出することになる。
【0029】さて、圧縮動作を終了した瞬間の空間(接
点aとbによって囲まれた空間)を1つの空間として見
做すと、本実施形態の如く巻角が360゜の場合、いず
れの圧縮機動作状態においても、吸入行程となっている
空間と圧縮行程となっている空間とが交互になるように
設計されており、このため、圧縮行程が終了した瞬間直
ちに次の圧縮行程に移行することができ、滑らかで連続
的に流体を圧縮することができる。
【0030】次に、このような形状をした容積(旋回)
型圧縮要素1を組み込んだ圧縮機を図1及び図3を用い
て説明する。図3において、旋回型圧縮要素1は、上記
詳述したシリンダ4及びディスプレーサ5に加えて、デ
ィスプレーサ5の中心部の軸受にクランク部6aが嵌合
してディスプレーサ5を駆動する駆動軸6,前記シリン
ダ4の両端開口部を閉塞する端板と駆動軸6を軸支する
軸受を兼ねた主軸受7と副軸受8,前記主軸受7の端板
に形成された吸入ポート7a,前記副軸受8の端板に形
成された吐出ポート8a,この吐出ポート8aを差圧で
開閉する吐出弁9を有する。但し吐出弁9はリード弁形
式でもよい。5bはディスプレーサ5に形成された貫通
穴である。また、10は主軸受7に取り付けられた吸入
カバー、11は副軸受8に一体的に吐出室8bを形成す
るための吐出カバーである。
【0031】電動要素2は、固定子2aと回転子2bか
らなり、回転子2bは駆動軸6に焼き嵌め等で固定され
ている。この電動要素2は、電動機効率向上のため、ブ
ラシレスモータで構成され、3相インバータにより駆動
制御される。ただし、2は他の電動機形式、例えば、直
流電動機や誘導電動機でも差し支えない。
【0032】12は密閉容器3の内の底部に溜められた
潤滑油で、この中に駆動軸6の下端部が浸かっている。
13は吸入パイプ、14は吐出パイプ、15はシリンダ
4の内周壁4a及びベーン4bとディスプレーサ5の噛
み合いによって形成される前述した作動室である。ま
た、吐出室8bはOリング等のシール部材16により密
閉容器3内の圧力と区画されている。
【0033】本実施形態における容積型流体機械を空調
用圧縮機として利用した場合、その作動ガス(冷媒ガ
ス)の流れを図1により説明する。図中に矢印で示すよ
うに、吸入パイプ13を通って密閉容器3に入った作動
ガスは、主軸受7に取り付けられた吸入カバー10内に
入り吸入ポート7aを通って容積型圧縮要素1に入り、
ここで駆動軸6の回転によってディスプレーサ5が旋回
運動を行い作動室の容積が縮少することにより圧縮され
る。圧縮された作動ガスは、副軸受8の端板に形成され
た吐出ポート8aを通り吐出弁9を押し上げて吐出室8
b内に入り、吐出パイプ14を通って外部に流出する。
尚、吸入パイプ13と吸入カバー10との間に隙間が形
成されている理由は、作動ガスを電動機要素2内にも流
通させることによって電動機要素を冷却するためであ
る。
【0034】内部に溜められた潤滑油は、差圧や遠心ポ
ンプ給油によって底部から駆動軸内部に設けられた穴を
通って、各摺動部に送られ潤滑する。この1部は作動室
内部にも隙間を通って供給される。
【0035】ここで、本発明の容積型圧縮要素1を構成
する主要部品であるディスプレーサ5及びシリンダ4の
輪郭形状の構成方法の一例を図4乃至図6を用いて説明
する(3条ラップの場合を例にあげる)。図4(a),
(b)は、一例として平面形状が円弧の組合せにより構
成されたディスプレーサの形状の一例で、(a)は平面
図、(b)は側面図である。図5(a),(b)は、図4
に示したディスプレーサの対となって噛み合うシリンダ
形状の一例で、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。また、図6は、図4に示したディスプレーサの中心
oと図5に示したシリンダの中心o′とを重ねてピスト
ンとシリンダの壁面の一部分を描いた図である。
【0036】図4(a)において、ディスプレーサの平
面形状は中心o(正三角形IJKの図心)の周りに同一
の輪郭形状が3箇所連続して接続されている。その輪郭
形状は、半径R1から半径R7までの全部で7つの円弧
で形成されており、点p,q,r,s,t,u,v,w
は夫々異なる半径の円弧の接続点である。曲線pqは、
正三角形の一辺IJ上に中心を持つ半径R1の円弧、こ
こで、点pは頂点IよりR7の距離にある。曲線qrは
接点qと半径R1の中心を結ぶ直線の延長線上に中心を
持つ半径R2の円弧、曲線rsは接点rと半径R2の中
心を結ぶ直線上に中心を持つ半径R3の円弧、曲線st
は同様に接点sと半径R3の中心を結ぶ直線の延長線上
に中心を持つ半径R4の円弧である。曲線tuは接点t
と半径R4の中心を結ぶ直線の延長線上に中心を持つ半
径R5の円弧、曲線uvは接点uと半径R5の中心を結
ぶ直線の延長線上の図心oを中心とする半径R6の円
弧、曲線vwは接点vと半径R6の中心(図心o)を結
ぶ直線上の頂点Jを中心とする半径R7の円弧である。
尚、半径R1,R2,R3,R4,R5,R6の夫々の
円弧の角度は接点において滑らかに接続する(接点での
接線の傾きが同一)という条件により決められる。点p
から点wに至る輪郭形状を図心oを中心に反時計周りに
120°回転させると点wに点pが重なり、さらに12
0°回転させると全周の輪郭形状が完成する。これによ
りディスプレーサの平面形状が得られ、厚みhを与える
ことによってディスプレーサが構成される。
【0037】ディスプレーサの平面形状が決まると、こ
のディスプレーサが旋回半径εで旋回運動したときにこ
れに噛み合うシリンダの輪郭形状は、図6に示されるよ
うにディスプレーサの輪郭形状を構成する曲線の外側の
法線距離がεのオフセット曲線となる。
【0038】図5によりシリンダの輪郭形状を説明す
る。三角形IJKは図4と同一の正三角形である。輪郭
形状は、ディスプレーサと同様に全部で7つの円弧で形
成されており、点p′,q′,r′,s′,t′,
u′,v′,w′は夫々異なる半径の円弧の接続点であ
る。曲線p′q′は、正三角形の一辺IK上に中心を持
つ半径(R1−ε)の円弧、ここで、点p′は頂点Iよ
り(R7+ε)の距離にある。曲線q′r′は接点q′
と半径(R1−ε)の中心を結ぶ直線の延長線上に中心
を持つ半径(R2−ε)の円弧、曲線r′s′は接点
r′と半径(R2−ε)の中心を結ぶ直線上に中心を持
つ半径(R3−ε)の円弧、曲線s′t′は同様にs′
と半径(R3−ε)の中心を結ぶ直線上に中心を持つ半
径(R4+ε)の円弧である。
【0039】曲線t′u′は接点t′と半径(R4+
ε)の中心を結ぶ直線の延長線上に中心を持つ半径(R
5+ε)の円弧、曲線u′v′は接点u′と半径(R5
+ε)の中心を結ぶ直線の延長線上の図心o′を中心と
する半径(R6+ε)の円弧、曲線v′w′は接点v′
と半径(R6+ε)の中心(図心o′)を結ぶ直線上の
頂点Jを中心とする半径(R7+ε)の円弧である。
尚、半径(R1−ε),(R2−ε),(R3−ε),(R4
+ε),(R5+ε),(R6+ε)の夫々の円弧の角度は
ディスプレーサ同様、夫々の接点において滑らかに接続
する(接点での接線の傾きが同一)という条件により決
められる。点p′から点w′に至る輪郭形状を図心o′
を中心反時計周りに120°回転させると点w′に点
p′が一致し、さらに120°回転させると全周の輪郭
形状が完成する。これによりシリンダの平面形状が得ら
れる。シリンダの厚みHは、ディスプレーサの厚みhよ
りわずかに厚くなっている。
【0040】図6はディスプレーサの中心oとシリンダ
の中心o′を重ねその一部を表した図である。ディスプ
レーサとシリンダとの間に形成される隙間は旋回半径に
等しいεとなるようにしている。尚、この隙間は、全周
においてεであることが望ましいが、ディスプレーサの
外周輪郭とシリンダの内周輪郭とにより形成される作動
室が正常な動作をする範囲において、何らかの理由によ
って、この関係が崩れる箇所があっても差し支えない。
【0041】尚、ここではディスプレーサ外壁及びシリ
ンダ内壁の輪郭形状の構成方法として複数円弧の組合せ
による方法を説明したが、本発明はこれに限定されるも
のではなく任意の(n次式で表される曲線等)曲線の組
合せによっても同様の輪郭形状を構成することができ
る。
【0042】図1乃至図6にて説明した一実施形態の作
用効果を以下説明する。図7は、吸入終了時からの回転
軸の回転角θを横軸にとって本発明における作動室の容
積変化特性(吸入容積Vsと作動室容積Vの比で表す)を
他形式の圧縮機と比較して示す。これより本実施形態に
係る容積型圧縮要素1の容積変化特性は、吐出開始容積
比0.37 の空調機の一種の運転条件(例えば作動ガス
がフロンHCFC22の場合、吸入圧力Ps=0.64
MPa,吐出圧力Pd=2.07MPa)で比べて見る
と、圧縮過程はレシプロ式とほぼ同等で、短時間に圧縮
過程が終了するため作動ガスの漏れが低減され、圧縮機
の能力及び効率を向上することができる。一方、吐出過
程はロータリ式(ローリングピストン型)よりも約50
%長くなり、吐出流速が遅くなるため圧力損失が低減さ
れ、吐出過程の流体損失(過圧縮損失)を大幅に低減し
て性能向上を図ることができる。
【0043】図8は、本実施形態における回転軸1回転
中の仕事量の変化、すなわちガス圧縮トルクTの変化を
他形式の圧縮機と比較して示す(ここに、Tmは平均ト
ルクである)。これより本発明の容積型圧縮要素1のト
ルク変動はロータリ式の約1/10と非常に小さく、ス
クロール式と同等だが、スクロール式のオルダムリング
のような旋回スクロール自転防止のために往復摺動する
機構をもたないため、回転軸系の慣性バランスがとれた
圧縮機の振動・騒音を低減することができる。
【0044】また、図4に示すように輪郭線はスクロー
ル式のような長い渦巻き形状でないため、加工時間の短
縮,コスト低減が図れるとともに、渦巻き形状を保持す
るための端板(鏡板)がないので、冶具を貫通させて加
工することができなかったスクロール式に比べてロータ
リ式並の加工で製作することができる。
【0045】さらに、ガス圧によるスラスト荷重はディ
スプレーサに作用しないので、スクロール圧縮機に見ら
れるような圧縮機の性能に重要な影響をおよぼす軸方向
クリアランスの管理もしやすくなるため性能向上が図れ
る。さらに、計算の結果、同一容積,同一外径のスクロ
ール圧縮機と比較すると、厚みを薄くすることができ、
圧縮機の小型,軽量化にも寄与することができる。
【0046】次に前述の巻き角と吸入終了から吐出終了
までの回転軸の回転角θcとの関係について説明する。
前述の一実施形態では巻き角を360゜として説明した
が、巻き角を変えることによって回転軸の回転角θcを
変えることも可能である。例えば、図2では、巻き角が
360゜であるので、吸入終了から吐出終了までの回転
軸の回転角θcが360゜で元の状態に戻る。この巻き
角を360°よりも小さくすることによって吸入終了か
ら吐出終了までの回転軸の回転角θcを小さくする場
合、吐出ポートと吸入ポートが連通する状態が生じ、吐
出ポート内の流体の膨張作用で一旦吸入された流体が逆
流するといった問題が起こる。巻き角を360°よりも
大きくすると回転軸の回転角も360゜より大きくな
り、吸入終了から吐出ポートのある空間に連通するまで
の間に大きさの異なるの2つの作動室が形成される。こ
れを圧縮機として用いたとき、これら2つの作動室の圧
力上昇が各々異なるために両者合流時に不可逆的な混合
ロスが生じ、圧縮動力の増加になる。また、液体ポンプ
として用いようとしても、吐出ポートに連通しない作動
室が形成されることからポンプとしては適用しにくくな
る。このため、巻き角は許容される精度の範囲内におい
て極力360°が望ましいといえる。
【0047】前述の特開昭55−23353号公報(文献1)
に記載の流体機械における圧縮行程の回転軸の回転角θ
cは、θc=180゜であり、特開平5−202869 号公報
(文献3)及び特開平6−280758 号公報(文献4)に記
載の流体機械における圧縮行程の回転軸の回転角θc
は、θc=210゜である。作動流体の吐出が終了して
から次の圧縮行程が始まる(吸入終了)までの期間は、
文献1においては回転軸の回転角θcで180゜、文献
3及び文献4においては150゜である。
【0048】圧縮行程の回転軸の回転角θcが210゜
の場合における軸の1回転中の各作動室(符号I,II,
III,IVで示す)の圧縮行程線図を図9(a)に示す。但
し、条数N=4である。回転軸の回転角θcが360゜
内には4個の作動室が形成されるが、ある角度において
同時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3とな
っている。同時に形成される作動室数の最大値は条数よ
りも少ない3である。
【0049】同様に条数N=3であり圧縮行程の回転軸
の回転角θcが210゜の場合を図10(a)に示す。
この場合も同時に形成される作動室数nは、n=1ある
いは2であり、同時に形成される作動室数の最大値は条
数よりも少ない2である。
【0050】このような状態では、作動室が駆動軸の周
りに偏って形成されるため、力学的アンバランスが発生
し、ディスプレーサに働く自転モーメントが過大にな
り、ディスプレーサとシリンダとの接触荷重が増大し機
械摩擦損失の増加による性能低下やベーンの摩耗による
信頼性低下の問題がある。
【0051】この問題を解決するため、本実施の形態で
は、吸入終了から吐出終了までの(圧縮行程という場合
あり)回転軸の回転角θcが、
【0052】
【数1】 (((N−1)/N)・360゜)<θc≦360゜ …(数1) を満たすように、ディスプレーサの外周輪郭形状及びシ
リンダの内周輪郭形状を形成している。換言すると、前
述の巻き角が数式1の範囲になっている。図9(b)を
参照すると、圧縮行程の回転軸の回転角θcが、270
゜より大きくなっており、同時に形成される作動室数n
は、n=3あるいは4となり、作動室数の最大値は4で
ある。この値は、条数N(=4)に一致する。また、図
10(b)では、圧縮行程の回転軸の回転角θcが、24
0゜より大きくなっており、同時に形成される作動室数
nは、n=2あるいは3となり、作動室数の最大値は3
である。この値は、条数N(=3)と一致する。
【0053】このように圧縮行程の回転軸の回転角θc
の下限値を数式1の左辺の値よりも大きくすることによ
り、作動室数の最大値が条数N以上となり、作動室が駆
動軸の周りに分散して配置されるようになるため、力学
的なバランスがよくなり、ディスプレーサに働く自転モ
ーメントが低減され、ディスプレーサとシリンダとの接
触荷重も低減され機械摩擦損失の低減による性能向上と
共に接触部の信頼性を向上することができる。
【0054】一方、圧縮行程の回転軸の回転角θcの上
限は数式1によると360゜となっている。この圧縮行
程の回転軸の回転角θcの上限は360゜である。前述
したように、作動流体の吐出が終了してから次の圧縮行
程が始まる(吸入終了)までのタイムラグを0にするこ
とができ、θc<360゜の場合に起こる隙間容積内の
ガスの再膨張による吸入効率の低下を防止することがで
きると共に、θc>360゜の場合に起こる2つの作動
室の圧力上昇が異なるために両者合流時に発生する不可
逆的な混合ロスを防止することができる。後者について
図11を用いて説明する。
【0055】圧縮行程が回転軸の回転角θcで375゜
となる容積型流体機械を図11に示す。図11(a)
は、図中2つの作動室15aと15bの吸入が終了した
状態である。このとき2つの作動室15aと15bの圧
力は吸入圧力Psで両者等しくなっている。吐出口8a
は作動室15aと15bの間に位置しており、両作動室
とは連通していない。この状態から回転軸の回転角θc
で15゜回転が進んだ状態を図11(b)に示す。吐出
口8aと両作動室15aと15bが連通する直前の状態
である。このとき作動室15aの容積は図11(a)の
吸入終了時よりも小さく圧縮が進行しており圧力も吸入
圧力Psよりも高い圧力になっている。
【0056】これに対して、作動室15bの容積は逆に
吸入終了時よりも大きくなっており、膨張作用により圧
力も吸入圧力Psよりも低くなっている。次の瞬間作動
室15aと15bが合体(連通)する際に、図11
(c)に矢印で示すような不可逆的な混合が起こり、圧
縮動力の増加による性能低下が発生することとなる。従
って、圧縮行程の回転軸の回転角θcの上限は360゜
が望ましい状態である。
【0057】図12は文献3もしくは文献4に記載され
た容積型流体機械の圧縮要素であり、(a)が平面図
(b)が側面図である。条数Nは3であり、圧縮行程の
回転軸の回転角θc(巻角θ)は210゜である。この
図において、作動室数nは図10(a)に示したように
n=1あるいは2となる。この図は回転軸の回転角θが
0゜の状態を示しており、作動室数nは2である。本図
から明らかなように、ディスプレーサの外周輪郭形状と
シリンダの内周輪郭形状とにより形成される空間の内右
側の空間は作動室となってなく、吸入口7aと吐出口8
aが連通している。このため、吐出口7aの隙間容積内
ガスの再膨張により一旦吸入口8aからシリンダ4内に
流入したガスが逆流し、吸入効率が低下する問題があ
る。
【0058】ところで、図12に示した容積型流体機械
の圧縮行程の回転軸の回転角θcを、本実施の形態の考
え方を用いて拡大する場合を考える。圧縮行程の回転軸
の回転角θcを拡大するためには2点鎖線で図示するよ
うにシリンダ4の輪郭曲線の巻角を大きくしなければな
らないが、図示の如くベーン4bの厚さが極端に薄くな
り、作動室数nの最大値が条数N(N=3)以上となる
ように圧縮行程の回転軸の回転角θcを240゜より大
きくすることは困難である。
【0059】図13に図12に示された容積型流体機械
と同一行程容積(吸入容積),同一外径寸法,同一旋回
半径の容積型流体機械の圧縮要素の実施形態の一例を示
す。この図13に示された圧縮要素の圧縮行程の回転軸
の回転角θcは240゜より大きい360゜を実現して
いる。これは、図12に示された圧縮要素では、作動室
を形成するシール点間が滑らかな曲線によって構成され
ているため、例え、本実施の形態の考え方に基づいて圧
縮行程の回転軸の回転角θcを拡大しようとしても最大
で240゜が限界であるが、図13に示された本実施の
形態による圧縮要素では、シール点間(a−c)が滑ら
かではなく(一様の曲線ではなく)接点b付近の形状が
ディスプレーサから見て突出するように形成され、ディ
スプレーサの各条が中心部から先端部に向かう途中にく
びれ部が存在している。
【0060】これらは図1に示した実施の形態について
も云えることである。これらの形状により、接点aから
接点bまでの巻き角を240゜より大きい360゜とす
ることができ、接点bから接点cまでの巻き角を240
゜より大きい360゜とすることができる。この結果、
圧縮行程の回転軸の回転角θcを240゜より大きな3
60゜とすることができ、作動室数nの最大値を条数N
以上とすることができる。このため、作動室が分散配置
され自転モーメントを小さくすることができる。
【0061】さらに、このように有効に機能しうる作動
室数が増加したことで、図12に記載の圧縮要素のシリ
ンダ高さ(厚み)をHとしたとき、図13に記載の圧縮
要素のシリンダ高さは0.7H となり、30%低くなる
ので、圧縮要素の小型化を図ることができる。
【0062】図14は、本実施形態におけるディスプレ
ーサ5に作用する荷重及びモーメントの説明図である。
記号θは駆動軸6の回転角、εは旋回半径である。作動
ガスの圧縮に伴い、各作動室15の内圧によってディス
プレーサ5には、図に示すように偏心方向に直角な接線
方向力Ftと偏心方向にあたる半径方向力Frが作用す
る。FtとFrの合力がFである。この合力Fのディス
プレーサ5の中心oからのずれ(腕の長さl)によって
ディスプレーサを回転させようとする自転モーメントM
(=F・l)が働く。この自転モーメントMを支えるの
がディスプレーサ5とシリンダ4の接点gと接点bにお
ける反力R1と反力R2である。
【0063】本発明では常時、吸入ポート7aに近い2
ないし3箇所の接点でモーメントを受け、その他の接点
には反力が作用しない。本発明の容積型圧縮要素1は、
ディスプレーサ5の中心部に嵌合された駆動軸6のクラ
ンク部6aの周りにほぼ等ピッチで吸入終了から吐出終
了までの回転軸の回転角がほぼ360°となる作動室を
分散して配設しているため、合力Fの作用点をディスプ
レーサ5の中心oに近付けることができ、モーメントの
腕の長さlを縮少して自転モーメントMを低減すること
ができる。したがって、反力R1と反力R2が軽減され
る。また、接点gと接点bの位置からわかるように、自
転モーメントMをうけるディスプレーサ5とシリンダ4
の摺動部位を、温度が低く油粘度の高い作動ガスの吸入
口7a付近になるようにしているため摺動部の油膜が確
保されやすい容積型流体機械を提供することができる。
【0064】図15は作動流体の内圧によってディスプ
レーサに働く軸1回転中の自転モーメントMを図12に
示された圧縮要素及び図13に示された圧縮要素で比較
したものである。計算条件は作動流体HFC134aの
冷凍条件(吸入圧力Ps=0.095MPa,吐出圧力
Pd=1.043MPa)である。これにより作動室数
nの最大値が条数以上となる本実施の形態による圧縮要
素では、吸入終了から吐出終了までの作動室が駆動軸の
周りにほぼ等ピッチで分散して配置されるため力学的な
バランスがよくなり、圧縮による荷重ベクトルがほぼ中
心を向くように構成できる。このためディスプレーサに
働く自転モーメントMを低減することができる。この結
果、ディスプレーサとシリンダの接触荷重も軽減され機
械効率を向上することができると共に圧縮機としての信
頼性を向上することができる。
【0065】ここで、吸入口7aと吐出口8aとが連通
する期間と圧縮行程回転軸の回転角との関係について説
明する。吸入口と吐出口が連通する期間、すなわち作動
流体の吐出が終了してから次の圧縮行程が始まる(吸入
終了)までの間の回転軸の回転角で表すタイムラグΔθ
は、圧縮行程の回転軸の回転角θcとして、Δθ=36
0゜−θcで表される。
【0066】Δθ≦0゜の場合は、吸入口と吐出口が連
通する期間が存在しないため、吐出口の隙間容積内ガス
の再膨張による吸入効率の低下はない。
【0067】Δθ>0゜の場合には吸入口と吐出口が連
通する期間が存在するため、吐出口の隙間容積内ガスの
再膨張に起因する吸入効率の低下が起こり、圧縮機の
(冷凍)能力が低下することになる。また、吸入効率(体
積効率)の低下は圧縮機のエネルギ効率である断熱効率
あるいは成績係数の低下にもつながる。
【0068】圧縮行程の回転軸の回転角θcはディスプ
レーサあるいはシリンダの輪郭曲線の巻き角と吸入口及
び吐出口の位置によって決定される。ディスプレーサあ
るいはシリンダの輪郭曲線の巻き角を360゜にした場
合には、圧縮行程の回転軸の回転角θcは360゜にで
きると共に吸入口あるいは吐出口のシール点を移動する
ことによってθc<360゜にもすることができる。し
かし、θc>360゜にはすることはできない。例え
ば、前述の図11に示した圧縮要素の圧縮行程の回転軸
の回転角θc=375゜を吐出口の位置や大きさを変え
ることによりθc=360゜に変更することができる。
これは、図11における吸入終了状態の直後に作動室1
5aと作動室15bとが連通するように吐出口を大きく
することにより実現することができる。このような変更
を行うことによりθc=375゜の時に発生していた2
つの作動室の圧力上昇が異なるために起こる不可逆的な
混合ロスを低減することができる。従って、輪郭曲線の
巻き角は、圧縮行程の回転軸の回転角θcを決定する必
要条件ではあるが十分条件ではないと云うことができ
る。
【0069】さて、上記説明した本実施形態、即ち図3
に示す実施形態では、密閉容器3内の圧力が低圧(吸入
圧力)に保持されるタイプの密閉型圧縮機について説明
したが、低圧タイプにすることにより以下のような利点
がある。
【0070】(1)圧縮された高温の作動ガスによる電
動要素2の加熱が少なく、吸入ガスによって冷却される
ため、固定子2a,回転子2bの温度が低下し、モータ
効率が向上して性能向上が図ることができる。
【0071】(2)フロン等の潤滑油12と相溶性のあ
る作動流体では、圧力が低いため潤滑油12中に溶解す
る作動ガスの割合が少なくなり、軸受等での油の発泡現
象が起こりにくく、信頼性を向上することができる。
【0072】(3)密閉容器3の耐圧を低くでき、薄肉
・軽量化が図ることができる。
【0073】次に、密閉容器3内の圧力が高圧(吐出圧
力)に保持されるタイプのものについて説明する。図1
6は、本発明の他の実施形態に係る旋回型流体機械を圧
縮機として用いた高圧タイプの密閉型圧縮機の要部拡大
断面図である。図16において、前述の図1〜図3と同
一符号を付したものは同一部品であり、同一の作用をな
す。図において、7bは吸入カバー10によって主軸受
7に一体的に形成された吸入室で、シール部材16等に
よって密閉容器3内の圧力(吐出圧力)と区画されてい
る。17は吐出室8b内と密閉容器3内を連通する吐出
通路である。容積型圧縮要素1の作動原理等は前述した
低圧(吸入圧力)タイプと同様である。
【0074】作動ガスの流れは図中に矢印で示すよう
に、吸入パイプ13を通って吸入室7bに入った作動ガ
スは、主軸受7に形成された吸入ポート7aを通って容
積型圧縮要素1に入り、ここで駆動軸6の回転によって
ディスプレーサ5が旋回運動を行い作動室15の容積が
縮少することにより圧縮される。圧縮された作動ガス
は、副軸受8の端板に形成された吐出ポート8aを通り
吐出弁9を押し上げて吐出室8b内に入り、吐出通路1
7を通って密閉容器3内に入り、この密閉容器3に接続
された吐出パイプ(図示せず)より外部に流出する。
【0075】このような高圧タイプの利点は、潤滑油1
2が高圧になっているため、駆動軸6の回転による遠心
ポンプ作用等によって各軸受摺動部に給油された潤滑油
12がディスプレーサ5の端面の隙間等を通ってシリン
ダ4内に供給され易くなるため、作動室15のシール性
及び摺動部の潤滑性を向上できる点にある。
【0076】以上、本発明の容積型流体機械を用いた圧
縮機では機器の仕様や用途あるいは生産設備等に応じて
低圧タイプ,高圧タイプどちらでも選択することが可能
となり、設計の自由度が大幅に拡大する。
【0077】次に本発明の実施例に係わるシリンダ及び
ディスプレーサについて説明する。図17に本発明のデ
ィスプレーサ表層面付近の断面を示す。鉄系焼結材は多
孔質であり表面及び内部に多数の空孔5aが存在する。
表面5b及び合金5cの表面すなわち空孔壁面に水蒸気
処理により酸化物層5dを形成した。本発明では母材強
度を確保するために、鉄を主成分とする焼結材を用い
た。焼結材は表面及び内部に小さな空孔5aを多数有し
ている。これらの空孔5aは内部にあっても多くは表面
を連通しており潤滑油や処理溶液を含浸することができ
る。そこで、該焼結材の表面に酸化物被膜を形成すると
同時に、連通した材料内部の空孔まで処理が行われるよ
うにして表面のみならず材料内部の耐摩耗性を向上させ
る材料を得るに至った。
【0078】シリンダ及びディスプレーサ形状とは別に
板状の発明材を作製し、摩耗試験機により評価した。表
1に試験片を列挙する。
【0079】
【表1】
【0080】試験片A11並びにA15はアルミニウム
合金であり、比較材とした。F156は銅を添加した鉄系
焼結材であり、F168SはF156材に水蒸気処理し
たものである。E551はニッケル及びモリブデンを添
加した鉄系焼結材、E502SはE551と同様の材料に
水蒸気処理したものである。相手材はFC200とし
た。
【0081】使用した摩擦試験機はプレートオンリング
型で相手材をリングとして回転させ本発明の焼結材をプ
レートとして荷重60Nで押し付けた。摩擦速度は毎秒
0.1mとした。試験は潤滑油を用いず、いずれの場合も
試験直前にも表面を約50ccのアセトンでまんべんなく
洗い流したのちに代替冷媒であるHFC134aのガス
中で行った。試験時間は10時間とした。図18に摩耗
試験の結果を示す。冷媒ガス中では、アルミニウム合金
A11及びA15の摩耗が極端に多く、鉄系焼結材の摩
耗は少ない。さらに、水蒸気処理することで摩耗量がけ
た違いに改善されることが判った。これにより本発明の
摺動部材は十分実用に耐えることがわかった。
【0082】図19は図1に示した実施形態である容積
型圧縮機のシリンダ・ディスプレーサ摺動部の構造を模
擬した試験機にて銅を添加した鉄系焼結材の摩耗試験を
行った結果を示す。比較としてねずみ鋳鉄であるFC2
50の例も示した。使用した摩擦試験機はリングオンデ
ィスク型で、リング試験片をディスク試験片に押し付け
て回転させる。このときの面圧を容積型圧縮機のシリン
ダ・ディスプレーサ摺動部での荷重と同等の負荷とする
ため、リング1回転中に0〜140MPaと変動させ
た。摩擦速度は毎秒0.25m とした。潤滑油は別の冷
凍サイクルによりHFC134aの溶解した冷凍機油を
用い、毎分5cc給油した。試験はHFC134aのガス中で行
った。試験時間は50時間とした。図19で判るとお
り、FC250に比べても本発明の焼結材の摩耗量は5分
の1以下であり、この試験結果から本発明の容積型流体
機械においても焼結材を用いることにより寿命を大幅に
延長できることが明らかとなった。
【0083】水蒸気処理により鉄系焼結材シリンダ及び
ディスプレーサの表面層および材料内部の空孔壁面に鉄
系の酸化物もしくは焼結材成分の複合酸化物もしくはそ
れら水和物を形成し、相手のディスプレーサ及びシリン
ダに対する凝着を阻止し、且つ摩擦係数を低減させる。
水蒸気処理により形成される最表面層すなわち相手のデ
ィスプレーサ及びシリンダとの摺動表面は研削加工もし
くは圧縮機中での摺動により摩滅されても空孔壁面の酸
化物層が相手材との凝着を不連続化し摩耗を抑制する。
【0084】水蒸気処理は母材を焼結したままで施され
ることが望ましい。母材を焼結後摺動面を加工した場
合、表面層が組成変形し表面の空孔が潰されるため、内
部空孔の外部との連通が失われ、表面層が摩滅した後の
耐摩耗性が若干損なわれる。
【0085】以上の理由により、母材の成分は焼結後の
加工を極力回避するために、焼結による収縮変形の少な
いものを適用する。例えば、銅を添加した鉄系の焼結材
が望ましい。所要の強度を得るために鉄中の炭素量を管
理する必要がある。銅は1%未満であれば焼結後に焼結
前の金型と同様の寸法よりも収縮し、2%を超えると膨
張するとともに焼結部品の強度が損なわれる。炭素成分
は基地の強度に影響し、0.4% 以上であれば添加量の
増加にともなって強度が増す。一方で、炭素により摩擦
したときの摩耗程度が変化する。本発明では炭素が0.
4% 未満になると強度が得られないため摩耗しやすく
なり、0.8% を超えると全体の強度と硬さが上昇する
にも係わらず耐摩耗性が損なわれる。さらに炭素が0.
8% を超えると、相手材を摩耗させはじめる。
【0086】また、シリンダ及びディスプレーサの成形
及び組み立てに関しては、以下のように行う。焼結原料
粉をシリンダあるいはディスプレーサの形状に圧縮成形
し、収縮変形を最小限に抑えるようにガス雰囲気で焼結
する。水蒸気処理は、焼結後に高温の水蒸気中に曝し、
焼結体の表面及び内部の空孔周辺に酸化物膜を形成す
る。水蒸気処理後、洗浄もしくはそのまま容積型流体機
械に組み込む。若干の組み立て油を塗布してもよい。あ
るいはまた、表面の酸化物を残すように機械加工により
仕上げてから、洗浄して組み込む。
【0087】本発明の容積型流体機械は特に潤滑の厳し
い塩素分を含まない冷媒すなわち代替冷媒及び自然冷媒
中での摺動に有利であり、圧縮機およびそれを用いた空
調機ならびに冷凍機の寿命を著しく延長することができ
る。
【0088】図20に、本発明の容積型圧縮機を適用し
た空調システムを示す。このサイクルは冷暖房が可能な
ヒートポンプサイクルで、前述の図3で説明した本発明
の容積型圧縮機30,室外熱交換器31とそのファン3
1a,膨張弁32,室内熱交換器33とそのファン33
a,4方弁34から構成されている。一点鎖線35は室
外ユニット、36は室内ユニットである。
【0089】容積型圧縮機30は、図2に示した作動原
理図に従って動作し、圧縮機を起動することによりシリ
ンダ4とディスプレーサ5間で作動流体(例えばフロン
HCFC22やR407C,R410A等)の圧縮作用
が行われる。
【0090】冷房運転の場合、圧縮された高温・高圧の
作動ガスは破線矢印で示すように吐出パイプ14から4
方弁34を通り室外熱交換器31に流入して、ファン3
1aの送風作用で放熱,液化し、膨張弁32で絞られ、
断熱膨張して低温・低圧となり、室内熱交換器33で室
内の熱を吸熱してガス化された後、吸入パイプ13を経
て容積型圧縮機30に吸入される。一方、暖房運転の場
合は、実線矢印で示すように冷房運転とは逆に流れ、圧
縮された高温・高圧の作動ガスは吐出パイプ14から4
方弁34を通り室内熱交換器33に流入して、ファン3
3aの送風作用で室内に放熱して、液化し、膨張弁32
で絞られ、断熱膨張して低温・低圧となり、室外熱交換
器33で外気から熱を吸熱してガス化された後、吸入パ
イプ13を経て容積型圧縮機30に吸入される。
【0091】図21は、本発明の容積型圧縮機を搭載し
た冷凍システムを示す。このサイクルは冷凍(冷房)専
用のサイクルである。図において、37は凝縮器、37
aは凝縮器ファン、38は膨張弁、39は蒸発器、39
aは蒸発器ファンである。
【0092】容積型圧縮機30を起動することによりシ
リンダ4とディスプレーサ5間で作動流体の圧縮作用が
行われ、圧縮された高温・高圧の作動ガスは実線矢印で
示すように吐出パイプ14から凝縮器37に流入して、
ファン37aの送風作用で放熱,液化し、膨張弁38で
絞られ、断熱膨張して低温・低圧となり、蒸発器39で
吸熱ガス化された後、吸入パイプ13を経て容積型圧縮
機30に吸入される。ここに、図20,図21ともに本
発明の容積型圧縮機を搭載しているので、エネルギ効率
に優れ、低振動・低騒音で信頼性の高い冷凍・空調シス
テムが得られる。なお、ここでは容積型圧縮機30とし
て低圧タイプを例にあげて説明したが、高圧タイプでも
同様に機能し、同様の効果を奏することができる。
【0093】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、駆動軸の周りに2箇所以上の複数の作動室が配設
され、個々の作動室の吸入終了から吐出終了までの回転
軸の回転角をほぼ360°になるように構成されている
圧縮機に対し、ディスプレーサとシリンダ間の摩擦損失
および漏れ損失を低減することにより、性能向上が図
れ、且つ信頼性の高い容積型流体機械が得られる。ま
た、このような容積型流体機械を冷凍サイクルに搭載す
ることにより、エネルギ効率に優れ、信頼性の高い冷凍
・空調システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は本発明に係る容積型流体機
械を圧縮機に適用した密閉型圧縮機の圧縮要素の縦断面
図及び平面図。
【図2】本発明に係る容積型流体機械の各作動原理を説
明する断面図。
【図3】本発明に係る容積型流体機械の縦断面図。
【図4】(a)及び(b)は本発明に係る容積型流体機
械のディスプレーサの輪郭構成法を示す図及び側面図。
【図5】(a)及び(b)は本発明に係る容積型流体機
械のシリンダの輪郭構成法を示す図及び側面図。
【図6】図4及び図5に示されるディスプレーサとシリ
ンダを重ね合わせた図。
【図7】本発明における作動室の容積変化特性図。
【図8】本発明におけるガス圧縮トルク変化図。
【図9】(a),(b)は4条ラップにおける回転軸の回
転角と作動室との関係を示す図。
【図10】(a),(b)は3条ラップにおける回転軸の
回転角と作動室との関係を示す図。
【図11】圧縮要素の巻き角が360゜より大きい場合
の動作を説明する断面図。
【図12】(a)及び(b)は圧縮要素の巻き角の拡大
を説明する図及び側面図。
【図13】(a)及び(b)は図1に示した容積型流体
機械の変形例を示す図及び側面図。
【図14】本発明のディスプレーサに作用する荷重及び
モーメント説明図。
【図15】圧縮要素の回転軸の回転角と自転モーメント
比との関係を示す特性図。
【図16】本発明の他の実施形態に係る密閉型圧縮機の
要部縦断面図。
【図17】本発明に係るディスプレーサ表面層付近の断
面図。
【図18】本発明の摺動材と比較材の摩耗量説明図。
【図19】本発明の実施形態を模擬した摺動による摩耗
量比較図。
【図20】本発明の容積型圧縮機を適用した空調システ
ムを示す図。
【図21】本発明の容積型圧縮機を適用した冷凍システ
ムを示す図。
【符号の説明】
1…容積型圧縮要素、2…電動要素、3…密閉容器、4
…シリンダ、4a…内周壁、4b…ベーン、5…ディス
プレーサ(旋回ピストン)、5a…空孔、5b…表面、
5c…合金、5d…酸化物層、6…駆動軸、6a…クラ
ンク部、7…主軸受、7a,42b…吸入ポート、8…
副軸受、8a…吐出ポート、8b…吐出室、9…吐出
弁、10…吸入カバー、11…吐出カバー、12…潤滑
油、13…吸入パイプ、14…吐出パイプ、15,45
…作動室、16…シール部材、17…吐出通路、18…
加工治具、18a…ベース、18b…ピン部、18c…
クランプ、19…加工工具、19a…研削工具、19b
…切削工具、30…容積型圧縮機、31…室外熱交換
器、32,38…膨張弁、33…室内熱交換器、34…
4方弁、37…凝縮器、39…蒸発器、40…固定側部
材、40a…固定渦巻体、40b…端板部、40c…主
軸受部、41…旋回側部材、41a…旋回渦巻体、41
b…補強板、41c…軸受、42…リング部、42a…
吸入室、43…逆止弁、44…軸封装置、o…ディスプ
レーサ中心、o′…シリンダ中心、Om…旋回側部材中
心、Of…固定側部材中心。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水本 宗男 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 香曽我部 弘勝 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 竹林 昌寛 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 田川 茂太郎 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端板間に平面形状が連続した曲線で構成さ
    れる内壁を有するシリンダと、このシリンダの内壁に対
    向するように設けられた外壁を有し、旋回運動したとき
    前記内壁とこの外壁と前記端板により複数の空間を形成
    するディスプレーサとを備え、かつ前記ディスプレーサ
    の輪郭に沿って存在する前記空間は、交互に吸入行程に
    ある空間と圧縮もしくは吐出行程にある空間となるよう
    に前記シリンダ内壁及び前記ディスプレーサ外壁曲線を
    形成した容積型流体機械において、前記シリンダ及び前
    記ディスプレーサを鉄系焼結材料により形成し、且つ表
    面および空孔壁面に酸化物皮膜を有することを特徴とす
    る容積型流体機械。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1331395A3 (en) * 2002-01-24 2003-09-10 Copeland Corporation Powder metal scrolls
US8955220B2 (en) 2009-03-11 2015-02-17 Emerson Climate Technologies, Inc. Powder metal scrolls and sinter-brazing methods for making the same

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