JPH1136801A - 容積形流体機械 - Google Patents

容積形流体機械

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Publication number
JPH1136801A
JPH1136801A JP19818697A JP19818697A JPH1136801A JP H1136801 A JPH1136801 A JP H1136801A JP 19818697 A JP19818697 A JP 19818697A JP 19818697 A JP19818697 A JP 19818697A JP H1136801 A JPH1136801 A JP H1136801A
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JP
Japan
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displacer
cylinder
fluid machine
suction
discharge
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Application number
JP19818697A
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English (en)
Inventor
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Shiyunichi Mitsuya
俊一 三津谷
Masahiro Takebayashi
昌寛 竹林
Hiroaki Hatake
裕章 畠
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】旋回型流体機械は摺動速度が小さくて低振動と
いった特長があるが、これまで考案されはものはディス
プレーサ摺動部の軸方向及び半径方向の微小すき間を一
定に保持することが難しく、作動流体の内部漏れが増大
し、性能・信頼性が低下するといった問題があった。 【解決手段】ディスプレーサ5内部を貫通し、シリンダ
4の両端開口を閉塞する端板に固定される支持部材12
を配設することにより、ディスプレーサ摺動部の軸方向
及び半径方向の微小すき間を一定に保ち、作動流体の内
部漏れを低減することにより性能及び信頼性の向上を図
った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポンプ、圧
縮機、膨張機等に係り、特に容積形流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】古くから容積形の流体機械として、円筒
状のシリンダ内をピストンが往復運動を繰り返すことに
より作動流体を移動させるレシプロ式流体機械、円筒状
のシリンダ内を円筒状のピストンが偏心回転運動するこ
とにより作動流体を移動させるロータリ式(ローリング
ピストン型)流体機械、端板上に直立した渦巻状のラッ
プを有する一対の固定スクロール及び旋回スクロールを
噛み合わせ、旋回スクロールを旋回運動させることによ
り作動流体を移動させるスクロール式流体機械が知られ
ている。
【0003】レシプロ式流体機械は、その構造が単純で
あることから製作が容易でかつ安価であるという利点が
ある反面、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で180度と短く、吐出過程の流速が速くなるた
め圧力損失の増加による性能低下という問題、及び、ピ
ストンを往復させる運動を必要とするため回転軸系の不
釣合慣性力を完全にバランスさせることができず振動や
騒音が大きいという問題がある。
【0004】また、ロータリ式流体機械は、吸入終了か
ら吐出終了までの行程は回転軸の回転角で360度であ
るため吐出過程の圧力損失が増加するという問題はレシ
プロ式流体機械に比べ少ないものの、軸1回転に1回吐
出するものであるためガス圧縮トルクの変動が比較的大
きくレシプロ式流体機械と同様に振動と騒音の問題があ
る。
【0005】さらに、スクロール式流体機械は、吸入終
了から吐出終了までの行程が回転軸の回転角で360度
以上と長い(空調用として実用化されているものは通常
900度程度)ため吐出過程の圧力損失が小さく、か
つ、一般に複数の作動室が形成されるため1回転中のガ
ス圧縮トルクの変動も小さく振動及び騒音が小さいとい
う利点がある。しかし、ラップ噛み合い状態での渦巻状
のラップ間のクリアランスや、端板とラップ歯先間のク
リアランスの管理が必要で、そのために精度の高い加工
を施さねばならず加工費用が高価になるという問題があ
る。また、吸入終了から吐出終了までの行程が回転軸の
回転角で360度以上と長く、圧縮過程の期間が長けれ
ば長いほど内部漏れが増加するという問題があった。
【0006】ところで、作動流体を移動させるデイスプ
レ−サが作動流体が吸入されたシリンダに対して相対的
に自転運動せずにほぼ一定の半径で公転運動、すなわち
旋回運動することにより作動流体を搬送する容積形機械
の一種が特開昭55−23353号公報(文献1)、米
国特許2112890号公報(文献2)、特開平5−2
02869号公報(文献3)及び特開平6−28075
8号公報(文献4)に提案されている。ここに提案され
ている容積形流体機械は、複数の部材(ベーン)が中心
より放射状に延びている花びら形状を有するピストン
と、このピストンとほぼ相似形の中空部を有するシリン
ダとから構成され、このピストンがこのシリンダ内を旋
回運動することによって、作動流体を移動させるもので
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1乃至文献4
に示された容積形流体機械は、レシプロ式のように往復
運動する部分を持たないため、回転軸系の不釣り合いを
バランスさせることができる。このため振動が小さく、
さらに、ピストンとシリンダ間の相対滑り速度が小さい
ので摩擦損失を比較的少なくできるといった特長を備え
ている。
【0008】しかしながら、ピストンを構成する複数の
ベ−ンとシリンダとによって形成される個々の作動室の
吸入終了から吐出終了までの行程が、回転軸の回転角θ
cで約180度(210度)と短い(ロ−タリ式の約半
分でレシプロ式と同程度)ため、吐出過程における流体
の流速が速くなり圧力損失が増加して性能が低下する問
題がある。また、これら文献に示された流体機械では、
個々の作動室の吸入終了から吐出終了までの回転軸の回
転角が小さく、作動流体の吐出が終了してから次の(圧
縮)行程が始まる(吸入終了)までの時間的なずれ(タ
イムラグ)が存在していることとなり、吸入終了から吐
出終了までの作動室が回転軸周りに偏って形成されるよ
うになるため力学的なバランスが悪く、圧縮された作動
流体からの反力としてピストンに、ピストン自身を回転
させようとする自転モ−メントが過大に作用し、ベ−ン
の摩擦や摩耗といった信頼性上の問題が起こりやすいと
いう欠点がある。
【0009】また、この形式の流体機械では圧縮された
作動流体からの反力としてディスプレーサに、ディスプ
レーサ自身を回転させようとする自転モ−メントが作用
し、ディスプレーサのベ−ンでこのモ−メントを受ける
ようになっているが、上記文献に開示された構造では、
吸入終了から吐出終了までの作動室が駆動軸の片側に集
中しているため、ディスプレーサに働く自転モ−メント
が過大になり、ベ−ンの摩擦や摩耗といった性能・信頼
性上の問題が起こりやすいという欠点があった。
【0010】さらに、このような容積型流体機械におい
て、内部漏れによる効率低下や、機械損失による効率低
下が発生するという問題がある。
【0011】本発明の目的は、上記従来技術に記載され
た容積形流体機械よりも性能を効率を向上させることに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、端板間にデ
ィスプレーサとシリンダとが配置され、前記シリンダ中
心と前記ディスプレーサ中心を合わせたとき前記シリン
ダ内壁面及び前記ディスプレーサ外壁面により1つの空
間が形成され、前記ディスプレーサ及び前記シリンダと
の位置関係を旋回位置においたときは複数の空間が形成
される容積形流体機械において、前記ディスプレ−サに
設けられた貫通穴と、前記端板間をこの貫通穴を介して
固定する部材とを備えることによって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成等を図に示す
実施の形態によって詳細に説明する。図1は、本発明の
一実施の形態に係る旋回型流体機械を圧縮機として用い
た密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、図1のA−A横断
面図、図3は本発明の旋回型流体機械を圧縮機として用
いた場合の作動原理を示す平面図、図4は、図2のC−
C断面に相当する要部拡大断面図、図5は本発明に係る
支持部材の組立説明図、図6は、図5のE−E断面図、
図7は本発明に係る旋回型圧縮要素の組立説明図であ
る。
【0014】図1において、密閉容器3内には、容積形
圧縮要素1及びこれを駆動する電動要素(図3に示す要
素2)が収納されている。容積形圧縮要素1の詳細を説
明する。図2には同様の輪郭形状が3組組み合わされた
3条ラップが示されている。シリンダ4の内周形状は、
中空部が120度(中心o’)毎に同じような形状が表
れるように形成されている。この個々の中空部の端部に
は、内方に向かって突出する複数(この場合は3条ラッ
プであるので3つ存在する)のベ−ン4bを有する。デ
ィスプレーサ(旋回ピストンとも云う)5は、このシリ
ンダ4の内側に配設されシリンダ4の内周壁4a(ベー
ン4bよりも曲率が大きい部分)及びベ−ン4bと噛み
合うように互いの中心をεだけずらして構成されてい
る。尚、シリンダ4の中心o’とディスプレーサ5の中
心oを一致させると、両者の輪郭形状の間には一定幅の
隙間が形成される様に構成される。
【0015】次に、容積形圧縮要素1の作動原理を図2
及び図3により説明する。記号oはディスプレーサ5の
中心、記号o’はシリンダ4(あるいは回転軸6)の中
心である。記号a,b,c,d,e,f,gはシリンダ
4の内周壁4a及びベ−ン4bとディスプレーサ5の噛
み合いの接点を表す。ここで、シリンダ4の内周輪郭形
状をみると、同じ曲線の組合せが3箇所連続して滑らか
に接続されている。このうちの1箇所に着目すると、内
周壁4a、ベ−ン4bを形作る曲線を、厚みのある一つ
の渦曲線(ベーン4bの先端を渦の巻始めと考える)と
みることができ、その内壁曲線(g−a)は、曲線を構
成する各円弧角の合計である巻き角がほぼ360度(設
計思想は360度であるが製造誤差のため丁度その値に
はならないという意味である。以下、同様。尚、この巻
き角については詳細を後述する)の渦曲線で、外壁曲線
(g−b)も巻き角がほぼ360度の渦曲線である。こ
のように、上記1箇所の内周輪郭形状は、内壁曲線及び
外壁曲線から形成されている。これら2つの曲線円周上
にほぼ等ピッチ(3条ラップであるので120度)に配
設し、隣合う渦巻体の外壁曲線と内壁曲線とは円弧等の
滑らかな接続曲線(b−b’)で結ぶことによって、シ
リンダ4の内周輪郭形状全体が構成されている。ディス
プレーサ5の外周輪郭形状も上記シリンダ4と同じ原理
で構成されている。
【0016】なお、3つの曲線からなる渦巻体を円周上
にほぼ等ピッチ(120度)に配設するとしたが、これ
は後述する圧縮動作に伴う荷重を均等に分散させる目的
と製造のし易さを配慮したためで、特に、これらのこと
が問題にならない場合は、不等ピッチでもよい。
【0017】さて、このように構成されたシリンダ4と
ディスプレーサ5による圧縮動作を図3を用いて説明す
る。9は吸入ポートであり、10は吐出ポートであり、
夫々3か所対応する端板に設けられている。回転軸6を
回転させることにより、ディスプレーサ5が固定側であ
るシリンダ4の中心o’の周りを自転することなしに旋
回半径ε(=oo’)で公転運動し、ディスプレーサ5
の中心o周りに複数の圧縮作動室が形成される。この圧
縮作動室は,シリンダ内周輪郭(内壁)とディスプレー
サ5の外周輪郭(側壁)とにより囲まれて密閉された複
数の空間のうち、吸入が終了し圧縮(吐出)行程となっ
ている空間をいう。すなわち吸入終了から吐出終了まで
の期間となっている空間である。前述の巻角が360度
の場合に限ると、圧縮終了時点ではこの空間は無くなる
が、その瞬間に吸入も終了するのでこの空間を1つと勘
定する。但し、ポンプとして用いる場合は、吐出ポート
を介して外部と連通している空間をいう。なお,本実施
の形態の形態では常時3個の圧縮作動室が形成される。
【0018】接点aと接点bで囲まれハッチングが施さ
れた1つの圧縮作動室18に着目して説明する。この圧
縮作動室18は,吸入終了時点では2つに別れている
が、圧縮行程が開始されると直ぐにこの2つの作動室は
つながって1つになる空間である。図2(1)が吸入ポ
−ト9からこの作動室への作動ガスの吸入が終了した状
態である。この状態から90度回転軸6が回転した状態
が図3(2)で、回転が進み最初から180度回転した
状態が図3(3)で、さらに回転が進み最初から270
度回転した状態が図3(4)である。図3(4)から9
0度回転すると最初の図3(1)の状態に戻る。これよ
り、回転が進むに従って作動室18はその容積を縮少
し、吐出ポ−ト10は吐出弁11(図1に示す)で閉じ
られているため作動流体の圧縮作用が行われることにな
る。そして、作動室18内の圧力が外部の吐出圧力より
も高くなると圧力差で吐出弁11が自動的に開き、圧縮
された作動ガスは吐出ポ−ト9を通って吐き出される。
吸入終了(圧縮開始)から、吐出終了までの回転軸の回
転角は360度で、圧縮、吐出の各行程が実施されてい
る間に次の吸入行程が準備されており、吐出終了時が次
の圧縮開始となる。例えば、接点aとdによって形成さ
れる空間に着目すると、図3(1)の段階で既に吸入ポ
ート9から吸入が開始されており、回転が進むにつれて
その容積が増し、図3(4)の状態になると、この空間
は分断される。この分断された量に相当する流体は接点
bとeによって形成される空間から補われる。
【0019】この補われ方について詳述する。図3
(1)の状態の接点aとbとにより形成された作動室の
隣の接点aとdによって形成された空間は吸入が始まっ
ている。この空間は、一旦図3(3)に示されるように
広がった後、図3(4)になると接点dによって分断さ
れてる。従って、接点aとdによって形成された空間の
全ての流体が接点aとbによって形成される空間で圧縮
される訳ではない。分断されて接点aとdによって形成
された空間に取り込まれなかった流体体積と同量の流体
は、図3(4)において吸入過程にある接点bとeによ
って形成される空間が、図3(1)に示されるように接
点bによって分断されて、吐出ポート付近の接点eと接
点bとにより形成される空間に流入している流体によっ
て充当される。これは、前述したように、各ラップを均
等ピッチで配置したことによる。即ち、ディスプレーサ
およびシリンダの形状が同一輪郭形状の繰返しにより形
成されているため、いずれの作動室も異なる空間から流
体を得てもほぼ同量の流体を圧縮することができるので
ある。なお、不均等ピッチであっても各空間に形成され
る容積が等しくなるように加工を施すことは可能である
が製作性が悪い。前出のいずれの従来技術においても吸
込過程にある空間が閉じられて内部の流体がそのまま圧
縮され吐出されるのに対して、このように作動室に隣合
う吸入過程にある空間が分断されて圧縮動作を行うこと
は本実施形態の特徴の一つでである。
【0020】以上説明したように、連続的な圧縮動作と
なる作動室がディスプレーサ5の中心部に位置する回転
軸6のクランク部6aの周りにほぼ等ピッチで分散して
配設され、各作動室は各々位相がずれて圧縮が行われ
る。すなわち、一つの空間に着目すると吸入から吐出ま
では回転軸の回転角で360度ではあるが、本実施形態
の場合3個の作動室が形成され、これらが120度ずれ
た位相で吐出をするので、流体である気体を圧縮する圧
縮機として動作させた場合、回転軸の回転角で360度
間に3回圧縮気体を吐出することになる。
【0021】さて、圧縮動作を終了した瞬間の空間(接
点aとbによって囲まれた空間)を一つの空間として見
做すと、本実施形態の如く巻角が360度の場合、いず
れの圧縮機動作状態においても、吸入行程となっている
空間と圧縮行程となっている空間とが交互になるように
設計されており、このため、圧縮行程が終了した瞬間直
ちに次の圧縮行程に移行することができ、滑らかで連続
的に流体を圧縮することができる。
【0022】次に、このような形状をした容積形圧縮要
素1を組み込んだ圧縮機を図1を用いて説明する。図1
において、容積形圧縮要素1は、上記詳述したシリンダ
4及びディスプレーサ5に加えて、ディスプレーサ5の
中心部の軸受にクランク部6aが嵌合してディスプレー
サ5を駆動する回転軸6、前記シリンダ4の両端開口部
を閉塞する端板と回転軸6を軸支する軸受を兼ねた主軸
受部材7と副軸受部材8、前記主軸受部材7の端板に形
成された吸入ポ−ト9、前記副軸受部材8の端板に形成
された吐出ポ−ト10、この吐出ポ−ト10を差圧で開
閉する吐出弁11を有する。但し吐出弁11はリ−ド弁
形式でもよい。一方、回転軸6もしくはこれを回転可能
に軸支する軸受部材の表面は摺動による摩擦損失の低減
を図って表面処理がなされている。また,回転軸6と各
軸受部材7,8との間にはこれらと材質の異なる軸受部
品を介在することもできる。さらに,回転軸6とディス
プレーサ5との嵌合部も前記と同じように構成してい
る。5bはディスプレーサ5に形成された貫通穴で、貫
通孔5b内には円筒形状の支持部材12が支持部材固定
ボルト13によりフレ−ム7とシリンダヘッド8の端板
面に締付け固定されている。
【0023】また、14は副軸受部材8に一体的に吐出
室8aを形成するための吐出カバ−である。20は圧縮
要素の組立てボルトである。
【0024】電動要素2は、固定子2aと回転子2bか
らなり、回転子2bは回転軸6に焼き嵌め等で固定され
ている。この電動要素2は、電動機効率向上のため、ブ
ラシレスモータで構成され、3相インバータにより駆動
制御される。ただし、2は他の電動機形式、例えば、直
流電動機や誘導電動機でも差し支えない。
【0025】15は密閉容器3の内の底部に溜められた
潤滑油で、この中に回転軸6の下端部が浸かっている。
16は吸入パイプ、17は吐出パイプ、18はシリンダ
4の内周壁4a及びベ−ン4bとディスプレーサ5の噛
み合いによって形成される前述した作動室である。ま
た、吐出室8aはOリング等のシ−ル部材19により密
閉容器3内の圧力と区画されている。
【0026】本実施形態における容積形流体機械を空調
用圧縮機として利用した場合、その作動ガス(冷媒ガ
ス)の流れを図1により説明する。図中に矢印で示すよ
うに、吸入パイプ16を通って密閉容器3に入った作動
ガスは、密閉容器3内に入り吸入ポ−ト9を通って容積
形圧縮要素1に入り、ここで回転軸6の回転によってデ
ィスプレーサ5が旋回運動を行い作動室の容積が縮少す
ることにより圧縮される。圧縮された作動ガスは、副軸
受部材8の端板に形成された吐出ポ−ト10を通り吐出
弁11(11aは弁を押さえるためのストッパである)
を押し上げて吐出室8a内に入り、吐出パイプ17を通
って外部に流出する。尚、密閉容器3内に吸入された作
動ガスを入れる理由は、密閉容器3内の圧力を低く保つ
ためと作動ガスを電動機要素2内にも流通させることに
よって電動機要素を冷却するためである。
【0027】内部に溜められた潤滑油15は、遠心ポン
プ給油によって底部から回転軸6内部に設けられた給油
穴6bを通って、軸受等の各摺動部に送られ潤滑する。
この一部は作動室内部にもディスプレーサと端板間の隙
間を通って供給される。
【0028】次に前述の巻き角と吸入終了から吐出終了
までの回転軸の回転角θcとの関係について説明する。
前述の1実施形態では巻き角を360度として説明した
が、巻き角を変えることによって回転軸の回転角θcを
変えることも可能である。例えば、図2では、巻き角が
360度であるので、吸入終了から吐出終了までの回転
軸の回転角θcが360度で元の状態に戻る。この巻き
角を360度よりも小さくすることによって吸入終了か
ら吐出終了までの回転軸の回転角θcを小さくする場
合、吐出ポートと吸入ポートが連通する状態が生じ、吐
出ポート内の流体の膨張作用で一旦吸入された流体が逆
流するといった問題が起こる。巻き角を360度よりも
大きくすると回転軸の回転角も360度より大きくな
り、吸入終了から吐出ポートのある空間に連通するまで
の間に大きさの異なるの2つの作動室が形成される。こ
れを圧縮機として用いたとき、これら2つの作動室の圧
力上昇が各々異なるために両者合流時に不可逆的な混合
ロスが生じ、圧縮動力の増加になる。また、液体ポンプ
として用いようとしても、吐出ポートに連通しない作動
室が形成されることからポンプとしては適用しにくくな
る。このため、巻き角は許容される精度の範囲内におい
て極力360度が望ましいといえる。
【0029】前述の特開昭55−23353号公報(文
献1)に記載の流体機械における圧縮行程の回転軸の回
転角θcは、θc=180度であり、特開平5−202
869号公報(文献3)及び特開平6−280758号
公報(文献4)に記載の流体機械における圧縮行程の回
転軸の回転角θcは、θc=210度である。作動流体
の吐出が終了してから次の圧縮行程が始まる(吸入終
了)までの期間は、文献1においては回転軸の回転角θ
cで180度、文献3及び文献4においては150度で
ある。
【0030】圧縮行程の回転軸の回転角θcが210度
の場合における軸の1回転中の各作動室(符号I、II、I
II、IVで示す)の圧縮行程線図を図20(a)に示す。
但し、条数N=4である。回転軸の回転角θcが360
度内には4個の作動室が形成されるが、ある角度におい
て同時に形成される作動室数nは、n=2あるいは3と
なっている。同時に形成される作動室数の最大値は条数
よりも少ない3である。
【0031】同様に条数N=3であり圧縮行程の回転軸
の回転角θcが210度の場合を図21(a)に示す。
この場合も同時に形成される作動室数nは、n=1ある
いは2であり、同時に形成される作動室数の最大値は条
数よりも少ない2である。
【0032】このような状態では、作動室が回転軸の周
りに偏って形成されるため、力学的アンバランスが発生
し、ディスプレーサに働く自転モーメントが過大にな
り、ディスプレーサとシリンダとの接触荷重が増大し機
械摩擦損失の増加による性能低下やベーンの摩耗による
信頼性低下の問題がある。
【0033】この問題を解決するため、本実施の形態で
は、吸入終了から吐出終了までの(圧縮行程という場合
有り)回転軸の回転角θcが、(((N−1)/N)・
360)<θc≦360 (度)(数1)を満たす
ように、ディスプレーサの外周輪郭形状及びシリンダの
内周輪郭形状を形成している。換言すると、前述の巻き
角が数式1の範囲になっている。図20(b)を参照す
ると、圧縮行程の回転軸の回転角θcが、270度より
大きくなっており、同時に形成される作動室数nは、n
=3あるいは4となり、作動室数の最大値は4である。
この値は、条数N(=4)に一致する。また、図21
(b)では、圧縮行程の回転軸の回転角θcが、240
度より大きくなっており、同時に形成される作動室数n
は、n=2あるいは3となり、作動室数の最大値は3で
ある。この値は、条数N(=3)と一致する。
【0034】このように圧縮行程の回転軸の回転角θc
の下限値を数式1の左辺の値よりも大きくすることによ
り、作動室数の最大値が条数N以上となり、作動室が回
転軸の周りに分散して配置されるようになるため、力学
的なバランスがよくなり、ディスプレーサに働く自転モ
ーメントが低減され、ディスプレーサとシリンダとの接
触荷重も低減され機械摩擦損失の低減による性能向上と
共に接触部の信頼性を向上することができる。
【0035】一方、圧縮行程の回転軸の回転角θcの上
限は数式1によると360度となっている。この圧縮行
程の回転軸の回転角θcの上限は360度である。前述
したように、作動流体の吐出が終了してから次の圧縮行
程が始まる(吸入終了)までのタイムラグを0にするこ
とができ、θc<360度の場合に起こる隙間容積内の
ガスの再膨張による吸入効率の低下を防止することがで
きると共に、θc>360度の場合に起こる2つの作動
室の圧力上昇が異なるために両者合流時に発生する不可
逆的な混合ロスを防止することができる。後者について
図22を用いて説明する。
【0036】圧縮行程が回転軸の回転角θcで375度
となる容積形流体機械を図22に示す。図22(a)
は、図中2つの作動室15aと15bの吸入が終了した
状態である。このとき2つの作動室15aと15bの圧
力は吸入圧力Psで両者等しくなっている。吐出口8a
は作動室15aと15bの間に位置しており、両作動室
とは連通していない。この状態から回転軸の回転角θc
で15度回転が進んだ状態を図11(b)に示す。吐出
口8aと両作動室15aと15bが連通する直前の状態
である。このとき作動室15aの容積は図22(a)の
吸入終了時よりも小さく圧縮が進行しており圧力も吸入
圧力Psよりも高い圧力になっている。これに対して、
作動室15bの容積は逆に吸入終了時よりも大きくなっ
ており、膨張作用により圧力も吸入圧力Psよりも低く
なっている。次の瞬間作動室15aと15bが合体(連
通)する際に、図22(c)に矢印で示すような不可逆
的な混合が起こり、圧縮動力の増加による性能低下が発
生することとなる。従って、圧縮行程の回転軸の回転角
θcの上限は360度が望ましい状態である。
【0037】図23は文献3若しくは文献4に記載され
た容積形流体機械の圧縮要素であり、(a)が平面図
(b)が側面図である。条数Nは3であり、圧縮行程の
回転軸の回転角θcは210度である。この図におい
て、作動室数nは図21(a)に示したようにn=1あ
るいは2となる。この図は回転軸の回転角θが0度の状
態を示しており、作動室数nは2である。本図から明ら
かなように、ディスプレーサの外周輪郭形状とシリンダ
の内周輪郭形状とにより形成される空間の内右側の空間
は作動室となってなく、吸入口7aと吐出口8aが連通
している。このため、吐出口8aの隙間容積内ガスの再
膨張により一旦吸入口7aからシリンダ4内に流入した
ガスが逆流し、吸入効率が低下する問題がある。
【0038】ところで、図23に示した容積形流体機械
の圧縮行程の回転軸の回転角θcを、本実施の形態の考
え方を用いて拡大する場合を考える。圧縮行程の回転軸
の回転角θcを拡大するためには2点鎖線で図示するよ
うにシリンダ4の輪郭曲線の巻角を大きくしなければな
らないが、図示の如くベーン4bの厚さが極端に薄くな
り、作動室数nの最大値が条数N(N=3)以上となる
ように圧縮行程の回転軸の回転角θcを240度より大
きくすることは困難である。
【0039】図24に図23に示された容積形流体機械
と同一行程容積(吸入容積)、同一外径寸法、同一旋回
半径の容積形流体機械の圧縮要素の実施形態の一例を示
す。この図24に示された圧縮要素の圧縮行程の回転軸
の回転角θcは240度より大きい360度を実現して
いる。これは、図23に示された圧縮要素では、作動室
を形成するシール点間が滑らかな曲線によって構成され
ているため、例え、本実施の形態の考え方に基づいて圧
縮行程の回転軸の回転角θcを拡大しようとしても最大
で240度が限界であるが、図24に示された本実施の
形態による圧縮要素では、シール点間(a−c)が滑ら
かではなく(一様の曲線ではなく)接点b付近の形状が
ディスプレーサから見て突出するように形成され、ディ
スプレーサの各条が中心部から先端部に向かう途中にく
びれ部が存在している。これらは図1に示した実施の形
態についても云えることである。これらの形状により、
接点aから接点bまでの巻き角を240度より大きい3
60度とすることができ、接点bから接点cまでの巻き
角を240度より大きい360度とすることができる。
この結果、圧縮行程の回転軸の回転角θcを240度よ
り大きな360度とすることができ、作動室数nの最大
値を条数N以上とすることができる。このため、作動室
が分散配置され自転モーメントを小さくすることができ
る。
【0040】容積形流体機械で高効率を達成するために
は、流体損失及び機械摩擦損失を低減させるとともに、
作動室を構成するシリンダとディスプレーサの摺動部の
すき間をできるだけ小さく保ち、作動流体の内部漏れを
低減することも重要となる。特に、ディスプレーサが比
較的偏平な形状となる旋回型流体機械では、シリンダ内
外の圧力差によりシリンダの両端部を閉塞している端板
の変形が生じ易く、ディスプレーサとこの端板間のすき
間(軸方向すき間)が大きくなると漏れ損失が増加(特
に、低圧チャンバの場合は端板が膨らみやすい)し、逆
に小さ過ぎる場合(高圧チャンバの場合は端板が潰され
やすい)には接触により機械摩擦損失が増加するためこ
のすき間を一定に保つことが重要となる。
【0041】また、前記したディスプレーサに働く自転
モ−メントによりディスプレーサに僅かに回転が生じる
とシリンダとディスプレーサ間のすき間(半径方向すき
間)も変化するため、この自転モ−メントを効果的に支
持し、半径方向すき間を一定に保つことも高効率化を図
る上では重要となる。
【0042】ディスプレーサと端板間のすき間(軸方向
すき間)を一定に保つ方法を、図4の要部拡大断面図に
より説明する。図において、旋回ピストン5の貫通孔5
b内に配設された支持部材12は、支持部材固定ボルト
13によってシリンダヘッド8とフレ−ム7の端板間に
ねじ締め固定されている。支持部材固定ボルト13の一
方は吐出弁11及びストッパ11aの固定も兼ねてい
る。ここで、支持部材12の高さ寸法はシリンダ4と略
同一の寸法Hにしており、旋回ピストン5の高さ寸法h
はこの寸法Hより僅かに(約10μm程度)小さな値に
設定されている。上記構成により、シリンダヘッド8と
フレ−ム7の端板の剛性が高くなるため、端板の板厚を
厚くすることなしに圧縮要素内外の圧力差(密閉容器3
内を低圧とするいわゆる低圧チャンバ方式であるため、
圧縮要素1内が高圧となり、この差圧によって圧縮要素
1が膨張傾向になる)による両端板の変形が防止され、
旋回ピストン5とこの端板間のすき間δ(軸方向すき
間)を非常に小さな値(約5μm)に一定に保つことが
可能になる。このため、作動流体の内部漏れを低減し性
能向上が図れる旋回形流体機械を提供することができる
とともに圧縮要素の軽量化も図れる。
【0043】図5〜図7により、本実施の形態における
支持部材12の固定方法及び圧縮要素の組立方法を説明
する。図5において、21はボルトの締め付け工具、2
2は支持部材12を端板面に固定するための位置決め治
具、23は組立てのベ−スである。図6において、位置
決め治具22は、外径寸法D、内径寸法dの同心のリン
グ形状をしており、両者の寸法差(D−d)がほぼ旋回
半径εの2倍になっている。これは、実際にディスプレ
ーサを旋回運動させたとき貫通穴5b内壁面に支持部材
12が当接するようにすることで自転防止を図るためで
ある。図5に戻って、支持部材12の組み込みは、ベ−
ス23上に置かれたリング状の位置決め治具22の外径
部に旋回ピストン5の貫通孔5bを嵌め込んで取付け、
次に、位置決め治具22の内径部に支持部材12を挿入
し、シリンダヘッド8に吐出弁11及びストッパ11a
を取り付けた状態で支持部材固定ボルト13を締め付け
工具21により支持部材12にねじ締め付けることによ
って行なわれる。このようにディスプレーサ5の中心部
の駆動軸受5a周りに形成された複数の貫通孔5bを基
準にして、前記ディスプレーサ5の自転支持部材12を
端板に固定することにより、支持部材12の位置決めが
簡単に実現できる。
【0044】圧縮要素の組立は、図7に示すように、ベ
−ス23上に置いたフレ−ム7に駆動軸6を挿入し、こ
の駆動軸6のクランク部6aに旋回ピストン5を取付
け、シリンダ4、副軸受(シリンダヘッドともいう)
8、吐出カバ−14等の部品を順次組付け、最後に駆動
軸6をモ−タ等で回転させた状態で組立てボルト20及
び片(下)側の支持部材固定ボルト13を締め付け工具2
1でねじ締めすることによりに行なわれる(モ−タ等の
回転トルクが最も小さくなる状態でねじ締結される)。
以上により、旋回ピストンの自転支持機構を有する旋回
型流体機械の簡易な組立て方法を提供することができ
る。
【0045】本実施の形態によれば、貫通穴を介して端
板間を固定するので、より中心に近いところで支持する
ことができ、低圧チャンバのように端板が膨張傾向にあ
っても十分変形を抑制することができる。
【0046】なお、本実施の形態では、密閉容器3内の
圧力が低圧(吸入圧力)タイプの密閉型圧縮機について
説明したが、低圧タイプにすることにより以下のような
利点がある。
【0047】(1)圧縮された高温の作動ガスによる電
動要素2の加熱が少ないため、固定子2a、回転子2b
の温度が低下し、モ−タ効率が向上して性能向上が図れ
る。
【0048】(2)フロン等の冷媒に見られるように潤
滑油15と相溶性のある作動流体では、圧力が低いため
潤滑油15中に溶解する作動ガスの割合が少なくなり、
軸受等での油の発泡現象が起こりにくく、信頼性が向上
できる。
【0049】(3)密閉容器3の耐圧を低くでき、薄肉
・軽量化が図れる。
【0050】次に、他の実施の形態として密閉容器3内
の圧力が高圧(吐出圧力)タイプのものについて説明す
る。図8は、旋回型流体機械を圧縮機として用いた高圧
タイプの密閉型圧縮機の縦断面図で図9のG−G断面に
相当、図9は、図8のF−F矢視で平面図、図10は、
図8の要部拡大断面図である。
【0051】図において、前述の図1〜図4と同一符号
を付したものは同一部品であり、同一の作用をなす。8
bは吸入カバ−24によってシリンダヘッド8に一体的
に形成された吸入室で、シ−ル部材19によって密閉容
器3内の圧力(吐出圧力)と区画されている。7aは吐
出カバ−14により主軸受(フレ−ムとも云う)7に一
体的に形成された吐出室である。旋回型圧縮要素1の作
動原理等は前述した低圧(吸入圧力)タイプと同様であ
る。
【0052】作動ガスの流れは図中に矢印で示すよう
に、吸入パイプ16を通って吸入室8bに入った作動ガ
スは、シリンダヘッド8の端板に形成された吸入ポ−ト
9を通って旋回型圧縮要素1に入り、ここで駆動軸6の
回転によって旋回ピストン5が旋回運動を行い作動室1
8の容積が縮少することにより圧縮される。圧縮された
作動ガスは、フレ−ム7の端板に形成された吐出ポ−ト
10を通り吐出弁11を押し上げて吐出室7a内に入
り、次いで密閉容器3内に入り、この密閉容器3に接続
された吐出パイプ17より外部に流出する。
【0053】このような高圧タイプの利点は、潤滑油1
5が高圧雰囲気中にあることから、駆動軸6の回転によ
る遠心ポンプ作用等によって各軸受摺動部に給油された
潤滑油15がディスプレーサ5の端面の隙間等を通って
シリンダ4内に供給され易くなり、作動室18のシ−ル
性及び摺動部の潤滑性を向上できる点にある。また、こ
の実施の形態では、図10に示すように支持部材12は
組立ボルト20と同様に貫通タイプの支持部材固定ボル
ト13により固定されており、ディスプレーサ5の貫通
穴5b自身を支持部材12の位置決め治具として使用す
るため、圧縮要素の組立性がより簡略化される。
【0054】本実施形態によれば、高圧チャンバのた
め、端板間が圧力によって押圧されてもディスプレーサ
の貫通穴を介して固定されているので、この押圧力によ
っても潰されることを抑制することができる。
【0055】図11は、他の実施の形態である支持部材
構造を示す要部拡大断面図である。この実施の形態では
ディスプレーサ5の貫通孔5b内にディスプレーサ5と
は別種の耐摩耗材料でできたブシュ5cが圧入等で固定
されている。これにより、ディスプレーサ5の材料にア
ルミニウム合金やポリフェニレンサルファイド(PP
S)等のエンジニアリングプラスチック材料を用いるこ
とが可能となり、ディスプレーサ5の加工性が向上し、
コスト低減を図ることができるとともに圧縮機の軽量化
にも寄与することができる。
【0056】図12は、他の実施の形態に係る支持部材
構造を示す要部拡大断面図、図13は、図12のJ−J
横断面図である。この実施の形態では支持部材12の外
側に内径d1、外径d2の円筒状リング25が自転自由
に嵌合されている。ディスプレーサ5の貫通孔5bの内
径Dとリング25の外径d2との寸法差(D−d2)は
ほぼ旋回半径εの2倍になっている。リング25が支持
部材12に自転自由に嵌合されているため、リング25
と貫通孔5bの接点での摺動速度が小さくなり、ディス
プレーサ5に作用する自転モ−メントを支持するための
機械摩擦損失を低減することができる。
【0057】図14は、他の実施の形態による支持部材
構造を示す要部拡大断面図である。この実施の形態では
段付き丸棒状の支持部材26がフレ−ム7とシリンダヘ
ッド8に圧入等で固定されているため、締め付けボルト
が不要になり、組立が簡略化されるという効果を奏す
る。
【0058】図15は、支持部材を潤滑する構造を示す
要部拡大断面図である。上述した実施の形態にも適用し
うる。図15において、26aは棒状支持部材26の内
部に形成された給油穴、7bはフレ−ム7に形成された
給油通路で、棒状支持部材26がフレ−ム7に圧入固定
された状態で両者が連通するようになっている。これに
より、駆動軸6の軸受摺動部に供給された潤滑油の一部
が給油通路7b及び給油穴26aを通って、支持部材2
6と貫通孔5bとの摺動部に供給されるため、潤滑性が
改善され信頼性をより向上することができる。
【0059】本発明の旋回型流体機械を用いた圧縮機で
は機器の仕様や用途あるいは生産設備等に応じて低圧タ
イプ、高圧タイプどちらでも選択することが可能とな
り、設計の自由度が大幅に拡大する。
【0060】以上、シリンダ4の内周に3箇所のベ−ン
4bをもつ旋回型流体機械について説明してきたが、本
発明はこれに限定されるものではなく、ベ−ン4bの数
が2個以上N個の旋回型流体機械に拡張することができ
る(Nの値の上限は実用上は8〜10以下となる)。図
16,図17は、本発明の他の実施の形態に係る旋回型
流体機械の圧縮要素を示し、図16はN=2の場合、図
17はN=4の場合である。これらの旋回型圧縮要素1
の基本的な作動原理は図3に示したものと同様であり、
説明は省略する。
【0061】このようにベ−ンの数Nが実用できる範囲
でしだいに多くなるにしたがって以下のような利点があ
る。
【0062】(1)トルク変動が小さくなり、振動・騒
音が低減される。
【0063】(2)シリンダが同一外径で比較した場
合、同じ吸入容積Vsを確保するためのシリンダ高さが
低くなり、圧縮要素の寸法を小型化できる。
【0064】(3)ディスプレーサに働く自転モ−メン
トが小さくなるため、ディスプレーサとシリンダの摺動
部の機械摩擦損失を低減できるとともに信頼性を向上で
きる。
【0065】(4)吸入・吐出配管内の圧力脈動が小さ
くなり、一層の低振動、低騒音化を図ることができる。
これにより、医療用や産業用等で要求のある無脈流の流
体機械(圧縮機、ポンプ等)を実現できる。
【0066】図16は、本発明の別の実施の形態に係る
旋回型流体機械の平面図で、作動室が2個の場合であ
る。図において、図1、図2と同一符号を付したものは
同一部品であり、同一の作用をなす。ガス圧縮による軸
トルクの変動をある程度許容できるものでは、本実施の
形態のように作動室18の数を減らし、構造を簡略化し
てコスト低減を図ることができる。また、この実施の形
態では、作動室18の数は2個だがディスプレーサ5の
貫通孔5b内に配設された支持部材12の数は4個と多
くなっている。このように支持部材12の数が多くなる
ほど、ディスプレーサ5に作用する自転モ−メントを支
持部材12でなめらかに支持することができるため、振
動を低減することができるとともに、支持部材12の貫
通孔5bとの接触部の信頼性の向上を図ることができ
る。
【0067】図17は、本発明のさらに別の実施の形態
に係る旋回型流体機械の平面図で、作動室が4個の場合
である。これまで説明した実施の形態では支持部材12
の輪郭形状はいずれも円だったが、本発明はこれに限定
されるものではない。支持部材12の輪郭形状は、貫通
孔5bと相似の外形輪郭形状で両者間の最大空隙長が旋
回半径εの2倍となるようならどんな形状でもかまわな
い。図17に示したの実施の形態では、長円形状の支持
部材12とし、ディスプレーサ5に作用する自転モ−メ
ントをこれまでの線から面で支持する状態も可能にな
り、接触面圧を低下させて貫通孔5bとの摺動部の信頼
性を向上することができる。
【0068】以上説明した容積形流体機械を空調システ
ムに適用した実施の形態を図18に示す。このサイクル
は冷暖房が可能なヒ−トポンプサイクルで、前述の図8
で説明した本発明の旋回型圧縮機30、室外熱交換器3
1とそのファン31a、膨張弁32、室内熱交換器33
とそのファン33a、4方弁34を備えている。一点鎖
線35は室外ユニット、36は室内ユニットである。
【0069】旋回型圧縮機30は、図3において作動原
理図に示したように動作し、圧縮機を起動することによ
りシリンダ4とディスプレーサ5間で作動流体(例えば
フロンHCFC22、R407C若しくはR410A
等)の圧縮作用が行われる。
【0070】冷房運転の場合、圧縮された高温・高圧の
作動ガスは破線矢印で示すように吐出パイプ17から4
方弁34を通り室外熱交換器31に流入して、ファン3
1aの送風作用で放熱、液化し、膨張弁32で絞られ、
断熱膨張して低温・低圧となり、室内熱交換器33で室
内の熱を吸熱してガス化された後、吸入パイプ16を経
て旋回型圧縮機30に吸入される。
【0071】一方、暖房運転の場合は、実線矢印で示す
ように冷房運転とは逆に流れ、圧縮された高温・高圧の
作動ガスは吐出パイプ17から4方弁34を通り室内熱
交換器33に流入して、ファン33aの送風作用で室内
に放熱して、液化し、膨張弁32で絞られ、断熱膨張し
て低温・低圧となり、室外熱交換器33で外気から熱を
吸熱してガス化された後、吸入パイプ16を経て旋回型
圧縮機30に吸入される。
【0072】図19に、冷凍(冷房)専用のサイクルに
本発明に係る旋回型圧縮機を搭載した冷凍システムを示
す。旋回型圧縮機30を起動することによりシリンダ4
とディスプレーサ5間で作動流体の圧縮作用が行われ、
圧縮された高温・高圧の作動ガスは実線矢印で示すよう
に吐出パイプ17から凝縮器37に流入して、ファン3
7aの送風作用で放熱、液化し、膨張弁38で絞られ、
断熱膨張して低温・低圧となり、蒸発器ファン39aの
送風作用により蒸発器39で吸熱ガス化された後、吸入
パイプ16を経て旋回型圧縮機30に吸入される。ここ
に、図18、図19に示す実施の形態はともに本発明の
旋回型圧縮機を搭載しているので、エネルギ効率に優
れ、低振動・低騒音で信頼性の高い冷凍・空調システム
が得られる。なお、ここでは旋回型圧縮機30として高
圧タイプを例にあげて説明したが、低圧タイプでも同様
に機能し、同様の効果を奏することができる。
【0073】これまでに述べた実施の形態では、旋回型
流体機械として圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明
はこれ以外にポンプ、膨張機、動力機械等にも応用する
ことができる。また、本発明では運動形態として、一方
(シリンダ側)が固定しもう一方(ディスプレーサ)が
ほぼ一定の旋回半径で自転せずに公転運動を行う形式と
したが、相対的に上記の運動と等価な運動形態となる両
回転式の旋回型流体機械にも適用することができる。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、ディスプレーサ内部を貫通し、シリンダの両端開
口を閉塞する端板に固定される支持部材を配設する構成
により、ディスプレーサ摺動部のすき間を一定に保ち、
作動流体の内部漏れを低減することにより性能向上が図
れ、かつ信頼性の高い旋回型流体機械が得られる。ま
た、このような旋回型流体機械を冷凍サイクルに搭載す
ることにより、エネルギ効率に優れ、信頼性の高い冷凍
・空調システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る旋回型流体機械を
圧縮機に適用した密閉型圧縮機の縦断面図(図2のB−
B断面に相当)。
【図2】図1のA−A平面図。
【図3】本発明に係る旋回型流体機械の作動原理説明
図。
【図4】図2のC−C断面に相当する要部拡大断面図。
【図5】本発明に係る旋回型流体機械の支持部材組立て
説明図。
【図6】図5のE−E断面図。
【図7】本発明に係る旋回型流体機械の圧縮要素組立て
説明図。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る密閉型圧縮機の
縦断面図(図9のG−G断面に相当)。
【図9】図8のF−F平面図。
【図10】図8の要部拡大断面図。
【図11】本発明に係る他の支持部材構造を示す要部拡
大断面図。
【図12】本発明に係るもう一つ他の支持部材構造を示
す要部拡大断面図。
【図13】図12のJ−J横断面図。
【図14】本発明に係る別の支持部材構造を示す要部拡
大断面図。
【図15】本発明に係るもう一つ別の支持部材構造を示
す要部拡大断面図。
【図16】本発明の別の実施の形態に係る作動室が2個
の場合の旋回型流体機械の平面図。
【図17】本発明のもう一つ別の実施の形態に係る作動
室が4個の場合の旋回型流体機械の平面図。
【図18】本発明の旋回型圧縮機を適用した空調システ
ム。
【図19】本発明の旋回型圧縮機を適用した冷凍システ
ム。
【図20】4条ラップにおける回転軸の回転角と作動室
の関係を示す図。
【図21】3条ラップにおける回転軸の回転角と作動室
の関係を示す図。
【図22】圧縮要素の巻角が360度より大きい場合の
動作説明図。
【図23】圧縮要素の巻角の拡大を説明する図。
【図24】図1に示した容積形流体機械の変形例。
【符号の説明】
1……旋回型圧縮要素、2……電動要素、3……密閉容
器、4……シリンダ、4a……内周壁、4b……ベ−
ン、5……ディスプレーサ、5a……軸受、5b……貫
通穴、6……駆動軸、6a……クランク部、6b……給
油穴、7……フレ−ム、7a……吐出室、7b……給油
通路、8……シリンダヘッド、8a……吐出室、8b…
…吸入室、9……吸入ポ−ト、10……吐出ポ−ト、1
1……吐出弁、12……支持部材、13……支持部材固
定ボルト、14……吐出カバ−、15……潤滑油、16
……吸入パイプ、17……吐出パイプ、18……作動
室、19……シ−ル部材、20……組立てボルト、21
……締め付け工具、22……位置決め治具、23……ベ
−ス、24……吸入カバ−、25……リング、26……
棒状支持部材、26a……給油穴、30……旋回型圧縮
機、31……室外熱交換器、32……膨張弁、33……
室内熱交換器、34……4方弁、37……凝縮器、38
……膨張弁、39……蒸発器、o……ディスプレーサ中
心、o’……シリンダ中心。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畠 裕章 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端板間にディスプレーサとシリンダとが配
    置され、前記シリンダ中心と前記ディスプレーサ中心を
    合わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレー
    サ外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレ
    ーサ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においた
    ときは複数の空間が形成される容積形流体機械におい
    て、前記ディスプレ−サに設けられた貫通穴と、前記端
    板間をこの貫通穴を介して固定する部材とを備えた容積
    形流体機械。
  2. 【請求項2】端板間にディスプレーサとシリンダとが配
    置され、前記シリンダ中心と前記ディスプレーサ中心を
    合わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレー
    サ外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレ
    ーサ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においた
    ときは複数の空間が形成される容積形流体機械におい
    て、前記ディスプレ−サに設けられた貫通穴と、この貫
    通穴内に挿入され前記両端板により固定される支持部材
    を備えた容積形流体機械。
  3. 【請求項3】端板間にディスプレーサとシリンダとが配
    置され、前記シリンダ中心と前記ディスプレーサ中心を
    合わせたとき前記シリンダ内壁面及び前記ディスプレー
    サ外壁面により1つの空間が形成され、前記ディスプレ
    ーサ及び前記シリンダとの位置関係を旋回位置においた
    ときは複数の空間が形成される容積形流体機械におい
    て、前記ディスプレ−サ内部を貫通して配設された支持
    部材の周りに前記ディスプレ−サが旋回運動可能な空隙
    を形成した容積形流体機械。
  4. 【請求項4】請求項1、請求項2若しくは請求項3にお
    いて、前記端板に吐出口を開閉する吐出弁を形成した容
    積型流体機械。
  5. 【請求項5】請求項2において、前記支持部材は、ディ
    スプレ−サに形成された貫通孔と相似の外形輪郭形状を
    有し、前記貫通孔との最大空隙長がほぼ前記ディスプレ
    −サの(旋回)運動半径の2倍となるものである容積形
    流体機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006161737A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Taiyo Nippon Sanso Corp サブマージドポンプ
CN103958896A (zh) * 2011-09-21 2014-07-30 杨耀德 具有活塞沿环形路径平动的压缩机、发动机或泵

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