JPH11241691A - Co2用スクロール型電動圧縮機 - Google Patents

Co2用スクロール型電動圧縮機

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JPH11241691A
JPH11241691A JP4353898A JP4353898A JPH11241691A JP H11241691 A JPH11241691 A JP H11241691A JP 4353898 A JP4353898 A JP 4353898A JP 4353898 A JP4353898 A JP 4353898A JP H11241691 A JPH11241691 A JP H11241691A
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JP
Japan
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scroll
compressor
orbiting scroll
back pressure
pressure chamber
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Withdrawn
Application number
JP4353898A
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English (en)
Inventor
Masafumi Nakajima
雅文 中島
Hiroyasu Kato
裕康 加藤
Takeshi Sakai
猛 酒井
Kazuhide Uchida
和秀 内田
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CO2 用スクロール型電動圧縮機において、
旋回スクロールの軸線が傾くのを防止すると共に全体を
小型化する。 【解決手段】 旋回スクロール9の端板部9dの背後に
背圧室7aを形成し、それに吐出圧を導入して旋回スク
ロール9を固定スクロール11の方へ押圧する。背圧室
を設けたことによって自転阻止・スラスト支持機構を設
けるスペースがなくなるが、旋回スクロール9の端板部
9dを半径方向に延長したフランジ部9aにスラスト受
け面9bを形成し、これを固定スクロールのスラスト受
け面11bと摺動接触させる。回り止めピン10も一対
のスラスト受け面9b,11b間に設ける。なお、端板
部9dとフランジ部9aとの間に段差部9sを設ける
と、端板部9d等をモーター2のコイル19の端部19
a内の空間へ挿入することができるので、圧縮機全体の
軸方向の長さを短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール型圧縮
機に係り、特にCO2 (二酸化炭素)を冷媒とする空調
装置においてCO2 冷媒を圧縮するのに用いる、小型で
高吐出圧のCO2用スクロール型電動圧縮機に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】良く知られているように、スクロール型
圧縮機においては固定スクロールと旋回スクロールが設
けられ、旋回スクロールは自転を伴わない公転をするこ
とによって固定スクロールに対して摺動係合して、2つ
のスクロールの間に流体を圧縮するための閉じられた空
間としての作動室を複数個形成するが、旋回スクロール
が公転をする際にその軸線が固定スクロールの軸線に対
して僅かな角度でも傾くことによってそれらの軸線が平
行でなくなると、一方のスクロールの渦巻き形の羽根の
稜線の一部が、それと摺動係合している相手方のスクロ
ールの端板部の内表面から僅かに離れてそこに微小な隙
間が生じると共に、相互の渦巻き形の羽根の表面の一部
が半径方向に接触することによって形成されている軸方
向の複数の接触線の一部が離れてそこに微小な隙間が生
じるため、作動室の密封性が低下して圧縮された流体の
内部洩れが生じる結果、圧縮機としての性能(効率)が
著しく低下する。また、そのように旋回スクロールが固
定スクロールに対して傾いている状態で運転を続ける
と、双方の渦巻き形の羽根に異常な偏摩耗が生じて、圧
縮機としての信頼性が低下することになる。
【0003】スクロール型圧縮機におけるこのような固
定スクロールに対する旋回スクロールの傾きを防止する
ために、旋回スクロールの背面側、即ち、固定スクロー
ルとは反対側の端板部の外側面に背圧室としての空間を
形成すると共に、その背圧室にその圧縮機によって圧縮
された流体の吐出圧を導入して背圧室を加圧することに
より、旋回スクロールの端板部を固定スクロールに向か
って背後から押圧するようにしたものが特開昭63−1
06388号公報に記載されている。
【0004】ところで、CO2 を冷媒とする空調装置
は、通常のHFC134のようなフッ素化合物を冷媒と
する空調装置に比べて、約7分の1に相当する毎秒僅か
数cc程度のCO2 ガスの体積流量によって同程度の冷
房能力を発揮することができるので、冷媒圧縮機を小型
に設計することが可能になる結果、それをスクロール型
電動圧縮機として設計する場合には、作動室を形成する
固定スクロールの渦巻き形の羽根と、それに噛み合うよ
うに係合する旋回スクロールの渦巻き形の羽根からなる
スクロール部の大部分を、モータのコイルの軸方向端部
の内部に形成されるデッドスペースとしての空間内に収
容、配置することによって、圧縮機全体の軸方向の長さ
を小さくして冷媒圧縮機を小型化することが可能にな
る。
【0005】しかしながら、CO2 冷媒用にスクロール
型電動圧縮機をそのように小型化すると、旋回スクロー
ルの背面側に設ける必要がある所謂「自転阻止・スラス
ト支持機構」、即ち、旋回スクロールに対して軸方向に
作用するスラスト荷重を均等に支持して、旋回スクロー
ルが後退するのを防止する機構と、旋回スクロールの自
転を阻止して公転のみを許す機構、を設けるためのスペ
ースを旋回スクロールの端板部の背面側に確保すること
が難しくなる。まして、CO2 冷媒用の小型のスクロー
ル型圧縮機において、特開昭63−106388号公報
に記載されているような背圧室を旋回スクロールの端板
部の背面に設けようとしても、ほぼ同じ領域に自転阻止
・スラスト支持機構を設ける必要があるために、そのよ
うな設計は不可能ということになる。
【0006】しかも、CO2 を冷媒として使用する場合
は、スクロール型の冷媒圧縮機によって発生させるべき
高圧と低圧の圧力差は、従来のようにHFC134を冷
媒として使用する場合のスクロール型圧縮機に比べて約
5倍にも高くなるので、旋回スクロールの軸線を傾けよ
うとする所謂傾転モーメントも大きくなる。従って、旋
回スクロールの軸線の傾斜を防止するためにスラスト方
向の荷重を受ける面積を増加させる必要があるので、例
えば旋回スクロールの端板部の直径を大きくすると、ス
クロール型電動圧縮機の場合は、モーターのコイルの端
部の内部空間へスクロール部を配置することができなく
なるので、CO2 冷媒を使用することによって得られる
圧縮機の小型化という利点を活かすことができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前述のような問題に対処して、新規な手段によっ
てそれらの問題を解消し、小型で吐出圧の高いCO2
スクロール型電動圧縮機において、スクロール型圧縮機
として必須の自転阻止・スラスト支持機構と、旋回スク
ロールの傾きを防止する背圧室との併設を可能にすると
共に、それによっても圧縮機全体が大型化することがな
いようにすることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項
に記載されたCO2 用スクロール型電動圧縮機を提供す
る。
【0009】請求項1記載のCO2 用スクロール型電動
圧縮機においては、旋回スクロールの端板部の背後に背
圧室を形成し、それに圧縮されたCO2 を導入して加圧
するので、旋回スクロールは作動室において発生する圧
縮反力に抗して固定スクロールに押しつけられる。それ
によって、旋回スクロールの軸線が固定スクロールの軸
線に対して傾くことが防止され、圧縮されたCO2 が作
動室から低圧側へ洩れることが阻止される。従って、こ
のCO2 用スクロール型電動圧縮機を、CO2を冷媒と
する空調装置の冷媒圧縮機として使用しても、高い吐出
圧に耐えて十分に圧縮機効率を維持することができる。
【0010】また、旋回スクロールの端板部を半径方向
に拡径延長してフランジ部を形成すると共に、それに対
向して形成される固定スクロールの端板部の拡径部分と
の間に自転阻止・スラスト支持機構を構成するので、ス
ペースが必要な背圧室をスクロール部の背後に設けてい
ても、背圧室が自転阻止・スラスト支持機構設置のため
の支障となることがなく、CO2 用スクロール型電動圧
縮機を十分に小型化することが可能になる。
【0011】請求項2記載のCO2 用スクロール型電動
圧縮機においては、CO2 を冷媒とする空調装置に使用
される圧縮機のスクロール部は小型化することができる
点に着目して、旋回スクロールのフランジ部を端板部か
ら段差をおいて半径方向に延長して形成し、ここに自転
阻止・スラスト支持機構を設けると共に、旋回スクロー
ルの端板部を含むスクロール部の大部分をモータのコイ
ルの一端部の中に形成される空間内に挿入して配置する
ので、圧縮機全体の軸方向長さを著しく短縮して、CO
2 用スクロール型電動圧縮機を一層小型化することが可
能になる。
【0012】より具体的に、請求項3記載のCO2 用ス
クロール型電動圧縮機においては、スクロール型圧縮機
を収容する圧縮機部のハウジングを漏斗形に成形し、そ
の軸方向への突出部分をモータのコイルの一端に形成さ
れる空間へ挿入すると共に、その突出部分によってモー
タのシャフトを軸承するベアリングを支持するので、C
2 用スクロール型電動圧縮機の軸方向の寸法が短縮す
るだけでなく、モータのシャフト軸支部が強固な構造と
なる。
【0013】請求項4記載のCO2 用スクロール型電動
圧縮機においては、背圧室が旋回スクロールの端板部の
背後からフランジ部の一部の背後にかけての比較的広い
範囲にわたって形成されているので、旋回スクロールは
固定スクロールに向かって均等に押圧される結果、その
軸線を傾斜させようとするモーメントが殆ど全く発生し
なくなる。
【0014】請求項5記載のCO2 用スクロール型電動
圧縮機においては、旋回スクロールの外周に延長して形
成されたフランジ部と、それに対向する固定スクロール
の端板部の拡径部分がそれぞれスラスト受け面を形成し
ており、これら一対のスラスト受け面が相互に摺動接触
することによって旋回スクロールのためのスラスト支持
機構を形成しているので、作動室に作用する圧縮反力
と、背圧室による軸方向の押圧力との差による比較的小
さいスラスト力が、摺動接触するこれらのスラスト受け
面によって支持される。スラスト受け面が旋回スクロー
ルの大径のフランジ部の外周近くに設けられているの
で、このスラスト力によって旋回スクロールを傾斜させ
る大きなモーメントが発生することはない。
【0015】請求項6記載のCO2 用スクロール型電動
圧縮機においては、一対のスラスト受け面の間に、作動
室と背圧室との間の連通を遮断するリング状のシールが
設けられるので、それらの室間で加圧されたCO2 ガス
が漏洩することがなく、圧縮機としての高い効率を維持
することができる。この場合、請求項7記載のCO2
スクロール型電動圧縮機においては、リング状のシール
を受け入れる溝が一対のスラスト受け面のいずれか一方
に形成されると共に、その溝の軸方向の深さよりもリン
グ状のシールの軸方向の厚さを大きくしているので、旋
回スクロールが背圧室の作用によって固定スクロールに
向かって押しつけられたときに、リング状のシールが軸
方向に僅かに圧縮されてシールに必要な面圧が得られ
る。
【0016】請求項8記載のCO2 用スクロール型電動
圧縮機においては、背圧室には吐出室から圧縮されたC
2 ガスが供給されて背圧室を加圧すると共に、そのC
2ガスはモーターの構成部分の空隙を流れてモーター
を冷却してから吐出ポートへ流れる。従って、背圧室の
加圧とモーターの冷却が同時に行われるので、モーター
の冷却手段を別途設ける必要がない。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に本発明のCO2 用スクロー
ル型電動圧縮機の具体例を示す。メインハウジング1内
の左方の大部分は、駆動部であるモーター2が占めてい
る。即ち、ハウジング1の内面に沿って界磁コア3が固
定され、その内部にアーマチュア4がシャフト5と一体
になって支持されて交流モーター2が構成される。複数
個の永久磁石を備えているアーマチュア4は、シャフト
5を支持する前後のベアリング6a,6bによって軸承
されて、界磁コア3に対して自由に回転することができ
る。
【0018】シャフト5の一端部5aは、シャフト5の
軸心に対して偏心したクランク部を形成していると共
に、漏斗形をした圧縮機部のハウジング7の内部まで延
びており、ベアリング8を介して旋回スクロール9の中
心のボス部9cを回転可能に支持している。本発明の特
徴の一つに対応して、旋回スクロール9の端板部9dに
は段差部9sをおいて半径方向に大きく拡径するフラン
ジ部9aが接続しており、そのフランジ部9aに自転阻
止・スラスト支持機構が構成されている。なお、段差部
9sの高さは、概ね旋回スクロール9の渦巻き形の羽根
9fの高さ、即ち軸方向寸法と同程度の大きさになって
いる。
【0019】10は、旋回スクロール9に対向してハウ
ジング1及び7に固定された固定スクロール11の端板
部11dの外周拡径部に軸方向に取り付けられた回り止
めピンであって、回り止めピン10の左端の自由端部
は、旋回スクロール9のフランジ部9aに形成された比
較的大径(実質的にピン10の2倍の直径)の円形の穴
9hに挿入されて、円形穴9hと共にスクロール型圧縮
機に必須の旋回スクロール9の自転阻止機構を構成して
いる。この自転阻止機構は前述の自転阻止・スラスト支
持機構の一部となるものである。言うまでもなく、回り
止めピンは旋回スクロール9の側に取り付けられていて
もよく、その場合は固定スクロール11の端板部11d
の側に比較的大径の円形穴が形成される。
【0020】旋回スクロール9の端板部9dから段差を
おいて半径方向に拡径、延長して形成されたフランジ部
9aの右側の面9bは、この場合は一方のスラスト受け
面として、他方のスラスト受け面となる固定スクロール
11の端板部11dの内表面11bのうちの外周に近い
部分と摺動可能に接触している。また、旋回スクロール
9のフランジ部9aの左側の面9eは、圧縮機部のハウ
ジング7のボス部7bから半径方向に拡径して形成され
たフランジ部7dの右側の面7cと摺動接触可能に対向
している。
【0021】漏斗形の圧縮機部のハウジング7の内部に
は、旋回スクロール9の端板部9dの背後及び周囲にお
いて背圧室7aとなる空間が形成されている。背圧室7
aは後述のように吐出圧を受け入れるために吐出室と連
通しているほか、密閉されたハウジング1内においてモ
ーター2の界磁コア3やアーマチュア4等の間に形成さ
れる空隙と連通しており、更にそれらの空隙を介して図
示しない吐出ポートに連通している。そしてその吐出ポ
ートは、CO2 を冷媒とする空調装置の冷凍回路に接続
されることになる。
【0022】従って、背圧室7aが吐出圧の供給等によ
って加圧されると、旋回スクロール9の端板部9dやフ
ランジ部9aの中心に近い部分が背後から押圧されて、
フランジ部9aの右側の面9bが、固定スクロール11
の端板部11dの左側の内表面11bに押しつけられ
る。この押圧力は作動室12,17において圧縮される
CO2 ガスの圧縮反力に対抗して旋回スクロール9の後
退を阻止するだけでなく、渦巻き形の羽根9f,11f
の高さ(軸方向の長さ)が適正であれば、各羽根の稜線
と相手方の面との間のクリアランスを小さくして、圧縮
された流体の内部洩れを防止する。従って、旋回スクロ
ール9を軸方向に押圧するこれらの背圧室7aを含む機
構はスラスト支持機構の一部を構成する。
【0023】なお、通常のスクロール型圧縮機であれ
ば、作動室内において流体を圧縮することによって発生
する圧縮反力により旋回スクロール9が図において左方
へ押圧される際に、旋回スクロールのフランジ部9aの
左側の面9eと、ハウジング7の右側の面7cが摺動接
触してスラスト受け面となるが、本発明の場合は背圧室
7aを設けて、圧縮反力以上のスラスト力を発生させて
旋回スクロール9を固定スクロール11の方へ押圧する
ようになっているので、前述のようにフランジ部9aの
右側の面9bと、固定スクロールの端板部11dの内表
面11bが、前述の圧縮反力による軸方向力と、背圧室
7aが発生する軸方向力との差の、比較的小さいスラス
ト力の受け面として摺動接触することになる。
【0024】相互に噛み合うように組み合わされた2つ
のスクロール9及び11の中心部において渦巻き形の羽
根9f,11fの間に形成される中央の作動室12は、
定圧開放型の逆止弁である吐出弁13が開弁したとき
に、固定スクロール11内に空間として形成された吐出
室14と連通するようになっている。吐出室14は固定
スクロール11に取り付けられた蓋板15によって閉じ
られているが、図示しない通路によって背圧室7aとも
連通していて、前述のように背圧室7aを吐出圧によっ
て加圧することができると共に、背圧室7aとモーター
2内の空隙を通って図示しない吐出ポートから外部の冷
凍回路に接続されている。
【0025】なお、この実施形態においては、蓋板15
と固定スクロール11の端板部11dに連続して吸入ポ
ート16が穿孔されていて、2つのスクロール9及び1
1の中心部よりも外周寄りに形成される複数個の三日月
形の作動室17が外周に向かって開いたときに、吸入ポ
ート16が作動室17と連通するようになっている。ま
た、18はリング状のシールであって、スクロール部の
周囲を囲むように固定スクロール11の端板部11d
(又は旋回スクロールの端板部9d)に形成されたリン
グ状の溝に挿入されており、スクロール部の作動室17
と背圧室7aとの間の連通を遮断している。この場合、
リング状のシール18の軸方向の厚さよりも、溝の深さ
を若干浅くする。
【0026】前述のように、図示実施形態においては、
旋回スクロール9の外周に設けられるフランジ部9a
が、端板部9dから段差9sをおいて半径方向に拡径し
て形成されているので、組み合わされた2つのスクロー
ル9,11の渦巻き形の羽根9f,11fからなるスク
ロール部の一部と、旋回スクロール9の端板部9d及び
ボス部9cはフランジ部9aから軸方向左へ突出した形
になっているが、この突出部分は、モーター2のコイル
19の端部19aの内部に向かって軸方向に突出して形
成された漏斗形のハウジング7の、ボス部7bの内部空
間に挿入される形となっており、それによってメインハ
ウジング1と圧縮機部のハウジング7及び固定スクロー
ル11を含むスクロール型電動圧縮機全体の軸方向の寸
法が小さくなっている点が、この実施形態の特徴の一つ
である。
【0027】これは、CO2 用スクロール型電動圧縮機
においては圧縮すべき流体がCO2冷媒であるために、
2つのスクロール9及び11の渦巻き形の羽根9f,1
1f等からなるスクロール部の大きさを比較的小さく設
計することができる結果、そのスクロール部の少なくと
も一部をコイル19の端部19aの内部空間に収容する
ことが可能になるためである。また、図示例の構造にお
いては、シャフト5の右端部を軸承するベアリング6b
を、圧縮機部のハウジング7のボス部7bによって確実
に支持することができる。
【0028】図示実施形態のCO2 用スクロール型電動
圧縮機はこのような構成を有するから、モーター2のコ
イル19に交流の電力を供給すると、アーマチュア4及
びそれと一体のシャフト5が回転駆動されて、通常のス
クロール型圧縮機と同様に、シャフトの偏心した端部5
aによって旋回スクロール9が回転駆動される。しか
し、旋回スクロール9は自転阻止・スラスト支持機構の
一部を構成する回り止めピン10によって自転を阻止さ
れているから、旋回スクロール9は公転のみが許され、
それによって2つのスクロール9及び11の渦巻き形の
羽根9f,11fの間に形成される三日月形の作動室1
7は、それが外周部において吸入ポート16に対して開
いている時に、吸入ポート16から送り込まれるCO2
ガスを取り込んで、次にそれが閉じると共に漸次容積を
縮小しながら半径方向の内側に向かって移動するので、
CO2 は圧縮されて高圧となる。そして、圧縮されたC
2は三日月形の作動室17が中央の作動室12に向か
って開く時に作動室12内へ吐出される。そして更に、
作動室12の吐出圧が吐出弁13の開弁圧を超えると、
吐出弁13が開いて圧縮されたCO2 が吐出室14へ送
り出される。
【0029】吐出室14にある圧縮されたCO2 は、図
示しない通路を通って、旋回スクロール9の端板部9d
及びフランジ部9aの一部の背後に形成された背圧室7
aへ供給されるので、背圧室7aは加圧されて旋回スク
ロール9を固定スクロール11に向かって押圧する。そ
れによって、作動室12,17内において圧縮されたC
2 による圧縮反力に抗して旋回スクロール9を押し戻
すことができる。このときに旋回スクロールの端板部9
dの背面を含む背圧室7aの軸方向の全面にわたって吐
出圧が作用するだけでなく、本発明においては旋回スク
ロール9の外周部に大径のフランジ部9aが形成されて
いて、そのスラスト受け面9bと、固定スクロール11
側のスラスト受け面11bとの摺動接触によってスラス
ト力を支持するようになっているため、旋回スクロール
9の軸線が固定スクロール11の軸線に対して傾斜する
のが確実に防止される。
【0030】それによって2つのスクロール9及び11
の渦巻き形の羽根9f,11fの稜線と相手方の面との
間、及び、渦巻き形の羽根9f,11f相互の接触線に
おける適正な接触シール状態が維持されるので、三日月
形の作動室17内で圧縮されたCO2 が洩れることがな
く、高い圧縮効率が維持される。また、背圧室7aに圧
縮されたCO2 の高い吐出圧を作用させるので、圧縮反
力によって旋回スクロール9が変形するのを防止するこ
ともできる。なお、背圧室7aとハウジング1内のモー
ター2の空隙を通過して流れる圧縮されたCO2 ガス
は、モーター2のコイル19を含む各部分を冷却する作
用もする。
【0031】特に本発明の実施形態においては、自転阻
止・スラスト支持機構を構成する殆どの部分、即ち、回
り止めピン10や円形穴9h等からなる自転防止機構
と、旋回スクロール9のフランジ部9aの一方の面9b
及びそれに摺動接触する固定スクロール11の面11b
等のスラスト受け面からなるスラスト支持機構が、いず
れも中心部に形成された背圧室7aの外周側に段差部9
sをおいて形成したフランジ部9aに設けられるので、
背圧室7aを設けてもそれが自転阻止・スラスト支持機
構を設けるために何の支障となることもなく、むしろ背
圧室7aの外周側に設けたスラスト受け面によって、旋
回スクロール9の傾きをより効果的に防止することがで
き、スクロール部を含む旋回スクロールの端板部9dと
背圧室7aをモーター2のコイル19内に食い込む形で
構成しているので、電動圧縮機全体を非常に小型化する
ことができる。
【0032】また、旋回スクロール9の中心部に背圧室
7aを設けると共に、自転阻止・スラスト支持機構をフ
ランジ部9aに設けることにより、スラスト受け面に作
用するスラスト力や、回り止めピン10と円形穴9hの
接触部分に作用する力も小さくなるので、それらの摺動
接触面における摩耗も少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を例示する断面図である。
【符号の説明】
1…メインハウジング 2…モーター 3…界磁コア 4…アーマチュア 5…シャフト 6a,6b,8…ベアリング 7…圧縮機部のハウジング 9…旋回スクロール 9a…フランジ部 9b…一方のスラスト受け面 9d…旋回スクロールの端板部 9f…渦巻き形の羽根 9h…円形穴 9s…段差 10…回り止めピン 11…固定スクロール 11b…他方のスラスト受け面 11d…固定スクロールの端板部 11f…渦巻き形の羽根 12…中央の作動室 14…吐出室 17…三日月形の作動室 18…リング状のシール 19…モーターのコイル 19a…コイルの端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 猛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 内田 和秀 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CO2 を冷媒とする空調装置に使用され
    てCO2 ガスを圧縮するスクロール型電動圧縮機におい
    て、旋回スクロールの端板部の背後に接して空間として
    の背圧室を形成し、該背圧室に圧縮されたCO2 ガスを
    導入して加圧することにより、前記旋回スクロールが固
    定スクロールに向かって押圧されるように構成すると共
    に、前記旋回スクロールの端板部を半径方向に拡径延長
    してフランジ部を形成し、該フランジ部とそれに対向し
    て形成される前記固定スクロールの端板部の拡径部分と
    の間に、前記旋回スクロールのための自転阻止・スラス
    ト支持機構を構成したことを特徴とするCO2 用スクロ
    ール型電動圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記フランジ部が前記旋回スクロールの
    端板部から段差をおいて半径方向に延長して形成されて
    いると共に、前記旋回スクロールの端板部がモーターの
    コイルの一端部の中に形成された空間内に挿入して配置
    されることによって、圧縮機全体の軸方向長さが短縮さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載されたCO2
    用スクロール型電動圧縮機。
  3. 【請求項3】 スクロール部を収容する圧縮機部のハウ
    ジングが漏斗形に成形されており、その軸方向への突出
    部分が前記モーターのコイルの一端部の中に形成された
    前記空間内へ挿入されていると共に、前記モーターのシ
    ャフトを軸承するベアリングが前記突出部分によって支
    持されていることを特徴とする請求項2に記載されたC
    2 用スクロール型電動圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記背圧室が、前記旋回スクロールの端
    板部の背後から前記フランジ部の一部の背後にかけて形
    成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載されたCO2 用スクロール型電動圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記旋回スクロールの外周に延長して形
    成されたフランジ部と、それに対向して形成される前記
    固定スクロールの端板部の拡径部分がそれぞれスラスト
    受け面を形成しており、これら一対のスラスト受け面が
    相互に摺動接触することによって前記旋回スクロールの
    ためのスラスト支持機構を形成していることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載されたCO2 用ス
    クロール型電動圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記固定スクロールと前記旋回スクロー
    ルの間に形成されてCO2 ガスを圧縮する複数個の作動
    室と、前記背圧室との間の連通を遮断するために、一対
    の前記スラスト受け面の間にリング状のシールが設けら
    れていることを特徴とする請求項5に記載されたCO2
    用スクロール型電動圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記リング状のシールを受け入れる溝が
    前記一対のスラスト受け面のいずれか一方に形成されて
    いると共に、該溝の軸方向の深さよりも、前記リング状
    のシールの軸方向の厚さを大きくしたことを特徴とする
    請求項6に記載されたCO2 用スクロール型電動圧縮
    機。
  8. 【請求項8】 前記背圧室が吐出室と連通していると共
    に、前記モーターの構成部分の空隙とも連通していて、
    圧縮されたCO2 ガスが前記背圧室を加圧すると共に、
    前記モーターの構成部分を冷却してから吐出ポートへ流
    れるように構成されていることを特徴とする請求項1な
    いし7のいずれかに記載されたCO2用スクロール型電
    動圧縮機。
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