JP2003314474A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JP2003314474A
JP2003314474A JP2002124631A JP2002124631A JP2003314474A JP 2003314474 A JP2003314474 A JP 2003314474A JP 2002124631 A JP2002124631 A JP 2002124631A JP 2002124631 A JP2002124631 A JP 2002124631A JP 2003314474 A JP2003314474 A JP 2003314474A
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fixed scroll
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pressure side
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Hideaki Ikeda
英明 池田
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧側の圧縮室から圧縮流体が外部に漏洩す
るのを防止し、圧縮効率を向上できるようにする。 【解決手段】 第1,第2の固定スクロール4A,4B
のうち低圧側となる固定スクロール4Aの吐出口10A
を、高圧側となる固定スクロール4Bの吸込口9Bに配
管25A,25Bを用いて接続する。また、高圧側の固
定スクロール4Bと旋回スクロール17Bとの摺動面間
には接触シール27を設ける。そして、この接触シール
27は、複数の圧縮室20Bのうち最外周側の圧縮室2
0B1よりも大径で外径側が開口した断面コ字状の環状
体として形成する。これにより、接触シール27は、圧
縮室20B内の圧力が上昇するに応じて前記摺動面に対
するシール面圧が低下する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気圧縮機
等として好適に用いられるスクロール式流体機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール式流体機械は、ケー
シングと、該ケーシングに設けられた固定スクロール
と、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、
前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に設け
られ、前記固定スクロールと衝合状態で摺接する旋回ス
クロールと、該旋回スクロールと固定スクロールとの間
に画成された複数の圧縮室とを備えたものが知られてい
る。
【0003】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械は、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロール
を固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋回
運動させることにより、固定スクロールの外周側に設け
た吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を固
定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部と
の間の各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心
部に設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出する
ものである。
【0004】また、他の従来技術によるスクロール式流
体機械として、圧縮空気量を増やすために、下記の如く
構成されたものが知られている(特開2000−356
193号公報、特開2002−13492号公報等)。
【0005】即ち、この従来技術によるスクロール式流
体機械は、ケーシングの軸方向に離間して第1,第2の
固定スクロールを設け、これら各固定スクロール間に
は、ケーシング内に位置して電動機を配設している。ま
た、ケーシング内には、前記電動機のロータ内に位置し
て両端側が回転軸受に支持された筒状の回転軸と、該回
転軸の内周側に遊嵌されて両端側が旋回軸受により支持
された旋回軸とを設け、該旋回軸の両端側には、第1,
第2の固定スクロールとそれぞれ対向して第1,第2の
旋回スクロールを設ける構成としている。
【0006】そして、この種の従来技術によるスクロー
ル式流体機械は、電動機を作動してロータを回転する
と、この回転によって回転軸は回転軸受に支持された状
態で回転運動を行うと共に、筒状の回転軸内に偏心して
配置された旋回軸は旋回軸受に支持された状態で旋回運
動を行い、第1,第2の旋回スクロールを第1,第2の
固定スクロールに対して旋回動作させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術のスクロール式流体機械は、2段圧縮機として用
いる場合に、第1,第2の固定スクロールのうち低圧側
となる固定スクロールの吐出口と高圧側となる固定スク
ロールの吸込口とを接続し、低圧側の固定スクロールと
旋回スクロールとの間で圧縮した圧縮空気を、さらに高
圧側の固定スクロールと旋回スクロールとの間に導くこ
とにより、2段階で圧縮した高圧な圧縮空気をタンク等
に貯えるものである。
【0008】しかし、このような2段のスクロール圧縮
機を用いる構成とした場合、高圧側の圧縮室内では最外
周側の圧縮室が大気圧よりも高い圧力となっているの
で、最外周側の圧縮室から圧縮空気が外部に漏洩する虞
れがあり、圧縮効率を向上できないという問題がある。
【0009】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、高圧側の圧縮室から圧
縮流体が外部に漏洩するのを防止でき、圧縮効率を向上
することができるようにしたスクロール式流体機械を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明によるスクロール式流体機械は、軸方向に
延びる筒状のケーシングと、該ケーシングの両端側にそ
れぞれ固定し軸方向に延びる筒状のケーシングと、該ケ
ーシングの両端側にそれぞれ固定して設けられ鏡板に渦
巻状のラップ部が立設されると共に、それぞれ吸込口と
吐出口とを有した第1,第2の固定スクロールと、該第
1,第2の固定スクロール間に位置して前記ケーシング
内に設けられ、前記ケーシングの軸線に対して偏心して
配置された出力軸を有する電動機と、前記第1,第2の
固定スクロールと対向するように該電動機の出力軸の両
端側に設けられ、鏡板に前記第1,第2の固定スクロー
ルのラップ部と重なり合って複数の圧縮室を画成するラ
ップが立設された第1,第2の旋回スクロールとを備え
ている。
【0011】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記第1,第2の固定スクロールのうち低圧側
となる固定スクロールの吐出口は、高圧側となる固定ス
クロールの吸込口に接続する構成とし、前記高圧側とな
る固定スクロールとこれに対向する旋回スクロールとの
摺動面間には、前記各圧縮室内の圧縮流体が外部に漏洩
するのを遮断するため最外周側の圧縮室よりも大径の環
状体として形成され、前記圧縮室内の圧力が上昇するに
応じて前記摺動面に対するシール面圧が低下する環状の
シール部材を設ける構成としたことにある。
【0012】このように構成したことにより、高圧側の
固定スクロールと旋回スクロールとの間の最外周側の圧
縮室内に供給される圧縮流体が、高圧側の固定スクロー
ルと旋回スクロールの摺動面間から外部に漏洩するのを
環状のシール部材によって阻止することができる。
【0013】そして、このシール部材は、圧縮室の圧力
が上昇するに応じて摺動面に対するシール部材の面圧が
低下するので、このシール部材が固定スクロールと旋回
スクロールとの摺動面に強く押付けられることがなくな
り、圧縮室内の圧力上昇に拘らずシール部材の面圧を適
度な面圧に保つことができる。
【0014】また、請求項2の発明によると、環状のシ
ール部材は、高圧側の固定スクロールと旋回スクロール
との摺動面間で外径側が開口した断面コ字状の弾性シー
ル体により構成している。これにより、断面コ字状をな
す弾性シール体を固定スクロールの摺動面と旋回スクロ
ール側の摺動面とに適度な押圧力をもって摺接させるこ
とができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
スクロール式流体機械を、スクロール式空気圧縮機に適
用した場合を例に挙げ、図1および図2に従って詳細に
説明する。
【0016】1はスクロール式空気圧縮機の外枠を形成
する筒状のケーシングで、該ケーシング1は、図1に示
す如く軸線O1−O1を有するケーシング本体2と該ケ
ーシング本体2の両端側に固着された左,右の軸受取付
筒部3A,3Bとにより構成されている。そして、軸受
取付筒部3Aは環状部3A1と筒部3A2とにより構成さ
れている。また、軸受取付筒部3Bについても環状部3
B1と筒部3B2とにより構成されている。
【0017】4A,4Bはケーシング1の両端側にそれ
ぞれ固定的に設けられた第1,第2の固定スクロール
で、該第1の固定スクロール4Aは、略円板状に形成さ
れ中心がケーシング1の軸線O1−O1と一致するよう
に配設された鏡板5Aと、該鏡板5Aの表面に立設され
た渦巻状のラップ部6Aと、鏡板5Aの外周側から該ラ
ップ部6Aを取囲むように軸方向に突出した筒部7A
と、該筒部7Aの外周側から径方向外向きに突出したフ
ランジ部8Aとにより構成されている。
【0018】そして、固定スクロール4Aは、フランジ
部8Aが軸受取付筒部3Aの筒部3A2開口端にボルト
(図示せず)等を介して一体に取付けられている。ま
た、固定スクロール4Aには、その外周側に位置して第
1の吸込口9Aが設けられ、鏡板5Aの中心側には第1
の吐出口10Aが設けられている。
【0019】また、第2の固定スクロール4Bについて
も、鏡板5B、ラップ部6B、筒部7Bおよびフランジ
部8B、第2の吸込口9Bおよび第2の吐出口10Bが
設けられている。
【0020】11は固定スクロール4A,4B間に位置
してケーシング本体2内に設けられた電動機で、該電動
機11は、ケーシング本体2の内周側に固定的に設けら
れたステータ12と、該ステータ12の内周側に回転可
能に配設されたロータ13とによって構成されている。
また、ステータ12の軸線とロータ13の軸線はケーシ
ング1の軸線O1−O1と同一軸線上に配置されている。
そして、電動機11は、ロータ13を回転することによ
り後述の回転軸14を駆動するものである。
【0021】14は軸受取付筒部3Aの環状部3A1と
軸受取付筒部3Bの環状部3B1との間に回転可能に設
けられ、後述の旋回軸15と共に出力軸を構成する回転
軸で、該回転軸14は、中空軸体として形成され、電動
機11のロータ13内周側に挿嵌されて設けられてい
る。そして、回転軸14は、両端がそれぞれ軸受取付筒
部3A,3Bの環状部3A1,3B1内に回転可能に設け
られている。
【0022】15は後述の旋回スクロール17A,17
B間に設けられた旋回軸で、該旋回軸15は、中実な円
柱体として形成され、軸線O1−O1から寸法δだけ偏心
した偏心軸線O2−O2上に配置されている。また、旋回
軸15は、軸方向の中間部位が大径軸部16となり、軸
方向の両側部位が小径軸部16A,16Bとなってい
る。そして、旋回軸15の小径軸部16A,16Bは、
回転軸14の両端側に回転可能に支持され、該回転軸1
4と共に電動機11の出力軸を構成している。
【0023】17A,17Bは固定スクロール4Aと対
向してケーシング1内に旋回可能に設けられた第1,第
2の旋回スクロールで、該第1の旋回スクロール17A
は、第1の固定スクロール4Aと共に低圧側の空気圧縮
機を構成している。そして、第1の旋回スクロール17
Aは、第1の固定スクロール4Aと同様に、鏡板18A
と渦巻状のラップ部19A等とによって構成されてい
る。
【0024】そして、旋回スクロール17Aは、ラップ
部19Aが固定スクロール4Aのラップ部6Aと所定角
度(例えば180度)だけずらして重なり合うように配
設され、両者のラップ部6A,19A間には複数の圧縮
室20Aが画成されている。
【0025】さらに、旋回スクロール17Aには、その
背面中央に位置してボス部21Aが突設されている。そ
して、ボス部21A内には、旋回軸15の小径軸部16
Aが圧入またはボルト止め等により固定して取付けられ
ている。
【0026】また、第2の旋回スクロール17Bは、第
2の固定スクロール4Bと共に高圧側の空気圧縮機を構
成している。そして、第2の旋回スクロール17Bも、
鏡板18B、ラップ部19Bおよびボス部21Bによっ
て大略構成され、このボス部21B内には、旋回軸15
の小径軸部16Bが圧入またはボルト止め等の手段によ
り固定して取付けられている。
【0027】また、第2の旋回スクロール17Bは、第
2の固定スクロール4Bとの間で複数の圧縮室20Bを
画成し、これらの圧縮室20Bのうち最外周側の圧縮室
20B1は、図1に示すように固定スクロール4Bの吸
込口9Bと常時連通している。そして、固定スクロール
4Bと旋回スクロール17Bとの摺動面間には、図2に
示すように微小隙間Sが形成されるものである。さら
に、旋回スクロール17Bの背面外周側には後述の接触
シール27が取付けられるシール取付溝17B1が設け
られている。
【0028】22は第1の吐出口10Aと第2の吸込口
9Bとの間に設けられた中間冷却器で、該中間冷却器2
2は、例えば熱交換器23とファン24等を備えた冷却
装置によって構成され、第1の吐出口10Aと第2の吸
込口9Bとの間に配管25A,25Bを用いて接続され
ている。そして、中間冷却器22は、配管25A,25
Bによってそれぞれ吐出口10Aから吐出された高温の
吐出空気を冷却して吸込口9Bに導くものである。
【0029】26は第2の固定スクロール4Bの外周側
に設けられた摺接リングで、該摺接リング26は、ステ
ンレス鋼等の金属材料によって平板なリング状に形成さ
れている。そして、摺接リング26は、図2に示す如く
固定スクロール4Bのフランジ部8B側に設けられたリ
ング取付溝4B1内に嵌着され、その表面は後述の接触
シール27に対する摺接面となっている。
【0030】27は第2の旋回スクロール17Bのシー
ル取付溝17B1内に収容して取付けられたシール部材
としての接触シールで、該接触シール27は、高圧側の
固定スクロール4Bと高圧側の旋回スクロール17Bと
の間を気密にシールしている。そして、接触シール27
は、後述のシールリング28およびばね部材29からな
る弾性シール体として構成されている。
【0031】28は旋回スクロール17Bのシール取付
溝17B1内に挿入して設けられたシールリングで、該
シールリング28は、固定スクロール4Bと旋回スクロ
ール17Bとの間を気密にシールするために、周方向に
継ぎ目のないリングとして形成されている。また、シー
ルリング28は、弾性樹脂材料を用いることにより図2
に示す如く外径側が開口した断面コ字状の環状シールと
して形成されている。
【0032】ここで、シールリング28は、シール取付
溝17B1底部側に設けられた固定側の環状板部28A
と、シール取付溝17B1の開口側に設けられた摺動側
の環状板部28Bと、環状板部28Bの内径端と環状板
部28Bの内径端との間を連結した連結筒部28Cとに
より構成されている。
【0033】また、シールリング28の環状板部28A
には、その外径端側に位置して固定リップ部28A1が
突設され、該固定リップ部28A1は、前記シール取付
溝17B1内に収容され、その底面に接触している。ま
た、シールリング28の環状板部28Bにも、その外径
端側に位置して摺動リップ部28B1が突設されてい
る。
【0034】さらに、ばね部材29は、断面コ字状の金
属材料(例えばステンレス鋼)からなり、環状板部28
A,28B間に嵌着して取付けられている。そして、ば
ね部材29は、環状板部28A,28Bを拡開させるよ
うに固定リップ部28A1、摺動リップ部28B1をそれ
ぞれシール取付溝17B1、摺接リング26に対して弾
性的に押圧している。また、ばね部材29は外周側に開
口した部位が開口部29Aとなっている。
【0035】そして、接触シール27は、後述するよう
に最外周側の圧縮室20B1内の圧力が上昇するに応じ
てばね部材29が撓み変形し、これによってシールリン
グ28の摺動リップ部28B1は、固定スクロール4B
(摺接リング26)に対するシール面圧が低下するもの
である。
【0036】30は低圧側の固定スクロール4Aと旋回
スクロール17Aとの摺動面間に設けられた他のシール
部材で、該シール部材30は、横断面が略長方形状をな
したフェイスシール等のシールリングとして形成されて
いる。
【0037】本実施の形態によるスクロール式空気圧縮
機は上述したような構成を有するもので、次に、このス
クロール式空気圧縮機の動作について説明する。
【0038】まず、電動機11のロータ13を回転する
と、該ロータ13と一体となった回転軸14は、ロータ
13と一体に回転運動を行なう。そして、この回転運動
によって軸線O2−O2をもった旋回軸15は、軸線O1
−O1をもった回転軸14内で寸法δの旋回半径をもっ
た旋回運動を行なう。これにより、旋回軸15の両端に
設けた旋回スクロール17A,17Bは、固定スクロー
ル4A,4Bに対して寸法δの旋回半径をもった旋回動
作を行なう。
【0039】この結果、低圧側となる第1の固定スクロ
ール4Aと第1の旋回スクロール17Aとの間で圧縮さ
れた低圧の圧縮空気は、吐出口10Aから配管25Aを
通じて中間冷却器22で冷却された後、配管25Bを通
じて高圧側となる第2の固定スクロール4Bの吸込口9
Bから第2の固定スクロール4Bと第2の旋回スクロー
ル17Bとの間の圧縮室20B内に導かれる。
【0040】そして、固定スクロール4Bと旋回スクロ
ール17Bとの間に吸込口9Bから流入した低圧の圧縮
空気は、再び圧縮室20B内で圧縮されて高圧の圧縮空
気となり、吐出口10Bからタンク(図示せず)等に貯
留される。
【0041】ここで、第2の固定スクロール4Bと第2
の旋回スクロール17Bとの間の各圧縮室20Bのうち
図1に示す最外周側の圧縮室20B1は、外気よりも高
圧となっているから、最外周側の圧縮室20B1内の高
圧な圧縮空気は外部に漏洩し易くなる。
【0042】然るに、本実施の形態では、図2に示すよ
うに、高圧側となる固定スクロール4Bと旋回スクロー
ル17B(摺接リング26)との摺動面間に位置して、
旋回スクロール17Bのシール取付溝17B1には外径
側が開口した接触シール27を設け、固定スクロール4
Bと旋回スクロール17Bとの間には微小隙間Sを形成
する構成としている。
【0043】このため、最外周側の圧縮室20B1から
図2に示す矢示A方向へと微小隙間Sを介して流れる圧
縮空気の圧力と、外部から微小隙間Sを介して矢示B方
向へと流れる低圧な大気圧との差圧による力(以下、差
圧力f1という)が図2中に矢印で示す方向へと摺動リ
ップ部28B1を固定リップ部28A1側へと押圧する方
向に作用する。
【0044】また、ばね部材29は摺動リップ部28B
1を摺接リング26にばね押付力f2をもって押圧する。
従って、最外周側の圧縮室20B1からの圧縮空気が微
小隙間Sを通じて外部に漏洩するのを防止するために
は、差圧力f1とばね押付力f2は、下記数1の関係が成
り立つ必要がある。
【0045】
【数1】f2 >f1
【0046】そして、摺動リップ部28B1が摺接リン
グ26に押付けられるリップ押付力Fは、下記数2のよ
うに、ばね押付力f2と差圧力f1との差として求められ
る。
【0047】
【数2】F=f2 −f1
【0048】かくして、本実施の形態で用いた接触シー
ル27は、差圧力f1、即ち最外周側の圧縮室20B1内
の圧縮空気の圧力が上昇するに応じて、リップ押付力F
が小さくなる。
【0049】従って、圧縮室20B内の圧力が上昇して
も、摺動リップ部28B1が摺接リング26に必要以上
に強く押付けられることがなくなり、摺動リップ部28
B1を含めたシールリング28の摩耗を低減でき、接触
シール27全体の耐久性を高めることができる。
【0050】また、ばね部材29のばね押付力f2を予
め適正に調整しておくことにより、運転停止時にも運転
時と同様に摺動リップ部28B1を適切な面圧をもって
摺接リング26に常時押付けることができ、シール性能
を高めることができる。
【0051】また、圧縮室20Bの圧力が異常に上昇
し、差圧力f1がばね押付力f2よも大きくなった場合に
は、シールリング28の摺動リップ部28B1が摺接リ
ング26から離れる方向に撓み変形し、圧縮室20B内
の圧縮空気の一部を外部に逃がすことができ、これによ
ってもシールリング28の摺動リップ部28B1の耐久
性を高めることができる。
【0052】なお、実施の形態では、吐出口10Aと吸
込口9Bとを中間冷却器22を介して連結することによ
り2段圧縮機を構成した場合を例に挙げて説明した。し
かし、本発明はこれに限らず、吐出口10Bと吸込口9
Aとを中間冷却器22を用いることなく、配管25A,
25Bにより直接的に連結する構成としてもよい。
【0053】また、例えば旋回軸15内に軸方向に延び
る連通路を形成し、この連通路を介して前記吐出口10
Bと吸込口9Aとの間を接続する構成としてもよく、こ
の場合には、前述した配管25A,25B等を用いる必
要がなくなるものである。
【0054】さらに、実施の形態では、スクロール式流
体機械としてスクロール空気圧縮機を例に挙げて説明し
たが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒
圧縮機等にも広く適用できる。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、第1,第2の固定スクロールのうち低圧側となる
固定スクロールの吐出口を、高圧側となる固定スクロー
ルの吸込口に接続する構成とし、前記高圧側の固定スク
ロールと旋回スクロールとの摺動面間には、最外周側の
圧縮室よりも大径の環状体として形成された環状のシー
ル部材を設け、このシール部材は、圧縮室内の圧力が上
昇するに応じて前記摺動面に対するシール面圧が低下す
る構成としたので、高圧側の固定スクロール、旋回スク
ロール間に画成される複数の圧縮室のうち最外周側の圧
縮室に対し、低圧側の圧縮室から供給される圧縮流体
が、前記摺動面間を介して外部に漏洩するのをシール部
材により防止できる。そして、高圧側の圧縮室の圧力が
上昇した場合でも、シール部材は、固定スクロールと旋
回スクロールとの摺動面に強く押付けられることがなく
なり、適度な押付力をもって前記摺動面に摺接するか
ら、シール部材の寿命を高め、耐久性を向上することが
できる。
【0056】また、請求項2の発明によると、シール部
材は、高圧側の固定スクロールと旋回スクロールとの摺
動面間で外径側が開口した断面コ字状の弾性シール体に
より構成したので、断面コ字状をなす弾性シール体を固
定スクロールの摺動面と旋回スクロール側の摺動面とに
適度な押圧力をもって摺接させることができ、弾性シー
ル体の寿命、耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるスクロール式空気圧
縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中のa部を拡大して示す要部拡大縦断面図
である。
【符号の説明】
1 ケーシング 4A,4B 固定スクロール 5A,5B,18A,18B 鏡板 6A,6B,19A,19B ラップ部 9A,9B 吸込口 10A,10B 吐出口 11 電動機 12 ステータ 13 ロータ 14 回転軸(出力軸) 15 旋回軸(出力軸) 17A,17B 旋回スクロール 20A,20B 圧縮室 22 中間冷却器 25A,25B 配管 26 摺接リング 27 接触シール(シール部材) 28 シールリング 28A1 固定リップ部 28B1 摺動リップ部 29 ばね部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA02 AB02 AB08 CC19 3H039 AA14 BB15 CC04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に延びる筒状のケーシングと、 該ケーシングの両端側にそれぞれ固定して設けられ鏡板
    に渦巻状のラップ部が立設されると共に、それぞれ吸込
    口と吐出口とを有した第1,第2の固定スクロールと、 該第1,第2の固定スクロール間に位置して前記ケーシ
    ング内に設けられ、前記ケーシングの軸線に対して偏心
    して配置された出力軸を有する電動機と、 前記第1,第2の固定スクロールと対向するように該電
    動機の出力軸の両端側に設けられ、鏡板に前記第1,第
    2の固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧
    縮室を画成するラップが立設された第1,第2の旋回ス
    クロールとを備えてなるスクロール式流体機械におい
    て、 前記第1,第2の固定スクロールのうち低圧側となる固
    定スクロールの吐出口は、高圧側となる固定スクロール
    の吸込口に接続する構成とし、 前記高圧側となる固定スクロールとこれに対向する旋回
    スクロールとの摺動面間には、前記各圧縮室内の圧縮流
    体が外部に漏洩するのを遮断するため最外周側の圧縮室
    よりも大径の環状体として形成され、前記圧縮室内の圧
    力が上昇するに応じて前記摺動面に対するシール面圧が
    低下する環状のシール部材を設ける構成としたことを特
    徴とするスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記環状のシール部材は、前記高圧側の
    固定スクロールと旋回スクロールとの摺動面間で外径側
    が開口した断面コ字状の弾性シール体により構成してな
    る請求項1に記載のスクロール式流体機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011013856A1 (ja) * 2009-07-31 2011-02-03 ナブテスコオートモーティブ株式会社 圧縮装置
JP2012163216A (ja) * 2010-06-30 2012-08-30 Mitsubishi Cable Ind Ltd U形シール

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