JPWO2012073737A1 - ポリアミド極細繊維並びにその溶融紡糸方法及び装置 - Google Patents

ポリアミド極細繊維並びにその溶融紡糸方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012073737A1
JPWO2012073737A1 JP2012503140A JP2012503140A JPWO2012073737A1 JP WO2012073737 A1 JPWO2012073737 A1 JP WO2012073737A1 JP 2012503140 A JP2012503140 A JP 2012503140A JP 2012503140 A JP2012503140 A JP 2012503140A JP WO2012073737 A1 JPWO2012073737 A1 JP WO2012073737A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
dtex
melt
polyamide
single yarn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012503140A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5780237B2 (ja
Inventor
健明 河野
健明 河野
小林 靖希
靖希 小林
純 花岡
純 花岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2012503140A priority Critical patent/JP5780237B2/ja
Publication of JPWO2012073737A1 publication Critical patent/JPWO2012073737A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5780237B2 publication Critical patent/JP5780237B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
    • D01F6/60Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyamides
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/08Melt spinning methods
    • D01D5/088Cooling filaments, threads or the like, leaving the spinnerettes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/08Melt spinning methods
    • D01D5/088Cooling filaments, threads or the like, leaving the spinnerettes
    • D01D5/092Cooling filaments, threads or the like, leaving the spinnerettes in shafts or chimneys
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/08Melt spinning methods
    • D01D5/096Humidity control, or oiling, of filaments, threads or the like, leaving the spinnerettes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/253Formation of filaments, threads, or the like with a non-circular cross section; Spinnerette packs therefor
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
    • D01F6/60Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyamides
    • D01F6/605Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyamides from aromatic polyamides
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

本発明のポリアミド極細繊維は、単糸繊度が0.10dtex以上0.50dtex以下のポリアミド繊維において、フィラメントの長手方向12000mあたりの平均毛羽数が1.0個以下である。また、本発明のポリアミド繊維の溶融紡糸方法は、紡糸口金外周部に円周状に配された吐出孔を有する紡糸口金から紡出した溶融紡糸糸条を、前記紡糸口金の中心部の下部にあって、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側または外側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を冷却する冷却装置(3)を用いて冷却し、さらに該冷却装置(3)の鉛直方向下部に円盤の外周部で単糸が接触する円盤形のガイド部と、ガイド部の直上にガイドの外周にそって形成した油剤吐出用の環状スリットを有する環状給油装置(4)を用いて給油を行った後、集束ガイド型給油装置(5)にて糸条を集束させるとともに2段目の給油を行う。

Description

本発明は単糸繊度が極めて小さい極細ポリアミド繊維に関し、優れたソフト性、平滑性、ドレープ性、高吸水性、高密度性、染色後の高品位を織編物に与えることができるポリアミド極細繊維に関するものである。
ポリアミド繊維は機械的特性をはじめとして数多くの優れた特性を有していることから、衣料用途および産業資材用途に広く用いられている。衣料用途の中でも仮撚加工糸は織物、編物など用途が広く生産量もかなり多い。特に、単糸繊度が1.2dtex以下の極細仮撚加工糸は、布帛にしたとき、非常に柔らかな風合いが得られ、かつ保温性、吸水性も通常の単糸繊度の仮撚加工糸より向上する。よって、極細仮撚加工糸の市場要求は高まっており、定番化しつつある。
上記のようなポリアミド極細繊維としては、単糸繊度1.2dtex以下のポリアミド樹脂からなる繊維において、摩擦係数、伸度、熱水収縮率を規定した仮撚用ポリアミド極細繊維を用いることで、布帛にソフト感を付与できる仮撚用ポリアミド極細繊維が提案されている(特許文献1)。
また、単糸繊度1.2dtex以下のポリアミド繊維において、糸条の15%伸長時の応力、インターレース開繊部の開繊長を規定した仮撚用ポリアミド繊維を用いることで、ソフト性の優れた仮撚捲縮糸が得られる仮撚用ポリアミド繊維が提案されている(特許文献2)。
これらのポリアミド極細繊維に油剤を均一付与する方法として、環状に吐出孔を配列した紡糸口金から吐出されるポリマーを糸条の内周または外周の全方向から冷風を吹き付ける冷却装置、所謂環状チムニーを使用して単糸を均一に冷却し、糸条を挟んで向かい合う給油ガイドにて油剤を付与することが提案されている(特許文献3)。
また、環状に配置された複数の吐出孔を備えた紡糸口金の下流側で、吐出孔から吐出された複数のフィラメントの内側に配置されるプレートに、それぞれの単糸を接触させることで、単糸間に均一に油剤を供給する方法が提案されている(特許文献4)。
日本国特開2005−320655号公報 日本国特開2009−84749号公報 日本国特開2007−126759号公報 日本国特開2010−126846号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に記載の方法で単糸繊度0.5dtex以下とさらに極細のポリアミド繊維を製造しようとすると、均一冷却や均一油剤付与が困難になるため、得られる極細ポリアミド繊維のウースター斑や毛羽品位が悪く、さらに単糸間の繊維構造差が大きくなる結果、仮撚り加工に供する場合は加工糸切れ、解じょ不良が発生し、織編物に供する場合は、整経時の毛羽が顕著となり、布帛の平滑性や品位の低下、染色後の染め斑が顕著に発生するなどの欠点があった。
かかる問題を解決すべく、特許文献3記載の給油方法を適用しようとすると、糸条を集束するとともに油剤を付与することになる。単糸繊度0.5dtex以下の極細ポリアミド繊維においては、単糸1本あたりの強力が低下し、糸条収束時に単糸同士が擦過し、油剤付与前の繊維は摩擦係数が大きいという特有の問題がある。そのため、単糸同士の擦過や、油剤付与される前の単糸とガイドとの擦過によって単糸切れを起こしたり、収束した糸条の内層の単糸まで均一に油剤が付与されにくく、単糸間で油剤および水分の付着差が発生し、単糸間で繊維構造差が発生したりするため、染色後の品位が低下する欠点を残していた。
さらに特許文献4記載の方法を適用しようとすると、単糸間の均一油剤付与には優れるものの、繊維の長手方向における均一な油剤付与は難しく、長手方向での油剤付着バラツキが発生することで、長手方向における繊維の構造差や摩擦係数バラツキが大きくなる。そのため、紡糸工程および高次加工工程において糸道ガイド類などとの擦過によって長手方向に張力バラツキが生じ、染色後に染め斑が発生し、高品位な布帛を得ることができないという欠点を残していた。
本発明の目的は、前記した従来技術の問題を解決し、優れたソフト性、平滑性、ドレープ性、高吸水性、高密度性、染色後の高品位を織編物に与えることができるポリアミド極細繊維を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を採用する。
(1)単糸繊度が0.10dtex以上0.50dtex以下のポリアミド繊維において、フィラメントの長手方向12000mあたりの平均毛羽数が1.0個以下であることを特徴とするポリアミド極細繊維。
(2)フィラメントの長手方向のウースター斑が1.0%以下であることを特徴とする前記(1)に記載のポリアミド極細繊維。
(3)総繊度が15〜300dtex、フィラメント数が30以上であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のポリアミド極細繊維。
(4)フィラメントの断面形状が異形断面であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド極細繊維。
(5)ポリアミド極細繊維において、フィラメントの断面形状が円形である単糸を有し、かつ円形断面形状を有する単糸の配向パラメーターについて、単糸中央部の配向パラメーターに対する単糸表面部の配向パラメーターの比が、1.10以上であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド極細繊維。
(6)単糸繊度が0.10dtex以上0.50dtex以下であり、フィラメントの長手方向12000mあたりの平均毛羽数が1.0個以下であるポリアミド極細繊維の溶融紡糸方法であって、紡糸口金外周部に円周状に配された吐出孔を有する紡糸口金から紡出した溶融紡糸糸条を、前記紡糸口金の中心部の下部にあって、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側または外側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を冷却する冷却装置を用いて冷却し、さらに該冷却装置の鉛直方向下部に円盤の外周部で単糸が接触する円盤形のガイド部と、ガイド部の直上にガイドの外周にそって形成した油剤吐出用の環状スリットを有する環状給油装置を用いて給油を行った後、集束ガイド型給油装置にて糸条を集束させるとともに2段目の給油を行うことを特徴とするポリアミド極細繊維の溶融紡糸方法。
(7)冷却装置が、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を冷却する冷却装置であることを特徴とする、前記(6)に記載のポリアミド極細繊維の溶融紡糸方法。
(8)冷却装置が下記を満足することを特徴とする、前記(6)または(7)に記載のポリアミド極細繊維の溶融紡糸方法。
(i)紡糸口金面から冷却装置の冷却開始位置までの距離(L)が10mm≦L≦70mm
(ii)冷却開始位置にて吹き出している冷却風の風速が15〜60m/min
(9)単糸繊度が0.10dtex以上0.50dtex以下であり、フィラメントの長手方向12000mあたりの平均毛羽数が1.0個以下であるポリアミド極細繊維の溶融紡糸装置であって、紡糸口金外周部に円周状に配された吐出孔を有する紡糸口金と、該紡糸口金の中心部の下部にあって、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側または外側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を冷却する冷却装置を有しており、さらに該冷却装置の鉛直方向下部に円盤の外周部で単糸が接触する円盤形のガイド部と、ガイド部の直上にガイドの外周にそって形成した油剤吐出用の環状スリットを有する環状給油装置と、その下流に糸条を集束させるとともに2段目の給油を行うための集束ガイド型給油装置を有することを特徴とするポリアミド極細繊維の溶融紡糸装置。
(10)冷却装置が、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を冷却する冷却装置であることを特徴とする、前記(9)に記載のポリアミド極細繊維の溶融紡糸装置。
本発明により、以下に説明する通り、単糸繊度が0.10dtex以上0.50dtex以下のポリアミド繊維において、フィラメントの長手方向12000mあたりの平均毛羽数を1.0個以下とすることで、従来のポリアミド極細繊維では得られなかった優れたソフト性、平滑性、ドレープ性、高吸水性、高密度性、染色後の高品位を織編物に与えることができるポリアミド極細繊維が得られるようになった。さらに好ましい態様においては優れた防透け性も付与することができる。
図1は本発明のポリアミド極細繊維生産方法の一例を表す図である。 図2は本発明のポリアミド極細繊維生産に用いる口金孔形状の一例を表す図である。 図3は本発明のポリアミド極細繊維生産に用いる口金孔形状の他の一例を表す図である。 図4は本発明のポリアミド極細繊維を生産する際に好ましく使用される環状給油装置の一例を表す図である。 図5は本発明のポリアミド極細繊維生産方法の他の一例を表す図である。
以下、本発明の実態の形態について詳細に説明する。
本発明のポリアミド極細繊維に使用されるポリアミドは、ポリアミドのホモポリマーまたはコポリマーであり、これらのポリアミドは、ラクタム、アミノカルボン酸あるいはジアミンとジカルボン酸との塩から形成されるアミド結合を有する溶融成形可能な重合体である。
ポリアミドとしては、種々のポリアミドを使用することができ、特に限定されないが、繊維形成能および力学的特性の点でポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)が好ましい。これらナイロン6,ナイロン66などのポリアミドのコポリマーとしては、全単量体単位に対し20モル%以下の割合で他のアミノカプロン酸、ラクタムなどを共重合したものが使用できる。
また、本発明で使用するポリアミドの硫酸相対粘度は、製糸安定性の観点から2.0〜3.5であることが好ましく、より好ましくは2.4〜3.0、さらに好ましくは2.5〜2.7である。上記硫酸相対粘度の測定方法は後述によるものとする。
本発明におけるポリマーには本発明の目的を逸脱しない範囲で、主成分の他に第2、第3成分を共重合または混合してもよい。
特に、本発明の目的に加えて、吸湿性を付与したい場合、ポリアミド中にポリビニルピロリドンを含有させることも可能である。
また、本発明で用いるポリアミドには各種の添加剤、たとえば、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、螢光増白剤などを必要に応じて混合していてもよい。
本発明のポリアミド極細繊維の製造方法については、本発明のポリアミド極細繊維が得られる限り特に限定はしないが、ポリアミドを溶融し、紡糸口金外周部に円周状に配された吐出孔からこれを吐出し、口金中心部の下部にあって、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側または外側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を均一に急冷する冷却装置を用いて冷却したのち、さらに該冷却装置の鉛直方向下部にある、環状給油装置にて単糸毎に油剤を付与したのちに集束ガイド型給油装置にて糸条を集束させるとともに2段目の給油を行なう方法が好ましく用いられる。2段目の給油の後は、必要に応じてインターレースを付与した後パッケージに巻き取る1工程法が太細斑や毛羽が特に少ないポリアミド繊維が得られる点およびコストの面から好ましい。なお、冷却装置としては、環状型冷却装置が好ましく、より好ましくは円の周上に走行する紡糸糸条の内側から外側へ冷却風を吹き付ける外吹き式環状型冷却装置、紡糸糸条の外側から内側へ冷却風を吹き付ける内吹き式環状型冷却装置がよい。とりわけ外吹き式環状型冷却装置が好ましい。
本発明のポリアミド繊維の製造方法の好ましい一例を、図1および図5にしたがって具体的に説明する。図1および図5は本発明にかかる合成繊維の製造工程の一例を示す概略図であり、図1は外吹き式環状型冷却装置3を使用した一例、図5は内吹き式環状型冷却装置18を使用した他の一例である。以下の説明において、図1および図5の製造工程の基本構成は同じであり、共通する符号の説明は省略する。
図1において、溶融されたポリアミドを口金1から吐出し、口金下保温ゾーン2を通過させた後、長手方向の繊度斑を低減させる目的で、口金中心下部に設置された外吹き式環状型冷却装置3により紡出糸条の内側から外側に向けて冷却風を吹き当て、各単糸を口金面から均一な距離で急速に冷却、固化させる。さらに糸条を集束させる前に、円盤の外周部で単糸が接触する円盤形のガイド部と、ガイド部の直上にガイドの外周にそって形成した油剤吐出用の環状スリットをもつ環状給油装置4によって単糸ごとに油剤を付与した後、集束ガイド型給油装置5で糸条を集束させるとともに2段目の給油を行うことが好ましい。給油後、必要に応じてインターレースノズル6でインターレースを付与し、引き取りローラー7、延伸ローラー8を通過し、ワインダー(巻取装置)9で巻き取る。尚、10は繊維フィラメント、11は繊維製品パッケージである。また、パッケージに巻き取る前に2組以上のローラーにより延伸しても良いが、この場合、延伸することにより付与されているインターレースがほどけてしまう事があるため、延伸倍率は低くするか、もしくは延伸後に再度インターレースを付与してもよい。
口金下保温ゾーン2において、口金面に向かって蒸気を噴出させ、口金下保温ゾーン2を蒸気で充満させることは、口金の吐出孔まわりのポリマーおよびポリマー中に含まれるオリゴマーが酸素と反応して固化し、所謂口金汚れとなることを抑制する効果があるため好ましく用いられる。この際、蒸気の噴出圧力は0.1〜0.5kPaとなることが好ましく、噴出圧力が小さすぎる場合は口金下保温ゾーンの酸素濃度が高くなり、口金面汚れの抑制効果が小さくなる、また噴出圧力が大きすぎる場合は吐出糸条の揺れを引き起こすため、ウースター斑の悪化につながる。
円形の周上に配列された紡出糸条の冷却に際し、環状型冷却装置を用い、糸条に対して外吹き放射状に冷却風を吹き付けることは、口金から吐出されたポリアミドから発生するオリゴマー成分や口金面をシールしている蒸気が紡糸装置内部に滞留せず、外部へ開放できるため好ましく用いられる。
上記図1の製造工程では外吹き式環状型冷却装置3を使用しているが、外吹き式環状型冷却装置3の代わりに図5に示した内吹き式環状型冷却装置18を使用することもできる。内吹き式環状型冷却装置18は、口金中心下部に紡出糸条を取り囲むように設置され、紡出糸条の外側から内側に向けて冷却風を吹き当て、各単糸を口金面から均一な距離で急速に冷却、固化させる。
冷却開始点距離、すなわち口金面から環状型冷却装置における冷却風吹き出し部の上端までの距離(L)は10〜70mmであることが好ましく、より好ましくは10〜60mm、さらに好ましくは10〜50mmである。冷却開始点距離が短すぎると環状型冷却装置から吹き出される冷却風が口金面にあたり、口金面温度が低下するために熱可塑性ポリマーの吐出安定性が悪化し、紡糸糸切れや毛羽が増加する。また冷却開始点距離が長すぎると冷却風による均一かつ急速な冷却を行う前にポリアミドが固化してしまうため、繊維の長手方向の繊度変動(ウースター斑)が大きくなりやすく、布帛にしたときの品位が低下する傾向にある。
環状型冷却装置における冷却風の風速は15〜60m/minであることが好ましく、より好ましくは20〜55m/min、さらに好ましくは25〜50m/minである。冷却風速が小さすぎる場合は単糸の均一かつ急速な冷却が不十分となることや、冷却糸条の張りが小さくなるため、外乱により糸揺れが起こりやすくなることにより、ウースター斑が大きくなる。またポリマーの冷却が不十分なままガイドと接触することで、毛羽や紡糸糸切れが多発するため、布帛としたときの品位に劣る。冷却風速が大きすぎる場合は各単糸に張力がかかりすぎるため、糸条が微振動を起こし、ウースター斑が大きくなることや、また紡糸時の糸切れが増加する。
環状型冷却装置における冷却風の温度は5〜50℃であることが好ましく、より好ましくは10〜40℃、さらに好ましくは15〜35℃である。冷却風の温度が低すぎると口金下保温ゾーンの温度が低下し、口金面の温度が低下してしまうため、糸条の強度が低下する傾向があり、冷却風の温度が高すぎると糸条の均一冷却がされにくくなり、かつ糸条の冷却が不十分となりやすく、ウースター斑が大きくなるのに加え、紡糸時の糸切れが増加する傾向がある。
環状型冷却装置における冷却風吹き付け部の鉛直方向の長さは100〜500mmであることが好ましく、より好ましくは150〜400mm、さらに好ましくは200〜350mmである。冷却風吹き付け長が長すぎると単糸にかかる張力が大きくなり、紡糸糸切れの原因となり、冷却風吹き付け長が短すぎると単糸の冷却が不十分なまま油剤付与されるため、毛羽の減少、および紡糸糸切れの原因となる。
環状型冷却装置を通過した単糸は、環状給油装置により処理することができる。この環状給油装置は、円形の周上に走行する紡出糸条の内側に配置される。
図4は、本発明において好ましく使用される環状給油装置の一例を示す概念図である。この環状給油装置4は、油剤吐出用スリット12および円盤形ガイド13を有する。円盤形ガイド13に環状型冷却装置を通過した繊維フィラメント(単糸)14が接触するように環状給油装置4が配置される。この円盤形ガイド13における糸条との接触点の直上に油剤が供給されるよう円盤形ガイド13の外周にそって環状の油剤吐出用スリット12が形成されている。油剤は油剤供給用配管17から油剤溜まり15に供給される。油剤溜まり15に充填された油剤は油剤吐出用スリット12から吐出され、円盤形ガイド13における糸条との接触点で吐出糸条の各単糸と接触し、各単糸に油剤が付与される。
環状型冷却装置を通過した単糸を円盤形のガイドに接触させることは、冷却風を吹き付けられた単糸が揺れるのを防止し、単糸の均一冷却を促進させ、ウースター斑を低減させる効果があるため好ましく用いられる。さらに、糸条を集束させる前に、前述の円盤形ガイドにおける糸条との接触点の直上にガイドの外周にそって形成した、油剤吐出用の環状スリットから油剤を吐出させ、油剤を各単糸に付与する環状給油装置を用いる方法は、油剤付与前の摩擦抵抗の高い糸が、円盤形ガイドに接触することや、糸条集束時に油剤付与されていない単糸同士が擦過されることによる毛羽の発生を抑制する効果があり、また集束ガイド型給油装置による油剤付与ではできなかった単糸間の均一油剤付与がなされるため、紡糸工程における糸道ガイドと油剤付与のされていない単糸が擦過することによる毛羽の発生や染色時の染め斑の発生が抑制され、高次加工性の良好な繊維が得られるため好ましく用いられる。また、環状給油装置により油剤を付与する位置は口金面から300〜1000mm下方であることが好ましく、より好ましくは350〜700mm、さらに好ましくは400〜600mm下方である。給油位置が高すぎると単糸の冷却が不十分なまま油剤が付与されるため、フィラメントの強度低下や毛羽の発生の原因となり、給油位置が低すぎると、口金面から吐出された単糸が集束するまでの距離が長くなるため、糸揺れが起こりやすくなり、毛羽の原因やウースター斑の悪化に繋がるのに加え、単糸の随伴気流効果が大きくなるため、走行糸条の張力が高くなり、紡糸糸切れの原因となる。環状給油装置にて付与される油剤の種類は、特に限定されないが、エマルジョンタイプであることが好ましい。エマルジョン油剤では表面張力によるガイド上での油膜形成が起こりやすく、円盤形ガイドの周方向に沿って均一に油剤を付与することができる。
環状給油装置4にて給油を行ったのち、集束ガイド型給油装置5にて単糸を集束させるとともに、さらに給油を行う2段給油方式をとる方法は、繊維の単糸間および長手方向の両面での均一油剤付与が達成できるため好ましく用いられる。環状給油装置4においては単糸間に均一に油剤が付与されるものの、長手方向に均一に油剤付与された繊維を得ることが難しく、長手方向の均一油剤付与を可能とする集束ガイド型給油装置5と環状給油装置4との2段給油方式とすることで繊維の単糸間および長手方向の両面での均一油剤付与が可能となり、染色後の品位の良好なポリアミド極細繊維を得ることができる。
また2段目の給油に用いられる集束ガイド型給油装置は通常の給油ガイドを使用することができ、たとえば前述の特許文献3に示されるような給油ガイドが好ましく用いられる。
引取りローラー7における糸条の引取り速度は3500〜4500m/分であることが好ましい。引取り速度が低すぎる場合は長手方向におけるポリアミドの配向が不安定になり、長手での染め斑が発生しやすくなり、引取り速度が高すぎる場合は糸条にかかる張力が大きくなるため、毛羽や紡糸糸切れの原因となる。さらに延伸ローラー8での延伸倍率は1.0〜1.3であることが好ましい。延伸倍率が高すぎると得られる繊維の伸度が低くなりすぎるのに加え、単糸が切れることで毛羽が発生しやすくなる。
本発明のポリアミド極細繊維は、単糸繊度が0.1dtex以上0.5dtex以下であることが必要であり、好ましくは0.25〜0.45dtexである。単糸繊度が太すぎる場合は、糸条の剛性が高くなり、織編物にした際、所望するソフト性、平滑性、ドレープ性、高吸水性、高密度性の優れた織編物を得ることが困難となり、単糸繊度が細過ぎる場合は、布帛にする際の単糸切れが発生しやすくなり、布帛の毛羽立ちや平滑性が劣る傾向があり、またウースター斑が悪化するため布帛の染色後の品位が悪化する傾向がある。上記単糸繊度の測定は後述の方法によるものとする。
本発明のポリアミド極細繊維はフィラメントの長手方向12000mあたりの平均毛羽数が1.0個以下であることが必要である。平均毛羽数が1.0個より多い場合、製織、製編時の整経毛羽の発生や仮撚加工時の加工糸切れ、解じょ不良が発生し、さらに織編物にしたときに、平滑性や品位に欠ける。好ましくは長手方向12000mあたりの平均毛羽数は0.5個以下であり、さらに好ましくは0個である。毛羽数を小さくするためには、油剤付与前の摩擦抵抗の高い単糸同士の擦過を防止することが好ましく、上述の環状給油ガイドにより糸条の集束前に油剤を付与する方法が好ましい。上記平均毛羽数の測定は後述の方法によるものとする。
繊維は一般に長手方向に糸条繊度変動を示しており、染色時に糸条の太い部分が濃染となる傾向があり、特に単糸の繊度が小さい場合にはこれが顕著に現れる。繊維の太細斑が大きいと、織編物の均染性が低下し外観を損ねるため、ウースター斑(太細斑)は1.0%以下であることが好ましい。ウースター斑が高すぎると、平滑性や染色時の濃淡差が大きく発現し、製品としての品位が劣る傾向にある。ウースター斑は好ましくは0.9%以下である。ウースター斑を小さくする方法については特に限定はしないが、冷却風吹き出し装置を口金面に近づけ、急冷する方法や、糸条を外周および/または内周から円環状に冷却風を吹き付ける方法が好ましく用いられる。さらに好ましくは糸条の内周から円環状に冷却風を吹き付けて単糸を均一に冷却した後、各単糸を円盤状のガイドに接触させて糸の揺れを防止する方法が用いられる。本発明においてウースター斑(太細斑)の測定は後述の方法によるものとする。
本発明のポリアミド極細繊維が、断面形状が円形である単糸を含むとき、その単糸における、表面部の配向パラメーターと中央部の配向パラメーターが異なることが好ましい。表面部と中央部における配向パラメーターが異なることで、ポリアミド極細繊維の中央部と表面部を通過する光の屈折率が異なり、円形断面であっても防透け効果が得られるのである。具体的には、単糸中央部の配向パラメーターに対する単糸表面部の配向パラメーターの比が1.10以上であることが好ましく、より好ましくは1.15倍以上2.00倍以下、さらに好ましくは1.20以上1.80倍以下である。単糸の中央部の配向パラメーターに対し、表面部の配向パラメーターが上記範囲にある場合、単糸の断面方向を通過する光が乱反射するため、布帛とした際に防透け効果が得られ、かつ繊維内部構造における歪みも大きくなりすぎず、十分なフィラメントの強度も保持することができる。上記配向パラメーターの測定は後述の方法によるものとする。このような配向パラメーターを有するポリアミド極細繊維は、冷却開始点距離を長くしすぎないよう、冷却風の風速(冷却風速)を小さくしすぎないよう、前述の好ましい条件を選択して製造することにより得ることができる。
本発明のポリアミド極細繊維は、ごく細い単糸繊度を有するものであり、溶融紡糸した糸条を均一かつ急速に冷却することで上記表面部の配向パラメーターと中央部の配向パラメーターの構造が異なる繊維が得られるようになり、より急速かつ均一に冷却できる冷却条件を採用することで、単糸中央部の配向パラメーターに対する単糸表面部の配向パラメーターの比が増大する傾向にある。
また、このポリアミド極細繊維の伸度は40〜70%であることが好ましい。伸度が低くなりすぎると、フィラメントの引張抵抗が高くなり、仮撚り加工において加撚される実撚り数が少なくなるため、得られる加工糸に十分な捲縮が付与されにくくなり、また、延伸糸において、糸切れや毛羽が発生しやすくなり、高次通過性が劣る傾向になる。一方、伸度が高すぎると、加撚される実撚り数が過剰となり、得られた加工糸に毛羽が生じたり、強度が低下しやすくなり、延伸糸において、残留伸度が高いために、織編物にスジが発現したりしやすくなり、品位に劣りやすくなる傾向がある。上記伸度の測定は後述の方法によるものとする。
また、得られたポリアミド極細繊維を15%伸長させたときの応力は1.0〜2.0gf/dtex(9.8×10-3〜19.6×10-3N/dtex)であることが好ましく、より好ましくは1.2〜1.8gf/dtex(11.8×10-3〜17.6×10-3N/dtex)である。15%伸長時応力が低すぎると、仮撚り加工時の張力が低くなりすぎ、加工糸切れや、加工張力変動が生じやすく、加工糸の品位低下や、収率が悪化しやすくなる。また、15%伸長時応力が高すぎると、仮撚り加工を行う際、インターレース部に大きな張力が集中し、単糸切れを発生させ、工程通過性や、織編物の品位を低下させやすくなる。上記15%伸長させたときの応力の測定は後述の方法によるものとする。
本発明のポリアミド極細繊維の総繊度は、15〜300dtexであることが好ましく、より好ましくは15〜200dtexである。総繊度が小さすぎると繊維の破断強力が小さくなり、布帛にした最の布帛の引き裂き強度が小さくなってしまい、総繊度が大きすぎる場合は染色時に繊維内部まで染料が浸透しにくくなり、染色後に染め斑が発生しやすくなり、高品位な布帛を得にくくなる。上記総繊度の測定は後述の方法によるものとする。
本発明のポリアミド極細繊維のフィラメント数は30以上が好ましく、より好ましくは30〜500フィラメントであり、さらに好ましくは50〜400フィラメントである。フィラメント数が30未満の場合は狙いとする優れたソフト性、ドレープ性、高吸水性、高密度性が得られにくくなり、フィラメント数が大きすぎると均一にインターレースを付与しにくく、解じょ性が悪化しやすくなり、またフィラメント間の均一油剤付与が難しくなり単糸切れに起因する毛羽の発生が増加しやすくなる。
本発明のポリアミド極細繊維の断面形状は特に限定されるものではなく、例えば,円形断面、異形断面が挙げられる。異形断面としては、例えば偏平断面、レンズ型断面、三葉断面、六葉断面、いわゆるマルチローバル断面と呼ばれる3〜8ヶの凸部と同数の凹部を有する異形断面、中空断面その他公知の異形断面でもよい。好ましい断面としては円形断面が紡糸安定性と優れたソフト性、ドレープ性付与の点で優れている。さらにポリアミド極細繊維が円形断面で中央部と表面部が前記好ましい配向パラメーターの比を有する場合は、配向の構造差により単糸の断面方向を通過する光が乱反射し、また、三葉断面、マルチローバル断面や、中空断面を有するものは、単糸表面を通過する光が乱反射するため、布帛とした際に透過光の乱反射による高い防透け性が得られる点で好ましい。さらに、三葉断面やマルチローバル断面、およびマルチローバル断面と円形断面のフィラメントが混合した断面構成などは、布帛にした際に単糸間に高い空隙が得られ、毛細管現象に起因する高吸水性や、高嵩密度性の付与ができる点で優れ、さらに透過光が乱反射することによる防透け性の付与においても優れているため、好ましく用いられる。
かくして得られる本発明のポリアミド極細繊維は、優れたソフト性、平滑性、ドレープ性、高吸水性、高密度性、染色後の高品位を布帛に与えることができ、好ましい態様においてはさらに防透け性にも優れる。よって本発明の極細繊維を織物とした際は保温性、軽量性に優れたダウンジャケット生地などのアウター素材、編物とした際は、上記機能をもった高級感のあるインナー、さらにタイツなどに用いられるカバリング糸などに好ましく用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
本明細書および実施例中の各特性値は次の方法にしたがって求めた。
(1)総繊度および単糸繊度
試料(糸条)を枠周1.000mの検尺機にて、27デシテックス以下の品種は1000回巻カセ、28デシテックス以上の品種は500回巻カセを作成し、熱風乾燥機にて105±2℃×60分乾燥した後、天秤にて計量した値により次式(i)または(ii)にて算出したものを総繊度とした。また得られた総繊度を糸条単糸数で割り返した値を単糸繊度とした。
(i)27デシテックス以下の品種
総繊度(dtex)=計量値(g)×(10000/1000)×{1+(公定水分率(%)/100)}
(ii)28デシテックス以上の品種
総繊度(dtex)=計量値(g)×(10000/500)×{1+(公定水分率(%)/100)}
ここで、実施例中で使用したナイロン6およびナイロン66ポリマーについては、公定水分率を4.5%として繊度の算出を行った。
単糸繊度(dtex)=総繊度(dtex)/単糸数
ただし、異なる2種類の断面形状(断面Aおよび断面B)の混繊フィラメントにおける単糸繊度については、以下に示す式にて、それぞれの断面形状における単糸断面の面積比を算出し、上記総繊度に面積比を乗じ、同形状のフィラメントの総数で割った値とした。
断面Aの面積比=断面Aの面積/(断面Aの面積+断面Bの面積)
断面Bの面積比=断面Bの面積/(断面Aの面積+断面Bの面積)
混繊フィラメント中の断面Aの単糸繊度(dtex)=(総繊度(dtex)×断面Aの面積比)/断面Aのフィラメント数
混繊フィラメント中の断面Bの単糸繊度(dtex)=(総繊度(dtex)×断面Bの面積比)/断面Bのフィラメント数
(2)硫酸相対粘度
試料を秤量し、98重量%濃硫酸に試料濃度(C)が1g/100mlとなるように溶解し、該溶液についてオストワルド粘度計にて25℃での落下秒数(T1)を測定する。さらに試料を溶解していない98重量%濃硫酸について、同様に25℃での落下秒数(T2)を測定した後、試料の相対粘度(ηr)を下式により算出する。
(ηr)=(T1/T2)+{1.891×(1.000−C)}
(3)平均毛羽数
平均毛羽数は、東レエンジニアリング社(現在の社名はtmtマシナリー)のMALUTI−POINT FRAY COUNTER MFC−200(センサー部 F型)を使用して、毛羽長設定(センサー光軸中心からU−Guide底部までの距離):2.0mm、糸速:600m/min、測定時間:20分間の条件において、給糸張力:0.25g/dtex〜0.75g/dtexの範囲にあることを確認しながら、測定回数:10回測定し、その測定平均値を平均毛羽数(個/12000m)とした。
(4)配向パラメーター比
配向パラメーターは断面形状が円形であるサンプル(単糸)について、ラマン分光法により測定し、Jobin Yvon/愛宕物産社製 T−64000を使用し、測定モード:顕微ラマン、対物レンズ:×100、ビーム径:1μm、光源:Ar+レーザー/514.5nm、レーザーパワー:100mW、回折格子:Single 600、1800gr/mm、スリット:100μm、検出器:Jobin Yvon社製CCD 1024×256の条件にて測定を行った。測定試料は樹脂(ビスフェノール系エポキシ樹脂、24時間硬化)包埋後、繊維長手方向から5°以下の切削角にてミクロトームにより切片化した。切片試料の厚みは1.5μmであり、繊維の中心を通るように切り出した。配向の測定は偏光条件下で行い、偏光方向が繊維長手方向と一致する場合を平行偏光(‖)、直交する場合を垂直偏光(⊥)とし、それぞれ得られるラマンバンドにおいて、1130cm-1付近のC−C変角振動モードに帰属されるピーク強度(I1130)と、1635cm-1付近のC=C伸縮振動に帰属されるピーク強度(I1635)の比から配向の程度を評価した。すなわち
配向パラメーター=(I1130/I1635)‖/(I1130/I1635)⊥
である。このうち、測定点について、単糸表面部の配向パラメーターは単糸表面部から1μm内部の点、中央部の配向パラメーターは単糸中央部の点についてレーザーを照射し、配向パラメーターを算出した。この結果より、単糸中央部の配向パラメーターに対する単糸表面部の配向パラメーター比は以下の式にて算出した。なお、単糸中央部と単糸表面部の配向パラメーターについては、フィラメント中より無作為に採取した単糸5本における平均値を用いて算出した。
配向パラメーター比=(単糸表面部の配向パラメーター)/(単糸中央部の配向パラメーター)
(5)ウースター斑
ウースター斑は、ZELLWEGER USTER社のUSTER TESTER UT−4を使用し、糸速50m/分、S撚り、撚り数8000rpmで3分間の測定条件において、1/2inertのウースター斑U%を測定した。
(6)15%伸長時応力
15%伸長時応力はORIENTEC社製TENSIRON RPC−1210Aを使用し、つかみ間隔50cmで把持し、50cm/minの引っ張り速度で伸長させ、57.5cmまで伸長させたときの張力を3回測定し、その平均値を繊維の繊度で割り返した値とした。
(7)伸度
伸度はORIENTEC社製TENSIRON RPC−1210Aを使用し、つかみ間隔50cmで把持し、50cm/minの引っ張り速度で伸張させ、糸が破断した際の引っ張り長を3回測定し、その平均値を50cmで割り、100を掛けた値とした。
(8)布帛のソフト性
得られた繊維からなり染色した布帛について、柔らかさ、表面のなめらかさ、ドレープ性、布帛の色の深みを触感および目視で判定し、以下の4段階で判定した。
(A)・・・極めて良好(染色した布帛が柔らかく、表面がなめらかであり、ドレープ性がある。布帛表面に毛羽立ちはみられない。)
(B)・・・良好(柔らかさ、ドレープ性に優れるものの、なめらかさに劣り、一部表面に毛羽立ちが見られる。)
(C)・・・やや不良(ドレープ性があるものの、柔らかさ、なめらかさに劣り、一部に毛羽立ちが見られる。)
(D)・・・不良(布帛が硬く、なめらかさ、ドレープ性に劣り、表面に毛羽立ちがみられる。)。
(9)布帛の染色品位
得られた繊維をタテ・ヨコ両方に用い、かつヨコ打ち込み長180cmの平織物を作成し、布帛を酸性染料(Mitsui Nylon Black GL)を用いて染色した。染色後の平織物を透視検反機によって検査者(10人)の評価により、長手方向で100m検反し、次の基準で相対評価した。
(A)・・・スジ、濃淡ムラが全くない。
(B)・・・弱いスジ、濃淡ムラが多少見られるが実用可能レベル。
(C)・・・弱いスジ、濃淡ムラが多く見られ実用可能レベルではない。
(D)・・・強いスジ、濃淡ムラが多く見られ実用可能レベルではない。
(10)布帛の吸水性(バイレック法)
JIS L1096(1999)「バイレック法」により測定した。この測定で得られる吸水高さについて次の基準で評価した。
(A)・・・90mm以上
(B)・・・65mm以上90mm未満
(C)・・・55mm以上65mm未満
(D)・・・55mm未満。
(11)布帛の防透け性
得られた繊維にて筒編みを作成した後、検査者(10人)の評価により、精練後の布帛の防透け性を次の基準で相対評価した。
(A)・・・極めて良好(透け感が全く無く、防透け素材として使用可能。)
(B)・・・良好(若干透け感が認められるが、防透け素材として実用可能なレベル)
(C)・・・実用可能(通常の用途において問題ないレベル)
(D)・・・不良(透明感が強く、インナー用には使用不可能)
(12)布帛の総合評価
布帛の総合評価として次の基準によって評価した。
(A)・・・布帛のソフト性、染色品位、吸水性、防透け性の4項目全てについて(A)もしくは(B)評価であり、2項目以上が(A)である。
(B)・・・布帛のソフト性、染色品位、吸水性、防透け性の4項目において、(C)評価が1項目以下であるが、(D)評価の項目は無い。
(C)・・・布帛のソフト性、染色品位、吸水性、防透け性の4項目全てについて(D)評価の項目はないが、(C)評価の項目が2項目以上ある。
(D)・・・布帛のソフト性、染色品位、吸水性、防透け性の4項目のうち1項目以上に(D)評価の項目がある。
実施例1
98%硫酸相対粘度2.63のナイロン66を285℃で溶融後、溶融紡糸口金パックに供し、98ホールの円形孔を持った口金孔から吐出し、各単糸を、紡糸口金面に向けて0.25kPaの圧力で蒸気が噴出されている蒸気噴出ゾーンを通過させた後、該蒸気噴出ゾーン下流側で、冷却開始点距離が30mmで、鉛直方向の長さが300mmの冷却風吹き出し部を有する単体の外吹き式環状型冷却装置を通過させ、外吹きに放射状に吹く20℃の冷却風を40m/minの風速にて吹き付け、冷却固化を行わせる。その後、口金面より500mmの位置で、円盤の外周部で単糸が接触する円盤形のガイド部と、ガイド部の直上にガイドの外周にそって形成した油剤吐出用の環状スリットを有する環状給油装置によりエマルジョン油剤を付与し、さらに収束ガイド型給油装置にて2段目の給油を行うとともに糸条を収束させ、インターレースの付与を行いながら、4000m/分で引き取り、延伸倍率1.10倍にて延伸を行った後、リラックス条件下において4200m/分でパッケージに巻き取り、40dtex/98フィラメント、伸度45%のナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表1に示す。なお表中、ナイロン66をN66と略記する。
実施例2
98%硫酸相対粘度2.63のナイロン6を255℃で溶融後、溶融紡糸口金パックに供したこと以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン6繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表1に示す。なお表中、ナイロン6をN6と略記する。
実施例3
268ホールの円形孔を持った口金を使用する以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/268フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
82ホールの円形孔を持った口金を使用する以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/82フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
口金下蒸気噴出ゾーンの下流に設置された外吹き式環状型冷却装置における冷却風吹き出し部の鉛直方向の長さを100mmとし、環状給油装置による給油位置を口金下300mmとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
98%硫酸相対粘度2.63のナイロン66を275℃で溶融した以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2012073737
実施例7
42ホールの円形孔を持った口金を使用し、繊度を17dtexとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、17dtex/42フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例8
680ホールの円形孔を持った口金を使用し、繊度を280dtexとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、280dtex/680フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例9
32ホールの円形孔をもった口金を使用し、繊度を15dtexとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、15dtex/32フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例10
98%硫酸相対粘度2.63のナイロン6を255℃で溶融後、溶融紡糸口金パックに供し、98ホールの図2に示すような断面形状が3葉のスリット形状を持った口金吐出孔から吐出した以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントの3葉断面ナイロン6繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表2に示す。
実施例11
49ホールの図3に示すような断面形状が6葉の口金吐出孔、及び同数の丸孔が混在している98ホールの口金を用いた以外は実施例10と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントの6葉断面と丸断面の混在したナイロン6繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2012073737
実施例12
インターレースの付与を行った後、3000m/分にて引き取り、延伸倍率1.50倍にて延伸を行った後に、リラックス条件下において4300m/分で巻取った以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表3に示す。
実施例13
鉛直方向の長さが300mmの冷却風吹き出し部を有する単体の内吹き式環状型冷却装置を、外吹き式環状型冷却装置の代わりに通過させる以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表3に示す。
実施例14
冷却開始点距離を20mmとする以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表3に示す。
実施例15
冷却開始点距離を40mmとする以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表3に示す。
実施例16
冷却開始点距離を10mmとする以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2012073737
実施例17
冷却開始点距離を60mmとする以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表4に示す。
実施例18
外吹き式環状型冷却装置から外吹きに放射状に吹く20℃の冷却風の風速を27m/minとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表4に示す。
実施例19
外吹き式環状型冷却装置から外吹きに放射状に吹く20℃の冷却風の風速を49m/minとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表4に示す。
実施例20
外吹き式環状型冷却装置から外吹きに放射状に吹く20℃の冷却風の風速を17m/minとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表4に示す。
実施例21
外吹き式環状型冷却装置から外吹きに放射状に吹く20℃の冷却風の風速を58m/minとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2012073737
比較例1
160ホールの円形孔を持った口金孔から吐出し、繊度を15dtexとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、15dtex/160フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表5に示す。
比較例2
繊度を56dtexとした以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、56dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表5に示す。
比較例3
外吹き式環状型冷却装置の鉛直方向下部の口金面より500mmの位置において、油剤吐出用の環状スリットを持たない円盤形ガイドを用い、油剤供給を行わずに円盤形ガイドに単糸を接触させる以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表5に示す。
比較例4
ポリエチレンテレフタレート樹脂を290℃で溶融後、溶融紡糸口金パックに供した以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表5に示す。
比較例5
冷却装置を一方向型のユニフローチムニーとし、給油ガイドにて糸条を収束し、給油する以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表5に示す。
比較例6
環状給油装置にて給油を行ったのち、2段目の給油を行わずに集束ガイドにて糸条を集束する以外は実施例1と同様の方法で紡糸を行い、40dtex/98フィラメントのナイロン66繊維を得た。得られた原糸および布帛の特性評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2012073737
1 口金
2 口金下保温ゾーン
3 外吹き式環状型冷却装置
4 環状給油装置
5 集束ガイド型給油装置
6 インターレースノズル
7 引き取りローラー
8 延伸ローラー
9 ワインダー(巻取装置)
10 繊維フィラメント
11 繊維製品パッケージ
12 油剤吐出用スリット
13 円盤形ガイド
14 繊維フィラメント
15 油剤溜まり
16 スリットより吐出された油剤
17 油剤供給用配管
18 内吹き式環状型冷却装置

Claims (10)

  1. 単糸繊度が0.10dtex以上0.50dtex以下のポリアミド繊維において、フィラメントの長手方向12000mあたりの平均毛羽数が1.0個以下であることを特徴とするポリアミド極細繊維。
  2. フィラメントの長手方向のウースター斑が1.0%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のポリアミド極細繊維。
  3. 総繊度が15〜300dtex、フィラメント数が30以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリアミド極細繊維。
  4. フィラメントの断面形状が異形断面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド極細繊維。
  5. ポリアミド極細繊維において、フィラメントの断面形状が円形である単糸を有し、かつ円形断面形状を有する単糸の配向パラメーターについて、単糸中央部の配向パラメーターに対する単糸表面部の配向パラメーターの比が、1.10以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド極細繊維。
  6. 単糸繊度が0.10dtex以上0.50dtex以下であり、フィラメントの長手方向12000mあたりの平均毛羽数が1.0個以下であるポリアミド極細繊維の溶融紡糸方法であって、紡糸口金外周部に円周状に配された吐出孔を有する紡糸口金から紡出した溶融紡糸糸条を、前記紡糸口金の中心部の下部にあって、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側または外側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を冷却する冷却装置を用いて冷却し、さらに該冷却装置の鉛直方向下部に円盤の外周部で単糸が接触する円盤形のガイド部と、ガイド部の直上にガイドの外周にそって形成した油剤吐出用の環状スリットを有する環状給油装置を用いて給油を行った後、集束ガイド型給油装置にて糸条を集束させるとともに2段目の給油を行うことを特徴とするポリアミド極細繊維の溶融紡糸方法。
  7. 冷却装置が、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を冷却する冷却装置であることを特徴とする、請求項6に記載のポリアミド極細繊維の溶融紡糸方法。
  8. 冷却装置が下記を満足することを特徴とする請求項6または7に記載のポリアミド極細繊維の溶融紡糸方法。
    (1)紡糸口金面から冷却装置の冷却開始位置までの距離(L)が10mm≦L≦70mm
    (2)冷却開始位置にて吹き出している冷却風の風速が15〜60m/min
  9. 単糸繊度が0.10dtex以上0.50dtex以下であり、フィラメントの長手方向12000mあたりの平均毛羽数が1.0個以下であるポリアミド極細繊維の溶融紡糸装置であって、紡糸口金外周部に円周状に配された吐出孔を有する紡糸口金と、該紡糸口金の中心部の下部にあって、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側または外側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を冷却する冷却装置を有しており、さらに該冷却装置の鉛直方向下部に円盤の外周部で単糸が接触する円盤形のガイド部と、ガイド部の直上にガイドの外周にそって形成した油剤吐出用の環状スリットを有する環状給油装置と、その下流に糸条を集束させるとともに2段目の給油を行うための集束ガイド型給油装置を有することを特徴とするポリアミド極細繊維の溶融紡糸装置。
  10. 冷却装置が、吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側から冷却風を吹き付けて溶融紡糸糸条を冷却する冷却装置であることを特徴とする、請求項9に記載のポリアミド極細繊維の溶融紡糸装置。
JP2012503140A 2010-11-29 2011-11-21 ポリアミド極細繊維並びにその溶融紡糸方法及び装置 Active JP5780237B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012503140A JP5780237B2 (ja) 2010-11-29 2011-11-21 ポリアミド極細繊維並びにその溶融紡糸方法及び装置

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010264475 2010-11-29
JP2010264475 2010-11-29
PCT/JP2011/076780 WO2012073737A1 (ja) 2010-11-29 2011-11-21 ポリアミド極細繊維並びにその溶融紡糸方法及び装置
JP2012503140A JP5780237B2 (ja) 2010-11-29 2011-11-21 ポリアミド極細繊維並びにその溶融紡糸方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012073737A1 true JPWO2012073737A1 (ja) 2014-05-19
JP5780237B2 JP5780237B2 (ja) 2015-09-16

Family

ID=46171681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012503140A Active JP5780237B2 (ja) 2010-11-29 2011-11-21 ポリアミド極細繊維並びにその溶融紡糸方法及び装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20130251992A1 (ja)
EP (1) EP2647746B1 (ja)
JP (1) JP5780237B2 (ja)
KR (1) KR101580883B1 (ja)
CN (1) CN103221589B (ja)
TW (1) TWI527945B (ja)
WO (1) WO2012073737A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10300415B2 (en) * 2013-03-09 2019-05-28 Donaldson Company, Inc. Fine fibers made from reactive additives

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013044014A1 (en) 2011-09-21 2013-03-28 Donaldson Company, Inc. Fibers made from soluble polymers
TWI595127B (zh) * 2012-02-29 2017-08-11 東麗股份有限公司 聚醯胺纖維及其製造方法
CN102776708A (zh) * 2012-08-22 2012-11-14 成都彩虹环保科技有限公司 一种纤维加工装置
JP6273836B2 (ja) * 2013-12-27 2018-02-07 東レ株式会社 異形断面ポリアミドマルチフィラメント、およびその製造方法
CN104088025B (zh) * 2014-07-02 2017-01-04 北京中丽制机工程技术有限公司 一种熔纺氨纶纺丝生产设备及生产方法
US20170311651A1 (en) * 2014-11-12 2017-11-02 Toray Industries, Inc. Ultra-fine high-strength polyamide multifilament, and covering yarn, stocking, and fabric using same
CN106048753A (zh) * 2016-07-28 2016-10-26 苏州敏喆机械有限公司 一种熔体纺丝用中心环吹风装置
CN106757771B (zh) * 2017-01-17 2019-07-26 河南工程学院 一种聚酰胺超细纤维网的制备方法
CN106948016B (zh) * 2017-02-24 2020-04-21 上海凯赛生物技术股份有限公司 一种聚酰胺纤维卷装及其生产方法
JP6876576B2 (ja) * 2017-08-17 2021-05-26 日本電子株式会社 三次元像構築方法
WO2019146600A1 (ja) * 2018-01-25 2019-08-01 東レ株式会社 ポリアミドマルチフィラメントおよびそれを用いたレース編物
DE102019001484A1 (de) * 2019-03-02 2020-09-03 Oerlikon Textile Gmbh & Co. Kg Präparationsfadenführer
JP7287169B2 (ja) * 2019-07-31 2023-06-06 東レ株式会社 仮撚り用ポリアミドマルチフィラメントおよびポリアミド仮撚り加工糸
CN117471101B (zh) * 2023-12-28 2024-03-12 中国科学院烟台海岸带研究所 基于多通道拉曼探针肿瘤msi错配修复蛋白的检测方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07118912A (ja) * 1993-10-14 1995-05-09 Murata Mach Ltd 合繊フィラメント紡糸装置
JP2002105740A (ja) * 2000-09-22 2002-04-10 Murata Mach Ltd オイリングノズル
US6420025B1 (en) * 1999-05-14 2002-07-16 Zimmer Aktiengesellschaft Method for producing ultra-fine synthetic yarns
JP2007077547A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Toray Ind Inc 極細ポリアミドマルチフィラメントの製造方法およびポリアミドマルチフィラメント糸の溶融紡糸装置
JP2009084749A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Toray Ind Inc 仮撚用ポリアミド繊維および仮撚用ポリアミド繊維の製造方法
JP2009209479A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Nippon Ester Co Ltd 異型異繊度混繊糸の溶融紡糸方法と溶融紡糸装置
JP2010077570A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Toray Ind Inc 溶融紡糸方法および溶融紡糸装置
JP2010126846A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Toray Ind Inc 油剤塗布装置
JP2011074539A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Toray Ind Inc 異形断面ポリアミドマルチフィラメント

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19821778B4 (de) * 1998-05-14 2004-05-06 Ems-Inventa Ag Vorrichtung und Verfahren zur Herstellung von Mikrofilamenten von hoher Titer-Gleichmäßigkeit aus thermoplastischen Polymeren
JP4383955B2 (ja) 2004-05-10 2009-12-16 ユニチカファイバー株式会社 仮撚用ポリアミド極細繊維
JP2007126759A (ja) 2005-10-31 2007-05-24 Toray Ind Inc 極細ポリアミド繊維の溶融紡糸方法
BRPI0910048B1 (pt) * 2008-03-26 2019-02-26 Toray Industries, Inc. Filamentos de poliamida 56, estrutura de fibra, tecido para airbag, processo para produção de filamentos de poliamida 56 e resina de poliamida 56

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07118912A (ja) * 1993-10-14 1995-05-09 Murata Mach Ltd 合繊フィラメント紡糸装置
US6420025B1 (en) * 1999-05-14 2002-07-16 Zimmer Aktiengesellschaft Method for producing ultra-fine synthetic yarns
JP2002105740A (ja) * 2000-09-22 2002-04-10 Murata Mach Ltd オイリングノズル
JP2007077547A (ja) * 2005-09-15 2007-03-29 Toray Ind Inc 極細ポリアミドマルチフィラメントの製造方法およびポリアミドマルチフィラメント糸の溶融紡糸装置
JP2009084749A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Toray Ind Inc 仮撚用ポリアミド繊維および仮撚用ポリアミド繊維の製造方法
JP2009209479A (ja) * 2008-03-04 2009-09-17 Nippon Ester Co Ltd 異型異繊度混繊糸の溶融紡糸方法と溶融紡糸装置
JP2010077570A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Toray Ind Inc 溶融紡糸方法および溶融紡糸装置
JP2010126846A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Toray Ind Inc 油剤塗布装置
JP2011074539A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Toray Ind Inc 異形断面ポリアミドマルチフィラメント

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10300415B2 (en) * 2013-03-09 2019-05-28 Donaldson Company, Inc. Fine fibers made from reactive additives

Also Published As

Publication number Publication date
TWI527945B (zh) 2016-04-01
EP2647746A4 (en) 2014-07-30
KR101580883B1 (ko) 2015-12-30
KR20130141484A (ko) 2013-12-26
EP2647746A1 (en) 2013-10-09
JP5780237B2 (ja) 2015-09-16
WO2012073737A1 (ja) 2012-06-07
EP2647746B1 (en) 2016-08-10
TW201231746A (en) 2012-08-01
US20130251992A1 (en) 2013-09-26
CN103221589B (zh) 2014-12-03
CN103221589A (zh) 2013-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5780237B2 (ja) ポリアミド極細繊維並びにその溶融紡糸方法及び装置
JP6127969B2 (ja) ポリアミド繊維およびその製造方法
JP6687035B2 (ja) ポリアミドマルチフィラメントおよびそれを用いたレース編物、ストッキング
JP6879362B2 (ja) ポリアミドマルチフィラメントおよびそれを用いたレース編物
JP4983518B2 (ja) 仮撚用ポリアミド繊維および仮撚用ポリアミド繊維の製造方法
JP2013032223A (ja) ポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ及びその製造方法
JP2020158906A (ja) 高強度ポリアミドモノフィラメント
JP2017218698A (ja) 極細扁平仮撚糸
KR102575877B1 (ko) 흡습성, 주름방지성이 우수한 심초 복합 단면섬유
JP4571095B2 (ja) 原着ポリ乳酸仮撚糸及びその製造方法並びにカーペット
JP6627572B2 (ja) ポリアミド繊維およびそれよりなる布帛
JP2012211423A (ja) 複合延伸仮撚加工糸
WO2021246270A1 (ja) ポリアミドモノフィラメント
WO2024195613A1 (ja) ポリアミドマルチフィラメントおよび織編物
WO2022209813A1 (ja) ポリアミドマルチフィラメント
WO2023136307A1 (ja) ポリアミドマルチフィラメントおよび織物
JP2004502882A (ja) 異形断面を有するポリマーフィラメント
JP2024051376A (ja) ポリアミドマルチフィラメントおよびポリアミド仮撚り加工糸
JP2022156186A (ja) 溶融紡糸装置および溶融紡糸方法
JP2006325717A (ja) ストリングス
TW200526827A (en) Spinneret for producing circular cross section yarn and process for making the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150616

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150629

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5780237

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151