JP7287169B2 - 仮撚り用ポリアミドマルチフィラメントおよびポリアミド仮撚り加工糸 - Google Patents
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Description
(1)単糸繊度が0.3~1.0dtex、アミノ末端基量が7×10-5~15×10-5mol/g、伸度が70~100%、15%伸長応力が1.1~2.0cN/dtexから構成されることを特徴とする仮撚り用ポリアミドマルチフィラメント。
(2)酸化チタンを0.1~3.0重量%含有することを特徴とする(1)に記載の仮撚り用ポリアミドマルチフィラメント。
(3)ポリアミドがナイロン6またはナイロン66を特徴とする(1)または(2)に記載の仮撚り用ポリアミドマルチフィラメント。
(4)単糸繊度が0.2~0.8dtex、アミノ末端基量が7×10-5~15×10-5mol/g、伸縮復元率(CR)が25~40%から構成されることを特徴とするポリアミド仮撚り加工糸。
ナイロンチップまたは繊維試料を秤量し、98重量%濃硫酸に試料濃度(C)が1g/100mlとなるように溶解し、該溶液についてオストワルド粘度計にて25℃での落下秒数(T1)を測定する。さらに試料を溶解していない98重量%濃硫酸について、同様に25℃での落下秒数(T2)を測定した後、試料の相対粘度(ηr)を下式により算出する。
(ηr)=(T1/T2)+{1.891×(1.000-C)}。
100m/周の検尺器に繊維試料をセットし、450回転させて、ループ状かせを作成し、熱風乾燥機にて乾燥後(105±2℃×60分)、天秤にてかせ質量を量り、公定水分率を乗じた値から総繊度を算出した。また、得られた繊度をフィラメント数で割り返した値を単糸繊度とした。尚、ナイロン6の公定水分率は、4.5%とした。
繊維試料5gを磁性ルツボに入れ、電気炉を用いて1000℃で灰化し、灼熱残分を酸化チタンとして重量%で表した。
乾燥処理を行なったナイロンチップまたは繊維試料1gを精秤し、フェノール・エタノール混合溶媒(83.5:16.5、体積比)25mlに溶解後、0.02N塩酸水溶液を用いて中和滴定した際の滴定からアミノ末端基量を測定した。なお、本明細書中のアミノ末端基量数値は、×10-5mol/gで表す。
繊維試料を、ORIENTEC社製TENSIRON RPC-1210Aを使用し、つかみ間隔50cmで把持し、50cm/minの引っ張り速度で伸長させ、57.5cmまで伸長させたときの張力を3回測定し、その平均値を繊維の繊度で割り返した値とした。
繊維試料を、ORIENTEC社製TENSIRON RPC-1210Aを使用し、つかみ間隔50cmで把持し、50cm/minの引っ張り速度で伸張させ、糸が破断した際の引っ張り長を50cmで割り、100を掛けた値とした。また、強度は糸が破断するまでの最大伸長応力を繊度で除した値とした。いずれも3回測定し、その平均値とした。
仮撚り加工糸を周長1.0mの検尺機にて10回巻きしてカセ取りした後、このカセに繊度×0.002×巻取回数×2/1.111gの初荷重をかけて、90℃×20分間熱水処理し、脱水後12時間以上放置する。放置後のカセに初荷重と繊度×0.1×巻取回数×2/1.111gの測定荷重をかけて水中に垂下し2分間放置する。放置したカセの長さを測り、Lとする。さらに、測定荷重を除き初荷重だけにした状態で3分間放置し、カセの長さを測り、L1とする。次式により、伸縮復元率CRを求めた。
筒編機へ仮撚り加工糸を1本で給糸し、筒編機にて度目が50となるように調整して作製した。得られた筒編み地をノニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ノイゲンSS)2g/l水溶液を編み地1gに対し100ml用意し、60℃にて30分洗浄した後、流水にて20分水洗し、脱水機にて脱水、風乾した。その後、以下の染料及び染色助剤を用いて染色した。
酸性染料:Alizarine Bril Sky Blue RLW 5.0質量%
染色助剤:酢酸 1.5%
酸性染料、染色助剤を含む染色浴に常圧98℃設定で45分間染色した後、流水にて20分水洗し、脱水機にて脱水、風乾した。
発色性の評価指標としては、上記H項で得られた筒編み地をスガ試験機(株)製カラーメーターSM-Tを用いて、L値を3回測定した平均値より算出した。
○:31以上~35未満
×:35以上
J.捲縮性
捲縮性の評価指標としては、上記H項で得られた筒編み地について、膨らみ感やソフト感を10人のパネラーに5点満点で官能評価し、その平均が3点以上を合格とした。
ヘキサメチレンジアミン620.1gをイオン交換水1400g中に溶解したジアミン水溶液を、撹拌しているところに779.9gのアジピン酸を加えていき、ヘキサメチレンジアミン-アジピン酸塩の53重量%水溶液2800gを調製した。その後、得られたヘキサメチレンジアミン-アジピン酸塩水溶液を、螺旋帯撹拌翼をもった撹拌機と熱媒ジャケットを装備した内容積5Lのバッチ式重合缶に仕込んだ(原料調製工程)。次に重合缶内を密閉化し、充分に窒素置換した後に熱媒を加熱して水溶液を濃縮した(濃縮工程)。このとき缶内温度を200℃、缶内圧力(ゲージ圧)を0.2MPaに制圧しながら、水溶液中の原料の濃度が85重量%(濃縮後水分率15%)となるまで濃縮した。缶内の水溶液の濃度は留出水量から判断した。そして、濃縮が終了後、缶内圧力(ゲージ圧)1.7MPaに到達するまで昇圧した(昇圧工程)。この後缶内圧力(ゲージ圧)を1.7MPaで制圧し、缶内温度が255℃となるまで維持した(制圧工程)。さらに缶内温度255℃到達後、50分間かけて大気圧まで放圧した(放圧工程)。減圧終了時のポリマの温度が285℃となるよう加熱温度を調節し、さらに缶内圧力(ゲージ圧)を-13kPaまで減じ20分間維持して重縮合反応を停止した(減圧工程)。その後、缶内に0.5MPa(絶対圧)の窒素圧をかけ、重縮合により得られたポリアミド樹脂を直径約3mmのストランド状に押し出し、長さ約4mmにカッティングし、ペレットを得た(吐出工程)。このペレット中の未反応成分を98℃の熱水で抽出し、真空乾燥機で乾燥した。得られたポリアミドチップのηrは2.6、アミノ末端基量は8.1×10-5mol/g、酸化チタン含有量は0.3重量%であった。
丸孔を有する吐出孔を144個有する紡糸口金から吐出させ(吐出量:16.09g/分)、3875m/分で引き取った以外は実施例1と同様の製造方法で44.0dtex、144フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを1.4倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、144フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
丸孔を有する吐出孔を40個有する紡糸口金から吐出させ(吐出量:14.35g/分)、3875m/分で引き取った以外は実施例1と同様の製造方法で39.7dtex、40フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを1.8倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、31dtex、40フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
ナイロン66のアミノ末端基量が7.0×10-5mol/g、になるようにヘキサメチレンジアミン量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法で44.0dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを1.4倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
ナイロン66のアミノ末端基量が14.5×10-5mol/gになるようにヘキサメチレンジアミン量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法で44.0dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを1.8倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
第一ゴデットローラーに片掛けして3200m/分で引き取り、巻き取ること無く、第二ゴデットローラーに片掛けして、第一と第二ゴデットローラー間で1.25倍に延伸した以外は実施例1と同様の製造方法で44.1dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメント、1.4倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
第一ゴデットローラーに片掛けして3150m/分で引き取り、巻き取ること無く、第二ゴデットローラーに片掛けして、第一と第二ゴデットローラー間で1.30倍に延伸した以外は実施例1と同様の製造方法で44.1dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメント、1.4倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
第一ゴデットローラーに片掛けして3500m/分で引き取り、巻き取ること無く、第二ゴデットローラーに片掛けして、第一と第二ゴデットローラー間で1.02倍に延伸、巻取速度3500m/分で巻き取った以外は実施例1と同様の製造方法で44.1dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを、1.8倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
第一ゴデットローラーに片掛けして2800m/分で引き取り、巻き取ること無く、第二ゴデットローラーに片掛けして、第一と第二ゴデットローラー間で1.11倍に延伸、巻取速度2950m/分で巻き取った以外は実施例1と同様の製造方法で44.1dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで得られたナイロン66マルチフィラメントを、1.8倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
第一ゴデットローラーに片掛けして2500m/分で引き取り、巻き取ること無く、第二ゴデットローラーに片掛けして、第一と第二ゴデットローラー間で1.30倍に延伸、2980m/分で巻き取った以外は実施例1と同様の製造方法で44.1dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたポリアミドマルチフィラメントを、1.8倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例11]
酸化チタン含有量を1.9重量%に調整した以外は実施例1と同様の製造方法で44.0dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを、1.7倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。
容量200リットルの重合反応装置にε-カプロラクタムの85%水溶液を175kg、ヘキサメチレンジアミンを460g仕込み溶解させ、均一な溶液にし、重合反応装置内を窒素シールした後、反応装置の内圧が0.98MPaになるまで1時間で昇温させ、この圧力を維持したまま250℃まで昇温を続け、250℃到達後、40分かけて大気圧になるまで放圧を行い、その後大気圧で、250℃で50分保持した後、ポリマを吐出して冷却/カッティングし、ペレット状にし、このペレット中の未反応成分をペレットに対して20倍量の98℃の熱水で抽出、真空乾燥機で乾燥し、得られたポリアミドチップのηrは2.6、アミノ末端基量は8.1×10-5mol/g、酸化チタン含有量は0.3重量%であった。
ナイロン66のアミノ末端基量が5.1×10-5mol/gになるようにヘキサメチレンジアミン量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法で44.0dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを、1.2倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。アミノ末端基量が低いナイロン66加工糸は、発色性、捲縮性に劣っていた。
ナイロン66のアミノ末端基量が17.0×10-5mol/gになるようにヘキサメチレンジアミン量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法で44.0dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを、1.9倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。アミノ末端基量が高いナイロン66マルチフィラメントは、伸度が高く、15%応力が低く、仮撚糸の捲縮性に劣っていた。
第一ゴデットローラーに片掛けして3848m/分で引き取り、巻き取ること無く、第二ゴデットローラーに片掛けして、第一と第二ゴデットローラー間で1.00倍と延伸しないとした以外は実施例1と同様の製造方法で44.1dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを、1.7倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。機械延伸せず、ドラフト延伸のみで得られたナイロン66マルチフィラメントは、伸度が高く、15%応力が低く、仮撚糸の捲縮性に劣っていた。
第一ゴデットローラーに片掛けして3070m/分で引き取り、巻き取ること無く、第二ゴデットローラーに片掛けして、第一と第二ゴデットローラー間で1.35倍に延伸した以外は実施例1と同様の製造方法で44.1dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを、1.2倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。機械延伸を高く設定して得られたナイロン66マルチフィラメントは、糸条の配向が進み、延伸糸の特性に近づき、伸度が低く、15%応力が高く、仮撚糸の捲縮性に劣っていた。
第一ゴデットローラーに片掛けして4160m/分で引き取り、巻き取ること無く、第二ゴデットローラーに片掛けして、第一と第二ゴデットローラー間で1.02倍に延伸、巻取速度4000m/分で巻き取った以外は実施例1と同様の製造方法で44.1dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを、1.3倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。ドラフト延伸を高く設定して得られたナイロン66マルチフィラメントは、伸度が低く、仮撚糸の捲縮性に劣っていた。
第一ゴデットローラーに片掛けして2400m/分で引き取り、巻き取ること無く、第二ゴデットローラーに片掛けして、第一と第二ゴデットローラー間で1.35倍に延伸、巻取速度2900m/分で巻き取った以外は実施例1と同様の製造方法で44.1dtex、68フィラメントのナイロン66マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66マルチフィラメントを、1.9倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。ドラフト延伸を低く設定して得られたナイロン66マルチフィラメントは、伸度が高く、15%応力が低く、仮撚糸の捲縮性に劣っていた。
ヘキサメチレンジアミン-アジピン酸塩の53重量%水溶液にε-カプロラクタムを5重量%添加した以外は実施例1と同様の製造方法でポリアミドチップを得た。得られたナイロン6成分を0.5%共重合したナイロン66チップを、実施例と同様の製造方法で、44.1dtex、68フィラメントのナイロン66共重合マルチフィラメントを得た。次いで、得られたナイロン66共重合マルチフィラメントを、1.5倍に延伸した以外は実施例1と同様の加工方法で、35dtex、68フィラメントのナイロン66共重合仮撚糸を得た。得られた原糸および加工糸の特性評価を行った。結果を表1に示す。ナイロン6成分を0.5%共重合して得られたナイロン66マルチフィラメントは、15%応力が低く、仮撚糸の捲縮性に劣っていた。
Claims (4)
- 単糸繊度が0.3~1.0dtex、アミノ末端基量が7×10-5~15×10-5mol/g、伸度が70~100%、15%伸長応力が1.1~2.0cN/dtexである仮撚り用ポリアミドマルチフィラメント。
- 酸化チタンを0.1~3.0重量%含有する請求項1記載の仮撚り用ポリアミドマルチフィラメント。
- ポリアミドがナイロン6またはナイロン66である請求項1または2記載の仮撚り用ポリアミドマルチフィラメント。
- 単糸繊度が0.2~0.8dtex、アミノ末端基量が7×10-5~15×10-5mol/g、伸縮復元率(CR)が25~40%であるポリアミド仮撚り加工糸。
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