JP2008025043A - 異染性複合仮撚加工糸及びその製造方法 - Google Patents

異染性複合仮撚加工糸及びその製造方法 Download PDF

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正明 柳原
Taku Nakajima
卓 中島
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Abstract

【課題】異色染杢調及びソフトで優れた風合を実現する異染性複合仮撚加工糸及びそれを安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】2色染料に可染性であるポリエステルからなる糸条群Aとポリアミドからなる糸条群Bとから構成され、捲縮率が3〜10%、総繊度が80〜220dtex及び単糸繊度が1〜5dtexの範囲の異染性ポリエステル複合仮撚加工糸とする。
【選択図】図1

Description

本発明は異染性複合仮撚加工糸に関するものである。さらに詳しくは、2色染料(ナイロンは酸性染料/ポリエステルは分散染料)で染色可能で、かつ、極めてソフトな風合と、取扱い性に優れた特性を有し、細かな異染効果を併せ呈する布帛を得るのに適した新規な異染性複合仮撚加工糸、ならびに、それを製造方法に関するものである。
染色性の異なる糸条からなる異染性複合仮撚加工糸は、これを織編した後、染色を施すことにより染色部分が均一に現れ、異染性の外観が得られるため、従来より種々の提案がなされている。
例えば、特開昭49−72485号公報(特許文献1)には、紡糸混繊により紡糸した2種の糸条を交絡処理した後、加熱処理して霜降調繊維を得る方法、また特開昭50−116708号公報(特許文献2)には、染色性の異なる2種のポリマーを使用し、紡糸混繊する方法、さらに、特開平9−316744号公報(特許文献3)には、配向差のある2種の糸条を延伸工程で混繊し、濃淡染着性差を利用して杢外観を得る方法が開示されている。しかし、これらの提案による混繊糸では、確かに杢調や霜降調の織編物を得ることができるが、所詮、延伸糸混繊のため、明瞭な細かい杢感、さらには、ソフトな風合を得ることはできない。
また、従来、ソフトなタッチと風合を有する複合仮撚加工糸として、特公昭60−22092号公報(特許文献4)、特開昭57−21526号公報(特許文献5)に記載のようなイオン性染料に可染色性のポリエステルフィラメントとイオン性染料に不染性のポリエステルフィラメントとを組み合わせた複合加工糸が知られている。しかし、これらの複合仮撚加工糸は交絡部によって集束性を、交絡部間の開繊部によって嵩高性を夫々付与しているものの、その風合は、フカツキ感を呈するものであった。
さらに、ソフトな風合と異染性を有する複合仮撚加工糸として、特開平2−139440号公報(特許文献6)にカチオン性染料に不染性の太デニールのポリエステル糸とカチオン性染料に可染性の細デニールのポリエステル糸とを組み合わせた複合糸が開示されている。このものは、ソフトな風合と異染性を有する一方、鞘糸のカチオン可染糸の加工時の毛羽が要因で、特に、細いデニールのゾーンにおいては、ネップ体質とか、解舒体質が悪くなり、製編、製織工程での通過性が悪い等の問題がある。このため、取扱い性に優れた特性を有する異染性複合仮撚加工糸を熱望されることが、多くなってきた。
また、これらはいずれもその耐熱性、製糸性及び製品の品質などの点で大きな問題があり、工業化の大きな障害となっている。例えば、染色された衣服を着用した場合、摩擦を受ける部分が白くなるといった好ましくない現象が発生する。
すなわち、鞘芯型(シースコア・タイプ)の複合加工糸における問題点を列挙すると、
(1)紡糸時の単糸間溶着及び未延伸糸のパッケージ上での繊維間溶着による解舒性の不良が発生すること、
(2)芯成分と鞘成分の密着性が劣るため、延伸仮撚加工時の工程で剥離が起こり、糸の特性を損ねること、
(3)分散染料で染色した場合の耐光堅牢度が低下すること、
等が挙げられる。
本発明者らは、かかる欠点を解消すべく、交互撚糸状加工糸を構成するポリエステル/ポリアミドの比率、太デニールフィラメント/細デニールフィラメントのデニール等を種々変更してみたが、極めてソフトな風合と、取扱い性に優れた特性を有し、特に、ポリエステルとポリアミドの混繊糸の場合、細かな異染性効果とを併せ呈する布帛を得るに適した異染性複合仮撚加工糸を得ることができなかった。
特開昭49−72485号公報 特開昭50−116708号公報 特開平9−316744号公報 特公昭60−22092号公報 特開昭57−21526号公報 特開平2−139440号公報
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、非常にソフトで滑らかな表面タッチの風合、優れた解舒性を有し、かつ繊細な異染性杢調を発現させることができる織編物を得るに適した異染性複合仮撚加工糸及びそれを安定して製造することができる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを含有するポリエステルからなる未延伸糸条と、ポリアミドからなる未延伸糸条とを引き揃え、特定の条件下で延伸同時仮撚加工するとき、非常にソフトで滑らかな表面タッチの風合、優れた解舒性、かつ繊細な異染性杢調を発現しうる織編物用の異染性複合仮撚加工糸が得られることを見出し、本発明に到達した。
かくして本発明によれば、このような異染性複合仮撚加工糸として、ポリエステル中にポリメチルメタアクリレート系ポリマー及び/又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で0.5〜3.0重量%含有するポリエステル組成物からなる鞘部糸条群Aとポリアミド系ポリマーからなる芯部糸条群Bとから構成され、かつ、該複合仮撚加工糸が下記(1)〜(4)の条件;
(1)捲縮率が3〜10%
(2)糸条群A/糸条群Bの繊度比率が30/70〜70/30
(3)総繊度が80〜220dtex
(4)糸条群Aの平均糸長が糸条群Bの平均糸長より5〜20%長い
を同時に満足することを特徴とする異染性複合仮撚加工糸が提供される。
本発明のこの異染性複合仮撚加工糸にあっては、鞘部糸条群Aのポリエステルが、全繰り返し単位の85モル%以上がエチレンテレフタレートからなるポリエステルであり、芯部糸条群Bのポリアミド系ポリマーが脂肪族ポリアミドであることが効果的である。
さらに、本発明によれば、上記のごとき異染性複合仮撚加工糸を工業的に効率よく安定に生産する方法として、ポリエステル中にポリメチルメタアクリレート系ポリマー及び/又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で0.5〜3.0重量%含有するポリエステル組成物からなる未延伸糸条群A’と、ポリアミド系ポリマーからなる未延伸糸条群B’とを、引き揃え、3軸フリクションディスク・タイプの仮撚具を用いて、下記(a)〜(e)、好ましくは(a)〜(f)、の条件を同時に満足する範囲で延伸同時仮撚加工することを特徴とする異染性複合仮撚加工糸の製造方法が提供される。
(a)延伸同時仮撚加工に先立って、引き揃えた未延伸糸条に予め空気交絡処理を行い、加工糸の交絡度が30〜70個/mとなるような空気交絡を施す。
(b)仮撚具におけるディスクとして、ディスク直径(D)mmが、40≦D≦70であり、かつ、ディスク硬度(G°)が、80≦G≦90(°)であるものを使用して加撚・解撚を行う。
(c)解撚部に位置する最下段のディスクとして、その材質がセラミックであり、かつ該ディスクの直径がすぐ上流のディスクの径よりも90〜98%であるディスクを使用し、該ディスクと走行糸条との接触長を2.5〜0.5mmとする。
(d)仮撚数(回/m)を、15000/Y1/2 〜35000/Y1/2 (回/m)の範囲内とする(ただし、Yは異染性複合仮撚加工糸の総繊度(dtex)を表わす)。
(e)仮撚加工時の熱処理に非接触ヒーターを用い、該ヒーターの温度を150〜350℃の範囲とし、該ヒーター内における糸条の熱処理時間を0.04〜0.12秒の範囲内となるようにして熱処理する。
(f)さらに、必要に応じて、熱処理した仮撚加工糸条に空気交絡を施した後に、巻き取る。
かかる本発明方法において、上記未延伸糸条群A’と上記未延伸糸条群B’として伸度差が、50〜150%であるものが好適に使用される。また、未延伸糸条群A’及び未延伸糸条群B’は、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー及び/又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で0.5〜3.0重量%含有するポリエステル組成物と、ポリアミド系ポリマーとを、同一又は異なる紡糸口金から溶融吐出し、夫々の糸条群を冷却固化後に合糸し、次いで2500〜4000m/分の速度で引き取った合糸状態の未延伸糸条であることが好ましい。この未延伸糸条延伸仮撚加工時の延伸倍率は、1.4〜1.7倍とするのが適当である。
以上の如き本発明によれば、織編物に優れた異色染杢調及びソフトで優れた風合を発現することができ、しかも、後工程での取り扱い性にすぐれた、異染性複合仮撚加工糸を提供することができる。
以下、本発明の異染性複合仮撚加工糸は、特殊なポリエステル繊維からなる鞘部糸条群(以下、「芯糸」ということがある)の回りにポリアミド系繊維からなる芯部糸条群(以下、鞘糸ということがある)が巻き付き、互いに適度に絡みあうことによって全体として芯鞘構造を持つ嵩高糸となっている複合仮撚加工糸である。以下、この複合加工糸及びその製造法に実施形態について具体的に説明する。
<鞘部糸条群Aについて>
本発明の異染性複合仮撚加工糸の鞘部を構成する糸条群(鞘糸)Aは、ポリエステルに、ポリメチルメタアクリレート系(以下、PMMA系と略すことがある)系ポリマー及び/又はポリスチレン系(以下、PS系と略すことがある)ポリマーを配合したものからなるマルチフィラメントである。ここでいうポリエステルとは、全繰り返し単位の85モル%以上、好ましくは95モル%以上がエチレンテレフタレートからなり、その固有粘度(後述するように、オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定)は0.4〜0.6の範囲であるものが好ましい。
上記ポリエステルに配合するPMMA系ポリマー及び/又はPS系ポリマーは、アタクチック又はシンジオタクチック構造の非晶性ポリマーであっても、アイソタクチック構造の結晶性ポリマーであってもよい。また、本発明の目的を阻害しない範囲内で共重合成分を含有するものであっても構わない。また、本発明では上記のPMMA系ポリマー及びPS系ポリマーのうち、いずれか一方のみを用いてもよく両者を併用してもよい。
これらポリマーの分子量はあまりに小さいと、後述する本発明の効果が低下する傾向にあるので、その重量平均分子量で2000以上、特に5000〜20万の範囲が好ましい。具体的には、重量平均分子量が8000〜20万、メルトインデックスA(ASTM−D1238準拠、温度230℃、荷重3.8kgfで測定)が10〜30g/10分であるポリメチルメタクリレート系共重合体又はアイソタクティックポリスチレン系重合体、重量平均分子量が8000〜20万、メルトインデックスB(ASTM−D1238準拠、温度300℃、荷重2.16kgfで測定)が6〜50g/10分のシンジオタクティックポリスチレン系重合体等を特に好ましい例としてあげることができる。これらの重合体は、前記ポリエステルに溶融混合して溶融紡糸する際、その熱安定性と分散状態の安定性に優れているので好ましい。
かかるPMMA系ポリマー及び/又はPS系ポリマーの前記ポリエステルへの混合によって該繊維の表面に微細な凸部が形成されると推定され、その結果、繊維間摩擦抵抗が低下して滑りやすくなり、これによりソフトで滑らかな表面タッチの風合い織編物が実現される。一方、染色時の光沢は未添加と同等のレベルが維持されるという効果が発現される。かかる効果を発現させるための上記ポリマーの含有量は、ポリエステル重量を基準として0.5〜3.0重量%、好ましくは1.0〜2.0重量%とする必要がある。該含有量が0.5重量%未満の場合には、繊維・繊維間の摩擦低下が不十分で、得られる布帛の風合いが硬いものとなるので好ましくない。一方、3.0重量%を超える場合には、かかるポリマー添加の効果が飽和するのみならず、かえって繊維の紡糸工程、延伸仮撚加工程等での安定性が低下して、断糸が多くなるので好ましくない。なお、PMMA系ポリマー及びPS系ポリマーを併用する場合は、両ポリマーの合計量が上記の範囲内になるよう調製する。
なお、上記未延伸ポリエステル繊維には、ポリオキシアルキレングリコール共重合体含有量が2〜20重量%である処理剤が、繊維重量を基準として0.2〜1.0重量%付着していることが好ましい。このポリオキシアルキレングリコール共重合体は、プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)との共重合体で、その平均分子量が7000〜20000、PO/EO共重合重量比が20/80〜80/20のものが適当である。
<芯部糸条群Bについて>
一方、本発明の複合仮撚加工糸の芯部を構成する他方の糸条群(芯糸)Bは、ポリアミド系ポリマーで構成される。ポリアミド系ポリマーとしては、はナイロン6、ナイロン66、ナイロン8、ナイロン12、ナイロン610のような溶融紡糸可能な脂肪族ホモポリアミドあるいはこれら同士又は他の共重合成分を含む共重合体で、ポリアミド形成成分の重縮合反応により生成するホモ又はコポリアミドが挙げられる。これらポリアミドの重縮合方法も特に限定されるものではなく、通常の公知のポリアミドの重縮合方法、例えば、ナイロン6などに採用される、常圧、加圧、重合法、などが、回分式、連続式を問わず、採用することができる。ポリアミドがナイロン6の場合は固有粘度が0.8〜1.6のものが好ましい。
なお、上記ポリエステル及びポリアミドのいずれにも、本発明の目的を阻害しない範囲で、公知の添加剤、例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等が配合されていてもよい。
<複合仮撚加工糸について>
本発明の複合仮撚加工糸は、ポリアミド繊維を芯糸とし、上記のポリエステル繊維を鞘糸とすることによって、優れた耐久性を有し、ナイロンの欠点である、黄ばみがなく、ポリエステル糸と同等の白度、耐熱性、耐光性、染色耐光堅牢性を有し、芯糸と鞘糸とが2層構造を呈しフィブリル化による品質低下を防ぎ、従来の複合加工糸に見られるような、製糸上のトラブルもなく製造することができる。
糸条群A(鞘糸)と糸条群B(芯糸)とは、その糸長に差があることが好ましく、特に糸条群Aの方が糸条群Bより5〜20%、より好ましくは8〜15%の範囲で長い方が好ましい。その際、糸条群Aが主として複合仮撚加工糸の鞘部に配され、糸条群Bが主として芯部に配されている芯鞘構造を有していることが好ましい。かくすることにより、より繊細な風合細杢調を発現することが可能となり、また、織編物工程での取り扱い性が向上し、ソフトな風合いのものが得られる。
本発明においては、上記糸条群Aと糸条群Bとから構成される異染性複合仮撚加工糸の捲縮率は3〜10%の範囲、特に4〜9%の範囲にあることが必要である。捲縮率をこの範囲とすることにより、ソフト風合に優れると同時に、杢斑に起因する色調低下のない織編物が得られる。しかるに、捲縮率が3.0%未満の場合には、織編物とした際の糸条間空隙が多くなり、染料が過剰に入りやすくなり、染斑が発現しやすくなるので好ましくない。一方、捲縮率が10.0%を超える場合には、得られる織編物の表面の杢が白けた色調となり、かつフカツキ感を呈するようになるので好ましくない。
なお、異染性複合仮撚加工糸を構成する鞘部糸条群A又は芯部糸条群Bから、夫々の糸条を取出して夫々単独で測定した時の捲縮率は、お互いに同じであっても異なっていてもよいが、糸条群Aの方が大きい場合には、該糸条が異染性複合仮撚加工糸の主として鞘部に配されやすくなるので、織編物にしたとき、ソフトで滑らかな表面タッチの風合いが向上するので好ましい。
さらに、本発明の複合仮撚加工糸は、織編物とした場合の織密度を適正な範囲に調整しやすくするため、その総繊度が80〜220dtex、好ましくは100〜200dtexの範囲内であることが必要である。総繊度が80dtex未満の場合には、充分に密集したフェザー織編地を得ることが困難となるので好ましくない。一方、220dtexを越える場合には、織物の目付が大きくなりすぎるため織編用としては好ましい。
糸条群Aと糸条群Bとの総繊度比は、A/B=30/70〜70/30が好ましく、なかでもA/B=50/50〜70/30の範囲がより微細な細杢調を発現させる上でさらに好ましい。本発明の複合仮撚加工糸では、糸条群Aと糸条群Bとの混ざり具合を適度に制御して、得られる異染効果の織編物表面に繊細な細杢調を発現させている。したがって、糸条群Aと糸条群Bとの混ざり合いが進み過ぎると、織編物表面の細杢調が不充分となるだけでなく、がさついた風合となるので好ましくない。一方、ポリアミド糸条群Bの比率が増大すると、複合仮撚加工糸の強度、伸度が低下し、また毛羽も多い品質不良品となるだけでなく、織編物表面の杢が白けた光沢のないものとなるので好ましくない。さらには、該糸条群Bを溶融紡糸する際に、断糸が頻発しやすい。
一方、糸条群Aと糸条群Bの単繊維繊度は、同一であっても異なっていてもよいが、その平均単繊維繊度は1.0〜5.0dtex、好ましくは1.2〜4.0dtexの範囲であることが必要である。平均の単繊維繊度が1.0dtex未満の場合には、糸条群Aと糸条群Bとの混ざり合いが進みすぎるため、得られる織編物表面に杢調が発現し難くなるので好ましくない。一方平均単繊維繊度が5.0dtexを超える場合には、得られる織編物の風合いが粗硬化し、表面が不快な触感を与えるようになるので好ましくない。なお、糸条群Aと糸条群Bの単繊維繊度が異なる場合には、異染性複合仮撚加工糸のより芯部に配されやすい糸条群の方が、その単繊維繊度は大きい方が好ましい。しかし、単繊維繊度があまりに大きくなりすぎると風合いが粗硬なものとなりやすいので5.0dtex以下とするのが望ましい。
<複合仮撚加工糸の製造方法について>
以上に説明した本発明に係る織編物用の異染性複合仮撚加工糸は、例えば以下の方法により工業的に生産性よく製造することができる。すなわち、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で0.5〜3.0重量%含有するポリエステルからなる未延伸糸条群A’と、ポリアミドからなる未延伸糸条群B’とを引き揃え又は混繊した未延伸糸条を後述する特定の条件下で延伸同時仮撚加工する。
ここで、未延伸糸条群A’と未延伸糸条群B’との間に伸度差があり、糸条群A’の方が糸条群B’の伸度よりも50〜150%、特に70〜130%大きいことが好ましい。このような伸度差の未延伸糸条を用いると、得られる複合仮撚加工糸は、その鞘部に主として糸条群Aが配されるようになるため、得られる織編物の風合いがよりソフトでしなやかものとなるので好ましい。なお、伸度差が150%を超える場合には、延伸仮撚加工工程で張力変動が発生しやすくなり、それに起因する断糸頻度が増加して安定に加工することができなくなる。
また、未延伸糸条群A’と未延伸糸条群B’は、夫々別々に紡糸して巻き取った後、これらを合糸して延伸仮撚加工に供してもよく、同一又は異なる紡糸口金から夫々のポリマーを同時に溶融吐出し、夫々の糸条群を冷却後合糸して延伸仮撚加工に供してもよいが、後者の方法において、紡糸速度2500〜4000m/分、特に3000〜3500m/分、の範囲で溶融紡糸すると、PMMA系ポリマー又はPS系ポリマーを0.5〜3.0重量%含有するポリエステル組成物は、ポリアミドを同速度で溶融紡糸して得られる未延伸糸よりも伸度が50〜150%大きい伸度の未延伸糸となる。したがって、このような方法によれば、所定の伸度差の未延伸糸条群A’と未延伸糸条群B’とからなる糸条を一挙に製造することができる。
本発明方法では、上記の如き未延伸糸条群A’と未延伸糸条群B’とを引き揃えて、延伸同時仮撚加工に供するが、この際、仮撚具として3軸フリクションディスク・タイプで、その解撚部に位置する最下段のディスクとして、その材質がセラミックであり、該最下段ディスクの直径が直上のディスク直径の90〜98%のものを使用し、かつ、走行糸条と該最下段ディスクとの接触長を2.5〜0.5mmとする。
最下段のディスク材質はセラミックが耐摩耗の観点から好ましい。走行糸条とディスクとの接触長を2.5〜0.5mmとするのは、加撚が終了して、捲縮状態の糸条が最後の解撚部に入り、接触面積を極力少なく、抵抗を少なくすることが、毛羽を著しく減少することを見出したことに基づく。同様に、最下段のセラミックディスクの径が直ぐ上流のディスク径よりも90〜98%の径とするのは、糸導をスムースに次のステップ(熱セット)に移動する際の抵抗値が少なくする上で、この範囲が適正ゾーンであることを見出したことによる。
上記の未延伸糸条群A’を含む糸を仮撚加工する場合は、特に毛羽が発生しやすいが、本発明方法では以上のような条件を採用することにより、加工毛羽を著しく低減させることが可能であり、この範囲を外れると、加工毛羽が発生して、市場での、製織性、解舒性、織物製品での品質に悪影響を及ぼす要因となる。特に、走行糸条と最下段ディスクとの接触長を2.5〜0.5mmとすることが、本仮撚加工においては、加工毛羽を著しく減少する上で効果的であることが判明した。
仮撚加工温度(ヒーター設定温度)は150〜350℃とすることが必要であり、200〜300℃とすることが好ましい。仮撚加工温度が150℃未満では、捲縮性能が低く、風合いが硬く、350℃を超える場合は、極端に、加工糸の扁平が進み、加工毛羽が発生するようになるので、好ましくない。ヒーターとしては非接触式のヒーターを使用する。すなわち、第1段目非接触式のヒーターの温度は150〜350℃として熱処理するのが好ましい。なお、ここでいう適正ヒーター温度は、市販されている仮撚機(帝人製機製216錘建HTS−15V)によるもので、非接触式の1.0〜1.5m長のもの、糸速として800〜1500m/分などの仕様によるものを想定しており、従って、特殊なヒーターを用いたり、超高速度で加工する場合などは、この限りでないことはもちろんのことである。
さらに、加工倍率についても、上記未延伸糸の場合は、1.4〜1.7が最適ゾーンであり、この領域をはずれると、低倍率ゾーンでは、サージング、発生、糸揺れによる熱セット斑、高倍率ゾーンでは、加工糸の扁平が進み、加工毛羽が発生するようになるので、好ましくない。
本発明方法では、仮撚糸総繊度Y(dtex)に応じて、仮撚数を、15000/Y1/2回〜35000/Y1/2(回/m)、より好ましくは20000Y1/2〜30000Y1/2(回/m)、の範囲に設定する。仮撚数が15000/(仮撚糸繊度dtex)Y1/2回/m未満の場合には、微細で強固な捲縮を付与するのが難しくなる。一方、仮撚数が35000/Y1/2回/mを超えると断糸及び毛羽の発生が多くなる。
本発明方法では、仮撚ディスクは、例えば、図2に示すように各2枚を3軸に配置した仮撚具(仮撚ユニット)として組み立てて使用する。個々の仮撚ディスクの大きさは特に限定されないが、ディスク直径(D)が40〜70mmのディスク、好ましくは直径45〜62mmのディスクが好ましい。ただし、ディスク直径が40mm未満では、PMMA系ポリマー又はPS系ポリマーが添加されたポリエステルからなる未延伸糸条群A’の、ディスクによる摩擦損傷が増加して断糸及び毛羽の発生が多くなりやすい。一方、仮撚ディスク直径が70mmを超える場合は、仮撚ディスクによる撚掛け力が低下し十分な捲縮を付与することが困難になり、微細で強固な捲縮が得られない場合が多いため好ましくない。また、加撚張力が上昇し毛羽の発生が多くなる。さらに、走行糸条を仮撚ディスクに導く作業(スレッディング)が極めてむずかしくなる。また、仮撚ディスクの硬度(G)は80〜90度のものを使用するのが好ましい。
本発明の方法においては、まず上記未延伸糸条群A’と未延伸糸条群B’とを合糸ないし混繊してなる未延伸糸条に、延伸仮撚加工に先立って、空気交絡処理を施す必要がある。空気交絡処理は延伸仮撚加工と別の工程で行ってもよいが、図1に示すように、延伸仮撚加工装置にインターレースノズル(4)を設置して延伸仮撚加工直前に施すのが好ましい。このことにより、伸度差によるネップ発生を抑制し、取り扱い性に好影響をもたらす。さらに、熱セット仮撚後糸条にも空気交絡を施すと、完璧に混繊交絡を均一化、高級感をかもしだす、細かい杢を発現させることができる。
空気交絡の度合いは、少なすぎると延伸仮撚加工中に糸条群Aと糸条群Bとが分離して織編物にした際の織物表面の杢調が不均一なものとなりやすく、この現象は特に未延伸糸条群A’と未延伸糸条群B’との間の伸度差が50%以上となる場合に多く見られるので、得られる複合仮撚加工糸で測定した交絡度は30個/m以上、特に40個/m以上となるように施すのが好ましい。一方、交絡度が大きくなりすぎると、単糸同士の絡み合いが強くなりすぎ、織編物にした際の風合いが粗硬なものとなりやすいので、80個/m以下とするのが好ましい。
空気交絡処理が施された未延伸糸は、例えば図1に示すような2段式ヒーターを備えた延伸仮撚加工機に掛けて、捲縮を有する異染性ポリエステル/ポリアミド仮撚加工糸とする。なお、図1には、前述の該ポリエステル未延伸糸(1)に、2対のフィードローラー(3、3’)の間に設置されたインターレースノズル(4)により、空気交絡処理する工程が記載されている。ここで交絡処理された未延伸糸は、フィードローラー(3’)と第1デリベリーローラー(8)との間で延伸されながら、仮撚具(7)における回転している仮撚ディスクとの摩擦により加撚される。この間、第1段ヒーター(5)にて加撚状態下で熱処理された後、冷却プレート(6)で冷却され、仮撚具(7)を通過し解撚される。さらに、走行糸条は、必要に応じ、第1デリベリーローラー(8)と第2デリベリーローラー(10)との間に設置された第2段ヒーター(9)で再熱処理され、さらに、熱セット仮撚後糸条に空気交絡が施された後、巻取ローラー(11)でチーズ状パッケージ(12)として巻き取られ、目的とする異染性複合仮撚加工糸となる。
本発明方法では、高速での延伸仮撚加工を考慮し、第1段ヒーター(5)及び第2段ヒーター(9)は非接触式とするのが好ましい。特に第2段ヒーターはSW−OFF省略(使用しない)することが、多いが、加工糸に要求される風合等に応じて、使用してもかまわない。
上記延伸仮撚加工工程において、本発明では、非接触ヒーターを用い、ヒーターの温度を150〜350℃の範囲とし、ヒーター内における糸条の熱処理を各々0.04〜0.12秒の範囲内で行う。
ここで加撚領域の第1ヒーター(5)は、未延伸糸条の延伸性及び撚り掛け性を向上させるためのものであり、この温度が、非接触ヒーターの場合では150℃未満になると、撚掛性が低下して本発明の目的とする捲縮を付与することができなくなり、織編物にした際の風合がペーパーライクとなる。また、延伸仮撚加工時の断糸及び毛羽の発生が多くなり、捲縮斑や染色時の染色斑も発生しやすくなるので好ましくない。一方、350℃を超えると、延伸撚り掛け時、単糸切れが発生しやすくなり、特に高伸度側の未延伸糸条群に単糸切れが発生しやすく、得られる異染性複合仮撚加工糸は毛羽の多いものとなるので好ましくない。なお、延伸仮撚加工機のタイプによっては、第1段ヒーターが前半部と後半部に分割されている場合があるが、本発明においては第1段ヒーターの前半部と後半部とは同一温度に設定すれば良い。
なお、第1段ヒーターにおける糸条の熱処理時間は、ヒーターの種類、その長さ及びその温度等により適宜設定すればよいが、短すぎると捲縮率が不十分なものとなりやすく、また、張力変動に起因する延伸仮撚断糸、仮撚加工糸の毛羽、織編物での染斑が発生しやすくなり、一方長すぎると捲縮率が大きくなりすぎる傾向にある。通常、非接触式ヒーターの場合は0.04〜0.12秒の範囲、特に0.06〜0.10秒の範囲が適当である。
延伸同時仮撚加工時の仮撚数は、製品となる複合仮撚加工糸総繊度Y(dtex)に応じて(5000Y〜35000)/Y1/2回/mとする。仮撚数が15000/Y1/2回/m未満の場合には、捲縮を付与することが難しくペーパーライクになり、一方35000/Y1/2回/mを超える場合には、断糸及び毛羽の発生が多くなるので好ましくない。
図2には3軸フリクションディスク・タイプの仮撚具(仮撚ユニット)を例示する。すなわち、図2に例示する仮撚具は、3本の回転軸(15)にそれぞれ2個ずつ仮撚ディスク(13)が取り付けられた3軸タイプのものであって、各回転軸(15)は駆動ベルト(17)で駆動されるタイミングベルト(16)により所定速度で回転し、それぞれの仮撚ディスク(13)を回転させるようにしている。
本発明方法では、各仮撚ディスク(13)のうち少なくとも解撚部に位置する最下段のディスク(図2の例では左側の回転軸に取り付けた下方のディスク)をセラミック製とし、かつ、そのディスクの直径がすぐ上流側のディスク(図2の例では中央の回転軸に取り付けた下方のディスク)の直径の90〜98%であるものを使用する。そして、該セラミック製ディスクと走行糸条との接触長は2.5〜0.5mmとする。
この際、最下段ディスクの材質はセラミックが耐摩耗の観点から好ましい。本発明者らの研究によれば、本発明による複合仮撚加工においては、走行糸条と該ディスクとの接触長を2.5〜0.5mmとすることで、加撚が終了して捲縮状態の糸条が最後の解撚部に入る際の接触面積を極力少なく、抵抗を少なくすることができ、その結果、毛羽が著しく減少すること、そして、該ディスクの径を直上のディスク径よりも90〜98%の範囲にすることが、糸導を次のステップ(具体的には熱セット)へ移動する際の、抵抗値が少なくなりスムースに移動する上で効果的であること、等が判明した。中でも、行糸条と上記ディスクとの接触長を2.5〜0.5mmとすることが加工毛羽を著しく減少する上で特に有効であることが確認された。
また、該ディスクを通過する糸条の走行角(ディスク回転軸とディスクの外周上を接触走行する糸条とがなす角度)は、30〜48度、特に32〜45度の範囲とすることが好ましい。かくすることにより、ディスクによる撚掛け力を低下させることなく、糸送り作用を高め、安定した状態で加撚・解撚を施すことができる。
さらに、熱セット仮撚後糸条にも空気交絡を施すことで完璧に混繊交絡を均一化、高級感をかもしだす、細かい杢を発現させることができる。
このようにして得られる本発明の異染性複合仮撚加工糸は製織性が良好である。例えば、無撚、無糊でウォータージェットルームにて目付135g/m2の平織物とした。この際、製織性は断糸が無くスムースであった。製織又は製編されたのち、染色を施してから官能評価を実施したところ、ソフトでかつ良好なふくらみを呈しつつ、異色染杢調の風合のものであった。また、この糸を使って製織した後、染色すると、非常に深みのある、かつ高級感効果を有しスパンライクな風合の織物が得られる。
以下、実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらによって些かも限定されるものではない。なお、実施例等における各測定値は次の方法で測定したものである。
1)固有粘度(ポリエステル)
オルソ−クロルフェノールに溶解し、ウベローデ粘度管を用い、35℃で測定した。
2)固有粘度(ポリアミド)
70%の抱水クロラール中に1%濃度になるように溶解し、ウベローデ粘度管を用い、35℃で測定した。
3)メルトインデックス
PMMA及びPSのメルトインデックスは、STMD−1238に従って測定した。
4)紡糸断糸
複合紡糸設備で1週間溶融紡糸を行い断糸した回数を記録し、1日1錘当りの紡糸断糸回数を紡糸断糸とした。ただし、人為的あるいは機械的要因による断糸は断糸回数から除外した。
5)伸度差
未延伸糸試料を気温25℃、湿度60%の恒温恒湿に保たれた部屋に1昼夜放置した後、サンプル長さ100mmを(株)島津製作所製引張試験機テンシロンにセットし、200mm/分の速度にて引張し荷伸曲線を記録した。記録したチャートから2群の構成糸条の荷伸曲線を特定し、各々の破断時の伸度を読み取り、その差を構成未延伸糸条群A’と未延伸糸条群B’との伸度差とした。
6)走行角
仮撚ディスク上を走行している糸条を写真撮影し、各仮撚ディスク円盤上の糸条の走行角度θを写真の上で実測して、それらの測定値の平均値を走行角とした。
7)交絡度
約1.2mの異染性複合仮撚加工糸の糸端に0.2cN/dtexの荷重をかけて、衝立上部に取り付けられた固定点から垂直にたらし、0.1cN/dtexの荷重に相当する重量の釣り針型のフックを用い、上部固定点より、該釣り針型フックを挿入し、フックが自然落下し止まるのを待って取り外す。次いで、停止点から2mm下の位置にフックを再び挿入する。この繰り返しを糸長1mにわたって行い、その間でフックの止まった回数を交絡度(個/m)とした。
8)延伸仮撚断糸
帝人製機製216錘建HTS−15V(2ヒーター仮撚加工機で非接触式ヒーター仕様)にて、延伸仮撚加工を1週間連続実施し、延伸仮撚機1台・1日当たりの断糸回数を延伸仮撚断糸とした。ただし、糸繋ぎ前後による断糸(ノット断糸)あるいは自動切替え時の断糸等、人為的あるいは機械的要因による断糸は断糸回数から除外した。
9)捲縮率
異染性複合(ポリエステル、ポリアミド)仮撚加工糸サンプルに0.044cN/dtexの張力を掛けてカセ枠に巻き取り、約3300dtexのカセを作成した。該カセの一端に、0.0177cN/dtex及び0.177cN/dtexの2個の荷重を負荷し、1分間経過後の長さS0(cm)を測定した。次いで、0.177cN/dtexの荷重を除去した状態で、100℃の沸水中にて20分間処理した。沸水処理後0.0177cN/dtexの荷重を除去し、24時間自由な状態で自然乾燥し、再び0.0177cN/dtex及び0.177cN/dtexの荷重を負荷し、1分間経過後の長さS1(cm)を測定した。次いで、0.177cN/dtexの荷重を除去し、1分間経過後の長さS2(cm)を測定した。そして、次の算式で捲縮率を算出し、10回の測定値の平均値で表した。
Figure 2008025043
10)糸条群AとBとの糸足差(平均糸長差)
50cmの仮撚加工糸の一端に0.176cN/dtex(0.2g/de)の荷重を掛け、垂直に吊し、正確に5cm間隔のマーキングを行った。荷重を外し、マーキング部分を正確に切りとって10本の試料とした。該試料より、鞘部のフィラメント及び芯部のフィラメントを各々10本取出し、各々の単糸に0.03cN/dtex(1/30g/de)の加重を掛けて、垂直に吊るし、各々の長さを測定する。10本の試料について上記の測定を行い、各々の平均値をLa(鞘部糸長)及びLb(芯部糸長)とし、下記式で糸足差を計算した。
Figure 2008025043
11)仮撚加工糸の強度、伸度
JIS L―1013―75に準じて測定した。
12)毛羽個数
東レ(株)製DT−104型毛羽カウンター装置を用いて、異染性仮撚加工糸サンプルを500m/分の速度で20分間連続測定して発生毛羽数を計測し、サンプル長1万m当たりの個数で表した。
13)製織及び染色試験
異染性複合仮撚加工糸を、無撚、無糊でウォータージェットルームにて目付135g/mの平織物とした後、液流染色機を用いて沸騰水で20分間リラックス処理し、引き続きプリセット処理を行った後、常法にて染色、ファイナルセット処理を行った。この際、染料として、ナイロンは酸性染料で、ポリエステル繊維は分散染料で染色できるよう2色染料を使用した。
14)織物評価の判定基準
上記の平織物を専門家による官能検査により、以下のレベル1〜3に区分した。
(a)杢(カスリ)
レベル1:均一に分散した微細で杢であり、筋、繊維塊等が認められない。
レベル2:筋、繊維塊等は認められないが、やや弱い色調の杢となっている。
レベル3:杢が局所的に散在したり、筋、繊維塊等が認められる。あるいは白けた色調の杢となっている。
(b)風合い
レベル1:ソフトでしなやかな感触がある。
レベル2:ややソフト感が乏しいが反撥性は感じられる。
レベル3:カサカサした触感あるいは硬い触感である。
[実施例1〜3、比較例1〜2]
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)に、各々表1に示す種類の添加剤(PS=分子量50000、メルトインデックス9.0のシンジオタクティックポリスチレン、PMMA=分子量33000、メルトインデックス14.0のポリメチルメタクリレート)を表1に示す割合で混合したペレット(以下「ポリマーA1」と称する)を常法で乾燥した。また、固有粘度1.4のナイロン6のペレット(以下「ポリマーB1」と称する)を常法で乾燥した。
乾燥したポリマーA1及びポリマーB1を、2基のスクリュー押出機を装備した複合紡糸設備に供給し、各々別個に常法により溶融し、スピンブロックを通して、複合紡糸スピンパックに導入した。溶融したポリマーA1流は、該スピンパックに組み込まれた円形吐出孔を48個穿設した紡糸口金から吐出し、溶融したポリマーB流は円形吐出孔を36個穿設した紡糸口金より吐出した。引き続き、吐出された2群のポリマー流を、通常のクロスフロー型紡糸筒からの冷却風で冷却・固化し、紡糸油剤を付与しつつ一つの糸条として集束し、3200m/分の速度で引き取り、270dtex/84フィラメントの異染性複合未延伸糸を得た。この複合未延伸糸はポリマーAからなる未延伸糸A’とポリマーB1からなる未延伸糸B’を含み、両者の繊度は未延伸糸A’1が135dtex、未延伸糸B’が135dtexであった。なお、ポリメチルメタアクリレートの添加量が3.0重量%を超える比較例2においては、紡糸工程で断糸が多発した。
各ポリエステル・ポリアミド複合未延伸糸を、帝人製機製216錘建HTS−15Vに掛け、図1の如く、前段、後段とで、孔径1.8mmの圧空吹き出し孔を有するインターレースノズルを通過させつつ60nL/分の流量で交絡度が50個/mとなるように空気交絡を施した後、延伸倍率1.60、第1ヒーター(非接触タイプ)温度250℃の条件に設定し、直径60mm、ディスク硬度(G°)83°、厚み9mmのウレタンディスクを仮撚ディスクとして、走行角40度で仮撚数×Y1/2 {Y=仮撚糸繊度(dtex)を表わす}が26000近傍となるように延伸仮撚を行った後、速度800m/分でチーズ形状に巻き取り、168dtex/84フィラメント(平均単糸繊度2.0dtex)の異染性ポリエステル・ポリアミド複合仮撚加工糸を得た。ただし、このとき、解撚部に位置する最下段のディスクのみ、直径57mmのセラミック製のディスクとし、該ディスクと走行糸条との接触長を2.0mmとした。
この異染性複合仮撚加工糸を構成する鞘部はポリマーAからなる糸条群A(84dtex/48フィラメント)であり、芯部はポリマーポリアミドBからなる糸条群B(84dtex/36フィラメント)であった。
これらの異染性複合仮撚加工糸を、無撚、無糊でウォータージェットルームにて目付135g/mの平織物とした。この際、製織性は断糸が無くスムースであった。製織されたのち、染色を施してから官能評価を実施した。
その結果を表1に示す。表1から明らかなごとく、本発明による加工糸(実施例1〜3)は、ソフトでかつ良好なふくらみを呈しつつ、異色染杢調の風合のものであった。また、この糸を使って製織した後、染色すると、非常に深みのある、かつ高級感効果を有しスパンライクな風合の織物が得られた。
これに対し、ポリスチレンの添加量が0.5重量%に満たない比較例1においては、2つの未延伸糸状群の伸度差が50%未満となり、得られた仮撚加工糸の糸条群AとBとの糸足差が5%未満となった。出来上がった製品はスパン感が不足していた。すなわち、表1から明らかなごとく、ポリスチレンの添加量が0.5重量%に満たない比較例1の織物はスパン感が不足、硬い風合いのものとなった。ポリスチレンの添加量が3.0重量%を超える比較例2においては、延伸仮撚断糸及び毛羽の発生が多かった。得られた仮撚加工糸の強度、伸度の低下が認められ、延伸仮撚断糸及び毛羽の発生も多かった。出来上がり製品においても、品位が低いものであった。また、織物の表面は白けた光沢のないものとなった。
Figure 2008025043
[実施例4〜6、比較例3〜4]
固有粘度0.64のポリエチレンテレフタレート(PET)に分子量50000、メルトインデックス9.0のシンジオタクティックポリスチレンを1.5重量%均一に混合したペレット(以下、ポリマーA2と称する)及びナイロン6のペレット(以下、ポリマーB2と称する)とを常法で乾燥した。次いで、ポリマーA2からの糸条群A及びポリマーB2からの糸条群Bを、フィラメント数が表2に示す数値となる個数の円形吐出孔を有する紡糸口金を用い、表2に示す糸条群A及び糸条群Bの総繊度が得られるように吐出量を調整する以外は、実施例2と同じ方法、条件で、上記ポリマーA2及びポリマーB2を溶融紡糸し、複合混繊ポリエステル・ポリアミド未延伸糸を得た。
該異染性ポリエステル・ポリアミド未延伸糸を、実施例2と同様に、帝人製機製216錘建HTS−15Vに掛け、図1の如く、前段、後段とで、孔径1.8mmの圧空吹き出し孔を有するインターレースノズルを通過させつつ60nL/分の流量で交絡度が50個/mとなるように空気交絡を施し、各々表2に示す延伸倍率、第1段ヒーター(非接触タイプ)温度条件に設定し、最下段以外のディスクは直径60mm、厚み9mm、硬度88°のウレタンディスクを仮撚ディスクとして、走行角43度で、仮撚数×(仮撚糸繊度(dtex))1/2が26000近傍となるように延伸仮撚を行い、速度800m/分でチーズ形状に巻き取り、各々表2に示す糸条群構成及び総繊度を有する異染性ポリエステル複合仮撚加工糸を得た。
これらの異染性複合仮撚加工糸を前述の方法で織物となし、その品位を評価し、表2に示す結果を得た。
Figure 2008025043
[実施例7〜8、比較例5〜9]
実施例2と同様に紡糸して得られた異染性複合混繊ポリエステル・ポリアミド複合未延伸糸を、仮撚数×Y1/2 {ただしY=仮撚糸繊度(dtex)}及びインターレース圧空流量、を表3に示す延伸仮撚条件とした以外は実施例2と同様にして延伸仮撚加工を実施し、表3に示す異染性複合仮撚加工糸を得た。この時の延伸仮撚断糸及び毛羽発生状況を表3に示す。また、これらの異染性ポリエステル・ポリアミド複合仮撚加工糸を前述の方法で評価し、その品位を評価し、表3に示す結果を得た。
Figure 2008025043
本発明によれば、異色染杢調及びソフトで優れた風合を実現する異染性複合仮撚加工糸が提供されるので、繊維の製造及び加工の分野で有効に利用することができ、得られた異染性複合仮撚加工糸は衣料用、インテリア用などに広く活用することが可能である。
本発明の延伸仮撚工程の1実施態様を示した模式図。 本発明で使用する仮撚ディスクユニットの1実施態様を示した正面図。
符号の説明
1 :ポリエステル/ポリアミド混繊未延伸糸
2 :糸ガイド
3、3’:フィードローラー
4 :インターレースノズル
5 :第1段ヒーター
6 :冷却プレート
7 :仮撚ディスクユニット
8 :第1デリベリーローラー
9 :第2段ヒーター
10 :第2デリベリーローラー
11 :巻取ローラー
12 :ポリエステル仮撚加工糸チーズ
13 :仮撚ディスク
14 :ガイドディスク
15 :回転軸
16 :タイミングベルト
17 :駆動ベルト

Claims (7)

  1. ポリエステル中にポリメチルメタアクリレート系ポリマー及び/又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で0.5〜3.0重量%含有するポリエステル組成物からなる鞘部糸条群Aとポリアミド系ポリマーからなる芯部糸条群Bとから構成され、かつ、下記(1)〜(4)の条件;
    (1)捲縮率が3〜10%
    (2)糸条群A/糸条群Bの繊度比率が30/70〜70/30
    (3)総繊度が80〜220dtex
    (4)糸条群Aの平均糸長が糸条群Bの平均糸長より5〜20%長い
    を同時に満足することを特徴とする異染性複合仮撚加工糸。
  2. 鞘部糸条群Aのポリエステルが、全繰り返し単位の85モル%以上がエチレンテレフタレートからなるポリエステルであり、芯部糸条群Bのポリアミド系ポリマーが脂肪族ポリアミドであることを特徴とする請求項1記載の異染性複合仮撚加工糸。
  3. ポリエステル中にポリメチルメタアクリレート系ポリマー及び/又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で0.5〜3.0重量%含有するポリエステル組成物からなる未延伸糸条群A’と、ポリアミド系ポリマーからなる未延伸糸条群B’とを、引き揃え、3軸フリクションディスク・タイプの仮撚具を用いて、下記(a)〜(e)の条件を同時に満足するようにして延伸同時仮撚加工することを特徴とする異染性複合仮撚加工糸の製造方法。
    (a)延伸同時仮撚加工に先立って、引き揃えた未延伸糸条に予め空気交絡処理を行い、加工糸の交絡度が30〜70個/mとなるような空気交絡を施す。
    (b)仮撚具におけるディスクとして、ディスク直径(D)mmが、40≦D≦70であり、かつ、ディスク硬度(G°)が、80≦G≦90(°)であるものを使用して加撚・解撚を行う。
    (c)解撚部に位置する最下段のディスクとして、その材質がセラミックであり、かつ該ディスクの直径がすぐ上流のディスクの径よりも90〜98%であるディスクを使用し、該ディスクと走行糸条との接触長を2.5〜0.5mmとする。
    (d)仮撚数(回/m)を、15000/Y1/2 〜35000/Y1/2 (回/m)の範囲内とする(ただし、Yは異染性複合仮撚加工糸の総繊度(dtex)を表わす)。
    (e)仮撚加工時の熱処理に非接触ヒーターを用い、該ヒーターの温度を150〜350℃の範囲とし、該ヒーター内における糸条の熱処理時間を0.04〜0.12秒の範囲内となるようにして熱処理する。
  4. (f)さらに、熱処理した仮撚加工糸条を巻き取る前に該糸条に空気交絡を施すことを特徴とする請求項3記載の異染性複合仮撚加工糸の製造方法。
  5. 上記未延伸糸条群A’と上記未延伸糸条群B’との伸度差が、50〜150%であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の異染性複合仮撚加工糸の製造方法。
  6. 未延伸糸条群A’及び未延伸糸条群B’が、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー及び/又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で0.5〜3.0重量%含有するポリエステル組成物と、ポリアミド系ポリマーとを、同一又は異なる紡糸口金から溶融吐出し、夫々の糸条群を冷却固化後に合糸し、次いで2500〜4000m/分の速度で引き取った未延伸糸条であることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載の異染性複合仮撚加工糸の製造方法。
  7. 延伸仮撚加工時の延伸倍率を、1.4〜1.7倍とすることを特徴とする請求項6記載の異染性複合仮撚加工糸の製造方法。
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