JP3769013B2 - 中空ナイロンフィラメント、中空ナイロン糸、およびその製造法 - Google Patents
中空ナイロンフィラメント、中空ナイロン糸、およびその製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3769013B2 JP3769013B2 JP52415395A JP52415395A JP3769013B2 JP 3769013 B2 JP3769013 B2 JP 3769013B2 JP 52415395 A JP52415395 A JP 52415395A JP 52415395 A JP52415395 A JP 52415395A JP 3769013 B2 JP3769013 B2 JP 3769013B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filament
- hollow
- filaments
- yarn
- rdr
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D02—YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
- D02J—FINISHING OR DRESSING OF FILAMENTS, YARNS, THREADS, CORDS, ROPES OR THE LIKE
- D02J1/00—Modifying the structure or properties resulting from a particular structure; Modifying, retaining, or restoring the physical form or cross-sectional shape, e.g. by use of dies or squeeze rollers
- D02J1/08—Interlacing constituent filaments without breakage thereof, e.g. by use of turbulent air streams
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D01—NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
- D01D—MECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
- D01D5/00—Formation of filaments, threads, or the like
- D01D5/24—Formation of filaments, threads, or the like with a hollow structure; Spinnerette packs therefor
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D01—NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
- D01F—CHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
- D01F6/00—Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
- D01F6/58—Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
- D01F6/60—Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyamides
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D02—YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
- D02J—FINISHING OR DRESSING OF FILAMENTS, YARNS, THREADS, CORDS, ROPES OR THE LIKE
- D02J1/00—Modifying the structure or properties resulting from a particular structure; Modifying, retaining, or restoring the physical form or cross-sectional shape, e.g. by use of dies or squeeze rollers
- D02J1/22—Stretching or tensioning, shrinking or relaxing, e.g. by use of overfeed and underfeed apparatus, or preventing stretch
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/29—Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
- Y10T428/2913—Rod, strand, filament or fiber
- Y10T428/2933—Coated or with bond, impregnation or core
- Y10T428/2935—Discontinuous or tubular or cellular core
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/29—Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
- Y10T428/2913—Rod, strand, filament or fiber
- Y10T428/2973—Particular cross section
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T428/00—Stock material or miscellaneous articles
- Y10T428/29—Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
- Y10T428/2913—Rod, strand, filament or fiber
- Y10T428/2973—Particular cross section
- Y10T428/2975—Tubular or cellular
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T442/00—Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
- Y10T442/10—Scrim [e.g., open net or mesh, gauze, loose or open weave or knit, etc.]
- Y10T442/102—Woven scrim
- Y10T442/109—Metal or metal-coated fiber-containing scrim
- Y10T442/131—Including a coating or impregnation of synthetic polymeric material
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
- Y10T442/00—Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
- Y10T442/30—Woven fabric [i.e., woven strand or strip material]
- Y10T442/3065—Including strand which is of specific structural definition
- Y10T442/3089—Cross-sectional configuration of strand material is specified
- Y10T442/3106—Hollow strand material
Description
本発明は1つ以上の長手方向のボイド(空孔)を持つナイロンフィラメントに関し、特に、高品質の連続中空ナイロンフィラメントおよび糸を商業的に有用な速度で提供できる方法に関し、より詳細には、望ましいフィラメントボイド率を持つ中空フィラメントであって、延伸してもボイド率を保持し、他の有用な特性を持つ中空フィラメントに関する。
発明の背景
ナイロンの平らで嵩高な連続フィラメント糸は多くの望ましい特性を有する。しかしながら、商業的に広く使用されているナイロン連続フィラメント糸は、内部ボイドを持たない中実フィラメント糸であることがほとんどである。中空フィラメント、すなわち少なくとも1つの長手方向のボイドを持つフィラメントを含有する糸は、より軽いが、より重い従来の布と同等のカバー(布不透明性)、および高保温性すなわちCLO値として定められたより高い保温性、を持つ布を与えることができる。加えて、この平らなフィラメント糸は、布に顕著な光沢を与えることができ、フィラメント加工を施されると、綿のような外観を布に与えることができる。しかしながら、フィラメント加工(嵩高糸を望む場合)、糊付け、整経、巻取り、編成、製織、染色、仕上のような繊維加工の下流工程において使用できるためには、フィラメントを傷つけることなく最終用途用の加工ができる程度の機械的品質を持つ中空フィラメントが要求される。機械的品質が劣ると、フィラメントの破損および/またはフィブリル化を招くことがある。このような現象は、初期の最終用途用加工の際には望ましくないが、スエード様の布表面を与えるためのブラッシングやサンダー仕上のような布仕上工程の際には望ましいことがある。中空フィラメント糸が商業的に有用であるためには、布表面仕上の前の布へ加工するための機械的品質、布重量を減らすための高いボイド率、そして染色均一性のような他の性質の間のバランスが必要である。ナイロンの重要な最終用途には、糸の端から端まで(along-end)の物理的均一性と各種フィラメント間の物理的均一性の維持も重要である。なぜなら、繊維の最終用途用の加工後に、染色欠陥および/またはフィラメント破損のような不均一さに起因する欠陥が最終の染色布に現れることが多いからである。
ナイロン中空フィラメントの製造法は知られている。しかしながら、そのような方法は、典型的には、高いプロセス延伸比(PDR)を持つ別々の(分離した)またはインラインの(結合した)延伸工程を必要とする低速紡糸法である。紡糸/延伸結合法では、延伸区域に入る糸の速度(供給ロール速度)は典型的には、1、000メートル/分(mpm)未満であるので、そのような方法は紡糸生産性(Ps)が低い。さらに、そのような既知の中空フィラメント製法は、機械的品質、ボイド率、および/または染色均一性の望ましい組合せを与えることができなかった。
E.I.du Pont and Nemours and Companyに譲渡されたPCT公開WO9119839−Aには、大分子酸性染料による優れた染料均一性を有するナイロン66マルチフィラメント糸を開示している。優れた洗濯堅牢度および耐光性を必要とする臨界の染料適用、例えば水着および自動車の座席に用いられる詰め物に用いられるように、このナイロンフラット糸は、使用する前に染色される織布およびたて糸編生地に用いられる。この糸は、240〜265℃の融点(TM)、50〜80の相対粘度(RV)、および106グラムあたり30〜70当量のNH2末端を有するナイロン66ポリマーから製造される。糸自体は、1.25〜1.55の残留延伸比(RDR)D、15グラム/デニール超の初期弾性率、3〜10%の煮沸洗浄時収縮(S)を有する。ナイロン66ポリマーは、二官能性ポリアミドコモノマー単位またはそれと水素結合する非反応性添加剤を含む。二官能性ポリアミドコモノマー単位は、ポリカプロアミドの少なくとも部分的および/または2−メチル−ペンタメチレンアジパミドコモノマー単位からなる。糸は、ポリマーを紡糸して2.75未満の残留延伸比を有する紡績糸を形成することによって製造される。安定化し、織り交ぜし、そして紡績糸に最終処理をし、1.55〜2.25の残留延伸比を有する供給糸を形成した後に、延伸糸は、この供給糸を乾燥延伸および乾燥弛緩することによって形成される。
Teijin株式会社に譲渡された日本特開昭52−008170号公報(特公昭58−022575号公報)には、マルチフィラメント中空ポリアミド糸が低スピードで紡糸され、高スピード(>3000メートル/分)で巻き上げられることが記載されている。個々のフィラメントのボイド部分は5から30%の間である。糸は、染色可能であり、生地を作成するのに用いられる布に適している。
発明の要約
本発明による方法
本発明は、:
溶融ポリマーを毛管オリフィス紡糸口金から、前記溶融ポリマーの融点(TM)よりも20℃ないし50℃大きい範囲にある紡糸パック温度(TP)で押出し、多数の溶融ポリマーフィラメントの流れを形成する押出工程、ここに、前記溶融ポリマーは少なくとも50の相対粘度(RV)および210℃〜310℃の融点(TM)を持つナイロンポリマーを含む、前記毛管オリフィス紡糸口金は、少なくとも1.33のオリフィス毛管高さ(H)対リム幅(W)の比(H/W)比を有する複数の円弧状毛管オリフィスからなる多数のオリフィスセグメントを有し、該オリフィスセグメントは[押出ボイド面積(EVA)/総押出面積(EA)]で定義される押出ボイド分率が0.6ないし0.95となる総押出面積(EA)および押出ボイド面積(EVA)を有し、前記溶融ポリマーフィラメントは、25%延伸時のフィラメント1本当たりのデニール(dpf)25が0.5〜20デニールとなるように選択されたフィラメント1本当たりの紡糸デニール(dpf)S、および比[EVA/(dpf)S]で定義される溶融減衰率0.05ないし1.5mm2/デニールを有する;
前記多数の溶融ポリマーフィラメントの流れを前記紡糸口金から急冷区域を通して少なくとも1500mpmの引取速度(Vs)で取出し、前記多数の溶融ポリマーフィラメントの流れに実質的に連続した自己融合を生起させ、少なくとも1つの長手方向のボイドおよび所定のボイド分率(VC)を有する残留延伸比(RDR)が2.75未満の中空紡糸フィラメントを形成する引取工程、ここに、前記急冷区域において、急冷空気流速度(Qa)が、紡糸パックを通過する溶融ポリマーフィラメントの質量流量(w)に対して、前記中空紡糸フィラメントが[VC/(EVA/EA)]で定義されるボイド保持指数(VRI)が所定の値を有するように調整される;
前記中空紡糸フィラメントを安定化し、1.2〜2.25の残留延伸比(RDR)を有する中空フィラメントを提供する安定化工程;
を含むことを特徴とするナイロン中空フィラメントおよび該ナイロン中空フィラメントを含む糸を製造するための溶融紡糸法を提供する。
発明の好ましい形態によれば、上記方法は、少なくとも
[(7.5Log10(dpf)+10)/100]、より好ましくは少なくとも[(7.5Log10(dpf)+15)/100]のボイド分率(VC)を持つ紡糸フィラメントを提供する。この方法が、少なくとも0.15、最も好ましくは、次式で表わされる値程度のボイド保持指数(VRI)を与えるのも好ましい。
式中、nは0.7、K1は1.7×10-5、K2は0.17、Tpは紡糸パック温度、Vsは紡糸口金からの引取速度、HとWはそれぞれ紡糸口金毛管オリフィスの高さと幅、QFは急冷係数である。
本発明によれば、上記方法は1〜5.25の見掛紡糸応力(σa)の常用対数の値を与えるのが好ましい。
さらに、紡糸されたままのフィラメントが少なくとも約4g/ddの破断点正規化強力(TB)nを持つことが好ましい。もっとも好ましくは、フィラメントは以下で表わされる値以上の破断点正規化強力(g/dd)を持つ:
上式中、VCはフィラメントのボイド分率である。
本発明の方法は、1.6〜2.25の残留延伸比(RDR)を持つ供給糸の製造に、または延伸工程を用いる場合には、1.2〜1.6の残留延伸比(RDR)を持つ延伸糸の製造に好都合に用いられる。1.2〜1.6の残留延伸比(RDR)を持つ嵩高糸を望む場合、本発明に従い延伸および嵩高工程を用いる。
発明のもう1つの好ましい形態によれば、紡糸口金毛管オリフィスは、熱に曝されるとフィラメントが螺旋状けん縮を自発的に起こすように、フィラメント断面の中央に対し不斉の長手方向のボイドを持つフィラメントを提供する。
好ましくは、用いられたナイロンポリマーは240〜310℃の融点を持つ。このようなナイロンポリマーは、ナイロンポリマー106g当たり30〜70アミン末端当量から成るのが特に好ましい。得られた中空フィラメントは、少なくとも175の小角X線散乱強度(ISAXS)、少なくとも20度の広角X線散乱結晶配列角度(COAWAXS)、65℃未満の大分子酸性染料転移温度(Tdye)を持つのが特に好ましい。
本発明のもう1つの好ましい形態では、ナイロンポリマーは、少なくとも12%のフィラメント煮沸洗浄時収縮率(S)を与えるのに十分な量の少なくとも1つの二官能性コモノマーを含有する。このような高収縮性フィラメントは、12%未満の煮沸洗浄時収縮率を持つ低収縮性フィラメントをも含む本発明による1つの好ましい糸に好都合に用いられ、上記高収縮性フィラメントの少なくとも一部と上記低収縮性フィラメントの少なくとも一部との間の収縮率の差は、少なくとも5%である。
本発明の方法のもう1つの好ましい形態によれば、ナイロンポリマーは、少なくとも60、もっとも好ましくは少なくとも70の相対粘度を持つ。
本発明による製品
本発明によれば、少なくとも50の相対粘度(RV)、210℃〜310℃の融点(TM)を持つナイロンポリマーの中空フィラメントであって、該フィラメントは25%伸びでのフィラメント1本当たりのデニール(dpf)25が0.5〜20であるようなフィラメント1本当たりのデニール(dpf)を持ち、ボイド分率(VC)が少なくとも
[(7.5Log10(dpf)+10)/100]であるような少なくとも一つの長手方向のボイドを持ち、1.2〜2.25の残留延伸比(RDR)と少なくとも175の小角X線散乱強度(ISAXS)を持つフィラメントが得られる。
本発明の好ましい形態によれば、フィラメントは少なくとも
[(7.5Log10(dpf)+15)/100]のボイド分率(VC)を持つ。
本発明の好ましい形態によれば、フィラメントは少なくとも20度の広角X線散乱結晶配列角度(COAWAXS)を持つ。
本発明の好ましい形態によれば、フィラメントは少なくとも4g/ddの破断点正規化強力(normalized tenacity at break)を持ち、最も好ましくは、
(式中、VCはフィラメントのボイド分率である)で表わされる値以上の破断点正規化強力(g/dd)を持つ。
フィラメントが大分子酸性染料での染色に特に適している場合の本発明の好ましい形態によれば、ナイロンポリマーはナイロンポリマー106g当たり30〜70アミン末端当量を含有し、中空フィラメントは65℃未満の大分子酸性染料転移温度(Tdye)を持つ。
本発明の好ましい形態によれば、ナイロンポリマーは少なくとも60、もっとも好ましくは少なくとも70の相対粘度を持つ。
本発明のもう1つの形態によれば、縦糸と横糸方向に配列された熱可塑性ポリマーフィラメントの糸から成る織布であって、糸を構成するフィラメントの少なくとも一部は少なくとも1つの長手方向のボイドを持つ中空フィラメントである織布が提供される。この織布において、中空フィラメントの少なくとも大多数はつぶされ、主寸法と従寸法を持つ長方形の外部断面を持つつぶれ中空フィラメントを形成する。少なくとも大多数のつぶれ中空フィラメントの断面の主寸法は一般的には、織布の表面と裏面の寸法に一致する。
本発明の好ましい形態によれば、縦糸方向と横糸方向のうちのいずれかに配列された糸のフィラメントの全ては、少なくとも1つの長手方向のボイドを持つ中空フィラメントである。
好ましくは、フィラメントを構成する熱可塑性ポリマーはナイロンポリマーである。
【図面の簡単な説明】
図1Aないし図1Lはフィラメントの断面の拡大写真の代表的コピーである。図1Aは、同心の長手方向のボイドを持つ丸フィラメント;図1Bは、同心の長手方向のボイドを持つ三葉状フィラメント;図1Cは、丸形でない形状をとってもよく、またつぶれて綿状の断面形をしてもよい、大きい長手方向のボイドを持つ丸フィラメント;図1Dは、不完全な自己融合をして開放形状をとるフィラメント;図1Eは、ボイドがつぶれ、綿のフィラメント断面(図1G)に類似している仮撚り加工フィラメント;図1Fは、ボイドが部分的につぶれており(すなわち、細いボイド“片”が見える)、綿のフィラメント断面(図1G)に類似しているエアージェット加工フィラメント;図1Hは、切断した(未捲縮の)中空ステープルファイバーの束;図1Iは、部分的につぶれたボイドを持つ、切断/捲縮した中空繊維の束;図1Jは、必要な場合、側面が完全に融合していない三葉状中空フィラメント;図1Kは、新規な“スポンジ状”断面の“質感”を持つ完全に融合したフィラメント;図1Lは、紡糸応力が緩和されると自己捲縮を起こし、煮沸洗浄するとさらに緩和・捲縮を起こす不斉中空フィラメントである。
図2は、平らな供給糸を製造するための別法を含む方法を示すもので、マルチフィラメント糸Yは高速溶融紡糸法を用いて紡糸口金1から紡糸される。フィラメントは、例えば20℃、70%の相対湿度(RH)の交差空気流を用いて“急冷”煙突内で冷却される。この冷却は、糸の端から端まで(along-end)の均一性と機械的品質を与えるために行われ、紡糸パックを通過する質量流量“w”について、また紡糸口金面積当たりのフィラメント数(すなわち、フィラメント密度FD、(#fils/cm2))について急冷空気流速度(Qa)(mpm)を調節することによりなされる。次に、急冷されたフィラメントは、ロールまたは計量仕上剤チップアプリケーターのような仕上剤アプリケーターに集められる。図2に破線で示したように、糸は安定化され、その残留延伸比(RDR)が約1.2〜約2.25に減らされる。これは、多くの異なった別法により行われてもよい。“安定化”は、別法Aでは、米国特許第3,994,121号に開示したように蒸気室4内で蒸気に曝すことにより、あるいは糸を米国特許第4,181,697号に開示したように蒸気のない加熱したチューブを通すことにより実施できる。次に、糸は引取装置、下降ロール5、6を通すが、実質的に延伸されることはない。別法Bは、一組の引取装置、下降ロール5、6を示しており、これらは本質的に巻取りと同一の速度で駆動されるので、これらのロールと巻取装置との間で糸が実質的に延伸されることはない。ここにおいては、安定化は別法Cにおけるような高紡糸速度によりなされる。ロール5および/または6は、必要なら糸の収縮を安定にするため加熱してもよい。別法Cは“ゴデットのない(godetless)”方法で、糸は紡糸口金と巻取装置の間でロールとは接触しない。引取速度(VS)、ナイロンポリマー、溶融減衰率[EVA/(dpf)S]を選択すると、結晶化が始まるのに十分な紡糸配向(複屈折)が紡糸中のフィラメントに与えられ、他の別個の安定化工程を行わなくても紡糸糸を安定化するのに十分な見掛紡糸応力(σa)が与えられる。別法BおよびCにより作られた糸はしばしば、紡糸配向または“SOY”糸と呼ばれる。別法Dは、糸を安定化するための“部分延伸”の使用を示している。下降ロール6の前に、供給ロール7と引取ロール8が十分に糸を延伸し、安定化する。別法Dにより作られた糸はしばしば、“部分延伸”または“PDY”糸と呼ばれる。約1.2〜約1.4の(RDR)Dを持つPDRが得られるようにロール速度の割合を選べば、別法Dでも十分に延伸された糸が形成されると思われる。本発明による好ましい方法では、供給糸は、分離または結合した方法において延伸と緩和を受ける。このような分離または結合した方法には、延伸した平らで嵩高な(フィラメント加工した)フィラメント糸を得るためのフィラメント加工(嵩高)成分(図2には図示せず)が含まれることがある。次に、糸は交錯ジェット(interlace jet)9で交錯され、巻取装置10での糸の効率的巻取やボビンからの糸の除去ができる程度、そして以降の紡織工程で必要とされる程度の交錯度(degree of interlace)を糸は持つようになる。
図3(線A〜D)は、引取速度(VS)に対して中空ナイロン66フィラメントのボイド分率(VC)をプロットした図であり、線A,B,C,Dはそれぞれ75、65、60、55の公称相対粘度(RV)を持つ代表的糸である。
図4A,図5A,図6Aは紡糸口金の毛管および深座ぐり(counter bore)の垂直面の略図であり、図4B,図5B,図6Bは、単一の同心の長手方向のボイドを持つフィラメントを紡糸するためにここで用いられる紡糸口金毛管オリフィスの水平面の略図である(1つ以上の長手方向のボイドを望むなら、様々な毛管紡糸口金が必要であろう)。上図では、紡糸口金毛管は、直径“D”の外径(OD)と直径(D−2W)の内径(ID)を与えるような“リム”幅(W)の長さ(L)の2つ以上の円弧形オリフィス(図4B,図5B,図6B)と幅“F”の端部(“トウ”とも呼ぶ)から成り、円弧形オリフィス(図5B)は幅(G)と半径(R)の拡張端部を持つ。図4B、図5B、図6Bの代表的毛管オリフィスについては、円形断面のフィラメントの場合、押出面積(EA)は図の命名法を用いて[(π/4)(D2)]で定義され、押出ボイド面積(EVA)は[(π/4)(D−2W)2]で定義される。非円形断面フィラメントの場合は、異なった表現を用いる必要があるだろうが、EVAとEAの定義は概念的には円形断面フィラメントと同一である。
円弧状オリフィス毛管は高さHを持ち、ポリマーは、総深座ぐり入口角度(S+T)が中央線CLからの内向入口角度Sと外向入口角度T(図4AではS>T;図5AではS=T)から成る高さ(HCB)の円錐形深座ぐりからオリフィス毛管に供給されるか;または溜め底部に短い角度付き部分を持つ直壁溜め深座ぐり(図6A)からオリフィス毛管に供給される。この底部において、溜めは高さ(H)のオリフィス毛管と合流し、さらに必要な場合、図6Aのオリフィス毛管の入口は流れをより均一にするため面取りしてもよい。好ましくは、図6Aのオリフィス毛管は、典型的には少なくとも約1.33の、より好ましくは少なくとも約2の、最も好ましくは少なくとも約3のオリフィス毛管高さ/幅比(H/W)を持つことにより、ポリマーの改善された均一な計量を行う(すなわち、高い毛管圧低下を介して)。約2未満のH/W比を持つオリフィス毛管(図4A、図5Aに示されたような)を用いて均一なポリマー流をもたらすのに必要な十分な圧力低下を得るには、高さHmcおよび直径Dmc(図4A、図5Bには図示せず)の計量毛管(典型的には断面円形)を深座ぐりの上方に位置させる(または深座ぐりの一部として組入れる)ことができる。この場合、丸い計量毛管の圧力低下は[H/D4]mcに比例する。図6Aに示すようにオリフィス毛管高さ(H)が増加すると、数値の臨界性や、円錐状の深座ぐり(4A、5A)を用いた紡糸口金の入口角度の対称性と同様、“余分の”計量毛管の必要性はあまり重要でなくなる。また、必要ならば、様々な毛管質量流量、すなわち、同一の紡糸口金から様々な紡糸dpfを持つ中空フィラメント、を与えるために、計量毛管は様々なHmcとDmc値を持ってもよい(ここで、[(dpf)(H/D4)]mc,1≒[(dpf)(H/D4)]mc,2および(dpf)1/(dpf)2≒(H/D4)mc,2/(H/D4)mc,1;より包括的には
(dpf)1/(dpf)2=(H/面積2)2/(H/面積2)1(式中、スロット形毛管については、面積はW×Lにより定められる))。さらに、セグメント毛管から成るオリフィスは、様々な形を持ちおよび/または熱に曝されると自己捲縮することができるフィラメントを与えるために、寸法と配列が異なっていてもよい。
図7、図8は、紡糸速度(Vs)に対し紡糸されたままのナイロン66糸の重要な特性をプロットした図であり、ナイロン6の一般的挙動も示してある。図7(A、B)は、それぞれ、逆数1/(RDR)sで表わした残留延伸比(RDR)sと(Vs)に対する密度の代表的プロット図であり、それぞれ1/(RDR)sの変化率と約2.25の(RDR)sで認められた密度の変化も示した。挙動の変移が起こる紡糸速度は、例えばナイロンポリマーの種類とRV、急冷速度と(dpf)sに依存する。転移温度以上(すなわち、(RDR)s≦2.25)では、安定な糸パッケージを得るのに熱/機械的安定性は通常不要である。転移温度以下(すなわち、(RDR)s≧2.25)では、紡糸糸は通常さらなる安定を必要とする。2.25の(RDR)sに相当する中空フィラメントの挙動の見掛上の転移は、中実フィラメントで認められるよりも低いVs、すなわち、フィラメントのデニールに依存して典型的には約1500〜2000mpmで起こる。
図8(線A)は、24時間以上熟成することが許されない紡糸中実フィラメント糸の煮沸洗浄後の長さ変化(ΔL)を紡糸速度に対しプロットした代表的図である。約2000mpmまでは、このような紡糸糸は熱湯中で伸びる(領域I)。約2000と約4000mpmとの間では、紡糸糸は熱湯中で伸びるが、Vsに対して伸びの程度はより低い(領域II)。約4000mpm以上では、紡糸糸は熱湯中で縮む(領域III)。図8(線B)では、これらの糸の相当する複屈折(Δn)値をVsに対しプロットした。約2000mpmではVsに対する複屈折(Δn)の増加率の減少が見られ、これは領域Iでの挙動と領域IIでの挙動との間に転移があることに関係していると考えられ、紡糸線応力誘発性核形成(SIN;spin line stress-induced nucleation)の発現に起因すると考えられる。領域IIIは、著明な紡糸線応力誘発性結晶化(SIC;spin line stress-induced crystallization)の発現を代表する。領域Iと領域IIとの間の転移は、約2.75未満の紡糸糸の(RDR)sとほぼ相当している。本発明の“中空”フィラメントでは、領域Iと領域IIとの間の転移は、フィラメントデニールによるが、より低いVs、例えば約1250〜1500mpmで起こる。
図9A(線1、2)は、図3の糸をそれぞれVsおよび(RDR)sに対しプロットしたISAXSの図である。図中、175の数値でのISAXSの急激な増加により示される繊維構造の顕著な変化がある。これは、約1500〜2000mpmの(Vs)と約2.25の(RDR)sに相当する。本発明によるフィラメントは、少なくとも175、より好ましくは少なくとも200、最も好ましくは少なくとも400のISAXSを持つ。図9b〜図9fは、それぞれ76と1330mpm;77と1416mpm;76と1828mpm;76と2286mpm;76と2743mpm;78と3108mpmのポリマーRVおよび引取速度(Vs)の中空フィラメント糸のSAXSパターンを示す。図9gは、米国特許第5,137,666号におけるKnox等の方法により5300mpmの引取速度(Vs)で紡糸された中空フィラメントの65RVナイロン66ホモポリマーPOYを示す。
図10は、小角X線散乱強度(ISAXS)の常用対数に対して、[1,000/Tdye+273]で表わした大分子酸性染料転移温度(Tdye)をプロットした図である。線Aは、175〜200ÅのISAXSに相当し、線Bは、65℃のTdyeに相当する。S字形曲線CはTdyeとISAXSとの関係を示す。本発明のフィラメントは円で、対照フィラメントは四角で示す。
図11は、上昇する染料浴温度(°F)に対してプロットされた酸性染料の染料消費率を示す。線1、2、3はそれぞれ、0.41のボイド分率(VC)と65%のEBを持つ40デニールの14中空フィラメント糸、0.45のVCと42%のEBを持つ40デニールの14中空フィラメント糸、42%のEBを持つ70デニールの17中実フィラメント糸の染料消費曲線であり、70〜17中実フィラメント糸は、40デニールの14中空フィラメント糸とほぼ同一のフィラメント断面積(CSA)を持ち、CSA(mm2)=[(dpf/密度)]/(9×105cm)]×[(10mm/cm)2×(1−VC)]で、[dpf(1−VC)]に比例し、フィラメント表面積(SA)はCSAの平方根(すなわち[dpf(1−VC)]1/2);したがって、70〜17デニール中実フィラメント糸は、40〜14デニール中空フィラメント糸とほぼ同一の総糸表面積(SA)を持ち、例えば17[(70/17)]/(1)]1/2≒14[(40/14)/(1−42/100)]1/2;しかしながら、本発明の中空フィラメントは、同等のCSAとSA値を持つ中実フィラメントのそれより大きい染料取込率(rate of dye uptake)を持つ。これは、本発明の紡糸および紡糸/延伸中空糸は、従来の紡糸/延伸中実フィラメントに比べ独特の繊維構造を持つことを示唆している。
図12は、無定形相(A)、無定形相(A)と結晶相(C)との間の高度に規則的な縁/界面を構成し、メソ相(B)と呼ばれることもあるパラ結晶相(B)、および結晶相(C)から成る3相繊維構造の略図である。CPIWAXSおよびISAXSは結晶相の“完成”の指標であり、CPIWAXSおよびISAXSが高い値であることは、規則度がより低い(すなわちパラ結晶性がより低く、無定形性がより高い)結晶内部領域の存在を示している。このような領域は、より大きな見掛気孔体積APVWAXSを与える。APVWAXSはAPVWAXS=
{CPIWAXS[(1−X)/X][VC]}で定義される(式中、平均結晶容量VCは[(平均waxs結晶幅)010(平均waxs結晶幅)100]3/2立方オングストロームで定義され、体積部分結晶化度(X)は、X=[(dp−dam)/(dc−dam)](式中、dp=dm(1−VC)=(dpf)/[(1−VC)(CSA)];p,c,am,mは、それぞれポリマーの密度(すなわち、ボイドのないフィラメントの密度)、無定形相、結晶相、中空フィラメントの測定密度;CSAはフィラメント断面積(cm2)の測定値である。APVWAXSの数値が増加すると、ある配向度について染色率は上昇し、(Tdye)は低下する。(この配向度は、見掛無定形気孔移動度APMで定義され、APMは[(1−fam)/fam]で定義され、famは無定形複屈折率Δamの測定値とΔamの最大値との比であって、ここでは0.073である、すなわちfam=Δam/0.073、式中のΔam=[Δfiber−XΔc]/(1−X)、ΔcはWAXS結晶配向角度(COAwaxs)で、
(式中Fcは結晶ヘルマン配向関数である)で概略表すことができる。
図13は、[Log10(σa)]に対し[SDR]をプロットした図であり、以下に定義したSDRは紡糸延伸比を表し、溶融減衰および急冷で発現した平均配向の指標である。SDRは[Log10(σa)]の増加とともに直線状に増加し、点A、B、C、D、EおよびFはそれぞれ2.75、2.25、1.9、1.6、1.4、1.2の(RDR)S値を持つ糸を表し、(RDR)S=7/SDRである。線1、2、3はy=mx+bの形を持ち、その勾配mの値は1で、y切片bの値はそれぞれ1.5、1、0.5である。本発明の中空フィラメントを製造する方法は、線A〜Fおよび線1、線3で囲まれた領域で表わされる。“III”と表示された区域は、約1.2〜約1.6の(RDR)sを持つ中空フィラメントを製造する好ましい方法を示し;領域IIは約1.6〜約2.25の(RDR)sを持つ中空フィラメントを製造する好ましい方法を示し;領域IはDFYとして、またはフラット糸として使用する前に安定化を必要とする、約2.25〜約2.75の(RDR)sを持つ中空フィラメントを製造する好ましい方法を示す。それぞれ1および5.25の[Log10(σa)]の好ましい最小値および最大値は、垂直破線で示した。
図14は、フィラメントボイド分率(VC)の測定値と部分紡糸口金毛管押出ボイド率(EVA/EA)の比で定義したボイド保持係数(VRI)をボイド保持係数(VRI)についての以下の経験的工程式に対してプロットした図である。
式中、nは0.7、K1は1.7×10-5、K2は0.17、Tpは紡糸パック温度(spin pack temperature)、Vsは紡糸口金からの引取速度、HおよびWはそれぞれ紡糸口金毛管オリフィスの高さと幅、QFは急冷係数である。ここで、本発明の糸は、線1および3により定義された面積によって表され、また、線2は、得られた中空フィラメントについて紡糸パラメータの多くの多様な組合せの間の平均的関係を示す。線1〜3はy=nxの形を持ち、ここで、勾配の値はそれぞれ2、1、および0.7である。
図15は、フィラメント円周に対するフィラメント厚さの比に定数2πを乗じて得た比率
の換算式に対し、65RVについて正規化された破断点強力(tenacity-at-break)(TB)65または(TB)nをプロットした図である。VC=1ではこの比は0に等しく、VC=0ではこの比は1に等しい。本発明の糸は、好ましくは少なくとも約4g/ddの(TB)n値を、最も好ましくは少なくともほぼ次の式で表わされるg/dd値を持つ:
。VCを1にまで外挿すること(すなわち比0)は、このような単純化された式については妥当でない。線AとBは0.1と0.6のVC値に相当し、この範囲は本発明の糸のVC値の実用範囲である。参考のために、線1は円形断面で65RVポリマーからなる中実フィラメント糸の公称値を示し、線2は
で表わされる関係を示す。本発明の糸は円で表され、望ましいボイド水準を持つが、劣った機械的品質を持つ糸は四角で表される。低いボイド率を持つ対照の糸は三角で表す。
図16は、紡糸速度(VS)に対し中実および中空ナイロン並びにポリエステルフィラメントの(RDR)Sをプロットした代表的図であり、線1は中空ポリエステルコポリマー;線2は中実ポリエステルコポリマー;線3は中実ポリエステルホモポリマー;線4は中実ナイロン66ホモポリマー;線5は中空ポリエステルホモポリマー;線6は中空ナイロン66ホモポリマーである。混合フィラメント糸の共延伸は、受容できる機械的品質(すなわち、破損フィラメントがないこと)を保証するために、全てのフィラメントの(RDR)D値が少なくとも約1.2であるように、実施されるのが好ましい。
図17A〜図17Dは、外径“OD”を持つ円形フィラメントの断面を示す。ODは、ボイドがない中実フィラメントを示す図17Dでは“D”、ボイドがある本発明による同等の中空フィラメントの代表的3種類を示す図17A、図17B、17Cではdoである。内径(ID)は後者の図ではdiで示す。図17Aに描かれたフィラメントは中空であるが、図17Dの中実フィラメントと同様のデニール(単位長さ当たりの質量)を持つ。すなわち、それらの断面は同一量のポリマーを含有する(つまり、図17Dの総断面積は図17Aの“管壁”の環状斜線の面積と等しい)。図17Aのような中空フィラメント類は様々なボイド率を持つが同一のデニールを持って製造できることがわかる。そのような図17Aのフィラメント糸から作られた布は、図17Dのフィラメント糸から作られた布と同一の重量であろうが、より嵩高でより“剛性”を持つであろう。すなわち、このフィラメントは曲げに対しより抵抗する。図17Bに描かれたフィラメントは中空で、図17Dのフィラメントと同一の曲げに対する“剛性”(耐性)を持つようになっている。この“剛性”は、部分的には布の“ドレープ性(drape)”または“重量感(body)”を表すので、図17Bと図17Dのフィラメントから作られた布は同一のドレープ性を持つであろう。図17Bの壁のポリマーは図17Aのそれより少ないので、図17Dのそれより少ないことが分る。したがって、図17Bのこれらのフィラメントから作られた布は、図17Dのそれらより重量が低く、より嵩高であろう。さらに、図17Bのような中空フィラメント類は様々なボイド率であるが、同一の“剛性”で作られる。図17Cにより描かれたフィラメントは、図17Dと同一の外径(do)を持つ。さらに、図17Cのような中空フィラメント類は様々なボイド率であるが、同一の外径で作られる。図17Cと図17Dのフィラメントから作られた布は同一のフィラメントおよび布容量を持つであろうが、図17Cのフィラメントから作られた布はより軽く、より“剛性”が少ないであろう。図17B〜図17Dに描かれたような断面形状を持ち、さらに図17Aのような中実フィラメントを一部に持つ混合フィラメント中空糸を得ることも可能である。
図18は、増加するボイド率(VC)、すなわち増加する(di/do)比に対して繊維(布)重量の変化(減少)(左垂直軸)をプロットした図であり、線a、b、cはそれぞれ図17A、図17B、図17Cにより表された類のフィラメント(およびそれから得られた布)の重量の変化を示す。例えば、図17Aのフィラメント類では、デニールはdiやボイド率が増加しても一定である。したがって、線aは水平であり、これはボイド率が増加してもフィラメント重量に変化がないことを示している。
また、図18は、ボイド率(di/do)に対して繊維(布)容量の変化(右垂直軸)をプロットした図であり、線a′、b′、c′はそれぞれ図17A、図17B、図17Cのフィラメント類に相当する。この場合、図17Cの外径が一定である限り、線c′は水平である。
図19は、ボイド率(di/do)に対して繊維(布)“剛性”(曲げ弾性率、MB)の変化をプロットした図であり、線a、b、cはそれぞれ図17A、図17B、図17Cのフィラメントに相当する。この場合、ボイド率が増加しても、図17Cのフィラメントの“剛性”が一定に保たれているので、線bは水平である。ボイド率の関数としてのフィラメント剛性、重量、容量の算定についての詳細は、論文“The Mechanics of Tubular Fiber:Theoretical Analysis”,Journal of Applied Science,Vol.28,pages 3573-3584(1983),
Dinesh K. Guptaに述べられている。図17〜図19は、その一部がこの論文から得られた情報に基づいている。
図20は、表9の中空および中実フィラメントのCOAwaxs値を相当する(RDR)s値に対してプロットさせた最良適合曲線を示す。
図21は、実施例23に用いられた糸の中空フィラメントおよび中実フィラメント断面を外径が比較できるように共に示した拡大写真である。
図22は、実施例23に示された布の布重量に対して通気率をプロットした図である。
図23は、実施例23に示された布のインチ当たり本数に対して通気率をプロットした図である。
図24は、中空フィラメントを持つ糸を用いた実施例24の布の断面を示す拡大写真である。
図25は、洗浄後の上記と同一の実施例24の布を示す拡大写真である。
図26は、中実フィラメント糸を用いた実施例24の対照の布の断面を示す拡大写真である。
図27は、洗浄後の上記と同一の実施例26の布を示す拡大写真である。
図28は、中空フィラメントを持つ糸を用いた実施例25の染色および熱固定させた布の断面を示す拡大写真である。
図29は、中実フィラメント糸を用いた実施例25の染色および熱固定させた対照の布の断面を示す拡大写真である。
図30は、実施例25に示された布のカレンダー温度に対して通気率をプロットした図である。
図31は、280°Fの温度でカレンダー仕上した中空フィラメントを持つ糸を用いた実施例25の布の断面を示す拡大写真である。
図32は、280°Fの温度でカレンダー仕上した中実フィラメント糸を用いた実施例25の対照の布の断面を示す拡大写真である。
図33は、図30におけるようなカレンダー仕上に対して通気率をプロットした図であり、但し布は洗濯してある。
図34は、洗濯後の図31と同一の布を示す拡大写真である。
図35は、洗濯後の図32と同一の布を示す拡大写真である。
詳細な説明
本出願においては、“フィラメント加工糸(textured yarns)”(例えば、エアージェット、仮撚り(false-twist)、ラム押出箱(stuffer-box)、混合収縮、自己螺旋捲縮(self-helical crimping))は“バルキー”(または“嵩高加工”)糸をいい、“非加工(untextured)”フィラメント糸は“偏平”糸をいう。ここでいう“偏平”糸と“バルキー”糸は直接、すなわち、延伸せずに得ることができる。例えば、ナイロンポリマーの選択、溶融減衰率[EVA/(dpf)S]、高引取速度VSの使用により直接に用いられるのに十分な特性を達成したために延伸せずに用いられるのに適した直接紡糸糸(以下、“直接使用”偏平糸と呼ぶ);“偏平”または“直接使用”糸を“供給”糸として用いた場合、エアージェットフィラメント加工、またはラム押出箱/チューブフィラメント加工におけるように延伸なしで嵩高性が得られるような“バルキー”ヤーンが挙げられる。さらに、延伸“バルキー”ヤーンは、“供給”糸を逐次延伸し、延伸偏平糸を嵩高加工する(例えば、エアージェット加工する)ことにより製造できる。または、嵩高加工と同時に延伸する(例えば、延伸仮撚り加工する)ことにより製造できる。したがって、本発明による、延伸“偏平”または未延伸紡糸状態“偏平”糸、および逐次または同時延伸“バルキー”ヤーン並びに未延伸“バルキー”ヤーンは、便宜上“偏平”糸および“バルキー”ヤーンと呼ぶことが多いが、そのような用語によって特に限定する意図はない。さらに、本明細書中に述べた全てのフィラメントは、特記しない限り中空フィラメントを指す。
意図された用途に適合させるため、“編織用(textile)”糸(すなわち、“偏平”糸または“バルキー”ヤーン)は、十分に高い弾性率、強力、降伏点、熱安定性等の何らかの特性を持たなければならない。このような特性は、編織布に加工されるために最低必要な特性を持つまでいっそうの加工を必要とする糸と区別できるようなものでなくてはならない。これらの糸は、本書中では“供給”糸または“延伸供給”糸と呼ばれる。このような“供給”糸は、個別の“分割”工程で非直結に延伸してもよい。または、そのような“供給”糸は、“結合”紡糸/延伸工程で紡糸供給糸の形成後に逐次延伸して、“偏平”糸を得てもよい。または、そのような“供給”糸は、逐次または嵩高工程と同時に延伸して、延伸“バルキー”ヤーンを得てもよい。このような延伸は単一の糸に対して行ってもよく、多端巻取機により糸パッケージに巻き取られる、または、たて延伸におけるように横糸なしの多端縦糸シートの形態に巻き取られる多数の糸のような幾つかの糸に対して行ってもよい。さらに、フィラメントは、糸の形状で、または真の“糸”の凝集性を必ずしも持たないフィラメント束として、本発明に従い供給および/または加工してもよい。したがって、本発明による複数のフィラメントは、便宜上“フィラメント”、“糸”、“マルチフィラメント糸”、“束”、“マルチフィラメント束”、または“トウ”とも呼ぶことが多いが、そのような用語によって特に限定する意図はない。“紡糸速度”または“引取速度”(VS)は、紡糸口金からフィラメントを引く第一の駆動ロールの速度を指す。
さらに、本発明によるフィラメントは糸または束において他のフィラメントと共存してよい。そのような他のフィラメントは、本発明のものではなく、例えば他のポリマー(例えばポリエステル)から調製されたものであり、また、この対照フィラメントは中実でも中空でもよい。本発明によれば、ナイロンおよび/または対照フィラメントは、VC(中実を含む)の差、dpf、断面(形状、対称性、アスペクト比)、フィラメント断面の中央(面積について)に対するボイドの位置、等の(ただし、これらには限定されない)物性が異なることができ、ナイロンポリマーのフィラメントについて言えば、収縮性と染色性のような特性が異なることができる。このような糸は、本明細書中、“混合フィラメント糸”(MFY)といい、MFYの2つ以上のフィラメント成分を組み合わせる工程は、個別の分割工程で行ってもよい。例えば、エアージェット加工される前に収縮性が異なる本発明の2種類の糸を一緒に供給してもよい。好ましくは、異なるフィラメント成分を交錯の導入前の紡糸中、特にフィラメント収束の第一の地点で組み合わせる。
本明細書中に用いられる用語“残留延伸比”(RDR)は、糸が切れるまで糸の長さを延伸により何倍に増加できるかを表し、破断点伸び(EB)から以下の式RDR=[1+(EB/100)]により算出できる。供給糸については、(RDR)Fは延伸前の供給糸のRDRを指す。(RDR)Dは延伸糸のRDRである。したがって、供給糸が工程延伸比(PDR)に付される工程について説明する場合、PDRは(RDR)F/(RDR)D比で定義され、(RDR)D値は標準的インストロン荷重−伸び曲線から定められ、(RDR)F値は供給糸を延伸せずに巻き取ることにより決定され、供給糸のインストロン荷重−伸び曲線から定められる。または、(RDR)F値はフィラメントデニールの比から推定できる。例えば、(RDR)F=[(dpf)F/(dpf)D]×(RDR)D。さらに、(RDR)F値は(RDR)F=(RDR)D・PDRにより推定され、ここで、PDR=Vwindup/Vfeedである。機械延伸比に類似しており、紡糸配向度を示す紡糸延伸比(SDR)は、比(RDR)MAX/(RDR)Sで定義され、ここで、(RDR)Sは紡糸状態の糸で測定した残留延伸比である。(RDR)MAXは、配向がない場合のRDR値であり、紡糸口金からの急速に急冷された自由落下フィラメントに対するインストロン検査により決定される。ナイロンポリマーの場合、(RDR)MAXの値は、ナイロンポリマー中のポリマー鎖の平均分子量とポリマー鎖に含有されている“柔軟な”鎖結合の平均分子量(これは単量体繰り返し単位のそれとは異なる)との比の平方根に比例する。単純に言えば、ここでは公称値7が(RDR)MAXに用いられる。本明細書で用いられる平均紡糸配向度は、紡糸延伸比(SDR)で定義され、比(RDR)MAX/(RDR)Sで定義され、(RDR)Sは紡糸状態の糸で測定した残留延伸比である。
本出願で用いられる用語“ナイロンポリマー”は、線状の主としてポリカルボンアミドからなるホモポリマーおよびコポリマーを指し、好ましいナイロンポリマーはポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン66)およびポリ(イプシロンカプロアミド)(ナイロン6)である。本発明の中空フィラメントを製造するのに用いられるナイロンポリマーは、210℃〜310℃、好ましくは240℃〜310℃の融点(TM)を持つ。二官能性ポリアミドコモノマー単位および/またはKnoxらの米国特許第5、137、666号に詳述された分鎖剤を少量含有するナイロンポリマーも用いることができる。ポリマーのTM値は主にその化学組成と関連があり、TMは、ナイロン66にナイロン6を附加する場合のように、変性用二官能性ポリアミド1モルパーセント当たり1〜2℃低下することが多い。本発明による高収縮性中空糸を得るには、少なくとも12%の煮沸収縮率(S)を得るのに十分量の二官能性コモノマーを用いるのが好ましい。染色織物服飾品用途には、ナイロンポリマーは、ポリマー106グラム当たりNH2末端を30〜70当量を持つことを特徴とする。またナイロンポリマーは、エチレン5−M−スルホ−イソフタル酸(Mはナトリウムまたはリチウムのようなアルカリ金属カチオンである)とヘキサメチレンジアミンから形成されたようなカチオン部分を染色部位として導入することにより変性できる。これを導入するのは、カチオン染料で染色できるようにするためである。またナイロンポリマーは、少なくとも65℃の大分子酸性染料転移温度(Tdye)を持つことが好ましい。当業者に周知のように、二酸化チタンのような艶消剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、二酸化珪素のような表面摩擦調節剤、その他の有用な添加剤をポリマーに加えることができる。それには、5%ポリエステルのような非混合性ポリマーや、三官能性鎖分枝(酸またはジアミン)剤のような応力誘発性結晶化および/または配向を強化もしくは抑制する物質も含む。
本発明の中空フィラメントを製造するのに用いられるナイロンポリマーは、少なくとも50の相対粘度(RV)を持つ。この粘度は、従来の編織布のRVが35〜45よりも高い。好ましくは、ナイロンポリマーは少なくとも60、最も好ましくは少なくとも70のRVを持つ。ほとんどの編織布の用途には、100を超えるRV値には利点がないが、RV値が増加すると熱および酸化分解が最小になる場合には、これより高いRV値が用いられることもある。約50〜100以上のRVを持つナイロンは、種々の手法のいずれかにより得られる。例えば、触媒を、特に米国特許第4,912,175号に開示された触媒を、オートクレーブで製造されたより低いRVのフレークに加え、制御された真空でベント式スクリュー溶融装置により再溶融することにより、所望のよりRVの高いポリマーが得られる。より高いRVのフレークは、真空仕上を用いてオートクレーブ(AC)中で直接製造できる。従来の編織RVフレークも固相重合(SPP)によりRVを上げることができる。仕上機を用いて連続重合装置(CP)を用いることも可能である。この場合、重合が制御された温度と時間で行われ、真空下に仕上され、RVを増加できる。連続重合装置(CP)からの溶融ポリマーは、紡糸機に直接供給されるか、またはフレークに流延され、紡糸に用いるため再溶融されてもよい。
本発明の中空フィラメントは、始め多くの溶融流を形成する紡糸口金を用い、高紡糸速度で形成される。この際、減衰中に中空を維持するためのガス注入を用いることなく、以降の溶融流凝集後の状態を引き起こすような工程条件が採用される。本出願においては、そのような凝集は“自己凝集”と呼ぶ。多くの溶融流を低い引取速度(500mpm未満)で凝集させ、英国特許第838,141号および第1,160,263号で教示されたような中空フィラメントを作ることは知られている。しかしながら、引取速度が残留延伸比(RDR)Sを2.75未満に低下させるのに十分な(典型的には、中空フィラメントでは1250〜1500mpm)本発明の方法においては、RVが従来の編織用フィラメントに用いられるよりも高いレベルに増加されない限り、すなわち、本発明に従い少なくとも約50の範囲の数値に増加されない限り、そのような手法はそのような速度では中空フィラメントを製造しないことが発見された。ほとんどの溶融紡糸法においては、ポリマー溶融物は、ナイロンポリマーのTMより好ましくは20℃〜50℃高いTPで押出される。
低い紡糸速度で中空フィラメントを製造することが知られている紡糸口金は、例えば、Hodgeの米国特許第3,924,988号の図1、Mostの米国特許第4,444,710号の図3、Champaneriaらの米国特許第3,745,061号の図1に示された発明、そして本明細書の図4B、図5B、図6Bに示された発明にしたがう方法に有用である。上記のセグメント式紡糸口金毛管を用いた押出は、図2、図4〜図6中に説明されている。本発明の場合、円弧状のオリフィスセグメントは、押出ボイド面積
EVA=[(π/4)ID2](式中、ID=D−2W)と総押出面積
EA=[(π/4)OD2]との比、すなわち[EVA/EA]、が0.6〜0.95であり、押出ボイド面積EVAが0.3〜3mm2であるように配列される。分りやすくするため、これらの計算式は、毛管円弧状オリフィスの端部(幅W、長さLの“スロット”と呼ぶこともある)の間の小さい充実した“間隙”(“タブ”、時に“島”と呼ばれる)が生む面積を無視している。図5Bに示したように、円弧状のオリフィスは拡大した端部(本明細書では、“つま先”と呼ぶ)を持つことが多い。これは、オリフィスセグメントの間のタブによりもたらされないポリマー流、および/または図1Jおよび1Kにより示された特殊な作用を償うためである。ほとんどの編織布の末端の用途に有用な15未満のデニールの均一な中空フィラメントを形成するには、[EVA/EA]比が0.70〜0.90を持つ1.5〜3mm2の範囲の値の押出ボイド面積(EVA)が好ましい。押出物のふくれが不十分であるか、またはこのような低いポリマー流量ではポリマーのレオロジー特性が安定しない場合、非対称オリフィス深座ぐり(図4A参照)、計量毛管および/または深毛管(すなわち、大きいH/W値)(図6A)を用いて、望ましい部分VCと自己凝集を達成してもよい。本発明の実施に用いられる紡糸口金は、例えば、1991年8月7日公開の欧州出願EP−A0440397号、または1990年5月23日公開の欧州出願EP−A0369460に記載された方法により製造できる。
上記のような注意深く選択された紡糸口金を用いて円弧状溶融流を形成した後、新たに押出された溶融流を自己凝集させ、ボイドがフィラメントの長さ方向に実質的に連続している均一な中空フィラメントを形成するような条件が急冷区域で用いられる。自己凝集中および自己凝集の直後の押出された溶融物を迷走空気流から保護し、新たに押出されたポリマー溶融物の酸化分解を最小にするのが好ましい。窒素または蒸気のような低速度不活性ガスを導入することにより、最初の数センチでの空気(すなわち酸素)を除去することがよく行われる。迷走空気流からの保護は、例えば、Makansiの米国特許第4,529,368号に記載されたような遅れ管を嵌めた直交流式急冷装置を用いて達成できる。この装置では、遅れ管の長さ(LD)は最良の端部沿い均一性とボイド率が得られるように選択される。自己凝集が完了した後、フィラメント束は、必要ならより少ないデニールの2つ以上の別々の束に分けられ、残りの工程で個々の束として処理されてもよい。さらに、この分離が自己凝集の均一性と、減衰フィラメント(ここでは、これを「マルチ末端」という)のその後の均一性に悪影響を与えないようになされるならば、その分離は紡糸口金面の表面で起こると思われる。
急冷係数(QF)(QFは2つの式の比で表わされる)で表わされる急冷率の増加を利用して、溶融粘度ηmelt[式{(RV)[(TM+25)/TP]6}に比例する]を増加させ、伸び粘度ηextを増加させることも観察されている。上記2つの式のうち、式1は層流空気流速度(Qa、mpm)と紡糸口金の質量流量(w)(式中、W=[(dpf)S・VS/9000]×紡糸口金1個当たりのフィラメント本数)との比である。式2は、フィラメント密度(FD)、すなわち、有効単位面積(cm2)当たりの紡糸口金1個当たりのフィラメント本数を表す。したがって、急冷係数(QF)=式1/式2。しかしながら、与えられた減衰度および減衰率(比[EVA/(dpf)S])で測定)について高すぎる押出物溶融粘度(ηmelt)または伸び粘度(ηext)は不完全な凝集をもたらす(図1D)。必要ならば、“開口部”の形成を押出操作工程に取り入れ、混合フィラメント糸を得てもよいが、そのような押出工程は制御しなければならない。さもないと、紡糸性能とその後の最終用途用加工性能が悪影響を受ける。“開口部”の意図的形成は、様々な触感を与えるための中空フィラメントおよび“開口”フィラメントの混合物を提供するように、円弧状オリフィスが種々の幅の“間隙”を持つ(または、必要ならば、紡糸口金オリフィスが“C”形“開口”フィラメントを形成するように特に構成されている)ような既存の紡糸口金を採用することにより、実施できる。
次に、新たに自己凝集した中空フィラメントは間隔(LW)を置いて急冷区域で減衰され(すなわち、VSに到達し)、ポリマーガラス転移温度(Tg)以下に急冷され、その後LWより大きい間隔(Lc)でマルチフィラメント束に収束される。但し、この束は、空気抵抗からの紡糸線張力を増大させないように、できるだけ短くする。増大した紡糸線張力は、パッケージング前の以降の加工におけるリラックス処理工程により除去しなければならないからである。十分に冷却したフィラメント束の収束は、Agersの米国特許第4,926,661号に記載されたような計量仕上チップアプリケーターでなされるのが好ましい。収束区域の長さ(Lc)、急冷遅れの長さ(LD)、急冷空気流速度(Qa)は、好ましくは4%未満、より好ましくは3%未満、最も好ましくは2%未満の末端沿いデニールのばらつき(以下、デニール拡散、DSと呼ぶ)を特徴とする均一なフィラメントを与えるように選ばれる。好ましくは、本発明の方法はさらに、少なくとも4g/dd(グラム/延伸デニール)、最も好ましくは式
の少なくともg/ddの値以上の破断点での正規化強力(TB)nで示されたような良好な機械的品質の中空フィラメントを提供する。(TB)nは、延伸デニール当たりの強力(TB)から、TBに
を乗じて算出される。
収束したフィラメント糸を2.75未満の(RDR)Sを持つ紡糸糸を得るのに十分なVSで引き取られ、次に安定化工程に付され、糸の(RDR)を2.25〜1.2に低下させる。非常に高い紡糸速度では、糸の(RDR)を2.25〜1.2に低下させるための糸の処理は紡糸中になされる。何故なら、紡糸(RDR)Sの値はこの範囲内になるからである。供給糸として用いられる発明の好ましい糸は1.6〜2.25の残留延伸比(RDR)を持ち、そのような高い紡糸速度を用いて作られるのが好都合である。もちろん、他の安定化手段も使用できる。処理工程が“機械的”または“空気力学的”延伸工程(または、高いVSを持つ直接紡糸工程)である場合、次に適当なパッケージングのためのリラックス処理工程を行うのが好ましい。リラックス処理工程で熱を用いる場合、水着や車の椅子張りのような重要な染料の最終用途のためのフィラメント糸の温度は、Bolesらの米国特許第5,219,503号の教示に従い選ばれるのが好ましい。すなわち、約20℃と、ポリアミドポリマーの融点(TM)より約40℃低く、式
TR≦(1000/[K1−K2(RDR)D])−273℃より約40℃低い温度との間の糸リラックス処理温度(TR)である。(式において、ナイロン66ポリマーの場合、K1とK2の値はそれぞれ4.95と1.75であり、ナイロン6ポリマーの場合、K1とK2の値はそれぞれ5.35と1.95である。フィラメント交錯の仕上の種類、程度、範囲は、最終用途用の加工のニーズに基づき選ばれる。フィラメントの交錯は、BuntingとNelsonの米国特許第2,985,995号、およびGrayの米国特許第3,563,021号に記載されたようなエアージェットを用いてなされるのが好ましい。これらによれば、フィラメント間交絡の程度(以下、急速ピンカウントRPCと呼ぶ)をHittの米国特許第3,290,932号にしたがい測定する。本発明の1つの好ましい形態においては、延伸により、1.2〜1.6の残留延伸比(RDR)Dを持つ延伸偏平糸が得られる。本発明のもう1つの好ましい形態においては、糸を延伸、嵩高加工し、1.2〜1.6の残留延伸比(RDR)Dを持つ嵩高糸が得られる。
本発明による方法においては、紡糸デニールは、25%伸び(すなわち25%伸びるまで延伸したと仮定すると)でのフィラメント1本当たりのデニールの値[(dpf)25と呼ぶ]は0.5〜20である。すなわち、紡糸中には様々な程度の配向が糸に与えられると思われ、このような配向の結果、(RDR)を低下させるための後処理が必要となるか、またはこの後処理に影響があり、さらに、dpfが減少し、式[1.25(dpf)S/(RDR)S]で算出される。本発明によるフィラメントは、25%伸びでのフィラメント1本当たりのデニール(dpf)25が0.5〜20である。本発明の方法によれば、フィラメントは、好ましくは少なくとも
[(7.5Log10(dpf)+10)/100]、より好ましくは少なくとも[(7.5Log10(dpf)+15)/100]、最も好ましくは少なくとも[(7.5Log10(dpf)+20)/100]のボイド分率(VC)を持つ。本発明によるフィラメントは、少なくとも
[(7.5Log10(dpf)+10)/100]、好ましくは少なくとも[(7.5Log10(dpf)+15)/100]、最も好ましくは少なくとも[(7.5Log10(dpf)+20)/100]のボイド分率(VC)を持つ。
本発明の方法においては、新たに自己凝集した中空フィラメントの初期のボイド分率は、押出ボイド分率[EVA/EA]とほぼ同一と推定できる。溶融物の減衰中、押出ボイド分率[EVA/EA]は、紡糸フィラメントで測定したボイド分率のそれになる。ここで、測定されたフィラメントボイド分率(VC)と押出ボイド分率[EVA/EA]との比、すなわち[VC/(EVA/EA)]は、溶融紡糸工程中のボイド率の減少を示す指標であり、以下ボイド保持指数(VRI)と呼ぶ。本発明による好ましい方法においては、VRIは少なくとも0.15である。VRIは紡糸パラメータと関係し、最も好ましくは、少なくとも次式の値を持つ:
式中、nは0.7、K1は1.7×10-5、K2は0.17である。
本発明による方法で望ましい(RDR)S値を得るには、見掛紡糸応力
(σa)の経験値の常用対数が1〜5.25であることが好ましい。
(σa)は次式により紡糸パラメータを用いて得ることができる:
式中、K3は9×10-6である。
もちろん、本書中およびその他の技術の進展とともに、いっそうの変更を行うこともある。例えば、どの種類の延伸巻取機を用いてもよい。必要ならば、供給および/または延伸糸の後熱処理をどの種類の加熱装置(加熱ゴデット、熱風および/または蒸気ジェット、加熱チューブの通過、マイクロ波加熱等)を用いて適用してもよい。仕上を従来のロールにより適用してもよく、本出願では計量チップアプリケーターが好ましく、仕上は数工程で行ってよく、例えば延伸前の紡糸中と巻取前の延伸後に行ってよい。交錯は、加熱または非加熱の交絡エアージェットを用いて行ってよく、例えば紡糸中と延伸中というように数工程で行ってもよく、横糸なしの糸シート上にからみリードを用いるというように他の装置を用いてもよい。さらに必要ならば、延伸ピンや蒸気延伸ジェットのような装置を用いて延伸点を孤立させ、例えば、これがロール表面に移動し工程を中断させることのないようにしてもよい。
様々なデニール、ボイド率および/または断面のフィラメントを導入することにより、フィラメント同士によるパッケージ形成を減少し、触感と快適さを向上させてもよい。様々な収縮率を持つフィラメントを同一の糸に存在させると、望ましい作用を得ることができる。本発明の1つの好ましい形態は、少なくとも12%の収縮率(S)を持つ高収縮性フィラメントを12%未満の煮沸洗浄収縮率を持つ低収縮性フィラメントとともに用いることである(この場合、高収縮性フィラメントの少なくとも一部と低収縮性フィラメントの少なくとも一部との収縮率の差は少なくとも5%である)。このような糸は、熱に曝されると自己で嵩高となる。様々なポリマー変性を行ったフィラメントを同時に紡糸すると、独特の染色性が得られる。例えば、カチオン部分でアニオン染色性ナイロンを変性すると、カチオン染色性が付与される。中空フィラメント糸からなる布は、同一のデニールの中実糸を含有する布よりも低い布重量で優れた空気抵抗性とカバー特性を与える。好都合であれば、このような技術を、トウのような他の形態のナイロン中空フィラメントに適用し、次にステープルファイバーに変換してもよい。
本発明による織物は、好ましくは、本発明による中空ナイロン糸のようなナイロンポリマーの糸から作られる。織物中の糸も、例えば、ポリプロピレンのようなポリエステルまたはポリオレフィン等を含む熱可塑性ポリマーからなる他の様々の糸から作られる。
本発明の好ましい実施態様を示す図24、図25、図31、図34を参照すると、布中では、糸を構成するフィラメントの少なくとも一部は少なくとも1つの長手方向のボイドを持つ中空フィラメントである。さらに、中空フィラメントの少なくとも大部分はつぶされ、主寸法と従寸法を持つ長方形の外部断面を持つつぶれ中空フィラメントを形成する。本特許出願で“長方形(oblong)”とは、主寸法と従寸法を持つ様々な伸長した断面形状のいずれかを指すように構成されている。フィラメントがつぶされている程度により、断面は、図24に描かれたフィラメントのような玉子型の断面から図34のほとんどリボン状の断面までに及ぶ。
本発明による布においては、つぶれ中空フィラメントのうち少なくとも大部分のフィラメントの断面の主寸法は、一般的には、布の表と裏に整合する。本出願で布表面と“一般的に整合する”とは、つぶれ中空フィラメントの主寸法と平行な線が布の表面に対し20度未満の角度を持つことを意味するようになっている。
本発明の好ましい形態によれば、縦糸方向および横糸方向のいずれかにおける糸を構成するフィラメントの全ては、少なくとも1つの長手方向のボイドを持つ中空フィラメントである。本発明による布では、縦糸方向または横糸方向に中空フィラメントを持つ糸は全ての糸よりは少ないが、上記2つの布方向のいずれかの糸の全てが中空なフィラメントを持つ場合、非常に低い通気性の布が得られる。中実糸を縦糸とし、中空糸を横糸として用いることが特に好都合であると分っている。
用いられた糸がナイロンの場合、中空フィラメントは、25%伸びでのフィラメント1本当たりのデニール(dpf)25が0.5〜20であるようなフィラメント1本当たりのデニール(dpf)を持つのが好ましい。好ましくは、そのようなフィラメントのボイドは、少なくとも
[(7.5Log10(dpf)+10)/100]のボイド分率(VC)を与える。
本発明による布は、中空フィラメントを含有する織物をカレンダー仕上することにより製造できる。この製造は、つぶれフィラメントの断面の主寸法が布表面と整合するようにボイドをつぶさせる条件を用いて行われる。後述する実施例からより明らかなように、カレンダー仕上に適した条件は50インチ(127cm)のロールでは40〜60トンの総ロール力でロール温度70〜360°F(21〜182℃)である。構成糸が全て中実糸である布に必要とされてきた条件より厳しくないカレンダー仕上条件で低い透過性を得ることができる。したがって、柔軟な“風合いの”布を望む場合、カレンダー仕上の条件は通気性について望ましい効果を得るのに必要な条件より厳しくない条件にすべきである。カレンダー仕上と同様の効果を得る他の布処理も、本発明にしたがう布を製造するのに使用できる。
中実糸のみを含有するカレンダー仕上布に比べ、本発明による布はより低い通気性を示す(殊に、より低いカレンダー温度で)。本発明による低通気性布は、過度の剛性を伴うことなく低い通気性をもたらすことができる。
上記のことから、本発明の好ましい供給糸および特に好ましい供給糸の利点を以下に述べる各種延伸法に利用するには多くの方法があることが明らかであろう。本発明のこれらの供給糸、延伸糸、および嵩高糸のさらなる用途および利点を以下に要約する:
1.例えば、たて延伸および延伸仮撚りのための延伸供給糸に用いられる高RV中空ナイロンフィラメントでは低重合体の表面沈着が減少する。
2.カレンダー仕上工程に中空フィラメント糸を通過させ、弾性フィラメント糸の被覆糸に用いるためのつぶれフィラメントを形成することにより、弾性体に保護とよりコットン様の風合いを与える。
3.鎖分枝剤を用いて、より低い(σa)およびより高いRV値の方法により鎖分枝剤を含まないポリマーから紡糸されたフィラメントと同等のボイド率の中空フィラメントを提供する。
4.鎖分枝剤を用いおよび/または1991年12月26日公開のPCT公開WO91/19753に記載された2−メチルペンタメチレンジアミンを添加することにより、減衰/急冷中の球晶の出現を低下させ、中空フィラメント糸の破断点強力を増加させる。
5.ナイロンポリマーに顔料またはカーボンブラックを添加することにより、等しい濃さの色相に染色された同等のデニールの丸フィラメントの染料含量に比べ、染料含量を増加させることなく、より濃い色相に染色できるような灰色を紡糸フィラメントが呈するようにする(これは、内部反射率に起因する中空フィラメントの染色収率の低下を克服するためである)。
6.裁断されたチューブ状フィラメントがフィブリル化し、より細いデニールのフィラメント素糸になるとともにベルベットからスエード様の触感を持つように、裁断およびブラッシングできるパイル織物を提供する。
7.ナイロンおよびポリエステルポリマー、相対粘度、鎖分枝剤の添加、コポリマー、フィラメントのdpfおよびボイド率VCの選択を組み合わせることにより、同一の((RDR)S)対(紡糸速度)関係を示すナイロンおよびポリエステルフィラメント系を“デザイン”し、これらのフィラメントを同時延伸供給糸中で区別できないようにすることは可能である。
以下の実施例は本発明を説明するが、限定を意図していない。糸特性と工程パラメータは以下の試験法に従い測定される。
試験法
ナイロンの相対粘度(RV)は25℃で測定した溶液と溶媒の粘度の比であり、溶液は10重量%の水を含有する蟻酸の溶媒中に8.4重量%のポリアミドポリマーを溶解させている。
ボイド分率(VC)は以下の手順を用いて測定される:繊維資料をハーディーミクロトーム(Hardy, U.S. Dept. Agricult. Circa. 378, 1933)に取付け、薄い切片を作る(本質的には、“Fibre Microscopy its Technique and Application”, J.L. Stoves(van Nostrand Co., Inc., New York 1958, pp. 180-182)に開示された方法にしたがう)。切片をSUPER FIBERQUANTビデオ顕微鏡装置ステージ[VASHAW SCIENTIFIC CO., 3597 Parkway Lane, Suite 100, Norcross, Georgia 30092]に取付け、SUPER FIBERQUANTのCRTで必要に応じ100倍までの倍率で表示する。繊維の個々の薄い切片の像を選択し、その外径と内径をFIBERQUANTのソフトウエアで自動的に計測する。フィラメントのボイド領域の周囲で囲まれた断面積とフィラメントの断面積との比がボイド分率(VC)である。FIBERQUANTの結果を用いることにより、各フィラメントの内径の二乗を各フィラメントの外径の二乗で割ってボイド率を計算する。次に、この方法を視野に入る各フィラメントについて繰り返し、統計的に有意なサンプルセットを設け、それを平均してVC値を決定する。
結晶完成指数(CPI)を広角X線回折走査(WAXS)から導く。これらの組成の繊維の回折図は、ピークが約20°〜21°および23°2θの散乱角度で現われる2つの顕著な赤道X線反射を特徴とする。X線図は、XENTRONICS面積検出器(モデルX200B、512x512の解像度を持ち直径10cm)に記録される。X線源は、銅放射線源(CUK−alpha、波長1.5418オングストローム)を持ち、40kVと35mAで操作されるSiemens/Nicolet(3.0kW)発電機であった。0.5mmのコリメーターを試料とカメラとの距離を10cmとして用いた。検出器は20度(2θ)の角度でセンタリングし、解像度を最大とした。データ収集のための露光時間は10〜20分として、最適の信号レベルを得た。
面積検出器でのデータ収集は初期校正から始める。この際、検出器上の個々の位置から相対的検出効率を補正するFe55放射線源を用いる。次に、バックグラウンドの走査を黒色試料ホルダーで得、最終のX線図からのX線ビームの空気散乱を明らかにし、除去する。データも検出器の曲率で補正する。これには、検出器の表面に取り付けられた四角の格子上に等しい間隔で設けられた穴を持つ校正板を用いる。試料繊維の取付は厚さ0.5〜1.0mm、長さ約10mmで垂直に行い、散乱データは赤道方向または繊維軸に対し直角で集める。コンピュータプログラムは、適切な方向に一次元断面構成を可能とすることによりX線回折データを分析し、データを滑らかにし、ピーク位置と全幅を半値で測定する。
66ナイロン、および66ナイロンと6ナイロンとのコポリマーの結晶度のX線回折測定値は、結晶完成指数(CPI;Crystal Perfection Index)
(P.F. DismoreとW.O. Statton, J. Polym. Sci. Part C. No. 13, pp. 133-148, 1966により教示)である。21°および23°2θでの2つのピークの位置は移動することが認められ、結晶度が増加すると、ピークはさらに離れるように移動し、Bunn-Garnerの66ナイロン構造に基づく“理想的な”位置に相当する位置に近づく。このピーク位置の移動は、次式の66ナイロンにおける結晶完成指数の測定の根拠を与える:
式中、d(outer)およびd(inner)は、それぞれ、23°と21°でのピークについてのブラッグの‘d’間隔であり、分母0.189はBunnとGarner(Proc. Royal Soc.(London), A189, 39, 1947)により報告された高結晶化66ナイロンのd(100)/d(010)の値である。2θ値に基づく同等でより有用な式は:
CPI=[2θ(outer)/2θ(inner)-1]×546.7
X線配向角度(COAWAXS)。(CPIの項で述べたと)同一の手順を用い、X線回折図を得て、分析する。66ナイロン、および66ナイロンと6ナイロンとのコポリマーの回折図は、約20°〜21°および23°で2つの顕著な赤道反射を示す。6ナイロンでは、1つの顕著な赤道反射は2θ約20°〜21°で起こる。約21°での赤道反射は、配向角度の測定に用いられる。赤道ピークを介するアジマストレースと同等のデータ配列はイメージデータファイルから作られる。
X線配向角度(COAWAXS)は、バックグラウンドについて補正した赤道ピークの最大光密度の半値での角度で表した円弧の長さ(最大密度の50%の点に対する角度)である。
小角X線散乱(SAXS)図は、XENTRONICS面積検出器(モデルX200B、512×512の解像度を持ち直径10cm)に記録される。X線源は、銅放射線源(CuK−alpha、波長1.5418Å)を持ち、40kV、35mAで操作されるSiemens/Nicolet(3.0kW)発電機であった。0.5mmのコリメーターを試料とカメラとの距離を50cmとして用いた。データ収集のための露光時間は1/2〜5時間として、最適の信号レベルを得た。散乱図は、2つの散乱ピークの強度最大値を介し、子午線方向で分析し、また赤道方向と平行に分析した。2つの対称的SAXSスポットは長期間の間隔分布に起因し、PearsonのVII関数[Heuval et al., J. Appl. Poly. Sci., 22, 2229-2243(1978)を参照]が当てはめられ、最大値半値での最大強度、位置、全幅が得られた。1時間の収集時間について正規化したSAXS強度(NORM. INT.);試料厚さについて補正した4つの散乱ピーク(MULT. FACTOR)の平均強度(AVG. INT.)および露光時間を算定した。正規化強度(NORM. INT.)は、延伸中空フィラメントを構成するポリマーの無定形領域と結晶領域との間の電子密度の差を表す指標である。すなわち、NORM. INT.=[AVG. INT.×MULT. FACTOR×60]/[収集時間、分]
平均ラメラ寸法はSAXS離散した散乱X線回折極大値から決定した。子午線方向では、これは繊維方向におけるラメラ散乱の平均サイズである。赤道方向では、これは繊維方向に垂直なラメラ散乱(lamellar scatter)の平均サイズである。シェラーの方法を用いて、回折ピークの幅からラメラ散乱のサイズを次式により推定した:D(子午線または赤道方向)=(kl/b)cosQ,式中、kは以下に述べるようにbが決定される方法に依存する形状因子、lはX線の波長(1.5418Å)、Qはブラッグ角度、bはラジアンにおける離散した散乱のスポット幅である。b{子午線方向}=(2QD−2Qb),式中、2QD(ラジアン)=[Arctan(HW+w)]/2r、および2Qb(ラジアン)=[Arctan(HW−w)]/2r、そして、式中、r=繊維とカメラとの距離(500mm)、w=散乱の補正された半値幅(以下に述べる)、そして、HW=離散した散乱ピーク同士におけるピークとピークとの距離。
離散した散乱ピークを介する赤道方向のラメラ散乱のサイズは、以下のシェラーの式から算出した:b(赤道方向)=2Arctan(w/2Ro),式中、Ro=[(HW/2)2+(500)2]0.5である。シェラーの線拡大式に対する補正として、機器効果に起因する線拡大についてのウオーレンの補正を用いた。WM 2=w2+W2,式中、WM=測定した線幅、W=0.39mm(既知標準から求めた機器の貢献)、およびw=ラジアンのスポット幅bを算出するのに用いた補正線幅(赤道方向または子午線方向のいずれか)。測定した線幅WMは、特定の露光についての最大回折強度の半値での幅である。この“半値幅”パラメータは、曲線当てはめ手順において用いた。シェラーの式における形状因子Kは0.90とした。周期性のばらつきに起因する線拡大は無視した。ラメラ寸法積(LDP)はLDP=D(子午線方向)×D(赤道方向)で求める。
CLO値は布の耐熱性の単位であり、ASTM法D1518−85(1990年再承認)で算出する。CLOの単位は次式から得る:CLO=[布の厚さ(インチ)×0.00164]熱伝導率,次式、0.00164は、単位厚さ当たりの(°K)(m2)/ワットで表した特定のCLOを得るための複合指数である。典型的には、熱伝導率の測定は、試料の布面積(5cm×5cm)について行い、cm2当たり6gの力をかけて10℃のDTで測定する。熱伝導率(上式の分母)は以下のようになる:(W×D)/(A×DT)=熱伝導率,式中、Wはワット、Dはcm2当たり150gの力をかけた試料の厚さ、Aは面積(25cm2)、DT=10℃。
通気率は、ASTM法D737−75(1980年再承認)に従い測定する。ASTM D737では、2つの布表面の間に一定の差圧下(12.7mmHg)に既知面積(直径7.0cm)の布を通過する空気流量として通気性が定義される。試験前、少なくとも16時間21±1℃および65±2%の相対湿度で試験準備する。測定値は、1平方フィート当たり1分当たりの立方フィート(フィート3/分/フィート2)として出し、0.508を乗じて1平方センチ当たり1秒当たりの立方センチに換算できる。
ポリエステルおよびナイロンのその他のポリマー、フィラメント、糸、繊維構造特性、およびプロセスパラメータは、Knoxの米国特許第4,156,071号、Knoxらの米国特許第5,066,427号および同5,137,666号、ならびにBolesらの米国特許第5,219,503号に開示された該当する試験方法と記載にしたがい測定される。
本発明の様々な実施態様を以下の実施例で説明するが、これらに限定されるものではない。表1〜表9では、PDR(工程延伸比)をMDR(機械延伸比)の変わりに用いるが、MDRとPDRは同等であり:Ten.は初期デニール当たりの破壊荷重(g)の織物強力(g/d)であり;Tb(またはTB)は延伸デニール当たりの強力(g)(すなわちg/dd)であり;TB)nは表には示さないが、ナイロンポリマーの基準RVが65について正規化されたTB値であり、TBに
を乗じて算出する;S(%)=煮沸洗浄時収縮率(%);ボイド分率(VC)はパーセント(%)で表し;“Spin”は紡糸速度(引取速度、mpm)であり;“Pol Typ”はポリマーのタイプであり;“DPF25%”(本出願では(dpf)25とも書く)は、一定の基準破断点伸び25%(すなわち、一定のRDR1.25)まで延伸したと仮定した場合のフィラメントのデニールであり、式[1.25(dpf)/RDR]を(dpf)25の算出に用いてよく;MOD.はインストロン荷重−伸び曲線の初期勾配(g/d)であり;HC.(またはHCT)は“加熱箱温度℃”であり;Qaは層状急冷空気速度mpmであり;“---”はデータなしを意味し;酸ピリジル触媒=APC(特記しない限り、全て0.098%);エステルピリジル触媒=EPC;へき開フレークポリマー=CFP;固相重合=SPP;真空仕上重合=VFP;死明度光沢(DBL;dead bright luster)=0.0%TiO2;半艶消し光沢(SDL)=0.3%TiO2;N66=ナイロン66;N6=ナイロン6;0.15%酸化防止剤50%中和=AOX/50;0.15%酸化防止剤100%中和=AOX/100(AOXはフェニルホスフィン酸)である。
実施例1〜18において用いられたポリマーのタイプは以下の通り:タイプIは40 RV CF/APC SDL N66;タイプIIは40 RV CF/APC DBL N66;タイプIIIは40 RV CF/0.098% EPC/VFP DBL N66;タイプIVは40 RV CF/APC DBL N66;タイプVは40 RV CF/0.15% EPC/VFP DBL N66;タイプVIは80 RV CF/SPP DBL N66;タイプVIIは40 RV 50/50混合物(II+CF w/10% N6);タイプVIIIは80 V CF/VFP DBL N66;タイプIXは77 RV CF/VFP DBL N66;タイプXは40 RV CF/VFP DBL N66;タイプXIは92 RV CF/VFP DBL N66;タイプXIIは84 RV CF/VFP DBL N66;タイプXIIIは106 RV CF/VFP DBL N66;タイプXIVは97 RV CF/VFPBDL N66。
実施例1
ナイロン66ホモポリマを表1に示した条件下で溶融紡糸して、一つの紡糸口金から、計量された14本の中空フィラメント(hollow filaments)を束ねた2本の束を製造した。但し、表1中の品目17の場合においては、7本のフィラメントを束ねた4本の束に分離した。上記紡糸口金は、高さHが0.254mmであり、幅Wが0.0762mmである28本の毛管オリフィス(図4Aおよび図4B参照)からなるものであり、H/Wは3.33であり、ODは2.03mmであり、IDは1.876mmであり、タブ幅は2.03mmであり、EAは3.22mm2であり、EVAは2.77mm2であり、EVA/EA比は0.86である。表1中の5番〜12番は供給ロール速度(Vs)を1330mpmから2743mpmまで増加させていったときの影響を示す。ここで、部分フィラメント(fractional filament)VCは0.2から0.4に増加し、1400mpm〜1600mpmの範囲でVCは最も大きく増加した。さらに、表1中の5番〜12番では、ブロック温度(Tp)の影響を285℃〜300℃で調べた。2103mpmにおける部分フィラメントVCは、285℃のTpでの0.43から、290℃のTpでは0.36に、300℃のTpでは0.33に低下した。つまり、その勾配は約0.01VC/1℃であった。表1中の品目20では、ポリマ流量は減少し、紡糸速度Vsが2743mpmであるとき2dpfである紡糸フィラメントを与え、フィラメントの破壊が観察され、上述のように与えられたオリフィス毛管の流量を低く調整した。
公称の相対粘度RVが約40であるポリマーをフレーク状で供給した。上記RVは半密閉式のスクリュ溶融装置(vented screw melter)内で適用された真空を制御することによって増加した。ここで、水分の除去は、縮重合を長引かせ、固く結合したフレーク状のポリマーの相対粘度RVよりも高い相対粘度RVのポリマー溶融物を与える。低い真空度のレベルの使用を許容するために、2−(2′ピリジル)エチルホスホン酸(APC)またはジエチル2−(2′ピリジル)エチルホスホネート(EPC)などの触媒を添加した。また、結合したポリマーのRVは固相重合(SPP)によって増加した。一般に、紡糸フィラメント糸の特性は、ポリマーが酸化的および/または熱的な劣化から形成されたゲルで汚染されることがないような予防策、およびポリマーストランドをフレークチップに切断する際に形成される”微粒子”(すなわち、粒子様の小さなポリマーダスト)を最小限とするような予防策が採られている限り、ポリマーのRVを増加させるのに用いられる方法と独立している。
ε−カプロアミド単位5%とEPC0.049%とを含有するタイプのポリマーで紡糸した品目(items)は、255℃の融点TMより6℃高い261℃での紡糸効果としての触媒の低レベルに由来する、より低いηMeltの結果として、ナイロン66ホモポリマーの場合に比べ、低いVCを有する。すなわち、[(TM+25)/TP]比は、同一のポリマーのTPにおいて、より低い。50未満の従来の繊維ポリマのRVに代えて、(RDR)Sが2.75未満の値でボイド分率が0.10を越える中空紡糸フィラメントへの試みは失敗した。
注目すべきは、第1表の品目1〜5、13および21は、VSが1500mpmより小さく、かつ(RDR)Sが2.75を越えているので、本発明の態様を示す実施例ではなく比較の目的で含まれている。品目6は本発明のプロセス(溶融紡糸法)の態様を示す実施例であるが、それに従う製品は少なくとも175のISAXSに関する値を有していないので、本発明の中空ナイロンフィラメントの態様を示す実施例ではない(表1においては、ISAXSは与えられていない)。
実施例2
表2に示された実施例2における異なった複数の28孔紡糸口金は、冷却チャンバ内で各14本のフィラメントを有する2つ束に分離されて用いられた。全ての毛管寸法は、実施例1のように、2.03mmの同一のOD、0.203mmのタブ、および0.0762mmの幅を有していた。毛管深さ(H)を0.254mm(実施例1)から0.381mmに、および0.632mmにそれぞれ増加させることによって、毛管のH/W比を3.33(実施例1)から5に、および8.33に増加させた。全ての品目に関し、プロセス環境(Qa:23mpm、VS:2037mpm、HC.:155℃)を一定にした。0.254mm、0.381mm、および0.632mmの深さ(H)の毛管から紡糸した複数のフィラメントのVCは他の全ての条件を一定にして本質的に同一である。しかしながら、「ギャップ」の機械的強度は、深さが増すときに増し、紡糸口金の損傷が減少する。長い毛管に対する0.1mm短い毛管の分析は0.44から0.38に約0.06の減少を示す。すなわち、VCは(H/W)0.1で増加する。
実施例3
実施例3におけるプロセスおよびプロダクト特性は表3に示されている。本実施例では、異なった28孔紡糸口金が用いられた。これら全ては冷却チャンバ内で各14本のフィラメントを有する2つ束に分離された。毛管オリフィスの高さ(H)は、品目1(高さ0.1mm)を除いて、0.254mmであった。S角は毛管の島部(island side)上の角度であり、T角は毛管の外部上の角度である。図4A参照のこと。品目1はS角45°であり、T角25°であった。表3における残りの品目は、図6Aに示されたように、90°に等しいS角およびT角を有していた。全ての品目に関し、プロセス環境(TP:290°、Qa:23mpm、VS:2057mpm、PDR:1.5)を一定にした。より小さな毛管ODのVCにおける十分な減少は、表1における品目で2.03mmのODが用いられたのに対し、第3表では、品目12および13で0.76mmのODが用いられ、品目7〜11および14〜31では1.52mmのODが用いられているのが示されている。特に、同一紡糸速度で用いられた品目25〜27を参照のこと。VCレベルは、最も大きいODオリフィスと最も小さいODオリフィスとの間で約20%低下した。(すなわち、EVAを減少させている状態で)。より小さな毛管スロットの幅(W)の結果としてVCにおける減少は、0.0762mmのスロット幅が用いられた品目25、26および27に対する、0.0508mmのスロット幅が用いられた品目4、5および6と、0.0635mmのスロット幅が用いられた品目2および3の比較において示されている。ボイド分率(VC)は、スロット幅を徐々に増加させる各品目間で0.03低下した(すなわち、H/W比を減少させ、かつ、EVAを減少させた状態で)。品目3および4など、ボイド分率(VC)が約0.5〜0.6である品目において、プロセス中に容易に変形(フラット化)されるほど断面の強度が低かった(すなわち、図1Gに示されたように、マーセル加工したコットンの断面に似ている)。
実施例4
冷却チャンバ内で各34本のフィラメントを有する2束に分離された68本の中空フィラメントを提供するために68個のオリフィスを有する毛管紡糸口金を用いた場合を除き、実施例4におけるナイロンN66のタイプIIポリマおよびタイプXIVポリマを、実施例1で用いられたような毛管オリフィスから溶融紡糸した。プロセスおよびプロダクト特性を第4表に示した。293℃で紡糸した品目5を除き、他の全ての品目を290℃で紡糸した。22mpmのQaを有する品目6を除き、他の全ての品目に関するQaは18mpmであった。全ての品目に関し、プロセス環境(Qa:23mpm、VS:2057mpm、HCT:155℃、PDR:1.5)を一定にした。
表4における品目4、28および30はVSが1500mpmより小さく、かつ(RDR)Sが2.75を越えており、品目5および6は(RDR)S2.75を越えており、品目29および31はVSが1500mpmより小さいので、本発明の態様ではなく、比較の目的で含まれている。さらに、品目27は本発明のプロセス(溶融紡糸法)の態様を示す実施例であるが、それに従う製品は少なくとも175のISAXSに関する値を有していないので、本発明の中空ナイロンフィラメントの態様を示す実施例ではない。
実施例5
実施例5における中実フィラメント(コントロール)を紡糸し、その特性を表5に示した。品目1〜3では、各14本のフィラメントを束ねた2つの束に冷却チャンバで分離された28孔の紡糸口金を用いた。ラウンド(round)毛管オリフィスは、高さH(深さと言及することもある):0.48mm、約1.455のH/D比を与える直径D:0.33mmを有していた。品目4〜15では、各34本のフィラメントを束ねた2つの束に冷却チャンバで分離された68孔の紡糸口金を用いた。毛管オリフィスは高さH:0.41mm、1.464のH/D比を与える直径D:0.28mmを有していた。定義によって全ての品目はEVA/EA比:1を有していた。品目1〜6はHCT:22℃を有し、品目7〜15はHCT:155℃を有していた。2.75および2.25(RDR)Sを達成するためのVSは、表1から表4までに示された中空フィラメント糸に関してそれぞれ約1300mpmおよび約1900mpmであったのに対し、それぞれ約1650mpmおよび約2200mpmであった。
実施例6
表6に示した実施例6においては、異なる紡糸口金を用いた。品目1〜4および11では、各13本のフィラメントを束ねた2つの束に冷却チャンバで分離された26孔の紡糸口金を用いた。品目5〜8および12〜18では、各8本のフィラメントを束ねた2つの束に冷却チャンバで分離された16孔の紡糸口金を用いた。品目9では、各6本のフィラメントを束ねた2つの束に冷却チャンバで分離された12孔の紡糸口金を用いた。品目10では、各2本のフィラメントを束ねた2つの束に冷却チャンバで分離された4孔の紡糸口金を用いた。品目1〜11では、OD:2.03mm、深さ(H):0.1mm、幅(W):0.076mm、タブ(ギャップ):0.203mmの共通の毛管を用いた。品目12〜18では、OD:1.52mm、深さ(H):0.254mm、幅(W):0.064mm、タブ:0.203mmの他の共通の毛管を用いた。品目1〜11では、Qa:18mpmで紡糸したが、品目12〜18ではQa:23mpmで紡糸した。品目1〜8でプロセス環境としての紡糸温度(Tp)を、291℃とし、品目1〜8でHCTを22℃とし、品目9〜11で169℃とし、品目12〜18で165℃とした以外は、Tpを290℃とした。毛管に対する逆の入射角を2つの紡糸口金について試験した。品目4および5に関して、それぞれS角およびT角は45°および25°であった。品目1〜3および6〜11はそれぞれS角およびT角が25°および45°であり、上述と逆になっている。入射角を示すデータは、ナイロンポリマに関するボイド分率(VC)の十分な効果を有していないが、ポリエステル溶融物などの非「エラストメリック」ポリマ溶融物にとって重要である。表6および他の全ての表における残りの品目は、表3の品目1を除き、図6Aに示されたものに似て、S角およびT角が90°であった。
表6における品目5および8は、VSが1500mpmより小さく、品目5は(RDR)Sが2.75を越え、品目8は(RDR)Sが不明であるので、本発明の態様ではない。
実施例7
表7に示された実施例7では、フィラメント当たり極小デニールの糸を製造した。全ての品目は、紡糸口金当たり2本の糸を有し、糸1本当たり66本のフィラメントであった。紡糸口金はOD:1.08mm、幅(W):0.0508mm、深さ(H):0.38mm、および(EVA/EA)比:0.81を与えるタブ深さ0.127mmを有していた。全ての品目では、Qa:23mpmで冷却した。表7に示されるように、品目1および2では、フィラメントがマイクロデニールであることを示す1未満である(DPF)25%を有していた。ここで、マイクロデニールとは1より小さいdpfとして定義されている。0.10より大きい部分ボイド(VC)を維持しながら、そのような低いdpfレベルで紡糸することを許容するプロセスパラメータは、ポリマー流量の減少よりも大きな約25%だけの毛管面積の減少である。すなわち、(EVA/EA)比における百分率変化は[(dpf)sVs]における百分率変化の1.25倍である。面積の減少は毛管のOD値およびスロット幅(W)を減少させることによって達成される。タブ幅は減らし、不完全な自己融着によって発生する「開口部」を除去する。
表7における品目3は、・・・本発明の態様ではない。品目3は、VSが1500mpmより小さく、かつ(RDR)Sが2.75を越えているので、本発明の態様ではない。また品目4は本発明のプロセス(溶融紡糸法)の態様を示す実施例であるが、それに従う製品は少なくとも175のISAXSに関する値を有していないので、本発明の中空ナイロンフィラメントの態様を示す実施例ではない。
実施例8
表8の実施例8においては、毛管タブ幅を減少させた。全ての品目は、タブ幅:0.127mm、幅:0.254mmおよび毛管幅:0.0762mmの2本糸口金(口金当たりの2本糸)で紡糸した14本のフィラメントの糸である。Tpは292℃であり、Qaは65mpmであった。毛管タブ幅:0.203mmであることを除き、類似の条件で紡糸した表1の品目41〜44が1〜10%の開口部を有していたのに比べ、品目1は開口部が0.1%未満であった。開口フィラメントにおけるこの減少は、百万ヤード当たり2〜50個の欠陥という受け入れ難い高レベル欠陥(D/MEY)から0.1(D/MEY)という商業的に受け入れ可能なレベルまでに変えた。すなわち、百万メーター当たり1.8〜47個(D/MEM)から0.09(D/MEM)までの減少である。同様に、0.127mmのタブ幅で紡糸した品目2および3は0.1%開口部未満であり、3%開口および5D/MEYを与えたより広い0.203mmのタブ幅の場合を除き、表3における品目14〜19および24〜31に示した同一の毛管で紡糸するに、1D/MEY未満であった。
表8における品目3が比較の目的で含まれ、2.75より大きい(RDR)Sを有していたことから、本発明の態様ではない。
実施例9
実施例9では、三面織り織物(three plain weave fabrics)が40デニールの2層(ply)のエアジェット加工充填糸を用いて製造された。中空フィラメント糸を用いて製造された織物は、CLO値:0.525および熱伝導率(W/cm℃):0.00028を有し、従来の中実フィラメントを用いた織物は、CLO値:0.0507および熱伝導率(W/cm℃):0.00027を有していた。
実施例10
ボイド率(VC):0.42を有する品目15、すなわち実施例1で製造された見かけ上54デニール、14本のフィラメント糸の糸のうちの1本は、1.2倍および1.5倍に手で引き伸ばされボイド率(VC)の百分率上にその効果を確定した。結果として得られたファイバは、フィラメントの中心に長さ方向のボイドを有し円形の断面を維持し、測定したボイド分率(VC)は延伸比1.2の場合、0.43であり、延伸比1.5の場合、0.44であった。延伸比はボイド分率(VC)がフィラメント長の変化によって本質的に変化しないことを示すものである。
実施例11
実施例1の品目15の見かけ上54デニール、14本のフィラメントの中空糸は500mpmおよび900mpmの双方で織られた。2.5m長のホットプレートを200℃に設定し、供給ロールの速度を680mpmに設定し、引取ロールの速度を900mpmに設定して、予備的な撚り張力23.8gms、後の撚り張力25gm、および巻取張力1.5gmを達成した。このような条件で、44デニール、伸び率30%、7.4%のバルクで引っ張り強さ3.7g/dの有益な織られた糸を得た。この糸のサーキュラーニットチュービングは、織物が濡れているときは特に、比較可能な中実フィラメント織糸よりも、均一な織物を与えた。
実施例12
上述の実施例11の織り込まれた中空糸は、34本の中実のフィラメントからなる中実の40デニール縦糸と共に、エアジェット織機の充填材に用いられ、印象的な織物を製造した。織物は色付けされ、コンピュータプリンタのリボンとしてテストされ、中実フィラメントの織物(コントロール)に比べてインク引取率23%以上増加するのがわかった。
実施例13
表1の中空で40デニール、14本のフィラメントの糸である品目9は、部分ビーム上へ張られ、充填糸と同一の糸で織り込まれた。同一の条件で織られた70デニール、34本のフィラメントの中実糸織物(コントロール)は中空糸よりも重なりが少なかった。40デニール、34フィラメントの中空糸(実施例4の品目24)と40デニール、14本のフィラメントの中空糸(表4の品目9)は共に、70デニール、34本のフィラメントの中実糸上のシャトルルーム(shuttle loom)上にインチ当たり96端で織り込まれ、受け入れ可能と判断された標準68〜108ピック織物を製造した。40〜14の中空糸(実施例1の品目12)をELTEXエアジェット織機上で20%過剰供給の100psi(7.0kg/cm2のエアジェット圧力を用いて300mpmで生産し、その後、これを充填糸として用い、標準70デニール、34本のフィラメント縦糸上に織り込んで嵩のある織物を生産した。
実施例14
76ゲージのローソン(Lawson)サーキュラーニット機を用い、平方ヤード当たり4.5オンス(132g/m2)の織物を製造した。この織物は表4の品目24の40デニールで14本のフィラメント中空糸で製造されている。上記糸をうまく製造し、受け入れ可能な織物を製造した。100%中空のナイロンの織物に加えて、各コースに配され、他のコースに配されてゆくエラストマースパンデックス糸(LYCRA:登録商標)を有する同一の中空糸は平方ヤード当たり2.0オンス(68g/cm2)の重量を有していた。硬い(100%ナイロン)織物と弾性(エラストメリック)織物からは、70〜34の中実糸の衣類よりも多層重ねて、心地よい衣類を製造した。
実施例15
28ゲージの単端ワープニット機を用いて表1の品目9の糸(40デニール、14本のフィラメント)から製造した、受け入れ可能な中空フィラメント織物を示した。織物はガードル等の個人向けアパレルの分野で受け入れ可能と判断された。
実施例16
40デニール、14本のフィラメントの中空糸(表1の品目24)を用い、従来の2200rpmスピンドルスピードマシン上に40デニールのエラストメリックスパンデックス糸(LYCRA:登録商標)を一層重ねた。重ねられた糸を、その後、中空フィラメントナイロン糸およびエラストメリックスパンデックス糸(LYCRA;登録商標)のコースを変えて800rpmで半透明のパンティストッキングに編み込んだ。上記パンティストッキングは均一で良好な構造のダイを有し、中実フィラメントの糸で制御した製品のデニールと同一のデニールで、より一層暖かさを与えるものであった。
実施例17
10から12端(ends)の40デニールの、14の中空フィラメント糸(表1の品目8)を単一の糸束に撚り、熱板を通過させて該糸を65mpmで120℃に加熱し、ラム箱捲縮装置に供給した。得られた捲縮糸を引き取り、単一管に巻きとった。6つの捲縮糸管をNEUMEGステイプルカッターに供給し、該糸を2インチ(5.1cm)の捲縮ステイプル繊維に切断した。同じ中空フィラメント糸束の30の管を直接に(予備捲縮なしに)NEUMEGカッターに供給し、2インチ(5.1)の長さに切断した。これらの2つのステイプル製品を、環状紡糸装置を介して、両SおよびZ撚糸に撚り3.0多重撚る装置を有する12/1CCおよび10/1CC内に紡糸した。アスレチックソックスを18ゲージの3.75インチ(8.73cm)直径の機械に編んだ。該ソックスは、綿のような美しさを有する捲縮糸から製造するとともに、一方、該ソックスを、ウールのような美しさを有する非捲縮糸から編んだ。該ソックスの足部分から移動する水分の研究室測定では、綿に比べて、中空ナイロンフィラメント糸からの平面流は2倍大きく、平面横断流(transplanar flow)では約8倍大きかった。同じ足部分のサンプルを使った、0.1から10秒間、6および12lbs./インチ2(2から4kg/cm2)の下での圧縮からの回復試験では、ナイロンサンプルは、綿のサンプルより、その初めの厚さの33%以上の回復を示した。このサンプルを乾燥すると、ナイロン中空フィラメントサンプルは、綿に比べて、その最初の厚さの13%以上の回復を示した。最後に、このナイロン中空フィラメントサンプルは、綿に比べて、50%以上の磨耗抵抗を示した。10および20の単一中空ナイロン糸は、次に、10/2および12/2に撚られ、針に3つのエンドを供給する5−カット機に編んだ。前記捲縮糸は、期待どおりに、ウール対照品に対してウールのような美しさを付与し、前記捲縮糸は、綿対照品に対しては綿のような美しさを付与した。その比較は、両方とも、1×1リブとケーブルステッチ布(cable stitch fabrics)を用いて行った。
実施例18
実施例18では、タイプXIVのナイロンを、品目3内の単一紡糸口金から7本のフィラメントの束の4つの束で紡糸し、品目1および2内の2つの束を組み合わせた。その押出オリフィスを、(中心に一つの環状毛管オリフィスがあり、この毛管オリフィス/深座ぐり配列が図6Aに示したものと同じであることを除いて、図4Bに示すような円弧の配列と同じ)4つの円弧と環状孔から、構成した。3つの円弧は幅2.5ミル(0.0635mm)であり、4番目の円弧は3ミル(0.0762mm)であった。環状孔は直径5ミル(0.127mm)であった。品目1では、3ミル(0.0762mm)幅の円弧が急冷空気源に向かって配向し、品目2および3では、円弧の半分が急冷空気に向かって配向し、半分が急冷空気から離れている。典型的な紡糸フィラメントの断面を図1Lに示す。マルチフィラメント糸を、網み目の一つの横列にはエラストマースパンデックス(Lycra;登録商標)を用いるとともに、網み目の他の横列には前記捲縮糸を用いて編んで、女性用のパンティストッキング(panty hose)を得た。前記糸は、煮沸洗浄時に5%の捲縮を生じる。前記ストッキングはナイロンのループを有する非捲縮糸で作ったパンティストッキングより優れており、前記非捲縮糸で作ったパンティストッキングはより着用しにくい(鉤裂きや穴あきしやすい)。前記捲縮フィラメント糸(品目1、2および3)では、290℃のポリマー温度を、品目1に対して公称74RVで選択し、品目2および3に対して公称80RVで選択し、速度Qaが23.3mpmの層状急冷空気流(laminar quench air flow)を用いて急冷した。紡糸口金は、0.20〜0.24の部分ボイド容量を与える部分押出率0.68を得るように、設計した。該フィラメントを、紡糸速度2286mpm,延伸1.478倍で引き取って、約1.45の公称(RDR)Dと、約2.13の対応(RDR)Sとを得た。
実施例9から18では、約2.25のRDR値を有する糸は、DFY(例えば、縦延伸用)として用いるために、あるいは、嵩高加工(例えば、延伸撚りフィラメント加工、延伸エアージェットフィラメント加工、延伸ラム箱捲縮)するために好適であり、RDR値が約1.6から約1.2である該糸は、扁平編織糸に好適であるが、また、これらの糸は、エアージェットフィラメント加工または機械的捲縮によって、延伸なしに、嵩高加工可能である、ことが示されている。約2.25より大きい(RDR)S値を有する紡糸された糸は、延伸によって安定化されて、2.25未満のRDR値を有する安定化糸となる。安定化は、蒸気または熱の使用によって、あるいは一部を延伸(例えば、1.05倍)することによって、実現される。
実施例19
異なったdpfの中空フィラメントからなる混合フィラメント糸、および同じおよび/または異なったdpfの中空および中実フィラメントからなる混合フィラメント糸の単一の中空フィラメント成分および単一の中実フィラメント成分は、表1から表8に記載された方法にしたがって、調製することができ、ここでは、マルチフィラメント成分が、好ましくは、該フィラメント束を交錯する前に、共紡糸/延伸して、凝集マルチフィラメント糸とした。同一条件下で、中空紡糸フィラメントと中実紡糸フィラメントの各(RDR)S値を比較したところ、中空フィラメントがより低い(RDR)S値を持ち、そのため、分割中もしくは結合延伸工程中のBFSを避けることが示された。前記RDRは、前記中空フィラメントの[(RDR)S,N/PDR]比が約1.2以上となるように選択する。さらに、前記混合フィラメント糸は、約1から約3モルパーセントのカチオン性の成分を修飾してカチオン性染料に染色性を持たせたナイロンポリマーや、2−メチルペンタメチレンジアミンとアジピン酸とから得られるコポリアミドなどのコポリアミドで修飾して12%以上の収縮に対応させたナイロンポリマーなどの異なったナイロンポリマーから構成することができる。
実施例20
ナイロン延伸およびPOYフィラメントは、ここで、ポリエステル中空フィラメント/ナイロンフィラメント混合糸における一組の片方のフィラメントとして用いることができる;ここで、該ナイロンフィラメントは、それらの寸法安定性に基づいて選択される;すなわち、中程度の温度(℃で表す)で自発的に伸び(成長)ようとするあらゆる傾向を避ける、または最小化するように、選択される。例えば、40℃から135℃の範囲の温度にわたって、動的長さ変化(135℃での長さと40℃での長さとの差によって与えられる)によって測定された場合、Knoxらの米国特許第5,137,666号に記載されているように50/分の加熱速度で5mg/dの負荷下で0未満となるように、また、Adamsの米国特許第3,994,121号(カラム17および18)に記載されている安定度標準(TS140℃〜TS90℃)と同じであるように、選択される。前記一組の片方のナイロンフィラメントは、冷間または熱間での全体延伸または部分延伸で、30%以上の伸び(EB)を生じさせて、低収縮ポリエステル中空フィラメントの均一なフィラメントと同様に均一なフィラメントを得ることができ、それにより、ポリアミドフィラメント/ポリエステル中空フィラメントの共延伸を可能にするフィラメントを提供できる。該低収縮非延伸中空ポリエステルフィラメントは、ポリアミドフィラメントと共混糸(co-mingle)することができ、該混合フィラメント束は、冷間または熱間で30%以上の伸び(EB)で均一かつ部分的に延伸して、KnoxおよびNoeの米国特許第5,066,427号に記載されているように、低収縮ポリエステルフィラメントとして均一な延伸フィラメントを得ることができ、それにより、ポリアミド/ポリエステル非延伸中空フィラメントの共延伸を可能とするフィラメントを提供できる。該ポリアミド/ポリエステル中空フィラメントは、冷間(すなわち、外部加熱なしで)で、冷間晶出が始まる前まで、延伸して、より高い収縮率(S)のポリエステル中空フィラメントと、Bolesらの米国特許第5,223,197号に記載されているような約6から10%の範囲の収縮率を有するポリアミドフィラメントとを得ることができる。このような、糸が後加熱処理されて収縮率を低減させる方法において、該後加熱処理は、好ましくは、次の式:TR≦(1000/[4.95−1.75(RDR)D,N]−273)、ここで、(RDR)D,Nは、前記延伸ナイロンフィラメントの算出された残留延伸比で、少なくとも約1.2である式によってほぼ表される温度未満の温度(TR℃)で、実施されて、1991年12月26日に公開のBolesらのWO91/19839に記載されているように大分子酸染料に対して均一な染色度のナイロンフィラメントを提供する。好ましいポリアミドフィラメントは、Knoxらによる米国特許大5,137,666号に記載される。
ナイロンの(RDR)S値と同様に、前記ポリエステル中空フィラメントは、対応する同じdpfの中実フィラメントより低い(RDR)S値を持っており、紡糸口金オリフィスにおける過程以外は同じ処理条件の下で紡糸した。ナイロンと異なり、該ポリエステル中空フィラメントは、生起する歪み誘導結晶化に対し、より高いVSおよび/またはより高い[EVA/dpf]比を必要とする。煮沸洗浄時収縮Sを((1−S/SM)が約0.4から約0.85の間にあり、ここで、SM=[(550−EB)/650]%であるように)有するポリエステル中空フィラメントにおいては、存在するSICレベルが、VCを失うことなしに、さらにポリエステル紡糸フィラメントの“部分延伸”に典型的なネック延伸によってデニールがばらつくことなしに、約1.2から約1.4の(RDR)Dの全体延伸ポリエステルフィラメントを提供するに充分であることが、判明した。約0.4から約0.85フィラメントの(1−S/SM)比により特徴づけられる中空ポリエステルフィラメントと中空ナイロンフィラメントとの共延伸には、ネック延伸を避けるために、前記ポリエステルフィラメントは十分に延伸される必要があり、すなわち、混合したポリエステル(P)/ナイロン(N)中空フィラメントの共延伸比(CDR)が、ナイロン成分の[(RDR)S,N/CDR]比が約1.2から約1.6の間にあるように
[(RDR)S,P/1.2]から約[(RDR)S,P/1.4]の間である必要がある。
前記ポリエステル中空フィラメントの(1−S/SM)比が少なくとも約0.85である場合、該ポリエステル中空(中実)フィラメントは、ネック延伸なしに、さらに中空糸である場合にはボイド容量の損失なしに、(RDR)D値が1.4より大きい熱間または冷間で部分的に延伸可能である(これらのポリエステル中空フィラメントにおけるボイド容量の増加さえ観察される)。ポリエステルフィラメントが少なくとも約0.85の(1−S/SM)比を持つ、紡糸中空ナイロンとポリエステルフィラメントの共延伸は、不均一性に注目した所与の最終(RDR)Dに限定されず、この(RDR)Dは好ましくは最終用途処理中のBFSを避けるために約1.2より大きい。エラストマー含有糸または布の染色に適合するナイロン/ポリエステルフィラメント混合糸を得るためには、該ポリエステルは、1から約3モルパーセントのカチオン性成分により修飾されたポリマーから紡糸されて、エラストマー繊維から拡散(浸出)する分散染料よりもむしろカチオン性染料による染色を可能とする。このナイロンフィラメントは通常アニオン性の酸染料で染色される。
実施例21
実施例21では、種々の中空および中実ナイロン糸について、引張、広角X線(WAXS)および小角X線(SAXS)のパラメータを測定し、その測定値を表9にまとめた。中空フィラメントは、列1〜22で表し、中実フィラメントは列23〜37で表した。ハーマンの結晶配向関数Fcは、
により、表9の第12カラムに近似した。立方オングストローム(Å3)で表される結晶の見積もり体積(VX)は、2種類の異なる方法によって決定する。VX(A)=2/3(LPS)・(D100)・(D010)およびVX(B)={(D100)・(D010)}1.5であり、式中、LPS、D100およびD010はオングストローム(Å)である。VX(A)およびVX(B)の値(Å3)は、最適線形回帰式:VX(A)=(VX(B)+25665)によって関係付けられる。VX(B)の利点は、SAXSによるLPSの測定を必要としないことである。通常、例えばISAXSの値は、ポリマーのRVが上昇するにつれて減少し、紡糸速度が上昇するにつれて増加する。しかしながら、ISAXSの値が紡糸糸の(RDR)Sに対してプロットされた場合、中空フィラメントおよび中実フィラメントは当然の結果として同様の関係となる。中空フィラメントと中実フィラメントとの相違点は、構造上の変化、すなわち見掛け応力値(σa)が、中実フィラメントにおけるよりも低い紡糸速度で起こることである。これは、高速紡糸装置に投資する必要なしに、適度な紡糸速度で得られるべき所望の構造のISAXSおよびCOAWAXSの値を可能にする。品目5、6、7、8、10、14、15、18、21および22は中空フィラメントであり、これらは本発明の具体例ではない。
図20は、対応する(RDR)S値に対する表9の中空および中実フィラメントにおけるCOAWAXS値の説明的最適プロットである。ブロードなピーク帯が観察され、そこでは約1.6〜2.25の(RDR)S値を有するフィラメントが概して約20度よりも高いCOSWAXS値を有する。(RDR)S値の範囲は、延伸供給糸での好ましい範囲に相当する。この図から、好ましい延伸供給糸が大きな結晶の不規則性、すなわち高いCOSWAXS値によって特徴付けられることが示唆される。図9Aでは、フィラメント(3dpf)当たり3デニールの一組の糸について、SAXS強度(ISAXS)が、紡糸速度および紡糸糸の残留延伸比(RDR)Sに対してプロットされている。図9Aにおいて示されるようにb、c、d、eおよびfとして表される糸および対応する写真である図9b、9c、9d、9eおよび9fは、それぞれ表9において品目14、18、20、16および17として挙げられている。
実施例22
得られた糸を以下の実施例23〜26において織布に採用する目的で、132毛管紡糸口金を用い、供給ロール速度が2057mpmであり、かつ表10において品目1について示されている条件を採用する以外は実施例1の操作に従って、22%のボイド容量を有する160デニールの132フィラメントナイロン中空ナイロン66糸を得る。表10は、品目1として表される得られた糸の特性も一覧している。25%のボイド容量を有する150デニールの34フィラメントナイロン66糸(表10において品目2として表される)も、34毛管紡糸口金を用い、供給ロール速度が2057mpmであり、かつ表10に示されるような条件を用いる以外は実施例1に従って得る。表10は、該糸の特性も一覧している。
実施例23
実施例22の品目1の糸を横糸として採用し、クロンプトン・アンド・ノールズ(Crompton & Knowles)S−6シャトル織機を用いて、200デニールの34フィラメント中実ナイロン糸の縦糸を70本/インチ(178本/cm)で交差させて、3種類の異なるピック(打ち込み数)・レベル50、56および64ピック/インチ(127、142,163ピック/cm)で織り、それぞれ表11において品目1、2および3として示される織布を製造する。対照の織物も、品目1、2および3と同じ縦糸を用いて、同じレベルの本/インチで、しかし、同じ中空糸を横糸に用いて製造した。3種類の異なるピックレベルである50、56および60ピック/インチ(127、142、152ピック/cm)を用いて、それぞれ表11において品目4、5および6として一覧される織布を製造した。図21は本実施例において用いられる中空糸(横糸、品目1、2、3)および中実糸(縦糸、全ての品目−横糸、品目4、5、6)の断面の電子顕微鏡写真であるが、そこに示されるように、中空および中実横糸の外径はほぼ同じである。
対照の織布を64ピック/インチ(163ピック/cm)(中空糸と同じレベル)で織る試みは、この織り機では実行不可能である。その理由は、構造(組織)があまりにも密であるからである。品目7〜12は、両側(織幅の50インチ−127cm)がシルク(平滑)ロールを用いてバードリン(Verdurin)カレンダーミルでカレンダー処理されている品目1〜6である。
図22に示されるように、中空横糸を含有するカレンダー処理されていない織布およびカレンダー処理されている織布についての通気率は、中実糸を含有する対照の織布よりも、同じ織布重量において著しく低い。本実施例におけるカレンダー処理されていない中空糸の通気率は、カレンダー処理した中空糸とほぼ同じである。図23から、中空糸を有する織布の通気率が同じピックレベルでは低いことがわかる。
実施例24
中空糸を含有する織布を製造するために、実施例22の品目2の糸が、52ピック(132ピック/cm)で商業用ピカノール(Picanol)エアージェット織機において横糸として用いられ、67エンド/インチ(170エンド/インチ)で実施例23で用いたものと同じ200デニールの34フィラメント中実ナイロン66縦糸に交差して織られる。対照の織布は、50ピック/インチ(127ピック/cm)で横糸として用いられた200デニールの34フィラメント中実ナイロン66糸を使用する事を除いて同じ織機で製造され、67エンド/インチ(170エンド/cm)で同じ200デニールの34フィラメント中実ナイロン66縦糸に交差して織られる。採用された中空糸は、中実200デニール中実糸にほぼ等しいフィラメント直径を有する。着色されない織物のどちらも50インチ(127cm)織物において50トンで両側をシルク(平滑)ロールを用いてバードリン(Verdurin)カレンダーミルでカレンダー処理される。
カレンダー処理した後の両織物の通気率は測定され、その結果は表12に示される。中空横糸を有する織布である品目1の通気率は、全て中実糸の織布である品目3と比較して、22.8立方フィート/分(cfm)低い通気率であった。この品目3は、通気率28.9立方フィート/分である。10回洗濯をした後、中空糸を含有する織布である品目2の通気率は、15.8cfmであり、これは、同じ織布を洗濯する前より低く、19.6cfmと測定される全て中実糸の織布である品目4より低い。
図24は、表12のカレンダー処理した中空織布の品目1を表している。図25は、洗濯後のカレンダー処理した中空織布を表している。図26および図27は、それぞれ洗濯前および後のカレンダー処理した中実の織布を表している。これらの写真は、どのようにして中空織布がカレンダー処理されたときに、角形の断面図に変形されるのかを示しており、中実糸のみを含むカレンダー処理された織布と比較して減少した通気率に寄与すると信じられている。
実施例25
実施例24(表12)の品目1の織布(中空横糸)および品目3の織布(全て中実)は、ヘンドリックソン(Hendrickson)ジグ染色装置内で、208°F(98℃)で酸染料を用いて染色することによって仕上げられ、ブルックナー(Bruckner)で375°F(190℃)にヒートセットされる。染色後、織布の通気率が測定された。中空横糸を含有する染色織布である表13の品目13は、通気率32.1cfmである。染色された全て中実糸の織布である表13の品目10は、通気率45.9cfmである。それぞれ、品目1および10の断面写真である図28および29は、中空糸がわずかに圧潰されていることを表し、用途信用性は、観測されたより低い通気率に対応する。
品目1および10の織布は、50インチ(127cm)の織布にわたって50トンを用いる両側がシルク(平滑)ロールを用いてバードリンカレンダーミルでカレンダー処理されている。カレンダー処理は、70〜360°Fの範囲の種々な温度で実行され、それぞれの織布の通気率は、測定され、表13に報告されている。図30で、通気率はカレンダー温度に対してプロットされている。このデータより、中空横糸を有する織り布は、特により低い処理温度で、中実糸の織布より低い通気率を有することがわかる。図31は、表13中の品目5(中空横糸)として表される織布の断面写真であり、図32は、表13中の品目12として表される全て中実の織布の断面写真である。高いカレンダー温度が、全て中実糸の織布を低レベルに減少させる原因となる一方、極度のカレンダー処理条件も、さらに広く望ましくない織布を製造する。低い通気率は、非常に低い温度で、中空糸を含有する織布で達成され、このことが、織布を過度に堅くする原因とはならない。
実施例26
実施例25の織布は洗濯され、洗濯後の通気率は測定され表13に報告されている。図33は、カレンダー温度に対する洗濯後の通気率のプロットであり、中空糸を含有する洗濯した織布がより低いカレンダー温度でより低い通気率を有し、より高いカレンダー温度でほぼ等しい通気率を有することを表している。図33および34は、表13の品目5および12のカレンダー処理され、洗濯された糸を表す断面写真である。図34は、洗濯が、フィラメント束を開くが、圧潰されたフィラメントを、本質的に変化しないままである。
Claims (6)
- ナイロン中空フィラメントおよび該ナイロン中空フィラメントを含む糸を製造するための溶融紡糸法であって、該溶融紡糸法は、
溶融ポリマーを毛管オリフィス紡糸口金から、前記溶融ポリマーの融点(TM)よりも20℃ないし50℃大きい範囲にある紡糸パック温度(TP)で押出し、多数の溶融ポリマーフィラメントの流れを形成する工程、
ここに、前記溶融ポリマーは少なくとも50の相対粘度(RV)および210℃〜310℃の融点(TM)を持つナイロンポリマーを含む、前記毛管オリフィス紡糸口金は、オリフィス毛管高さ(H)、リム幅(W)および長さ(L)を有し、かつ少なくとも1.33のH/W比を有する複数の円弧状毛管オリフィスが、端部幅(F)を介して外径(D)と内径(D−2W)を有する円形に配置された多数のオリフィスセグメントを有し、該オリフィスセグメントは[押出ボイド面積(EVA)/総押出面積(EA)]で定義される押出ボイド分率が0.6ないし0.95となる総押出面積(EA)(ここに、EA=(π/4)・D 2 である)および押出ボイド面積(EVA)(ここに、EVA=(π/4)・(D−2W) 2 である)を提供し、前記溶融ポリマーフィラメントの流れは、25%延伸時のフィラメント1本当たりのデニール(dpf)25が0.5〜20デニールとなるように選択されたフィラメント1本当たりの紡糸デニール(dpf)S、および比[EVA/(dpf)S]で定義される溶融減衰率0.05ないし1.5mm2/デニールを有する紡糸フィラメントを提供することができる;
前記多数の溶融ポリマーフィラメントの流れを前記紡糸口金から急冷区域を通して少なくとも1500mpmの引取速度(Vs)で取出し、前記多数の溶融ポリマーフィラメントの流れに実質的に連続した自己融合を生起させ、少なくとも1つの長手方向のボイドおよび所定のボイド分率(VC)を有する残留延伸比(RDR)が2.75未満の中空紡糸フィラメントを形成する工程、
ここに、前記急冷区域において、急冷空気流速度(Qa)が、紡糸パックを通過する溶融ポリマーフィラメントの質量流量(w)に対して、前記中空紡糸フィラメントが[VC/(EVA/EA)]で定義されるボイド保持指数(VRI)が少なくとも0.15、かつ少なくとも下記式
(式中、nは0.7、K1は1.7×10-5、K2は0.17、QFは[(Qa/w)/F D ](式中、F D は紡糸口金の有効面積(cm2)当たりのフィラメント数(#fils/cm2)である)で定義される急冷係数である)の値を有するように調整される;および
前記中空紡糸フィラメントを安定化し、1.2〜2.25の残留延伸比(RDR)を有する中空フィラメントを提供する工程;
を含むことを特徴とする溶融紡糸法。 - 前記中空紡糸フィラメントの安定化工程が、1.6〜2.25の残留延伸比(RDR)を有する中空フィラメントを含む供給糸を提供する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の溶融紡糸法。
- 前記中空紡糸フィラメントの安定化工程が、1.2〜1.6の残留延伸比(RDR)Dを有する中空フィラメントを含む延伸糸を提供する前記中空紡糸フィラメントの延伸工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の溶融紡糸法。
- 前記請求項1に記載の溶融紡糸法によって製造される、少なくとも50の相対粘度(RV)、210℃〜310℃の融点(TM)を持つナイロンポリマーからなる中空フィラメントであって、
該フィラメントは25%伸びでのフィラメント1本当たりのデニール(dpf)25が0.5〜20であるフィラメント1本当たりのデニール(dpf)、ボイド分率(VC)が少なくとも[(7.5Log 10 (dpf)+10)/100]である少なくとも一つの長手方向のボイド、1.2〜2.25の残留延伸比(RDR)および少なくとも175の小角X線散乱強度(ISAXS)を持つことを特徴とする中空フィラメント。 - 前記中空フィラメントが、1.6〜2.25の残留延伸比(RDR)、および少なくとも175の小角X線散乱強度(ISAXS)を有する請求項4に記載の中空フィラメント。
- 前記前記中空フィラメントが、1.2〜1.6の残留延伸比(RDR)D、および少なくとも175の小角X線散乱強度(ISAXS)を有する請求項4に記載の中空フィラメント。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/213,307 US5439626A (en) | 1994-03-14 | 1994-03-14 | Process for making hollow nylon filaments |
US08/213,307 | 1994-03-14 | ||
PCT/US1995/003227 WO1995025188A1 (en) | 1994-03-14 | 1995-03-14 | Hollow nylon filaments and yarns and process for making same |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09510510A JPH09510510A (ja) | 1997-10-21 |
JP3769013B2 true JP3769013B2 (ja) | 2006-04-19 |
Family
ID=22794570
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP52415395A Expired - Lifetime JP3769013B2 (ja) | 1994-03-14 | 1995-03-14 | 中空ナイロンフィラメント、中空ナイロン糸、およびその製造法 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (3) | US5439626A (ja) |
EP (1) | EP0750691B1 (ja) |
JP (1) | JP3769013B2 (ja) |
AU (1) | AU1992795A (ja) |
BR (1) | BR9507415A (ja) |
DE (1) | DE69513510T2 (ja) |
ES (1) | ES2141344T3 (ja) |
MX (1) | MX9604094A (ja) |
TW (1) | TW309547B (ja) |
WO (1) | WO1995025188A1 (ja) |
Families Citing this family (54)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5593629A (en) * | 1995-02-22 | 1997-01-14 | Wellman, Inc. | Method for increased productivity of industrial fiber |
US5766760A (en) * | 1996-09-04 | 1998-06-16 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Microporous fibers with improved properties |
EP0914502B1 (en) * | 1996-07-23 | 2002-10-23 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Microporous fibers |
US5968638A (en) * | 1997-08-04 | 1999-10-19 | Specialty Filaments, Inc. | Hollow filament with crimp for use in spiral binding |
US6207597B1 (en) * | 1997-10-09 | 2001-03-27 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Printing blanket |
FR2773178B1 (fr) * | 1997-12-29 | 2000-04-21 | Nylstar Sa | Fils textiles multifilamentaires a section creuse - procede de fabrication de ces fils, et surfaces textiles obtenues avec ces fils |
US6673980B1 (en) | 1999-07-16 | 2004-01-06 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Absorbent product with creped nonwoven dampness inhibitor |
WO2001009424A1 (en) * | 1999-07-28 | 2001-02-08 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Cd extensible cloth-like nonwoven for facing and liner |
AU7375400A (en) * | 1999-09-20 | 2001-04-24 | Milliken & Company | Opaque heat-moldable circular knit support fabrics having very high spandex content |
US6663611B2 (en) | 1999-09-28 | 2003-12-16 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Breathable diaper with low to moderately breathable inner laminate and more breathable outer cover |
US20030045844A1 (en) * | 2000-04-14 | 2003-03-06 | Taylor Jack Draper | Dimensionally stable, breathable, stretch-thinned, elastic films |
US6855425B2 (en) * | 2000-07-10 | 2005-02-15 | Invista North America S.A.R.L. | Polymer filaments having profiled cross-section |
US6725691B2 (en) | 2000-12-18 | 2004-04-27 | Bsn-Jobst | Therapeutic stockings |
US6746230B2 (en) * | 2001-05-08 | 2004-06-08 | Wellman, Inc. | Apparatus for high denier hollow spiral fiber |
DE60208081T3 (de) * | 2002-03-01 | 2011-05-05 | Invista Technologies S.à.r.l., Wilmington | Verfahren zur herstellung von polyamidmischgarnen |
US6881375B2 (en) * | 2002-08-30 | 2005-04-19 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Method of forming a 3-dimensional fiber into a web |
US6896843B2 (en) * | 2002-08-30 | 2005-05-24 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Method of making a web which is extensible in at least one direction |
US20040110442A1 (en) * | 2002-08-30 | 2004-06-10 | Hannong Rhim | Stretchable nonwoven materials with controlled retraction force and methods of making same |
US20040043214A1 (en) * | 2002-08-30 | 2004-03-04 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Method of forming a 3-dimensional fiber and a web formed from such fibers |
US6677038B1 (en) | 2002-08-30 | 2004-01-13 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | 3-dimensional fiber and a web made therefrom |
US20060151914A1 (en) * | 2002-08-30 | 2006-07-13 | Gerndt Robert J | Device and process for treating flexible web by stretching between intermeshing forming surfaces |
US20040127873A1 (en) * | 2002-12-31 | 2004-07-01 | Varona Eugenio Go | Absorbent article including porous separation layer with capillary gradient |
US7226880B2 (en) * | 2002-12-31 | 2007-06-05 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Breathable, extensible films made with two-component single resins |
US7220478B2 (en) * | 2003-08-22 | 2007-05-22 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Microporous breathable elastic films, methods of making same, and limited use or disposable product applications |
US7932196B2 (en) * | 2003-08-22 | 2011-04-26 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Microporous stretch thinned film/nonwoven laminates and limited use or disposable product applications |
FR2859737B1 (fr) * | 2003-09-11 | 2006-08-18 | Cedric Brochier Soieries | Procede de fabrication d'un tissu a base de fibres optiques |
US20050081341A1 (en) * | 2003-10-15 | 2005-04-21 | Mcdougall William B.S. | Woven touch fastener products |
US20090312684A1 (en) * | 2004-11-10 | 2009-12-17 | Precision Fabrics Group, Inc. | Underpad for preventing and reducing skin wounds |
US20100050316A1 (en) * | 2004-11-10 | 2010-03-04 | Precision Fabrics Group, Inc. | Synthetic woven patient gown for preventing and reducing skin wounds |
US20090308404A1 (en) * | 2004-11-10 | 2009-12-17 | Precision Fabrics Group, Inc. | Fabrics for preventing and reducing skin wounds |
WO2006087830A1 (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-24 | Kanebo, Ltd. | 帯状織物構造体およびその製法 |
CN101218382B (zh) * | 2005-07-06 | 2010-12-01 | 可隆株式会社 | 芳香族聚酰胺细丝及其制造方法 |
EP1899511B1 (en) * | 2005-07-06 | 2012-10-10 | Kolon Industries, Inc. | Method of manufacturing of aromatic polyamide filament |
US7964049B2 (en) * | 2006-07-28 | 2011-06-21 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Processes for making fiber-on-end materials |
US20080023015A1 (en) * | 2006-07-28 | 2008-01-31 | E. I. Dupont De Nemours And Company | Processes for making fiber-on-end materials |
US20110003144A1 (en) * | 2006-11-14 | 2011-01-06 | Philip John Brown | Capillary-channeled polymer fibers modified for defense against chemical and biological contaminants |
US7850382B2 (en) | 2007-01-18 | 2010-12-14 | Sanford, L.P. | Valve made from two materials and writing utensil with retractable tip incorporating same |
US7488130B2 (en) | 2007-02-01 | 2009-02-10 | Sanford, L.P. | Seal assembly for retractable instrument |
US20100239839A1 (en) * | 2007-03-09 | 2010-09-23 | Invista North America S.A.R.L | Continuous filament tow for fiber batts |
JP2008273763A (ja) * | 2007-04-26 | 2008-11-13 | Aisin Seiki Co Ltd | 改質装置および燃料電池システム |
JP2009057678A (ja) | 2007-07-26 | 2009-03-19 | E I Du Pont De Nemours & Co | ファイバー・オン・エンド材料の製造方法 |
US8226312B2 (en) | 2008-03-28 | 2012-07-24 | Sanford, L.P. | Valve door having a force directing component and retractable instruments comprising same |
US8221012B2 (en) | 2008-11-07 | 2012-07-17 | Sanford, L.P. | Retractable instruments comprising a one-piece valve door actuating assembly |
US8393814B2 (en) | 2009-01-30 | 2013-03-12 | Sanford, L.P. | Retractable instrument having a two stage protraction/retraction sequence |
DE102009019638A1 (de) * | 2009-04-30 | 2010-11-18 | Global Safety Textiles Gmbh | Gewebe, insbesondere für einen Luftsack |
EP2454404A4 (en) * | 2009-07-13 | 2014-12-10 | Precision Fabrics Group Inc | IMPROVED FABRIC TO PREVENT AND REDUCE SKIN INJURY |
US20120231207A1 (en) * | 2011-03-07 | 2012-09-13 | Moshe Rock | Textile fabric with high insulation to weight ratio |
CN107002294A (zh) | 2014-12-19 | 2017-08-01 | 金伯利-克拉克环球有限公司 | 具有高空隙率的细中空纤维 |
MX2017014945A (es) * | 2015-05-22 | 2018-06-13 | Primaloft Inc | Hilo de fibra sintetica siliconizada. |
US20190233972A1 (en) | 2018-01-31 | 2019-08-01 | Saudi Arabian Oil Company | Producing Fibers Using Spinnerets |
EP3587630A1 (en) | 2018-06-26 | 2020-01-01 | Profil Indústria e Comércio de Fios Ltda. | Trilobal threads for application in dental floss, dental floss comprising the same, and use of trilobal threads in the manufacturing of dental floss |
KR20200027368A (ko) * | 2018-09-04 | 2020-03-12 | 에스케이씨 주식회사 | 절연부를 포함하는 케이블 및 케이블 절연부의 제조방법 |
US11406941B2 (en) | 2020-02-14 | 2022-08-09 | Saudi Arabian Oil Company | Thin film composite hollow fiber membranes fabrication systems |
US11253819B2 (en) | 2020-05-14 | 2022-02-22 | Saudi Arabian Oil Company | Production of thin film composite hollow fiber membranes |
Family Cites Families (24)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB838141A (en) * | 1957-10-08 | 1960-06-22 | Bakelite Ltd | Improvements in or relating to synthetic resinous monofilaments |
GB1160263A (en) * | 1965-10-15 | 1969-08-06 | Ici Ltd | Process and Apparatus for the Manufacture of Hollow Filaments |
US3745061A (en) * | 1969-02-26 | 1973-07-10 | Du Pont | Synthetic filaments having at least three continuous nonround voids |
US3728428A (en) * | 1969-12-03 | 1973-04-17 | Allied Chem | Process for producing hollow filaments |
JPS4940018B1 (ja) * | 1971-01-19 | 1974-10-30 | ||
US3924988A (en) * | 1972-05-24 | 1975-12-09 | Du Pont | Hollow filament spinneret |
JPS5858449B2 (ja) * | 1975-06-23 | 1983-12-26 | 東レ株式会社 | 混合繊維糸 |
JPS5822575B2 (ja) * | 1975-07-08 | 1983-05-10 | 帝人株式会社 | ポリアミドオリアミモノ |
JPS5949328B2 (ja) * | 1977-06-30 | 1984-12-01 | ユニチカ株式会社 | ポリアミド異形中空糸の製造法 |
JPS5822575A (ja) * | 1981-08-03 | 1983-02-09 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | サ−ボ用円筒状リニアインダクシヨンモ−タ |
US4444710A (en) * | 1982-02-19 | 1984-04-24 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process for increasing void volume of hollow filaments |
US4548866A (en) * | 1983-10-18 | 1985-10-22 | Allied Corporation | High strength hollow filament yarn |
JPS61108707A (ja) * | 1984-10-26 | 1986-05-27 | Toray Ind Inc | 偏心中空繊維の溶融紡糸方法 |
US4770938A (en) * | 1985-05-13 | 1988-09-13 | Allied Corporation | Hollow trilobal cross-section filament |
US5356582A (en) * | 1986-01-30 | 1994-10-18 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Continuous hollow filament, yarns, and tows |
US4992332A (en) * | 1986-02-04 | 1991-02-12 | Ube Industries, Ltd. | Porous hollow fiber |
US4656073A (en) * | 1986-04-04 | 1987-04-07 | Ametek, Inc. | Fabrics made of hollow monofilaments |
US5104725A (en) * | 1988-07-29 | 1992-04-14 | E. I. Dupont De Nemours And Company | Batts and articles of new polyester fiberfill |
US5194578A (en) * | 1990-06-21 | 1993-03-16 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Fiber-forming copolyamide from 2-methyl-pentamethylene diamine |
TW200534B (ja) * | 1990-06-21 | 1993-02-21 | Du Pont | |
US5360667A (en) * | 1990-06-21 | 1994-11-01 | E. I. Du Pont De Nemours & Company | Nylon flat yarns |
DE4137984C1 (ja) * | 1991-11-19 | 1992-12-17 | Thomas Josef Heimbach Gmbh & Co, 5160 Dueren, De | |
US5322736A (en) * | 1993-06-24 | 1994-06-21 | Alliedsignal Inc. | Hollow-trilobal cross-section filaments |
US5458971A (en) * | 1994-09-30 | 1995-10-17 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Pillows and other filled articles and in their filling materials |
-
1994
- 1994-03-14 US US08/213,307 patent/US5439626A/en not_active Expired - Lifetime
-
1995
- 1995-03-14 EP EP95912916A patent/EP0750691B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-14 ES ES95912916T patent/ES2141344T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-14 MX MX9604094A patent/MX9604094A/es unknown
- 1995-03-14 DE DE69513510T patent/DE69513510T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-14 JP JP52415395A patent/JP3769013B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1995-03-14 AU AU19927/95A patent/AU1992795A/en not_active Abandoned
- 1995-03-14 WO PCT/US1995/003227 patent/WO1995025188A1/en active IP Right Grant
- 1995-03-14 BR BR9507415A patent/BR9507415A/pt not_active IP Right Cessation
- 1995-05-16 TW TW084104848A patent/TW309547B/zh not_active IP Right Cessation
- 1995-06-07 US US08/473,823 patent/US5604036A/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-06-07 US US08/476,930 patent/US5643660A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09510510A (ja) | 1997-10-21 |
US5439626A (en) | 1995-08-08 |
US5604036A (en) | 1997-02-18 |
EP0750691A1 (en) | 1997-01-02 |
MX9604094A (es) | 1997-09-30 |
ES2141344T3 (es) | 2000-03-16 |
DE69513510D1 (de) | 1999-12-30 |
BR9507415A (pt) | 1997-09-16 |
EP0750691B1 (en) | 1999-11-24 |
US5643660A (en) | 1997-07-01 |
DE69513510T2 (de) | 2000-06-15 |
AU1992795A (en) | 1995-10-03 |
TW309547B (ja) | 1997-07-01 |
WO1995025188A1 (en) | 1995-09-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3769013B2 (ja) | 中空ナイロンフィラメント、中空ナイロン糸、およびその製造法 | |
CN110088365B (zh) | 偏心芯鞘复合纤维及混纤丝 | |
US6129879A (en) | Propylene polymer fibers and yarns | |
US6803000B2 (en) | Process of making yarn from two types of polyester | |
US5945215A (en) | Propylene polymer fibers and yarns | |
CN109415846B (zh) | 吸湿性优异的海岛型复合纤维、假捻丝和纤维结构体 | |
US8153253B2 (en) | Conjugate fiber-containing yarn | |
JP3119066B2 (ja) | 混繊複合糸およびその製造方法ならびに編織物 | |
JP2003041426A (ja) | 紡糸口金 | |
US6503622B1 (en) | Texturized, combined polyester multifilament yarn and process for producing same | |
JP4329553B2 (ja) | ポリアミド複合仮撚糸およびその製造方法 | |
JP3895190B2 (ja) | カットパイル織編物用ポリエステル複合仮撚加工糸およびその製造方法 | |
JPH0959838A (ja) | 紡績糸 | |
JP4571095B2 (ja) | 原着ポリ乳酸仮撚糸及びその製造方法並びにカーペット | |
JPH07324237A (ja) | ポリエステル複合加工糸 | |
JP3874529B2 (ja) | 前配向ポリエステル繊維及びそれからの加工糸 | |
JP3855384B2 (ja) | 太細を有する合成繊維マルチフィラメントおよび織物 | |
JPH11117125A (ja) | 太細異収縮混繊マルチフィラメント、その編織物及びその製造方法 | |
JP2000034641A (ja) | ポリアミド系繊維布帛およびその製造方法 | |
JP2936304B2 (ja) | ポリプロピレン系異収縮混繊糸及びその製造方法 | |
JP2877512B2 (ja) | 捲縮マルチフィラメントとその製造方法 | |
JPS6399340A (ja) | 異繊度異収縮混繊糸 | |
JP2008025043A (ja) | 異染性複合仮撚加工糸及びその製造方法 | |
JPS595688B2 (ja) | スパンライクカ−ペツトヤ−ン及びその製造法 | |
JPH1112871A (ja) | 複合仮撚加工糸 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040323 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20040623 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20040809 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040924 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050628 |
|
RD13 | Notification of appointment of power of sub attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433 Effective date: 20050727 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20050928 |
|
A602 | Written permission of extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20051114 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051213 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060131 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060203 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100210 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110210 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120210 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130210 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140210 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |