JPS595688B2 - スパンライクカ−ペツトヤ−ン及びその製造法 - Google Patents

スパンライクカ−ペツトヤ−ン及びその製造法

Info

Publication number
JPS595688B2
JPS595688B2 JP9985479A JP9985479A JPS595688B2 JP S595688 B2 JPS595688 B2 JP S595688B2 JP 9985479 A JP9985479 A JP 9985479A JP 9985479 A JP9985479 A JP 9985479A JP S595688 B2 JPS595688 B2 JP S595688B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
multifilament
crimped
carpet
twist
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP9985479A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5626026A (en
Inventor
浩二 田尻
幹男 大原
潔 丸雄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP9985479A priority Critical patent/JPS595688B2/ja
Publication of JPS5626026A publication Critical patent/JPS5626026A/ja
Publication of JPS595688B2 publication Critical patent/JPS595688B2/ja
Expired legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は梳毛紡績糸の如き良好な風合を有するスパンラ
イクカーペットヤーン及び該ヤーンを工業的に製造する
方法に関するものである。
近年、タフテッドカーペット、就中カットパイルカーペ
ットのパイル糸として合成繊維マルチフィラメント捲縮
加工糸(BCF)が用いられているが、該捲縮加工糸よ
りジャギーあるいはサキソニー等の高級カーペットを製
造する場合は、該捲縮加工糸に30〜250T/mの追
撚(実撚)を施した後、更に水蒸気、乾熱等により熱セ
ットを行って撚止めしたものがパイル糸として用いられ
ている。
このような撚糸−熱セットを施した捲縮加工糸(セラ)
BCF)は熱セットにより捲縮性が適度に調整されると
共に撚りによって集束性が付与されるため、この糸をカ
ットパイルカーペットのパイル糸に使用するとペンシル
ポイント性のある良好な品位のカーペットが得られる。
しかし、該捲縮加工糸(セットBC′F)は撚糸工程及
び熱セツト工程の2工程を経るため、製造コストが非常
に高くなるという問題があり、また該捲縮加工糸(セッ
トBCF)をパイル糸としたカットパイルカーペット、
を長期間にわたって使用すると次第にパイル糸の集束性
が低下しカーペットのペンシルポイント性が損われると
いう問題がある。
更に、かかる集束性マルチフィラメント捲縮加工糸(セ
ラ)BCF)は紡績糸と異った風合を有するため、スパ
ンライクな風合をもつカーペットを得ることができない
最近、カーペットパイル糸用のマルチフィラメント捲縮
加工糸の撚糸工程及び熱セツト工程を省略するため、別
の手段で集束性を付与することが試みられており、例え
ば捲縮加工糸に流体乱流処理を施して高度のインターレ
ースを付与する方法(米国特許第3611689号)や
、インターレース付与後さらに流体により仮撚加工を施
して該捲縮加工糸に潜在撚りを付与する方法(米国特許
第3968638号)等が提案されている。
これらの方法は一応捲縮加工糸に集束性を付与し得るも
のの、インターレース処理では捲縮加工糸の長さ方向に
亘って均一に集束性を付与することが難しく、また強イ
ンターレース部での糸条の集束性(交絡)が強固なため
この部分で染色斑が生じるという問題がある。
また、これらの方法ではボリューム感のあるスパンライ
クな風合をもつパイル糸が得ることができない。
本発明者らは、カットパイルカーペットのパイル糸とし
て用いる集束性マルチフィラメント捲縮加工糸について
種々研究を重ねた結果、加熱流体噴射加工と仮撚融着加
工とを巧みに組合せることによって、糸条の長さ方向に
亘って均一な集束性を有し且つループやタルミによる毛
羽効果を有する梳毛紡績光調の新規なスパンライクカー
ペットヤーンが得られることを見い出し、本発明に到っ
たものである。
即ち、本発明は、捲縮を有する熱可塑性フィラメントが
互いに部分的に融着しており、且つ糸条の全長にわたっ
てS撚部分と2撚部分とが長さ方向にランダムな周期で
交互に存在するとともに、後述の潜在トルク指数にして
20〜300T/mの潜在トルクおよび2〜100ケ/
cn1のループ又はクルミを有し、全デニールが600
〜6000de。
フィラメント当りのデニールが6〜30deで、3〜1
5係の全捲縮率及び5〜20の凝集係数を有する集束性
マルチフィラメント捲縮加工糸から実質的になるスパン
ライクカーペットヤーンである。
本発明のカーペットヤーンを構成するマルチフィラメン
トはポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の熱
可塑性合成重合体マルチフィラメントであればその種類
を問わないが、本発明では、水分子の作用でフィラメン
トの粘着性が増大し、水蒸気加熱によって容易にフィラ
メント間の部分融着が生ずるポリアミドマルチフィラメ
ント、例えばナイロン6、ナイロン66又はこれらの共
重合体からなるマルチフィラメントが好適である。
該マルチフィラメントは全デニールが600〜6000
deの範囲内にあり且つフィラメント当りのデニールが
6〜30deが好ましく、就中フィラメント当り6〜1
5de(特に6〜12de)のものはカーペットヤーン
にソフトな風合を与えることができる。
各フィラメントの断面形状は、通常の円形でもよいが、
三角形、四角形、トライローバル等の非円形が好ましい
また、該フィラメントの内部に長さ方向に連続した1個
又は複数個の中空部を有するものでもよい。
本発明では前記マルチフィラメントを2種以上のフィラ
メントによって構成することも可能で、例えばフィラメ
ント断面形状、デニール、熱的性質(収縮性、融着温度
等)2機械的性質(強伸度等)、染色性等の異なるフィ
ラメントの組合せによって構成してもよく、また構成フ
ィラメントの一部が導電性複合フィラメントであっても
よい。
この際、デニールの異なる2種以上のフィラメント(例
えば6deと10de)の組合せ、あるいはフィラメン
ト断面形状の異なるフィラメント(例えばトライローバ
ル断面と円形断面)の組合せによって、スパンライク効
果を助長することが出来、染色性の異なる2種以上のフ
ィラメントを組合せることにより、カラーミックス効果
のある独得の外観を有するカーペットヤーンとすること
ができる。
本発明のカーペットヤーンは、任意の形態の捲縮、好ま
しくは非ラセン状クリンプを有するフィラメントにより
構成されるが、カットパイルカーペットのパイル糸とし
て使用する場合、捲縮加工糸の全捲縮率(TC)にして
3〜15係、特に3〜12係となる程度のクリンプを有
することが好ましい。
全捲縮率が15係を超えるとカーペットがフェルトライ
クとなり、3係より低いとボリューム感に欠けた品位の
低いものとなる。
そしてこのマルチフィラメント捲縮加工糸は、前記構成
フィラメント同志が互いに部分的に融着し合って糸条の
集束性を保持しており、しかもその長さ方向に沿ってS
撚の部分とZ撚の部分とがランダムな周期で交互に存在
する交互撚を有する。
ここで言う「部分融着」とは糸条を構成するフィラメン
トのうち何本かが不完全に融着している状態を示し、糸
条全体が一体となる程の強固な融着ではなく、単に糸条
全体の凝集性(集束性)が保たれる程度にランダムに部
分的な融着を生じ、外力によって各フィラメントが比較
的容易に分離され得る程度に集束している状態をいう。
また「交互撚」とは、後述の仮撚り融着加工により加熱
状態で部分融着が生じて融着部分が未解撚状態で捲縮加
工糸中にランダムに存在するため、解撚時に未解撚に見
合う反対方向の撚があたかもオーバー解撚の如く付与さ
れその結果該捲縮加工糸の長さ方向にS撚部分と2撚部
分とがランダムな周期で交互に存在する状態を言う。
このような交互撚を有する捲縮加工糸は真撚糸の如く全
長にわたって、はぼ均一な集束性を有し糸条全体の断面
が殆んど円形に近いものとなる。
部分融着及び交互撚による捲縮加工糸の集束性は、後述
の方法で測定される凝集係数にして5〜100の範囲内
となるようにするのが適当であり、10〜50のものが
特に好ましい。
この凝集係数が5より小さいと集束性が不足し取扱い性
(特にタフティング性)が悪く、またカットパイルカー
ペットにした場合にフェルト状となり良好なペンシルポ
イント性が得られない。
一方、凝集係数が100を超えると集束性が過大となり
素性が低下し、また風合も粗硬となるので好ましくない
なお、米国特許第3968638号に記載の如きインタ
ーレースにより集束性を付与したものは、前記凝集係数
にして約15以下となるような比較的低度の交絡では捲
縮加工糸の集束性が不十分で取扱い性が不良であるが本
発明のカーペットヤーンでは、交互撚が存在するため凝
集係数が5〜15程度でも十分な集束性をもち糸条全体
が円形に近い断面を有するため、従来の撚糸−熱セツト
法によるものと同様のすぐれた取扱い性を示す。
なお、部分融着の程度は、糸条の横断面を顕微鏡で観察
して融着部分の個数(1本のフィラメントが2ケ所で他
のフィラメントと融着部分の個数は2とする)を構成フ
ィラメント数に対するパーセントで表示した融着率が0
.5〜40%となる範囲が好ましい。
本発明のカーペットヤーンは、更に、適度の潜在トルク
を有することが必要である。
この「潜在トルク」は、マルチフィラメント捲縮加工糸
の一端をフリーの状態にして湿熱又は乾熱中で処理する
ことにより、該糸条がトルクにより自ら回転し、その結
果自発的に実撚が入る性質を云い、その大小は後述の方
法によって測定される「潜在トルク指数」によって表示
される。
前記捲縮加工糸のもつ潜在トルクの程度は潜在トルク指
数にして20〜300T/mの範囲内であることが適当
であり、この値が20 T / m未満では前述の自発
撚糸(セルフツイスト)効果が乏しく、カーペットの熱
処理時にパイル糸が集束せず、一方、300T/mを超
えるとパイル糸が過度に集束するため風合が硬くなり品
位が低下する。
本発明のカーペットヤーンは、前述の特徴に加えてヤー
ン表面から突出した適度な数のループやクルミを有し、
該糸条に独得のスパンライクな外観、風合を与えている
即ち、該ヤーンはループやクルミを有するため、素性が
増し、感触もソフトになると共に、ループやクルミによ
りフィラメント同志が交叉する部分が多く、従って融着
部が点接着状となる可能性が多(、部分融着による糸条
の粗硬化傾向が減少する。
ループやクルミの数は糸長1crrl当り2〜100個
であることが必要で、この数が2ケ/crr1未満では
スパンライクな風合を示さず、一方100ケ/cmを超
えるとカーペットのペンシルポイント性が不鮮明となる
ので不適当である。
このような構造及び特性を有するマルチフィラメント捲
縮加工糸からなるカーペットヤーンは、第1図の如き外
観を有し、部分融着及び交互撚によって十分な集束性を
有するのみならず糸条全体の断面がほぼ円形に近いため
、取扱い性(特にタフティング性)がすぐれている。
また、集束のためのインターレース処理を行わないので
、染斑がなく均染性も良好である。
しかも、このカーペットヤーンは、部分融着や潜在トル
ク等の程度を選定することによってノ・−ドライスト調
のものから非常にソフトな風合のものまで所望のパイル
糸とすることができる。
更に、ヤーンの表面に適度の数のループやクルミを有す
るため、これらの毛羽効果によって梳毛紡績糸の如き特
得の外観風合を呈し、従来のマルチフィラメント捲縮加
工糸からなるカーペットヤーンとは全(異なるスパンラ
イクなものとなる。
しかも、ループやクルミの数を調整することによってそ
のスパンライクな風合も任意に変化させることができる
また、従来の撚糸−熱セツト法による捲縮加工糸(セッ
トBCF)を用いたカットパイルカーペットは、該カー
ペットを長期間使用しているとパイル糸の撚が次第に消
失して集束性が低下する傾向がみられるが、本発明のカ
ーペットヤーンを用いたものは長期間の使用によってパ
イル糸の撚が消失し難く、また撚が消失しても、潜在ト
ルクを有するため水蒸気、温水又は乾熱等による熱処理
によって撚を回復させるととができる。
前述の如き種々の利点を有する本発明のカーペットヤー
ンは、実質的に無撚のマルチフィラメント延伸糸を加熱
流体噴射ノズルに供給し、該糸条に捲縮を付与すると同
時に多数のループやクルミを発生させ、引続き該糸条を
ドラフトしてループやクルミを2〜100ケ/cmに調
整した後、該糸条を仮撚り熱セツト手段に供給して10
0〜1000T/mの仮撚を付与すると同時にその状態
で構成フィラメントが互いに部分的に融着するような条
件で熱セットし、次いで該部分融着を残したまま、全デ
ニール600〜6000de、フィラメント当りのデニ
ール6〜30deの集束性マルチフィラメント捲縮加工
糸として引取る方法により、工業的に高い生産性にて製
造することが出来る。
供給マルチフィラメント延伸糸は、予め別工程で延伸し
たものでもよいが、加熱流体による捲縮加工域のすぐ上
流側で延伸したものを連続的に供給するのが工業的に有
利である。
該マルチフィラメント延伸糸としては各種合成繊維の延
伸糸を使用し得るが、特にナイロン6゜ナイロン66等
の脂肪族ポリアミドからなる延伸糸がよく、該延伸糸の
繊度は全デニールにして600〜6000de、フィラ
メント当りデニールにして6〜30de特に6〜15d
eが好ましい。
本発明の方法では、供給マルチフィラメント延伸糸が実
質的な撚を有しないことが必要で、高度の撚を有するも
のは後述の加熱流体噴射ノズルによる捲縮加工性が不良
であるため好ましくない。
しかし、解舒撚や単に糸条に集束性を与える程度のせ撚
は捲縮加工性に影響しないので差しつかえない。
パッケージから解舒されたマルチフィラメント延伸糸又
は捲縮加工域のすぐ上流側で延伸されたマルチフィラメ
ント延伸糸は、必要ならば所定温度に予熱したのち、加
熱流体噴射ノズルに供給され、捲縮加工が施されるが、
この際、加熱流体の撹乱作用によって多数のループやク
ルミが発生する。
加熱流体噴射ノズルによる捲縮加工法としては、例えば
特公昭45−24699号公報記載の撹乱加熱流体ノズ
ルによる方法、特公昭46−23766号公報記載の加
熱流体噴射ノズルによって金網等に糸条を吹きつげる方
法、あるいは特開昭53−45420号公報記載の加熱
流体噴射ノズルによって押込室に糸条を押込む方法等が
採用される。
これらの方法は何れも加熱流体噴射ノズルによってフィ
ラメントが撹乱されるため捲縮加工と同時に犬なり小な
りループやクルミが発生する。
これらの各方法のなかでも特公昭45−24699号公
報記載の如くループやクルミを積極的に形成せしめる方
法が本発明には最も適している。
この方法で使用する加熱流体としては、加熱水蒸気が好
ましく、その圧力は約2〜7Kg/crrLG1温度は
概ね160〜300℃が好ましい。
何れの方法を採用するにせよ、良好なスパンライクカー
ペットヤーンを得るには、捲縮加工直後の糸条の全捲縮
率が5〜15係、ループ及びクルミの数が2ケ/cm以
上であることが要求される。
前述の捲縮加工に於て、性質、繊度、断面形状等の異な
るフィラメントからなる2種以上の延伸糸を同時に加熱
流体噴射ノズルに供給して、捲縮加工及びループやたる
みの付与と同時に混繊を行ってもよい。
例えば、熱収縮性の異なる2種以上の糸条を引揃えて加
熱流体噴射ノズルに供給すれば、ループやクルミの発生
が助長され、またフィラメント当りのデニールの異なる
ものを組合せたり、フィラメント断面形状の異なるもの
を組合せることにより、スパンライク効果が増大する。
更に染色性の異なるものや艶消剤含量の異なるものを組
合せればカラーミックス効果を出すことができる。
本発明の方法では、加熱流体噴射ノズルにより捲縮加工
と同時にループやクルミを付与したのち、ローラ間で該
糸条に適当なドラフトを与え、糸条に残存するループや
クルミの数を2〜100ケ/crrlに調選する。
該糸条は引続き仮撚融着加工が施され、交互撚及び部分
融着による集束性と潜在トルクとが付与される。
仮撚り付与手段としては空気旋回流ノズル(エアトルク
ジェット)が好ましく、その上流側に設けて仮撚りを熱
セットするヒータとしては水蒸気により糸条を直接加熱
するようにしたパイプヒータが好ましい。
糸条に付与する仮撚り数は100〜100OT/mとす
る必要があり、撚り数がこれより少いと潜在トルクによ
る自己撚糸効果が乏しく、撚り数が100OT/mを超
えると安定して撚りを与えることが困難となる。
一方ヒータの温度は、繊維、ヒータ、加熱媒体等の種類
に応じて、糸条に部分融着が生じる温度に選定する。
上述の如き本発明の方法を工業的に実施するには、延伸
工程−捲縮加工及びループ、クルミ付与工程−ドラフト
工程−仮撚融着加工の各工程を直結して連続的に行う方
法が有利である。
第2図はコノヨうな方法を説明する概略図であり、図に
おいて未延伸糸1はパッケージ2より解舒され、供給ロ
ーラ3、プリストレッチローラ4を経て加熱延伸ローラ
5で延伸される。
延伸と同時に加熱された糸条は加熱流体噴射ノズル6に
供給され、該ノズル6により捲縮と同時にループやクル
ミが付与された後、ガイド7を経て冷却ロー28に至り
、該ローラに数回巻回されて冷却された後、該ローラと
ドラフトローラ9との間で適度のドラフトが付与されて
開繊され、ループやクルミの数が前記範囲内に調整され
る。
次いでループやクルミを有する捲縮加工糸10は下流側
の仮撚り熱セツト域へ送られ仮撚融着加工が施される。
図示の例では、ドラフトローラ9上での糸条の走行を安
定化するためセパレートローラ11を溝付ローラとなし
、また下流側の仮撚り熱セツト域から撚が遡及するのを
阻止するためドラフトローラ9上にニップローラ12を
設けて撚止めを行っている。
仮撚り熱セツト域に於て糸条10はパイプヒータ13に
供給され糸条の軟化点以上の温度に加熱される。
パイプヒータ13としては糸条出側及び入側の糸条走行
オリフィスがある一定の内径(dm)を有スるものが好
ましく、本発明者らの研究によれば、糸条10のデニー
ル(de)に応じて 0.023、/毛習≦d(mm)≦0.023 fni
十o、 5のものが効果的である旨確認された。
ヒータ13を出た糸条は次いで空気旋回流による仮撚ノ
ズル(エアトルクジェット)14に入り、ここで所定数
の仮撚りが付与され該仮撚りは上流側へ遡及しパイプヒ
ータ13内で熱セットされる。
かくして撚の熱セットによる潜在トルクの付与と同時に
糸条を構成するフィラメント間の部分融着が生ずる。
仮撚ノズル14を出た糸条は、部分融着を生じた部分が
解撚されず、従って糸条の長さ方向に沿ってランダムな
周期でS、Zの交互撚を有する糸条となる。
このようにして得られた糸条は引取りローラ15に数回
巻回して引取り、ワインダ18で巻取られる。
なお、図示の例では、引取ローラ15に附随するセパレ
ートローラ16を溝付ローラとして糸条の走行安定性を
向上せしめると共に引取ローラ15上にも押えローラ1
7を設け、仮撚りが巻取側へ波及するを防止している。
以上の如き本発明の方法にあっては、加熱流体噴射加工
条件(ノズルの構造、オーバーフィード率、加熱流体の
温度及び圧力等)、ドラフト率。
仮撚融着加工条件(パイプヒータ13の構造、水蒸気の
温度及び圧力、仮撚り数、加工張力等)を前述の範囲内
で適宜選定することによって、得られる捲縮加工糸の全
捲縮率、ループやクルミの数。
凝集係数、潜在トルク指数等の緒特性を所望の値に調整
することができる。
このように、本発明の方法によれば、従来の梳毛紡績糸
と比べても品質的に遜色のないスパンライクな風合をも
ち且つ好ましい集束性と潜在的な自己撚糸性を有するマ
ルチフィラメント捲縮加工糸からなるカーペットヤーン
を、連続的に高い生産性で製造することが可能であり、
また太デニールの糸条にインターレースを施すための特
別なノズルを要しないので設備的にも有利であり、また
インターレース処理による染斑等が発生することもない
次に、本発明で言う、全捲縮率、凝集係数、潜在トルク
指数、ループやクルミの数及び融着率の測定法について
詳述する。
(1)全捲縮率(T C) 全捲縮率(TC)は糸条の捲縮(クリンプ)の程度を表
示するもので、捲縮糸をパッケージより約1mの長さに
取出し、0.1f/deの荷重下で1分後の試長toを
測定し、フリーの状態で沸水中で30分間捲縮を発現さ
せ脱水したあと標準状態中で1昼夜風乾した後、試料に
0.1f/deの荷重をかけ1分後の長さtlを測定し
、次いでフリーで3分間放置した後2 ml/d eの
荷重下で1分後の試長t2を測定し、これらの測定値よ
り全捲縮率(T C)が次式により算出される。
(2)凝集係数(CF) 凝集係数は糸条の集束を表示する値であり、水平におか
れた糸条を両端は張力フリーの状態とし、該糸条を軸方
向に約半分に上下に分け、上部は固定したフックに引掛
け、残り半分の糸条に捲縮糸全デニール当り0.2r/
deの荷重をかげ、その際上下に拡げられた上下幅Wを
測定し、次式により凝集係数(CF)を算出する。
CF = 100 ((?772) /W (crrl
)なお、試料は長さ50鑞以上とし、ランダムに採取し
たものを使用する。
この凝集係数(CF)の値が大きいものほど集束性が高
いことを意味する。
(3)潜在トルク指数 捲縮糸をチーズより取り出して糸長約30Crnを採集
し、油性インクで糸の片側に印をつげたのち、その糸を
飽和水蒸気(約100℃)中に5分間片端フリーの状態
で吊し、糸が回転して生じた捲数を数えて1m当りの捲
数CT/m)に換算し、これを以て潜在トルク指数とす
る。
この値が大きいほど糸条に内在するトルク(旋回力)が
大きい。
(4)ループ、クルミの数 糸条をパッケージより取り出し、黒い台紙の上に10(
?771の長さにはりつげその上からガラス板を押しつ
げて、糸条の両側面にはみ出したループ。
クルミの数を数え、センナメートルあたりの数に換算し
たもの。
ただしループはフィラメントの端が閉じているもので高
さが0.5m以上のものとし、クルミは、フィラメント
の端が広がっており、タルミの巾すと高さaとの比b
/ a≦10でaが0.5mmより犬なるものとする。
(糸条の両側面からはみ出した以外のループやクルミは
測定数に入れないものとする)。
なお、ループはフィラメント1本で形成されたものを1
とし、2フイラメントで形成されていれば2として計算
する。
(5)融着率 糸条の横断面の顕微鏡写真を撮り、該写真において、フ
ィラメント間の境界が不明瞭なものを融着とみなして、
その数を数える(融着は点接着の形で生じ、1本の単糸
でもその周囲の2ケ所で融着しておれば2個と数える)
この断面写真による測定を糸の長さ方向にランダムに採
取した試料について10回以上繰返しその平均値を以て
融着個数とし、次式により融着率を求める。
実施例 1 異形度3.5のトライローバル断面フィラメントからな
るナイロン6未延伸糸(4800デニールン136フイ
ラメント)を第2図に示す延伸捲縮加工装置により下記
条件で延伸及び捲縮加工を行った。
延伸捲縮加工条件 延伸速度・・・・・・1000m100O延伸倍率・・
・・・・3.7倍 延伸ローラ5の温度・・・・・・185℃加熱流体噴射
ノズル6 ノズル構造・・・・・・特開昭52−31848号第2
図に示すもの 水蒸気温度・・・・・・210℃ 水蒸気圧力・・・・・・6.0Kg/c4G加工時オー
バーフィード・・・・・・300 rこのような条件で
得られるマルチフィラメント捲縮加工糸(BCF)の糸
質は次の如くである。
捲縮加工糸の糸質 繊 度・・・・・・1600デニール/136フイラメ
ント 全捲縮率(TC)・・・・・・14係 凝集係数(CF)・・・・・・7.1 潜在トルク指数・・・・・・OT / m潜在トルク指
数・・・・・・OT / mループ及びクルミの数・・
・・・・20ケ/mこの捲縮加工糸を延伸捲縮加工に引
続き下記条件で融着仮撚加工を施し、巻取つt為 仮撚融着加工条件 パイプヒータ13 長 さ= 400 rran 内 径・・・・・・10mω 入口及び出口のオリフィス内径・・・・・・1.1m@
水蒸水温水温気温・・・200℃ 水蒸気圧力・・・・・・第1−1 、l−2表参照仮撚
ノズル14 糸導孔内径・・・・・・3Mω 空気孔・・・・・・0.5mmX3.0rImLのスリ
テト状空気圧力・・・・・・第1−1,1−2表参照仮
撚り数・・・・・・第1−1.1−2表参照仮撚加工時
オーバーフィード・・・・・・3係パイプヒータ13に
おける水蒸気圧力、仮撚ノズル14における空気圧力等
を変更して合計13通りの実験を行い、それぞれの実験
で得られた集束性マルチフィラメント捲縮加工糸の緒特
性を測定するとともに、各糸外をパイル糸としてポリプ
ロピレンスリットヤーンを平織にした基布(10オンス
/ヤード)に下記条件でタフティングし、カーペットを
作成し、常法により染色後専門家により、そのカーペッ
トの品位、風合等を判定した。
これらの結果を第1−1表及び第1−2表に示す。
なお、第1−1表及び第1−2表における「バルキー性
」は次の方法により測定される値である。
バルキー性 捲縮加工糸(BCF)をカセ粋に巻きとりこのカセを排
水中で30分間フリーで熱処理した後、脱水し、標準状
態(20℃65係)中で1昼夜風乾する。
この熱処理後のBCFを4■/deの張力下で10m巾
のリールに100回巻き付けその巻き厚みとリール巾よ
り体積V Ccd)を計算し、BCFの重量Wより単位
重量あたりの体積を計算しバルキー性を下式により算出
する。
バルキー性= V/W (crtl/ S’ )タフテ
ィング条件 針間隔ゲージ・・・・・・1/10インチステッチ・・
・・・・9ステッチ/インチパイルの高さ・・・・・・
15m 針打込回数・・・・・・600回/分 なお、第1−1,1−2表のタクト停止回数はタフティ
ング性の目安を示すもので、この停止回数が1回/hr
以下であればタフティング性が良好であると言える。
実施例 2 実施例1の実験N(16において、冷却ローラ8とドラ
フトローラ9間のドラフト張力を0〜100010間で
種々変更して捲縮加工糸(BCF)のループ及びクルミ
の数を変え、その効果を検討した。
その結果を第2表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のスパンライクカーペットヤーンの一例
を示す拡大図である。 第2図は本発明の方法の好適な実施態様を示す延伸捲縮
加工装置の簡略化した側面図である。 1・・・・・・未延伸糸、2・・・・・・未延伸糸パッ
ケージ、3・・・・・・供給ローラ、4・・・・・・プ
リストレッチローラ、5・・・・・・延伸ローラ、6・
・・・・・加熱流体噴射ノズル、8・・・・・・冷却ロ
ーラ、9・・・・・・ドラフトローラ、10・・・・・
・捲縮加工糸、13・・・・・・パイプヒータ、14・
・・・・・仮撚ノズル(エアトルクジェット)、15・
・・・・・引取りローラ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 捲縮を有する熱可塑性フィラメントが互いに部分的
    に融着しており、且つ糸条の全長にわたってS撚部外と
    2撚部分とが長さ方向にランダムな周期で交互に存在す
    ると共に、潜在トルク指数にして20〜300T/mの
    潜在トルクが内在し、しかも2〜100ケ/cmのルー
    プ又はクルミを有し、全デニールが600〜6000d
    e、フィラメント当りのデニールが6〜30deで、3
    〜15係の全捲縮率及び5〜20の凝集係数を有する集
    束性マルチフィラメント捲縮加工糸から実質的になるこ
    とを特徴とするスパンライクカーペットヤーン。 2 実質的に無撚のマルチフィラメント延伸糸を加熱流
    体噴射ノズルに供給し、該糸条に捲縮を付与すると同時
    に多数のループやクルミを発生させ、引続き該糸条をド
    ラフトしてループ及びクルミの数を2〜100ケ/炉に
    調整した後、該糸条を仮撚り熱セツト手段に供給して1
    00〜1000’l’/mの仮撚を付与すると同時にそ
    の状態で構成フィラメントが互いに部分的に融着する条
    件で熱セットし、次いで該部分融着を残したまま、全デ
    ニール600〜6000de、フィラメント当りのデニ
    ール6〜30deの集束性マルチフィラメント捲縮加工
    糸として引取ることを特徴とするスパンライクカーペッ
    トヤーンの製造法。 3 空気旋回流ノズルにより仮撚りを付与すると共に、
    水蒸気にて糸条を直接加熱するパイプヒータにより熱セ
    ットする特許請求の範囲第2項記載の製造法。 4 加熱流体噴射ノズルに、該ノズルの上流側で延伸及
    び加熱を行ったマルチフィラメント延伸糸を連続的に供
    給する特許請求の範囲第3項記載の製造法。
JP9985479A 1979-08-07 1979-08-07 スパンライクカ−ペツトヤ−ン及びその製造法 Expired JPS595688B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9985479A JPS595688B2 (ja) 1979-08-07 1979-08-07 スパンライクカ−ペツトヤ−ン及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9985479A JPS595688B2 (ja) 1979-08-07 1979-08-07 スパンライクカ−ペツトヤ−ン及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5626026A JPS5626026A (en) 1981-03-13
JPS595688B2 true JPS595688B2 (ja) 1984-02-06

Family

ID=14258382

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9985479A Expired JPS595688B2 (ja) 1979-08-07 1979-08-07 スパンライクカ−ペツトヤ−ン及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS595688B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60224831A (ja) * 1984-04-12 1985-11-09 東洋紡績株式会社 カ−ペツト用パイル糸
JPS63152429A (ja) * 1986-12-15 1988-06-24 ユニチカ株式会社 カ−ペツト用ポリアミド捲縮糸の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5626026A (en) 1981-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6129879A (en) Propylene polymer fibers and yarns
US5945215A (en) Propylene polymer fibers and yarns
US3186155A (en) Textile product of synthetic organic filaments having randomly varying twist along each filament
JP3769013B2 (ja) 中空ナイロンフィラメント、中空ナイロン糸、およびその製造法
JPH0544129A (ja) 嵩高処理された連続フイラメント糸及び低融点結合剤繊維のオンライン式織り交ぜ方法
US3953962A (en) Crimped thermoplastic synthetic filaments of asymmetric composition
US6503622B1 (en) Texturized, combined polyester multifilament yarn and process for producing same
JPS595688B2 (ja) スパンライクカ−ペツトヤ−ン及びその製造法
JP2000290846A (ja) 異収縮複合混繊糸およびその織物、編物
JPH02175935A (ja) ストレッチ性複合加工糸の製造方法
JPS6214653B2 (ja)
JP2004183142A (ja) 複合仮撚加工糸およびその製造方法
JPS63315632A (ja) 複合交絡糸
JPS6343498B2 (ja)
JPH07331549A (ja) 高強力毛羽糸およびその製造方法
WO2023203482A1 (en) High bulk yarn and method of manufacturing thereof
JPS6120660B2 (ja)
JPS6399340A (ja) 異繊度異収縮混繊糸
JPS6328139B2 (ja)
JPS62133137A (ja) 撚糸織物用異繊度混繊糸
JP2877512B2 (ja) 捲縮マルチフィラメントとその製造方法
JPS5891860A (ja) ベロア調カツトカ−ペツト
JPS6231094B2 (ja)
JPS5920011B2 (ja) 集束性ポリアミド捲縮糸
JP3480058B2 (ja) 仮撚複合糸