JP2013032223A - ポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高品位な優れた織物を与え得る、糸落ちがない良好なドラム状パッケージを提供すること、およびかかるポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを効率よく得る方法を提供することを課題とする。
【解決手段】50重量%以上が乳酸モノマーで構成されるポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージにおいて、引張強度が2.0cN/dtex以上であり、かつパッケージの巻厚方向巻径A(mm)とパッケージ端面にある長さ10mm以上の糸落ち個数S(個)がA≧20かつS/(A−10)≦0.025の関係であることを特徴とするポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを構成し、高品位な織物を与え得る、ドラム端面に糸落ちのない良好なドラム状パッケージを効率よく得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明はポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージに関するものである。更に詳細には、オーガンジー用薄地織物やティーバッグ用織物などを得るためのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージに関するものである。また、巻取張力、ゴデローラー温度を制御することでパッケージ端面に糸落ちのない良好なドラム状パッケージを構成し、高品位な織物が得られるポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージの製造方法を提供することである。
最近、環境保全対策の一つとして、バイオマス利用の生分解性ポリマーが注目され、その生分解性ポリマーとして、特にポリ乳酸ポリマーが注目されている。ポリ乳酸ポリマーは、植物から抽出したでんぷんを発酵することにより得られた乳酸を原料とするポリマーであり、バイオマス利用の生分解性ポリマーの中では透明性、力学特性、耐熱性、コストのバランスが最も優れている。
一般的に、ポリ乳酸モノフィラメントの製造方法は、一旦マルチフィラメントを得た後、これを1本ずつ分繊するストレート分繊法(特許文献1)、紡糸後に一旦巻き取り、その後延伸する2工程法(特許文献2)、高速直接紡糸法(1工程法)がある。その製造方法により、巻形態は、高速直接紡糸法から得られるドラム状パッケージ、ストレート分繊法および2工程法から得られるパーン状パッケージとなる。ポリ乳酸モノフィラメントの製造コストの点からは、1工程法が2工程法やストレート分繊法よりも優れているが、特許文献1記載のとおり、品質や紡糸性の面でストレート分繊法が主に工業生産に展開している。しかしながら、さらなるコストダウンが要望されており、1工程法での工業生産適用が望まれている。
工業生産に展開しているポリ乳酸マルチフィラメントの製造方法として、高速直接紡糸法により配向結晶化した繊維(POY)を製造する方法(特許文献3)を提案した。特許文献3の実施例には、第1ゴデローラ(非加熱ローラー)に紡糸速度4500m/minで引取り、引き続き、第2ゴデローラ(非加熱ローラー)を介して、巻き取ると記載されているが、この方法にてポリ乳酸モノフィラメントを製造したところ、パッケージ端面への糸落ちが多く発生した。また、特許文献3[0031]には高速紡糸により配向結晶化したポリ乳酸繊維を、延伸糸とする場合は、延伸温度90℃以上で延伸し、熱セットすると記載されている。
特開2010−84286号公報 特願2001−505594号公報 特開2006−274520号公報 特開2010−211222号公報
本発明者らが特許文献3の実施例記載の方法にてポリ乳酸モノフィラメントを製造したところ、パッケージ端面への糸落ちが多く発生した。また、特許文献3[0031]には高速紡糸により配向結晶化したポリ乳酸繊維を、延伸糸とする場合は、延伸温度90℃以上で延伸し、熱セットすると記載されているが、この方法にてポリ乳酸モノフィラメントを製造したところ、パッケージ端面に糸落ちが多く発生した。特に、ポリ乳酸繊維は結晶配向性が悪く、ポリ乳酸繊維の製造において結晶配向させるには、高速巻取および熱延伸が必要であり、1工程法にて高速巻取かつ熱延伸を同時に安定して行うことがポリ乳酸モノフィラメントにおいては困難であった。
モノフィラメントは同一繊度における糸直径がマルチフィラメントよりも大きく、糸自身の接触面積が少なくなるため、糸と糸の摩擦力が低下し、糸の折り返し面であるパッケージ端面にて糸が把持しきれず滑り落ち、マルチフィラメントよりも糸落ちしやすい性質を持っている。糸落ちしたドラム状パッケージからなるモノフィラメントを用いて、例えば次工程である整経および製織を行うと、糸を解舒する際に糸落ち部が端面に引っかかり、糸切れを生じたり、張力変動を引き起こし、織物とした際にヒケを生じたりするため、糸落ちのないドラム状パッケージを提供すること、さらにはドラム状パッケージを製造することは極めて重要な課題であった。
本発明は上記従来技術の問題点を解決しようとするものであり、従来のポリ乳酸モノフィラメントよりも、高品位な優れた織物を与え得る、糸落ちがない良好なドラム状パッケージを提供すること、およびかかるポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを効率よく得る方法を提供することを課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。
(1)50重量%以上が乳酸モノマーで構成されるポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージにおいて、引張強度が2.0cN/dtex以上であり、かつパッケージの巻厚方向巻径A(mm)とパッケージ端面にある長さ10mm以上の糸落ち個数S(個)が下記式(I)かつ(II)の関係であることを特徴とするポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
A≧20・・・・・・・・(I)
S/(A−10)≦0.025・・・(II)
(2)パッケージ内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比(パッケージ内層部モノフィラメントの引張強度/パッケージ外層部モノフィラメントの引張強度)が0.9以上であることを特徴とする(1)記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
(3)ポリ乳酸モノフィラメントの明度が62以下であることを特徴とする(1)または(2)記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
(4)パッケージ形成後6ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比(6ヶ月経過のパッケージ内層部モノフィラメントの引張強度/6ヶ月経過のパッケージ外層部モノフィラメントの引張強度)が0.9以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
(5)パッケージ形成後1ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部とパッケージ形成後6ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比(6ヶ月経過のパッケージ内層部モノフィラメントの引張強度/1ヶ月経過のパッケージ内層部モノフィラメントの引張強度)が0.9以上であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
(6)溶融吐出した50重量%以上が乳酸モノマーで構成されるポリ乳酸モノフィラメントを冷却し、50℃〜150℃で加熱延伸し、巻取張力を0.04cN/dtex〜0.20cN/dtexで巻き取ることを特徴とする(1)記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージの製造方法。
(7)巻取速度を1500〜5000m/min、延伸張力を0.04cN/dtex〜0.35cN/dtexで巻き取ることを特徴とする(6)記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージの製造方法。
本発明により、高品位な織物を与え得る、ドラム端面に糸落ちのない良好なドラム状パッケージを効率よく得ることができる。また、このようにして得られたポリ乳酸モノフィラメントパッケージはオーガンジー用途やティーバッグ用途など薄地織物に有用である。
図1aはドラム状パッケージの巻き形態を模式的に示すパッケージ断面図であり、図1bはその正面図である。 本発明で好ましく用いられる紡糸装置の一例の概略図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージについて、図1を用いて説明する。図1aは、ドラム状パッケージの巻き形態を模式的に示すパッケージ断面図であり、図1bはその正面図であり、パッケージ巻厚方向の巻径A(mm)、およびパッケージ巻厚方向の巻径の最大部分をB(mm)、パッケージ巻厚方向の巻径の最小部分をC(mm)、パッケージ巻幅方向の巻幅D(mm)を図1a中に図示した。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージについて、糸落ちとしてはパッケージ巻厚方向における最内層から10mmの位置から最外層までのパッケージ巻厚方向の巻径Aとパッケージ端面にある長さ10mm以上の糸落ちの個数S(個)がS/(A−10)≦0.025(個/mm)の関係式を満たしていることが必要である。また、ここで言う糸落ちの個数とは、図1b中に図示した領域、すなわちパッケージ巻厚方向のパッケージ端面において、最内層から10mmの位置から外層部までの領域、パッケージ両端面に発生した長さ10mm以上の糸落ちの個数である。なお、最内層から10mmの位置をまたいでいるものは数えない。
糸落ちの指標として糸落ちの個数Sを最内層から10mmの位置から外層部までの領域(A−10)で算出した値(S/(A−10))を用いた。この糸落ちS/(A−10)が0.025個/mm以下の範囲にあることで、次工程である整経および製織で、良好な操業性を維持し、安定した生産とすることができる。さらに好ましくは0.015個/mm以下である。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージは、パッケージ巻厚方向の巻径Aが20mm以上であることが必要である。巻径Aが20mm未満の場合、糸落ちS/(A−10)が0.025個/mmを超えても、パッケージ端面に引っかからず、糸の解舒がスムーズであり問題ない。しかしながら、巻径Aが20mm未満のドラム状パッケージは巻量が少なく、効率的な生産とは言えない。それ故、巻径Aを20mm以上とすることで、より工業的に有益で効率的な生産となる。さらに好ましくは35mm以上である。また、上限は特に規定することはないが、製品運搬・次工程でのハンドリング等を考慮すると、150mm以下が好ましい。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージは、糸を解舒する際に糸落ち部がパッケージ端面に引っかかり、糸切れを生じたり、織物とした際にヒケを生じたりするような張力変動を引き起こすことなく、高品位のポリ乳酸織物を得ることができるが、特にドラム状パッケージ重量が、0.30kg以上であるような場合に有効であり、さらに好ましくは0.50kg以上である。また、上限は特に規定することはないが、製品運搬・次工程でのハンドリング等を考慮すると、3.0kg以下が好ましい。
パッケージフォームは、次工程における糸の解舒性に影響を与えるため、良好なパッケージフォームが要求される。パッケージフォームで糸落ち以外に問題となる欠点として、パッケージ巻厚方向の端部巻径Bとパッケージ巻厚方向の最小巻径Cの差(B−C)で表されるサドル(耳立ち)があり、小さい方が高速での糸の解舒性に優れる。次工程で要求される解舒速度は、100〜1000m/minにも達するが、サドルが高いと、解舒糸条によりサドル部分が連続的に擦過されるため、耐摩耗性の低いポリ乳酸繊維の表面が削れ、パッケージ端面周期(サドルからもう一方のサドルまでの糸長に相当)に一致した欠点が生じる。また、サドル部分は糸の解舒張力が変動しやすいため、次工程の不安定要因となる。したがって、次工程において端面周期欠点を抑制し、安定した高速解舒を行うためにはサドル(B−C)が7mm以下であることが好ましく、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下である。また、下限は特に規定することがないが、0mmであることが理想である。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージの製造方法はポリ乳酸ポリマーを溶融、吐出、冷却、熱延伸して巻き取るいわゆる1工程法の製造方法であり、直接紡糸延伸法によって製造される。図2は、本発明で好ましく用いられる紡糸装置の一例の概略図である。溶融紡糸機におけるスピンブロック1は、図示していない加熱手段により加熱されている。紡糸口金2を前記スピンブロック1に装着し、ポリ乳酸ポリマーを溶融し、ポリマーを紡糸口金2から吐出して紡出糸条F(以下、糸条Fという)を形成し、紡糸口金2下流側に設けた一方向から冷却風が出る冷却装置3により糸条Fを均一に冷却した後、紡糸ダクト4を経由し、給油装置5により糸条Fに油剤を付与して、第1ゴデローラー6、6’と第2ゴデローラー7、7’間で延伸した後、巻取装置8により巻き取りドラム状パッケージを形成する。かかる構成とすることで、生産性よくポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得ることができる。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントの製造方法における油剤付与は公知の紡糸油剤、給油装置を用いて行われる。糸に付与する油剤成分中の平滑剤成分や乳化剤成分としてはエステル系・鉱物油系・エーテルエステル系などの平滑剤や分子中にポリオキシアルキレン基を有するエーテル型非イオン系界面活性剤や多価アルコール部分エステル型非イオン界面活性剤やポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル型非イオン界面活性剤等が挙げられる。給油装置は、オイリングローラー方式、給油ガイド方式等が挙げられる。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージの製造方法は、巻取張力を0.04cN/dtex〜0.20cN/dtexで巻き取る。この巻取張力は、例えば、第1ゴデローラー6、6’と第2ゴデローラー7、7’の速度差、あるいは、第2ゴデローラー7、7’と巻取装置8の速度差などで制御可能である。巻取張力を0.04cN/dtex以上にすることにより、安定した操業で巻き取ることが可能になる。また、巻取張力を0.20cN/dtex以下とすることでトラバースの折り返し時に糸がパッケージ端面から糸落ちすることなくドラム状パッケージを形成することが可能になる。巻取張力が0.04cN/dtex未満では、パッケージ端面からの糸落ちについては抑制出来るが、紡糸での糸切れが発生しやすくなる。また、巻取張力が0.20cN/dtexを超えると、糸折り返し時の糸すべりが発生し、パッケージ端面から糸が落ち、次工程での糸切れが発生しやすくなる。好ましい範囲としては巻取張力0.07cN/dtex〜0.15cN/dtex、より好ましい範囲としては、0.08cN/dtex〜0.12cN/dtexである。かかる範囲の巻取張力で巻き取ることでパッケージ端面からの糸落ち抑制および安定した操業性が得られる。
また、巻取は高速直接紡糸延伸法であるため、巻取速度が1500〜5000m/minであることが好ましい。巻取速度を1500m/min以上とすることで生産性が向上し、一方、巻取速度を5000m/min以下とすることで糸落ち発生を抑制する。その結果、上述の通り、次工程での操業・品質が向上する。さらに好ましくは2000m/min〜4000m/minの範囲である。また、さらに好ましくは2500m/min〜3500m/minの範囲である。
また、延伸張力が0.04cN/dtex〜0.35cN/dtexであることが好ましい。延伸張力を0.04cN/dtex以上とすることで、延伸時に糸の張りを持たせ、糸揺れやローラーからの糸離れ性を向上させ安定紡糸させる。一方、延伸張力を0.35cN/dtex以下とすることで、延伸時の張力を適性化し、後述の失透現象の抑制ができ、強度低下による次工程の糸切れおよび白色化による品位低下を改善する。そのため、好ましくは0.10cN/dtex〜0.30cN/dtexの範囲である。さらに好ましくは0.15cN/dtex〜0.25cN/dtexの範囲である。
ここでいう、延伸張力は例えば、第1ゴデローラー6、6’と第2ゴデローラー7、7’の速度差など、糸を延伸する工程で制御可能である。
さらに、パッケージ巻幅方向の巻幅Dは、20〜150mmであることが好ましい。20mm以上とすることで、糸条を単位時間にトラバースさせる回数を減少させ、トラバースチップの破損やトラバース装置のトラブルの発生を抑制し、また同一重量を巻上げる際のドラムの巻径が大きくなり過ぎる問題を解決できる。一方、150mm以下とすることで、解舒側から反解舒側までのパッケージの距離(パッケージ巻幅)を適性化することにより、解舒時の瞬間的な張力変動を抑制し、次工程の品質・操業改善を図った。さらに好ましくは50〜90mmの範囲である。
さらに、1トラバース糸長は、1.1〜2.0mであることが好ましい。1トラバース糸長とはトラバース1往復あたりの巻取糸長をあらわすもので、1トラバース糸長が長すぎると、パッケージ端面に露出する糸長が長くなり過ぎ、部分的な放縮率の差が生じ、解舒時の張力も大きくなりやすくなる。また、短すぎると巻取中の瞬間的な張力が大きく、しかもパッケージ端面折返し部の糸の溜まり量が多くなりやすく、解舒時の張力も大きくなりやすい。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージの製造方法において、加熱延伸は通常ゴデローラーを用いて行われ、加熱延伸温度は50℃〜150℃とすることが必要である。加熱延伸は、加熱ゴデローラーを用いて延伸することが好ましく、ゴデローラー温度は接触式温度計で実測した値である。
ゴデローラーは、例えば、第1ゴデローラーと第2ゴデローラーがあり、ゴデローラーは糸の追従性を上昇させるため、2個のゴデローラーを一対としたネルソンゴデローラーを用いることが好ましい。引取は第1ゴデローラーで行われ、延伸は速度の異なるゴデローラー間で行われる。例えば、1段延伸の場合、第1、第2ゴデローラー間で行われる。2段延伸の場合、第1、第2ゴデローラー間と第2、第3ゴデローラー間などで行われる。延伸倍率、延伸段数は幾らでもかまわないが、延伸倍率3.0〜4.0倍、1段延伸であることが好ましい。
また、ゴデローラー温度はそれぞれ50℃〜150℃の範囲である。引取ゴデローラー(第1ゴデローラー)温度が50℃未満(非加熱含む)の場合、ポリ乳酸ポリマーのガラス転移温度未満での延伸となり、延伸時の応力が増大、不均一延伸となり、長手方向に結晶構造斑が発生し、失透現象、引張強度低下を引き起こす。さらにはムラ、強度不足など織物品位の低下を招く。特に1500m/min以上の高速巻取の場合、ポリ乳酸繊維の繊維変形速度が速く、引取ゴデローラー(第1ゴデローラー)通過時間が短く、延伸に必要な予熱不足となり易い。予熱不足の状態で延伸されると、不均一延伸となり、長手方向に結晶構造斑が発生し、失透現象、強度低下が発生しやすく、十分な予熱を行うため好ましくは85℃以上である。さらに好ましくは95℃以上である。また、第1ゴデローラー温度が150℃を超えると、ポリ乳酸ポリマーの融点近傍となり、融着現象が起こり、紡糸糸切れが発生する。また、紡糸張力が低くなり糸落ちが多く発生する。さらに好ましくは115℃以下である。
延伸ゴデローラー(第2ゴデローラー以降)温度が50℃未満(非加熱含む)の場合、配向結晶性が低く、ポリ乳酸モノフィラメントの熱収縮率が高くなり、特に沸騰水収縮率が50%を超えるなど、次工程での熱成型温度によっては加工できないという問題が発生する。配向結晶性を高くし、熱収縮率を低くする点で、好ましくは95℃以上である。また、延伸ゴデローラー温度が150℃を超えると、ポリ乳酸ポリマーの融点近傍となり、融着現象が起こり、紡糸糸切れが発生する。また、巻取張力が低くなり糸落ちが多く発生する。さらに好ましくは130℃以下である。
また、上述したように、引取ゴデローラー(第1ゴデローラー)、延伸ゴデローラー(第2ゴデローラー以降)はそれぞれ別の役割を持っているので、どちらか一方が50℃〜150℃を満たせば良いというものではなく、両ゴデローラーが50℃〜150℃でポリ乳酸モノフィラメントを製造することにより、高速巻取かつ熱延伸を同時に安定して行うことが可能になり、工業生産することが実現できるのである。
本発明で用いるポリ乳酸ポリマーは、−(O-CHCH-CO) n−を繰り返し単位とするポリマーであり、乳酸やラクチド等の乳酸のオリゴマーを重合したものをいう。乳酸にはD−乳酸とL−乳酸の2種類の光学異性体が存在するため、その重合体もD体のみからなるポリ(D−乳酸)とL体のみからなるポリ(L−乳酸)および両者からなるポリ乳酸ポリマーがある。ポリ乳酸ポリマー中のD−乳酸、あるいはL−乳酸の光学純度は、低くなるとともに結晶性が低下し、融点降下が大きくなる。そのため、耐熱性を高めるために光学純度は90%以上であることが好ましい。ただし、上記のように2種類の光学異性体が単純に混合している系とは別に、前記2種類の光学異性体をブレンドして繊維に成形した後、140℃以上の高温熱処理を施してラセミ結晶を形成させたステレオコンプレックスにすると、融点を飛躍的に高めることができるためより好ましい。
また、本発明におけるポリ乳酸モノフィラメントは、バイオマス利用、生分解性の観点から、重合体を構成する乳酸モノマーの比率を50重量%以上とすることが必要である。重合体を構成する乳酸モノマーは好ましくは75重量%以上、より好ましくは96重量%以上である。ただし、この範囲内のポリ乳酸の性質を損なわない範囲で、乳酸以外の成分を共重合していてもよい。
また、ポリ乳酸ポリマーの分子量は、重量平均分子量で5万〜35万であると、力学特性と成形性のバランスがよく、10万〜25万であることがより好ましい。
また本発明で用いるポリ乳酸ポリマーに対して必要に応じてポリ乳酸以外の熱可塑性重合体をブレンドしたり、複合(芯鞘、バイメタル)したりしてもよい。さらに改質剤として艶消し剤、顔料、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、染色性向上剤、抗菌剤、難燃剤、紫外線吸収剤などを配合しても良い。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントは、引張強度2.0cN/dtex以上であることが必要である。この引張強度は前述の延伸倍率および第1ゴデローラー温度、第2ゴデローラー温度などで制御可能である。引張強度を2.0cN/dtex以上とすることで、織物にした際に良好な強度を得ることができる。引張強度が2.0cN/dtex未満では、ドラム状パッケージを得ることはできるが、次工程での糸切れおよび織物とした際の強度不足を生じてしまう。さらに好ましくは2.8cN/dtex以上である。なお、ここでいう引張強度は、後述するパッケージ内層部の引張強度をいう。
また、パッケージ内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比が0.9以上であることが好ましい。パッケージ内層部の引張強度とは、パッケージ巻始めから100m以内のモノフィラメントの引張強度の値である。パッケージ外層部の引張強度とは、パッケージ巻始めから巻厚方向に20mmの点、パッケージ外層まで20mm間隔の各点、および最外層の点でのモノフィラメントの各引張強度を測定した平均値である。0.9未満の場合、残留応力の高い内層部は表層部に比べ引張強度が低下しており、均一な品質とは言い難い。また、残留応力により巻締まりが発生しやすく、パッケージから糸を解舒する時の張力も大きくなりやすく、糸切れを生じたり、織物とした際にヒケを生じたりするような張力変動を引き起こすなど、織物品位低下が懸念される。均一な品質という観点から、上限は1以下であることが好ましい。
さらに、パッケージ形成後6ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比が0.9以上であることが好ましい。また、パッケージ形成後1ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部とパッケージ形成後6ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比も0.9以上であることが好ましい。
これにより、次工程での他ロットとの製品の混合使用および経時での保管が容易で、ハンドリング性に優れるといった利点がある。さらに好ましくはパッケージ内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比、パッケージ形成後6ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比、パッケージ形成後1ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部とパッケージ形成後6ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比が0.95以上である。
ここで6ヶ月経過した後のポリ乳酸パッケージとは、気温0℃〜30℃、湿度40%RH〜80%RHと一般的な日本の気候下でパッケージを形成した後6ヶ月経過したパッケージをいう。
パッケージ内層部と外層部の引張強度比は延伸温度が低いことで不均一延伸となることや巻取張力が高く糸に応力がかかることで、ポリ乳酸の特有の現象である失透現象(白〜透明色の繊維が白色の繊維になる結晶構造斑現象)が発生することで、強伸度低下が起こり、強度比に差が現れる。特に失透現象は冷延伸時または過大な張力下にて発生する。
さらに、ポリ乳酸モノフィラメントは高い延伸・巻取張力、巻取速度を上げることにより、パッケージ内層部に残留応力が発生する。この残留応力により経時で冷延伸され、失透現象(白〜透明色の繊維が白色の繊維になる結晶構造斑現象)が進行し、経時での強度低下を引き起こす。強伸度が低下することで、次工程である整経および製織にて糸切れが多発し、高次通過性不良を引き起こしやすく、経時での強伸度低下のないドラム状パッケージを提供すること、さらにはドラム状パッケージを製造することは実用上有効であり、巻取速度および延伸張力を適正化することで、経時での強伸度低下を改善することができる。
本発明のポリ乳酸モノフィラメントは、明度が62以下であることが好ましい。明度62以下で白〜透明色のモノフィラメントであり、62を超えると、白色のモノフィラメントとなる。これは、繊維の失透現象(白〜透明色の繊維が白色の繊維になる結晶構造斑現象)が起きており、織物とした場合に、色目が全体的に白くなったり、ヨコムラ等発生したり、織物品位の低下を引き起こす。下限は特に規定することはないが、さらに好ましくは明度60以下である。
また、繊度は5〜50dtexであることが好ましく、5dtex以上とすることで紡糸安定性を向上させ、操業よく生産可能であり、50dtex以下とすることで、糸落ちを抑制する。さらに好ましくは繊度15〜40dtexである。伸度は25〜70%であることが好ましく、25%以上,70%以下とすることで次工程での操業安定化を図っている。さらに好ましくは伸度30〜60%である。沸騰水収縮率としては20.0%以下が実用上好ましく、次工程での安定的な品質・操業性を得る。さらに好ましくは沸騰水収縮率15%以下である。このような繊度、強度、伸度、沸騰水収縮率の調整は通常公知の方法によって行うことができる。
また、糸断面形状としては、丸断面、Y型断面、T型断面、偏平断面、もしくはそれらをさらに変形させたような形状でもかまわない。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に
述べる方法で測定した。図2に示す紡糸装置を用い溶融紡糸を行った。
(1)巻取張力(cN/dtex)
東レエンジニアリング社製のTENSION METERとFT−Rピックアップセンサーを用い、図2に示す第2ゴデローラー7、7’から巻取装置8までの間で測定した値(cN)測定し、繊度で割り返した値とした。
(2)延伸張力(cN/dtex)
東レエンジニアリング社製のTENSION METERとFT−Rピックアップセンサーを用い、図2に示す第1ゴデローラー6、6’から第2ゴデローラー7、7’までの間で測定した値(cN)測定し、繊度で割り返した値とした。
(3)巻径:A(mm)
ドラム状パッケージ巻厚方向の巻径Aの長さを測定した。
(4)巻幅:D(mm)
ドラム状パッケージ巻幅方向の巻幅Dの長さを測定した。
(5)サドル:B−C(mm)
パッケージ巻厚方向の端部巻径Bの長さとパッケージ巻厚方向の最小巻径Cの長さの差。
(6)糸落ち:S(個)
ドラム状パッケージ巻厚方向の巻径A部分について、照明の明るさ250ルクス以上1250ルクス以下の地点にて外観を検査し、パッケージ端面の巻厚方向において最内層から10mmの位置から最外層までのパッケージ端面に発生している、長さ10mm以上の糸落ちの個数Sを測定した。尚、最内層から10mmの位置をまたいでいるものは数えない。
(7)繊度(dtex)
JIS L1013(2010) 8.3.1 正量繊度(A法)に準拠して測定した。尚、公定水分率0%とした。
(8)沸騰水収縮率
JIS L1013 8.18.1(a) かせ寸法変化率(A法)に準拠して測定した。
(9)引張強度(cN/dtex)
JIS L1013(2010) 8 .5 引張強さ及び伸び率に準拠して測定した。尚、つかみ間隔500mm、引張速度500mm/minとした。繰り返し3回測定の平均値を用いた。また、パッケージ内層部の引張強度は、パッケージ巻始めから100m以内のモノフィラメントからサンプリングして測定した引張強度の値である。測定されたパッケージ内層部の引張強度を、モノフィラメントの引張強度とした。パッケージ外層部の引張強度とは、最内層から巻厚方向に20mmの位置、パッケージ外層まで20mm間隔の位置、最外層点で、モノフィラメントをサンプリングしてその引張強度を測定し、その平均値である。
ポリ乳酸モノフィラメントパッケージのポリ乳酸モノフィラメントの各引張強度比は次のように算出した。
A.パッケージ形成直後の内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比=(パッケージ内層部モノフィラメントの引張強度/パッケージ外層部モノフィラメントの引張強度)
B.パッケージ形成後、6ヶ月経過のポリ乳酸モノフィラメントパッケージの内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比=(6ヶ月経過のパッケージ内層部モノフィラメントの引張強度/6ヶ月経過のパッケージ外層部モノフィラメントの引張強度)
C.パッケージ形成後、6ヶ月経過のポリ乳酸モノフィラメントパッケージの内層部とパッケージ形成後、1ヶ月経過のポリ乳酸モノフィラメントパッケージの内層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比=(6ヶ月経過のパッケージ内層部モノフィラメントの引張強度/1ヶ月経過のパッケージ内層部モノフィラメントの引張強度)
(10)明度(L値)
パッケージの最外層の位置から採取したポリ乳酸モノフィラメントを用い、黒色の板に密度3g/cmで糸を巻きつけたものをスガ試験機株式会社 SMカラーコンピューター 型式 SM−Tを用い、明度(L値)測定を実施した。
(11)加工糸切れ
整経時および製織時の1万m当たりの糸切れ回数を数えた。1回未満を◎、1〜2回を○、3回以上を×と3段階で判定した。
(12)織物品位
照明の明るさ250ルクス以上1250ルクス以下の地点にて外観を検査し、生機におけるバンド状の光沢差について観察を行った。ヨコヒケがない状態をA、ヨコヒケがやや見られる状態(弱レベル)をB、ヨコヒケが若干みられる状態(弱レベル、BとDの中間)をC、ヨコヒケが断続的に見られる状態(中レベル)をD、強いヨコヒケが断続的に見られる状態(強レベル)をEと5段階で判定した。
(13)重量平均分子量
Waters社製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー2690を用い、ポリスチレンを標準として測定した。
(14)ポリ乳酸ポリマー(P1)
光学純度99.5%のL乳酸から製造したラクチドを、ビス(2−エチルヘキサノエート) スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10000:1)の存在下、チッソ雰囲気下180℃で180分間重合を行い、ポリ乳酸ポリマーP1を得た。
[実施例1〜5、比較例1,2]
重量平均分子量20万のポリ乳酸ポリマーP1を220℃で溶融し、口金孔径φ0.6mmの丸吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、全長1500mmの一方向から冷却風が出る冷却装置により糸条を冷却し、オイリングローラー方式による給油装置により鉱物油主体の紡糸油剤を付与させ、100℃(実測値)に加熱した第1ゴデローラーに3.5回巻き取った後、100℃(実測値)に加熱した第2ゴデローラーに4.5回巻き熱処理を行うとともに第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で3.5倍に延伸した後、カムトラバース方式の巻取り装置にて巻取り速度2500m/minで巻取り、巻取張力を0.18cN/dtex(実施例1)、0.14cN/dtex(実施例2)、0.10cN/dtex(実施例3)、0.08cN/dtex(実施例4)、0.04cN/dtex(実施例5)、0.30cN/dtex(比較例1)、0.03cN/dtex(比較例2)とし、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表1に示す。
尚、得られたドラム状パッケージパッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例1のドラム状パッケージで一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.020個/mm)であり、8パッケージ中4パッケージで1個の糸落ちが発生し、4パッケージが糸落ち0個であった。実施例2においても一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.020個/mm)であり、8パッケージ中2パッケージが1個の糸落ちであり、6パッケージが糸落ち0個であった。実施例3におけるパッケージは、8パッケージ全て糸落ちは0個(0.000個/mm)であった。実施例4におけるパッケージも8パッケージ全て糸落ち個数は0個(0.000個/mm)であった。実施例5においても8パッケージ全て糸落ち0個(0.000個/mm)であった。このように実施例で得られたパッケージはいずれも良好なパッケージ形態であった。一方、比較例1において一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は3個(0.060個/mm)であり、8パッケージ中1パッケージが3個の糸落ち、7パッケージが2個(0.040個/mm)の糸落ちであり、糸落ちが多く発生していた。
また、実施例1〜3、比較例1は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径60mmのドラム状パッケージを得た。同様の操業性評価において、実施例4、5は巻取張力が実施例1〜3と比較してやや低く紡糸糸切れが1回発生し、巻径40mm、巻径30mmのドラム状パッケージを得た。比較例2は巻き取り張力を小さくしたものであるが、巻取張力が低いため、紡糸糸切れが多発し、巻径15mmしか得ることができず、生産効率が低い結果であった。
得られた実施例1〜5、比較例1のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜5は、糸切れ、織物品位について良好な結果であった。特に実施例3、4は、糸切れがなく、織物品位も良好で、より良い結果であった。比較例1は、糸の解舒時にパッケージ端面での糸の引っ掛かりが生じ、糸切れが5回発生した。また、糸落ちおよびサドルによる張力変動によるヒケムラが発生し織物品位は不合格レベルDであった。
Figure 2013032223
[実施例6〜7、比較例3,4]
重量平均分子量20万のポリ乳酸ポリマーP1を220℃で溶融し、口金孔径φ0.6mmの丸吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、全長1500mmの一方向から冷却風が出る冷却装置により糸条を冷却し、オイリングローラー方式による給油装置により鉱物油主体の紡糸油剤を付与させ、第1、2ゴデローラー温度を、40℃(比較例3)、50℃(実施例6)、150℃(実施例7)、170℃(比較例4)(いずれも実測値)に加熱し、第1ゴデローラーに3.5回巻き取った後、第2ゴデローラーに4.5回巻き熱処理を行うとともに第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で3.5倍に延伸した後、カムトラバース方式の巻取り装置にて巻取り速度2500m/minで巻取り、巻取張力0.10cN/dtexとし、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表2に示す。第1、2ゴデローラー温度を100℃で行った実施例3と比較する。
尚、得られたドラム状パッケージ8パッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例3のドラム状パッケージは、8パッケージ全て糸落ちが0個(0.000個/mm)であった。実施例6は一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.020個/mm)であり、8パッケージ中1パッケージが0個の糸落ち、7パッケージが1個の糸落ちであった。実施例7における糸落ち個数は8パッケージ全て0個(0.000個/mm)であった。比較例3は8パッケージ全て糸落ちが0個(0.000個/mm)であった。これらのパッケージについては良好なパッケージ形態であった。
また、実施例3,6は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径60mmのドラム状パッケージを得た。同様の操業性評価において、実施例7は、糸温度が高く巻取挙動が安定しないことに起因した紡糸糸切れが1回発生し、巻径30mmのドラム状パッケージを得た。比較例4はゴデローラーに糸が融着し、紡糸糸切れが多発し、巻径15mmしか得ることができず、生産効率が低い結果であった。また、比較例3は、延伸時の糸温度が低いことに起因した延伸時の応力が増大、不均一延伸となり、失透現象が発生しL値65、引張強度1.5cN/dtexであった。
得られた実施例3,6,7、比較例3のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表2に示す。
実施例3,6,7は、糸切れ、織物品位について良好な結果であった。特に実施例3は、糸切れがなく、織物品位も良好で、より良い結果であった。比較例3は、引張強度1.5cN/dtexと低く、糸切れが10回発生した。また、織物品位は、ヨコヒケだけでなく、繊維自体が白くなっており、織物全体の色目、ヨコムラ等も発生しており不合格レベルEであった。
Figure 2013032223
[実施例8,9]
溶融ポリ乳酸ポリマーP1の吐出量を調整し、延伸倍率を2.5(実施例8)、4.5(実施例9)とした以外は、実施例3(延伸倍率3.5)と同様に溶融紡糸を行い、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表3に示す。
尚、得られたドラム状パッケージ8パッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例8のドラム状パッケージは、糸落ちが8パッケージ全て0個であった(0.000個/mm)。実施例9は糸落ちが1個(0.020個/mm)であり、8パッケージ中4パッケージが0個の糸落ち、4パッケージが1個の糸落ちと良好なパッケージ形態であった。
また、実施例8、9は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径60mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例8、9のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表3に示す。
実施例8は、引張強度2.0cN/dtexとした例であり、糸切れが2回発生した。また、織物品位は合格レベルCであるが、織物としたときの引裂強力が実施例9に比較するとやや低い結果となった。実施例9は、糸切れが1回発生した。織物については、サドルによる張力変動によるやや軽度なヒケが見られたが、織物品位は合格レベルBであった。
[実施例10〜12]
溶融ポリ乳酸ポリマーP1の吐出量を調整し、巻取速度を1500m/min(実施例10)、3000m/min(実施例11)、4500m/min(実施例12)とした以外は、実施例3(巻取速度2500m/min)と同様に溶融紡糸を行い、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表3に示す。
尚、得られたドラム状パッケージ8パッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例10のドラム状パッケージは、8パッケージ全て糸落ちが0個(0.000個/mm)であった。実施例11も8パッケージ全て糸落ちが0個(0.000個/mm)であった。実施例12は一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数が1個(0.025個/mm)であり、8パッケージ中5パッケージが1個の糸落ち、3パッケージが0個の糸落ちと良好なパッケージ形態であった。
実施例10、11は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径60mmのドラム状パッケージを得た。同様の操業性評価において、実施例12は、巻取速度が速いことに起因した紡糸糸切れが1回発生し、巻径50mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例10〜12のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。
実施例11は、糸切れ、織物品位について良好な結果であった。実施例10は、引張強度が2.5cN/dtexとやや低く、糸切れが1回発生した。また、織物品位は合格レベルBであるが、織物としたときの引裂強力がやや低い結果となった。実施例12は、糸切れが2回発生した。織物については、サドルによる張力変動による軽度なヒケが見られたが、織物品位は合格レベルCであった。
[実施例13,14]
溶融ポリ乳酸ポリマーP1の吐出量を調整し、繊度を10デシテックス(実施例13)、45デシテックス(実施例14)とした以外は、実施例3(繊度28デシテックス)と同様に溶融紡糸を行い、ポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表3に示す。
尚、得られたドラム状パッケージ8パッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例13のドラム状パッケージは、8パッケージ全て糸落ちが0個(0.000個/mm)であった。実施例14で一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.020個/mm)であり、8パッケージ中4パッケージが1個の糸落ち、4パッケージが0個の糸落ちと良好なパッケージ形態であった。
また、実施例14は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径60mmのドラム状パッケージを得た。同様の操業性評価において、実施例13は、細繊度に起因した紡糸糸切れが1回発生し、巻径50mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例13、14のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。
実施例13は、糸切れ、織物品位について良好な結果であった。実施例14は糸切れが1回発生した。織物については、やや軽度なヒケが見られたが、織物品位は合格レベルBであった。
[実施例15,16]
ビス(2−エチルヘキサノエート) スズ触媒量を調整し、重量平均分子量を15万(実施例15)、35万(実施例16)のポリ乳酸ポリマーとした以外は、実施例3(20万)と同様に溶融紡糸を行い、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表3に示す。
尚、得られたドラム状パッケージ8パッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例15のドラム状パッケージは、8パッケージ全て糸落ちが0個(0.000個/mm)であった。実施例16で一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.020個/mm)であり、8パッケージ中6パッケージが1個の糸落ち、2パッケージが0個の糸落ちと良好なパッケージ形態であった。
また、実施例16は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径60mmのドラム状パッケージを得た。同様の操業性評価において、実施例15は、紡糸糸切れが1回発生し、巻径50mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例15,16のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。
実施例15は糸切れが1回発生した。織物については、やや軽度なヒケが見られたが、織物品位は合格レベルBであった。実施例16は、糸切れが3回発生した。織物については、軽度なヒケが見られたが、織物品位は合格レベルCであった。
Figure 2013032223
[実施例17〜21、比較例5,6]
重量平均分子量20万のポリ乳酸ポリマーP1を220℃で溶融し、口金孔径φ0.6mmの丸吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、全長1500mmの一方向から冷却風が出る冷却装置により糸条を冷却し、オイリングローラー方式による給油装置により鉱物油主体の紡糸油剤を付与させ、100℃(実測値)に加熱した第1ゴデローラーに3.5回巻き取った後、100℃(実測値)に加熱した第2ゴデローラーに4.5回巻き熱処理を行うとともに第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で延伸張力0.20cN/dtexで延伸した後、カムトラバース方式の巻取り装置にて巻き幅50mm、巻取り速度2500m/minで巻取り、巻取張力を0.18cN/dtex(実施例17)、0.14cN/dtex(実施例18)、0.10cN/dtex(実施例19)、0.07cN/dtex(実施例20)、0.05cN/dtex(実施例21)、0.30cN/dtex(比較例5)、0.03cN/dtex(比較例6)とし、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表4に示す。
尚、得られたドラム状パッケージパッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例17のドラム状パッケージで一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.025個/mm)であり、8パッケージ中4パッケージで1個の糸落ちが発生し、4パッケージが糸落ち0個であった。実施例18においても一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.025個/mm)であり、8パッケージ中1パッケージが1個の糸落ちであり、7パッケージが糸落ち0個であった。実施例19におけるパッケージは、8パッケージ全て糸落ちは0個(0.000個/mm)であった。実施例20におけるパッケージも8パッケージ全て糸落ち個数は0個(0.000個/mm)であった。実施例21においても8パッケージ全て糸落ち0個(0.000個/mm)であった。このように実施例で得られたパッケージはいずれも良好なパッケージ形態であった。一方、比較例5において一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は3個(0.075個/mm)であり、8パッケージ中1パッケージが3個の糸落ち、7パッケージが2個(0.050個/mm)の糸落ちであり、糸落ちが多く発生していた。
また、実施例19〜21は適正な巻取張力で巻取を行ったため、パッケージ内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比に差が見られなかったが、実施例17,18、比較例5は高い巻取張力で巻取を行ったため、実施例19〜21と比較してやや低く、それぞれ0.97、0.99、0.95のドラム状パッケージを得た。
また、実施例17〜19、比較例5は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径50mmのドラム状パッケージを得た。同様の操業性評価において、実施例20、21は巻取張力が実施例17〜19と比較してやや低く紡糸糸切れが1回発生し、巻径35mm、巻径30mmのドラム状パッケージを得た。比較例6は巻き取り張力を小さくしたものであるが、巻取張力が低いため、紡糸糸切れが多発し、巻径10mmしか得ることができず、生産効率が低い結果であった。
得られた実施例17〜21、比較例5のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表1に示す。
実施例17〜21は、糸切れ、織物品位について良好な結果であった。特に実施例19、20は、糸切れがなく、織物品位も良好で、より良い結果であった。比較例5は、糸の解舒時にパッケージ端面での糸の引っ掛かりが生じ、糸切れが5回発生した。また、糸落ちおよびサドルによる張力変動によるヒケムラが発生し織物品位は不合格レベルDであった。
Figure 2013032223
[実施例22,23、比較例7]
重量平均分子量20万のポリ乳酸ポリマーP1を220℃で溶融し、口金孔径φ0.6mmの丸吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、全長1500mmの一方向から冷却風が出る冷却装置により糸条を冷却し、オイリングローラー方式による給油装置により鉱物油主体の紡糸油剤を付与させ、100℃(実測値)に加熱した第1ゴデローラーに3.5回巻き取った後、100℃(実測値)に加熱した第2ゴデローラーに4.5回巻き熱処理を行うとともに第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で延伸張力を0.30cN/dtex(実施例22)、0.35cN/dtex(実施例23)、0.40cN/dtex(比較例7)で延伸した後、カムトラバース方式の巻取り装置にて巻き幅50mm、巻取り速度2500m/minで巻取り、巻取張力を0.18cN/dtexとし、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表5に示す。延伸張力を0.20cN/dtexで行った実施例17と比較する。
尚、得られたドラム状パッケージパッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例17,22,23、比較例7のドラム状パッケージで一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.025個/mm)であり、8パッケージ中4パッケージで1個の糸落ちが発生し、4パッケージが糸落ち0個であった。このように得られたパッケージはいずれも良好なパッケージ形態であった。
また、実施例17,22、23は巻取張力が高く、パッケージ内層/外層強度比が0.97,0.95,0.94であり、さらに延伸張力を高く巻取を行ったため、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が、それぞれ0.97、0.94、0.93のドラム状パッケージを得た。比較例7はさらに延伸張力が高く、失透現象が起こっていたため明度が62を超え、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が0.87のドラム状パッケージを得た。
また、実施例17,22,23、比較例7は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径50mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例17,22,23、比較例7のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表5に示す。
実施例17,22,23は、糸切れ、織物品位について良好な結果であった。しかしながら、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が低くなることで、加工時の安定性が低下することがわかった。比較例7は、サドルによる張力変動に伴うヒケムラおよび延伸張力が高いことによる失透現象により、繊維自体が白くなっており、織物全体の色目も悪く不合格レベルEであった。さらに、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が0.87であるため、加工糸切れ6回と非常に多く、操業が困難な状態であった。
Figure 2013032223
[実施例24,25、比較例8]
重量平均分子量20万のポリ乳酸ポリマーP1を220℃で溶融し、口金孔径φ0.6mmの丸吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、全長1500mmの一方向から冷却風が出る冷却装置により糸条を冷却し、オイリングローラー方式による給油装置により鉱物油主体の紡糸油剤を付与させ、100℃(実測値)に加熱した第1ゴデローラーに3.5回巻き取った後、100℃(実測値)に加熱した第2ゴデローラーに4.5回巻き熱処理を行うとともに第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で延伸張力を0.10cN/dtex(実施例24)、0.05cN/dtex(実施例25)、0.03cN/dtex(比較例8)で延伸した後、カムトラバース方式の巻取り装置にて巻き幅50mm、巻取り速度2500m/minで巻取り、巻取張力を0.05cN/dtexとし、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表6に示す。延伸張力を0.20cN/dtexで行った実施例21と比較する。
尚、得られたドラム状パッケージパッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例21,24,25、比較例8のドラム状パッケージで一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は0個(0.000個/mm)であり、8パッケージ糸落ち0個であった。このように得られたパッケージはいずれも良好なパッケージ形態であった。
また、実施例21,24,25、比較例8は延伸張力、巻取速度が適正および巻取張力が低いため、パッケージ内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比に差が見られないドラム状パッケージを得た。
また、実施例21,24は100kgの原料を用いての操業性評価で延伸張力がやや低く紡糸糸切れが1回発生し、巻径30mm、実施例25は100kgの原料を用いての操業性評価で延伸張力がやや低く紡糸糸切れが2回発生し、巻径25mmのドラム状パッケージを得た。比較例8はさらに延伸張力を小さくしたものであるが、延伸張力が低いため、延伸糸切れが多発し、巻径5mmしか得ることができず、生産効率が低い結果であった。
得られた実施例21,24,25のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表6に示す。
実施例21,24,25は、糸切れ、織物品位について良好な結果であった。
Figure 2013032223
[実施例26,27、比較例9]
重量平均分子量20万のポリ乳酸ポリマーP1を220℃で溶融し、口金孔径φ0.6mmの丸吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、全長1500mmの一方向から冷却風が出る冷却装置により糸条を冷却し、オイリングローラー方式による給油装置により鉱物油主体の紡糸油剤を付与させ、第1、2ゴデローラー温度を、50℃(実施例26)、150℃(実施例27)、170℃(比較例9)(いずれも実測値)に加熱し、第1ゴデローラーに3.5回巻き取った後、第2ゴデローラーに4.5回巻き熱処理を行うとともに第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で延伸張力0.35cN/dtexで延伸した後、カムトラバース方式の巻取り装置にて巻き幅50mm、巻取り速度2500m/minで巻取り、巻取張力0.18cN/dtexとし、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表7に示す。第1、2ゴデローラー温度を100℃で行った実施例23と比較する。
尚、得られたドラム状パッケージ8パッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例27のドラム状パッケージで一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は0個(0.000個/mm)であり、8パッケージ糸落ち0個であった。実施例23,26のドラム状パッケージは、一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.025個/mm)であり、8パッケージ中4パッケージが0個の糸落ち、4パッケージが1個の糸落ちであった。これらのパッケージについては良好なパッケージ形態であった。
また、実施例23,27、比較例9は延伸、巻取張力が高いため、パッケージ内層/外層の強度比が0.94、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が0.93のドラム状パッケージを得た。第1、2ゴデローラー温度が低い実施例23は延伸時の糸温度が低いことに起因した延伸時の応力が増大、不均一延伸となったため、パッケージ内層/外層の強度比が0.92であった。6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比は0.91と低下したドラム状パッケージを得た。
また、実施例23,26は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径50mmのドラム状パッケージを得た。同様の操業性評価において、実施例27は、糸温度が高く巻取挙動が安定しないことに起因した紡糸糸切れが1回発生し、巻径25mmのドラム状パッケージを得た。比較例9はゴデローラーに糸が融着し、紡糸糸切れが多発し、巻径5mmしか得ることができず、生産効率が低い結果であった。
得られた実施例23,26,27のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表2に示す。
実施例23,26,27は延伸、巻取張力が高いため、パッケージ内層/外層の強度差があるため、加工糸切れが発生しており、それぞれ実施例23,26が2回、実施例27が1回の糸切れである。織物品位について、実施例23,27は延伸張力が高いため、明度の上昇が起こり、織物の色目が白くなったため、織物品位は合格レベルBとなった。さらに糸温度が低い実施例26はより明度が高くなり織物の色目が白くなったため、織物品位は合格レベルCという結果であった。
Figure 2013032223
[実施例28,29、比較例10]
重量平均分子量20万のポリ乳酸ポリマーP1を220℃で溶融し、口金孔径φ0.6mmの丸吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、全長1500mmの一方向から冷却風が出る冷却装置により糸条を冷却し、オイリングローラー方式による給油装置により鉱物油主体の紡糸油剤を付与させ、50℃(実測値)に加熱した第1ゴデローラーに3.5回巻き取った後、50℃(実測値)に加熱した第2ゴデローラーに4.5回巻き熱処理を行うとともに第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で延伸張力を0.35cN/dtexで延伸した後、カムトラバース方式の巻取り装置にて巻き幅50mm、巻取り速度1500m/min(実施例28)、4500m/min(実施例29)、5500m/min(比較例10)で巻取り、巻取張力を0.18cN/dtexとし、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表8に示す。巻取速度2500m/minで行った実施例26と比較する。
尚、得られたドラム状パッケージパッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例28のドラム状パッケージで一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.025個/mm)であり、8パッケージ中3パッケージで1個の糸落ちが発生し、5パッケージが糸落ち0個であった。実施例26のドラム状パッケージで一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.025個/mm)であり、8パッケージ中4パッケージで1個の糸落ちが発生し、4パッケージが糸落ち0個であった。実施例29のドラム状パッケージで一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.025個/mm)であり、8パッケージ中7パッケージで1個の糸落ちが発生し、1パッケージが糸落ち0個であった。このように得られたパッケージはいずれも良好なパッケージ形態であった。一方、比較例10において一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は3個(0.075個/mm)であり、8パッケージ中1パッケージが3個の糸落ち、7パッケージが2個(0.050個/mm)の糸落ちであり、糸落ちが多く発生していた。
また、実施例26,28,29は巻取張力が高く、第1,2ゴデローラー温度が低いため、パッケージ内層/外層の強度比が0.92,0.93,0.92のドラム状パッケージを得た。さらに巻取速度の速い比較例10はパッケージ内層/外層の強度比が0.89のドラム状パッケージを得た。
また、実施例26,28は延伸張力を高く巻取を行ったため、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が0.91、0.92のドラム状パッケージを得た。さらに巻取速度が速い実施例29は6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が0.90のドラム状パッケージを得た。一方、比較例10は延伸、巻取張力が高く、巻取速度も速いため、失透現象が進行し明度62.5となり、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が0.87と内外層に大きな物性差があるドラム状パッケージを得た。
また、実施例26,28,29、比較例10は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径50mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例26,28,29、比較例10のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表8に示す。
実施例26,28,29は、延伸、巻取張力が高く、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比があるため、糸切れ2回、織物品位について明度が高いため、織物品位は合格レベルCという結果であった。一方、比較例10は延伸張力が高いことによる失透現象により繊維自体の白化が発生しており、織物全体の色目が悪く、また、サドルによる張力変動に伴うヒケムラが発生しており、不合格レベルEであった。さらに、パッケージ内層部と外層部の強度比が0.89、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が0.87であるため、加工糸切れが10回と非常に多く、操業が困難な状態であった。
Figure 2013032223
[実施例30,31、比較例11]
重量平均分子量20万のポリ乳酸ポリマーP1を220℃で溶融し、口金孔径φ0.6mmの丸吐出孔を円周状に4孔配列した紡糸口金より糸条を吐出し、全長1500mmの一方向から冷却風が出る冷却装置により糸条を冷却し、オイリングローラー方式による給油装置により鉱物油主体の紡糸油剤を付与させ、第1、2ゴデローラー温度を、40℃(比較例11)、50℃(実施例30)、150℃(実施例31)(いずれも実測値)に加熱し、第1ゴデローラーに3.5回巻き取った後、第2ゴデローラーに4.5回巻き熱処理を行うとともに第1ゴデローラーと第2ゴデローラー間で延伸張力0.05cN/dtexで延伸した後、カムトラバース方式の巻取り装置にて巻き幅50mm、巻取り速度2500m/minで巻取り、巻取張力0.05cN/dtexとし、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表9に示す。第1、2ゴデローラー温度を100℃で行った実施例25と比較する。
尚、得られたドラム状パッケージ8パッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例25,30,31、比較例11のドラム状パッケージは、一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は0個(0.000個/mm)であり、8パッケージ中8パッケージが0個の糸落ちであった。これらのパッケージについては良好なパッケージ形態であった。
また、実施例25,31は延伸・巻取張力が低く、第1、2ゴデローラー温度が適正であるため、パッケージ内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比に差が見られないドラム状パッケージを得た。
また、実施例30、比較例11は第1、2ゴデローラー温度が低いことに起因した延伸時の応力が増大、不均一延伸となったため、パッケージ内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が0.98,0.94と低下したドラム状パッケージを得た。
また、実施例25,30、比較例11は100kgの原料を用いての操業性評価で延伸、巻取張力が低いことに起因する延伸、紡糸切れが1回ずつ発生し、巻径25mmのドラム状パッケージを得た。同様の操業性評価において、糸温度が高い実施例31はさらに延伸糸切れが1回起こったため、巻径が20mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例25,30,31、比較例11のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表9に示す。
実施例25,31は、糸切れ、織物品位について良好な結果であった。実施例30は織物品位について良好であったが、引張強度が低いことに起因する糸切れが2回発生した。一方、比較例11はパッケージ内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比は0.94であったが、引張強度が低いため、加工糸切れが5回発生し、操業不調な結果であった。さらに糸温度が低いことに起因する不均一延伸による失透現象から明度が62.5と悪く、繊維自体が白くなっており、織物全体の色目が悪く不合格レベルEであった。
Figure 2013032223
[実施例32,33]
溶融ポリ乳酸ポリマーP1の吐出量を調整し、繊度を10デシテックス(実施例32)、45デシテックス(実施例33)とした以外は、実施例19(繊度28デシテックス)と同様に溶融紡糸を行い、ポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表10に示す。
尚、得られたドラム状パッケージ8パッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例32のドラム状パッケージは、8パッケージ全て糸落ちが0個(0.000個/mm)であった。実施例33で一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は1個(0.025個/mm)であり、8パッケージ中7パッケージが1個の糸落ち、1パッケージが0個の糸落ちと良好なパッケージ形態であった。
また、実施例32,33は適正な延伸張力、巻取速度で巻取を行ったため、パッケージ内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比に差は見られなかった。
また、実施例32,33は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径50mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例32,33のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。
実施例32は、細繊度であることによる糸切れが2回発生したが、織物品位について良好な結果であった。実施例33は糸落ちに起因する糸切れが1回発生し、織物品位についてはサドルが高いため軽度なヒケが見られ、織物品位は合格レベルCであった。
[実施例34,35]
ビス(2−エチルヘキサノエート) スズ触媒量を調整し、重量平均分子量を15万(実施例34)、35万(実施例35)のポリ乳酸ポリマーとした以外は、実施例19(20万)と同様に溶融紡糸を行い、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表10に示す。
尚、得られたドラム状パッケージ8パッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例34,35のドラム状パッケージは、8パッケージ全て糸落ちが0個(0.000個/mm)と良好なパッケージ形態であった。
また、実施例35は適正な延伸張力、巻取速度で巻取を行ったため、パッケージ内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比に差は見られなかった。実施例34は重量平均分子量が低いため結晶化しやすく、逆に小さな延伸張力、巻取張力、巻取速度の影響を大きく受けたため、パッケージ内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比が0.95と低いドラム状パッケージを得た。
また、実施例34,35は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径50mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例34,35のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。
実施例34は重量平均分子量が低く、強度および強度比が低いことに起因する糸切れが1回発生したが、織物品位について良好な結果であった。実施例35は糸切れはないが、重量平均分子量が高くなったことによる、延伸時の配向度の向上により、明度の上昇が起こり、織物の色目が白くなったため、織物品位は合格レベルBとなった。
[実施例36,37]
カムトラバース方式の巻取り装置にて巻き幅90mm(実施例36)、巻き幅120mm(実施例37)とした以外は、実施例19(20万)と同様に溶融紡糸を行い、28デシテックスのポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージを得た。
得られたドラム状パッケージの形態、モノフィラメントの物性を表10に示す。
尚、得られたドラム状パッケージパッケージについて、一番多く糸落ちしているドラム状パッケージの糸落ち個数を数えた。
実施例36,37のドラム状パッケージで一番多く糸落ちしたパッケージの糸落ち個数は0個(0.000個/mm)であり、8パッケージ全て糸落ちは0個であり、得られたパッケージはいずれも良好なパッケージ形態であった。
また、実施例36,37は巻き幅のみ変更なため、実施例19と同様にパッケージ内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/外層の強度比、6ヶ月経過内層/1ヶ月経過内層の強度比は差が見られないドラム状パッケージを得た。
また、実施例36,37は100kgの原料を用いての操業性評価で紡糸糸切れがなく、巻径30mm、巻径20mmのドラム状パッケージを得た。
得られた実施例36,37のドラム状パッケージを、織物緯糸用に用い、エアジェット織機にて1反分の製織評価を行った。結果を表10に示す。
実施例36は、糸切れ、織物品位について良好な結果であった。実施例37も糸切れはないが、巻き幅が120mmと大きくなったことに起因する解舒時の端面への糸当たりによる張力変動に伴う微小なヒケが発生し、織物品位は合格レベルBとなった。
Figure 2013032223
A:パッケージ巻厚方向の巻径(mm)
B:パッケージ巻厚方向の端部巻径(mm)
C:パッケージ巻厚方向の最小巻径(mm)
D:パッケージ巻幅方向の巻幅(mm)
E:糸落ち測定領域
1:スピンブロック
2:紡糸口金
3:冷却装置
4:紡糸ダクト
5:給油装置
6、6’:第1ゴデローラー
7、7’:第2ゴデローラー
F:紡出糸条
8:巻取装置

Claims (7)

  1. 50重量%以上が乳酸モノマーで構成され、引張強度が2.0cN/dtex以上のポリ乳酸モノフィラメントからなるドラム状パッケージにおいて、パッケージ巻厚方向の巻径A(mm)とパッケージ端面にある長さ10mm以上の糸落ち個数S(個)が下記式(I)かつ(II)の関係であることを特徴とするポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
    A≧20・・・・・・・・(I)
    S/(A−10)≦0.025・・・(II)
  2. パッケージ内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比が0.9以上であることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
  3. ポリ乳酸モノフィラメントの明度が62以下であることを特徴とする請求項1または2記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
  4. パッケージ形成後6ヶ月経過のポリ乳酸パッケージ内層部と外層部のポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比が0.9以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
  5. パッケージ形成後1ヶ月経過のポリ乳酸パッケージとパッケージ形成後6ヶ月経過のポリ乳酸パッケージのポリ乳酸モノフィラメントの引張強度比が0.9以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージ。
  6. 溶融吐出した50重量%以上が乳酸モノマーで構成されるポリ乳酸モノフィラメントを冷却し、50℃〜150℃で加熱延伸し、巻取張力を0.04cN/dtex〜0.20cN/dtexで巻き取ることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージの製造方法。
  7. 巻取速度を1500〜5000m/min、延伸張力0.04cN/dtex〜0.35cN/dtexで巻き取ることを特徴とする請求項6記載のポリ乳酸モノフィラメントのドラム状パッケージの製造方法。
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