JP6273836B2 - 異形断面ポリアミドマルチフィラメント、およびその製造方法 - Google Patents

異形断面ポリアミドマルチフィラメント、およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、吸水速乾性および吸放湿性に優れた異形断面ポリアミドマルチフィラメントに関する。更には単糸細繊度化及び単糸間での断面形成性のバラツキや繊度ムラを少なくすることにより、短時間での吸放湿性が飛躍的に向上し、肌触りに優れた高品位な織編物などの布帛を得るのに好適な異形断面ポリアミドフィラメントに関する。
合成繊維の一つであるポリアミドマルチフィラメントは、力学特性や寸法安定性に優れるため、主にパンティストッキングやタイツといったレッグウェア、ランジェリーやショーツなどインナーウェア、スポーツ・カジュアルウェアなどの衣料用途を中心に幅広く利用されている。
特に、インナーウェアにおいては近年、肌と接触した際の快適性に関して、より高い機能性を求められている。
例えば、特許文献1に示す、吸水性および吸湿性を持たせることを目的とした、ポリビニルピロリドンを含有した異形断面ポリアミドマルチフィラメントについては、その製造法から、単糸細繊度化とした際に安定した断面形成性や繊度ムラを得ることが難しく、その結果、安定した吸水性及び吸湿性を得ることが難しい。
また、特許文献2に示される特殊な溶融冷却装置を用いることでは断面形成性や繊度ムラの安定化に有効であるが、ポリビニルピロリドンを含有すると、単糸細繊度のポリアミドマルチフィラメントにおいては断面形成性や繊度ムラの安定性を得ることが非常に難しくなるため、溶融紡糸技術の極限追求が必要である。
特開2006−233380号公報 特開2011−74539号公報
本発明は、吸水速乾性及び短時間における高吸放湿性に優れたポリアミドマルチフィラメント、およびその製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。
(1)マルチフィラメント中にポリビニルピロリドンを3〜7重量%含有し、2つ以上の異なる断面形状の単糸を有している、下記の範囲にあることを特徴とする異形断面ポリアミドマルチフィラメント。
A.単糸繊度が0.2〜1.3dtex
B.1糸条に含まれるフィラメント数が10〜150fil
C.少なくとも1種類の単糸Aが丸断面糸
D.少なくとも1種類の単糸Bが2つ以上の凹部を有した異形断面糸
E.2つ以上の凹部を有する単糸Bのフィラメント数の比率が、マルチフィラメントの全フィラメント数の30〜70%
F.単糸Bのローバル度(LB)が5〜50%
G.単糸B内の各凹部のローバル度バラツキ(変動係数CV%)が10%以下
H.測定器ツェルベガーウスター株式会社製 UT3タイプを用いて糸長150mを速度50m/minで測定した、糸条の繊度ムラが0.80%以下
(2)ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリヘキサメチレンアジパミドから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする(1)に記載の異形断面ポリアミドマルチフィラメント。
(3)2つ以上の凹部を有する異形断面糸である単糸Bにおいて、3〜8つの凹部と同数の凸部を有し、それぞれが等角度間隔の放射状に突起している異形断面であることを特徴とする(1)または(2)に記載の異形断面ポリアミドマルチフィラメント。
(4)異形断面ポリアミドマルチフィラメントの溶融紡糸方法において、ポリビニルピロリドンを3〜7重量%含有するポリアミドポリマーを紡糸口金から溶融吐出し、該紡糸口金の外周部に円周状に配列された吐出孔を有する紡糸口金の中心部から真下に、円周状に配列された吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側に溶融紡糸糸条を強制冷却する冷却装置を有しており、且つ下記A〜C項を満足することを特徴とする前記(1)記載の異形断面ポリアミドマルチフィラメントの製造方法。
A.紡糸口金に設けられた1糸条分の吐出孔の配列について、ひとつの吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔(n)が3mm≦n≦8mm
B.紡糸口金面から冷却装置の冷却開始位置までの距離(L)が10mm≦L≦40mm
C.冷却装置の冷却風吹き出し部の長さ(D)が100mm≦D≦600mm
本発明により、吸水速乾性及び短時間における高吸放湿性に優れた異形断面ポリアミドマルチフィラメントを提供することができる。
本発明の単糸Bとして6対の凹凸を有する異形断面形状を説明する摸式図。 本発明の単糸Bとして3対の凹凸を有する異形断面形状を説明する摸式図。 本発明で好ましく用い得る冷却装置の概略図。
本発明は、2つ以上の異なる断面形状の単糸を有し、ポリビニルピロリドンを3〜7重量%含有するポリアミドマルチフィラメントであり、特定の形状を有するものであり、それらの単糸の比およびフィラメント数が特定の範囲にあるものである。
本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントを構成するポリアミドは、ナイロン6、ナイロン8、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610などが例示され、炭化水素基がアミド結合を介して連結された高分子量体であり、その種類は特に限定されないが、ポリカプロアミド、ポリヘキサメチレンアジパミドが好ましく、より好ましくはポリカプロアミドであることがポリビニルピロリドンとの相溶性の点から好ましい。
本発明のポリアミドマルチフィラメントは、ポリビニルピロリドンを3〜7重量%含有する。ポリビニルピロリドン含有率が3重量%未満の場合には、吸湿性が不十分となる。ポリビニルピロリドン含有率が7重量%を超える場合には、繊維化した際の構造がルーズとなり製糸性が劣るため、特定の形状を持続的に形成できず、吸水速乾性を発現できない。
また、本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントに含有させるポリビニルピロリドンとしては、ポリビニルピロリドン中に含まれるビニルピロリドン含有率をポリビニルピロリドンに対して0.1重量%以下とすることが好ましく、さらに好ましくは0.05重量%以下である。このビニルピロリドン含有率が好ましい範囲に有る場合には、未染色状態でのイエローインデックスを10以下とすることができ、衣料用として好適な色調のくすみのない繊維が得られるのである。ビニルピロリドン含有率が0.1重量%以下のポリビニルピロリドンは、重合時に溶媒としてイソプロピルアルコールを用いることにより得られる。また、その際に、重合開始剤として過酸化水素系の触媒を用いないことで、ビニルピロリドンの発生を抑制できるため、重合開始剤として過酸化水素系の触媒を用いないことが好ましい。また、ポリビニルピロリドンは、そのK値が20〜70であることが好ましく、さらに好ましくは20〜60である。K値はポリビニルピロリドンの重合度に関係する指標であり、ポリビニルピロリドンの重合度を測定するのに、一般的に用いられる指標である。以下にその求め方を示す。
ポリビニルピロリドンを濃度1%の水溶液とし、その相対粘度を測定し、Fikentscher式により、k値を求める。
logZ=C[75k/(1+1.5kC)+k]
ここで、Zは濃度Cの水溶液の相対粘度、Cは水溶液の濃度を溶液濃度で示したものである。求めたk値を1000倍することでK値が求められる。測定は3回行い、その平均値を用いる。K値が高くなりすぎると、ポリアミド中に練り込む際の粘度上昇が大きくなり、溶融吐出によるチップ化が困難となり、生産性が低下する。一方、K値が20未満である場合には、ポリアミド中に練り込んだ際に、ポリアミド分子鎖とポリビニルピロリドンとの絡み合いが弱く、水溶性の高いポリビニルピロリドンが、ポリマー表面にブリードアウトしやすくなる。
このように水溶性成分の溶出率を抑制するためには、ポリビニルピロリドンとポリアミドとの分子鎖の絡み合いを強くする手法が望ましい。例えば、ポリビニルピロリドンをエクストルーダーにより、ポリアミド中に練り込み、マスターポリマーとする方法が、ポリアミドとポリビニルピロリドン分子鎖の絡み合いを強くすることができて好ましい。その練り込みは、低酸素濃度での練り込み法により行うことが、紡糸時の糸切れを低減させるために好ましく、窒素などの不活性気体をホッパーやシリンダーに流して、酸素濃度を低減させる方法をとるのが好ましい。マスターポリマー中にポリビニルピロリドンを練り込む場合のポリビニルピロリドンの含有量は10〜50重量%であるのが好ましい。このようにして得たマスターポリマーチップは、実質的にポリビニルピロリドン無添加のポリアミドチップとチップブレンドして、ポリビニルピロリドン含有量を調整した後に、溶融紡糸され常法により繊維化される。
本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントは、その効果が阻害されない限り、その他の添加剤を添加することができ、その種類は特に限定されない。
本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントは、2つ以上の異なる断面形状のフィラメントから構成され、丸断面形状の単糸A、2つ以上の凹部を有する断面形状の単糸Bを有する。
本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントの単糸繊度は、丸断面形状の単糸Aおよび2つ以上の凹部を有する単糸Bについて、いずれもその平均値が0.2〜1.3dtexであり、好ましくは0.3〜1.3dtexである。単糸繊度の平均値が0.2dtex未満であると製糸工程での糸切れが多発し、本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントの安定生産が困難になる。また逆に、1.3dtexよりも大きい場合には高吸放湿性の効果に欠ける。
本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントの、2つ以上の凹部を有する単糸Bの、フィラメント数の比率は、30〜70%の範囲であることが吸水性付与の観点から必要であり、さらに好ましくは45〜55%の範囲であり、より好ましくは50%つまりは同数である。
本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントの異形断面形状は、2つ以上の凹部を有するいわゆるマルチローバルであることが重要である。凹部がない場合や凹部が1つの場合は、マルチフィラメントの単糸間に十分な空隙を得ることができないため、布帛にした際の吸水性等の機能面で劣ることとなる。より好ましい異形断面形状としては3〜8つの凹部と同数の凸部を有し、凸部がそれぞれ等角度間隔の放射線状に突起した異形断面形状であり、織編物などの布帛にした際に吸水性に併せてマイルドな光沢感が得られる。さらに好ましくは3〜6つの凹部と同数の凸部を有し、凸部がそれぞれ等角度間隔の放射状に突起した異形断面であることが望ましい。
また、本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントの異形断面形状は、2つ以上の凹部を有する異形単糸10本を選定し、各単糸内にあるすべての凹部の凹度(ローバル度LB)がそれぞれ5〜50%の範囲であることが重要である。好ましくは10〜40%の範囲であり、さらに好ましくは20〜30%の範囲である。ローバル度LBが50%を越えると、高次加工工程での糸切れや織編物の布帛にした際にスジや濃淡ムラが発生し、また逆に5%未満の場合には布帛にした際の吸水、速乾性などの機能性が劣る。
また、本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントの異形断面形状は、2つ以上の凹部を有する異形単糸について、その単糸内にある各凹部の凹度(ローバル度LB)バラツキが変動係数CV%で10%以下となることが重要である。好ましくは7%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。ローバル度LBバラツキが変動係数CV%で10%を越えると、織編物の布帛にした際に粗密感が発生するばかりか、単糸内にある各凹部のローバル度LBがばらつくことで反射強度や光沢感が不均一となり、染色後のスジや濃淡ムラが発生し満足できる風合いとはならないだけでなく、安定した吸水速乾性、及び吸放湿性が得られない。
単糸内のローバル度バラツキ(変動係数CV%)は以下の方法で算出する。
(1)2つ以上の凹部を有する異形単糸10本をランダムに選定する(単糸数が10以下の場合は全ての異形単糸を測定する)。
(2)各単糸について、その単糸内にある全ての凹部のローバル度LBを測定し、単糸毎に標準偏差(不偏分散により算出)σと平均値xを算出する。
(3)各単糸について、標準偏差(不偏分散により算出)σに対する平均値xの比の百分率(変動係数CV%)を算出する。変動係数CV%=100×σ/x
また、本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントの異形断面形状は、2つ以上の凹部を有する異形単糸について、その単糸内にある各凹部のローバル度LBの平均値を算出し、その平均値の単糸間バラツキが変動係数CV%で10%以下となることが好ましい。さらに好ましくは7%以下、より好ましくは5%以下である。単糸間のローバル度LBバラツキが変動係数CV%で10%を越えると、織編物の布帛にした際に粗密感が発生し、安定した吸水速乾性、及び吸放湿性が得られない。
単糸間のローバル度バラツキ(変動係数CV%)は以下の方法で算出する。
(1)2つ以上の凹部を有する異形単糸10本をランダムに選定する(単糸数が10以下の場合は全ての異形単糸を測定する)。
(2)各単糸について、その単糸内にある全ての凹部のローバル度LBを測定し、単糸毎に平均値xを算出する。
(3)単糸毎に算出した平均値xについて、その標準偏差(不偏分散により算出)Σと総平均値Xを算出する。
(4)標準偏差(不偏分散により算出)Σに対する総平均値Xの比の百分率(変動係数CV%)を算出する。
変動係数CV%=100×Σ/X
ローバル度LBについて説明すると、図1に示す通り、ローバル度LBとは異形断面及びリアミドマルチフィラメントの異形断面糸の横断面において、隣り合う2つの凸部における接点SとSとの接線の長さaに対する、それら2つの凸部の間に形成される凹部の低点から該接線におろした垂線の長さbの比の百分率(%)をいう。すなわち、LB(%)=100×b/aで算出される。
本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントは、丸断面形状の単糸との混繊とすることで染色後のスジの発生を極限まで抑えることができ、また単糸間の空隙率が小さくなることで毛細管現象が働き、布帛とした際により高い吸水性を付与することがでる。ここでいう、丸断面糸とは、真円、楕円、レンズ等の形状のいわゆる丸状の単糸をいうが、より好ましい形状としては真円型である。ここで、真円型とは厳密に真円である必要はなく、例えば通常の丸孔の吐出孔から紡出して得られるような繊維断面に代表されるような形状等のいわゆる丸断面であればよい。
さらに、混繊異形断面ポリアミドマルチフィラメントにおける繊度ムラは0.80%以下であることが、染色スジ抑制の観点から好ましく、さらに好ましくは0.70%以下、より好ましくは0.50%以下である。繊度ムラが大きいと、製糸工程での糸切れや織編物の布帛にした際にスジや濃淡ムラが発生しやすくなるだけでなく、安定した吸水速乾性、及び吸放湿性が得られない。
本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントは、上記のとおり単糸繊度が1.3dtex以下の極細マルチフィラメントであって、且つ異形単糸の断面形状についてひずみやバラツキが小さいものである。
このよう本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントは、具体的には以下の方法で製造することが重要である。
本発明の紡糸における異形断面用の紡糸口金としては、溶融したポリアミドを紡出し、冷却するにあたり、口金真下に設けられた円柱冷却筒から外周方向に冷却風を吹き出して強制冷却する紡糸方法をとるために、円周状に吐出孔を配列されていることが重要である。
なお、溶融紡糸温度は、本発明のポリアミドマルチフィラメントが得られる限り制限はなく、通常用いられる温度、例えばポリカプロアミドの場合は240〜260℃、ポリヘキサメチレンアジパミドの場合は275〜295℃が好ましく用いられるが、同じ口金を用いた場合、溶融紡糸時の粘度が高い(例えば溶融紡糸温度が低めの場合や、ポリアミドの粘度が高い場合等)とローバル度が上昇し、粘度が低い(例えば溶融紡糸温度が高めの場合や、ポリアミドの粘度が低い場合等)と、減少する傾向にある。
図3は、上記好ましく用い得る溶融紡糸装置の一例における紡出後給油までの部分の概略を示す概念図である。図3に示したように、紡糸パック1内に設けられ、紡糸孔が環状かつ外周部にのみ配置された紡糸口金2と紡糸口金2から吐出されたフィラメント3は、紡糸口金2の真下で、環状に配置された紡糸孔から吐出されるポリマーよりも内側に位置した冷却装置4から、同冷却装置4の横断面中心部から外向きに向けて、放射状に冷却風5を送出し強制冷却した後、環状型ガイド6で糸条の走行状態を規制し、引き取る方法である。
上記において、紡糸口金に環状に設けられた1糸条分の吐出孔の配列について、ひとつの吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔nが3〜8mmとなることが必要であり、好ましくは4〜7mmの範囲である。吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔nが3mmより小さいと、吐出直後の単糸同士が融着し、製糸が困難となることや、また単糸間に充分な冷却風が通らず、冷却効果が不十分となり異形断面形成性が安定せず繊度ムラが発生する。その結果、吸水速乾性、及び吸放湿性が安定した繊維を得られない。
また吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔nが8mmより大きいと、吐出口金内に配列された冷却筒内周方向と外周方向の配列孔の距離が大きくなる。すなわち、冷却風が冷却筒内周方向に配列された吐出孔部に充分到達することができず、異形断面形成性が不安定となり繊度ムラが発生する。そのため安定した吸水速乾性、及び吸放湿性の繊維が得られない。
また、冷却装置4の位置は冷却開始位置が、口金下面から冷却開始位置までの距離Lとして、10〜40mmの範囲で配置することが重要となる。好ましくは10〜30mmとなるよう配置する。ここでいう冷却開始位置とは、紡糸口金面から冷却装置における冷却風吹き出し口上端部までの長さをいう。冷却開始位置が10mm未満になると、紡糸時に不活性ガスによる口金面のシール効果が小さくなり、口金面汚れが増加することや、冷却風によって口金面の温度が下がり、各単糸の強伸度劣化が発生し糸切れが多発する。逆に冷却開始位置が40mmを越えると、溶融紡糸糸条の口金孔吐出直後でのポリマー冷却が不足し、目標とするローバル度が得られないのみならず、長手方向の繊度ムラが発生し、また溶融紡糸糸条の走行安定性も低下するので糸切れも多発しやすい。
また冷却装置4は、複数個の冷却孔を有する垂直方向に伸びた冷却装置であり、好ましい形状としては円柱状である。冷却装置の冷却風吹き出し部の長さDは100〜600mmの範囲であることが重要である。さらに好ましくは200〜400mmの範囲である。冷却風吹き出し部の長さが100mm未満になると、溶融紡糸糸条の冷却が不十分となり、強伸度の低下や糸切れが多発、あるいはフィラメントの長手方向での繊維構造バラツキが発生することで織編物にした際に長手方向で染めムラが発生する。逆に冷却風吹き出し部の長さが600mmを越えると紡糸糸掛け等の作業性が低下する。
糸条収束位置7は、紡糸口金面から500〜1700mm下方にあることが好ましく、さらに好ましくは600〜1000mm下方に配置する。紡糸口金面から糸条収束位置までの距離が500mm未満になると紡糸糸掛け等の作業性が劣る傾向にあり、一方、紡糸口金面から糸条収束位置までの距離が1700mmを超えると、溶融紡糸糸条の随伴気流が大きくなり、紡糸張力が大きくなるため糸切れする可能性がある。
なお、ポリアミドを溶融する際、溶融温度を融点プラス50℃以内とすることで溶融紡糸糸条の強伸度劣化を抑制することができるため好ましい。
また、溶融紡糸時の糸切れ抑制のためには、紡糸口金と冷却装置との間に、蒸気噴出ゾーン等を設け、スチームなどの不活性ガスで紡糸口金面をシールすることが効果的である。噴出させる蒸気の温度は、250〜300℃であることが好ましい。また、蒸気の噴出圧力は0.10〜0.40kPaであることが好ましく、噴出方向は、簡単に装置が設置できる点で、口金外周方向から中心方向に向けて噴出させるのが好ましい。
また、引取速度を3500〜5500m/分とすることで紡糸時の糸切れや巻取り後の遅延収縮を抑制することができ、工業生産に適している。
これらの製造条件を採用することによって、本発明の異形断面ポリアミドマルチフィラメントを安定して得ることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の測定、評価項目は以下に述べる方法で測定した。
(1)単糸繊度
SEARCH SEIGYO E.M.CO.LTD社製の繊度変動率測定装置を用い、オートバイブロスコープ法により同一フィラメント内における異形断面を有する単糸10本について、6cmの測定試料に自励的な発振を行わせ、試料の振動から検出された微小な電気的信号を増幅して、これを機械的エネルギーに変換し、再び測定試料に振動を与え異形断面の繊度を求め平均した値を単糸繊度の平均値とする。ただし、同一フィラメント内に異形断面を有する単糸が10本未満である場合は同一フィラメント内の全ての異形断面を有する単糸についての平均とする。
(2)凹部のローバル度(LB)とローバル度(LB)のバラツキ(変動係数CV%)
パラフィン、ステアリン酸、エチルセルロースからなる包理剤を溶解し、原糸を導入後室温放置により固化させ、包理剤中の原糸を横断面方向に切断したものを東京電子(株)製のCCDカメラ(CS5270)にて繊維横断面を撮影する。ここで、ランダムにフィラメントを選択し、そのフィラメント中でランダムに選定した10本の(単糸数が10以下の場合は全ての)2つ以上の凹部を有する異形単糸についてMicro−MEASURE社製のモニタリング装置(EMM−3100)にて画像処理を行い、三菱電機製のカラービデオプロセッサー(SCT−CP710)にて3000倍でプリントアウトした断面写真を用いた。ローバル度LBの測定や、その平均値、標準偏差、変動係数CV%の算出は前記に記載の通り行った。
(3)ビニルピロリドンの含有率
繊維試料100mgにヘキサフルオロイソプロパノール3mlとクロロホルム1mlとを加え、繊維を溶解する。得られた溶液に、エタノールを加えてポリマー成分を再沈させ20mlとする。溶液成分を定法により、GC14A(島津製作所(株)製)を用いてガスクロマトグラフィーで分析を実施する。カラムはNB−1(15m)を使用する。ビニルピロリドンの定量は、バレロラクタムの検量線をあらかじめ作成して行う。下記式によりビニルピロリドン含有率を求める。測定は3回行い、その平均値を用いる。
ビニルピロリドン含有率=(GCピーク面積/検量線係数)×溶液量/試料量×100(%)
ここで、単位はそれぞれ、ビニルピロリドン含有率が[重量%]、(GCピーク面積/検量線係数)が[mg/ml]、溶液量が[ml]、試料量が[mg]である。
(4)K値
ポリビニルピロリドンを濃度1%の水溶液とし、その相対粘度を測定し、Fikentscher式により、kの値を求める。
logZ=C[75k/(1+1.5kC)+k]
ここで、Zは濃度Cの水溶液の相対粘度、Cは水溶液の濃度を溶液濃度で示したものである。
求めたk値を1000倍することでK値が求められる。測定は3回行い、その平均値を用いる。
(5)断面評価
糸を繊維長方向に垂直に切断し、この切断面をSEMで観察し、画像としてコンピュータに取り込んだ。写し取られた断面から、略丸断面の単糸のうち、3つを任意に選び出し、それぞれ重心および重心を通る線分のうち、最長のものの長さmと最短のものの長さmを求めた。それぞれの単糸から求めたmとmからm/mを計算し、平均値を求めた。
また、単糸Aと単糸Bの単糸繊度の比は次の方法により求めた。
まず、断面写真から、略丸断面の単糸Aの断面積の総和S、3〜8個の葉を有する断面の単糸Bの断面積の総和Sを求め、単糸繊度比をS/Sより求めた。
(6)繊度ムラ
ウスター繊度斑測定器(測定器ツェルベガーウスター株式会社製 UT3タイプ)を用いて糸長150mを速度50m/minで測定し、得られた繊度斑をハーフイナートで積分処理し、算出した。
(7)吸湿性評価
短時間での吸湿性の評価として、ΔMR(1hr)を用いた。ΔMR(1hr)は以下によって求めた。
ポリアミドフィラメント糸を使用して、27ゲージの筒編み機により編成した試料を精練した後、風乾後、約1g測り取る。測り取った筒編みをガラス秤量瓶(風袋重量F)に入れ、乾燥機において110℃で2時間乾燥する。ガラス秤量瓶を密封し、デシケータ内で30分放冷した後、試料の入ったガラス秤量瓶の総重量(G)を測定する。次に、温度20℃、湿度65%RHに設定された恒温恒湿槽“レインボー”((株)田葉井製作所製)にガラス秤量瓶の蓋を開放状態で入れ、1時間静置する。その後、再びガラス秤量瓶の蓋を密封状態にして、デシケータ内で30分静置した後、試料の入ったガラス秤量瓶の総重量(H)を測定する。引き続き、温度30℃、湿度90%RHに設定された恒温恒湿槽にガラス秤量瓶の蓋を開放状態で入れ、1時間静置する。その後、再びガラス秤量瓶の蓋を密封状態にして、デシケータ内で30分静置した後、試料の入ったガラス秤量瓶の総重量(I)を測定する。ΔMR(1hr)を以下の式より求める。
ΔMR(1hr)(%)=[(I−H)/(G−F)]×100
ここで、F、G、I、Hの単位はgとする。測定は3回行い、その平均値を用いる。
(8)吸水性(バイレック法)
JIS L1096(1999)「バイレック法」により測定した。
(9)スジ評価
ポリアミドマルチフィラメント原糸をタテ・ヨコ両方に用い、かつヨコ打ち込み長180cmの平織物を作成し、布帛を酸性染料(Mitsui Nylon Black GL)を用いて染色した。ポリエチレンテレフタレート原糸をタテ・ヨコ方向に用いたヨコ打ち込み長の平織物に関しては、分散染料(Dianix Navy S−2G200%)を用いて染色した。染色後の平織物を透視検反機によって検査者(10人)の評価により、長手方向で100m検反し、次の基準で相対評価した。
◎:スジ、濃淡ムラが全くない、
○:弱いスジ、濃淡ムラが多少見られるが実用可能レベル、
△:弱いスジ、濃淡ムラが多く見られ実用可能レベルではない、
×:強いスジ、濃淡ムラが多く見られ実用可能レベルではない。
(10)製糸性
1t当たりの製糸糸切れについて、次の基準をもって示した。
◎:糸切れ1.0回未満、
○:糸切れ1.0以上4.0回未満、
△:糸切れ4.0以上7.0回未満、
×:糸切れ7.0回以上または製糸不能。
実施例1
ポリアミドピロリドンを5重量%含有したポリカプロアミドを、環状に6つの凹部を有する吐出孔と、丸断面の吐出孔を配した吐出孔を1糸条としたとき、その2種類の吐出孔数が50%ずつとする。その組み合わせの吐出孔を1口金内に2糸条分配列し、その1糸条分の吐出孔の配列において、ひとつの吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔を4mmとする。前記紡糸口金より紡糸温度253℃で溶融ポリマーを吐出させ、該ポリマーを、冷却開始位置30mmで鉛直方向の長さが300mmの単体の円筒型冷却装置で外吹きに放射状に吹く冷却風にて冷却する。冷却ゾーンを通過させて冷却固化を行わせ、紡速4500m/minにて紡糸し、延伸倍率1.2倍にて延伸させ44dtex/48フィラメントの図1に示すような6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得た。得られた原糸をタテ・ヨコ両方に用い、かつヨコ打ち込み長180cmの平織物を作成した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例2
ポリビニルピロリドン含有量を3%とする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
ポリビニルピロリドン含有量を7%とする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
ポリアミドマルチフィラメントの単糸繊度を0.25dtexとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
ポリアミドマルチフィラメントの単糸繊度を1.25dtexとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例6
ポリアミドマルチフィラメントのフィラメント数を150filとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例7
ポリアミドマルチフィラメントのフィラメント数を10filとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例8
ポリアミドマルチフィラメントの、凹部を有する単糸数の比率を35%とする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例9
ポリアミドマルチフィラメントの、凹部を有する単糸数の比率を65%とする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例10
ポリアミドマルチフィラメントの、凹部を有する単糸の凹部の数を3つとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、3葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例11
ポリアミドマルチフィラメントの、凹部を有する単糸の凹部の数を8つとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、8葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例12
ポリアミドマルチフィラメントの、紡糸口金に設けられた1糸条分の吐出孔の配列について、ひとつの吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔を3mmとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
実施例13
ポリアミドマルチフィラメントの、紡糸口金に設けられた1糸条分の吐出孔の配列について、ひとつの吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔を8mmとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006273836
比較例1
ポリビニルピロリドン含有量を2%とする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2
ポリビニルピロリドン含有量を8%とする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例3
ポリアミドマルチフィラメントの単糸繊度を0.15dtexとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例4
ポリアミドマルチフィラメントの単糸繊度を1.40dtexとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例5
ポリアミドマルチフィラメントのフィラメント数を155filとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例6
ポリアミドマルチフィラメントのフィラメント数を8filとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例7
ポリアミドマルチフィラメントの、凹部を有する単糸数の比率を25%とする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例8
ポリアミドマルチフィラメントの、凹部を有する単糸数の比率を75%とする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例9
ポリアミドマルチフィラメントの、紡糸口金に設けられた1糸条分の吐出孔の配列について、ひとつの吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔を2mmとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例10
ポリアミドマルチフィラメントの、紡糸口金に設けられた1糸条分の吐出孔の配列について、ひとつの吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔を9mmとする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
比較例11
ポリアミドマルチフィラメントの、紡糸冷却部について、紡糸口金の吐出孔配列を口金内に均一して配列し、また幅300mm、縦1000mmの板状の冷却風発生装置を設け、吐出されたポリマーに対し一方方向に冷却風を発生とする以外は実施例1と同様の方法にて紡糸を行い、6葉/丸断面混繊ポリアミドマルチフィラメントを得、得られた原糸を用いて実施例1と同様の方法で平織物を作製した。
該ポリアミドマルチフィラメントのローバル度LB、各単糸における単糸内のローバル度LBバラツキ、繊度ムラ、強度、吸放湿性ΔMR(1hr)、吸水性、製糸性及び布帛評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006273836
1:紡糸パック
2:紡糸口金
3:フィラメント
4:冷却装置
5:冷却風
6:環状型ガイド
7:糸条収束位置
8:油剤供給用スリット
9:環状型ガイド
L:口金下面から冷却開始位置までの距離
D:冷却風吹き出し部の長さ
H:口金下面から糸条収束位置までの距離

Claims (4)

  1. マルチフィラメント中にポリビニルピロリドンを3〜7重量%含有し、2つ以上の異なる断面形状の単糸を有している、下記の範囲にあることを特徴とする異形断面ポリアミドマルチフィラメント。
    (1)単糸繊度が0.2〜1.3dtex
    (2)1糸条に含まれるフィラメント数が10〜150fil
    (3)1種類の単糸Aが丸断面糸
    (4)1種類の単糸Bが2つ以上の凹部を有した異形断面糸
    (5)2つ以上の凹部を有する単糸Bのフィラメント数の比率が、マルチフィラメントの全フィラメント数の30〜70%
    (6)単糸Bのローバル度(LB)が5〜50%
    (7)単糸B内の各凹部のローバル度バラツキ(変動係数CV%)が10%以下
    (8)測定器ツェルベガーウスター株式会社製 UT3タイプを用いて糸長150mを速度50m/minで測定した、糸条の繊度ムラが0.80%以下
  2. ポリアミドがポリカプロアミド、ポリヘキサメチレンアジパミドから選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の異形断面ポリアミドマルチフィラメント。
  3. 2つ以上の凹部を有する異形断面糸の単糸について、3〜8つの凹部と同数の凸部を有し、それぞれが等角度間隔の放射状に突起している異形断面であることを特徴とする請求項1または2に記載の異形断面ポリアミドマルチフィラメント。
  4. 異形断面ポリアミドマルチフィラメントの溶融紡糸方法において、ポリビニルピロリドンを3〜7重量%含有するポリアミドポリマーを紡糸口金から溶融吐出し、該紡糸口金の外周部に円周状に配列された吐出孔を有する紡糸口金の中心部から真下に、円周状に配された吐出孔から吐出された溶融紡糸糸条の内側に溶融紡糸糸条を強制冷却する冷却装置を有しており、且つ下記A〜C項を満足することを特徴とする請求項1に記載の異形断面ポリアミドマルチフィラメントの溶融紡糸方法。
    A.紡糸口金に設けられた1糸条分の吐出孔の配列について、ひとつの吐出孔の中心から最も隣接する吐出孔の中心までの間隔(n)が3mm≦n≦8mm
    B.紡糸口金面から冷却装置の冷却開始位置までの距離(L)が10mm≦L≦40mm
    C.冷却装置の冷却風吹き出し部の長さ(D)100mm≦D≦600mm
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