JP7422247B2 - 炭素粉末含有繊維及び繊維構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、炭素粉末含有繊維及び繊維構造体に関する。
黒原着糸は、ブラックフォーマル衣料や作業服などの衣料用途、及び、手袋やブラシなどの資材用途において使用されており、当該糸を構成する材料として、カーボンブラックが多用されている。カーボンブラックは一般的に石油由来の油を原料としてミスト状に噴射・燃焼させて製造されており、粒子径の制御が容易に行えるため、このような製造方法が多用されている。
例えば特許文献1及び2には、所定の範囲の粒子径、比表面積等を有するカーボンブラックを含む、黒原着ポリエステル繊維が開示されている。特許文献3には、カーボンブラックに加えて、又は代えて、木炭及び/又は竹炭等の炭素粉を含有する繊維も開示されている。さらに、特許文献4には、活性炭を含有する繊維も開示されている。
特開2006-241640号公報 特開平9-250026号公報 特開2002-249922号公報 特開2003-38626号公報
特許文献1及び2に記載の黒原着繊維は、カーボンブラックを含む繊維であり、消臭性を有するものではない。また、カーボンブラックは石油由来原料であり、環境配慮の観点からは、石油由来ではない原料を使用する黒原着繊維に対する要求が存在している。特許文献3に記載の繊維は、木炭及び/又は竹炭を炭素紛として含み得るが、木炭及び竹炭を用いて十分な消臭性を発揮させるには多量の炭素粉を用いる必要がある。しかし、木炭及び竹炭を多量に含有させる場合、特に細繊度の範囲において、繊維化工程における紡糸性が低下し、生産性が低下する場合があった。また、炭素粉の脱落による加工性の低下が問題となる場合があった。特許文献4に記載の活性炭を含有する繊維は、消臭性を有し得るが、繊維の製造時に活性炭が飛散しやすいため、特定の環境下での製造が必要となる点で、生産性が良いとはいえない場合がある。また、活性炭は繊維内に均一に分散させることが困難であるため、黒原着繊維の着色均一性が不十分である場合がある。
したがって、本発明は、優れた消臭性及び着色均一性を有すると共に、繊維の生産性が良好な、黒原着繊維を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕植物由来の炭素粉末を繊維内に含有する炭素粉末含有繊維であって、前記炭素粉末の比表面積は250m/g以上500m/g未満であり、前記炭素粉末の含有量は炭素粉末含有繊維の質量に対して0.2~7質量%である、炭素粉末含有繊維。
〔2〕炭素粉末はヤシ殻由来の炭素粉末である、〔1〕に記載の炭素粉末含有繊維。
〔3〕繊維は合成繊維又は半合成繊維である、〔1〕又は〔2〕に記載の炭素粉末含有繊維。
〔4〕繊維は、ポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維である、〔3〕に記載の炭素粉末含有繊維。
〔5〕炭素粉末の平均粒子径D50は1.5μm以下である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の炭素粉末含有繊維。
〔6〕炭素粉末の粒度分布におけるD90の値は4.0μm以下である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の炭素粉末含有繊維。
〔7〕単糸繊度が0.01~10dtexである、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の炭素粉末含有繊維。
〔8〕〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の炭素粉末含有繊維を含む、繊維構造体。
本発明によれば、優れた消臭性及び着色均一性を有すると共に、繊維の生産性が良好な、黒原着繊維を提供することができる。また、本発明の炭素粉末含有繊維はカーボンニュートラルであり、環境配慮型の黒原着繊維を提供することもできる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。
本発明の炭素粉末含有繊維は、植物由来の炭素粉末を繊維内に含有する繊維であって、前記炭素粉末の比表面積は250m/g以上500m/g未満であり、前記炭素粉末の含有量は炭素粉末含有繊維の質量に対して0.2~7質量%である、繊維である。
〔炭素粉末〕
本発明の炭素粉末含有繊維に含まれる炭素粉末は、植物由来の炭素粉末である。植物由来の炭素粉末は、植物を主原料として得ることができる。植物由来の炭素粉末は、例えば非植物系の原料に由来する炭素粉末、例えばカーボンブラック等の石油由来の炭素粉末と比較して、植物特有の組織構造等に由来した非常に複雑な構造を有する炭素粉末であると考えられる。本発明においては、炭素粉末が所定の比表面積を有する植物由来の粉末であることにより、比較的少量の炭素粉末を添加することで高い消臭性を達成することができる。また、鉱物由来、石油由来、合成素材由来等の炭素粉末と比較して、植物由来の炭素粉末はカーボンニュートラルであるため、環境保護の観点及び商業的な観点等においても有利である。
本発明において、植物由来の炭素粉末の原料となる植物は、上記所定の比表面積を有する炭素粉末が得られる限り特に限定されず、例えば、椰子殻、珈琲豆、茶葉、サトウキビ、果実(みかん、又はバナナ)、藁、又は籾殻等が挙げられる。これらの植物は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。植物由来の炭素粉末は、黒原着繊維の消臭性及び生産性をより高めやすい観点から、好ましくは、椰子殻、珈琲豆、茶葉、サトウキビ、果実、藁、及び籾殻からなる群から選択される少なくとも1種の植物に由来する炭素粉末であり、より好ましくは椰子殻由来の炭素粉末である。大量に入手可能であることから、原料植物として椰子殻を用いることは商業的に有利である。
上記に述べたように、木炭、竹炭等の炭素粉末は、比表面積を十分に高めることが難しく、通常、その比表面積は250m/g以上ではなく、十分な消臭性を少ない添加量で達成することが困難なことが多い。また、活性炭は、炭素粉末の比重が低くなりすぎるために、炭素粉末含有繊維を製造する時に飛散しやすく、製造条件が制限される。それだけでなく、その比表面積が高すぎるために、凝集により、生産性が低下したり、着色均一性が得られない場合がある。また、カーボンブラックは、植物由来の原料ではないと共に、粒子の内部に空洞を有するが表面には空洞が少ない形状を有するため、消臭性が十分であるとはいえない。したがって、本発明の炭素粉末含有繊維における炭素粉末は、好ましくは竹炭、木炭、活性炭及びカーボンブラックを除く炭素粉末である。なお、この態様において、本発明の炭素粉末含有繊維が、竹炭、木炭、活性炭及びカーボンブラックではない炭素粉末を含む限り、該炭素粉末に加えて、さらに竹炭、木炭、活性炭及びカーボンブラックからなる群から選択される炭素粉末が、本発明の効果が損なわれない範囲において、含まれていてもよい。
椰子殻の原料となる椰子としては、特に限定されるものではなく、例えば、パームヤシ(アブラヤシ)、ココヤシ、サラク及びオオミヤシ等が挙げられる。これらの椰子から得られた椰子殻は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、食品、洗剤原料、バイオディーゼル油原料などとして利用され、大量に発生するバイオマス廃棄物であるココヤシ由来又はパームヤシ由来の椰子殻は、入手が容易であり、低価格であることから特に好ましい。
本発明の炭素粉末含有繊維に含まれる炭素粉末の比表面積は250m/g以上500m/g未満である。炭素粉末の比表面積が250m/g未満である場合、炭素粉末表面に形成される細孔の量が少なすぎるために、得られる繊維の消臭性が不十分となる。また、消臭性を高めるために多量の炭素粉末を繊維に混合させる必要があるため、繊維を製造する際の生産性が低下したり、繊維を製造中及び使用中に、炭素粉末の脱落が生じやすくなる。炭素粉末の比表面積は、炭素粉末含有繊維の消臭性及び生産性を高めやすい観点からは、好ましくは300m/g以上、より好ましくは330m/g以上、さらに好ましくは360m/g以上、さらにより好ましくは380m/g以上、とりわけ好ましくは400m/g以上である。
また、炭素粉末の比表面積が500m/g以上である場合、炭素粉末の比重が低くなりすぎるために、炭素粉末含有繊維を製造する時に飛散しやすく、製造条件が制限される。それだけでなく、その比表面積が高すぎるために、凝集により、生産性が低下したり、着色均一性が得られない場合がある。凝集の原因としては、比表面積の増加により表面エネルギーが増加し一次粒子が不安定化しやすく、また粒子表面に露出する官能基が増加し、静電引力が増加するため、凝集しやすくなることが推察される。また同様に、繊維を構成する成分と混合する際に、炭素粉末が凝集した状態で存在しやすくなる。その結果、炭素粉末と繊維を構成する樹脂等の成分とを混合する際に、炭素粉末を均一に分散させることが困難になり、黒原着繊維における黒色にむらが生じやすくなり、得られる炭素粉末含有繊維の着色均一性が低下する。また、均一に着色された黒原着繊維を得るために、炭素粉末と繊維を構成する成分との紡出前の混合時間を長くする必要があること、また、単糸繊度が小さい繊維に関しては、凝集物により繊維を紡糸する際の断糸が多くなることから、生産性が低下する。炭素粉末の比表面積は、炭素粉末含有繊維の着色均一性及び生産性を高めやすい観点からは、好ましくは480m/g以下、より好ましくは470m/g以下、さらに好ましくは460m/g以下、さらにより好ましくは450m/g以下である。炭素粉末の比表面積は、窒素吸着法により算出することができるBET比表面積であり、例えば実施例に記載の方法により算出することができる。炭素粉末の比表面積は、炭素粉末含有繊維を製造する際に原料として使用する炭素粉末を測定試料として測定してもよいし、炭素粉末含有繊維から、繊維を構成する樹脂等を溶解除去することによって得た炭素粉末を測定試料として測定を行ってもよい。
上記の範囲の比表面積を有する炭素粉末の製造方法としては、上記に例示した植物を焼成する方法が挙げられる。植物を焼成して炭素粉末を製造する方法は、特に限定されるものではなく、当該分野において既知の方法を用いて製造することができる。例えば、原料となる植物を不活性ガス雰囲気下、例えば300℃以上900℃以下程度の温度で1~20時間程度加熱処理(炭化処理)することによって製造することができる。比表面積を所望の範囲に調整するために、上記の焼成工程によって得た炭素粉末を粉砕及び/又は分級してもよい。特に、植物としてヤシ殻等の比較的硬度が高い植物を用いる場合、粉砕の際に粗粉が残りやすい傾向がある。そのため、粉砕及び/又は分級工程によって、粗粉を除去することが、炭素粉末含有繊維の生産性を高めやすい観点で好ましい。
不活性ガスは、上記の焼成温度において炭素粉末と反応しないガスであれば特に限定されないが、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、又はそれらの混合ガスが挙げられ、好ましくは窒素である。また、不活性ガスに含まれる不純物ガス、特に酸素の濃度は低ければ低いほど好ましい。通常許容される酸素濃度としては、好ましくは0~2000ppm、より好ましくは0~1000ppmである。
粉砕に用いる粉砕機は、特に限定されるものではなく、例えばビーズミル、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル、又はロッドミルなどを単独又は組み合わせて使用することができる。所望の比表面積等を有する粉末を得やすいという点では、分級機能を備えたジェットミルが好ましい。一方、ボールミル、ハンマーミル、又はロッドミルなどを用いる場合は、粉砕後に分級を行うことで、所望の比表面積に調整することができる。
粉砕処理後に分級することにより、比表面積等をより正確に調整することができる。分級として、篩による分級、湿式分級、又は乾式分級が挙げられる。湿式分級機としては、例えば重力分級、慣性分級、水力分級、又は遠心分級などの原理を利用した分級機が挙げられる。また、乾式分級機としては、沈降分級、機械的分級、又は遠心分級の原理を利用した分級機が挙げられる。
粉砕工程を行う場合、粉砕と分級を1つの装置を用いて行うこともできる。例えば、乾式の分級機能を備えたジェットミルを用いて、粉砕と分級を行うことができる。さらに、粉砕機と分級機とが独立した装置を用いることもできる。この場合、粉砕と分級とを連続して行うこともできるが、粉砕と分級とを不連続に行うこともできる。
植物を上記のような温度条件で焼成して得た炭素粉末は、例えば活性炭の製造工程における中間生成物でもある。活性炭の製造においては、上記のようにして得た炭素粉末を、さらに賦活処理する工程が行われている。賦活処理は、炭素粉末の表面に細孔を形成し多孔質の炭素質物質に変える処理であり、これにより大きな比表面積及び細孔容積を有する活性炭が製造される。賦活処理としては、例えばガス賦活処理、薬剤賦活処理等が行われている。本発明の炭素粉末含有繊維に含まれる炭素粉末は、上記の範囲の比表面積を有し、このような比表面積を有する炭素粉末は、未賦活の炭素粉末であり、賦活処理された物質である活性炭ではない。活性炭は、500m/gよりも高い比表面積を有しており、この点でも、本発明の炭素粉末含有繊維に含まれる炭素粉末ではない。また、活性炭の製造工程において、活性炭を用いて製造される電池材料や浄化材料の性能を高める目的で、上記のような賦活処理を行う前に、中間生成物である炭素粉末の微粉を除去する工程が行われる場合もある。除去された微粉は通常は廃棄もしくは燃料として利用されるが、本発明によれば、廃棄物である微粉を機能性素材としてアップサイクルすることが可能となる。
炭素粉末が、賦活処理されたものであるか否かは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)等の機器を用いて炭素粉末の構造を確認することによって確認することができる。したがって、本発明の炭素粉末含有繊維に含まれる上記の炭素粉末は、好ましくは、TEM又はSEM画像において賦活処理によって通常形成されるような構造が観察されず、上記の範囲の比表面積を有する、炭素粉末である。
本発明の炭素粉末含有繊維に含まれる炭素粉末の粒度分布における平均粒子径D50は、紡糸性を高めやすいと共に、比表面積を上記の範囲に調整しやすい観点から、好ましくは1.5μm以下、より好ましくは1.3μm以下、さらに好ましくは1.2μm以下、さらにより好ましくは1.0μm以下、とりわけ好ましくは0.8μm以下、とりわけより好ましくは0.7μm以下である。また、平均粒子径D50は、粒子径が小さすぎると二次凝集を起こしやすいという観点からは、好ましくは0.03μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上である。
本発明の炭素粉末含有繊維に含まれる炭素粉末の粒度分布におけるD90は、粗大粒子を除去することによって紡糸性を高めやすい観点から、好ましくは4.0μm以下、より好ましくは3.5μm以下、さらに好ましくは3.0μm以下、さらにより好ましくは2.5μm以下である。また、D90は、粒子径が小さすぎると二次凝集を起こしやすいという観点からは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上である。炭素粉末の粒度分布におけるD50及びD90は、例えば遠心式自動粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
〔繊維〕
本発明の炭素粉末含有繊維は、上記のような炭素粉末を繊維内に含有する繊維である。ここで、炭素粉末が繊維内に含有されるとは、炭素紛末が繊維内部に含有されていることを意味する。なお、炭素粉末の一部が繊維表面に存在していてもよい。繊維としては、炭素粉末を内部に含有することができ、繊維状に加工可能な成分である限り特に限定されないが、例えば合成繊維、半合成繊維等が挙げられる。炭素紛末を繊維内部に含有させやすく、紡糸しやすい観点からは、繊維は合成繊維又は半合成繊維であることが好ましい。
合成繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル繊維、ビニル系繊維、ポリアリレート系繊維、ポリスチレン系繊維等が挙げられる。半合成繊維としては、再生セルロース繊維、セルロース誘導体繊維、再生たんぱく質繊維等が挙げられる。
ポリエステル系繊維は、ポリエステル系樹脂を主成分として含有する繊維である。ポリエステル系樹脂は、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とする繊維形成能を有する樹脂であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート等が挙げられる。また、これらポリエステルは第3成分として、ブタンジオールのようなアルコール成分又はイソフタル酸等のジカルボン酸を共重合させた共重合体でもよく、さらにこれら各種ポリエステルの混合体でもよい。これらのうち、取扱性及びコストの観点から、ポリエチレンテレフタレート系重合体が好ましい。
ポリアミド系繊維は、ポリアミド系樹脂を主成分として含有する繊維である。ポリアミド系樹脂は、アミド結合で結びついた繰り返し構造単位を有するポリマーであり、ポリアミド系繊維はナイロンとも称される。また、芳香族ポリアミドポリマーを含むアラミド繊維もポリアミド系繊維に包含される。ポリアミド系樹脂としては、例えば、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド6-12などの脂肪族ポリアミド及びその共重合体、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから合成された半芳香族ポリアミドなどが挙げられる。
ポリウレタン系繊維は、ポリウレタン系樹脂を主成分として含有する繊維であり、例えば、スパンデックス繊維等が挙げられる。ポリオレフィン系繊維は、ポリオレフィン系樹脂を主成分として含有する繊維であり、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリメチルペンテン繊維等が挙げられる。アクリル繊維はアクリル樹脂を主成分として含有する繊維であり、例えば、アクリル繊維、モダクリル繊維等が挙げられる。ビニル系繊維は、ビニル系樹脂を主成分として含有する繊維であり、例えば、ポリビニルアルコール繊維、エチレン-ビニルアルコール共重合体繊維、塩化ビニル繊維等が挙げられる。
再生セルロース繊維及びセルロース誘導体繊維は、セルロース及び/又はその誘導体を主成分として構成される繊維であり、例えば、レーヨン、キュプラ、リヨセル等が挙げられる。再生たんぱく質繊維は、たんぱく質を含む材料から抽出したたんぱく質から構成される繊維であり、例えば、大豆たんぱく繊維、牛乳カゼイン繊維等が挙げられる。
本発明の炭素粉末含有繊維の好ましい一態様において、繊維は、粉末の練りこみやすさ、繊維の汎用性の観点から、好ましくはポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維である。
〔炭素粉末含有繊維〕
本発明の炭素粉末含有繊維は、植物由来の炭素粉末を繊維内に含有する。炭素粉末含有繊維における炭素粉末の含有量は、炭素粉末含有繊維の質量に対して0.2~7質量%である。炭素粉末の含有量が0.2質量%未満である場合、炭素粉末の含有量が十分でないために、十分な消臭性が得られない。炭素粉末の含有量は、消臭性を高めやすい観点から、炭素粉末含有繊維の質量に対して好ましくは0.25質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.4質量%以上、さらにより好ましくは0.5質量%以上である。より高い消臭性が求められる用途においては、炭素粉末の含有量は、炭素粉末含有繊維の質量に対して好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上であってもよい。また、炭素粉末含有繊維における炭素粉末の含有量が7質量%を超える場合、繊維を紡糸する際の断糸を十分に抑制することができないため、炭素粉末含有繊維の生産性が低下する。炭素粉末の含有量は、炭素粉末含有繊維の生産性を高めやすい観点からは、好ましくは6.5質量%以下、より好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは5.5質量%以下、さらにより好ましくは5質量%以下である。
炭素粉末含有繊維の単糸繊度は、紡糸性と風合いの観点から、0.01~10dtexであることが好ましい。単糸繊度が上記下限値以上である場合、繊維を紡糸する際の断糸の発生を十分に抑制しやすい。単糸繊度は、紡糸性向上の観点から、より好ましくは0.05dtex以上、さらに好ましくは0.1dtex以上である。また、単糸繊度が上記上限値以下である場合、該繊維を用いてニットや織物を製造した際に、仕上がりを柔らかくし、良好な風合いを得やすい。風合いの良い製品を作る観点から、単糸繊度はより好ましくは7dtex以下、さらに好ましくは4dtex以下である。
炭素粉末含有繊維の総繊度は特に限定されず、炭素粉末含有繊維が使用される用途に応じて適宜設定してよいが、紡糸性と汎用性の観点から、繊度は好ましくは15~300dtex、より好ましくは20~200dtexであり、また、フィラメント数は好ましくは2~200フィラメント、より好ましくは3~100フィラメントである。
炭素粉末含有繊維の強度は特に限定されず、炭素粉末含有繊維が使用される用途に応じて適宜設定してよいが、製編織時にガイド摩耗等によって生じ得る糸切れや毛羽立ちを防止しやすい観点からは、好ましくは1cN/dtex以上、より好ましくは1.5cN/dtex以上、さらに好ましくは2cN/dtex以上である。強度の上限値も特に制限されるものではないが、通常の溶融紡糸法で得られる強度は、5.0cN/dtex以下程度である。
炭素粉末含有繊維の伸度は特に限定されず、炭素粉末含有繊維が使用される用途に応じて適宜設定してよいが、糸加工性の観点からは、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは30%以上である。伸度の上限値も特に制限されるものではないが、製品形態での取り扱い性の観点からは、好ましくは150%以下、より好ましくは100%以下である。
炭素粉末含有繊維の断面形態は、丸断面の他、扁平断面、多葉断面、中空断面等の種々の断面形態の繊維が可能である。炭素粉末含有繊維は、芯鞘構造を有する繊維であってもよい。
本発明の炭素粉末含有繊維には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて任意の添加剤を含有させることができる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、可塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、フィラー、他の高分子化合物等が挙げられる。これらの1種類を使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
〔炭素粉末含有繊維の製造方法〕
本発明の炭素粉末含有繊維は、上記の繊維を構成する成分と、炭素粉末と、必要に応じて他の成分、添加剤等を用い、従来公知の紡糸装置を用いて製造することが可能である。例えば溶融紡糸法により紡糸を行うことができ、具体的には、低速、中速で溶融紡糸した後に延伸する方法、高速による直接紡糸延伸法、紡糸後に延伸と仮撚を同時に、又は続けて行なう方法等の任意の製造方法で製造することができる。
具体的な製造方法の一例としては、繊維を構成する成分と、炭素粉末と、任意に他の成分を含む組成物を、溶融押出し機で溶融し、溶融ポリマー流を紡糸頭に導き、ギヤポンプで計量し、所望の形状の紡糸ノズルから吐出させ、必要に応じて延伸処理などを行い、ついで巻き取ることにより、本発明の繊維を製造することができる。繊維を構成する成分と、炭素粉末との混合は、これらを直接混合することによって行ってもよいし、一部の成分と炭素粉末とをあらかじめ混合してマスターバッチを得て、該マスターバッチを、繊維を構成する成分と混合することによって行ってもよい。紡糸時の溶融温度は、繊維を構成する成分の融点等により適宜調整されるが、通常150~300℃程度が好ましい。紡糸ノズルから吐出された糸条は延伸せずにそのまま高速で巻き取るか、必要に応じて延伸される。延伸操作は、通常、繊維を構成する成分のガラス転移点以上の温度において、破断伸度(HDmax)の0.55~0.9倍の延伸倍率で行われる。延伸倍率が破断伸度の0.55倍未満では十分な強度を有する繊維が安定して得られにくく、破断伸度の0.9倍を超えると断糸しやすくなる。
延伸は紡糸ノズルから吐出された後に、一旦巻き取ってから延伸する場合と、延伸に引き続いて施される場合があるが、本発明においては、いずれでもよい。延伸操作は、通常熱延伸によって行われ、熱風、熱板、熱ローラー、水浴等のいずれを用いて行ってもよい。また、引取り速度は、一旦巻き取ってから延伸処理を行う場合、紡糸直結延伸の一工程で紡糸延伸して巻き取る場合、延伸を行わずに高速でそのまま巻き取る場合で異なるが、大凡500~6000m/分の範囲で引き取る。500m/分未満では、生産性が劣るし、6000m/分を超えるような超高速では、繊維の断糸が起こりやすい。また、本発明の繊維断面形状は特に限定されず、通常の溶融紡糸の手法を用いてノズルの形状により真円状にも中空にも異型断面にもできる。また、繊維を構成する成分と炭素粉末とを含有する組成物から構成される芯部分又は鞘部分と、繊維を構成する成分を含有する鞘部分又は芯部分とから構成される芯鞘構造を有していてもよい。繊維化や製織化での工程通過性の点からは真円が好ましい。
〔繊維構造体〕
本発明の炭素粉末含有繊維は、各種の繊維構造体(繊維集合体)として用いることができ、本発明は、本発明の炭素粉末含有繊維を含む繊維構造体も提供する。ここで、「繊維構造体」とは、本発明の炭素粉末含有繊維のみからなるマルチフィラメント糸、紡績糸、織編物、不織布、紙、人工皮革、及び詰物材や、本発明の炭素粉末含有繊維を一部に使用してなる織編物や不織布、例えば、天然繊維、化学繊維、合成繊維、半合成繊維など他の繊維との交編織布、混紡糸、混繊糸、合撚糸、交絡糸や縮糸などの加工糸として用いた織編物、混綿不織布、繊維積層体などであってもよい。
本発明の炭素粉末含有繊維、及び本発明の炭素粉末含有繊維を含む繊維構造体は、優れた消臭性と、黒色の着色均一性とを有する。そのため、本発明の炭素粉末含有繊維及び繊維構造体は、例えばシャツ、パンツ、コート、ユニフォーム、作業服、下着、パンスト、靴下、スポーツ衣料、ブラックフォーマル衣料等の衣料製品、カーテン、カーペット等のインテリアファブリック、手袋、ブラシ、フィルター、シート等の資材製品などとして用いられ得る。
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の%は特に断らない限り質量に関するものである。まず、各物性値の測定方法を説明する。
<粒度分布測定法>
炭素粉末のD50及びD90は、株式会社堀場製作所製の遠心式自動粒度分布測定装置CAPA-500により粒度分布を測定して得た。
<比表面積>
炭素粉末の比表面積は、高精度表面積/細孔分布測定装置(マイクロトラック・ベル株式会社製「BELSORP28SA」)を使用して測定した。測定試料を300℃で5時間真空脱気した後、77Kでの窒素吸着等温線を測定した。得られた吸着等温線を用いて、BET式により多点法解析を行い、得られた曲線の相対圧P/P=0.01~0.1の領域での直線から比表面積を算出した。
<製造例1:ヤシ殻炭素粉末1の製造>
ヤシ殻チップを窒素ガス雰囲気下、500℃で焼成(炭化)後、洗浄・乾燥処理を行い、乾式粉砕後に分級し、微粉を回収した。この時の粒度はD50=1.5μm、D90=3.8μmであった。その後、再度乾式粉砕を行い、ヤシ殻炭素粉末1を得た。ヤシ殻炭素粉末1の粒度はD50=0.7μm、D90=2.2μmであり、比表面積は440m/gであった。
<製造例2:ヤシ殻炭素粉末2の製造>
ヤシ殻チップを窒素ガス雰囲気下、500℃で焼成(炭化)後、洗浄・乾燥処理を行い、乾式粉砕後に分級し、微粉を回収してヤシ殻炭素粉末2を得た。ヤシ殻炭素粉末2の粒度はD50=1.3μm、D90=3.8μmであり、比表面積は420m/gであった。
<製造例3:ヤシ殻炭素粉末3の製造>
ヤシ殻チップを窒素ガス雰囲気下、450℃で焼成(炭化)後、洗浄・乾燥処理を行い、乾式粉砕後に分級し、微粉を回収した。この時の粒度はD50=1.5μm、D90=3.8μmであった。その後、再度乾式粉砕を行い、ヤシ殻炭素粉末3を得た。ヤシ殻炭素粉末3の粒度はD50=0.8μm、D90=2.2μmであり、比表面積は270m/gであった。
<製造例4:ヤシ殻炭素粉末4の製造>
ヤシ殻チップを窒素ガス雰囲気下、400℃で焼成(炭化)後、洗浄・乾燥処理を行い、乾式粉砕後に分級し、微粉を回収した。この時の粒度はD50=1.5μm、D90=3.8μmであった。その後、再度乾式粉砕を行い、ヤシ殻炭素粉末4を得た。ヤシ殻炭素粉末4の粒度はD50=0.8μm、D90=2.4μmであり、比表面積は190m/gであった。
<製造例5:木炭微粉の製造>
ウバメガシの木を1200℃で焼成し、その後350℃に急冷することで製造された白炭(備長炭)を乾式粉砕し、木炭微粉を得た。得られた木炭微粉の粒度はD50=0.5μm、D90=1.9μmであり、比表面積は240m/gであった。
<実施例1>
製造例1で得たヤシ殻炭素粉末1をポリアミド6(宇部興産株式会社製ナイロン6 1011FK)に、最終的に得られる炭素粉末含有繊維の質量に対する炭素粉末1の含有量が表1に示す含有量となる割合で二軸押出機を用いて280~300℃の温度条件で混錬し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、孔数24個で断面形状が丸状の口金を用いて紡糸温度250℃、吐出量=29.4g/分で紡出し、温度25℃、湿度60%の冷却風を1.0m/秒の速度で紡出糸条に吹付けた後、紡糸口金下方1.2mの位置に設置した長さ1.0m、入口ガイド径8mm、出口ガイド径10mm、内径30mmφチューブヒーター(内温160℃)に導入してチューブヒーター内で延伸した後、チューブヒーターから出てきた糸条にオイリングノズルで給油し2個の引き取りローラーを介して3500m/分の速度で捲取り、84dtex/24フィラメントの炭素粉末含有繊維1を得た。
<実施例2及び3>
ヤシ殻炭素粉末1の含有量を表1に示す量に変更したこと以外は実施例1と同様にして、炭素粉末含有繊維2及び3を得た。
<実施例4>
断面形状が十字状の口金を用いたこと以外は実施例2と同様にして、炭素粉末含有繊維4を得た。
<実施例5>
ヤシ殻炭素粉末1をポリアミド6(宇部興産株式会社製ナイロン6 1011FK)に、最終的に得られる炭素粉末含有繊維の質量に対する炭素粉末1の含有量が表1に示す含有量となる割合で混錬した樹脂組成物を鞘成分に用い、ポリアミド6(宇部興産株式会社製ナイロン6 1015B)を芯成分に用い、断面形状が芯鞘状の口金を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、炭素粉末含有繊維5を得た。
<実施例6>
ヤシ殻炭素粉末1に代えて製造例2で得たヤシ殻炭素粉末2を用いたこと以外は実施例2と同様にして、炭素粉末含有繊維6を得た。
<実施例7>
ヤシ殻炭素粉末1に代えて製造例3で得たヤシ殻炭素粉末3を用いたこと以外は実施例2と同様にして、炭素粉末含有繊維7を得た。
<実施例8>
孔数96個で断面形状が丸状の口金を用いて紡糸温度250℃、吐出量=29.4g/分で紡出し、繊度を84dtex/96フィラメントに変更したこと以外は実施例1と同様にして、炭素粉末含有繊維8を得た。
<比較例1及び2>
ヤシ殻炭素粉末1の含有量を表1に示す量に変更したこと以外は実施例1と同様にして、炭素粉末含有繊維9及び10を得た。
<比較例3>
ヤシ殻炭素粉末1に代えて製造例4で得たヤシ殻炭素粉末4を用いたこと以外は実施例2と同様にして、炭素粉末含有繊維11を得た。
<比較例4>
ヤシ殻炭素粉末1に代えて製造例5で得た木炭微粉を用いたこと以外は実施例2と同様にして、木炭微粉含有繊維1を得た。
<比較例5>
ヤシ殻炭素粉末1に代えて、カーボンブラック(キャボット社製「バルカンXC-72」、比表面積:214m/g)を表1に示す含有量で使用したこと以外は実施例1と同様にして、カーボンブラック含有繊維を得た。
<比較例6>
ヤシ殻炭素粉末1に代えて、活性炭(株式会社クラレ製「クラレコールPW-D」、比表面積:1500m/g)を使用したこと以外は実施例1と同様にして、活性炭含有繊維を得た。
<比較例7>
木炭微粉の含有量を表1に示す量に変更したこと以外は比較例4と同様にして、木炭微粉含有繊維2を得た。
上記のようにして得た実施例及び比較例の繊維について、糸色斑、紡糸性及び消臭性を次のようにして評価した。得られた結果を表1中に示す。
<糸色斑の評価>
実施例及び比較例の繊維を用いて筒編機で筒編を作成後、該筒網のL値を、分光光度計コニカミノルタ社製「CM-3700A」を用いて、正反射処理:SCE、測定径:LAV(25.4mm)、UV条件:100%Full、視野:2°、主光源:C光源の条件で測定した。5回の測定を行い、得られた測定結果の最大値と最小値の差を算出し、糸色斑を次の基準で評価した。最大値と最小値の差が小さい程、色みのばらつきが小さいことを表す。
○:L値の最大値と最小値の差が2未満
×:L値の最大値と最小値の差が2以上
なお、実施例1で得た繊維の場合、Lの最小値は19.2、最大値は19.8であり、差は0.6であった。実施例6で得た繊維の場合、Lの最小値は17.8、最大値は18.3であり、差は0.5であった。これに対し、比較例6で得た繊維の場合、Lの最小値は17.0、最大値は19.2であり、差は2.2であった。
<紡糸性の評価>
上記の実施例及び比較例の条件で、12時間連続して繊維を製造した際に、断糸の発生回数を測定し、次の基準で評価した。
◎:12時間で断糸の発生回数が1回以下
○:12時間で断糸の発生回数が2回以上10回以下
×:12時間で断糸の発生回数が11回以上
<消臭性の評価>
一般財団法人カケンテストセンターのSEKマーク繊維製品認証基準に従う消臭性の試験方法に準拠し、アンモニアを用いる検知管法で試験を行い、2時間後のアンモニアの残存濃度を測定した。また、消臭性を次の基準で評価した。
◎:2時間後のアンモニアの残存濃度が20%以下
○:2時間後のアンモニアの残存濃度が20%超50%以下
×:2時間後のアンモニアの残存濃度が50%超
Figure 0007422247000001
実施例1~8の炭素粉末含有繊維は、炭素粉末含有繊維の質量に対する炭素粉末の含有量が0.2~7質量%であり、炭素粉末の比表面積が250m/g以上500m/g未満であり、紡糸性及び消臭性を有すると共に、糸色斑が少ないものであることが確認された。これに対し、炭素粉末の含有量が0.1質量%と少ない比較例1の場合には、十分な消臭性が得られなかった。また、炭素粉末の含有量が7質量%より高い比較例2の場合には、繊維を製造する際に断糸が発生し、紡糸性が十分とはいえないものであった。さらに比表面積が190m/gの炭素粉末を含有する比較例3や、木炭微粉を用いる比較例4、カーボンブラックを用いる比較例5の場合には、十分な消臭性が得られなかった。さらに、活性炭を用いる比較例6の場合には、均一な着色性が得られなかった。なお、木炭微粉を多量に用いる比較例7に関しては、消臭性は得られたが、紡糸性が悪かった。

Claims (6)

  1. 植物由来の炭素粉末を繊維内に含有する炭素粉末含有繊維であって、前記炭素粉末の比表面積は250m/g以上500m/g未満であり、前記炭素粉末の含有量は炭素粉末含有繊維の質量に対して0.2~7質量%であり、前記繊維はポリエステル系繊維又はポリアミド系繊維である、炭素粉末含有繊維。
  2. 炭素粉末はヤシ殻由来の炭素粉末である、請求項1に記載の炭素粉末含有繊維。
  3. 炭素粉末の平均粒子径D50は1.5μm以下である、請求項1又は2に記載の炭素粉末含有繊維。
  4. 炭素粉末の粒度分布におけるD90の値は4.0μm以下である、請求項1~のいずれかに記載の炭素粉末含有繊維。
  5. 単糸繊度が0.01~10dtexである、請求項1~のいずれかに記載の炭素粉末含有繊維。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の炭素粉末含有繊維を含む、繊維構造体。
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