JPWO2011055792A1 - エレクトロクロミック材料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、該モノマーAに対して20乃至300モル%量の重合開始剤Bの存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマー、及び当該高分岐ポリマーからなるエレクトロクロミック材料に関する。本発明の高分岐ポリマーは、応答速度が速く、高い着色効率を有し、繰り返し発消色安定性に優れ長期使用可能であり、しかも種々の溶媒への溶解性に優れるため、ワニス化することにより素子化に必要な薄膜形成を簡便に行うことができる。

Description

本発明はエレクトロクロミック材料に関し、更に詳述するとエレクトロクロミック特性を発現する化合物をポリマー部分として有する高分岐ポリマーからなるエレクトロクロミック材料に関する。
調光素子や表示素子に応用されるエレクトロクロミック素子は、電圧を印加すると可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に着色化又は無色化されるエレクトロクロミズムという現象を利用した素子である。このエレクトロクロミック素子は、一般に、例えば透明電極基板、エレクトロクロミック層、対極基板が順次設けられている素子により構成される。
これまで、エレクトロクロミック特性を有する化合物として、例えば酸化タングステンなどの無機化合物が知られており(特許文献1)、透明電極上に該無機酸化物を真空蒸着法又はスパッタリング法にて成膜して、エレクトロクロミック素子を作製する方法が提案されている。しかしながら、この製造方法は、膜形成時に真空技術が必須であり、コストが高くなるという課題がある。
より安価で簡単な製造工程により製造できる素子として、例えばビオロゲン誘導体などからなる有機エレクトロクロミック化合物等を利用した各種エレクトロクロミック素子が提案されている。
例えば、緑色エレクロトクロミック表示用ビオロゲン化合物(特許文献2)、ビオロゲン構造を有する高分子化合物を用いたエレクトロクロミックミラー(特許文献3)、高分子固体電解質の前駆体成分と反応性ビオロゲン化合物の共重合により得られる電解質層を設けたエレクトロクロミック素子(特許文献4)や、高分子型エレクトロクロミック化合物を用いたエレクトロクロミック素子(特許文献5)などが提案されている。
さらに、陽イオンのドープによりエレクトロクロミック特性を発現させたトリアジン環含有多分岐重合体(特許文献6)、外周部にエレクトロクロミック機能を有する機能性官能基からなる機能性層を有するコア−シェル型ミクロスフィア(該ミクロスフィアは例えばデンドリマーやハイパーブランチポリマーである)の含有層を有するエレクトロクロミック素子(特許文献7)、エレクトロクロミック特性を発現する化合物をポリマー部分として有するハイパーブランチポリマー(特許文献8)など、ハイパーブランチポリマーのエレクトロクロミック素子への適用も提案されている。
特開昭63−18336号公報 特開平5−170738号公報 特開平11−38454号公報 特開平11−183940号公報 特開平11−183941号公報 特開平9−302073号公報 特開2003−121883号公報 国際公開第2009/136626号パンフレット
これまでに提案されている有機エレクトロクロミック化合物は、特に表示素子への適用という観点から、応答速度や着色効率、繰り返し安定性などの点において、従来の表示素子である液晶におけるそれら性能と比して課題を残すものであり、更なる性能向上が求められるものであった。
また、前述のハイパーブランチポリマー型の有機エレクトロクロミック化合物にあっては、各種有機溶媒に対する溶解性が低く、使用可能な溶媒が限定されることとなり、素子作製時の薄膜形成が困難であるなどの問題があった。
一方、単官能性の重合性モノマーの共重合体を用いた高分子型エレクトロクロミック化合物は各種溶媒への溶解性が高く、薄膜形成を行いやすいなどの利点はあるものの、同一ポリマー内のエレクトロクロミック部位の密度が低下するため、コントラストが弱くなるなどの課題が残る。しかも、エレクトロクロミック部位の高密度化のために共重合体の高分岐化を図ったとしても、通常の高分岐ポリマーの製法では反応条件が厳しく、また手順が煩雑で生産コストもかさみ、その上、ポリマーが得られとしても、エレクトロクロミック化合物としての実用的な応答速度や着色効率を備えていないといった問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、応答速度が速く、高い着色効率を有し、繰り返し安定性に優れ長期使用可能であり、しかも種々の溶媒への溶解性に優れ、さらには製造が簡便であるエレクトロクロミック材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーを、モノマーに対して20乃至300モル%量の重合開始剤の存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマーが、優れたエレクトロクロミックと溶解性に優れる高分子材料となり得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、第1観点として、同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、該モノマーAに対して20乃至300モル%量の重合開始剤Bの存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマーからなる、エレクトロクロミック材料に関する。
第2観点として、前記同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAが、下記式(1)で表される化合物である、第1観点に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
[式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、A1及びA2はそれぞれ独立して、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至14の2価の炭化水素残基を表し、Eはエレクトロクロミック特性を発現する部分を表す。]
第3観点として、前記式(1)中、A1及びA2が下記式(2)乃至式(5)の何れかで表される構造である、第2観点に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
[式中、p、q、r及びsは繰り返し数であり、それぞれ独立して、1乃至6の整数を表し、*はエレクトロクロミック特性を発現する部分であるEと連結する側である。]
第4観点として、前記式(1)で表されるモノマーAが下記式(6)で表される化合物である、第2観点に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
[式中、Eは前記式(1)と同じ意味を表す。]
第5観点として、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが、4級ビピリジニウム塩構造の部分、1,4−ジアセチルベンゼン構造の部分、テレフタル酸ジエステル構造の部分、又はビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジエステル構造の部分である、第4観点に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
第6観点として、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(7)で表される構造である、第5観点に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
[式中、R3乃至R10はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表し、X-及びY-はそれぞれ独立して、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、PhSO3 -、p−TolSO3 -又はR27SO4 -を表す(前記式中、Phはフェニル基を表し、p−Tolはパラ−トリル基を表し、R27は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。)。]
第7観点として、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(8)で表される、第5観点に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
[式中、R11乃至R14はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
第8観点として、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(9)で表される、第5観点に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
[式中、R15乃至R18はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
第9観点として、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(10)で表される、第5観点に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
[式中、R19乃至R26はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
第10観点として、前記重合開始剤Bがアゾ系重合開始剤である、第1観点乃至第9観点の何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
第11観点として、前記重合開始剤Bが2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルである、第10観点に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
第12観点として、前記高分岐ポリマーのゲル浸透クロマトグラフィーで測定される重量平均分子量(Mw)が、ポリエチレングリコール換算で1,000乃至2,000,000、又はポリスチレン換算で1,000乃至200,000である、第1観点乃至第11観点の何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料に関する。
第13観点として、下記式(6)で表される、エレクトロクロミック特性を発現する部分を有するモノマーAを、該モノマーAに対して20乃至300モル%量の重合開始剤Bの存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマーに関する。
[式中、Eはエレクトロクロミック特性を発現する部分を表す。]
第14観点として、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(7)で表される構造である、第13観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
[式中、R3乃至R10はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表し、X-及びY-はそれぞれ独立して、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、PhSO3 -、p−TolSO3 -又はR27SO4 -を表す(前記式中、Phはフェニル基を表し、p−Tolはパラ−トリル基を表し、R27は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。)。]
第15観点として、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(8)で表される構造である、第13観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
[式中、R11乃至R14はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
第16観点として、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(9)で表される構造である、第13観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
[式中、R15乃至R18はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
第17観点として、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(10)で表される構造である、第13観点に記載の高分岐ポリマーに関する。
[式中、R19乃至R26はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
第18観点として、第1観点乃至第12観点のうち何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料が、少なくとも1種の溶剤に溶解又は分散していることを特徴とするワニスに関する。
第19観点として、第1観点乃至第12観点うち何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料を含有する薄膜状構造体に関する。
第20観点として、少なくとも片方が透明である2枚の電極層間に、第1観点乃至第12観点のうち何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料を含有する薄膜状構造体が挟まれているエレクトロクロミック素子に関する。
本発明のエレクトロクロミック材料は、応答速度が速く、高い着色効率を有し、繰り返し安定性に優れ長期使用可能なエレクトロクロミック特性を有する。特に本発明のエレクトロクロミック材料は、高分岐させたポリマーにエレクトロクロミック部位を組みこむことにより、着色効率を高めることが可能となり、膜厚を薄くしても高いコントラストを得ることができ、一層の薄膜化による応答速度向上が達成できる。
また本発明のエレクトロクロミック材料は、エレクトロクロミック部位を導入したモノマーから一段階で合成できるため製造が容易であり、また、高分子化合物という特性を生かして、簡単な塗布・乾燥操作でそのまま薄膜状の構造体を形成させることが可能である。しかも、本発明のエレクトロクロミック材料は、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)だけでなく、アルコールや水などにも可溶であることから、溶媒を限定することなくワニスの形態にすることができ、薄膜状の構造体を形成することができる。さらに、本発明のエレクトロクロミック材料は通常の平板状の基板上だけでなく、フレキシブルなフィルム状の基板上にも薄膜状の構造体の形成が可能であり、このため、フレキシブルなフィルム状のエレクトロクロミック素子を作製することも可能となる。
図1は本発明のエレクトロクロミック材料を用いて作製したエレクトロクロミック素子の構成例を示す断面図である。 図2は本発明のエレクトロクロミック材料を用いて作製したエレクトロクロミック素子の別の構成例を示す断面図である。 図3は実施例1で合成した高分岐ポリマーのTEM画像を示す図である。 図4は実施例6で作製した、高分岐ポリマー1を用いたエレクトロクロミックセル(EC発色層膜厚:約200nm)に正電圧又は負電圧を印加した際の、波長530nmにおける吸光度の時間変化を示す図である(実施例7参照)。 図5は実施例8で作製した、高分岐ポリマー1を用いたフレキシブルエレクトロクロミック素子の可とう性を示す図である。 図6は実施例9で作製した、ECセルA及びECセルCの電流−電圧特性のEC層膜厚依存性を示す図である(実施例10参照)。 図7は実施例9で作成した、ECセルA及びECセルCの透過率のEC層膜厚依存性を示す図である(実施例11参照)。 図8は実施例9で作成したECセルBの吸光度の印加電圧依存性を示す図である(実施例12参照)。 図9は実施例9で作成したECセルCの発色応答速度の印加電圧依存性を示す図である(実施例13参照)。 図10は実施例9で作成したECセルCに正電圧又は負電圧を印加した際の、波長550nmにおける吸光度の時間変化を示す図である(実施例14参照)。
本発明のエレクトロクロミック材料は、同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、該モノマーAに対して20乃至300モル%量の重合開始剤Bの存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマーである。また本発明の高分岐ポリマーは、いわゆる開始剤断片組込み型高分岐ポリマーであり、その末端に重合に使用した重合開始剤Bの断片を有している。
<モノマーA>
本発明において、上記モノマーAとしては、同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と、ビニル基又は(メタ)アクリル基の何れか一方を2個以上又は双方を合わせて2個以上とを有する化合物であることが好ましく、より好ましくは、前記式(1)で表される化合物である。
前記式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、A1及びA2はそれぞれ独立して、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至14の2価の炭化水素残基を表し、Eはエレクトロクロミック特性を発現する部分を表す。
前記A1及びA2は、好ましくは前記式(2)乃至式(5)で表される構造を表し、式(2)乃至式(5)中、p、q、r及びsは繰り返し数であり、それぞれ独立して、1乃至6の整数を表し、*はエレクトロクロミック特性を発現する部分であるEと連結する側である。
中でも、前記式(1)で表されるモノマーAとして、前記式(6)で表される化合物が好ましい(式(6)中、Eはエレクトロクロミック特性を発現する部分を表す。)。
本発明において、エレクトロクロミック特性を発現する部分Eは、4級ビピリジニウム塩構造の部分、1,4−ジアセチルベンゼン構造の部分、テレフタル酸ジエステル構造の部分、又はビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジエステル構造の部分であり、具体的には、前記式(7)乃至式(10)で表される構造が挙げられる。
前記式(7)中、R3乃至R10はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表し、X-及びY-はそれぞれ独立して、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、PhSO3 -、p−TolSO3 -又はR27SO4 -を表す。なお前記式中、Phはフェニル基を表し、p−Tolはパラ−トリル基を表し、R27は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。
また、前記式(8)中のR11乃至R14、前記式(9)中のR15乃至R18、そして前記式(10)中のR19乃至R26は、それぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。
前記式(7)中のR3乃至R10、R27、前記式(8)中のR11乃至R14、前記式(9)中のR15乃至R18、そして前記式(10)中のR19乃至R26における直鎖状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。また、前記分岐鎖状アルキル基の具体例としては、イソプロピル基、イソブチル基、2−メチルプロピル基等が挙げられる。
さらに、前記環状アルキル基としては、炭素原子数3乃至30の単環式、多環式、架橋環式の環状構造の脂環式脂肪族基が挙げられる。具体的には、炭素原子数3以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ、ペンタシクロ構造等を有する基を挙げることができる。
<重合開始剤B>
本発明における重合開始剤Bとしては、好ましくはアゾ系重合開始剤が用いられる。
アゾ系重合開始剤としては、例えば以下の(1)〜(5)に示す化合物を挙げることができる。
(1)アゾニトリル化合物:
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル等;
(2)アゾアミド化合物:
2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)等;
(3)環状アゾアミジン化合物:
2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジスルフェートジヒドレート、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2'−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド等;
(4)アゾアミジン化合物:
2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラヒドレート等;
(5)その他:
2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等。
上記アゾ系重合開始剤の中でも、重合開始剤の溶媒への溶解性が高くハンドリングしやすい観点から、また得られる高分岐ポリマーはその末端に重合に使用した重合開始剤の断片を有しているため、ポリマー末端に組み込まれるエステル基の化学変換により、前記ポリマーの溶解性が制御できるという観点から、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルが好ましい。
前記重合開始剤Bは、前記モノマーAに対して、20乃至300モル%の量で使用され、好ましくは50乃至300モル%、より好ましくは50乃至200モル%の量で使用される。
<高分岐ポリマーの製造方法>
本発明のエレクトロクロミック材料(高分岐ポリマー)は、前述のモノマーに対して所定量の重合開始剤Bの存在下で重合させて得られ、該重合方法としては公知の方法、例えば溶液重合、分散重合、沈殿重合、及び塊状重合等が挙げられ、中でも溶液重合又は沈殿重合が好ましい。特に分子量制御の点から、有機溶媒中での溶液重合によって反応を実施することが好ましい。
このとき用いられる有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶媒;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、オルトジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系又はエステルエーテル系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン等の複素環式化合物系溶媒、並びにこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒等であり、特に好ましいものはトルエン、キシレン、オルトジクロロベンゼン、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチルセロソルブ、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等である。
上記重合反応を有機溶媒の存在下で行う場合、重合反応物全体における有機溶媒の含量は前記モノマーAの1質量部に対し、好ましくは1〜100質量部、さらに好ましくは5〜50質量部である。
重合反応は常圧、加圧密閉下、又は減圧下で行われ、装置及び操作の簡便さから常圧下で行うのが好ましい。また、N2等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
重合反応の温度は好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは70〜150℃であり、重合時間は好ましくは1〜24時間、さらに好ましくは3〜10時間である。
重合反応の終了後、得られた高分岐ポリマー(エレクトロクロミック材料)を任意の方法で回収し、必要に応じて洗浄等の後処理を行なう。反応溶液から高分岐ポリマーを回収する方法としては、再沈殿等の方法が挙げられる。
得られた高分岐ポリマー(エレクトロクロミック材料)の重量平均分子量(以下Mwと略記)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリエチレングリコール換算で1,000乃至2,000,000、好ましくは10,000乃至2,000,000、或いは、ポリスチレン換算で1,000乃至200,000、好ましくは5,000乃至100,000である。
なおこのようにして得られたポリマーも本発明の対象である。
すなわち、本発明は前記式(6)で表される、エレクトロクロミック特性を発現する部分を有するモノマーAを、該モノマーAに対して20乃至300モル%量の重合開始剤Bの存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマーにも関する。なお前述した通り、本発明の高分岐ポリマーは、いわゆる開始剤断片組込み型高分岐ポリマーであり、その末端に重合に使用した重合開始剤Bの断片を有している。このため、得られる高分岐ポリマーの物性(溶媒溶解性など)を容易に調整することが可能である。
中でも好ましくは、前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが前記式(7)、式(8)、式(9)又は式(10)で表わされる構造である高分岐ポリマーである。
<エレクロトクロミック素子の製造方法>
本発明のエレクトロクロミック材料は、エレクトロクロミック素子の材料として使用することができる。該エレクトロクロミック素子は、少なくとも1枚は透明な2枚の導電基板と、これら基板間の挿設されたイオン導電性物質層と、このイオン導電性物質層と前記いずれかの導電基板との間に挿設された、エレクトロクロミック発色層より構成される。前記エレクトロクロミック発色層は、本発明のエレクトロクロミック材料を含有することを特徴とする。このようなエレクトロクロミック素子の代表的な構成例を図1に示す。
図1に示すように、前記エレクトロクロミック素子は、一例として、透明基板1の一方の面に透明電極層2が形成された透明導電基板の面上に、エレクトロクロミック(EC)層3を形成した第一の積層体と、透明基板6の一方の面に透明電極層5が形成された第二の積層体(透明導電基板)とを、第一の積層体のエレクトロクロミック層3と、第二の積層体の透明電極層5が向き合うように適当な間隔で対向させ、ここにイオン導電性物質を有する電荷輸送(CT)層4を挟持させてなる。
そして上記素子は、電極間に電圧を印加することによりエレクトロクロミック現象を生じさせ、発色・消色を起こすことができる。電圧印加手段としては公知のものを利用することができる。
上記エレクトロクロミック素子を構成する各膜及び層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、膜及び層を形成する慣用の方法によって作製可能である。
例えば図2に示すように、透明基板1の一方の面に透明電極層2が形成された透明導電基板としてITO付きガラス基板を採用し、該基板上に、後述に例示する方法でエレクトロクロミック材料を含有するEC(エレクトロクロミック)層3を形成し、第一の積層体(積層板A)を作製する。なお、該ITO付きガラス基板は、前記第二の積層体(積層板B)でもある。
上記透明基板としてはガラス基板の他、透明な樹脂等も使用することができ、硬い板状のものでも、フレキシブルなフィルム状のものでも良い。透明基板として用いられる樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、フッ素樹脂、エチレン、ビニルアルコールなどの透明樹脂が挙げられる。
また、透明基板に設ける透明電極層としては、前述のITO(錫添加酸化インジウム)のほか、ATO(アンチモン添加酸化錫)、FTO(フッ素添加酸化錫)、AZO(アルミニウム添加酸化亜鉛)、GZO(ガリウム添加酸化亜鉛)、Au、Ag、Pt等の貴金属薄膜等を使用できる。
上記EC層を形成する具体的な方法としては、まず、エレクトロクロミック材料を溶媒に溶解又は分散してワニスの形態(膜形成材料)とし、該ワニスを基板上にキャストコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、インクジェット法、印刷法(凸版、凹版、平版、スクリーン印刷等)等によって塗布し、その後、ホットプレート又はオーブン等で乾燥して成膜する。これらの塗布方法の中でもスピンコート法が好ましい。スピンコート法を用いる場合には、単時間で塗布することができるために、揮発性の高い溶液であっても利用でき、また、均一性の高い塗布を行うことができるという利点がある。
上記ワニスの形態において使用する溶媒としては、N,N'−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メタノール、エタノール、プロパノール、水、テトラヒドロフラン(THF)又はトリクロロメタン等が挙げられる。これら溶媒は単独で使用してもよく、2種類以上の溶媒を混合してもよい。
また上記溶媒に溶解又は分散させる濃度は任意であるが、エレクトロクロミック材料と溶媒の総質量(合計質量)に対して、エレクトロクロミック材料の濃度は0.001乃至90質量%であり、好ましくは0.002乃至80質量%であり、より好ましくは0.005乃至70質量%である。
形成されたEC層の厚さは、通常0.01μm乃至50μm、好ましくは0.1μm乃至20μmである。
また、必要であれば、本発明のエレクトロクロミック材料に加えて、さらに発色を助長する化合物を併用して膜又は層を形成しても良い。
その後、この積層板Aのエレクトロクロミック層3と、積層板Bの透明電極層5を1乃至1,000μm程度の間隔で対向させ、注入口を除いた周辺をシール材7でシールし、注入口付きの空セルを作製する。この注入口より、液状のイオン導電性物質を注入し、注入口を適宜封止することにより、CT(電荷輸送)層4を形成し、エレクトロクロミック素子を完成させる。
あるいは、前記積層板AのEC層3(又は積層板Bの電極層5)上に液状のイオン導電性物質を滴下し、滴下したイオン導電性物質に積層板Bの電極層5(又は積層板AのEC層3)が接するように積層板B(又は積層板A)を重ね、周辺をシールすることによってエレクトロクロミック素子を完成させる。
上記エレクトロクロミック素子のCT層4に用いるイオン導電性物質とは、通常室温で1×10-7S/cm以上のイオン伝導度を示す物質であることが好ましい。イオン導電性物質としては特に限定されず、液状イオン導電性物質、ゲル状イオン導電性物質或いは固体状イオン導電性物質等を挙げることができる。
このなかでも、例えば液状のものとして、溶媒に塩類、酸類、アルカリ類等の支持電解質を溶解したもの等を用いることができる。前記溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、特に極性を有するものが好ましい。具体的には水や、メタノール、エタノール、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ジオキソラン、トリメチルホスフェイト、ポリエチレングリコール等の有機極性溶媒が挙げられる。これらは、使用に際して単独もしくは混合物として使用できる。
支持電解質としての塩類は、特に限定されず、各種のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機イオン塩や、4級アンモニウム塩、環状4級アンモニウム塩などがあげられ、具体的にはLiClO4、LiSCN,LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiPF6、LiI、NaI、NaSCN、NaClO4、NaBF4、NaAsF6、KSCN,KCl等のアルカリ金属塩等や、(CH34NBF4、(C254NBF4、(n−C494NBF4、(C254NBr、(n−C494NBr、(C254NClO4、(n−C494NClO4等の4級アンモニウム塩及び環状4級アンモニウム塩等、もしくはこれらの混合物が好適なものとして挙げられる。
また上記エレクトロクロミック素子において、前記積層板Aと積層板Bとの間隔を一定に確保するためにスペーサーを用いることができる。スペーサーとしては特に限定されないが、ガラス、ポリマー等で構成されるビーズ、ファイバー又はシートを用いることができる。スペーサーは対向する導電基板の間隙に挿入したり、あるいは、導電基板の電極上に樹脂等の絶縁物で構成される突起状物を形成する方法等により設けることができる。
上記エレクトロクロミック素子は、上述の構成や製造方法に何等限定されるものではなく、更に他の構造又は要素を備えていてもよい。
他の構造又は要素としては、例えば、紫外線反射層や紫外線吸収層などの紫外線カット層、エレクトロクロミックミラー向け用途の場合にはミラー層全体、もしくは各膜層の表面保護を目的とするオーバーコート層等を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例において、試料の調製及び物性測定は、下記の条件のもとで下記の装置を使用して行った。
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー
ポリスチレン換算
装置:東ソー(株)製 HLC−8220GPC
カラム:Shodex KF−804L、KF−805L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:RI
ポリエチレングリコール換算
装置:東ソー(株)製 HLC−8220GPC
カラム:TSK−GEL G6000PWXL−CP、G3000PWXL−CP
カラム温度:40℃
溶媒:20mM硝酸ナトリウム水溶液
検出器:RI
(2)TEM観察
装置:(株)日立ハイテクノロジーズ製 日立透過電子顕微鏡 H−8000
加速電圧:200kV
(3)スピンコーター
装置:(株)共和理研製 K−359SD−2 SPINNER
(4)レーザー顕微鏡
装置:(株)キーエンス製 超深度形状測定顕微鏡 VK−8510
(5)デジタルマイクロメータ
装置:(株)ミツトヨ製 ABSデジマチックキャリパ 500−150
(6)光源
装置:浜松ホトニクス(株)製 キセノンランプ E7536
(7)熱カットフィルタ
装置:AGCテクノグラス(株)製 IRA No.2
(8)UVカットフィルタ
装置:東芝硝子(株)(現:AGCテクノグラス(株))製
(9)検出器
装置:オプトシリウス(株)製 Ocean Optics USB4000
(10)電流−電圧特性
装置:ビー・エー・エス(株)製 電気化学アナライザー ALS708C
合成例、実施例で使用した主な試薬の出所は以下の通りである。
クロロメチルスチレン:AGCセイミケミカル(株)製 CMS−14
4,4’−ビピリジン:東京化成工業(株)製 特級
テレフタル酸:東京化成工業(株)製 特級
4,4’−ビフェニルカルボン酸:アルドリッチ社製
1,4−ジアセチルベンゼン:東京化成工業(株)製 1級
4−ビニル安息香酸:和光純薬工業(株)製
2,6−ルチジン:東京化成工業(株)製 1級
6−ブロモヘキサノイルクロリド:東京化成工業(株)製
2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル:大塚化学(株)製
プロピレンカーボネート:東京化成工業(株)製 特級
過塩素酸リチウム:キシダ化学(株)製 特級
ポリメチルメタクリレート:アルドリッチ社製 Mw=350,000
[合成例1]モノマー1の合成
窒素雰囲気下、反応器にクロロメチルスチレン4.6g(30mmol)、4,4’−ビピリジン0.78g(5mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)150mLを加え、60℃で20時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をろ過し、ろ物をアセトンで洗浄した。得られた湿品を乾燥して、黄色固体のモノマー1を1.2g得た(収率50%)。
[実施例1]高分岐ポリマー1の合成
窒素雰囲気下、反応器に合成例1で得られたモノマー1 1.15g(2.5mmol)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル1.15g(5mmol)及びエチレングリコール44gを加え、100℃で6時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮した。その残渣をメタノール5mLに溶解させたところへ、酢酸エチル400mLを加えて再沈殿させた。析出した固体をろ過、乾燥して、薄ピンク色固体の高分岐ポリマー1を1.5g得た(得率65%)。
得られた高分岐ポリマー1のポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)は1,300,000だった。
[試験例1]高分岐ポリマー1のTEM(透過型電子顕微鏡)観察
実施例1で得られた高分岐ポリマー1の、0.01質量%メタノール溶液をカーボンメッシュグリッドに滴下、乾燥して、TEM観察用サンプルを作製した。このサンプルをTEM観察したところ、10nm程度の粒径を有する球形状の粒子が観察された。観察されたTEM画像を図3に示す。
通常、直鎖状ポリマーは同条件でサンプルを作製しTEM観察を行ってもTEM画像として観察することはできず、高度に分岐したポリマーのみTEM観察できることから、本発明の高分岐ポリマー1は確かに高度に分岐していることが示唆された。
[合成例2]モノマー2の合成
窒素雰囲気下、反応器にテレフタル酸1.0g(6mmol)、水酸化カリウム0.67g(12mmol)及びメタノール20mLを加え、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮して乾固した。そこへクロロメチルスチレン2.7g(18mmol)及びDMF25mLを加え、100℃で8時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をろ過して沈殿物を取り除き、そのろ液を濃縮した。その残渣をヘキサンで洗浄した後、酢酸エチルで再結晶することで、白色固体のモノマー2を0.66g得た(収率28%)。
[実施例2]高分岐ポリマー2の合成
窒素雰囲気下、反応器に合成例2で得られたモノマー2 0.40g(1mmol)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.46g(2mmol)及びトルエン16gを加え、100℃で5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮した。その残渣を少量のクロロホルムに溶解させたところへ、ジイソプロピルエーテルを加えて再沈殿させた。析出した固体をろ過した後、同様にして再度再沈殿操作を行った。析出した固体をろ過、乾燥して、白色固体の高分岐ポリマー2を0.30g得た(得率35%)。
得られた高分岐ポリマー2のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は8,800だった。
[合成例3]モノマー3の合成
窒素雰囲気下、反応器にビフェニル−4,4’−ジカルボン酸1.5g(6mmol)、水酸化カリウム0.67g(12mmol)及びメタノール20mLを加え、室温で4時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮して乾固した。そこへクロロメチルスチレン5.6g(36mmol)及びDMF25mLを加え、100℃で8時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をろ過して沈殿物を取り除き、そのろ液を濃縮した。その残渣を酢酸エチルで再結晶することで、白色固体のモノマー3を0.66g得た(収率32%)。
[実施例3]高分岐ポリマー3の合成
窒素雰囲気下、反応器に合成例3で得られたモノマー3 0.48g(1mmol)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.46mg(2mmol)及びトルエン20gを加え、100℃で5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮した。その残渣を少量のクロロホルムに溶解させたところへ、ジイソプロピルエーテルを加えて再沈殿させた。析出した固体をろ過した後、同様にして再度再沈殿操作を行った。析出した固体をろ過、乾燥して、白色固体の高分岐ポリマー3を0.28g得た(得率30%)。
得られた高分岐ポリマー3のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は8,100だった。
[合成例4]モノマー4の合成
酢酸80mL及び48%臭化水素水溶液5mLの混合溶液の中に、1,4−ジアセチルベンゼン3.2g(20mmol)を加え、0℃まで冷却した。この混合溶液へ、臭素6.4g(40mmol)を反応温度が20℃以上にならないようにゆっくりと加えた。その後、0℃で30分間、室温で1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をろ過し、ろ物をエタノール−水混合溶液(体積比1:1)で洗浄した。得られた湿品を乾燥して、白色固体の1,4−ビス(2−ブロモアセチル)ベンゼンを5.5g得た(収率86%)。
窒素雰囲気下、得られた1,4−ビス(2−ブロモアセチル)ベンゼン4.2g(13mmol)、4−ビニル安息香酸3.9g(26mmol)及びテトラヒドロフラン(以下THFと略記する)70mLを入れた反応器へ、トリエチルアミン5mL(36mmol)を滴下し、室温で16時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をろ過し、ろ物を水及び酢酸エチルで洗浄した。得られた湿品を乾燥して、白色固体のモノマー4を4.8g得た(収率81%)。
[実施例4]高分岐ポリマー4の合成
窒素雰囲気下、反応器に合成例4で得られたモノマー4 0.45g(1mmol)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.46g(2mmol)及びDMF17gを加え、100℃で5時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮した。その残渣を少量のTHFに溶解させたところへ、ジイソプロピルエーテルを加えて再沈殿させた。析出した固体をろ過した後、同様にして再度再沈殿操作を行った。析出した固体をろ過、乾燥して、白色固体の高分岐ポリマー4を0.53g得た(得率60%)。
得られた高分岐ポリマー4のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は20,000だった。
[合成例5]モノマー5の合成
反応器にクロロメチルスチレン54g(350mmol)、酢酸カリウム40g(420mmol)及びジメチルスルホキシド(以下DMSOと略記する)150mLを加え、40℃で48時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を水150mLに加え、酢酸エチルで抽出した。分液した酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。その残渣を、エタノール−水混合溶液(体積比5:1)150mLに水酸化ナトリウム25g(625mmol)を溶解させた溶液に加え、1.5時間還流させた。その後反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。分液した酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、4−ヒドロキシメチルスチレンを47g得た(収率98%)。
窒素雰囲気下、反応器に得られたヒドロキシメチルスチレン2.7g(20mmol)、2,6−ルチジン2.7mL(22mmol)及びTHF30mLを加え、撹拌しながら0℃に冷却した。この混合溶液へ、ブロモへキサノイルクロリド3.2mL(21mmol)をシリンジで約10分かけて滴下した。反応終了後、反応混合物をろ過して沈殿物を取り除き、そのろ液を濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、6−ブロモヘキサン酸4−ビニルベンジルを定量的に得た。
窒素雰囲気下、反応器に得られた6−ブロモヘキサン酸4−ビニルベンジル3.1g(10mmol)、4,4’−ビピリジン0.55g(3.5mmol)及びDMF35mLを加え、60℃で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮した。その残渣へトルエンを加え、不溶物をろ過した。このろ物を少量のクロロホルムに溶解させたところへ、酢酸エチルを加えて再沈殿させた析出した固体をろ過、乾燥して、モノマー5を1.7g得た(収率31%)。
[実施例5]高分岐ポリマー5の合成
窒素雰囲気下、反応器に合成例5で得られたモノマー5 0.39g(0.5mmol)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル0.23g(1mmol)及びエチレングリコール12gを加え、100℃で6時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮した。その残渣を少量のメタノールに溶解させたところへ、THF−ヘキサン混合溶液(体積比1:1)を加えて再沈殿させた。析出した固体をろ過した後、同様にして再度再沈殿操作を行った。析出した固体をろ過、乾燥して、黄色固体の高分岐ポリマー5を0.24g得た(得率38%)。
得られた高分岐ポリマー5は、THF、20mM硝酸ナトリウムの何れにも難溶のため、GPCによる重量平均分子量の測定はできなかった。
[実施例6]エレクトロクロミック評価(電圧印加に伴う発色)
実施例1乃至5で得られた高分岐ポリマー1乃至5を用いて、以下の方法により図1に示す構成に準じたエレクトロクロミックセルを作製し、評価した。
<ITOガラス基板の洗浄>
エアロダスターでITOガラス基板(26mm×22mm)表面のゴミを吹き飛ばし、沸騰したエタノールを用いてITOガラス基板を洗浄した。
<エレクトロクロミック(EC)層の作製>
高分岐ポリマー1乃至5を表1に示した溶媒にそれぞれ溶かし、5質量%の溶液を調製した。得られた各溶液を、ITOガラス基板のITO面にスピンコート法(2,000rpm、1分間)で塗布した後、40℃のホットプレート上で1日乾燥させて成膜した。
得られた膜の一部に剃刀で傷を入れ、レーザー顕微鏡で観察し、傷部と膜部の焦点距離の差から膜厚を求めた。何れの高分岐ポリマーを用いたEC層も、その膜厚はおよそ200nmであった。
<電荷輸送(CT)層の作製>
プロピレンカーボネート10mLに過塩素酸リチウム0.5gを溶かし、この混合物にポリメチルメタクリレート10g及びアセトニトリル30mLを加えた。この混合物を110℃で加熱しながら24時間撹拌し、リチウム電解質溶液を調製した。
得られたリチウム電解質溶液をITOガラス基板上に均一にキャストし、40℃のホットプレート上で1時間乾燥した。
<ECセルの作製>
ITOガラス基板に作製したEC層上に、前述のリチウム電解質溶液を滴下し、さらにその上に、ガラス基板側が外側になるようにCT層を配したITOガラス基板を乗せた。そうしたところ、2枚のガラス基板の間でリチウム電解質溶液が全面に広がり、均一な膜になった。これを40℃のホットプレート上で1日乾燥させ、ECセルを作製した。
得られたECセルのCT層の膜厚をデジタルマイクロメータで測定したところ、何れの高分岐ポリマーを用いたECセルも、そのCT層厚はおよそ15μmであった。
<駆動電圧と発色の評価>
作製したECセルに徐々に負電圧を印加していき、発色した電圧とその色を評価した。結果を表1に示す。
表1に示すように、高分岐ポリマー1を用いた場合に、特に低い駆動電圧でマゼンタ色に発色した。
[実施例7]エレクトロクロミック評価(正負電圧印加に伴う着消色)
実施例6で作製した、高分岐ポリマー1を用いたECセルに、2Vの正負電圧を交互に印加したときの波長530nmの吸光度の変化を測定した。光源はキセノンランプを使用し、熱カットフィルタ及びUVカットフィルタを通した光を検出器で測定した。
−2Vでマゼンタ色に発色したECセルは、+2Vの逆電圧を印加すると色が消え、可逆的に着消色することが確認された。また、印加電圧を−2.5Vに上げるとコントラストが上がり、より鮮明に着消色することが確認された。結果を図4に示す。
[実施例8]フレキシブルエレクトロクロミック素子の作製
<パターニングされたITO基板の作製>
ポリカーボネート製ITO基板(帝人(株)製、76mm×70mm)のITO電極面に、ポジ型レジスト(東京応化工業(株)製、TMSR−8900)をスピンコート法(300rpm×3秒間、次いで4,000rpm×30秒間)により塗布し、40℃のホットプレートで5分間加熱乾燥した。得られたレジスト膜をマスク露光後、現像液(東京応化工業(株)製、NMD−3)で現像した。次にこの基板をITOエッチング溶液(関東化学(株)製、ITO−07N)に5分間浸漬し、パターン露光部のITOを除去した。最後に基板上に残っているレジスト膜をアセトンで除去し、イオン交換水で洗浄後乾燥することで、パターニングされたITO基板を作製した。
<エレクトロクロミック(EC)層の作製>
実施例1で得られた高分岐ポリマー1をメタノールに溶解し、2質量%の溶液を調製した。得られた溶液を、前述のパターニングされたITO基板のITO電極面にスピンコート法(100rpm×10秒間、次いで2,000rpm×60秒間)により塗布した。この塗膜を40℃のホットプレートで24時間乾燥し、EC層を得た。
<電荷輸送(CT)層の作製>
プロピレンカーボネート10mLに過塩素酸リチウム2.0gを溶かし、この混合物にポリメチルメタクリレート10g及びアセトニトリル30mLを加えた。この混合物を110℃で加熱しながら24時間撹拌し、CT層となるリチウム電解質溶液を調製した。
得られたリチウム電解質溶液を、別のポリカーボネート製ITO基板(76mm×70mm)のITO電極面に均一にキャストし、40℃のホットプレート上で1時間乾燥した。
<フレキシブルEC素子の作製>
パターニングされたITO基板に作製したEC層上に、前述のリチウム電解質溶液をキャストし、さらにその上に、CT層を配したITO基板をCT層が内側になるように乗せた。そうしたところ、2枚のITO基板の間でCT層液が全面に広がり、均一なCT層になった。これを40℃のホットプレートで24時間乾燥し、フレキシブルEC素子を作製した。
得られたEC素子に−3Vの電圧を印加したところ、作製したパターンがマゼンタに発色し表示された。また、電圧の印加を止めてもパターン表示は維持された。さらに、図5に示すように、このEC素子は可とう性を有するフレキシブルなEC素子であり、その厚み(ITO基板+EC層+CT層+ITO基板)は0.4mmであった。
[実施例9]エレクトロクロミック素子(ECセル)A,B及びCの作製
<ITOガラス基板の洗浄>
エアロダスターでITOガラス基板(10mm×20mm)表面のゴミを吹き飛ばし、沸騰したエタノールを用いてITOガラス基板を洗浄した。
<エレクトロクロミック(EC)層の作製>
高分岐ポリマー1をメタノールに溶かし、表2に示した濃度のメタノール溶液をそれぞれ調製した。得られた各溶液を、ITOガラス基板のITO面に表2に示した条件でスピンコート法により塗布した後、40℃のホットプレート上で1日乾燥させて成膜した。
得られた膜の一部に剃刀で傷を入れ、レーザー顕微鏡で観察し、傷部と膜部の焦点距離の差から膜厚を求めた。結果を表2に合わせて示す。
<電荷輸送(CT)層の作製>
プロピレンカーボネート40mLに過塩素酸リチウム2.0gを溶かし、この混合物にポリメチルメタクリレート10g及びアセトニトリル80mLを加えた。この混合物を90℃で加熱しながら6時間撹拌し、リチウム電解質溶液を調製した。
得られたリチウム電解質溶液をITOガラス基板上に均一にキャストした。
<ECセルの作製>
ITOガラス基板に作製したEC層上に、前述のリチウム電解質溶液を滴下し、さらにその上に、ガラス基板側が外側になるようにCT層を配したITOガラス基板を乗せた。そうしたところ、2枚のガラス基板の間でリチウム電解質溶液が全面に広がり、均一な膜になった。これを40℃のホットプレート上で1日乾燥させ、ECセルを作製した。
得られたECセルのCT層の膜厚をデジタルマイクロメータで測定したところ、何れのECセルも、そのCT層厚はおよそ15μmであった。
[実施例10]電流−電圧特性のEC層膜厚依存性
実施例9で作製したECセルA(EC層厚150nm)及びECセルC(EC層厚300nm)の電流−電圧特性を測定した。なお、本明細書中において、プラスの電圧印加はEC層側の電極を正極とすることを表し、マイナスの電圧印加はCT層側の電極を正極とすることを表す。
何れのECセルも−2V付近から電流が流れ始め、マゼンタ色に発色した。また、EC層厚が厚いほうが電流値の上昇が大きく、コントラストが大きくなることが確認された。結果を図6に合わせて示す。
[実施例11]透過率のEC層膜厚依存性
実施例9で作製したECセルA(EC層厚150nm)及びECセルC(EC層厚300nm)に−2.8Vの電圧を印加し、マゼンタ色に発色したそれぞれのECセルの透過率を測定した。なお、透過率は、各ECセルの消色時の透過率を100%とした。
各ECセルは550nm付近に吸収ピークを示した。また、EC層厚が厚いほうが透過率が低い、すなわち、より色濃く発色することが確認された。得られたスペクトルを図7に合わせて示す。
[実施例12]吸光度の印加電圧依存性
実施例9で作製したECセルBに、−2.5V、−2.0V、0Vの電圧をそれぞれ印加した際の、ECセルの吸光度を測定した。なお、吸光度の測定は実施例7と同様の方法で行った。
ECセルの吸光度は印加電圧に依存し、より高い負電圧を印加することで、より色濃く発色することが確認された。得られたスペクトルを図8に合わせて示す。
[実施例13]発色応答速度の印加電圧依存性
実施例9で作製したECセルCに、−2.8V、−2.4V、−2.0Vの電圧をそれぞれ印加した際の、ECセルの波長550nmの吸光度の時間変化を測定した。なお、吸光度の測定は実施例7と同様の方法で行った。
ECセルの吸光度変化は印加電圧に依存し、より高い負電圧を印加することで、より速く発色する、すなわち発色応答速度が速いことが確認された。得られたスペクトルを図9に合わせて示す。
[実施例14]正負電圧印加に伴う着消色
実施例9で作製したECセルCに、2.5Vの正負電圧をそれぞれ印加した際の、ECセルの波長550nmの吸光度変化を測定した。なお、吸光度の測定は実施例7と同様の方法で行った。
−2.5Vでマゼンタ色に発色したECセルは、電圧印加を止めてもそのまま発色し、メモリー性を示すことが確認された。また、+2.5Vの電圧印加で色が消え、可逆的に着消色することが確認された。
1・・・透明基板
2・・・透明電極層
3・・・エレクトロクロミック層
4・・・電荷輸送層
5・・・透明電極層
6・・・透明基板
7・・・シール材
A・・・積層板A(第一の積層体)
B・・・積層板B(第二の積層体)

Claims (20)

  1. 同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、該モノマーAに対して20乃至300モル%量の重合開始剤Bの存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマーからなる、エレクトロクロミック材料。
  2. 前記同一分子内にエレクトロクロミック特性を発現する部分と2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAが、下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載のエレクトロクロミック材料。
    [式中、R1及びR2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、A1及びA2はそれぞれ独立して、エーテル結合又はエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至14の2価の炭化水素残基を表し、Eはエレクトロクロミック特性を発現する部分を表す。]
  3. 前記式(1)中、A1及びA2が下記式(2)乃至式(5)の何れかで表される構造である、請求項2に記載のエレクトロクロミック材料。
    [式中、p、q、r及びsは繰り返し数であり、それぞれ独立して、1乃至6の整数を表し、*はエレクトロクロミック特性を発現する部分であるEと連結する側である。]
  4. 前記式(1)で表されるモノマーAが下記式(6)で表される化合物である、請求項2に記載のエレクトロクロミック材料。
    [式中、Eは前記式(1)と同じ意味を表す。]
  5. 前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが、4級ビピリジニウム塩構造の部分、1,4−ジアセチルベンゼン構造の部分、テレフタル酸ジエステル構造の部分、又はビフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジエステル構造の部分である、請求項4に記載のエレクトロクロミック材料。
  6. 前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(7)で表される構造である、請求項5に記載のエレクトロクロミック材料。
    [式中、R3乃至R10はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表し、X-及びY-はそれぞれ独立して、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、PhSO3 -、p−TolSO3 -又はR27SO4 -を表す(前記式中、Phはフェニル基を表し、p−Tolはパラ−トリル基を表し、R27は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。)。]
  7. 前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(8)で表される、請求項5に記載のエレクトロクロミック材料。
    [式中、R11乃至R14はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
  8. 前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(9)で表される、請求項5に記載のエレクトロクロミック材料。
    [式中、R15乃至R18はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
  9. 前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(10)で表される、請求項5に記載のエレクトロクロミック材料。
    [式中、R19乃至R26はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
  10. 前記重合開始剤Bがアゾ系重合開始剤である、請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料。
  11. 前記重合開始剤Bが2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチルである、請求項10に記載のエレクトロクロミック材料。
  12. 前記高分岐ポリマーのゲル浸透クロマトグラフィーで測定される重量平均分子量(Mw)が、ポリエチレングリコール換算で1,000乃至2,000,000、又はポリスチレン換算で1,000乃至200,000である、請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料。
  13. 下記式(6)で表される、エレクトロクロミック特性を発現する部分を有するモノマーAを、該モノマーAに対して20乃至300モル%量の重合開始剤Bの存在下で重合させることにより得られる高分岐ポリマー。
    [式中、Eはエレクトロクロミック特性を発現する部分を表す。]
  14. 前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(7)で表される構造である、請求項13に記載の高分岐ポリマー。
    [式中、R3乃至R10はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表し、X-及びY-はそれぞれ独立して、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、PhSO3 -、p−TolSO3 -又はR27SO4 -を表す(前記式中、Phはフェニル基を表し、p−Tolはパラ−トリル基を表し、R27は炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。)。]
  15. 前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(8)で表される構造である、請求項13に記載の高分岐ポリマー。
    [式中、R11乃至R14はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
  16. 前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(9)で表される構造である、請求項13に記載の高分岐ポリマー。
    [式中、R15乃至R18はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
  17. 前記式(6)におけるエレクトロクロミック特性を発現する部分Eが下記式(10)で表される構造である、請求項13に記載の高分岐ポリマー。
    [式中、R19乃至R26はそれぞれ独立して、水素原子、又はエーテル結合若しくはエステル結合を含んでいてもよい炭素原子数1乃至30の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を表す。]
  18. 請求項1乃至請求項12のうち何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料が、少なくとも1種の溶剤に溶解又は分散していることを特徴とするワニス。
  19. 請求項1乃至請求項12のうち何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料を含有する薄膜状構造体。
  20. 少なくとも片方が透明である2枚の電極層間に、請求項1乃至請求項12のうち何れか一項に記載のエレクトロクロミック材料を含有する薄膜状構造体が挟まれているエレクトロクロミック素子。
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