JP2009155619A - ハイパーブランチポリマーの合成方法およびレジスト組成物 - Google Patents

ハイパーブランチポリマーの合成方法およびレジスト組成物 Download PDF

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真一郎 椛島
Seigo Yamada
成吾 山田
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峰子 堀部
Kaoru Suzuki
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Abstract

【課題】反応系をゲル化させることなく、高度に分岐したハイパーブランチポリマーを合成できるハイパーブランチポリマーの合成方法およびレジスト組成物を提供すること。
【解決手段】多官能ラジカル重合性単量体と一官能ラジカル重合性単量体とのラジカル重合を経てハイパーブランチポリマーを合成する際に、ラジカル重合を開始させる重合開始剤が存在する反応系に、多官能ラジカル重合性単量体および一官能ラジカル重合性単量体を同時に加えて、ラジカル重合をおこなうようにした。多官能ラジカル重合性単量体および一官能ラジカル重合性単量体は、ラジカル重合に用いる一官能ラジカル重合性単量体全量のうち、一部の一官能ラジカル重合性単量体を混合した反応系に加える。また、多官能ラジカル重合性単量体および一官能ラジカル重合性単量体の混合物を加えてもよい。
【選択図】図1

Description

この発明は、ハイパーブランチポリマーの合成方法およびレジスト組成物に関する。
ハイパーブランチポリマーとは、繰り返し単位に枝分かれ構造をもつ多分岐高分子の総称である。ハイパーブランチポリマーは、一般的な従来の高分子が紐状の形状であるのに対して積極的に分岐を導入しているという特異な構造を有する、ナノメートルオーダーのサイズである、表面に多くの官能基を保持することができる、などの点から様々な応用が期待されている。このような高度に分岐したハイパーブランチポリマーを合成する際の有力な原料の一つとして、たとえば多官能ラジカル重合性単量体がある。
従来、たとえば2官能性のラジカル重合性単量体(A)および3官能以上のラジカル重合性単量体(B)を、(A)と(B)の合計モルに対して15モル%以上170モル%以下の重合開始剤(C)の存在下で重合させたラジカル重合体からなる樹脂粉体(J)の製造方法があった(たとえば、下記特許文献1、2を参照。)。また、従来、目的とする物質の合成に際しての重合方法としては、各種の技術が考案されている(たとえば、下記特許文献3〜10を参照。)。
特開2004−352735号公報 特開2005−120288号公報 特開2004−346301号公報 特開平03−037203号公報 特開2002−020422号公報 特開2000−226406号公報 特開2000−007711号公報 特開平10−130331号公報 特開昭62−227904号公報 特表2001−512752号公報
しかしながら、上述特許文献1を含む従来の技術では、多官能ラジカル重合性単量体は、高度に分岐したハイパーブランチポリマーを合成することが可能であるが、反応系をゲル化させることなく反応させることが困難であるという問題があった。特に、多官能ラジカル重合性単量体に対する交互重合性の高い他の一官能ラジカル重合性単量体と多官能ラジカル重合性単量体とを共重合させる場合、反応系のゲル化が顕著であるという問題があった。また、前述した問題のため、多官能ラジカル重合性単量体を用いる場合は、反応率の低い段階で反応を終了させる必要があったため、反応率が低いという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、反応系をゲル化させることなく、高度に分岐したハイパーブランチポリマーを合成できるハイパーブランチポリマーの合成方法およびレジスト組成物を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、第1のモノマーと第2のモノマーとのラジカル重合を経てハイパーブランチポリマーを合成するハイパーブランチポリマーの合成方法であって、前記ラジカル重合を開始させる重合開始剤が存在する反応系に、前記第1および第2のモノマーを同時に加えて、前記ラジカル重合をおこなうことを特徴とする。
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、上記の発明において、前記ラジカル重合に用いる前記第2のモノマー全量のうち、一部の前記第2のモノマーを前記反応系に混合する工程を含み、前記第2のモノマーおよび前記重合開始剤が存在する反応系に、前記第1および第2のモノマーを加えて、前記ラジカル重合をおこなうことを特徴とする。
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、上記の発明において、前記反応系に、前記第1および第2のモノマーの混合物を加えることを特徴とする。
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、上記の発明において、前記第1のモノマーに対する前記第2のモノマーを経時にともなって増加させることを特徴とする。
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、上記の発明において、前記反応系に、前記第1および第2のモノマーを複数回に分けて加えることを特徴とする。
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、上記の発明において、前記反応系に、前記第1および第2のモノマーを所定時間にわたって滴下して加えることを特徴とする。
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、上記の発明において、前記重合開始剤は、前記ラジカル重合に用いる前記第1のモノマー全量に対して、5〜2000モル%存在することを特徴とする。
また、この発明にかかるレジスト組成物は、上記のハイパーブランチポリマーの合成方法にしたがって製造されたハイパーブランチポリマーを包含することを特徴とする。
この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法およびレジスト組成物によれば、反応系をゲル化させることなく、高度に分岐したハイパーブランチポリマーを合成できるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法およびレジスト組成物の好適な実施の形態を詳細に説明する。
この発明にかかるハイパーブランチポリマーは、第1のモノマーとしての多官能ラジカル重合性単量体(以下、適宜「モノマー1」と記載する)、第2のモノマーとしての一官能ラジカル重合性単量体(以下、適宜「モノマー2」と記載する)、および重合開始剤を用いて合成することが可能である。また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーは、さらに、モノマー1、2に加えて、モノマー1、2以外の、その他の一官能ラジカル重合性単量体を用いることも可能である。その他の一官能ラジカル重合性単量体は、共重合可能な単量体である。
(1)モノマー1(多官能ラジカル重合性単量体)
(1−1)モノマー1の種類
この発明にかかる実施の形態において、モノマー1は多官能ラジカル重合性単量体である。多官能ラジカル重合性単量体とは、ラジカル重合性二重結合を二つ以上含む単量体を指す。モノマー1としては、たとえば以下の(1−1−1)〜(1−1−11)に示した各種の物質を挙げることができる。
(1−1−1)芳香族ビニル系炭化水素
(1−1−2)ビニル系炭化水素
(1−1−3)エステル基含有ビニル系単量体
(1−1−4)スルホン基含有ビニル系単量体、ビニル系硫酸モノエステル化物およびこれらの塩
(1−1−5)燐酸基含有ビニル系単量体
(1−1−6)ヒドロキシル基含有ビニル系単量体
(1−1−7)含窒素ビニル系単量体
(1−1−8)ハロゲン元素含有ビニル系単量体
(1−1−9)カルボキシル基含有ビニル系単量体およびその塩
(1−1−10)珪素含有ビニル系単量体
(1−1−11)ビニル系単量体構造に開始剤部位を導入したビニル系単量体
モノマー1としては、好ましくは(1−1−1)の芳香族ビニル系炭化水素が好ましく、たとえば下記化学式で示される物質が挙げられる。
Figure 2009155619
上記式<1>のX、Yはアルキレン基、その他結合、またはアルキレン基とその他結合が適宜つながった基を示している。上記式<1>のX、Yにおけるアルキレン基としては、たとえば、炭素数が1〜30であることが好ましい。上記式<1>のX、Yにおけるアルキレン基のより好ましい炭素数は、1〜20である。上記式<1>のX、Yにおけるアルキル基のより一層好ましい炭素数は、1〜10である。アルキレン基は、直鎖状、分岐状もしくは環状構造を有している。
具体的に、上記式<1>のX、Yにおけるアルキレン基としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、シクロヘキシレン基、などが挙げられる。上記式<1>のX、Yにおけるその他結合としては、たとえば、−C(=O)O−(エステル結合)、−C(=O)NH−(アミド結合)、−O−(エーテル結合)、などが挙げられる。
上記式<1>のXがアルキレン基の場合、上記式におけるmは0〜3の整数である。上記式<1>のXがその他置換基の場合、上記式のmは1〜3の整数である。上記式<1>のYがアルキレン基の場合、上記式のnは0〜3の整数である。上記式のYがその他置換基の場合、上記式のnは1〜3の整数である。
上記式<1>のRは、水素原子、アルキル基、またはアリール基、その他置換基を示している。上記式<1>のRにおけるアルキル基としては、たとえば、炭素数が1〜30であることが好ましい。上記式<1>のRにおけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜20である。上記式<1>のRにおけるアルキル基のより一層好ましい炭素数は、1〜10である。アルキル基は、直鎖状、分岐状もしくは環状構造を有している。
上記式<1>のRにおけるアルキル基としては、具体的には、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、などが挙げられる。上記式<1>のRにおけるアリール基としては、たとえば炭素数6〜30であることが好ましい。上記式<1>のRにおけるアリール基のより好ましい炭素数は、6〜20である。上記式<1>のRにおけるアリール基のより一層好ましい炭素数は、6〜10である。上記式<1>のRにおけるアリール基としては、具体的には、たとえばフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基、などが挙げられる。
上記式<1>のRにおけるその他置換基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、アリル基、ビニル基、などが挙げられる。このうち、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、などが好ましい基として挙げられる。上記式<1>のRとして、もっとも好ましい基の1つとしては、水素原子が挙げられる。
Figure 2009155619
Figure 2009155619
上記式<3>のZは、アルキレン基、その他結合、またはアルキレン基とその他結合が適宜つながった基を示している。上記式<3>のZにおけるアルキレン基としては、たとえば炭素数が1〜30であることが好ましい。上記式<3>のZにおけるアルキレン基のより好ましい炭素数は、1〜20である。上記式<3>のZにおけるアルキル基のより一層好ましい炭素数は、1〜10である。アルキレン基は、直鎖状、分岐状もしくは環状構造を有している。
上記式<3>のZにおけるアルキレン基としては、具体的には、たとえばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、シクロヘキシレン基、などが挙げられる。上記式<3>のZにおけるその他結合としては、たとえば、−C(=O)O−(エステル結合)、−C(=O)NH−(アミド結合)、−O−(エーテル結合)などが挙げられる。
上記式<2>および<3>のR〜Rは水素原子、アルキル基、またはアリール基、その他置換基を示している。上記式<2>および<3>のR〜Rにおけるアルキル基としては、たとえば、炭素数が1〜30であることが好ましい。上記式<2>および<3>のR〜Rにおけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜20である。上記式<2>および<3>のR〜Rにおけるアルキル基のより一層好ましい炭素数は、1〜10である。アルキル基は、直鎖状、分岐状もしくは環状構造を有している。
上記式<2>および<3>のR〜Rにおけるアルキル基としては、具体的には、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、などが挙げられる。
上記式<2>および<3>のR〜Rにおけるアリール基としては、たとえば、炭素数6〜30であることが好ましい。上記式<2>および<3>のR〜Rにおけるアリール基のより好ましい炭素数は、6〜20である。上記式<2>および<3>のR〜Rにおけるアリール基のより一層好ましい炭素数は、6〜10である。上記式<2>および<3>のR〜Rにおけるアリール基としては、具体的には、たとえば、フェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。上記式<2>および<3>のR〜Rにおけるその他置換基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、燐酸基、アリル基、ビニル基が挙げられる。上記式<2>および<3>のR〜Rとして、もっとも好ましい基としては、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、などが挙げられる。
上記の芳香族ビニル系炭化水素としては、好ましくはo−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン、1,4−ジビニル−2−カルボキシルベンゼン、1,4−ジビニル−2−スルホニルベンゼン、などを挙げることができる。
(1−1−2)ビニル系炭化水素
上記のビニル系炭化水素としては、たとえばイソプレン、ブタジエン、3−メチル−1,2−ブタジエン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、1,3,5−ヘキサトリエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、トリビニルシクロヘキサン、などを挙げることができる。
(1−1−3)エステル基含有ビニル系単量体
上記のエステル基含有ビニル系単量体としては、たとえば、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、アジピン酸ジビニル、アジピン酸ジアリル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、イタコン酸ジビニル、ビニルシンナメート、クロトン酸ビニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,2−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(分子量300)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)ジアクリレート、などを挙げることができる。
(1−1−4)スルホン基含有ビニル系単量体、ビニル系硫酸モノエステル化物およびこれらの塩
上記のスルホン基含有ビニル系単量体、ビニル系硫酸モノエステル化物およびこれらの塩としては、たとえば、ジビニルサルファイド、ジビニルスルホン、ジビニルスルフォキサイド、ジアリルジサルファイド、などを挙げることができる。
(1−1−5)燐酸基含有ビニル系単量体
上記の燐酸基含有ビニル系単量体としては、トリアリル燐酸エステル、トリ(4−ビニルフェニル)燐酸エステル、トリ(4−ビニルベンジル)燐酸エステル、ジアリルメチル燐酸エステル、ジ(4−ビニルフェニル)メチル燐酸エステル、ジ(4−ビニルベンジル)メチル燐酸エステル、ジアリルフェニルホスフェイト、などを挙げることができる。
(1−1−6)ヒドロキシル基含有ビニル系単量体
上記のヒドロキシル基含有ビニル系単量体としては、たとえばジビニルグリコール(1,5−ヘキサジエン−3,4−ジオール)、1,2−ジビニルオキシ−3−プロパノール、1,3−ジビニルオキシ−2−プロパノール、などを挙げることができる。
(1−1−7)含窒素ビニル系単量体
上記の含窒素ビニル系単量体としては、たとえば、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルシアヌレート、1−シアノブタジエン、メチレンビスアクリルアミド、ビスマレイミド、などを挙げることができる。
(1−1−8)ハロゲン元素含有ビニル系単量体
上記のハロゲン元素含有ビニル系単量体としては、たとえば1,4−ジビニルパーフルオロブタン、クロロプレン、ジアリルアミンハイドロクロライド、などを挙げることができる。
(1−1−9)カルボキシル基含有ビニル系単量体およびその塩
上記のカルボキシル基含有ビニル系単量体およびその塩としては、たとえばマレイン酸モノアリル、マレイン酸モノアリルモノメチル、フタル酸モノアリル、フタル酸モノアリルモノメチル、フマル酸モノビニル、フマル酸モノビニルモノメチル、マレイン酸モノビニル、マレイン酸モノビニルモノメチル、イタコン酸モノビニル、イタコン酸モノビニルモノメチル、等のカルボキシル基含有ビニル系単量体、並びにこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩など)やアルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩など)、などを挙げることができる。
(1−1−10)珪素含有ビニル系単量体
上記の珪素含有ビニル系単量体としては、たとえばジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、などを挙げることができる。
(1−1−11)ビニル系単量体構造に開始剤部位を導入したビニル系単量体
上記のビニル系単量体構造に開始剤部位を導入したビニル系単量体としては、たとえば2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)エチルアクリレート、2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)ブチルアクリレート、2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)エチルメタアクリレート、2−(2−ブロモプロピオニルオキシ)エチルメタアクリレート、m−(1−クロロエチル)スチレン、などを挙げることができる。
(1−2)モノマー1の配合量
モノマー1の配合量は、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して、5〜99モル%であることが好ましい。多官能ラジカル重合性単量体の配合量を、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して5〜99モル%とすることで、ハイパーブランチポリマーの球状形態を実現することが可能になる。また、モノマー1の配合量を、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して5〜99モル%とすることで、ハイパーブランチポリマー分子間における絡まりを抑制することが可能になる。
(2)モノマー2(一官能ラジカル重合性単量体)
(2−1)モノマー2の種類
この発明にかかる実施の形態において、モノマー1は一官能ラジカル重合性単量体である。一官能ラジカル重合性単量体とは、ラジカル重合性二重結合を一つ含む単量体を指す。一官能ラジカル重合性単量体を配合することにより、一官能ラジカル重合性単量体を配合して合成したハイパーブランチポリマーを含むレジスト組成物がレジスト性能を発現することが可能になる。モノマー2としては、好ましくは以下の化学式に示した各種の物質を挙げることができる。
Figure 2009155619
上記式<4>のRは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示している。このうち、上記式<4>中のRとしては、水素原子およびメチル基が好ましい。上記式<4>中のRとしては、水素原子がさらに好ましい。上記式<4>のRは、水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基、オキソアルキル基、または下記式(i)であらわされる基を示している。上記式<4>中のRにおけるアルキル基としては、炭素数1〜40であることが好ましい。上記式<4>中のRにおけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜30である。
Figure 2009155619
上記式<5>のRは、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示している。このうち、上記式<5>のRとしては、水素原子およびメチル基が好ましい。上記式<5>のRとしては、水素原子がさらに好ましい。
上記式<5>のRは、水素原子、アルキル基、またはアリール基、その他置換基を示している。上記式<5>のRにおけるアルキル基としては、たとえば、炭素数が1〜30であることが好ましい。上記式<5>のRにおけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜20である。上記式<5>のRにおけるアルキル基のより一層好ましい炭素数は、1〜10である。アルキル基は、直鎖状、分岐状もしくは環状構造を有している。Rにおけるアルキル基としては、具体的には、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基、などが挙げられる。
上記式<5>のRにおけるアリール基としては、たとえば、炭素数6〜30であることが好ましい。上記式<5>のRにおけるアリール基のより好ましい炭素数は、6〜20である。上記式<5>のRにおけるアリール基のより一層好ましい炭素数は、6〜10である。上記式<5>のRにおけるアリール基としては、具体的には、たとえばフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
上記式<5>のRにおけるその他置換基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、アリル基、ビニル基が挙げられる。このうち、上記式<5>のRとしては、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基、などが挙げられる。上記式<5>のRとして、もっとも好ましい基の1つとして水素原子が挙げられる。
上記式<5>のR10は、水素原子、アルキル基、トリアルキルシリル基、オキソアルキル基、または下記式(i)であらわされる基を示している。上記式<5>のR10におけるアルキル基としては、炭素数1〜40であることが好ましい。上記式<5>のR10におけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜30である。
Figure 2009155619
上記式(i)のR11は、水素原子またはアルキル基を示している。上記式(i)のR11におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状構造を有している。上記式(i)のR11におけるアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましい。上記式(i)のR11におけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜8であり、より好ましい炭素数は1〜6である。
上記式(i)のR11およびR13は、水素原子またはアルキル基である。上記式(i)のR11およびR13における水素原子またはアルキル基は、互いに独立していてもよいし、一緒になって環を形成しても良い。上記式(i)のR11およびR13におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状構造を有している。上記式(i)のR11およびR13におけるアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましい。上記式(i)のR11およびR13におけるアルキル基のより好ましい炭素数は、1〜8である。上記式(i)のR11およびR13におけるアルキル基のより一層好ましい炭素数は、1〜6である。上記式(i)のR11およびR13としては、炭素数1〜20の分岐状アルキル基が好ましい。
上記式(i)によって示される基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−sec−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−tert−アミロキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、1−シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチル−エチル基などの直鎖状または分岐状アセタール基;テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基などの環状アセタール基、などが挙げられる。上記式(i)によって示される基としては、前述した各基の中でも、エトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシプロピル基、テトラヒドロピラニル基、が特に好適である。
上記式<4>で示される物質で好ましいのはアクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル
類であり、上記式<5>で好ましいのはビニル安息香酸、ビニル安息香酸エステル類である。
(2−1−1)(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類
上記の(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類としては、たとえばアクリル酸、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸2−メチルブチル、アクリル酸2−メチルペンチル、アクリル酸2−エチルブチル、アクリル酸3−メチルペンチル、アクリル酸2−メチルヘキシル、アクリル酸3−メチルヘキシル、アクリル酸トリエチルカルビル、アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、アクリル酸1−メチルノルボニル、アクリル酸1−エチルノルボニル、アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、アクリル酸テトラヒドロフラニル、アクリル酸テトラヒドロピラニル、アクリル酸1−メトキシエチル、アクリル酸1−エトキシエチル、アクリル酸1−n−プロポキシエチル、アクリル酸1−イソプロポキシエチル、アクリル酸n−ブトキシエチル、アクリル酸1−イソブトキシエチル、アクリル酸1−sec−ブトキシエチル、アクリル酸1−tert−ブトキシエチル、アクリル酸1−tert−アミロキシエチル、アクリル酸1−エトキシ−n−プロピル、アクリル酸1−シクロヘキシロキシエチル、アクリル酸メトキシプロピル、アクリル酸エトキシプロピル、アクリル酸1−メトキシ−1−メチル−エチル、アクリル酸1−エトキシ−1−メチル−エチル、アクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリエチルシリル、アクリル酸ジメチル−tert−ブチルシリル、α−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α―(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−メチル−β−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−メチル−γ−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α―(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−エチル−β−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−エチル−γ−(アクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−β−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−メチル−δ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−エチル−α―(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−エチル−β−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−エチル−γ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−エチル−δ−(アクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、アクリル酸1−メチルシクロヘキシル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸2−(2−メチル)アダマンチル、アクリル酸クロルエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2,2−ジメチルヒドロキシプロピル、アクリル酸5−ヒドロキシペンチル、アクリル酸トリメチロールプロパン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ナフチル、メタクリル酸、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸2−メチルブチル、メタクリル酸2−メチルペンチル、メタクリル酸2−エチルブチル、メタクリル酸3−メチルペンチル、メタクリル酸2−メチルヘキシル、メタクリル酸3−メチルヘキシル、メタクリル酸トリエチルカルビル、メタクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、メタクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、メタクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、メタクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、メタクリル酸1−メチルノルボニル、メタクリル酸1−エチルノルボニル、メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、メタクリル酸テトラヒドロフラニル、メタクリル酸テトラヒドロピラニル、メタクリル酸1−メトキシエチル、メタクリル酸1−エトキシエチル、メタクリル酸1−n−プロポキシエチル、メタクリル酸1−イソプロポキシエチル、メタクリル酸n−ブトキシエチル、メタクリル酸1−イソブトキシエチル、メタクリル酸1−sec−ブトキシエチル、メタクリル酸1−tert−ブトキシエチル、メタクリル酸1−tert−アミロキシエチル、メタクリル酸1−エトキシ−n−プロピル、メタクリル酸1−シクロヘキシロキシエチル、メタクリル酸メトキシプロピル、メタクリル酸エトキシプロピル、メタクリル酸1−メトキシ−1−メチル−エチル、メタクリル酸1−エトキシ−1−メチル−エチル、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリエチルシリル、メタクリル酸ジメチル−tert−ブチルシリル、α−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α―(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−メチル−β−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−メチル−γ−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α―(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−エチル−β−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−エチル−γ−(メタクロイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−β−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−メチル−δ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−エチル−α―(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−エチル−β−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−エチル−γ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−エチル−δ−(メタクロイル)オキシ−δ−バレロラクトン、メタクリル酸1−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸2−(2−メチル)アダマンチル、メタクリル酸クロルエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2,2−ジメチルヒドロキシプロピル、メタクリル酸5−ヒドロキシペンチル、メタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル、などを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル類で特に好ましいのはアクリル酸、アクリル酸tert−ブチルである。
(2−1−2)ビニル安息香酸、ビニル安息香酸エステル類
上記のビニル安息香酸、ビニル安息香酸エステル類としては、たとえばビニル安息香酸、ビニル安息香酸tert−ブチル、ビニル安息香酸2−メチルブチル、ビニル安息香酸2−メチルペンチル、ビニル安息香酸2−エチルブチル、ビニル安息香酸3−メチルペンチル、ビニル安息香酸2−メチルヘキシル、ビニル安息香酸3−メチルヘキシル、ビニル安息香酸トリエチルカルビル、ビニル安息香酸1−メチル−1−シクロペンチル、ビニル安息香酸1−エチル−1−シクロペンチル、ビニル安息香酸1−メチル−1−シクロヘキシル、ビニル安息香酸1−エチル−1−シクロヘキシル、ビニル安息香酸1−メチルノルボニル、ビニル安息香酸1−エチルノルボニル、ビニル安息香酸2−メチル−2−アダマンチル、ビニル安息香酸2−エチル−2−アダマンチル、ビニル安息香酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、ビニル安息香酸テトラヒドロフラニル、ビニル安息香酸テトラヒドロピラニル、ビニル安息香酸1−メトキシエチル、ビニル安息香酸1−エトキシエチル、ビニル安息香酸1−n−プロポキシエチル、ビニル安息香酸1−イソプロポキシエチル、ビニル安息香酸n−ブトキシエチル、ビニル安息香酸1−イソブトキシエチル、ビニル安息香酸1−sec−ブトキシエチル、ビニル安息香酸1−tert−ブトキシエチル、ビニル安息香酸1−tert−アミロキシエチル、ビニル安息香酸1−エトキシ−n−プロピル、ビニル安息香酸1−シクロヘキシロキシエチル、ビニル安息香酸メトキシプロピル、ビニル安息香酸エトキシプロピル、ビニル安息香酸1−メトキシ−1−メチル−エチル、ビニル安息香酸1−エトキシ−1−メチル−エチル、ビニル安息香酸トリメチルシリル、ビニル安息香酸トリエチルシリル、ビニル安息香酸ジメチル−tert−ブチルシリル、α−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−メチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−メチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−エチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、β−エチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、γ−エチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−γ−ブチロラクトン、α−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−メチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−メチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−メチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−メチル−δ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、α−エチル−α―(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、β−エチル−β−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、γ−エチル−γ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、δ−エチル−δ−(4−ビニルベンゾイル)オキシ−δ−バレロラクトン、ビニル安息香酸1−メチルシクロヘキシル、ビニル安息香酸アダマンチル、ビニル安息香酸2−(2−メチル)アダマンチル、ビニル安息香酸クロルエチル、ビニル安息香酸2−ヒドロキシエチル、ビニル安息香酸2,2−ジメチルヒドロキシプロピル、ビニル安息香酸5−ヒドロキシペンチル、ビニル安息香酸トリメチロールプロパン、ビニル安息香酸グリシジル、ビニル安息香酸ベンジル、ビニル安息香酸フェニル、ビニル安息香酸ナフチル、などを挙げることができる。
ビニル安息香酸、ビニル安息香酸エステル類で特に好ましいのは、4−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸tert−ブチルである。
(2−2)モノマー2の配合量
モノマー2の配合量は、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して、5〜95モル%であることが好ましい。具体的には、たとえば一官能ラジカル重合性単量体のモル数が、多官能ラジカル重合性単量体と一官能ラジカル重合性単量体との合計モル数に対して、5〜95モル%となることが好ましい。一官能ラジカル重合性単量体の配合量を、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して5〜95モル%とすることにより、ハイパーブランチポリマーの球状形態を実現することが可能になる。また、一官能ラジカル重合性単量体の配合量を、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して5〜95モル%とすることで、ハイパーブランチポリマー分子間における絡まりを抑制することが可能になる。
モノマー1とモノマー2との配合比率(モノマー1/モノマー2)は、重量比で、モノマー1/モノマー2=5/95〜99/1が好ましく、さらに10/90〜95/5が好ましい。モノマー2に対するモノマー1の配合比率が少なすぎる場合、合成したハイパーブランチポリマーにおいて所望する分岐度が確保できなくなる可能性がある。モノマー2に対するモノマー1の配合比率が多すぎる場合、合成したハイパーブランチポリマーを含むレジスト化合物におけるレジスト性能が確保できなくなる可能性がある。
モノマー1の濃度は、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる全物質に対して、0.5〜20重量%が好ましく、さらに1〜10重量%が好ましい。ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対するモノマー1の濃度が0.5重量%よりも少ない場合、合成したハイパーブランチポリマーにおいて所望の分岐度を確保することができなくなる可能性がある。ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対するモノマー1の濃度が20重量%よりも多い場合、ハイパーブランチポリマーの合成にかかる反応系のゲル化が促進されてしまう可能性がある。ゲル化が生じる前に反応を停止させることによりゲル化を防止することはできるが、この場合反応率が低下してしまう。
(3)その他共重合可能な一官能ラジカル重合性単量体
(3−1)その他共重合可能な一官能ラジカル重合性単量体の種類
その他共重合可能な一官能ラジカル重合性単量体としては、たとえば以下の(3−1−1)〜(3−1−4)に示した各種の物質を挙げることができる。
(3−1−1)スチレン類
(3−1−2)アリル化合物
(3−1−3)ビニルエーテル類
(3−1−4)ビニルエステル類
(3−1−1)スチレン類
上記のスチレン類としては、たとえばスチレン、ベンジルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレン、ビニルナフタレン、エチルスチレン、などを挙げることができる。
(3−1−2)アリル化合物
上記のアリル化合物としては、たとえば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル、アリルオキシエタノール、などを挙げることができる。
(3−1−3)ビニルエーテル類
上記のビニルエーテル類としては、たとえばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル、などを挙げることができる。
(3−1−4)ビニルエステル類
上記のビニルエステル類としては、たとえばビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、などを挙げることができる。ビニルエステル類としては、エチルスチレン、スチレンが好ましい。
(3−2)その他共重合可能な一官能ラジカル重合性単量体の配合量
その他共重合可能な一官能ラジカル重合性単量体の配合量は、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して、0〜90モル%であることが好ましい。その他共重合可能な一官能ラジカル重合性単量体の配合量を、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して0〜90モル%とすることにより、ハイパーブランチポリマーの球状形態を実現することが可能になる。また、その他共重合可能な一官能ラジカル重合性単量体の配合量を、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して0〜90モル%とすることにより、ハイパーブランチポリマー分子間における絡まりを抑制することが可能になる。
(4)重合開始剤
(4−1)重合開始剤の種類
重合開始剤は、ハイパーブランチポリマーの合成に際して、上述した各種のモノマー(単量体)の重合を開始させる。重合開始剤の存在によって、ハイパーブランチポリマーの合成が開始される。重合開始剤としては、たとえば以下の(4−1−1)〜(4−1−3)に示した各種の物質を挙げることができる。
(4−1−1)アゾ系重合開始剤
油溶性アゾ系重合開始剤、水溶性アゾ系重合開始剤、高分子アゾ系重合開始剤
(4−1−2)パーオキサイド重合開始剤
(4−1−3)レドックス重合開始剤
(4−1−1)アゾ系重合開始剤
アゾ系重合開始剤には、油溶性アゾ系重合開始剤と、水溶性アゾ系重合開始剤と、高分子アゾ系重合開始剤と、がある。
(油溶性アゾ系重合開始剤)
油溶性アゾ系重合開始剤としては、たとえば2,2’−アゾビスイソブチロニリトル、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス〔N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド、などを挙げることができる。
(水溶性アゾ系重合開始剤)
水溶性アゾ系重合開始剤としては、たとえば2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノパレリン酸、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)1,〔(シアノ−1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジサルフェートジハイドレート、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕ハイドレート、2,2’−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチルプロピオンアミド)〕、2,2’−アゾビス(N,N−ジメチレンイソ−ブチロアミジン)ハイドロクロライド、などを挙げることができる。
(高分子アゾ系重合開始剤)
高分子アゾ系重合開始剤としては、たとえばポリジメチルシロキサンユニット含有高分子アゾ系重合開始剤(和光純薬工業製のVPS−0501、VPS−1001など)、ポリエチレングリコールユニット含有高分子アゾ系重合開始剤(和光純薬工業製のVPE−0201、VPE−0401、VPE−0601など)、が挙げられる。
(4−1−2)パーオキサイド重合開始剤
メチルエチルパーオキサイド、メチルイソブチルパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミイパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシヘキサン)、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキセン、トリス(t−ブチルペルオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ペルオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−)ブチルペルオキシ)ブタン、4,4−ジ−t−ブチルペルオキ吉草酸−n−ブチルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオペンタノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテトラフタレート、t−アミルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−ブチルペルオキシトリメチルアジペート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニロイル)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルペルオキシカーボネート、過酸化水素、過酢酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸ナトリウム、などを挙げることができる。
(4−1−3)レドックス重合開始剤
レドックス重合開始剤としては、たとえばヒドロペルオキサイド(tret−ブチルヒドロキシペルオキサイド、クメンヒドロキシペルオキサイド、など)、過酸化ジアルキル(過酸化ラウロイル、など)および過酸化ジアシル(過酸化ベンゾイル、など)、などを挙げることができる。レドックス重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニリトル、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)が好ましい。
(4−2)重合開始剤の配合量
重合開始剤の配合量は、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して、5〜2000モル%であることが好ましい。また、重合開始剤の配合量は、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して、10〜1000モル%がさらに好ましい。さらに、重合開始剤の配合量は、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して、20〜800モル%であることがより一層好ましい。重合開始剤の配合量が、たとえば2000モル%である場合、反応系には多量の重合開始剤が存在することとなる。
重合開始剤の配合量を、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して5〜2000モル%とすることにより、ハイパーブランチポリマーの球状形態を実現することが可能になる。また、重合開始剤の配合量を、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して5〜2000モル%とすることにより、反応系のゲル化を抑制することができる。
重合開始剤の配合量が少なすぎる場合は、合成されたハイパーブランチポリマーにおいて所望の分岐度が確保できない。これに対して、重合開始剤の配合量を、一定量以上とすることにより合成されたハイパーブランチポリマーにおいて所望の分岐度を確保することは可能になるが、重合開始剤の配合量が多すぎる場合は、重合開始に関与しない余剰分の重合開始剤が発生することになり、ハイパーブランチポリマーの合成にかかるコストが高くなる。
(5)その他添加成分
また、この発明にかかるハイパーブランチポリマーは、上述した各種の物質に加えて、その他添加成分を用いて合成することも可能である。その他添加成分としては、たとえば以下の(5−1)〜(5−3)に示した各種の物質を挙げることができる。
(5−1)還元剤
(5−2)ラジカル補足剤(または、連鎖移動剤あるいは重合禁止剤)
(5−3)溶媒
(5−1)還元剤
還元剤は、たとえばパーオキサイド重合開始剤と還元剤とを組み合わせて用いることが可能である。パーオキサイド重合開始剤と還元剤との好ましい組み合わせとしては、具体的には、たとえばクメンヒドロペルオキシド−トリエチルアルミニウム、過酸化ベンゾイル−トリエチルアミン、などの組み合わせが挙げられる。ここで、パーオキサイド重合開始剤としては、たとえば、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、など)、過酸化水素およびヒドロペルオキサイド(tret−ブチルヒドロキシペルオキサイド、クメンヒドロキシペルオキサイド、など)などの水溶性過酸化物、などを挙げることができる。
上記パーオキサイド重合開始剤と組み合わせて使用される還元剤としては、たとえば、2価鉄塩、亜硫酸水素ナトリウム、アルコール、ジメチルアニリン、などを挙げることができる。上述した各種の化合物の中で、パーオキサイド重合開始剤と還元剤の好ましい具体的な組み合わせとしては、過酸化水素−2価鉄塩、過硫酸塩−亜硫酸ナトリウム、などを挙げることができる。この場合、重合開始剤の使用量の下限値は、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して、5モル%が好ましく、さらにハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して10モル%が好ましい。また、この場合、重合開始剤の上限値は、ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して2000モル%が好ましく、さらにハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して1000モル%、特にハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーに対して800モル%が好ましい。
(5−2)ラジカル補足剤(または、連鎖移動剤あるいは重合禁止剤)
ラジカル捕捉剤としては、特に限定されないが、ラジカルを捕捉し、重合を抑制するために、連鎖移動剤と重合禁止剤を使用することができる。ラジカル補足剤(または、連鎖移動剤あるいは重合禁止剤)としては、公知のものを使用することができるが、たとえばアルコール類、メルカプタン類、チオカルボン酸類、ハロゲン系炭化水素、ニトロキシド、などを挙げることができる。
アルコール類としては、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、などを挙げることができる。メルカプタン類としては、たとえばエタンチオール、1−ドデカンチオール、1−オクタンチオール、1−ブタンチオール、1−ヘキサデカンチオール、2−メルカプトエタノール、チオグリセロール、などを挙げることができる。チオカルボン酸類としては、たとえばチオグリコール酸、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸オクチル、チオサリチル酸、チオサリチル酸メチル、チオサリチル酸エチル、などを挙げることができる。ハロゲン系炭化水素としては、たとえばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、四臭化炭素、臭化アセチル、トリクロロアセチルクロリド、1,1,1−トリクロロー3−ブロモー3−フェニルプロパン、などを挙げることができる。
ニトロキシドとしては、たとえば2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ、4,4−ジメチル3−オキサゾリニルオキシ、フェニル−t−ブチルニトロキシド、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシ、2,2,2−ジ(4−t−オクチルフェニル)−1−ピクリルヒドラジル、などを挙げることができる。
他に、ニトロキシドとしては、たとえばモノメトキシハイドロキノン、アントラセン、ジフェニルアミン、トリエチルアミン、トリブチルホスフィン、アクロレインオキシム、アズレン、アントラセン、塩化鉄(III)、クロロホスフィン、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、2,4,6−トリニトロトルエン、2,4,6−トリニトロフェノール、1,3,5−トリニトロベンゼン、1−ナフトール、ピロガロール、ベンゼンスルホン酸クロリド、などを挙げることができる。
連鎖移動剤の使用量は、モノマーの合計モル(ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーのモル)に対して、反応性の観点から、通常、1モル%〜2000モル%であることが好ましい。連鎖移動剤の添加方法は、特に限定されず、反応の初期に投入しても、反応終期に投入してもいずれであっても構わない。
(重合禁止剤)
重合禁止剤としては、たとえば、キノン系、アルキリフェノール系、アミン系、ジチオカルバミン酸銅系など、公知のものを使用することができる。キノン系重合禁止剤としては、たとえばヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、デュロキノン、ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルベンゾキノン、2,6−ジ−t−ブチルベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、などを挙げることができる。
アルキルフェノール系重合禁止剤としては、たとえば2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、1,1−ジフェニルエチレン、などを挙げることができる。
アミン系重合禁止剤としては、たとえばアルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、などを挙げることができる。
ジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤としては、たとえばジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等)、N−オキシル系重合禁止剤(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルのエステル、などを挙げることができる。
重合禁止剤の使用量は、モノマーの合計モル(ハイパーブランチポリマーを形成する全モノマーのモル)に対して、反応性の観点から、通常、0.01モル%〜1000モル%であることが好ましい。重合禁止剤の添加方法は、特に限定されず、反応の初期に投入しても、反応終期に投入してもいずれであっても構わない。
(5−3)溶媒
この発明のハイパーブランチポリマーの重合反応は、無溶媒でも可能であるが、以下に示した各種の溶媒中でおこなうことが望ましい。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒の種類としては、たとえば炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、ニトリル系溶媒、エステル系溶媒、カーボネート系溶媒、アミド系溶媒、などを挙げることができる。なお、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒の種類は、特に限定されるものではない。
炭化水素系溶媒としては、たとえばベンゼン、トルエン、などを挙げることができる。ハイパーブランチポリマーの合成に用いる溶媒であるエーテル系溶媒としては、具体的には、たとえば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメトキシベンゼン、などを挙げることができる。ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、たとえば塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、などを挙げることができる。ケトン系溶媒としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などを挙げることができる。アルコール系溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、などを挙げることができる。
ニトリル系溶媒としては、たとえばアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、などを挙げることができる。エステル系溶媒としては、たとえば酢酸エチル、酢酸ブチル、などを挙げることができる。カーボネート系溶媒としては、たとえばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、などを挙げることができる。アミド系溶媒としては、たとえばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、などを挙げることができる。前述した各種の溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。この発明のハイパーブランチポリマーの合成反応における、溶媒中におけるモノマー濃度は、0.1〜50質量%であることが望ましい。
(6)合成方法
この発明にかかるハイパーブランチポリマーは、上記の重合開始剤が存在する反応系に、モノマー1およびモノマー2を加えて、ラジカル重合をおこなって合成する。反応系は、たとえば重合開始剤、モノマー1およびモノマー2など、ハイパーブランチポリマーの合成に用いる各物質を収容可能な容器(以下、「反応槽」)内に形成される。
ハイパーブランチポリマーは、たとえばハイパーブランチポリマーの合成に用いる全モノマー2のうちの一部および重合開始剤を反応槽に投入し、この反応槽にモノマー1およびモノマー2を加えて、ラジカル重合をおこなって合成する。ラジカル重合をおこなう際の反応系の温度は、ラジカル重合に用いる溶媒や重合開始剤などによって適宜定める。ラジカル重合をおこなう際の反応系の温度は、具体的には、たとえば室温(25℃)〜150℃がよい。
ラジカル重合をおこなう際の重合時間は、1〜10時間の範囲内であることが好ましい。また、ラジカル重合をおこなう際の重合時間は、使用する開始剤の量、溶媒(重合溶媒)の種類、加えるモノマーの濃度など、各種の重合条件によって適宜調整することが好ましい。この発明のハイパーブランチポリマーの合成方法によれば、使用する開始剤の量、溶媒(重合溶媒)の種類、加えるモノマーの濃度など、各種の重合条件を調整することが可能である。
このように、各種の重合条件を調整することによって、ハイパーブランチポリマーの分子量を制御することができる。具体的には、たとえば目安としてV−601(和光純薬製アゾ系ラジカル開始剤(2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル))をトルエン溶媒中において70℃で反応させる場合であれば、ラジカル重合をおこなう際の重合時間は3〜5時間程度が望ましい。
モノマー1およびモノマー2は、それぞれ複数回に分けて反応槽に加える。この場合、反応槽へ加えるモノマー1とモノマー2との割合を経時にともなって変化させる。反応槽へ加えるモノマー1とモノマー2との割合は、たとえば経時にともなってモノマー2の比率が増加するように変化させる。
モノマー1およびモノマー2は、たとえばモノマー1およびモノマー2をそれぞれ反応槽に滴下することによって加えることができる。滴下とは、モノマー1およびモノマー2を、しずく状にして反応槽に落とすことである。また、滴下とは、モノマー1およびモノマー2を、たとえば水道の蛇口を開閉した状態のように一定時間反応槽に流入させることであってもよい。滴下は、時間的に連続しておこなってもよいし、一度滴下してからつぎに滴下するまで時間をあけておこなってもよい。時間をあけて滴下する場合は、反応槽に加えるべきモノマー1およびモノマー2の全量を、複数回に分けて加えることとなる。
モノマー1およびモノマー2は、モノマー1とモノマー2とをそれぞれ別の容器に保持し、モノマー1とモノマー2とを別々に反応槽に加える。モノマー1およびモノマー2は、反応槽に同時に加える。このとき、加えはじめ時点におけるモノマー1に対するモノマー2の比率は0%であってもよい。すなわち、反応槽に対する加えはじめ時点においては、一時的にモノマー1のみを加える状態があってもよい。
また、モノマー1およびモノマー2は、モノマー1とモノマー2とを同じ容器で混合し、混合された状態にあるモノマー1およびモノマー2(以下、適宜「混合モノマー」と記載する)を同時に反応槽に加えることも可能である。混合モノマーは、反応槽に加える前にあらかじめ十分に撹拌する。
モノマー1とモノマー2とを同じ容器で混合してから反応槽に加える場合、混合モノマーにおけるモノマー1とモノマー2との割合を、経時にともなって変化させてもよい。混合モノマーは、具体的には、たとえば経時にともなって混合モノマーにおけるモノマー2の比率が増加するように変化させる。
このとき、混合モノマーにおけるモノマー2の割合は、反応槽に加えはじめ時点においては0%であってもよい。すなわち、混合モノマー中にモノマー2が存在しない状態(モノマー1のみ)からモノマー2の比率が経時にともなって増加するように変化させてもよい。
混合モノマーにおけるモノマー2の比率を経時で増加させる場合、滴下開始時の混合モノマーにおけるモノマー2の比率は0〜90%が好ましく、0〜75%がさらに好ましい。また、滴下終了時の混合モノマーにおけるモノマー2の比率は10〜100%が好ましく、25〜100%がさらに好ましい。混合モノマーにおけるモノマー2の比率を経時で増加させるため、滴下終了時の混合モノマーにおけるモノマー2の比率は、滴下開始時の混合モノマーにおけるモノマー2の比率より大きくなる。
なお、混合モノマーにおけるモノマー2の比率は、滴下開始時から滴下終了時までの間に、一時的に低下することがあってもよい。たとえば、混合モノマーにおけるモノマー2の比率が0%、10%、20%、・・・と増加し、途中で15%に低下した後、再び20%、30%、40%、・・・と増加するように加えてもよい。
混合モノマーにおけるモノマー2の比率が少なすぎる場合、反応槽においてゲル化が早く進んでしまう。反応槽内でゲル化が発生する以前に反応を停止させることにより反応槽におけるゲル化の発生を防止することができるが、不完全な状態で反応を停止することとなりモノマー1および2の反応率が低下してしまう。
図1は、混合モノマーにおけるモノマー2の比率を示す説明図である。図1において、直線Aは、滴下開始時での混合モノマーにおけるモノマー2の比率が0%、滴下終了時での混合モノマーにおけるモノマー2の比率が100%となるように、混合モノマーにおけるモノマー2の比率を一定割合ずつ増加させる場合の、混合モノマーにおけるモノマー2の比率を示している。混合モノマーにおけるモノマー2の比率は、直線Aに対して混合モノマーにおけるモノマー2の比率が±50%増減した場合の直線の間に収まる直線あるいは曲線であらわされる範囲内であることが好ましい。
また、図1において、直線Bは、直線Aに対して、混合モノマーにおけるモノマー2の比率が30%増加した場合の混合モノマーにおけるモノマー2の比率を示している。さらに、図1において、直線Cは、直線Aに対して、混合モノマーにおけるモノマー2の比率が30%減少した場合の混合モノマーにおけるモノマー2の比率を示している。混合モノマーにおけるモノマー2の比率は、直線Bと直線Cとの間に収まる範囲(図1において符号Xを参照)内であることが好ましい。混合モノマーにおけるモノマー2の比率は、具体的には、たとえば図1において符号Lであらわされる曲線のように、直線Bと直線Cとの間に収まることが好ましい。
図1に示した直線A〜Cを加味した、混合モノマーにおけるモノマー2の良好な比率は、以下の数式によってあらわされる。すなわち、混合モノマーにおけるモノマー2は、滴下時間がT、滴下開始時での混合モノマーにおけるモノマー2の比率がRs、滴下終了時での混合モノマーにおけるモノマー2の比率がRe、滴下開始後の任意の時間tでの混合モノマーにおけるモノマー2の比率がR(t)であらわされる場合に、R(t)が下記式(1)、(2)を満足する範囲内となる場合に良好な比率となる。下記式(1)中のAは、50以下が好ましく、さらには30以下が好ましい。
R(t)=Rs+((Re−Rs)t/T)±A[%] ・・・(1)
Rs≦R(t)≦Re(0≦t≦T) ・・・(2)
つぎに、この発明の実施の形態にかかるハイパーブランチポリマーの製造(合成)方法(その1)について説明する。ハイパーブランチポリマーの製造(合成)方法(その1)では、攪拌機、還流冷却機および窒素導入管を取り付けた300mLの4つ口セパラブルフラスコに、tBA:4.04g、V−601:4.61g、トルエン:50mLを入れ、攪拌しながら、窒素導入管によって4つ口セパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入した。続いて、窒素ガスを導入した4つ口セパラブルフラスコ内を70℃に昇温させたのち、DVB(ジビニルベンゼン):1.30g、tBA(アクリル酸−tert−ブチル):7.50g、トルエン:50mLの混合液を3時間かけて連続的に滴下した。滴下後、さらに1時間熟成させた。熟成後、4つ口セパラブルフラスコ内に、メタノールを200mL添加することによって再沈操作を行った。ハイパーブランチポリマーの製造(合成)方法(その1)は、このようにして、ハイパーブランチポリマーを製造(合成)した。
つぎに、この発明の実施の形態にかかるハイパーブランチポリマーの製造(合成)方法(その2)について説明する。ハイパーブランチポリマーの製造(合成)方法(その2)では、攪拌機、還流冷却機および窒素導入管を取り付けた300mLの4つ口セパラブルフラスコに、V−601:4.61g、トルエン:100mLを入れ、攪拌しながら、窒素導入管によって4つ口セパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入した。続いて70℃に昇温させたのち、DVB:2.60gとtBA:11.54gを1時間かけて連続的に滴下させる。
滴下に際しては、DVBの滴下量を、滴下開始から経時にともなって減少させる。また、滴下に際しては、tBAの滴下量を、滴下開始から経時にともなって増加させる。DVBの滴下量は、DVBとtBAの滴下量合計に対して、滴下開始時のDVBの滴下量が100%となるようにする。その後、経時にともなって徐々に減らし、1時間後はDVBの滴下量が0%となるようにする。
tBAの滴下量は、DVBとtBAの滴下量合計に対して、滴下開始時のtBAの滴下量が0%になるようにする。その後、経時にともなって線形的に増やし、1時間後はtBAの滴下量が100%となるようにする。滴下後、さらに2時間熟成させた。メタノールを200mL添加することによって再沈操作を行った。ハイパーブランチポリマーの製造(合成)方法(その2)は、このようにして、ハイパーブランチポリマーを製造(合成)した。
上述したように、この発明の実施の形態にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法によれば、反応系をゲル化させることなく、高度に分岐したハイパーブランチポリマーを合成できる。また、この発明の実施の形態にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法によれば、反応系のゲル化を抑制することで、反応を途中で停止させる必要がなく、これによって反応率向上を図ることができる。
また、この発明のハイパーブランチポリマーの合成方法によって合成されたハイパーブランチポリマーを包含するレジスト組成物によれば、良好な表面平滑性を実現し、かつ、超微細なパターンの形成を可能とすることができる。
この発明のハイパーブランチポリマーの合成方法によって合成されたハイパーブランチポリマーは、レジスト組成物としての用途以外に、その他用途として、たとえば印刷製版、ハードコート剤、反射防止フィルム、歯科材料、接着剤、粘着剤、塗料などのフォトレジスト機能材料として利用することが可能である。
また、この発明のハイパーブランチポリマーは、レジスト組成物としての用途以外に、その他用途として、たとえば顔料、金属微粒子、有機EL、色素レーザー、カラーフィルター用レジストなどの分散、安定化に利用することが可能である。さらに、この発明のハイパーブランチポリマーは、レジスト組成物としての用途以外に、その他用途として、たとえば光ファイバー、光導波路などの光学材料として利用することが可能である。
つぎに、上述したこの発明の実施の形態にかかる実施例について説明する。この実施例においては、実施例1、2および比較例1、2のハイパーブランチポリマーを合成し、各ハイパーブランチポリマーの分子量、反応率および性能を調べた。また、実施例1、2のハイパーブランチポリマーを包含するレジスト組成物を調製し、接触角測定による親水疎水変化を調べた。
(実施例1)
攪拌機、還流冷却機および窒素導入管を取り付けた300mLの4つ口セパラブルフラスコに、tBA:4.04g、V−601:4.61g、トルエン50mLを入れ、攪拌しながら、窒素導入管によって4つ口セパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入した。続いて70℃に昇温させたのち、DVB:2.00g、tBA:7.50g、トルエン50mLの混合液を3時間かけて連続的に滴下させ、さらに1時間熟成させた。メタノールを200mL添加することによって再沈操作を行い、実施例1のハイパーブランチポリマーを得た。
(実施例2)
攪拌機、還流冷却機および窒素導入管を取り付けた300mLの4つ口セパラブルフラスコに、V−601:4.61g、トルエン:100mLを入れ、攪拌しながら、窒素導入管によって4つ口セパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入した。続いて70℃に昇温させたのち、DVB:2.60gとtBA:11.54gを1時間かけて連続的に滴下させる。
滴下開始時のDVBの滴下量はDVBとtBAの滴下量合計に対して100%にして、徐々に減らして1時間後は0%とするのに対し、滴下開始時のtBAの滴下量はDVBとtBAの滴下量合計に対して0%にして、線形的に増やして1時間後は100%とする。さらに2時間熟成させた。メタノールを200mL添加することによって再沈操作を行い、実施例2のハイパーブランチポリマーを得た。
(比較例1)
攪拌機、還流冷却機および窒素導入管を取り付けた300mLの4つ口セパラブルフラスコに、DVB:2.60g、tBA:11.54g、V−601:4.61g、トルエン:100mLを入れ、攪拌しながら、窒素導入管によって4つ口セパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入した。続いて70℃に昇温させて、1時間熟成させた。メタノールを200mL添加することによって再沈操作を行い、比較例1のハイパーブランチポリマーを得た。
(比較例2)
攪拌機、還流冷却機および窒素導入管を取り付けた300mLの4つ口セパラブルフラスコに、DVB:2.60g、V−601:4.61g、トルエン:50mLを入れ、攪拌しながら、窒素導入管によって4つ口セパラブルフラスコ内に窒素ガスを導入した。続いて70℃に昇温させたのち、tBA:7.50g、トルエン:50mLの混合液を1時間かけて連続的に滴下させ、さらに1時間熟成させた。メタノールを200mL添加することによって再沈操作を行い、比較例2のハイパーブランチポリマーを得た。
―ハイパーブランチポリマーの評価―
分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)および多角度光散乱(MALLS)を用いて測定した。測定条件を下に記す。分子量測定の前処理として、GLクロマトディスク13N(非水系0.45μm、販売:ジーエルサイエンス株式会社)を透過させた。GPCは、東ソー株式会社製のGPC装置(商品名:HLC−8020)を使用して測定した。MALLSは、Wyatt Technology製の光散乱測定装置(商品名:DAWN DSP−F)を使用して測定した。モノマーの滴下(モノマーを加えること)は、東ソー株式会社製のオートサンプラー(商品名:AS−8010)を使用した。
溶離条件は、カラムとして、東ソー株式会社製のTSKgel−Multipore HXL−Mを2本直列に接続して使用した。移動相としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。溶離温度は、INLET:40℃、OVEN:40℃、RI:40℃とした。流速は、0.500mL/min.とした。被験物質の濃度はTHFに対して0.5%とし(0.5%THF溶液)、注入量は100μLとした。また、東ソー株式会社製のStyrene Standard(分子量:98,900、37,200、9,490、2,500、682、578、474)を標準試料として用いた検量線を作成した。
一般的にハイパーブランチポリマーにおいては、GPCで測定する直鎖ポリスチレン換算の相対的な分子量MwGPCと、MALLSで測定する絶対分子量MwMALLSとの間には差があり、理想的な球状ポリマーの場合、MwMALLS/MwGPCは4程度であるとされる。逆にいえば、この分子量の比が大きければ大きいほど高分岐なポリマーが合成されていると推定することが出来る。
モノマー反応率は、反応溶液中の未消費モノマーを、HEWLETT PACKARD社製のガスクロマトグラフィー(商品名:5890SERIES II)を用いて定量し、算出する。多官能ラジカル重合性単量体(モノマー1)と、一官能ラジカル重合性単量体(モノマー2)のそれぞれについて、下記基準によって評価する。反応率についての評価結果を表1に示す。
評価基準
○:いずれも80%以上
△:いずれか80%未満
×:いずれか40%未満
Figure 2009155619
―レジスト組成物の評価―
実施例1、2のハイパーブランチポリマー(40mg)、光酸発生剤溶液(0.52g)を、PGMEA(0.44g)に加え、30分間攪拌することで固形分濃度4%の試料溶液を調製した。光酸発生剤溶液は、みどり化学株式会社製の光酸発生剤(商品名:NAI−105)15mgをPGMEA2.0gに溶解することにより調整した。
つぎに、スピンコータに設置したシリコンウエハ上に、上記試料溶液0.5mLを滴下し、200rpmで5秒回転させた後、2000rpmで60秒回転させる。その後90℃で1分乾燥を行い、膜厚約100nmの有機薄膜を形成した。
上記シリコンウエハ上に形成させた薄膜表面に、マイクロシリンジから水2μLを滴下した後、30秒後に接触角測定器を用いて接触角を測定した。該当する基板表面に高圧水銀灯の光(0.6mW/cm)を一定時間照射した後、100℃で4分加熱を行う。冷却後アルカリ溶液、イオン交換水での洗浄を交互に3回繰り返した後、100℃で1分加熱し十分に乾燥させる。冷却後、接触角(有機薄膜の光照射による接触角)を測定した。光照射に際しては、紫外線を用いて、照射された紫外線のエネルギー量を0mJ/cmから50mJ/cmの範囲内で変化させた。結果を表2に示す。
Figure 2009155619
上記のように、多官能ラジカル重合性単量体(モノマー1)を適正に滴下することで、反応槽(上記製造方法では4つ口セパラブルフラスコにあたる)中の濃度を低い状態に保つことができ、ゲル化を抑制できる。結果、熟成時間を長くすることも可能となり、反応率の向上につながる。
以上説明したように、ハイパーブランチポリマーの合成方法によれば、反応系をゲル化させることなく、高度に分岐したハイパーブランチポリマーを合成できるハイパーブランチポリマーの合成方法およびレジスト組成物を提供することができる。
以上のように、本発明にかかるハイパーブランチポリマーの合成方法は、感光性を利用した各種の技術に用いるハイパーブランチポリマーの合成に有用であり、特に、レジスト組成物に包含するハイパーブランチポリマーの合成に適している。
混合モノマーにおけるモノマー2の比率を示す説明図である。

Claims (8)

  1. 第1のモノマーと第2のモノマーとのラジカル重合を経てハイパーブランチポリマーを合成するハイパーブランチポリマーの合成方法であって、
    前記ラジカル重合を開始させる重合開始剤が存在する反応系に、前記第1および第2のモノマーを同時に加えて、前記ラジカル重合をおこなうことを特徴とするハイパーブランチポリマーの合成方法。
  2. 前記ラジカル重合に用いる前記第2のモノマー全量のうち、一部の前記第2のモノマーを前記反応系に混合する工程を含み、
    前記第2のモノマーおよび前記重合開始剤が存在する反応系に、前記第1および第2のモノマーを加えることを特徴とする請求項1に記載のハイパーブランチポリマーの合成方法。
  3. 前記反応系に、前記第1および第2のモノマーの混合物を加えることを特徴とする請求項1に記載のハイパーブランチポリマーの合成方法。
  4. 前記第1のモノマーに対する前記第2のモノマーを経時にともなって増加させることを特徴とする請求項3に記載のハイパーブランチポリマーの合成方法。
  5. 前記反応系に、前記第1および第2のモノマーを複数回に分けて加えることを特徴とする請求項1に記載のハイパーブランチポリマーの合成方法。
  6. 前記反応系に、前記第1および第2のモノマーを所定時間にわたって滴下して加えることを特徴とする請求項1に記載のハイパーブランチポリマーの合成方法。
  7. 前記重合開始剤は、前記ラジカル重合に用いる前記第1のモノマー全量に対して、5〜2000モル%存在することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のハイパーブランチポリマーの合成方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一つに記載のハイパーブランチポリマーの合成方法にしたがって製造されたハイパーブランチポリマーを包含することを特徴とするレジスト組成物。
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