JPWO2017110083A1 - 可溶性架橋型ポリマーの製造方法 - Google Patents

可溶性架橋型ポリマーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マトリクスとの相溶性が良く、添加剤として用いた場合に、塗布膜のブツ状欠陥が良好に低減される可溶性架橋型ポリマーの製造方法を提供する。【解決手段】分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、モノマーA1モルに対して210モル%以上の重合開始剤Bの存在下で重合させる可溶性架橋型ポリマーの製造方法とする。【選択図】なし

Description

本発明は、可溶性架橋型ポリマーの製造方法に関する。
液晶表示装置(LCD)等の画像表示装置では、表示面への傷付きを防止するために、支持体上にハードコート層を有するハードコートフィルムを設けられている。このようなフィルムは、塗膜の積層によって作製されるものが多い。ハードコート層組成物には通常、ハードコート層自体の塗膜の均質性を高めるため、含フッ素ポリマーなどのレベリング剤が添加されている。しかし、このレベリング剤の疎水性によってハードコート層表面は疎水化し、リコート性(積層性)が低下する。そこで、塗工時における基材に対する均質塗布性および塗工後のリコート性向上を目的として、特定のフッ素系界面活性剤または含フッ素ポリマーが添加されている。しかし、これらを含有する塗布組成物でも塗膜自体の均質性とリコート性の両立が十分でない。
近年、高分岐ポリマーおよびデンドリマー等、いわゆる3次元樹木状ポリマー(デンドリティックポリマーとも称される)が注目されている。このような高分岐ポリマーは、低溶融粘度、低溶解粘度、および高い溶解性等、通常の線状ポリマーとは異なる性質を有しており、界面活性剤や表面改質剤としての応用が期待されている。その場合、ポリマー自身の性状とともに、そのポリマーが添加されて形成される塗膜表面および塗膜を積層した場合の積層膜の界面の特性も重要である。
高分岐ポリマーの製造方法として、ビニルモノマーを含む系をラジカル重合させる方法があるが、分子量の制御が難しく、不溶不融のポリマーが生成される場合がある。そこで、高濃度のラジカル重合開始剤の存在下でモノマーを重合させる開始剤組み込みラジカル重合が提案されている。
例えば、特許文献1には、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、有機溶媒中でモノマーA1モルに対して5モル%乃至200モル%の量の重合開始剤Bの存在下で、重合開始剤Bの10時間半減期温度より20℃以上高い温度で還流下重合させる方法が開示されている。この製造方法によれば、簡便な方法で、分子量を制御することが可能であり、しかも重量平均分子量を溶媒に溶解できる範囲に制御可能であることが記載されている。
また、特許文献2には、ラジカル重合性不飽和二重結合を1個有する単量体(A)およびラジカル重合性不飽和二重結合を2個以上有する単量体(B)を、(A)と(B)の合計モルに対して15モル%以上170モル%以下の重合開始剤(C)の存在下で重合させる方法が開示されている。この製造方法によれば、体積平均粒子径が1nm以上300nm以下の三次元ポリマーを簡便に得られることが記載されている。
特許第5773159号公報 特許第4009700号公報
本発明者らは、一例として上記特許文献に記載の方法によって得られた高分岐ポリマーを、液晶表示装置等の画像表示装置に用いるハードコート層を作製するための塗布組成物に表面改質剤として添加し、その組成物を塗膜としたところ、硬化後の膜の表面に不純物に起因する複数の微小な輝点状の欠陥、いわゆるブツ状欠陥が発生した。これは、膜を構成する各種樹脂等のマトリクスに不溶な成分が生じたものである。このように、高分岐ポリマーを塗布組成物に表面改質剤等として添加する場合は、さらに高いレベル(主として検出限界以下)での不純物の生成を抑制することが求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高分岐ポリマーを塗布組成物の添加剤として用いた場合にマトリクスとの相溶性が良好であって、かつその組成物を塗膜とした場合にブツ状欠陥が良好に低減される可溶性架橋型ポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の可溶性架橋型ポリマーの製造方法は、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、モノマーA1モルに対して210モル%以上の重合開始剤Bの存在下で重合させるものである。
重合開始剤Bは、モノマー1モルに対して260モル%以上が好ましい。
モノマーAを、有機溶媒中で、重合開始剤Bの10時間半減期温度より20℃以上高い温度で重合させることが好ましい。
本発明の可溶性架橋型ポリマーの製造方法は、モノマーA、重合開始剤B、および有機溶媒を含む溶液を、重合開始剤Bの10時間半減期温度より20℃以上高い温度に保たれた有機溶媒中へ滴下することにより、モノマーAを重合させてもよい。
また、本発明の可溶性架橋型ポリマーの製造方法は、さらに、分子内にラジカル重合性二重結合を1個有するモノマーCを加えて、モノマーAとモノマーCとを重合させてもよい。
モノマーCは、フッ素原子を有するラジカル重合性化合物であることが好ましい。
可溶性架橋型ポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で1,000〜300,000が好ましい。
可溶性架橋型ポリマーの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で1,000〜50,000がより好ましい。
本発明の可溶性架橋型ポリマーの製造方法は、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、モノマーA1モルに対して210モル%以上の重合開始剤Bの存在下で重合させるものである。この方法によれば、ポリマーの分子量制御が良好にできる。このため、得られたポリマーを塗布組成物に添加剤として用いた場合、マトリクスとの相溶性が良好であるため、ブツ状欠陥が良好に低減された膜を得ることができる。
以下、本発明の可溶性架橋型ポリマーの製造方法について説明する。以下の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[可溶性架橋型ポリマーの製造方法]
本発明の可溶性架橋型ポリマーの製造方法は、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、モノマーA1モルに対して210モル%以上の重合開始剤Bの存在下で重合させるものである。
まず、可溶性架橋型ポリマーの製造方法に用いる材料について説明する。
(モノマーA)
モノマーAは、分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有する多官能モノマーである。
モノマーAに用いられる多官能モノマーとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ−(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,3−ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1,2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、10−デカンジオール(メタ)アクリレート、3,8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO(プロピレンオキサイド)変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、1,2,3−クロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート、カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
モノマーAは、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレート系化合物であってもよい。具体例としては、日本化薬(株)製KAYARAD DPHA、同DPHA−2C、同PET−30、同TMPTA、同TPA−320、同TPA−330、同RP−1040、同T−1420、同D−310、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同GPO−303、大阪有機化学工業(株)製V#400、V#36095D等のポリオールと(メタ)アクリル酸のエステル化物を挙げることができる。また紫光UV−1400B、同UV−1700B、同UV−6300B、同UV−7550B、同UV−7600B、同UV−7605B、同UV−7610B、同UV−7620EA、同UV−7630B、同UV−7640B、同UV−6630B、同UV−7000B、同UV−7510B、同UV−7461TE、同UV−3000B、同UV−3200B、同UV−3210EA、同UV−3310EA、同UV−3310B、同UV−3500BA、同UV−3520TL、同UV−3700B、同UV−6100B、同UV−6640B、同UV−2000B、同UV−2010B、同UV−2250EA、同UV−2750B(日本合成化学(株)製)、UL−503LN(共栄社化学(株)製)、ユニディック17−806、同17−813、同V−4030、同V−4000BA(大日本インキ化学工業(株)製)、EB−1290K、EB−220、EB−5129、EB−1830,EB−4358(ダイセルUCB(株)製)、ハイコープAU−2010、同AU−2020((株)トクシキ製)、アロニックスM−1960(東亜合成(株)製)、アートレジンUN−3320HA,UN−3320HC,UN−3320HS、UN−904,HDP−4Tなどの3官能以上のウレタンアクリレート化合物、アロニックスM−8100,M−8030,M−9050(東亞合成(株)製、KBM−8307(ダイセルサイテック(株)製)の3官能以上のポリエステル化合物なども好適に使用することができる。
モノマーAは、上記の中から、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上の混合物を用いてもよい。
(重合開始剤B)
本発明の可溶性架橋型ポリマーの製造方法において、重合開始剤Bは、モノマーA1モルに対して210モル%以上存在させて、モノマーAを重合させる。210モル%以上とすることにより、分子量を良好に制御することができ、塗布組成物の添加剤として用いた場合、いわゆるブツ状欠陥を良好に低減することができる。また、重合開始剤Bの含有量は、モノマーA1モルに対して260モル%以上がより好ましい。
重合開始剤Bとしては、アゾ重合開始剤、パーオキサイド重合開始剤、およびパーオキサイド重合開始剤と還元剤とを併用したレドックス重合開始剤、および上記の2種以上の混合物等が挙げられる。
アゾ重合開始剤としては、油溶性アゾ重合開始剤が好ましい。具体的には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)等が挙げられる。
これらのうちで特に好ましいものは、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートである。
パーオキサイド重合開始剤としては、下記油溶性パーオキサイド重合開始剤が好ましく用いられる。
(1)ケトンパーオキサイド(メチルエチルパーオキサイド、メチルイソブチルパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等)、
(2)ハイドロパーオキサイド(1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等)、
(3)ジアシルパーオキサイド(イソブチリルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等)、
(4)ジアルキルパーオキサイド(ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキセン、トリス(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等)、
(5)パーオキシケタール(1,1−ジ−t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ペルオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、4,4−ジ−t−ブチルペルオキシ吉草酸−n−ブチルエステル、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン等)、
(6)アルキルパーエステル(1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、α−クミルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオペンタノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルペルオキシヘキサヒドロテトラフタレート、t−アミルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−ブチルペルオキシトリメチルアジペート等)、および
(7)パーカーボネート(ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルペルオキシカルボニロイル)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルペルオキシカーボネート)等)が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、(1)ケトンパーオキサイド、(2)ハイドロパーオキサイド、(4)ジアルキルパーオキサイドおよび(6)アルキルパーエステルであり、特に好ましいものは、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドおよびt−ブチルパーオキシベンゾエートである。
レドックス重合開始剤としては、油溶性レドックス重合開始剤が用いられる。パーオキサイド重合開始剤としては、例えば、ヒドロペルオキサイド(t−ブチルヒドロキシパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド等)、過酸化ジアルキル(過酸化ラウロイル等)および過酸化ジアシル(過酸化ベンゾイル等)等の油溶性過酸化物等が挙げられる。還元剤としては、第三アミン(トリエチルアミン、トリブチルアミン等)、ナフテン酸塩、メルカプタン(メルカプトエタノール、ラウリルメルカプタン等)、有機金属化合物(トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ素及びジエチル亜鉛等)等の油溶性還元剤等が挙げられる。これらのなかで、パーオキサイド重合開始剤と還元剤の好ましい具体的な組み合わせの例としては、クメンヒドロパーオキサイド−トリエチルアルミニウム、過酸化ベンゾイル−トリエチルアミン等が挙げられる。
(モノマーC)
本発明の製造方法では、モノマーAとモノマーCとを共重合させてもよい。モノマーCは、分子内にラジカル重合性二重結合を1個有する単官能モノマーである。単官能モノマーを共重合させることにより、分子量をより小さくして、ポリマーの分子量分布を安定させることができる。以下、モノマーCとして好ましい具体例を記載する。
モノマーCの好ましい具体例としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル化合物;N−ビニルフォルムアミド等のN−ビニル化合物;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物(メタ)アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラクトン変性(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−オクタデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート等のモノビニルエーテル化合物;等が挙げられる。
さらに、モノマーCは、フッ素原子を有するものであってもよい。フッ素原子を有するモノマーCは、特に界面活性剤および表面改質剤として有用である。フッ素原子を有するモノマーCとして、上記モノマーCの置換基の一部がフッ素に置換されたものを用いることができる。以下に具体例を示す。
具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(有機溶媒)
本発明の製造方法は、モノマーAを、有機溶媒中で、重合開始剤Bの10時間半減期温度より20℃以上高い温度で重合させることが好ましい。
このような有機溶媒として、以下の有機溶媒が挙げられる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン、ミネラルスピリット、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素系溶媒;塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、メチレンジクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、オルトジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系又はエステルエーテル系溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン等の複素環式化合物系溶媒、並びにこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。
これらのうち好ましいのは、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、スルホキシド系溶媒等である。
中でも、大気圧下において90℃〜200℃の沸点を有する有機溶媒を用いることが好ましく、例えばトルエン、キシレン、オルトジクロロベンゼン、酢酸ブチル、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、n−プロパノール等が特に好ましい有機溶媒として挙げられる。
上記重合反応を有機溶媒の存在下で行う場合、有機溶媒の含有量はモノマーAの1質量部に対し、好ましくは0.3〜100質量部、さらに好ましくは0.5〜50質量部である。
(重合方法)
本発明の可溶性架橋型ポリマーの製造方法は、モノマーAを重合開始剤Bの存在下で重合させる。重合方法としては、公知の方法、溶液重合、分散重合、沈殿重合、および塊状重合等が挙げられる。中でも有機溶媒中での溶液重合が好ましい。
重合反応は常圧、加圧密閉下、または減圧下で行われ、装置および操作の簡便さから常圧下で行うのが好ましい。また、N等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
また、本発明の可溶性架橋型ポリマーの製造方法は、モノマーA、重合開始剤B、および有機溶媒を含む溶液を、重合開始剤Bの10時間半減期温度より20℃以上高い温度に保たれた有機溶媒中へ滴下することにより重合させてもよい。滴下法とすることにより分子量の制御が容易であり、工業スケールでも安全にポリマーを製造することができる。
なお、モノマーAおよび重合開始剤Bを含む溶液の有機溶媒は、上記有機溶媒を同様に用いることができる。また、有機溶媒の反応圧力下での還流温度で重合反応を実施することがさらに好ましい。還流温度とすることにより、重合温度を一定にすることができ、分子量の制御が容易である。さらには、工業スケールでも安全にポリマーを製造することができる。
滴下法において、有機溶媒を、重合開始剤Bの10時間半減期温度より20℃以上高い温度にすることにより、重合開始剤の分解が速やかに進行し、開始剤断片ラジカルと重合物の成長末端ラジカルとの停止反応が停滞することなく進行し、マトリクスに可溶な分子量に制御することが可能である。
[可溶性架橋型ポリマー]
本発明の製造方法によって得られる可溶性架橋型ポリマーの重量平均分子量Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で1,000〜300,000である。マトリクスとの相溶性の観点から1,000〜50,000が好ましく、2,000〜4,000がより好ましい。重量平均分子量Mw、および数平均分子量Mnは、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
また、分子量分布の指標であるMw/Mnは、1.30〜10.00が好ましく、1.50〜6.00がより好ましい。このような分子量分布であることにより、マトリクスとの相溶性が良く、添加剤として用いた場合、ブツ状欠陥等の塗膜故障を良好に防止することができる。
本発明の製造方法によって得られる可溶性架橋型ポリマーの具体例を以下に示す。
Figure 2017110083
なかでも、フッ素原子を有する(1)および(2)のポリマーが、表面改質剤等の添加剤として有用である。
以下、本発明の実施例について説明する。表1に、合成例および比較合成例で用いる材料およびその配合比、並びに分子量を記載する。
(合成例1:化合物101の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた300ミリリットル容三口フラスコに、トルエン15.0gを仕込んで、120℃まで昇温した。次いで、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート4.18g(10.0ミリモル)、下記化合物Xで表される2官能棒状液晶化合物1.32g(2.1ミリモル)、トルエン15.0g及び重合開始剤「V−601」(和光純薬(株)製)4.7g(20.4ミリモル)からなる混合溶液を、30分で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、さらに3.5時間攪拌を続け、本発明のポリマー(化合物101)6.2gを得た。化合物101を以下に示す。
このポリマーの重量平均分子量(Mw)は4,800であり、分子量分布Mw/Mnは2.20であった。重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出した。使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、およびTSKgel SuperHZ200(東ソー社製)を連結して用い、キャリアはテトラヒドロフランを用いた。
Figure 2017110083
Figure 2017110083
(合成例2〜11)
モノマー、および配合比をそれぞれ表1のように変更したこと以外は、合成例1と同様にして本発明のポリマーである化合物102〜111を合成した。
(比較合成例1〜4)
モノマー、および配合比をそれぞれ表1のように変更したこと以外は、合成例1と同様にして比較合成例のポリマーである化合物H101〜H104を合成した。
表1中、Tは、滴下される側の有機溶媒の温度、すなわち重合温度を表し、T10は、重合開始剤の10時間半減期温度を表す。T−T10は、これらの差を示す。
Figure 2017110083
表1中の略記号は以下の意味を表す。
DA−314:グリセリンポリグリシジルエーテル(アクリル酸変性物)
DVB:ジビニルベンゼン
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
TAIC:トリアリルイソシアヌレート
DCP:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート
AH−600:フェニルグリシジルエーテルアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー
C6FA:2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート
MMA:メチルメタクリレート
DPE:ジフェニルエチレン
AIBN:アゾビスイソブチロニトリル
以下に、化合物102〜109、および化合物H101〜104を記載する。
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
Figure 2017110083
表1に示すように、分子量および分子量分布の指標であるMw/Mnから、同じモノマーAを用いた場合を比較すると、重合開始剤の量を本発明の範囲にすることによって、ポリマーの分子量を小さくすることができ、かつ分子量のバラつきを小さくすることができることがわかった。このようなことから、本発明が高いレベルでの不純物の生成を防止することができるものと推定される。
次に、上記合成例および比較合成例で得られたポリマーを用いて、ハードコート層を作製した。
まず、実施例1のハードコート層A−1用の塗布液の調製について説明する。
<ハードコート層A−1用塗布液の調製>
下記の組成となるように、各成分を混合し、固形分濃度が約55質量%となるハードコート層A−1用塗布液を作製した。
−ハードコート層A−1用塗布液の組成−
DPHA:KAYARD DPHA(日本化薬(株)製)(6官能)
29.6質量部
イルカギュア184:アルキルフェノン系光重合開始剤(BASF(製))
2.20質量部
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート:
サイクロマーM100((株)ダイセル、分子量196)
13.8質量部
化合物1 0.55質量部
本発明の化合物101(合成例1) 8.3質量部
Tinuvin928:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASF(製))
0.55質量部
MEK(メチルエチルケトン) 16.7質量部
MiBK(メチルイソブチルケトン) 19.8質量部
酢酸メチル 8.5質量部
化合物1は、特許第4841935号公報の実施例1記載の方法で合成した。以下に化合物1の構造式を示す。
Figure 2017110083
<ハードコート層A−2〜A−15用の塗布液の調製>
本発明の化合物101を、化合物102〜111およびH101〜H104に替えたこと以外はハードコート層A−1用塗布液の調製と同様にして、ハードコート層A−2〜A−15用の塗布液を作製した。
<ハードコート層の形成>
ロール形態で巻き出した25μm厚さのトリアセチルセルロースフィルム「TJ25」(富士フイルム株式会社製)を支持体とし、ハードコート層A−1〜A−15用の塗布液を使用し、ハードコートフィルムを作製した。具体的には、支持体上に、特開2006−122889号公報の実施例1記載のスロットダイを用いたダイコート法で、搬送速度30m/分の条件で各塗布液を塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下酸素濃度約0.1体積%で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量500mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させてハードコート層を形成した後、巻き取った。
作製したハードコートフィルムを下記評価方法で評価した。
<ハードコート層の膜厚>
ハードコート層の膜厚は、接触式の膜厚計を用いて作製したハードコートフィルムの膜厚を測定し、そこから同様に測定した支持体厚みを引いて算出した。ハードコートフィルムの全てにおいて、ハードコート層の膜厚は、6.0μmであった。
<ハードコート層のブツ状欠陥>
裏面側から蛍光灯を照射し、ハードコート層塗布面(おもて面)側から透過目視面検、およびハードコート層塗布面側から蛍光灯を照射した反射目視面検にて3m検査し、輝点状の欠陥を採取した。さらに、採取した欠陥を顕微鏡及びIR、顕微ラマン分光装置で分析して、欠陥部の組成が、正常部と同一であるものの数をカウントし、その値を3で割って1m当たりのブツ状欠陥の数を算出した。これを以下の評価基準に基づいて評価した。評価結果を表2に示す。
A:ブツ状欠陥が1m当たりに換算し0個である
B:ブツ状欠陥が1m当たりに換算し1〜5個発生している
C:ブツ状欠陥が1m当たりに換算し6個以上発生している
Figure 2017110083
表2に示すように、本発明のポリマーは、ハードコート層の表面改質剤として添加した場合、ブツ状欠陥が低減された。さらに、重合開始剤をモノマー1モルに対し260モル%以上添加した実施例1〜8は、1m当たりのブツ状欠陥が0個であり、さらに良好な結果を得ることができた。
一方、重合開始剤をモノマー1モルに対して210モル%より少ない量添加して重合させた比較例1〜4は、ブツ状欠陥が多いことがわかる。
また、実施例1、2および8において、それぞれ本発明のポリマー添加量を8.3質量部から0.2質量部へと変えた場合でも、ハードコート層のブツ状欠陥は「A」を維持した。さらに、少量添加でも高い塗布性およびリコート性等を有し、本来の表面改質剤として良好な結果を与えることがわかった。

Claims (8)

  1. 分子内に2個以上のラジカル重合性二重結合を有するモノマーAを、該モノマーA1モルに対して210モル%以上の重合開始剤Bの存在下で重合させる可溶性架橋型ポリマーの製造方法。
  2. 前記重合開始剤Bが、前記モノマー1モルに対して260モル%以上である請求項1記載の可溶性架橋型ポリマーの製造方法。
  3. 前記モノマーAを、有機溶媒中で、前記重合開始剤Bの10時間半減期温度より20℃以上高い温度で重合させる請求項1または2記載の可溶性架橋型ポリマーの製造方法。
  4. 前記モノマーA、前記重合開始剤B、および有機溶媒を含む溶液を、前記重合開始剤Bの10時間半減期温度より20℃以上高い温度に保たれた有機溶媒中へ滴下することにより、前記モノマーAを重合させる請求項1または2記載の可溶性架橋型ポリマーの製造方法。
  5. 前記モノマーAと、分子内にラジカル重合性二重結合を1個有するモノマーCとを重合させる請求項1から4いずれか1項記載の可溶性架橋型ポリマーの製造方法。
  6. 前記モノマーCが、フッ素原子を有するラジカル重合性化合物である請求項5記載の可溶性架橋型ポリマーの製造方法。
  7. 前記可溶性架橋型ポリマーの重量平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で1,000〜300,000である請求項1から6いずれか1項記載の可溶性架橋型ポリマーの製造方法。
  8. 前記可溶性架橋型ポリマーの重量平均分子量が、ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算で1,000〜50,000である請求項7記載の可溶性架橋型ポリマーの製造方法。
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