JP2009073901A - 硬化物の製造方法、および硬化物、および光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬化性樹脂組成物を紫外線照射の照射方法を工夫することで硬化後の収縮により発生する反りを抑え、更に硬化塗膜が傷つきにくい硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物の硬化方法、およびその方法により得られた硬化物が形成された光記録媒体を提供する。
【解決手段】基材プラスチック上に塗布された硬化性樹脂組成物に紫外線を照射させて硬化性樹脂組成物を硬化させる方法において、紫外線照射の第1工程で硬化性樹脂組成物を半硬化させ、次に紫外線照射の第2工程で紫外線ランプと基材プラスチックからの距離を変動させながら紫外線照射を行い、硬化性樹脂組成物を最終硬化させる硬化物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】基材プラスチック上に塗布された硬化性樹脂組成物に紫外線を照射させて硬化性樹脂組成物を硬化させる方法において、紫外線照射の第1工程で硬化性樹脂組成物を半硬化させ、次に紫外線照射の第2工程で紫外線ランプと基材プラスチックからの距離を変動させながら紫外線照射を行い、硬化性樹脂組成物を最終硬化させる硬化物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、硬化性樹脂組成物より得られる硬化物の製造方法およびその製造方法により得られた硬化物および硬化物層が形成された光記録媒体に関する。
高画質のデジタルハイビジョン放送が始まったことで、フルハイビジョン対応の高画質で大画面の液晶やプラズマテレビが普及されるようになった。しかし、従来の光記録媒体であるDVDは記録容量が小さいので、高品位の動画像を長時間録画することができなかった。これに応えるために、DVDの5倍以上もの記録容量を有する新しい光記録媒体の規格として青色レーザー光で情報を記録・再生するブルーレイディスクが開発、販売されるようになった。
この新規格では、光記録媒体の大容量化のために波長405nmの青色レーザー光の採用や記録・再生光学系対物レンズの開口数(NA)を0.85に大きくして、記録・再生時のレーザービームスポット径をDVDよりも約0.44倍まで小さくし、又、信号が記録されるトラックピッチ(間隔)を約0.43倍に狭くすることで5倍以上もの大記録容量化が実現されている。
また大容量化の技術としてもう1つ採用されていることがある。レーザー入射側から見てディスク表面にはキズやホコリからの保護として透明カバー層が施されてある。ディスク表面と信号の記録面との距離(透明カバー層厚み)は、DVDでは約600μmであったが、前述した高NA化を実現するために、ブルーレイディスクでは100μmと薄くなっている。この透明カバー層厚みを薄くすることで、ディスクの反り等による傾きで生じるスポットの歪(ボケ)が抑えられ、信頼性の高い記録・再生が実現されるようになった。
透明カバー層の形成方法として主に2つの方法が挙げられる。ポリカーボネート製のシートを紫外線硬化型の接着剤で貼り合わせるシート接着法と紫外線硬化型の樹脂をスピンコートで塗布し、紫外線を照射して樹脂を硬化させるスピンコート法がある。現在はコストの面からスピンコート法が主流になっている。しかし、紫外線硬化型の樹脂を用いて透明カバー層を構成すると、硬化時に発生する収縮のために光ディスクに反りが発生する。この反りは硬化時の架橋密度を下げることで改善されるが、硬度や耐スクラッチ性(耐磨耗性)が低下するためにディスク表面に傷がつきやすい等の問題点があった。またスピンコートで樹脂を塗布する場合、粘度の高い材料ではカバー層の厚み均一性が得られない。従って、低粘度でしかも硬化後の耐スクラッチ性が高く、反りが小さい透明カバー層用の紫外線硬化型の樹脂が求められていた。
この透明カバー層の形成方法として、従来から種々の検討がなされている。例えば、以下のようなものが挙げられる。特許文献1には、保護層(透明カバー層)にシリカ粒子を配合する技術が開示されている。しかし、表面硬度が鉛筆硬度試験でBと硬度が不足している問題があった。また特許文献2には、保護層(透明カバー層)で硬化物の表面硬度が2Hと硬度アップとなる技術が開示されている。しかし、シリカ粒子が配合されているので、同様にコストアップとなる問題があった。また特許文献3には、光透過層(透明カバー層)を重量平均分子量が1000〜3000のポリエーテル骨格含有ウレタンアクリレートを用いて形成する技術が開示されている。本方法では硬化後の反り角は抑えられているが、ウレタンアクリレート中のアクリレート含有量が少ないので硬化物の表面硬度が小さいという問題があった。
上述した状況の下、本発明が解決すべき課題は、硬化性樹脂組成物への紫外線照射の照射方法を工夫することで硬化後の収縮により発生する反りを抑え、更に硬化塗膜が傷つきにくい硬化物を得ることができる硬化性樹脂組成物の硬化方法、およびその方法により得られた硬化物が形成された光記録媒体を提供することにある。
即ち、本発明は、プラスチック上に塗布された硬化性樹脂組成物に紫外線を照射させて硬化物を得る方法において、少なくとも第1工程にて紫外線照射を行い流動性の無い状態を得た後、第2工程にて紫外線照射強度を変化させ、硬化度を高める工程を有することを特徴とする硬化物の製造方法を提供する。
また本発明は、紫外線照射の第1工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の10%以下で行い、紫外線照射の第2工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の90%以上で硬化させる硬化物の製造方法を提供するものでもある。
また本発明は、硬化性樹脂組成物の硬化発熱量が200mJ/mg以上の硬化性樹脂を用いて硬化させる硬化物の製造方法を提供するものでもある。
また本発明は、下記式(1):
また本発明は、紫外線照射の第1工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の10%以下で行い、紫外線照射の第2工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の90%以上で硬化させる硬化物の製造方法を提供するものでもある。
また本発明は、硬化性樹脂組成物の硬化発熱量が200mJ/mg以上の硬化性樹脂を用いて硬化させる硬化物の製造方法を提供するものでもある。
また本発明は、下記式(1):
[式中、R1は炭素数2〜8のアルキレン基、R2は水素原子またはメチル基、mは正の整数である]
で示される繰り返し単位を有するビニル系重合体及び重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物を用いて硬化させる硬化物の製造方法を提供するものでもある。
で示される繰り返し単位を有するビニル系重合体及び重合開始剤を含有する硬化性樹脂組成物を用いて硬化させる硬化物の製造方法を提供するものでもある。
また本発明は、上記製造方法により硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物を提供するものでもある。
また本発明は、基体と基体上に形成された情報記録層を有し、情報記録層が透明カバー層で覆われている光記録媒体であって、透明カバー層が、本製造方法により作成された光記録媒体を提供するものでもある。
また本発明は、透明カバー層の厚みが100±2μmで形成されている光記録媒体を提供するものでもある。
また本発明は、基体と基体上に形成された情報記録層を有し、情報記録層が透明カバー層で覆われている光記録媒体であって、透明カバー層が、本製造方法により作成された光記録媒体を提供するものでもある。
また本発明は、透明カバー層の厚みが100±2μmで形成されている光記録媒体を提供するものでもある。
本発明によれば、硬化後の収縮による反りが小さく、また硬化塗膜が傷つきにくい硬化物、並びに透明カバー層を形成することができる。
本発明では、硬化性樹脂組成物に紫外線を照射させることにより硬化物を得る硬化物の製造方法であるが、紫外線による硬化の場合、波長150〜450nmの範囲内の光を含む光源を用いればよい。このような光源としては、例えば、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、キセノン・フラッシュ灯、カーボンアーク灯などが挙げられる。これらの光源は同一種を複数個用いてもよく、さらには異種の光源を組み合わせて用いてもよい。これらの光源と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱などによる熱の併用も可能である。照射積算光量は、好ましくは0.1〜10J/cm2、より好ましくは0.15〜8J/cm2、さらに好ましくは0.2〜1J/cm2の範囲内である。これらの光源の中でも高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン・フラッシュ灯が好適である。
≪紫外線照射方法≫
基材プラスチック上に塗布された硬化性樹脂組成物に紫外線を照射させて硬化性樹脂組成物を硬化させる方法において、第1工程にて紫外線照射を行い流動性の無い状態を得た後、第2工程にて紫外線照射強度を変化させ、硬化度を高める工程を有する。第1工程及び第2工程での照射回数、さらには光源から塗布面の距離については、最終工程で硬化性樹脂組成物が硬化し、硬化物の反りを抑えることができる範囲で組み合わせて実施すればよい。また、本発明において流動性の無い状態まで硬化させる第1工程の紫外線照射工程を半硬化とも称する。
硬化性樹脂組成物の半硬化の状態とは、硬化性樹脂組成物の硬化過程において目的とする硬化物の強度、硬度等が得られておらず硬化途中の段階にあり、更なる紫外線照により最終硬化を行なう前段階の状態を意味する。また最終硬化とは、紫外線硬化による硬化過程が終了し目的とする強度あるいは硬度を有する硬化物を得る段階を意味する。最終硬化の段階で未反応の反応性置換基を有していても目的とする硬化物が得られていれば良い。
紫外線の照射方法として、紫外線照射の第1工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の10%以下で行い、紫外線照射の第2工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の90%以上で硬化させる硬化物の製造方法が好ましいが、第1工程の段階で硬化物の収縮により反りが発生しない程度の光量を照射すれば、第2工程での光量または光源からの距離を工夫することで反りを極力抑えることができる。積算光量とは、第1工程及び第2工程での紫外線照射光量の総和(光量の積算された値)を意味する。積算光量は、紫外線積算光量を測定できる照度計を用いて測定する。キセノン・フラッシュ灯の様なパルス波の紫外線照射は通常の照度計では測定できない場合があることから、米国EIT社のUV Power PuckTMを用いて測定することが好ましい。第1工程での好ましい紫外線照射の光量としては、より好ましくは積算光量の8%以下、さらに好ましくは0.1%〜6%である。第1工程での紫外線照射の光量が積算光量の10%を超えると第1工程の段階で反りが発生し、さらに第2工程へ進むことで硬化物の反りが増大し、反りを抑えることができなくなる。また、第1工程での紫外線照射の光量が積算光量も0.1%未満であれば、第1工程での反りは抑えられるが、第2工程での紫外線光量がより多くなり結果として反りを抑えることができなくなる。一方、第2工程での好ましい紫外線照射の光量としては、より好ましくは積算光量の92%以上、さらに好ましくは94%以上、99.9%以下である。
紫外線ランプと基材プラスチックからの距離は、適切な積算光量が得られるように調整すればよいが、好ましい距離としては、0.5cm〜50cmである。より好ましくは、1cm〜25cmである。第2工程での紫外線ランプと基材プラスチックからの距離は、例えば、25cm、10cm、2cmへと段階的に変動させてもよい、または、25mから2cmへと連続的に距離を変動させて紫外線を照射させてもよい。
使用する硬化性樹脂組成物の硬化発熱量が200mJ/mg以上であることが好ましい。硬化発熱量が200mJ/mgであれば、重合性官能基量が少ないので目的とする硬化物の強度や硬度が得られない場合がある。より好ましい硬化性樹脂組成物の硬化発熱量は、240mJ/mg以上である。
基材プラスチック上に塗布された硬化性樹脂組成物に紫外線を照射させて硬化性樹脂組成物を硬化させる方法において、第1工程にて紫外線照射を行い流動性の無い状態を得た後、第2工程にて紫外線照射強度を変化させ、硬化度を高める工程を有する。第1工程及び第2工程での照射回数、さらには光源から塗布面の距離については、最終工程で硬化性樹脂組成物が硬化し、硬化物の反りを抑えることができる範囲で組み合わせて実施すればよい。また、本発明において流動性の無い状態まで硬化させる第1工程の紫外線照射工程を半硬化とも称する。
硬化性樹脂組成物の半硬化の状態とは、硬化性樹脂組成物の硬化過程において目的とする硬化物の強度、硬度等が得られておらず硬化途中の段階にあり、更なる紫外線照により最終硬化を行なう前段階の状態を意味する。また最終硬化とは、紫外線硬化による硬化過程が終了し目的とする強度あるいは硬度を有する硬化物を得る段階を意味する。最終硬化の段階で未反応の反応性置換基を有していても目的とする硬化物が得られていれば良い。
紫外線の照射方法として、紫外線照射の第1工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の10%以下で行い、紫外線照射の第2工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の90%以上で硬化させる硬化物の製造方法が好ましいが、第1工程の段階で硬化物の収縮により反りが発生しない程度の光量を照射すれば、第2工程での光量または光源からの距離を工夫することで反りを極力抑えることができる。積算光量とは、第1工程及び第2工程での紫外線照射光量の総和(光量の積算された値)を意味する。積算光量は、紫外線積算光量を測定できる照度計を用いて測定する。キセノン・フラッシュ灯の様なパルス波の紫外線照射は通常の照度計では測定できない場合があることから、米国EIT社のUV Power PuckTMを用いて測定することが好ましい。第1工程での好ましい紫外線照射の光量としては、より好ましくは積算光量の8%以下、さらに好ましくは0.1%〜6%である。第1工程での紫外線照射の光量が積算光量の10%を超えると第1工程の段階で反りが発生し、さらに第2工程へ進むことで硬化物の反りが増大し、反りを抑えることができなくなる。また、第1工程での紫外線照射の光量が積算光量も0.1%未満であれば、第1工程での反りは抑えられるが、第2工程での紫外線光量がより多くなり結果として反りを抑えることができなくなる。一方、第2工程での好ましい紫外線照射の光量としては、より好ましくは積算光量の92%以上、さらに好ましくは94%以上、99.9%以下である。
紫外線ランプと基材プラスチックからの距離は、適切な積算光量が得られるように調整すればよいが、好ましい距離としては、0.5cm〜50cmである。より好ましくは、1cm〜25cmである。第2工程での紫外線ランプと基材プラスチックからの距離は、例えば、25cm、10cm、2cmへと段階的に変動させてもよい、または、25mから2cmへと連続的に距離を変動させて紫外線を照射させてもよい。
使用する硬化性樹脂組成物の硬化発熱量が200mJ/mg以上であることが好ましい。硬化発熱量が200mJ/mgであれば、重合性官能基量が少ないので目的とする硬化物の強度や硬度が得られない場合がある。より好ましい硬化性樹脂組成物の硬化発熱量は、240mJ/mg以上である。
≪硬化性樹脂組成物≫
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、重合性の単量体、及び/又は、オリゴマー、及び/又は、ポリマーを含有するものであるが、これらの各成分は、それぞれ1種又は2種以上含有することができる。なお、本発明の作用効果を損なわない限り、他の成分を更に含有していてもよい。上記樹脂組成物において、重合性の単量体としては、重合性を有する官能基を分子内に1個以上含む化合物であればよい。
重合性のオリゴマー、ポリマーとしては、例えば、分子中に重合性官能基を1つ以上有するアクリル系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコン樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。樹脂組成物中の重合性の単量体、オリゴマー、ポリマーの合計含有量は80質量%以上。好ましくは85質量%、より好ましくは90質量%以上である。合計含有量が80質量%未満であれば、硬化物の硬度が得られないことや耐スクラッチ性が劣る場合がある。
樹脂組成物の粘度は、25℃において1,000mPa・s以上5,000mPa・s以下である。好ましくは1,000mPa・s以上3,000mPa・s以下、より好ましくは1,000mPa・s以上2,000mPa・s以下である。粘度が1,000mPa〜5,000mPa・s範囲外であれば、中心部の樹脂層厚みがより薄くなる場合や、端部の樹脂厚が厚くなる場合がある。なお、ブルーレイディスクの透明カバー層用コート材の好ましい範囲が1,000mPa〜5,000mPa・sであることは既に知られている事実である(技術情報協会発行:最新UV硬化実用便覧、273頁)。
本発明の硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)は、重合性の単量体、及び/又は、オリゴマー、及び/又は、ポリマーを含有するものであるが、これらの各成分は、それぞれ1種又は2種以上含有することができる。なお、本発明の作用効果を損なわない限り、他の成分を更に含有していてもよい。上記樹脂組成物において、重合性の単量体としては、重合性を有する官能基を分子内に1個以上含む化合物であればよい。
重合性のオリゴマー、ポリマーとしては、例えば、分子中に重合性官能基を1つ以上有するアクリル系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコン樹脂、ゴム系樹脂などが挙げられる。樹脂組成物中の重合性の単量体、オリゴマー、ポリマーの合計含有量は80質量%以上。好ましくは85質量%、より好ましくは90質量%以上である。合計含有量が80質量%未満であれば、硬化物の硬度が得られないことや耐スクラッチ性が劣る場合がある。
樹脂組成物の粘度は、25℃において1,000mPa・s以上5,000mPa・s以下である。好ましくは1,000mPa・s以上3,000mPa・s以下、より好ましくは1,000mPa・s以上2,000mPa・s以下である。粘度が1,000mPa〜5,000mPa・s範囲外であれば、中心部の樹脂層厚みがより薄くなる場合や、端部の樹脂厚が厚くなる場合がある。なお、ブルーレイディスクの透明カバー層用コート材の好ましい範囲が1,000mPa〜5,000mPa・sであることは既に知られている事実である(技術情報協会発行:最新UV硬化実用便覧、273頁)。
ブルーレイディスクでは、記録容量を上げるために情報記録層を2層以上の多層構造を有する記録媒体が作成されている。この情報記録層の間には透明な紫外線硬化型樹脂を紫外線にて硬化させた中間層が形成されている。本発明の樹脂組成物は、光記録媒体中の透明カバー層形成に好適であるが、この中間層用の紫外線硬化型樹脂として用いてもよい。
また、前述のポリカーボネート製のシートを紫外線硬化型の接着剤で貼り合わせるシート接着法で使用される接着剤として使用してもよい。
本発明の樹脂組成物を用いると硬化塗膜が傷つきにくい光記録媒体の透明カバー層を形成することができるが、更なる性能向上が必要な場合は、透明カバー層の上に、帯電防止層、撥水層、撥油層、ハードコート層等の層を形成してもよい。
上記重合性のオリゴマー、ポリマーとしてはまた、下記一般式(1):
[式中、R1は炭素数2〜8のアルキレン基、R2は水素原子またはメチル基、mは正の整数である]
で示される繰り返し単位を有するビニル系重合体を含有することが好適である。
で示される繰り返し単位を有するビニル系重合体を含有することが好適である。
<ビニル系重合体>
本発明の樹脂組成物において、上記式(1)で示されるビニル系重合体の配合量は、組成物の合計量に対して、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜100質量%、さらに好ましくは40〜100質量%である。ビニル系重合体の配合量が10質量%未満であると、架橋密度が低下するので硬化速度の低下や透明カバー層の硬化物強度が不充分になることがある。
本発明の樹脂組成物において、上記式(1)で示されるビニル系重合体の配合量は、組成物の合計量に対して、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは20〜100質量%、さらに好ましくは40〜100質量%である。ビニル系重合体の配合量が10質量%未満であると、架橋密度が低下するので硬化速度の低下や透明カバー層の硬化物強度が不充分になることがある。
上記式(1)で示されるビニル系重合体は、低分子量成分が増加すると透明カバー層の強度が低下することがある。ビニル系重合体の数平均分子量(Mn)は、好ましくは500以上、より好ましくは1,000〜100,000、さらに好ましくは2,000〜50,000の範囲内である。ビニル系重合体の数平均分子量(Mn)が500未満であると、硬化速度の低下や硬化物の強度低下を生じることがある。また100,000を超えるとスピンコート時の樹脂厚み均一性が低下する場合がある。ここで、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、THFを移動相とし、温度40℃、流速0.3mL/minの条件下で、東ソー株式会社製のカラム TSK−gel SuperHM−H 2本、TSK−gel SuperH2000 1本を用い、東ソー株式会社製のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置 HLC−8220GPCにより求め、標準ポリスチレン換算した値である。
上記式(1)で示されるビニル系重合体は、固体状の単量体から得た重合体含有量が多い場合を除き、液状粘性体として得ることができる。液状粘性体であれば、重合性単量体で希釈して樹脂粘度を下げなくてもスピンコートが可能である。又、必要であれば重合性単量体と混合しても良いが、重合性単量体との溶解性が良いので、樹脂組成物を調整する際に作業効率の向上化が図れる。粘度が低いと作業性が良く、また、光記録媒体を作成する際に、情報記録層との濡れ性は向上するが、ビニル系重合体の数平均分子量(Mn)が小さい場合があり、透明カバー層の強度が低下することがある。好ましい本発明のビニル系重合体の粘度は、好ましくは500mPa・s〜100Pa・s、より好ましくは1,000mPa・s〜50Pa・s、さらに好ましくは1,000mPa・s〜10,000mPa・sである。ここで、粘度は、温度25℃の条件下で、RB80型粘度計(型式「RB80L」:東機産業(株)製)を用いて算出した値である。
上記式(1)において、R1で表される炭素数2〜8のアルキレン基としては、例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、シクロヘキシレン基、1,4−ジメチルシクロヘキサン−α,α’−ジイル基、1,3−ジメチルシクロヘキサン−α,α’−ジイル基、1,2−ジメチルシクロヘキサン−α,α’−ジイル基、1,4−ジメチルフェニル−α,α’−ジイル基、1,3−ジメチルフェニル−α,α’−ジイル基、1,2−ジメチルフェニル−α,α’−ジイル基などが挙げられる。R1で表される置換基は、上記式(1)中にm個存在するが、同一であっても異なっていてもよい。
上記式(1)において、mは正の整数、好ましくは1〜20の整数、より好ましくは1〜10の整数、さらに好ましくは1〜5の整数である。
<ビニル系重合体の調製>
上記式(1)で示されるビニル系重合体は、下記式(2):
上記式(1)で示されるビニル系重合体は、下記式(2):
[式中、R1、R2およびmは上記式(1)と同意義である]
で示される異種重合性単量体を、従来から知られているカチオン重合により調整することが可能であり、又、特開2006−241189号明細書に記載された方法でリビングカチオン重合することにより、容易に調製することもできる。このとき、上記式(2)で示される異種重合性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。後者の場合、得られる共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体またはその組合せのいずれであってもよい。また、グラフト共重合体であってもよい。
で示される異種重合性単量体を、従来から知られているカチオン重合により調整することが可能であり、又、特開2006−241189号明細書に記載された方法でリビングカチオン重合することにより、容易に調製することもできる。このとき、上記式(2)で示される異種重合性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。後者の場合、得られる共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体またはその組合せのいずれであってもよい。また、グラフト共重合体であってもよい。
上記式(2)で示される異種重合性単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1,1−ジメチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸、4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}エチル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}エチル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)イソプロポキシ}エチル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)イソプロポキシ}プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)イソプロポキシ}プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)イソプロポキシ}イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)イソプロポキシ}イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−[2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}エトキシ]エチル、(メタ)アクリル酸2−[2−{2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)エトキシ}エトキシ]エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−[2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}エトキシ]エトキシ)エチル;などが挙げられる。これらの異種重合性単量体のうち、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシイソプロポキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−{2−(2−ビニロキシエトキシ)エトキシ}エチルが好適である。
上記式(2)で示される異種重合性単量体は、従来公知の方法を用いて、製造することができる。例えば、上記式(2)において、R1がエチレン基、mが1である場合、(メタ)アクリル酸の金属塩と、2−ハロゲノエチルビニルエーテルとを縮合させるか、(メタ)アクリル酸メチルと、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルとをエステル交換させるか、あるいは、(メタ)アクリル酸ハライドと、2−ヒドロキシエチルビニルエーテルとを縮合させることにより、製造することができる。また、上記式(2)において、R1がエチレン基、mが2である場合、(メタ)アクリル酸の金属塩と、2−(2−ハロゲノエトキシ)エチルビニルエーテルとを縮合させるか、(メタ)アクリル酸メチルと、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルビニルエーテルとをエステル交換させるか、あるいは、(メタ)アクリル酸ハライドと、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルビニルエーテルとを縮合させることにより、製造することができる。
上記式(1)で示されるビニル系重合体がカチオン重合可能な単量体に由来する構造単位を有する共重合体である場合、かかる共重合体は、上記式(2)で示される異種重合性単量体と、カチオン重合可能な単量体とを、カチオン重合あるいはリビングカチオン重合することにより、容易に調製することができる。このとき、上記式(2)で示される異種重合性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。得られる共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体またはその組合せのいずれであってもよい。また、グラフト共重合体であってもよい。
カチオン重合可能な単量体としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物;スチレン、4−メチルスチレン、3−メチルスチレン、2−メチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−メトキシスチレン、4−クロロメチルスチレンなどのスチレン誘導体;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;イソプロペニルスチレン、ケイ皮酸2−ビニロキシエチル、ソルビン酸2−ビニロキシエチルなどのジビニル化合物やトリビニル化合物;などが挙げられる。これらのカチオン重合可能な単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらのカチオン重合可能な単量体のうち、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物が好適である。
上記式(2)で示される異種重合性単量体は、ラジカル重合性またはアニオン重合性の(メタ)アクリロイル基と、カチオン重合性のビニルエーテル基とを同時に有するので、重合方法を選択することにより、(メタ)アクリロイル基またはビニルエーテル基をペンダント基として有する重合体が得られる。本発明では、上記式(2)で示される異種重合性単量体のビニルエーテル基を、単独で、あるいは、カチオン重合可能な単量体と共に、カチオン重合あるいはリビングカチオン重合させることにより、(メタ)アクリルロイル基をペンダント基として有する上記式(1)で示されるビニル系重合体が得られる。
上記式(2)で示される異種重合性単量体と、カチオン重合可能な単量体とをカチオン重合あるいはリビングカチオン重合する場合、単量体のモル比(カチオン重合可能な単量体/上記式(2)で示される異種重合性単量体)は、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.5〜5、さらに好ましくは0.8〜2の範囲内である。
本発明の樹脂組成物は、重合性単量体、オリゴマー、ポリマー、前記ビニル系重合体に加えて好ましくは、重合開始剤を含む。重合開始剤を含む場合には、組成物を熱や紫外線で硬化させることができるという効果を奏する。
重合性単量体としては、上記式(1)で示されるビニル系重合体と共硬化可能なものである限り、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、スチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、4−クロロスチレン、4−メチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系単量体;フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリルなどのアリルエステル系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、等の1官能(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸(2−ビニロキシエトキシ)エチル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリル酸付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、p−メンタンー1,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−2,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−3,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、ビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−メチル−4−イソプロピル−5,6−ジメチロールジ(メタ)アクリレート、等の2官能(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレートトリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート化合物、などの(メタ)アクリル酸系誘導体;トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテルなどのビニルエーテル系単量体;トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メチロールメラミンのアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテルのアジピン酸エステル、アリルアセタール、メチロールグリオキザールウレインのアリルエーテルなどのアリルエーテル系単量体;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのマレイン酸エステル系単量体;フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどのフマル酸エステル系単量体;4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、などの1,3−ジオキソラン系単量体;(メタ)アクリロイルモルホリン;N−ビニルホルムアミド;N−ビニルピロリドン;などが挙げられる。これらの重合性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの重合性単量体のうち、(メタ)アクリル系エステル化合物が好適で、さらに脂環構造置換基を有する(メタ)アクリル系エステル化合物が好適である。
重合性単量体の配合量は、樹脂組成物の合計量に対して、好ましくは0〜70質量%、より好ましくは0〜40質量%である。重合性単量体の配合量が70質量%を超えると、硬化収縮が大きくなり、内部歪や硬化物の反りが大きくなることがある。
重合開始剤としては、紫外線を照射させることにより硬化させるので、紫外線の照射により重合開始ラジカルを発生する光重合開始剤が好ましいが、加熱により重合開始ラジカルを発生する熱重合開始剤を含有していてもよい。これらの重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、熱重合促進剤、光増感剤、光重合促進剤などをさらに添加することも好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマーなどのアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドなどのベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリドなどのチオキサントン類;などが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの光重合開始剤のうち、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルホスフィンオキシド類が好適であり、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンが特に好適である。
光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジルー2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマーなどのアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドなどのベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリドなどのチオキサントン類;などが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの光重合開始剤のうち、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルホスフィンオキシド類が好適であり、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンが特に好適である。
熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルアセトアセテートペルオキシド、アセチルアセテートペルオキシド、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、スクシン酸ペルオキシド、m−トルオイルベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシソブチレート、t−ブチルペルオキシマレート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシソプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルペルオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルペルオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルペルオキシド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどの有機過酸化物系開始剤;2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン)]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン)]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(4,5、6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]などのアゾ系開始剤;などが挙げられる。これらの熱重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの熱重合開始剤のうち、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ベンゾイルペルオキシドなどの金属石鹸および/またはアミン化合物などの触媒作用により効率的にラジカルを発生させることができる化合物や2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好適である。
重合開始剤の配合量は、組成物の合計量に対して、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.2〜10質量%である。重合開始剤の配合量が0.05質量%未満であると、組成物が充分に硬化しないことがある。逆に、重合開始剤の配合量が20質量%を超えると、硬化物の物性がさらに向上することはなく、むしろ悪影響を及ぼす上、経済性を損なうことがある。
重合開始剤として、光重合開始剤を用いる場合には、光励起により生じた励起状態から光重合開始剤に励起エネルギーを移し、光重合開始剤の分解を促進して有効にラジカルを発生させることができる光増感剤を用いることができる。光増感剤としては、例えば、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどを挙げることができる。これらの光増感剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
重合開始剤として、光重合開始剤を用いる場合には、光励起により生じた励起状態から光重合開始剤に励起エネルギーを移し、光重合開始剤の分解を促進して有効にラジカルを発生させることができる光増感剤を用いることができる。光増感剤としては、例えば、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどを挙げることができる。これらの光増感剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
光増感剤の配合量は、組成物の合計量に対して、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.2〜10質量%の範囲内である。光増感剤の配合量がこのような範囲内であれば、組成物の硬化性、硬化物の物性、経済性の点で好ましい。
重合開始剤として、光重合開始剤を用いる場合には、光重合開始剤の分解を促進して有効にラジカルを発生させることができる光重合促進剤を用いることができる。光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−n−ブトキシエチル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどを挙げることができる。これらの光重合促進剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの光重合促進剤のうち、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンが好適である。
光重合促進剤の配合量は、組成物の合計量に対して、好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.2〜10質量%の範囲内である。光重合促進剤の配合量がこのような範囲内であれば、組成物の硬化性、硬化物の物性、経済性の点で好ましい。
重合開始剤として、熱重合開始剤を用いる場合には、熱重合開始剤の分解温度を低下させるために、熱重合開始剤の分解を促進して有効にラジカルを発生させることができる熱重合促進剤を用いることができる。熱重合促進剤としては、例えば、コバルト、銅、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ジルコニウム、クロム、バナジウム、カルシウム、カリウムなどの金属石鹸、1級、2級、3級のアミン化合物、4級アンモニウム塩、チオ尿素化合物、ケトン化合物などが挙げられる。これらの熱重合促進剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの熱重合促進剤のうち、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸銅、ナフテン酸銅、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、ジメチルアニリン、トリエタールアミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ジ(2−ヒドロキシエチル)p−トルイジン、エチレンチオ尿素、アセチルアセトン、アセト酢酸メチルが好適である。
熱重合促進剤の配合量は、組成物の合計量に対して、好ましくは0.001〜20質量%、より好ましくは0.01〜10質量%以上、さらに好ましくは0.05〜5質量%の範囲内である。熱重合促進剤の配合量がこのような範囲内であれば、組成物の硬化性、硬化物の物性、経済性の点で好ましい。
熱重合開始剤、光重合開始剤、熱重合促進剤、光増感剤、光重合促進剤などを組み合わせて配合する場合、その配合量の合計量は、組成物の合計量に対して、好ましくは0.05〜20質量、より好ましくは0.1〜15質量%、さらに好ましくは0.2〜10質量の範囲内である。重合開始剤などの組合せ配合量の合計量がこのような範囲内であれば、組成物の硬化性、硬化物の物性、経済性の点で好ましい。
本発明の樹脂組成物は、好ましくは、重合性単量体以外の溶剤を含まないことが好ましいが、必要により添加してもよい。溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族または脂環式炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、二塩化エチレンなどのハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物;ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミルなどのエステル類;ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;などを使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、前記ビニル系重合体に加えて、金属酸化物からなる微粒子を含有してもよい。金属酸化物からなる微粒子を含有する場合には、硬化後の塗膜の硬度が向上し、より傷つきにくくなるという効果を奏する。
微粒子を構成する金属酸化物は、より好ましくは、Si、Ti、Zr、Zn、Sn、In、LaおよびYよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素を含む。微粒子を構成する金属酸化物は、これらの元素を含む単独の酸化物であってもよいし、これらの元素を含む複合酸化物であってもよい。微粒子を構成する金属酸化物の具体例としては、例えば、SiO、SiO2、TiO2、ZrO2、ZnO、SnO2、In2O3、La2O3、Y2O3、SiO2−Al2O3、SiO2−Zr2O3、SiO2−Ti2O3、Al2O3−ZrO2、TiO2−ZrO2などが挙げられる。これらの金属酸化物からなる微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの金属酸化物からなる微粒子のうち、SiO2、TiO2、ZrO2、ZnO2が好適である。
金属酸化物からなる微粒子の平均粒子径は、好ましくは1〜100nm、より好ましくは1〜20nmである。微粒子の平均粒子径が100nmを超えると、硬化物の透明性が損なわれることがある。なお、微粒子の平均粒子径とは、動的光散乱式粒径分布測定装置を用いて測定することにより求められる体積平均粒子径を意味する。
金属酸化物からなる微粒子の配合量は、樹脂組成物の合計量に対して、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%である。
本発明の樹脂組成物は、さらに必要に応じて、添加物として、反応性又は非反応性樹脂(例えば、アクリル系樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂など)、着色顔料、可塑剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、難燃化剤、艶消し剤、染料、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、分散剤、スリップ剤、表面改質剤、撥水剤、撥油剤、揺変化剤、揺変助剤などを添加することができる。これらの添加物の存在は、特に本発明の効果に影響を及ぼすものではない。これらの添加物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
添加物の配合量は、添加物の種類や使用目的、組成物の用途や使用方法などに応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、配合量は、樹脂組成物の合計量に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.2〜5質量%の範囲内である。
硬化性樹脂組成物を塗布するプラスチック基材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルアミド(PEI)、ナイロン(NY)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ラクトン環構造含有重合体を含む熱可塑性樹脂組成物やラクトン環構造を有する単量体とMMAとの共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物、などの樹脂成形物およびフィルム;ポリエチレンコート紙、ポリエチレンテレフタレートコート紙などのコート紙、非コート紙などの紙類;木材;などが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ラクトン環含有重合体を含む熱可塑性樹脂組成物やラクトン環含有単量体とMMAとの共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物などが挙げられる。光記録媒体に使用するプラスッチク基材としては、透明性、低吸水性、耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性、成形性が優れていることから、ポリカーボネート(PC)が好適である。
硬化性組成物をプラスチック基材に塗布する場合、使用目的に応じて、ロールコート、グラビアコート、グラビアオフセットコート、カーテンフローコート、リバースコート、バーコート、フレキソコート、スクリーンコート、スピンコートなどの従来公知の方法で基材に塗布することができる。光記録媒体の透明カバー層を形成する場合には、生産性の観点からスピンコート法が好ましい。
本発明の方法により得られた硬化物は、光記録媒体の透明カバー層に好適であるが、その他にCDやDVD等の光学ディスク保護層や陰極管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ等のディスプレイ、家電製品等のタッチパネル、さらには自動車部品用、ショーウインドウ、窓ガラス等の保護フィルム、またOA機器、携帯電話等の通信機器、家庭用電化製品、自動車用内・外装部品、家具用外装部材、プラスチックレンズ、化粧品容器、飲料用容器などの用途分野にでも使用できる。
硬化性樹脂組成物を塗布するプラスチック基材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルアミド(PEI)、ナイロン(NY)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ラクトン環構造含有重合体を含む熱可塑性樹脂組成物やラクトン環構造を有する単量体とMMAとの共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物、などの樹脂成形物およびフィルム;ポリエチレンコート紙、ポリエチレンテレフタレートコート紙などのコート紙、非コート紙などの紙類;木材;などが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ラクトン環含有重合体を含む熱可塑性樹脂組成物やラクトン環含有単量体とMMAとの共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物などが挙げられる。光記録媒体に使用するプラスッチク基材としては、透明性、低吸水性、耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性、成形性が優れていることから、ポリカーボネート(PC)が好適である。
硬化性組成物をプラスチック基材に塗布する場合、使用目的に応じて、ロールコート、グラビアコート、グラビアオフセットコート、カーテンフローコート、リバースコート、バーコート、フレキソコート、スクリーンコート、スピンコートなどの従来公知の方法で基材に塗布することができる。光記録媒体の透明カバー層を形成する場合には、生産性の観点からスピンコート法が好ましい。
本発明の方法により得られた硬化物は、光記録媒体の透明カバー層に好適であるが、その他にCDやDVD等の光学ディスク保護層や陰極管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、有機ELディスプレイ等のディスプレイ、家電製品等のタッチパネル、さらには自動車部品用、ショーウインドウ、窓ガラス等の保護フィルム、またOA機器、携帯電話等の通信機器、家庭用電化製品、自動車用内・外装部品、家具用外装部材、プラスチックレンズ、化粧品容器、飲料用容器などの用途分野にでも使用できる。
≪硬化性樹脂組成物の製造≫
本発明の樹脂組成物は、重合性単量体、及び/又は、オリゴマー、及び/又は、ポリマー、さらには上記式(1)で示されるビニル系重合体、重合開始剤、熱重合促進剤、光増感剤、光重合促進剤、溶媒、金属酸化物微粒子、各種の添加物などとを配合し、混合・攪拌することにより得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、重合性単量体、及び/又は、オリゴマー、及び/又は、ポリマー、さらには上記式(1)で示されるビニル系重合体、重合開始剤、熱重合促進剤、光増感剤、光重合促進剤、溶媒、金属酸化物微粒子、各種の添加物などとを配合し、混合・攪拌することにより得ることができる。
≪硬化物≫
本発明の硬化物は、樹脂組成物または該組成物を含む材料を硬化させて得られる。ここで、「硬化物」とは、流動性の無い物質を意味する。
本発明の硬化物は、樹脂組成物または該組成物を含む材料を硬化させて得られる。ここで、「硬化物」とは、流動性の無い物質を意味する。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
まず、ビニル系重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)の測定について説明する。
<数平均分子量および分子量分布>
ビニル系重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で求めた。測定条件は、以下の通りであった。
移動相:THF、温度:40℃、流速:0.3mL/min;
カラム:TSK−gel SuperHM−H 2本
TSK−gel SuperH2000 1本(いずれも東ソー株式会社製);計測機器:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)。
ビニル系重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算で求めた。測定条件は、以下の通りであった。
移動相:THF、温度:40℃、流速:0.3mL/min;
カラム:TSK−gel SuperHM−H 2本
TSK−gel SuperH2000 1本(いずれも東ソー株式会社製);計測機器:HLC−8220GPC(東ソー株式会社製)。
次に、ビニル系重合体の粘度の測定について説明する。
<粘度>
粘度は、RB80型粘度計(型式「RB80L」:東機産業(株)製)を用いて測定した。なお、測定温度は25℃である。
<粘度>
粘度は、RB80型粘度計(型式「RB80L」:東機産業(株)製)を用いて測定した。なお、測定温度は25℃である。
次に、実施例で用いるビニル系重合体の製造例1〜7について説明する。
≪製造例1≫
攪拌棒、温度計、滴下ライン、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコに酢酸エチル80gを加え、50℃へ昇温した。昇温後、VEEA171gとシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)29gの混合物、酢酸エチル26gとリンタングステン酸13mgの混合溶解物をそれぞれ2時間かけて滴下し重合を行った。重合終了後はトリエチルアミンを加えて反応を終了した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、ビニル系重合体(P−(VEEA80/CHVE20))を得た。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、99.5%であることが判明した。また、得られたビニル系重合体の数平均分子量(Mn)は1,280、分子量分布(Mw/Mn=d)は1.79であった。
≪製造例2〜4≫
製造例1と同様の反応装置、溶媒、原料を用い、VEEA及びCHVEの仕込み比率を変えてビニル系重合体を作成した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)及び分子量分布は以下の通りであった。
≪製造例1≫
攪拌棒、温度計、滴下ライン、窒素/空気混合ガス導入管を取り付けた4つ口フラスコに酢酸エチル80gを加え、50℃へ昇温した。昇温後、VEEA171gとシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)29gの混合物、酢酸エチル26gとリンタングステン酸13mgの混合溶解物をそれぞれ2時間かけて滴下し重合を行った。重合終了後はトリエチルアミンを加えて反応を終了した。次いで、エバポレーターで濃縮した後、ビニル系重合体(P−(VEEA80/CHVE20))を得た。単量体の反応率は、反応停止後の混合液をガスクロマトグラフィー(GC)で分析することにより、99.5%であることが判明した。また、得られたビニル系重合体の数平均分子量(Mn)は1,280、分子量分布(Mw/Mn=d)は1.79であった。
≪製造例2〜4≫
製造例1と同様の反応装置、溶媒、原料を用い、VEEA及びCHVEの仕込み比率を変えてビニル系重合体を作成した。得られた重合体の数平均分子量(Mn)及び分子量分布は以下の通りであった。
P−(VEEA70/CHVE30) Mn=1,220 d=1.70
P−(VEEA60/CHVE40) Mn=1,160 d=1.62
P−(VEEA50/CHVE50) Mn=1,110 d=1.62
次に、硬化性樹脂組成物の硬化発熱量の算出方法、樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の耐スクラッチ性、鉛筆硬度、反り量の評価方法について説明する。
P−(VEEA60/CHVE40) Mn=1,160 d=1.62
P−(VEEA50/CHVE50) Mn=1,110 d=1.62
次に、硬化性樹脂組成物の硬化発熱量の算出方法、樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物の耐スクラッチ性、鉛筆硬度、反り量の評価方法について説明する。
<硬化発熱量>
蓋無しのアルミパンの上に樹脂を約10mg載せ、SEIKO社製DSC−6200にて測定した。
蓋無しのアルミパンの上に樹脂を約10mg載せ、SEIKO社製DSC−6200にて測定した。
測定条件:窒素雰囲気下 30℃、照射エネルギー量 5mW/cm2
(1) 初期安定化時間3分→UV照射時間5分→放置時間2分
(2) 硬化後のサンプルを再度測定
その後、(1)−(2)を計算し発熱量を算出した。
(1) 初期安定化時間3分→UV照射時間5分→放置時間2分
(2) 硬化後のサンプルを再度測定
その後、(1)−(2)を計算し発熱量を算出した。
<耐スクラッチ性>
積層体(硬化物層/ポリカーボネートシート)の表面に対して、耐摩耗試験機(型式IMC−154A型、株式会社井元製作所製)を用いて、荷重条件200g/cm2の下、スチールウール#0000番を、往復速度30mm/秒、往復距離25mmで10回往復させた後、傷つき度合いを目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:変化なし(傷が認められない);
×:傷が認められる。
積層体(硬化物層/ポリカーボネートシート)の表面に対して、耐摩耗試験機(型式IMC−154A型、株式会社井元製作所製)を用いて、荷重条件200g/cm2の下、スチールウール#0000番を、往復速度30mm/秒、往復距離25mmで10回往復させた後、傷つき度合いを目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:変化なし(傷が認められない);
×:傷が認められる。
<反り量>
12cm×12cmの積層体を、温度25℃の条件下で水平台に硬化物層を上面側に置いた後、四隅の水平台からの浮き高さの平均値を測定し、以下の基準で評価した。
○:0.5mm未満
×:1.0mm以上
次に、基材上に樹脂組成物の硬化物層を形成した積層体に関する実施例1〜8および比較例1〜2について説明する。
12cm×12cmの積層体を、温度25℃の条件下で水平台に硬化物層を上面側に置いた後、四隅の水平台からの浮き高さの平均値を測定し、以下の基準で評価した。
○:0.5mm未満
×:1.0mm以上
次に、基材上に樹脂組成物の硬化物層を形成した積層体に関する実施例1〜8および比較例1〜2について説明する。
≪実施例1≫
製造例1で得られたビニル系重合体P−(VEEA80/CHVE20)90質量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート10質量部、表面調整剤ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名「BYK306」、ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.3質量部、光重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5質量部を混合・攪拌して、硬化性樹脂組成物を調製した。
製造例1で得られたビニル系重合体P−(VEEA80/CHVE20)90質量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート10質量部、表面調整剤ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(商品名「BYK306」、ビックケミー・ジャパン株式会社製)0.3質量部、光重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)5質量部を混合・攪拌して、硬化性樹脂組成物を調製した。
寸法12cm×12cm、厚さ1mmのポリカーボネート(PC)シート上に、硬化性樹脂組成物を落とし、スピンコーターを用いて直径約12cm、平均硬化膜厚が100±2μmとなるように塗工した。このPCシートに塗布した樹脂層を光源からの距離20cmに配置した後、パルスUV照射装置(キセノン・フラッシュランプ型式RC−801;キセノン株式会社製)を用いて2ショット(9.0mJ/cm2;積算光量の4.3%)照射し、紫外線照射第1工程を行なった。第1工程終了後において硬化性樹脂組成物は流動性が無い状態であった。次にPCシートを光源からの距離20cmは変えずに4ショット(18.0mJ/cm2;積算光量の12.8%)、続いてPCシートを光源からの距離10cmに配置し4ショット(36.8mJ/cm2;積算光量の26.2%)、そして最後にもう1度、PCシートを光源からの距離5cmに配置し4ショット(79.6mJ/cm2;積算光量の56.7%)照射し紫外線照射第2工程を行い、照射を完了した。
PCシート上の硬化物の評価を行なった。結果を表1に示す。
≪実施例2〜9≫
実施例1と同様に、表1に示す硬化性樹脂組成物を用い、紫外線照射条件にて硬化物を作成し評価を行なった。
実施例1と同様に、表1に示す硬化性樹脂組成物を用い、紫外線照射条件にて硬化物を作成し評価を行なった。
≪実施例10≫
寸法12cm×12cm、厚さ1mmのポリカーボネート(PC)シート上に、実施例2で用いた硬化性樹脂組成物を落とし、スピンコーターを用いて直径約12cm、平均硬化膜厚が100±2μmとなるように塗工した。このPCシートに塗布した樹脂層を光源からの距離15cmに配置した後、パルスUV照射装置(キセノン・フラッシュランプ型式RC−801;キセノン株式会社製)を用いて2ショット(11.2mJ/cm2;積算光量の2.5%)照射し、紫外線照射第1工程を行なった。第1工程終了後において硬化性樹脂組成物は流動性が無い状態であった。次にPCシートを反転させ、光源からの距離2cmに配置してPCシート側から8ショット(288.8mJ/cm2;積算光量の65.0%)、再びPCシートを反転させ続いて光源からの距離2cmを変えずに更に樹脂層側から4ショット(144.4mJ/cm2;積算光量の32.5%)を照射し紫外線照射第2工程を行い、照射を完了した。
≪比較例1≫
実施例1で調整した硬化性樹脂組成物を寸法12cm×12cm、厚さ1mmのポリカーボネート(PC)シート上に落とし、スピンコーターを用いて直径約12cm、平均硬化膜厚が100±2μmとなるように塗工した。このPCシートに塗布した樹脂層を、光源からの距離5cmに配置した後、パルスUV照射装置(キセノン・フラッシュランプ型式RC−801;キセノン株式会社製)を用いて10ショット(199mJ/cm2;積算光量の100%)照射し、紫外線照射第1工程のみを行なった。評価結果を表1に示す。
≪比較例2〜7≫
比較例1と同様に、表1に示す硬化性樹脂組成物を用い、紫外線照射条件にて硬化物を作成し評価を行なった。
寸法12cm×12cm、厚さ1mmのポリカーボネート(PC)シート上に、実施例2で用いた硬化性樹脂組成物を落とし、スピンコーターを用いて直径約12cm、平均硬化膜厚が100±2μmとなるように塗工した。このPCシートに塗布した樹脂層を光源からの距離15cmに配置した後、パルスUV照射装置(キセノン・フラッシュランプ型式RC−801;キセノン株式会社製)を用いて2ショット(11.2mJ/cm2;積算光量の2.5%)照射し、紫外線照射第1工程を行なった。第1工程終了後において硬化性樹脂組成物は流動性が無い状態であった。次にPCシートを反転させ、光源からの距離2cmに配置してPCシート側から8ショット(288.8mJ/cm2;積算光量の65.0%)、再びPCシートを反転させ続いて光源からの距離2cmを変えずに更に樹脂層側から4ショット(144.4mJ/cm2;積算光量の32.5%)を照射し紫外線照射第2工程を行い、照射を完了した。
≪比較例1≫
実施例1で調整した硬化性樹脂組成物を寸法12cm×12cm、厚さ1mmのポリカーボネート(PC)シート上に落とし、スピンコーターを用いて直径約12cm、平均硬化膜厚が100±2μmとなるように塗工した。このPCシートに塗布した樹脂層を、光源からの距離5cmに配置した後、パルスUV照射装置(キセノン・フラッシュランプ型式RC−801;キセノン株式会社製)を用いて10ショット(199mJ/cm2;積算光量の100%)照射し、紫外線照射第1工程のみを行なった。評価結果を表1に示す。
≪比較例2〜7≫
比較例1と同様に、表1に示す硬化性樹脂組成物を用い、紫外線照射条件にて硬化物を作成し評価を行なった。
PCシート上の硬化物の評価を行なった。結果を表1に示す。
尚、表1中に記載する略号は、以下の通りである。
UV−7510B:ウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業株式会社製)
THF−A :テトラヒドロフルフリルアクリレート(共栄社化学株式会社製)
BP−4EA :ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(共栄社化学株式会社製)
TMP−6EOA:トリメチロールプロパンの6EO付加物トリアクリレート(化薬サートマー株式会社製)
Irg184 :1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
表1から明らかなように、本製造方法で得られた硬化物は紫外線照射後の反りは小さく硬化さく、耐スクラッチ性に優れている。
UV−7510B:ウレタンアクリレート樹脂(日本合成化学工業株式会社製)
THF−A :テトラヒドロフルフリルアクリレート(共栄社化学株式会社製)
BP−4EA :ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート(共栄社化学株式会社製)
TMP−6EOA:トリメチロールプロパンの6EO付加物トリアクリレート(化薬サートマー株式会社製)
Irg184 :1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)
表1から明らかなように、本製造方法で得られた硬化物は紫外線照射後の反りは小さく硬化さく、耐スクラッチ性に優れている。
これに対し、硬化性樹脂組成物をPCシート上に塗布して、本製造方法でない紫外線照射方法で硬化させて得られた硬化物は、耐スクラッチ性が優れている場合があるが、硬化物の反りが大きい。または硬化物の反りは小さいが耐スクラッチ性に劣る場合がある。
かくして、上記式(1)で示されるビニル系重合体を含む樹脂組成物は、硬化後の塗膜の硬度が高く、傷つきにくい硬化物であり、硬化収縮率が小さい硬化物を与えることがわかる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂粘度が低くて取り扱いやすく、硬化塗膜が傷つきにくく、硬化収縮率が小さい硬化物層を提供できるため、光記録媒体の透明カバー層、中間層の形成あるいは貼り合わせ用として極めて有用であるといえる。
1:基体
2:情報記録層
3:透明カバー層
4:中間層
2:情報記録層
3:透明カバー層
4:中間層
Claims (7)
- プラスチック上に塗布された硬化性樹脂組成物に紫外線を照射させて硬化物を得る方法において、少なくとも
第1工程にて紫外線照射を行い流動性の無い状態を得た後、
第2工程にて紫外線照射強度を変化させ、硬化度を高める工程を有することを特徴とする硬化物の製造方法。 - 紫外線照射の第1工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の10%以下で行い、紫外線照射の第2工程で照射させる光量が最終硬化に至るまでの紫外線照射の積算光量の90%以上で硬化させることを特徴とする請求項1記載の硬化物の製造方法。
- 硬化性樹脂組成物の硬化発熱量が190mJ/mg以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬化物の製造方法。
- 請求項1〜4いずれかに記載の製造方法により硬化させた硬化物。
- 基体と基体上に形成された情報記録層を有し、該情報記録層が透明カバー層で覆われている光記録媒体であって、該透明カバー層が、請求項1〜5いずれかに記載の製造方法により作成されることを特徴とする光記録媒体。
- 前記透明カバー層の厚みが100±2μmで形成されることを特徴とする光記録媒体。
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JP2007243140A JP2009073901A (ja) | 2007-09-19 | 2007-09-19 | 硬化物の製造方法、および硬化物、および光記録媒体 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011152525A (ja) * | 2010-01-28 | 2011-08-11 | Fujifilm Corp | 重合体膜の形成方法及び装置、並びに積層フィルムの製造方法 |
JP2013124366A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-24 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 積層体および硬化方法 |
WO2013146730A1 (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-03 | 富士フイルム株式会社 | 塗膜付きフィルムの製造方法 |
JP2016036753A (ja) * | 2014-08-06 | 2016-03-22 | 三菱自動車工業株式会社 | 紫外線硬化インクの印刷方法 |
-
2007
- 2007-09-19 JP JP2007243140A patent/JP2009073901A/ja active Pending
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