JP6221686B2 - エレクトロクロミック化合物及び表示素子 - Google Patents

エレクトロクロミック化合物及び表示素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6221686B2
JP6221686B2 JP2013244737A JP2013244737A JP6221686B2 JP 6221686 B2 JP6221686 B2 JP 6221686B2 JP 2013244737 A JP2013244737 A JP 2013244737A JP 2013244737 A JP2013244737 A JP 2013244737A JP 6221686 B2 JP6221686 B2 JP 6221686B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrochromic
display
group
general formula
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013244737A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015101691A (ja
Inventor
匂坂 俊也
俊也 匂坂
平野 成伸
成伸 平野
満美子 井上
満美子 井上
八代 徹
徹 八代
後藤 大輔
大輔 後藤
高橋 裕幸
裕幸 高橋
藤村 浩
浩 藤村
吉智 岡田
吉智 岡田
禎久 内城
禎久 内城
和明 ▲辻▼
和明 ▲辻▼
山本 諭
諭 山本
圭一郎 油谷
圭一郎 油谷
碩燦 金
碩燦 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2013244737A priority Critical patent/JP6221686B2/ja
Publication of JP2015101691A publication Critical patent/JP2015101691A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6221686B2 publication Critical patent/JP6221686B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

本発明は、発色時の色調整が容易なエレクトロクロミック化合物、および該エレクトロクロミック化合物を用いた表示素子に関するものである。
近年、紙に替わる電子媒体として、電子ペーパーの開発が盛んに行われている。
電子ペーパーは、表示装置が紙のように用いられるところに特徴があるため、CRTや液晶ディスプレイといった従来の表示装置とは異なった特性が要求される。
例えば、反射型表示装置であり、かつ、高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧でも駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること、などの特性が要求される。
このうち特に、表示の品質に関わる特性として、紙と同等な白反射率・コントラスト比、さらにカラー表示についての要求度が高い。
これまで、電子ペーパー用途の表示装置として、例えば反射型液晶を用いる方式、電気泳動を用いる方式、トナー泳動を用いる方式などが提案されている。
しかしながら、上記のいずれの方式も白反射率・コントラスト比を確保しながら多色表示を行うことは大変困難である。
一般に、多色カラー表示を行うためには、カラーフィルタを設けられる。しかし、カラーフィルタを設けると、カラーフィルタ自身が光を吸収し、反射率が低下してしまう。
さらに、カラーフィルタは、一画素をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)に3分割するため、表示装置の反射率が低下し、それに伴ってコントラスト比が低下する。
白反射率・コントラスト比が大幅に低下した場合は、視認性が非常に悪くなり、電子ペーパーとして用いることが困難である。
特許文献1,2では、電気泳動素子にカラーフィルタを形成した反射型カラー表示媒体が開示されている。しかし、低い白反射率、低いコントラスト比の電気泳動を用いた表示媒体にカラーフィルタを形成しても良好な画質が得られないことは明白である。
さらに、特許文献3,4では、複数の色にそれぞれ着色された粒子を動かすことによってカラー化をおこなう電気泳動素子が開示されているが、これらの方法を用いることによっては、原理的に、高い白反射率と高いコントラスト比を同時に満たすという、上記の課題を解決することはできない。
一方、上記のようなカラーフィルタを設けず、反射型の表示装置を実現するための有望な技術として、エレクトロクロミック現象を用いる方式がある。エレクトロクロミック現象は、電圧を印加することで、可逆的に酸化還元反応が起こり、可逆的に色が変化する現象である。
このエレクトロクロミズム現象を引き起こすエレクトロクロミック化合物の発色/消色(以下、発消色ということがある)を利用した表示装置が、エレクトロクロミック表示装置である。
このエレクトロクロミック表示装置については、反射型の表示装置であること、メモリ効果があること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパー用途の表示装置技術の有力な候補として、材料開発からデバイス設計に至るまで、幅広く研究開発が行われている。
しかし、エレクトロクロミック表示装置には、酸化還元反応を利用して発消色を行う原理ゆえに、発消色の応答速度が遅いという欠点がある。
特許文献5では、エレクトロクロミック化合物を電極近傍に固定させることによって発消色の応答速度の改善を図った例が記載されている。特許文献5の記載によれば、従来、発消色に要する時間は数10秒程度であったが、無色から青色への発色時間、青色から無色への消色時間がともに1秒程度まで向上したとされる。
しかし、これで十分というわけではなく、エレクトロクロミック表示装置の研究開発に際しては、さらなる発消色の応答速度の向上が必要である。
エレクトロクロミック表示装置は、エレクトロクロミック化合物の構造によって様々な色を発色できるため、多色カラー表示装置として期待されている。特に無色の状態と、カラー発色状態とが可逆的に変化するため、積層多色構成が実現できる。
積層構成でのカラー表示では、従来技術のように一画素をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)に3分割する必要がないため、表示装置の反射率、コントラスト比が低下しない。
このような、エレクトロクロミック表示装置を利用した多色表示装置としては、いくつか公知になっている例がある。
例えば、特許文献6では、複数種のエレクトロクロミック化合物の微粒子を積層したエレクトロクロミック化合物を用いた多色表示装置が開示されている。具体的には、発色を示す電圧の異なる複数の機能性官能基を有する高分子化合物であるエレクトロクロミック化合物を複数積層し、多色表示エレクトロクロミック化合物とした多色表示装置の例が記載されている。
また、特許文献7では、電極上に多層のエレクトロクロミック層を形成し、その発色に必要な電圧値や電流値の差を利用して多色を発色させる表示装置が開示されている。具体的には、異なる色を発色し、かつ、発色する閾値電圧及び発色に必要な必要電荷量が異なる複数のエレクトロクロミック化合物を、積層又は混合して形成した表示層を有する多色表示装置の例が記載されている。
さらに、特許文献8では、一対の透明電極の間にエレクトロクロミック層及び電解質を挟持した構造単位を、複数積層してなる多色表示装置の例が記載されている。また、特許文献9では、特許文献8に記載された構造単位を用いて、パッシブマトリクスパネル及びアクティブマトリクスパネルを構成し、RGB3色に対応する多色表示装置の例が記載されている。
しかし、特許文献5,6及び特許文献7に記載されるエレクトロクロミック表示装置に用いられるスチリル系色素は、良好なイエロー、マゼンタ、シアン発色をするが、発消色の安定性や繰り返し耐久性に問題がある。
また、特許文献8,9,10に例示されているビオロゲン系有機エレクトロクロミック化合物は、安定性や繰り返し耐久性が高い化合物であるが、青色、緑色といった色を発色するものであって、減法混色法によるフルカラー化に必要な、イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を発色するものではない。
イエロー、マゼンタ、シアンを発色するフタル酸系化合物が特許文献11に報告されている。しかしながら、フタル酸系化合物はメモリ性能に乏しいという課題がある。
このようにフルカラー電子ペーパーを実現するために満足なエレクトロクロミック化合物は、未だ存在せず、色調、耐久性、安定性に優れた材料の出現が望まれている。
従来、エレクトロクロミック表示装置で発色する色は、エレクトロクロミック化合物への電荷注入による発色であるため、所望する色を発色させるために、エレクトロクロミック化合物自体を変える必要があり、また、発色する色を微調整する際にもエレクトロクロミック分子の分子構造自体を変えなければならなかった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、発色の色調整が容易なエレクトロクロミック材料、および該エレクトロクロミック材料を用いた表示素子を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、複数のエレクトロクロミック色素が共重合した重合体により、記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題は本発明の下記(1)〜(4)により解決される。
(1)主鎖中に連結基を介して結合する複数種の発色団を有する重合体であることを特徴とするエレクトロクロミック材料。
(2)下記一般式(I)で表される構成単位からなる重合体であり、該重合体中のAが異なる複数種のユニットであることを特徴とする前記(1)項に記載のエレクトロクロミック材料;
(一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基であり、a及びbはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、Rは二価の置換基を表し、Aは単結合または共役ユニットから選択される二価の置換基を表す。)。
(3)下記一般式(II)または(III)で表される重合体であることを特徴とする前記(1)項または前記(2)項に記載のエレクトロクロミック材料;
(一般式(II)、及び一般式(III)中、Rは二価の置換基を表し、AからAはそれぞれ異なる、単結合または共役ユニットから選択される二価の置換基を表し、x、y、zはそれぞれ繰り返し単位の組成比を表す。)。
(4)表示電極と、該表示電極に対向した状態で間隔をおいて設けられた対向電極と、前記表示電極と前記対向電極との間に配置された電解質とを備え、
前記表示電極における前記対向電極との対向面に表示層を有する表示素子であって、
前記表示層は、少なくとも前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料を含むことを特徴とする表示素子。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、発色の色調整が容易なエレクトロクロミック化合物、および該エレクトロクロミック化合物を用いた表示素子を提供することができる。
本発明に係るエレクトロクロミック化合物を用いた一般的な表示素子の構成例を示す概略図である。 実施例3のエレクトロクロミック表示素子の発色時および消色時の吸収スペクトルを示すグラフである。
<エレクトロクロミック材料>
本発明のエレクトロミック材料について詳細に説明する。
本発明に係るエレクトロクロミック重合体は、主鎖中に、連結基を介して複数種の発色団を有する重合体である。
具体的には、下記一般式(I)で表される構成単位を有するものであり、Aで表わされるユニットとして異なる複数種のユニットを有する。

(一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子または一価の置換基であり、a及びbはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、Rは二価の置換基を表し、Aは単結合または共役ユニットから選択される二価の置換基を表す。)
上記一般式(I)におけるR、Rの具体例としては、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換のアリール基、置換または無置換のアリールオキシ基、置換または無置換のアルキルチオ基、置換または無置換のアリールチオ基などが挙げられる。
上記一般式(I)におけるRの具体例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、ポリオキシアルキレン基、アリーレン基、または、これらで構成される2価の基などが挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
上記一般式(I)におけるAは、単結合または共役ユニットであり、前記共役ユニットは置換基を有していてもよい。
共役ユニットとしては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールカルボニル基、アミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノカルボニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノカルボニル基、スルホン酸基、置換基を有していてもよいアルコキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシスルホニル基、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基、スルホンアミド基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいモノアリールアミノスルホニル基、置換基を有していてもよいジアリールアミノスルホニル基、アミノ基、置換基を有していてもよいモノアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいジアルキルアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよい複素環基などが挙げられる。
一般式(I)で表わされる本発明の重合体は、一つの繰り返しユニット中に二つのピリジニウム構造を有する。
ピリジニウム構造は一価のカチオンであるため、一般式(I)で表わされる本発明の重合体には、対アニオンが存在している。対アニオンは、ピリジニウム構造のカチオン部と安定に対を成すものであれば特に限定されるものではないが、アニオンの一例を挙げると、Brイオン、Clイオン、ClOイオン、PFイオン、BFイオン、CFSOイオン等が挙げられる。
上記一般式(I)に示されるエレクトロクロミック重合体は、1分子中に複数の色素骨格を有する共重合体であり、導入する発色団や該発色団の存在比を変えることにより、エレクトロクロミック反応により発色する色を容易に制御することが可能となる。
一般式(I)で表わされる重合体は、Aで表わされるユニットとして異なる複数種のユニットを有するものであり、具体的には、以下の一般式(II)または一般式(III)で表わされる重合体であることが好ましい。
(一般式(II)、一般式(III)中、Rは、二価の置換基を表し、AからAはそれぞれ異なる、単結合または共役ユニットから選択される二価の置換基を表し、X、Y、Zはそれぞれ繰り返し単位の組成比を表す。)
一般式(II)に示されるように、AとAの構造を別異とし、重合体中に複数のエレクトロクロミック色素を配置することにより、それぞれの色素を発色させることができ、加えて、各繰り返し単位の組成比を変化させることにより、色調を制御することが可能となる。
さらに、一般式(III)に示すように、さらに、A部分の種類を増加させることも可能である。
一般式(II)、一般式(III)中のRとしては、前記一般式(I)のRと同様なものを挙げることかでき、A〜Aとしては、前記一般式(I)のAと同様なものを挙げることかできるが、A〜Aはそれぞれ異なるものである。
また、本発明に係るエレクトロクロミック重合体は、分子量が大きく、かつ異なる複数種の発色団を有し、結晶性が低いために電極表面上に安定な薄膜形成が可能である。
本発明に係るエレクトロクロミック重合体の分子量としては、5000以上であることが好ましい。
<重合体の製造方法>
次に、本発明に係るエレクトロクロミック重合体の製造方法について説明する。
本発明に係るエレクトロクロミック重合体は、例えば、下記の反応式に示すように、二つのピリジン環の間にAで表わされる共役ユニットを有するビピリジン化合物と、二つのピリジン環の間にAで表わされる共役ユニットを有するビピリジン化合物とを、Rで連結させることにより製造することができ、前記Aを含むモノマーと前記Aを含むモノマーとをあわせたモル数と同量のRを含むモノマーを使用することにより合成することができる。
前記Rを含むモノマー中、Xはハロゲン、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基などの脱離基を表し、これらは反応の進行により生成したピリジニウムカチオンの対アニオンとして存在する。
前記反応は、DMF、ニトロメタン、トルエンなどの溶媒中、通常、100℃程度の温度で撹拌することにより進行する。
<表示素子>
次に、本発明に係る表示素子について説明する。
図1に、本発明のエレクトロクロミック化合物を用いた一般的な表示素子の構成例を示す。
図1(a)に示されるように、本発明の表示素子は、表示電極と、該表示電極に対して間隔をおいて対向して設けられた対向電極と、両電極(表示電極、対向電極)間に配置された電解質とを備え、該表示電極の対向電極側(対向電極との対向面側)の面に、少なくとも本発明のエレクトロクロミック化合物を含む表示層を有する。
図1(a)の表示素子において、表示層は、本発明のエレクトロクロミック化合物を用いて表示電極の対向電極側の面に形成される。
その形成方法は、浸漬、ディッピング法、スピンコート法、印刷法、インクジェット法等のどのような方法を用いても構わない。
また、図1(b)のように電解質を溶媒に溶解した溶液構成とし、さらに前記溶液中にエレクトロクロミック化合物を溶解させることも可能である。
この場合、エレクトロクロミック化合物は電極表面でのみ酸化還元反応により発消色する。即ち、エレクトロクロミック化合物を含む溶液のうち、表示電極の対向電極との対向面側の表面が表示層として機能する。
また、図1(c)のように、エレクトロクロミック表示層と対向電極の間に白色粒子等からなる、光を散乱する白色反射層を有する構成も可能である。
この場合、エレクトロクロミック反応により白地に着色した像を表示することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態に係るエレクトロクロミック表示素子に用いられる材料について説明する。
前記表示電極としては、透明導電基板を用いることが望ましい。透明導電基板としてはガラス、あるいはプラスチックフィルムに透明導電薄膜をコーティングしたものが望ましい。プラスチックフィルムを用いれば軽量でフレキシブルな表示素子を作製することができる。
透明導電薄膜材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、光の透過性を確保する必要があるため、透明且つ導電性に優れた透明導電性材料が用いられる。これにより、発色させる色の視認性をより高めることができる。
透明導電性材料としては、スズをドープした酸化インジウム(以下、ITOという。)、フッ素をドープした酸化スズ(以下、FTOという。)、アンチモンをドープした酸化スズ(以下、ATOという。)等の無機材料を用いることができるが、特に、インジウム酸化物(以下、In酸化物という。)、スズ酸化物(以下、Sn酸化物という。)又は亜鉛酸化物(以下、Zn酸化物という。)の何れか1つを含む無機材料であることが好ましい。
In酸化物、Sn酸化物及びZn酸化物は、スパッタ法により、容易に成膜が可能な材料であると共に、良好な透明性と電気伝導度が得られる材料である。また、特に好ましい材料は、InSnO、GaZnO、SnO、In、ZnOである。
対向電極としては、ITO、FTO、酸化亜鉛等の透明導電膜、あるいは亜鉛、白金等の導電性金属膜、さらにはカーボンなどが用いられる。対向電極も一般的には基板上に形成する。対向電極基板もガラス、あるいはプラスチックフィルムが望ましい。
対向電極として、亜鉛等の金属板が用いられる場合、対向電極が基板を兼ねる。
さらに、対向電極の材料が、表示層のエレクトロクロミック組成物が起こす酸化還元反応と逆の逆反応を起こす材料を含む場合、安定した発消色が可能である。
すなわち、エレクトロクロミック組成物が酸化により発色する場合は還元反応を起こし、エレクトロクロミック組成物が還元により発色する場合は酸化反応を起こす材料を対向電極として用いると、エレクトロクロミック組成物を含む表示層における発消色の反応がより安定となる。
電解質としては、一般的に、支持塩を溶媒に溶解させたものが用いられる。
支持塩として、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類の支持塩を用いることができる。
具体的には、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、CFSOLi、CFCOOLi、KCl、NaClO、NaCl、NaBF、NaSCN、KBF、Mg(ClO、Mg(BF等を用いることができる。
また、溶媒として、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ―ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、等が用いられる。
その他、支持塩を溶媒に溶解させた液体状の電解質に特に限定されるものではないため、ゲル状の電解質や、ポリマー電解質等の固体電解質も用いられる。
例えば、パーフルオロスルホン酸系高分子膜などの固体系などがある。溶液系はイオン伝導度が高いという利点があり、固体系は劣化がなく高耐久性の素子を作製することに適している。
また、本発明の表示素子を反射型表示素子として用いる場合、図1(c)に示すように、表示電極と対向電極の間に白色反射層を設けることが望ましい。
白色反射層としては、白色顔料微粒子を樹脂に分散させ対向電極上に塗布することが最も簡便な作製方法である。
白色顔料微粒子としては、一般的な金属酸化物からなる粒子が適用でき、具体的には酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化セシウム、酸化イットリウムなどが挙げられる。
また、ポリマー電解質に白色顔料粒子を混合することによって、白色反射層を兼ねることもできる。
表示素子の駆動方法としては、任意の電圧、電流を印加することができればどのような方法を用いても構わない。
パッシブ駆動方法を用いれば安価な表示素子を作製することができる。また、アクティブ駆動方法を用いれば高精細、かつ高速な表示をおこなうことができる。対向基板上にアクティブ駆動素子を設けることで容易にアクティブ駆動ができる。
以下、実施例にて本発明のエレクトロクロミック重合体及びそれを用いた表示素子について説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(エレクトロクロミック重合体(P−1)の合成)
以下のスキームに従い、エレクトロクロミック化合物(P−1)を合成した。
50mlフラスコにモノマー(m−1)0.079g(0.266mmol)、モノマー(m−2)0.100g(0.266mmol)、モノマー(m−3)0.192g(0.532mmol)を入れ、アルゴン置換した。脱水DMF 5mlを加え、100℃で8時間撹拌した。
室温に戻した後、反応溶液を2−プロパノールに滴下し、析出した固体を濾取した。得られた固体を酢酸エチルで洗浄した後、真空乾燥し、目的の共重合体(P−1)を0.371g得た。収率79%。
共重合体(P−1)赤外吸収スペクトルのデータを示す。
IR(NaCl)ν/cm-1;3391,3035,2927,2466,1633,1597,1556,1532,1513,1493,1464,1418,1227,1163,1027,841,822,751.
[実施例2]
(エレクトロクロミック表示素子の作製)
まず、30mm×30mmのガラス基板を準備し、その上面の16mm×23mmの領域に、ITO膜をスパッタ法により約100nmの厚さになるように成膜することによって、表示電極を形成した。この表示電極の電極端部間のシート抵抗を測定したところ、約200Ωであった。
次に、実施例1にて合成したエレクトロクロミック重合体(P−1)の2,2,3,3−テトラフロロプロパノール溶液をキャストし乾燥することによって、ITO膜上にエレクトロクロミック表示層を形成した。
表示基板とITO付対向基板を75μmのスペーサを介して貼り合わせ、セルを作製した。次に過塩素酸テトラブチルアンモニウムをジメチルスルホキシドに20wt%を溶解させた電解質溶液を調製し、セル内に封入することでエレクトロクロミック重合体(P−1)を用いた表示素子を作製した。
[実施例3]
(作製したエレクトロクロミック表示素子の発消色試験)
実施例2で作製したエレクトロクロミック表示素子について、発消色の比較評価を実施した。
表示素子の表示電極に負極を、対向電極に正極を繋ぎ、0Vから-2Vまでの電圧印加に伴う吸収スペクトルを測定した。結果を図2に示す。
電圧印加に伴い、N−フェニルピロールを含むピリジニウムユニットのエレクトクロミック反応に由来する、550nm付近のシャープな吸収帯、ジフェニルオキサジアゾールを含むピリジニウムユニットのエレクトクロミック反応に由来する、600から800nmと400から500nmにかけてのブロードな吸収帯が同時に出現した。
[実施例4]
(エレクトロクロミック重合体(P−2)の合成)
以下のスキームに従い、エレクトロクロミック化合物(P−2)を合成した。

50mlフラスコに、モノマー(m−2)36.2mg(96.2μmol)、モノマー(m−4)22.4mg(96.2μmol)、モノマー(m−5)47.6mg(96.2μmol)を入れ、アルゴン置換した。
脱水DMF 8ml及びトルエン2mlを加え、100℃で10分撹拌した。この溶液に、モノマー(m−6) 94.7mg (288.7μmol)を引き続き100℃で27時間撹拌した。
室温に戻した後、反応溶液を2−プロパノールに滴下し、析出した固体を濾取した。得られた固体を酢酸エチルで洗浄した後、真空乾燥し、目的の共重合体(P−2)を190mg得た。収率95%。
共重合体(P−2)赤外吸収スペクトルのデータを示す。
IR(NaCl)ν/cm-1;2925,2863,1712,1634,1598,1559,1489,1463,1409,1292,1247,1176,1010,829,750,666.
特開2003−161964号公報 特開2004−361514号公報 特表2004−520621号公報 特表2004−536344号公報 特表2001−510590号公報 特開2003−121883号公報 特開2006−106669号公報 特開2003−270671号公報 特開2004−151265号公報 特開2008−122578号公報 特開2006−71767号公報

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)、及び下記一般式(2)の少なくともいずれかで表される構成単位を含む重合体であることを特徴とするエレクトロクロミック材料。
    (ただし、前記一般式(1)及び前記一般式(2)中、
    R及びR’は、それぞれ独立に、アルキル基、及びアルコキシ基のいずれかを示し、
    x、y、及びzは、繰り返し単位の組成比を表し、前記x、前記y、及び前記zの合計は、1である)
  2. 前記アルコシキ基が、メトキシ基、及び下記構造式(1)で表される置換基のいずれかである請求項1記載のエレクトロクロミック材料。
    (ただし、前記構造式(1)中、*は、前記R又は前記R’との結合部位を表す)
  3. 前記一般式(1)で表される構造単位が、下記構造式(P−1)で表される構成単位であり、
    前記一般式(2)で表される構造単位が、下記構造式(P−2)で表される構成単位である求項1からのいずれかに記載のエレクトロクロミック材料。
  4. 表示電極と、該表示電極に対向した状態で間隔をおいて設けられた対向電極と、前記表示電極と前記対向電極との間に配置された電解質とを備え、
    前記表示電極における前記対向電極との対向面に表示層を有する表示素子であって、
    前記表示層は、少なくとも請求項1から3のいずれかに記載のエレクトロクロミック材料を含むことを特徴とする表示素子。
JP2013244737A 2013-11-27 2013-11-27 エレクトロクロミック化合物及び表示素子 Active JP6221686B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013244737A JP6221686B2 (ja) 2013-11-27 2013-11-27 エレクトロクロミック化合物及び表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013244737A JP6221686B2 (ja) 2013-11-27 2013-11-27 エレクトロクロミック化合物及び表示素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015101691A JP2015101691A (ja) 2015-06-04
JP6221686B2 true JP6221686B2 (ja) 2017-11-01

Family

ID=53377681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013244737A Active JP6221686B2 (ja) 2013-11-27 2013-11-27 エレクトロクロミック化合物及び表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6221686B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2294795A1 (en) * 1997-07-07 1999-01-21 Bayer Aktiengesellschaft Electrochrome polymer systems
JP2008096786A (ja) * 2006-10-13 2008-04-24 Dainippon Ink & Chem Inc 電気化学型表示素子用電解液及び電気化学型表示素子
JP2010134226A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Konica Minolta Holdings Inc 表示素子
WO2011055792A1 (ja) * 2009-11-06 2011-05-12 国立大学法人九州大学 エレクトロクロミック材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015101691A (ja) 2015-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200216478A1 (en) Electrochromic compound, electrochromic composition, and display element
EP2488601B1 (en) Electrochromic compound, electrochromic composition, and display element
JP5453725B2 (ja) エレクトロクロミック化合物およびそれを用いたエレクトロクロミック表示素子
JP4929995B2 (ja) エレクトロクロミック装置
JP5550094B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP2007171781A (ja) エレクトロクロミック装置
US20140009812A1 (en) Display device and color electronic paper using the same
JP6085914B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子
JP5900813B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP2009048142A (ja) エレクトロクロミック化合物、中間体化合物、及び、それらの製造方法、並びに、エレクトロクロミック化合物を用いた光学装置
JP2008179725A (ja) 色素化合物、色素化合物の製造方法、およびこれを用いたエレクトロクロミック装置
JP2012224548A (ja) エレクトロクロミック化合物
JP5949012B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子
JP6221686B2 (ja) エレクトロクロミック化合物及び表示素子
JP5617597B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子
JP5811808B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子
JP5962208B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP5939034B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP5880809B2 (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック構造物、及び表示素子
JP2007304389A (ja) エレクトロクロミック装置
JP2013250522A (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP5875036B2 (ja) エレクトロクロミック化合物
JP2016060699A (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物及び表示素子及び調光素子
JP2013250520A (ja) エレクトロクロミック化合物、エレクトロクロミック組成物、及び表示素子
JP2007279569A (ja) エレクトロクロミック装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20150624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150703

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170918

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6221686

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151