JP2006235366A - ゲル状電解質、及びそれを用いたエレクトロクロミック素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定であり、充分な電導性を有するゲル状電解質と、それを用いたエレクトロクロミック素子を得る。
【解決手段】少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有し、前記ゲル化剤が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とするゲル状電解質を作製する。
【化1】
Figure 2006235366

但し、R1、R2は、炭化水素基を表す。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゲル状電解質、及びそれを用いたエレクトロクロミック素子に関するものである。
近年、紙に替わる電子媒体として電子ペーパーの開発が盛んに行われている。
従来のディスプレイであるCRTや液晶ディスプレイに対して電子ペーパーに必要な特性としては、反射型表示素子であること、かつ、高い白反射率・高いコントラスト比を有すること、高精細な表示ができること、表示にメモリ効果があること、低電圧で駆動できること、薄くて軽いこと、安価であること等が挙げられる。
このような特性を満足するものとして、エレクトロクロミック表示素子がある。
このエレクトロクロミック表示素子は、電圧印加によって可逆的な酸化還元反応を起こし、それに伴って、発色/消色が起こる現象(エレクトロクロミズム)を利用したものである。
このエレクトロクロミック化合物の発色/消色を利用したエレクトロクロミック表示素子は、反射型の表示素子であること、メモリ効果があること、低電圧で駆動できることから、電子ペーパーの候補として材料開発からデバイス設計まで広く研究開発されている。
また、材料構造によって様々な色を発色できるため多色表示素子としても期待されている。
エレクトロクロミック素子等の、電解質を含む電気化学素子においては、その電解質の固形化が強く望まれている。
従来から、電気化学素子としての電池やエレクトロクロミック表示用素子においては、電解液を使用しているため、電解液の漏れ、溶媒の揮発による電池内の乾燥があるばかりでなく、電池容器内では、電解液の偏りにより、隔膜が部分的に乾燥状態になり、このことが内部インピーダンスの上昇あるいは内部短絡の原因になっていた。
特にエレクトロクロミック素子は、表示用途に用いる関係上、少なくとも一方向は、ガラスやプラスチック等の透明材料で封止する必要があるため、金属等で電解質を完全に密閉してしまうことは困難である。そのため、電解液の漏れや揮発がより大きな問題となる。
上述したような欠点を解決するための方法としては、高分子固体電解質を用いることが提案されている。
その具体例としてオキシエチレン鎖やオキシプロピレン鎖を含有するマトリックスポリマーと無機塩との固溶体が挙げられるが、これらは完全固体であり、加工性に優れるものの、その電導度は通常の非水電解液にくらべて3桁ほど低いという実用上の課題を有している。
また、高分子固体電解質の電導度を向上させるために、高分子に有機電解液を溶解させて半固形状のものにする方法(例えば、下記特許文献1参照。)や、電解質を加えた液状モノマーを重合反応させて電解質を含む架橋重合体とする方法(例えば、下記特許文献2参照。)が提案されている。
しかし、特許文献1に開示された技術によって得られる固体電解質は、強度が充分ではないという問題を有し、また、特許文献2に開示された技術によって得られる固体電解質は、充分な固体強度を有しているものの、電導度が低いという問題を有している。
電導度を改善する手段が従来においても開発、研究されており、例えば化学的架橋部を有する固体電解質を用いる方法も開示されているが(例えば、特許文献3参照。)、未だ伝導度の改善効果は充分には得られていない。
電導度、及び均一性に優れるとともに、電気化学素子用固体電解質としての使用に耐えられるような、充分な固体強度を有する固体電解質として、最近ゲルが注目されてきている。
ゲルは電導度が高く、均一性に優れ、電気化学素子用固体電解質として使用するに充分な固体強度を得ることができ、加工性に富むので、電気化学素子の信頼性向上に役立ち、特にエレクトロクロミック素子等の繰り返し特性に優れたものが得られるためである。
電解液を固形化するゲル化剤としては、ポリビニルアルコールやゼラチン、寒天等の合成もしくは天然物由来の高分子ゲル化剤が知られている。
また、低分子のゲル化剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジブチルアミド等のN−アシルアミノ酸誘導体や、12−ヒドロキシステアリン酸等が広く知られているが、支持塩が多量に含まれている電解液を上記ゲル化剤を用いてゲル化するためには、電解液に対して多量のゲル化剤を用いなければならず、本来の電気化学的特性をも変えてしまうという問題があった。
また、従来においては、ジベンジリデンソルビトール誘導体を用いた例についての開示もなされているが(例えば、特許文献4参照。)、やはり上述した従来技術の問題点を解決するには至っておらず、また安定性にも課題が残されていた。
特開昭54−104541号公報 特開昭63−94501号公報 特開平11−288738号公報 特許第2599763号公報
そこで本発明においては、上述したような、従来技術における問題点の解決を図るべく、室温で安定であり、かつ充分な電導性を有するゲル電解質、及びそれを用いたエレクトロクロミック素子を提供することとした。
請求項1に係る発明おいては、少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有するゲル状電解質であって、前記ゲル化剤が、下記一般式(1)で表される化合物であるものとしたゲル状電解質を提供する。
Figure 2006235366
但し、R1、R2は、炭化水素基を表す。
請求項2に係る発明においては、前記ゲル化剤である一般式(1)において、R1=R2であるものとしたゲル状電解質を提供する。
請求項3に係る発明においては、前記ゲル化剤である一般式(1)の、二つの置換基が、互いにオルト位にあるものとしたゲル状電解質を提供する。
請求項4に係る発明においては、少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有し、前記ゲル化剤が、下記一般式(1)で表される化合物であるものとしたゲル状電解質と、電気により色調を変化し得る発色団とを含有することを特徴とするエレクトロクロミック表示素子を提供する。
Figure 2006235366
但し、R1、R2は、炭化水素基を表す。
請求項5に係る発明においては、前記発色団が、透明電極上に直接的又は間接的に吸着、もしくは結合された状態にあるものとした請求項4のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項6に係る発明においては、前記発色団が、金属酸化物に吸着もしくは結合された状態で透明電極上に形成されているものとした請求項5に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項7に係る発明においては、前記金属酸化物が、平均一次粒子径100nm以下の微粒子であるものとした請求項6に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項8に係る発明においては、前記金属酸化物が、平均一次粒子径30nm以下の微粒子であるものとした請求項6に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項9に係る発明においては、前記金属酸化物が、酸化チタンを主成分とする金属酸化物であるものとした請求項6乃至8のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項10に係る発明においては、表示面側の透明電極に対する対向電極上に、白色微粒子からなる前記金属酸化物を設けた請求項4乃至9のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項11に係る発明においては、前記白色微粒子が、酸化チタン、シリカから選定されたものであることとした請求項10に記載のエレクトロクロミック素子を提供する。
請求項12に係る発明においては、少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有するゲル状電解質であって、前記ゲル化剤が、下記一般式(2)で表される化合物であるものとしたゲル状電解質を提供する。
Figure 2006235366
但し、R3、R4、及びR5は、炭化水素基を表し、nは1〜22の整数を表す。
請求項13に係る発明においては、前記ゲル化剤である一般式(2)において、R3=R4=R5であるものとした請求項12に記載のゲル状電解質を提供する。
請求項14に係る発明においては、少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有し、前記ゲル化剤が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とするゲル状電解質と、電気により色調を変化し得る発色団とを含有するエレクトロクロミック表示素子を提供する。
Figure 2006235366
但し、R3、R4、及びR5は、炭化水素基を表し、nは1〜22の整数を表す。
請求項15に係る発明においては、前記発色団が、透明電極上に直接的又は間接的に吸着、もしくは結合された状態にあるものとした請求項14に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項16に係る発明においては、前記発色団が、金属酸化物に吸着もしくは結合された状態で透明電極上に形成されているものとした請求項15に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項17に係る発明においては、前記金属酸化物が、平均一次粒子径100nm以下の微粒子であるものとした請求項16に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項18に係る発明においては、前記金属酸化物が、平均一次粒子径30nm以下の微粒子であるものとした請求項16に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項19に係る発明においては、前記金属酸化物が、酸化チタンを主成分とする金属酸化物であるものとした請求項16乃至18のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項20に係る発明においては、表示面側の透明電極に対する対向電極上に、白色微粒子からなる前記金属酸化物を設けたものとした請求項14乃至19のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項21に係る発明においては、前記白色微粒子が、酸化チタン、シリカから選定されたものであるものとした請求項20に記載のエレクトロクロミック素子を提供する。
請求項22に係る発明においては、少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有するゲル状電解質であって、前記ゲル化剤が、下記一般式(3)で表される化合物であるものとしたゲル状電解質を提供する。
Figure 2006235366
但し、R6、R7は、水素もしくは置換基を有することがある炭化水素基であり、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。a、bは1〜22の整数を表す。
請求項23に係る発明においては、R6、もしくはR7の、少なくとも一方が、置換基として、水酸基もしくはカルボキシル基を有するものとした請求項22に記載のゲル状電解質を提供する。
請求項24に係る発明においては、少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有し、前記ゲル化剤が、下記一般式(3)で表される化合物であるゲル状電解質と、電気により色調を変化し得る発色団とを含有するエレクトロクロミック表示素子を提供する。
Figure 2006235366
但し、R6、R7は、水素もしくは置換基を有することがある炭化水素基であり、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。a、bは1〜22の整数を表す。
請求項25に係る発明においては、前記発色団が、透明電極上に直接的又は間接的に吸着、もしくは結合された状態にあるものとした請求項24に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項26に係る発明においては、前記発色団が、金属酸化物に吸着もしくは結合された状態で透明電極上に形成されているものとした請求項25に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項27に係る発明においては、前記金属酸化物が、平均一次粒子径100nm以下の微粒子であるものとした請求項26に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項28に係る発明においては、前記金属酸化物が、平均一次粒子径30nm以下の微粒子であるものとした請求項26に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項29に係る発明においては、前記金属酸化物が、酸化チタンを主成分とする金属酸化物であるものとした請求項26乃至28のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項30に係る発明においては、表示面側の透明電極に対する対向電極上に、白色微粒子からなる前記金属酸化物を設けた請求項24乃至29のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子を提供する。
請求項31に係る発明においては、前記白色微粒子が、酸化チタン、シリカから選定されたものとした請求項30に記載のエレクトロクロミック素子を提供する。
本発明によれば、室温で優れた安定性を有し、かつエレクトロクロミック素子を駆動するに実用上充分な電導性を有するゲル電解質が得られた。
また、本発明によれば、上記ゲル電解質を適用したことにより、経時的安定性に優れたエレクトロクロミック素子が得られた。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明するが、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
〔第一の実施の形態〕
本発明の第一の実施の形態として、少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有するゲル状電解質であって、前記ゲル化剤が、下記一般式(1)で表される化合物であるものとしたゲル状電解質について説明する。
Figure 2006235366
但し、R1、R2は、炭化水素基を表す。
上記式(1)で表される化合物を用いることにより、本発明のゲル状電解質について、溶剤に対して非常に少量で電解質をゲル化可能となり、電解質の電気化学的特性に与える影響がわずかとなり、更には室温においてゲル状態を安定に維持することができるようになるという効果が得られた。
上記式(1)中、R1及びR2は、直鎖のみでも分岐していても良く、−O−、−S−、−CO−、−COO−基等を介していてもよい。
また、芳香族環、脂肪族環を有していても良い。
また、これらの基は水酸基、ハロゲン原子等で置換されていても良いが、アルキル鎖長8以上の直鎖状炭化水素基が好適である。
ゲル状電解質に用いる支持塩と、支持塩を溶解する溶媒の組み合わせとしては、本発明において適用するゲル化剤によりゲル化可能な組み合わせであればよく、通常電解液に用いるものであれば特に制限はない。
支持塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類等が挙げられる。
支持塩の更なる具体的な例としては、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO42、Mg(BF42等が挙げられる。
支持塩を溶解する溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、等が挙げられる。
上記ゲル化剤の、R1及びR2の構造については、これらが同一であれば、その合成が容易となり高純度で大量に合成することも可能となる。
また、R1、R2を含む2つの置換基が互いにオルト位にあるとき、そのゲル化能はさらに優れたものとなる。分子内の会合基の相互作用が強くなるためと考えられる。
また、本発明に係るゲル状電解質は、電気により色調を変化しうるの発色団と共に用いることにより、耐久性に優れたエレクトロクロミック素子が提供できる。
すなわち本発明のゲル状電解質を用いたエレクトロクロミック素子は、電解液の漏れ・溶媒の揮発等の問題が生じにくい実用上優れたエレクトロクロミック素子となる。
本発明のエレクトロクロミック素子に用いる、電気により色調を変化しうるの発色団としては、特に限定されるものではなく公知のエレクトロクロミック化合物を用いることができる。
具体的には、ビオロゲン類、フェノチアジン類、アントラキノン類、スチリルスピロピラン類、ピラゾリン類、フルオラン類、スチリルスピロピラン色素、フタロシアニン類等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物。酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物が挙げられる。
特に、ビオロゲン類が好適である。
また、本発明のエレクトロクロミック素子において、電気により色調を変化し得る発色団が、透明電極上に直接的、又は間接的に、吸着もしくは結合された状態にあるとき、本発明のエレクトロクロミック素子は電解質による光吸収・散乱の影響が少なくなり発色に優れたものとなる。特に、金属酸化物に吸着もしくは結合された状態で透明電極上に形成することが好ましい。
上記金属酸化物の平均一次粒子径が100nm以下の微粒子であれば、金属酸化物の比表面積は充分大きくなり、より多くの発色団が吸着もしくは結合可能となり、本発明のエレクトロクロミック素子は発色に優れたものとなる。
さらに、金属酸化物の平均一次粒子径が、30nm以下の微粒子であれば、金属酸化物に対する光の透過率が大幅に向上するため、本発明のエレクトロクロミック素子はさらに発色に優れたものとなる。
金属酸化物の例としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化すず、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ケイ素等の単体または、それらの複合体(合金)を挙げることができる。特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化すず、が好適であり、更には、酸化チタンが好適である。
本発明に係るエレクトロクロミック素子の構成としては、表示面側の透明電極に対する対向電極上に白色微粒子からなる反射層を設けることにより、視認性に優れたものとすることができる。
反射層に用いる白色微粒子としては、特に限定するものではないが酸化チタンが好適である。
〔第二の実施の形態〕
本発明の第二の実施の形態として、少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有するゲル状電解質であって、前記ゲル化剤が、下記一般式(2)で表される化合物であるものとしたゲル状電解質について説明する。
Figure 2006235366
但し、R3、R4、及びR5は、炭化水素基を表し、nは1〜22の整数を表す。
上記式(2)で表される化合物を用いることにより、本発明のゲル状電解質について、溶剤に対して非常に少量で電解質をゲル化可能となり、電解質の電気化学的特性に与える影響がわずかとなり、更には室温においてゲル状態を安定に維持することができるようになるという効果が得られた。
R3、R4およびR5は、直鎖のみで構成されていても、分岐していても良く、−O−、−S−、−CO−、−COO−基等を介していてもよい。
また、芳香族環、脂肪族環を有していても良い。
また、これらの基は、水酸基、ハロゲン原子等で置換されていても良いが、アルキル鎖長8以上の直鎖状炭化水素基が好適である。
ゲル状電解質に用いる支持塩と、支持塩を溶解する溶媒の組み合わせとしては、本発明において適用するゲル化剤によりゲル化可能な組み合わせであればよく、通常電解液に用いるものであれば特に制限はない。
支持塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類等が挙げられる。
支持塩の更なる具体的な例としては、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO42、Mg(BF42等が挙げられる。
支持塩を溶解する溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、等が挙げられる。
上記ゲル化剤の、R3、R4およびR5の構造については、これらが同一であれば、その合成が容易となり高純度で大量に合成することも可能となる。
また、本発明に係るゲル状電解質は、電気により色調を変化しうるの発色団と共に用いることにより、耐久性に優れたエレクトロクロミック素子が提供できる。
すなわち本発明のゲル状電解質を用いたエレクトロクロミック素子は、電解液の漏れ・溶媒の揮発等の問題が生じにくい実用上優れたエレクトロクロミック素子となる。
本発明のエレクトロクロミック素子に用いる、電気により色調を変化しうるの発色団としては、特に限定されるものではなく公知のエレクトロクロミック化合物を用いることができる。
具体的には、ビオロゲン類、フェノチアジン類、アントラキノン類、スチリルスピロピラン類、ピラゾリン類、フルオラン類、スチリルスピロピラン色素、フタロシアニン類等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物が挙げられる。
特に、ビオロゲン類が好適である。
また、本発明のエレクトロクロミック素子において、電気により色調を変化し得る発色団が、透明電極上に直接的、又は間接的に、吸着もしくは結合された状態にあるとき、本発明のエレクトロクロミック素子は電解質による光吸収・散乱の影響が少なくなり発色に優れたものとなる。特に、金属酸化物に吸着もしくは結合された状態で透明電極上に形成することが好ましい。
上記金属酸化物の平均一次粒子径が100nm以下の微粒子であれば、金属酸化物の比表面積は充分大きくなり、より多くの発色団が吸着もしくは結合可能となり、本発明のエレクトロクロミック素子は発色に優れたものとなる。
さらに、金属酸化物の平均一次粒子径が、30nm以下の微粒子であれば、金属酸化物に対する光の透過率が大幅に向上するため、本発明のエレクトロクロミック素子はさらに発色に優れたものとなる。
金属酸化物の例としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化すず、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ケイ素等の単体または、それらの複合体(合金)を挙げることができる。特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化すず、が好適であり、更には、酸化チタンが好適である。
本発明に係るエレクトロクロミック素子の構成としては、表示面側の透明電極に対する対向電極上に白色微粒子からなる反射層を設けることにより、視認性に優れたものとすることができる。
反射層に用いる白色微粒子としては、特に限定するものではないが酸化チタンが好適である。
〔第三の実施の形態〕
本発明の第三の実施の形態として、少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有するゲル状電解質であって、前記ゲル化剤が、下記一般式(3)で表される化合物であるものとしたゲル状電解質について説明する。
Figure 2006235366
但し、R6、R7は、水素もしくは置換基を有することがある炭化水素基であり、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。a、bは1〜22の整数を表す。
上記式(3)で表される化合物を用いることにより、本発明のゲル状電解質について、溶剤に対して非常に少量で電解質をゲル化可能となり、電解質の電気化学的特性に与える影響がわずかとなり、更には室温においてゲル状態を安定に維持することができるようになるという効果が得られた。
R6、R7は、直鎖のみで構成されていても、分岐していても良く、−O−、−S−、−CO−、−COO−基等を介していてもよい。
また、芳香族環、脂肪族環を有していても良い。
また、これらの基は、水酸基、ハロゲン原子等で置換されていても良い。
ゲル状電解質に用いる支持塩と、支持塩を溶解する溶媒の組み合わせとしては、本発明において適用するゲル化剤によりゲル化可能な組み合わせであればよく、通常電解液に用いるものであれば特に制限はない。
支持塩としては、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機イオン塩、4級アンモニウム塩や酸類、アルカリ類等が挙げられる。
支持塩の更なる具体的な例としては、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3COO、KCl、NaClO3、NaCl、NaBF4、NaSCN、KBF4、Mg(ClO42、Mg(BF42等が挙げられる。
支持塩を溶解する溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタン、ポリエチレングリコール、アルコール類、等が挙げられる。
上記ゲル化剤の、R6、R7の少なくとも一方が、置換基として水酸基もしくはカルボキシル基を有するとき、ゲル化能により優れたものとなる。
また、本発明に係るゲル状電解質は、電気により色調を変化しうるの発色団と共に用いることにより、耐久性に優れたエレクトロクロミック素子が提供できる。
すなわち本発明のゲル状電解質を用いたエレクトロクロミック素子は、電解液の漏れ・溶媒の揮発等の問題が生じにくい実用上優れたエレクトロクロミック素子となる。
本発明のエレクトロクロミック素子に用いる、電気により色調を変化しうるの発色団としては、特に限定されるものではなく公知のエレクトロクロミック化合物を用いることができる。
具体的には、ビオロゲン類、フェノチアジン類、アントラキノン類、スチリルスピロピラン類、ピラゾリン類、フルオラン類、スチリルスピロピラン色素、フタロシアニン類等の低分子系有機エレクトロクロミック化合物、ポリアニリン、ポリチオフェン等の導電性高分子化合物、酸化チタン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化インジウム、酸化イリジウム、酸化ニッケル、プルシアンブルー等の無機系エレクトロクロミック化合物が挙げられる。
特に、ビオロゲン類が好適である。
また、本発明のエレクトロクロミック素子において、電気により色調を変化し得る発色団が、透明電極上に直接的、又は間接的に、吸着もしくは結合された状態にあるとき、本発明のエレクトロクロミック素子は電解質による光吸収・散乱の影響が少なくなり発色に優れたものとなる。特に、金属酸化物に吸着もしくは結合された状態で透明電極上に形成することが好ましい。
上記金属酸化物の平均一次粒子径が100nm以下の微粒子であれば、金属酸化物の比表面積は充分大きくなり、より多くの発色団が吸着もしくは結合可能となり、本発明のエレクトロクロミック素子は発色に優れたものとなる。
さらに、金属酸化物の平均一次粒子径が、30nm以下の微粒子であれば、金属酸化物に対する光の透過率が大幅に向上するため、本発明のエレクトロクロミック素子はさらに発色に優れたものとなる。
金属酸化物の例としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化すず、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化鉄、酸化タングステン、酸化ケイ素等の単体または、それらの複合体(合金)を挙げることができる。特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化すず、が好適であり、更には、酸化チタンが好適である。
本発明に係るエレクトロクロミック素子の構成としては、表示面側の透明電極に対する対向電極上に白色微粒子からなる反射層を設けることにより、視認性に優れたものとすることができる。
反射層に用いる白色微粒子としては、特に限定するものではないが酸化チタンが好適である。
次に、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について説明するが、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
〔実験A〕
(実施例A1)
ゲル電解質を調整する。
炭酸プロピレン100mlに対して、LiClO4を、0.2g溶解させ、電解液を作製した。
上記電解液に対して、下記式(4)に示すゲル化剤を、1重量%加え、加温により溶解し、その後冷却して、本発明のゲル状電解質を作製した。
Figure 2006235366
(実施例A2)
炭酸プロピレンをアセトニトリルに替えた。
その他の条件は、上記実施例A1と同様としてゲル状電解質を作製した。
(実施例A3)
ゲル化剤を、下記式(5)に示す化合物に替えた。
その他の条件は、上記実施例A1と同様としてゲル状電解質を作製した。
Figure 2006235366
(実施例A4)
(1)表示電極:ガラス基板上に酸化スズ膜を形成した透明電極上に、平均粒径6nmの酸化チタン20重量%分散液を、スピンコートにより塗布し、400℃で1時間焼結させた。その基板をビス−(2−ホスホノエチル)−4,4'−ビピリジニウムジクロリド0.02M溶液に24時間浸漬し、アルコール洗浄・乾燥させ表示電極とした。
(2)対向電極:白色顔料(酸化チタン)10g、アクリル樹脂の10%メチルエチルケトン溶液10gを混合し、2mmジルコニアビーズ50gと共にボールミルを用いて1時間分散処理をし、分散液を亜鉛基板上に塗布して白色反射層付の対向電極とした。
上記(1)の透明電極と、(2)の対向電極とを100μmのスペーサーを挟んで対向させ、その空隙に、上記実施例A1の方法により作製した本発明のゲル状電解質を隙間無く埋め込んだ。次に、四方を樹脂で封止し、本発明のエレクトロクロミック素子を作製した。
上述のようにして作製したエレクトロクロミック素子は、3Vの電圧印加により発色し、また逆電圧をかけることにより消色することが確かめられた(消色時の白反射率63%、発色・消色のコントラスト12)。
室温の温度条件下で、素子を一週間放置し、観察したところ、電解液のもれ揮発等は確認されなかった。
(比較例A1)
ゲル化剤を用いなかった。その他の条件は実施例A1と同様として電解質を作製した。
(比較例A2)
ゲル化剤として、ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドを用いた。その他の条件は、実施例A1と同様として電解質を作製した。
(比較例A3)
ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸を用いた。その他の条件は、実施例A1と同様にして、電解質を作製した。
(比較例A4)
電解質として、比較例A1で作製した電解質を用いた。
その他の条件は、実施例A2と同様にしてエレクトロクロミック表示素子を作製した。
作製した素子は、3Vの電圧印加により発色しまた逆電圧をかけることにより消色した(消色時の白反射率60%、発色・消色のコントラスト11)が、室温で1週間放置後、電解質が一部揮発し、表示面に気泡が形成された。
上記実施例A1〜A3、及び比較例A1〜A3の電解質のゲル化能、及び電解質の均一性についての評価を行った。
(ゲル化能の評価方法)
直径1cmの試験管に電解質を形成し、上下反転した時の電解質のゲル化状態を、下記の基準により評価した。
○:上下反転しても電解質が流れ出すことはなく、軽くたたいてもその状態を保持。
△:ゲル化してはいるが、その状態を長時間保持できず、また軽くたたくと溶媒が流れ出た。
×:液体のままで上下反転すると、溶媒は全量流出した。
(電解質の均一性の評価方法)
直径1cmの試験管に電解質を封入し、目視により評価した。
○:全体的がゲル化し、均一な状態
×:一部ゲル化しているが相分離している、もしくは全くゲル化せず
Figure 2006235366
上記表1に示した結果から、本発明のゲル状電解質は、ゲル化能、及び均一性の評価が極めて良好で、かつ室温で優れた安定性を有していることが分った。
また、本発明に係るゲル電解質を適用したことにより、経時的安定性に優れたエレクトロクロミック素子が得られた。
〔実験B〕
(実施例B1)
ゲル電解質を調整する。
炭酸プロピレン100mlに対して、LiClO4を、0.2g溶解させ、電解液を作製した。
上記電解液に対して、下記式(6)に示すゲル化剤を、1重量%加え、加温により溶解し、その後冷却して、本発明のゲル状電解質を作製した。
Figure 2006235366
(実施例B2)
炭酸プロピレンをアセトニトリルに替えた。
その他の条件は、上記実施例B1と同様としてゲル状電解質を作製した。
(実施例B3)
ゲル化剤を、下記式(7)に示す化合物に替えた。
その他の条件は、上記実施例B1と同様としてゲル状電解質を作製した。
Figure 2006235366
(実施例B4)
(1)表示電極:ガラス基板上に酸化スズ膜を形成した透明電極上に、平均粒径6nmの酸化チタン20重量%分散液をスピンコートにより塗布し、400℃で1時間焼結させた。その基板をビス−(2−ホスホノエチル)−4,4'−ビピリジニウムジクロリド0.02M溶液に24時間浸漬し、アルコール洗浄・乾燥させ表示電極とした。
(2)対向電極:白色顔料(酸化チタン)10g、アクリル樹脂の10%メチルエチルケトン溶液10gを混合し、2mmジルコニアビーズ50gと共にボールミルを用いて1時間分散処理をし、分散液を亜鉛基板上に塗布して白色反射層付の対向電極とした。
上記(1)の透明電極と、(2)の対向電極とを100μmのスペーサーを挟んで対向させ、その空隙に、上記実施例B1の方法により作製した本発明のゲル状電解質を隙間無く埋め込んだ。次に、四方を樹脂で封止し、本発明のエレクトロクロミック素子を作製した。
上述のようにして作製したエレクトロクロミック素子は、3Vの電圧印加により発色し、また逆電圧をかけることにより消色することが確かめられた(消色時の白反射率62%、発色・消色のコントラスト12)。
室温の温度条件下で、素子を一週間放置し、観察したところ、電解液のもれ揮発等は確認されなかった。
(比較例B1)
ゲル化剤を用いなかった。その他の条件は実施例B1と同様として電解質を作製した。
(比較例B2)
ゲル化剤として、ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドを用いた。その他の条件は、実施例B1と同様として電解質を作製した。
(比較例B3)
ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸を用いた。その他の条件は、実施例B1と同様にして、電解質を作製した。
(比較例B4)
電解質として、比較例B1で作製した電解質を用いた。
その他の条件は、実施例B2と同様にしてエレクトロクロミック表示素子を作製した。
作製した素子は、3Vの電圧印加により発色しまた逆電圧をかけることにより消色した(消色時の白反射率60%、発色・消色のコントラスト11)が、室温で1週間放置後、電解質が一部揮発し、表示面に気泡が形成された。
上記実施例B1〜B3、及び比較例B1〜B3の電解質のゲル化能、及び電解質の均一性についての評価を行った。
(ゲル化能の評価方法)
直径1cmの試験管に電解質を形成し、上下反転した時の電解質のゲル化状態を、下記の基準により評価した。
○:上下反転しても電解質が流れ出すことはなく、軽くたたいてもその状態を保持。
△:ゲル化してはいるが、その状態を長時間保持できず、また軽くたたくと溶媒が流れ出た。
×:液体のままで上下反転すると、溶媒は全量流出した。
(電解質の均一性の評価方法)
直径1cmの試験管に電解質を封入し、目視により評価した。
○:全体的がゲル化し、均一な状態
×:一部ゲル化しているが相分離している、もしくは全くゲル化せず
Figure 2006235366
上記表2に示した結果から、本発明に係るゲル状電解質は、ゲル化能、及び均一性の評価が極めて良好で、かつ室温で優れた安定性を有していることが分った。
また、本発明に係るゲル電解質を適用したことにより、経時的安定性に優れたエレクトロクロミック素子が得られた。
〔実験C〕
(実施例C1)
ゲル電解質を調整する。
炭酸プロピレン100mlに対して、LiClO4を、0.2g溶解させ、電解液を作製した。
上記電解液に対して、下記式(8)に示すゲル化剤を、1重量%加え、加温により溶解し、その後冷却して、本発明のゲル状電解質を作製した。
Figure 2006235366
(実施例C2)
炭酸プロピレンをアセトニトリルに替えた。
その他の条件は、上記実施例C1と同様としてゲル状電解質を作製した。
(実施例C3)
ゲル化剤を、下記式(9)に示す化合物に替えた。
その他の条件は、上記実施例C1と同様としてゲル状電解質を作製した。
Figure 2006235366
(実施例C4)
(1)表示電極:ガラス基板上に酸化スズ膜を形成した透明電極上に、平均粒径6nmの酸化チタン20重量%分散液をスピンコートにより塗布し、400℃で1時間焼結させた。その基板をビス−(2−ホスホノエチル)−4,4'−ビピリジニウムジクロリド0.02M溶液に24時間浸漬し、アルコール洗浄・乾燥させ表示電極とした。
(2)対向電極:白色顔料(酸化チタン)10g、アクリル樹脂の10%メチルエチルケトン溶液10gを混合し、2mmジルコニアビーズ50gと共にボールミルを用いて1時間分散処理をし、分散液を亜鉛基板上に塗布して白色反射層付の対向電極とした。
上記(1)の透明電極と、(2)の対向電極とを100μmのスペーサーを挟んで対向させ、その空隙に、上記実施例C3の方法により作製した本発明のゲル状電解質を隙間無く埋め込んだ。次に、四方を樹脂で封止し、本発明のエレクトロクロミック素子を作製した。
上述のようにして作製したエレクトロクロミック素子は、3Vの電圧印加により発色し、また逆電圧をかけることにより消色することが確かめられた(消色時の白反射率61%、発色・消色のコントラスト12)。
室温の温度条件下で、素子を一週間放置し、観察したところ、電解液のもれ揮発等は確認されなかった。
(実施例C5)
ゲル状電解質を実施例C1のゲル状電解質に替えた。その他の条件は、実施例C4と同様にしてエレクトロクロミック素子を作製した。
素子は、3Vの電圧印加により発色しまた逆電圧をかけることにより消色した(消色時の白反射率60%、発色・消色のコントラスト11)。
また、作製した素子を、室温で1週間放置しても、電解液のもれ揮発等は観察されなかった。
(比較例C1)
ゲル化剤を用いなかった。その他の条件は実施例C1と同様として電解質を作製した。
(比較例C2)
ゲル化剤として、ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドを用いた。その他の条件は、実施例C1と同様として電解質を作製した。
(比較例C3)
ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸を用いた。その他の条件は、実施例C1と同様にして、電解質を作製した。
(比較例C4)
電解質として、比較例C1で作製した電解質を用いた。
その他の条件は、実施例C2と同様にしてエレクトロクロミック表示素子を作製した。
作製した素子は、3Vの電圧印加により発色しまた逆電圧をかけることにより消色した(消色時の白反射率60%、発色・消色のコントラスト11)が、室温で1週間放置後、電解質が一部揮発し、表示面に気泡が形成された。
上記実施例C1〜C3、及び比較例C1〜C3の電解質のゲル化能、及び電解質の均一性についての評価を行った。
(ゲル化能の評価方法)
直径1cmの試験管に電解質を形成し、上下反転した時の電解質のゲル化状態を、下記の基準により評価した。
○:上下反転しても電解質が流れ出すことはなく、軽くたたいてもその状態を保持。
△:ゲル化してはいるが、その状態を長時間保持できず、また軽くたたくと溶媒が流れ出た。
×:液体のままで上下反転すると、溶媒は全量流出した。
(電解質の均一性の評価方法)
直径1cmの試験管に電解質を封入し、目視により評価した。
○:全体的がゲル化し、均一な状態
×:一部ゲル化しているが相分離している、もしくは全くゲル化せず
Figure 2006235366
上記表3に示した結果から、本発明に係るゲル状電解質は、ゲル化能、及び均一性の評価が極めて良好で、かつ室温で優れた安定性を有していることが分った。
また、本発明に係るゲル電解質を適用したことにより、経時的安定性に優れたエレクトロクロミック素子が得られた。

Claims (31)

  1. 少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有するゲル状電解質であって、
    前記ゲル化剤が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とするゲル状電解質。
    Figure 2006235366

    但し、R1、R2は、炭化水素基を表す。
  2. 前記ゲル化剤である一般式(1)において、R1=R2であることを特徴とする請求項1に記載のゲル状電解質。
  3. 前記ゲル化剤である一般式(1)の、二つの置換基が、互いにオルト位にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のゲル状電解質。
  4. 少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有し、
    前記ゲル化剤が、下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とするゲル状電解質と、
    電気により色調を変化し得る発色団とを含有することを特徴とするエレクトロクロミック表示素子。
    Figure 2006235366

    但し、R1、R2は、炭化水素基を表す。
  5. 前記発色団が、透明電極上に直接的又は間接的に吸着、もしくは結合された状態にあることを特徴とする請求項4に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  6. 前記発色団が、金属酸化物に吸着もしくは結合された状態で透明電極上に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  7. 前記金属酸化物が、平均一次粒子径100nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項6に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  8. 前記金属酸化物が、平均一次粒子径30nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項6に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  9. 前記金属酸化物が、酸化チタンを主成分とする金属酸化物であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  10. 表示面側の透明電極に対する対向電極上に、白色微粒子からなる前記金属酸化物を設けたことを特徴とする請求項4乃至9のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  11. 前記白色微粒子が、酸化チタン、シリカから選定されたものであることを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミック素子。
  12. 少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有するゲル状電解質であって、
    前記ゲル化剤が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とするゲル状電解質。
    Figure 2006235366

    但し、R3、R4、及びR5は、炭化水素基を表し、nは1〜22の整数を表す。
  13. 前記ゲル化剤である一般式(2)において、R4=R5=R6であることを特徴とする請求項12に記載のゲル状電解質。
  14. 少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有し、
    前記ゲル化剤が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とするゲル状電解質と、
    電気により色調を変化し得る発色団とを含有することを特徴とするエレクトロクロミック表示素子。
    Figure 2006235366

    但し、R3、R4、及びR5は、炭化水素基を表し、nは1〜22の整数を表す。
  15. 前記発色団が、透明電極上に直接的又は間接的に吸着、もしくは結合された状態にあることを特徴とする請求項14に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  16. 前記発色団が、金属酸化物に吸着もしくは結合された状態で透明電極上に形成されていることを特徴とする請求項15に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  17. 前記金属酸化物が、平均一次粒子径100nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項16に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  18. 前記金属酸化物が、平均一次粒子径30nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項16に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  19. 前記金属酸化物が、酸化チタンを主成分とする金属酸化物であることを特徴とする請求項16乃至18のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  20. 表示面側の透明電極に対する対向電極上に、白色微粒子からなる前記金属酸化物を設けたことを特徴とする請求項14乃至19のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  21. 前記白色微粒子が、酸化チタン、シリカから選定されたものであることを特徴とする請求項20に記載のエレクトロクロミック素子。
  22. 少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有するゲル状電解質であって、
    前記ゲル化剤が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とするゲル状電解質。
    Figure 2006235366

    但し、R6、R7は、水素もしくは置換基を有することがある炭化水素基であり、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。a、bは1〜22の整数を表す。
  23. R6、もしくはR7の、少なくとも一方が、置換基として、水酸基もしくはカルボキシル基を有することを特徴とする請求項22に記載のゲル状電解質。
  24. 少なくともゲル化剤、支持塩、及び当該支持塩を溶解する溶媒を含有し、
    前記ゲル化剤が、下記一般式(3)で表される化合物であるゲル状電解質と、
    電気により色調を変化し得る発色団とを含有することを特徴とするエレクトロクロミック表示素子。
    Figure 2006235366

    但し、R6、R7は、水素もしくは置換基を有することがある炭化水素基であり、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。a、bは1〜22の整数を表す。
  25. 前記発色団が、透明電極上に直接的又は間接的に吸着、もしくは結合された状態にあることを特徴とする請求項24に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  26. 前記発色団が、金属酸化物に吸着もしくは結合された状態で透明電極上に形成されていることを特徴とする請求項25に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  27. 前記金属酸化物が、平均一次粒子径100nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項26に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  28. 前記金属酸化物が、平均一次粒子径30nm以下の微粒子であることを特徴とする請求項26に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  29. 前記金属酸化物が、酸化チタンを主成分とする金属酸化物であることを特徴とする請求項26乃至28のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  30. 表示面側の透明電極に対する対向電極上に、白色微粒子からなる前記金属酸化物を設けたことを特徴とする請求項24乃至29のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック表示素子。
  31. 前記白色微粒子が、酸化チタン、シリカから選定されたものであることを特徴とする請求項30に記載のエレクトロクロミック素子。
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