JP2006267833A - エレクトロクロミック表示素子および表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 透明導電膜付き基板からなる表示電極と導電膜付き基板からなる対向電極を互いに導電膜側を対峙して間隔をおいて配置し、導電性または半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持したエレクトロクロミック組成物を含んだ表示層を該表示電極の透明導電膜上に有し、さらに、両電極間に電解質を備えた表示素子において、前記電解質がイオン性液体および白色顔料粒子を含むことを特徴とする反射型表示素子。
【選択図】 なし
Description
電解質は一般的に過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウムなどのリチウム塩をアセトニトリル、炭酸プロピレンなどの有機溶媒に溶解させたものを用いるが、有機溶媒は揮発が起こる。特にEC素子は表示用途に用いる関係上少なくとも1方向はガラスやプラスチックなどの透明材料で封止する必要があるため、金属等で電解質を完全に密閉してしまうことは困難である。そのため、電解液の揮発による耐久性の低下がより大きな問題となる。また、これらの欠点を解決するための方法として高分子固体電解質を用いることが提案されている。その具体例としてオキシエチレン鎖やオキシプロピレン鎖を含有するマトリックスポリマーと無機塩との固溶体が挙げられるが、このものは完全固体であり、加工性に優れるものの、その電導度は通常の有機溶媒系にくらべて3桁ほど低い。
特に、本発明によれば、透明導電膜付き基板からなる表示電極と導電膜付き基板からなる対向電極を互いに導電膜側を対峙して間隔をおいて配置し、導電性または半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持したエレクトロクロミック組成物を含んだ表示層を該表示電極の透明導電膜上に有し、さらに、両電極間に電解質を備えた表示素子において、前記電解質がイオン性液体および白色顔料粒子を含むことで、高い白反射率・高いコントラスト比を表示でき、かつ、低電圧駆動、高速駆動ができ、さらに耐久性の高い反射型表示素子が提供され、また、複数種類の有機EC化合物を用いることで、表示色のバリエーションが増え、また視認性の高い黒色表示ができる反射型表示素子が提供され、また、表示層が任意のパターンに形成されていることにより、高精細な画質を表示できる反射型表示素子が提供され、さらに、駆動素子を形成することで、反射型表示素子をアクティブ駆動することができ、大面積、高精細な表示に対応することができ、また、高い白反射率・高いコントラスト比を表示でき、かつ、低電圧駆動、高速駆動ができ、さらに耐久性の高い反射型表示ディスプレイが提供されるという極めて優れた効果が発揮される。
本発明におけるイオン性液体とは、常温溶融塩、イオン液体などとも呼称され、融点が100℃以下の塩である。この塩は同数のカチオンとアニオンから構成されており、分子構造によって融点が室温以下の物質も数多く存在し、これらは溶媒をまったく加えなくても室温で液体状態である。イオン性液体は、強い静電的な相互作用をもっているため蒸気圧がほとんどないことが大きな特徴であり、高温でも蒸発がなく揮発しない。
本発明に用いるイオン性液体としては、一般的に研究・報告されている物質ならばどのようなものでも構わない。特に有機のイオン性液体は、室温を含む幅広い温度領域で液体を示す分子構造がある。
分子構造の例としては、カチオン成分としてN,N−ジメチルイミダゾール塩、N,N−メチルエチルイミダゾール塩、N,N−メチルプロピルイミダゾール塩などのイミダゾール誘導体、N,N−ジメチルピリジニウム塩、N,N−メチルプロピルピリジニウム塩などのピリジニウム誘導体など芳香族系の塩、または、トリメチルプロピルアンモニウム塩、トリメチルヘキシルアンモニウム塩、トリエチルヘキシルアンモニウム塩などのテトラアルキルアンモニウムなど脂肪族4級アンモニウム系が挙げられる。
表示層に含まれるEC組成物は、導電性または半導体性微粒子に有機EC化合物が担持された構造からなる。ここで、導電性または半導体性微粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ニオブなどを材質とした粒径50nm以下、もしくは短軸長が50nm以下の粒子が望ましい。これらの材質は導電性、半導体性の性質を有しており、電極および有機EC化合物との電荷の授受をおこなうことができる。また、粒径50nm以下の微粒子層にすることで平滑な電極面に対して非常に大きな比表面積をもつことができ、効率良く電荷が授受できる。さらに透明な膜を形成することができるため表示素子として大きな利点がある。
[実施例1]
導電性または半導体性微粒子としては、一次粒径6nmの酸化チタン微粒子(テイカ株式会社製)を用いた。また、有機EC化合物として、1-Ethyl-1’-(2-phosphonoethyl)-4,4’-bipyridinium dichloride(以下、EC1と略す)を用いた。EC1は公知であり、Solar Energy Materials and Sollar Cells,57,(1999),107-125に記載されている公知の方法で調製できる。
表示電極は以下のように作製した。酸化錫透明電極膜が全面に付いたガラス基板の一部(面積1cm2)に酸化チタン微粒子の20wt%水分散液をスピンコート法で厚さ約2μmになるように重ね塗りし、450℃で1時間焼結させた。EC1を水に溶解させ0.04M溶液を調製し、この水溶液中に表示基板を浸漬させることで酸化チタン微粒子表面にEC1を吸着させた。
[対向電極]
対向電極は、一次粒径30nmの酸化錫粒子(三菱マテリアル株式会社製)の20wt%水分散液を酸化錫透明電極膜が全面に付いたガラス基板にスピンコート法で厚さ約2μmになるように塗布し、450℃で1時間焼結させることで作製した。
表示電極と対向電極を75μmのスペーサーを介して貼り合わせ、セルを作製した。
[電解質、表示素子]
電解質として、イオン性液体であるメチルエチルイミダゾール−テトラフルオロホウ酸に過塩素酸クロライドを0.2M溶解させた溶液に一次粒径300nmの酸化チタン粒子(石原産業株式会社製CR−50)を35wt%分散させた。電解質をセル内に注入し、反射型表示素子を作製した。
この反射型表示素子は約15ヶ月間放置しても特に劣化は見られなかった。
電圧を印加しない状態で白反射率を測定したところ、約60%と高い値を示した。なお、この測定には、分光測色計を用いて拡散光を照射することでおこなった。また、表示電極を負極に、対向電極を正極に繋ぎ、3.0Vの電圧を1秒間印加したところ、表示電極の微粒子層のある部分のみが赤紫色に発色した。この色はEC1が発色したことに起因する。−1.0Vの電圧を1秒間印加すると赤紫色は消色して再び白色になった。
有機EC化合物として、EC1に加え、1-(p-Benzonitril)-1’-(2-phosphonoethyl)-4,4’-bipyridinium dichloride(以下、EC2と略す)と1-Ethyl-1’-(4-salicylethyl)-4,4’-bipyridinium dichloride(以下、EC3と略す)を用いた。
EC1、EC2、EC3を等モルずつ水に溶解させ0.04M水溶液を調製し、この水溶液中に実施例1と同様に作製した表示基板を浸漬させることで酸化チタン微粒子表面にEC1、EC2、EC3を吸着させた。
実施例1と同様な処方で反射型表示素子を作製し、実施例2と同様に電圧を印加したところ、黒色に着色した。この色はEC1、EC2、EC3が同時に発色したことに起因する。
電解質を炭酸プロピレンに過塩素酸クロライドを0.2M溶解させた溶液に替えた以外は実施例1と同様の反射型表示素子を作製した。この反射型表示素子を約3ヶ月間放置したところ、素子内に電解質の揮発が原因と考えられる気泡が見られた。
実施例1における電解質中の白色顔料微粒子の替わりに以下の処方で白色反射層を作製した。
白色半導体粒子として粒径0.3ミクロンの酸化チタン(テイカ株式会社、JR−301)を用い、樹脂としてポリエチレンを用い、揮発性溶媒としてメチルシクロヘキサノンを用いた。メチルシクロヘキサノン10mlに対して、ポリエチレンを1g溶解させ、さらに酸化チタン5gを分散させた。対向電極上に調製した分散液を塗布した。
反射層以外は実施例1と同様の反射型表示素子を作製し、約8ヶ月間放置したところ、反射層の一部に剥離による劣化が見られた。
Claims (6)
- 透明導電膜付き基板からなる表示電極と導電膜付き基板からなる対向電極を互いに導電膜側を対峙して間隔をおいて配置し、導電性または半導体性微粒子に有機エレクトロクロミック化合物を担持したエレクトロクロミック組成物を含んだ表示層を該表示電極の透明導電膜上に有し、さらに、両電極間に電解質を備えた表示素子において、前記電解質がイオン性液体および白色顔料粒子を含むことを特徴とする反射型表示素子。
- 前記有機エレクトロクロミック化合物を担持した導電性または半導体性微粒子の1次粒径が、50nm以下、または短軸長が50nm以下であり、かつ、前記白色顔料粒子の1次粒径が200nm以上、または長軸長が200nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の反射型表示素子。
- 前記エレクトロクロミック組成物が、複数種類の有機エレクトロクロミック化合物を担持したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の反射型表示素子。
- 前記表示層が任意のパターンに形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の反射型表示素子。
- 前記表示電極または対向電極に、駆動素子が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の反射型表示素子。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の反射型表示素子を用いたことを特徴とする反射型表示装置。
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2005
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