JP4666531B2 - 画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明はイオン性着色液体及び前記着色液体を用いた画像表示装置に関し、詳しくは、外部電場を利用して液体を移動させて画像を表示するシート状の画像表示装置、特に、エレクトロウェッティング現象を利用したフルカラーの電子ペーパーディスプレイに好適なイオン性着色液体を用いた画像表示装置に関する。
従来より、着色の液体の移動現象を利用して表示を行う電子ディスプレイが提案されている。例えば、外部電場を利用して液体を移動させて表示する方式として、電気浸透方式とエレクトロウェッティング方式がある。
エレクトロウェッティング方式は、細管内の液体に対する電界印加で液体の界面張力を変化させ、電気毛管現象で貫通孔に沿って液体を移動させる一方、電界除去により細管から液体を流出させる現象を利用している。この方式は、細管の内面に設けられる電極と外部電極との間のスイッチが閉じられる電圧ON時には液体に電界が印加され、液体の細管内面に対する濡れ性が変化し、液体の細管内面に対する接触角が減少し、この現象に基づいて液体は細管内を電気毛管現象で移動していく。一方、スイッチが開かれ、液体に対する電界印加が除去されると、細管内面に対する液体の濡れ性が変化して接触角度は急激に増大し、この現象に基づいて液体は細管から流出される。
この種の電気毛管カラー表示装置として提案されている特許文献1では、着色の導電性液体は、液滴の接触角の相違するものを使用することから、水、アルコール、アセトン、ホルムアミド、エチレングリコール、それらの混合物等からなるとされている。
また、同様のエレクトロウェッティング現象を利用した表示素子及び表示装置からなる特許文献2においても、前記導電性液体(電解質溶液)として、NaCl,NaSOなどのような電解質を溶かした水溶液、水、アルコール、アセトン、ホルムアルデヒド、エチレングリコールのような有極性液体又はこれらと他の適当な液体との混合物が挙げられている。特許文献3においても、顔料を基材とする着色材料の分散媒として水や有機溶媒が用いられている。
このように従来提供されている導電性着色液体は、顔料を基材とする着色材料の分散媒として水や有機溶媒が用いられている場合が多いが、分散媒が水系の場合には水自体のイオン半径が小さいことから電極表面を覆う絶縁膜を透過しやすくなり、かつ、電位窓が低いことから、絶縁破壊を起こしやすい問題がある。特に、前記水溶液に電圧を印加えて、その表面エネルギーを変化させるには高電圧を印加して、高電圧駆動しなければならず、しかも、誘電体膜厚が薄くなると前記絶縁破壊がより起こり易くなる。また、水系の分散媒は、着色液体自体が蒸気圧があることから、特に、高温領域において液体そのものの蒸気圧が影響し、体積膨張が著しくなり、破壊される恐れがある。さらにまた、分散媒に可燃性のものが含まれる場合、衝撃や劣化に伴う内圧上昇による破損で電解質溶液が漏洩・引火の恐れがあり、取り扱いが非常に難しくなる問題があると共に、長期耐久性に問題が多い。
さらに、顔料を基材とする着色材料の分散媒として水や有機溶媒を用いた場合、温度変化により分散媒自体の分子運動が著しく変化し、着色材料の凝集及び沈降が発生する問題がある。
前記水系の分散媒に代えて、アニオンとカチオンを有するイオン性着色液体を用いるものが特許文献4で提案されている。即ち、着色材料としてポリアニリン及びポリチオフェンを有する長寿命、高安定性エレクトロクロミックデバイスを製作するための電解質として常温溶融塩を用いるものが提供されている。
しかし、特許文献4においても、常温溶融塩中で着色材料を分散安定化させて、着色材料の凝集や沈降する問題に関して何ら考慮されていない。
特開平10−39799号公報 特開2000−356750号公報 特開2003−221526号公報 特表2004−527902号公報
本発明は、前記した問題に鑑みてなされたもので、エレクトロウェッティング方式の画像表示装置において、層間の通路に密封されて流れて電圧印加で移動される導電性の着色液体として、分散媒が不燃あるいは難燃性で、温度領域が低く、蒸気圧が無い或いは極めて小さく不揮発性で、温度変化による分散媒自体の分子運動が小さくいイオン性着色液体を用い、前記イオン性着色液体に配合する着色材料が凝集及び沈降が発生させないようにして、着色材料の分散の安定化を図り、耐久性を高めることが可能なイオン性着色液体を用いた画像表示装置を提供する。
本発明は、イオン性着色液体を用いた画像表示装置であって、前記イオン性着色液体は電圧印加により移動が可能であり、前記イオン性着色液体は、少なくとも顔料を基材とする着色材料と、カチオンとアニオンとを組み合わせた常温溶融塩を主成分として含み、前記着色材料の平均体積粒子径が5μm以下、かつ体積粒度分布の変動係数が50以下であり、前記イオン性着色液体への電圧の印加の有無に応じて、前記イオン性着色液体の表面エネルギーを変化させて、前記イオン性着色液体を移動又は液体の表示面側の表面面積を増減して画像表示をすることを特徴とする画像表示装置である。
前記において、「主成分」とは90質量%以上をいう。「常温」とは5〜35℃の範囲をいう。「平均体積粒子径」とは、平均体積を粒径に換算したもので、例えば、堀場製作所レーザ回折粒度測定器(LB−550)、島津製作所レーザ回折粒度測定器(SALD2100)などを用いて測定することができる。粒度分布とは、測定対象となるサンプル粒子群の中に、どのような大きさ(粒子径)の粒子が、どのような割合(全体を100%とする相対粒子量)で含まれているかを示す指標をいう。変動係数とは標準偏差と平均の比をいう。
図1は本発明の第1実施形態における上部空間に着色のイオン性着色液体が流入して着色表示状態を示す断面図である。 図2は第1実施形態における上部空間から着色のイオン性着色液体が流失して白色表示状態を示す断面図である。 図3は第2実施形態における上部空間に着色のイオン性着色液体が流入して着色表示状態を示す断面図である。 図4は第2実施形態における上部空間から着色のイオン性着色液体が流失して白色表示状態を示す断面図である。
本発明の着色液体は、分散媒として常温溶融塩からなるイオン性着色液体を用いる。常温溶融塩、即ち、室温以下の融点を有するイオン性着色液体は、不揮発性、蒸気圧が実質的にゼロであり、広い液体温度領域を備え、高い熱安定性を有し、使用温度範囲も広いことから漏洩・引火を防ぐことができる。さらに、高イオン伝導性を有すると共に低粘度であるため低電圧駆動が可能となる等の種々の好適な物性を備え、前記した問題を解消できる。
さらに、溶融塩は親水性のものが多いが、本発明では、実質的に水を含ませない非水系イオン性着色液体として、水系の分散媒とした場合に生じる絶縁破壊、蒸気圧による体積膨張で素子が破壊されることを確実に防止できる。
前記のように常温溶融塩は水を配合していない非水系溶液とすることが好ましい。しかし、不可避的に空気中の水分を吸収して内部に取り込む場合がある。また、配合された水が絶縁破壊や蒸気圧による体積膨張で破壊されることが無い程度の少量な配合量、即ち、本発明においては、前記イオン性着色液体100質量部に対して、不可避的な水分を0〜10質量部含んでも良い。
本発明では、前記のように、顔料を基材とする着色材料は、平均体積粒子径が5μm以下として、常温溶融塩中に分散させる。このように、平均体積粒子径が5μm以下の着色材料を用いることにより、長期保存による常温溶融塩中での沈降を防ぐことが可能である。平均体積粒子径はより小さく方が好ましく、3μm以下、更には1μm以下が好ましく、下限は製造できる範囲で現在では0.02μm程度である。
また、着色材料の体積粒度分布の変動係数は50以下である。前記のように、着色材料の体積粒度分布の変動係数が50以下とすることにより、広い温度範囲、特に高温領域において粒子の凝集及び沈降を防ぐことが可能となり、かつ長期耐久性が確保することが可能となる。
この変動係数も小さい方が好ましく、変動係数はばらつきを示す数字なので、小さければ小さい程、粒子の凝集及び沈降を防ぐことができるので、20以下がより好ましい。さらには、5以下にすることが好ましく、5以下にすることで、エレクトロウェッティング方式のスイッチングの繰り返し特性が良いことが判明している。変動係数は0.1を下回るような組成均一性を得るには、分散に極めて長時間を必要とするため、生産面で実用的でないという理由で0.1である。ここで、エレクトロウェッティング方式とは、イオン性着色液体への電圧印加時に前記表示側空間にイオン性着色液体を拡散させて着色表示させる方式をいう。
イオン性着色材料と常温溶融塩との配合量は、常温溶融塩を100質量部とすると、イオン性着色材料は0.05〜50質量部の範囲である。これは0.05質量部未満であると低粘度であることから機械的な分散手法では粒子径にばらつきが生じる。一方、50質量部を越えると着色材料の分散安定化が難しくなり、保存安定性に欠けることになる。より好ましくは、0.1〜20質量部である。
着色基材となる顔料の種類は、着色する色によって異なるが、一例としてカーボンブラック等が用いられる。カーボンブラック以外の着色材料としては、酸化鉄、酸化鉛、酸化銅、酸化チタンなどの無機顔料が挙げられる。
前記イオン性着色液体の常温溶融塩(電解質)は、電荷が1価のカチオンとアニオンとを1種類づつ組み合わせた1−1塩が好ましい。イオン性着色液体において、カチオンとアニオンの静電的な相互作用は電荷の積に比例するため、1価のイオンを選ぶことによってイオン間の相互作用を減らし、融点や粘度を低下させることができる。この結果、低温溶融塩により低温特性を改善できる。
前記カチオンは、下記の化学式(1)の1,3−ジアルキルイミダゾリウムカチオン、化学式(2)のN−アルキルピリジニウムカチオン、化学式(3)のテトラアルキルアンモニウムカチオン、化学式(4)のテトラアルキルフォスフォニウムカチオンから選択されることが好ましい。
Figure 0004666531
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前記化学式1〜4において、R1〜R4は各々同一であっても異なってもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。
前記アニオンは、(AlCl)nCl、(AlBr)nBr、Cl、Br、I、(HF)nF、BF 、PF 、TaF 、WF 、NO 、NO 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、(CFCFSO)N、CFCOO、CFCFCFCO、CFCFCFSO 、(CN)、CHCOOから選択されることが好ましい。
具体的には、イオン性着色液体は、下記から選択される化学種を含むことが好ましい。
EMIAlCl、EMIAlCl、EMIF・HF、EMIF・2.3HF、EMINO、EMINO、EMIBF、EMIAlF、EMIPF、EMIAsF、EMISbF、EMINbF、EMITaF、EMICHCO、EMICFCO、EMICCO、EMICHSO、EMICFSO、EMICSO、EMI(CFSON、EMI(CSON、EMI(CFSOC、EMI(CN)N、EMIVOCl、BMIAlCl、BMIBF、BMIPF、BMICFCO、BMICCO、BMICHSO、BMICFSO、BMICSO、BMI(CFSON、DMPIAlCl、DMPIAlCl、DMPIPF、DMPIAsF、DMPI(CFSON、DMPI(CSON、DMPI(CFSOC。
なお、前記EMIは1−エチルー3−メチルイミダゾリウム、BMIは1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、DMPIはジメチルー3−プロピルイミダゾリウムの略記である。
前記EMIやBMIは空気や水に安定で、イオン伝導度が高い。このためイオン性着色液体を低電圧で高速移動させることができる。特に、同一のアニオンであれば、EMIを有する化合物は室温で最大の電気伝導率を示す。
アニオンは種類によって基本物性はかなり相違するため、下記の物性値を有するイオン性着色液体となるように、アニオンとカチオンの組み合わせることが好ましい。即ち、イオン性着色液体の導電率は、25℃におけるイオン伝導度(s/cm)が0.1×10−3以上であることが好ましい。イオン伝導度(s/cm)を0.1×10−3以上としたのは、誘電体膜とイオン性着色液体との界面に電荷が溜まりやすくなり、電荷密度の向上で電荷同士が反発することで、イオン性着色液体の表面形状(表面エネルギー)を変化させやすくなり、低電圧でイオン性着色液体を駆動可能となるためである。イオン伝導度は高いほど好ましいが、現在入手可能なイオン性着色液体のイオン伝導度の上限は約3.5×10−3である。イオン性着色液体のイオン伝導度の評価は、SUS電極を用いて、東陽テニクカル社製の“インピーダンスアナラザーHP4294A”で、複素インピーダンス法により測定する。
また、イオン性着色液体の粘度は25℃で300cp以下であることが好ましい。粘度は低い程好ましいが、現在入手可能な粘度の下限は60cp程度である。粘度を25℃で300cp以下としたのは、300cp以下であれば50V程度以下の低電圧駆動が可能となるためである。
前記イオン性着色液体は、その融点は−4℃〜−90℃程度であることが好ましい。
イオン性着色液体には室温で固体となる化合物も含まれる場合もあるが、本発明では室温(約25℃)で液体であると共に、低温域に達しても高いイオン伝導度を有する液体、例えば、EMIF・2.3HF等が好適に用いられる。
画像表示装置はイオン性着色液体への電圧の印加の有無に応じて、イオン性着色液体の表面エネルギーを変化させて、イオン性着色液体を移動あるいは液体の表示面側の表面面積を増減して画像表示を行う電界誘導型のシート状で構成される。
前記画像表示装置は、表側と裏側にそれぞれ電極を設けた層の間に表示用空間を備え、前記表示空間は貫通孔で連通しており、前記表示用空間に前記イオン性着色液体が充填され、前記表示用空間の表示側の前記電極層は透明電極とし、前記表示用空間の内側には光散乱層を備え、前記着色液体への電圧印加時に前記表示側空間に着色液体を拡散させて着色表示させる構成が好ましい。
前記表示用空間には前記イオン性着色溶液とともに、前記イオン性着色溶液とは非相溶性の無極性液体を充填するのが好ましい。イオン性着色溶液と無極性液体との混合割合は、イオン性着色溶液:無極性液体=1〜99:99〜1の範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜90:90〜10の範囲であり、特に好ましくは20〜80:80〜20の範囲である。
具体的には、電極層の間に表示用空間を設け、前記表示用空間に前記着色液体を充填し、前記表示用空間の表示側の前記層は透明とし、非表示側の前記層は光散乱層とし、外部電場を利用して着色液体を移動させ、前記着色液体の移動量に応じて白色散乱シート表面の光反射率を変化させて画像を表示させる。この方式は、エレクトロウェッテング方式あるいは電気浸透方式の表示装置といわれている。特に、高速に液体を移動させることができることから、エレクトロウェッティング方式の表示装置とすることが好ましい。
詳細には、上部層と、貫通孔を有する光散乱体からなる中間層と、下部層とを備え、上部層と中間層との間に表示側上部空間、中間層と下部層との間に下部空間を設け、これら上下空間を前記貫通孔で連通した着色液体の通路を備え、前記着色したイオン性着色液体への電圧の印加の有無で表示側上部空間へ着色液体をエレクトロウェッティング方式で流入・流出させ、流入時には着色画像表示とする共に流出時には前記光散乱体の光散乱により白色表示するのが好ましい。
前記表示装置では、上部層に電極を配置すると共に、貫通孔の内面に電極を配置した2端子構造とし、前記2端子をスイッチを介して接続し、前記スイッチをオン・オフすることで前記表示側の上部空間に着色のイオン性着色液体を流入させて着色画像の表示すると共に、前記上部空間から着色のイオン性流体を流出させて白色散乱画面に切り替えてもよい。あるいは、前記2端子構造に代えて、3端子構造としてもよい。前記3端子構造では、上部空間の周面に上部電極、下部空間の周面に下部電極、前記白色散乱シートの貫通孔の内面に沿って配置される共通電極を設け、共通電極と上部電極、前記共通電極と下部電極に接続すると共に回路開閉手段がそれぞれ介設された上部側電源回路と下部側電源回路を備え、上部側電源回路の回路開閉手段と下部側電源回路の回路開閉手段とを交互に開閉させ、前記上部空間への前記イオン性着色液体の流入・流出を切り替える表示装置としてもよい。前記3端子構造とすると、上部空間へのイオン性着色液体の流入・流出を上部側電源回路と下部側電源回路との交互の開閉による行うため、上部空間へのイオン性着色液体の流入・流出速度を迅速に行うことができる。
前記上部電極、下部電極には、イオン性着色液体と接触する側に、誘電体層、撥水性を有する絶縁層を順次積層し、イオン性着色液体が接触する最表面には前記撥水層を配置したことが好ましい。
即ち、前記連続させた上部空間、白色散乱体の貫通孔、下部空間内において、イオン性着色液体の移動速度を高速として動画表示を可能とするため、上部電極、下部電極の表面に誘電体層と疎水性を有する絶縁層を配置し、あるいは、絶縁層の表面に疎水層を配置し、電圧の印加時には疎水層が親水層となるようにすることが好ましい。
前記誘電体層には、例えば、パリレン(パリレンとはパラキシレン系樹脂の総称)あるいは酸化アルミナを含有させ、その層厚を1〜0.1μm程度とすることが好ましい。
前記貫通孔及び前記空間内に、前記イオン性着色液体と、前記イオン性着色液体と混じり合わない透明あるいは異なる色に着色された側鎖高級アルコール、側鎖高級脂肪酸、アルカン炭化水素、シリコーンオイル、マッチングオイルから選択された1種又は複数種からなる無極性オイルを封入する。
前記イオン性着色液体と相溶性がない無極性オイルを用いた場合、空気とイオン性着色液体とを接触させるよりは、無極性オイル中でイオン性着色液体の液滴がより移動しやすくなり、イオン性着色液体を高速移動させることが可能となる。
本発明のシート状画像表示装置では、前記上部空間及び下部空間を各画素毎に仕切壁で仕切り、各画素毎に用いる前記イオン性着色液体は赤(R),緑(G),青(B)のいずれかの着色透明液体とし、前記上部空間に着色されたイオン性着色液体が導入されて広がることにより、フルカラーの画像表示をさせ、かつ、前記イオン性着色液体を高速移動させることで、フルカラーの動画表示を行う構成とした。
なお、R,G.B表示をする表示空間をまとめて1画素と見なす場合には、各表示空間は1つの絵素と見なす。
上述したように、本発明の着色液体は、着色材料の分散媒として、カチオンとアニオンとを組み合わせた常温溶融塩を用い、イオン性の着色液体とすることにより、不揮発性で蒸気圧がゼロであり、広い温度領域と、高い熱安定性を有し、絶縁破壊、蒸気圧による体積膨張で素子が破壊されることを確実に防止できる。さらに、高イオン伝導性を有すると共に低粘度であるため低電圧駆動させることができる等の種々の利点を有する。
また、前記分散媒に配合する着色材料は、平均体積粒子径が5μm以下として、常温溶融塩中に分散させているため、長期保存による常温溶融塩中での沈降を防ぐことができる。さらに、着色材料の体積粒度分布の変動係数が50以下としたため、広い温度範囲、特に高温領域において粒子の凝集及び沈降を防ぐことができ、長期耐久性が確保できる。
本発明の着色液体は、少なくとも顔料を基材とする着色材料と、カチオンとアニオンとを組み合わせた常温溶融塩を含有するイオン性着色液体とし、着色材料の平均体積粒子径が5μm以下で、体積粒度分布の変動係数が50以下である。
即ち、粒子からなる顔料を常温溶融塩に分散させており、常温溶融塩を100質量部とすると、顔料は0.05〜50質量部配合する。
前記イオン性着色液体は、電荷が1価のカチオンとアニオンとを1種類づつ組み合わせた1−1塩からなる常温溶融塩で、かつ、水を全く含まない非水系のイオン性着色液体とする。
カチオンは、1,3−ジアルキルイミダゾリウムカチオン、N−アルキルピリジニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、テトラアルキルフォスフォニウムカチオンから選択される。
また、アニオンは、(AlCl)nCl、(AlBr)nBr、Cl、Br、I、(HF)nF、BF 、PF 、TaF 、WF 、NO 、NO 、CFSO 、(CFSO、(CFSO、(CFCFSO)N、CFCOO、CFCFCFCO、CFCFCFSO 、(CN)、及びCHCOOから選ばれる少なくとも一つである。
前記カチオンとアニオンとは、イオン性着色液体21が下記の融点、粘度、イオン伝導度を備える組み合わせとなるように選択するのが好ましい。
(1)融点は−4〜−90℃の範囲である。この範囲であれば、常温で液体であり不揮発性であるため蒸気圧がゼロで、広い液体温度領域を有し、高い熱安定性を有する。
(2)常温(25℃)におけるイオン伝導度(s/cm)は0.1×10−3以上である。
(3)常温(25℃)における粘度は300cp以下である。
前記した物性を有するイオン性着色液体としては、前記した1−エチルー3−メチルイミダゾリウム(EMI)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム(BMI)、あるいはジメチルー3−プロピルイミダゾリウム(DMPI)からなる化学種を含むものが用いられる。
前記顔料からなる着色材料として、本発明ではカーボンブラックの粒子を用い、前記粒子は、平均体積粒子径が5μm以下で、かつ、体積粒度分布の変動係数が50以下とした。
以下、着色液体の実施例と比較例について説明する。
(実施例1(参考例)
着色材料としてカーボンブラックとして、三菱化学株式会社製、商品名:MA100を用いた。常温溶融塩として、広栄化学工業株式会社製 商品名:IL−A4を用いた。
カーボンブラックと常温溶融塩とは、常温溶融塩100質量部に対してカーボンブラックを10質量部で配合し、均質に分散されるように40℃の温度で60分間撹拌した。
動的光散乱式粒径分布測定装置(株式会社堀場製作所製 商品名:LB−550)で測定した結果、前記カーボンブラックの平均体積粒子径は1μm、体積粒度分布の変動係数は20であった。
(実施例2(参考例)
着色材料としてカーボンブラックとして、三菱化学株式会社製、商品名:MA100を用いた。常温溶融塩として、広栄化学工業株式会社製 商品名:IL−A4を用いた。
カーボンブラックと常温溶融塩とは、常温溶融塩100質量部に対してカーボンブラックを50質量部で配合し、均質に分散されるように撹拌した。
動的光散乱式粒径分布測定装置(株式会社堀場製作所製 商品名:LB−550)で測定した結果、前記カーボンブラックの平均体積粒子径は5μm、体積粒度分布の変動係数は20であった。
(実施例3(参考例)
着色材料としてカーボンブラックとして、三菱化学株式会社製、商品名:MA100を用いた。常温溶融塩として、広栄化学工業株式会社製 商品名:IL−A4を用いた。
カーボンブラックと常温溶融塩とは、常温溶融塩100質量部に対してカーボンブラックを0.05質量部で配合し、均質に分散されるように撹拌した。
動的光散乱式粒径分布測定装置(株式会社堀場製作所製 商品名:LB−550)で測定した結果、前記カーボンブラックの平均体積粒子径は1μm、体積粒度分布の変動係数は50であった。
(比較例1)
着色材料としてカーボンブラックとして、三菱化学株式会社製、商品名:MA100を用いた。常温溶融塩として、広栄化学工業株式会社製 商品名:IL−A4を用いた。
カーボンブラックと常温溶融塩とは、常温溶融塩100質量部に対してカーボンブラックを60質量部で配合し、均質に分散されるように撹拌した。
動的光散乱式粒径分布測定装置(株式会社堀場製作所製 商品名:LB−550)で測定した結果、前記カーボンブラックの平均体積粒子径は10μm、体積粒度分布の変動係数は20であった。
(比較例2)
着色材料としてカーボンブラックとして、三菱化学株式会社製、商品名:MA100を用いた。常温溶融塩として、広栄化学工業株式会社製 商品名:IL−A4を用いた。
カーボンブラックと常温溶融塩とは、常温溶融塩100質量部に対してカーボンブラックを0.04質量部で配合し、均質に分散されるように撹拌した。
動的光散乱式粒径分布測定装置(株式会社堀場製作所製 商品名:LB−550)で測定した結果、前記カーボンブラックの平均体積粒子径は1μm、体積粒度分布の変動係数は70であった。
[保存安定性試験]
実施例1〜3、比較例1、2について保存安定性の試験をおこなった。
前記保存安定性試験は、着色液体を70℃のオーブンに10日間放置し、放置前後の着色液体について、固形物の粒子径を、株式会社堀場製作所製 商品名:LB−550によって測定し、放置前後の粒子径変化を調べた。その結果を、下記の基準に従って評価した。
粒子径変化が少ないほど、粒子の凝集が少なく、保存安定性が高い。
A:初期からの平均粒子径変化が30nm以内である。
B:初期からの平均粒子径変化が30nmを超え、100nm未満である。
C:初期からの平均粒子径変化が100nmを超え、500nm未満である。
D:初期からの平均粒子径変化が500nmを超えている。
その結果、実施例1の着色液体はA、実施例2はB、実施例3はBであった。これに対して、比較例1はC、比較例2はDであった。
この結果より、着色材料の平均体積粒子径が5μm以下、体積粒度分布の変動係数が50以下とすると、粒子径変化が少なく、粒子の凝集が少なく、保存安定性が高いことが確認できた。
(実施形態1)
本発明の着色液体を用いたシート状の画像表示の実施形態を説明する。図1、図2に示す第1実施形態は、エレクトロウェッテング方式を利用したシート状の画像表示装置である。
前記画像表示装置は、光散乱シート10と、前記光散乱シート10と下部空間11をあけて配置される第1シートからなる下部電極基板12と、光散乱シート10と上部空間13をあけて配置される透明な第2シートからなる上部電極基板14を備えている。前記光散乱シート10及び上下電極基板12、14となる第1シート及び第2シートはいずれも絶縁材料から形成した。なお、上部電極基板14側が画像表示側となる。
光散乱シート10の厚さ方向(図中、垂直方向)には貫通孔15を設け、その下端15aは、直交する水平方向の下部空間11と、上端15bは水平方向の上部空間13と連通し、これら連続した下部空間11、貫通孔15、上部空間13とでH形状の液体貯留部20を形成した。前記下部空間11及び上部空間13は、図1、図2に示すように、白色の仕切壁40で仕切り、前記下部空間11、貫通孔15、上部空間13を密閉された連通流路からなる液体貯留部20とした。
前記液体貯留部20には、前記本発明の実施例1〜3のいずれかのイオン性着色液体21と、絶縁性オイル22とを密封した。前記オイル22はイオン性着色液体と非相溶性であり、透明あるいはイオン性着色液体21とは異なる色に着色された、側鎖高級アルコール、側鎖高級脂肪酸、アルカン炭化水素、シリコーンオイル、マッチングオイルから選択された1種又は複数種からなる無極性のオイルを用いた。無極性オイルの好ましい粘度は25℃において0.65cSt〜50cStの範囲である。
前記イオン性着色液体と非相溶性の無極性オイルを併用すると、無極性オイル中でイオン性着色液体の液滴がより移動しやすくなり、イオン性着色液体を高速移動させることが可能となる。
前記仕切壁40により区画された隣接の液体貯留部20には異なる色に着色されたイオン性着色液体を密封した。
前記イオン性着色液体21に電圧を印加あるいは除電して、イオン性着色液体21を移動させ、オイル22との位置を置換するため、本実施形態では、貫通孔15に沿って配置する共通電極30と、上部空間13に沿って配置する上部電極31と、下部空間11に沿って配置する下部電極32とを備えた3端子構造とした。
上部電極31と共通電極30とを上部側スイッチ35を介設した上部側電源回路36で接続する一方、下部電極32と共通電極30とを下部側スイッチ37を介設した下部側電源回路38で接続し、これら電源回路36、38は電源39と接続している。
上部側スイッチ35と下部側スイッチ37とは一方がオン時、他方はオフで交互に開閉し、上部電極31と下部電極32に交互に電場を印加した。
前記共通電極30は光散乱シート10の貫通孔15の内周面に沿って配置し、前記貫通孔15内のイオン性着色液体21、オイル22と直接接触させた。
上部電極31は、上部空間13の上下に配置する上部電極基板14となる第2シートの下面と光散乱シート10の上面に、上部空間13の全長にわたって配置した。前記上部電極31の空間面側には高誘電体膜40を積層配置し、さらに高誘電体膜40の空間面側に絶縁性を有する撥水膜41を積層配置し、撥水膜41をイオン性着色液体21及びオイル22と接触させた。
下部電極32も同様で、下部空間11の上下に配置する下部電極基板14となる第1シートの上面と、光散乱シート10の下面に、下部空間11の全長にわたって配置した。前記下部電極32の空間面側には高誘電体膜42を積層配置し、さらに高誘電体膜42の空間面側に絶縁性を有する撥水膜43を積層配置し、撥水膜43をイオン性着色液体21及びオイル22と接触させた。
前記光散乱シート10の貫通孔15の内面に設ける共通電極は、アルミニウム、銅等の金属電極を用い、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、ディップコーティング法等で形成した。
上部電極31、下部電極32にはインジウム−錫酸化物合金(ITO)膜等の透明電極を用いた。
前記上部空間11、下部空間13の最表面に配置する撥水層は、電圧の印加時に親水層となるものが好ましい。前記撥水層は樹脂で形成した。前記樹脂としてはフッ素系樹脂が好ましい。フッ素樹脂に電圧を印加すると、電荷がフッ素樹脂全体に広がり、それにつられて表面張力が低下し、親水性になる。
動画表示を可能とするためには、液体の移動速度の高速化する必要がある点から、貫通孔の電極内面に前記した回路閉時に親水性、回路開時に疎水性となる被覆を形成することが有効である。
また、前記誘電体層には、例えば、パリレンあるいは酸化アルミナを含有させ、その層厚を1〜0.1μm程度とすることが好ましい。
前記光散乱シート10は、上部空間13内からイオン性着色液体21が流出して、透明なオイル22が流入された時、表面画面を紙のような白さとするため、光散乱シートを成形する透明シート成形用の高分子樹脂の中に、屈折率の大きな酸化チタン(屈折率:2.76)、アルミナ(屈折率:1.76)の微粒子や屈折率の小さい中空ポリマー微粒子(屈折率:1.46)を含有させて、光散乱シートの表面から乱反射を発生させ、紙のような白さを現出させた。
光散乱シート10を構成する樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができ、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン(例えばデュポン社製“テフロン(登録商標))等を用いる。なお、樹脂に限らず、ガラス、セラミック等のいずれでも良い。
光散乱シート10に設ける貫通孔15の直径は0.1μm〜100μmの範囲が好ましい。このように、貫通孔15の直径を0.1μm〜100μmの貫通孔とすると、貫通孔を囲む共通電極30と上部電極31あるいは下部電極32を導通した時に貫通孔15内に発生させる電界強度をあげることが出来ると共に、貫通孔15内をエレクトロウェッティング方式で移動するイオン性着色液体の移動速度を高速化することができる。
また、光散乱シート10の厚さ(表面から裏面までの寸法)は、10μm〜300μmの範囲とすることが好ましい。より好ましくは10μm〜100μm、特に50μm前後が好ましい。このように、光散乱シート15の厚さを1mm以下の非常に薄いシートとしたことより、所謂ペーパーディスプレイとすることができる。
また、光散乱シート10の厚さを10μm〜300μmとすると、前記シートの表裏両面に開口する貫通孔15の長さも10μm〜300μmとなり、直径0.1μm〜100μm、長さ10μm〜300μmの貫通孔15に対して、イオン性着色液体をエレクトロウェッティング方式で高速に流入及び流出させることができる。
光散乱シート10に設けられる貫通孔15の形成方法としては、フォトリソグラフィ法、陽極酸化法、エッチング法、染色法、印刷法等、適宜な形成方法が採用できる。
前記上部電極基板14となる第2シート、下部電極基板12となる第1シートは、光散乱シート10と同様な透明樹脂シートから形成し、その厚さを100〜1000μmとした。
また、上部電極基板14と光散乱シート10の上面との間に形成される上部空間13、下部電極基板12と光散乱シート10の下面との間に形成される下部空間11の上下寸法(エアギャップ)は5〜1000μmとした。なお、前記エアギャップは前記シートの空間に対向して面する撥水膜間の寸法である。
前記第1実施形態の3端子を備えた3層構造からなる表示素子では、上部側スイッチ35と下部側スイッチ37を交互にオン・オフし、前記上下の電圧制御により、イオン性着色液体をエレクトロウェッティング現象で、上部空間13と下部空間11とに貫通孔15を通して交互に移動させることができた。
初期状態が図1に示す状態であり、上部側スイッチ35がオンで、下部側スイッチ37がオフの状態で、イオン性着色液体21が上部空間13に存在する。
図2は上部側スイッチ35をオフ、下部側スイッチ37をオンとして、上部空間13に位置していたイオン性着色液体21を貫通孔15の中に移動し、光散乱シート10の光散乱面が露出させ、表示面を白色化した。
詳細には、上部側スイッチ35がオンで、下部側スイッチ37がオフの時、電場が印加された上部電極31側の上部空間13では、空間表面に対するイオン性着色液体の濡れ性が変化する。即ち、電場により電極表面近傍の電気二重層に存在するイオン性着色液体のイオン(電荷)が電極表面に引き寄せられる。密度が高くなったイオン(電荷)同士が反発し、その結果、イオン性着色液体と電極固体表面での界面張力を減少させ、イオン性着色液体を相対的に大きくなった外部張力(固相と気相の間の張力)で引っ張り、上部空間13の長さ方向の両側端方向に移動させ、イオン性着色液体21を上部空間13内に広がり、光散乱シート10の貫通孔15内にあったイオン性着色液体21を上部空間13へと移動する。
上部側スイッチ35がオフとなると共に下部側スイッチ37がオンとすると、上部電極31の電場を取り去られて、イオン性着色液体21の界面張力は、前記イオン性着色液体自体が有する固有の表面張力に戻され、上部空間13内のイオン性着色液体21は光散乱シート10の貫通孔15中に戻される。其の時、同時に下部電極32に電場が印加され、貫通孔15から下部空間11に流入するイオン性着色液体21を、前記と同様な原理で下部空間11内に広げて行く。
即ち、上部電極31をオフした時、イオン性着色液体が有する固有の表面張力によりイオン性着色液体を戻す方向に移動させるだけでなく、下部電極32をオンして、上部空間13から貫通孔15を通して下部空間11内へイオン性着色液体21を吸引していき、イオン性着色液体21を高速移動させる。
このように、上部空間11へのイオン性着色液体21の流入と、上部空間11からイオン性着色液体の流出の両方を上部電極31と下部電極32の両方を電圧制御して、応答速度を速くできる双電極構造とした。
前記上部空間13、貫通孔15、下部空間11の間で、イオン性着色液体21を前記のように上部電極31と下部電極32との切り換えで電圧制御して移動させる際、イオン性着色液体21と交ざり合うことなく封入した前記オイル22はイオン性着色液体21と置換された位置に移動される。即ち、上部空間13内のイオン性着色液体21が貫通孔15を通して下部空間11へと移動する時、下部空間11内のオイル22が貫通孔15の内面に沿って上昇して上部空間13へと流入する。逆に、下部空間11内のイオン性着色液体21が上部空間13内へと移動する時は、上部空間13内のオイル22が貫通孔15の内周面に沿って移動して下部空間11へと流入する。
このように上部側、下部側スイッチ35、37を交互にオフ・オフし、上部電極31に電場が印加されている状態で、カラーのイオン性着色液体21を上部空間13に存在させ、着色表示とする。上部空間13から下部空間11に貫通孔15を通して移動し、上部空間13はカラーのイオン性着色液体21が喪失するため、白色表示となる。
前記したように、表示素子の上部空間13と下部空間11は白色の仕切部40により仕切られ、仕切部40により循環流路となる貫通孔15、上部空間13、下部空間11には特定色で着色されたイオン性着色液体21を移動させ、隣接する循環流路では異なる色で着色されたイオン性着色液体21を移動させる。
電源39から実効電圧5V・周波数1KHzの交流電圧を印加した場合、液滴の応答速度は1msecであった。ここで応答速度とは、上部にある液滴が下部に移動する時間(若しくは、下部にある液滴が上部に移動する時間)をいう。応答速度は、印加電圧の実効電圧値に依存し、周波数にはあまり依存しない。
イオン性着色液体21は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y),ブラック(K)のいずれかの液体とし、上部空間13に着されたいずれかイオン性着色液体が導入されて広がることにより、フルカラーの画像表示をさせ、前記イオン性着色液体を高速移動させることで、フルカラーの動画表示を行う構成とした。
(実施形態2)
図3と図4は第2実施形態を示す。第2実施形態は、前記第1実施形態と相違して、2端子構造として、電源回路は1本とした。
光散乱シート10の下面に下部電極基板12を導電性接着剤を介して積層した。
光散乱シート10の上面と上部電極基板12の下面の上部空間13の上下両面に上部電極70を配置した一方、貫通孔15の内周面及び下端開口に露出させて下部電極71を配置した。前記下部電極71の表面には膜厚50nmの薄いSiO膜で被覆して親水性とした。
前記上部電極70と下部電極71とはスイッチ73を介して電源と接続した。
前記構成からなる2端子構造の表示素子では、スイッチ73がオフの初期状態において光散乱孔10の貫通孔15の中及び上部空間13内の貫通孔15と対向する部分にカラーのイオン性着色液体21が貯留されている。この時、表面のSiO膜が親水性であるため貫通孔15内でイオン性着色液体21は安定している。
スイッチ73をオンすると、上部空間13の内面に発生する電場によりイオン性着色液体21は上部空間13の両端方向に引っ張られ、上部空間13内に着色されたイオン性着色液体が広がる。
スイッチ73をオフして電場を切ると、イオン性着色液体21はそれ自体が有する固有の表面張力で貫通孔15に戻る。
本発明の常温溶融塩からなるイオン性着色液体に、着色材料の平均体積粒子径が5μm以下で、体積粒度分布の変動係数が50以下の着色材料を配合した着色液体を用いたシート状画像表示装置は、エレクトロウェッチング方式のみならず、液体への電圧の印加の有無に応じて液体の表面エネルギーを変化させて、前記液体を移動あるいは液体の表示面側の表面面積を増減して画像表示を行う、電気泳動方式を含む電界誘導型のシート状の表示素子のいずれにも好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. オン性着色液体を用いた画像表示装置であって、
    前記イオン性着色液体は電圧印加により移動が可能であり、
    前記イオン性着色液体は、少なくとも顔料を基材とする着色材料と、カチオンとアニオンとを組み合わせた常温溶融塩を主成分として含み、
    前記着色材料の平均体積粒子径が5μm以下、かつ体積粒度分布の変動係数が50以下であり、
    前記イオン性着色液体への電圧の印加の有無に応じて、前記イオン性着色液体の表面エネルギーを変化させて、前記イオン性着色液体を移動又は液体の表示面側の表面面積を増減して画像表示をすることを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記画像表示装置は、表側と裏側にそれぞれ電極を設けた層の間に表示用空間を備え、前記表示空間は貫通孔で連通しており、
    前記表示用空間に前記イオン性着色液体が充填され、
    前記表示用空間の表示側の前記電極層は透明電極とし、
    前記表示用空間の内側には光散乱層を備え、
    前記着色液体への電圧印加時に前記表示側空間に着色液体を拡散させて着色表示させる請求項に記載の画像表示装置。
  3. 前記表示用空間には前記イオン性着色溶液とともに、前記イオン性着色溶液とは非相溶性の無極性液体を充填する請求項に記載の画像表示装置。
  4. 前記カチオンは、1,3−ジアルキルイミダゾリウムカチオン、N−アルキルピリジニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオン、及びテトラアルキルフォスフォニウムカチオンから選ばれる少なくとも一つのカチオンである請求項1に記載の画像表示装置
  5. 前記常温溶融塩は、EMIAlCl4、EMIAl2Cl7、EMIF・HF、EMIF・2.3HF、EMINO2、EMINO3、EMIBF4、EMIAlF4、EMIPF6、EMIAsF6、EMISbF6、EMINbF6、EMITaF6、EMICH3CO2、EMICF3CO2、EMIC37CO2、EMICH3SO3、EMICF3SO3、EMIC49SO3、EMI(CF3SO22N、EMI(C25SO22N、EMI(CF3SO23C、EMI(CN)2N、EMIVOCl4、BMIAlCl4、BMIBF4、BMIPF6、BMICF3CO2、BMIC37CO2、BMICH3SO3、BMICF3SO3、BMIC49SO3、BMI(CF3SO22N、DMPIAlCl4、DMPIAl2Cl7、DMPIPF6、DMPIAsF6、DMPI(CF3SO22N、DMPI(C25SO22N、及びDMPI(CF3SO23Cから選ばれる少なくとも一つの塩である請求項1に記載の画像表示装置。但し、前記EMIは1−エチルー3−メチルイミダゾリウム、BMIは1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、DMPIはジメチルー3−プロピルイミダゾリウムの略記である。
  6. 前記着色材料と常温溶融塩との配合量は、常温溶融塩を100質量部としたとき、着色材料は0.05〜50質量部の範囲である請求項1〜のいずれか1項に記載の画像表示装置
  7. 前記イオン性着色液体の導電率は、25℃におけるイオン伝導度(s/cm)が0.1×10-3以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の画像表示装置
  8. 前記イオン性着色液体の粘度は、25℃で300cp以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の画像表示装置
  9. 前記イオン性着色液体の融点は−4〜−90℃の範囲である請求項1〜のいずれか1項に記載の画像表示装置
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