JP2003221526A - 水性インク組成物 - Google Patents

水性インク組成物

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JP2003221526A
JP2003221526A JP2002025344A JP2002025344A JP2003221526A JP 2003221526 A JP2003221526 A JP 2003221526A JP 2002025344 A JP2002025344 A JP 2002025344A JP 2002025344 A JP2002025344 A JP 2002025344A JP 2003221526 A JP2003221526 A JP 2003221526A
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pigment
group
ink composition
water
treated
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JP2002025344A
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Masayuki Momose
雅之 百瀬
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性、耐水性、目詰まり防止、吐出安定性
等に優れた自己分散型の顔料含有水性インク組成物に対
し、光学濃度が高い記録が可能にすること。 【解決手段】 水性インク組成物の色剤として、顔料表
面に直接又は多価の基を介して結合されたカルボキシル
基、カルボニル基、スルホン基、ヒドロキシ基の少なく
とも一種の官能基にRb+ 及び/又はCs+ をカウンタ
ーカチオンとして含む改質表面処理顔料を使用するこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学濃度が高く、
印字品質の改善された水性インク組成物、特に、インク
ジェット記録方式による記録に好適な水性インク組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、低騒音であ
り且つ記録の高速化、高密度化及びカラー化が容易であ
る等の利点を有している。これらのインクジェット記録
用インクとしては安全性、信頼性、印字品質等の理由に
より、通常水溶性染料を水性媒体中に溶解させた水性イ
ンクが使用されている。しかし、水溶性染料を用いた場
合には耐光性が満足できなかったり、汗、雨等が印字部
分についた場合には染料が溶けだして印字が汚れたり、
消えたりするという課題を抱えている。一方、筆記具に
おいても同様の問題があることから、上記問題を解決す
るために、染料に代えて顔料を用いたインクの提案がな
されており、特開昭56−28256号公報には、有機
顔料に水に不溶の樹脂エマルジョンを添加するインクが
保存安定性や定着性を改良するために提案されている。
しかし、記録へッドに設けられた微細なノズルから液体
を吐出させて記録を行うインクジェット記録方式に用い
るインクは、粘度、表面張力等の物性値が適当であるこ
と、溶解成分の溶解安定性が高く微細なノズルを目詰ま
りさせないこと、輸送環境を想定した環境下での保存安
定性、記録画像の鮮明さ(高画像品位)、記録媒体への
定着速さ(速乾性)、記録画像の耐光性、耐水性等の記
録物の耐候性、さらに環境や人体に対する安全性など、
一般の万年筆やボールペンの様な文具用インクに比べる
と多くの特性でより厳密な条件が要求されるため筆記具
用のインクをそのまま使用できなかった。
【0003】そこで、インク、特にインクジェット記録
方式で使用するインクに顔料を使用する場合には、その
顔料を長期間安定に微分散させたり、印字中若しくは印
字中断後の再起動時でノズルの目詰まりを防止したり、
吐出安定性を満足させるためにインクに改良がなされて
いる。例えば、特開平5−186704号公報や特開平
8−3498号公報で述べられているように、顔料の表
面に水溶性基を導入することによって、分散剤を使用す
ることなく安定に分散させることができる自己分散型の
顔料が開発されている。
【0004】しかしながら、インクジェット記録用イン
クとして、自己分散型の顔料を用いて、分散剤を使用し
ない水性顔料インクを使用した場合にも、なお、光学濃
度の点で改善を要することがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
などに鑑みてなされたものであって、その目的とすると
ころは、耐光性、耐水性、目詰まり防止、吐出安定性等
に優れた自己分散型の顔料を用いた水性インク組成物に
おいて、光学濃度の高い記録が可能な水性インク組成
物、特に、インクジェット記録方式に適した水性インク
組成物を提供すること及び、その水性インク組成物を収
容したインクカートリッジを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、顔料の表
面にカルボキシル基、カルボニル基、スルホン基の少な
くとも一種の官能基又はその塩を使用した水性インク組
成物を使用した記録物についてその光学濃度を調査・研
究していたところ、カルボキシル基、カルボニル基、ス
ルホン基、ヒドロキシル基等の官能基にカウンターカチ
オンとしてRb + 及び/又はCs+ が結合したものをそ
の表面に有する顔料を使用した水性インク組成物が、カ
ウンターカチオンとしてLi+ ,Na+ ,K+ を結合し
た官能基をその表面に有する顔料を使用した水性インク
組成物に比して高い光学濃度をもたらすことを見いだ
し、本発明を完成したものである。
【0007】即ち、本発明に係る水性インク組成物は、
「Rb+ 及び/又はCs+ をカウンターカチオンとして
含む改質表面処理顔料を色剤として含有すること」を特
徴とする(請求項1)。
【0008】また、本発明に係る水性インク組成物は、
「インクジェット記録用であること」を特徴とする(請
求項2)。
【0009】また、本発明に係る水性インク組成物は、
「前記改質表面処理顔料は、顔料表面に直接又は多価の
基を介して結合された官能基の少なくとも一種を有する
表面処理顔料の官能基の少なくとも一種に、カウンター
カチオンとしてRb+ 及び/又はCs+ が結合するよう
に処理された顔料であること」を特徴とし(請求項
3)、また、「その官能基が、カルボキシル基、カルボ
ニル基、スルホン基、ヒドロキシ基またはその塩であ
る」ことを特徴とする(請求項4)。また、「前記多価
の基が、分岐を有していても良いC1〜C10のアルキ
レン基、フェニレン基であること」を特徴とする(請求
項5)。
【0010】また、本発明に係るインクカートリッジ
は、「前記のいずれかに記載の水性インク組成物を収容
したインク収容部を備えたこと」を特徴とする(請求項
6)。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、着色剤として顔料を用
いることにより耐光性、耐水性を改善し、顔料の中でも
自己分散型の表面処理顔料を用いることにより目詰まり
防止、吐出安定性を改善した水性インク組成物におい
て、更に光学濃度を高め印字品質の改善された記録が可
能であるように、その表面処理顔料の官能基を改質処理
した改質表面処理顔料を使用することを特徴とする。
【0012】本発明において、「水性インク組成物」と
は、モノクロ記録用としては、水性ブラックインク組成
物を意味し、カラー印刷用としては、水性カラーインク
組成物、具体的には水性イエローインク組成物、水性マ
ゼンタインク組成物、および水性シアンインク組成物、
更に場合によっては水性ブラックインク組成物を意味す
るものとする。また、本発明において、「改質表面処理
顔料」とは、顔料表面に直接又は多価の基を介して結合
された官能基(カルボキシル基、カルボニル基、スルホ
ン基、ヒドロキシ基またはその塩)を少なくとも一種有
し、分散剤なしに水に分散及び/又は溶解が可能な顔
料、即ち「表面処理顔料」の官能基の少なくとも一種
に、カウンターカチオンとしてRb+ 及び/又はCs+
が結合されている顔料を意味するものとする。ここにお
いて、多価の基としては、分岐を有していても良いC1
〜C10のアルキレン基、フェニレン基等が挙げられ
る。
【0013】本発明の水性インク組成物は、水性媒体中
に下記の各種成分を含有する。水性媒体は、水、または
水と水溶性化合物との混合物である。水溶性化合物とし
ては、一般に水性インク組成物に用いられる有機溶剤や
水溶性固体を用いることができ、 具体的には、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレング
リコール等の低分子量グリコール類;1,3−プロパン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘ
キサントリオール,ペンタエリスリトール、グリセリン
等のポリオール類;エタノール、プロパノール等の低級
アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソ
ルブ類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル等のカルビトール類;2−
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロ
ラクタム等のラクタム類、尿素、チオ尿素、エチレン尿
素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類などの尿素
類、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、
マルトース等の糖類などが例示できる。これらの水溶性
化合物は、単独で、又は複数を組合せて用いることがで
きる。上記水溶性化合物の含有量は、水性インク組成物
の全重量に対して、好ましくは1〜30重量%、より好
ましくは5〜25重量%である。30重量%を越えると
水性インク組成物の粘度を所望の範囲に調整することが
困難になり吐出安定性性が劣化する場合がある。1重量
%未満では水性化合物に所望する効果(例えば、乾燥工
程における速乾性や保湿性など)が発現しない恐れがあ
る。
【0014】本発明の水性インク組成物に含有される
「Rb+ 及び/又はCs+ をカウンターカチオンとして
含む改質表面処理顔料」は、以下のような手法で調製で
きる。第1の手法としては、自己分散型の表面処理顔料
(顔料の表面に直接又はC1〜C10のアルキレン基、
フェニレン基のような多価の基を介して結合されたカル
ボキシル基、カルボニル基、スルホン基、ヒドロキシル
基等の官能基又はその塩の少なくとも一種を有する顔
料、即ち、顔料粒子の表面処理を行うことによって顔料
の分散性を改善し、分散剤なしに水に分散及び/又は溶
解が可能なものにしたもの)を、もしくは、自己分散型
の表面処理顔料を含む水性媒体液(勿論、水性インク組
成物でもよい)を、Rb+ 及び/又はCs+ を含む水性
媒体液と混合することによりイオン交換させて得るもの
である。具体的には、RbOH及び/又はCsOHを含
むアルカリ水溶液を使用することができる。混合しイオ
ン交換した後に、通常の精製方法(例えば限外濾過等)
で余剰のカチオンを除いても良い。第2の手法として
は、自己分散型の表面処理顔料を調整する工程におい
て、Rb+ 及び/又はCs+ を導入するものである。例
えば、顔料を化学的に酸化処理することによって自己分
散型の表面処理顔料を調製する工程において、酸化剤と
してRbOCl及び/又はCsOCl等を使用する方法
が含まれる。Rb+ 及び/又はCs+ をカウンターカチ
オンとして顔料表面上の官能基に導入する量は、使用す
る顔料の種類、所望する光学濃度、インク組成物のコス
ト等を総合的に考慮して、任意に決定できる。
【0015】前記改質表面処理顔料を調製するための表
面処理顔料としては、特に限定されるものではなく、カ
ルボキシル基、カルボニル基、スルホン基、ヒドロキシ
ル基等の官能基又はその塩を少なくとも一種を有し、分
散剤なしに水に分散及び/又は溶解が可能な顔料であれ
ばいずれでも良い。例えば、特開平10−195360
号公報、特開平10−330665号公報等には、カー
ボンブラックの表面に直接又は他の原子団を介してカル
ボキシル基、カルボニル基、スルホン基、ヒドロキシル
基等の親水性基を結合させた自己分散型カーボンブラッ
クが提案されており、また、特開平8−3498号公
報、特開平10−195331号公報、特開平10−2
37349号公報などには、カーボンブラックの表面を
酸化処理して分散性を改善することが提案されており、
更に、特開平8−283598号公報、特開平10−1
10110号公報、特開平10−110111号公報な
どには、有機顔料の表面にスルホン基を導入した表面処
理顔料が提案されている。本発明において、一つの顔料
粒子に結合される官能基は単一でも複数種であってもよ
い。結合される官能基の種類及びその程度は、水性イン
ク組成物中での分散安定性、色濃度、およびインクジェ
ットヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適且決定さ
れてよい。
【0016】また、前記表面処理顔料の調製に用いられ
る顔料としては、従来から水性インク組成物、好ましく
は、インクジェット記録用水性インク組成物に使用され
ているものを用いることができる。例えば、酸化チタン
及び酸化鉄や、カーボンブラックなどの無機顔料を利用
することができる。また、アゾ顔料(例えば、アゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、又は縮合アゾ顔料など)や多環式
顔料(例えば、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料
またはチオインジゴ顔料など)、ニトロ顔料、ニトロソ
顔料、またはアニリンブラックなどの有機顔料を用いる
ことができる。
【0017】具体的には、例えば、ブラック用の無機顔
料としては、ファーネスブラック、ランプブラック、ア
セチレンブラック、若しくはチャンネルブラック等のカ
ーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、
或いは酸化鉄顔料等を挙げることができる。また、ブラ
ックインク用の有機顔料としては、アニリンブラック
(C.I.ピグメントブラック1)等の黒色有機顔料を
用いることができる。イェローインク用の顔料として
は、C.I.ピグメントイェロー1(ハイザイェロ
ー),3(ハイザイェロー10G),12,13,1
4,17,24(フラバントロンイェロー),34,3
5,37,53,55,65,73,74,81,8
3,93,94,95,97,98,99,108(ア
ントラピリミジンイェロー),109,110,11
3,117(銅錯塩顔料),120,128,133
(キノフタロン),138,139(イソインドリノ
ン),147,151,153(ニッケル錯体顔料),
154,167,172,180等を挙げることができ
る。更に、マゼンタインク用の顔料としては、C.I.
ピグメントレッド1(パラレッド),2,3(トルイジ
ンレッド),5(ITR Red),7,9,10,1
1,12,17,30,31,38(ピラゾロンレッ
ド),42,88(チオインジゴ),112(ナフトー
ルAS系),114(ナフトールAS系),122(ジ
メチルキナクリドン),123,144,149,15
0,166,168(アントアントロンオレンジ),1
70(ナフトールAS系),171,175,176,
177,178,179(ベリレンマルーン),18
5,187,202,209(ジクロロキナクリド
ン),219,224(ベリレン系),245(ナフト
ールAS系),又は、C.I.ピグメントバイオレット
9(キナクリドン),19,23(ジオキサジンバイオ
レット),32,33,36,38,43,50等を挙
げることができる。更にまた、シアンインク用の顔料と
しては、C.I.ピグメントブルー15,15:1,1
5:2,15:3,16(無金属フタロシアニン),1
8(アルカリブルートナー),25,60(スレンブル
ー),65(ビオラントロン),66(インジゴ)等を
挙げることができる。更にまた、マゼンタ、シアン、又
はイエローインク以外のカラーインクに用いる有機顔料
としては、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシア
ニングリーン),10(グリーンゴールド),36,3
7;C.I.ピグメントブラウン3,5,25,26;
あるいはC.I.ピグメントオレンジ1,2,5,7,
13,14,15,16,34,36,38等を挙げる
ことができる。
【0018】本発明の水性インク組成物には、さらなる
分散安定性、速乾性、印刷物の定着性の向上のために高
分子材料、界面活性剤等を添加することができる。高分
子材料の好ましい例としては天然高分子が挙げられ、そ
の具体例としては、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アル
ブミンなどのタンパク質類;アラビアゴム、トラガント
ゴムなどの天然ゴム類;サボニンなどのグルコシド類;
アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエス
テル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸ア
ンモニウムなどのアルギン酸誘導体;メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロー
ス誘導体などが挙げられる。さらに、高分子分散剤の好
ましい例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアル
コール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、
アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カ
リウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アク
リル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エス
テル共重合体などのアクリル系樹脂;スチレン−アクリ
ル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチ
レン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸
エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂;スチ
レン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビ
ニルナフタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニ
ル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチ
レン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合
体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−ア
クリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそ
れらの塩が挙げられる。これらの中で、特に疎水性基を
持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、
および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモ
ノマーからなる重合体が好ましい。
【0019】また、水溶性界面活性剤としては、通常の
水溶性であるイオン性、またはノニオン性界面活性剤を
添加することができる。例えばアニオン界面活性剤とし
ては、高級脂肪酸塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高
級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルスルホン酸
塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、スルホ琥珀酸エス
テル塩、ナフテン酸塩等使用することができる。カチオ
ン界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、第4アンモニ
ウム塩、スルホニウム塩、ホスフォニウム塩等、両性界
面活性剤としてはベタイン型等、ノニオン界面活性剤と
しては、ポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エステル
型、ポリエチレンオキサイド縮合型等の内1種、もしく
は2種以上使用することができる。ノニオン系界面活性
剤としては、ポリオキシ化合物の脂肪酸エステル、ポリ
エチレンオキサイド縮合物等を使用することができる。
その添加量は、その種類に応じて適宜設定することがで
きる。
【0020】また、上記の界面活性剤の他に、アセチレ
ングリコール系界面活性剤を添加することができる。ア
セチレングリコール系界面活性剤としては、下記の式1
で表される化合物が挙げられる。
【0021】
【化1】 [上記式中、0≦m+n≦50、R1,R2,R3及びR4
は、それぞれ独立してアルキル基を表す。]
【0022】具体的には、例えば、2,4,7,9−テ
トラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−
ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオールなどのアセ
チレングリコール系界面活性剤、例えば、Air Pr
oducts and Chmicals Inc.製
サーフィノール104(前記式1において、m+n=
0),82,465,485あるいはTG等を用いるこ
とができる。特に、サーフィノール104やTGを用い
ると良好な記録品質を得ることができる。
【0023】本発明において使用される改質表面処理顔
料分散液は、例えば、改質表面処理顔料と水または“水
及び水溶性有機溶媒”の混合物を混合し、分散機(例え
ば、ビ−ズミル、ボ−ルミル、サンドミル、アトライタ
−、ロ−ルミル、アジテ−タ、ヘンシェルミキサ−、コ
ロイドミル、超音波ホモジナイザ−、またはパ−ルミル
等)で分散処理して調製することができる。
【0024】本発明に係る水性インク組成物は、その他
の添加剤、例えば、pH調整剤、防腐剤及び/又は防黴
剤を、本発明の目的とする効果が得られる範囲で含有す
ることができる。pH調整剤としては、例えば、ジエタ
ノールアミンやトリエタノールアミン等の各種アミンや
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は水酸化リチウ
ム等のアルカリ金属の水酸化物等を挙げることができ
る。
【0025】また、本発明に係る水性インク組成物は、
20℃における表面張力が、20〜65mN/mである
ことが好ましく、25〜55mN/mであることがさら
に好ましい。また、本発明に係る水性インク組成物は、
インクジェット記録用のインクとして使用することが好
ましい。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例
によって限定されるものではない。
【0027】以下において、本発明の水性インク組成物
の調製の際に使用される顔料分散液と比較ために使用さ
れる顔料分散液について説明する。 <顔料分散液1>カーボンブラックとしてカラーブラッ
クS170(商品名:デグサ・ヒュルス社製)40gを
水1kgに混合して、ジルコニアビーズによるボールミ
ルにて粉砕した。この粉砕原液に次亜塩素酸ルビジウム
500gを加えて、ボールミルで粉砕しながら5時間反
応させ、さらに撹拌しながら4時間煮沸して湿式酸化を
行なった。得られた分散原液をガラス繊維濾紙GA−1
00(商品名:アドバンティク東洋(株)製)で濾過し
て、さらに水で洗浄した。得られたウエットケーキを水
5kgに再分散して、逆浸透膜により電導度2mS/c
mになるまで脱塩及び精製し、さらに顔料濃度が10重
量%になるまで濃縮して顔料分散液1を調製した。
【0028】<顔料分散液2>酸化剤として、次亜塩素
酸ルビジウムに代えて次亜塩素酸ナトリウムを用いた以
外は上記顔料分散液1の調製と同様の操作を行ない、顔
料分散液2を得た。
【0029】<顔料分散液3>顔料分散液2を100g
と0.5M水酸化セシウム10gを混合し、撹拌しなが
ら1時間煮沸した後、逆浸透膜により電導度が2mS/
cmになるまで脱塩及び精製した。この操作を続けて3
回繰り返した後、顔料濃度が10重量%になるまで濃縮
して顔料分散液3を調製した。
【0030】[実施例1]前記顔料分散液1の30gと
グリセリン5g,2−ピロリドン5g,エタノール2g
を混合して、全量が100gになるように超純水を加
え、次いでpHが7.5になるようにトリエタノールア
ミンを添加した。この混合液を室温にて2時間撹拌した
後、孔径5μmのステンレス製フィルターにて濾過し、
インク組成物を調製した。
【0031】[実施例2]前記顔料分散液1の50gと
グリセリン5g,ジエチレングリコールモノブチルエー
テル5g,サーフィノールTG(商品名:エア・プロダ
クツ社製)0.5gを混合して、全量が100gになる
ように超純水を加え、次いでpHが7.5になるように
トリエタノールアミンを添加した。この混合液を室温に
て2時間撹拌した後、孔径5μmのステンレス製フィル
ターにて濾過し、インク組成物を調製した。
【0032】[実施例3]顔料分散液1に代えて顔料分
散液3を使用した以外は、実施例1と同様にしてインク
組成物を調製した。
【0033】[実施例4]顔料分散液1に代えて顔料分
散液3を使用した以外は、実施例2と同様にしてインク
組成物を調製した。
【0034】[比較例1]顔料分散液1に代えて顔料分
散液2を使用した以外は、実施例1と同様にしてインク
組成物を調製した。
【0035】[比較例2]顔料分散液1に代えて顔料分
散液2を使用した以外は、実施例2と同様にしてインク
組成物を調製した。
【0036】<光学濃度の評価>上記実施例1〜4およ
び比較例1,2の水性インク組成物を、インクジェット
記録装置であるMJ−930Cに充填し、普通紙および
再生紙に3cm四方のベタを印刷した。なお、この評価
に用いた普通紙および再生紙は、中性普通紙としてゼロ
ックス−P、ゼロックス−4024(いずれも商品名:
富士ゼロックス株式会社製)、酸性普通紙としてEPP
(商品名:セイコーエプソン株式会社製)、再生紙とし
てゼロックス−R(商品名:富士ゼロックス株式会社
製)、やまゆり(商品名:本州製紙株式会社製)の5種
類である。各試験紙上に印刷されたベタ部分の光学濃度
をマクベス濃度計で測定し、各インク組成物について光
学濃度の加算平均を算出した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1から明らかなように、同一組成(実施
例1、実施例3及び比較例1/実施例2、実施例4及び
比較例2)で比較した場合、本発明の実施例1〜4の水
性インク組成物は、比較例1,2の水性インク組成物よ
りも光学濃度が高い。すなわち、カウンターカチオンと
してRb+ 及び/又はCs+ を含む顔料分散液を使用し
た水性インク組成物は、高い光学濃度を与える。また、
本発明の改質表面処理顔料と従来の表面処理顔料とを組
み合わせて使用することにより、光学濃度を自由に調整
することが可能であることも明らかである。更にまた、
Rb+ 及び/又はCs+ をカウンターカチオンとして導
入する量を調整して、光学濃度を自由に調整することも
可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、水性イ
ンク組成物の色剤として、Rb+ 及び/又はCs+ をカ
ウンターカチオンとして含む改質表面処理顔料を使用す
ることにより、耐光性、耐水性、目詰まり防止、吐出安
定性等に優れているばかりでなく、光学濃度を高めるこ
とができるという優れた効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 AB02 AB07 AD03 AD06 AD08 AD09 AD11 AD13 AD14 BA04 BA13 BC39 BC73 BC74 BC75 BC79 BE01 BE12 BE22 CA03 CA06 EA35 EA38 EA41 EA42 EA44 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Rb+ 及び/又はCs+ をカウンターカ
    チオンとして含む改質表面処理顔料を色剤として含有す
    ることを特徴とする水性インク組成物。
  2. 【請求項2】 Rb+ 及び/又はCs+ をカウンターカ
    チオンとして含む改質表面処理顔料を色剤として含有す
    ることを特徴とするインクジェット記録用水性インク組
    成物。
  3. 【請求項3】 前記改質表面処理顔料は、顔料表面に直
    接又は多価の基を介して結合された官能基の少なくとも
    一種を有する表面処理顔料の官能基の少なくとも一種
    に、カウンターカチオンとしてRb+ 及び/又はCs+
    が結合するように処理された顔料である、請求項1又は
    2に記載の水性インク組成物。
  4. 【請求項4】 前記官能基が、カルボキシル基、カルボ
    ニル基、スルホン基、ヒドロキシ基またはその塩であ
    る、請求項3に記載の水性インク組成物。
  5. 【請求項5】 前記多価の基が、分岐を有していても良
    いC1〜C10のアルキレン基、フェニレン基である、
    請求項1〜4の何れかに記載の水性インク組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかに記載の水性イン
    ク組成物を収容したインク収容部を備えたことを特徴と
    するインクカートリッジ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7729034B2 (en) 2005-03-25 2010-06-01 Sharp Kabushiki Kaisha Ionic colored liquid and image display apparatus using the same
JP4612257B2 (ja) * 1999-06-09 2011-01-12 オリヱント化学工業株式会社 水性顔料分散液の製造方法
JP2011195826A (ja) * 2010-02-24 2011-10-06 Canon Inc インクジェット記録用インク

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