JP2002363462A - インクセット - Google Patents

インクセット

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JP2002363462A
JP2002363462A JP2001171734A JP2001171734A JP2002363462A JP 2002363462 A JP2002363462 A JP 2002363462A JP 2001171734 A JP2001171734 A JP 2001171734A JP 2001171734 A JP2001171734 A JP 2001171734A JP 2002363462 A JP2002363462 A JP 2002363462A
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black
pigment ink
aqueous pigment
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JP2001171734A
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Takashi Koyanagi
崇 小柳
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーブリード等を起こすおそれがなく、高
画質の印刷物の提供が可能なインクセットを提供するこ
と。 【解決手段】 本発明のインクセットは、黒色の水性顔
料インク組成物と黒色以外の水性顔料インク組成物の少
なくとも一種とからなるインクセットにおいて、黒色の
前記水性顔料インク組成物が、顔料、N,N,N’,
N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジ
エチレントリアミン及び水を含有しており、黒色の前記
水性顔料インク組成物の表面張力と、他の色の前記水性
顔料インク組成物の表面張力との差が2mN/m以上で
あることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒色の水性顔料イ
ンク組成物と黒色以外の水性顔料インク組成物の少なく
とも一種とからなるインクセットに関し、特に、普通紙
やマット系インクジェット専用紙等の高インク吸収性の
記録媒体への多色印刷に用いても、カラーブリード等を
起こすおそれがないインクセットに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インクの小
滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う
記録方法である。この記録方法は、複数色のインクから
なるインクセットを用いることにより、多色印刷を容易
に行うことができるため、種々の分野において急速に普
及している。インクジェット記録に用いられるインクと
しては、水を主成分とし、これに色材及び有機溶剤その
他の各種添加剤を含有させた水性インクが一般的であ
る。色材としては、染料及び顔料があり、彩度の高さ、
種類の豊富さ、水への溶解性等の理由で、現在は染料が
主流となっている。しかし、染料は一般に耐候性に劣る
ため、染料インクにより文字及び/又は画像を印刷され
た印刷物は画像堅牢性に劣るという欠点を有している。
これに対し、顔料は耐候性に優れているので、近年その
需要が高まってきており、顔料の特性を活かした顔料イ
ンクの開発が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】複数色の顔料インクか
らなる従来のインクセットは、特に普通紙やマット系イ
ンクジェット専用紙のような高インク吸収性の記録媒体
への多色印刷に用いられると、異なる色の境界で色が混
じり合って境界がはっきりしなくなる現象、いわゆるカ
ラーブリードを起こすという問題があった。また、従来
のインクセットは、単色でインクを打ち込んだ場合で
も、単色の部分が周囲に広がるように滲んでしまう現象
(いわゆる色滲み)や、紙(記録媒体)を構成するパル
プ繊維に沿ってインクが広がり、ヒゲ状の筋が発生する
現象(いわゆるフェザリング)を起こすという問題もあ
った。これらの現象は、特に、黒色インク部分とカラー
インク部分(特にイエローインク部分)との間で目立
ち、画質の著しい低下を招く。
【0004】従って、本発明の目的は、高インク吸収性
の記録媒体への多色印刷に用いてもカラーブリード等を
起こすおそれがなく、高画質の印刷物の提供が可能なイ
ンクセットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、黒色の水
性顔料インク組成物と黒色以外の水性顔料インク組成物
の少なくとも一種とからなるインクセットを用いて、一
般的な記録媒体である普通紙(サイズ処理された酸性
紙)に対して多色印刷を行う場合について種々検討した
結果、少なくとも黒色の水性顔料インク組成物に、N,
N,N’,N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプ
ロピル)ジエチレントリアミンを含有させると共に、黒
色の水性顔料インク組成物の表面張力と、黒色以外の他
の色の水性顔料インク組成物の表面張力それぞれとの差
を一定の値以上とすることにより、カラーブリード等を
防止することができることを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、黒色の水性顔料インク組成物と黒色以外の水性顔料
インク組成物の少なくとも一種とからなるインクセット
において、黒色の前記水性顔料インク組成物が、顔料、
N,N,N’,N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロキ
シプロピル)ジエチレントリアミン及び水を含有してお
り、黒色の前記水性顔料インク組成物の表面張力と他の
色の前記水性顔料インク組成物の表面張力との差が2m
N/m以上であるインクセットを提供することにより上
記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクセットにつ
いて詳述する。本発明のインクセットは、前述の通り、
黒色の水性顔料インク組成物と黒色以外の水性顔料イン
ク組成物の少なくとも一種とからなるインクセットであ
り、黒色の水性顔料インク組成物中に、N,N,N’,
N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジ
エチレントリアミンが含有されている。このN,N,
N’,N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピ
ル)ジエチレントリアミンとしては、市販のペントロー
ル(商品名、Aldrich Chemical Inc.製)を用いること
ができる。
【0008】N,N,N’,N”,N”−ペンタキス
(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミンは、
本発明に係る水性顔料インク組成物中、好ましくは1〜
30重量%、更に好ましくは5〜20重量%含有され
る。含有量が1重量%未満では、カラーブリードの防止
効果に乏しく、30重量%超では、保存安定性の低下
や、インクジェット記録に用いた場合にインク吐出不良
を招くおそれがある。
【0009】本発明のインクセットにおいては、黒色の
水性顔料インク組成物の表面張力と黒色以外の他の色の
水性顔料インク組成物の表面張力との差が、2mN/m
以上、好ましくは3mN/m以上である。表面張力は、
JIS K3362−1978に従って測定される。
【0010】黒色の前記水性顔料インク組成物の表面張
力が、他の色の前記水性顔料インク組成物の表面張力よ
りも大きいことが、カラーブリード抑制の点で好まし
い。
【0011】本発明のインクセットを構成する複数色
(黒色も含む)の水性顔料インク組成物の表面張力は、
20〜50mN/mの範囲内、特に25〜40mN/m
の範囲内にあることが、記録媒体に対する浸透性の確保
の点で好ましく、これらの範囲内から、黒色インクとそ
れ以外の色のインクとの表面張力差が2mN/m以上と
なるように、各水性顔料インク組成物を調製するのが好
ましい。
【0012】本発明に係る水性顔料インク組成物の表面
張力の調整は、この種のインクと同様、水溶性有機溶剤
及び/又は界面活性剤を用いて行うことができる。前記
水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパ
ノール等の低級アルコール類;エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル等のセロソルブ類;ジエチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等
のカルビトール類;エチレングリコールモノ−n−ブチ
ルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテ
ル、トリエチレングリコ−ル−n−ブチルエーテル等の
グリコールエーテル類等が挙げられ、これらの1種又は
2種以上が用いられる。前記界面活性剤としては、例え
ば、脂肪酸塩類;アルキル硫酸エステル塩類等のアニオ
ン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の
ノニオン性界面活性剤;サーフィノール61、82、1
04、440、465、485(何れも商品名、エア・
プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)等のアセチレン
グリコ−ル系界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両イ
オン性界面活性剤等が挙げられ、これらの1種又は2種
以上が用いられる。
【0013】本発明に係る水性顔料インク組成物中に含
有される顔料としては、この種のインクに用いられるも
のと同様のものを用いることができ、例えば、アゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔
料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔
料、キナクリドン顔料、チオインジゴ顔料、イソインド
リノン顔料、キノフラロン顔料、ジオキサジン顔料、ア
ントラキノン顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリ
ンブラック等の有機顔料;チタン白、亜鉛華、鉛白、カ
ーボンブラック系、ベンガラ、朱、カドミウム赤、黄
鉛、群青、コバルト青、コバルト紫、ジンクロメート等
の無機顔料等が挙げられる。また、カラーインデックス
に記載されていない顔料であっても水相に分散可能な
ら、何れも使用できる。尚、「顔料」とは、水や溶剤、
油等に不溶の粒子状の固体をいう。
【0014】また、前記顔料として、表面改質顔料を用
いることもできる。表面改質顔料は、通常の顔料の表面
に、多数の親水性官能基及び/又はその塩を、直接又は
アルキル基、アルキルエーテル基及びアリール基等を介
して間接的に結合させたもので、分散剤なし、あるいは
少量の分散剤で、水性媒体に分散及び/又は溶解するこ
とが可能な顔料である。該親水性官能基としては、カル
ボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル基、スルホン
基、燐酸基及び第4級アンモニウム塩からなる群から選
ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
【0015】前記顔料は、本発明に係る水性顔料インク
組成物中、好ましくは0.5〜15重量%、更に好まし
くは2〜10重量%含有される。含有量が0.5重量%
未満では、印字濃度が不十分であり、15重量%超で
は、粘度の増大やインクジェット記録用インクとして用
いた場合にノズルの目詰まりを起こすおそれがある。
【0016】本発明に係る水性顔料インク組成物には、
前記顔料の分散安定性を高める観点から、分散剤を含有
させることができる。分散剤としては、この種の水性顔
料インク組成物におけるものと同様のものを特に制限な
く用いることができる。具体的には、例えば、高級脂肪
酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩等のアニオン界面
活性剤、脂肪族アミン塩、ホスフォニウム塩等のカチオ
ン界面活性剤、ポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エス
テル等のノニオン界面活性剤等の水溶性界面活性剤や、
ゼラチン、カゼイン等のタンパク質、アラビアゴム等の
天然ゴム、サボニン等のグルコキシド、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸
塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、スチ
レン−アクリル酸共重合物塩、ビニルナフタレン−アク
リル酸共重合物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、
ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物塩、β−ナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリリン酸等のア
ニオン性高分子、ポリビニルアルコ−ル、ポリビニルピ
ロリドン、ポリエチレングリコ−ル等のノニオン性高分
子等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられ
る。
【0017】また、本発明に係る水性顔料インク組成物
には、吐出安定性を向上させる観点から、保湿剤を含有
させることができる。保湿剤としては、この種の水性顔
料インク組成物におけるものと同様のものを特に制限な
く用いることができ、例えば、グリセリン、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサン
トリオール、ペンタエリスリトール等のポリオール類、
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カ
プロラクタム等のラクタム類、尿素、チオ尿素、エチレ
ン尿素、1,3−ジメチルイミダゾリジノン類等の尿素
類、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、
マルトース等の糖類等が挙げられ、これらの1種又は2
種以上が用いられる。前記保湿剤は、本発明に係る水性
顔料インク組成物中、好ましくは0.5〜40重量%、
更に好ましくは2〜30重量%含有される。
【0018】本発明に係る水性顔料インク組成物には、
上述したように、顔料、N,N,N’,N”,N”−ペ
ンタキス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリア
ミン並びに水溶性有機溶剤及び/又は界面活性剤の他、
必要に応じて、分散剤、保湿剤を含有させ、バランスと
して水を含有させる。水は、イオン交換水、限外濾過
水、逆浸透水、蒸留水等の純水又は超純水を用いること
が好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射又は過酸
化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘って
カビやバクテリアの発生が防止されるので好ましい。
【0019】本発明に係る水性顔料インク組成物には、
更に必要に応じて、水溶性ロジン類等の定着剤、安息香
酸ナトリウム等の防黴剤・防腐剤、アロハネート類等の
酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤、
pH調整剤等の添加剤を含有させることができ、これら
の1種又は2種以上が用いられる。これらの各添加剤と
しては、この種の水性顔料インク組成物におけるものと
同様のものを特に制限なく用いることができる。
【0020】本発明に係る水性顔料インク組成物は、従
来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アト
ライター、バスケットミル、ロールミル等を使用して、
従来の顔料インクと同様に調製することができる。調製
に際しては、メンブレンフィルターやメッシュフィルタ
ー等を用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
【0021】本発明のインクセットは、水性顔料インク
組成物を記録媒体に付着させて印字を行う記録方法であ
れば、何れの方法でも好適に使用できる。このような記
録方法としては、例えば、水性顔料インク組成物の液滴
を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行う記
録方法であるインクジェット記録方法、ペン等による筆
記具による記録方法、その他各種の印字方法が挙げら
れ、特にインクジェット記録方法、とりわけオンデマン
ド型のインクジェット記録方法に用いられることが好ま
しい。オンデマンド型のインクジェット記録方法として
は、例えば、プリンターヘッドに配設された圧電素子を
用いて記録を行う圧電素子記録方法、プリンターヘッド
に配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネル
ギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方法等が挙げら
れ、何れのインクジェット記録方法にも好適に使用でき
る。
【0022】本発明のインクセットは、黒色の水性顔料
インク組成物中に、N,N,N’,N”,N”−ペンタ
キス(2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン
が含有されており、且つ黒色の該水性顔料インク組成物
の表面張力と、黒色以外の他の色の水性顔料インク組成
物の表面張力との差が2mN/m以上となっているの
で、印刷物における黒色とそれ以外の色とのカラーブリ
ード等を防止して、異なる色の境界部分を明瞭にするこ
とができ、高画質の印刷物の提供が可能である。
【0023】本発明のインクセットは、特に、記録媒体
として、普通紙(被記録面に繊維が露呈している記録媒
体)やマット系インクジェット専用紙(インク受容層が
被記録面に塗工されている記録媒体)のような高インク
吸収性の記録媒体を用いた場合に有効であり、とりわ
け、「紙面pHが酸性域にあるサイズ処理紙」を用いた
場合に有効である。「紙面pHが酸性域」とは、日本紙
パルプ技術協会の定める紙及び板紙の表面pH試験方法
のA法(塗布法)[J.TAPPI No.6]により
測定される紙面pHが7未満の状態を意味する。また、
「サイズ処理紙」とは、サイズ剤が内添及び/又は表面
塗工された記録媒体を意味し、該記録媒体には、普通紙
の他、塗工紙も含まれる。
【0024】本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内で
種々の変更が可能である。本発明のインクセットは、黒
色の水性顔料インク組成物と黒色以外の水性顔料インク
組成物の少なくとも一種とからなるインクセットであれ
ばよく、インクの色の種類及び数は特に制限されない。
また、N,N,N’,N”,N”−ペンタキス(2−ヒ
ドロキシプロピル)ジエチレントリアミンは、黒色の水
性顔料インク組成物に含有されていればよいが、黒色以
外の他の色の水性顔料インク組成物に含有されていても
よく、その場合の含有量は、黒色の水性顔料インク組成
物におけるものと同量でよい。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げる
と共に試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明する
が、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるもの
ではない。
【0026】〔実施例1〕ブラック、イエロー、マゼン
タ及びシアンの4色の顔料インク組成物をそれぞれ調製
し、これらの顔料インク組成物からなるインクセット1
を得た。各顔料インク組成物の組成は、下記の通りと
し、それらの調製は、何れも下記の要領で行った。顔料
と分散剤と水とを混合して混合物とし、サンドミル(安
川製作所製)中で、該混合物の1.5倍量(重量)のガ
ラスビーズ(直径1.7mm)と共に2時間分散させた
後、ガラスビーズを取り除いて、顔料分散液を得た。次
いで、下記組成における顔料と分散剤以外の成分(溶剤
及び添加剤)を混合且つ溶解させてインク溶媒を調製
し、前記顔料分散液を撹拌しながら、該インク溶媒を該
顔料分散液に徐々に滴下して、常温で20分間撹拌し
た。その後、これを5μmのメンブランフィルターで濾
過して、インクジェット記録用の顔料インク組成物を得
た。
【0027】 〈ブラック顔料インク組成物の組成1〉 ・カーボンブラック MA−7(顔料、三菱化学(株)製) 4.0重量% ・スチレン−アクリル酸共重合体・アンモニウム塩 (分散剤、分子量10000) 2.0重量% ・グリセリン(保湿剤) 12.0重量% ・サーフィノール465(ノニオン性界面活性剤、 Air Product and Chemicals.Inc.製) 1.0重量% ・N,N,N’,N”,N”−ペンタキス (2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン (商品名「ペントロール」、Aldrich Chemical Inc.製) 10.0重量% ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量% ・イオン交換水 残 量 計 100.0重量%
【0028】 〈イエロー顔料インク組成物の組成〉 ・C.I.ピグメントイエロー74(顔料) 3.5重量% ・スチレン−アクリル酸共重合体・アンモニウム塩 (分散剤、分子量10000) 2.0重量% ・グリセリン 8.0重量% ・BYK−348 (ノニオン性界面活性剤、BYK Chemie製) 0.5重量% ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量% ・イオン交換水 残 量 計 100.0重量%
【0029】 〈マゼンタ顔料インク組成物の組成〉 ・C.I.ピグメントレッド122(顔料) 3.0重量% ・スチレン−アクリル酸共重合体・アンモニウム塩 (分散剤、分子量10000) 2.0重量% ・グリセリン 5.0重量% ・BYK−348 (ノニオン性界面活性剤、BYK Chemie製) 0.2重量% ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量% ・イオン交換水 残 量 計 100.0重量%
【0030】 〈シアン顔料インク組成物の組成〉 ・C.I.ピグメントブルー15:3(顔料) 3.0重量% ・グリセリン 5.0重量% ・スチレン−アクリル酸共重合体・アンモニウム塩 (分散剤、分子量10000) 2.0重量% ・BYK−348 (ノニオン性界面活性剤、BYK Chemie製) 0.2重量% ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量% ・イオン交換水 残 量 計 100.0重量%
【0031】〔実施例2〕前記ブラック顔料インク組成
物に代えて、下記〈ブラック顔料インク組成物の組成
2〉からなるブラック顔料インク組成物を用いた以外は
実施例1と同様にして、インクセット2を得た。 〈ブラック顔料インク組成物の組成2〉 ・カーボンブラック MA−7(顔料、三菱化学(株)製) 4.0重量% ・スチレン−アクリル酸共重合体・アンモニウム塩 (分散剤、分子量10000) 2.0重量% ・グリセリン(保湿剤) 12.0重量% ・サーフィノール465(ノニオン性界面活性剤、 Air Product and Chemicals.Inc.製) 1.0重量% ・N,N,N’,N”,N”−ペンタキス (2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン (商品名「ペントロール」、Aldrich Chemical Inc.製) 5.0重量% ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量% ・イオン交換水 残 量 計 100.0重量%
【0032】〔比較例1〕前記ブラック顔料インク組成
物に代えて、下記〈ブラック顔料インク組成物の組成
3〉からなるブラック顔料インク組成物を用いた以外は
実施例1と同様にして、インクセット3を得た。 〈ブラック顔料インク組成物の組成3〉 ・カーボンブラック MA−7(顔料、三菱化学(株)製) 4.0重量% ・スチレン−アクリル酸共重合体・アンモニウム塩 (分散剤、分子量10000) 2.0重量% ・グリセリン(保湿剤) 12.0重量% ・サーフィノール465(ノニオン性界面活性剤、 Air Product and Chemicals.Inc.製) 1.0重量% ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量% ・イオン交換水 残 量 計 100.0重量%
【0033】〔比較例2〕前記ブラック顔料インク組成
物に代えて、下記〈ブラック顔料インク組成物の組成
4〉からなるブラック顔料インク組成物を用いた以外は
実施例1と同様にして、インクセット4を得た。 〈ブラック顔料インク組成物の組成4〉 ・カーボンブラック MA−7(顔料、三菱化学(株)製) 4.0重量% ・スチレン−アクリル酸共重合体・アンモニウム塩 (分散剤、分子量10000) 2.0重量% ・グリセリン(保湿剤) 12.0重量% ・BYK−348 (ノニオン性界面活性剤、BYK Chemie製) 0.5重量% ・N,N,N’,N”,N”−ペンタキス (2−ヒドロキシプロピル)ジエチレントリアミン (商品名「ペントロール」、Aldrich Chemical Inc.製) 10.0重量% ・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0重量% ・イオン交換水 残 量 計 100.0重量%
【0034】実施例1〜2及び比較例1〜2の各インク
セットを構成する顔料インク組成物の表面張力を、それ
ぞれ、自動表面張力計(CBVP−Z型、共和界面科学
社製)を用いて測定した。それらの結果を下記〔表1〕
に示す。
【0035】
【表1】
【0036】〔試験例〕実施例1〜2及び比較例1〜2
の各インクセットそれぞれにより、インクジェットプリ
ンタ(商品名「EM−900C」、セイコーエプソン
(株)製)を用いて、常温常圧下にて記録媒体に対し印
刷を行い、印刷物をそれぞれ得た。そして、これらの印
刷物について、印刷直後の色滲み評価、印刷後のカラー
ブリード評価、印刷後のフェザリング評価を、それぞれ
下記の試験により行った。それらの結果を、下記〔表
2〕に示す。尚、前記記録媒体として、「Xerox
P」(商品名、ゼロックス(株)製)、「Xerox40
24」(商品名、ゼロックス(株)製)及び「上質普通
紙」(セイコーエプソン(株)製、型番 KA4250N
P)の3種類の普通紙を用いた。また、印刷モードは、
推奨設定(きれい)モードとした。
【0037】(印刷直後の色滲み評価試験)印刷直後の
前記各印刷物について、そのイエローとブラックとが重
なって印刷される領域(画質低下が最も判別し易い領
域)をそれぞれ目視により観察し、その色滲みの程度を
下記評価基準により評価した。 <評価基準> A:滲みの無い、良好な画像が得られた。 B:滲みが僅かに生じた。 C:ヒゲ状の滲みが生じた。 D:色の境界がはっきりしない程、滲みが生じた。
【0038】(印刷後のカラーブリード評価試験)自然
乾燥させた後の前記各印刷物について、そのイエローと
ブラックとが重なって印刷される領域(画質低下が最も
判別し易い領域)をそれぞれ目視により観察し、それら
の色境界での不均一な色混じりの程度を下記評価基準に
より評価した。 <評価基準> A:色混じりの無い、良好な画像が得られた。 B:色混じりが僅かに生じた。 C:色混じりの発生が認められた。 D:色の境界がはっきりしない程、色混じりが生じた。
【0039】(印刷後のフェザリング評価試験)自然乾
燥させた後の前記各印刷物について、そのイエローとブ
ラックとが重なって印刷される領域(画質低下が最も判
別し易い領域)をそれぞれ目視により観察し、それらの
ヒゲ状の滲み出しの有無を下記評価基準により評価し
た。 <評価基準> A:ヒゲ状の滲み出しの無い、良好な画像が得られた。 B:ヒゲ状の滲み出しが僅かに生じた。 C:ヒゲ状の滲み出しの発生が認められた。 −:色滲みやカラーブリードがひどく、評価出来なかっ
た。
【0040】
【表2】
【0041】表2に示す結果から明らかなように、実施
例1〜2の各インクセットは、何れも色滲み、色混じ
り、ヒゲ状の滲み出しがなく、高画質の印刷物を提供す
ることが可能であることが分かる。これに対し、比較例
1〜2の各インクセットは、印刷物の色滲み等がひど
く、高画質の印刷物を提供することが出来なかった。
【0042】
【発明の効果】本発明のインクセットによれば、高イン
ク吸収性の記録媒体への多色印刷に用いられてもカラー
ブリード等を起こすおそれがなく、高画質の印刷物の提
供が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA05 FC01 FC02 2H086 BA21 BA41 BA53 BA55 BA59 BA60 4J039 AE07 BA04 BA12 BC06 BC07 BC09 BC12 BC13 BC14 BC15 BC19 BC32 BC35 BC54 BE01 BE22 BE28 CA06 EA19 EA48 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒色の水性顔料インク組成物と黒色以外
    の水性顔料インク組成物の少なくとも一種とからなるイ
    ンクセットにおいて、 黒色の前記水性顔料インク組成物が、顔料、N,N,
    N’,N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロキシプロピ
    ル)ジエチレントリアミン及び水を含有しており、 黒色の前記水性顔料インク組成物の表面張力と他の色の
    前記水性顔料インク組成物の表面張力との差が2mN/
    m以上であるインクセット。
  2. 【請求項2】 黒色の前記水性顔料インク組成物の表面
    張力が、他の色の前記水性顔料インク組成物の表面張力
    よりも大きい請求項1記載のインクセット。
  3. 【請求項3】 前記水性顔料インク組成物の表面張力
    が、それぞれ20〜50mN/mの範囲にある請求項1
    又は2記載のインクセット。
  4. 【請求項4】 黒色の前記水性顔料インク組成物が、前
    記N,N,N’,N”,N”−ペンタキス(2−ヒドロ
    キシプロピル)ジエチレントリアミンを1〜30重量%
    含有する請求項1〜3の何れかに記載のインクセット。
  5. 【請求項5】 紙面pHが酸性域にあるサイズ処理紙
    に、文字及び/又は画像を形成するために用いられる請
    求項1〜4の何れかに記載のインクセット。
  6. 【請求項6】 インクジェット記録方法に用いられる請
    求項1〜5の何れかに記載のインクセット。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかに記載のインクセ
    ットを用いて、記録媒体に文字及び/又は画像を形成す
    る記録方法。
  8. 【請求項8】 前記記録媒体が、紙面pHが酸性域にあ
    るサイズ処理紙である請求項7記載の記録方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の記録方法によって
    記録が行われた記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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