JPWO2011033690A1 - Pmda、dade、bpda及びbcdを含有する有機溶媒に可溶のポリイミド - Google Patents

Pmda、dade、bpda及びbcdを含有する有機溶媒に可溶のポリイミド Download PDF

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Abstract

(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(b)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)、(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)及び(d)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、を成分として含む、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドを提供する。本発明のポリイミドは、三段階添加反応により合成され、第一段階では、酸ジ無水物と芳香族ジアミンとの反応により低分子量イミド化合物を生成させ、第二段階では、第一段階で生成した低分子量イミド化合物にさらに酸ジ無水物と芳香族ジアミンを反応させて低分子量イミド化合物を生成させ、第三段階では、重縮合反応を行うことからなる、530℃〜570℃の範囲の熱分解開始温度を有する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドである。

Description

本発明の溶媒可溶ポリイミドは、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)及びビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物(BCD、通称、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物という。)を含む機能性のある溶媒可溶ポリイミドである。三段階反応によって酸触媒の存在下で生成する溶媒可溶ポリイミドである。
ここで、DADEは、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)又は3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む。
ポリイミドは1960年代、デュポン社によって製造、販売されたKAPTONが知られていて、ピロメリット酸ジ無水物(PMDAという)及び4,4’−ジアミノジフェ二ルエーテル(4,4’−DADE)より構成されている。
KAPTONは、ガラス転移温度(Tg)が420℃、熱分解開始温度(Tm)は500℃以上の特性を示し、電気絶縁性、機械的強度、耐薬品性にすぐれたポリマーとして、宇宙航空、車輌の材料、電気・電子部品、半導体用の材料として、広く利用されている。(非特許文献1; Polyimides; D. Wilson, H.D. Steinberger, R.M.Morgenrother; Blackie, New York (1990)。
1980年代、宇部興産(株)によってポリイミド“Upilex”が製造、販売された。ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDAという)及び1,4-ジアミノベンゼン(PPDという)より構成され、Tg 500℃、Tm 550℃の耐熱性ポリイミドフイルムである。
超耐熱性ポリイミドとしとて知られているKAPTONは、PMDA及び4,4’−DADEからなる二成分系の組成のポリイミドであり、同じくUpilexは、BPDA及びPPDからなる二成分系の組成のポリイミドであり、不溶、不融と言われ、両者ともにポリアミック酸を経由して合成される。
以後、今日まで、KAPTON,Upilexに対応する耐熱性ポリイミドは製造されていない。これらのポリイミドは、有機溶媒に難溶のポリイミドであり、これらの成分であるPMDA、BPDAに代替できるテトラカルボン酸ジ無水物が開発されていない。PMDAと4,4’−DADEより構成されるKAPTONは、溶媒に難溶である。その理由は、PMDA−4,4’−DADE−PMDA又は、4,4’−DADE−PMDA−4,4’−DADE結合が生成しているためである。
KAPTON,Upilexは溶媒に難溶のポリイミドであり、無水の溶媒(例えば、N−ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリドン等)中で、低温で重縮合してポリアミック酸を合成し、ついで流延・加熱して、ポリアミック酸のイミド化反応を伴って、高温処理(400℃以上)して、ポリイミドフイルムが製造されている。
ポリアミック酸は無水の溶媒中に、冷凍保存され、容易に水で分解し、熱分解し易く、保存安定性が悪い。
ポリアミック酸は溶液中で、速かな交換反応を行っていて、ランダム共重合体となるため改質が困難である。
種々の芳香族テトラカルボン酸ジ無水物と芳香族ジアミンとを無水酢酸及びピリジンの溶液中で、直接イミド化することが知られているが、工業的生産に適するプロセスとして採用されていない。
酸触媒を用いる溶液中のイミド化反応も知られている。例えば、トルエンスルホン酸や、リン酸等の酸触媒を用いて溶液中でイミド化反応が促進される。然し、溶液中に酸触媒が残存していて、ポリイミドの劣化原因となるため、ポリイミドと触媒の分離保持が必要となる[特許文献3;A.Berger、 米国特許 第4,011,279号 ; 米国特許第4,395,527号 ]。
有機溶媒に可溶なポリイミドの合成には、先ず新規な触媒の開発が必要であった。重縮合反応中は酸触媒として作用し、反応の終点では消失する新規な触媒の開発が行われた。[特許文献4; Y. Oie, H. Itatani, 米国特許第5,502,143号]
ラクトンの平衡を利用する新規な触媒である。γ―バレロラクトンとピリジン又はγ―バレロラクトンとN-メチルモルホリンの混合物は、水の存在下で[酸]+[塩素]となり、このことから水を除去すると、再び、γ―バレロラクトンとピリジン、又はγ―バレロラクトンとN-メチルモルホリンの混合物となる平衡を利用する。(式1)
Figure 2011033690
反応系中に触媒量のγ―バレロラクトン及びピリジン、又はγ―バレロラクトンとN-メチルモルホリンを添加し、同時に適量のトルエンを添加して160−200℃に加熱して、イミド化反応を行う。
反応の初期に生成した水によって、[酸] [塩基]が生成して、イミド化反応を促進する。反応系中に加えられたトルエンによってトルエンの還流を行いながらイミド化反応は進行し、生成する水はトルエンの共沸によって系外に除かれる。イミド化反応の終点では、反応系は無水の状態に近づき、[酸] [塩基]触媒は、γ―バレロラクトンとピリジン又はγ―バレロラクトンとN-メチルモルホリンとなり系外に除かれる。かくして高純度のポリイミドが生成する。
本発明者は、特許文献1(国際公開第2008/120398号パンフレット)により、主発明として、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)及び2,4−ジアミノトルエン(DAT)の4成分からなる、有機極性溶媒に可溶の耐熱性ポリイミド共重合体において、BPDAの両末端にDADEが結合するオリゴマーを生成する第一段階、ついで、PMDA及びDATを添加することにより、その両末端にPMDAが結合するイミドオリゴマーにする第二段階及びDATを添加する重縮合の第三段階、の反応生成物であり、ガラス転移温度が430℃以上である、前記耐熱性ポリイミド共重合体が開示した。
さらに、本発明者は、特許文献2(国際公開第2008/155811号パンフレット)により、1モル当量のビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)と2モル当量のジアミノジフェニルエーテル(DADE)とを有機極性溶媒中、触媒の存在下に160〜200℃に加熱して生成したイミドオリゴマーに4モル当量のピロメリット酸ジ無水物(PMDA)と2モル当量のジアミノトルエン(DAT)を添加することによって両末端がPMDAのイミドオリゴマーである6,6−イミドセグメントを合成し、前記6,6−イミドセグメントの溶液に1モル当量のテトラカルボン酸ジ無水物(Aという)と2モル当量の芳香族ジアミン(Bという)を添加し加熱して生成する三段重合法による6,6−ポリイミド共重合体の製造方法を開示している。
特許文献1及び2から、三段階により反応を行うことにより、有機極性溶媒に可溶の、ガラス転移温度が430℃以上であるポリイミドが合成できたことを報告している。
国際公開第2008/120398号パンフレット 国際公開第2008/155811号パンフレット A.Berger、 米国特許第4,011,279号; 米国特許第4,395,527号 Y. Oie, H. Itatani, 米国特許第5,502,143号
Polyimides; D. Wilson, H.D. Steinberger, R.M.Morgenrother; Blackie, New York (1990)
本発明は、特許文献1及び2で開示した三段階により反応を行うことにより、極性有機溶媒に可溶のポリイミドをさらに発展させたものである。即ち、特許文献1及び2のポリイミドの特徴である三段階により反応させることによる極性有機溶媒に可溶であるという特徴を保持しつつ、下記の構造式を有するビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物(BCD、通称、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物という。)を付加することにより、ポリイミドに、PMDAと比べて有機溶媒への溶解性にすぐれ、高密着特性を示す特徴を更に付与した。本発明で必須の成分であるBCDは、PMDAと比べて溶解性にすぐれ、高密着特性を示すからである。
ビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物
Figure 2011033690
PMDA-DADE系ポリイミドは、特に、溶媒に難溶である(PMDA−DADE−PMDA)又は(DADE−PMDA−DADE)のイミド化合物が生成するとポリイミドは析出する。従って、本発明では、この化合物を含まない合成プロセスを検討したことは、特許文献1及び2と同様である。
これを防ぐために、4成分系のブロック共重合ポリイミドの研究においても、有機溶媒可溶のポリイミドは知られていない。
本発明では、PMDAとDADEとは同一の反応段階で使用しないプロセスを採用した。
本発明は、(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(b)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA、典型的には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物)、(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)及び(d)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、を成分として含む、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、前記ポリイミドは、三段階添加反応により合成され、第一段階では、酸ジ無水物と芳香族ジアミンとの反応により低分子量イミド化合物を生成させ、第二段階では、第一段階で生成した低分子量イミド化合物にさらに酸ジ無水物と芳香族ジアミンを反応させて低分子量イミド化合物を生成させ、第三段階では、重縮合反応を行うことからなる、530℃〜570℃の範囲の熱分解開始温度を有する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドを提供する。
より具体的には、本発明は、(1)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)とを触媒の存在下に反応させて、芳香族ジアミンの両アミノ基に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成する第一段階、
(2)前記化合物に、酸ジ無水物(2モル当量)、芳香族ジアミン(4モル当量)とを添加して反応させて、両末端に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成させる第二段階、次いで、
(3)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
前記酸ジ無水物が、(i)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(ii)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)及び(iii)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、前記芳香族ジアミンが、(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)又は(ii)3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミドを提供する。
さらに、本発明は、(1)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)とを触媒の存在下に反応させて、前記芳香族ジアミンの両アミノ基に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成する第一段階、
(2)前記化合物に、酸ジ無水物(2モル当量)、芳香族ジアミン(4モル当量)とを添加して反応させて、両末端に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成させる第二段階、次いで、
(3)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
酸ジ無水物として、(i)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(ii)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)及び(iii)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、芳香族ジアミンとして(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)又は(ii)3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミドを提供する。
また、本発明は、(1)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成する第一段階、
(2)前記化合物に、酸ジ無水物(4モル当量)、芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成させる第二段階、次いで、
(3)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、
により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
酸ジ無水物として、(i)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(ii)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)及び(iii)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、芳香族ジアミンとして(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)又は(ii)3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミドを提供する。
さらにまた、本発明は、(1)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成する第一段階、
(2)前記化合物に、酸ジ無水物(4モル当量)、芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成させる第二段階、次いで、
(3)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
酸ジ無水物として、(i)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(ii)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)及び(iii)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、芳香族ジアミンとして(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)又は(ii)3,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミドを提供する。
さらに、本発明は、
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(b)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)又はベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)、(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)及び(d)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、を成分として含み、三段階添加反応により合成する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
第一段階では、酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物を生成させ、
第二段階では、前記低分子量イミド化合物に、酸ジ無水物(3モル当量)、芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物を生成させ、
第三段階では、芳香族ジアミン(1モル当量)を加えて、重縮合反応を行う、
有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド、を提供する。
本発明のポリイミドは、M (数平均分子量)は、の範囲、 M (重量平均分子量)、M (Z平均分子量)及び M/M 比を示す。 重合度(n)をM(測定値)/分子量(計算値)で示した。
本発明のポリイミドフイルムのMは、10,000〜25,000の範囲であり、好ましくは、10,300〜24,500の範囲であり、より好ましくは、10,460〜24,380の範囲であり、一次減量温度は、390℃〜460℃好ましくは、395℃〜450℃より好ましくは、401〜435℃の範囲である。
本発明のポリイミドフイルムの熱分解開始温度(Tm)は、530℃〜570℃、好ましくは、535℃〜560℃、より好ましくは、541℃〜556℃の範囲である。
PMDA、DADE及びBPDAと共にビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCDという)を含有する機能性を有する溶媒に可溶なポリイミドを合成した。BCDを付加することにより、ポリイミドに、PMDAと比べて有機溶媒への溶解性にすぐれ、高密着特性を示す特徴を更に付与した。
PMDAと結合して機能性を示し且つ溶媒可溶となる芳香族ジアミンとしてビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SOという)及び9,9―ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDAという)。BCDと共存して接着性を強める1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)を加えた反応系を採用してPMDA−DADE−BPDA−BCD系の溶媒可用、機能性、超耐熱性、ポリイミドを開発した。
HOAB・SOは、下記の化学式を有する。
Figure 2011033690
FDAは、下記の化学式を有する。
Figure 2011033690
mTPEは、下記の化学式を有する。
Figure 2011033690
本発明は、電着性、感光性、接着性等の機能をもつポリイミドとして利用することができる。
また、本発明は、金属、繊維、フイルムの表面に塗布して難燃性複合材料にする発泡ポリイミドとして使用できる。
本発明のポリイミドは、流延加熱してフイルム化することかでき、耐熱性フイルムとして、電気、電子部品、車輌部品、半導体等に広く利用することができる。
本発明は、保存安定性の良い溶媒可溶のポリイミドで、従来の難溶製ポリイミドに比べて作業性に優れている。建材、家庭用高温材料、(アイロンの底、壁の内張リ、電子レンジの内壁用、難燃性カーテン)、テフロンの代替、発泡ポリイミドの利用等多目的に使用が可能である。
PMDA、DADE、BPDA及びBCDを含有するポリイミドは、耐熱特性の他に機能性ポリイミドの特性、低温加工性、密着性による新たな展開が可能となった。ガラス転移温度330℃付近の低温を示す。この結果、金属ガラス樹脂との複合材料として機能性ポリイミドとして利用することができる。
PMDA、DADE、BPDA、BCD、FDA及びHOAB・SOを含有する有機溶媒に可溶のポリイミドは、耐熱特性と共に機能性ポリイミドとして利用することができる。FDAは、高い熱分解特性と溶解性を高める特性を有する。HOAB・SOは、酸ジ無水物とイミド結合又はオキサゾール結合をする化合物であり、ポジ型感光特性、電着、接着性をポリイミドに付与する。更に、本発明で使用する芳香族ジアミン成分として、mTPE、ジアミノトルエン、3、5−ジアミノ安息香酸、3、3’−ジメチルベンチジン等のジアミンを含むことができる。
発明のポリイミドは、保存安定性がよく、低温処理によって溶媒を除くことによって、製膜することができる。
本発明の溶媒可溶ポリイミドは、PMDA、DADE、BPDA及びBCDを含む機能性ポリイミドである。4,4'−DADEは、mDADEに置き換えることができる。
本発明においては、mTPEを芳香族アミンとして、第三段階に添加でき、HOAB・SOを第一段階、第二段階、第三段階のいずれかに添加でき、PMDAは、第三段階では添加しないことができ、DADEは、第三段階では添加しないことができ、BCDを第二段階又は第三段階に添加でき、mTPEを第三段階に添加できる。PMDA、DADE、BPDA及びBCDを含有する有機溶媒に可溶のポリイミドには、製造上の制限がある。PMDAは、線状ポリイミドの他に架橋ポリイミドを生成する。従って、PMDA成分は、本発明の三段階添加反応においては、即ち、三段階目の重合反応に使用することは好ましくない。PMDAは、第一段又は第二段の反応において添加される。
また、本発明においては、9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)を第一段階に添加することができ、第三段階にPMDAを添加しないことができ、第三段階にDADEを添加しないことができる。また、BPDA又はBTDAと、4,4'−DADE又mDADEを同一の段階で添加することができる。
本発明で使用するジアミンとしては、PMDAと結合して溶媒性を示す、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)及び9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)及び接着性を高める1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)を含有する機能性の耐熱ポリイミドである。(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物(BCD)はPMDAと類似構造のテトラカルボン酸であり、PMDAと比べて溶解性に優れ、高密着特性を示す。
BPDAの代わりに べンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)を用いることができる。
本発明のポリイミド組成物は、有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒に可溶である。このような極性有機溶媒の例には、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド、スルホランおよびN,N’−ジメチルホルムアミドが含まれる。また、本発明で使用する触媒は、γ−バレロラクトンとピリジンの混合物、又はγ−バレロラクトンとN−メチルモルホリンの混合物を使用できる。
本発明のポリイミドの製造方法の具体例は、次のとおりである。
実施例1に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端がPMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)4モル当量を反応させ、両末端がmDADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例2に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端がPMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)4モル当量を反応させ、両末端がmDADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例1及び2の反応では、第一段階の反応には(2PMDA+HOAB・SO)を反応して、両末端PMDAのオリゴマーである(PMDA−HOABSO―PMDA)を生成する。
第二段階の反応では、(2BCD+4mDADE)を加えて反応して、両末端mDADEのオリゴマーである(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO―PMDA)(mDADE―BCD―mDADE)を生成する。
第三段階の反応では、(i)(2BPDA+mTPE)(実施例1)又は(ii)(2BTDA+mTPE)(実施例2)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
得られたポリイミドは、
実施例1では、繰り返し単位[(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BCD−mDADE)(BPDA−mTPE−BPDA)]を有するポリイミドを生成する。
実施例2では、繰り返し単位[(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BCD−mDADE)(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドである。
実施例1の組成比は、
(PMDA)(mDADE)(BCD)(HOAB・SO(mTPE)(BPDA)である。
実施例2の組成比は、
(PMDA)(mDADE)(BCD)(HOAB・SO(mTPE)(BTDA)である。
実施例3に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端PMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、両末端が4,4'−DADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量及びビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例4に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端がPMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、両末端が4,4'−DADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量及びビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例3及び4の反応では、第一段階の反応には(2PMDA+FDA)を反応して、FDAの両アミノ基にPMDAが結合したオリゴマーである(PMDA−FDA―PMDA)を生成する。
第二段階の反応では、第一段階で生成した(PMDA−FDA―PMDA)に、(2BCD+4DADE)を加えて反応して、両末端にDADEが結合したオリゴマーである(DADE−BCD−DADE)−(PMDA−FDA―PMDA)−(DADE―BCD―DADE)を生成する。
第三段階の反応では、(i)(2BPDA+HOAB・SO)(実施例3)又は(ii)(2BTDA+HOAB・SO)(実施例4)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
実施例3では、繰り返し単位[(DADE−BCD−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(DADE−BCD−DADE)−(BPDA−HOAB・SO−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
実施例4では、繰り返し単位[(DADE−BCD−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(DADE−BCD−DADE)−(BTDA−HOAB・SO−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
実施例3の組成比は、
(PMDA)(DADE)(BCD)(HOAB・SO(FDA)(BPDA)である。
実施例4の組成比は、
(PMDA)(DADE)(BCD)(HOAB・SO(FDA)(BTDA)である。
実施例5に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、FDAの両アミノ基にPMDAが結合したイミドオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたイミドオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、第一段階で生成させたイミドオリゴマーの両末端に4,4'−DADEが結合したイミドオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例6に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、FDAの両アミノ基にPMDAが結合したオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)4モル当量を反応させ、前記オリゴマーの両末端にDADEが結合したイミドオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例5及び6の反応では、第一段階の反応には(2PMDA+FDA)を反応して、FDAの両アミノ基にPMDAが結合したイミドオリゴマーである(PMDA−FDA―PMDA)を生成する。
第二段階の反応では、(2BCD+4DADE)を加えて反応して、第一段階で生成したイミドオリゴマーの両末端にDADEが結合してイミドオリゴマーである(DADE−BCD−DADE)(PMDA−FDA―PMDA)(DADE―BCD―DADE)を生成する。
第三段階の反応では、(i)(2BPDA+mTPE)(実施例5)又は(ii)(2BTDA+mTPE)(実施例6)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
実施例5では、繰り返し単位[(DADE−BCD−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(DADE−BCD−DADE)−(BPDA−mTPE−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
実施例6では、繰り返し単位[(DADE−BCD−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(DADE−BCD−DADE)−(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
実施例5の組成比は、
(PMDA)(DADE)(BCD)(mTPE)(FDA)(BTDA)である。
実施例6の組成比は、
(PMDA)(DADE)(BCD)(mTPE)(FDA)(BTDA)である。
実施例7に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端がPMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量、3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)4モル当量を反応させ、両末端がmDADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例7の反応では、第一段階の反応には(2PMDA+HOAB・SO)を反応して、両末端PMDAのオリゴマーである(PMDA−HOABSO―PMDA)を生成する。
第二段階の反応では、(2BPDA+4mDADE)を加えて反応して、両末端mDADEのオリゴマーである(mDADE−BPDA−mDADE)(PMDA−HOAB・SO―PMDA)(mDADE―BPDA―mDADE)を生成する。
第三段階の反応では、(2BCD+mTPE)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
得られたポリイミドは、
実施例7では、繰り返し単位[(mDADE−BPDA−mDADE)−(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(mDADE−BPDA−mDADE)−(BCD−mTPE−BCD)]を有するポリイミドを生成する。
実施例7の組成比は、
(PMDA)(mDADE)(BCD)(mTPE)(HOAB・SO(BPDA)である。
実施例8に対応する製造方法
(a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)2モル当量とビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端が4,4'−DADEであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)2モル当量を反応させ、両末端がPMDAであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)1モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)2モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例8の反応では、第一段階の反応には(BPDA+2DADE)を反応して、両末端DADEのオリゴマーである(DADE−BPDA―DADE)を生成する。
第二段階の反応では、(2HOAB・SO+4PMDA)を加えて反応して、両末端PMDAのオリゴマーである(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(DADE−BPDA―DADE)(PMDA―HOAB・SO―PMDA)を生成する。
第三段階の反応では、(BCD+2mTPE)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
得られたポリイミドは、
実施例8では、繰り返し単位[(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(DADE−BPDA−DADE)−(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(mTPE−BCD−mTPE)]を有するポリイミドを生成する。
実施例8の組成比は、
(PMDA)(DADE)(BCD)(mTPE)(HOAB・SO(BPDA)である。
実施例9に対応する製造方法
(a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)2モル当量とベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端が4,4'−DADEであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)2モル当量を反応させ、両末端がPMDAであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)1モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)2モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例9の反応では、第一段階の反応には(BTDA+2DADE)を反応して、両末端DADEのオリゴマーである([DADE]−[BTDA]―[DADE])を生成する。
第二段階の反応では、(2HOAB・SO+4PMDA)を加えて反応して、両末端PMDAのオリゴマーである([PMDA]−[HOAB・SO]−[PMDA])([DADE]−[BTDA]―[DADE])([PMDA]―[HOAB・SO]―[PMDA])を生成する。
第三段階の反応では、(BCD+2mTPE)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
得られたポリイミドは、
実施例9では、繰り返し単位[([PMDA]−[HOAB・SO]−[PMDA])([DADE]−[BTDA]−[DADE])([PMDA]−[HOAB・SO]−[PMDA])([mTPE]−[BCD]−[mTPE])]を有するポリイミドを生成する。
なお、[PMDA]は、PMDAの残基であり、[BCD]は、BCDの残基であり、[HOAB・SO]は、HOAB・SOの残基であり、[DADE]は、DADEの残基であり、[BTDA]は、BTDAの残基であり、[mTPE]は、mTPEの残基であり、のような表現も可能である。
実施例9の組成比は、
(PMDA)(DADE)(BCD)(mTPE)(HOAB・SO(BTDA)である。
実施例10に対応する製造方法
(a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)2モル当量とビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、BPDAの両方の酸無水物基に4,4'−DADEが結合したイミドオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)1モル当量及びビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量を反応させ、第一段階で生成させたオリゴマーの一方の末端にPMDAが結合し、他方の末端にBCDが結合したイミドオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)第二段階で生成させたオリゴマーと、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例10の反応では、第一段階の反応には(BPDA+2DADE)を反応して、両末端DADEのオリゴマーである(DADE−BPDA―DADE)を生成する。
第二段階の反応では、(2PMDA+HOAB・SO+BCD)を加えて反応して、両末端PMDAのオリゴマーである(PMDA)(DADE−BPDA―DADE)(PMDA―HOAB・SO―BCD)を生成する。
第三段階の反応では、(mTPE)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
実施例10で得られたポリイミドは、繰り返し単位[(PMDA)−(DADE−BPDA−DADE)−(PMDA−HOAB・SO−BCD)−(mTPE)]を有するポリイミドであった。
実施例10の組成比は、
(PMDA)(DADE)(BCD)(mTPE)(HOAB・SO(BPDA)である。
本発明の実施例1〜10の反応を下記の表1及び表2に示す。
Figure 2011033690
Figure 2011033690
実施例において生成物の分子量を測定した。反応液をNMPで希釈して、高速液体クロマトグラフ(東ソー GPC:HL8 320)によって、測定し、M (数平均分子量)、 M (重量平均分子量)、M (Z平均分子量)及び M/M 比を示す。重合度(n)をM(測定値)/分子量(計算値)で示した。
ポリイミドフイルムの熱分解開始温度(Tm)及びガラス転移温度(Tg)を測定した。MacScience社製 TG―DTA分析装置を用い、昇温速度 10℃/min、室温〜600℃までN気流中で測定した。
[実施例1]
(2PMDA+HOAB・SO )(2BCD+4mDADE)(2BPDA+mTPE)の反応生成物
ステンレス製碇型攪拌機を取り付けた500ml容量のガラス製3つ口ガラスフラスコに、水分分離トラップを備えた蛇管式冷却器を取り付けた。窒素ガスを通しながら、上記フラスコをシリコン浴につけて、加熱、攪拌した。反応液中に加えられた少量のトルエンが還流し、生成した水は水分分離トラップにとどめられる。
(1)ガラス製500ml容量の三つ口フラスコ中に、ピロメリット酸ジ無水物(以後PMDAという)4.36g(20ミリモル)、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(以後HOAB・SOという)2.80g(10ミリモル)を、γ―バレロラクトン1.2g(12ミリモル)、ピリジン(MW79) 2.4g(14ミリモル)、N−メチルピロリドン(以後 NMPという)80g、トルエン 15g の溶液中に加えた。反応器をシリコンオイル浴につけ、窒素を通しながら、シリコンオイル浴温度、180℃、回転数/分(以下、r.p.m.と略す。)180で50分間、加熱攪拌した。その後、反応器をシリコン浴からはずして、20分間、空冷した。
(2)3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)8.00g(40ミリモル)、ついで、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物 (以後BCDという) 4.96g(20ミリモル)をNMP 60gと共に加え、再び、反応器をシリコンオイル浴につけて、180℃、180r.p.m.で30分間反応し、その後、20分間空冷した。
(3) BPDA 5.88g (20 ミリモル)を加え、ついで、mTPE 2.92g(10ミリモル)をNMP 50gと共に加えた。室温で20分間攪拌後、反応器をシリコンオイル浴につけ、180℃、180r.p.m.で加熱攪拌し、重合反応を開始した。3時間反応後、粘度が上昇したため、NMP 100gを追加して、更に、30分間反応した。10%濃度のポリイミド溶液を得た。反応後の一部をNMPで希釈して、高速液体クロマトグラフ(GPC:HL8 320、東ソー(株)製)で、分子量及び分子分布を測定した。
数平均分子量 (Mn) 23,200
重量平均分子量 (Mw) 63,500
Z平均分子量 (Mz) 130,640
Mw/Mn 比 2.90
単一分子量(計算値) 2694
重合度(n) 24
ポリイミド溶液をガラス板上に塗布し、150℃で30分間攪拌後、ポリイミドフイルムをガラス板より、はぎとり、金属枠に固定して、280℃ 1時間 加熱、攪拌して、試料とした。
McScience社製TG−GTA装置で熱分析した。一次減量温度 405℃、Tm 545℃、Tg 330℃であった。実施例1により、繰り返し単位[(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BCD−mDADE)(BPDA−mTPE−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例2]
(2PMDA+HOAB・SO )(2BCD+4mDADE)(2BTDA+mTPE)
(1)500mlのガラス製3つ口フラスコに、PMDA 6.48g(30ミリモル)、HOAB・SO 4.2g(15ミリモル)及び、γ―バレロラクトン 1.0g、ピリジン 1.5g、NMP100g、及びトルエン30gを仕込む。窒素を通じながら、180℃に加熱、攪拌を50分間行った後、空冷30分間、ついで、
(2)3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADEという) 12.0g(60ミリモル)を加える、ついで、BCD 7.44g (30ミリモル)とNMP 100gを共に加えて室温で20分間攪拌後、
(3)BTDA 8.82g(30 ミリモル)、ついで、mTPE 4.38g (10ミリモル)をNMP 86g と共に加え、室温で180r.p.m.で20分間攪拌した。反応器を、シリコン浴につけて、180℃、180r.p.m.で、加熱攪拌した。3時間反応後、冷却した。反応液は15%濃度ポリイミド溶液を得た。
反応後の一部をとりNMPで希釈してGPCによる分子量を測定した。
Mn (数平均分子量) 14,300
Mw (重量平均分子量) 80,410
Mz (Z平均分子量) 195,800
Mw/Mn 比 5.36
単一分子量(計算値) 2750
重合度(n) 29
ポリイミド溶液をガラス板上に塗布し、150℃にして、フイルムをにして、ガラス板よりはずし、金属枠に固定して、280℃ 1時間 加熱、攪拌した。McScience社製TG−GTA装置で熱分析して、一次減量温度 401℃、Tm 548℃、Tg 330℃であった。
実施例2により、繰り返し単位[(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BCD−mDADE)(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例3]
(2PMDA+FDA)(2BCD+4DADE)(2BPDA+HOAB・SO
実施例1と同様に操作をした。窒素導入口、トルエンの還流器をとりつけた三つ口フラスコに、試料を導入して、窒素を通じながら、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌し、トルエンを還流しながら、生成する水を系外に除いた。
(1)ガラス容器(500ml容量)に、PMDA 4.36g (20ミリモル)、FDA 3.49g(10ミリモル)、γ−バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 85g、トルエン 25gを加える。180℃、180r.p.m.で窒素気流中、40分間、加熱、攪拌し、30分間空冷した。
(2)4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)、ついで、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 81gと共に加え、180r.p.m.で、30分間攪拌した。オイルバスにつけて、180℃、150r.p.m.で30分間加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(3)BPDA 5.88g (20ミリモル)、HOAB・SO 2.80g(10ミリモル)、NMP 80gを加えて、20分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌して、重合反応を行った。3時間10分反応を行った。ポリイミド濃度12%であった。
ポリイミド溶液をGPCの測定をして、分子量を決定した。
数平均分子量(Mn) 13,800
重量平均分子量(Mw) 58,240
Z平均分子量(Mz) 211,400
Mw/Mn 4.22
単一分子量(計算値) 2941
重合度(n) 20
ポリイミドフイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 418℃、Tm 546℃、Tg 377℃であった。
実施例3により、繰り返し単位[(DADE−BCD−DADE)(PMDA−FDA−PMDA)(DADE−BCD−DADE)(BPDA−HOAB・SO−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例4]
(2PMDA+FDA)(2BCD+4DADE)(2BTDA+HOAB・SO
実施例1と同様に操作をした。
(1)ガラス反応器中に、PMDA 4.36g (20ミリモル)、FDA 3.49g (10ミリモル)、γ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 85g、トルエン 25gを加え、180r.p.m.にて攪拌し、180℃、180r.p.m.にて、40分間、加熱、攪拌後、30分間空冷して、
(2)4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)、ついで、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 85gと共に加え, 180r.p.m.で、30分間攪拌し、ついで、180℃、150r.p.m.で、30分間加熱、攪拌後、20分間空冷した。
(3)BTDA 6.44g (20ミリモル)、HOAB・SO 2.80g (10ミリモル),NMP 80gを加えて、20分間室温で、180r.p.m.に攪拌後、昇温し、180℃、180r.p.m.に、加熱、攪拌して、重合を促進した。3時間10分で反応を停止した。12%濃度のポリイミド溶液を得た。
GPCによる分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 13,800
重量平均分子量(Mw) 58,240
Z平均分子量(Mz) 211,400
Mw/Mn 4.23
単一分子量(計算値) 2969
重合度(n) 19
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 418℃、Tm 546℃、Tg 377℃であった。
実施例4により、繰り返し単位[(DADE−BCD−DADE)(PMDA−FDA−PMDA)(DADE−BCD−DADE)(BTDA−HOAB・SO−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例5]
(2PMDA+FDA)(2BCD+4DADE)(2BPDA+mTPE)
実施例1と同様に操作をした。
(1)ガラス製三つ口フラスコ中に、PMDA 5.88g (20ミリモル)、FDA 3.49g (10ミリモル)、γ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gを仕込んだ。180℃、180r.p.m.で、40分間、加熱、攪拌後、20分間空冷した。
(2)4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)を加えて攪拌、少し間をおいて、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 60gと共に加えて,20分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌を20分間行って、空冷した。
(3)BPDA 5.88g (20ミリモル)を加え、ついで、mTPE 2.92g (10ミリモル),NMP 80gと共に加え室温で攪拌40分間行った。反応器をシリコン浴につけて、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌した。5時間で反応を停止した。14%濃度のポリイミド溶液を得た。
生成物の分子量をGPCで測定した。
数平均分子量(Mn) 32,300
重量平均分子量(Mw) 77,740
Z平均分子量(Mz) 243,300
Mw/Mn 2.43
単一分子量(計算値) 3023
重合度(n) 26
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 435℃、Tm 556℃であり、Tgは、322℃と459℃に認められた。
実施例5により、繰り返し単位[([DADE]−[BCD]−[DADE])(PMDA−FDA−PMDA)(DADE−BCD−DADE)(BPDA−mTPE−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例6]
(2PMDA+FDA)(2BCD+4DADE)(2BTDA+mTPE)
実施例1と同様に操作をした。
(1)PMDA 8.72g (40ミリモル)、FDA 6.98g (20ミリモル)、γ―バレロラクトン 2.0g、ピリジン 4.0g、NMP 140g、トルエン 50gを加えて、180℃、180r.p.m.で、窒素気流中、40分間、加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(2)4,4'−DADE 16.00g(80ミリモル)を添加し、ついで、BCD 9.92g(40ミリモル)をNMP 80gと共に加えて,攪拌、溶解した。ついで、20分間、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(3)BTDA 12.88g(40ミリモル)を加え、ついで、mTPE 5.84g (20ミリモル)をNMP 82gと共に加えた。20分間室温で攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌して、反応を2時間30分行なった。気泡粘度計での粘度は17.6であった。20%濃度のポリイミド溶液を得た。この溶液は粘度が高く、一夜放置すると、ゲル化する。従って、溶媒で希釈して、保存した。
GPCによる分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 24,380
重量平均分子量(Mw) 84,460
Z平均分子量(Mz) 244,300
Mw/Mn 3.46
単一分子量(計算値) 3019
重合度(n) 28
熱分析を行った。
一次減量温度 431℃、Tm 541℃であり、Tgは、425℃と455℃に認められた。
実施例6により、繰り返し単位[(DADE−BCD−DADE)(PMDA−FDA−PMDA)(DADE−BCD−DADE)(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例7]
(2PMDA+HOAB・SO )(2BPDA+4mDADE)(2BCD+mTPE)
(1)ステンレス製の碇型、攪拌機をとりつけた、500ml容量のガラス製三つ口フラスコを用いる。水分分離トラップをとりつけた、蛇管式冷却器をとりつける。一方の口から窒素を流入させ、トルエンを還流させて、生成する水をトルエンと共沸で除去、水分分離トラップに生成する水をためる。
上記の反応器中に、HOSOAB 2.85g (10ミリモル)、ついでPMDA 4.36g(20ミリモル)とγ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gの溶液と共に加えて、室温で攪拌溶解させる。
窒素を通じながら、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌する。50分間加熱して、空冷20分後、
(2)3,4’−ジアミノジフェ二ルエーテル(mDADE) 8.00g(40ミリモル)を加え、ついで、BPDA 5.88g(20ミリモル)をNMP 60gと共に加える。10分間攪拌後、180℃、180r.p.m.に30分間加熱する。空冷20分後に、
(3)BCD 4.96g(20ミリモル)を加え、ついで、mTPE 2.92g (10ミリモル)を、NMP 50gと共に加えた。10分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌した。3時間反応後に粘度が向上したため、NMP 100gを添加した。更に、30分間、180℃、180r.p.m.で反応して、反応を停止した。10%濃度のポリイミド溶液である。
GPCによる分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 10,460
重量平均分子量(Mw) 24,260
Z平均分子量(Mz) 43,900
Mw/Mn 2.32
単一分子量(計算値) 2694
重合度(n) 9
熱分析により 一次減量温度 409℃、Tm 549℃、Tg 236℃であった。
実施例7により、繰り返し単位[(mDADE−BPDA−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BPDA−mDADE)(BCD−mTPE−BCD)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例8]
(BPDA+2DADE)(4PMDA+2HOAB・SO )(BCD+2mTPE)
実施例7と同様に操作した。
(1)ガラス容器(500ml容量)中に、BPDA 2.94g(10ミリモル)、4,4'−DADE 4.00g(20ミリモル)を加え、これにγ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 83g、トルエン 25gと加えて、攪拌、溶解した。ついで、180℃、180r.p.m. に40分間加熱、攪拌した後、20分間空冷した。
(2)次に、PMDA 8.72g(40ミリモル)を加え、次に、HOAB・SO 5.64g(10ミリモル)をNMP 80gと共に加え、180r.p.m. に20分間攪拌し、180℃、180r.p.m.で30分間、加熱、攪拌する。次で、20分間空冷して、
(3)mTPE 5.84g(20ミリモル)とBCD 2.48g(10ミリモル)を、NMP 80gと共に加えて、10分間攪拌し、後、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌した。3時間後、攪拌を130r.p.m.におとし、更に、20分間180℃、130r.p.m.に加熱、攪拌した。12%濃度のポリイミドワ二スを得た。
GPCで分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 16,110
重量平均分子量(Mw) 123,990
Z平均分子量(Mz) 214,450
Mw/Mn 6.46
単一分子量(計算値) 2960
重合度(n) 42
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 411℃、Tm 542℃、Tg 361℃であった。
[実施例9]
(BTDA+2DADE)(4PMDA+2HOAB・SO )(BCD+2mTPE)
実施例7と同様に操作した。
(1)BTDA 3.22g(10ミリモル)、4,4'−DADE 4.00g(20ミリモル)を加え、これに、γ―バレロラクトン1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 85g、トルエン 24gと加えて、180℃、180r.p.m.で攪拌しながら反応させた。ついで、180℃、180r.p.m.で窒素気流中で40分間、加熱、攪拌後、20分間空冷した。
(2)次に、PMDA 8.72g(40ミリモル)を加え、次に、HOAB・SO 5.64g(20ミリモル)をNMP 80gと共に加え、20分間攪拌した。
(3)mTPE 5.84g (20ミリモル)、ついで、BCD 2.48g(10ミリモル)と、NMP 80gと共に加えて、20分間室温で攪拌し、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌して重合反応を行った。2時間55分で粘度の上昇を認めた。回転数を180r.p.m.から130r.p.m.に落とし、更に、35分間加熱、攪拌した。12%濃度のポリイミドワ二スを得た。
GPCで分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 15,250
重量平均分子量(Mw) 98,000
Z平均分子量(Mz) 244,970
Mw/Mn 6.42
単一分子量(計算値) 2932
重合度(n) 33
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 408℃、Tm 544℃、Tg 332℃であった。
実施例9により、繰り返し単位[(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(DADE−BTDA−DADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mTPE−BCD−mTPE)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例10]
(BPDA+2DADE)(2PMDA+BCD+HOAB・SO )(mTPE)
実施例7と同様に操作した。
(1)500ml容量のガラス反応器にBPDA 2.94g(10ミリモル)、4,4'−DADE4.0g (20ミリモル)及び、γ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gと加え攪拌し、180℃、180r.p.m.で窒素を流しながら40分間、加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(2)次いで、PMDA 4.36g(20ミリモル)、ついで、BCD 2.48g (10ミリモル)及び、HOSOAB 2.80g(10ミリモル)をNMP 60gと共に加えて、20分間室温で攪拌後、180℃、180r.p.m. で20分間、加熱、攪拌した。空冷を10分した後、
(3)mTPE 2.92g(10ミリモル)、NMP 30gを加えて、10分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、窒素中、加熱、攪拌して、重合反応を行った。4時間40分で反応を停止した。11%濃度のポリイミド溶液を得た。
GPCによるワ二スの分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 24,030
重量平均分子量(Mw) 71,120
Z平均分子量(Mz) 158,880
Mw/Mn 3.17
単一分子量(計算値) 1695
重合度(n) 42
フイルムの熱分析を行なった。
一次減量温度 413℃、Tm 552℃、Tg 354℃と418℃に認められた。
実施例10により、繰り返し単位[(PMDA)(DADE−BPDA−DADE)(PMDA−HOAB・SO−BCD)(mTPE)]を有するポリイミドが生成された。
[参考例1]
(2BPDA+HOAB・SO )(2BCD+4DADE)(2BTDA+mTPE)
(1)実施例1と同様に操作した。ガラス製反応器に、BPDA5.88g (20 ミリモル)、HOAB・SO 2.80g (10 ミリモル)にNMP 78gを加え、更に、γ−バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g を加える。これに、トルエン 25gを加えて溶液とした。
窒素を通しながら、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌を50分間行い、20分間空冷した。
(2)次いで、4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)を加え、さらに、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 66gと共に加えて、室温で20分間攪拌して、溶液とした。ついで、
(3)BTDA 6.44g (20ミリモル)を加え、mTPE 2.92g(10ミリモル)をNMP 80gと加えて、室温で攪拌20分間、均一液とする。 180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌する。 反応を3時間行った。15%濃度のポリイミド溶液を得た。
ポリイミド溶液の分子量をGPCで測定した。
数平均分子量(Mn) 9,620
重量平均分子量(Mw) 51,740
Z平均分子量(Mz) 121,190
Mw/Mn 5.38
単一分子量(計算値) 3103
重合度(n) 17
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 402℃、Tm 551℃、Tg 284℃であった。
参考例1により、繰り返し単位[(DADE−BCD−DADE)(BPDA−HOAB・SO−BPDA)(DADE−BCD−DADE)(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
[参考例2]
(2BPDA+HOAB・SO )(2BCD+4DADE)(2BPDA+FDA)
実施例1と同様に合成操作をした。
(1)500mlのガラス反応器中に、BPDA 5.88g (20ミリモル)、HOAB・SO 2.80g (10ミリモル)、γ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gを仕込む。
オイルバス中で、180℃、180r.p.m.で40分間加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(2)4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)を加え、ついで、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 60gと共に加えた。20分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌を20分間行った。ついで、20分間空冷した。
(3)BPDA 5.88g (20ミリモル)、FDA 3.49g(10ミリモル)をNMP 80gと共に加えた。均一な反応液を20分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、窒素気流中で加熱、攪拌した。5時間で反応を停止した。14%濃度のポリイミド溶液を得た。
GPCの熱分析により
数平均分子量(Mn) 34,990
重量平均分子量(Mw) 109,200
Z平均分子量(Mz) 202,312
Mw/Mn 3.12
単一分子量(計算値) 3103
重合度(n) 35
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 435℃、Tm 556℃であり、Tgは、322℃と459℃に認められた。
参考例2により、繰り返し単位[(DADE−BCD−DADE)(BPDA−HOAB・SO−BPDA)(DADE−BCD−DADE)(BPDA−mTPE−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
本発明の溶媒可溶ポリイミドは、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)及びビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物(BCD、通称、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物という。)を含む機能性のある溶媒可溶ポリイミドである。三段階反応によって酸触媒の存在下で生成する溶媒可溶ポリイミドである。
ここで、DADEは、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)又は3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む。
ポリイミドは1960年代、デュポン社によって製造、販売されたKAPTONが知られていて、ピロメリット酸ジ無水物(PMDAという)及び4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)より構成されている。
KAPTONは、ガラス転移温度(Tg)が420℃、熱分解開始温度(Tm)は500℃以上の特性を示し、電気絶縁性、機械的強度、耐薬品性にすぐれたポリマーとして、宇宙航空、車輌の材料、電気・電子部品、半導体用の材料として、広く利用されている。(非特許文献1; Polyimides; D. Wilson, H.D. Steinberger, R.M.Morgenrother; Blackie, New York (1990)。
1980年代、宇部興産(株)によってポリイミド“Upilex”が製造、販売された。ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDAという)及び1,4-ジアミノベンゼン(PPDという)より構成され、Tg 500℃、Tm 550℃の耐熱性ポリイミドフイルムである。
超耐熱性ポリイミドとしとて知られているKAPTONは、PMDA及び4,4’−DADEからなる二成分系の組成のポリイミドであり、同じくUpilexは、BPDA及びPPDからなる二成分系の組成のポリイミドであり、不溶、不融と言われ、両者ともにポリアミック酸を経由して合成される。
以後、今日まで、KAPTON,Upilexに対応する耐熱性ポリイミドは製造されていない。これらのポリイミドは、有機溶媒に難溶のポリイミドであり、これらの成分であるPMDA、BPDAに代替できるテトラカルボン酸ジ無水物が開発されていない。PMDAと4,4’−DADEより構成されるKAPTONは、溶媒に難溶である。その理由は、PMDA−4,4’−DADE−PMDA又は、4,4’−DADE−PMDA−4,4’−DADE結合が生成しているためである。
KAPTON,Upilexは溶媒に難溶のポリイミドであり、無水の溶媒(例えば、N−ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリドン等)中で、低温で重縮合してポリアミック酸を合成し、ついで流延・加熱して、ポリアミック酸のイミド化反応を伴って、高温処理(400℃以上)して、ポリイミドフイルムが製造されている。
ポリアミック酸は無水の溶媒中に、冷凍保存され、容易に水で分解し、熱分解し易く、保存安定性が悪い。
ポリアミック酸は溶液中で、速かな交換反応を行っていて、ランダム共重合体となるため改質が困難である。
種々の芳香族テトラカルボン酸ジ無水物と芳香族ジアミンとを無水酢酸及びピリジンの溶液中で、直接イミド化することが知られているが、工業的生産に適するプロセスとして採用されていない。
酸触媒を用いる溶液中のイミド化反応も知られている。例えば、トルエンスルホン酸や、リン酸等の酸触媒を用いて溶液中でイミド化反応が促進される。然し、溶液中に酸触媒が残存していて、ポリイミドの劣化原因となるため、ポリイミドと触媒の分離保持が必要となる[特許文献3;A.Berger、 米国特許 第4,011,279号 ; 米国特許第4,395,527号 ]。
有機溶媒に可溶なポリイミドの合成には、先ず新規な触媒の開発が必要であった。重縮合反応中は酸触媒として作用し、反応の終点では消失する新規な触媒の開発が行われた。[特許文献4; Y. Oie, H. Itatani, 米国特許第5,502,143号]
ラクトンの平衡を利用する新規な触媒である。γ―バレロラクトンとピリジン又はγ―バレロラクトンとN-メチルモルホリンの混合物は、水の存在下で[酸]+[塩基]となり、このことから水を除去すると、再び、γ―バレロラクトンとピリジン、又はγ―バレロラクトンとN-メチルモルホリンの混合物となる平衡を利用する。(式1)
Figure 2011033690
反応系中に触媒量のγ―バレロラクトン及びピリジン、又はγ―バレロラクトンとN-メチルモルホリンを添加し、同時に適量のトルエンを添加して160−200℃に加熱して、イミド化反応を行う。
反応の初期に生成した水によって、[酸] [塩基]が生成して、イミド化反応を促進する。反応系中に加えられたトルエンによってトルエンの還流を行いながらイミド化反応は進行し、生成する水はトルエンの共沸によって系外に除かれる。イミド化反応の終点では、反応系は無水の状態に近づき、[酸] [塩基]触媒は、γ―バレロラクトンとピリジン又はγ―バレロラクトンとN-メチルモルホリンとなり系外に除かれる。かくして高純度のポリイミドが生成する。
本発明者は、特許文献1(国際公開第2008/120398号パンフレット)により、主発明として、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)及び2,4−ジアミノトルエン(DAT)の4成分からなる、有機極性溶媒に可溶の耐熱性ポリイミド共重合体において、BPDAの両末端にDADEが結合するオリゴマーを生成する第一段階、ついで、PMDA及びDATを添加することにより、その両末端にPMDAが結合するイミドオリゴマーにする第二段階及びDATを添加する重縮合の第三段階、の反応生成物であり、ガラス転移温度が430℃以上である、前記耐熱性ポリイミド共重合体を開示した。
さらに、本発明者は、特許文献2(国際公開第2008/155811号パンフレット)により、1モル当量のビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)と2モル当量のジアミノジフェニルエーテル(DADE)とを有機極性溶媒中、触媒の存在下に160〜200℃に加熱して生成したイミドオリゴマーに4モル当量のピロメリット酸ジ無水物(PMDA)と2モル当量のジアミノトルエン(DAT)を添加することによって両末端がPMDAのイミドオリゴマーである6,6−イミドセグメントを合成し、前記6,6−イミドセグメントの溶液に1モル当量のテトラカルボン酸ジ無水物(Aという)と2モル当量の芳香族ジアミン(Bという)を添加し加熱して生成する三段重合法による6,6−ポリイミド共重合体の製造方法を開示している。
特許文献1及び2から、三段階により反応を行うことにより、有機極性溶媒に可溶の、ガラス転移温度が430℃以上であるポリイミドが合成できたことを報告している。
国際公開第2008/120398号パンフレット 国際公開第2008/155811号パンフレット A.Berger、 米国特許第4,011,279号; 米国特許第4,395,527号 Y. Oie, H. Itatani, 米国特許第5,502,143号
Polyimides; D. Wilson, H.D. Steinberger, R.M.Morgenrother; Blackie, New York (1990)
本発明は、特許文献1及び2で開示した三段階により反応を行うことにより、極性有機溶媒に可溶のポリイミドをさらに発展させたものである。即ち、特許文献1及び2のポリイミドの特徴である三段階により反応させることによる極性有機溶媒に可溶であるという特徴を保持しつつ、下記の構造式を有するビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物(BCD、通称、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物という。)を付加することにより、ポリイミドに、PMDAと比べて有機溶媒への溶解性にすぐれ、高密着特性を示す特徴を更に付与した。本発明で必須の成分であるBCDは、PMDAと比べて溶解性にすぐれ、高密着特性を示すからである。
ビシクロ(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物
Figure 2011033690
PMDA-DADE系ポリイミドは、特に、溶媒に難溶である(PMDA−DADE−PMDA)又は(DADE−PMDA−DADE)のイミド化合物が生成するとポリイミドは析出する。従って、本発明では、この化合物を含まない合成プロセスを検討したことは、特許文献1及び2と同様である。
これを防ぐために、4成分系のブロック共重合ポリイミドの研究においても、有機溶媒可溶のポリイミドは知られていない。
本発明では、PMDAとDADEとは同一の反応段階で使用しないプロセスを採用した。
本発明は、(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(b)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA、典型的には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物)、(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)及び(d)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、を成分として含む、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、前記ポリイミドは、三段階添加反応により合成され、第一段階では、酸ジ無水物と芳香族ジアミンとの反応により低分子量イミド化合物を生成させ、第二段階では、第一段階で生成した低分子量イミド化合物にさらに酸ジ無水物と芳香族ジアミンを反応させて低分子量イミド化合物を生成させ、第三段階では、重縮合反応を行うことからなる、530℃〜570℃の範囲の熱分解開始温度を有する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドを提供する。
より具体的には、本発明は、(1)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)とを触媒の存在下に反応させて、芳香族ジアミンの両アミノ基に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成する第一段階、
(2)前記化合物に、酸ジ無水物(2モル当量)、芳香族ジアミン(4モル当量)とを添加して反応させて、両末端に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成させる第二段階、次いで、
(3)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
前記酸ジ無水物が、(i)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(ii)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)及び(iii)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、前記芳香族ジアミンが、(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)又は(ii)3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミドを提供する。
さらに、本発明は、(1)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)とを触媒の存在下に反応させて、前記芳香族ジアミンの両アミノ基に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成する第一段階、
(2)前記化合物に、酸ジ無水物(2モル当量)、芳香族ジアミン(4モル当量)とを添加して反応させて、両末端に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成させる第二段階、次いで、
(3)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
酸ジ無水物として、(i)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(ii)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)及び(iii)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、芳香族ジアミンとして(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)又は(ii)3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミドを提供する。
また、本発明は、(1)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成する第一段階、
(2)前記化合物に、酸ジ無水物(4モル当量)、芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成させる第二段階、次いで、
(3)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、
により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
酸ジ無水物として、(i)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(ii)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)及び(iii)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、芳香族ジアミンとして(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)又は(ii)3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミドを提供する。
さらにまた、本発明は、(1)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成する第一段階、
(2)前記化合物に、酸ジ無水物(4モル当量)、芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物、即ち、オリゴマーを生成させる第二段階、次いで、
(3)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
酸ジ無水物として、(i)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(ii)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)及び(iii)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、芳香族ジアミンとして(i)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)又は(ii)3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミドを提供する。
さらに、本発明は、
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(b)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)又はベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)、(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)及び(d)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、を成分として含み、三段階添加反応により合成する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
第一段階では、酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物を生成させ、
第二段階では、前記低分子量イミド化合物に、酸ジ無水物(3モル当量)、芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物を生成させ、
第三段階では、芳香族ジアミン(1モル当量)を加えて、重縮合反応を行う、
有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド、を提供する。
本発明のポリイミドについてMn (数平均分子量) (重量平均分子量)、M (Z平均分子量)及び /Mn 比を示す。 重合度(n)をM(測定値)/分子量(計算値)で示した。
本発明のポリイミドフイルムのMnは、10,000〜25,000の範囲であり、好ましくは、10,300〜24,500の範囲であり、より好ましくは、10,460〜24,380の範囲であり、一次減量温度は、390℃〜460℃好ましくは、395℃〜450℃より好ましくは、401〜435℃の範囲である。
本発明のポリイミドフイルムの熱分解開始温度(Tm)は、530℃〜570℃、好ましくは、535℃〜560℃、より好ましくは、541℃〜556℃の範囲である。
PMDA、DADE及びBPDAと共にビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCDという)を含有する機能性を有する溶媒に可溶なポリイミドを合成した。BCDを付加することにより、ポリイミドに、PMDAと比べて有機溶媒への溶解性にすぐれ、高密着特性を示す特徴を更に付与した。
PMDAと結合して機能性を示し且つ溶媒可溶となる芳香族ジアミンとしてビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SOという)及び9,9―ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDAという)を示す。BCDと共存して接着性を強める1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)を加えた反応系を採用してPMDA−DADE−BPDA−BCD系の溶媒可溶、機能性、超耐熱性、ポリイミドを開発した。
HOAB・SOは、下記の化学式を有する。
Figure 2011033690
FDAは、下記の化学式を有する。
Figure 2011033690
mTPEは、下記の化学式を有する。
Figure 2011033690
本発明は、電着性、感光性、接着性等の機能をもつポリイミドとして利用することができる。
また、本発明は、金属、繊維、フイルムの表面に塗布して難燃性複合材料にする発泡ポリイミドとして使用できる。
本発明のポリイミドは、流延加熱してフイルム化することでき、耐熱性フイルムとして、電気、電子部品、車輌部品、半導体等に広く利用することができる。
本発明は、保存安定性の良い溶媒可溶のポリイミドで、従来の難溶ポリイミドに比べて作業性に優れている。建材、家庭用高温材料(アイロンの底、壁の内張リ、電子レンジの内壁用、難燃性カーテン)、テフロン(登録商標)の代替、発泡ポリイミドの利用等多目的に使用が可能である。
PMDA、DADE、BPDA及びBCDを含有するポリイミドは、耐熱特性の他に機能性ポリイミドの特性、低温加工性、密着性による新たな展開が可能となった。ガラス転移温度330℃付近の低温を示す。この結果、金属ガラス樹脂との複合材料として機能性ポリイミドとして利用することができる。
PMDA、DADE、BPDA、BCD、FDA及びHOAB・SOを含有する有機溶媒に可溶のポリイミドは、耐熱特性と共に機能性ポリイミドとして利用することができる。FDAは、高い熱分解特性と溶解性を高める特性を有する。HOAB・SOは、酸ジ無水物とイミド結合又はオキサゾール結合をする化合物であり、ポジ型感光特性、電着、接着性をポリイミドに付与する。更に、本発明で使用する芳香族ジアミン成分として、mTPE、ジアミノトルエン、3、5−ジアミノ安息香酸、3、3’−ジメチルベンチジン等のジアミンを含むことができる。
発明のポリイミドは、保存安定性がよく、低温処理によって溶媒を除くことによって、製膜することができる。
本発明の溶媒可溶ポリイミドは、PMDA、DADE、BPDA及びBCDを含む機能性ポリイミドである。4,4'−DADEは、mDADEに置き換えることができる。
本発明においては、mTPEを芳香族アミンとして、第三段階に添加でき、HOAB・SOを第一段階、第二段階、第三段階のいずれかに添加でき、PMDAは、第三段階では添加しないことができ、DADEは、第三段階では添加しないことができ、BCDを第二段階又は第三段階に添加でき、mTPEを第三段階に添加できる。PMDA、DADE、BPDA及びBCDを含有する有機溶媒に可溶のポリイミドには、製造上の制限がある。PMDAは、線状ポリイミドの他に架橋ポリイミドを生成する。従って、PMDA成分は、本発明の三段階添加反応においては、即ち、三段階目の重合反応に使用することは好ましくない。PMDAは、第一段又は第二段の反応において添加される。
また、本発明においては、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)を第一段階に添加することができ、第三段階にPMDAを添加しないことができ、第三段階にDADEを添加しないことができる。また、BPDA又はBTDAと、4,4'−DADE又mDADEを同一の段階で添加することができる。
本発明で使用するジアミンとしては、PMDAと結合して溶媒可溶性を示す、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SO)及び9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)及び接着性を高める1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)を含有する機能性の耐熱ポリイミドである。(2,2,2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物(BCD)はPMDAと類似構造のテトラカルボン酸であり、PMDAと比べて溶解性に優れ、高密着特性を示す。
BPDAの代わりに べンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)を用いることができる。
本発明のポリイミド組成物は、有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒に可溶である。このような極性有機溶媒の例には、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド、スルホランおよびN,N’−ジメチルホルムアミドが含まれる。また、本発明で使用する触媒は、γ−バレロラクトンとピリジンの混合物、又はγ−バレロラクトンとN−メチルモルホリンの混合物を使用できる。
本発明のポリイミドの製造方法の具体例は、次のとおりである。
実施例1に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端がPMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)4モル当量を反応させ、両末端がmDADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例2に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端がPMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)4モル当量を反応させ、両末端がmDADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例1及び2の反応では、第一段階の反応には(2PMDA+HOAB・SO)を反応して、両末端PMDAのオリゴマーである(PMDA−HOABSO―PMDA)を生成する。
第二段階の反応では、(2BCD+4mDADE)を加えて反応して、両末端mDADEのオリゴマーである(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO―PMDA)(mDADE―BCD―mDADE)を生成する。
第三段階の反応では、(i)(2BPDA+mTPE)(実施例1)又は(ii)(2BTDA+mTPE)(実施例2)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
得られたポリイミドは、
実施例1では、繰り返し単位[(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BCD−mDADE)(BPDA−mTPE−BPDA)]を有するポリイミドを生成する。
実施例2では、繰り返し単位[(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BCD−mDADE)(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドである。
実施例1の組成比は、
(PMDA)(mDADE)(BCD)(HOAB・SO(mTPE)(BPDA)である。
実施例2の組成比は、
(PMDA)(mDADE)(BCD)(HOAB・SO(mTPE)(BTDA)である。
実施例3に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端PMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、両末端が4,4'−DADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量及びビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例4に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端がPMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、両末端が4,4'−DADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量及びビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例3及び4の反応では、第一段階の反応には(2PMDA+FDA)を反応して、FDAの両アミノ基にPMDAが結合したオリゴマーである(PMDA−FDA―PMDA)を生成する。
第二段階の反応では、第一段階で生成した(PMDA−FDA―PMDA)に、(2BCD+4(4,4'−DADE))を加えて反応して、両末端に4,4'−DADEが結合したオリゴマーである(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)−(PMDA−FDA―PMDA)−(4,4'−DADE―BCD―4,4'−DADE)を生成する。
第三段階の反応では、(i)(2BPDA+HOAB・SO)(実施例3)又は(ii)(2BTDA+HOAB・SO)(実施例4)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
実施例3では、繰り返し単位[(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)−(BPDA−HOAB・SO−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
実施例4では、繰り返し単位[(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)−(BTDA−HOAB・SO−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
実施例3の組成比は、
(PMDA)4,4'−DADE)(BCD)(HOAB・SO(FDA)(BPDA)である。
実施例4の組成比は、
(PMDA)4,4'−DADE)(BCD)(HOAB・SO(FDA)(BTDA)である。
実施例5に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、FDAの両アミノ基にPMDAが結合したイミドオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたイミドオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、第一段階で生成させたイミドオリゴマーの両末端に4,4'−DADEが結合したイミドオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例6に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、FDAの両アミノ基にPMDAが結合したオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)4モル当量を反応させ、前記オリゴマーの両末端にDADEが結合したイミドオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例5及び6の反応では、第一段階の反応には(2PMDA+FDA)を反応して、FDAの両アミノ基にPMDAが結合したイミドオリゴマーである(PMDA−FDA―PMDA)を生成する。
第二段階の反応では、(2BCD+4(4,4'−DADE))を加えて反応して、第一段階で生成したイミドオリゴマーの両末端に4,4'−DADEが結合してイミドオリゴマーである(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(PMDA−FDA―PMDA)(4,4'−DADE―BCD―4,4'−DADE)を生成する。
第三段階の反応では、(i)(2BPDA+mTPE)(実施例5)又は(ii)(2BTDA+mTPE)(実施例6)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
実施例5では、繰り返し単位[(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)−(BPDA−mTPE−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
実施例6では、繰り返し単位[(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)−(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
実施例5の組成比は、
(PMDA)4,4'−DADE)(BCD)(mTPE)(FDA)(BTDA)である。
実施例6の組成比は、
(PMDA)4,4'−DADE)(BCD)(mTPE)(FDA)(BTDA)である。
実施例7に対応する製造方法
(a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端がPMDAであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)4モル当量を反応させ、両末端がmDADEであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例7の反応では、第一段階の反応には(2PMDA+HOAB・SO)を反応して、両末端PMDAのオリゴマーである(PMDA−HOABSO―PMDA)を生成する。
第二段階の反応では、(2BPDA+4mDADE)を加えて反応して、両末端mDADEのオリゴマーである(mDADE−BPDA−mDADE)(PMDA−HOAB・SO―PMDA)(mDADE―BPDA―mDADE)を生成する。
第三段階の反応では、(2BCD+mTPE)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
得られたポリイミドは、
実施例7では、繰り返し単位[(mDADE−BPDA−mDADE)−(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(mDADE−BPDA−mDADE)−(BCD−mTPE−BCD)]を有するポリイミドを生成する。
実施例7の組成比は、
(PMDA)(mDADE)(BCD)(mTPE)(HOAB・SO(BPDA)である。
実施例8に対応する製造方法
(a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)2モル当量とビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端が4,4'−DADEであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SO)2モル当量を反応させ、両末端がPMDAであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)1モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)2モル当量を添加して反応させ、重縮合して極性有機溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例8の反応では、第一段階の反応には(BPDA+2(4,4'−DADE))を反応して、両末端4,4'−DADEのオリゴマーである(4,4'−DADE−BPDA―4,4'−DADE)を生成する。
第二段階の反応では、(2HOAB・SO+4PMDA)を加えて反応して、両末端PMDAのオリゴマーである(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(4,4'−DADE−BPDA―4,4'−DADE)(PMDA―HOAB・SO―PMDA)を生成する。
第三段階の反応では、(BCD+2mTPE)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
得られたポリイミドは、
実施例8では、繰り返し単位[(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(4,4'−DADE−BPDA−4,4'−DADE)−(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(mTPE−BCD−mTPE)]を有するポリイミドを生成する。
実施例8の組成比は、
(PMDA)4,4'−DADE)(BCD)(mTPE)(HOAB・SO(BPDA)である。
実施例9に対応する製造方法
(a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)2モル当量とベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、両末端が4,4'−DADEであるオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SO)2モル当量を反応させ、両末端がPMDAであるオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)1モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)2モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例9の反応では、第一段階の反応には(BTDA+2(4,4'−DADE))を反応して、両末端4,4'−DADEのオリゴマーである([4,4'−DADE]−[BTDA]―[4,4'−DADE])を生成する。
第二段階の反応では、(2HOAB・SO+4PMDA)を加えて反応して、両末端PMDAのオリゴマーである([PMDA]−[HOAB・SO]−[PMDA])([4,4'−DADE]−[BTDA]―[4,4'−DADE])([PMDA]―[HOAB・SO]―[PMDA])を生成する。
第三段階の反応では、(BCD+2mTPE)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
得られたポリイミドは、
実施例9では、繰り返し単位[([PMDA]−[HOAB・SO]−[PMDA])([4,4'−DADE]−[BTDA]−[4,4'−DADE])([PMDA]−[HOAB・SO]−[PMDA])([mTPE]−[BCD]−[mTPE])]を有するポリイミドを生成する。
なお、[PMDA]は、PMDAの残基であり、[BCD]は、BCDの残基であり、[HOAB・SO]は、HOAB・SOの残基であり、[4,4'−DADE]は、4,4'−DADEの残基であり、[BTDA]は、BTDAの残基であり、[mTPE]は、mTPEの残基であり、のような表現も可能である。
実施例9の組成比は、
(PMDA)4,4'−DADE)(BCD)(mTPE)(HOAB・SO(BTDA)である。
実施例10に対応する製造方法
(a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−DADE)2モル当量とビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量とを極性有機溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、BPDAの両方の酸無水物基に4,4'−DADEが結合したイミドオリゴマーを生成する、第一段階、
(b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)1モル当量及びビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量を反応させ、第一段階で生成させたオリゴマーの一方の末端にPMDAが結合し、他方の末端にBCDが結合したイミドオリゴマーにする、第二段階、及び
(c)第二段階で生成させたオリゴマーと、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
実施例10の反応では、第一段階の反応には(BPDA+2(4,4'−DADE))を反応して、両末端4,4'−DADEのオリゴマーである(4,4'−DADE−BPDA―4,4'−DADE)を生成する。
第二段階の反応では、(2PMDA+HOAB・SO+BCD)を加えて反応して、両末端PMDAのオリゴマーである(PMDA)(4,4'−DADE−BPDA―4,4'−DADE)(PMDA―HOAB・SO―BCD)を生成する。
第三段階の反応では、(mTPE)を加えて、重縮合して、高分子量の溶媒可溶ポリイミドが生成する。
実施例10で得られたポリイミドは、繰り返し単位[(PMDA)−(4,4'−DADE−BPDA−4,4'−DADE)−(PMDA−HOAB・SO−BCD)−(mTPE)]を有するポリイミドであった。
実施例10の組成比は、
(PMDA)4,4'−DADE)(BCD)(mTPE)(HOAB・SO(BPDA)である。
本発明の実施例1〜10の反応を下記の表1及び表2に示す。
Figure 2011033690
Figure 2011033690
実施例において生成物の分子量を測定した。反応液をNMPで希釈して、高速液体クロマトグラフ(東ソー GPC:HL8 320)によって、測定し、Mn (数平均分子量)、 M (重量平均分子量)、M (Z平均分子量)及び W /Mn 比を示す。重合度(n)をM(測定値)/分子量(計算値)で示した。
ポリイミドフイルムの熱分解開始温度(Tm)及びガラス転移温度(Tg)を測定した。MacScience社製 TG―DTA分析装置を用い、昇温速度 10℃/min、室温〜600℃までN気流中で測定した。
[実施例1]
(2PMDA+HOAB・SO )(2BCD+4mDADE)(2BPDA+mTPE)の反応生成物
ステンレス製碇型攪拌機を取り付けた500ml容量のガラス製3つ口ガラスフラスコに、水分分離トラップを備えた蛇管式冷却器を取り付けた。窒素ガスを通しながら、上記フラスコをシリコーンオイル浴につけて、加熱、攪拌した。反応液中に加えられた少量のトルエンが還流し、生成した水は水分分離トラップにとどめられる。
(1)ガラス製500ml容量の三つ口フラスコ中に、ピロメリット酸ジ無水物(以後PMDAという)4.36g(20ミリモル)、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(以後HOAB・SOという)2.80g(10ミリモル)を、γ―バレロラクトン1.2g(12ミリモル)、ピリジン(MW79) 2.4g(14ミリモル)、N−メチルピロリドン(以後 NMPという)80g、トルエン 15g の溶液中に加えた。反応器をシリコーンオイル浴につけ、窒素を通しながら、シリコーンオイル浴温度、180℃、回転数/分(以下、r.p.m.と略す。)180で50分間、加熱攪拌した。その後、反応器をシリコーンオイル浴からはずして、20分間、空冷した。
(2)3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)8.00g(40ミリモル)、ついで、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物 (以後BCDという) 4.96g(20ミリモル)をNMP 60gと共に加え、再び、反応器をシリコーンオイル浴につけて、180℃、180r.p.m.で30分間反応し、その後、20分間空冷した。
(3) BPDA 5.88g (20 ミリモル)を加え、ついで、mTPE 2.92g(10ミリモル)をNMP 50gと共に加えた。室温で20分間攪拌後、反応器をシリコーンオイル浴につけ、180℃、180r.p.m.で加熱攪拌し、重合反応を開始した。3時間反応後、粘度が上昇したため、NMP 100gを追加して、更に、30分間反応した。10%濃度のポリイミド溶液を得た。反応後の一部をNMPで希釈して、高速液体クロマトグラフ(GPC:HL8 320、東ソー(株)製)で、分子量及び分子分布を測定した。
数平均分子量 (Mn) 23,200
重量平均分子量 (Mw) 63,500
Z平均分子量 (Mz) 130,640
Mw/Mn 比 2.90
単一分子量(計算値) 2694
重合度(n) 24
ポリイミド溶液をガラス板上に塗布し、150℃で30分間攪拌後、ポリイミドフイルムをガラス板より、はぎとり、金属枠に固定して、280℃ 1時間 加熱、攪拌して、試料とした。
McScience社製TG−GTA装置で熱分析した。一次減量温度 405℃、Tm 545℃、Tg 330℃であった。実施例1により、繰り返し単位[(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BCD−mDADE)(BPDA−mTPE−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例2]
(2PMDA+HOAB・SO )(2BCD+4mDADE)(2BTDA+mTPE)
(1)500mlのガラス製3つ口フラスコに、PMDA 6.48g(30ミリモル)、HOAB・SO 4.2g(15ミリモル)及び、γ―バレロラクトン 1.0g、ピリジン 1.5g、NMP100g、及びトルエン30gを仕込む。窒素を通じながら、180℃に加熱、攪拌を50分間行った後、空冷30分間、ついで、
(2)3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADEという) 12.0g(60ミリモル)を加える、ついで、BCD 7.44g (30ミリモル)とNMP 100gを共に加えて室温で20分間攪拌後、
(3)BTDA 8.82g(30 ミリモル)、ついで、mTPE 4.38g (15ミリモル)をNMP 86g と共に加え、室温で180r.p.m.で20分間攪拌した。反応器を、シリコーンオイル浴につけて、180℃、180r.p.m.で、加熱攪拌した。3時間反応後、冷却した。反応液は15%濃度ポリイミド溶液を得た。
反応後の一部をとりNMPで希釈してGPCによる分子量を測定した。
Mn (数平均分子量) 14,300
Mw (重量平均分子量) 80,410
Mz (Z平均分子量) 195,800
Mw/Mn 比 5.36
単一分子量(計算値) 2750
重合度(n) 29
ポリイミド溶液をガラス板上に塗布し、150℃にして、フイルムにして、ガラス板よりはずし、金属枠に固定して、280℃ 1時間 加熱、攪拌した。McScience社製TG−GTA装置で熱分析して、一次減量温度 401℃、Tm 548℃、Tg 330℃であった。
実施例2により、繰り返し単位[(mDADE−BCD−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BCD−mDADE)(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例3]
(2PMDA+FDA)(2BCD+4(4,4'−DADE))(2BPDA+HOAB・SO
実施例1と同様に操作をした。窒素導入口、トルエンの還流器をとりつけた三つ口フラスコに、試料を導入して、窒素を通じながら、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌し、トルエンを還流しながら、生成する水を系外に除いた。
(1)ガラス容器(500ml容量)に、PMDA 4.36g (20ミリモル)、FDA 3.49g(10ミリモル)、γ−バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 85g、トルエン 25gを加える。180℃、180r.p.m.で窒素気流中、40分間、加熱、攪拌し、30分間空冷した。
(2)4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)、ついで、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 81gと共に加え、180r.p.m.で、30分間攪拌した。オイルバスにつけて、180℃、150r.p.m.で30分間加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(3)BPDA 5.88g (20ミリモル)、HOAB・SO 2.80g(10ミリモル)、NMP 80gを加えて、20分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌して、重合反応を行った。3時間10分反応を行った。ポリイミド濃度12%であった。
ポリイミド溶液をGPCの測定をして、分子量を決定した。
数平均分子量(Mn) 13,800
重量平均分子量(Mw) 58,240
Z平均分子量(Mz) 211,400
Mw/Mn 4.22
単一分子量(計算値) 2941
重合度(n) 20
ポリイミドフイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 418℃、Tm 546℃、Tg 377℃であった。
実施例3により、繰り返し単位[(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(PMDA−FDA−PMDA)(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(BPDA−HOAB・SO−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例4]
(2PMDA+FDA)(2BCD+4(4,4'−DADE))(2BTDA+HOAB・SO
実施例1と同様に操作をした。
(1)ガラス反応器中に、PMDA 4.36g (20ミリモル)、FDA 3.49g (10ミリモル)、γ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 85g、トルエン 25gを加え、180r.p.m.にて攪拌し、180℃、180r.p.m.にて、40分間、加熱、攪拌後、30分間空冷して、
(2)4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)、ついで、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 85gと共に加え, 180r.p.m.で、30分間攪拌し、ついで、180℃、150r.p.m.で、30分間加熱、攪拌後、20分間空冷した。
(3)BTDA 6.44g (20ミリモル)、HOAB・SO 2.80g (10ミリモル)NMP 80gを加えて、20分間室温で、180r.p.m.に攪拌後、昇温し、180℃、180r.p.m.に、加熱、攪拌して、重合を促進した。3時間10分で反応を停止した。12%濃度のポリイミド溶液を得た。
GPCによる分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 13,800
重量平均分子量(Mw) 58,240
Z平均分子量(Mz) 211,400
Mw/Mn 4.23
単一分子量(計算値) 2969
重合度(n) 19
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 418℃、Tm 546℃、Tg 377℃であった。
実施例4により、繰り返し単位[(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(PMDA−FDA−PMDA)(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(BTDA−HOAB・SO−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例5]
(2PMDA+FDA)(2BCD+4(4,4'−DADE))(2BPDA+mTPE)
実施例1と同様に操作をした。
(1)ガラス製三つ口フラスコ中に、PMDA 5.88g (20ミリモル)、FDA 3.49g (10ミリモル)、γ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gを仕込んだ。180℃、180r.p.m.で、40分間、加熱、攪拌後、20分間空冷した。
(2)4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)を加えて攪拌、少し間をおいて、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 60gと共に加えて、20分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌を20分間行って、空冷した。
(3)BPDA 5.88g (20ミリモル)を加え、ついで、mTPE 2.92g (10ミリモル)、NMP 80gと共に加え室温で攪拌40分間行った。反応器をシリコーンオイル浴につけて、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌した。5時間で反応を停止した。14%濃度のポリイミド溶液を得た。
生成物の分子量をGPCで測定した。
数平均分子量(Mn) 32,300
重量平均分子量(Mw) 77,740
Z平均分子量(Mz) 243,300
Mw/Mn 2.43
単一分子量(計算値) 3023
重合度(n) 26
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 435℃、Tm 556℃であり、Tgは、322℃と459℃に認められた。
実施例5により、繰り返し単位[([4,4'−DADE]−[BCD]−[4,4'−DADE])(PMDA−FDA−PMDA)(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(BPDA−mTPE−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例6]
(2PMDA+FDA)(2BCD+4(4,4'−DADE))(2BTDA+mTPE)
実施例1と同様に操作をした。
(1)PMDA 8.72g (40ミリモル)、FDA 6.98g (20ミリモル)、γ―バレロラクトン 2.0g、ピリジン 4.0g、NMP 140g、トルエン 50gを加えて、180℃、180r.p.m.で、窒素気流中、40分間、加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(2)4,4'−DADE 16.00g(80ミリモル)を添加し、ついで、BCD 9.92g(40ミリモル)をNMP 80gと共に加えて,攪拌、溶解した。ついで、20分間、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(3)BTDA 12.88g(40ミリモル)を加え、ついで、mTPE 5.84g (20ミリモル)をNMP 82gと共に加えた。20分間室温で攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌して、反応を2時間30分行なった。気泡粘度計での粘度は17.6であった。20%濃度のポリイミド溶液を得た。この溶液は粘度が高く、一夜放置すると、ゲル化する。従って、溶媒で希釈して、保存した。
GPCによる分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 24,380
重量平均分子量(Mw) 84,460
Z平均分子量(Mz) 244,300
Mw/Mn 3.46
単一分子量(計算値) 3019
重合度(n) 28
熱分析を行った。
一次減量温度 431℃、Tm 541℃であり、Tgは、425℃と455℃に認められた。
実施例6により、繰り返し単位[(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(PMDA−FDA−PMDA)(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例7]
(2PMDA+HOAB・SO )(2BPDA+4mDADE)(2BCD+mTPE)
(1)ステンレス製の碇型、攪拌機をとりつけた、500ml容量のガラス製三つ口フラスコを用いる。水分分離トラップをとりつけた、蛇管式冷却器をとりつける。一方の口から窒素を流入させ、トルエンを還流させて、生成する水をトルエンと共沸で除去、水分分離トラップに生成する水をためる。
上記の反応器中に、HOAB・SO 2.85g (10ミリモル)、ついでPMDA 4.36g(20ミリモル)とγ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gの溶液と共に加えて、室温で攪拌溶解させる。
窒素を通じながら、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌する。50分間加熱して、空冷20分後、
(2)3,4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE) 8.00g(40ミリモル)を加え、ついで、BPDA 5.88g(20ミリモル)をNMP 60gと共に加える。10分間攪拌後、180℃、180r.p.m.に30分間加熱、撹拌する。空冷20分後に、
(3)BCD 4.96g(20ミリモル)を加え、ついで、mTPE 2.92g (10ミリモル)を、NMP 50gと共に加えた。10分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌した。3時間反応後に粘度が向上したため、NMP 100gを添加した。更に、30分間、180℃、180r.p.m.で反応して、反応を停止した。10%濃度のポリイミド溶液である。
GPCによる分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 10,460
重量平均分子量(Mw) 24,260
Z平均分子量(Mz) 43,900
Mw/Mn 2.32
単一分子量(計算値) 2694
重合度(n) 9
熱分析により 一次減量温度 409℃、Tm 549℃、Tg 236℃であった。
実施例7により、繰り返し単位[(mDADE−BPDA−mDADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mDADE−BPDA−mDADE)(BCD−mTPE−BCD)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例8]
(BPDA+2(4,4'−DADE))(4PMDA+2HOAB・SO )(BCD+2mTPE)
実施例7と同様に操作した。
(1)ガラス容器(500ml容量)中に、BPDA 2.94g(10ミリモル)、4,4'−DADE 4.00g(20ミリモル)を加え、これにγ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 83g、トルエン 25gと加えて、攪拌、溶解した。ついで、180℃、180r.p.m. に40分間加熱、攪拌した後、20分間空冷した。
(2)次に、PMDA 8.72g(40ミリモル)を加え、次に、HOAB・SO 5.64g(20ミリモル)をNMP 80gと共に加え、180r.p.m. に20分間攪拌し、180℃、180r.p.m.で30分間、加熱、攪拌する。次で、20分間空冷して、
(3)mTPE 5.84g(20ミリモル)とBCD 2.48g(10ミリモル)を、NMP 80gと共に加えて、10分間攪拌し、後、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌した。3時間後、攪拌を130r.p.m.におとし、更に、20分間180℃、130r.p.m.に加熱、攪拌した。12%濃度のポリイミドワニスを得た。
GPCで分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 16,110
重量平均分子量(Mw) 123,990
Z平均分子量(Mz) 214,450
Mw/Mn 6.46
単一分子量(計算値) 2960
重合度(n) 42
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 411℃、Tm 542℃、Tg 361℃であった。
[実施例9]
(BTDA+2(4,4'−DADE))(4PMDA+2HOAB・SO )(BCD+2mTPE)
実施例7と同様に操作した。
(1)BTDA 3.22g(10ミリモル)、4,4'−DADE 4.00g(20ミリモル)を加え、これに、γ―バレロラクトン1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 85g、トルエン 24gと加えて、180℃、180r.p.m.で攪拌しながら反応させた。ついで、180℃、180r.p.m.で窒素気流中で40分間、加熱、攪拌後、20分間空冷した。
(2)次に、PMDA 8.72g(40ミリモル)を加え、次に、HOAB・SO 5.64g(20ミリモル)をNMP 80gと共に加え、20分間攪拌した。
(3)mTPE 5.84g (20ミリモル)、ついで、BCD 2.48g(10ミリモル)と、NMP 80gと共に加えて、20分間室温で攪拌し、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌して重合反応を行った。2時間55分で粘度の上昇を認めた。回転数を180r.p.m.から130r.p.m.に落とし、更に、35分間加熱、攪拌した。12%濃度のポリイミドワニスを得た。
GPCで分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 15,250
重量平均分子量(Mw) 98,000
Z平均分子量(Mz) 244,970
Mw/Mn 6.42
単一分子量(計算値) 2932
重合度(n) 33
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 408℃、Tm 544℃、Tg 332℃であった。
実施例9により、繰り返し単位[(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(4,4'−DADE−BTDA−4,4'−DADE)(PMDA−HOAB・SO−PMDA)(mTPE−BCD−mTPE)]を有するポリイミドが生成された。
[実施例10]
(BPDA+2(4,4'−DADE))(2PMDA+BCD+HOAB・SO )(mTPE)
実施例7と同様に操作した。
(1)500ml容量のガラス反応器にBPDA 2.94g(10ミリモル)、4,4'−DADE4.0g (20ミリモル)及び、γ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gと加え攪拌し、180℃、180r.p.m.で窒素を流しながら40分間、加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(2)次いで、PMDA 4.36g(20ミリモル)、ついで、BCD 2.48g (10ミリモル)及び、HOSOAB 2.80g(10ミリモル)をNMP 60gと共に加えて、20分間室温で攪拌後、180℃、180r.p.m. で20分間、加熱、攪拌した。空冷を10分した後、
(3)mTPE 2.92g(10ミリモル)、NMP 30gを加えて、10分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、窒素中、加熱、攪拌して、重合反応を行った。4時間40分で反応を停止した。11%濃度のポリイミド溶液を得た。
GPCによるワニスの分子量を測定した。
数平均分子量(Mn) 24,030
重量平均分子量(Mw) 71,120
Z平均分子量(Mz) 158,880
Mw/Mn 3.17
単一分子量(計算値) 1695
重合度(n) 42
フイルムの熱分析を行なった。
一次減量温度 413℃、Tm 552℃、Tg 354℃と418℃に認められた。
実施例10により、繰り返し単位[(PMDA)(4,4'−DADE−BPDA−4,4'−DADE)(PMDA−HOAB・SO−BCD)(mTPE)]を有するポリイミドが生成された。
[参考例1]
(2BPDA+HOAB・SO )(2BCD+4(4,4'−DADE))(2BTDA+mTPE)
(1)実施例1と同様に操作した。ガラス製反応器に、BPDA5.88g (20 ミリモル)、HOAB・SO 2.80g (10 ミリモル)にNMP 78gを加え、更に、γ−バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g を加える。これに、トルエン 25gを加えて溶液とした。
窒素を通しながら、180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌を50分間行い、20分間空冷した。
(2)次いで、4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)を加え、さらに、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 66gと共に加えて、室温で20分間攪拌して、溶液とした。ついで、
(3)BTDA 6.44g (20ミリモル)を加え、mTPE 2.92g(10ミリモル)をNMP 80gと加えて、室温で攪拌20分間、均一液とする。 180℃、180r.p.m.で加熱、攪拌する。 反応を3時間行った。15%濃度のポリイミド溶液を得た。
ポリイミド溶液の分子量をGPCで測定した。
数平均分子量(Mn) 9,620
重量平均分子量(Mw) 51,740
Z平均分子量(Mz) 121,190
Mw/Mn 5.38
単一分子量(計算値) 3103
重合度(n) 17
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 402℃、Tm 551℃、Tg 284℃であった。
参考例1により、繰り返し単位[(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(BPDA−HOAB・SO−BPDA)(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(BTDA−mTPE−BTDA)]を有するポリイミドが生成された。
[参考例2]
(2BPDA+HOAB・SO )(2BCD+4(4,4'−DADE))(2BPDA+FDA)
実施例1と同様に合成操作をした。
(1)500mlのガラス反応器中に、BPDA 5.88g (20ミリモル)、HOAB・SO 2.80g (10ミリモル)、γ―バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gを仕込む。
オイルバス中で、180℃、180r.p.m.で40分間加熱、攪拌し、20分間空冷した。
(2)4,4'−DADE 8.00g(40ミリモル)を加え、ついで、BCD 4.96g(20ミリモル)をNMP 60gと共に加えた。20分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、加熱、攪拌を20分間行った。ついで、20分間空冷した。
(3)BPDA 5.88g (20ミリモル)、FDA 3.49g(10ミリモル)をNMP 80gと共に加えた。均一な反応液を20分間攪拌後、180℃、180r.p.m.で、窒素気流中で加熱、攪拌した。5時間で反応を停止した。14%濃度のポリイミド溶液を得た。
GPCの熱分析により
数平均分子量(Mn) 34,990
重量平均分子量(Mw) 109,200
Z平均分子量(Mz) 202,312
Mw/Mn 3.12
単一分子量(計算値) 3103
重合度(n) 35
フイルムの熱分析を行った。
一次減量温度 435℃、Tm 556℃であり、Tgは、322℃と459℃に認められた。
参考例2により、繰り返し単位[(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(BPDA−HOAB・SO−BPDA)(4,4'−DADE−BCD−4,4'−DADE)(BPDA−FDA−BPDA)]を有するポリイミドが生成された。

Claims (28)

  1. (a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(b)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)、(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)及び(d)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、を成分として含む、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、前記ポリイミドは、三段階添加反応により合成され、第一段階では、酸ジ無水物と芳香族ジアミンとの反応により低分子量イミド化合物を生成させ、第二段階では、第一段階で生成した低分子量イミド化合物にさらに酸ジ無水物と芳香族ジアミンを反応させて低分子量イミド化合物を生成させ、第三段階では、重縮合反応を行うことからなる、530℃〜570℃の範囲の熱分解開始温度を有する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  2. 前記芳香族ジアミンが、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)、9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)及び1,3−ビス(4―アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項1記載の前記耐熱性ポリイミド。
  3. 第一段階において、酸ジ無水物としてPMDAを用い、第二段階において、酸ジ無水物としてBCDを用い、芳香族ジアミンとしてDADEを用い、第三段階において、酸ジ無水物としてBPDAを用いる、請求項1記載の前記耐熱性ポリイミド。
  4. (a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(b)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)、(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)及び(d)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、を成分として含む、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、前記ポリイミドは、三段階添加反応により合成され、第一段階では、酸ジ無水物と芳香族ジアミンとの反応により低分子量イミド化合物を生成させ、第二段階では、第一段階で生成した低分子量イミド化合物にさらに酸ジ無水物と芳香族ジアミンを反応させて低分子量イミド化合物を生成させ、第三段階では、重縮合反応を行うことからなる、530℃〜570℃の範囲の熱分解開始温度を有する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  5. 前記芳香族ジアミンが、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)、9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項4記載の前記耐熱性ポリイミド。
  6. 第一段階において、酸ジ無水物としてPMDAを用い、第二段階において、酸ジ無水物としてBCDを用い、芳香族ジアミンとしてDADEを用い、第三段階において、酸ジ無水物としてBTDAを用いる、請求項4記載の前記耐熱性ポリイミド。
  7. (1)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)とを触媒の存在下に反応させて、芳香族ジアミンの両アミノ基に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物を生成する第一段階、
    (2)前記化合物に、酸ジ無水物(2モル当量)、芳香族ジアミン(4モル当量)とを添加して反応させて、両末端に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物を生成させる第二段階、次いで、
    (3)(2)で生成したイミド化合物に、酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
    前記酸ジ無水物が、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)及びビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、前記芳香族ジアミンが、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)を含み、530℃〜570℃の範囲の熱分解開始温度を有する有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミド。
  8. 前記芳香族ジアミンが、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)、9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)からなる群から選択される成分をさらに含む、請求項1記載の前記耐熱性ポリイミド。
  9. 第一段階において、酸ジ無水物としてPMDAを用い、第二段階において、酸ジ無水物としてBCDを用い、芳香族ジアミンとしてDADEを用い、第三段階において、酸ジ無水物としてBPDAを用いる、請求項1記載の前記耐熱性ポリイミド。
  10. (1)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、HOAB・SOの両アミノ基にPMDAが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (2)前記第一段階で生成させた低分子量イミド化合物に、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)4モル当量を反応させ、両末端にmDADEが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (3)前記第二段階で生成させた低分子量イミド化合物に、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
    下記の式(I):
    [(mDADE−BCD−mDADE)−(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(mDADE−BCD−mDADE)−(BPDA−mTPE−BPDA)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)
    で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  11. (1)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、HOAB・SOの両アミノ基にPMDAが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (2)前記第一段階で生成させた低分子量イミド化合物に、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)4モル当量を反応させ、両末端にmDADEが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (3)前記第二段階で生成させた低分子量イミド化合物に、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
    下記の式(II):
    [(mDADE−BCD−mDADE)−(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(mDADE−BCD−mDADE)−(BTDA−mTPE−BTDA)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)
    で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  12. (a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、FDAの両アミノ基にPMDAが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (b)第一段階で生成させた低分子量イミド化合物に、ビシクロオクタエンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、両末端に4,4'−DADEが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (c)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量及びビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる下記の式(III):
    [(DADE−BCD−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)(DADE−BCD−DADE)(BPDA−HOAB・SO−BPDA)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  13. (a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、FDAの両アミノ基にPMDAが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (b)第一段階で生成させた低分子量イミド化合物に、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、両末端に4,4'−DADEが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (c)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量及びビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる下記の式(IV):
    [(DADE−BCD−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(DADE−BCD−DADE)−(BTDA−HOAB・SO−BTDA)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  14. (1)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、FDAの両アミノ基にPMDAが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (2)第一段階で生成させた低分子量イミド化合物と、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、両末端に4,4'−DADEが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (3)第二段階で生成させた低分子量イミド化合物に、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる
    下記の式(V):
    [(DADE−BCD−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(DADE−BCD−DADE)−(BPDA−mTPE−BPDA)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  15. (1)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェ二ル)フルオレン(FDA)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、フルオレンの両アミノ基にPMDAが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (2)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)4モル当量を反応させ、両末端に4,4'−DADEが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (3)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる
    下記の式(VI):
    [(DADE−BCD−DADE)−(PMDA−FDA−PMDA)−(DADE−BCD−DADE)−(BTDA−mTPE−BTDA)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  16. (1)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、HOAB・SOの両アミノ基にPMDAが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (2)第一段階で生成させたオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量、3, 4’−ジアミノジフェニルエーテル(mDADE)4モル当量を反応させ、両末端にmDADEが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (3)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)2モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
    下記の式(VII):
    [(mDADE−BPDA−mDADE)−(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(mDADE−BPDA−mDADE)−(BCD−mTPE−BCD)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)
    で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  17. (1)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)とを触媒の存在下に反応させて、芳香族ジアミンの両アミノ基に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物を生成する第一段階、
    (2)前記化合物に、酸ジ無水物(2モル当量)、芳香族ジアミン(4モル当量)とを添加して反応させて、両末端に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物を生成させる第二段階、次いで、
    (3)酸ジ無水物(2モル当量)と芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
    酸ジ無水物として、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)及びビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、芳香族ジアミンとしてジアミノジフェニルエーテル(DADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミド。
  18. 前記芳香族ジアミンが、HOAB・SO、FDA及びmTPEからなる群から選択される成分を含む、請求項8記載の前記耐熱性ポリイミド。
  19. 第一段階において、酸ジ無水物としてPMDAを用い、第二段階において、酸ジ無水物としてBCDを用い、芳香族ジアミンとしてDADEを用い、第三段階において、酸ジ無水物としてBTDAを用いる、請求項8記載の前記耐熱性ポリイミド。
  20. (1)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物を生成する第一段階、
    (2)前記化合物に、酸ジ無水物(4モル当量)、芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物を生成させる第二段階、次いで、
    (3)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、
    により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
    前記酸ジ無水物は、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)及びビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、芳香族ジアミンは、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミド。
  21. 前記ジアミンが、mTPE、又はビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)をさらに含む請求項20記載の耐熱性ポリイミド。
  22. (1)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物を生成する第一段階、
    (2)前記化合物に、酸ジ無水物(4モル当量)、芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物を生成させる第二段階、次いで、
    (3)酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)を添加して重縮合反応させて高分子量のポリイミドを生成させる第三段階、により生成する有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
    酸ジ無水物として、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)及びビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)を含み、芳香族ジアミンとして、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)を含む、有機溶媒に可溶な前記耐熱性ポリイミド。
  23. 前記ジアミンが、さらに、mTPE、又はビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)である請求項1記載の耐熱性ポリイミド。
  24. (1)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)2モル当量とビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、BPDAの両方の酸無水物基に4,4'−DADEが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (2)第一段階で生成させたオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量とビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)2モル当量を反応させ、両末端にPMDAが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (3)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)1モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)2モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる、
    下記の式(VI):
    [(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(DADE−BPDA−DADE)−(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(mTPE−BCD−mTPE)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  25. (a)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)2モル当量とベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、BTDAの両方の酸無水物基に4,4'−DADEが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (b)第一段階で生成させたオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量とビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)2モル当量を反応させ、両末端にPMDAが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)1モル当量及び1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)2モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる。
    下記の式(VI):
    [(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(DADE−BTDA−DADE)−(PMDA−HOAB・SO−PMDA)−(mTPE−BCD−mTPE)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  26. (a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(b)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)、(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)及び(d)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、を成分として含み、三段階添加反応により合成する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
    第一段階では、酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物を生成させ、
    第二段階では、前記低分子量イミド化合物に、酸ジ無水物(3モル当量)、芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物を生成させ、
    第三段階では、芳香族ジアミン(1モル当量)を加えて、重縮合反応を行う、
    有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  27. (a)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、(b)ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)、(c)ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)及び(d)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)、を成分として含み、三段階添加反応により合成する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミドにおいて、
    第一段階では、酸ジ無水物(1モル当量)と芳香族ジアミン(2モル当量)との反応により触媒の存在下に反応させて、酸ジ無水物の両方の酸無水物基に芳香族ジアミンが結合した低分子量イミド化合物を生成させ、
    第二段階では、前記低分子量イミド化合物に、酸ジ無水物(3モル当量)、芳香族ジアミン(1モル当量)を添加して反応させて、両末端に酸ジ無水物が結合した低分子量イミド化合物を生成させ、
    第三段階では、芳香族ジアミン(1モル当量)を加えて、重縮合反応を行う、
    有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
  28. (1)4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4'−DADE)2モル当量とビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量とを有機極性溶媒中で、触媒の存在下に160〜200℃で反応させて、BPDAの両方の酸無水物基に4,4'−DADEが結合した低分子量イミド化合物を生成する、第一段階、
    (2)第一段階で生成させたオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と、ビシクロオクテンテトラカルボン酸ジ無水物(BCD)1モル当量及びビス(3−アミノー4−ヒドロキシフェ二ル)スルホン(HOAB・SO)1モル当量を反応させ、一方の末端にPMDAが結合し、他方の末端にBCDが結合した低分子量イミド化合物にする、第二段階、及び
    (3)第二段階で生成させたオリゴマーと、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(mTPE)1モル当量を添加して反応させ、重縮合して有機極性溶媒に可溶なポリイミド共重合体を合成する第三段階からなる 下記の式(VI):
    [(PMDA)−(DADE−BPDA−DADE)−(PMDA−HOAB・SO−BCD)−(mTPE)]
    (ここで、前記化合物間の結合は、イミド結合である。)で表される繰り返し単位を有する、有機溶媒に可溶な耐熱性ポリイミド。
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