JP5667053B2 - Pmda、dade、bpdaおよび9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン成分を含む有機溶媒に可溶なポリイミド組成物およびその製造方法 - Google Patents
Pmda、dade、bpdaおよび9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン成分を含む有機溶媒に可溶なポリイミド組成物およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
(A1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(以下「DA」ともいう)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(A2)A1工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)2モル当量とを反応させて両末端がPMDA由来の酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(A3)A2工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)を含むカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、3,3’−ジメチルベンチジン(CH3AB)2モル当量とを反応させて重合体を得る工程を含む製造方法。
(PMDA)4(DADE)2(DA)2(FDA)2(HOABSO2)2
(PMDA)4(DADE)4(DA)2(FDA)1(HOABSO2)1
(PMDA)3(DADE)2(DA)2(FDA)1(DAT)2
(PMDA)3(DADE)2(DA)2(FDA)1(HOABSO2)1(DAT)1
(PMDA)2(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(CH3AB)1
(PMDA)2(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(HOABSO2)1
(PMDA)2(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(DABz)1
(PMDA)4(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(HOABSO2)2(DAT)1
(PMDA)2(DADE)4(BPDA)2(BTDA)2(HOABSO2)1(FAD)1
また、これらの製造方法A〜Gにおける各反応は160〜200℃程度の温度において、溶媒としてN−メチルピロリドン等を用い、触媒としてγ−バレロラクトンとピリジン、またはγ−バレロラクトンとN−メチルモルフォリンを用い、共沸溶媒であるトルエンを用いて行われることが好ましい。
本発明のポリイミド組成物は、
(1)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)、
(2)ジアミノジフェニルエーテル(DADE)
(3)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)、ならびに
(4)9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)の各成分を含有する。
(1)PMDA
ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)は化学式(m1)で表される化合物である。
ジアミノジフェニルエーテルは、ジフェニルエーテルのベンゼン環に一つずつアミノ基が結合した化合物である。その例には、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、および3,4’−ジアミノジフェニルエーテルが含まれる。本発明においては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルが好ましい。これを原料とするポリイミドは耐熱性により優れるからである。4,4’−ジアミノジフェニルエーテルは、化学式(m2)で表される。
9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)は、化学式(m4)で表される。
本発明のポリイミド組成物は、上記以外の芳香族ジアミンを原料として用いてよい。芳香族ジアミンとは、芳香族基にアミノ基が2つ結合している化合物である。その好ましい例には、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOABSO2)、フェニレンジアミン、アルキルフェニレンジアミン、ジアルキルベンチジン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、およびジアミノ安息香酸が含まれる。
本発明のポリイミド組成物は、有機溶媒、好ましくは極性有機溶媒に可溶である。このような極性有機溶媒の例には、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド、およびN,N’−ジメチルホルムアミドが含まれる。ポリイミド組成物が有機溶媒へ溶解する量は、前述の有機溶媒100質量部に対し、10〜15質量部が好ましい。このような溶解性を持つポリイミド組成物は、ポリイミド溶液としたときの取り扱い性に優れるからである。ポリイミド組成物の溶解性の程度に応じて、有機溶媒は適宜選択してよい。本発明において記号「〜」はその両端の値を含む。
本発明のポリイミド組成物は、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)と、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)と、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)等の芳香族ジアミンとが縮合した構造である。本発明は、PMDAとDADEを含有するポリイミド組成物を有機溶媒に可溶にするための新しい手段を提供する。
本発明で用いるビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)等のカルボン酸ジ無水物(DA)は、1つのベンゼン環に1つの酸無水物基を有する。一方、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)は、1つのベンゼン環に2つの酸無水物基を有する。すなわち、酸ジ無水物の構造の違いによって、1分子中に存在する酸無水物基同士の近さが異なるため、イミド化反応の反応性も大きく異なる。
1)三つの段階で逐次重合を行う、三段階逐次重合法を採用する。
2)第1および第2工程で、両末端にアミノ基を有するオリゴマー、または両末端に酸無水物基を有するオリゴマーを得る。
3)第3工程で、前工程で得たオリゴマーを重合し、高分子量のポリイミドを得る。
4)同一の工程に、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)とピロメリット酸ジ無水物(PMDA)同時に存在させないようにし、有機溶媒に難溶な成分である[PMDA]−[DADE]−[PMDA]または[DADE]−[PMDA]−[DADE]で表されるオリゴマーが製造中に生成されないか、あるいはこれらの構造がポリマーに形成されないようにする。ここで、[PMDA]はPMDAの残基を意味する。残基とは、ポリマーにおける部分構造であって化学結合以外の構造をいう。例えば、ジアミノジフェニルエーテル残基すなわち[DADE]は、二価のジフェニルエーテル基である。以下の他の酸ジ無水物および芳香族ジアミンの残基も同様に表記される。
(1)製造方法A
製造方法Aは、
(A1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(A2)A1工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)2モル当量とを反応させて両末端がPMDA由来の酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(A3)A2工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、芳香族ジアミン2モル当量とを反応させて重合体を得る工程を含む方法である。
この工程では、BPDAの一つの酸無水物基と、DADEの一つのアミノ基が反応し、さらにBPDAの他方の酸無水物基と、別分子のDADEの一つのアミノ基が反応する。この結果、末端がアミノ基であるオリゴマー(a1)が生成する。このオリゴマーは安定であって、かつ有機溶媒に可溶であるため、反応液中にオリゴマーが析出しない。
この工程は、4モル当量のピロメリット酸ジ無水物(PMDA)と2モル当量の9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)を添加して、前工程で得たオリゴマーと反応させる。反応機構は限定されないが以下のように推察される。
i)FDAの一つのアミノ基と、PMDAの一つの酸無水物基が反応し、さらにFDAの他方のアミノ基と、別分子のPMDAの一つの酸無水物基が反応する。この結果、[PMDA]−[FDA]−[PMDA]で表されるオリゴマーが2モル当量生成する。ここで、[PMDA]および[FDA]は、それぞれPMDAおよびFDAの残基を示す。
ii)A1工程で生成したオリゴマー(a1)の一つの末端のアミノ基と、[PMDA]−[FDA]−[PMDA]のオリゴマーの一つの末端に存在する酸無水物基が反応する。
iii)このii)で生成したオリゴマーのもう一つの末端のアミノ基と、別の[PMDA]−[FDA]−[PMDA]の一つの末端の酸無水物基が反応する。この結果、末端が酸無水物基であるオリゴマー(a2)が生成する。
A2工程も、A1工程同様、不活性ガス気流下で行われることが好ましい。また、反応温度、反応時間もA1工程と同様にしてよい。
この工程は、1モル当量のビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)と2モル当量の2,4’−ジアミノトルエン(DAT)を添加して、前工程で得たオリゴマーと、1モル当量のBPDAと2モル当量のDATを反応させ、重合体を得る。
i)BPDAの一つの酸無水物基と、DATの一つのアミノ基が反応し、さらにBPDAの他方の酸無水物基と、別分子のDATの一つのアミノ基が反応する。この結果、[DAT]−[BPDA]−[DAT]で表されるオリゴマーが1モル当量生成する。
ii)A2工程で生成したオリゴマー(a2)の一つの末端の酸無水物基と、[DAT]−[BPDA]−[DAT]のオリゴマーの一つの末端に存在するアミノ基が反応して、オリゴマー(a2)の一つの末端に[DAT]−[BPDA]−[DAT]が結合したオリゴマーが生成する。
iii)このii)で生成したオリゴマーは一方の端にアミノ基をもう一方の端に酸無水物基を有するので、重合して高分子量のポリイミド(a3)を生成する。この工程でも有機溶媒に難溶である[PMDA]−[DADE]−[PMDA]、または[DADE]−PMDA]−[DADE]で表されるオリゴマーが生成しない。よって、工程中に成分が反応系に析出することはなく、さらに得られたポリイミド(a3)も有機溶媒に可溶である。
―[PMDA]-[FDA]-[PMDA]―[DADE]-[DA]-[DADE]―[PMDA]-[FDA]-[PMDA]―U10― (A)
式中、U10は、X1−[DA]−X1で表される基である。X1は独立に、既に述べた芳香族ジアミンの残基である。[PMDA]等はPMDA残基である。
この方法で得られるポリイミド組成物は、(PMDA)4(DADE)2(DA)2(FDA)2(CH3AB)2または(PMDA)4(DADE)2(DA)2(FDA)2(HOABSO2)2の成分比を有することが好ましい。
(2)製造方法B
製造方法Bは、
(B1)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量とを反応させて、両末端がPMDA由来の酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、
(B2)B1工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)2モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)4モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、および
(B3)B2工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ)スルホン(HOABSO2)1モル当量とを反応させて重合体を得る工程を含む方法である。以下、説明を簡略にするためカルボン酸ジ無水物(DA)としてBPDAを用いる場合を例に説明する。
B1工程:[PMDA]-[FDA]-[PMDA]で表されるオリゴマーが生成する。
B2工程:[DADE]-[BPDA]-[DADE]―[PMDA]-[FDA]-[PMDA]―[DADE]-[BPDA]-[DADE]で表されるオリゴマー(b2)が生成する。
B3工程:[PMDA]-[HOABSO2]-[PMDA]で表されるオリゴマーが生成する。このオリゴマーは、オリゴマー(b2)と反応し重合する。
―[DADE]-[DA]-[DADE]―[PMDA]-[FDA]-[PMDA]―[DADE]-[DA]-[DADE]―[PMDA]-[HOABSO2]-[PMDA]― (B)
式中、[DADE]等や、これらの残基の結合は一般式(A)で述べたとおりである。
この方法で得られるポリイミド組成物は、(PMDA)4(DADE)4(DA)2(FDA)1(HOABSO2)1の成分比を有することが好ましい。
製造方法Cは、
(C1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(C2)C1工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)3モル当量と、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量とを反応させて両末端が酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(C3)C2工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、芳香族ジアミン2モル当量とを反応させて重合体を得る工程を含む製造方法である。
C1工程:製造方法Aと同じオリゴマー(c1)が生成する。
C2工程:まず、2モル当量のPMDAと1モル当量のFDAが反応して[PMDA]−[FDA]−[PMDA]で表されるオリゴマーが生成する。このオリゴマーはC1工程で生成したオリゴマー(c1)の片方の端のアミノ基と反応する。一方、残った1モル当量のPMDAは、オリゴマー(c1)の他方の端のアミノ基と反応する。このようにしてオリゴマー(c2)が生成される。
C3工程:オリゴマー(c2)の両末端の酸無水物基とDATのアミノ基が反応して、重合体が生成する。反応条件等は、製造方法Aで述べたとおりである。
―[PMDA]-[FDA]-[PMDA]―[DADE]-[DA]-[DADE]―[PMDA]―X1-[DA]-X1― (C)
式中、X1はDAT等の前記芳香族ジアミン残基であり、[DADE]等や、これらの結合は一般式(A)で述べたとおりである。
この方法で得られるポリイミド組成物は、(PMDA)3(DADE)2(DA)2(FDA)1(DAT)2の成分比を有することが好ましい。
また、C3工程において、芳香族ジアミンとして、1モル当量のDATおよび1モル当量のHOABSO2を用いることが好ましい。この場合、得られるポリイミド組成物は、(PMDA)3(DADE)2(DA)2(FDA)1(HOABSO2)1(DAT)1の成分比を有する。
製造方法Dは、
(D1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(D2)D1工程で得たオリゴマーに、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量を加え、ついで間をおいてビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量を加えた後、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量を加え、これらを加熱して反応させて両末端が酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(D3)D2工程で得たオリゴマーと、芳香族ジアミン1モル当量とを反応させて重合体を得る工程を含む製造方法である。
―[PMDA]-[FDA]-[BPDA]―[DADE]-[BPDA]-[DADE]―[PMDA]―[X1]― (D)
式中、X1はCH3AB等の前記芳香族ジアミン残基であり、[DADE]等や、これらの結合は一般式(A)で述べたとおりである。
この方法で得られるポリイミド組成物は、(PMDA)2(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(CH3AB)1または(PMDA)2(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(HOABSO2)1の成分比を有することが好ましい。
D2工程においてはPMDAを添加した後、間をおいてBPDAを加えるが、これはPMDAがほぼ溶解した後にBPDAを添加することを意味する。
製造方法Eは、
(E1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(E2)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量と芳香族ジアミン1モル当量をN−メチルピロリドンに溶解させ、当該溶液をE1工程で得たオリゴマーに加えて反応させ、末端が酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、
(E3)E2で得たオリゴマーと9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量を反応させて重合体を得る工程を含む製造方法である。
工程を含む製造方法である。
―[PMDA]-X2-[PMDA]―[DADE]-[BPDA]-[DADE]―[BPDA]―[FDA]― (E)
式中、X2は、前記芳香族ジアミン残基であり、[DADE]等や、これらの結合は一般式(A)で述べたとおりである。
本方法で得られるポリイミド組成物の成分比は、(PMDA)2(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(DABz)1であることが好ましい。
製造方法Fは、
(F1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(F2)F1工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量と、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ)スルホン(HOABSO2)2モル当量とを反応させて両末端が酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(F3)F2工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量と芳香族ジアミン1モル当量とを反応させて重合体を得る工程を含む製造方法である。
―[PMDA]-[HOABSO2]-[PMDA]―[DADE]-[BPDA]-[DADE]―[PMDA]-[HOABSO2]-[PMDA]―[FDA]-[BPDA]-X2― (F)
式中、X2は、独立に前記芳香族ジアミン残基であり、[DADE]等や、これらの結合は一般式(A)で述べたとおりである。
本方法で得られるポリイミド組成物の成分比は、(PMDA)4(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(HOABSO2)2(DAT)1であることが好ましい。
製造方法Gは、
(G1)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量とビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOABSO2)1モル当量とを反応させて、両末端がPMDA由来の酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、
(G2)G1工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)4モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、および
(G3)G2工程で得たオリゴマーと、ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量、とを反応させて重合体を得る工程を含む製造方法である。反応条件等は、製造方法Aで述べたとおりである。
―[DADE]-[BPDA]-[DADE]―[PMDA]-[HOABSO2]-[PMDA]―[DADE]-[BPDA]-[DADE]―[BTDA]-[FDA]-[BTDA]― (G)
式中、[DADE]等や、これらの結合は一般式(A)で述べたとおりである。
本方法で得られるポリイミド組成物の成分比は、(PMDA)2(DADE)4(BPDA)2(BTDA)2(HOABSO2)1(FDA)1であることが好ましい。
本発明のポリイミド組成物は、KAPTONやUpilexと同等の耐熱性を示すポリイミドであり、有機溶媒に可溶のポリイミドとして多目的に使用できる。他の材料と複合化された複合材料として用いることができる。特に、基材の上に本発明のポリイミド組成物から得られたフィルムを積層して得た複合材料が好ましい。前述のとおり、本発明のポリイミド組成物は、優れた耐熱性と接着性を有するので、高耐熱かつ高強度の複合材料が得られる。このような複合材料は、航空宇宙材料、輸送用車両材料、半導体用材料として用いることができる。また、特にHOABSO2を原料とする本発明のポリイミド組成物は、C=Nの開裂反応を利用したレジスト材料や、カルボキシル基を利用した電着塗装等の用途に適用できる。
(DA+2DADE)(4PMDA+2FDA)(DA+2X)
実施例においては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルをDADEと表記した。
(BPDA+2DADE)(4PMDA+2FDA)(BPDA+2CH3AB)
ガラス製のセパラブルフラスコに、碇型の撹拌羽(ステンレス製)を備えた撹拌装置と水分離トラップ(ディーンスタークトラップ)と還流冷却器を取り付けた。フラスコ内に窒素ガスを流しながら、上記フラスコをシリコン浴に浸漬した。
1)3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)2.94g(10mmol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DADE)4.00g(20mmol)、γ−バレロラクトン 1.2g(12mmol)、ピリジン 2.0g(25mmol)、N−メチルピロリドン(NMP)80g、トルエン 25gをフラスコに装入した。窒素ガス気流下、180rpm、シリコン浴温度180℃の条件で、40分間加熱撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
2)次いで、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)8.73g(40mmol)、次に9,9‘−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)6.97g(20mmol)、NMP 60gをフラスコに装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで20分間撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
3)次いで、BPDA 2.94g(10mmol)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル(CH3AB)4.24g(20mmol)、NMP 80gをこの順にフラスコ内に装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで重合反応を行った。3時間10分が経過した時点で反応混合物にNMP 60gを加えた。反応は3時間40分行った。反応後、反応混合物を空冷して反応を停止した。このようにして11質量%のポリイミド溶液を得た。
溶液の一部を採取して、高速液体クロマトグラフィー(東ソー株式会社製GPC:HLCP−8320)でポリエチレン換算分子量および分子量分布を測定した。その結果を表1に示す。
4)得られた溶液をガラス板表面に塗布し、空気通気下、150℃で1時間乾燥した。乾燥された塗布膜をガラス板から遊離して金属製の枠に貼り付けた。この状態で、280℃で1時間さらに加熱して、ポリイミドフィルムを得た。熱分解開始温度(Tm)、Tm測定において最初に観測される分解温度である一次減量温度、ガラス転移温度(Tg)を、Mac Science社製 TG−DTA分析装置を用いて測定した。測定条件は、昇温速度:10℃/分、測定温度:室温〜600℃、窒素ガス気流下とした。結果を表1に示す。
PMDA 8.73g、FDA 6.97g、NMP 60gを別のフラスコに採取し、室温で撹拌しながら時々加熱して均一な溶液を得た。この液を1)の工程で得た反応混合物に添加し、20分間撹拌した後、180℃、180rpmの条件で、20分間撹拌した。その後、反応混合物を20分間撹拌しながら空冷した。
(BPDA+2DADE)(4PMDA+2FDA)(BTDA+2DAT)
以下の変更点以外は、実施例1と同様にして13質量%のポリイミド溶液を得た。
3)の工程において添加する原料を、BPDA 2.94g(10mmol)、2,4−ジアミノトルエン(以下「DAT」ともいう)2.44g(20mmol)とし、最初に添加するNMPの量を40gとした。また、反応時間を4時間と、反応終了後NMP 40gを反応混合物に添加した。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(3PMDA+FDA)(BPDA+2DAT)
実施例1と同様のフラスコを準備し、シリコン浴に浸漬した。
1)BPDA 2.94g(10mmol)、DADE 4.00g(20mmol)、γ−バレロラクトン 1.2g(12mmol)、ピリジン 2.0g(25mmol)、N−メチルピロリドン(NMP)80g、トルエン 20gをフラスコに装入した。窒素ガス気流下、180rpm、シリコン浴温度180℃の条件で、40分間加熱撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
2)次いで、PMDA 6.64g(30mmol)、FDA 3.49g(10mmol)、NMP 60gをフラスコに装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで20分間撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
3)次いで、BPDA 2.94g(10mmol)、DAT 2.44g(20mmol)、NMP 80gをこの順にフラスコ内に装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで重合反応を行った。4時間45分が経過した時点で反応を終了した。このようにして11質量%のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(2PMDA+BPDA+FDA)(CH3AB)
以下の変更点以外は、実施例3と同様にしてポリイミド溶液を得た。
2)の工程において添加する原料を、PMDA 4.36g(20mmol)、BPDA 2.94g(10mmol)、FDA 3.48g(10mmol)とした。
3)の工程において添加する原料を、CH3AB 2.12g(10mmol)、加えるNMPの量を30gとし、かつ反応時間を4.5時間とした。
反応終了後に反応混合物に60gのNMPを添加し、11質量%のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(4PMDA+2DAT)(PMDA+DAT+FDA)
実施例1と同様のフラスコを準備し、シリコン浴に浸漬した。
1)BPDA 2.9g(10mmol)、DADE 4.0g(20mmol)、γ−バレロラクトン 0.9g、ピリジン 1.8g、NMP 100g、トルエン 35gをフラスコに装入した。窒素ガス気流下、180rpm、シリコン浴温度180℃の条件で、1時間加熱撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
2)次いで、PMDA 8.72g(40mmol)、DAT 8.44g(20mmol)、NMP 60gをフラスコに装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで15分間撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
3)次いで、PMDA 2.18g(10mmol)、DAT 1.22g(10mmol)、FDA 3.49g(10mmol)、NMP 65gをこの順にフラスコ内に装入した。室温にてフラスコ内を15分間撹拌した後、フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで重合反応を行った。3時間30分が経過した時点で反応を終了した。このようにして10質量%のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(4PMDA+2DAT)(BPDA+DAT+FDA)
以下の変更点以外は、実施例5と同様にしてポリイミド溶液を得た。
3)の工程において添加する原料を、BPDA 2.94g(10mmol)、DAT 1.22g(10mmol)、FDA 3.49g(10mmol)とした。加えるNMPの量を80gとした。反応時間を4時間とした。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(2PMDA+BPDA+DAT)(FDA)
実施例1と同様のフラスコを準備し、シリコン浴に浸漬した。
1)BPDA 2.94g(10mmol)、DADE 4.00g(20mmol)、γ−バレロラクトン 1.2g(12mmol)、ピリジン 2.0g(25mmol)、N−メチルピロリドン(NMP)80g、トルエン 25gをフラスコに装入した。窒素ガス気流下、180rpm、シリコン浴温度180℃の条件で、40分間加熱撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
2)次いで、PMDA 4.36g(20mmol)、BPDA 2.94g(10mmol)、DAT 1.22g(10mmol)NMP 60gをフラスコに装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで20分間撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
3)次いで、FDA 3.49g(10mmol)、NMP 40gをこの順にフラスコ内に装入した。室温で20分間撹拌し、その後フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで重合反応を行った。4時間40分で反応を終了した。このようにして11質量%のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(2PMDA+BPDA+DABz)(FDA)
以下の変更点以外は、実施例7と同様にしてポリイミド溶液を得た。
2)の工程において芳香族ジアミンとしてDATの代わりに10mmolの3,5−ジアミノ安息香酸(DABz)を用いた。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(3PMDA+DAT)(BPDA+FDA+mPD)
実施例1と同様のフラスコを準備し、シリコン浴に浸漬した。
1)BPDA 2.94g(10mmol)、DADE 4.00g(20mmol)、γ−バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gをフラスコに装入した。窒素ガス気流下、180rpm、シリコン浴温度180℃の条件で、40分間加熱撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
2)次いで、PMDA 6.64g(30mmol)、ついでDAT 1.22g(10mmol)、NMP 60gをフラスコに装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで20分間撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
3)次いで、BPDA 2.94g(10mmol)、FDA 3.49g(10mmol)、m−フェニレンジアミン(mPD) 1.00g(10mmol)、NMP 80gをフラスコ内に装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで重合反応を行った。5時間40分反応を行った後、反応混合物を空冷して反応を停止し、NMP 40gを加えた。得られたポリイミドを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(2PMDA+FDA)(2BPDA+4DADE)(2PMDA+HOABSO2)
以下の変更点以外は、実施例9と同様にしてポリイミド溶液を得た。
1)の工程で加えるNMPの量を80gとした。
3)工程は、PMDA 4.36g(20mmol)、HOABSO2 2.80g(10mmol)、およびNMP 80gを加えた後、フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで4時間40分間撹拌して反応を行った。反応途中でNMP 140gを追加した。得られたポリイミドを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(4PMDA+2FDA)(BPDA+DAT+HOABSO2)
実施例1と同様のフラスコを準備し、シリコン浴に浸漬した。
1)BPDA 2.94g(10mmol)、DADE 4.00g(20mmol)、γ−バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 30gをフラスコに装入した。窒素ガス気流下、180rpm、シリコン浴温度180℃の条件で、30分間加熱撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
2)次いで、PMDA 8.73g(40mmol)、FDA 6.98g(20mmol)、NMP 100gをフラスコに装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで20分間撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
3)次いで、BPDA 2.94g(10mmol)、DAT 1.22g(10mmol)。HOABSO2 2.80g(10mmol)、NMP 110gをフラスコ内に装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで重合反応を行った。5時間30分反応を行った後、反応混合物を空冷して反応を停止した。このようにして11質量%のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミドを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(4PMDA+2FDA)(BPDA+2HOABSO2)
以下の変更点以外は、実施例11と同様にしてポリイミド溶液を得た。
2)の工程において、原料を加えた後、180℃、180rpmの条件で20分撹拌したのち、20分間空冷した。
3)の工程において、BPDA 2.94g(10mmol)、HOABSO2 5.60g(20mmol)を添加した。これらの原料を添加した後、フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmの条件で4時間25分間反応した。得られたポリイミドを実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(3PMDA+FDA)(BPDA+HOABSO2+DAT)
実施例1と同様のフラスコを準備し、シリコン浴に浸漬した。
1)BPDA 2.94g(10mmol)、DADE 4.00g(20mmol)、γ−バレロラクトン 1.2g(12mmol)、ピリジン 2.0g(25mmol)、N−メチルピロリドン(NMP)80g、トルエン 20gをフラスコに装入した。窒素ガス気流下、180rpm、シリコン浴温度180℃の条件で、40分間加熱撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
2)次いで、PMDA 6.64g(30mmol)、FDA 3.49g(10mmol)、NMP 60gをフラスコに装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで20分間撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら10分間空冷した。
3)次いで、BPDA 2.94g(10mmol)、DAT 1.22g(10mmol)、HOABSO2 2.80g(10mmol)、NMP 80gをこの順にフラスコ内に装入し、室温で20分間撹拌した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで重合反応を行った。4時間45分が経過した時点で反応を終了した。このようにして11質量%のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(2PMDA+BPDA+FDA)(HOABSO2)
以下の変更点以外は、実施例13と同様にしてポリイミド溶液を得た。
2)の工程で加える原料を、PMDA 4.36g(20mmol)、BPDA 2.94g(10mmol)、FDA 3.94g(10mmol)とし、加えるNMPの量を60gとした。
3)の工程で加える原料を、HOABSO2 2.80g(10mmol)、加えるNMPの量を40gとした。また、この工程の反応時間は4時間15分とした。このようにして得たポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(2PMDA+HOABSO2)(2BPDA+4DADE)(2BTDA+FDA)
実施例1と同様のフラスコを準備し、シリコン浴に浸漬した。
1)PMDA 8.72g(40mmol)、HOABSO2 5.60g(20mmol)、γ−バレロラクトン 2.0g、ピリジン 4.2g、NMP 140g、トルエン 50gをフラスコに装入した。窒素ガス気流下、180rpm、シリコン浴温度180℃の条件で、60分間加熱撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら30分間空冷した。
2)次いで、BPDA 11.76g(40mmol)、DEDA 16.00g(80mmol)、NMP 114gをフラスコに装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで20分間撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら30分間空冷した。
3)次いで、BTDA 12.88g(40mmol)、FDA 6.98g(20mmol)、NMP 133gをこの順にフラスコ内に装入し、室温で20分間撹拌した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで重合反応を行った。2時間30分が経過した時点で反応を終了した。その後NMP 100gを反応混合物に添加し、13質量%のポリイミド溶液を得た。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(4PMDA+2HOABSO2)(BPDA+DAT+FDA)
1)BPDA 2.94g(10mmol)、DADE 4.00g(20mmol)、γ−バレロラクトン 1.2g、ピリジン 2.0g、NMP 80g、トルエン 25gをフラスコに装入した。窒素ガス気流下、180rpm、シリコン浴温度180℃の条件で、40分間加熱撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら20分間空冷した。
2)次いで、PMDA 8.73g(40mmol)、HOABSO2 5.60g(20mmol)、NMP 100gをフラスコに装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで20分間撹拌して反応を行った。その後、反応混合物を撹拌しながら空冷した。
3)次いで、BPDA 2.94g(10mmol)、DAT 1.22g(10mmol)、FDA 3.41g(10mmol)、NMP 94gをこの順にフラスコ内に装入した。フラスコを180℃のシリコン浴に浸漬し、180rpmで重合反応を行った。4時間30分が経過した時点で反応を終了した。得られたポリイミドの分子量、および耐熱性を表1に示す。
(BPDA+2DADE)(4PMDA+2DAT)(BPDA+2DAT)
実施例1と同様の装置を準備した。
BPDA 5.88g(20ミリモル)、DADE 8.01g(40ミリモル)、γ−バレロラクトン 1.5g(15ミリモル)、ピリジン 3.5g(44ミリモル)、NMP 150g、トルエン 45gを前記装置に装入した。窒素を通じながら、シリコン浴温度180℃、180rpm回転数で1時間加熱、撹拌した。水−トルエン留分20mlを除いた。
1時間180rpmで空冷、撹拌した。ついでPMDA 17.45g(80ミリモル)、ついでDAT 4.88g(40ミリモル)を加え、さらにNMP 250gを加えて、室温で20分間窒素を通じながら180rpmで撹拌した。
次に、BPDA 5.88g(20ミリモル)、DAT 4.88g(40ミリモル)、NMP 120g、トルエン 30gを加え、230rpmで30分間撹拌して、180℃のシリコン浴で加熱して180rpmで撹拌した。トルエン20mlを除去した。5時間10分間、180℃、180rpmで反応して10質量%のポリイミド溶液を得た。
乾燥ポリイミドフィルムの一部をとり、理学電機製熱分析装置Thermo Plus Tg 8120で熱分解開始温度(Tm)を測定した。条件は、昇温速度 10℃/1分、昇温600℃までとした。Tmは、512.5℃であった。
Perkin Elmer Pyrid Diameter DSCを用いてガラス転位温度(Tg)を測定した。条件は、昇温速度10℃/1分で400℃まで昇温し、その後、空冷して再び10℃/1分で430℃まで昇温した。Tgは観察されなかった。
Claims (9)
- (A1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(A2)A1工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)2モル当量とを反応させて両末端がPMDA由来の酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(A3)A2工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、3,3’−ジメチルベンチジン(CH3AB)2モル当量とを反応させて製造される以下の成分比:
成分比:(PMDA)4(DADE)2(DA)2(FDA)2(CH3AB)2
を有するポリイミド組成物。 - (A1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(A2)A1工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)4モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)2モル当量とを反応させて両末端がPMDA由来の酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(A’3)A2工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOABSO2)2モル当量とを反応させて製造される以下の成分比:
成分比:(PMDA)4(DADE)2(DA)2(FDA)2(HOABSO2)2
を有するポリイミド組成物。 - (B1)ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量とを反応させて、両末端がPMDA由来の酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、
(B2)B1工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)2モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)4モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、および
(B3)B2工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量と、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOABSO2)1モル当量とを反応させて製造される以下の成分比:
成分比:(PMDA)4(DADE)4(DA)2(FDA)1(HOABSO2)1
を有するポリイミド組成物。 - (C1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(C2)C1工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)3モル当量と、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量とを反応させて両末端が酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(C3)C2工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、ジアミノトルエン(DAT)2モル当量とを反応させて製造される以下の成分比:
成分比:(PMDA)3(DADE)2(DA)2(FDA)1(DAT)2
を有するポリイミド組成物。 - (C1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)のいずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(C2)C1工程で得たオリゴマーと、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)3モル当量と、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量とを反応させて両末端が酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(C’3)C1工程で得たオリゴマーと、ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)またはベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)いずれかのカルボン酸ジ無水物(DA)1モル当量と、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOABSO2)1モル当量およびジアミノトルエン(DAT)1モル当量とを反応させて製造される以下の成分比:
成分比:(PMDA)3(DADE)2(DA)2(FDA)1(HOABSO2)1(DAT)1
を有するポリイミド組成物。 - (D1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(D2)D1工程で得たオリゴマーに、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量を加え、ついで間をおいてビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量を加えた後、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量を加え、これらを加熱して反応させて両末端が酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(D3)D2工程で得たオリゴマーと、3,3’−ジメチルベンチジン(CH3AB)1モル当量とを反応させて製造される以下の成分比:
成分比:(PMDA)2(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(CH3AB)1
を有するポリイミド組成物。 - (D1)ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量と、ジアミノジフェニルエーテル(DADE)2モル当量とを反応させて、両末端がDADE由来のアミノ基であるオリゴマーを得る工程、
(D2)D1工程で得たオリゴマーに、ピロメリット酸ジ無水物(PMDA)2モル当量を加え、ついで間をおいてビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(BPDA)1モル当量を加えた後、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(FDA)1モル当量を加え、これらを加熱して反応させて両末端が酸無水物基であるオリゴマーを得る工程、および
(D’3)D2工程で得たオリゴマーと、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン(HOABSO2)1モル当量とを反応させて製造される以下の成分比:
成分比:(PMDA)2(DADE)2(BPDA)2(FDA)1(HOABSO2)1
を有するポリイミド組成物。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の反応は、溶媒としてN−メチルピロリドン、スルホラン、またはジメチルアセトアミドを用い、触媒としてγ−バレロラクトンとピリジン、またはγ−バレロラクトンとN−メチルモルフォリンを用い、撹拌しながら160〜200℃に加熱し、共沸溶媒としてトルエンを用いて、反応により生成する水を共沸により除去することを含む、有機溶媒に可溶でありかつ高純度な請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリイミド組成物。
- PMDA−DADE−PMDA結合またはDADE−PMDA−DADE結合を含まない、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリイミド組成物。
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