JPWO2011021656A1 - 装飾金属物品の製造方法および装飾金属物品 - Google Patents

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Abstract

宝飾品、装飾品、装身具などに用いる銀または銀合金焼結用組成物と、銅または銅合金の焼結用組成物とを組み合わせた複雑なマーブル模様を備える装飾金属品の製造方法および装飾金属物品を提供することを課題とする。上記課題を解決するために、銅および銅合金から選択される1種以上の粉末と有機バインダとを含有する銅含有可塑性組成物と、銀および銀合金から選択される1種以上の粉末と有機バインダとを含有する銀含有可塑性組成物を、それぞれ柱状に形成して銅棒状体と銀棒状体を作製する棒状体形成工程と、前記棒状体形成工程を経た銅棒状体と銀棒状体とを絡め混ぜ合わせて混合棒状体を形成する混合棒状体形成工程と、前記混合棒状体形成工程を経た混合棒状体の少なくとも一部を平坦化して装飾物を製作する装飾物形成工程と、得られた装飾物を焼成して装飾物焼成体を得る焼成体製作工程とを含む工程により、装飾金属物品を製造する。

Description

本発明は、宝飾品、装飾品、装身具などに用いる銀または銀合金の焼結用組成物と銅または銅合金の焼結用組成物とを組み合わせた複雑なマーブル模様を備える装飾金属品の製造方法および装飾金属物品に関する。
従来、異なる色合いや見映えを有する異種金属からなる装飾金属品を製作するための技法としては、例えば象嵌や木目金などといった伝統的な彫金技法が知られているが、異なる色合いを有する異種金属が極めて複雑に絡み合う模様、例えばマーブル模様を形成する技法は存在しない。
マーブル模様を形成するマーブリングとは、日本古来の染め技「墨流し」に端を発する技法であり、種々の大理石調の模様が、絵画や染め物などの世界では再現されているが、装飾金属物品の世界では適用される技術が確立されていない。
貴金属粉末を含有する可塑性組成物を用いる方法において、異なる金属の焼結体を組み合わせた金属物品を作る方法としては、特許文献1〜3に開示される方法が提案されている。なお、特許文献1〜3では、銅を貴金属類に含めて記載しているが、銅は、金、銀、白金属元素である一般的な貴金属類に比較して著しく耐腐食性(耐酸化性)が劣るという特性を有している。すなわち、銅および銅合金は、酸化雰囲気中(大気中)で加熱すると酸化する特性を有している。
特許文献1に記載の手法は、第1の貴金属粉末を含有する可塑性組成物をプレート状とし、所望の領域のプレート部分を除去し、除去したプレート部分に別の色を呈する第2の貴金属粉末を含有する可塑性組成物を詰め込んで焼結する方法である。
特許文献2には、第1の貴金属粉末を含有する可塑性組成物を造形し、複数の貫通穴を形成し、該貫通穴に別の色を呈する貴金属粉末を含有する可塑性組成物を詰め込み、各可塑性組成物がそれぞれ露出するように切断して焼結する方法と、それぞれ異なる色を呈する可塑性組成物をプレート状として重ね合わせ、巻回してロール状とし、これを切断して焼結する方法とが提案されている。
特許文献3に記載の手法は、焼結によって各々異なった色を呈する複数の貴金属可塑性組成物をブロックまたはプレート状に予備形成し、これらを表裏模様が異なるように組み合わせて焼結する方法である。
しかし、これらの特許文献1〜3に記載の技術は、大雑把な組み合わせで接合する方法であって、接合面積(接合部分)が小さいと(少ないと)焼成後に分離してしまうため、接合面積(接合部分)が広い(多い)デザインの金属物品にしか適用できず、デザインに大きな制約があるもので、前記特許文献1〜3の何れの方法も、異なる色合いを有する異種金属が極めて複雑に絡み合うマーブル模様を形成する技法とは到底成り得ないものであった。
また、これらの特許文献1〜3には、その焼成条件について、十分に明確な記載がなされていない。特に特許文献3には、焼成雰囲気についての一切の記載が認められない。
前記特許文献1および前記特許文献2には、純金粉末を含有する可塑性組成物は空気中、すなわち酸化雰囲気で焼結を行い、金75.0重量%、銀12.5重量%、銅12.5重量%の割合で混合した、いわゆるK18の合金金属を含有する可塑性組成物の場合は、アルゴンガス雰囲気中で焼結を行うことが記載されている。すなわち、銅をわずかに12.5重量%しか含まないK18の如き合金金属を含有する可塑性組成物でさえ、不活性雰囲気中で焼結を行わなければならないことが開示されている。
しかし、これらの特許文献1,2は何れも、異なる色を呈する金属粉末の可塑性組成物を物理的に組み合わせた状態で焼成する発明を提案しているにもかかわらず、例えば純金を含有する酸化雰囲気で焼成を行う可塑性組成物Aと、K18のごとき銅を含む不活性雰囲気中で焼成を行う可塑性組成物Bとを組み合わせた状態では、いかなる条件で焼成すべきかの開示は無い。
また、前記特許文献1〜3の出願人が発行している参考資料によると、錫(スズ)との銅合金である青銅(ブロンズ)の粉末を含む可塑性組成物の造形体を焼成するには、アルミ箔の上に炭(すみ)などの還元剤を敷いた状態の上に青銅造形体を設置し、ステンレス容器をかぶせた状態で860℃まで加熱して1〜3時間程度焼成する方法が記載されている。
一方、特許文献4には、銀および銅を含む貴金属混合粉末を含有する可塑性組成物を、酸化雰囲気中にて400℃以上で一次焼結した後、還元雰囲気中にて800℃以上で二次焼結する方法が開示されている。
しかし、この特許文献4には、一次焼結及び二次焼結のそれぞれにおける焼結時間が記載されていないので、検証実験はできないが、その実施例として、金合金としてはK18の合金組成を含む数例が記載されているに過ぎず、その銅の含有量はK18の組成を越えるものはない。また、白金合金としてもわずかに二種類の合金組成のみが検証されているに過ぎず、銅の含有量はさらに少ない。
かかる特許文献4には、酸化雰囲気での一次焼結と還元雰囲気での二次焼結を行うことが記載されているものの、この特許文献4に記載の技術は、銅または銅合金を含有する貴金属可塑性組成物の焼成に限定されるものであって、異なる色合いや見映えを有する異種金属の可塑性組成物を組み合わせた金属物品を得る焼成技術ではない。
特許第2924139号公報 特許第2932648号公報 特許第3389613号公報 特許第3191434号公報
前述のように、貴金属粉末を含有する可塑性組成物を用いる前記特許文献1〜4に記載の技法では、異種金属からなる装飾金属品を製作できるものの、大雑把な組み合わせで接合する方法であって、接合面積が小さいと焼成後に分離してしまうため、接合面積を広くしなければならないというデザインに大きな制約があるもので、前記特許文献1〜3の何れの方法も、異なる色合いを有する異種金属が極めて複雑に絡み合うマーブル模様を形成する技法とは到底成り得ないものであった。
また、銅または銅合金を含有する銅可塑性組成物の焼成条件は、不活性雰囲気中、すなわち還元雰囲気中で基本的に行うことは知られているものの、これら銅または銅合金を含有する銅可塑性組成物と焼成中大気で酸化されない耐酸化性の性質を有する銀などの貴金属を含有する貴金属可塑性組成物と組み合わせた複合造形体を、その造形をそこなわずに焼成して装飾金属物品を得るためには、如何なる条件や手順で焼成すべきか具体的には知られていない。
そこで、本発明者らは、上記に鑑みて、赤銅(しゃくどう)色の銅、青銅(ブロンズ)、白銅(はくどう)などの多くの色合いのものが知られている銅または銅合金を含有する銅可塑性組成物と、銀または銀合金を含有する銀可塑性組成物とを組み合わせた宝飾品、装飾品、装身具などに用いる装飾金属物品の製造方法および装飾金属物品を提供することを検討した結果、本発明に至ったもので、その本発明の目的は、銅または銅合金の色と銀または銀合金の色が複雑に絡み合うマーブル調の模様を備える装飾金属物品であって、あたかも2種類の多数本の極細金属線を絡め縒り合わせて一体的に束ねた状態で溶融して形成したかのような模様を形成することができる装飾金属物品を得るための製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の請求の範囲第1項に係る装飾金属物品の製造方法は、
銅および銅合金から選択される1種以上の粉末と有機バインダとを含有する銅含有可塑性組成物と、銀および銀合金から選択される1種以上の粉末と有機バインダとを含有する銀含有可塑性組成物を、それぞれ柱状に形成して銅棒状体と銀棒状体を形成する[棒状体形成工程]と、
前記[棒状体形成工程]を経た銅棒状体と銀棒状体とを絡め混ぜ合わせて混合棒状体を形成する[混合棒状体形成工程]と、
前記[混合棒状体形成工程]を経た混合棒状体の少なくとも一部を平坦化して装飾物を形成する[装飾物形成工程]と、
得られた装飾物を焼成して装飾物焼成体を得る[焼成体製作工程]と、
を含むことを特徴とするものである。
かような装飾金属物品の製造方法によれば、銅含有可塑性組成物からなる銅棒状体と銀含有可塑性組成物からなる銀棒状体を、その先の混合棒状体においてそれぞれ長さ方向に引き伸ばすので、銅または銅合金の色と銀または銀合金の色が複雑に絡み合う複合造形体となり、あたかも2種類の多数本の銅極細線と銀極細線を絡め縒り合わせて一体的に束ねた状態で溶融して形成したかのような模様を形成することができ、この本発明の以外の方法では到底得られないような複雑なマーブル模様を形成することができる。例えば銅色と銀色が渾然(こんぜん)一体に絡み合うマーブル模様、または一方の色の中に他方の色がランダムに点在するマーブル模様などを備える装飾金属物品を得ることができる。
このように銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物とを複雑に混合した装飾物の焼成は、還元雰囲気でも大気焼成(酸化雰囲気)でもよい。還元雰囲気による焼成は、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスを焼成中に流し続けなければならないことや炭素などの還元剤を銅造形体と一緒に密封容器に入れて外部から加熱するなど、煩雑な手間がかかるので、大気焼成で行うのが好ましい。大気焼成で行うには、後述する実施例から明らかなように、銅含有可塑性組成物中の銅粉末または銅合金粉末をできるだけ細かくすることが特に好ましい。
なお、上記した本発明の“銀合金”とは、銀の含有量が80重量%以上の合金を意味し、例えば日本の品位検定制度で認められている銀の品位950、品位925、品位900および品位800のものが挙げられる。このような“銀合金”としては、例えば、耐硫化性能を向上させた銀−Pd合金などが挙げられる。
一方、上記した本発明の“銅合金”とは、銅の含有量が80重量%以上の合金を意味し、例えば青銅(ブロンズ)、砲金、白銅等が挙げられる。なお、酸化銅を含まない銅合金が好ましい。酸化銅を含まないことにより、ポーラスなものになることを回避することができる。
また、本発明においては、大気焼成は、大気中で焼成することを意味し、酸化雰囲気での焼成と同義である。また、還元雰囲気は、炭素等の還元剤(加熱時に銅造形体より酸化しやすい物)を銅造形体と一緒に密封容器に入れて外部から加熱する内部状態を含み、アルゴンガス雰囲気などの不活性雰囲気と同義に扱い、これらを含むものとする。
本発明の請求の範囲第2項に係る装飾金属物品の製造方法は、前記[混合棒状体形成工程]が、前記銅棒状体と前記銀棒状体とをシリンジに収容して射出することによって混合棒状体を製作することを特徴とする。
かような請求の範囲第2項の装飾金属物品の製造方法によれば、シリンジによる射出形成にて所定の均一な太さを有する混合棒状体が形成され、その後の装飾物を得るための平坦化の作業を容易に行うことができる。また、このシリンジによる射出形成は、1回のシリンジ射出操作でも、後述する請求の範囲第3項のように多段のシリンジ射出操作でも良い。
本発明の請求の範囲第3項に係る装飾金属物品の製造方法は、前記[混合棒状体形成工程]が、前記銅棒状体と前記銀棒状体とをシリンジに収容して射出することによって混合棒状体を形成し、さらに射出した混合棒状体をシリンジに収容して射出し再び射出された混合棒状体を形成する操作を少なくとも1回以上繰り返し行って、混合棒状体を形成することを特徴とする。
かような請求の範囲第3項の装飾金属物品の製造方法によれば、シリンジによる射出形成を繰り返して行うので、銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物との絡め混ぜ合わせが十分に行われ、得られる装飾物のマーブル調の模様を複雑に形成することができる。
本発明の請求の範囲第4項に係る装飾金属物品の製造方法は、前記[混合棒状体形成工程]が、前記銅棒状体と前記銀棒状体とを縒り合わせて柱状に形成し、次いで、柱状体を分断または折り返して、当該柱状体同士を縒り合わせて再び柱状に形成する操作を少なくとも1回以上繰り返し行って、混合棒状体を形成することを特徴とする。
かような請求の範囲第4項の装飾金属物品の製造方法によれば、前記請求の範囲第2項や請求の範囲第3項のようにシリンジを用いずに手作業にて絡め混ぜ合わせて混合棒状体を形成することができ、手先の器用な作業者であれば、まさに手作りのオリジナリティに富んだマーブル調の模様を備える装飾用金属物品を創作することができる。
本発明の請求の範囲第5項に係る装飾金属物品の製造方法は、前記[装飾物形成工程]が、前記混合棒状体を平面渦巻き状に巻き、少なくともその上面を平坦化してプレート状とし装飾物を形成することを特徴とする。
かような請求の範囲第5項の装飾金属物品の製造方法によれば、プレート状の装飾物が形成できるため、例えばそのプレート状の装飾物を焼成した装飾物焼成体をリングの上端にロウ付けして指輪としたり、ペンダントなどにすることができる。
本発明の請求の範囲第6項に係る装飾金属物品の製造方法は、前記[装飾物形成工程]が、前記混合棒状体を平面渦巻き状に巻き、その上面と下面を平坦化してプレートとし、そのプレートをリング状とし装飾物を形成することを特徴とする。
かような請求の範囲第6項の装飾金属物品の製造方法によれば、リング状の装飾物が形成できるため、指輪などにすることができる。その際、プレートの端部相互に水を付けてなじませて端部相互を接続するか、銀含有可塑性組成物または銅含有可塑性組成物に水を加えてペースト状としたもので接続するとよい。
本発明の請求の範囲第7項に係る装飾金属物品の製造方法は、前記[焼成体製作工程]が、大気焼成されることを特徴とする。
かような請求の範囲第7項の装飾金属物品の製造方法によれば、大気焼成するため、従来のように還元雰囲気による焼成を行わないので、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスを焼成中に流し続けなければならない煩雑な手間や炭素などの還元剤を銅造形体と一緒に密封容器に入れて外部から加熱するなどの煩雑な手間などが、回避でき、カルチャースクールなどで気軽に適用できるようになる。
本発明の請求の範囲第8項に係る装飾金属物品の製造方法は、前記[焼成体製作工程]が、焼成温度660〜770℃、焼成時間3〜40分であることを特徴とする。
かような請求の範囲第8項の装飾金属物品の製造方法によれば、銅造形体単独の焼成や銀造形体単独の焼成に比べて低い温度にてかつ短い時間にて焼成を実施することが特に好ましい。
大気焼成では、電気炉を前記焼成温度に予熱しておき、その温度に保持された電気炉に前記装飾物を投入し、所定の温度を保持して前記焼成時間後に取り出して急冷すればよい。
本発明の請求の範囲第9項に係る装飾金属物品の製造方法は、前記銅含有可塑性組成物の銅および銅合金から選択される粉末は、平均粒径0.1〜4.0μmの第1粉末を25〜75重量%含有し、残部が平均粒径4.0μmを越えて平均粒径10μm以下の第2粉末からなる銅混合粉末であり、前記銀含有可塑性組成物の銀および銀合金から選択される粉末は、平均粒径0.1〜4.0μmの第1粉末を25〜75重量%含有し、残部が平均粒径4.0μmを越えて平均粒径40μm以下の第2粉末からなる銀混合粉末であることを特徴とするものである。
かような請求の範囲第9項の装飾用の焼成物品の製造方法によれば、銅含有可塑性組成物における銅と銅合金とから選択される1種以上の粉末を平均粒径10μm以下の粉末に限定すると共に、銅含有可塑性組成物および銀含有可塑性組成物における粉末を、それぞれ平均粒径が異なる特定の混合粉末とし、当該銅含有可塑性組成物と当該銀含有可塑性組成物とを組み合わせて造形した装飾物を、所定の焼成温度と焼成時間で大気焼成しても、その造形を“そこなわずに”焼成できて、銅造形焼成部分も銀造形焼成部分も工芸や装飾用の焼成物品に必要な一定の強度を得ることができる。
これらの銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物は、それぞれに平均粒径が異なる特定の混合粉末を用いたものであり、焼成後の線収縮率も同程度に低く抑えることができ、造形焼成体において一方の収縮が大きすぎて焼成後に剥がれたり形状を損なうことがない。
大気焼成によって銅造形焼成部分の表面が極薄く酸化しても、内部まで酸化の影響を受けることがない。そのため、簡単に銅造形焼成部分の表面の酸化膜が剥離でき、見栄えも十分工芸や装飾用の焼成物品として十分に通用するものが得られる。なお、銀造形焼成部分については、銀含有可塑性組成物中の銀合金成分によっては希に還元雰囲気で行った方が好ましい場合もあるが、一般的には大気焼成しても、特に支障なく行うことができる。
したがって、従来のように還元雰囲気による焼成を行わないので、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスを焼成中に流し続けなければならない煩雑な手間や炭素などの還元剤を銅造形体と一緒に密封容器に入れて外部から加熱するなどの煩雑な手間などが、回避でき、カルチャー教室などで気軽に適用できるようになる。
また、本発明では、銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物とを組み合わせて装飾物を形成して同時に(一度に)大気焼成するため、焼成設備を何度も使用することがないので、極めて効率的である。
なお、本発明に係わる銅、銅合金、銀、銀合金の“平均粒径”とは、中位径、中径、メディアン径、メジアン径または50%粒径とも言い、通常D50で表示されるもので、累積曲線の50%に対応する粒径を意味する。具体的には3本のレーザー散乱光検出機構を持つレーザー回折式粒度分布測定装置(マイクロトラック社製)を用い、測定条件を[粒子透過性:反射]と[真球/非球形:非球形]としたときに(粒子透過性の設定を反射に、真球/非球形の選定を非球形に設定したときに)測定される粒度分布のD50の値とする。
本発明の請求の範囲第10項に係る装飾金属物品の製造方法は、前記銅含有可塑性組成物15〜85重量%と前記銀含有可塑性組成物85〜15重量%とを組み合わせて造形して装飾物を形成することを特徴とするものである。
かかる請求の範囲第10項の装飾金属物品の製造方法によれば、形成される模様がマーブル模様となり、銅に僅かに銀色が入った程度、または銀に僅かに銅色が入った程度になることがなく、バランスのよいマーブル模様が得られる。好ましくは、前記銅含有可塑性組成物25〜75重量%と前記銀含有可塑性組成物75〜25重量%とを組み合わせて造形して装飾物を形成すると、より見栄えの良いマーブル模様が得られる。
本発明の請求の範囲第11項に係る装飾金属物品は、請求の範囲第1〜6項の何れか一項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とするものである。
かような請求の範囲第11項の装飾金属物品によれば、形成される模様がマーブル模様となり、銅に僅かに銀色が入った程度、または銀に僅かに銅色が入った程度になることがなく、バランスのよいマーブル模様が得られる。
本発明の装飾金属物品の製造方法によれば、銅含有可塑性組成物からなる銅棒状体と銀含有可塑性組成物からなる銀棒状体を、その先の混合棒状体においてそれぞれ長さ方向に引き伸ばすので、銅または銅合金の色と銀または銀合金の色が複雑に絡み合う複合造形体となり、あたかも2種類の多数本の銅極細線と銀極細線を絡め縒り合わせて一体的に束ねた状態で溶融して形成したかのような模様を形成することができ、この本発明の以外の方法では到底得られないような複雑なマーブル模様を形成することができる。そして、例えば銅色と銀色が渾然(こんぜん)一体に複雑に絡み合うマーブル模様、または一方の色の中に他方の色がランダムに点在するマーブル模様などを備える装飾金属物品を得ることができる。
また、本発明の装飾金属物品の製造方法によれば、それぞれ平均粒径が異なる特定の混合粉末を含有する銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物とを組み合わせて用いることにより、大気焼成に好適に用いることができ、銅造形焼成部分も銀造形焼成部分も工芸や装飾用の焼結物品に必要な一定の強度を得ることができるため、カルチャースクールなどで、前述の複雑なマーブル模様を備える装飾金属物品を容易に形成することができる。
図示実施例Aにおける棒状体形成工程で得られた銅棒状体と銀棒状体とを示す正面図である。 図示実施例Aにおける混合棒状体形成工程にて銅棒状体と銀棒状体をシリンジに収容する状態を示す正面図である。 図示実施例Aにおける混合棒状体形成工程にてシリンジから棒状体を射出形成した状態を示す斜視図である。 図示実施例Aにおける混合棒状体形成工程にて棒状体を縒り合わせて柱状に形成した状態を示す正面図である。 図示実施例Aにおける混合棒状体形成工程にて混合棒状体を得る状態を示す斜視図である。 図示実施例Aにおける装飾物形成工程にて混合棒状体を平面渦巻き状に巻き付けて一体化した状態を示す正面図である。 図示実施例Aにおける装飾物形成工程にて平坦化した状態を示す正面図である。 図示実施例Aにおける装飾物形成工程にてプレート状にした状態を示す正面図である。 図示実施例Aにおける装飾物形成工程にてリング状に造形する状態を示す斜視図である。 図示実施例Aにおいて装飾物形成工程にて造形体をヤスリで形を整える状態を示す斜視図である。 図示実施例Aにおける表面酸化膜除去工程にて急冷した状態を示す斜視図である。 図示実施例Aにおける表面酸化膜除去工程にて酸洗いの状態を示す斜視図である。 図示実施例Aにおいて得られた装飾金属品(指輪)を示す斜視図である。 図示実施例Bにおける銅棒状体、銀棒状体を示す正面図である。 図示実施例Bにおける混合棒状体形成工程にて縒り合わせて柱状に形成する状態を示す正面図である。 図示実施例Bにおける混合棒状体形成工程にて長さ方向に伸ばした状態を示す正面図である。 図示実施例Bにおける混合棒状体形成工程にて混合棒状体を分断した状態を示す正面図である。 図示実施例Bにおける混合棒状体形成工程にて分断した棒状体を縒り合わせて柱状に形成する状態を示す正面図である。 図示実施例Bにおける装飾物形成工程にて混合棒状体を平面渦巻き状に巻いた状態を示す正面図である。 図示実施例Bにおける装飾物形成工程にて混合棒状体を平面渦巻き状に巻いて平坦化した状態を示す正面図である。 図示実施例Bにおける装飾物形成工程にて得られたプレート状の装飾物を示す正面図である。 図示実施例Bにおいて得られた装飾金属物品(ブローチ)を示す正面図である。 図示実施例Aにて製造した指輪の図面代用写真である。 図示実施例Bにて製造した指輪の図面代用写真である。
まず、本発明において、好ましく使用される銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物について説明する。
好ましく使用される銅含有可塑性組成物は、銅と銅合金とから選択される1種以上の粉末であって、平均粒径0.1〜4.0μmの第1銅粉末を25〜75重量%含有し、残部が平均粒径4.0μmを越えて平均粒径10μm以下の第2銅粉末からなる銅混合粉末と有機バインダとを含有するものである。
また、好ましく使用される銀含有可塑性組成物は、銀と銀合金とから選択される1種以上の粉末であって、平均粒径0.1〜4.0μmの第1銀粉末を25〜75重量%含有し、残部が平均粒径4.0μmを越えて平均粒径40μm以下の第2銀粉末からなる銀混合粉末と有機バインダとを含有するものである。
前述のように銅は、赤銅(しゃくどう)色を有し、銅合金としては、錫(スズ)との銅合金である青銅(ブロンズ)、ニッケルとの銅合金である白銅(はくどう)など多くの色合いのものが知られている。
また、銀は、白銀(しろがね)色を有し、銀合金としては、例えば、前述した日本の品位検定制度で認められている銀の品位950、品位925、品位900および品位800のものやPdを1%添加した銀−Pd合金などを用いることができる。
これらの銅粉末、銅合金粉末、銀粉末、銀合金粉末としては、アトマイズ粉、還元粉など製造方法は特に指定はないが、粒子が球状に近い形状であることが好適に使用される。
前記のそれぞれ平均粒径が異なる特定の混合粉末を含有する銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物とを組み合わせて造形した装飾物は、大気焼成でき、銅造形焼成部分も銀造形焼成部分も工芸や装飾用の焼結物品に必要な一定の強度を得ることができ、さらに焼成後のそれぞれの焼成体(造形焼成部分)の収縮を近似させることができ、造形焼成体において一方の収縮が大きすぎて焼成後に剥がれたり形状を損なうことがない。
また、大気焼成によって銅造形焼成部分の表面が極薄く酸化しても、内部まで酸化の影響を受けることがない。そのため、急冷や酸洗い、磨きなどにより簡単に銅造形焼成部分の表面の酸化膜が剥離でき、見栄えも十分工芸や装飾用の焼結物品として十分に通用するものが得られる。
また、銅と銅合金とから選択される1種以上の粉末についても、銀と銀合金とから選択される1種以上の粉末についても、より好ましくは、平均粒径0.5〜4.0μmの第1銅粉末を25〜75重量%含有し、残部が平均粒径4.0μmを越えて平均粒径10μm以下の第2銅粉末からなる銅混合粉末、および平均粒径0.5〜4.0μmの第1銀粉末を25〜75重量%含有し、残部が平均粒径4.0μmを越えて平均粒径30μm以下の第2銀粉末からなる銀混合粉末がよい。
さらに好ましくは、平均粒径2.0〜3.0μmの第1銅粉末を30〜70重量%含有し、残部が平均粒径5〜10μmの第2銅粉末からなる銅混合粉末、および平均粒径2.0〜3.0μmの第1銀粉末を30〜70重量%含有し、残部が平均粒径5〜20μmの第2銀粉末からなる銀混合粉末がよい。
前記有機バインダとしては、特に限定するものではないが、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロース(カルボキシメチルセルロース)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどのセルロース系バインダ、アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸系バインダ、澱粉、片栗粉、小麦粉、ブリティシュガム、キサンタンガム、デキストリン、デキストラン、プルランなどの多糖類系バインダ、ゼラチンなどの動物系バインダ、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのビニル系バインダ、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルなどのアクリル系バインダ、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレングリコールなどのその他樹脂系バインダなどから一種以上のバインダを選択して使用するのが好ましい。セルロース系バインダにおいては、特に水溶性のセルロース系バインダを用いることが最も好ましい。
さらに必要により、添加物として前記有機バインダに下記の物質を加えてもよい。すなわち添加物としては、有機酸(オレイン酸、ステアリン酸、フタル酸、パルミチン酸、セパシン酸、アセチルクエン酸、ヒドロキシ安息香酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、カプロン酸、エナント酸、酪酸、カプリン酸、クエン酸)、フタル酸−n−ジオクチル、フタル酸−n−ジプチルなどの有機酸エステル(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ヘキシル基、ジメチル基、ジエチル基、イソプロピル基、イソブチル基を有する有機酸エステル)、高級アルコール(オクタノール、ノナノール、デカノール)、多価アルコール(グリセリン、アラビット、ソルビタン、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,3ブチレングリコール)、エーテル(ジオクチルエーテル、ジデシルエーテル)、フェニルプロパンを骨格とする構成単位体が縮合してなる網状高分子であるリグニン、流動パラフィンおよび油脂からなる群より選ばれた1種または2種以上の混合物(例えば、オレイン酸を多く含むオリーブ油)などが挙げられる。これら添加物は、可塑性を改善する目的で添加されたり、造形時に銅可塑性組成物や銀可塑性組成物が手に付着しないようにする目的で添加されたりする。さらに、上記添加物であるリグニンやグリセリンは、適度な保水性を与える。
さらに添加物として、アニオン系、カチオン系、ノニオン系などの界面活性剤が挙げられる。上記界面活性剤は、銀粉末や銅粉末と有機バインダとの混合性が良くなるという作用や保水性を向上させる作用を果たす。
前記有機バインダのうち、水溶性のセルロース系バインダは、可塑性を付与する作用を果たす。また、前記有機バインダのうち、ポリエチレンオキサイドは、低濃度で高い粘性を与え、液状での接着性を向上する作用を果たす。また、アルギン酸ナトリウムは、前記グリセリンと同様に適度な保水性を与えるが、密着向上作用にも寄与する。さらに、ポリアクリル酸エステル及びポリアクリル酸は、粘着性をより強固にする作用を果たす。
水溶性のセルロース系バインダについては、前述のように可塑性を付与する作用を果たすが、水溶性のセルロース系バインダとしては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどが用いられ、水に溶解して用いる。
上述した水溶性のセルロース系バインダを有機バインダとして用いる銅可塑性組成物、銀可塑性組成物における有機バインダの量として、より好ましい様態としては、有機バインダの合計量が、水を除いた固形分表示で0.1〜4wt%の範囲内であることが望ましい。この場合、有機バインダの量が0.1wt%より少ないと、均質な銅可塑性組成物、銀可塑性組成物とすることが難しい。また、塗着、乾燥後の強度が弱くなるといった不都合がある。有機バインダの量が4wt%を越えると、収縮率が大きくなり、ひび割れが生じやすくなる。したがって、有機バインダの量は0.1〜4wt%が望ましい。
ポリエチレンオキサイドを用いる場合には、分子量10万〜数百万のポリエチレンオキサイドを0.1〜3wt%の範囲内のものを用いることが望ましい。
また、界面活性剤を用いる場合には、0.03〜3wt%の範囲内であることが望ましく、油脂を用いる場合には、0.1〜3重量%の範囲内であることが望ましい。
さらに、水は必要量加えるものとし、少なすぎると硬くなって造形し難く、多すぎると形状が保てなくなる。本発明にて用いる銅可塑性組成物や銀可塑性組成物は、水の含有量により、粘土状でもペースト状でもスラリー状にも調製できる。
前記好適な組成では、何れの可塑性組成物においても金属粉末は75〜99wt%であるが、少なすぎると、収縮が大きくなり、焼結にも支障を生じ、多すぎると、その分、有機バインダ及び水の割合が少なくなって、造形に支障を生ずる。
また、焼結促進剤としてBi、Se、Sb、In、Sn、Zn粉末またはそれらの合金粉末を加えても良い。
さらに、密着性向上剤として炭酸鉛、炭酸リチウム、酸化亜鉛、リン酸、炭酸ナトリウム、酸化バナジウム、珪酸ナトリウム、リン酸塩などから選ばれる金属化合物粉末またはガラス粉末を加えてもよい。
また、可塑性を改善する目的で、リグニンの如きフェニルプロパンを骨格とする構成単位体が縮合してなる網状高分子、グリセリン、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,3ブチレングリコール、流動パラフィン、アルコール類、油脂、フタル酸、フタル酸−n−ジオクチル、フタル酸−n−ジブチル、ポリビニルアルコールを加え、必要に応じて界面活性剤、表面活性剤を加えてもよい。
さらに、焼成時の変形を防止する目的で酸化ジルコニウムなどの金属酸化物を添加しても良い。これは、金属酸化物によって焼結を遅らせることで、有機バインダが燃焼した際に発生するガスなどが外部へ拡散するための通路を形成する効果がある。
次に、以上の前記銅含有可塑性組成物と前記銀含有可塑性組成物とを組み合わせて、装飾物焼成体を得る本発明の装飾金属物品の製造方法の請求の範囲第1項における[棒状体形成工程]、[混合棒状体形成工程]、[装飾物形成工程]、[焼成体製作工程]についてそれぞれ説明する。
[棒状体形成工程]
この工程では、銅および銅合金から選択される1種以上の粉末と有機バインダとを含有する銅含有可塑性組成物と、銀および銀合金から選択される1種以上の粉末と有機バインダとを含有する銀含有可塑性組成物を、それぞれ柱状に形成して銅棒状体と銀棒状体を作製する。
この工程では、形成する銅棒状体と銀棒状体は、必ずしも同じ太さ(径)に形成する必要はなく、また長さについても必ずしも同じ長さに形成する必要はなく、意図的に異なる太さや長さに形成してもよい。
[混合棒状体形成工程]
この工程では、前記[棒状体形成工程]を経た銅棒状体と銀棒状体とを絡め混ぜ合わせて混合棒状体を形成する。
銅棒状体と銀棒状体とを絡め混ぜ合わせて混合棒状体を形成する具体的な手法は、特に限定するものではなく、どのように形成してもよいが、結果的に、混合棒状体を構成している銅棒状体と銀棒状体とがそれぞれ長さ方向に細く引き伸ばされ、絡み合って混在している状態に当該混合棒状体がなっていればよい。以下に、その代表的な方法を示す。
本発明の請求の範囲第2項のように銅棒状体と銀棒状体とをシリンジに収容して射出することによって混合棒状体を形成するものでもよい。
このようなシリンジよる射出形成は、所定の均一な太さを有する混合棒状体を形成するためには好適な手法であり、その後の装飾物を得るための平坦化の作業を容易に行うことができる。また、このシリンジによる射出形成は、1回のシリンジ射出操作でも、後述するように多段のシリンジ射出操作でもよい。
本発明の請求の範囲第3項のように銅棒状体と前記銀棒状体とをシリンジに収容して射出することによって混合棒状体を形成し、さらに射出した混合棒状体をシリンジに収容して射出し再び射出された混合棒状体を形成する操作を少なくとも1回以上繰り返して行って、混合棒状体を形成するものでもよい。
このようなシリンジによる射出形成を繰り返して行う方法では、銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物との絡め混ぜ合わせが十分に行われ、得られる装飾物のマーブル調の模様を複雑に形成することができる。
本発明の請求の範囲第4項のように銅棒状体と銀棒状体とを縒り合わせて柱状に形成し、次いで、柱状体を分断または折り返して、当該柱状体同士を縒り合わせて再び柱状に形成する操作を少なくとも1回以上繰り返して行って、混合棒状体を形成するものでもよい。
このようにシリンジを用いずに手作業にて絡め混ぜ合わせて混合棒状体を形成する方法では、手先の器用な作業者であれば、まさに手作りのオリジナリティに富んだマーブル調の模様を備える装飾用金属物品を創作することができる。
[装飾物形成工程]
この工程では、前記[混合棒状体形成工程]を経た混合棒状体の少なくとも一部を平坦化して装飾物を形成する。
混合棒状体から装飾物を形成する具体的な手法は特に限定するものではなく、どのように形成してもよい。以下に、その代表的な方法を示す。
本発明の請求の範囲第5項のように混合棒状体を平面渦巻き状に巻き、少なくともその上面を平坦化してプレート状とし装飾物を形成してもよい。
このような方法では、プレート状の装飾物が形成できるため、例えばそのプレート状の装飾物を焼成した装飾物焼成体をリングの上端にロウ付けして指輪としたり、後述する図示実施例Bに示すようにペンダントなどにすることができる。
本発明の請求の範囲第6項のように混合棒状体を平面渦巻き状に巻き、その上面と下面を平坦化してプレートとし、そのプレートをリング状とし装飾物を形成してもよい。
このような方法では、リング状の装飾物が形成できるため、後述する図示実施例Aに示すように指輪などに用いることができる。その際、プレートの端部相互に水を付けてなじませて端部相互を接続するか、銀含有可塑性組成物か銅含有可塑性組成物に水を加えてペースト状としたもので接続するとよい。
なお、図示実施例A,Bでは、混合棒状体の全てを平坦化して装飾物を形成しているが、一部のみを平坦化してもよい。
[焼成体製作工程]
この工程では、前記[装飾物形成工程]を経て得られた装飾物を焼成して装飾物焼成体を得る。
前述のように本発明の銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物とを複雑に混ぜ合わせた装飾物の焼成は、還元雰囲気でも大気焼成(酸化雰囲気)でもよい。
大気焼成の場合は、660〜770℃にて3〜40分、好ましくは700〜750℃にて10〜15分で焼成することが特に好ましく、銅含有可塑性組成物の造形体を焼成する場合に比べて低い温度、短い時間にて焼成する。
ちなみに、銅含有可塑性組成物のみの造形物の大気焼成の条件としては、粉末が純銅である銅含有可塑性組成物の焼成温度は、990℃×3分〜6分、980℃×4分〜15分、970℃×5分〜30分、950℃×5分〜40分、850℃×10分〜50分、800℃×30分〜60分、が目安であり、好ましくは850℃〜980℃、さらに好ましくは950℃〜970℃である。
大気焼成の場合は、電気炉を前記焼成温度に予熱しておき、その温度に保持された電気炉に前記装飾物を投入し、所定の温度を保持して前記焼成時間後に取り出して急冷すればよい。この場合、従来のように還元雰囲気による焼成を行わないので、アルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガスを焼成中に流し続けなければならない煩雑な手間や炭素などの還元剤を銅造形体と一緒に密封容器に入れて外部から加熱するなどの煩雑な手間などが、回避でき、カルチャースクールなどで気軽に適用できるようになる。
なお当然、還元性雰囲気でも同様の温度で焼成できるのは無論であるが、好ましくは前記焼成温度をより高く、前記焼成時間をより長くするとよい。さらに、例えば、有機バインダを燃焼させるために前半を大気焼成し、後半を還元雰囲気で焼成してもよい。この場合の一例を挙げると、前半の大気焼成が室温から350℃〜450℃に達したら電気炉等の加熱源から前記装飾物を直ちに取り出し、これと炭素などの還元剤と一緒に入れて密封したステンレス容器を電気炉に投入し、室温から700℃〜800℃まで加熱、その後その温度を30分〜9時間保持することによって還元雰囲気焼成することができる。
アルゴンガス雰囲気での焼成は、電気炉にアルゴンガスを流通して大気が入り込まないようにして焼成する。
[表面酸化膜除去工程]
この工程では、前記装飾物焼成体を急冷または酸洗いまたは磨きを行って表面に形成された酸化膜を除去する。
この急冷、酸洗い、磨きについては、この種の貴金属可塑性組成物の焼成技術としては、公知の技術であって、酸洗いは、硫酸水素ナトリウムなどの酸洗い用固形酸剤(市販品)や希硫酸に5分程度つけて必要に応じてブラシなどで研磨してすぐに水洗する。磨きは、磨きへら、糸バフ、リューター、スポンジ研磨材、ステンレスブラシなど各種の磨き材料が市販されているので、適宜にこれらを用いて研磨する。
前記[焼成体製作工程]にて大気焼成(酸化雰囲気での焼成)を行った際に、前記装飾物焼成体の表面に形成された酸化膜を除去するものである。
前述のように銅可塑性組成物中の銅および銅合金から選択される粉末の粒径が10μm以下であると、酸化雰囲気にて焼成して表面に酸化膜が形成されても、酸洗いや磨きにより容易に除去できる。
〔複雑なマーブル調の模様を有する銅−銀装飾金属品の製造1(図示実施例A)〕
〈使用した原材料〉
銅混合粉末90wt%[混合重量組成:平均粒径2.5μmの第1銅粉末(純銅)50重量%、平均粒径10μmの第2銅粉末(純銅)50重量%]と、有機バインダとしてのメチルセルロース1.20wt%、カルボキシメチルセルロースナトリウム0.30wt%及び水8.50wt%とを十分に混合して粘土状の銅含有可塑性組成物とした。
一方、粘土状の銀含有可塑性組成物は、銀混合粉末92wt%[混合重量組成:平均粒径2.5μmの第1銀粉末(純銀)50重量%、平均粒径20μmの第2銀粉末(純銀)50重量%]と、有機バインダとしてのデンプン0.7wt%、セルロース0.8wt%、残部を水とした水溶性バインダとを十分に混合して作った。
〈棒状体形成工程〉
前記銀含有可塑性組成物6gと、前記銅含有可塑性組成物3gを、それぞれ指で約3mm幅の柱状にのばして形成し、図1に示すようにそれぞれ70mmの銀棒状体2と35mmの銅棒状体1とを形成した。
〈混合棒状体形成工程〉
得られた銀棒状体2、銅棒状体1をそのまま縒り合わすことなく図2に示すように空のシリンジ21に入れた。この場合、銀棒状体2が長かったので、端部を折り返して収容し、図3に示すようにシリンジ21から柱状の混合棒状体3を射出形成した。
前記シリンジ21としては、シリンダー内長さ8cm、内径6mm、押出口内径1.4mmの2.0mlのシリンジ((株)トップ社製、医療機器届出番号13B1×00085000023)を使用した。
得られた混合棒状体3を2つ折りにし、図4に示すようにその2本を4回縒り合わして再びシリンジに収容し、シリンジから棒状体を射出形成し、この操作を3回繰り返して行い、図5に示すように、細く長さ方向に伸ばされた多数の銅棒状体と多数の銀棒状体とが複雑に絡み混ぜ合わされた状態になった一本の混合棒状体4が得られた。
〈装飾物形成工程〉
得られた混合棒状体を作業台上に射出し、射出された混合棒状体を平面渦巻き状に巻き、やや細長く巻いてまとめ、外側から押圧して一体化し、図6に示す造形体5とした。
次に、ローラーでその上面を平坦化(1.5mm厚)して図7に示す造形体6とし、さらに周りをカッターで約1cm幅にカットして図8に示すプレート状の造形体7とした。このプレート状の造形体7を図9に示すように16号の木芯棒22に巻き付けてリング状の造形体8を得た。この造形体8を乾燥温度100℃に設定した乾燥機に入れて、乾燥時間30分とし乾燥を行った。
乾燥後、図10に示すようにリング状の造形体8の形をヤスリ23で整えた。
〈焼成体製作工程〉
得られた造形体(装飾物)を750℃×10分で大気焼成した。
なお、大気焼成は、電気炉を上記温度に予熱しておき、その温度に保持された電気炉に投入し、所定の温度と時間を保持させて行った。
〈表面酸化膜除去工程〉
焼成後、図11に示すように焼成体9を水24に入れて急冷させた。水中で酸化膜がよく取れた。
次に、図12に示すように焼成体9を酸洗い用固形酸材(商品名:Pickling Compound、GROBET FULE CO.OF AMERICA,INC社製)の水溶液25に浸し、焼結体9の表面の酸化膜を除去した。
表面を必要に応じ、ステンレスブラシなどで研磨することで光沢が出た。
その結果、図13に示す銀と銅という2種類(2色)の金属による複雑なマーブル模様を備える装飾金属物品(指輪)10ができあがった。得られた指輪10は図23に図面代用写真として添付した。このマーブル模様は、あたかも2種類の多数本の極細金属線を絡め縒り合わせて一体的に束ねた状態で溶融して形成したかのような模様であった。
〔複雑なマーブル模様を有する装飾金属品の製造2(図示実施例B)〕
〈使用した原材料〉
銅混合粉末90重量%[混合重量組成:平均粒径2.5μmの銅粉末(純銅)47.5%、平均粒径10μmの銅粉末(純銅)47.5%、及び酸化ジルコニウム5.0%]と、有機バインダとしてのメチルセルロース1.20重量%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.15重量%、澱粉0.8重量%、リグニン0.10重量%及び水7.75重量%とを十分に混合して粘土状の銅含有可塑性組成物を作った。
一方、粘土状の銀含有可塑性組成物は、前記実施例2と全く同様にして、銀混合粉末92wt%[混合重量組成:平均粒径2.5μmの第1銀粉末(純銀)50重量%、平均粒径20μmの第2銀粉末(純銀)50重量%]と、有機バインダとしてのデンプン0.7wt%、セルロース0.8wt%、残部を水とした水溶性バインダを十分に混合して作った。
〈棒状体形成工程〉
前記の銀含有可塑性組成物、銅含有可塑性組成物を使用し、それぞれ指で約3mm幅の柱状にのばして形成し、図14に示す長さ70mmの銀棒状体32、銅棒状体31を形成した。
〈混合棒状体形成工程〉
得られた銀棒状体32、銅棒状体31を図15に示すように縒り合わせて柱状に形成し、図16に示すように長さ方向に伸ばし、ついで図17に示すように混合棒状体33を分断して、分断した混合棒状体33,33同士を図18に示すように縒り合わせて再び柱状に形成する操作を繰り返して行って混合棒状体を形成した。
〈装飾物形成工程〉
得られた混合棒状体を図19に示すように平面渦巻き状に巻いて造形体34とし、さらにローラーでその上面を平坦化して図20に示す造形体35とし、さらに周りをカッターでカットして図21に示すプレート状の装飾物36を得た。
この装飾物36を乾燥温度100℃に設定した乾燥機に入れて、乾燥時間30分とし乾燥を行った。乾燥後、750℃×10分で大気焼成した。
〈表面酸化膜除去工程〉
焼成後、希硫酸水溶液などに浸し、銅焼成部分方面の酸化膜を除去した。
表面を必要に応じ、ステンレスブラシなどで研磨することで光沢が出た。
図22に示すように銀と銅という2種類(2色)の金属による複雑なマーブル模様を備える装飾金属物品(ブローチ)37ができあがった。なお、形状は異なるが、ほぼ同様に得られた指輪を図24に図面代用写真として添付した。
〔銅−銀焼成体における大気焼成条件の評価〕
〈使用した原材料〉
銅混合粉末90wt%[混合重量組成:平均粒径2.5μmの第1銅粉末(純銅)50重量%、平均粒径10μmの第2銅粉末(純銅)50重量%]と、有機バインダとしてのメチルセルロース1.20wt%、カルボキシメチルセルロースナトリウム0.30wt%及び水8.50wt%とを十分に混合して粘土状の銅含有可塑性組成物とした。
一方、粘土状の銀含有可塑性組成物は、銀混合粉末92wt%[混合重量組成:平均粒径2.5μmの第1銀粉末(純銀)50重量%、平均粒径20μmの第2銀粉末(純銀)50重量%]と、有機バインダとしてのデンプン0.7wt%、セルロース0.8wt%、残部を水とした水溶性バインダとを十分に混合して作った。
〈テストピースの作成〉
前記銀含有可塑性組成物と、前記銅含有可塑性組成物を、それぞれ所定の割合となるように秤量し、それらを指で約3mm幅の柱状に形成してそれぞれ銀棒状体、銅棒状体を作製した。
のばした銀棒状体、銅棒状体をそのままねじることなく空のシリンジに入れた。何れか一方が長い場合には、端部を折り返して収容し、シリンジから柱状の混合棒状体を射出した。
前記シリンジとしては、シリンダー内長さ8cm、内径6mm、押出口内径1.4mmの2.0mlのシリンジ((株)トップ社製、医療機器届出番号13B1×00085000023)を使用した。
得られた混合棒状体を2つ折りにし、その2本を4回縒り合わせて柱状に形成して再びシリンジに収容し、シリンジから混合棒状体を射出した。この操作を3回繰り返して行い、銅含有可塑性組成物の線状のものと銀含有可塑性組成物の線状のもとが複雑に絡み合って一体的に縒り合わされた混合棒状体が得られた。
得られた混合棒状体を作業台上に射出して平面渦巻き状に巻き、その上面を平坦化してプレート状とし、そのプレートを外側から押圧して平板状に形成した。次に、ローラーで平ら(1.5mm厚)にのばし、周りをカッターで縦約15mm×横15mmのテストピース(造形体)を作成した。
得られたテストピースを乾燥した後、650℃×30分〜850℃×5分の条件で大気焼成し、高温になればなるほど焼成時間を短くした。
なお、大気焼成は、電気炉を上記温度に予熱しておき、その設定温度に保持された電気炉に投入し、所定の温度と時間を保持させて行った。
焼成後、水に入れて急冷させた。酸化膜がよく取れた。
次に、酸洗い用固形酸材(商品名:Pickling Compound、GROBET FULE CO.OF AMERICA,INC社製、主成分:硫酸水素ナトリウム)に浸し、焼結体表面の酸化膜を除去した。
表面を必要に応じ、ステンレスブラシなどで研磨することで光沢が出た。
その結果、銀と銅という2種類(2色)の金属によるマーブル調の表層模様を有するテストピースが得られた。
焼成条件を変え、また前記銅含有可塑性組成物と前記銀含有可塑性組成物との割合を、銅83重量%:銀17重量%〜銅17重量%:銀83重量%の範囲で変更し、表1〜表6の結果を得た。
なお、テスト1は、650℃×30分の焼成条件であり、表1にその結果を示した。
また、テスト2は、700℃×15分の焼成条件であり、表2にその結果を示した。
また、テスト3は、750℃×10分の焼成条件であり、表3にその結果を示した。
また、テスト4は、780℃×5分の焼成条件であり、表4にその結果を示した。
また、テスト5は、800℃×5分の焼成条件であり、表5にその結果を示した。
また、テスト6は、850℃×5分の焼成条件であり、表6にその結果を示した。
表1〜表6における評価欄の「○」および「△」は使用可能の評価であり、「×」は使用できない評価である。「△」評価は、美的にマーブル模様がわかりづらいという見かけの問題であり、デザインの異なる装飾物では問題にならないものであって、使用上の強度は十分備えていた。
〈結果〉
Figure 2011021656
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〈考察〉
テスト1(表1)、テスト4(表4)、テスト5(表5)、テスト6(表6)では、銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物の割合に関わらず、全く良くない結果しか得られなかった。
これに対し、テスト2(表2)およびテスト3(表3)においては、逆に銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物の割合に関わらず、良好な結果が得られ、700℃×15分〜750℃×10分がこの銅−銀混合造形体の焼成において、良好な大気焼成が実施できる条件であることが確認された。
この結果より、銅含有可塑性組成物と銀含有可塑性組成物とを適宜に組み合わせて複合造形体として装飾物を形成する場合には、700〜750℃にて10〜15分大気焼成することができる。特に銅色と銀色とがバランスよく配されたデザインの装飾物とすることができた。
また、本発明のマーブル模様を備える装飾金属物品の製造方法において、銅含有可塑性組成物15〜85重量%と銀含有可塑性組成物85〜15重量%とを組み合わせが、
好ましくは銅含有可塑性組成物25〜75重量%と銀含有可塑性組成物75〜25重量%とを組み合わせが、バランスの点で優れていることが確認された。
10 マーブル模様を備える装飾金属物品(指輪)
37 マーブル模様を備える装飾金属物品(ブローチ)

Claims (11)

  1. 銅および銅合金から選択される1種以上の粉末と有機バインダとを含有する銅含有可塑性組成物と、銀および銀合金から選択される1種以上の粉末と有機バインダとを含有する銀含有可塑性組成物を、それぞれ柱状に形成して銅棒状体と銀棒状体を製作する棒状体形成工程と、
    前記棒状体形成工程を経た銅棒状体と銀棒状体とを絡め混ぜ合わせて混合棒状体を形成する混合棒状体形成工程と、
    前記混合棒状体形成工程を経た混合棒状体の少なくとも一部を平坦化して装飾物を形成する装飾物形成工程と、
    得られた装飾物を焼成して装飾物焼成体を得る焼成体製作工程と、
    を含むことを特徴とする装飾金属物品の製造方法。
  2. 前記混合棒状体形成工程が、前記銅棒状体と前記銀棒状体とをシリンジに収容して射出することによって混合棒状体を形成することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の装飾金属物品の製造方法。
  3. 前記混合棒状体形成工程が、前記銅棒状体と前記銀棒状体とをシリンジに収容して射出することによって混合棒状体を形成し、さらに射出した混合棒状体をシリンジに収容して射出し再び射出された混合棒状体を得る操作を少なくとも1回以上繰り返し行って、混合棒状体を形成することを特徴とする請求の範囲第2項に記載の装飾金属物品の製造方法。
  4. 前記混合棒状体形成工程が、前記銅棒状体と前記銀棒状体とを縒り合わせて柱状に形成し、次いで、柱状体を分断または折り返して、当該柱状体同士を縒り合わせて再び柱状に形成する操作を少なくとも1回以上繰り返し行って、混合棒状体を形成することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の装飾金属物品の製造方法。
  5. 前記装飾物形成工程が、前記混合棒状体を平面渦巻き状に巻き、少なくともその上面を平坦化してプレート状とし装飾物を形成することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の装飾金属物品の製造方法。
  6. 前記装飾物形成工程が、前記混合棒状体を平面渦巻き状に巻き、その上面と下面を平坦化してプレートとし、そのプレートをリング状とし装飾物を形成することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の装飾金属物品の製造方法。
  7. 前記焼成体製作工程が、大気焼成されることを特徴とする請求の範囲第1〜6項の何れか一項に記載の装飾金属物品の製造方法。
  8. 前記焼成体製作工程が、焼成温度660〜770℃、焼成時間3〜40分であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の装飾金属物品の製造方法。
  9. 前記銅含有可塑性組成物の銅および銅合金から選択される粉末は、平均粒径0.1〜4.0μmの第1粉末を25〜75重量%含有し、残部が平均粒径4.0μmを越えて平均粒径10μm以下の第2粉末からなる銅混合粉末であり、
    前記銀含有可塑性組成物の銀および銀合金から選択される粉末は、平均粒径0.1〜4.0μmの第1粉末を25〜75重量%含有し、残部が平均粒径4.0μmを越えて平均粒径40μm以下の第2粉末からなる銀混合粉末であることを特徴とする請求の範囲第8項に記載の装飾金属物品の製造方法。
  10. 前記銅含有可塑性組成物15〜85重量%と前記銀含有可塑性組成物85〜15重量%とを組み合わせて装飾物を形成することを特徴とする請求の範囲第9項に記載の装飾金属物品の製造方法。
  11. 請求の範囲第1〜6項の何れか一項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする装飾金属物品。
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