JPWO2011007456A1 - 内燃機関の制御弁異常判定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
過給機は、周知のように、コンプレッサに流入する空気の流量が所定のサージ流量から所定のチョーク流量までの範囲内にある場合、その空気を実質的に圧縮することができる。一般に、過給機の容量が大きいほど、サージ流量及びチョーク流量の双方が大きくなる。従って、比較的小容量の過給機のみによって過給を行おうとすると、機関が高負荷運転される場合、コンプレッサに流入する空気の流量がチョーク流量に達するから過給ができない。これに対し、比較的大容量の過給機のみによって過給を行おうとすると、機関が低負荷運転される場合、コンプレッサに流入する空気の流量がサージ流量よりも小さくなるから過給ができない。このように、単一の過給機のみを備えた内燃機関が適切に過給を行うことができる運転領域(負荷領域)は、機関の全運転領域に対して狭い。
そこで、従来の内燃機関の一つは、小容量の第1過給機と、第1過給機に直列に接続された大容量の第2過給機と、第1過給機及び第2過給機に供給される空気又は排ガスの流量を調整するための複数のバイパス通路と、それらのバイパス通路に配設された複数の制御弁と、を備える。この従来の内燃機関においては、機関の運転状態に応じて、第1過給機と第2過給機とが使い分けられる。これにより、適切に過給を行うことができる運転領域(負荷領域)が拡大される。
上記従来の内燃機関においては、例えば、第1過給機のタービンに供給される排ガスの流量を調整するためのバイパス通路に制御弁(排気切替弁)が配設される。この排気切替弁は、制御装置により、機関の負荷が低負荷であるときに閉弁し且つ高負荷であるときに開弁するように制御させられる。これにより、機関が低負荷運転される場合、小容量の第1過給機が主として作動させられる。一方、機関が高負荷運転される場合、大容量の第2過給機が主として作動させられる。その結果、単一の過給機のみを備えた内燃機関が適切に過給を行うことができる運転領域に比べて広い運転領域において適切な過給が行われる。
上記従来の内燃機関が備える制御装置は、上述したような適切な過給が行われる状態を維持することを目的として、排気切替弁が正常に作動しているか否かを判定するようになっている。具体的に述べると、この制御装置は、予め実験によって取得された「排気切替弁が正常に作動している場合における過給圧の最大値」を記憶している。そして、この制御装置は、「実際の過給圧」がその「記憶された過給圧の最大値」よりも大きくなったとき、排気切替弁が異常であると判定するようになっている(例えば、実公平3−106133号公報を参照。)。
本発明は、上記課題に対処するためになされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、上述したような「複数の過給機と、複数のバイパス通路と、吸気切替弁を含む複数の制御弁と、を備えた内燃機関」に適用され、吸気切替弁が正常に作動しているか否かを判定することができる制御弁異常判定装置を提供することにある。
上記課題を達成するための本発明による内燃機関の制御弁異常判定装置は、第1過給機、第2過給機、第1通路部、前記排気切替弁に相当する第1制御弁、第2通路部、及び、前記吸気切替弁に相当する第2制御弁、を備えた内燃機関に適用される。
前記第1過給機は、第1タービンと、第1コンプレッサと、を備える。
前記第1タービンは、排気通路に配設される。これにより、前記第1タービンは、その第1タービンに導入される排ガスのエネルギによって駆動される。前記第1コンプレッサは、前記機関の吸気通路に配設される。前記第1コンプレッサは、前記第1タービンが駆動されることによって駆動されるようになっている。これにより、第1コンプレッサは、第1コンプレッサに導入される空気を圧縮する。
前記第2過給機は、第2タービンと、第2コンプレッサと、を備える。
前記第2タービンは、前記排気通路の前記第1タービンよりも下流側に配設される。これにより、第2タービンは、その第2タービンに導入される排ガスのエネルギによって駆動される。前記第2コンプレッサは、前記吸気通路の前記第1コンプレッサよりも上流側に配設される。前記第2コンプレッサは、前記第2タービンが駆動されることによって駆動されるようになっている。これにより、第2コンプレッサは、第2コンプレッサに導入される空気を圧縮する。即ち、前記第1過給機と前記第2過給機とは、直列に接続されている。
前記第1通路部は、その一端が前記第1タービンよりも上流側において前記排気通路に接続されるとともに、その他端が同第1タービンと前記第2タービンとの間において同排気通路に接続される通路である。即ち、この第1通路部は、第1タービンをバイパスする経路を構成している。
前記第1制御弁は、前記第1通路部に配設されている。この第1制御弁は、その開度に応じて前記第1通路部の流路面積を変更するようになっている。これにより、第1制御弁は、「前記第1タービンに導入される排ガスのエネルギの大きさ」と「前記第2タービンに導入される排ガスのエネルギの大きさ」との割合を変更する。
前記第2通路部は、その一端が前記第1コンプレッサと前記第2コンプレッサとの間において前記吸気通路に接続されるとともに、その他端が同第1コンプレッサよりも下流側において同吸気通路に接続される通路である。即ち、この第2通路部は、第1コンプレッサをバイパスする経路を構成している。
前記第2制御弁は、前記第2通路部に配設されている。この第2制御弁は、その開度に応じて前記第2通路部の流路面積を変更するようになっている。これにより、第2制御弁は、「前記第1コンプレッサに導入される空気の量」と「同第2通路部を通過する空気の量」との割合を変更する。
更に、上記内燃機関は、「所定の運転領域」にて運転されているとき「少なくとも前記第1コンプレッサが同第1コンプレッサに導入される空気を圧縮して排出する(即ち、過給する)」ように、前記第1制御弁及び前記第2制御弁が作動させられるように構成されている。
上記「所定の運転領域」は、第1過給機及び第2過給機のうちの「第1過給機」が主として過給することができる運転領域と実質的に一致する領域である。「主として過給する」とは、第1過給機及び第2過給機のうちの一の過給機が、その一の過給機とは異なる他の過給機よりも高い効率にて過給することを意味する。即ち、「第1過給機が主として過給する」とは、「第1過給機及び第2過給機の双方が過給し、且つ、第1過給機が第2過給機よりも高い効率にて過給する」こと、又は、「第1過給機及び第2過給機のうち第1過給機のみが実質的に過給する」こと、を意味する。
そして、上記内燃機関に適用される本発明の制御弁異常判定装置は、
過給圧相当値取得手段と、制御弁異常判定手段と、を備える。
より具体的に述べると、前記過給圧相当値取得手段は、
前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力が大きくなるにつれて大きくなる「過給圧相当値」を取得するようになっている。
ここで、前記「第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力」は、第1コンプレッサを通過した直後の空気の圧力であってもよい。更に、前記「第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力」は、「第1コンプレッサと燃焼室との間に存在するインタークーラ及びディーゼルスロットルバルブ等の圧力損失発生部材」よりも下流側における吸気通路内の空気の圧力であってもよい。即ち、前記「第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力」は、第1過給機の過給の状態が変化することによって変化する圧力である。
前記過給圧相当値は、前記「第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力」が大きくなるにつれて大きくなる値であればよく、特に制限されない。例えば、過給圧相当値として、第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力である「過給圧」を採用することができる。更に、例えば、過給圧相当値として、前記機関に導入される空気の量である「新気量」を採用することもできる。
前記制御弁異常判定手段は、
(1)前記機関が前記所定の運転領域において運転されていることを少なくとも条件の一つとして含む「異常判定条件」が成立している期間において、前記取得される過給圧相当値を「第1の値」として取得し、
(2)その第1の値を取得した時点以降の第1時点にて、前記第1制御弁の開度が「その第1の値を取得した時点における開度である第1開度」とは異なる「第2開度」に一致するように同第1制御弁を作動させ、
(3)その第1時点から所定時間が経過した後の第2時点において取得される過給圧相当値を「第2の値」として取得する、
ようになっている。
更に、前記制御弁異常判定手段は、
(4)(a)前記第2開度が前記第1開度よりも大きく且つ前記第2の値が前記第1の値よりも大きいとき、又は、(b)前記第2開度が前記第1開度よりも小さく且つ前記第2の値が前記第1の値よりも小さいとき、「前記第2制御弁が異常である」旨の判定を行うようになっている。
このように、本発明の制御弁異常判定装置においては、「異常判定条件」が成立している期間において、第1制御弁は、その開度が「第1開度」から「第2開度」に変化するように作動させられる。そして、第1制御弁の開度が第1開度である時点における過給圧相当値(第1の値)と、第1制御弁の開度が第2開度である時点における過給圧相当値(第2の値)と、が比較される。更に、その比較の結果に基づき、「第2制御弁が異常であるか否か」が判定される。
本発明において、前記第1開度と前記第2開度とは、どちらが大きくてもよい。従って、以下、「第2開度が第1開度よりも大きい場合」と「第2開度が第1開度よりも小さい場合」とに場合を分け、前記制御弁異常判定手段が「第2制御弁が異常であるか否か」を判定するために採用した原理について説明する。
1.第2開度が第1開度よりも大きい場合(第1制御弁の開度が増大される場合)
第1制御弁は、上述したように、一端が第1タービンよりも上流側において排気通路に接続されるとともに他端が第1タービンと第2タービンとの間において排気通路に接続される第1通路部に設けられている。そのため、第1制御弁の開度が増大すると、第1通路部を通過する排ガスの流量が大きくなる。よって、このとき、第1タービンに導入される排ガスのエネルギは減少し、且つ、第2タービンに導入される排ガスのエネルギは増大する。
一方、前述したように、第2制御弁は、「正常」である限り、前記機関が前記「所定の運転領域」にて運転されているとき「少なくとも前記第1コンプレッサが同第1コンプレッサに導入される空気を圧縮して排出する」ように作動させられている。
従って、第2制御弁が「正常」であれば、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されたとき、第1通路部を通過する排ガスの流量が増大する(即ち、第1タービンに導入される排ガスのエネルギが減少する)から、第1コンプレッサの圧力比(=第1コンプレッサ下流側空気圧/第1コンプレッサ上流側空気圧)は「減少」する。
更に、第2制御弁が「正常」であれば、上記同様に第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されたとき、第1通路部を通過する排ガスの流量が増大する分だけ第2タービンに導入される排ガスのエネルギが増大するから、第2コンプレッサの圧力比(=第2コンプレッサ下流側空気圧/第2コンプレッサ上流側空気圧)は「増大」する。
ところで、前記「異常判定条件」には、「機関が前記所定の運転領域において運転されていること」が含まれている。そのため、機関が前記所定の運転領域において運転されているとき、第1過給機及び第2過給機のうちの「第1過給機」が「主として」過給する。従って、第1制御弁の開度が第1開度であるとき、第1コンプレッサの圧力比は第2コンプレッサの圧力比よりも大きい。更に、第1制御弁の開度が変更されるとき、第1コンプレッサの圧力比の変化量は第2コンプレッサの圧力比の変化量よりも大きい。よって、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更(この場合、増大)されたとき、「第1コンプレッサの圧力比の減少量」は「第2コンプレッサの圧力比の増大量」よりも大きい。
一方、過給圧は、「第1コンプレッサの圧力比と第2コンプレッサの圧力比との積(以下、「全体圧力比」と称呼する。)」を「機関の外部から機関に流入する空気の圧力(一般には大気圧)」に乗算することによって得られる。他方、上述したように、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されたとき、「第1コンプレッサの圧力比の減少量」は「第2コンプレッサの圧力比の増大量」よりも大きい。従って、このとき、全体圧力比は減少する。その結果、過給圧は「減少」する。
これに対し、第2制御弁が「異常」であると、前記第1コンプレッサは、前記機関が所定の運転領域にて運転されていても、その第1コンプレッサに導入される空気を圧縮して排出するように作動することができない。換言すると、第2制御弁が例えば完全に開放されている等の「異常」であるとき、第1コンプレッサ上流圧と、第1コンプレッサ下流圧と、は実質的に同一となる。
従って、第2制御弁が「異常」であると、第1制御弁の開度が第1開度であるときの第1コンプレッサの圧力比は、実質的に「1」である。更に、第1制御弁の開度が第2開度であるときの第1コンプレッサの圧力比も、実質的に「1」である。即ち、第2制御弁が「異常」であると、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されても、第1コンプレッサの圧力比は変化しない。
一方、第2制御弁が異常であっても、第2コンプレッサは第2コンプレッサに導入される空気を圧縮して排出することができる。よって、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更(この場合、増大)されたとき、第2コンプレッサの圧力比は増大する。
従って、第2制御弁が「異常」であると、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されたとき、全体圧力比は第2コンプレッサの圧力比が増大する分だけ増大する。その結果、過給圧は「増大」する。
このように、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されたとき、第2開度が第1開度よりも「大きい」場合、第2制御弁が「正常」であると過給圧は「減少」し、第2制御弁が「異常」であると過給圧は「増大」する。そこで、上記制御弁異常判定手段は、上述した条件(上記(4)(a)を参照。)が成立したならば、「第2制御弁が異常である」と判定する。
2.第2開度が第1開度よりも小さい場合(第1制御弁の開度が減少される場合)
第1制御弁の開度が減少すると、第1通路部を通過する排ガスの流量が減少するとともに、第1タービンへ流入する排ガスの流量が増大する。よって、このとき、第1タービンに導入される排ガスのエネルギは増大し、且つ、第2タービンに導入される排ガスのエネルギは減少する。
従って、第2制御弁が「正常」であれば、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されたとき、第1タービンに導入される排ガスのエネルギが増大するから、第1コンプレッサの圧力比は増大する。更に、このとき、第2コンプレッサの圧力比は「減少」する。
ここで、上述したように、上記異常判定条件が成立しているとき、第1コンプレッサの圧力比は第2コンプレッサの圧力比よりも大きい。更に、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されたとき、第1コンプレッサの圧力比の増大量は第2コンプレッサの圧力比の減少量よりも大きい。従って、このとき、全体圧力比は増大する。その結果、過給圧は「増大」する。
これに対し、第2制御弁が「異常」であると、上述したように、第1制御弁の開度が変更されても、第1コンプレッサの圧力比は変化しない。一方、第2制御弁が「異常」であっても、第2コンプレッサは第2コンプレッサに導入される空気を圧縮して排出することができる。よって、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更(この場合、減少)されたとき、第2コンプレッサの圧力比は減少する。
従って、第2制御弁が異常であると、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されたとき、全体圧力比は第2コンプレッサの圧力比が減少する分だけ減少する。その結果、過給圧は「減少」する。
このように、第1制御弁の開度が第1開度から第2開度に変更されたとき、第2開度が第1開度よりも「小さい」場合、第2制御弁が「正常」であると過給圧は「増大」し、第2制御弁が「異常」であると過給圧は「減少」する。そこで、上記制御弁異常判定手段は、上述した条件(上記(4)(b)を参照。)が成立したならば、「第2制御弁が異常である」と判定する。以上が前記制御弁異常判定手段による第2制御弁の異常判定原理である。
上記原理においては、第2制御弁が異常であるか否かを判定するための指標として「過給圧」が採用されている。しかし、この指標は、過給圧に限られない。即ち、この指標として「過給圧」に代えて「過給圧が大きくなるにつれて大きくなる量(即ち、前記過給圧相当値)」を採用しても、上述した原理により、第2制御弁が異常であるか否かを判定することができる。
このように、本発明の制御弁異常判定装置は、複数の過給機と、複数のバイパス通路と、吸気切替弁を含む複数の制御弁と、を備えた内燃機関において、第1制御弁を強制的に作動させ、その結果によって吸気切替弁である第2制御弁が正常に作動しているか否かを判定することができる。
更に、本発明の制御装置においては、第2制御弁にその開度を直接測定するための開度センサ等を設けることなく第2制御弁が異常であるか否かを判定することができる。その結果、機関を製造するコストを低減することができる。
なお、本発明の制御装置においては、「前記第2開度が前記第1開度よりも大きく且つ前記第2の値が前記第1の値よりも大きい」か否か、及び、「前記第2開度が前記第1開度よりも小さく且つ前記第2の値が前記第1の値よりも小さい」か否か、の双方を常に監視する必要はなく、これらの一方のみを監視してもよい。
上述したように、本発明の制御弁異常判定装置の過給圧相当値取得手段は、過給圧相当値として「過給圧が大きくなるにつれて大きくなる量」を取得するようになっている。
前記過給圧相当値取得手段は、過給圧相当値として前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力である「過給圧」を取得するように構成され得る。更に、前記過給圧相当値取得手段は、前記過給圧相当値として前記機関に導入される空気の量である「新気量」を取得するように構成され得る。
この制御弁異常判定装置において、
制御弁異常判定手段は、
「前記第2の値と前記第1の値との差の絶対値」が第1制御弁異常判定閾値よりも小さいとき「前記第1制御弁が異常である」と判定するように構成されることが好適である。
上述したように、前記制御弁異常判定手段は、「第2制御弁」が異常であるか否かを判定することを目的として、「第1制御弁」の開度を第1開度から第2開度に変更する。しかし、例えば、開度が変更される制御弁である「第1制御弁」の可動部分に排ガスに含まれる固体成分(すす等)が付着してその可動部分が固着された場合、第1制御弁は作動しない。更に、例えば、第1制御弁を構成する部材が破損した場合、第1制御弁は作動しない。
第1制御弁が正常に作動しない場合、その開度を第1開度から第2開度に変更しようとしても、その開度は十分に変化しない。そのため、第1制御弁が例えば全く作動しない等の異常である場合、第1タービン及び第2タービンのそれぞれに導入される排ガスのエネルギは変化しない。このとき、過給圧相当値は変化しない。
そこで、上記制御弁異常判定手段は、「前記第2の値と前記第1の値との差の絶対値」が第1制御弁異常判定閾値よりも小さければ、「前記第1制御弁が異常である」と判定する。
ここで、上記「第1制御弁異常判定閾値」は、前記第2の値と前記第1の値との差の絶対値がその第1制御弁異常判定閾値よりも小さいときに前記第1制御弁が異常であると判定することができる適値に設定されるとよい。
更に、制御弁異常判定手段は、
「前記第1制御弁が異常である」と判定した場合、「前記第2制御弁は正常である」と「推定」するように構成され得る。
上述したように、本発明の制御弁異常判定装置においては、前記異常判定条件が成立しているとき「少なくとも前記第1コンプレッサが同第1コンプレッサに導入される空気を圧縮して排出する」ように、前記第1制御弁及び前記第2制御弁が作動させられるようになっている。
ここで、前記第2制御弁は、一端が前記第1コンプレッサと前記第2コンプレッサとの間において前記吸気通路に接続されるとともに、他端が同第1コンプレッサよりも下流側において同吸気通路に接続される第2通路部に設けられる。そのため、第2制御弁の開度が小さいほど、第2通路部を通過する空気の量は小さく、第1コンプレッサに導入される空気の量は大きくなる。従って、第2制御弁の開度が小さいほど、前記第1コンプレッサがより確実に「同第1コンプレッサに導入される空気を圧縮して排出する」ことができる。そこで、前記第2制御弁は、前記機関が前記所定の運転領域にて運転されているとき前記第2通路部を遮断(完全に閉鎖)するように作動させられることが好適である。
更に、前記第2制御弁は、その開度に応じて第2通路部の流路面積を変更することによって第1コンプレッサに導入される空気の量を調整することができる構造を有していればよい。
そこで、第2制御弁の一の態様として、
「弁体」と、前記弁体が着座する「着座部」と、前記弁体を前記着座部に向けて付勢する「付勢手段」と、を備える制御弁を採用することができる。具体的に述べると、この制御弁は、「前記第2通路部の同第2制御弁よりも上流側の空気の圧力が同第2制御弁よりも下流側の空気の圧力よりも所定圧力以上大きくない」とき、同弁体が同付勢手段の付勢力によって「同着座部に着座する第1位置」に移動せしめられることにより「同第2通路部を遮断する」ように構成され得る。更に、この制御弁は、「同第2通路部の同第2制御弁よりも上流側の空気の圧力が同第2制御弁よりも下流側の空気の圧力よりも前記所定圧力以上大きい」とき、同弁体が同付勢手段の付勢力に抗して「前記第1位置と異なる第2位置」に移動せしめられることにより「同第2通路部の流路面積を増大する」ように構成され得る。
なお、第2制御弁の他の態様として、
所定の回動軸周りに回動可能な弁体を備えた制御弁(所謂、バタフライ弁)を採用することもできる。具体的に述べると、この制御弁は、前記弁体が第1回動位置にあるとき前記第2通路部を完全に閉じるように構成され得る。一方、この制御弁は、前記弁体が前記第1回動位置とは異なる第2回動位置に向かって回動することにより、前記第2通路部の流路面積を増大するように構成され得る。
ところで、上述したように、前記制御弁異常判定手段は、第2制御弁が異常であるか否かを判定するために、第1制御弁の開度を、所定の時点(第1時点)における開度(第1開度)からその開度とは異なる他の開度(第2開度)に変更するようになっている。
このように第1制御弁の開度を変更することができる前記制御弁異常判定装置の一の態様においては、
前記第1制御弁が「指示信号に応答して前記第1通路部の流路面積を変更するように同第1制御弁の開度を変更する第1制御弁駆動手段」を含み、
前記制御弁異常判定手段が「前記第1制御弁駆動手段に前記指示信号を送出することにより前記第1制御弁の開度を変更する」ように構成され得る。
更に、前記制御弁異常判定手段が上述したように前記第1制御弁の開度を変更すると、機関の操作者が意図しないトルク変動等が生じる可能性がある。
そこで、前記異常判定条件は、少なくとも「前記機関に対する要求トルクが所定トルク以下である減速状態にて前記機関が運転されている」場合に成立する条件とすることが好適である。
前記「減速状態」にて機関が運転されているときに前記第1制御弁の開度を変更しても、機関の出力トルクが変動する可能性はある。しかし、そのトルク変動は、操作者に「意図しないトルク変動」であると認識され難い。従って、本発明の制御弁異常判定装置は、機関のドライバビリティを良好に維持しながら第2制御弁(更には、第1制御弁)が異常であるか否かを判定することができる。
図2は、本発明の制御装置が採用する機関回転速度と燃料噴射量とターボモードとの関係を示す概略図である。
図3は、本発明の実施形態に係る制御装置が適用された内燃機関における吸気及び排気の流路の一例を示す概略図である。
図4は、図3に示す内燃機関において排気切替弁の開度の変化に対する過給圧の変化を示すタイムチャートである。
図5は、本発明の実施形態に係る制御装置が適用された内燃機関における吸気及び排気の流路の他の例を示す概略図である。
図6は、図5に示す内燃機関において排気切替弁の開度の変化に対する過給圧の変化を示すタイムチャートである。
図7は、本発明の実施形態に係る制御装置が適用された内燃機関において排気切替弁の開度の変化に対する過給圧の変化を示す他のタイムチャートである。
図8は、本発明の実施形態に係る制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図9は、本発明の実施形態に係る制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図10は、本発明の実施形態に係る制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図11は、本発明の制御装置が適用される内燃機関が採用することができる吸気切替弁の構造の一例を示す模式図である。
(第1実施形態)
<装置の概要>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る制御弁異常判定装置(以下、「第1装置」とも称呼する。)を内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。機関10は、4気筒ディーゼル機関である。
この機関10は、燃料供給系統を含むエンジン本体20、エンジン本体20に空気を導入するための吸気系統30、エンジン本体20からの排ガスを外部に放出するための排気系統40、排ガスを吸気系統30側に還流させるためのEGR装置50、排ガスのエネルギによって駆動されてエンジン本体20に導入される空気を圧縮する過給装置60、を含んでいる。
エンジン本体20は、吸気系統30及び排気系統40が連結されたシリンダヘッド21を備えている。このシリンダヘッド21は、各気筒に対応するように各気筒の上部に設けられた複数の燃料噴射装置22を備えている。各燃料噴射装置22は、図示しない燃料タンクと接続されていて、電気制御装置80からの指示信号に応じて各気筒の燃焼室内に燃料を直接噴射するようになっている。
吸気系統30は、シリンダヘッド21に形成された図示しない吸気ポートを介して各気筒に連通されたインテークマニホールド31、インテークマニホールド31の上流側集合部に接続された吸気管32、吸気管32内において吸気通路の開口断面積を可変とするスロットル弁33、電気制御装置80からの指示信号に応じてスロットル弁33を回転駆動するスロットル弁アクチュエータ33a、スロットル弁33の上流において吸気管32に介装されたインタークーラ34、及び、インタークーラ34の上流に設けられた過給装置60の上流側であって吸気管32の端部に配設されたエアクリーナ35、を含んでいる。インテークマニホールド31及び吸気管32は、吸気通路を構成している。
排気系統40は、シリンダヘッド21に形成された図示しない排気ポートを介して各気筒に連通されたエキゾーストマニホールド41、エキゾーストマニホールド41の下流側集合部に接続された排気管42、及び、吸気管42に介装された過給装置60の下流側であって排気管42に介装された周知の排ガス浄化用触媒(DPNR)43、を備えている。エキゾーストマニホールド41及び排気管42は、排気通路を構成している。
EGR装置50は、排ガスをエキゾーストマニホールド41からインテークマニホールド31へと還流させる通路(EGR通路)を構成する排気還流管51、排気還流管51に介装されたEGRガス冷却装置(EGRクーラ)52、及び、排気還流管51に介装されたEGR制御弁53、を備えている。EGR制御弁53は、電気制御装置80からの指示信号に応じてエキゾーストマニホールド41からインテークマニホールド31へと還流させる排ガス量を変更し得るようになっている。
過給装置60は、第1過給機としての高圧段過給機61、及び、第2過給機としての低圧段過給機62、を有している。即ち、過給装置60は、複数(2つ)の過給機を備えている。
高圧段過給機61は、高圧段コンプレッサ61a及び高圧段タービン61bを有している。高圧段コンプレッサ61aは第1コンプレッサとも称呼される。高圧段コンプレッサ61aは吸気通路(吸気管32)に配設されている。高圧段タービン61bは第1タービンとも称呼される。高圧段タービン61bは排気通路(排気管42)に配設されている。高圧段コンプレッサ61aと高圧段タービン61bとは、ローターシャフト(図示省略。)によって同軸回転可能に連結されている。これにより、高圧段タービン61bが排ガスによって回転せしめられると、高圧段コンプレッサ61aは回転し、高圧段コンプレッサ61aに供給される空気を圧縮する(過給を行う)ようになっている。
低圧段過給機62は、低圧段コンプレッサ62a及び低圧段タービン62bを有している。低圧段コンプレッサ62aは第2コンプレッサとも称呼される。低圧段コンプレッサ62aは、高圧段コンプレッサ61aよりも吸気通路(吸気管32)の上流側に配設されている。低圧段タービン62bは、高圧段タービン61bよりも前記排気通路(排気管42)の下流側に配設されている。低圧段コンプレッサ62aと低圧段タービン62bとは、ローターシャフト(図示省略。)によって同軸回転可能に連結されている。これにより、低圧段タービン62bが排ガスによって回転せしめられると、低圧段コンプレッサ62aは回転し、低圧段コンプレッサ62aに供給される空気を圧縮する(過給を行う)ようになっている。このように、高圧段過給機61と低圧段過給機62とは、直列に接続されている。
更に、低圧段過給機62の容量は、高圧段過給機61の容量よりも大きい。従って、低圧段過給機62のチョーク流量は高圧段過給機61のチョーク流量よりも大きく、且つ、低圧段過給機62のサージ流量は高圧段過給機61のサージ流量よりも大きい。換言すると、高圧段過給機61が過給を行うために必要な排ガスのエネルギの最小値は、低圧段過給機62が過給を行うために必要な排ガスのエネルギの最小値よりも小さい。
これにより、高圧段過給機61及び低圧段過給機62は、負荷が小さい運転領域においては主に高圧段過給機61により過給を行い、且つ、負荷が大きい運転領域においては主に低圧段過給機62により過給を行うことができる。従って、高圧段過給機61と低圧段過給機62とによって、より広い運転領域(負荷領域)において新気が適切に圧縮(過給)される。
更に、過給装置60は、高圧段コンプレッサバイパス通路部(バイパス管)63、吸気切替弁(ACV)64、高圧段タービンバイパス通路部(バイパス管)65、排気切替弁(ECV)66、低圧段タービンバイパス通路部(バイパス管)67、及び、排気バイパス弁(EBV)68を備えている。
高圧段コンプレッサバイパス通路部63の一端は、高圧段コンプレッサ61aと低圧段コンプレッサ62aとの間において前記吸気通路(吸気管32)に接続されている。高圧段コンプレッサバイパス通路部63の他端は、高圧段コンプレッサ61aよりも下流側において前記吸気通路(吸気管32)に接続されている。即ち、高圧段コンプレッサバイパス通路部63は、高圧段コンプレッサ61aをバイパスする経路を構成している。高圧段コンプレッサバイパス通路部63は、便宜上、「第2通路部」とも称呼される。
吸気切替弁64は、高圧段コンプレッサバイパス通路部63に配設されたバタフライ弁である。吸気切替弁64は、電気制御装置80からの指示に応じて駆動される吸気切替弁アクチュエータ63aによってその開度(作動量)が変更されるようになっている。吸気切替弁64は、その開度の変更に伴って高圧段コンプレッサバイパス通路部63の流路面積を変更し、それにより、高圧段コンプレッサ61aに導入される空気の量と、高圧段コンプレッサバイパス通路部63を通過する空気の量と、の割合を変更するようになっている。吸気切替弁64は、便宜上、「第2制御弁」とも称呼される。
高圧段タービンバイパス通路部65の一端は、高圧段タービン61bよりも上流側において前記排気通路(排気管42)に接続されている。高圧段タービンバイパス通路部65の他端は、高圧段タービン61bと低圧段タービン62bとの間において前記排気通路(排気管42)に接続されている。即ち、高圧段タービンバイパス通路部65は、高圧段タービン61bをバイパスする経路を構成している。高圧段タービンバイパス通路部65は、便宜上、「第1通路部」とも称呼される。
排気切替弁66は、高圧段タービンバイパス通路部65に配設されたバタフライ弁である。排気切替弁66は、電気制御装置80からの指示に応じて駆動される排気切替弁アクチュエータ66aによってその開度(作動量)が変更されるようになっている。排気切替弁66は、その開度の変更に伴って高圧段タービンバイパス通路部65の流路面積を変更し、それにより、高圧段タービン61bに導入される空気の量と、高圧段タービンバイパス通路部65を通過する空気の量と、の割合を変更するようになっている。排気切替弁66は、便宜上、「第1制御弁」とも称呼される。
低圧段タービンバイパス通路部67の一端は、低圧段タービン62bよりも上流側において前記排気通路(排気管42)に接続されている。低圧段タービンバイパス通路部67の他端は、低圧段タービン62bよりも下流側において前記排気通路(排気管42)に接続されている。即ち、低圧段タービンバイパス通路部67は、低圧段タービン62bをバイパスする経路を構成している。低圧段タービンバイパス通路部67は、便宜上、「第3通路部」とも称呼される。
排気バイパス弁68は、低圧段タービンバイパス通路部67に配設されたバタフライ弁である。排気バイパス弁68は、電気制御装置80からの指示に応じて駆動される排気バイパス弁アクチュエータ68aによってその開度(作動量)が変更されるようになっている。排気バイパス弁68は、その開度の変更に伴って低圧段タービンバイパス通路部67の流路面積を変更し、それにより、低圧段タービン62bに導入される空気の量と、低圧段タービンバイパス通路部67を通過する空気の量と、の割合を変更するようになっている。排気バイパス弁68は、便宜上、「第3制御弁」とも称呼される。
更に、この第1装置は、熱線式エアフローメータ71、コンプレッサ間圧力センサ72、吸気温度センサ73、過給圧センサ74、クランクポジションセンサ75、排気切替弁開度センサ76、及び、アクセル開度センサ77を備えている。
エアフローメータ71は、吸気管32内を流れる吸入空気の質量流量(機関10に単位時間あたりに吸入される空気の質量であり、単に「流量」とも称呼する。)Gaに応じた信号を出力するようになっている。
コンプレッサ間圧力センサ72は、高圧段コンプレッサ61aと低圧段コンプレッサ62aとの間の吸気管32内の圧力(コンプレッサ間圧力)に応じた信号を出力するようになっている。なお、コンプレッサ間圧力センサ72は、高圧段コンプレッサバイパス通路部63であって吸気切替弁64よりも上流側に配設されていてもよい。
吸気温度センサ73は、吸気管32内を流れる吸入空気の温度に応じた信号を出力するようになっている。
過給圧センサ74は、吸気管32のスロットル弁の下流側に配設される。過給圧センサ74は、それが配設されている部位の吸気管32内の空気の圧力、即ち、機関10の燃焼室に供給される空気の圧力(過給圧)Pimを表す信号を出力するようになっている。
クランクポジションセンサ75は、クランクシャフト(図示省略。)が10°回転する毎に幅狭のパルスを有するとともに同クランクシャフトが360°回転する毎に幅広のパルスを有する信号を出力するようになっている。
排気切替弁開度センサ76は、排気切替弁66の開度Oecvに応じた信号を出力するようになっている。
アクセル開度センサ77は、運転者によって操作されるアクセルペダルAPの開度Accpに応じた信号を出力するようになっている。
電気制御装置80は、互いにバスで接続されたCPU81、ROM82、RAM83、電源が投入された状態でデータを格納するとともに格納したデータを電源が遮断されている間も保持するバックアップRAM84、及び、ADコンバータを含むインターフェース85等からなるマイクロコンピュータである。
インターフェース85は、上記各センサ等と接続され、CPU81に上記各センサ等からの信号を供給するようになっている。更に、インターフェース85は、CPU81の指示に応じて燃料噴射装置22、及び、各アクチュエータ(吸気切替弁アクチュエータ63a、排気切替弁アクチュエータ64a、及び、排気バイパス弁アクチュエータ65a等)等に駆動信号(指示信号)を送出するようになっている。
<装置の作動の概要>
次いで、上述したように構成された第1装置の作動の概要について説明する。
第1装置は、機関10の運転状態に応じ、過給装置60(高圧段過給機61及び低圧段過給機62)の作動形態を表す「ターボモード」を決定する。更に、第1装置は、所定の異常判定条件が成立したとき、排気切替弁66の開度を所定の「判定用開度」に変更する指示信号を排気切替弁アクチュエータ66aに送る。
そして、第1装置は、この指示信号を排気切替弁アクチュエータ66aに送る「前」の時点における過給圧と、この指示信号を排気切替弁アクチュエータ66aに送った「後」の時点における過給圧と、を比較することにより、「吸気切替弁64が異常であるか否か」、及び、「排気切替弁66が異常であるか否か」を判定する。
更に、第1装置は、吸気切替弁64又は排気切替弁66が異常であると判定したとき、その旨を機関10の操作者に対して通知するとともに、機関10を構成する部材への負担が小さい「退避運転」を実行する。一方、第1装置は、全ての制御弁が正常であるとき、操作者に対して通知は行わず、「通常運転」を実行する。以上が第1装置の作動の概要である。
<ターボモードの決定方法>
次いで、本発明の具体的な作動についての説明を行う前に、第1装置に採用されているターボモード、及び、その決定方法について説明する。
上述したように、高圧段過給機61が作動することができる排ガスのエネルギ量は、低圧段過給機62が作動することができる排ガスのエネルギ量よりも小さい。そこで、第1装置は、排ガスのエネルギが小さいとき(即ち、機関の負荷が小さく流量Gaが小さいとき)、排ガスが高圧段過給機61に優先的に供給されるように排気切替弁66を制御する。一方、第1装置は、排ガスのエネルギが大きいとき(即ち、機関の負荷が大きく流量Gaが大きいとき)、排ガスが低圧段過給機62に優先的に供給されるように排気切替弁66を制御する。
更に、第1装置は、高圧段過給機61に供給される空気の量を調整するように吸気切替弁64を制御する。加えて、第1装置は、低圧段過給機62に供給される排ガスのエネルギの大きさを調整するように排気バイパス弁68を制御する。
即ち、第1装置は、機関10の運転状態に応じて、適切な量の排ガス及び空気が高圧段過給機61及び低圧段過給機62に供給されるように、吸気切替弁64、排気切替弁66、及び、排気バイパス弁68(以下、「各制御弁」とも称呼する。)を制御する。
このような制御を実行するために、第1装置は、機関10の運転状態を4つの領域(運転領域)に分け、その4つの運転領域のそれぞれに適した吸気切替弁64、排気切替弁66及び排気バイパス弁68(以下、「各制御弁」とも称呼する。)の作動状態を決定する。この「各制御弁の作動状態」が、ターボモードに基づいて決定される。
このターボモードは、以下のように決定される。
第1装置は、図2(A)に示すように、「機関回転速度NEと、燃料噴射量Qと、ターボモードと、の関係を予め定めたターボモードテーブルMapTurbo(NE,Q)」をROM82に格納している。図2(A)の図中に示される「1」乃至「4」の数字は、それぞれターボモードの番号を示す。また、図2(A)の図中に示される「HP+LP」は高圧段過給機61と低圧段過給機62との双方を作動させることを示し、「LP」は低圧段過給機62を優先的に作動させることを示す。
ここで、図2(B)は、各ターボモードにおける各制御弁の作動状態を示す。図2(B)において、「全閉」は、制御弁の開度がその制御弁が設けられている通路を閉鎖する開度に設定され、空気又は排ガスがその通路を通過することができない状態であることを示す。一方、「全開」は、制御弁の開度がその制御弁が設けられている通路を完全に(限界まで)開放する開度に設定され、空気又は排ガスがその通路を制御弁の影響を実質的に受けることなく通過することができる状態であることを示す。更に、「開」は、制御弁の開度が「全閉」から「全開」までの間の開度に設定され、その制御弁が設けられている通路を通過する空気又は排ガスの流量が制御弁の開度に応じて変更可能となっている状態であることを示す。
なお、図2(B)において、「ECV」は排気切替弁(第1制御弁)66の略称であり、「ACV」は吸気切替弁(第2制御弁)64の略称であり、「EBV」は排気バイパス弁(第3制御弁)68の略称である。
第1装置は、上記ターボモードテーブルMapTurbo(NE,Q)に実際の機関回転速度NE及び燃料噴射量Qを適用することにより、ターボモード(各制御弁の作動状態)を決定する。そして、第1装置は、決定されたターボモードに応じて各制御弁の開度を制御する。
<制御弁の異常判定>
次いで、第1装置における制御弁の異常判定方法について説明する。
第1装置は、高圧段過給機61が主として過給するような運転領域において機関10が運転されているとき、「吸気切替弁64及び排気切替弁66」の何れかが異常であるか否かの判定を行う。ここで、高圧段過給機61が主として過給するような運転領域は、上述したターボモード1及びターボモード2の運転領域と実質的に一致する。
<異常判定方法1>
第1装置は、機関10が「高圧段過給機61が主として過給するような運転領域」内において運転されているとき、排気切替弁66(実際には、排気切替弁アクチュエータ66a)に対してその開度を「減少」させる指示(開度減少指示)を与え、その開度減少指示が与えられる前の時点における過給圧と、その開度減少指示が与えられた後の時点における過給圧と、を比較する。
そして、第1装置は、その開度減少指示を与える前後において過給圧Pimが所定値以上変化しない場合、「排気切替弁66が異常である」と判定する。換言すると、第1装置は、その開度減少指示を与える前後において過給圧Pimが所定値以上変化(この場合、増大)すれば、「排気切替弁66は正常である」と判定する。更に、第1装置は、排気切替弁66に対してその開度減少指示を与える前後において、過給圧Pimが「減少」すれば、「吸気切替弁64が異常である」と判定する。以下、この判定方法を「異常判定方法1」と称呼する。
<異常判定方法2>
更に、第1装置は、機関10が「高圧段過給機61が主として過給するような運転領域」内において運転されているとき、排気切替弁66(実際には、排気切替弁アクチュエータ66a)に対してその開度を「増大」させる指示(開度増大指示)を与え、その開度増大指示が与えられる前の時点における過給圧と、その開度増大指示が与えられた後の時点における過給圧と、を比較する。
そして、第1装置は、その開度増大指示を与える前後において過給圧Pimが所定値以上変化しない場合、「排気切替弁66が異常である」と判定する。換言すると、第1装置は、その開度増大指示を与える前後において過給圧Pimが所定値以上変化(この場合、減少)すれば、「排気切替弁66は正常である」と判定する。加えて、第1装置は、排気切替弁66に対してその開度増大指示を与える前後において、過給圧Pimが「増大」すれば、「吸気切替弁64が異常である」と判定する。以下、この判定方法を「異常判定方法2」と称呼する。
上述した異常判定方法1及び2は、排気切替弁66に対する指示が開度「減少」指示であるか開度「増大」指示であるかの点において相違している。しかしながら、これらの異常判定方法の原理は同じである。従って、以下、異常判定方法1を例にとりながら、上述した方法によって「吸気切替弁64及び排気切替弁66」の何れかが異常であることが判定できる理由について、以下に示した順序に従って説明する。
なお、上述したように、この異常判定は、機関10がターボモード1及びターボモード2の運転領域の何れで運転されていても実施できる。そこで、以下の説明においては、便宜上、機関10が「ターボモード2」において運転されていると仮定する。また、第1装置は、「吸気切替弁64及び排気切替弁66」の両者に同時に異常が発生することを想定していない。実際、「吸気切替弁64及び排気切替弁66」の双方が同時に異常状態となることは稀であり、従って、この想定は現実的な想定である。
<説明順序>
(場合1)排気切替弁66及び吸気切替弁64の双方が正常に作動している場合
(場合2)吸気切替弁64が異常であり、排気切替弁66は正常である場合
(場合3)排気切替弁66が異常であり、吸気切替弁64は正常である場合
<説明>
(場合1)排気切替弁66及び吸気切替弁64の双方が正常に作動している場合
機関10がターボモード2にて運転されているとき、高圧段コンプレッサ61a及び低圧段コンプレッサ62aの双方が、高圧段コンプレッサ61a及び低圧段コンプレッサ62aのそれぞれに導入される空気を圧縮して排出するように排気切替弁66及び吸気切替弁64が作動される。より具体的に述べると、図2(B)に示したように、ターボモード2においては、吸気切替弁(ACV)64は「全閉」状態となるように制御されており、排気切替弁(ECV)66は「開」状態となるように制御されている。
図3は、係る状態において、高圧段コンプレッサ61aがその高圧段コンプレッサ61aに導入される空気を圧縮し、更に、低圧段コンプレッサ62aがその低圧段コンプレッサ62aに導入される空気を圧縮する様子を示す模式図である。
図3に示すように、機関の外部から吸気通路32a(上記吸気通路32の一部)に導入された新気Aは、低圧段コンプレッサ62aに到達する。次いで、低圧段コンプレッサ62aを通過した新気Aは、低圧段コンプレッサ62aと高圧段コンプレッサ61aとの間の吸気通路32b(上記吸気通路32の一部)を経て高圧段コンプレッサ61aに到達する。その後、高圧段コンプレッサ61aを通過した新気Aは、吸気通路32c(上記吸気通路32の一部)を経て、機関10の燃焼室CCに導入される。
更に、燃焼室CCから排出された排ガスExの一部は、排気通路42a(上記排気通路42の一部)を通過して高圧段タービン61bに向かう。同時に、高圧段タービン61bに向かう排ガスExとは異なる排ガスの他の一部は、高圧段タービンバイパス通路部65を通過して排気切替弁66に向かう。そして、高圧段タービン61bに向かった排ガスExの一部は、高圧段タービン61bを通過した後、排気切替弁66を通過した排ガスExの他の一部と合流する。次いで、合流した排ガスExは、高圧段タービン61bと低圧段タービン62bとの間の排気通路42b(上記排気通路42の一部)を経て低圧段タービン62bに到達する。その後、低圧段タービン62bを通過した排ガスExは、排気通路42d(上記排気通路42の一部)を経て、機関10の外部へ放出される。
従って、高圧段タービン61bが「高圧段タービン61bを通過する排ガスEx」のエネルギによって駆動され、それに伴い、高圧段コンプレッサ61aが駆動される。その結果、高圧段コンプレッサ61aが「高圧段コンプレッサ61aを通過する新気A」を圧縮する。
同時に、低圧段タービン62bが「低圧段タービン62bを通過する排ガスEx」のエネルギによって駆動され、それに伴い、低圧段タービン62bが駆動される。その結果、低圧段コンプレッサ62aが「低圧段コンプレッサ62aを通過する新気A」を圧縮する。
なお、ターボモード2において、第1装置は、機関10の運転状態に応じて定まる目標過給圧と、過給圧センサ74から取得される過給圧Pimとが一致するように、排気切替弁66の開度をフィードバック制御している。
このように、吸気切替弁64及び排気切替弁66が正常に作動していると、高圧段コンプレッサ61a及び低圧段コンプレッサ62aの双方が新気Aを圧縮することができる。
上述したように、第1装置は、排気切替弁66に対して開度減少指示を与え、その開度減少指示が与えられる前の時点における過給圧と、その開度減少指示が与えられた後の時点における過給圧と、を比較することによって、異常判定を行う。そこで、排気切替弁66の開度が変更(減少)された場合における過給圧の変化につき、図4に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
図4は、排気切替弁66の開度Oecvと、過給圧Pimと、高圧段過給機圧力比PRhpと、低圧段過給機圧力比PRlpと、の関係を示すタイムチャートである。高圧段過給機圧力比PRhpは、「高圧段コンプレッサ61aに導入される直前の新気Aの圧力」に対する「高圧段コンプレッサ61aを通過した直後の新気Aの圧力」の比である。低圧段過給機圧力比PRlpは、「低圧段コンプレッサ62aに導入される直前の新気Aの圧力」に対する「低圧段コンプレッサ62aを通過した直後の新気Aの圧力」の比である。従って、過給圧Pimは、「高圧段過給機圧力比PRhpと低圧段過給機圧力比PRlpとの積」に応じて変化する。
図4に示した例においては、時刻t0から時刻t1までの期間、排気切替弁66の開度Oecvは、所定の開度Oecv1に維持されている。この期間、過給圧Pim、高圧段過給機圧力比PRhp、及び、低圧段過給機圧力比PRlpは、それぞれ所定の値に維持されている。
次いで、第1装置は、時刻t1において排気切替弁66に対し、その開度を開度Oecv2に変更する指示を送出する。この結果、排気切替弁66の開度Oecvは、時刻t1にて開度Oecv1から減少し始め、時刻t2にて開度Oecv2に一致する。更に、第1装置は、時刻t2以降、排気切替弁66の開度Oecvを開度Oecv2に維持する。
このように排気切替弁66の開度Oecvが減少すると、排気高圧段タービンバイパス通路部65を通過することができる排ガスExの量が減少し、高圧段タービン61bに向かう排ガスExの量が増大する。これにより、高圧段タービン61bに供給される排ガスExのエネルギが増大するから、高圧段過給機圧力比PRhpは「増大」する。
一方、排気切替弁66の開度Oecvが減少すると、排気高圧段タービンバイパス通路部65を通過することができる排ガスExの量が減少するから、低圧段タービン62bに直接流入する排ガスExは減少する。これにより、低圧段タービン62bに供給される排ガスExのエネルギが減少するから、低圧段過給機圧力比PRlpは「減少」する。
前述したように、現時点における運転状態は、ターボモード2であり、且つ、高圧段過給機61が低圧段過給機62よりも高い効率にて新気を圧縮することができる状態(即ち、高圧段過給機61が主として過給を行う状態)である。それ故、排気切替弁66の開度Oecvが減少すると、図4に示すように、高圧段過給機圧力比PRhpの増大幅(X)は、低圧段過給機圧力比PRlpが減少幅(Y)よりも大きくなる。この結果、高圧段過給機圧力比PRhpと低圧段過給機圧力比PRlpとの積に応じて変化する過給圧Pimは、閾値過給圧Pimth以上「増大」する。
以上、説明したように、吸気切替弁64と排気切替弁66とが「正常に作動している」とき、排気切替弁66の開度Oecvが「減少」させられると、過給圧Pimは閾値過給圧Pimth以上「増大」する。なお、上記説明から理解されるように、排気切替弁66の開度Oecvが「増大」させられると、過給圧Pimは閾値過給圧Pimth以上「減少」する。
(場合2)吸気切替弁64が異常であり、排気切替弁66は正常である場合
次いで、吸気切替弁64及び排気切替弁66のうちの「吸気切替弁64」が異常である場合について、図5を参照しながら説明する。上述したように、機関10がターボモード2にて運転されているとき、吸気切替弁64が正常に作動している場合、吸気切替弁64は「全閉」状態となるはずである。従って、ここでは、「吸気切替弁64が絞り効果を発揮しない程度以上にまで開いた状態(例えば、「全開」状態)となるような異常が発生した」と仮定して説明を続ける。以下、この状態を「開異常状態」と称呼する。
この状態において、燃焼室CCから排出された排ガスExは、図5に示すように、上記「場合1」と同様の経路を経て機関10の外部へ放出される。即ち、排ガスExは、高圧段タービン61b及び低圧段タービン62bを経て機関10の外部へ放出される。
従って、このとき、高圧段タービン61bが駆動される。更に、それに伴い、高圧段コンプレッサ61aが駆動される。同時に、低圧段タービン62bが駆動され。そして、それに伴い、低圧段コンプレッサ62aが駆動される。
一方、機関の外部から吸気通路32aの一部に導入された新気Aは、低圧段コンプレッサ62aに到達する。その結果、低圧段コンプレッサ62aは新気Aを圧縮する。しかし、コンプレッサ62aにより圧縮された新気Aは、吸気切替弁64が開異常状態となっているために、高圧段コンプレッサ61aには向かわず、高圧段コンプレッサバイパス通路部63を通過して機関10の燃焼室CCに導入される。即ち、高圧段コンプレッサ61aは、低圧段コンプレッサ62aにより圧縮された新気Aを更に圧縮することはできない。つまり、吸気切替弁64が開異常状態となると、過給が「低圧段過給機62のみ」によって行われる。
この状態において、第1装置が上述した異常判定を行う際の作動について、図6に示したタイムチャートを参照しながら説明する。図6は、図4に示したタイムチャートと同様の複数のパラメータの関係を示すタイムチャートである。
図6に示した例においては、時刻t0から時刻t1までの期間、排気切替弁66の開度Oecvは、所定の開度Oecv1に維持されている。上述したように、新気Aは高圧段コンプレッサ61aによっては圧縮されず、低圧段コンプレッサ62aのみによって圧縮される。従って、このとき、高圧段過給機圧力比PRhpは「1」である。更に、過給圧Pimは低圧段過給機圧力比PRlpに等しい。
次いで、第1装置は、時刻t1において排気切替弁66に対し、その開度Oecvを開度Oecv2に変更する指示を送出する。この結果、排気切替弁66の開度Oecvは、時刻t1にて開度Oecv1から減少し始め、時刻t2にて開度Oecv2に一致する。更に、第1装置は、時刻t2以降、排気切替弁66の開度Oecvを開度Oecv2に維持する。
このように排気切替弁66の開度Oecvが減少すると、上述したように、高圧段タービン61bに供給される排ガスExのエネルギが増大する。しかし、本例(場合2)においては高圧段コンプレッサ61aは新気Aを圧縮できないから、高圧段過給機圧力比PRhpは「1」に維持される。
一方、排気切替弁66の開度Oecvが減少すると、上述したように、低圧段タービン62bに供給される排ガスExのエネルギが減少する。そのため、低圧段過給機圧力比PRlpは「減少」する。従って、過給圧Pimも同様に「減少」する。
以上、説明したように、排気切替弁66は正常であるが「吸気切替弁64が異常である」場合、排気切替弁66の開度Oecvが「減少」させられると、過給圧Pimは「減少」する。なお、上記説明から理解されるように、排気切替弁66の開度Oecvが「増大」させられると、過給圧Pimは「増大」する。
(場合3)排気切替弁66が異常であり、吸気切替弁64は正常である場合
次いで、吸気切替弁64及び排気切替弁66のうちの「排気切替弁66」が異常である場合について説明する。ここでは、機関10がターボモード2にて運転されている期間において、排気切替弁66が固着する等の理由によって「排気切替弁66が作動することができない異常が発生した」と仮定して説明を続ける。ターボモード2において、高圧段過給機61及び低圧段過給機62は上記「場合1」と同様に作動している。
この状態において、第1装置が上述した異常判定を行う際の作動について、図7に示したタイムチャートを参照しながら説明する。図7は、図4に示したタイムチャートと同様の複数のパラメータの関係を示すタイムチャートである。
図7に示した例においては、時刻t0から時刻t1までの期間、排気切替弁66の開度Oecvは、所定の開度Oecv1に維持されている。この期間、過給圧Pim、高圧段過給機圧力比PRhp、及び、低圧段過給機圧力比PRlpは、それぞれ所定の値に維持されている。
次いで、第1装置は、時刻t1において排気切替弁66に対し、その開度Oecvを開度Oecv2に変更する指示を送出する。しかし、排気切替弁66は作動することができない。従って、時刻t1以降においても、排気切替弁66の開度は開度Oecv1に維持される。この結果、高圧段過給機圧力比PRhp、及び、低圧段過給機圧力比PRlpは、排気切替弁66の開度Oecvを開度Oecv2に変更する指示の送出前後において変化しない。そのため、過給圧Pimも変化しない。
以上に説明したように、吸気切替弁64は正常であるが「排気切替弁66が異常である」場合、排気切替弁66に対してその開度Oecvを変更する指示を与えても、過給圧Pimは「変化しない」。
以上の説明から理解されるように、排気切替弁66の開度Oecvを変更する指示を与えた場合、過給圧は、上述した場合1乃至場合3のそれぞれに対して互いに異なるように変化する。従って、上記異常判定方法1及び2により、「吸気切替弁64及び排気切替弁66」の何れかが異常であることを判定することができる。
<実際の作動>
以下、第1装置の実際の作動について説明する。
CPU81は、所定時間が経過する毎に図8にフローチャートによって示した「異常判定ルーチン」を実行するようになっている。
従って、CPU81は、所定のタイミングにて、図8のステップ800から処理を開始してステップ805に進み、所定の異常判定条件が成立しているか否かを判定する。
ステップ805において、CPU81は以下の全ての条件が成立したとき異常判定条件が成立したと判定し、以下の条件のうちの一つ又は複数が成立しないとき異常判定条件が成立しないと判定する。
(条件1)機関10の運転状態がターボモード1又はターボモード2である。
(条件2)流量(吸入空気流量)Gaが所定の流量閾値Gath以下である。
(条件3)機関10の要求トルクが閾値要求トルク以下である(機関10が減速運転されている。)。
即ち、この異常判定条件は、機関10が第1過給機及び第2過給機のうちの「第1過給機」が主として過給することができる運転領域にて運転されているか否か、及び、機関10が減速運転されているか否か、の双方が成立したとき、成立する。
なお、条件1が満たされる場合に条件2が自動的に満たされるのであれば、条件1又は条件2の何れか一方のみを採用してもよい。更に、条件3は省略されてもよい。なお、条件2の「所定の流量閾値Gath」は、流量Gaがその流量閾値Gath以下であるときに、主として低圧段過給機61が過給を行うような流量に設定される。
ここで、流量閾値Gathは、流量Gaがその流量閾値Gath以下であるときに高圧段過給機62が過給を行わないような流量に設定されてもよい。このとき、流量閾値Gathは、流量Gaがその流量閾値Gathよりも大きい場合、低圧段過給機61と高圧段過給機62との双方が過給を行うような流量に設定されていることが望ましい。更に、流量閾値Gathは、流量Gaがその流量閾値Gath以下であるとき、低圧段過給機61が主として過給を行うとともに、高圧段過給機62が主としてではないものの過給を行うようことができる値に設定されてもよい。
更に、条件3の要求トルクは、「アクセルペダル開度Accp」、「機関回転速度NE」、及び、「燃料供給量Q」等に基づいて求めることができる。換言すると、条件3は、アクセルペダル開度Accpが所定閾値開度Accpth以下であるときに成立する条件であってもよく、アクセルペダル開度Accp及び機関回転速度NEにより定まる運転状態が「アクセルペダル開度Accp及び機関回転速度NEにより表される所定の減速領域」の中にあるときに成立する条件であってもよく、アクセルペダル開度Accp及び機関回転速度NE等により定まる燃料供給量Qが「減速状態を表す所定の燃料供給量閾値」以下の場合に成立する条件であってもよい。
更に、異常判定条件は、「今回の運転開始後(イグニッション・キー・スイッチがオフからオンに変更された後)において一度も制御弁の異常判定がなされていない」ことを条件の一つとして含んでもよい。
現時点において上記異常判定条件が成立していなければ、CPU81はステップ805にて「No」と判定し、ステップ895に直接進んで本ルーチンを一旦終了する。これに対し、現時点において異常判定条件が成立していると、CPU81はそのステップ805にて「Yes」と判定して、ステップ810に進む。CPU81は、そのステップ810にて、スロットル弁33の開度を全開にするようにスロットル弁アクチュエータ33aに指示を与える。
次いで、CPU81は、ステップ815に進み、現時点における過給圧Pimを取得するとともに、取得した過給圧Pimを「第1の値としての基準過給圧Pim0」に格納して、ステップ820に進む。なお、便宜上、この時点は「第1時点」とも称呼され、この第1時点における排気切替弁66の開度Oecvは「第1開度Oecv1」とも称呼される。
次に、CPU81は、ステップ820にて、排気切替弁66の開度Oecvを第2開度Oecv2へと変更させる指示を排気切替弁アクチュエータ66aに与える。CPU81は、その後、所定時間が経過して第2時点が到来するまで待機する。このとき、CPU81は、第1開度Oecv1が「排気切替弁66の最大開度である全開開度OecvMAX」の1/2(半分)よりも小さければ、第2開度Oecv2として「第1開度Oecv1よりも大きい開度(例えば、全開開度OecvMAX)」を設定する。一方、CPU81は、第1開度Oecv1が排気切替弁66の全開開度OecvMAXの1/2以上であれば、第2開度Oecv2として「第1開度Oecv1よりも小さい開度(例えば、全閉開度OecvCLOSE)」を設定する。
第2時点が到来すると、CPU81はステップ825に進み、その第2時点における過給圧Pimを取得するとともに、取得した過給圧Pimを「第2の値としての判定用過給圧Pim1」に格納する。次いで、CPU81は、ステップ830に進み、判定用過給圧Pim1と基準過給圧Pim0との差の絶対値が閾値過給圧Pimth以上であるか否かを判定する。この閾値過給圧Pimthは、第1制御弁異常判定閾値とも称呼される値であり、実験により予め定められた「0以上の所定値」である。
(仮定A)排気切替弁66及び吸気切替弁64の双方が正常である場合。
いま、排気切替弁66及び吸気切替弁64の双方が正常であると仮定する。この場合、上述したように、判定用過給圧Pim1と基準過給圧Pim0との差の絶対値は閾値過給圧Pimth以上となる。
従って、CPU81は、ステップ830にて「Yes」と判定してステップ835に進み、排気切替弁異常判定フラグXECVの値に「0」を設定する。排気切替弁異常判定フラグXECVは、その値が「0」であるとき、排気切替弁66が正常に作動していることを表す。また、排気切替弁異常判定フラグXECVは、その値が「1」であるとき、排気切替弁66が異常であることを表す。なお、排気切替弁異常判定フラグXECVの値は、図示しないイグニッション・キー・スイッチがオフからオンに変更されたときに実行されるイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。更に、排気切替弁異常判定フラグXECVを含む本第1装置が用いる各フラグの値は総てバックアップRAM84に格納される。
次に、CPU81はステップ840に進み、上記ステップ820にて設定された第2開度Oecv2が第1開度Oecv1よりも小さいか否かを判定する。このとき、第2開度Oecv2が第1開度Oecv1よりも小さければ、CPUはステップ845に進み、判定用過給圧(第2の値)Pim1が基準過給圧(第1の値)Pim0よりも小さいか否かを判定する。
上記仮定Aに従えば、第2開度Oecv2が第1開度Oecv1よりも小さいとき(即ち、排気切替弁66の開度Oecvが減少させられているとき)、判定用過給圧Pim1は基準過給圧Pim0よりも大きくなる(図4を参照。)。従って、CPU81は、ステップ845にて「Yes」と判定してステップ850に進み、吸気切替弁異常判定フラグXACVの値に「0」を設定する。吸気切替弁異常判定フラグXACVは、その値が「0」であるとき、吸気切替弁64が正常に作動していることを表す。また、吸気切替弁異常判定フラグXACVは、その値が「1」であるとき、吸気切替弁64が異常であることを表す。なお、吸気切替弁異常判定フラグXACVの値は、図示しないイグニッション・キー・スイッチがオフからオンに変更されたときに実行されるイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。その後、CPU81は、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPU81が上記ステップ840に進んだとき、第2開度Oecv2が第1開度Oecv1以上であれば(即ち、排気切替弁66の開度Oecvが増大させられているとき)、CPU81はそのステップ840にて「No」と判定してステップ855に進み、判定用過給圧Pim1が基準過給圧Pim0よりも小さいか否かを判定する。
この場合(即ち、上記仮定Aの下で排気切替弁66の開度Oecvが増大させられた場合)、上述したように、判定用過給圧Pim1は基準過給圧Pim0よりも小さくなる。従って、CPU81は、ステップ855にて「Yes」と判定してステップ850に進み、吸気切替弁異常判定フラグXACVの値に「0」を設定する。
更に、CPU81は、所定時間が経過する毎に図9にフローチャートによって示した「異常通知ルーチン」を実行するようになっている。CPU81は、このルーチンにより、吸気切替弁64又は排気切替弁66が異常であるとき、機関10の操作者にその旨を通知する。
具体的に述べると、CPU81は、所定のタイミングにて図9のステップ900から処理を開始してステップ910に進み、排気切替弁異常判定フラグXECVの値が「0」であるか否かを判定する。現時点における排気切替弁異常判定フラグXECVの値は「0」であるから、CPU81は、そのステップ910にて「Yes」と判定してステップ920に進む。
次いで、CPU81は、そのステップ920にて、吸気切替弁異常判定フラグXACVの値が「0」であるか否かを判定する。現時点における吸気切替弁異常判定フラグXACVの値は「0」であるから、CPU81は、そのステップ920にて「Yes」と判定してステップ930に進む。
CPU81は、そのステップ930にて異常発生フラグXEMGの値に「0」を設定する。異常発生フラグXEMGは、その値が「0」であるとき、吸気切替弁64及び排気切替弁66の双方が正常に作動していることを表す。また、異常発生フラグXEMGは、その値が「1」であるとき、吸気切替弁64又は排気切替弁66が異常であることを表す。なお、異常発生フラグXEMGの値も、図示しないイグニッション・キー・スイッチがオフからオンに変更されたときに実行されるイニシャルルーチンにおいて「0」に設定されるようになっている。
次いで、CPU81は、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。従って、吸気切替弁64及び排気切替弁66が正常であるとき(或いは、排気切替弁異常判定フラグXECVの値及び吸気切替弁異常判定フラグXACVの値の双方が「0」であるとき)、警報は発生しない。
更に、CPU81は、図10にフローチャートによって示した「燃料供給制御ルーチン」を任意の気筒のクランク角が圧縮上死点前の所定クランク角度(例えば、圧縮上死点前90度クランク角)θgに一致する毎に繰り返し実行するようになっている。CPU81は、このルーチンにより、燃料噴射量Qの算出及び燃料噴射の指示を行う。このクランク角が圧縮上死点前の所定クランク角θgに一致して圧縮行程を終える気筒は、以下「燃料噴射気筒」とも称呼される。
具体的に述べると、CPU81は、任意の気筒のクランク角度が上記クランク角度θgになると、図10のステップ1000から処理を開始してステップ1010に進み、異常発生フラグXEMGの値が「0」であるか否かを判定する。現時点における異常発生フラグXEMGの値は「0」であるから、CPU81は、そのステップ1010にて「Yes」と判定してステップ1020に進む。
CPU81は、そのステップ1020にて、アクセルペダル開度センサ77の出力値に基づいてアクセルペダル開度Accpを取得し、クランクポジションセンサ75の出力値に基づいて機関回転速度NEを取得する。そして、CPU81は、全ての制御弁が正常である場合における「アクセルペダル開度Accpと、機関回転速度NEと、燃料噴射量Qと、の関係」を予め定めた通常時燃料噴射量テーブルMapMain(Accp,NE)に、現時点におけるアクセルペダル開度Accpと機関回転速度NEとを適用することにより、燃料噴射量Qを取得する。この通常時の燃料噴射量Qは要求トルクに対応する。以下、通常時燃料噴射量テーブルMapMain(Accp,NE)によって定まる燃料噴射量を採用する運転を「通常運転」と称呼する。
次いで、CPU81は、ステップ1030に進み、燃料噴射量Qの燃料を燃料噴射気筒に対応して設けられているインジェクタ22から噴射するように、そのインジェクタ22に指示を与える。即ち、このとき、燃料噴射量Qの燃料が燃料噴射気筒に供給される。その後、CPU81は、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
このように、第1装置は、吸気切替弁64及び排気切替弁66の双方が正常に作動しているとき、上記通常時燃料噴射量テーブルMapMain(Accp,NE)によって定められる燃料噴射量Qの燃料が燃料噴射気筒に供給される「通常運転」を実行する。
(仮定B)排気切替弁66が異常であり、吸気切替弁64は正常である場合
次に、排気切替弁66が異常であり、排気切替弁66に対して排気切替弁66の開度を変更する指示が与えられた場合であっても排気切替弁66の開度が変化しない場合について説明する。この場合、上述したように、排気切替弁66の開度を変更する指示を排気切替弁アクチュエータ66aに与えても過給圧Pimは変化しないから、判定用過給圧Pim1と基準過給圧Pim0との差の絶対値は閾値過給圧Pimthよりも小さくなる。
このとき、CPU81が、所定のタイミングにて図8のステップ800から処理を開始すると、上記異常判定条件が成立していれば、CPU81はステップ805乃至825を経てステップ830に進む。上記仮定Bに従えば、判定用過給圧Pim1と基準過給圧Pim0とは等しい。そのため、判定用過給圧Pim1と基準過給圧Pim0との差の絶対値は、閾値過給圧Pimthよりも小さい。従って、CPU81は、そのステップ830にて「No」と判定してステップ860に進む。CPU81は、そのステップ860にて排気切替弁異常判定フラグXECVの値に「1」を設定し、続くステップ865にて吸気切替弁異常判定フラグXACVの値に「0」を設定する。その後、CPU81は、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、このとき、CPU81は、所定のタイミングにて図9のステップ900から処理を開始すると、ステップ910に進む。現時点における排気切替弁異常判定フラグXECVの値は「1」であるから、CPU81は、そのステップ910にて「No」と判定してステップ940に進み、「排気切替弁66が異常である」旨を機関10の操作者に図示しない警報ランプを点等すること等により通知する。その後、CPU81は、異常発生フラグXEMGの値に「1」を設定し、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。
このように、排気切替弁66が異常である場合(即ち、排気切替弁異常判定フラグXECVの値が「1」であるとき)、機関10の操作者に対して「排気切替弁66が異常である」旨の警報が発せられる。
更に、CPU81は、任意の気筒のクランク角度が上記クランク角度θgに一致すると、図10のステップ1000から処理を開始してステップ1010に進む。現時点における異常発生フラグXEMGの値は「1」であるから、CPU81は、そのステップ1010にて「No」と判定してステップ1040に進む。
CPU81は、そのステップ1040にて、アクセルペダル開度センサ77の出力値に基づいてアクセルペダル開度Accpを取得し、クランクポジションセンサ75の出力値に基づいて機関回転速度NEを取得する。そして、CPU81は、「吸気切替弁64又は排気切替弁66が異常である」に適用される「アクセルペダル開度Accpと、機関回転速度NEと、燃料噴射量Qと、の関係」を予め定めた異常発生時燃料噴射量テーブルMapEmg(Accp,NE)に、現時点におけるアクセルペダル開度Accpと機関回転速度NEとを適用することにより、異常発生時の燃料噴射量Qを取得する。
異常発生時燃料噴射量テーブルMapEmg(Accp,NE)は、「吸気切替弁64又は排気切替弁66が異常である場合に機関10の運転を継続しても、機関10の他の部材又は機関10全体の破損等を引き起こすことのない程度の燃料噴射量Q」を決定するためのテーブルである。従って、当然、任意の「アクセルペダル開度Accp及び機関回転速度NE」に対して異常発生時燃料噴射量テーブルMapEmg(Accp,NE)によって決定される燃料噴射量は、その「アクセルペダル開度Accp及び機関回転速度NE」に対して通常時燃料噴射量テーブルMapMain(Accp,NE)によって決定される燃料噴射量よりも小さい。以下、異常発生時燃料噴射量テーブルMapEmg(Accp,NE)によって定まる燃料噴射量を用いた運転を「退避運転」とも称呼する。
次いで、CPU81は、ステップ1030に進み、燃料噴射量Qの燃料を燃料噴射気筒に対応して設けられているインジェクタ22から噴射させる。その後、CPU81は、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
このように、第1装置は、排気切替弁66が異常であるとき、機関10の操作者に対して「排気切替弁66が異常である」旨の警告を通知するとともに、退避運転を実行する。
(仮定C)吸気切替弁64が異常であり、排気切替弁64は正常である場合
次に、吸気切替弁64が異常(上記開異常状態)となっている場合について説明する。この場合、上述したように、排気切替弁66の開度Oecvが減少させられると過給圧Pimは減少し、増大させられると過給圧Pimは増大する。従って、第2開度Oecv2が第1開度Oecv1よりも小さい場合には判定用過給圧Pim1は基準過給圧Pim0よりも小さくなり、第2開度Oecv2が第1開度Oecv1よりも大きい場合には判定用過給圧Pim1は基準過給圧Pim0よりも大きくなる。
このとき、所定のタイミングにて図8のステップ800から処理を開始すると、上記異常判定条件が成立していれば、CPU81はステップ805乃至825を経てステップ830に進む。上記仮定Cに従えば、排気切替弁66は正常に作動しているから、判定用過給圧Pim1と基準過給圧Pim0との差の絶対値は閾値過給圧Pimth以上となる。従って、CPU81は、そのステップ830にて「Yes」と判定してステップ835に進み、排気切替弁異常判定フラグXECVの値に「0」を設定する。
次に、CPU81がステップ840に進んだとき、上記ステップ820にて設定された第2開度Oecv2が第1開度Oecv1よりも小さければ、CPUはステップ845に進む。そして、この場合、(即ち、上記仮定Cの下で排気切替弁66の開度Oecvが減少させられた場合)、上述したように、判定用過給圧Pim1は基準過給圧Pim0よりも小さくなる。従って、CPU81は、ステップ845にて「No」と判定してステップ870に進み、吸気切替弁異常判定フラグXACVの値に「1」を設定する。その後、CPU81は、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
一方、CPU81が上記ステップ840に進んだとき、第2開度Oecv2が第1開度Oecv1以上であれば(即ち、排気切替弁66の開度Oecvが増大させられた場合)、CPU81はそのステップ840にて「No」と判定してステップ855に進む。この場合、(即ち、上記仮定Cの下で排気切替弁66の開度Oecvが増大させられた場合)、上述したように、判定用過給圧Pim1は基準過給圧Pim0よりも大きくなる。従って、CPU81は、ステップ855にて「No」と判定してステップ870に進み、吸気切替弁異常判定フラグXACVの値に「1」を設定する。その後、CPU81は、ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。
更に、このとき、CPU81は、所定のタイミングにて図9のステップ900から処理を開始すると、ステップ910に進む。現時点の排気切替弁異常判定フラグXECVの値は「0」であるから、CPU81はそのステップ910にて「Yes」と判定してステップ920に進む。現時点の吸気切替弁異常判定フラグXACVの「1」であるから、CPU81は、そのステップ920にて「No」と判定してステップ960に進み、「吸気切替弁64が異常である」旨を機関10の操作者に通知する。
その後、CPU81は、異常発生フラグXEMGの値に「1」を設定し、ステップ995に進んで本ルーチンを一旦終了する。従って、排気切替弁66が異常である場合(即ち、排気切替弁異常判定フラグXECVの値が「1」であるとき)、機関10の操作者に対して「排気切替弁66が異常である」旨の警報が発せられる。
更に、このとき、CPU81は、任意の気筒のクランク角度が上記クランク角度θgになると、図10のステップ1000から処理を開始してステップ1010に進む。現時点における異常発生フラグXEMGの値は「1」であるから、CPU81は、そのステップ1010にて「No」と判定してステップ1040に進む。
CPU81は、そのステップ1040にて、アクセルペダル開度センサ77の出力値に基づいてアクセルペダル開度Accpを取得し、クランクポジションセンサ75の出力値に基づいて機関回転速度NEを取得する。そして、CPU81は上述した異常発生時燃料噴射量テーブルMapEmg(Accp,NE)に、現時点におけるアクセルペダル開度Accpと機関回転速度NEとを適用することにより、燃料噴射量Qを取得する。
次いで、CPU81は、ステップ1030に進み、燃料噴射量Qの燃料を燃料噴射気筒に対応して設けられているインジェクタ22から噴射するよう、そのインジェクタ22に指示を与える。即ち、このとき、燃料噴射量Qの燃料が燃料噴射気筒に供給される。その後、CPU81は、ステップ1095に進んで本ルーチンを一旦終了する。
このように、第1装置は、吸気切替弁64が異常であるとき、機関10の操作者に対して「吸気切替弁64が異常である」旨の警告を通知するとともに、退避運転を実行する。
以上に説明したように、第1装置は、上記異常判定条件が成立したとき、排気切替弁66の開度Oecvを変更するように排気切替弁アクチュエータ66aに指示を与える。第1装置は、その指示を与える「前」の時点における過給圧(基準過給圧Pim0)と、その指示を与えた「後」の過給圧(判定用過給圧Pim1)と、を取得する。そして、第1装置は、基準過給圧Pim0と判定用過給圧Pim1との差の絶対値が所定値(閾値過給圧Pimth)よりも小さいとき、「排気切替弁66が異常である」と判定する。一方、第1装置は、基準過給圧Pim0と判定用過給圧Pim1との差の絶対値が所定値以上であるとき(即ち、排気切替弁66が正常に作動しているとき)、排気切替弁66の開度Oecvを増大させるように排気切替弁アクチュエータ66aに指示が与えられていれば判定用過給圧Pim1が基準過給圧Pim0以上であれば、「吸気切替弁64が異常である」と判定する。更に、第1装置は、基準過給圧Pim0と判定用過給圧Pim1との差の絶対値が所定値以上であるとき、排気切替弁66の開度Oecvを減少させるように排気切替弁アクチュエータ66aに指示が与えられていれば判定用過給圧Pim1が基準過給圧Pim0以下であれば、「吸気切替弁64が異常である」と判定する。加えて、第1装置は、吸気切替弁64又は排気切替弁66が異常であると判定すると、機関10の操作者にその旨を通知するとともに、退避運転を実行する。
即ち、第1装置は、
内燃機関10の排気通路42に配設される第1タービン61bと、同機関10の吸気通路32に配設されるとともに同排気通路を流れる排ガスによって同第1タービン61bが駆動されることによって駆動される第1コンプレッサ61aと、を備える第1過給機61と、
前記第1タービン61bよりも前記排気通路42の下流側に配設される第2タービン62bと、前記第1コンプレッサ61aよりも前記吸気通路32の上流側に配設されるとともに前記排ガスによって同第2タービン62bが駆動されることによって駆動される第2コンプレッサ62aと、を備える第2過給機62と、
一端が前記第1タービン61bよりも上流側において前記排気通路42に接続されるとともに他端が同第1タービン61bと前記第2タービン62bとの間において同排気通路42に接続される第1通路部(高圧段タービンバイパス通路部)65と、
前記第1通路部65に配設されるともにその開度Oecvに応じて同第1通路部65の流路面積を変更する第1制御弁(排気切替弁)66と、
一端が前記第1コンプレッサ61aと前記第2コンプレッサ62aとの間において前記吸気通路32に接続されるとともに他端が同第1コンプレッサ61aよりも下流側において同吸気通路32に接続される第2通路部(高圧段コンプレッサバイパス通路部)63と、
前記第2通路部63に配設されるとともにその開度に応じて同第2通路部63の流路面積を変更する第2制御弁(吸気切替弁)64と、
を備え、前記機関10が所定の運転領域にて運転されているとき少なくとも前記第1コンプレッサ61aが同第1コンプレッサ61aに導入される空気を圧縮して排出するように、前記第1制御弁66及び前記第2制御弁64が作動させられるように構成された内燃機関10に適用される。
更に、第1装置は、
前記第1コンプレッサ61aよりも下流側の前記吸気通路32内の空気の圧力が大きくなるにつれて大きくなる過給圧相当値(本例においては、過給圧Pim)を取得する過給圧相当値取得手段(図8のステップ815及びステップ825)と、
前記機関10が前記所定の運転領域において運転されていることを少なくとも条件の一つとして含む異常判定条件が成立している期間(図8のステップ805にて「Yes」と判定される期間)において、前記取得される過給圧相当値(過給圧Pim)を第1の値Pim0として取得し、同第1の値Pim0を取得した時点以降の第1時点にて前記第1制御弁66の開度を、同第1の値を取得した時点における開度である第1開度とは異なる第2開度(本例においては、全開)に一致させ、同第1時点から所定時間が経過した後の第2時点における同取得される過給圧相当値(過給圧Pim)を第2の値Pim1として取得し、
前記第2開度(全開)が前記第1開度よりも大きく且つ前記第2の値Pim1が前記第1の値Pim0よりも大きいとき、又は、前記第2開度が前記第1開度よりも小さく且つ前記第2の値Pim1が前記第1の値Pim0よりも小さいとき、前記第2制御弁64が異常である旨の判定を行う制御弁異常判定手段(図8のルーチンを参照。)と、を備えるように構成される。
このように、本発明の制御装置は、第1制御弁(排気切替弁66)の開度を変更させる前後の過給圧Pimの変化に基づき、第2制御弁(吸気切替弁)64が異常であるか否かを判定することができる。
更に、第1装置においては、
前記過給圧相当値取得手段(図8のステップ815及びステップ825)は、前記過給圧相当値として前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力である「過給圧Pim」を取得するように構成されている。
更に、第1装置においては、
制御弁異常判定手段(図8のルーチンを参照。)は、
前記第2の値Pim1と前記第1の値Pim0との差の絶対値が第1制御弁異常判定閾値Pimthよりも小さいとき(図8のステップ830にて「No」と判定されるとき)前記第1制御弁64が異常であると判定するように構成されている。
更に、第1装置においては、
制御弁異常判定手段(図8のルーチンを参照。)は、
前記第1制御弁64が異常であると判定した場合、前記第2制御弁66は正常であると推定する(図8のステップ860にて排気切替弁異常判定フラグXECVの値を「1」に設定すると同時に、ステップ865にて吸気切替弁異常判定フラグXACVの値を「0」に設定する)ように構成されている。
更に、第1装置においては、
前記第1制御弁66は、指示信号に応答して前記第1通路部65の流路面積を変更するように同第1制御弁66の開度を変更する第1制御弁駆動手段(排気切替弁アクチュエータ66a)を含み、
前記制御弁異常判定手段(図8のルーチンを参照。)は、前記第1制御弁駆動手段66aに前記指示信号を送出することにより前記第1制御弁66の開度を変更するように構成されている(図8のステップ820を参照。)。
更に、第1装置においては、
前記異常判定条件は、少なくとも前記機関に対する要求トルクが所定トルク以下である減速状態にて前記機関が運転されている場合に成立するように構成されている(上記条件3を参照。)。
ところで、本発明の制御弁異常判定装置が適用される内燃機関において、低圧段タービンバイパス通路部(バイパス管)67の内径は、「排気バイパス弁68が全開状態であっても、上記異常判定条件が成立する場合に燃焼CCから流出される排ガスの一部のみを通過させることができる程度の大きさ」となっている。換言すると、仮に排気バイパス弁68が全開状態であっても、排ガスの一部は低圧段タービン62bに導入される。そのため、排気バイパス弁68の開度の大きさに関わらず、高圧段タービン61bにはゼロより大きい流量の排ガスが流入する。従って、排気バイパス弁68が正常に作動していても、排気バイパス弁68が異常であっても、本発明の制御弁異常判定装置は吸気切替弁64及び/又は排気切替弁66が異常であるか否かを判定することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。
例えば、上記実施形態においては、前記過給圧相当値として前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力である「過給圧」が取得されている。しかし、本発明の制御弁異常判定装置は、前記過給圧相当値(第1コンプレッサである高圧段コンプレッサ61aよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力である過給圧が大きくなるにつれて大きくなる値)として前記機関に導入される空気の量である「新気量」を取得するように構成されてもよい。また、過給圧相当値として取得される過給圧は、インタークーラ34とスロットル弁33との間の吸気通路内の圧力であってもよい。
更に、本発明の異常判定手段においては、前記第2制御弁64は、前記機関10が前記所定の運転領域にて運転されているとき前記第2通路部63を遮断(完全に封鎖)するように作動させられるように構成されてもよい。
加えて、本発明の異常判定手段においては、前記第2制御弁である吸気切替弁64は、図11に示すように、弁体64bと、前記弁体64bが着座する着座部64cと、前記弁体64bを前記着座部64cに向けて付勢する付勢手段(ばね)64dと、を備えるように構成されてもよい。
この制御弁は、前記第2通路部63の前記第2制御弁64よりも上流側の空気の圧力が同第2制御弁64の下流側の空気の圧力よりも所定圧力以上大きくないとき同弁体64bが同付勢手段64dの付勢力によって同着座部64cに着座する第1位置に移動せしめられることにより同第2通路部63を遮断し、同第2通路部63の同第2制御弁64よりも上流側の空気の圧力が同第2制御弁64よりも下流側の空気の圧力よりも前記所定圧力以上大きいと同記弁体64bが同付勢手段64dの付勢力に抗して前記第1位置と異なる第2位置に移動せしめられることにより同第2通路部63の流路面積を増大するように構成されている。従って、この第2制御弁は、電気制御装置80による指示信号とは独立して作動させられる弁である。
更に、上記実施形態においては、排気切替弁66が異常であるか否かが判定された後(図8のステップ830にて「Yes」と判定された後)、吸気切替弁64が異常であるか否かが判定される(図8のステップ840、ステップ845、及び、ステップ855)ようになっている。しかし、本発明の制御弁異常判定装置は、「吸気切替弁64が異常であるか否かのみ」を判定するように構成されてもよい。具体的に述べると、本発明の制御弁異常判定装置は、「図8に示す異常判定ルーチンからステップ830、ステップ860及びステップ865を削除したルーチン」を所定時間の経過毎に繰り返し実行するように構成されてもよい。
また、上記実施形態のステップ820において、第1開度Oecv1が常に充分に小さい場合(即ち、第1開度Oecv1が充分に小さくなるような運転条件であることがステップ805における異常判定条件に含まれているとき)、ステップ820において第2開度Oecv2が「現在の開度である第1開度Oecv1」よりも必ず大きくなる(例えば、全開開度に一致する)ように、排気切替弁66の開度Oecvを変更してもよい。この場合、ステップ840及びステップ845の処理を省略してもよい。
同様に、上記実施形態のステップ820において、第1開度Oecv1が常に充分に大きい場合(即ち、第1開度Oecv1が充分に大きくなるような運転条件であることがステップ805における異常判定条件に含まれているとき)、ステップ820において第2開度Oecv2が「現在の開度である第1開度Oecv1」よりも必ず小さくなる(例えば、全閉開度に一致する)ように、排気切替弁66の開度Oecvを変更してもよい。この場合、ステップ840及びステップ855の処理を省略してもよい。
更に、上記実施形態においては、第1制御弁66を全開状態とする(図8のステップ820)前の時点において、スロットル弁33が全開状態となるように(図8のステップ810)構成されている。しかし、本発明の制御弁異常判定装置においては、第1制御弁66の開度を変更する際に、必ずしもスロットル弁33を全開状態にしなくてもよい。
更に、上記実施形態においては、機関10に排気切替弁開度センサ76が設けられている。しかし、この排気切替弁開度センサ76は、図4、図6及び図7に示すタイムチャートにおける開度Oecvを取得する具体的な手段例として記載したに過ぎない。即ち、本発明の制御弁異常判定装置が適用される内燃機関は、排気切替弁開度センサ76を備えなくてもよい。
更に、上記実施形態においては、排気バイパス弁68が異常であるか否かについては判定されていない。しかし、本発明の制御弁異常判定装置は、排気バイパス弁68が異常であるか否かを判定するように構成されてもよい。より具体的に述べると、例えば、先ず、機関10が所定の運転状態にて運転されているとき、排気バイパス弁アクチュエータ66aに対し、排気バイパス弁68の開度を現時点の開度とは異なる開度に変更する指示を与える。次いで、その指示が排気バイパス弁アクチュエータ66aに対して与えられる前後における過給圧Pimの変化量を取得する。そして、その過給圧Pimの変化量が所定値よりも小さい場合に排気バイパス弁68が異常であると判定することができる。
前記第2タービンは、前記排気通路の前記第1タービンよりも下流側に配設される。これにより、第2タービンは、その第2タービンに導入される排ガスのエネルギによって駆動される。前記第2コンプレッサは、前記吸気通路の前記第1コンプレッサよりも上流側に配設される。前記第2コンプレッサは、前記第2タービンが駆動されることによって駆動されるようになっている。これにより、第2コンプレッサは、第2コンプレッサに導入される空気を圧縮する。即ち、前記第1過給機と前記第2過給機とは、直列に接続されている。
過給圧相当値取得手段と、制御弁異常判定手段と、を備える。
前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力が大きくなるにつれて大きくなる「過給圧相当値」を取得するようになっている。
(1)前記機関が前記所定の運転領域において運転されていることを少なくとも条件の一つとして含む「異常判定条件」が成立している期間において、前記取得される過給圧相当値を「第1の値」として取得し、
(2)その第1の値を取得した時点以降の第1時点にて、前記第1制御弁の開度が「その第1の値を取得した時点における開度である第1開度」とは異なる「第2開度」に一致するように同第1制御弁を作動させ、
(3)その第1時点から所定時間が経過した後の第2時点において取得される過給圧相当値を「第2の値」として取得する、
ようになっている。
(4)(a)前記第2開度が前記第1開度よりも大きく且つ前記第2の値が前記第1の値よりも大きいとき、又は、(b)前記第2開度が前記第1開度よりも小さく且つ前記第2の値が前記第1の値よりも小さいとき、「前記第2制御弁が異常である」旨の判定を行うようになっている。
第1制御弁は、上述したように、一端が第1タービンよりも上流側において排気通路に接続されるとともに他端が第1タービンと第2タービンとの間において排気通路に接続される第1通路部に設けられている。そのため、第1制御弁の開度が増大すると、第1通路部を通過する排ガスの流量が大きくなる。よって、このとき、第1タービンに導入される排ガスのエネルギは減少し、且つ、第2タービンに導入される排ガスのエネルギは増大する。
制御弁異常判定手段は、
「前記第2の値と前記第1の値との差の絶対値」が第1制御弁異常判定閾値よりも小さいとき「前記第1制御弁が異常である」と判定するように構成されることが好適である。
「前記第1制御弁が異常である」と判定した場合、「前記第2制御弁は正常である」と「推定」するように構成され得る。
「弁体」と、前記弁体が着座する「着座部」と、前記弁体を前記着座部に向けて付勢する「付勢手段」と、を備える制御弁を採用することができる。具体的に述べると、この制御弁は、「前記第2通路部の同第2制御弁よりも上流側の空気の圧力が同第2制御弁よりも下流側の空気の圧力よりも所定圧力以上大きくない」とき、同弁体が同付勢手段の付勢力によって「同着座部に着座する第1位置」に移動せしめられることにより「同第2通路部を遮断する」ように構成され得る。更に、この制御弁は、「同第2通路部の同第2制御弁よりも上流側の空気の圧力が同第2制御弁よりも下流側の空気の圧力よりも前記所定圧力以上大きい」とき、同弁体が同付勢手段の付勢力に抗して「前記第1位置と異なる第2位置」に移動せしめられることにより「同第2通路部の流路面積を増大する」ように構成され得る。
所定の回動軸周りに回動可能な弁体を備えた制御弁(所謂、バタフライ弁)を採用することもできる。具体的に述べると、この制御弁は、前記弁体が第1回動位置にあるとき前記第2通路部を完全に閉じるように構成され得る。一方、この制御弁は、前記弁体が前記第1回動位置とは異なる第2回動位置に向かって回動することにより、前記第2通路部の流路面積を増大するように構成され得る。
前記第1制御弁が「指示信号に応答して前記第1通路部の流路面積を変更するように同第1制御弁の開度を変更する第1制御弁駆動手段」を含み、
図2は、本発明の制御装置が採用する機関回転速度と燃料噴射量とターボモードとの関係を示す概略図である。
図3は、本発明の実施形態に係る制御装置が適用された内燃機関における吸気及び排気の流路の一例を示す概略図である。
図4は、図3に示す内燃機関において排気切替弁の開度の変化に対する過給圧の変化を示すタイムチャートである。
図5は、本発明の実施形態に係る制御装置が適用された内燃機関における吸気及び排気の流路の他の例を示す概略図である。
図6は、図5に示す内燃機関において排気切替弁の開度の変化に対する過給圧の変化を示すタイムチャートである。
図7は、本発明の実施形態に係る制御装置が適用された内燃機関において排気切替弁の開度の変化に対する過給圧の変化を示す他のタイムチャートである。
図8は、本発明の実施形態に係る制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図9は、本発明の実施形態に係る制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図10は、本発明の実施形態に係る制御装置のCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。
図11は、本発明の制御装置が適用される内燃機関が採用することができる吸気切替弁の構造の一例を示す模式図である。
<装置の概要>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る制御弁異常判定装置(以下、「第1装置」とも称呼する。)を内燃機関10に適用したシステムの概略構成を示している。機関10は、4気筒ディーゼル機関である。
次いで、上述したように構成された第1装置の作動の概要について説明する。
第1装置は、機関10の運転状態に応じ、過給装置60(高圧段過給機61及び低圧段過給機62)の作動形態を表す「ターボモード」を決定する。更に、第1装置は、所定の異常判定条件が成立したとき、排気切替弁66の開度を所定の「判定用開度」に変更する指示信号を排気切替弁アクチュエータ66aに送る。
次いで、本発明の具体的な作動についての説明を行う前に、第1装置に採用されているターボモード、及び、その決定方法について説明する。
第1装置は、図2(A)に示すように、「機関回転速度NEと、燃料噴射量Qと、ターボモードと、の関係を予め定めたターボモードテーブルMapTurbo(NE,Q)」をROM82に格納している。図2(A)の図中に示される「1」乃至「4」の数字は、それぞれターボモードの番号を示す。また、図2(A)の図中に示される「HP+LP」は高圧段過給機61と低圧段過給機62との双方を作動させることを示し、「LP」は低圧段過給機62を優先的に作動させることを示す。
次いで、第1装置における制御弁の異常判定方法について説明する。
第1装置は、高圧段過給機61が主として過給するような運転領域において機関10が運転されているとき、「吸気切替弁64及び排気切替弁66」の何れかが異常であるか否かの判定を行う。ここで、高圧段過給機61が主として過給するような運転領域は、上述したターボモード1及びターボモード2の運転領域と実質的に一致する。
第1装置は、機関10が「高圧段過給機61が主として過給するような運転領域」内において運転されているとき、排気切替弁66(実際には、排気切替弁アクチュエータ66a)に対してその開度を「減少」させる指示(開度減少指示)を与え、その開度減少指示が与えられる前の時点における過給圧と、その開度減少指示が与えられた後の時点における過給圧と、を比較する。
更に、第1装置は、機関10が「高圧段過給機61が主として過給するような運転領域」内において運転されているとき、排気切替弁66(実際には、排気切替弁アクチュエータ66a)に対してその開度を「増大」させる指示(開度増大指示)を与え、その開度増大指示が与えられる前の時点における過給圧と、その開度増大指示が与えられた後の時点における過給圧と、を比較する。
(場合1)排気切替弁66及び吸気切替弁64の双方が正常に作動している場合
(場合2)吸気切替弁64が異常であり、排気切替弁66は正常である場合
(場合3)排気切替弁66が異常であり、吸気切替弁64は正常である場合
(場合1)排気切替弁66及び吸気切替弁64の双方が正常に作動している場合
機関10がターボモード2にて運転されているとき、高圧段コンプレッサ61a及び低圧段コンプレッサ62aの双方が、高圧段コンプレッサ61a及び低圧段コンプレッサ62aのそれぞれに導入される空気を圧縮して排出するように排気切替弁66及び吸気切替弁64が作動される。より具体的に述べると、図2(B)に示したように、ターボモード2においては、吸気切替弁(ACV)64は「全閉」状態となるように制御されており、排気切替弁(ECV)66は「開」状態となるように制御されている。
次いで、吸気切替弁64及び排気切替弁66のうちの「吸気切替弁64」が異常である場合について、図5を参照しながら説明する。上述したように、機関10がターボモード2にて運転されているとき、吸気切替弁64が正常に作動している場合、吸気切替弁64は「全閉」状態となるはずである。従って、ここでは、「吸気切替弁64が絞り効果を発揮しない程度以上にまで開いた状態(例えば、「全開」状態)となるような異常が発生した」と仮定して説明を続ける。以下、この状態を「開異常状態」と称呼する。
次いで、吸気切替弁64及び排気切替弁66のうちの「排気切替弁66」が異常である場合について説明する。ここでは、機関10がターボモード2にて運転されている期間において、排気切替弁66が固着する等の理由によって「排気切替弁66が作動することができない異常が発生した」と仮定して説明を続ける。ターボモード2において、高圧段過給機61及び低圧段過給機62は上記「場合1」と同様に作動している。
以下、第1装置の実際の作動について説明する。
CPU81は、所定時間が経過する毎に図8にフローチャートによって示した「異常判定ルーチン」を実行するようになっている。
(条件2)流量(吸入空気流量)Gaが所定の流量閾値Gath以下である。
(条件3)機関10の要求トルクが閾値要求トルク以下である(機関10が減速運転されている。)。
いま、排気切替弁66及び吸気切替弁64の双方が正常であると仮定する。この場合、上述したように、判定用過給圧Pim1と基準過給圧Pim0との差の絶対値は閾値過給圧Pimth以上となる。
次に、排気切替弁66が異常であり、排気切替弁66に対して排気切替弁66の開度を変更する指示が与えられた場合であっても排気切替弁66の開度が変化しない場合について説明する。この場合、上述したように、排気切替弁66の開度を変更する指示を排気切替弁アクチュエータ66aに与えても過給圧Pimは変化しないから、判定用過給圧Pim1と基準過給圧Pim0との差の絶対値は閾値過給圧Pimthよりも小さくなる。
次に、吸気切替弁64が異常(上記開異常状態)となっている場合について説明する。この場合、上述したように、排気切替弁66の開度Oecvが減少させられると過給圧Pimは減少し、増大させられると過給圧Pimは増大する。従って、第2開度Oecv2が第1開度Oecv1よりも小さい場合には判定用過給圧Pim1は基準過給圧Pim0よりも小さくなり、第2開度Oecv2が第1開度Oecv1よりも大きい場合には判定用過給圧Pim1は基準過給圧Pim0よりも大きくなる。
内燃機関10の排気通路42に配設される第1タービン61bと、同機関10の吸気通路32に配設されるとともに同排気通路を流れる排ガスによって同第1タービン61bが駆動されることによって駆動される第1コンプレッサ61aと、を備える第1過給機61と、
前記第1タービン61bよりも前記排気通路42の下流側に配設される第2タービン62bと、前記第1コンプレッサ61aよりも前記吸気通路32の上流側に配設されるとともに前記排ガスによって同第2タービン62bが駆動されることによって駆動される第2コンプレッサ62aと、を備える第2過給機62と、
一端が前記第1タービン61bよりも上流側において前記排気通路42に接続されるとともに他端が同第1タービン61bと前記第2タービン62bとの間において同排気通路42に接続される第1通路部(高圧段タービンバイパス通路部)65と、
前記第1通路部65に配設されるともにその開度Oecvに応じて同第1通路部65の流路面積を変更する第1制御弁(排気切替弁)66と、
一端が前記第1コンプレッサ61aと前記第2コンプレッサ62aとの間において前記吸気通路32に接続されるとともに他端が同第1コンプレッサ61aよりも下流側において同吸気通路32に接続される第2通路部(高圧段コンプレッサバイパス通路部)63と、
前記第2通路部63に配設されるとともにその開度に応じて同第2通路部63の流路面積を変更する第2制御弁(吸気切替弁)64と、
を備え、前記機関10が所定の運転領域にて運転されているとき少なくとも前記第1コンプレッサ61aが同第1コンプレッサ61aに導入される空気を圧縮して排出するように、前記第1制御弁66及び前記第2制御弁64が作動させられるように構成された内燃機関10に適用される。
前記第1コンプレッサ61aよりも下流側の前記吸気通路32内の空気の圧力が大きくなるにつれて大きくなる過給圧相当値(本例においては、過給圧Pim)を取得する過給圧相当値取得手段(図8のステップ815及びステップ825)と、
前記機関10が前記所定の運転領域において運転されていることを少なくとも条件の一つとして含む異常判定条件が成立している期間(図8のステップ805にて「Yes」と判定される期間)において、前記取得される過給圧相当値(過給圧Pim)を第1の値Pim0として取得し、同第1の値Pim0を取得した時点以降の第1時点にて前記第1制御弁66の開度を、同第1の値を取得した時点における開度である第1開度とは異なる第2開度(本例においては、全開)に一致させ、同第1時点から所定時間が経過した後の第2時点における同取得される過給圧相当値(過給圧Pim)を第2の値Pim1として取得し、
前記第2開度(全開)が前記第1開度よりも大きく且つ前記第2の値Pim1が前記第1の値Pim0よりも大きいとき、又は、前記第2開度が前記第1開度よりも小さく且つ前記第2の値Pim1が前記第1の値Pim0よりも小さいとき、前記第2制御弁64が異常である旨の判定を行う制御弁異常判定手段(図8のルーチンを参照。)と、を備えるように構成される。
前記過給圧相当値取得手段(図8のステップ815及びステップ825)は、前記過給圧相当値として前記第1コンプレッサよりも下流側の吸気通路内の空気の圧力である「過給圧Pim」を取得するように構成されている。
制御弁異常判定手段(図8のルーチンを参照。)は、
前記第2の値Pim1と前記第1の値Pim0との差の絶対値が第1制御弁異常判定閾値Pimthよりも小さいとき(図8のステップ830にて「No」と判定されるとき)前記第1制御弁64が異常であると判定するように構成されている。
制御弁異常判定手段(図8のルーチンを参照。)は、
前記第1制御弁64が異常であると判定した場合、前記第2制御弁66は正常であると推定する(図8のステップ860にて排気切替弁異常判定フラグXECVの値を「1」に設定すると同時に、ステップ865にて吸気切替弁異常判定フラグXACVの値を「0」に設定する)ように構成されている。
前記第1制御弁66は、指示信号に応答して前記第1通路部65の流路面積を変更するように同第1制御弁66の開度を変更する第1制御弁駆動手段(排気切替弁アクチュエータ66a)を含み、
前記異常判定条件は、少なくとも前記機関に対する要求トルクが所定トルク以下である減速状態にて前記機関が運転されている場合に成立するように構成されている(上記条件3を参照。)。
Claims (9)
- 内燃機関の排気通路に配設される第1タービンと、同機関の吸気通路に配設されるとともに同排気通路を流れる排ガスによって同第1タービンが駆動されることによって駆動される第1コンプレッサと、を備える第1過給機と、
前記第1タービンよりも前記排気通路の下流側に配設される第2タービンと、前記第1コンプレッサよりも前記吸気通路の上流側に配設されるとともに前記排ガスによって同第2タービンが駆動されることによって駆動される第2コンプレッサと、を備える第2過給機と、
一端が前記第1タービンよりも上流側において前記排気通路に接続されるとともに他端が同第1タービンと前記第2タービンとの間において同排気通路に接続される第1通路部と、
前記第1通路部に配設されるとともにその開度に応じて同第1通路部の流路面積を変更する第1制御弁と、
一端が前記第1コンプレッサと前記第2コンプレッサとの間において前記吸気通路に接続されるとともに他端が同第1コンプレッサよりも下流側において同吸気通路に接続される第2通路部と、
前記第2通路部に配設されるとともにその開度に応じて同第2通路部の流路面積を変更する第2制御弁と、
を備え、前記機関が所定の運転領域にて運転されているとき少なくとも前記第1コンプレッサが同第1コンプレッサに導入される空気を圧縮して排出するように、前記第1制御弁及び前記第2制御弁が作動させられるように構成された内燃機関に適用され、
前記第1コンプレッサよりも下流側の前記吸気通路内の空気の圧力が大きくなるにつれて大きくなる過給圧相当値を取得する過給圧相当値取得手段と、
前記機関が前記所定の運転領域において運転されていることを少なくとも条件の一つとして含む異常判定条件が成立している期間において、前記取得される過給圧相当値を第1の値として取得し、同第1の値を取得した時点以降の第1時点にて前記第1制御弁の開度が同第1の値を取得した時点における開度である第1開度とは異なる第2開度に一致するように同第1制御弁を作動させ、同第1時点から所定時間が経過した後の第2時点における同取得される過給圧相当値を第2の値として取得し、
前記第2開度が前記第1開度よりも大きく且つ前記第2の値が前記第1の値よりも大きいとき、又は、前記第2開度が前記第1開度よりも小さく且つ前記第2の値が前記第1の値よりも小さいとき、前記第2制御弁が異常である旨の判定を行う制御弁異常判定手段と、
を備えた内燃機関の制御弁異常判定装置。 - 請求の範囲1に記載の内燃機関の制御弁異常判定装置において、
前記過給圧相当値取得手段は、前記過給圧相当値として前記第1コンプレッサよりも下流側の前記吸気通路内の空気の圧力である過給圧を取得するように構成された制御弁異常判定装置。 - 請求の範囲1に記載の内燃機関の制御弁異常判定装置において、
前記過給圧相当値取得手段は、前記過給圧相当値として前記機関に導入される空気の量である新気量を取得するように構成された制御弁異常判定装置。 - 請求の範囲1又は請求の範囲2に記載の内燃機関の制御弁異常判定装置において、
制御弁異常判定手段は、
前記第2の値と前記第1の値との差の絶対値が第1制御弁異常判定閾値よりも小さいとき前記第1制御弁が異常であると判定するように構成された制御弁異常判定装置。 - 請求の範囲4に記載の内燃機関の制御弁異常判定装置において、
制御弁異常判定手段は、
前記第1制御弁が異常であると判定した場合、前記第2制御弁は正常であると推定するように構成された制御弁異常判定装置。 - 請求の範囲1乃至請求の範囲5の何れか一項に記載の内燃機関の制御弁異常判定装置において、
前記第2制御弁は、前記機関が前記所定の運転領域にて運転されているとき前記第2通路部を遮断するように作動させられることを特徴とする制御弁異常判定装置。 - 請求の範囲1乃至請求の範囲6の何れか一項に記載の内燃機関の制御弁異常判定装置において、
前記第2制御弁は、弁体と、前記弁体が着座する着座部と、前記弁体を前記着座部に向けて付勢する付勢手段と、を備え、前記第2通路部の同第2制御弁よりも上流側の空気の圧力が同第2制御弁よりも下流側の空気の圧力よりも所定圧力以上大きくないとき同弁体が同付勢手段の付勢力によって同着座部に着座する第1位置に移動せしめられることにより同第2通路部を遮断し、同第2通路部の同第2制御弁よりも上流側の空気の圧力が同第2制御弁よりも下流側の空気の圧力よりも前記所定圧力以上大きいとき同弁体が同付勢手段の付勢力に抗して前記第1位置と異なる第2位置に移動せしめられることにより同第2通路部の流路面積を増大するように構成された弁である制御弁異常判定装置。 - 請求の範囲1乃至請求の範囲7の何れか一項に記載の内燃機関の制御弁異常判定装置において、
前記第1制御弁は、指示信号に応答して前記第1通路部の流路面積を変更するように同第1制御弁の開度を変更する第1制御弁駆動手段を含み、
前記制御弁異常判定手段は、前記第1制御弁駆動手段に前記指示信号を送出することにより前記第1制御弁の開度を変更するように構成された、
制御弁異常判定装置。 - 請求の範囲1乃至請求の範囲8の何れか一項に記載の内燃機関の制御弁異常判定装置において、
前記異常判定条件は、少なくとも前記機関に対する要求トルクが所定トルク以下である減速状態にて前記機関が運転されている場合に成立する条件である制御弁異常判定装置。
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