JPWO2010074182A1 - 経皮吸収型製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着剤の凝集力を低下させることなく透過促進剤の多量添加を可能にし、また、薬物の生物学的利用能を向上させ、且つ粘着剤の皮膚への残留や皮膚のべたつきを改善するなどの経皮吸収型製剤として求められる基本性能をも満足する経皮吸収型製剤を提供すること。【解決手段】支持体に粘着剤層を設けてなる経皮吸収型製剤において、該粘着剤層を形成する粘着剤組成物が、分子内にカルボキシル基を持たないアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルよりなるモノマー又はモノマー混合物を重合してなる樹脂を主とするアクリル系粘着剤、塩基性薬物、平均粒子径が5μm以下のシリカ粒子、並びに多価アルコール脂肪酸エステルを含有し、前記多価アルコール脂肪酸エステルは粘着剤組成物の全質量に対して15〜40質量%の割合で含まれてなる、経皮吸収型製剤。【選択図】 なし

Description

本発明は新規な経皮吸収型製剤、詳細には、薬物の皮膚透過性と皮膚付着性の双方に優れる経皮吸収型製剤に関する。
経皮吸収型製剤は、経口投与法に特有の問題点、すなわち肝臓における初回通過効果による大量投与を解消でき、また安定した血中濃度を維持できる剤形として注目されている。特に高齢化社会を迎える現代においては、嚥下が困難な患者への各種薬物の投与を容易にする剤形としても注目されている。
一方、皮膚は人体最大の臓器であると共に、外界からの化学物質や細菌などの異物から体を守る重要な組織でもあることから、薬物なども異物として容易には通過させないため、現状では経皮吸収型製剤として提供できる薬物は限られている。
そこで、薬物の皮膚透過を促進させる手段として、化学物質(低分子化合物など)を用いた透過促進剤の検討や、電気エネルギーによりイオン性薬物の経皮吸収を促進させるイオントフォレーシス、さらには超音波を用いたソノフォレーシス(超音波導入)等、様々な手法が検討されている。
上述の透過促進剤は、薬物の経皮吸収促進効果を向上させるには、粘着剤層中の含有量を増加させることが望ましいが、多量に添加すると粘着剤の凝集力が低下するなどの問題が生じる。
粘着剤として架橋剤を用いたアクリル系粘着剤を使用するのであれば、分子量を制御できることから、透過促進剤を添加しても一定以上の凝集力を維持することができるものの、一般に架橋剤を使用しないゴム系粘着剤や、シリコーン系粘着剤では、透過促進剤の使用量が限定されることとなる。
このため、こうした粘着剤を用いる場合、従来は透過促進剤の添加量を増やすのではなく、リザーバー型製剤などの製剤的な検討が必要とされていた。
前述のアクリル系粘着剤、すなわち該粘着剤に用いるアクリル系共重合体は、カルボキシル基を有するモノマーを使用することにより、架橋剤を用いた分子量制御による凝集力の制御が可能になる。このようにして、オイル成分であるミリスチン酸イソプロピルが多量添加されたオルガノゲルと呼ばれる粘着剤を使用した製品が上市されている(フランドルテープS、トーアエイヨー(株))。
しかしながら、カルボキシル基を有するモノマー(例:アクリル酸)を共重合体に使用したアクリル系粘着剤は、塩基性薬物を添加した場合、カルボキシル基が塩基性薬物と反応(結合)するため、粘着剤からの薬物放出を妨げることが知られている。
そのため、アクリル酸(カルボキシル基を有するモノマー)を有する粘着剤を使用する場合、多量の薬物を添加することが行なわれている(特許文献1参照)。
また、透過促進剤として、多価アルコール脂肪酸エステルの使用が報告されている(特許文献2参照)。
上述したように、塩基性薬物を使用する場合、アクリル系粘着剤に含まれるカルボキシル基が塩基性薬物と反応するため、薬物の添加量を増やす必要があり、生物学的利用能(Bioavailability)が低下するという問題があった。
従って、塩基性薬物を経皮吸収型製剤において効率よく利用するためには、カルボキシル基を含まないモノマーを用いて粘着剤を調製することが好ましいといえるが、前述の通り、このモノマーでは架橋剤が使用できないことから凝集力のコントロールが困難となり、ひいては、透過促進剤を多量に添加することを困難にするという問題があった。
また、多価アルコール脂肪酸エステルも他の促進剤同様、凝集力の維持を難しくさせることから、粘着剤層への多量の添加は難しいという問題があった。
本発明は上述の問題点、すなわち、粘着剤の凝集力を低下させることなく透過促進剤の多量添加を可能にし、また、薬物の生物学的利用能を向上させ、且つ粘着剤の皮膚への残留や皮膚のべたつきを改善するなどの経皮吸収型製剤として求められる基本性能をも満足する経皮吸収型製剤を提供することを課題とする。
そこで本発明者らは、分子内にカルボキシル基を持たない(メタ)アクリル酸エステルよりなるモノマー又はモノマー混合物を使用して得られるアクリル系粘着剤とシリカ粒子を組み合わせることにより、これまで困難であった多価アルコール脂肪酸エステルの粘着剤層への多量添加を可能にすることを見出した。そしてこれらの知見に基づいて持続的な薬物放出を可能にし、薬物の皮膚透過性と皮膚付着性の双方に優れた経皮吸収型製剤を提供する本発明を完成させた。
すなわち本発明は、支持体に粘着剤層を設けてなる経皮吸収型製剤において、該支持体は300g/m2・24hr以下の透湿度であり、該粘着剤層を形成する粘着剤組成物が、分子内にカルボキシル基を持たないアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルよりなるモノマー又はモノマー混合物を重合してなる樹脂を主とするアクリル系粘着剤、塩基性薬物、平均粒子径が5μm以下のシリカ粒子、並びに多価アルコール脂肪酸エステルを含有し、前記多価アルコール脂肪酸エステルは粘着剤組成物の全質量に対して15〜40質量%の割合で含まれてなる、経皮吸収型製剤に関する。
前記経皮吸収型製剤において、前記多価アルコール脂肪酸エステルはプロピレングリコールモノラウレートを主成分とし、粘着剤成分の全質量に対して20〜35質量%の割合で含まれてなることが望ましい。
前記経皮吸収型製剤において、前記アクリル系粘着剤は分子内にカルボキシル基及びヒドロキシ基を持たないアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルよりなるモノマー又はモノマー混合物を重合してなる樹脂を主とするものであることが望ましく、その場合、前記アクリル系粘着剤はアクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体であることがより望ましい。
また前記アクリル系粘着剤は1.5〜2.5、特に好ましくは1.9〜2.1の極限粘度を有する粘着剤であることが望ましい。
前記経皮吸収型製剤において、前記支持体は50g/m2・24hr以下の透湿度を有する支持体であることが望ましい。
また前記支持体は80mm以上のハートループ法による剛軟度を有する支持体であることが好ましい。
さらに、前記支持体は厚さが10〜70μmであるポリエチレンフィルムよりなるものが好ましい。
そして前記塩基性薬物はタムスロシンの塩の形態であるか又は遊離塩基の形態であることが望ましい。
本発明によれば、分子内にカルボキシル基を持たないアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを使用して得られる粘着剤と平均粒子径が5μm以下のシリカ粒子を組み合わせることにより、粘着剤の凝集力を低下させることなく、粘着剤層に透過促進剤である多価アルコール脂肪酸エステルを多量に添加することができる。そしてそれにより、皮膚への付着性を改善し、また粘着剤の皮膚への残留や皮膚のべたつきを改善し、且つ薬物の皮膚への経皮吸収を促進させることができる。
そしてこうした構成により、本発明の経皮吸収型製剤は、持続的な薬物放出を可能にし、薬物の皮膚透過性と皮膚付着性の双方に優れ、経皮吸収型製剤として求められる基本性能をも満足する経皮吸収型製剤となる。
図1は、タムスロシン(遊離塩基)を含有する実施例1乃至3及び7並びに比較例1、2及び4乃至6の経皮吸収型製剤の累積透過量の結果を示すグラフである。 図2は、サルメテロール(遊離塩基)を含有する実施例5並びに比較例7の経皮吸収型製剤の累積透過量の結果を示すグラフである。 図3は、ケトチフェンフマル酸塩を含有する実施例6並びに比較例8の経皮吸収型製剤の累積透過量の結果を示すグラフである。 図4は、50g/m2・hr以下の透湿度を有する支持体を用いた実施例1、実施例10及び実施例11、並びに3,800g/m2・hrの透湿度を有する支持体を用いた比較例18の経皮吸収型製剤の累積透過量の結果を示すグラフである。
本発明の経皮吸収型製剤は支持体の表面に粘着剤層を設け、該粘着剤層の上に通常その全面を覆うように剥離ライナーを貼り合わせてなる経皮吸収型製剤であり、以下に本発明の各構成要素及びその機能に関してさらに説明する。
なお本発明において「粘着剤層全質量基準」とは、粘着剤、塩基性薬物、シリカ粒子、及び多価アルコール脂肪酸エステル、及びその他の成分(架橋剤、促進剤、酸化防止剤、充填剤など)からなる粘着剤層の全質量を基準とすることを意味するものとする。但し、基準となる粘着剤層の全質量に、希釈のためなどに用いた有機溶媒は含まれない。
1)粘着剤層
本発明の経皮吸収型製剤の構成要素である粘着剤層は、粘着剤、塩基性薬物、シリカ粒子及び多価アルコール脂肪酸エステルを必須の成分として含む。
また所望により、経皮吸収型製剤の粘着剤層に一般に用いられる以下に述べるようなその他添加剤をさらに含むことができる。
なお、最終的に得られる経皮吸収型製剤の粘着剤層は、実質的に水を含まない非水系であることが好ましく、非水系とすることにより本発明の効果を有効に得ることができる。
(1)粘着剤
本発明の経皮吸収型製剤の粘着剤層に含まれる粘着剤は、分子内にカルボキシル基を持たないアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルよりなるモノマー又はモノマー混合物のアクリル系重合体を主要な粘着剤とする。
上記分子内にカルボキシル基を持たない(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。
なお、カルボキシル基に加え、ヒドロキシ基を持たない(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとして使用することが望ましい。
これら(メタ)アクリル酸エステルは、一種を単独で、或いは二種以上を組合せて使用することができる。
中でも、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル及びメタクリル酸ドデシルの3種のエステルを用いて得られる共重合体を、アクリル系粘着剤として使用することが好ましい。
なお、本発明で用いる粘着剤は、主として分子内にカルボキシル基を持たない(メタ)アクリル酸エステルよりなるモノマー(又はモノマー混合物)を用い、好ましくはカルボキシル基に加えヒドロキシ基を持たない(メタ)アクリル酸エステルよりなるモノマー(又はモノマー混合物)を用いるが、理由がある場合には本発明の効果を阻害しない程度にカルボキシル基を持つモノマーを、例えばモノマーの総モル数に基づいて5%以下の割合で含んでいてもよい。
カルボキシル基を持つモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸及びマレイン酸モノブチルなどが挙げられる。
また理由がある場合には、本発明の効果を阻害しない程度にヒドロキシ基を持つモノマーを含んでいても良く、例えば、モノマーの総モル数に基づいて5%以下の割合で含んでいてもよい。
ヒドロキシ基を含むアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルモノマーとしては、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチルなどのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルなどが挙げられる。
アクリル酸エステル共重合体は、一般にラジカル重合により合成することができる。重合法としては、溶液重合法、乳化重合法又は塊状重合法などが挙げられるが、良好な粘着特性を得られることから溶液重合法が好ましい。
重合反応は、全モノマー質量に対して0.1乃至1質量%程度の割合でラジカル重合開始剤を加え、窒素気流下、40乃至90℃程度の温度下にて、数時間乃至数十時間撹拌して行う。なおここで用いる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤などが挙げられる。
特にアクリル系粘着剤としてアクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル及びメタクリル酸ドデシルの3種のエステルを用いて得られる共重合体を用いる場合、凝集力が十分になるように重合度を高める必要があり、ラジカル重合開始剤の添加量を調整したり、重合時の濃度や重合溶媒を最適化するなどの常法に従い、粘着剤の極限粘度の数値範囲を調整する。具体的には、粘着剤の極限粘度が1.2〜2.5の範囲となるように調整し、好ましくは1.5〜2.5、特に好ましくは1.9〜2.1の範囲となるように調整する。極限粘度の測定方法は、日本薬局方粘度測定法第1法に従って実施する。
(2)塩基性薬物
本発明の経皮吸収型製剤の粘着剤層に含まれる塩基性薬物としては特に限定されず、例えば、解熱消炎鎮痛薬(ブトルファノール酒石酸塩、ペリソキサールクエン酸塩等)、局所麻酔薬(リドカイン、プロカイン等やこれらの塩酸塩等)、排尿障害治療薬(タムスロシン等)、抗アレルギー薬(ケトチフェンフマル酸塩等)、気管支拡張薬(サルメテロール)、セロトニン受容体拮抗制吐薬、麻薬系の鎮痛薬(フェンタニルクエン酸塩等)などが挙げられる。
これらの薬物は一種を単独使用してもよいし、或いは二種以上を併用してもよい。
上記塩基性薬物の中でも、タムスロシンを使用することが望ましい。タムスロシンは遊離塩基の形態又は塩の形態で粘着剤層中に存在し、塩の形態で存在する場合には塩基性の添加物を加えて薬物の一部又は全部を遊離塩基の形態に変換した後、使用することが望ましい。
タムスロシンの塩には、薬理学的に許容される塩、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸等の無機酸、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、乳酸等の有機酸との酸付加塩があり、これらを使用することができ、特に、塩酸塩、すなわちタムスロシン塩酸塩は臨床的に有用である。
また薬物の一部又は全部を遊離塩基の形態に変換する際に使用する塩基性の添加物の例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、酢酸塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン等が挙げられる。
本発明の経皮吸収型製剤の粘着剤層に含まれる上記塩基性薬物の量は、薬物の種類や投与目的に応じて適宜変更可能であるが、通常、粘着剤層の全質量基準で0.1乃至20質量%、好ましくは1乃至10質量%であることが望ましい。
(3)シリカ粒子
本発明の経皮吸収型製剤の粘着剤層に含まれるシリカ粒子は、平均粒子径が5μm以下のものを使用する。
上記シリカ粒子の含有量は、液状成分である後述する多価アルコール脂肪酸エステルの含有量によるが、好ましくは粘着剤層の全質量基準で1乃至20質量%、より好ましくは1乃至10質量%であることが望ましい。
(4)多価アルコール脂肪酸エステル
本発明の経皮吸収型製剤の粘着剤層には、多価アルコール脂肪酸エステルを含有する。特に、多価アルコール脂肪酸エステルの主成分としては、プロピレングリコールモノラウレートが特に望ましい。主成分とは、配合する多価アルコール脂肪酸エステルの少なくとも50%以上、好ましくは90%以上を占める場合とする。プロピレングリコールモノラウレートを粘着剤層に含有させることで、薬物の経皮吸収性を向上させ、ソフトな感触のある粘着剤とすることができる。プロピレングリコールモノラウレート以外の多価アルコール脂肪酸エステルを1種類以上併用させることもできる。
その他の多価アルコール脂肪酸エステルとしては、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、好ましくはプロピレングリコール脂肪酸エステルを用いることが望ましい。
プロピレングリコール脂肪酸エステルの具体例としては、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノオレエート等が挙げられ、中でも、プロピレングリコールモノラウレートが好ましい。
上記多価アルコール脂肪酸エステルの含有量は、粘着剤層の全質量基準で15乃至40質量%、好ましくは20乃至35質量%である。特にプロピレングリコールモノラウレートを20乃至35質量%含有することが好ましい。
なお、プロピレングリコールモノラウレートの代わりに、脂肪酸エステルとしてミリスチン酸イソプロピルを用いた場合は、経皮吸収性が低い結果が得られており、本発明の構成としては不適であり、特段の理由が無いかぎり配合しない方が望ましい。
(5)その他添加剤
本発明の経皮吸収型製剤の粘着剤層には、上記成分の他に、溶解剤、薬学的に許容され通常貼付剤等に用いられる透過促進剤、充填剤、酸化防止剤などを更に含むことができる。
また、本発明の経皮吸収型製剤の粘着剤層に用いるアクリル系粘着剤において、カルボキシル基を持つモノマーを使用する場合には、粘着剤の凝集力を増大させる目的で、各種架橋剤を更に添加することができる。
架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物、多官能エポキシ化合物及び多価金属塩などが挙げられる。
2)支持体
本発明の経皮吸収型製剤は、粘着剤、塩基性薬物、シリカ粒子、多価アルコール脂肪酸エステル及び必要に応じてその他添加剤等を配合して得られた混合物(粘着剤)を、適当な剥離ライナー上に塗布し、その上に適当な支持体を貼り合わせ、必要により適当な大きさに切断して、最終的な製品とすることができる。
上記支持体は患部への追従性ならびに貼付時の自己支持性などを加味して、柔軟性、伸縮性ならびに厚さなどを考慮し、目的に応じて適宜選択する。
また、本発明の経皮吸収型製剤は、経皮吸収性向上のために、特定の数値範囲の透湿度を有する支持体を使用することが好ましい。具体的には、支持体の透湿度(JISZ0208、40℃、90%RHにおいて測定される)は300g/m2・24hr以下、特に50g/m2・24hr以下のものが好ましい。支持体の透湿度を上記範囲内とすることにより、多価アルコール脂肪酸エステルの促進効果が増し、塩基性薬物の皮膚透過性が増大する。
また、本発明の経皮吸収型製剤は、皮膚への追従性向上、違和感の低減のために、支持体の剛軟度を特定の値とするように調整することが好ましい。具体的には、支持体の剛軟度(ハートループ法による)を80mm以上に制限する。支持体の剛軟度を上記範囲とすることにより、経皮吸収型製剤の柔軟性が向上し、皮膚への追従性が向上し、貼付時の違和感が減少する。
このような支持体として、含浸紙、コート紙、上質紙、クラフト紙、和紙及びグラシン紙などの紙、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリウレタンフィルム及びセロハンフィルムなどのプラスチックフィルム、発泡体、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維などからなる不織布、織布及び編布などの布基材、これらの積層体などが挙げられる。これらの中でも伸縮性の点では不織布、織布及び編布が、使用性の面では透明性を有するプラスチックフィルムが好ましい。
用いる支持体の厚さは、不織布、織布及び編布では好ましくは10μm乃至1000μm、より好ましくは10μm乃至700μmである。また、プラスチックフィルムであれば好ましくは5μm乃至200μm、より好ましくは5μm乃至100μmである。
また支持体は、上記不織布、織布、編布及びプラスチックフィルムのうち、一種を単独で用いるか、あるいは二種以上を貼り合わせた積層体を用いることが望ましい。
特に、上記で列挙したウレタンフィルム、編布、不織布、織布など、単独で支持体として用いた場合に支持体の透湿度が上記で示した範囲より高くなる場合は、ポリエチレンフィルムやポリエステルフィルムなどの樹脂フィルムとラミネートしたものが好ましい。特に、二種以上を貼り合わせた積層体とする場合は、粘着剤、接着剤、熱ロールにより融着する方法等、用いられる素材によって適宜選択される。
本発明において特に好ましい支持体は、ポリオレフィンフィルムで、LLDPE、LDPE等のポリエチレンフィルムが好ましい。この場合、支持体の厚さとしては5〜120μmが好ましく、特に好ましくは10〜70μm、さらに好ましくは20〜70μmである。前記ポリオレフィンフィルムは、前述の透湿度及び剛軟度を満たすものが好ましい。
3)剥離ライナー
本発明の経皮吸収型製剤に用いられる剥離ライナーは、粘着剤層からの容易な剥離性、通気性、通水性ならびに柔軟性などを考慮して、目的に応じて適宜選択する。好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエステル等の高分子材料からなるフィルムが使用され、剥離性を高めるためにフィルム表面をシリコン処理、又はフルオロカーボン処理して用いることもできる。
4)経皮吸収型製剤の製法
本発明の経皮吸収型製剤の粘着剤層に用いる粘着剤、すなわち前記アクリル酸エステル共重合体を前述の溶液重合法で合成した場合、重合後にはアクリル酸エステル共重合体を含有する溶液として得られることになる。この溶液をそのまま、あるいは適当な有機溶媒で希釈し、「アクリル系粘着剤溶液」として本発明の経皮吸収型製剤の製造に用いることができることから、溶液塗工法を用いることが好ましい。
溶液塗工法では、まずはじめに、アクリル系粘着剤、塩基性薬物、シリカ粒子、多価アルコール脂肪酸エステル及び必要に応じてその他添加剤などを添加した溶液を調製する。この溶液に有機溶媒を添加して適宜濃度を調整する。
ここで用いられる有機溶媒としては、n−ヘキサン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトンなどがあり、これら有機溶媒にて希釈した希釈液中の粘着剤成分の濃度は好ましくは10乃至50質量%、より好ましくは20乃至40質量%である。
次に、各成分を含有する溶液(希釈液)を撹拌して均一に溶解、分散させる。このようにして得られた溶液をナイフコーター、コンマコーター又はリバースコーターなどの塗工機を用いて、たとえば剥離ライナー(シリコーン処理したポリエステルフィルム)上に均一に塗布する。
塗布後、約40℃乃至130℃の温度に保持した乾熱雰囲気下に約30秒乃至10分間保持して有機溶媒を揮発させる。使用する有機溶媒の種類及び塗布する粘着剤の厚みにより、乾燥条件を適宜選択する。
前記の方法にて得られた粘着剤層の表面に支持体をラミネートし、適切な大きさに裁断することにより、経皮吸収型製剤(貼付剤)を得ることができる。支持体の種類によっては、支持体上に粘着剤層を形成した後、粘着剤層の表面に剥離ライナーをラミネートしても良い。その後、40〜60℃の雰囲気下で1週間程度保存し、粘着剤層中の各種成分をなじませる熟成工程を経ることが場合によっては望ましい。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものでない。
[使用した各成分]
実施例及び比較例で使用した粘着剤等の各成分の詳細は以下の通りである。
<粘着剤>
・アクリル系粘着剤(1)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシルを1:8:1のモル比にて混合したもの100質量部、重合開始剤としてラウロイルパーオキサイド0.5質量部を用い、酢酸エチル中35%の濃度にて、常法の溶液重合法により重合し、アクリル系粘着剤(1)を得た。得られた粘着剤の極限粘度は2.0であった。
・アクリル系粘着剤(2)
日本カーバイド工業(株)製「ニカゾール TS−620」(アクリル酸メチル・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合樹脂エマルジョン)をアクリル系粘着剤(2)として用いた。
・アクリル系粘着剤(3)
アクリル酸−2−エチルヘキシルとアクリル酸を90.4%:9.6%のモル比で混合したもの100質量部、重合開始剤としてラウロイルパーオキサイド0.5質量部を用い、酢酸エチル中33%の濃度にて、常法の溶液重合法により重合し、アクリル系粘着剤(3)を得た。
・アクリル系粘着剤(4)
ヘンケル社の「Duro−Tak 87−2287」(ヒドロキシ基含有アクリル系重合体)をアクリル系粘着剤(4)として用いた。
・ゴム系粘着剤
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS5002、JSR(株))49.5質量%、水添ロジンエステル(パインクリスタルKE−311、荒川化学工業(株))49.5質量%、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT−F、キリンフードテック(株))1.0質量%を用いてゴム系粘着剤を得た。
<塩基性薬物>
・タムスロシン:タムスロシン遊離塩基
・タムスロシン塩酸塩:タムスロシンの塩酸塩
・サルメテロール:サルメテロール遊離塩基
・ケトチフェンフマル酸塩:ケトチフェンのフマル酸塩
<酸性薬物>
・インドメタシン
・アスピリン
<シリカ粒子>
・軽質無水ケイ酸(1):アエロジル200(平均粒子径:約0.012μm、日本アエロジル(株))
・軽質無水ケイ酸(2):サイリシア350(平均粒子径:3.9μm、富士シリシア化学(株))
・含水ケイ酸:サイロスフェアC1510(平均粒子径:10μm、富士シリシア化学(株))
<多価アルコール脂肪酸エステル>
・プロピレングリコールモノラウレート:リケマールPL−100(理研ビタミン(株))
<その他>
・モノエタノールアミン:試薬特級(関東化学(株))
・ポリイソシアネート:コロネートHL(日本ポリウレタン工業(株))
・ミリスチン酸イソプロピル:IPM−R(高級アルコール工業(株))
・ソルビタンモノラウレート:試薬(関東化学(株))
・ソルビタンモノオレエート:試薬(関東化学(株))
・ラウリン酸ジエタノールアミド:試薬(和光純薬工業(株))
<実施例1>
以下の組成及び製法により、実施例1の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 52.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 10.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.タムスロシン 8.0質量%
(製法)
上記成分を秤量後、全体の固形分が酢酸エチル溶液中20質量%となるように調製し、均一になるまで撹拌した。
乾燥後の粘着剤層の塗布量が25g/m2となるように、75μm厚の片面シリコン処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(フィルムバイナ75E−0010 No.23、藤森工業(株))上に塗布し、110℃で3分間乾燥させた。
次いで、粘着剤層の片面に25μm厚ののPETフィルム(ルミラーS10、東レ(株)、透湿度38g/m2・24hr)を貼り合わせて裁断し、経皮吸収型製剤を得た。
<実施例2>
プロピレングリコールモノラウレートの使用量を25質量%とし、それに伴い各成分を以下の組成とし、実施例1と同様の製法にて、実施例2の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 65.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 5.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 25.0質量%
4.タムスロシン 5.0質量%
<実施例3>
プロピレングリコールモノラウレートの使用量を20質量%とし、それに伴い各成分を以下の組成とし、実施例1と同様の製法にて、実施例3の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 72.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 5.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 20.0質量%
4.タムスロシン 3.0質量%
<実施例4>
シリカ粒子を軽質無水ケイ酸(2)とした以外は実施例1と同じ成分を用い、以下の組成を用いて実施例1と同様の製法にて、実施例4の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 57.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(2) 10.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 25.0質量%
4.タムスロシン 8.0質量%
<実施例5>
塩基性薬物をサルメテロールとした以外は実施例1と同じ成分を用い、以下の組成を用いて実施例1と同様の製法にて、実施例5の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 55.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 10.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.サルメテロール 5.0質量%
<実施例6>
塩基性薬物をケトチフェンフマル酸塩とし、さらに薬物の一部又は全部を遊離塩基の形態に変換する際に使用する塩基性の添加物としてモノエタノールアミンを使用した以外は実施例1と同じ成分を用い、以下の組成を用いて、乾燥後の粘着剤層の塗布量を40g/m2とすること以外は、実施例1と同様の製法にて、実施例6の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 47.5質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 10.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.モノエタノールアミン 2.5質量%
5.ケトチフェンフマル酸塩 10.0質量%
<実施例7>
粘着剤としてアクリル系粘着剤(2)を使用し、以下の組成及び製法を用いて、実施例7の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(2) 57.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 5.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.タムスロシン 8.0質量%
(製法)
上記成分を秤量後、全体の固形分がエマルジョン中50質量%となるように調製し、均一になるまで撹拌した。
乾燥後の粘着剤層の塗布量が25g/m2となるように、75μm厚の片面シリコン処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(フィルムバイナ75E−0010 No.23、藤森工業(株))上に塗布し、110℃で3分間乾燥させた。
次いで、粘着剤層の片面に25μmのPETフィルム(ルミラーS10、東レ(株)、透湿度38g/m2・24hr)を貼り合わせて裁断し、経皮吸収型製剤を得た。
<実施例8>
各成分の使用量を以下の組成とし、実施例1と同様の製法にて、実施例8の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 54.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 10.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.タムスロシン 6.0質量%
<実施例9>
各成分の使用量を以下の組成とし、実施例1と同様の製法にて、実施例9の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 57.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 10.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.タムスロシン 3.0質量%
<実施例10>
支持体として、25μm厚のポリエチレンフィルム(藤森工業(株)、透湿度30g/m2・24hr)とすること以外は実施例1と同様の組成及び製法にて、実施例10の経皮吸収型製剤を得た。
<実施例11>
支持体として、40μm厚のポリエチレンフィルム(東レ(株)、透湿度25g/m2・24hr)とすること以外は実施例1と同様の組成及び製法にて、実施例11の経皮吸収型製剤を得た。
<実施例12>
支持体として、60μm厚のポリエチレンフィルム(東レ(株))とすること以外は実施例1と同様の組成及び製法にて、実施例12の経皮吸収型製剤を得た。
<比較例1>
以下の組成を用い、実施例1と同様の製法にて、比較例1の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 62.0質量%
2.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
3.タムスロシン 8.0質量%
<比較例2>
以下の組成を用い、実施例1と同様の製法にて、比較例2の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(3) 59.5質量%
2.ポリイソシアネート 0.5質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.タムスロシン 10.0質量%
<比較例3>
以下の組成を用い、実施例1と同様の製法にて、比較例3の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(3) 54.5質量%
2.ポリイソシアネート 0.5質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.タムスロシン 15.0質量%
<比較例4>
粘着剤としてゴム系粘着剤を使用し、以下の組成及び製法を用いて、比較例4の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.ゴム系粘着剤 65.0質量%
2.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
3.タムスロシン 5.0質量%
(製法)
上記成分を秤量後、全体の固形分がトルエン溶液中50質量%となるように調製し、均一になるまで撹拌した。
乾燥後の粘着剤層の塗布量が25g/m2となるように、75μm厚の片面シリコン処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(フィルムバイナ75E−0010 No.23、藤森工業(株))上に塗布し、110℃で3分間乾燥させた。
次いで、粘着剤層の片面に25μm厚のPETフィルム(ルミラーS10、東レ(株))を貼り合わせて裁断し経皮吸収型製剤を得た。
<比較例5>
以下の組成を用い、実施例1と同様の製法にて、比較例5の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 85.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 10.0質量%
3.タムスロシン 5.0質量%
<比較例6>
以下の組成を用い、実施例1と同様の製法にて、比較例6の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 75.0質量%
2.軽質無水ケイ酸(1) 10.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 10.0質量%
4.タムスロシン 5.0質量%
<比較例7>
以下の組成を用い、実施例1と同様の製法にて、比較例7の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(3) 64.5質量%
2.ポリイソシアネート 0.5質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.サルメテロール 5.0質量%
<比較例8>
以下の組成を用い、乾燥後の粘着剤層の塗布量を40g/m2とすること以外は、実施例1と同様の製法にて、比較例8の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(3) 57.0質量%
2.ポリイソシアネート 0.5質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 30.0質量%
4.モノエタノールアミン 2.5質量%
5.ケトチフェンフマル酸塩 10.0質量%
<比較例9>
以下の組成を用い、実施例1と同様の製法にて、比較例9の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
1.アクリル系粘着剤(1) 57.0質量%
2.含水ケイ酸 10.0質量%
3.プロピレングリコールモノラウレート 25.0質量%
4.タムスロシン 8.0質量%
<比較例10〜13>
粘着剤としてアクリル系粘着剤(4)を使用し、以下の組成及び製法を用いて、比較例10〜13の経皮吸収型製剤を得た。
(組成)
Figure 2010074182
(製法)
a)メタノールにホウ酸を加え、10質量%の溶液を得た。
b)a)の溶液3.32gに軽質無水ケイ酸0.40g及び酢酸エチル2.25を加え、乳鉢で混合して分散液を得た。
c)b)の分散液にアクリル系粘着剤(液体)9.7gを加え、乳鉢で1時間混合した。
d)タムスロシン塩酸塩0.25g、酢酸ナトリウム0.07g、ミリスチン酸イソプロピル0.25g、ソルビタンモノラウレート0.15gを約15時間混合し、さらにc)の液11.78gを加え、乳鉢で1時間混合し、一晩放置(16時間)し、さらに3時間混合した。
e)d)の液を75μm厚の片面シリコン処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(フィルムバイナ75E−0010 No.23、藤森工業(株))のシリコン処理面に展延し、室温で10分放置後、80℃で10分間乾燥した。その後支持体(ポリエチレンテレフタレートフィルム、25μm)を積層して裁断し、比較例10の経皮吸収型製剤を得た。
同様に、比較例11〜13の経皮吸収型製剤を製造した。
なお、乾燥後の粘着剤層の塗布量はそれぞれ、78g/m2(比較例10)、68g/m2(比較例11)、70g/m2(比較例12)、75g/m2(比較例13)である。
なおこの比較例10〜13の経皮吸収型製剤は、国際公開第2007/023791号パンフレットに記載の実施例4に準ずる例である。
<比較例14〜17>
粘着剤としてアクリル系粘着剤(4)を使用し、以下の組成にて、実施例1と同様の製法にて、比較例14〜17の経皮吸収型製剤を得た。なお、乾燥後の粘着剤層の塗布量はそれぞれ、25g/m2(比較例14)、25g/m2(比較例15)、24g/m2(比較例16)、30g/m2(比較例17)である。
(組成)
Figure 2010074182
<比較例18>
支持体として、75μm厚の炭酸カルシウム含有ポリエチレンフィルム(三菱化学(株)、透湿度3,800g/m2・24hr)とすること以外は実施例1と同様の組成及び製法にて、比較例18の経皮吸収型製剤を得た。
<比較例19>
支持体として、80μm厚の炭酸カルシウム含有ポリエチレンフィルム(三菱化学(株))とすること以外は実施例1と同様の組成及び製法にて、比較例19の経皮吸収型製剤を得た。
<比較例20>
支持体として、100μm厚の炭酸カルシウム含有ポリエチレンフィルム(三菱化学(株)、透湿度2,850g/m2・24hr)とすること以外は実施例1と同様の組成及び製法にて、比較例20の経皮吸収型製剤を得た。
<比較例21〜32>
薬物として酸性薬物であるインドメタシン又はアスピリンを使用し、以下の組成にて、実施例1と同様の製法にて、比較例21〜32の経皮吸収型製剤を得た。なお、何れの製剤も乾燥後の粘着剤層の塗布量が30g/m2となるように調整した。
(組成)
Figure 2010074182
Figure 2010074182
[評価試験法]
上記実施例及び比較例の経皮吸収型製剤を下記の評価試験法に従って試験し、薬物の皮膚透過性、経皮吸収型製剤の付着性及び発汗時の付着性を評価した。
(1)皮膚透過性試験法
得られた実施例及び比較例の経皮吸収型製剤を1.77cm2に打ち抜き、Franz(フランツ)型拡散セル及びヘアレスマウス(7週齢、雄性)腹部摘出皮膚を使用して、以下の手順にて皮膚透過試験を行った。
レシーバー液として生理食塩水或いはpH7.4リン酸塩緩衝液(32℃)を使用し、試験開始後から予め設定したサンプリング時間(2、3、4時間)ごとにレシーバー液の1mLを採取し、同量の新しいレシーバー液を充填した。
採取したレシーバー液に同量のメタノールを加えて不純物を除去した後、HPLCにより薬物濃度を測定し、累積透過量を算出した。各検体について3回試験し平均値を得た。
なお、実施例1乃至実施例3及び実施例7乃至実施例9、比較例1乃至比較例6及び比較例10乃至比較例17については、48時間後の薬物利用率を[(48時間目の累積透過量)/(単位面積当たりの薬物含量)×100]として算出し、比較例21乃至比較例26については、24時間後の薬物利用率を[(24時間目の累積透過量)/(単位面積当たりの薬物含量)×100]として、比較例27乃至比較例32については12時間後の薬物利用率を[(12時間目の累積透過量)/(単位面積当たりの薬物含量)×100]として、夫々算出した。
なお、単位面積当たりの薬物含量は(塗布量)×(薬物濃度)より算出した。
得られた結果を表1乃至表8並びに図1乃至図4に示す。
(2)透過促進剤の促進効果比較
プロピレングリコールモノラウレート及びミリスチン酸イソプロピルをそれぞれ30及び45質量%となるように流動パラフィンと混合した溶液、または流動パラフィンにタムスロシンを過飽和になるまで加え、32℃で一晩攪拌した懸濁液をドナー溶液として、以下の手順で皮膚透過試験を実施した。
水平型拡散セルにヘアレスマウス(7週齢、雄性)腹部摘出皮膚を装着し、レシーバーセルに生理食塩水、ドナーセルに上記懸濁液を満たした。試験温度を32℃とし、試験開始後から予め設定したサンプリング時間ごとにレシーバー液の1mLを採取し、同量の新しいレシーバー液を充填した。
採取したレシーバー液に同量のメタノールを加えて不純物を除去した後、HPLCにより薬物濃度を測定し、累積透過量を算出した。各検体について3回試験し平均値を得た。
得られた結果を表9に示す。
(3)製剤の付着性(通常時/発汗時)
得られた実施例及び比較例の経皮吸収型製剤の付着性を、フィンガータック法を用いて以下の基準に基づいて評価した。さらに、10cmに打抜いた経皮吸収型製剤を健常成人に6時間貼付後、製剤を剥離した時の粘着剤の残留(糊残り)を下記の基準に基づいて評価した。
・フィンガータック法による基準
○:極めてよく付く △:よく付く :×:あまり付かない
・粘着剤の残留の基準
無 :目視で粘着剤の残留(糊残り)は認められない。
わずかに有:目視で粘着剤の残留(糊残り)が一部認められる。
有 :目視で粘着剤の残留(糊残り)が明らかに認められる。
また実施例及び比較例の経皮吸収型製剤を10cmに打ち抜き、これを前腕内側の皮膚に貼付した健常成人を室温40℃に調整した部屋に10分間滞在させて発汗させた後、製剤の付着状態を以下の基準に基づいて評価した。さらに、経皮吸収型製剤を皮膚から剥離した後、貼付部位を指でなぞった時のべたつきについて、下記の基準に基づいて評価した。
・付着状態の基準
○ :全面が付着している
△ :エッジ部に浮きがみられる
× :面の半分以上に浮きが見られる
×× :脱落した
・皮膚のべたつきの基準
無 :貼付部位のべたつきがない
わずかに有:貼付部位の一部がべたつく
有 :貼付部位の全面がべたつく
得られた結果を表10及び表11に示す。
(4)柔軟性の評価
実施例及び比較例に使用する支持体について、2cm×25cmの試験片を採取し、試験片の有効長が20cmとなるように、水平棒にハートループ状に取り付けた。1分間経過後に、水平棒頂部とループ最下点との距離L(mm)を測定した。各検体について5回測定した平均値を剛軟度(mm)とした。
実施例及び比較例の経皮吸収型製剤を30cm2に打ち抜き、これを健常成人の肘内側に貼付し、約90度の角度に腕を曲げた時の付着状態を以下の基準に基づいて評価した。
○:全面が付着している
△:わずかに浮きが見られる
×:シワ状に浮きが見られる
得られた結果を表12に示す。
[評価試験結果]
(1)皮膚透過性
タムスロシン(遊離塩基)の皮膚透過性の評価結果を表1並びに図1に示す。
表1及び図1に示す結果より判るように、アクリル系粘着剤(1)を用いた実施例1及び実施例2並びにアクリル系粘着剤(2)を用いた実施例7は、カルボキシル基を持つモノマーを用いて重合した樹脂からなるアクリル系粘着剤(3)を用いた比較例2及び比較例3、ゴム系粘着剤を用いた比較例4と比較して、持続的に高い累積透過量を示すとともに高い薬物利用率を示し、薬効を発揮するのに十分であると認められる値を示した。
また、実施例3は薬物含量が3%と低く、累積透過量は実施例1、実施例2及び実施例7を下回る結果となったが、実施例3の薬物含量を遥かに上回る比較例2及び比較例3と同等以上の皮膚透過性を示し、薬物利用率は、遥かに高い値を示した。
一方、プロピレングリコールモノラウレートを配合しなかった比較例5、配合量が10%と少なかった比較例6は、タムスロシン濃度が同量の実施例2に比べ極めて低い皮膚透過性しか示さなかった。
なお比較例2と比較例3はほぼ同じような透過量の推移であるため図1には比較例2のみ示した。
同様に、表2及び図2(塩基性薬物としてサルメテロールを使用した場合)、表3及び図3(同ケトチフェンフマル酸塩を使用した場合)に示すように、タムスロシン以外の塩基性薬物を使用した場合においても、アクリル系粘着剤(1)を使用した実施例5及び実施例6は、アクリル系粘着剤(3)を用いた比較例7及び比較例8よりも高い累積透過量を示した。
また、表4及び表5に示すように、粘着剤としてアクリル系粘着剤(4)を用いた比較例10〜13及び比較例14〜17は、48時間後の累積透過量、薬物利用率が実施例8及び実施例9と比べて非常に低いという結果となった。
すなわち、ヒドロキシ基含有アクリル系粘着剤(4)を用いた製剤に比べ、ヒドロキシ基を含まないアクリル系粘着剤(1)(アクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体)を用いた製剤は薬物の皮膚透過性に優れる製剤であるとする結果となった。
なお、粘着剤としてアクリル系粘着剤(1)(アクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体、エステル系)を用いたもの、アクリル系粘着剤(3)(カルボキシル基を含むもの)及びアクリル系粘着剤(4)(ヒドロキシ基含有アクリル系重合体)を用いた各種製剤において、薬物として酸性薬物であるインドメタシンを使用した場合(表6)及び薬物としてアスピリンを使用した場合(表7)を示す。
これをみると、インドメタシンを用いた場合には、粘着剤としてアクリル系粘着剤(3)(カルボキシル基を含むもの)を用いた製剤が累積透過量、24時間後の利用率ともに若干優れるという結果となり、アクリル系粘着剤(1)(エステル系)を用いたものとアクリル系粘着剤(4)(ヒドロキシ基含有)を用いた製剤はほぼ同じとする結果となった。また、アスピリンを用いた場合には、何れの粘着剤を用いても累積透過量、12時間後の利用率ともにほぼ同じとする結果となった。
これは、塩基性薬物(タムスロシン、サルメテロール、ケトチフェンフマル酸塩)を用いて実施した前出の実施例・比較例とは異なる挙動を示すものである。
また、表8、図4に示す結果より分かるように、50g/m2・hr以下の透湿度を有する支持体を用いた実施例1、実施例10及び実施例11は、高い透湿性を有する支持体を用いた比較例18に比べて皮膚透過性が非常に高い結果となった。
Figure 2010074182
Figure 2010074182
Figure 2010074182
Figure 2010074182
Figure 2010074182
Figure 2010074182
Figure 2010074182
Figure 2010074182
(2)透過促進剤の促進効果
下記表9に示すように、促進剤としてプロピレングリコールモノラウレートまたはミリスチン酸イソプロピルを使用した際の促進効果を比較したところ、ミリスチン酸イソプロピルを促進剤として使用した場合、プロピレングリコールモノラウレートに比べて48時間の累積透過量が極めて低く、促進効果が低いことが確認された。
Figure 2010074182
(3)製剤の付着性(通常時/発汗時)
下記表10に示すように、実施例1乃至実施例4の製剤は、粘着剤の残留が認められず、経皮吸収型製剤として十分な粘着性及び付着性を示した。
また発汗時においても良好な付着性を維持しており、剥離後の皮膚のべたつきも認められなかった。
一方、表11に示すように、比較例1の製剤においては、付着性については良好な結果が得られたものの、糊残り並びに発汗時の皮膚のべたつきが認められた。これは、液状成分であるプロピレングリコールモノラウレートを十分に保持できず、粘着剤の凝集力が低下したためとみられる。
比較例2の製剤は付着性については良好な結果が得られているものの、前述したとおり、累積透過量及び薬物利用率は低い値を示し、薬効を発揮するには不十分であった。
ゴム系粘着剤を用いた比較例4の製剤は、多量のプロピレングリコールモノラウレートを添加することにより、粘着性の維持が困難となり、フィンガータックは不適を示し、発汗により製剤が脱落した。
また、シリカ粒子(充填剤)として粒子径の大きい含水ケイ酸を用いた比較例9は、凝集力の改善効果が不足し、わずかに粘着剤の残留と発汗時における剥離後の皮膚のべたつきが認められた。
Figure 2010074182
Figure 2010074182
(4)柔軟性の評価
表12に示すように、支持体の剛軟度が80mm以上の実施例10乃至実施例12は、柔軟性が高く屈曲部への付着性が良好であり、浮きが見られなかった。
一方、支持体の剛軟度が80mm未満である比較例19及び比較例20に関しては、柔軟性が低く屈曲した際に浮きが見られた。
Figure 2010074182
[評価結果まとめ]
以上述べたように、シリカ粒子を含有しない比較例1は、薬物の皮膚透過性には優れる結果が得られたが、皮膚付着性に課題を残す結果となった。
カルボキシル基を持つモノマーを用いたアクリル系粘着剤を使用した場合(比較例2及び比較例3、比較例7及び比較例8)、薬物の皮膚透過性及び薬物利用率が著しく低下した。
また、ゴム系粘着剤を使用した場合、プロピレングリコールモノラウレートを30%含有させると、粘着力が殆ど発現しないとする結果となった(比較例4)。
さらに、透過促進剤であるプロピレングリコールモノラウレートを使用しない場合、或いは使用したとしても少量の使用であった場合には、薬物が殆ど皮膚透過しないという結果となった(比較例5及び比較例6)。
そして、含有するシリカ粒子の粒子径を本発明で規定する大きさ(5μm以下)を超えるものを使用した場合、皮膚付着性にやや欠けるという結果となった(比較例9)。
また、粘着剤としてヒドロキシ基含有アクリル系粘着剤を用いた場合、累積透過量、薬物利用率が非常に劣るとする結果となった(比較例10〜比較例17)。
また、経皮吸収型製剤の支持体として高い透湿性を有する支持体を使用した場合は、薬物の皮膚透過性が大幅に低下した(比較例18)。
なお、酸性薬物(インドメタシン、アスピリン)を用いた場合の製剤は、塩基性薬物を用いた製剤において粘着剤の種類を変えた場合の挙動とは異なる挙動を示し、薬物の種類によって好適な粘着剤が全く異なることが確認された(比較例21〜32)。
さらに、剛軟度が80mm未満の支持体を用いた場合の製剤は、柔軟性が低く屈曲部への付着に劣るとする結果となった(比較例19及び比較例20)
一方、本発明の経皮吸収型製剤である実施例1乃至実施例12は、いずれも薬物の皮膚透過性に優れ、また皮膚付着性にも優れるものであり、本製剤が経皮吸収型製剤として優れた特性を有するものであることが確認された。
さらに、剛軟度が80mm以上の支持体を使用することで、柔軟性が高く、皮膚への追従性が上がり、付着性が増すことが確認された。
特開平6−145051号公報 特開平8−040937号公報

Claims (9)

  1. 支持体に粘着剤層を設けてなる経皮吸収型製剤において、該支持体の透湿度が300g/m2・24hr以下であり、該粘着剤層を形成する粘着剤組成物が、分子内にカルボキシル基を持たないアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルよりなるモノマー又はモノマー混合物を重合してなる樹脂を主とするアクリル系粘着剤、塩基性薬物、平均粒子径が5μm以下のシリカ粒子、並びに多価アルコール脂肪酸エステルを含有し、前記多価アルコール脂肪酸エステルは粘着剤組成物の全質量に対して15〜40質量%の割合で含まれてなる、経皮吸収型製剤。
  2. 前記多価アルコール脂肪酸エステルがプロピレングリコールモノラウレートを主成分とし、粘着剤組成物の全質量に対して20〜35質量%の割合で含まれてなる、請求項1に記載の経皮吸収型製剤。
  3. 前記アクリル系粘着剤が、分子内にカルボキシル基及びヒドロキシ基を持たないアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルよりなるモノマー又はモノマー混合物を重合してなる樹脂を主とする粘着剤である、請求項1又は請求項2に記載の経皮吸収型製剤。
  4. 前記アクリル系粘着剤が、アクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸−2−エチルヘキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体である、請求項3に記載の経皮吸収型製剤。
  5. 前記支持体が、50g/m2・24hr以下の透湿度を有する支持体である、請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の経皮吸収型製剤。
  6. 前記支持体が、80mm以上のハートループ法による剛軟度を有する支持体である、請求項1乃至請求項5のうち何れか一項に記載の経皮吸収型製剤。
  7. 前記支持体が、厚さが10〜70μmであるポリエチレンフィルムよりなる、請求項1乃至請求項6のうち何れか一項に記載の経皮吸収型製剤。
  8. 前記アクリル系粘着剤が、1.5〜2.5の極限粘度を有する粘着剤である、請求項1乃至請求項7のうち何れか一項に記載の経皮吸収型製剤。
  9. 前記塩基性薬物が、タムスロシンの塩の形態であるか又は遊離塩基の形態である、請求項1乃至請求項8のうち何れか一項に記載の経皮吸収型製剤。
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