JPH04368323A - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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Publication number
JPH04368323A
JPH04368323A JP14028391A JP14028391A JPH04368323A JP H04368323 A JPH04368323 A JP H04368323A JP 14028391 A JP14028391 A JP 14028391A JP 14028391 A JP14028391 A JP 14028391A JP H04368323 A JPH04368323 A JP H04368323A
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JP
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adhesive layer
self
adhesive
drug
weight
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Application number
JP14028391A
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English (en)
Inventor
Takashi Shinjo
隆 新城
Nobuhiro Kakimoto
柿本 信博
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、支持体の片面に薬物含
有粘着剤層を設けてなる医療用の貼付剤に関し、特に、
カルボキシル基またはアミノ基を含有する高分子と無機
充填剤との水素結合により凝集力が高められた粘着剤層
を有する貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薬物不透過性の支持体の片面に薬
物を含有した粘着剤層を設けた貼付剤が広く用いられて
いる。貼付剤の粘着剤層は、通常、貼付作用を果たすた
めの粘着剤、薬効作用を果たすための薬物、無機充填剤
及び可塑剤を配合することにより構成されている。
【0003】上記のような貼付剤では、薬物を高濃度に
配合することが求められることがある。しかしながら、
従来の粘着剤層に薬物を高濃度で配合した場合には、粘
着剤層の凝集力が低下し、粘着剤層が過度に軟化するこ
とがあった。同様に、粘着剤層に可塑剤を配合した場合
にも、粘着剤層の凝集力が低下し、過度に軟化すること
があった。
【0004】上記のように粘着剤層が過度に軟化すると
、皮膚面から貼付剤を剥離した場合に、糊残り現象が生
じるという問題があった。そこで、粘着剤層において適
当な凝集力を確保するために、一般には、粘着剤層を形
成した後に、金属イオン架橋(特表昭61−50276
0)、ウレタン架橋(特開昭58−46959)、エポ
キシ架橋、メラミン架橋(特表昭61−502760)
または過酸化物もしくは電子線照射(特開昭57−74
14)によりラジカル反応を形成することにより架橋さ
せる方法等が用いられている。しかしながら、上記のよ
うな架橋法を適用すると、架橋反応中に薬物が分解した
り、あるいは架橋により粘着剤層の柔軟性が低下したり
し、その結果、薬物の放出速度が低下するという問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の貼付剤の問題点を解消し、薬物の放出速度を
低下させることなく、粘着剤層の凝集力を高めることが
可能とされており、それによって糊残り現象等を防止し
得る貼付剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明では、薬物不透過性の支持体と、該支持体の一方面
に設けられた粘着剤層とを備え、粘着剤層が、粘着剤、
薬物、無機充填剤及びカルボキシル基またはアミノ基含
有高分子を含むことを特徴とする貼付剤である。
【0007】また、請求項2に記載の発明では、上記無
機充填剤として、無水ケイ酸が用いられる。以下、本発
明の構成の詳細を説明する。
【0008】支持体 本発明に用いられる支持体としては、通常の貼付剤の支
持体として用いられている薬物不透過性の材料からなる
ものを適宜用いることができる。特に、ガスバリアー性
の材料からなるフィルムやシートが好適に用いられる。
【0009】具体的には、支持体を構成する材料として
は、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリ塩化ビニルまたはアルミニウム等が挙げら
れる。また、これらの材料からなるフィルムやシートと
、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレン−酢酸
ビニル共重合体等とのラミネート体も支持体として使用
することができる。本発明では、上記のような支持体の
片面に、後述する組成の粘着剤層が設けられる。
【0010】粘着剤 本発明の貼付剤の粘着剤層を構成するための粘着剤とし
ては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤またはシリコン
系粘着剤等が用いられる。アクリル系粘着剤としては、
特に、炭素数4〜18の脂肪族アルコールと(メタ)ア
クリル酸とから得られる(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの単独重合体もしくは共重合体及び/または上記
(メタ)アクリル酸とアルキルエステルとその他の官能
性モノマーとの共重合体が好適に用いられる。
【0011】上記(メタ)アクリル酸エステルとしては
、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸
オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸
デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、
、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸−2エチルヘキシル、メタク
リル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ス
テアリル等が例示される。
【0012】上記官能性モノマーとしては、以下のよう
な水酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモ
ノマー、アミド基を有するモノマー、アミノ基を有する
モノマー等が挙げられる。
【0013】水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートが例示される。カルボキシル基を有す
るモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸等のα
−β不飽和カルボン酸:マレイン酸ブチル等のマレイン
酸モノアルキルエステル:マレイン酸:フマル酸:クロ
トン酸等が例示される。無水マレイン酸もマレイン酸と
同様の(共)重合成分を与える。アミド基を有するモノ
マーとしては、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミ
ド、ジエチルアクリルアミド等のアルキル(メタ)アク
リルアミド:ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシ
メチルアクリルアミド等のアルキルエーテルメチロール
(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等
が例示される。アミノ基を有するモノマーとしては、ジ
メチルアミノエチルアクリレート、ビニルピロリドン等
が例示される。
【0014】上記以外の共重合性モノマーとしては、酢
酸ビニル、ビニルアルコール、スチレン、α−メチルス
チレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエン等も使用できる。粘着剤中には(
メタ)アクリル酸アルキルエステルが(共)重合成分と
して50重量%以上含有されることが好ましい。ゴム系
粘着剤は、天然ゴム、スチレン−イソプレンブロック共
重合体(SIS)、ポリイソプレン(IR)、ポリブテ
ン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
等に、粘着付与樹脂、軟化剤または安定剤等を添加した
ものが用いられる。シリコン粘着剤としては、ポリジメ
チルシロキサン等を主成分とするものが挙げられる。
【0015】無機充填剤 本発明の貼付剤で用いられる無機充填剤としては、例え
ば、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムまたは炭酸バ
リウム等が挙げられる。中でも、無水ケイ酸が本発明に
おいて好適に用いられる。無水ケイ酸には、親水性無水
ケイ酸と疎水性無水ケイ酸がある。親水性無水ケイ酸は
表面に水酸基を有し、疎水性無水ケイ酸は、表面の水酸
基の約50%以上が疎水化されており、実質的に疎水性
を示すものである。
【0016】親水性無水ケイ酸は気相法または液相法で
調製される、粒径0.005〜0.1μmの一次微粒子
であり、さらにこれらの一次微粒子がシロキサン結合に
より三次元的に結合した多孔性のシリカゲル粒子(粒径
約1〜100μm)も使用され得る。上記気相法または
液相法で調製される一次微粒子としては、Aerosi
l  130,Aerosil  200,Aeros
il  300,Aerosil  380(いずれも
日本アエロジル社製)等が挙げられる。上記一次微粒子
が結合した多孔性シリカゲル粒子としては、SYLOI
D(FUJI−DAVISON  CHEMICAL 
 LTD.)が挙げられる。
【0017】上記疎水性無水ケイ酸としては、親水性無
水ケイ酸粒子の表面を、ジメチルジクロルシランで処理
することにより得られる、表面がジメチルシラノール基
で覆われたシリカ粒子がある。さらに、親水性無水ケイ
酸粒子の表面をオクチルシリル化処理、トリメチルシリ
ル化処理あるいはシリコンオイルで処理して疎水化した
シリカ粒子も用いられ得る。疎水性無水ケイ酸としては
、例えば、Aerosil  R972、Aerosi
l  R805(いずれも日本アエロジル社製)等が挙
げられる。
【0018】上記のような無機充填剤は、通常、粘着剤
層の全重量に対し1〜20重量%の範囲となるように配
合される。無機充填剤は粘着剤層の凝集力を高めるよう
作用するものであるため、上記配合量が1重量%未満で
は無機充填剤を添加した効果が充分でなく、粘着剤層の
凝集力を充分に高めることができない。他方、上記配合
量が20重量%を超えると、粘着剤層を構成するための
混合作業が困難となり、かつ上記凝集力改善効果が飽和
する。なお、一般に、粘着剤層の柔軟性を保持するため
に、無機充填剤は糊残り現象を生じない範囲で添加され
る。
【0019】薬物本発明の貼付剤に用いられる薬物は、
貼付剤に含有させるのに適した薬物である限り、特に限
定されない。一般的には薬物として使用される有効成分
(生理活性物質)が、経皮投与または粘膜投与により生
体膜を透過し得るものであればよい。具体的には、消炎
鎮痛剤、抗炎症剤、狭心症剤もしくは高血圧症剤等の循
環器系薬剤、抗アレルギー剤、ホルモン剤、鎮痒剤、抗
ヒスタミン剤、香料、鎮痛剤、保湿剤またはビタミン類
等が挙げられる。
【0020】上記のような薬物は、通常、粘着剤層の全
重量に対し、0.1〜40重量%の範囲で配合される。 0.1重量%未満では、薬物を配合したことにより充分
な薬理作用を発現させることができないからであり、4
0重量%を超えて配合した場合には、薬物が粘着剤に相
溶せず表面に滲み出たり、粘着性を低下させたりするか
らである。
【0021】カルボキシル基またはアミノ基含有高分子
本発明では、粘着剤層に、カルボキシル基またはアミノ
基を含有する高分子が配合される。カルボキシル基また
はアミノ基を含有する高分子が配合されているのは、無
機充填剤との間で水素結合を形成させ、それによって粘
着剤層の凝集力を高めるためである。カルボキシル基を
含有する高分子としては、以下のものが挙げられる。
【0022】(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとの共重合体:カルボン酸(主にアク
リル酸)と多価アルコールとの共重合体:メチルビニル
エーテルと無水マレイン酸との共重合体:ピラノース環
を有する高分子の誘導体のナトリウム塩:ピラノース環
を有する高分子とカルボン酸とのエステル等が挙げられ
る。
【0023】上記(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルとの共重合体の具体的な例として
は、メタアクリル酸コポリマーS(Rohm  Tec
h社製、商品名:オイドラギッドS、共重合体成分とし
てメタアクリル酸メチルを約71重量%及びメタアクリ
ル酸を約29重量%含有する共重合体)、メタアクリル
酸コポリマーL(Rohm  Tech社製、商品名:
オイドラギッドL、共重合体成分としてメタアクリル酸
メチル約45重量%及びメタアクリル酸55重量%を含
有する共重合体)、メタアクリル酸コポリマーLD(R
ohm  Tech社製、商品名:オイドラギッドL3
0D、乳濁重合法で形成されており、アクリル酸エチル
約70重量%及びメタアクリル酸メチル30重量%を含
有する共重合体)等がある。
【0024】上記カルボン酸と多価アルコールとの共重
合体としては、例えばカルボキシルビニルポリマーが挙
げられる。上記メチルビニルエーテルとマレイン酸との
共重合体としては、メトキシエチレイン−無水マレイン
酸共重合体が挙げられる。具体的には、例えば、メトキ
シエチレン−無水マレイン酸共重合体(G.A.F社製
、商品名:ガントレッツAN、メチルビニルエーテルと
無水マレイン酸との共重合体)がある。
【0025】上記ピラノース環を有する高分子の誘導体
のナトリウム塩としては、例えば、アクリル酸デンプン
カリウム、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸
ナトリウム等が挙げられる。さらに、ピラノース環を有
する高分子とカルボン酸とのエステルとしては、例えば
、酢酸フタルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロースフタレート等が挙げられる。
【0026】アミノ基を含有する高分子としては、ポリ
ビニルアルコールのアセタールとアミノ酢酸とのエステ
ル結合体:(メタ)アクリル酸アルキルエステルとアミ
ノ基を含有するメタアクリル酸アルキルエステルとの共
重合体:高級脂肪酸アミドのアルキル化スルホン酸塩等
が挙げられる。
【0027】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
とアミノ基を含有するメタアクリル酸アルキルエステル
との共重合体としては、例えば、アミノアルキルメタア
クリレートコポリマーE(Rohm  Tech社製、
商品名:オイドラギッドE、メタアクリル酸メチル及び
メタアクリル酸ブチルをほぼ等比率で共重合した成分を
共重合体成分のうち約44重量%含有、残りの共重合体
成分が主としてジメチルアミノエチルメタアクリレート
からなる共重合体)、アミノアルキルメタアクリレート
コポリマーRS(Rohm  Tech社製、商品名:
オイドラギッドRS、共重合体成分として、メタアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル及び塩化トリメチルアン
モニウムメタアクリレートを含有する共重合体)等が挙
げられる。また、上記高級脂肪酸アミドのアルキル化ス
ルホン酸塩としては、例えば、ココイルメチルタウリン
ナトリウムが挙げられる。
【0028】上述したカルボキシル基またはアミノ基を
含有する高分子の配合量は、使用する粘着剤の種類、極
性、分子量並びに上記高分子の種類及び極性によっても
異なるが、通常、粘着剤100重量部に対し、1重量部
〜40重量部に範囲で添加される。1重量部未満では、
粘着剤層の凝集力を高める効果が充分でなく、他方、4
0重量部を超えると、高分子を粘着剤層中に均一に混合
することが困難となるからである。好ましくは、粘着剤
層中に、上記高分子は、5重量部以上30重量部以下で
添加される。
【0029】可塑剤 本発明の粘着剤層には、上述した粘着剤層、薬物、無機
充填剤及びカルボキシル基またはアミノ基含有高分子の
他に必要に応じて可塑剤を添加してもよい。可塑剤とし
ては、以下に示すエステル、ケトン、炭化水素、アルコ
ール、エーテル、アミド化合物のように、粘着剤に含有
された場合に可塑化作用を果たすもので、人の皮膚に適
用可能な液状化合物を任意に用いることができる。
【0030】上記エステルとしては、中性脂肪酸エステ
ル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロ
ピル等の脂肪酸エステル類:オリーブ油または中性脂肪
酸エステルのような多価アルコール等の有機酸エステル
類が挙げられる。また、上記炭化水素としては、スクワ
ラン、流動パラフィン等が挙げられる。また上記アルコ
ールとしては、オクチルドデカノールまたはセチルアル
コール等の高級アルコールを用いることができる。さら
に、上記エーテルとしては、ポリエチレングリコールま
たはポリプロピレングリコール等のアルキルエーテルが
挙げられる。
【0031】可塑剤の配合量は、粘着剤層を構成してい
る粘着剤の種類、極性及び分子量並びに可塑化作用を有
する化合物の種類及び極性によっても異なるが、通常、
粘着剤層の全重量に対し、1〜30重量%の範囲で添加
される。1重量%未満では、粘着剤層を柔軟にする効果
が小さく、30重量%を超えると、粘着剤層の凝集力を
充分な大きさに保持することが困難となるからである。
【0032】剥離紙 本発明の貼付剤を実際に構成する場合、通常の貼付剤と
同様に、粘着剤層表面を保護するために剥離紙が粘着剤
層表面に積層される。このような剥離紙としては、例え
ば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン等からなるフィルム、または上質紙やグラシン紙とポ
リオレフィンとのラミネートフィルム等が用いられる。 剥離紙は粘着剤層から容易に剥離されるものであること
が必要であるため、通常、剥離紙の粘着剤層との接触面
にはシリコン処理等が施される。
【0033】製法 本発明による貼付剤の製法としては、通常の粘着テープ
の製造方法が適用できる。その代表例は溶剤塗工法であ
り、これ以外にもエマルジョン塗工法、ホットメルト法
、電子線架橋による方法等が用いられる。本発明による
貼付剤を溶剤塗工法で製造するには、例えば、粘着剤、
薬物、無機充填剤及び上記した高分子等を適当な溶媒に
溶解ないし分散させ、得られた溶液ないし分散液を支持
体表面に直接塗布・乾燥し、厚み30〜200μmの粘
着剤層を形成する。また、この溶液ないし分散液を保護
用の剥離紙上に塗布し、乾燥後に得られた粘着剤層を支
持体に密着させてもよい。
【0034】
【作用】本発明の貼付剤では、カルボキシル基またはア
ミノ基を含有する高分子が、無機充填剤と水素結合を形
成し、それによって粘着剤層の凝集力が高められる。特
に、請求項2に記載の発明のように、無機充填剤として
無水ケイ酸を用いた場合には、無水ケイ酸中の水酸基が
、カルボキル基またはアミノ 基含有高分子と水素結合
反応するため、粘着剤層の凝集力をより一層効果的に高
めることができる。
【0035】上記粘着剤層の凝集力の向上は、粘着剤層
の高膨潤状態を保持したまま粘着剤層全体の流動性を抑
えることにより達成される。従って、粘着剤層の柔軟性
を保持した状態で、粘着剤層に充分な凝集力を付与する
ことができるため、本発明の貼付剤を皮膚に貼付した場
合、剥がれや糊残り現象等を生じずに、良好な貼付性能
を発揮させることができる。また、薬物は、高膨潤状態
のマトリックス中を拡散移動すればよいことになるため
、従来の貼付剤に比べて低粘度の粘着材層中を移動する
ことになるため、薬物の拡散性、ひいては薬物の放出性
も高められる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。まず、実
施例で用いた原材料を示す。
【0037】アクリル系粘着剤A アクリル系ドデシルメタアクリレート2413g、2−
エチルヘキシルメタアクリレート15048g、2−エ
チルヘキシルアクリレート1748g、10重量%ヘキ
サンジオールジメタクリレート24・13g及び酢酸エ
チル7740gを40リットルの重合機に入れ、反応液
系が示す最高温度(沸点)に加熱した。次に、この反応
液に、ラウロイルパーオキシド17gをシクロヘキサン
−酢酸エチル混合液(混合比は4:11)1500gに
溶解した溶液を6時間かけて添加し、次に、ラウロイル
パーオキシド172.3gをシクロヘキサン−酢酸エチ
ル混合液(混合比は2:1)3000gに溶解した溶液
を18時間かけて添加し、重合を行った。その結果、重
量平均分子量105万、固形分58重量%の粘着剤溶液
を得た。
【0038】アクリル系粘着剤B 2−エチルヘキシルメタアクリレート7683g、ブチ
ルアクリレート11525g、10重量%ヘキサンジオ
ールメタアクリレート24.13g、酢酸エチル128
00gを、40リットルの重合機に入れ、反応液系が示
す最高温度(沸点)に加熱した。次に、この反応液にラ
ウロイルパーオキシド17gをシクロヘキサン−酢酸エ
チル混合液(混合比は4:11)1500gに溶解した
溶液を6時間かけて添加し、さらに、ラウロイルパーオ
キシド172.3gをシクロヘキサン−酢酸エチル混合
液(混合比は2:1)3000gに溶解した溶液を18
時間かけて添加し、重合を行った。その結果、重量平均
分子量105万、固形分51重量%の粘着剤溶液を得た
【0039】可塑剤 可塑剤として、ミリスチン酸イソプロピル(以下、IP
Mと略す)を用意した。
【0040】無機充填剤 無機充填剤として、以下の2種類の無水ケイ酸を用意し
た。親水性無水ケイ酸:日本アエロジル社製、商品名:
アエロジル200(以下、A200と略す)。疎水性無
水ケイ酸:日本アエロジル社製、商品名:アエロジルR
972(以下、R972と略す)。
【0041】カルボキシル基またはアミノ基を有する高
分子 上記高分子として、以下の3種を用意した。メトキシエ
チレン−無水マレイン酸共重合体:商品名ガントレッツ
AN−139(以下、AN−139と略す)。(メタ)
アクリル酸と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの
共重合体:商品名:オイドラギッドS(以下、OG−S
と略す)。アミノアルキルメタアクリレートコポリマー
E、商品名:オイドラギッドE(以下、OG−Eと略す
)。
【0042】薬物 薬物として、次の3種類の成分を用意した。硝酸イソソ
ルビド(以下、ISと略す)。インドメタシン(以下、
IMと略す)。サルチル酸グリコール(以下、SGと略
す)。
【0043】貼付剤の作製 最終的に(乾燥後に)下記の表1に示す組成を有するよ
うに上述した原材料を配合し、固形分濃度が30重量%
となるように酢酸エチル濃度を調整した。次に、配合さ
れた原材料を混合機で攪拌・混合し、組成物を均一に溶
解または分散させた。得られた溶液または分散液を、厚
み50μmポリエステルフィルムからなる剥離紙上に均
一に塗工し、乾燥し、しかる後支持体としてのポリエチ
レンフィルムをラミネートし、粘着剤層の厚みが100
μmの貼付剤を作製した。上記のようにして作製した貼
付剤とは別に、膏体引張試験用試料として、厚み100
μmの粘着剤層の両面をポリエチレンテレフタレートフ
ィルムからなる剥離紙でラミネートした貼付剤を作製し
た。
【0044】
【表1】
【0045】なお、表1において、実施例1,実施例2
及び実施例3で添加されたガントレッツAN−139の
量(*印を付して示した量)は、粘着剤固形分100重
量部に対し、それぞれ、10重量部、20重量部及び3
0重量部としたものである。上記のようにして用意した
実施例及び比較例の貼付剤並びに膏体引張試験用試料と
しての実施例及び比較例の貼付剤につき、特性を評価し
た。すなわち、凝集力の評価を下記の膏体引張試験によ
り、貼付性の評価をヒト貼付試験により、放出性の評価
をヌードマウス皮膚透過性試験により、それぞれ行った
【0046】膏体引張試験 実施例1,2,3,4及び比較例1,2,3の貼付剤に
ついて行った。厚みが100μmの各貼付剤の粘着剤層
を重ね合わせ、かつ積層体の両面には上述したポリエチ
レンテレフタレートからなる剥離紙を残して、幅5mm
、厚さ1mm、長さ1mmの積層体を作製し、試験片と
する。この試験片を長さ方向に50mm/mmの速度で
引っ張り、伸びに対する単位断面積当たりの荷重を測定
する。この値の最大値を最大点応力として求める。また
、一点荷重になるまでに要するエネルギーを曲線下面積
として求める。
【0047】ヒト貼付試験 実施例1,2,3,4,5及び比較例1,2,3,4の
貼付剤について被験者5名で行った。貼付剤を0.7m
m×0.7mmに切断し、試験片とした。この試験片を
被験者の胸部に貼付し、24時間後の試料の剥がれ、及
び試料を剥がしたときの糊残りの状態を観察した。結果
は、「剥がれなし」、「一部剥がれ」まはた「糊残り」
が発生した人数を、貼付した被験者に対する割合で示し
た。
【0048】ヌードマウス皮膚透過性試験実施例1,2
,3,4及び比較例1,2,3の貼付剤について行った
。ヌードマウスの背部皮膚を提出し、Fraaz  t
ypeの拡散セルを固定して、皮膚上側に3.14cm
2 の貼付剤を張り付け、皮膚下側のレセプター液に透
過してくる薬物を、24時間まで経時的に定量する。I
S、IMとも高速液体クロマトグラフィーを用いて定量
を行い、24時間累積透過量を求めた。また、拡散セル
は、37℃の恒温とし、レセプター液には、水とポリエ
チレングリコール400の容量比80:20の混液を用
いた。
【0049】官能試験 実施例5及び比較例4の貼付剤について被験者6名で行
った。製剤を5cm×7cmに切断し、これをヒトの肩
のどちらか一方に貼り、6時間後に肩こりに対する消炎
効果を評価した。評価は、表4に示すように、「非常に
効果がある」、「やや効果がある」「あまり効果がない
」「全く効果がない」の5段階評価で行った。これらの
試験結果を表2,表3及び表4に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】上記実施例及び比較例の評価の比較から明
らかなように、カルボキシル基またはアミノ基含有高分
子を粘着剤層に配合した実施例の貼付剤では、粘着剤層
の凝集力が高められ、貼付中の剥がれや糊残り現象が認
められないことが分かる。また、凝集力が高められたこ
とにより、薬物透過量が減少せず、高い薬物放出性や薬
効を示すことも分かる。
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明の貼付剤によれば
、粘着剤層にカルボキシル基またはアミノ 基を含有す
る高分子が配合されているため、該カルボキシル基また
はアミノ基を含有する高分子と無機充填剤との水素結合
により粘着剤層の凝集力が高められる。従って、粘着剤
層の高膨潤状態を保持したまま粘着剤層全体の流動性が
抑制されるため、薬物放出性を低めることなく、貼付に
際して剥離や貼付後の糊残り現象を効果的に防止するこ
とができる。
【0055】よって、本発明によれば、薬物放出性及び
貼付性のいずれにおいても良好な医療用貼付剤を提供す
ることが可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  薬物不透過性の支持体と、前記支持体
    の一方面に設けられた粘着剤層とを備え、前記粘着剤層
    が、粘着剤、薬物、無機充填剤及びカルボキシル基また
    はアミノ基を含有する高分子を含むことを特徴とする貼
    付剤。
  2. 【請求項2】  前記無機充填剤が、無水ケイ酸である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の貼付剤。
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