JP3406188B2 - 貼付剤 - Google Patents

貼付剤

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JP3406188B2
JP3406188B2 JP16570197A JP16570197A JP3406188B2 JP 3406188 B2 JP3406188 B2 JP 3406188B2 JP 16570197 A JP16570197 A JP 16570197A JP 16570197 A JP16570197 A JP 16570197A JP 3406188 B2 JP3406188 B2 JP 3406188B2
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弘子 宇田川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚に対する刺激
性が低く、しかも、貼付性が良好な貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】薬物を皮膚から体内に吸収させる方法
は、血中濃度の急激な立ち上がりを抑える、肝臓で
の代謝を回避できる、副作用が著しい場合には途中で
投与を中止できる、等の利点がある。特に、貼付剤は、
軟膏に比べて持続性に優れるため、様々な薬物について
貼付剤化が試みられている。しかし、貼付剤を使用する
場合の大きな問題点として、取扱い性と皮膚刺激性とが
指摘されている。
【0003】取扱い性を改良するために、これまでにも
支持体、剥離紙、貼付剤の素材、形状の点で種々の工夫
がなされている。例えば、実用新案登録第251922
2号公報には、剥離紙の形状を改良することによって、
貼付剤を皮膚に貼り付ける際に粘着剤層同士がくっつい
たり、しわが入るのを防止している。
【0004】しかしながら、この場合、皮膚に貼り付け
るために必ず両手で貼付剤を保持しなければならず、例
えば、患者が自分で貼付剤を貼り付けようとすると、自
ずと貼付場所が限定されることになり、特に、腕、肩、
背中などに貼付する場合は困難を伴う。従って、このよ
うな部位に片手でも貼り付けができるためには、支持体
を厚くしたり、支持体に固い素材を使用して「こし」を
持たせることが有効な方策と考えられるが、これによっ
て貼付部分の皮膚が蒸れてかぶれたり、貼付中に違和感
が生じるなどの問題点があった。このため、取扱い性と
皮膚刺激性とを同時に満足する支持体の開発が望まれて
いる。
【0005】一般に、皮膚刺激には、感作性のものと接
触による一次刺激性のものとがあり、感作を起こさない
材料を用いても、貼付剤は剥がした後に皮膚の赤みが残
ったり、色素沈着を起こすことがあった。これまでに様
々な方法で皮膚刺激の低減化が検討されている。例え
ば、特開平6−256183号公報では、ポリオキシア
ルキレングリコール及びそのブロック共重合体を粘着剤
中に溶融混合し、透湿性を有する不織布等の支持体に塗
布することにより、貼付剤全体の透湿性を向上させ、皮
膚刺激を低減させる方法が開示されている。
【0006】しかしながら、添加物が吸水性を持つだけ
では粘着剤に配合された状態で、その性能を十分に発揮
することができず、例えば皮膚からの水分排泄速度が急
速に高まり、大量に発汗したときなどに速やかに対応す
るだけの透湿性を持たせることは難しく、その効果は小
さいという問題点があった。
【0007】また、例えば、特開平7−206710号
公報では、粘着剤中の吸湿性物質が剥離時に皮膚面に残
留する組成とすることにより、剥離力を低減する方法が
提案されている。しかし、剥離時の皮膚損傷は低減でき
るが、貼付中の皮膚表面には吸湿性物質が保持する水分
のために蒸れが発生し、皮膚が受けるストレスを改善す
るものではなく、皮膚刺激性を低減する効果も十分では
なかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであって、その目的は、取扱い性に優
れ、かぶれや剥離時の痛み等の皮膚刺激がない貼付剤を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の貼付剤は、樹脂
フィルムと不織布との積層体からなる支持体の樹脂フィ
ルム側に粘着剤層が設けられた貼付剤であって、該支持
体の透湿度が8〜300g/m2 ・24hrであり、該
粘着剤層が皮膚刺激性を低下させるための炭素数12〜
20の高級アルコールを0.5〜20重量%含有するア
クリル系粘着剤組成物から形成されていることを特徴と
する。
【0010】本発明で用いられるアクリル系粘着剤組成
物は、アクリル系粘着剤及び高級アルコールからなる。
【0011】上記アクリル系粘着剤は、アクリル系単量
体の(共)重合体を主成分とする。上記アクリル系単量
体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロ
ピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレー
ト、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)
アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステ
アリル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】特に、好ましいアクリル系粘着剤として
は、アルキル基の炭素数6〜16の(メタ)アクリル酸
アルキルエステルと、2−エチルヘキシルメタクリレー
トとの共重合体が挙げられる。アルキル基の炭素数6〜
16の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、
例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘ
キシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリ
レート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。このようなアクリル系粘着剤を使用する
ことにより、後述の高級アルコールを配合したときに、
特に良好な貼付性を発揮する。尚、上記共重合体成分
中、2−エチルヘキシルメタクリレートの割合は40〜
90重量%が好ましい。
【0013】上記アクリル系粘着剤には、薬物の放出性
や低刺激性に悪影響を与えない範囲で、多官能性単量体
が添加されてもよい。この多官能性単量体の添加によっ
て、内部凝集力が向上し、糊残りのない良好な貼付性を
得ることができる。
【0014】上記多官能性単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸と、ポリメチレングリコール(例え
ば、ヘキサメチレングリコール等)、ポリアルキレング
リコール(例えば、ポリメチレングリコール等)、グリ
セリン、ペンタエリスリトールなどとを反応させて得ら
れる、ジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレ
ート、テトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0015】上記多官能性単量体の使用量は、アクリル
系粘着剤に用いられる(共)重合体成分中0.005〜
0.5重量%が好ましい。0.005重量%未満では十
分な効果が得られず、0.5重量%を超えるとアクリル
系粘着剤がゲル化を起こし易くなる。
【0016】上記アクリル系粘着剤は、通常の公知の方
法で重合され、例えば、重合開始剤の存在下で、上記単
量体を配合して、溶液重合を行うことによって調製され
る。但し、重合条件は主として単量体の種類により、適
宜選択される。
【0017】本発明で用いられる高級アルコールの炭素
数は12〜20に制限される。炭素数が、12未満では
揮発性が高くなる上に、上記共重合体との相溶性が低く
なり、20を超えると疎水性が高くなり過ぎて十分な効
果が得られない。
【0018】上記高級アルコールとしては、例えば、ラ
ウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアル
コール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコ
ール、オレイルアルコール等が挙げられ、これらは単独
で用いられてもよく、二種以上が併用されてもよい。こ
れらの中で、特にセチルアルコールが好ましい。
【0019】上記セチルアルコールの使用量は、アクリ
ル系粘着剤組成物中0.5〜20重量%が好ましく、よ
り好ましくは1〜7重量%である。使用量が、0.5重
量%未満では皮膚刺激を改善する効果が十分でなく、2
0重量%を超えると粘着物性が悪化し、貼付時に糊残り
や剥がれが起こり易くなる。
【0020】上記粘着剤層には、薬物が配合されてもよ
い。薬物の配合方法は、種々の方法が使用可能であり、
例えば、粘着剤層に溶解させてもよく、一部分散させた
状態で配合されてもよい。また、薬物がマイクロカプセ
ル等に封入された状態で粘着剤層に配合されてもよく、
薬物が粘着剤層とは別のリザーバー層に配合されてもよ
い。
【0021】薬物としては、皮膚に適用して体内に吸収
されるものであれば、特に制限はなく、例えば、ニフェ
ジピン、クロニジン等の降圧剤;ニトログリセリン、硝
酸イソソルビド等の血管拡張剤;エストラジオール、プ
ロゲステロン等のステロイドホルモン剤;リドカイン等
の麻酔剤;インドメタシン、ケトプロフェン等の消炎鎮
痛剤;プレドニゾロン、デキサメタゾン等のステロイド
系抗炎症剤;ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン
等の抗ヒスタミン剤などが挙げられる。
【0022】粘着剤層中に溶解又は分散させる場合の薬
物の配合量は、粘着剤層の貼付性を損なわない範囲で配
合され、アクリル系粘着剤組成物中0.1〜30重量%
が好ましい。
【0023】上記アクリル系粘着剤には、さらに必要に
応じて、可塑化剤、経皮吸収促進剤、安定化剤、充填剤
等が配合されてもよい。
【0024】上記可塑化剤は、アクリル系粘着剤に添加
して貼付性を調節するものであって、同時に薬物の粘着
剤中の拡散速度を高め、皮膚への薬物吸収量を向上させ
るものもある。可塑化剤としては、例えば、流動パラフ
ィン等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、モノラ
ウリン酸グリセリン、セバシン酸ジエチル等の脂肪酸
と、一価又は多価アルコールとのエステル;ラノリン、
オリーブ油等の天然物由来の油脂などが挙げられる。
【0025】上記可塑化剤の配合量は、粘着剤と薬物と
の組合わせ等によって決定されるが、少なくなると効果
が発現せず、多くなると貼付性が悪くなるので、アクリ
ル系粘着剤組成物中1〜15重量%が好ましい。
【0026】上記経皮吸収促進剤は、皮膚に作用して薬
物の皮膚透過性を高めるために使用され、皮膚の構造を
ルーズにするもの;皮膚の水和を高めるもの;薬物を良
好に溶解して皮膚内に運ぶキャリヤーとなるものなどが
挙げられる。具体的には、例えば、ポリソルベート、ラ
ウリン酸ジエタノールアミド、ラウロイルサルコシン、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン等が挙げられる。これらは貼付性や
皮膚刺激性を悪化させない範囲で添加される。
【0027】上記安定化剤は、薬物やその他の成分の酸
化・分解を抑え、貼付剤の経時変化を防ぐために用いら
れるものであり、例えば、ブチルヒドロキシトルエン、
ソルビン酸等の酸化防止剤の他、シクロデキストリン、
エチレンジアミン四酢酸などが挙げられる。
【0028】上記充填剤は粘着剤層、リザーバー層等に
貼付性の調節や、薬物の均一分散・保持のために用いら
れ、例えば、炭酸カルシウム、酸化チタン、乳糖、結晶
セルロース、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0029】本発明で用いられる支持体は、樹脂フィル
ムと不織布との積層体からなる。上記樹脂フィルムとし
ては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエ
ステル、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)共
重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン(S
EBS)共重合体等の樹脂フィルム、及びこれらの混合
物の樹脂フィルムなどが挙げられる。
【0030】上記樹脂フィルムの厚みは、5〜200μ
mが好ましい。厚みが5μm未満では、不織布と積層す
る場合に均一に接着されず、ピンホールの発生や強度不
足により不織布との層間剥離を起こす原因になる。ま
た、厚みが200μmを超えると、支持体が固くなり過
ぎて貼付時に皮膚への追随性が低下し、違和感が生じ易
くなる。
【0031】上記不織布としては、上記樹脂フィルムと
良好に接着もしくは融着できるものであって、支持体の
こしを改善できるものが好ましい。不織布の素材として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸
メチル共重合体、ナイロン、ポリエステル、SIS共重
合体、SEBS共重合体、レーヨン、綿などが挙げら
れ、これらは単独で用いられても、二種以上がブレンド
して用いられてもよい。
【0032】上記不織布の厚みは100〜1000μm
が好ましく、不織布の目付は30〜150g/m2 が好
ましい。厚みが、100μm未満では支持体の取扱い性
を改善する効果が得られず、1000μmを超えると貼
付中に衣服にこすれて剥がれ易くなったり、貼付中に皮
膚への追随性が悪くなって違和感を生じ易くなる。
【0033】また、不織布にバインダーを添加すること
によって支持体の強度や外観を変えたり、不織布にポイ
ントシールを施すことによって支持体の強度や風合いを
変えることができる。
【0034】上記樹脂フィルムと不織布との接着は、特
に制限はなく、例えば、バインダー等によって貼り合わ
せる方法;熱融着する方法等、用いられる素材によって
適宜選択される。
【0035】上記支持体の透湿度(37℃、100%R
Hにおいて測定される)は、8〜300g/m2 ・24
hrに制限され、好ましくは10〜100g/m2 ・2
4hrであり、特に好ましくは15〜80g/m2 ・2
4hrである。支持体の透湿度を上記範囲とすることに
より、貼付剤全体の透湿度が調節され、皮膚刺激性を低
減することができる。
【0036】本発明の貼付剤を製造する場合には、粘着
テープ製造の常法である、溶剤塗工法、ホットメルト塗
工法等によって、支持体の樹脂フィルム側にアクリル系
粘着剤組成物を直接塗工して粘着剤層を形成してもよ
く、一旦、剥離紙上に粘着剤組成物を塗工して粘着剤層
を形成した後、この粘着剤層を支持体の樹脂フィルム側
に積層してもよい。
【0037】上記剥離紙は、粘着剤層を保護するもので
あれば、特に限定されず、通常、樹脂フィルム、紙など
の単層もしくは積層体の表面に離型処理したものが用い
られる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が用いられる。ま
た、紙の場合は、ポバール等の樹脂を含浸させたものを
用いることが好ましい。
【0038】
【作用】本発明では、高級アルコールを加えたアクリル
系粘着剤層と、特定の透湿度と構造を有する支持体を組
み合わせることにより、取扱い性に優れ、皮膚に対する
刺激性が低い貼付剤が得られる。特に、樹脂フィルムと
不織布との積層体を支持体として用いることにより、貼
付剤に適度のこしを付与できるため、剥離紙を剥がした
ときに貼付剤が折れ曲がったり、貼付する際にしわにな
り難い。
【0039】上記高級アルコールの添加によって皮膚刺
激性が低下する理由は、明らかではないが、粘着剤層
が高級アルコールによって軟化する、さらに高級アル
コール自身の皮膚に対する保湿効果等から、粘着剤層の
物性及び皮膚表面の水分状態が貼付中の皮膚に対するス
トレスを与え難くする、粘着剤層の疎水性、親水性の
バランスが皮膚からの水分や排泄物を良好に粘着剤層へ
吸収させる、等の効果が考えられる。
【0040】また、本発明において、支持体の透湿度を
特定の範囲に設定することによって、皮膚表面の水分状
態がよりストレスの低い状態に保たれるものと考えられ
る。さらに、支持体に適度のこしがあるため、貼付剤の
剥離時に皮膚表面の凹凸が少なくなり、皮膚から均一な
力で剥がすことができるので、皮膚に与える機械的刺激
の部位差が小さくなり、このため皮膚損傷が少なくなっ
て皮膚刺激性が緩和されるものと考えられる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0042】イ)粘着剤(A)の調製 ドデシルメタクリレート2,286g、2−エチルヘキ
シルメタクリレート14,256g、2−エチルヘキシ
ルアクリレート1,656g、ヘキサンジオールジメタ
クリレート2.3g、及び、酢酸エチル8,500g
を、40L重合機へ投入し、80℃に加熱した。次い
で、この反応液に、ラウロイルパーオキサイド16gを
シクロヘキサン1,500gに溶解した溶液を6時間か
けて添加しながら重合することにより、固形分濃度58
重量%の粘着剤(A)溶液を得た。尚、粘着剤(A)の
重量平均分子量は、1.05×106 であった。
【0043】ロ)粘着剤(B)の調製 ブチルアクリレート70g、2−エチルヘキシルアクリ
レート130g、及び、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート0.025gをフラスコへ投入し、これに酢酸エチ
ル136gを加えて60℃に加熱した。次いで、この反
応液に、ラウロイルパーオキサイド0.6gをシクロヘ
キサン10gに溶解した溶液を10時間かけて添加しな
がら重合することにより、固形分濃度59重量%の粘着
剤(B)溶液を得た。粘着剤(B)溶液の粘度は、35
0,000cpsであった。
【0044】(実施例1〜5、比較例1〜7)表1及び
2に示した配合量の、アクリル系粘着剤、薬物、セチル
アルコール(局方品)、可塑化剤及び酢酸エチル(希釈
剤)をディゾルバーで均一に混合した後、さらに酢酸エ
チルを加えて固形分濃度約30重量%のアクリル系粘着
剤組成物(溶液)を調製した。この粘着剤組成物溶液を
ナイフコーターで接着剤層厚みが80μmとなるよう
に、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム
(剥離紙)の離型処理面に塗工し、60℃で30分間乾
燥した後、表1及び2に示した支持体(a〜f)に貼り
合わせて貼付剤を得た。尚、各支持体の透湿度は、MO
KON社製「PERMATRAN透湿度測定装置」を使
用して測定した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】尚、支持体(a〜f)としては、表3に示
す構成のものを使用した。
【0048】
【表3】
【0049】上記で得られた貼付剤について、下記の性
能評価を行い、その結果を表4及び5に示した。 (1)取扱い易さ(官能試験) 貼付剤を45mm×32mmのサイズに切断し、貼り合
わせてある剥離紙に、図1に示す背割りを施した。この
ような貼付剤サンプルを10枚作製し、被験者10名に
貼付した後、貼付剤サンプルを皮膚から剥がし取った。
取扱い易さの代表特性である、皮膚への貼り易さ、
皮膚からの剥がし易さ、について下記の基準で評点を付
け、10名の平均値を表中に示した。尚、貼付方法とし
ては、貼付剤サンプルの支持体面を合わせるようにして
二つに折り、片方の剥離紙を剥がし取って粘着面を胸部
皮膚に片手で貼り付けた後、残りの剥離紙を取り除いて
全面を接着させた。 評点:2点・・・問題なく行うことができる 1点・・・少し操作がしにくかった 0点・・・非常に操作がしにくかった
【0050】(2)刺激性試験 貼付剤を直径20mmの円形(面積3.14cm2 )に
切断し、試験片とした。この試験片をモルモット(雄、
5週令)の腹部に24時間貼付した後剥離し、剥離30
分後の皮膚について紅斑生成の状態を目視観察した。紅
斑生成の状態は、Draiz法(1959年FDA、1
973年Federal Registerに記載)に
より評価した。紅斑生成の状態について、下記の基準で
評点を付けた。尚、試験は各試験片に付き6匹のモルモ
ットで行い、評点の平均値を各貼付剤の皮膚刺激指数と
した。 評点:0点・・・全く紅斑が認められなかった 1点・・・非常に軽度(やっと認められる程度)の紅斑
が認められた 2点・・・明らかな紅斑が認められた 3点・・・中程度ないし強い紅斑が認められた 4点・・・深赤色の強い紅斑と軽い痂皮形成が認められ
【0051】(3)放出性試験 ヘアレスマウス皮膚透過性試験により評価した。ヘアレ
スマウス(雄、8週齢)を頸椎脱臼により屠殺した後、
直ちに背部皮膚を剥離し、皮下脂肪を除去してFrnz
の拡散セルにセットした。次いで、直径20mmの円形
(面積3.14cm2 )に切断した貼付剤をヘアレスマ
ウス摘出皮膚の上に貼付した。拡散セルの下部のリセプ
ター層には、下記リセプター液を入れ、試験開始後より
37℃に保たれた恒温槽中に設置した。試験開始から
2、6、20、24時間後に、皮膚下側のリセプター液
をそれぞれサンプリングして、サンプリング液中の薬物
量を高速クロマトグラフにより測定した。
【0052】尚、上記リセプター液は、リン酸水素ナト
リウム(5×10-4mol)、リン酸水素二ナトリウム
(2×10-4mol)、塩化ナトリウム(1.5×10
-1mol)及びゲンタマイシン10mgを蒸留水に溶解
した後、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液でpH7.
2に調整し、更に蒸留水を加えて1000mlとしたも
のを使用した。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
【発明の効果】本発明の貼付剤は、上述の通りであり、
取扱い性に優れ、剥離時の皮膚刺激性が少なく、かつ、
良好な薬物放出性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】剥離紙に背割りを施した貼付剤を示す平面図で
ある。
【図2】支持体側からみた貼付剤を示す平面図である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂フィルムと不織布との積層体からな
    る支持体の樹脂フィルム側に粘着剤層が設けられた貼付
    剤であって、該支持体の透湿度(37℃、100%R
    H)が8〜300g/m2 ・24hrであり、該粘着剤
    層が皮膚刺激性を低下させるための炭素数12〜20の
    高級アルコールを0.5〜20重量%含有するアクリル
    系粘着剤組成物から形成されていることを特徴とする貼
    付剤。
  2. 【請求項2】 アクリル系粘着剤が、アルキル基の炭素
    数6〜16の(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重
    合体からなり、該アクリル酸アルキルエステル共重合体
    の構成成分として、2−エチルヘキシルメタクリレート
    を40〜90重量%を含有することを特徴とする請求項
    1記載の貼付剤。
  3. 【請求項3】 高級アルコールがセチルアルコールであ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の貼付剤。
  4. 【請求項4】 アクリル系粘着剤組成物中に薬物を含有
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の貼付剤。
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