JPWO2010064547A1 - 電子材料用Cu−Ni−Si−Co系銅合金及びその製造方法 - Google Patents

電子材料用Cu−Ni−Si−Co系銅合金及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

高次元で強度と導電率を達成するとともに、耐へたり性についても優れたCu−Ni−Si−Co系銅合金を提供する。Ni:1.0〜2.5質量%、Co:0.5〜2.5質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる電子材料用銅合金であって、母相中に析出した第二相粒子のうち、粒径が5nm以上50nm以下のものの個数密度が1×1012〜1×1014個/mm3であり、粒径が5nm以上20nm未満のものの個数密度は、粒径が20nm以上50nm以下のものの個数密度に対する比で表して3〜6である電子材料用銅合金。

Description

本発明は析出硬化型銅合金に関し、とりわけ各種電子部品に用いるのに好適なCu−Ni−Si−Co系銅合金に関する。
コネクタ、スイッチ、リレー、ピン、端子、リードフレーム等の各種電子部品に使用される電子材料用銅合金には、基本特性として高強度及び高導電性(又は熱伝導性)を両立させることが要求される。近年、電子部品の高集積化及び小型化・薄肉化が急速に進み、これに対応して電子機器部品に使用される銅合金に対する要求レベルはますます高度化している。
高強度及び高導電性の観点から、電子材料用銅合金として従来のりん青銅、黄銅等に代表される固溶強化型銅合金に替わり、析出硬化型の銅合金の使用量が増加している。析出硬化型銅合金では、溶体化処理された過飽和固溶体を時効処理することにより、微細な析出物が均一に分散して、合金の強度が高くなると同時に、銅中の固溶元素量が減少し電気伝導性が向上する。このため、強度、ばね性などの機械的性質に優れ、しかも電気伝導性、熱伝導性が良好な材料が得られる。
析出硬化型銅合金のうち、コルソン系合金と一般に呼ばれるCu−Ni−Si系銅合金は比較的高い導電性、強度、及び曲げ加工性を兼備する代表的な銅合金であり、業界において現在活発に開発が行われている合金の一つである。この銅合金では、銅マトリックス中に微細なNi−Si系金属間化合物粒子を析出させることによって強度と導電率の向上が図れる。
コルソン合金の更なる特性の向上を目的として、Ni及びSi以外の合金成分の添加、特性に悪影響を与える成分の排除、結晶組織の最適化、析出粒子の最適化といった各種の技術開発がなされている。例えば、Coを添加することや母相中に析出する第二相粒子を制御することによって特性が向上することが知られており、Cu−Ni−Si−Co系銅合金の最近の改良技術としては以下のようなものが挙げられる。
特表2005−532477号公報(特許文献1)には、重量で、ニッケル:1%〜2.5%、コバルト0.5〜2.0%、珪素:0.5%〜1.5%、および、残部としての銅および不可避の不純物から成り、ニッケルとコバルトの合計含有量が1.7%〜4.3%、比(Ni+Co)/Siが2:1〜7:1である鍛錬銅合金が記載されており、該鍛錬銅合金は、40%IACSを超える導電性を有するとされている。コバルトは珪素と組み合わされて、粒子成長を制限し且つ耐軟化性を向上させるために、時効硬化に有効な珪化物を形成するとされている。そしてその製造工程においては、溶体化処理後に中間冷間加工を行うことなく、第2相を析出させるために有効な第一の時効焼鈍温度と第二の時間長で、実質的に単一相である前記合金に第一の時効焼鈍を施して珪化物を有する多相合金を形成し、多相合金に冷間加工を施して、第二の断面積減少を行い、析出した粒子の容積分率を増大させるために有効な温度(ただし、第二時効焼鈍温度は第一の時効焼鈍温度よりも低い)および時間長で、多相合金に第二の時効焼鈍を施すという処理を順次実行する工程を包含することが記載されている(段落0018)。そして、溶体化処理が温度750℃〜1050℃で10秒〜1時間行われ(段落0042)、第一の時効焼鈍が温度350℃〜600℃で30分〜30時間行われ、加工度5〜50%で冷間加工が行われ、第2の時効焼鈍温度が350℃〜600℃で10秒〜30時間であることが記載されている(段落0045〜0047)。
特開2007−169765号公報(特許文献2)には、Niが0.5〜4.0mass%、Coが0.5〜2.0mass%、Siが0.3〜1.5mass%を含有し、残部が銅と不可避不純物からなり、Ni量とCo量の和とSi量の比(Ni+Co)/Siが2〜7であり、第2相の密度(単位面積当たりの個数)が108〜1012個/mm2であることを特徴とする強度、導電率、曲げ加工性、応力緩和特性に優れた銅合金において、50〜1000nmの大きさの第2相の密度が104〜108個/mm2であることが開示されている。
この特許文献によれば、第2相の密度(単位面積当たりの個数)が108〜1012個/mm2であることによって、優れた諸特性を実現出来るとされる(段落0019)。また、50〜1000nmの大きさの第2相の密度が104〜108個/mm2であることにより、第2相を分散させることによって、850℃以上などの高温での溶体化熱処理において、結晶粒径が粗大化することを抑制することにより、曲げ加工性を改善することが出来るとされる(段落0022)。一方で、第2相の大きさが50nm未満で有る場合は、粒成長を抑制する効果が低く、好ましくないとされる(段落0023)。
上記銅合金は、鋳塊の均質化熱処理を900℃以上で行い、かつ、その後の熱間加工において850℃までの冷却速度を0.5〜4℃/秒で行い、その後、熱処理と冷間加工をそれぞれ1回以上行うことで製造可能であることが記載されている(段落0029)。
特表2005−532477号公報 特開2007−169765号公報
特許文献1に記載の銅合金は、比較的高い強度、導電率及び曲げ加工性を得ることができるが、未だ特性改善の余地がある。特に、ばね材料として使用するときに生じる永久変形である耐へたり性については、充分ではないという問題があった。特許文献2には、第2相粒子の分布が合金特性に与える影響について考察し、第2相粒子の分布状態を規定しているが、未だ充分とは言えない。
耐へたり性の改善はばね材としての信頼性向上に繋がることから、耐へたり性をも改善することができれば有利であろう。そこで、本発明は、高い強度、導電率及び曲げ加工性を達成するとともに、耐へたり性についても優れたCu−Ni−Si−Co系銅合金を提供することを課題の一つとする。また、本発明はそのようなCu−Ni−Si−Co系合金の製造方法を提供することを別の課題の一つとする。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねたところ、Cu−Ni−Si−Co系合金の組織を観察すると、特許文献2によれば存在すること自体が好ましくないとされている粒径が50nm以下程度の極めて微細な第二相粒子の個数密度が強度、導電率及び耐へたり性の向上に重要な影響を及ぼしていることを見出した。そして、その中でも5nm以上20nm未満の範囲の粒径をもつ第二相粒子は強度及び初期の耐へたり性の向上に寄与し、20nm以上50nm以下の範囲の粒径をもつ第二相粒子は繰り返し耐へたり性の向上に寄与することから、これらの個数密度及び割合を制御することで、強度及び耐へたり性をバランス良く向上できることを見出した。
上記の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、Ni:1.0〜2.5質量%、Co:0.5〜2.5質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる電子材料用銅合金であって、母相中に析出した第二相粒子のうち、粒径が5nm以上50nm以下のものの個数密度が1×1012〜1×1014個/mm3であり、粒径が5nm以上20nm未満のものの個数密度は、粒径が20nm以上50nm以下のものの個数密度に対する比で表して3〜6である電子材料用銅合金である。
本発明に係る銅合金は一実施形態においては、粒径が5nm以上20nm未満の第二相粒子の個数密度が2×1012〜7×1013であり、粒径が20nm以上50nm以下の第二相粒子の個数密度が3×1011〜2×1013である。
本発明に係る銅合金は別の一実施形態において、更にCrを最大0.5質量%含有する。
本発明に係る銅合金は更に別の一実施形態において、更にMg、P、As、Sb、Be、B、Mn、Sn、Ti、Zr、Al、Fe、Zn及びAgよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を総計で最大2.0質量%含有する。
本発明は別の一側面において、
−所望の組成をもつインゴットを溶解鋳造する工程1と、
−材料温度を950℃以上1050℃以下として1時間以上加熱後に熱間圧延を行う工程2と、
−随意的な冷間圧延工程3と、
−材料温度を950℃以上1050℃以下に加熱する溶体化処理を行う工程4と、
−材料温度を400℃以上500℃以下で1〜12時間加熱する第一の時効処理工程5と、
−圧下率30〜50%の冷間圧延工程6と、
−材料温度を300℃以上400℃以下で3〜36時間加熱し、加熱時間を第1の時効処理における加熱時間の3〜10倍とする第二の時効処理工程7と、
を順に行なうことを含む電子材料用銅合金の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る銅合金からなる伸銅品である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る銅合金を備えた電子部品である。
本発明によって、強度、導電率、曲げ加工性及び耐へたり性のバランスが向上したCu−Ni−Si−Co系銅合金を得ることができる。
耐へたり性試験の説明図である。
Ni、Co及びSiの添加量
Ni、Co及びSiは、適当な熱処理を施すことにより金属間化合物を形成し、導電率を劣化させずに高強度化が図れる。
Ni、Co及びSiの添加量がそれぞれNi:1.0質量%未満、Co:0.5質量%未満、Si:0.3質量%未満では所望の強度が得られず、逆に、Ni:2.5質量%超、Co:2.5質量%超、Si:1.2質量%超では高強度化は図れるが導電率が著しく低下し、更には熱間加工性が劣化する。よってNi、Co及びSiの添加量はNi:1.0〜2.5質量%、Co:0.5〜2.5質量%、Si:0.3〜1.2質量%とした。Ni、Co及びSiの添加量は好ましくは、Ni:1.5〜2.0質量%、Co:0.5〜2.0質量%、Si:0.5〜1.0質量%である。
Crの添加量
Crは溶解鋳造時の冷却過程において結晶粒界に優先析出するため粒界を強化でき、熱間加工時の割れが発生しにくくなり、歩留低下を抑制できる。すなわち、溶解鋳造時に粒界析出したCrは溶体化処理などで再固溶するが、続く時効析出時にCrを主成分としたbcc構造の析出粒子またはSiとの化合物を生成する。通常のCu−Ni−Si系合金では添加したSi量のうち、時効析出に寄与しなかったSiは母相に固溶したまま導電率の上昇を抑制するが、珪化物形成元素であるCrを添加して、珪化物をさらに析出させることにより、固溶Si量を低減でき、強度を損なわずに導電率を上昇できる。しかしながら、Cr濃度が0.5質量%を超えると粗大な第二相粒子を形成しやすくなるため、製品特性を損なう。従って、本発明に係るCu−Ni−Si−Co系合金には、Crを最大で0.5質量%添加することができる。但し、0.03質量%未満ではその効果が小さいので、好ましくは0.03〜0.5質量%、より好ましくは0.09〜0.3質量%添加するのがよい。
Mg、Mn、Ag及びPの添加量
Mg、Mn、Ag及びPは、微量の添加で、導電率を損なわずに強度、応力緩和特性等の製品特性を改善する。添加の効果は主に母相への固溶により発揮されるが、第二相粒子に含有されることで一層の効果を発揮させることもできる。しかしながら、Mg、Mn、Ag及びPの濃度の総計が2.0質量%を超えると特性改善効果が飽和するうえ、製造性を損なう。従って、本発明に係るCu−Ni−Si−Co系合金には、Mg、Mn、Ag及びPから選択される1種又は2種以上を総計で最大2.0質量%添加するのが好ましい。但し、0.01質量%未満ではその効果が小さいので、より好ましくは総計で0.01〜2.0質量%、更により好ましくは総計で0.02〜0.5質量%、典型的には総計で0.04〜0.2質量%添加する。
Sn及びZnの添加量
Sn及びZnにおいても、微量の添加で、導電率を損なわずに強度、応力緩和特性、めっき性等の製品特性を改善する。添加の効果は主に母相への固溶により発揮される。しかしながら、Sn及びZnの総計が2.0質量%を超えると特性改善効果が飽和するうえ、製造性を損なう。従って、本発明に係るCu−Ni−Si−Co系合金には、Sn及びZnから選択される1種又は2種を総計で最大2.0質量%添加することができる。但し、0.05質量%未満ではその効果が小さいので、好ましくは総計で0.05〜2.0質量%、より好ましくは総計で0.5〜1.0質量%添加するのがよい。
As、Sb、Be、B、Ti、Zr、Al及びFeの添加量
As、Sb、Be、B、Ti、Zr、Al及びFeにおいても、要求される製品特性に応じて、添加量を調整することで、導電率、強度、応力緩和特性、めっき性等の製品特性を改善する。添加の効果は主に母相への固溶により発揮されるが、第二相粒子に含有され、若しくは新たな組成の第二相粒子を形成することで一層の効果を発揮させることもできる。しかしながら、これらの元素の総計が2.0質量%を超えると特性改善効果が飽和するうえ、製造性を損なう。従って、本発明に係るCu−Ni−Si−Co系合金には、As、Sb、Be、B、Ti、Zr、Al及びFeから選択される1種又は2種以上を総計で最大2.0質量%添加することができる。但し、0.001質量%未満ではその効果が小さいので、好ましくは総計で0.001〜2.0質量%、より好ましくは総計で0.05〜1.0質量%添加する。
上記したMg、P、As、Sb、Be、B、Mn、Sn、Ti、Zr、Al、Fe、Zn及びAgの添加量が合計で2.0質量%を超えると製造性を損ないやすいので、好ましくはこれらの合計は2.0質量%以下とし、より好ましくは1.5質量%以下とし、更により好ましくは1.0質量%以下とする。
第二相粒子の分布条件
本発明において、第二相粒子とは主にシリサイドを指すが、これに限られるものではなく、溶解鋳造の凝固過程に生ずる晶出物及びその後の冷却過程で生ずる析出物、熱間圧延後の冷却過程で生ずる析出物、溶体化処理後の冷却過程で生ずる析出物、及び時効処理過程で生ずる析出物のことを言う。
一般的なコルソン合金では適切な時効処理を施すことにより金属間化合物を主体とするナノメートルオーダー(一般には0.1μm未満)の微細な第二相粒子が析出し、導電率を劣化させずに高強度化が図れることが知られている。しかしながら、このように微細な第二相粒子の中でも強度に寄与しやすい粒径範囲と耐へたり性に寄与しやすい粒径範囲とがあり、これらの析出状態を適正に制御することによって更に強度と耐へたり性をバランス良く向上させることができることは知られていなかった。
本発明者は、粒径が50nm以下程度の極めて微細な第二相粒子の個数密度が強度、導電率及び耐へたり性の向上に重要な影響を及ぼしていることを見出した。そして、その中でも5nm以上20nm未満の範囲の粒径をもつ第二相粒子は強度及び初期の耐へたり性の向上に寄与し、20nm以上50nm以下の範囲の粒径をもつ第二相粒子は繰り返しの耐へたり性の向上に寄与することから、これらの個数密度及び割合を制御することで、強度及び耐へたり性をバランス良く向上できることを見出した。
具体的には、まず、粒径が5nm以上50nm以下の第二相粒子の個数密度を1×1012〜1×1014個/mm3、好ましくは5×1012〜5×1013個/mm3に制御することが重要である。当該第二相粒子の個数密度が1×1012/mm3未満であると、析出強化による利益がほとんど得られないことから、所望の強度と導電率を得ることが出来ず、耐へたり性も悪くなる。一方、当該第二相粒子の個数密度は実現可能なレベルでは高くすればするほど特性が向上すると考えられるが、個数密度を上げようとするとして第二相粒子の析出を促進させると第二相粒子が粗大化しやすくなり、1×1014/mm3を超える個数密度を作製するのは困難である。
また、強度と耐へたり性をバランス良く向上させるためには、強度向上に寄与しやすい粒径が5nm以上20nm未満の第二相粒子の個数密度と、耐へたり性向上に寄与しやすい粒径が20nm以上50nm以下の第二相粒子の個数密度の比率を制御する必要がある。具体的には、粒径が5nm以上20nm未満の第二相粒子の個数密度が、粒径が20nm以上50nm以下の第二相粒子の個数密度に対する比で表して3〜6に制御する。当該比が3より低いと、強度に寄与する第二相粒子の比率が小さくなり過ぎ、強度と耐へたり性のバランスが悪くなるため、強度が低下し、更に初期の耐へたり性も悪くなる。一方、当該比が6より大きいと、耐へたり性に寄与する第二相粒子の比率が小さくなり過ぎ、やはり強度と耐へたり性のバランスが悪くなるため、今度は繰り返しの耐へたり性が悪くなる。
好ましい一実施形態においては、粒径が5nm以上20nm未満の第二相粒子の個数密度が2×1012〜7×1013個/mm3であり、粒径が20nm以上50nm以下の第二相粒子の個数密度が3×1011〜2×1013個/mm3である。
また、強度は粒径が50nmを超える第二相粒子の個数密度によっても左右されるが、粒径が5nm以上50nm以下の第二相粒子の個数密度を上記のように制御することで、粒径が50nmを超える第二相粒子の個数密度は自然と適切な範囲に落ち着く。
本発明に係る銅合金は好ましい一実施形態において、JIS H 3130に従って、BadwayのW曲げ試験を行ったときの、割れの発生しない最小半径(MBR)の板厚(t)に対する比であるMBR/t値が2.0以下である。MBR/t値は典型的には1.0〜2.0の範囲とすることができる。
製造方法
コルソン系銅合金の一般的な製造プロセスでは、まず大気溶解炉を用い、電気銅、Ni、Si、Co等の原料を溶解し、所望の組成の溶湯を得る。そして、この溶湯をインゴットに鋳造する。その後、熱間圧延を行い、冷間圧延と熱処理を繰り返して、所望の厚み及び特性を有する条や箔に仕上げる。熱処理には溶体化処理と時効処理がある。溶体化処理では、約700〜約1000℃の高温で加熱して、第二相粒子をCu母地中に固溶させ、同時にCu母地を再結晶させる。溶体化処理を、熱間圧延で兼ねることもある。時効処理では、約350〜約550℃の温度範囲で1時間以上加熱し、溶体化処理で固溶させた第二相粒子をナノメートルオーダーの微細粒子として析出させる。この時効処理で強度と導電率が上昇する。より高い強度を得るために、時効前及び/又は時効後に冷間圧延を行なうことがある。また、時効後に冷間圧延を行なう場合には、冷間圧延後に歪取焼鈍(低温焼鈍)を行なうことがある。
上記各工程の合間には適宜、表面の酸化スケール除去のための研削、研磨、ショットブラスト酸洗等が適宜行なわれる。
本発明に係る銅合金においても基本的には上記の製造プロセスを経るが、最終的に得られる銅合金において、第二相粒子の分布形態を本発明で規定するような範囲とするためには、熱間圧延、溶体化処理および時効処理条件を厳密に制御して行なうことが重要である。従来のCu−Ni−Si系コルソン合金とは異なり、本発明のCu−Ni−Co−Si系合金は、時効析出硬化のための必須成分として第二相粒子が粗大化しやすいCo(場合によっては更にCr)を積極的に添加しているためである。これは、添加したCoがNiやSiと共に形成する第二相粒子の生成及び成長速度が、熱処理の際の保持温度と冷却速度に敏感であるという理由による。
まず、鋳造時の凝固過程では粗大な晶出物が、その冷却過程では粗大な析出物が不可避的に生成するため、その後の工程においてこれらの第二相粒子を母相中に固溶する必要がある。950℃〜1050℃で1時間以上保持後に熱間圧延を行い、熱間圧延終了時の温度を850℃以上とすればCo、更にCrを添加した場合であっても母相中に固溶することができる。950℃以上という温度条件は他のコルソン系合金の場合に比較して高い温度設定である。熱間圧延前の保持温度が950℃未満では固溶が不十分であり、1050℃を超えると材料が溶解する可能性がある。また、熱間圧延終了時の温度が850℃未満では固溶した元素が再び析出するため、高い強度を得ることが困難となる。よって高強度を得るためには850℃で熱間圧延を終了し、急冷することが望ましい。急冷は水冷により達成可能である。
溶体化処理では、溶解鋳造時の晶出粒子や、熱延後の析出粒子を固溶させ、溶体化処理以降の時効硬化能を高めることが目的である。このとき、第二相粒子の個数密度を制御するには、溶体化処理時の保持温度と時間が重要となる。保持時間が一定の場合には、保持温度を高くすると、溶解鋳造時の晶出粒子や、熱延後の析出粒子を固溶させることが可能となり、面積率を低減することが可能となる。具体的には、溶体化処理温度が950℃未満だと固溶が不十分であり、所望の強度を得ることが出来ない一方で、溶体化処理温度が1050℃超だと材料が溶解する可能性がある。従って、材料温度を950℃以上1050℃以下に加熱する溶体化処理を行うのが好ましい。溶体化処理の時間は60秒〜1時間とするのが好ましい。溶体化処理後の冷却速度は固溶した第二相粒子の析出を防止するために急冷するのが好ましい。
本発明に係るCu−Ni−Co−Si系合金を製造する上では、溶体化処理後に軽度の時効処理を2段階に分けて行ない、2回の時効処理の間に冷間圧延を行うことが有効である。これにより、析出物の粗大化が抑制され、本発明で規定するような第二相粒子の分布状態を得ることができる。
まず、第1の時効処理では析出物の微細化に有用であるとして慣用的に行われている条件よりも若干低い温度を選択し、微細な第二相粒子の析出を促しながら、第2の溶体化で析出した可能性のある析出物の粗大化を防止する。第1の時効処理を400℃未満にすると、繰り返し耐へたり性を向上する20nm〜50nmの大きさの第二相粒子の密度が低くなりやすい一方で、1回目の時効を500℃超にすると、過時効条件になり、強度及び初期耐へたり性に寄与する5nm〜20nmの大きさの第二相粒子の密度が低くなりやすい。よって、第1の時効処理は400℃以上500℃以下の温度範囲で1〜12時間とするのが好ましく、450℃以上480℃以下の温度範囲で3〜9時間とするのがより好ましい。
第1の時効処理後には冷間圧延を行う。この冷間圧延では第1の時効処理での不十分な時効硬化を加工硬化により補うことができる。このときの圧下率は、30%以下だと析出サイトとなる歪が少ないため、2回目の時効で析出する第二相粒子が均一に析出しにくい。冷間圧延の加工度50%以上だと曲げ加工性が悪くなりやすい。また、1回目に時効で析出した第二相粒子が再固溶してしまう。よって、第1の時効処理後の冷間圧延の圧下率は30〜50%とするのが好ましく、35〜40%とするのがより好ましい。
第2の時効処理では、第1の時効処理で析出した第二相粒子を極力成長させずに、第1の時効処理で析出した第二相粒子よりも微細な第二相粒子を新たに析出させることが目的である。第2の時効温度を高く設定すると、すでに析出している第二相粒子が成長し過ぎてしまい、本発明が意図する第二相粒子の個数密度分布が得られなくなる。よって第2の時効処理は低温で行うことに留意する。但し、第2の時効処理の温度が低すぎても新たな第二相粒子が析出しない。よって、第2の時効処理は300℃以上400℃以下の温度範囲で3〜36時間とするのが好ましく、300℃以上350℃以下の温度範囲で9〜30時間とするのがより好ましい。
粒径が5nm以上20nm未満の第二相粒子の個数密度を、粒径が20nm以上50nm以下の第二相粒子の個数密度に対する比で表して3〜6に制御する上では、第2の時効処理の時間と第1の時効処理の時間の関係も重要となる。具体的には第2の時効処理の時間を第1の時効処理の時間の3倍以上とすることで、粒径が5nm以上20nm未満の第二相粒子が相対的に多く析出し、上記個数密度比を3以上にすることができる。第2の時効処理の時間が第1の時効処理の時間の3倍未満であると、粒径が5nm以上20nm未満の第二相粒子が相対的に少なくなり、上記個数密度比が3未満となりやすい。
しかし、第2の時効処理の時間が第1の時効処理の時間に比べて非常に長い場合(例:10倍以上)には、粒径が5nm以上20nm未満の第二相粒子は増加するものの、1回目の時効処理で析出した析出物の成長及び2回目の時効処理で析出した析出物の成長により粒径が20nm以上50nm以下の第二相粒子も増加するため、上記個数密度比はやはり3未満となりやすい。
よって、第2の時効処理の時間を第1の時効処理の時間の3〜10倍とするのが好ましく、3〜5倍とするのがより好ましい。
本発明のCu−Ni−Si−Co系合金は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線に加工することができ、更に、本発明によるCu−Ni−Si−Co系銅合金は、リードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ、二次電池用箔材等の電子部品に使用でき、特にばね材としての使用に好適である。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
1.本発明の実施例
表1に記載の各成分組成の銅合金を、高周波溶解炉で1300℃で溶製し、厚さ30mmのインゴットに鋳造した。次いで、このインゴットを1000℃で3時間加熱後、上り温度(熱間圧延終了温度)を900℃として板厚10mmまで熱間圧延し、熱間圧延終了後は速やかに室温まで水冷した。次いで、表面のスケール除去のため厚さ9mmまで面削を施した後、冷間圧延により厚さ0.15mmの板とした。次に各温度及び時間で溶体化処理を行い、溶体化処理終了後は速やかに室温まで水冷した。次いで、不活性雰囲気中、各温度及び時間で第一の時効処理を施し、各圧下率で冷間圧延し、最後に、不活性雰囲気中、各温度及び時間で第二の時効処理をして、各試験片を製造した。
Figure 2010064547
このようにして得られた各試験片につき、第二相粒子の個数密度、合金特性を以下のようにして測定した。
各試験片を0.1〜0.2μm程度の厚みに薄膜研磨した後、透過型顕微鏡(HITACHI-H-9000)で100,000倍の写真を任意に5視野観察(入射方位は任意の方位)して、その写真上で第二相粒子のそれぞれの粒径を測定した。第二相粒子の粒径は、(長径+短径)/2とした。長径とは、粒子の重心を通り、粒子の境界線との交点を両端にもつ線分のうち、もっとも長い線分の長さを指し、短径とは粒子の重心を通り、粒子の境界線との交点を両端にもつ線分のうち、もっとも短い線分の長さを指す。粒径の測定後、各粒径範囲の個数を単位体積あたりに換算し、各粒径範囲の個数密度を求めた。
強度については圧延平行方向の引っ張り試験を行って0.2%耐力(YS:MPa)を測定した。
導電率(EC;%IACS)についてはダブルブリッジによる体積抵抗率測定により求めた。
耐へたり性は、図1の様に幅1mm×長さ100mm×厚み0.08mmに加工した各試験片にバイスで挟み、標点距離=5mmでストローク=1mmの曲げ応力をナイフエッジを使って室温で5秒負荷した後の表2に示す永久変形量(へたり)を測定した。初期の耐へたり性はナイフエッジによる負荷の回数を1回とし、繰り返し耐へたり性はナイフエッジによる負荷の回数を10回として評価した。
曲げ加工性の評価は、JIS H 3130に従って、Badway(曲げ軸が圧延方向と同一方向)のW曲げ試験を行って割れの発生しない最小半径(MBR)の板厚(t)に対する比であるMBR/t値を測定した。MBR/tは概ね以下のように評価することができる。
MBR/t≦1.0 大変優れている
1.0<MBR/t≦2.0 優れている
2.0<MBR/t 不充分である
各試験片の測定結果を表2に示す。
Figure 2010064547
2.比較例
表3に記載の各成分組成の銅合金を、高周波溶解炉で1300℃で溶製し、厚さ30mmのインゴットに鋳造した。次いで、このインゴットを1000℃で3時間加熱後、上り温度(熱間圧延終了温度)を900℃として板厚10mmまで熱間圧延し、熱間圧延終了後は速やかに室温まで水冷した。次いで、表面のスケール除去のため厚さ9mmまで面削を施した後、冷間圧延により厚さ0.15mmの板とした。次に各温度及び時間で溶体化処理を行い、溶体化処理終了後は速やかに室温まで水冷した。次いで、不活性雰囲気中、各温度及び時間で第一の時効処理を施し、各圧下率で冷間圧延し、最後に、不活性雰囲気中、各温度及び時間で第二の時効処理をして、各試験片を製造した。
Figure 2010064547
このようにして得られた各試験片につき、本発明の実施例と同様に、第二相粒子の個数密度、合金特性を測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 2010064547
3.考察
<No.1〜50>
第二相粒子の個数密度が適切であったため、強度、導電率、耐へたり性及び曲げ加工性が共に優れていた。
<No.51、61、71、75>
第1時効及び第2時効における温度が低く、粒径5nm以上50nm以下の第二相粒子が全体的に不十分となった。
<No.52、62>
第2時効における温度が低く、粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子の比率が小さくなった。
<No.53、63、72、76>
第1時効における温度が高い一方で、第2時効における温度が低く、粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子の比率が小さくなった。
<No.54、64>
第1時効における温度が低く、粒径5nm以上50nm以下の第二相粒子が全体的に不十分となった。
<No.55、59、65、69>
粒径5nm以上50nm以下の第二相粒子が全体的に少なく、粒径20nm以上50nm以下の第二相粒子と粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子のバランスが悪い。
<No.56、66、73、77>
第1時効における温度が低い一方で、第2時効における温度が高く、粒径20nm以上50nm以下の第二相粒子と粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子のバランスが悪くなった。
<No.57、67>
第2時効における温度が高く、粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子の比率が小さくなった。
<No.58、68、74、78>
第1時効及び第2時効における温度が高く、第二相粒子が全体的に発達しすぎたため、本発明で規定する粒径5nm以上50nm以下の第二相粒子は全体的に不十分となった。
<No.60、70>
第1時効及び第2時効における時間が長く、粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子が不十分となった。
<No.79、80>
第1時効と第2時効の間の冷間圧延の圧下率が低く、第2時効の効果が薄れ、粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子の比率が小さくなった。
<No.81、82>
No.81及び82は発明例ではあるが、第1時効と第2時効の間の冷間圧延の圧下率が高く、第2時効の効果が高くなり、曲げ加工性が低下した。
<No.83、84>
第1時効における温度が高い一方で、第1時効と第2時効の間の冷間圧延の圧下率が低く、粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子の比率が小さくなった。
<No.85、86>
第2時効を省略したため、粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子の比率が小さくなった。
<No.87>
第1時効に比べて第2時効の時効時間が短かったため、粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子の比率が小さくなった。
<No.88>
第1時効に比べて第2時効の時効時間が長すぎたため、粒径5nm以上20nm未満の第二相粒子の比率が小さくなった。
11 試験片
12 ナイフエッジ
13 標点距離
14 バイス
15 ストローク
16 へたり

Claims (7)

  1. Ni:1.0〜2.5質量%、Co:0.5〜2.5質量%、Si:0.3〜1.2質量%を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる電子材料用銅合金であって、母相中に析出した第二相粒子のうち、粒径が5nm以上50nm以下のものの個数密度が1×1012〜1×1014個/mm3であり、粒径が5nm以上20nm未満のものの個数密度は、粒径が20nm以上50nm以下のものの個数密度に対する比で表して3〜6である電子材料用銅合金。
  2. 粒径が5nm以上20nm未満の第二相粒子の個数密度が2×1012〜7×1013であり、粒径が20nm以上50nm以下の第二相粒子の個数密度が3×1011〜2×1013である請求項1記載の電子材料用銅合金。
  3. 更にCrを最大0.5質量%含有する請求項1又は2記載の電子材料用銅合金。
  4. 更にMg、P、As、Sb、Be、B、Mn、Sn、Ti、Zr、Al、Fe、Zn及びAgよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を総計で最大2.0質量%含有する請求項1〜3何れか一項記載の電子材料用銅合金。
  5. −所望の組成をもつインゴットを溶解鋳造する工程1と、
    −材料温度を950℃以上1050℃以下として1時間以上加熱後に熱間圧延を行う工程2と、
    −随意的な冷間圧延工程3と、
    −材料温度を950℃以上1050℃以下に加熱する溶体化処理を行う工程4と、
    −材料温度を400℃以上500℃以下で1〜12時間加熱する第一の時効処理工程5と、
    −圧下率30〜50%の冷間圧延工程6と、
    −材料温度を300℃以上400℃以下で3〜36時間加熱し、当該加熱時間を第1の時効処理における加熱時間の3〜10倍とする第二の時効処理工程7と、
    を順に行なうことを含む電子材料用銅合金の製造方法。
  6. 請求項1〜4何れか一項記載の電子材料用銅合金からなる伸銅品。
  7. 請求項1〜4何れか一項記載の電子材料用銅合金を備えた電子部品。
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