JPWO2010055784A1 - ファイルシステム、冊子及び綴じ機 - Google Patents

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Abstract

同質の材料により作られた複数枚のシート体に綴じ孔P1を形成するとともにその綴じ孔P1から切り起こされた切起片P11を用いてそれら複数枚のシート体を相互に接合してなる冊子Bと、前記綴じ孔P1を利用して前記冊子Bを綴じるファイルFとを備えてなり、前記冊子Bの接合部分P3が厚み方向に圧縮変形させられていることを特徴とする。

Description

本発明は、複数枚のシート体をファイルにより綴じるようにしたファイルシステムに関する。
従来、この種のファイルシステムとして、複数枚の用紙を適宜ステープルにより接合して冊子を形成し、それらの冊子に綴じ孔を穿孔した上でファイルに綴じて保管あるいは閲覧に供し得るようにしたものが知られている。
複数枚の用紙を冊子状に接合するためのステープルとしては、金属製の針がよく知られている(例えば、特許文献1参照)。ところで、近時は、環境負荷の低減が強く要請されており、前述したような冊子を廃棄する場合には、資源の再利用を促進するために材質の異なる用紙とステープルとを分離することが求められることが少なくない。ところが、用紙類から金属製の針を除去するには細かな作業が必要であり、多くの用紙類を廃棄する場合には多大な労力と時間を要するという課題(第1の課題)がある。この課題は用紙のみならず、合成樹脂製のシート体を綴じる場合等でも同様に存在するものである。
また、冊子状に束ねられた書類は、パンチで綴じ孔を穿孔した上でファイルに綴じられることが多いが、通常のファイルは、紙や合成樹脂により作られた表紙に、金属製の部品を含む綴じ具が装着されているものが通常である。そのため、保管期間の過ぎた大量のファイルを一挙に廃棄する場合等においては、前述した作業に加え、ファイルと冊子との分離、冊子を構成する用紙とステープルとの分離、及び、ファイルを構成する表紙と綴じ具との分離等の作業を長時間繰り返さなければならず、多くの書類を保管しているオフィス等においては、上記作業の労力や時間は計りしれないものとなるという課題(第2の課題)もある。
特開2004‐230483号公報
本発明は、ファイリング効率を大きく低下させることなしに、少なくとも前述した第1の課題を解消することを目的としている。
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような構成を採用したものである。すなわち、本発明に係るファイルシステムは、同質の材料により作られた複数枚のシート体に綴じ孔を形成するとともにその綴じ孔から切り起こされた切起片を用いてそれら複数枚のシート体を相互に接合してなる冊子と、前記綴じ孔を利用して前記冊子を綴じるファイルとを備えてなり、前記冊子の接合部分が厚み方向に圧縮変形させられていることを特徴とするものである。
ここで接合部分の圧縮変形とは、前記接合部分がシート体の弾性により接合直後の形態に戻らない状態まで変形させることを意味している。
このような構成のものであれば、綴じ孔から切り起こされた切起片により複数枚のシート体を接合しているので、ステープルの役割をなす切起片とシート体とが同質のものとなる。そのため、廃棄する際にステープルを除去する必要がなく、前述した第1の課題を解消することが可能となる。また、前記切起片による接合部分が圧縮変形させられているため、接合部分が嵩張るのを抑制することができる。そのため、多数の冊子をファイルに綴じることが可能となり、ファイリング効率が金属製の針を用いた場合に比べて大幅に低下するという不具合も生じない。
第1の課題に加えて、第2の課題をも解消したい場合には、前記ファイルを前記冊子と同じ材質により作っておけばよい。
すなわち、このようにすれば、廃棄の際に冊子をファイルから外す必要もなくなり、多数のシート体を綴じたファイルをそのままの状態で廃棄処分することが可能となる。
具体的な態様としては、前記シート体が、用紙であり、前記ファイルが、紙製の表紙と、この表紙に添え設けられた紙製の綴じ具とを備えたものを挙げることができる。
綴じ孔は、単一でもよいが、複数の綴じ桿を有したファイルを用いる場合には、前記各シート体に複数の綴じ孔を、前記綴じ具の綴じ桿ピッチに対応させて形成しておけばよい。
前記綴じ桿には、比較的剛性のあるパイプ状のもの、弾性変形可能な線状のもの、或いは、フレキシブルな紐状のもの等が含まれる。
切起片によりシート体を接合するための好適な態様としては、重ね合わせた複数枚のシート体に、一端に切起片を残存させた綴じ孔と、前記綴じ孔の一端近傍に設けた引き上げ用カット孔とをそれぞれ設け、それらシート体の切起片を前記引き上げ用カット孔に貫通させてそれらシート体同士を接合するものを挙げることができる。
このようなファイルシステムに使用される冊子としては、同質の材料により作られた複数枚のシート体に綴じ孔を形成するとともにその綴じ孔から切り起こされた切起片を用いてそれら複数枚のシート体を相互に接合してなり、その接合部分が圧縮変形させられているものを挙げることができる。
前記冊子を作るための好適な綴じ機としては、穿孔姿勢から回動姿勢までの間で回動可能に設けられ穿孔姿勢において綴じ孔を形成し得る抜き刃と、この抜き刃に隣設され回動姿勢に回動した抜き刃を受け入れるための窓を有した切込刃と、前記抜き刃及び切込刃の先端にシート体を対面保持させるためのステージと、このステージに設けられ前記抜き刃と協働してステージ上のシート体に綴じ孔を形成する抜き板と、前記ステージ上に保持されたシート体に一面側から前記抜き刃及び前記切込刃を貫入させる穿孔機構と、シート体を貫通した抜き刃を回動姿勢まで回動させて綴じ孔から他面側へ切り起こされた切起片を前記切込刃の窓に挿入させるための抜き刃回動機構と、前記窓に切起片を保持した切込刃を切起片とともにシート体の一面側に抜き出させる刃抜き取り機構と、切起片が引き上げ用カット孔を貫通してなる接合部分を厚み方向に圧縮変形させる圧縮機構とを備えたものを挙げることができる。
本発明によれば、接合部分が嵩張らないためシート体を束ねた冊子を効率よくファイルに綴じることができ、しかも、不要になった場合に分別することなく冊子をそのままの状態で廃棄することができるファイルシステムを提供することができるものである。
本発明の一実施形態を示す冊子の平面図。 同実施形態の冊子の接合部分の一部を拡大して示す断面図。 同実施形態の冊子をファイルに綴じた使用状態を示す斜視図。 本発明の第一実施形態の綴じ機の全体概略図。 同実施形態の綴じ機の平面概略図。 作動ハンドルを操作しない状態の図5におけるX‐X線断面図。 作動ハンドルを押圧した状態の図5におけるX‐X線断面図。 同実施形態の穿孔機構を示す概略図。 同実施形態の穿孔機構を示す概略図。 同実施形態の回動機構を示す概略図。 同実施形態の刃抜き取り機構を示す概略図。 同実施形態の圧縮機構を示す概略図。 本発明の第二実施形態の綴じ機の全体概略図。 同実施形態の綴じ機の平面概略図。 同実施形態の内部ハウジングを示す平面図。 同実施形態の綴じ機の要部を示す概略図。 作動ハンドルを操作しない状態の図14におけるY‐Y線断面図。 作動ハンドルを押圧した状態の図14におけるY‐Y線断面図。 同実施形態の切込刃を示す斜視図。 図13におけるZ‐Z線断面図。 同実施形態の穿孔機構を示す概略図。 同実施形態の穿孔機構を示す概略図。 同実施形態の回動機構を示す概略図。 同実施形態の刃抜き取り機構を示す概略図。 同実施形態の刃抜き取り機構を示す概略図。 同実施形態の圧縮機構を示す概略図。 本発明の他の実施形態の引き上げ用カット孔の形状を模式的に示す平面図。 本発明の他の実施形態の引き上げ用カット孔の形状を模式的に示す平面図。 本発明の他の実施形態の引き上げ用カット孔の形状を模式的に示す平面図。 本発明の他の実施形態の引き上げ用カット孔の形状を模式的に示す平面図。 本発明の他の実施形態の引き上げ用カット孔の形状を模式的に示す平面図。 本発明の他の実施形態の引き上げ用カット孔の形状を模式的に示す平面図。 本発明の他の実施形態の引き上げ用カット孔の形状を模式的に示す平面図。 本発明の他の実施形態の切込刃を示す斜視図。 本発明のさらに他の実施形態の切込刃を示す斜視図。 本発明の第一変形例にかかる抜き刃を示す正面図。 同変形例の抜き刃を示す斜視図。 同変形例にかかる綴じ機の要部を示す概略図。 本発明の第二変形例にかかる抜き刃を示す正面図。 同変形例の抜き刃を示す斜視図。 同変形例にかかる綴じ機の要部を示す概略図。 本発明の第三変形例にかかる抜き刃を示す正面図。 同変形例の抜き刃を示す斜視図。 同変形例にかかる綴じ機の要部を示す概略図。 本発明の第四変形例にかかる抜き刃を示す正面図。 同変形例の抜き刃を示す斜視図。 同変形例にかかる綴じ機の要部を示す概略図。 本発明の第五変形例にかかる切込刃及び抜き刃を示す斜視図。
<第一実施形態>
以下、この発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
このファイルシステムは、図1ないし図3に示すように、1冊又は複数冊の冊子BをファイルFにより綴じるようにしたものである。
冊子Bは、図1及び図2に示すように、同質の材料により作られた複数枚のシート体、例えば、複数枚の用紙Pを束ねてなるもので、それらの用紙Pは綴じ元側に設定した二ヵ所の接合部分P3において相互に接合されている。各接合部分P3は、用紙Pの一面Pa側から貫入させた抜き刃92により各用紙Pに形成された綴じ孔P1と、前記綴じ孔P1に隣接させて前記各用紙Pに形成された引き上げ用カット孔P2と、前記綴じ孔P1から用紙Pの他面Pb側に切り起こされた切起片P11とから構成されている。そして、前記切起片P11の先端側を、前記カット孔P2を貫通させて前記用紙Pの一面Pa側に導出させることによって、前記複数枚の用紙Pの綴じ元側が相互に接合されている。前記綴じ孔P1は、一端が半円弧状をなすとともに他端が前記切起片P11の基端に連続する長孔状のものである。対をなす綴じ孔P1は、他端同士を対向させて配されており、最も離間する一端同士の距離を前記ファイルFの綴じ桿F21ピッチに対応させてある。具体的には、例えば、前記両綴じ孔P1における一端の曲率中心間の距離を、ファイルFの綴じ桿F21ピッチである80mmに設定するとともに、綴じ孔P1の幅寸法を前記綴じ桿F21の幅寸法に対応させて6mm強に設定してある。
ファイルFは、図3に示すように、冊子Bと同質の材料により作られている。具体的には、紙製の表紙F1と、この表紙F1に添え設けられた紙製の綴じ具F2とを備えたものである。前記表紙F1は、表表紙F11と、背表紙F12と、裏表紙F13と、前記背表紙F12及び裏表紙F13の間に形成された折曲げ装着部F14とを具備してなるもので、一枚の厚紙を折曲げて作られている。前記綴じ具F2は、例えば、特開2005‐35265号公報に示されるように、前記折曲げ装着部F14に設けられ前記冊子Bの綴じ孔P1に挿入される対をなす綴じ桿F21と、これら綴じ桿F21の冊子B貫通端側を保持する綴じ板部材F22とを具備してなるもので、前記綴じ桿F21及び綴じ板部材F22はそれぞれ紙により作られている。
このようなファイルシステムであれば、冊子BもファイルFも紙により作られているため、廃棄する際に異なった材質の部品同士を分別する必要が全くない。したがって、かかるファイルシステムを採用しておけば、保管期間が終了して廃棄する場合等においても、複数の用紙Pのみからなる冊子BとファイルFとをそのまま処分することが可能となり、分別に要する多大な手間を省くことができる。
次いで、このようなファイルシステムの実施に直接使用される綴じ機1について、図4乃至図12を参照して説明する。
この綴じ機1は、複数枚の用紙Pを接合して前記冊子Bを作るためのもので、図4に示すように、卓上に載置されるステージ2と、このステージ2上に昇降可能に保持された本体3と、この本体3内に昇降可能に収容され後述する抜き刃92及び切込刃91を備えた替刃ユニット4と、前記本体3に前端部を軸53回りに回転できるように取り付けた作動ハンドル5とを備えている。
前記ステージ2は、図4、図6及び図7に示すように、上面の前縁側に平面視矩形をなす台座21を突出させた盤状のもので、前記台座21上に前記抜き刃92と協働して用紙Pに綴じ孔P1を穿孔するための抜き板22を備えている。前記抜き板22は、前記抜き刃92が通過する穿孔部221と、前記切込刃91が通過する通過孔222とを備えた金属製のもので、この抜き板22の下には抜き刃92及び切込刃91の挿入及び挿入された抜き刃92の回動を許容するための空洞24が形成されている。また、ステージ2の上面には、前記本体3を弾性支持するための弾性体、例えば、コイルスプリングS1が装着される保持凹部23が形成されている。
前記本体3は、図4、図6及び図7に示すように、前記ステージ2の上に昇降可能に帽嵌され前半部分に用紙受け面61を有した下部ハウジング6と、前半部下面を用紙P挿入用の隙間を介して前記用紙受け面61に対面させてこの下部ハウジング6上に一体的に設けられた上部ハウジング7とを備えてなる。
前記下部ハウジング6は、図4、図6及び図7に示すように、無底箱形のもので、その上壁前半部に用紙受け面61が形成されているとともに、その用紙受け面61の一部にステージ2の台座21が相対昇降可能に嵌り込む位置決め窓62が形成されている。また下部ハウジング6の上壁後半部と前記ステージ2との間には、この本体3を上方に付勢するための弾性体、例えば、複数のコイルスプリングS1が介在させてある。
前記上部ハウジング7の底壁71には、図5に示すように、前記抜き刃92が通過する抜き刃挿通孔72が形成されており、図4に示すように、この抜き刃挿通孔72の周囲には抜き刃92の横ぶれを防止するための案内壁76が形成されている。また、前記底壁71には、前記切込刃91が通過する切込刃挿通孔73が形成されており、この切込刃挿通孔73と前記抜き刃挿通孔72との間に係止壁77が設けてある。そしてこの上部ハウジング7に前記接合部分P3を圧縮変形させるための対をなす圧縮ローラ8を設けている。すなわち、対をなす圧縮ローラ8は、共通の軸81に支持されたもので、前記底壁71には前記両ローラ8の下端部を用紙受け面61側に露出させるためのローラ表出窓74と、図5に示すように、前記軸81を上下方向に平行移動可能に支持する軸支持部75とが設けられている。前記軸81は、弾性体、例えば、コイルスプリングS2により下方に付勢されており、この弾性付勢力によって前記両圧縮ローラ8が用紙受け面61に弾性的に押しつけられる。そしてこの本体3の上部ハウジング7内に替刃ユニット4が昇降可能に収容されている。
前記替刃ユニット4は、図4、図6及び図7に示すように、前記本体3の上部ハウジング7の内周に上下動可能に嵌り込む下部メンバ42と、この下部メンバ42の上壁中央部に一体的に設けられた上部メンバ41とを備えた無底箱形のものである。そして、前記上部メンバ41内に、抜き刃92を回動可能にかつ着脱可能に支持する抜き刃保持部412と、前記切込刃91を垂下姿勢で着脱可能に保持する切込刃保持部411とが設けられている。
前記抜き刃92は、図4及び図8ないし図12に示すように、基端に軸921を有するとともに先端に前記綴じ孔P1を打ち抜くための刃本体922を備えたもので、その軸921が替刃ユニット4の天壁に設けた抜き刃保持部412に着脱可能に支持されている。前記抜き刃92の基端には、該抜き刃92を回動させるためのアーム923が突出させてある。対をなす抜き刃92は、前記アーム923の先端同士を対面させて配置されたもので、前記両アーム923を共通の弾性体、例えば、コイルスプリングS3により下方に付勢することにより、前記刃本体922が前記軸921のほぼ真下に配置される穿孔姿勢92(H)に保持されるようになっている。そして、替刃ユニット4が下降する際に、前記アーム923の下面が前記本体3に設けられた係止壁77の上縁に当接するように設定してあり、当接後にさらに替刃ユニット4が下降することにより、抜き刃92が前記コイルスプリングS3の弾性力に抗して回動姿勢92(R)にまで回動し得るように構成されている。すなわち、前記抜き刃92が前記用紙受け面61にセットされた用紙Pを打ち抜き、刃本体922が抜き板22の下方側に進入した直後に前記アーム923が前記係止壁77の上縁に当接するように設定されており、当接した状態で前記抜き刃92がさらに下降することにより、該抜き刃92が回動姿勢92(R)にまで回動し得るように構成されている。
一方、切込刃91は、図4及び図6ないし図12に示すように、先端に刃本体912を備えた平板状のもので、この替刃ユニット4内に設けられたレール状をなす切込刃保持部411に装着され、図示しないビス等により固定されている。この切込刃91の先端側には、回動姿勢92(R)に回動した抜き刃92の刃本体922の一部を受け入れるための窓911が形成されている。また、この切込刃91の基端側には、この切込刃91と前記アーム923との干渉を防止するための前記アーム923が通る貫通孔913が形成されている。以上のようにしてなる替刃ユニット4の上部メンバ41は、本体3の上部ハウジング7の上端開口部に蓋着した蓋部31の開口を通して上方に突出させてあり、この上部メンバ41を作動ハンドル5により操作して前記替刃ユニット4を昇降させ得るように構成されている。
前記作動ハンドル5は、図4ないし図7に示すように、前縁両端部を前記本体3に軸53を介して取り付けられたもので、中間部内面に替刃ユニット4の天壁上面を押圧するための押圧体51を有している。また、この作動ハンドル5における前記押圧体51の両側部にアーム52が突出して設けられており、これらアーム52の先端部が図示しない軸を用いて前記替刃ユニット4の上部メンバ41に接続されている。
この実施形態においては、本発明の穿孔機構は、前記抜き刃92及び前記切込刃91を保持した替刃ユニット4と、替刃ユニット4を下方に押圧して前記抜き刃92及び切込刃91を抜き板22上にセットされた用紙Pに貫入させる作動ハンドル5とを主体にして構成されている。また、本発明の抜き刃回動機構は、前記抜き刃92の軸921を回動可能に支持する抜き刃保持部412と、前記抜き刃92の基端に設けられたアーム923と、前記本体3に設けられ前記抜き刃92が下降する際に前記アーム923を受け止めて前記抜き刃92に回動力を付与する係止壁77とを主体として構成されている。さらに、刃抜き取り機構は、前記抜き刃92及び前記切込刃91を保持した替刃ユニット4と、前記本体3を足場にしてこの替刃ユニット4を上方に付勢する弾性体たるコイルスプリングS4とを主体に構成されている。なお、この実施形態のように、替刃ユニット4と、作動ハンドル5とを軸を介して接続しておけば、刃抜き取り機構の性能をさらに向上させることができる。すなわち、用紙Pの枚数が多くなり、前記コイルスプリングS4の力だけでは切起片P11を用紙Pの一面Pa側に引き抜くことができない場合でも、前記作動ハンドル5に、上方への操作力を加えることによって、引き抜きを完了させることが可能となる。また、本発明の圧縮機構は、前記ローラ8と、このローラ8を用紙受け面61に対して弾性的に押しつける弾性体、すなわちコイルスプリングS2とを主体に構成されている。
次にこの綴じ機1の作動を説明する。
作動ハンドル5を操作しない状態では、図6及び図8に示すように、本体3及び替刃ユニット4がそれぞれ上限位置に保持されており、前記抜き刃92が穿孔姿勢92(H)を保っている。この状態で、図5の想像線で示すように、重ね合わせた複数枚の用紙Pを用紙受け面61に沿って隙間63の奥まで挿入する。しかる後に、作動ハンドル5を下方に操作すると、コイルスプリングS4の付勢力に抗して替刃ユニット4が下降し、前記抜き刃92及び前記切込刃91が用紙Pの一面Paに当接する位置まで降下する。この位置から作動ハンドル5をさらに下方に操作すると、図7及び図9に示すように、前記抜き刃92及び前記切込刃91が前記用紙Pを貫通し、その用紙Pに綴じ孔P1及びカット孔P2が穿孔される。穿孔後さらに、前記抜き刃92及び前記切込刃91が下降すると、図10に示すように、前記抜き刃92のアーム923が前記係止壁77に当接し、該抜き刃92が回動姿勢92(R)にまで回動する。その結果、綴じ孔P1から用紙Pの他面Pb側に切り起こされた切起片P11の先端側が切込刃91の窓911に挿入される。
ついで、作動ハンドル5への操作を解除すると、図11に示すように、抜き刃92が回動姿勢92(R)から穿孔姿勢92(H)に復帰して、抜き刃92及び切込刃91がコイルスプリングS4の付勢により上昇し、用紙Pから抜き取られる。その際に、切込刃91の窓911に挿入されている切起片P11がカット孔P2を通過して用紙Pの一面Pa側に抜き出され、この切込刃91により複数の用紙Pが結合される。このようにして、抜き刃92と切込刃91が用紙Pから抜き取られると、打ち抜き時の荷重により最下位置まで降下していた本体3が、コイルスプリングS1の付勢力により、初期の浮上位置まで上昇し、用紙Pが抜き板22から離間されることになる。この状態で、用紙Pを綴じ機1から抜き取れば、その途上において、図12に示すように、前記本体3に設けられた前記圧縮ローラ8の外周面と前記用紙受け面61とによって前記用紙Pの接合部分P3が厚み方向に圧縮変形させられ、前述した冊子Bができあがる。なお、前記コイルスプリングS4の弾性力のみでは前記抜き刃92及び前記切込刃91を用紙Pの一面Pa側に引き抜くことができない場合には、前記作動ハンドル5を上方に操作してその抜き上げを助勢すればよい。
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係るファイルシステムは、複数枚の用紙Pに綴じ孔P1を形成するとともにその綴じ孔P1から切り起こされた切起片P11を用いてそれら複数枚の用紙Pを相互に接合してなる冊子Bと、前記綴じ孔P1を利用して前記冊子Bを綴じるファイルFとを備えてなり、前記冊子Bの接合部分P3が厚み方向に圧縮変形させられているので、綴じ孔P1から切り起こされた切起片P11により複数枚の用紙Pを接合することになり、ステープルの役割をなす切起片P11と用紙Pとが同質の紙製のものとなるため、廃棄する際にステープルを除去する必要がなく、用紙Pから金属製の針等を除去する細かな作業が不要となり、多くの用紙Pを廃棄する場合であっても多大な労力と時間を要することなく廃棄することが可能となる。また、前記切起片P11による接合部分P3が圧縮されて、前記接合部分P3が用紙Pの弾性により接合直後の形態に戻らない状態まで圧縮変形させられているため、接合部分P3が嵩張るのを抑制することができる。そのため、多数の冊子BをファイルFに綴じることが可能となり、ファイリング効率が金属製の針を用いた場合に比べて大幅に低下するという不具合も生じない。
さらに、ファイルFが、紙製の表紙F1と、この表紙F1に添え設けられた紙製の綴じ具F2とを備えたものであり、前記冊子Bと同質の材料、つまり紙により作られているため、廃棄する際に異なった材質の部品同士を分別する必要が全くなくなる。したがって、このようなファイルシステムを採用しておけば、保管期間が終了して廃棄する場合等においても、複数の用紙Pのみからなる冊子BとファイルFとをそのまま処分することが可能となり、分別に要する多大な手間を省くことができる。
さらに、前記各用紙Pに2つの綴じ孔P1をそれぞれ設けたものであって、前記綴じ孔P1を綴じ具F2の綴じ桿F21ピッチに対応させて形成しているので、2つの綴じ桿F21を有したファイルFに用紙Pを綴じるために用いることができる。
また、重ね合わせた複数枚の用紙Pに、一端に切起片P11を残存させた綴じ孔P1と、前記綴じ孔P1の一端近傍に設けた引き上げ用カット孔P2とをそれぞれ設け、それら用紙Pの切起片P11を前記引き上げ用カット孔P2に貫通させてそれら用紙P同士を接合しているので、この切起片P11により用紙P同士を接合するとともに、綴じ孔P1をファイルFに綴じるために用いることができる。
このようなファイルシステムに使用される冊子Bとして、複数枚の用紙Pに綴じ孔P1を形成するとともにその綴じ孔P1から切り起こされた切起片P11を用いてそれら複数枚の用紙Pを相互に接合してなり、その接合部分P3が圧縮変形させられているものを用いたので、この冊子Bを廃棄する際にステープルを除去する必要がなく、用紙Pから金属製の針等を除去する細かな作業が不要となり、多くの用紙Pを廃棄する場合であっても多大な労力と時間を要することなく廃棄することが可能となる。
また、冊子Bを作るための好適な綴じ機1として、穿孔姿勢92(H)から回動姿勢92(R)までの間で回動可能に設けられ穿孔姿勢92(H)において綴じ孔P1を形成し得る抜き刃92と、この抜き刃92に隣設され回動姿勢92(R)に回動した抜き刃92を受け入れるための窓911を有した切込刃91と、前記抜き刃92及び切込刃91の先端に用紙Pを対面保持させるためのステージ2と、このステージ2に設けられ前記抜き刃92と協働してステージ2上の用紙Pに綴じ孔P1を形成する抜き板22と、前記ステージ2上に保持された用紙Pに一面Pa側から前記抜き刃92及び前記切込刃91を貫入させる穿孔機構と、用紙Pを貫通した抜き刃92を回動姿勢92(R)まで回動させて綴じ孔P1から他面Pb側へ切り起こされた切起片P11を前記切込刃91の窓911に挿入させるための抜き刃回動機構と、前記窓911に切起片P11を保持した切込刃91を切起片P11とともに用紙Pの一面Pa側に抜き出させる刃抜き取り機構と、切起片P11が引き上げ用カット孔P2を貫通してなる接合部分P3を厚み方向に圧縮変形させる圧縮機構とを備えたものを用いたので、使用者がこのような綴じ機1に設けられた作動ハンドル5を押圧及び解除という一連の操作を行うことにより、複数枚の用紙Pに綴じ孔P1を形成するとともにその綴じ孔P1から切り起こされた切起片P11を用いてそれら複数枚の用紙Pが相互に接合されており、その接合部分P3が圧縮変形された冊子Bを作ることができる。
<第二実施形態>
次いで、このようなファイルシステムの実施に直接使用される綴じ機A1について、図13乃至図26を参照して説明する。
この綴じ機A1は、複数枚の用紙Pを接合して前記冊子Bを作るためのもので、図13に示すように、卓上に載置されるステージA2と、このステージA2上に固設された本体A3と、この本体A3内に昇降可能に収容され後述する抜き刃A92及び切込刃A91を備えた左右対をなす替刃ユニットA4と、この替刃ユニットA4が穿孔動作を終えて上昇した際に前記綴じられた用紙Pを持ち上げるためのペーパーベースA8と、このペーパーベースA8及び替刃ユニットA4を作動させるために前記本体A3に上下方向に回動可能に取り付けた作動ハンドルA5とを備えている。
前記ステージA2は、図13、図17及び図18に示すように、本体A3の下端部が取り付けられる扁平箱形の台座A21と、この台座A21の天壁A21aに一体に形成された抜き板A22とを具備してなる。台座A21は、下面側が開放された扁平箱形のもので、この開放端に設置体A25aを有したベース鍔A25を備えている。そしてこの台座A21の内部に前記抜き板A22を貫通して浸入する切込刃A91及び抜き刃A92を受け入れるための空洞A24が形成されている。この空洞A24は、台座A21の下面側から装着されたダスターケースA26により外部と隔離されている。抜き板A22は、前記台座A21をプレス加工する際に前記天壁A21aと一体に形成されるもので、切込刃A91が貫通する通過孔A222と、抜き刃A92が貫通する穿孔部A221とを有している。なお、この実施形態においては、前記台座A21の天壁A21aにおける前記抜き板A22よりも用紙P挿入側に位置する部位に、後述する切起片P11を下側から挟圧するための隆起部A223を設けている。この隆起部A223は、台座A21の天壁A21aを変形させることにより一体に形成されたもので、抜き板A22側に用紙P抜き取り時に前記切起片P11を案内するための傾斜面A224を備えている。
前記本体A3は、図13乃至図18に示すように、前記台座A21に被せた状態で取り付けられた外部ハウジングA31と、この外部ハウジングA31内に配設され前記台座A21に固定された内部ハウジングA32とを具備してなる。
前記外部ハウジングA31は、図14、図17及び図18に示すように、台座A21の上方空間を覆うトップカバーA33と、台座A21の上方空間の両側面を覆うサイドカバーA34と、台座A21の上方空間の前面を覆うフロントカバーA35とを備えている。トップカバーA33は、後方に向かって漸次低くなる湾曲形状をなしたもので、前記作動ハンドルA5のアームA52が貫通するスリットA33aを有している。フロントカバーA35は、上壁A35aと前面壁A35bと底壁A35cとを備えており、その上壁A35aに前記スリットA33aに連続する図示しないスリットを有している。また、このフロントカバーA35の底壁A35cの下面と台座A21の上面との間に用紙Pを挿入するための用紙挿入用隙間A35dを形成している。
前記内部ハウジングA32は、図15乃至図18に示すように、前記台座A21の横幅とほぼ同一の横幅を有した筒状のハウジング本体A36と、このハウジング本体A36の背面側に一体に設けられこのハウジング本体A36を前記台座A21の上面に止着具たるビスA38を用いて剛結するための取付部A37とを具備してなる。
前記ハウジング本体A36は、図15及び図16に示すように、前記取付部A37が設けられた後壁A63と、後壁A63の左右両端から前方に延出する左右の側壁A64と、これら両側壁A64の前端間に設けられた前壁A65と、この前壁A65の下縁から後壁A63に亘って設けられた底壁A71とを具備してなる。前記側壁A64は、その内面に前記替刃ユニットA4の後述する上部ブロックA41を鉛直姿勢を維持しつつ上下方向に案内するためのレールA66を有するとともに、前記両替刃ユニットA4を昇降動作させるためのドライブシャフトA46を案内するための鉛直スリットA67を備えている。前記前壁A65は、その内面に前記替刃ユニットA4の後述する上部ブロックA41を鉛直姿勢を維持しつつ上下方向に案内するためのレールA68を有する。
前記底壁A71は、図15乃至図18に示すように、前記台座A21の上面に密着する後半部分A71bと、前記台座A21との間に隙間A71cを形成する前半部分A71aとを段部A72を介して一体化したもので、前記前半部分A71aの左右方向中央に綴じた後の用紙Pの切起片P11を受け入れるための窓A73を有している。この窓A73の前縁側には、前記底壁A71の一部をなす上向き片A74が形成されており、この上向き片A74に用紙P抜き取り時に前記切起片P11を案内するための傾斜面A74aを形成している。前記窓A73の後縁側には、下方に屈曲する屈曲壁A75が形成されており、この屈曲壁A75に用紙Pの先端を係止するための係止面A75aを備えている。底壁A71の前半部分A71aにおける左右両端部分には、後述する抜き刃A92を貫通させるための抜き刃貫通孔A79と、後述する紙押さえA43を貫通させるための紙押さえ貫通孔A70とを備えている。そして、前記抜き刃貫通孔A79の上面側開口縁には前記抜き刃A92を鉛直姿勢を維持しつつ案内するための案内壁A76と、後述する抜き刃A92のアームA923を係止するための係止壁A77とを設けている。底壁A71の後半部分A71bにおける左右両端部分には、後述する替刃ユニットA4付勢用のコイルスプリングAS4を受けるためのバネ受け部A78を設けている。なお、図17及び図18は、図14におけるY−Y線断面図であるが、後述する替刃ユニットA4を明示するために、前記係止壁A77を始め当該替刃ユニットA4周辺の起立壁を省略して図示してある。
前記取付部A37は、図15、図17及び図18に示すように、前記ハウジング本体A36の底壁A71に連続する底板部A37aと、この底板部A37aと前記ハウジング本体A36の後壁A63とを結合する補強リブA37bとを具備してなるもので、前記底板部A37aを前記止着具たるビスA38を用いて前記台座A21に取り付けられるようになっている。
このようにしてなる内部ハウジングA32内に前述した左右の替刃ユニットA4が収容されている。
前記各替刃ユニットA4は、図13及び図16に示すように、前記内部ハウジングA32のレールA66、A68に案内されて鉛直姿勢を維持しつつ昇降可能な上部ブロックA41と、この上部ブロックA41に取り付けられた切込刃A91と、この切込刃A91に隣接させて配され前記上部ブロックA41に軸A921を介して左右方向に回動可能に枢止された抜き刃A92と、この抜き刃A92を後述する穿孔姿勢(H)方向に回動付勢するコイルスプリングAS3と、前記抜き刃A92の軸A921に案内されて前記上部ブロックA41に対して昇降可能な下部ブロックA42と、この下部ブロックA42を前記上部ブロックA41に対して下方に弾性付勢するコイルスプリングAS2とを具備してなる。
前記上部ブロックA41は、図16に示すように、内部ハウジングA32のレールA66、A68にスライド可能に係合する係合部A45を備えたブロック状のもので、ドライブシャフトA46を介して作動ハンドルA5の作動端A51bに接続されている。この上部ブロックA41は下方に開放された箱状のもので、前記抜き刃A92の上半部が収容され得るようになっており、抜き刃A92の上端部に設けた軸A921を回動可能に支持するための図示しない軸受部を有している。また、この上部ブロックA41の外側面に前記切込刃A91を取り付けるための取付部A411を備えており、この取付部A411に取り付けられた切込刃A91に前記ドライブシャフトA46が貫通している。
前記下部ブロックA42は、図13及び図16に示すように、その下端部に前後対をなす紙押さえA43が設けられている。これらの紙押さえA43の基端部同士は横架材A44により連結されている。そして、両紙押さえA43は、常時内部ハウジングA32の底壁A71に設けた紙押さえ挿通孔A70に昇降可能に嵌合させてある。これにより紙押さえA43を含む下部ブロックA42全体が、鉛直姿勢を維持し得るようになっている。
前記切込刃A91は、図19及び図20に示すように、ほぼH字形のカット孔P2を形成するためのものである。具体的には、直線状をなすメインスリットLと、このメインスリットLの両端から一方向、すなわちこの切込刃A91に対応する抜き刃A92が配置されている側の方向に屈曲して伸びる第1のサブスリットL1と、前記メインスリットLの両端から他方向、すなわちこの切込刃A91に対応する抜き刃A92が配置されている側と反対の方向に屈曲して伸びる第2のサブスリットL2とからなり、前記第1のサブスリットL1と前記第2のサブスリットL2とが、一定の角度G2をなすカット孔P2を形成するためのものである。なお、この実施形態のように比較的多数枚の用紙Pを綴じるようにした仕様のものにおいては、前記第1のサブスリットL1の長さを前記第2のサブスリットL2の長さよりも長くしている。これは、切起片P11が用紙Pの上面、すなわち一面Pa側に抜き上げられると、この切起片P11とともに、前記メインスリットLと前記第1のサブスリットL1により囲まれた舌片部P4も用紙Pの一面Pa側に引き上げられるため、その際に、切起片P11の通過を無理なく許容するためである。換言すれば、後述する第1サブブレードAD1の折曲げ方向長さAD3を第2サブブレードAD2の折曲げ方向長さAD4よりも大きく設定してある。すなわち、この切込刃A91は、1枚の板金素材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより作られたもので、前記メインスリットLを形成するためのメインブレードADと、前記第1のサブスリットL1を形成するための第1サブブレードAD1と、前記第2のサブスリットL2を形成するための第2サブブレードAD2とを具備してなる。前記メインブレードADは、抜き刃A92を受け入れるための窓A911を介して上ブレード部ADaと刃本体A912を有する下ブレード部ADbとに分断されており、その上ブレード部ADaと下ブレード部ADbとは第1サブブレードAD1により構造的に連結されている。この実施形態においては、第1サブブレードAD1は、その基端縁が前記メインブレードADの両側縁に直角よりも若干小さな角度G1で折曲げた折曲線部ADcを介して一体に連続するもので、この第1サブブレードAD1の基端縁における前記窓A911に対応する部分に、前記第2サブブレードAD2が連続形成されている。すなわち、この第2サブブレードAD2は、板金素材を前記折曲線部ADcで折り曲げることにより、前記窓A911から切り起こされたものである。なお、この第2サブブレードAD2は、その切り起こし加工の前に前記第1サブブレードAD1に対して180度未満の角度G2を成すように予備切り起こし加工が施されている。これによって、前記第1サブブレードAD1が直角よりも若干小さな角度G1で折曲げられているにもかかわらず、前記第2サブブレードAD2の前記メインブレードADに対する切り起こし角度G3は最終的に90度よりも大きくなるように設定されている。
このように、第1サブブレードAD1及び第2サブブレードAD2がそれぞれ1枚のメインブレードADの折り曲げ加工により形成されているため、切込刃A91全体の強度を確保することができる。さらに、この切込刃A91の窓A911の下縁には、用紙Pの切起片P11を円滑に案内するための円滑案内部A915を備えている。この円滑案内部A915は、前記窓A911の下縁に余剰素材A916を下方に巻き込んで折り曲げる加工を施すことによって形成されたものである。余剰素材A916の先端A917は、メインブレードADに形成した受入窓A918内に浸入させてあり、この先端A917が用紙Pと干渉するのを防止している。この切込刃A91の刃本体A912、すなわち、メインブレードADに形成された刃並びに、第1サブブレードAD1及び第2サブブレードAD2に形成された刃はそれぞれ、素材の厚み方向中央に刃先を有した両刃構造をなしている。
前記抜き刃A92は、図13及び図20に示すように、基端部に軸A921を有するとともに先端に前記綴じ孔P1を打ち抜くための刃本体A922を備えたもので、その軸A921が替刃ユニットA4の上部ブロックA41に設けた図示しない軸受部に回動可能に支持されている。前記抜き刃A92の基端には、該抜き刃A92を回動させるためのアームA923が突出させてある。
前記刃本体A922は、図21に示すように、前記抜き刃A92の下端部に設けられており、底面視U字形に連続する刃先AEを有している。この刃先AEは、なめらかな曲線で結ばれる曲線的形状に形成されており、抜き刃A92が貫入されるに伴って、前記抜き刃A92と前記抜き板A22との接触位置における抜き板A22に対する角度が変化する傾斜を備えている。また、この傾斜部分のうち用紙Pに最初に貫入される刃尖端部AE1を具備してなる。換言すれば、この刃尖端部AE1において刃先AEが抜き板A22に対してなす入射角度θが、刃本体A922の他の部分AE2における入射角度θよりも大きく設定してある。なお、ここで、入射角度θとは、抜き板A22に支持された用紙Pの一面Paと、この用紙Pに入射する直前の刃先AE部分とがなす角度をいい、この実施形態では入射角度θが前記抜き刃A92の貫入に伴って漸次小さくなるように設定してある。したがって、一旦刃尖端部AE1が用紙Pに鋭く突き刺さった後、先に貫入された部分から順次刃先AEに沿って切れていく。換言すれば、前記刃本体A922を用紙Pに対して貫入させるときには、まず刃尖端部AE1が用紙Pに略点状に当接し、この時点から刃本体A922及び刃先AEが貫入距離に対して穿孔距離を増加させながら穿孔されることとなる。
前記刃先AEに囲まれた上方の空間には、図20及び図21に示すように、前記刃本体A922により切り起こされた切起片P11を退避させるための退避空間A924を設けるとともに、この退避空間A924の上方に切起片P11を前記切込刃A91に設けられた窓A911に挿入させるための押し出し部A925を設けている。
この抜き刃A92は、図20に示すように、合成樹脂製の芯材A926と、この芯材A926の外側に被着した板金製の外装材A927とから作られたものである。具体的には、前記刃本体A922は、前記外装材A927の先端に形成されているものであり、前記アームA923は、前記芯材A926と前記外装材A927とにより形成されるものである。前記退避空間A924は、前記芯材A926の下面と前記外装材A927の内側面とによって形成され、前記押し出し部A925は、前記芯材A926の先端縁により形成されている。この押し出し部A925は、平面視部分円弧状に凹陥した形状をなしており、切起片P11を押圧する際にその切起片P11の両側縁を優先的に付勢し得るようになっている。
対をなす抜き刃A92は、図13及び図21に示すように、前記アームA923の先端同士を対面させて配置されたもので、各アームA923を弾性体、例えば、コイルスプリングAS3により下方に付勢することにより、前記刃本体A922が前記軸A921のほぼ真下に配置される穿孔姿勢(H)に保持されるようになっている。その際、前記抜き刃A92の刃本体A922により形成された切込片P11が前記退避空間A924に収容されるように構成されている。したがって、用紙Pの枚数が比較的多い場合にあっても、前記抜き刃A92の穿孔動作が阻害されにくくなる。
そして、替刃ユニットA4が下降する際に、図23に示すように、前記アームA923の下面が前記本体A3に設けられた係止壁A77の上縁に当接するように設定してあり、当接後にさらに替刃ユニットA4が下降することにより、抜き刃A92が前記コイルスプリングAS3の弾性力に抗して回動姿勢(R)にまで回動し得るように構成されている。すなわち、前記抜き刃A92が前記ペーパーベースA8上にセットされた用紙Pを打ち抜き、刃本体A922が抜き板A22の下方側に進入した直後に前記アームA923が前記係止壁A77の上縁に当接するように設定されており、当接した状態で前記抜き刃A92がさらに下降することにより、該抜き刃A92が回動姿勢(R)にまで回動し得るように構成されている。その際、前記抜き刃A92が回動姿勢(R)まで回動するのに伴って、前記押し出し部A925が前記切起片P11を前記切込刃A91の窓A911に挿入するようにしている。
以上のようにしてなる替刃ユニットA4の昇降に伴わせて前記ペーパーベースA8を作動させるようにしている。
前記ペーパーベースA8は、図13及び図16乃至図18に示すように、用紙Pの他面Pbを支持すべく前記ステージA2と本体A3との間に配設されたもので、この後端部A82を前記本体A3の内部ハウジングA32に軸着することにより前記ステージA2から浮き上がった用紙持ち上げ位置(U)と、前記ステージA2に密着する退避位置(D)との間で上下方向に回動し得るようになっている。そして、このペーパーベースA8は前記ステージA2に設けられたコイルスプリングAS1により用紙持ち上げ位置(U)に弾性付勢されている。このペーパーベースA8は、作動ハンドルA5の操作により替刃ユニットA4が降下した際に、前記紙押さえA43により押圧されて前記用紙持ち上げ位置(U)から退避位置(D)まで回動するようになっており、退避位置(D)においてステージA2の隆起部A223を一面Pa側に突出させるための窓A81を備えている。
前記作動ハンドルA5は、図14及び図16乃至図18に示すように、前端A51aを軸A54を介して内部ハウジングA32に回転可能かつ前後方向にスライド可能に支持させ後端に位置する作動端A51bを前記ドライブシャフトA46に接続した基部A51と、この基部A51から上方に延出させたアームA52と、このアームA52に外方端に設けられた取手A53とを具備してなる。
この実施形態においては、本発明の穿孔機構は、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91を保持した替刃ユニットA4と、替刃ユニットA4を下方に押圧して前記抜き刃A92及び切込刃A91を抜き板A22上にセットされた用紙Pに貫入させる作動ハンドルA5とを主体にして構成されている。また、本発明の抜き刃回動機構は、前記抜き刃A92の軸A921を回動可能に支持する下部ブロックA42と、前記抜き刃A92の基端に設けられたアームA923と、前記本体A3に設けられ前記抜き刃A92が下降する際に前記アームA923を受け止めて前記抜き刃A92に回動力を付与する係止壁A77とを主体として構成されている。さらに、刃抜き取り機構は、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91を保持した替刃ユニットA4と、前記本体A3を足場にしてこの替刃ユニットA4を上方に付勢する弾性体たるコイルスプリングAS4とを主体に構成されている。なお、この実施形態のように、替刃ユニットA4と、作動ハンドルA5とを軸A54を介して接続しておけば、刃抜き取り機構の性能をさらに向上させることができる。すなわち、用紙Pの枚数が多くなり、前記コイルスプリングAS4の力だけでは切起片P11を用紙Pの一面Pa側に引き抜くことができない場合でも、前記作動ハンドルA5に、上方への操作力を加えることによって、引き抜きを完了させることが可能となる。また、本発明の圧縮機構は、前記抜き板A22の隆起部A223と、前記本体A3の内部ハウジングA32の底壁A71とを主体に構成されている。
次にこの綴じ機A1の作動を説明する。
作動ハンドルA5を操作しない状態では、図17及び図21に示すように、替刃ユニットA4が上限位置に保持されており、前記抜き刃A92が穿孔姿勢A92(H)を保っている。この状態で、重ね合わせた複数枚の用紙PをペーパーベースA8の上面と内部ハウジングA32の底壁A71との間に形成されている隙間A71cの奥まで挿入する。しかる後に、作動ハンドルA5を下方に操作すると、最初にコイルスプリングAS4が縮み始め、コイルスプリングAS4の付勢力に抗して替刃ユニットA4が下降する。その直後に、紙押さえA43が用紙Pの一面Paに当接し、この用紙PとペーパーベースA8とがステージA2により係止される位置まで押し下げられる。そして、紙押さえA43によって用紙P及びペーパーベースA8がステージA2に押しつけられた状態で前記抜き刃A92及び前記切込刃A91が用紙Pの一面Paに当接する位置まで降下する。この位置から作動ハンドルA5をさらに下方に操作すると、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91が貫入する付近の用紙Pが紙押さえA43によってしっかりと固定された状態のまま、図22に示す状態を経て、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91が前記用紙Pを貫通し、その用紙Pに綴じ孔P1及びカット孔P2が穿孔される。穿孔後さらに、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91が下降すると、図18及び図23に示すように、前記抜き刃A92のアームA923が前記係止壁A77に当接し、該抜き刃A92が回動姿勢A92(R)にまで回動する。その結果、綴じ孔P1から用紙Pの他面Pb側に切り起こされた切起片P11の先端側が切込刃A91の窓A911に挿入される。
ついで、作動ハンドルA5への操作を解除すると、抜き刃A92が回動姿勢A92(R)から穿孔姿勢A92(H)に復帰して、抜き刃A92及び切込刃A91がコイルスプリングAS4の付勢により上昇し、紙押さえA43によって用紙P及びペーパーベースA8が押さえられた状態で、図24に示す状態を経過して図25に示すように切込刃A91及び抜き刃A92が用紙Pから抜き取られる。その際に、切込刃A91の窓A911に挿入されている切起片P11がカット孔P2を通過して用紙Pの一面Pa側に抜き出され、この切込刃A91により複数の用紙Pが結合される。このようにして、抜き刃A92と切込刃A91が用紙Pから抜き取られると、打ち抜き時の荷重により退避位置(D)まで降下していたペーパーベースA8が、コイルスプリングAS1の付勢力により、初期の用紙持ち上げ位置(U)まで上昇し、用紙Pが抜き板A22から離間されることになる。この状態で、用紙Pを綴じ機A1から抜き取れば、その途上において、図26に示すように、前記本体A3の内部ハウジングA32の底壁A71と抜き板A22の隆起部A223との間に形成された狭い隙間A71dに傾斜面A224、A74aの案内作用により強制的に導かれることになり、前記用紙Pの接合部分P3が厚み方向に圧縮変形させられ、前述した冊子Bができあがる。なお、前記コイルスプリングAS4の弾性力のみでは前記抜き刃A92及び前記切込刃A91を用紙Pの一面Pa側に引き抜くことができない場合には、前記作動ハンドルA5を上方に操作してその抜き上げを助勢すればよい。
以上のような構成とすることにより、本実施形態にかかるファイルシステムは、前述した第1の実施形態に係るファイルシステムと同様に綴じ孔P1から切り起こされた切起片P11により複数枚の用紙Pを接合することになり、ステープルの役割をなす切起片P11と用紙Pとが同質の紙製のものとなるため、廃棄する際にステープルを除去する必要がなく、用紙Pから金属製の針等を除去する細かな作業が不要となり、多くの用紙Pを廃棄する場合であっても多大な労力と時間を要することなく廃棄することが可能となる。また、前記切起片P11による接合部分P3が圧縮されて、前記接合部分P3が用紙Pの弾性により接合直後の形態に戻らない状態まで圧縮変形させられているため、接合部分P3が嵩張るのを抑制することができる。そのため、多数の冊子BをファイルFに綴じることが可能となり、ファイリング効率が金属製の針を用いた場合に比べて大幅に低下するという不具合も生じない。
この第2の実施形態における綴じ機A1は、本体A3をステージA2に固定しているので、綴じ機A1全体の剛性を高めることができ、安定した操作が可能になる。
また、各替刃ユニットA4を左右に分離して設けているので、切込刃A91や抜き刃A92の交換を容易に行うことができる上に、本体A3の中央部に空間を形成することができるため、用紙Pの綴じ部を操作者が視認できるように設計することも可能になる。
さらに、切込刃A91の窓A911の下縁に巻き込んで折り曲げる加工を施して円滑案内部A915を形成しているので、切込刃A91の抜き取りに伴って用紙Pの切起片P11が前記窓A911の下縁に摺接する際に、その切起片P11が円滑に案内されることになる。
また、抜き刃A92の押し出し部A925を部分円弧状に凹陥した形状としているので、切起片P11を押圧する際に切起片P11が切込刃A91の窓A911を通過できないほど不当に長くなってしまうという不具合の発生をより効果的に抑制または防止することができる。すなわち、このような構成によれば、抜き刃A92の押し出し部A925で切起片P11を押圧する際に、この切起片P11の両縁部を優先的に押圧することになる。そのため、切起片P11と押し出し部A925とが当接する面積が減ることにより摩擦が減り、切起片P11の基端部に無理な力が作用するのを抑制することができる。そのため、切起片P11の基端部が破断してその長さが不当に長くなることを押さえることができる。
なお、本発明は以上に述べたような実施形態に限らず種々変更可能である。
カット孔P2は一直線状のものに限らず、たとえば、図27に示すように、直線状をなすメインスリットLと、このメインスリットLの両端から一定の角度をもってY字形に屈曲して伸びるサブスリットL1、L2とからなるY字形のカット孔P2を具備するもの、すなわちカット孔P2の両端がY字になったもの、または、図28に示すように、直線状をなすメインスリットLと、このメインスリットLの両端から一方向に屈曲して伸びるサブスリットL1とからなるコ字形のカット孔P2を具備するもの、すなわちカット孔P2の全体がコ字形のもの、或いは図29に示すように、直線状をなすメインスリットLと、このメインスリットLの両端から一方向に屈曲して伸びる第1のサブスリットL1と、前記メインスリットLの両端から他方向に屈曲して伸びる第2のサブスリットL2とからなるH字形のカット孔P2を具備するもの、すなわち全体がH字形のものであってもよい。
また、図27の変形として、図30に示すように、第1のサブスリットL1を第2のサブスリットL2よりも長く設定したものも考えられる。この変形例は、前述した図13乃至図26に示す第二実施形態のカット孔P2に準じたものである。
さらに、図31に示すカット孔P2は、図29に示すカット孔P2に準じたものであり、第1のサブスリットL1の先端間の距離を第2のサブスリットL2の先端間の距離よりも短く設定したほぼH字形をなすものである。図32に示すカット孔P2は、同じく図29に示すカット孔P2に準じたものであり、第1のサブスリットL1の先端間の距離を第2のサブスリットL2の先端間の距離よりも長く設定したほぼH字形をなすものである。図33に示すカット孔P2は、図27に示すカット孔P2に準じたものであり、第1のサブスリットL1の先端間の距離及び第2のサブスリットL2の先端間の距離をメインスリットLよりも短く設定したものである。
以上のように、前記メインスリットLに対するサブスリットL1、L2のなす角度は、90度、90度よりも大きなもの、或いは90度よりも小さなもの等種々のものが考えられるが、その具体的な角度は図示例のものに限定されないのはもちろんである。
このようなものであれば、カット孔P2の巾寸法に対して切起片P11の巾寸法を十分に小さくする必要がなくなる。つまり、カット孔P2の直線状をなすメインスリットLの両端に切り込み用のサブスリットL1、L2が形成されるため、複数枚の切起片P11であってもカット孔P2を通過させることができるとともに、カット孔P2の巾寸法とほぼ同じ大きさの巾寸法に切起片P11を設定することができるため、切起片P11の横ずれやそれに伴う切起片P11のカット孔P2からの外れを抑制することができる。換言すれば、カット孔P2がこのようなコ字形やH字形であれば、カット孔P2が一直線状のものと比較してメインスリットLの寸法を小さく設定することができる。そのため、切込片P11が横ずれを生じたり、横ずれに伴ってカット孔P2付近の用紙Pが破れたりすることを抑制できる。また、用紙Pが比較的厚みを有する場合や、用紙Pの枚数が多い場合であっても、メインスリットLとサブスリットL1、L2とにより囲まれた舌片部P4、P5が切込刃91の引き抜き時に用紙Pの厚み方向に変形することになるので、より軽い操作力で作動ハンドル5を引き上げることができる。すなわち、作動ハンドル5へ反発力を与えるコイルスプリングをそれほど強力なものとする必要がなくなる。
前記コ字形又はH字形のカット孔P2を形成するための切込刃91としては、図34、図35、図38、図41、図44及び図47に示すものを挙げることができる。
すなわち、切込刃91が、先端側に設けられた刃本体912と、該刃本体912の上方に設けられ複数枚のシート体たる用紙Pから打ち抜かれた切込片P11を通過させるための窓911と、該窓911の両側辺を境界として厚み方向に折り曲げた折り曲げ部D1、D2とを具備していることを特徴とする。換言すれば、前記切込刃91は、板金素材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより作られたものであり、メインスリットLを形成するためのメインブレードDと、サブスリットL1、L2を形成するためのサブブレードD1、D2とを具備してなる。前記メインブレードDは、先端側に設けられた刃本体912と、中間部に幅方向いっぱいに設けられた窓911とを有し、前記サブブレードD1、D2は、前記メインブレードDの両側縁から直角に折り曲げて形成されたものである。
ここで、前記刃本体912の形状は、下端部から両側に一定の角度をもって上方へ延伸する略V字形のものや、下端部から曲線状に上方へ延伸する略U字形のものであってもよく、その他種々変更可能である。また、厚み方向とは窓911の開口方向を指し、窓911の開口面から一方向に折り曲げるもののみならず、両方向に折り曲げるものであってもよい。さらにその折り曲げ角度は、種々変更可能であるが、厚み方向に直角に折り曲げればコ字形やH字形のカット孔P2を形成することができ、厚み方向に90度未満の角度で折り曲げればY字形のカット孔P2を形成することができる。
このようなものであれば、複数枚の用紙PにメインスリットL及びそのメインスリットLの両端から直角方向に屈曲して伸びるサブスリットL1、L2を有するカット孔P2を作成することができる。特に、サブブレードD1、D2が前記窓911の両側辺を境界にして直角に折り曲げて形成されているので、前記メインスリットLの寸法と、前記用紙Pから打ち抜かれた切起片P11の巾寸法とを略同じ寸法に設定することができる。したがって、カット孔P2が一直線状のものと比較してメインスリットLを小さく設定することができる。さらに、該切込片P11の横ずれ及びそれに伴うカット孔P2付近の用紙Pの破れ等を抑制することも可能となる。前記切込刃91は、綴じ孔P2が複数の場合に適用できるのはもちろんであるが、横ずれの発生しやすい綴じ孔P2を1つのみ設ける場合に特に有効である。また、用紙Pが比較的厚みを有する場合や、用紙Pの枚数が多い場合であっても、メインスリットLとサブスリットL1、L2とにより囲まれた舌片部P4、P5が切込刃91の引き抜き時に用紙Pの厚み方向に変形することになるので、より軽い操作力で作動ハンドル5を引き上げることができる。すなわち、作動ハンドル5へ反発力を与えるコイルスプリングをそれほど強力なものとする必要がなくなる。
(H字形)具体的には、直線状をなすメインスリットLと、このメインスリットLの両端から一方向に屈曲して伸びる第1のサブスリットL1と、前記メインスリットLの両端から他方向に屈曲して伸びる第2のサブスリットL2とからなるH字形のカット孔P2を形成するための切込刃91としては、図34に示すものを挙げることができる。すなわち、この切込刃91は、1枚の板金素材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより作られたもので、前記メインスリットLを形成するためのメインブレードDと、前記第1サブスリットL1を形成するための第1サブブレードD1と、前記第2サブスリットL2を形成するための第2サブブレードD2とを具備してなる。前記メインブレードDは、抜き刃92を受け入れるための窓911を介して上ブレード部Daと刃本体912を有する下ブレード部Dbとに分断されており、その上ブレード部Daと下ブレード部Dbとは第1サブブレードD1により構造的に連結されている。第1サブブレードD1は、その基端縁が前記メインブレードDの両側縁に直角折曲線部Dcを介して一体に連続するもので、この第1サブブレードD1の基端縁における前記窓911に対応する部分に、前記第2サブブレードD2が面一に連続形成されている。すなわち、この第2サブブレードD2は、板金素材を前記直角折曲線部Dcで折り曲げることにより、前記窓911から切り起こされたものである。このように、第1サブブレードD1及び第2サブブレードD2がそれぞれ1枚のメインブレードDの折り曲げ加工により形成されているため、切込刃91全体の強度を確保することができる。また、この切込刃91のメインブレードD基端側には、この切込刃91と前記抜き刃に設けられたアーム923との干渉を防止するための前記アーム923が通る貫通孔913が形成されている。
(コ字形)また、直線状をなすメインスリットLと、このメインスリットLの両端から一方向に屈曲して伸びるサブスリットL1とからなるコ字形のカット孔P2を形成するための切込刃91としては、図35に示すものを挙げることができる。すなわち、この切込刃は、1枚の板金素材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより作られたもので、前記メインスリットLを形成するためのメインブレードDと、前記サブスリットL1を形成するための折り曲げ部であるサブブレードD1とを具備してなる。前記メインブレードDは、用紙Pから打ち抜かれた切起片P11及び抜き刃92を受け入れるための窓911を介して上ブレード部Daと刃本体912を有する下ブレード部Dbとに分断されており、その上ブレード部Daと下ブレード部DbとはサブブレードD1により構造的に連結されている。サブブレードD1は、その基端縁が前記メインブレードDの両側縁に直角折曲線部Dcを介して一体に連続形成されている。また、この切込刃91のメインブレードD基端側には、この切込刃91と前記抜き刃92に設けられたアーム923との干渉を防止するための前記アーム923が通る貫通孔913が形成されている。
なお、切込刃A91は前述したような両刃構造に限られない。たとえば、切込刃A91の刃本体A912、すなわちメインブレードADに形成された刃並びに、第1サブブレードAD1及び第2サブブレードAD2に形成された刃をそれぞれ、素材の厚み方向外側にのみ刃先を有した外刃構造としたり、素材の厚み方向内側にのみ刃先を有した内刃構造としてもよい。前記外刃構造であれば、コ字形またはH字形に折曲げ加工した場合であっても、カット孔P2の切り口を途切れのない連続したものにすることができるので、切り口の見栄えをよくすることができる。しかしながら、外刃構造であると刃先の全長距離が長くなるため、前記切込刃を用紙に貫入する際に抵抗が大きくなるという問題がある。一方、切込刃A91を内刃構造とすれば、前記切込刃A91を用紙Pに貫入する際に抵抗が大きくなるという問題を解消することができる。しかしながら、内刃構造であるとカット孔P2に途切れが生じるためカット孔P2の切り口の見栄えが悪くなってしまうだけでなく、第1サブブレードAD1及び第2サブブレードAD2間の前後離間距離に対してカット孔P2のサブスリットL1、L2間距離が切込刃A91の厚み分だけ小さくなってしまうという問題も生じる。すなわち、第2実施形態に示すように素材の厚み方向中央に刃先を有した両刃構造であれば、上述したような問題を一気に解消することができるとともに、外刃構造や内刃構造のように片側のみに刃先を有するもので生じやすい刃の反りの問題を抑制することもできる。
また、抜き刃92についても、本実施形態のものに限られない。
例えば、綴じ孔P1を穿設する用紙Pの枚数を多くすると、穿孔するために必要な力は大きくなるが、特に、本第一実施形態における抜き刃92を用いるならば、抜き刃92の刃本体922が用紙Pに最初に貫入される際には、一旦刃本体922の一部が貫入されて綴じ孔P2を徐々に形成していく際に比べて大きな力が必要となる。換言すれば、作動ハンドル5を押圧するときに、抜き刃92の刃本体922が用紙Pに最初に接触する際に用紙Pから受ける反発力が過大になる一方、その後刃本体922が貫入されていくと急激に反発力が弱まる。そのため、操作性における違和感を生じる場合がある。
このような問題を解決するために、抜き刃92を次のようなものにすることが好ましい。すなわち、抜き刃92が、先端側に設けられた刃本体922と、基端側に設けられた軸921と、この軸921により抜き刃92を回動させるためのアーム923とを具備してなるものであって、前記刃本体922が刃尖端部E1において最も鋭利となるようにすることを特徴とする。換言すれば、水平に配置された抜き板22に対して刃本体922の刃先Eに傾斜、すなわち入射角を持たせており、前記入射角の角度(以下、「入射角度θ」という)が刃尖端部E1において最も大きくなるようにしている。
ここで、刃尖端部E1とは、刃本体922のうち用紙Pに最初に貫入される部分をいう。さらに、刃尖端部E1における入射角度θは、刃本体922の他の部分E2における入射角度θよりも大きいものに限らず、刃先Eが刃尖端部E1から一定の入射角度θを有するものであってもよい。
このようなものであれば、綴じ孔P1を穿孔し始めるとき、つまり用紙Pに抜き刃92が接触し始めるときに作動ハンドル5に加える操作力を比較的小さくすることができる。また、刃尖端部E1が用紙Pに一旦貫入されれば、その後は適度な反発力が保たれながら先に貫入された部分に追従していくので、作動ハンドル5を押圧するときの反発力が強弱することがなくなり、操作性における違和感を解消することができる。
また、前記抜き刃92には、前記刃本体922の上方にこの刃本体922により切り起こされた切起片P11を退避させるための退避空間924を設けるとともに、この退避空間924の上方に切起片P11を前記切込刃91に設けられた窓911に挿入させるための押し出し部925を設けることが好ましい。このようなものであれば、用紙Pの枚数が比較的多い場合であっても、抜き刃92の刃本体922により形成された切込片P11が前記退避空間924に収容されるため、抜き刃92の穿孔動作が阻害されるのを抑制することができる。また、前記退避空間924に一旦収容された切起片P11が、前記抜き刃92の回動に伴って前記押し出し部925により前記切込刃91の窓911に挿入されることとなる。
具体的には、図36乃至図47に示すような抜き刃を挙げることができる。
(現時点)第2実施形態に示す抜き刃は、芯材と外装材から形成されるものであったが、これに限られず、以下に示すように、抜き刃全体が金属により形成されるものであってもよい。すなわち、この抜き刃92は、図36乃至図38に示すように、基端部に軸921を有するとともに先端に前記綴じ孔P1を打ち抜くための刃本体922を備えたもので、その軸921が替刃ユニット4の天壁に設けた抜き刃保持部412に着脱可能に支持されている。前記抜き刃92の基端には、該抜き刃92を回動させるためのアーム923が突出させてある。
前記刃本体922は、前記抜き刃92の下端部に設けられており、底面視U字形に連続する刃先Eを有している。この刃先Eは、なめらかな曲線で結ばれる曲線的形状に形成されており、抜き刃92が貫入されるに伴って、前記抜き刃92と前記抜き板22との接触位置における抜き板22に対する角度が変化する傾斜を備えている。また、この傾斜部分のうち用紙Pに最初に貫入される刃尖端部E1を具備してなる。換言すれば、この刃尖端部E1において刃先Eが抜き板22に対してなす入射角度θが、刃本体922の他の部分E2における入射角度θよりも大きく設定してある。したがって、前記刃本体922を用紙Pに対して貫入させるときには、まず刃尖端部E1が用紙Pに略点状に当接し、この時点から刃本体922及び刃先Eが貫入距離に対して穿孔距離を増加させながら穿孔されることとなる。
前記刃先Eに囲まれた上方の空間には、前記刃本体922により切り起こされた切起片P11を退避させるための退避空間924を設けるとともに、この退避空間924の上方に切起片P11を前記切込刃91に設けられた窓911に挿入させるための押し出し部925を設けている。
対をなす抜き刃92は、前記アーム923の先端同士を対面させて配置されたもので、前記両アーム923を共通の弾性体、例えば、コイルスプリングS3により下方に付勢することにより、前記刃本体922が前記軸921のほぼ真下に配置される穿孔姿勢(H)に保持されるようになっている。その際、前記抜き刃92の刃本体922により形成された切込片P11が前記退避空間924に収容されるように構成されている。したがって、用紙Pの枚数が比較的多い場合にあっても、前記抜き刃92の穿孔動作が阻害されにくくなる。
そして、替刃ユニット4が下降する際に、前記アーム923の下面が前記本体3に設けられた係止壁77の上縁に当接するように設定してあり、当接後にさらに替刃ユニット4が下降することにより、抜き刃92が前記コイルスプリングS3の弾性力に抗して回動姿勢(R)にまで回動し得るように構成されている。すなわち、前記抜き刃92が前記用紙受け面61にセットされた用紙Pを打ち抜き、刃本体922が抜き板22の下方側に進入した直後に前記アーム923が前記係止壁77の上縁に当接するように設定されており、当接した状態で前記抜き刃92がさらに下降することにより、該抜き刃92が回動姿勢(R)にまで回動し得るように構成されている。その際、前記抜き刃92が回動姿勢(R)まで回動するのに伴って、前記押し出し部925が前記切起片P11を前記切込刃91の窓911に挿入するようにしている。
なお、前記抜き板22は、前記抜き刃92が通過する穿孔部221と、前記切込刃91が通過する通過孔222とを備えた金属性のもので、この抜き板22の下には抜き刃92及び切込刃91の挿入及び挿入された抜き刃92の回動を許容するための空洞24が形成されているものである。本変形例にかかる抜き板22の通過孔222は、例えば、H字形のカット孔P2を形成するための切込刃91を用いることを想定しており、第1サブブレードD1及び第2サブブレードD2の巾寸法に対応した寸法に設定してある。
(センターエッジ)さらに、このような抜き刃92の変形例としては、図39乃至図41に示すように、底面視くの字形に連続する刃先Eを有しており、切起片P11の先端形状が三角形になるように綴じ孔P1を穿孔する抜き刃92が考えられる。当該抜き刃92を使用する際の抜き板22は、図41に示すように、前記穿孔部221の両端が抜き刃92の底面視形状に対応した角部を有するものが好ましい。
(コーナーエッジ)また、他の変形例としては、図42乃至図44に示すように、底面視コ字形に連続する刃先Eを有しており、切起片P11の先端形状が四角形になるように綴じ孔P1を穿孔する抜き刃92が考えられる。当該抜き刃92を使用する際の抜き板22は、図44に示すように、前記穿孔部221の両端が抜き刃92の底面視形状に対応した角部を有するものが好ましい。
(3エッジ)さらに、他の変形例として、図45乃至図47に示すように、底面視U字形に連続する刃先Eを有している。この刃先Eは、曲線的形状と直線的形状が組み合わされて形成されており、抜き刃92が貫入されるに伴って、前記抜き刃92と抜き板22との接触位置における抜き板22に対する角度が変化する傾斜を備えている。また、この傾斜部分のうち用紙Pに最初に貫入される刃尖端部E1、及び前記刃尖端部E1が貫入されると略同時又は少し遅れて用紙Pに貫入される第二の刃尖端部E3を2箇所に具備してなる。この刃尖端部E1において刃先Eが抜き板22となす入射角度θが、刃本体922の他の部分E2における入射角度θよりも大きく設定してある。
なお、以上説明した実施形態の切込刃A91は、用紙Pから抜き取る際に用紙Pとのひっかかりを可及的に少なくするという常識に沿った形態をなすものであったが、図48に示すように、抜き取り時に積極的に用紙Pとのひっかかりを惹起させるようなものにしてもよい。すなわち、常識に沿った切込刃A91は、抜き取り時に用紙Pに対して円滑に摺動するためスリットLの縁が下面、すなわち他面Pb側に没入したままで用紙Pから抜きとられることになる。ところが、スリットLの縁が他面Pb側に没入した状態で多数枚の用紙Pの切起片P11をそのスリットLに貫入させようとすると、大きな抵抗となる。ところが、図48に示すように、切込刃A91の例えばサブブレードAD1、AD2の内側に挿入時には抵抗が少なく、抜き取り時には用紙Pとのひっかかりを惹起させるような突起T1を設けておけば、抜き取り時にスリットLの縁が上面、すなわち一面Pa側に反転することになり、そのスリットLに切起片P11を容易に貫入させることが可能になる。具体的には、この突起T1は、下方に向かって漸次横断面形状が小さくなるような形態をなしている。より具体的には、この突起T1は、先端を下方に向けた三角錐形状をなしている。このような突起T1は、前記舌片部P4、P5とのひっかかりを惹起させる場所に設けるのが好ましく、図48に示す切込刃A91においては、第1サブブレード部AD1、第2サブブレード部AD2の内面にそれぞれ対をなすように設けている。なお、突起T1の数及び位置はこれに特に限定されるものでなく、突起T1を一つのみ設けるものや、上下方向に複数配置したものであってもよい。
また、以上説明した実施形態においては、抜き刃A92の先端に形成された押し出し部A925で切起片P11を押圧するようなものについて説明したが、図48に示すように、抜き刃A92に回動初期において前記押し出し部A925による押圧に先立って切起片P11の基端部を押圧する突起T2を設けてもよい。用紙Pの処理枚数が比較的少ない場合には、このように切起片P11の基端部を事前に180度近く折曲げて折りぐせをつけておけば、前記切起片P11を引き上げてスリットLを通過させるときの力を軽減させることができる。
さらに、図48に示すように、前記押し出し部A925の上部に、前記抜き刃A92が穿孔姿勢(H)から回動姿勢(R)に移る際、その抜き刃A92の金属製外装材A927の先端上縁A927aが直接用紙Pに接触するのを防ぐ樹脂接触部A928を設けるものであってもよい。上述したような綴じ機A1をある程度長期間使用していると、部品等の摩耗により抜き刃A92の前後方向位置にずれが生じ得る。このような場合には、本来、前記押し出し部A925で押し出していた切起片P11が、押し出し部A925の両側に配される金属製外装材A927の先端上縁A927aに接触して押し出される可能性が高くなり、この先端上縁A927aによって切起片P11を傷つけてしまうことが考えられる。しかしながら、前記先端上縁A927aに前記樹脂接触部A928を設けておけば、前記抜き刃A92の位置にずれが生じた場合であっても、前記樹脂接触部A928が抜き刃A92の先端上縁A927aに先行して用紙Pの切起片P11に接触されるようにしているので、切起片P11を傷つけてしまうことを防止することができる。
また、このような樹脂接触部A928を設ける代わりに、前記抜き刃A92の金属製外装材A927の先端上縁A927aに丸みを付けて角張った部分をなくすようにしてもよい。
円滑案内部は、前記窓の下縁に余剰素材を下方に巻き込んで折り曲げることによって形成されたものの他、窓の下縁を削る等して丸みを持たせたり、窓の下縁に別体を取り付ける等して、前記窓の下縁が角張った状態のままとなることを抑制し、用紙が傷ついたり破れたりすることを防ぐことができるものであれば、種々変更可能である。
さらに、抜き刃は、芯材と外装材とからなるものに限られず、金属素材を削り出しによって一体形成するものであってもよい。
冊子は、複数枚の用紙を束ねてなるものに限られず、例えば複数のプラスチック製のシート体を束ねてなるもの等であってもよく、同質の材料により作られた複数枚のシート体であれば種々変更可能である。
綴じ桿は、比較的剛性のあるパイプ状のもの、弾性変形可能な線状のもの、或いは、フレキシブルな紐状のもの等種々変更可能であり、また上述したような2つの桿を有するものだけでなく、1つのものであってもよい。さらに、綴じ孔の数も2つには限られない。本実施形態にかかるファイルシステム及び綴じ機は、綴じ孔が複数の場合に適用できるのはもちろんであるが、綴じ孔を1つのみ設ける場合にも有効である。すなわち、綴じ孔が複数の場合に比べて、綴じ孔が1つしかない場合にはその綴じ孔を中心として用紙相互間に回転方向のずれが生じたり、そのずれに伴ってカット孔付近の用紙が破れたりしやすいが、このような不具合を効果的に抑制することができる。
また、綴じ孔の形状、大きさも実施形態に示したものに限られず種々変更可能である。
以上、本実施形態について詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
B…冊子
P…用紙
Pa…一面
Pb…他面
P1…綴じ孔
P11…切起片
P2…カット孔
P3…接合部分
F…ファイル
F1…表紙
F2…綴じ具
F21…綴じ桿
1、A1…綴じ機
2、A2…ステージ
22、A22…抜き板
91、A91…切込刃
911、A911…窓
92、A92…抜き刃
(H)…穿孔姿勢
(R)…回動姿勢

Claims (7)

  1. 同質の材料により作られた複数枚のシート体に綴じ孔を形成するとともにその綴じ孔から切り起こされた切起片を用いてそれら複数枚のシート体を相互に接合してなる冊子と、前記綴じ孔を利用して前記冊子を綴じるファイルとを備えてなり、前記冊子の接合部分が厚み方向に圧縮変形させられていることを特徴とするファイルシステム。
  2. 前記ファイルが前記冊子と同質の材料により作られたものである請求項1記載のファイルシステム。
  3. 前記シート体が、用紙であり、前記ファイルが、紙製の表紙と、この表紙に添え設けられた紙製の綴じ具とを備えたものである請求項1又は2記載のファイルシステム。
  4. 前記各シート体に複数の綴じ孔をそれぞれ設けたものであって、前記綴じ孔を綴じ具の綴じ桿ピッチに対応させて形成している請求項1、2又は3記載のファイルシステム。
  5. 重ね合わせた複数枚のシート体に、一端に切起片を残存させた綴じ孔と、前記綴じ孔の一端近傍に設けた引き上げ用カット孔とをそれぞれ設け、それらシート体の切起片を前記引き上げ用カット孔に貫通させてそれらシート体同士を接合している請求項1、2、3又は4記載のファイルシステム。
  6. 前記請求項1記載のファイルシステムに使用される冊子であって、同質の材料により作られた複数枚のシート体に綴じ孔を形成するとともにその綴じ孔から切り起こされた切起片を用いてそれら複数枚のシート体を相互に接合してなり、その接合部分が圧縮変形させられていることを特徴とする冊子。
  7. 前記請求項1記載の冊子を作るための綴じ機であって、穿孔姿勢から回動姿勢までの間で回動可能に設けられ穿孔姿勢において綴じ孔を形成し得る抜き刃と、この抜き刃に隣設され回動姿勢に回動した抜き刃を受け入れるための窓を有した切込刃と、前記抜き刃及び切込刃の先端にシート体を対面保持させるためのステージと、このステージに設けられ前記抜き刃と協働してステージ上のシート体に綴じ孔を形成する抜き板と、前記ステージ上に保持されたシート体に一面側から前記抜き刃及び前記切込刃を貫入させる穿孔機構と、シート体を貫通した抜き刃を回動姿勢まで回動させて綴じ孔から他面側へ切り起こされた切起片を前記切込刃の窓に挿入させるための抜き刃回動機構と、前記窓に切起片を保持した切込刃を切起片とともにシート体の一面側に抜き出させる刃抜き取り機構と、切起片が引き上げ用カット孔を貫通してなる接合部分を厚み方向に圧縮変形させる圧縮機構とを備えた綴じ機。
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