JP5463605B2 - 綴じ機 - Google Patents

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Description

本発明は、複数枚のシート体を接合することができる綴じ機に関するものである。
従来、複数枚の用紙等のシート体を綴じることができるものとして、金属製のステープルを用いて複数枚のシート体を綴じる、いわゆるステープラと呼ばれているものは別のものとして、シート体自体の構成のみを利用することによって、複数枚のシート体を綴じることができる綴じ機が提案されている。
具体的には、複数枚のシート体の一部を切り起こした切起片によりシート体を互いに係り合わせることにより、接合することができる綴じ機が種々提案されている(たとえば、特許文献1参照)。このようなものは、複数枚のシート体のみで綴じ込みを完了させることができるために、当該複数枚のシート体の廃棄時などにおける分別の手間を有効に省くことができるという利点を有している。
特許第3546240号公報
しかしながら、上述の特許文献に記載したようなものは、複数枚のシート体を接合した接合部分は、複数枚のシート体を切り起こした切起片を折り返してシート体の他の部分に重層させる構成となる。そのため、多数のシート体を綴じる場合には綴じた接合箇所の厚みが大きくなる傾向にある。その結果、綴じられた複数枚のシート体の接合部分が、他の物品や手指に掛かったりした場合には、切起片が引っ掛かるなどして、接合部分の接合がずれてしまったり、接合が解除されてしまったりといったことが起こり得る。また、このような綴じたシート体を積層した場合には、接合した箇所のみが他の箇所よりもさらに厚くなってしまうという不具合も招来している。
そして特にこれらのような不具合は、綴じようとするシート体の枚数が多くなる場合や厚みが大きいシート体を接合する場合など、すなわち複数枚のシート体の厚みの合計寸法が大きくなる場合には特に顕著に起こり得るものとなっている。このようなことから、従来における斯かる構成の綴じ機で綴じるシート体の厚み寸法は自ずと大きいままとなっているのが現状である。
本発明は、このような不具合に着目したものであり、複数枚のシート体を綴じる際に接合させた接合部分の接合状態を接合後も厚みを薄くしながら有効に保持することができる綴じ機を提供する。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る綴じ機は、重ね合わせた複数枚のシート体を切り起こし、切り起こした切起片を用いてそれら複数枚のシート体を相互に接合して綴じ得る綴じ機であって、前記複数枚のシート体を相互に接合させた接合部分を厚み方向に圧縮変形し得る圧縮機構を具備してなる。
ここで圧縮変形とは、前記接合部分がシート体の弾性により接合直後の形態に戻らない状態まで変形させることを意味している。
このようなものであれば、接合部分が厚み方向に圧縮変形されることによって切起片が膨らんでしまうことによる接合部分が厚くなってしまい他の物品や手指に引っ掛かってしまうといった不具合が有効に回避されるので、接合部分の接合状態を安定して保持し得るものとすることができる。また綴じられた複数のシート体は、圧縮されることで接合部分が過度に厚み寸法が大きくなることを有効に抑制されるので、別体のファイルにも綴じ易いものとなるので、既存のファイリングシステムにも有効に適用させ得るとともに、綴じたシート体を接合させた場合でも接合部分が過度に厚くなってしまう不具合を有効に回避し得るものとすることができる。
上述のとおりファイリングシステムに、さらに有効に適用させるためには、前記切起片を形成する際に、前記複数枚のシート体に綴じ孔を形成し得るものとして、パンチを使用する手間を有効に省き得るものとすればよい。
具体的には、綴じ孔を複数形成し得るものとして、ファイルに綴じるための綴じ機の綴じ動作を有効に減らし得るものとすればよい。さらに望ましくは、前記各シート体に複数の綴じ孔をそれぞれ設け得るものであって、前記綴じ孔を綴じ具の綴じ桿ピッチに対応させて穿設するものとして、綴じ機の綴じ動作を1回のみでファイリングし得るものとすればよい。そして既存のファイリングシステムに具体的に適用させ得る一例としては、一対の綴じ孔を形成し得るものであり、両綴じ孔の内方端部を部分円形状に設けてなり、当該円形状の仮想の中心を80mm離間させてなるものを挙げることができる。
そして、複数のシート体を確実に綴じる具体的な構成として、重ね合わせた複数枚のシート体に、一端に切起片を残存させた綴じ孔と、前記綴じ孔の一端近傍に設けた引き上げ用カット孔とをそれぞれ設け、それらシート体の切起片を前記引き上げ用カット孔に貫通させてそれらシート体同士を接合しているものを挙げることができる。
そして、シート体を圧縮する手間を使用者に感じさせないようにして綴じ機の作業を使用者にとって簡単なものとするために本発明は、圧縮機構を、前記接合部分を形成した後に前記複数枚のシート体を抜出させる動作を利用して接合部分を圧縮変形することを特徴としている
前記圧縮機構を、シート体の接合部分を厚み方向に弾性付勢する弾性付勢手段を有する押圧圧縮機構とすれば、綴じようとするシート体の枚数、すなわち接合部分の厚みに拘わらず、所定の力で確実に押圧することができる。
そして簡素な構成でシート体を圧縮し得る構成とするためには、この押圧圧縮機構を、前記複数枚のシート体に接し得るローラ及び当該ローラを前記シート体へ向けて弾性付勢する弾性体を有する前記弾性付勢手段と、前記シート体を前記ローラに対向する方向から支持し得るシート受け面とを有するものとすることが望ましい。
さらに、接合部分を確実に圧縮するためには、前記切起片を前記ローラに案内する案内面をさらに設けることにより、ローラがより正確に作動し得るものとすることが望ましい。
そして、ローラが確実かつ正確に切起片を押圧するための構成として、前記ローラが、前記シート体を押圧する外周面と、当該外周面からテーパ状に窄ませて設けられ、前記切起片を前記外周面の巻き込み案内する巻込部とを有しているものと挙げることができる。
また他方、本発明の圧縮機構が上述の効果を奏するためには、綴じようとするシート体の枚数が多いか、或いは厚み寸法が大きい程、より強い圧縮力を必要とする。つまりその点をより大きく考慮する場合は本発明の圧縮機構を、厚み方向に所定間隔離間した箇所で対面することにより所定寸法を有する挟圧隙間を形成する固定された対をなす挟圧面を有し、接合部分を前記挟圧隙間を通過させることにより圧縮する挟圧圧縮機構とすれば良い。そうすることにより、綴じようとするシート体の枚数が多いことを含め、接合部分の厚み寸法が大きいほど圧縮前の接合部分の寸法が狭圧隙間の寸法よりも相対的に大きくなるので、接合部分が狭圧隙間を通過する際には、より強い力で圧縮されることとなる。
そして斯かる圧縮をよりスムーズに行なわせるためには、この挟圧圧縮機構が、前記接合部分を前記挟圧隙間へ案内するための傾斜面を有したものであると望ましい。
そして、上述の効果を有効に奏し得る本発明に係る綴じ機の具体的な構成として、穿孔姿勢から回動姿勢までの間で回動可能に設けられ穿孔姿勢において切起片を形成し得る抜き刃と、この抜き刃に隣設され回動位置に回動した抜き刃を受け入れるための窓を有した切込刃と、前記抜き刃及び切込刃の先方にシート体を保持するためのステージと、このステージに設けられ前記抜き刃と協働して前記切起片を形成する抜き板と、前記ステージに保持されたシート体に表面側から前記抜き刃及び前記切込刃を貫入させる穿孔機構と、シート体を貫通した抜き刃を回動姿勢まで回動させて前記切起片を前記切込刃の窓に挿入させるための抜き刃回動機構と、前記窓に切起片を保持した切込刃を切起片とともにシート体の表面側に抜き出させる刃抜き取り機構と、切起片が引き上げ用カット孔を貫通する接合部分を当該接合部分を形成した後に前記複数枚のシート体を抜出させる動作を利用して厚み方向に圧縮変形させる圧縮機構とを備えた綴じ機を挙げることができる。
本発明によれば、圧縮機構を設けることによって圧縮されることによって切起片が膨らんでしまうことによる接合部分が他の物品や手指に引っ掛かってしまうといった不具合が有効に回避されるので、接合部分の接合状態を安定して保持し得るものとすることができる。また綴じられた複数のシート体は、圧縮されることで厚み寸法が大きくなることを有効に抑制されるので、別体のファイルにも綴じ易いものとなるので、既存のファイリングシステムにも有効に適用させ得る綴じ機を提供することができる。また本発明によれば綴じたシート体の積層させた場合にも接合部分の厚みが過度に厚くなることを有効に回避し得るものとなる。
本発明の第一実施形態を示す冊子の平面図。 同実施形態の冊子の接合部分の一部を拡大して示す断面図。 同実施形態の冊子をファイルに綴じた使用状態を示す斜視図。 同実施形態の綴じ機の全体概略図。 同実施形態の綴じ機の平面概略図。 作動ハンドルを操作しない状態の図5におけるA−A線断面図。 作動ハンドルを押圧した状態の図5におけるA−A線断面図。 同実施形態の穿孔機構及び密着機構を示す概略図。 同実施形態の穿孔機構及び密着機構を示す概略図。 同実施形態の回動機構を示す概略図。 同実施形態の刃抜き取り機構及び密着解除機構を示す概略図。 同実施形態の圧縮機構を示す概略図。 同実施形態の密着解除機構を示す概略図。 同実施形態の密着解除機構を示す概略図。 同実施形態の圧縮機構を示す概略図 同実施形態の圧縮機構を示す概略図。 本発明の第二実施形態の綴じ機の全体概略図。 同実施形態の綴じ機の平面概略図。 同実施形態の内部ハウジングを示す平面図。 同実施形態の綴じ機の要部を示す概略図。 作動ハンドルを操作しない状態の図18におけるY−Y線断面図。 作動ハンドルを押圧した状態の図18におけるY−Y線断面図。 同実施形態の切込刃を示す斜視図。 図17におけるZ−Z線断面図。 同実施形態の穿孔機構を示す概略図。 同実施形態の穿孔機構を示す概略図。 同実施形態の回動機構を示す概略図。 同実施形態の刃抜き取り機構を示す概略図。 同実施形態の刃抜き取り機構を示す概略図。 同実施形態の圧縮機構を示す概略図。 同実施形態の圧縮機構を示す図29に対応した概略図。 同実施形態の圧縮機構を示す他の概略図。 同実施形態の圧縮機構を示す図30に対応した概略図。
<第一実施形態>
以下、この発明の第一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る綴じ機1は、図1ないし図3に示すように、1冊又は複数冊の冊子BをファイルFにより綴じるようにしたファイルシステムに好適に適用され得るものである。
冊子Bは、図1及び図2に示すように、同質の材料により作られた複数枚のシート体、例えば、複数枚の用紙Pを束ねてなるもので、それらの用紙Pは綴じ元側に設定した二ヵ所の接合部分P3において相互に接合されている。各接合部分P3は、用紙Pの一面Pa側から貫入させた抜き刃92により各用紙Pに形成された綴じ孔P1と、前記綴じ孔P1に隣接させて前記各用紙Pに形成された引き上げ用カット孔P2と、前記綴じ孔P1から用紙Pの裏面Pb側に切り起こされた切起片P11とから構成されている。そして、前記切起片P11の先端側を、前記カット孔P2を貫通させて前記用紙Pの一面Pa側に導出させることによって、前記複数枚の用紙Pの綴じ元側が相互に接合されている。前記綴じ孔P1は、一端が半円弧状をなすとともに他端が前記切起片P11の基端に連続する長孔状のものである。対をなす綴じ孔P1は、他端同士を対向させて配されており、最も離間する一端同士の距離を前記ファイルFの綴じ桿F21ピッチに対応させてある。具体的には、例えば、前記両綴じ孔P1における一端の曲率中心間の距離を、ファイルFの綴じ桿F21ピッチである80mmに設定するとともに、綴じ孔P1の幅寸法を前記綴じ桿F21の幅寸法に対応させて6mm強に設定してある。
ファイルFは、図3に示すように、冊子Bと同質の材料により作られている。具体的には、紙製の表紙F1と、この表紙F1に添え設けられた紙製の綴じ具F2とを備えたものである。前記表紙F1は、表表紙F11と、背表紙F12と、裏表紙F13と、前記背表紙F12及び裏表紙F13の間に形成された折曲げ装着部F14とを具備してなるもので、一枚の厚紙を折曲げて作られている。前記綴じ具F2は、例えば、特開2005‐35265号公報に示されるように、前記折曲げ装着部F14に設けられ前記冊子Bの綴じ孔P1に挿入される対をなす綴じ桿F21と、これら綴じ桿F21の冊子B貫通端側を保持する綴じ板部材F22とを具備してなるもので、前記綴じ桿F21及び綴じ板部材F22はそれぞれ紙により作られている。
このようなファイルシステムであれば、冊子BもファイルFも紙により作られているため、廃棄する際に異なった材質の部品同士を分別する必要が全くない。したがって、かかるファイルシステムを採用しておけば、保管期間が終了して廃棄する場合等においても、複数の用紙Pのみからなる冊子BとファイルFとをそのまま処分することが可能となり、分別に要する多大な手間を省くことができる。
そして綴じ機1は、複数枚の用紙Pを接合して前記冊子Bを作るためのもので、卓上に載置されるステージ2と、このステージ2上に昇降可能に保持された本体3と、この本体3内に昇降可能に収容され後述する抜き刃92及び切込刃91を備えた替刃ユニット4と、前記本体3に前端部を軸53回りに回転できるように取り付けた作動ハンドル5とを備えている。
ここで、本実施形態に係る綴じ機1は、複数枚の用紙Pを相互に接合させた接合部分P3を厚み方向に圧縮変形し得る後述する圧縮機構、詳細には接合部分P3を弾性付勢する弾性付勢手段を有する押圧圧縮機構を具備していることを特徴とするものである。
以下、綴じ機1の構成ならびに作動について、図4乃至図16を参照して説明する。
前記ステージ2は、上面の前縁側に平面視矩形をなす台座21を突出させた盤状のもので、前記台座21上に前記抜き刃92と協働して用紙Pに綴じ孔P1を穿孔するための抜き板22を備えている。そして台座21は、その前端縁における2箇所に、抜き板22に対して面一な位置から動作上端にあるシート受け面たる用紙受け面61に対して面一な位置まで連続させて後述するローラ8に近接する位置まで案内する案内傾斜面21aを設けてある。前記抜き板22は、前記抜き刃92が通過する穿孔部221と、前記切込刃91が通過する通過孔222とを備えた金属製のもので、この抜き板22の下には抜き刃92及び切込刃91の挿入及び挿入された抜き刃92の回動を許容するための空洞24が形成されている。また、ステージ2の上面には、前記本体3を弾性支持するための弾性体、例えば、コイルスプリングS1が装着される保持凹部23が形成されている。
前記本体3は、前記ステージ2の上に昇降可能に帽嵌され前半部分に用紙受け面61を有した下部ハウジング6と、前半部下面を用紙P挿入用の隙間を介して前記用紙受け面61に対面させてこの下部ハウジング6上に一体的に設けられた上部ハウジング7とを備えてなる。
前記下部ハウジング6は、無底箱形のもので、その上壁前半部に用紙受け面61が形成されているとともに、その用紙受け面61の一部にステージ2の台座21が相対昇降可能に嵌り込む位置決め窓62が形成されている。また下部ハウジング6の上壁後半部と前記ステージ2との間には、この本体3を上方に付勢するための弾性体、例えば、複数のコイルスプリングS1が介在させてある。そして用紙受け面61の両側端部には、他よりもさらに隆起させることによって設けた隆起部61aを形成してある。
前記上部ハウジング7の底壁71には、前記抜き刃92が通過する抜き刃挿通孔72が形成されており、この抜き刃挿通孔72の周囲には抜き刃92の横ぶれを防止するための案内壁76が形成されている。また、前記底壁71には、前記切込刃91が通過する切込刃挿通孔73が形成されており、この切込刃挿通孔73と前記抜き刃挿通孔72との間に係止壁77が設けてある。また、案内壁76の内方端には、抜き刃92を回転させるための係止壁77が設けてあり、この係止壁77の上端面を抜き刃92に当接して抜き刃92を回転させるための回転誘導面77aとし、内方の立面を湾曲させて形成することにより、切起片P11をローラ8の巻込部8bへ連続して案内する案内面77bとしている。そしてこの上部ハウジング7に前記接合部分P3を圧縮変形させるための対をなすローラ8を設けている。この対をなすローラ8は、共通の軸81に支持されたもので最も外周を大きく形成して形成した所を、用紙Pを押圧し得る外周面8aとしている。そして当該外周面8aから内側のテーパ状に窄ませて形成した部分を巻込部8bとしている。当該巻込部8bは、上述した案内面77bに連続する位置に面するよう設定しており、前記案内面77bに案内された切起片P11が互いに相寄る方向に引っ張るように巻き込むようになっている。そして、底壁71には前記両ローラ8の下端部を用紙受け面61側に露出させるためのローラ8表出窓74と、前記軸81を上下方向に平行移動可能に支持する軸支持部75とが設けられている。このローラ8表出窓74はローラ8から上述の切込刃挿通孔73まで連続して開口させることにより、接合された切起片P11の端面がローラ8に圧縮されるまで上部ハウジング7に干渉されないように構成されている。前記軸81は、弾性体、例えば、コイルスプリングS2により下方に付勢されており、この弾性付勢力によって前記両圧縮ローラ8が用紙受け面61に弾性的に押し付けられる。そしてこの本体3の上部ハウジング7内に替刃ユニット4が昇降可能に収容されている。
前記替刃ユニット4は、前記本体3の上部ハウジング7の内周に上下動可能に嵌り込む下部メンバ42と、この下部メンバ42の上壁中央部に一体的に設けられた上部メンバ41とを備えた無底箱形のものである。そして、前記上部メンバ41内に、抜き刃92を回動可能にかつ着脱可能に支持する抜き刃保持部412と、前記切込刃91を垂下姿勢で着脱可能に保持する切込刃保持部411とが設けられている。
前記抜き刃92は、基端に軸921を有するとともに先端に前記綴じ孔P1を打ち抜くための刃本体922を備えたもので、その軸921が替刃ユニット4の天壁に設けた抜き刃保持部412に着脱可能に支持されている。前記抜き刃92の基端には、該抜き刃92を回動させるためのアーム923が突出させてある。対をなす抜き刃92は、前記アーム923の先端同士を対面させて配置されたもので、前記両アーム923を共通の弾性体、例えば、コイルスプリングS3により下方に付勢することにより、前記刃本体922が前記軸921のほぼ真下に配置される穿孔姿勢92(H)に保持されるようになっている。そして、替刃ユニット4が下降する際に、前記アーム923の下面が前記本体3に設けられた係止壁77の上縁に当接するように設定してあり、当接後にさらに替刃ユニット4が下降することにより、抜き刃92が前記コイルスプリングS3の弾性力に抗して回動姿勢92(R)にまで回動し得るように構成されている。すなわち、前記抜き刃92が前記用紙受け面61にセットされた用紙Pを打ち抜き、刃本体922が抜き板22の下方側に進入した直後に前記アーム923が前記係止壁77の上縁に当接するように設定されており、当接した状態で前記抜き刃92がさらに下降することにより、該抜き刃92が回動姿勢92(R)にまで回動し得るように構成されている。
一方、切込刃91は、先端に刃本体912を備えた平板状のもので、この替刃ユニット4内に設けられたレール状をなす切込刃保持部411に装着され、図示しないビス等により固定されている。この切込刃91の先端側には、回動姿勢92(R)に回動した抜き刃92の刃本体922の一部を受け入れるための窓911が形成されている。また、この切込刃91の基端側には、この切込刃91と前記アーム923との干渉を防止するための前記アーム923が通る貫通孔913が形成されている。以上のようにしてなる替刃ユニット4の上部メンバ41は、本体3の上部ハウジング7の上端開口部に蓋着した蓋部31の開口を通して上方に突出させてあり、この上部メンバ41を作動ハンドル5により操作して前記替刃ユニット4を昇降させ得るように構成されている。
前記作動ハンドル5は、前縁両端部を前記本体3に軸53を介して取り付けられたもので、中間部内面に替刃ユニット4の天壁上面を押圧するための押圧体51を有している。また、この作動ハンドル5における前記押圧体51の両側部にアーム52が突出して設けられており、これらアーム52の先端部が図示しない軸を用いて前記替刃ユニット4の上部メンバ41に接続されている。
この実施形態においては、本発明の穿孔機構は、前記抜き刃92及び前記切込刃91を保持した替刃ユニット4と、替刃ユニット4を下方に押圧して前記抜き刃92及び切込刃91を抜き板22上にセットされた用紙Pに貫入させる作動ハンドル5とを主体にして構成されている。また、本発明の抜き刃回動機構は、前記抜き刃92の軸921を回動可能に支持する抜き刃保持部412と、前記抜き刃92の基端に設けられたアーム923と、前記本体3に設けられ前記抜き刃92が下降する際に前記アーム923を受け止めて前記抜き刃92に回動力を付与する係止壁77とを主体として構成されている。さらに、刃抜き取り機構は、前記抜き刃92及び前記切込刃91を保持した替刃ユニット4と、前記本体3を足場にしてこの替刃ユニット4を上方に付勢する弾性体たるコイルスプリングS4とを主体に構成されている。なお、この実施形態のように、替刃ユニット4と、作動ハンドル5とを軸53を介して接続しておけば、刃抜き取り機構の性能をさらに向上させることができる。すなわち、シート体たる用紙Pの枚数が多くなり、前記コイルスプリングS4の力だけでは切起片P11を用紙Pの一面Pa側に引き抜くことができない場合でも、前記作動ハンドル5に、上方への操作力を加えることによって、引き抜きを完了させることが可能となる。
しかして本実施形態に係る綴じ機1は、前記複数枚の用紙Pを相互に接合させた接合部分P3を圧縮変形し得る後述する圧縮機構と、前記複数枚の用紙Pを接合させる際に前記用紙P裏面Pbを前記ステージ2に密着させる後述する密着機構と、接合させた後、前記接合部分P3を前記ステージ2から密着させた状態から解除し得る後述する密着解除機構とを具備してなることを特徴とする。そして上述の通り本実施形態に係る綴じ機1は、圧縮機構を、接合部分P3を弾性付勢する弾性付勢手段を有することによって能動的に圧縮する押圧圧縮機構としている。
本発明の押圧圧縮機構は、用紙受け面61と、この用紙受け面61とともに用紙Pを挟み得る前記ローラ8及びこのローラ8を用紙受け面61に対して弾性的に押し付ける弾性体、すなわちコイルスプリングS2を有した弾性付勢手段とを主体にして構成されている。さらに本実施形態の押圧圧縮機構は、切起片P11を上側からローラ8の巻込部8bへ連続して案内する案内面77bと、抜き板22に対して面一な位置から動作上端にあるシート受け面たる用紙受け面61に対して面一な位置まで連続させて切起片P11を下側から後述するローラ8に近接する位置まで案内する案内傾斜面21aとを有している。そして、密着機構は、上述した用紙受け面61と、この用紙受け面61を本体3ごと上下動させる作動ハンドル5とが主体となって構成されている。また密着解除機構は、用紙受け面61と、本体3を上方に付勢するためのコイルスプリングS1とを主体にして構成されている。そして、作動ハンドル5とコイルスプリングS1とが主体となって、当該用紙Pと前記ステージ2とを密着させた密着姿勢と用紙Pの、特に接合部分P3と前記ステージ2とを離間させた密着解除姿勢との間で前記用紙受け面61を動作させ得る本発明に係る受け面動作部を構成している。すなわち、本実施形態に係る密着機構及び密着解除機構は、用紙受け面61と、受け面動作部とを共通の要素として構成されるものである。
次にこの綴じ機1の作動を説明する。
作動ハンドル5を操作しない状態では、図6及び図8に示すように、本体3及び替刃ユニット4がそれぞれ上限位置に保持されており、前記抜き刃92が穿孔姿勢92(H)を保っている。このときは用紙受け面61はステージ2の抜き板22よりも若干高い位置に位置付けられることにより、この用紙受け面61と抜き板22との間に段差が形成され、用紙Pとステージ2とが離間した密着解除姿勢となっている。この状態で、図5の想像線で示すように、重ね合わせた複数枚の用紙Pを用紙受け面61に沿って隙間63の奥まで挿入する。しかる後に、作動ハンドル5を下方に操作すると、コイルスプリングS4の付勢力に抗して替刃ユニット4が下降し、前記抜き刃92及び前記切込刃91が用紙Pの一面Paに当接する位置まで降下する。この位置から作動ハンドル5をさらに下方に操作すると、図7及び図9に示すように、前記抜き刃92及び前記切込刃91が前記用紙Pを貫通し、その用紙Pに綴じ孔P1及びカット孔P2が穿孔される。穿孔後さらに、前記抜き刃92及び前記切込刃91が下降すると、図10に示すように、前記抜き刃92のアーム923が係止壁77の前記回転誘導面77aに当接し、該抜き刃92が回動姿勢92(R)にまで回動する。その結果、綴じ孔P1から用紙Pの裏面Pb側に切り起こされた切起片P11の先端側が切込刃91の窓911に挿入される。このとき用紙受け面61は動作下端まで動作することにより、用紙Pと抜き板22とが密着した密着姿勢をとっている。
ついで、作動ハンドル5への操作を解除すると、図11及び図13に示すように、抜き刃92が回動姿勢92(R)から穿孔姿勢92(H)に復帰して、抜き刃92及び切込刃91がコイルスプリングS4の付勢により上昇し、用紙Pから抜き取られる。その際に、切込刃91の窓911に挿入されている切起片P11がカット孔P2を通過して用紙Pの一面Pa側に抜き出され、この切込刃91により複数の用紙Pが結合される。なお、前記コイルスプリングS4の弾性力のみでは前記抜き刃92及び前記切込刃91を用紙Pの一面Pa側に引き抜くことができない場合には、前記操作ハンドル5を上方に操作してその抜き上げを助勢すればよい。
しかる後抜き刃92と切込刃91が用紙Pから抜き取られると、打ち抜き時の荷重により最下位置まで降下していた本体3が、コイルスプリングS1の付勢力により、初期の浮上位置まで上昇し、用紙Pが抜き板22から離間されることになる。そしてこのとき用紙受け面61は、抜き板22から浮上することとなり、接合部分P3が完全に抜き板22から離間するものとなる。
この状態で、用紙Pを綴じ機1から抜き取れば、まず図14に示すように、その途上において切込片P11は抜き取り動作に応じてまず案内面77bに案内され、そのまま案内面77bから連続して設けられたローラ8の巻込部8bに巻き込まれることにより、切起片P11は相寄る方向へ引っ張られつつ巻き込まれる。またこの巻き込み動作と同時に、接合部分P3の下方は案内傾斜面21aを通過することにより、段差に引っ掛かることなくローラ8の直下へと案内される。そして図15に示すように、十分に切起片P11が引っ張られた状態で、接合部分P3は本体3に設けられた前記ローラ8の外周面8aと前記用紙受け面61とによって前記用紙Pの接合部分P3が厚み方向に圧縮変形させられ、さらにそのまま用紙Pを引き抜けば、図12及び図16に示すように、前述した冊子Bができあがる。なお図12は図8乃至図11よりもローラ8を隔てた側の断面を示すことにより、下部ハウジング6の断面を図示している。
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る綴じ機1は、切起片P11が引き上げ用カット孔P2を貫通してなる接合部分P3を厚み方向に圧縮変形させる圧縮機構を備えたものであるので、圧縮されることによって切起片P11が膨らんでしまうことによる接合部分P3が他の物品や手指に引っ掛かってしまうといった不具合が有効に回避されるものとなっている。その結果、接合部分P3の接合状態を安定して保持し得るものとなっている。また綴じられた複数の用紙Pは、圧縮されることで厚み寸法が大きくなることを有効に抑制されるので、別体のファイルFにも綴じ易いものとなり、既存のファイリングシステムにも有効に適用させ得るものとなっている。
上述のとおりファイリングシステムに、さらに有効に適用させるために本実施形態では、前記切起片P11を形成する際に、前記複数枚の用紙Pに綴じ孔P1を形成し得るものとして、パンチを別途使用するような手間を有効に省き得るものとなっている。
具体的には、綴じ孔P1を一度に複数形成し得るものとして、ファイルFに綴じるための綴じ機1の綴じ動作を有効に減らし得るものとなっている。さらに本実施形態では、綴じ孔P1を綴じ具F2の綴じ桿F21ピッチに対応させて穿設するものとしているので、綴じ機1の綴じ動作を1回のみでファイリングし得るものとなっている。そして既存のファイリングシステムに具体的に適用させ得る特に具体的な一例としての本実施形態では、内方端部を部分円形状に設け一対の綴じ孔P1を形成するものとして、当該円形状の仮想の中心を80mm離間させたものとしている。
そして、複数の用紙Pを確実に綴じるための構成として、重ね合わせた複数枚の用紙Pに、一端に切起片P11を残存させた綴じ孔P1と、前記綴じ孔P1の一端近傍に設けた引き上げ用カット孔P2とをそれぞれ設け、それら用紙Pの切起片P11を前記引き上げ用カット孔P2に貫通させてそれら用紙P同士を接合している態様のものを採用している。
そして本実施形態では、用紙Pを抜出させる動作を利用して接合部分P3を圧縮変形させる構成としているので、使用者は従来の綴じ機1の扱いと同じ動作によって動作する圧縮機構を実現し得たものとなっている。
加えて本実施形態では斯かる圧縮機構を、シート体たる用紙Pの接合部分P3を厚み方向に弾性付勢する弾性付勢手段を有する押圧圧縮機構としているので、綴じようとする用紙Pの枚数、すなわち接合部分P3の厚みに拘わらず、所要の力で確実に押圧し得るものとなっている。
そして、上述の圧縮機構を簡素な構成で用紙Pを圧縮し得る構成とするために本実施形態では、当該圧縮機構を、前記複数枚の用紙Pに接し得るローラ8及び当該ローラ8を前記用紙Pへ向けて弾性付勢する弾性体を有した弾性付勢手段と、前記用紙Pを前記ローラ8に対向する方向から支持し得る用紙受け面61とで構成して、用紙Pの抜出をスムーズなものとしつつ好適に接合部分P3を圧縮し得るものとなっている。
接合部分P3をさらに確実に圧縮するための構成として本実施形態は、前記切起片P11を前記ローラ8に案内する案内面77bを圧縮機構の構成要素としてさらに設けることにより、ローラ8がより正確に作動し得る位置に切起片P11を案内し得るものとなっている。
そして、ローラ8が確実かつ正確に切起片P11を押圧するための構成として、本実施形態ではローラ8を、前記用紙Pを押圧する外周面8aと、当該外周面8aからテーパ状に窄ませて設け、前記切起片P11を前記外周面8aへの巻き込みを案内する巻込部8bとを有するものとして、切起片P11をよりスムーズに案内し得たものとなっている。
<第二実施形態>
次いで、このようなファイルシステムの実施に直接使用される綴じ機A1について、図17乃至図33を参照して説明する。
この綴じ機A1は、複数枚のシート体たる用紙Pを接合して前記冊子Bを作るためのもので、図17に示すように、卓上に載置されるステージA2と、このステージA2上に固設された本体A3と、この本体A3内に昇降可能に収容され後述する抜き刃A92及び切込刃A91を備えた左右対をなす替刃ユニットA4と、この替刃ユニットA4が穿孔動作を終えて上昇した際に前記綴じられた用紙Pを持ち上げるためのペーパーベースA8と、このペーパーベースA8及び替刃ユニットA4を作動させるために前記本体A3に上下方向に回動可能に取り付けた作動ハンドルA5とを備えている。
前記ステージA2は、図17、図21及び図22に示すように、本体A3の下端部が取り付けられる扁平箱形の台座A21と、この台座A21の天壁A21aに一体に形成された抜き板A22とを具備してなる。台座A21は、下面側が開放された扁平箱形のもので、この開放端に設置体A25aを有したベース鍔A25を備えている。そしてこの台座A21の内部に前記抜き板A22を貫通して浸入する切込刃A91及び抜き刃A92を受け入れるための空洞A24が形成されている。この空洞A24は、台座A21の下面側から装着されたダスターケースA26により外部と隔離されている。抜き板A22は、前記台座A21をプレス加工する際に前記天壁A21aと一体に形成されるもので、切込刃A91が貫通する通過孔A222と、抜き刃A92が貫通する穿孔部A221とを有している。なお、この実施形態においては、前記台座A21の天壁A21aにおける前記抜き板A22よりも用紙P挿入側に位置する部位に、後述する切起片P11を下側から挟圧するための隆起部A223を設けている。この隆起部A223は、台座A21の天壁A21aを変形させることにより一体に形成されたもので、抜き板A22側に用紙P抜き取り時に前記切起片P11を案内するための傾斜面A224と、この傾斜面A224に案内される上端部に形成された平面である下側狭圧面A225とを備えている。そしてこれら傾斜面A224と下側狭圧面A225は、本発明に係る圧縮機構を構成している。
前記本体A3は、図17乃至図22に示すように、前記台座A21に被せた状態で取り付けられた外部ハウジングA31と、この外部ハウジングA31内に配設され前記台座A21に固定された内部ハウジングA32とを具備してなる。
前記外部ハウジングA31は、図18、図21及び図22に示すように、台座A21の上方空間を覆うトップカバーA33と、台座A21の上方空間の両側面を覆うサイドカバーA34と、台座A21の上方空間の前面を覆うフロントカバーA35とを備えている。トップカバーA33は、後方に向かって漸次低くなる湾曲形状をなしたもので、前記作動ハンドルA5のアームA52が貫通するスリットA33aを有している。フロントカバーA35は、上壁A35aと前面壁A35bと底壁A35cとを備えており、その上壁A35aに前記スリットA33aに連続する図示しないスリットを有している。また、このフロントカバーA35の底壁A35cの下面と台座A21の上面との間に用紙Pを挿入するための用紙挿入用隙間A35dを形成している。
前記内部ハウジングA32は、図19乃至図22に示すように、前記台座A21の横幅とほぼ同一の横幅を有した筒状のハウジング本体A36と、このハウジング本体A36の背面側に一体に設けられこのハウジング本体A36を前記台座A21の上面に止着具たるビスA38を用いて剛結するための取付部A37とを具備してなる。
前記ハウジング本体A36は、図19及び図20に示すように、前記取付部A37が設けられた後壁A63と、後壁A63の左右両端から前方に延出する左右の側壁A64と、これら両側壁A64の前端間に設けられた前壁A65と、この前壁A65の下縁から後壁A63に亘って設けられた底壁A71とを具備してなる。前記側壁A64は、その内面に前記替刃ユニットA4の後述する上部ブロックA41を鉛直姿勢を維持しつつ上下方向に案内するためのレールA66を有するとともに、前記両替刃ユニットA4を昇降動作させるためのドライブシャフトA46を案内するための鉛直スリットA67を備えている。前記前壁A65は、その内面に前記替刃ユニットA4の後述する上部ブロックA41を鉛直姿勢を維持しつつ上下方向に案内するためのレールA68を有する。
前記底壁A71は、図19乃至図22に示すように、前記台座A21の上面に密着する後半部分A71bと、前記台座A21との間に隙間A71cを形成する前半部分A71aとを段部A72を介して一体化したもので、前記前半部分A71aの左右方向中央に綴じた後の用紙Pの切起片P11を受け入れるための窓A73を有している。この窓A73の前縁側には、前記底壁A71の一部をなす上向き片A74が形成されており、この上向き片A74に用紙P抜き取り時に前記切起片P11を案内するための傾斜面A74aを形成している。また本実施形態では、この傾斜面A74aに連続する底壁A71の前半部分A71aにおける前端縁の下面側を、用紙Pの接合部分P3を圧縮する後述する圧縮機構を構成する上側狭圧面A71eとしている。そしてこれら傾斜面A74aと上側狭圧面A71eは、本発明に係る後述する圧縮機構を構成している。他方前記窓A73の後縁側には、下方に屈曲する屈曲壁A75が形成されており、この屈曲壁A75に用紙Pの先端を係止するための係止面A75aを備えている。底壁A71の前半部分A71aにおける左右両端部分には、後述する抜き刃A92を貫通させるための抜き刃貫通孔A79と、後述する紙押さえA43を貫通させるための紙押さえ貫通孔A70とを備えている。そして、前記抜き刃貫通孔A79の上面側開口縁には前記抜き刃A92を鉛直姿勢を維持しつつ案内するための案内壁A76と、後述する抜き刃A92のアームA923を係止するための係止壁A77とを設けている。底壁A71の後半部分A71bにおける左右両端部分には、後述する替刃ユニットA4付勢用のコイルスプリングAS4を受けるためのバネ受け部A78を設けている。なお、図21及び図22は、図18におけるY−Y断面図であるが、後述する替刃ユニットA4を明示するために前記係止壁A77を始め当該替刃ユニットA4周辺の起立壁を省略して図示してある。
前記取付部A37は、図19、図21及び図22に示すように、前記ハウジング本体A36の底壁A71に連続する底板部A37aと、この底板部A37aと前記ハウジング本体A36の後壁A63とを結合する補強リブA37bとを具備してなるもので、前記底板部A37aを前記止着具たるビスA38を用いて前記台座A21に取り付けられるようになっている。
このようにしてなる内部ハウジングA32内に前述した左右の替刃ユニットA4が収容されている。
前記各替刃ユニットA4は、図17及び図20に示すように、前記内部ハウジングA32のレールA66、A68に案内されて鉛直姿勢を維持しつつ昇降可能な上部ブロックA41と、この上部ブロックA41に取り付けられた切込刃A91と、この切込刃A91に隣接させて配され前記上部ブロックA41に軸A921を介して左右方向に回動可能に枢止された抜き刃A92と、この抜き刃A92を後述する穿孔姿勢(H)方向に回動付勢するコイルスプリングAS3と、前記抜き刃A92の軸A921に案内されて前記上部ブロックA41に対して昇降可能な下部ブロックA42と、この下部ブロックA42を前記上部ブロックA41に対して下方に弾性付勢するコイルスプリングAS2とを具備してなる。
前記上部ブロックA41は、図20に示すように、内部ハウジングA32のレールA66、A68にスライド可能に係合する係合部A45を備えたブロック状のもので、ドライブシャフトA46を介して作動ハンドルA5の作動端A51bに接続されている。この上部ブロックA41は下方に開放された箱状のもので、前記抜き刃A92の上半部が収容され得るようになっており、抜き刃A92の上端部に設けた軸A921を回動可能に支持するための図示しない軸受部を有している。また、この上部ブロックA41の外側面に前記切込刃A91を取り付けるための取付部A411を備えており、この取付部A411に取り付けられた切込刃A91に前記ドライブシャフトA46が貫通している。
前記下部ブロックA42は、図17及び図20に示すように、その下端部に前後対をなす紙押さえA43が設けられている。これらの抜き刃A92を前後に挟み込む位置に位置付けられた対をなす紙押さえA43の基端部同士は横架材A44により連結されている。そして、両紙押さえA43は、常時内部ハウジングA32の底壁A71に設けた紙押さえ挿通孔A70に昇降可能に嵌合させてある。これにより紙押さえA43を含む下部ブロックA42全体が、鉛直姿勢を維持し得るようになっている。また紙押さえA43の下端部A43aは、切込刃A91の下端よりも下側、すなわち用紙Pに近接した位置に位置決めされているので、後述の動作時には切込刃A91、抜き刃A92に先んじて用紙Pを押圧し得るものとなっている。
前記切込刃A91は、図23及び図24に示すように、ほぼH字形のカット孔P2を形成するためのものである。具体的には、直線状をなすメインスリットLと、このメインスリットLの両端から一方向、すなわちこの切り込み刃A91に対応する抜き刃A92が配置されている側の方向に屈曲して伸びる第1のサブスリットL1と、前記メインスリットLの両端から他方向、すなわちこの切り込み刃A91に対応する抜き刃A92が配置されている側と反対の方向に屈曲して伸びる第2のサブスリットL2とからなり、前記第1のサブスリットL1と前記第2のサブスリットL2とが、一定の角度G2をなすカット孔P2を形成するためのものである。なお、この実施形態のように比較的多数枚の用紙Pを綴じるようにした仕様のものにおいては、前記メインスリットLと前記第1のサブスリットL1により囲まれた舌片部P4は、後述するように切込刃91が上昇して切起片P11が用紙Pの上面すなわち一面Pa側に抜き上げられた際に、用紙Pの一面Pa側に引き上げられることが望ましく、一方、前記メインスリットLと前記第2のサブスリットL2により囲まれた舌片部P5は、用紙Pの下面すなわち他面Pb側に残留する事が望ましい。そのため、前記第1のサブスリットL1の長さL3を前記第2のサブスリットL2の長さL4よりも長くしている。この第2のサブスリットL2の長さL4は、複数枚重ねられた切起片P11が無理なく通過する程度の長さに設定してある。換言すれば、後述する第1サブブレードAD1の折り曲げ後方長さAD3を第2サブブレードAD2の折り曲げ方向長さAD4よりも大きく設定してある。すなわち、この切込刃A91は、1枚の板金素材に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことにより作られたもので、前記メインスリットLを形成するためのメインブレードADと、前記第1サブスリットL1を形成するための第1サブブレードAD1と、前記第2サブスリットL2を形成するための第2サブブレードAD2とを具備してなる。前記メインブレードADは、抜き刃A92を受け入れるための窓A911を介して上ブレード部ADaと刃本体A912を有する下ブレード部ADbとに分断されており、その上ブレード部ADaと下ブレード部ADbとは第1サブブレードAD1により構造的に連結されている。この実施形態においては、第1サブブレードAD1は、その基端縁が前記メインブレードADの両側縁に直角よりも若干小さな角度G1で折曲げた折曲線部ADcを介して一体に連続するもので、この第1サブブレードAD1の基端縁における前記窓A911に対応する部分に、前記第2サブブレードAD2が連続形成されている。すなわち、この第2サブブレードAD2は、板金素材を前記折曲線部ADcで折り曲げることにより、前記窓A911から切り起こされたものである。なお、この第2サブブレードAD2は、その切り起こし加工の前に前記第1サブブレードAD1に対して180度未満の角度G2を成すように予備切り起こし加工が施されている。これによって、前記第1サブブレードAD1が直角よりも若干小さな角度G1で折曲げられているにもかかわらず、前記第2サブブレードAD2の前記メインブレードADに対する切り起こし角度G3は最終的に90度よりも大きくなるように設定されている。
このように、第1サブブレードAD1及び第2サブブレードAD2がそれぞれ1枚のメインブレードADの折り曲げ加工により形成されているため、切込刃A91全体の強度を確保することができる。さらに、この切込刃A91の窓A911の下縁には、用紙Pの切起片P11を円滑に案内するための円滑案内部A915を備えている。この円滑案内部A915は、前記窓A911の下縁に余剰素材A916を下方に巻き込んで折り曲げる加工を施すことによって形成されたものである。余剰素材A916の先端A917は、メインブレードADに形成した受入窓A918内に浸入させてあり、この先端A917が用紙Pと干渉するのを防止している。この切込刃A91の刃本体A912、すなわち、メインブレードADに形成された刃並びに、第1サブブレードAD1及び第2サブブレードAD2に形成された刃はそれぞれ、素材の厚み方向中央に刃先を有した両刃構造をなしている。
前記抜き刃A92は、図17及び図24に示すように、基端部に軸A921を有するとともに先端に前記綴じ孔P1を打ち抜くための刃本体A922を備えたもので、その軸A921が替刃ユニットA4の上部ブロックA41に設けた図示しない軸受部に回動可能に支持されている。前記抜き刃A92の基端には、該抜き刃A92を回動させるためのアームA923が突出させてある。
前記刃本体A922は、図25に示すように、前記抜き刃A92の下端部に設けられており、底面視U字形に連続する刃先AEを有している。この刃先AEは、なめらかな曲線で結ばれる曲線的形状に形成されており、抜き刃A92が貫入されるに伴って、前記抜き刃A92と前記抜き板A22との接触位置における抜き板A22に対する角度が変化する傾斜を備えている。また、この傾斜部分のうち用紙Pに最初に貫入される刃尖端部AE1を具備してなる。換言すれば、この刃尖端部AE1において刃先AEが抜き板A22に対してなすシャー角度(θ)が、刃本体A922の他の部分AE2におけるシャー角度(θ)よりも大きく設定してある。なお、ここで、シャー角度(θ)とは、抜き板A22に支持された用紙Pの上面すなわち一面Paと、この用紙Pに入射する直前の刃先AE部分とがなす角度をいい、この実施形態ではシャー角度(θ)が前記抜き刃A92の貫入に伴って漸次小さくなるように設定してある。したがって、前記刃本体A922を用紙Pに対して貫入させるときには、まず刃尖端部AE1が用紙Pに略点状に当接し、この時点から刃本体A922及び刃先AEが貫入距離に対して穿孔距離を増加させながら穿孔されることとなる。
前記刃先AEに囲まれた上方の空間には、図24及び図25に示すように、前記刃本体A922により切り起こされた切起片P11を退避させるための退避空間A924を設けるとともに、この退避空間A924の上方に切起片P11を前記切込刃A91に設けられた窓A911に挿入させるための押し出し部A925を設けている。
この抜き刃A92は、図24に示すように、合成樹脂製の芯材A926と、この芯材A926の外側に被着した板金製の外装材A927とから作られたものである。具体的には、前記刃本体A922は、前記外装材A927の先端に形成されているものであり、前記アームA923は、前記芯材A926と前記外装材A927とにより形成されるものである。前記退避空間A924は、前記芯材A926の下面と前記外装材A927の内側面とによって形成され、前記押し出し部A925は、前記芯材A926の先端縁により形成されている。この押し出し部A925は、平面視部分円弧状に凹陥した形状をなしており、切起片P11を押圧する際にその切起片P11の両側縁を優先的に付勢し得るようになっている。
対をなす抜き刃A92は、図17及び図25に示すように、前記アームA923の先端同士を対面させて配置されたもので、各アームA923を弾性体、例えば、コイルスプリングAS3により下方に付勢することにより、前記刃本体A922が前記軸A921のほぼ真下に配置される穿孔姿勢(H)に保持されるようになっている。その際、前記抜き刃A92の刃本体A922により形成された切込片P11が前記退避空間A924に収容されるように構成されている。したがって、用紙Pの枚数が比較的多い場合にあっても、前記抜き刃A92の穿孔動作が阻害されにくくなる。
そして、替刃ユニットA4が下降する際に、図27に示すように、前記アームA923の下面が前記本体A3に設けられた係止壁A77の上縁に当接するように設定してあり、当接後にさらに替刃ユニットA4が下降することにより、抜き刃A92が前記コイルスプリングAS3の弾性力に抗して回動姿勢(R)にまで回動し得るように構成されている。すなわち、前記抜き刃A92が前記ペーパーベースA8上にセットされた用紙Pを打ち抜き、刃本体A922が抜き板A22の下方側に進入した直後に前記アームA923が前記係止壁A77の上縁に当接するように設定されており、当接した状態で前記抜き刃A92がさらに下降することにより、該抜き刃A92が回動姿勢(R)にまで回動し得るように構成されている。その際、前記抜き刃A92が回動姿勢(R)まで回動するのに伴って、前記押し出し部A925が前記切起片P11を前記切込刃A91の窓A911に挿入するようにしている。
以上のようにしてなる替刃ユニットA4の昇降に伴わせて前記ペーパーベースA8を作動させるようにしている。
前記ペーパーベースA8は、図17及び図20乃至図22に示すように、上面側に用紙を受けるための用紙受け面A83に設定して用紙Pの下面を支持すべく前記ステージA2と本体A3との間に配設されたもので、この後端部A82を前記本体A3の内部ハウジングA32に軸着することにより前記ステージA2から浮き上がった用紙持ち上げ位置(U)と、前記ステージに密着する退避位置(D)との間で上下方向に回動し得るようになっている。そして、このペーパーベースA8は前記ステージA2に設けられたコイルスプリングAS1により用紙持ち上げ位置(U)に弾性付勢されている。このペーパーベースA8は、作動ハンドルA5の操作により替刃ユニットA4が降下した際に、前記紙押さえA43により押圧されると用紙Pを介して押圧されて前記用紙持ち上げ位置(U)から退避位置(D)まで回動するようになっており、切込刃A91、抜き刃A92及び紙押さえA43を挿通させるとともに退避位置(D)においてステージA2の隆起部A223を上面側に突出させるための窓A81と、当該窓A81の前縁すなわちペーパーベースA8の前縁を用紙受け面A83から下方に切り欠いて設けた退避縁とを備えている。
前記作動ハンドルA5は、図18及び図20乃至図22に示すように、前端A51aを軸A54を介して内部ハウジングA32に回転可能かつ前後方向にスライド可能に支持させ後端に位置する作動端A51bを前記ドライブシャフトA46に接続した基部A51と、この基部A51から上方に延出させたアームA52と、このアームA52に外方端に設けられた取手A53とを具備してなる。
この実施形態においては、本発明の穿孔機構は、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91を保持した替刃ユニットA4と、替刃ユニットA4を下方に押圧して前記抜き刃A92及び切込刃A91を抜き板A22上にセットされた用紙Pに貫入させる作動ハンドルA5とを主体にして構成されている。また、本発明の抜き刃回動機構は、前記抜き刃A92の軸A921を回動可能に支持する下部ブロックA42と、前記抜き刃A92の基端に設けられたアームA923と、前記本体A3に設けられ前記抜き刃A92が下降する際に前記アームA923を受け止めて前記抜き刃A92に回動力を付与する係止壁A77とを主体として構成されている。さらに、刃抜き取り機構は、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91を保持した替刃ユニットA4と、前記本体A3を足場にしてこの替刃ユニットA4を上方に付勢する弾性体たるコイルスプリングAS4とを主体に構成されている。なお、この実施形態のように、替刃ユニットA4と、作動ハンドルA5とを軸A54を介して接続しておけば、刃抜き取り機構の性能をさらに向上させることができる。すなわち、シート体たる用紙Pの枚数が多くなり、前記コイルスプリングAS4の力だけでは切起片P11を用紙Pの一面Pa側に引き抜くことができない場合でも、前記作動ハンドルA5に、上方への操作力を加えることによって、引き抜きを完了させることが可能となる。また、本発明の圧縮機構は、前記抜き板A22の隆起部A223と、前記本体A3の内部ハウジングA32の底壁A71とを主体に構成されている。
しかして本実施形態に係る綴じ機A1は、前記複数枚の用紙Pを相互に接合させた接合部分P3を圧縮変形し得る後述する圧縮機構と、前記複数枚の用紙Pを接合させる際に前記用紙P裏面Pbを前記ステージA2に密着させる後述する密着機構と、接合させた後、前記接合部分P3を前記ステージA2から密着させた状態から解除し得る後述する密着解除機構とを具備してなることを特徴とする。
本実施形態の圧縮機構は、抜き板A22に設けた隆起部A223と、この隆起部A223とともに用紙Pを挟み得る底壁A71とを主体にして構成されている。
また本実施形態の圧縮機構は具体的には、対をなす狭圧面である上側狭圧面A71eと下側狭圧面A225との間で寸法が固定された狭圧隙間A71dを形成し、接合部分P3を通過させることによって圧縮する挟圧圧縮機構としている。さらに本発明の圧縮機構は、切起片P11を上側から上側狭圧面A71eへと案内する傾斜面A74aと、抜き板A22の穿孔部A221に対して面一な位置から下側狭圧面A225に対して面一な位置まで連続させて切起片P11を下側から案内する傾斜面A224とを有している。
そして密着機構は、上述した抜き板A22と、この抜き板A22に対して押圧する押圧手段たる紙押さえA43と、当該紙押さえA43を替え刃ユニットA4ごと上下動させる作動ハンドル5とが主体となって構成されている。
また密着解除機構は、前記密着解除手段が、紙押さえA43による押圧を解除することにより用紙を密着解除姿勢とする押圧解除手段を有するものである。すなわち、本実施形態に係る密着解除機構は、紙押さえA43による押圧を解除するための作動ハンドルA5をまず有している。そして押圧解除手段とは、本実施形態では、用紙受け面A83によって用紙Pを支持するペーパーベースA8と、紙押さえA43による押圧の解除によりペーパーベースA8を上方へ弾性付勢して用紙Pと抜き板A22とを離間させる付勢手段たるコイルスプリングAS1を主体として構成されたものとしている。
そして、作動ハンドルA5とコイルスプリングAS1とが主体となって、当該用紙Pと前記ステージA2とを密着させた密着姿勢と用紙Pの、特に接合部分P3と前記ステージA2とを離間させた密着解除姿勢との間で前記用紙受け面A83を動作させ得る本発明に係る受け面動作部を構成している。すなわち、本実施形態に係る密着機構及び密着解除機構は、上記実施形態と同様に、用紙受け面A83と、受け面動作部とを共通の要素として構成されるものである。
次にこの綴じ機A1の作動を説明する。
作動ハンドルA5を操作しない状態では、図21及び図25に示すように、替刃ユニットA4が上限位置に保持されており、前記抜き刃A92が穿孔姿勢A92(H)を保っている。この状態で、重ね合わせた複数枚の用紙PをペーパーベースA8の上面と内部ハウジングA32の底壁A71との間に形成されている隙間A71cの奥まで挿入する。しかる後に、作動ハンドルA5を下方に操作すると、最初にコイルスプリングAS4が縮み始め、コイルスプリングAS4の付勢力に抗して替刃ユニットA4が下降する。その直後に、紙押さえA43の下端部A43aが前記抜き刃A92及び前記切込刃A91に先んじて用紙Pの一面Paに当接し、この用紙PとペーパーベースA8とがステージA2により係止される位置まで押し下げられる。そして、紙押さえA43によって用紙P及びペーパーベースA8がステージA2に押し下げられた状態で前記抜き刃A92及び前記切込刃A91が用紙Pの一面Paに当接する位置まで降下する。この位置から作動ハンドルA5をさらに下方に操作すると、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91が貫入する付近の用紙Pが紙押さえA43によってしっかりと固定された状態のまま、図26に示す状態を経て、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91が前記用紙Pを貫通する。そしてその用紙Pに綴じ孔P1及びカット孔P2が穿孔される。穿孔後さらに、前記抜き刃A92及び前記切込刃A91が下降すると、図22及び図27に示すように、前記抜き刃A92のアームA923が前記係止壁A77に当接し、該抜き刃A92が回動姿勢A92(R)にまで回動する。その結果、綴じ孔P1から用紙Pの他面Pb側に切り起こされた切起片P11の先端側が切込刃A91の窓A911に挿入される。
ついで、作動ハンドルA5への操作を解除すると、抜き刃A92が回動姿勢A92(R)から穿孔姿勢A92(H)に復帰して、抜き刃A92及び切込刃A91がコイルスプリングAS4の付勢により上昇し、紙押さえA43によって用紙P及びペーパーベースA8が押さえられた状態で、図28に示す状態を経過して図29に示すように切込刃A91及び抜き刃A92が用紙Pから抜き取られる。その際に、切込刃A91の窓A911に挿入されている切起片P11がカット孔P2を通過して用紙Pの一面Pa側に抜き出され、この切込刃A91により複数の用紙Pが結合される。なお紙押さえA43の下端部A43aは、切込刃A91及び抜き刃A92が用紙Pから抜き取られる少し後のタイミングで、用紙Pの一面Paから離間する。このようにして、抜き刃A92と切込刃A91が用紙Pから抜き取られると、打ち抜き時の荷重により退避位置(D)まで降下していたペーパーベースA8が、コイルスプリングAS1の付勢力により、初期の用紙持ち上げ位置(U)まで上昇し、用紙Pが抜き板A22から離間されることになる。この状態で、用紙Pを綴じ機A1から抜き取れば、その途上において、図30に示すように、前記本体A3の内部ハウジングA32の底壁A71と抜き板A22の隆起部A223との間に形成された狭圧隙間A71dに傾斜面A224、A74aの案内作用により強制的に導かれることになり、前記用紙Pの接合部分P3が厚み方向に圧縮変形させられ、前述した冊子Bができあがる。
ここで、用紙Pを綴じ機A1から抜き取る動作についてさらに詳述する。まず図29に示す状態を側面視すれば図31に示す状態となる。この状態では上述の通り、用紙Pの接合部分P3は抜き板A22から離間した状態である。そしてその後図32に示すように、切込片P11は抜き取り動作に応じてまず案内面A74aに案内され、そのまま傾斜面A74aから連続して設けられた上側挟圧面A71eへと引き込まれる。他方用紙Pは下側を傾斜面A224によって上方に案内されることにより下側挟圧面A225へ案内される。そうすると切起片P11は相寄る方向へ案内されつつ挟圧隙間A71dへ引き込まれる。そして、図30に対応した側面を示す図33に示すように、接合部分P3は上側挟圧面A71e及び下側挟圧面A225とによって形成された挟圧隙間A71dによって用紙Pの接合部分P3が厚み方向に圧縮変形させられ、さらにそのまま用紙Pを引き抜けば、接合部分P3は窓A81の前縁すなわち退避縁A84の上方を通過して、前述した冊子Bができあがる。
なお、前記コイルスプリングAS4の弾性力のみでは前記抜き刃A92及び前記切込刃A91を用紙Pの一面Pa側に引き抜くことができない場合には、前記作動ハンドルA5を上方に操作してその抜き上げを助勢すればよい。
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る綴じ機A1は、切起片P11が引き上げ用カット孔P2を貫通してなる接合部分P3を厚み方向に圧縮変形させる圧縮機構を備えたものであるので、上記実施形態と同様に、圧縮されることによって切起片P11が膨らんでしまうことによる接合部分P3が他の物品や手指に引っ掛かってしまうといった不具合が有効に回避されるものとなっている。その結果、接合部分P3の接合状態を安定して保持し得るものとなっている。また綴じられた複数の用紙Pは、圧縮されることで厚み寸法が大きくなることを有効に抑制されるので、別体のファイルFにも綴じ易いものとなり、既存のファイリングシステムにも有効に適用させ得るものとなっている。
そして本実施形態では、用紙Pを抜出させる動作を利用して接合部分P3を圧縮変形させる構成としているので、使用者は従来の綴じ機1の扱いと同じ動作によって動作する圧縮機構を実現し得たものとなっている。
特に本実施形態では挟圧隙間A71dを形成する固定された上側挟圧面A71e及び下側挟圧面A224を有する挟圧圧縮機構としているので、綴じようとする用紙Pの枚数が多い程、圧縮する前の接合部分P3の寸法が狭圧隙間A71dの寸法よりも相対的に大きくなるので、接合部分P3が狭圧隙間A71dを通過する際には、より強い力で圧縮されるものとなっている。
そして本実施形態では圧縮機構を狭圧隙間A71dへ案内する為の傾斜面A224、A74aとを設けることにより、用紙Pの抜出による圧縮動作をよりスムーズに行なわせ得るものとなっている。
以上、本発明の各実施形態並びにその変形例について説明したが、本発明は勿論、上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上記実施形態並びに変形例ではもっぱら複数の用紙を綴じるファイリング目的の綴じ機のみの説明をしたが、例えばPET樹脂製のパックの蓋閉め用といった用途に本発明の綴じ機を用いれば、樹脂を溶着したり、別途接着剤を用いたりする手間を有効に排除しつつ、容易かつ迅速にパックの蓋を閉じることができる。そして上記実施形態では同一の素材のものを綴じる構成のみを開示したが、もちろん複数の用紙の間に別異の素材を混ぜた状態で綴じこむなど、複数の素材を綴じ合わせるものとしてもよい。
さらに、上記実施形態では抜き刃によって開口を形成し、その開口を綴じ孔として利用する態様を開示したが、もちろん、用紙の端部に切り欠きを形成することによって、開口を形成せずに切起片を形成するものであってもよい。
さらに詳細には、上記実施形態では用紙受け面と抜き板とに介在する傾斜面を抜き板同様のステージ側に設けたものとしたが、当該傾斜面は用紙受け面側に設けたものとしてもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1、A1…綴じ機
2、A2…ステージ
22、A22…抜き板
61、A83…シート受け面(用紙受け面)
77b…案内面
A74a、A224…傾斜面
A71e…狭圧面(上側狭圧面)
A225…狭圧面(下側狭圧面)
A71d…狭圧隙間
8…ローラ
8a…外周面
8b…巻込部
92、A92…抜き刃
911、A911…窓
91、A91…切込刃
S2…弾性体(コイルスプリング)
P…シート体(用紙)
P1…綴じ孔
P11…切起片
P2…引き上げ用カット孔(カット孔)
P3…接合部分
F2…綴じ具
F21…綴じ杆
H…穿孔姿勢
R…回動姿勢

Claims (13)

  1. 重ね合わせた複数枚のシート体を切り起こし、切り起こした切起片を用いてそれら複数枚のシート体を相互に接合して綴じ得る綴じ機であって、
    前記複数枚のシート体を相互に接合させた接合部分を当該接合部分を形成した後に前記複数枚のシート体を抜出させる動作を利用して厚み方向に圧縮変形し得る圧縮機構を具備してなることを特徴とする綴じ機。
  2. 前記切起片を形成する際に、前記複数枚のシート体に綴じ孔を形成し得るものである請求項1記載の綴じ機。
  3. 前記綴じ孔を複数形成し得るものである請求項2記載の綴じ機。
  4. 前記各シート体に複数の綴じ孔をそれぞれ設け得るものであって、前記綴じ孔を綴じ具の綴じ桿ピッチに対応させて穿設している請求項1、2又は3記載の綴じ機。
  5. 一対の綴じ孔を形成し得るものであり、両綴じ孔の内方端部を部分円形状に設けてなり、当該円形状の仮想の中心を80mm離間させてなる請求項4記載の綴じ機。
  6. 重ね合わせた複数枚のシート体に、一端に切起片を残存させた綴じ孔と、前記綴じ孔の一端近傍に設けた引き上げ用カット孔とをそれぞれ設け、それらシート体の切起片を前記引き上げ用カット孔に貫通させてそれらシート体同士を接合している請求項1、2、3、4又は5記載の綴じ機。
  7. 前記圧縮機構が、厚み方向に弾性付勢する弾性付勢手段を有する押圧圧縮機構である請求項1、2、3、4、5又は6記載の綴じ機。
  8. 前記押圧圧縮機構が、前記複数枚のシート体に接し得るローラ及び当該ローラを前記シート体へ向けて弾性付勢する弾性体を有する前記弾性付勢手段と、前記シート体を前記ローラに対向する方向から支持し得るシート受け面とを有しているものである請求項7記載の綴じ機。
  9. 前記押圧圧縮機構が、前記切起片を前記ローラに案内する案内面をさらに有している請求項8記載の綴じ機。
  10. 前記ローラが、前記シート体を押圧する外周面と、当該外周面からテーパ状に窄ませて設けられ、前記切起片を前記外周面の巻き込み案内する巻込部とを有している請求項8又は9記載の綴じ機。
  11. 前記圧縮機構が、厚み方向に所定間隔離間した箇所で対面することにより挟圧隙間を形成する対をなす挟圧面を有し、接合部分を前記挟圧隙間を通過させることにより圧縮する挟圧圧縮機構である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の綴じ機。
  12. 前記挟圧圧縮機構が、前記接合部分を前記挟圧隙間へ案内するための傾斜面を有している請求項11記載の綴じ機。
  13. 穿孔姿勢から回動姿勢までの間で回動可能に設けられ穿孔姿勢において切起片を形成し得る抜き刃と、この抜き刃に隣設され回動位置に回動した抜き刃を受け入れるための窓を有した切込刃と、前記抜き刃及び切込刃の先方にシート体を保持するためのステージと、このステージに設けられ前記抜き刃と協働して前記切起片を形成する抜き板と、前記ステージに保持されたシート体に表面側から前記抜き刃及び前記切込刃を貫入させる穿孔機構と、シート体を貫通した抜き刃を回動姿勢まで回動させて前記切起片を前記切込刃の窓に挿入させるための抜き刃回動機構と、前記窓に切起片を保持した切込刃を切起片とともにシート体の表面側に抜き出させる刃抜き取り機構と、切起片が引き上げ用カット孔を貫通する接合部分を当該接合部分を形成した後に前記複数枚のシート体を抜出させる動作を利用して厚み方向に圧縮変形させる圧縮機構とを備えた綴じ機。
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