JPWO2010050094A1 - 不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

ワード線とビット線との交点部分のコンタクトホール内にメモリセルを形成するクロスポイント構造で、微細化かつ大容量化が可能な不揮発性半導体記憶装置とその製造方法を提供する。不揮発性半導体記憶装置は、基板と、基板上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線(70)と、下層銅配線(70)を含む基板上に形成された層間絶縁層(76)と、層間絶縁層(76)に下層銅配線(70)の表面に貫通するように形成された複数のコンタクトホールと、コンタクトホールの底部にのみ形成された電極シード層(77)及び貴金属電極層(78)と、貴金属電極層(78)に接続し、コンタクトホール内に埋め込み形成された抵抗変化層(73)と、抵抗変化層(73)と接続し、下層銅配線(70)に対して交差する複数のストライプ形状を有する上層銅配線(74)からなり、電極シード層(77)及び貴金属電極層(78)が選択成長めっきにより形成される。

Description

本発明は、抵抗変化層を用いたクロスポイント型の不揮発性半導体記憶装置に関し、特に微細化に適した構造の不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法に関する。
近年、電子機器におけるデジタル技術の進展に伴い、音楽、画像、情報等のデータを保存するために、大容量かつ不揮発性の半導体記憶装置の開発が活発に行われている。例えば、強誘電体を容量素子として用いる不揮発性半導体記憶装置は既に多くの分野で用いられている。さらに、このような強誘電体キャパシタを用いる不揮発性記憶装置に対して、電気的パルスの印加によって抵抗値が変化し、その状態を保持し続ける材料を用いた不揮発性半導体記憶装置(以下、ReRAMとよぶ)が、通常の半導体プロセスとの整合性を取りやすいという点で注目されている。
抵抗変化層としては、ニッケル酸化膜(NiO)、バナジウム酸化膜(V)、亜鉛酸化膜(ZnO)、ニオブ酸化膜(Nb)、チタン酸化膜(TiO)、タングステン酸化膜(WO)またはコバルト酸化膜(CoO)等が用いられている。このような遷移金属酸化膜は閾値以上の電圧または電流が印加されたときに特定の抵抗値を示し、その抵抗値は新たに電圧または電流が印加されるまでは、その抵抗値を保持し続けることが知られており、かつ既存のDRAM工程をそのまま使用して作製できるという特徴を有している。
特許文献1では、クロスポイント型構成のReRAMにおいて、X方向の導電アレイラインと、Y方向の導電アレイラインとの交点部分にメモリプラグを形成した構成が示されている。このメモリプラグは抵抗変化型記憶素子と金属−絶縁物−金属(MIM)構造のダイオード素子から構成させている。メモリプラグは7層の積層構成から成っており、2層の電極層に挟まれた複合金属酸化物が記憶素子であり、この記憶素子上にMIMダイオード素子を形成している。
また、特許文献2では、相互並行した間隔をもって配列された2以上のビット線と、相互並行した間隔をもって、上記ビット線と交差する方向に形成された2以上のワード線と、ビット線及びワード線の交差する位置であり、かつビット線上に形成された抵抗構造体と、この抵抗構造体及びワード線と接触するように抵抗構造体上に形成されたダイオード構造体とを備えた基板と、この基板上に形成された下部電極と、下部電極上に形成された抵抗構造体と、抵抗構造体上に形成されたダイオード構造体と、ダイオード構造体上に形成された上部電極とを備えたReRAMが開示されている。
特許文献3においても、ビット線とワード線との間に下部電極と可変抵抗体及び上部電極からなる可変抵抗素子と、この可変抵抗素子に直列に接続した非線形素子からなるクロスポイント型ReRAMが開示されている。
米国特許第6753561号明細書 特開2006−140489号公報 特開2006−203098号公報
上記特許文献1、特許文献2及び特許文献3等に記載のメモリセル構造は、ビット線とワード線との交点部分に抵抗変化型の記憶素子とダイオード素子を形成するため、少なくとも3層以上の積層構成が必要である。その製造方法としては、例えば、図19(a)のように、ビット線1上に、下部電極2、抵抗変化層3及び中間電極4からなる抵抗変化素子7と、中間電極4、半導体層5及び上部電極6からなる金属−半導体−金属(MSM)ダイオード素子8とを構成するすべての層を積層した後に、図19(b)のようにリソグラフィとドライエッチングを用いて、ピラー形状に加工する方法が考えられる。
この手法の場合には、抵抗変化素子とダイオード素子の膜厚を変えずに設計ルールを微細化しようとすると、メモリセルを高アスペクト比をもつピラー形状に加工する必要がある。高アスペクト比のピラー構造のドライエッチングには、エッチング不足やサイドエッチ、プラズマチャージダメージといった問題が生じる。また、エッチング時のマスク材料の消耗も問題となり、ピラーがテーパー形状になりやすくなる。マスク自体を厚くすることでマスクの耐久性を向上できるが、マスクを厚膜化することは微細パターンの精度を損なうという問題を生じる。したがって、ドライエッチングにより高アスペクト比のピラー構造を形成する方法は微細化に適しないため、大容量の不揮発性半導体記憶装置を実現することは困難である。また、材料によっては、例えば、蒸気圧が低い銅(Cu)や、反応性が低く蒸気圧が低い貴金属材料、例えば白金(Pt)やイリジウム(Ir)等はそもそもドライエッチングによる微細なパターン形成が困難である。
また、微細化に適したホール埋め込み型構造においてコンタクトホール内に抵抗変化素子7とダイオード素子8を形成する場合、コンタクトホール内に電極層や半導体層を形成する必要がある。しかし、従来のスパッタリング法やCVD法では、コンタクトホール内に金属薄膜や半導体薄膜等を平坦に成膜することは困難である。すなわち、従来のスパッタリング法やCVD法では、図19(c)のように必ずホール側壁やホール外の層間絶縁層上にも成膜されてしまうため、コンタクトホール内に金属薄膜や半導体薄膜を平坦に積層することは現実的には不可能である。
また、成膜後に図19(d)のように、CMPやエッチバックを用いて、ホール外に成膜された金属薄膜などの除去や平坦化をする必要がある。しかし、電極材料に貴金属材料を用いた場合、貴金属材料は反応性が低く酸化しにくいため、一般的な酸化剤及び固体研磨砥粒等からなる金属用研磨液によるCMPは非常に困難である。また、研磨液に含まれる微粒子の機械的研磨作用により、貴金属材料を物理的に研磨できたとしても層間絶縁層に傷が付くスクラッチ傷が発生しやすくなり、歩留り低下を引き起こす要因となる。
そして、CMPなどを用いて層間絶縁層上の電極材料等を除去して、ホール内に抵抗変化素子やダイオード素子を埋め込み形成しても、スパッタリングやCVDによる成膜方法では、必ず図19(e)のようなメモリセル構造になり、上述のようにコンタクトホール側壁に成膜された層(例えば、図19(e)では下部電極2)を介して、メモリセルに接続する上下のビット線1とワード線9との間でリークが発生する。
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するもので、電極材料にPt等の貴金属を用いたクロスポイント型のReRAMを備え、ワード線とビット線との間のリークを抑制できるとともに微細化かつ大容量化が可能な不揮発性半導体記憶装置とその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、基板上に複数のストライプ形状の下層銅配線を形成する工程(A)と、前記下層銅配線が形成された前記基板上に、前記下層銅配線の上方に複数のコンタクトホールが位置するように層間絶縁層を形成するとともに、前記コンタクトホールの底に位置するように前記下層銅配線上に選択成長めっきによって貴金属を含む貴金属電極層を形成する工程(B)と、前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に抵抗変化層を埋め込み形成する工程(C)と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線を形成する工程(D)と、を含んでいる。
このような方法とすることにより、コンタクトホールの側壁やコンタクトホール外の層間絶縁層上に貴金属電極層を成膜することなく、コンタクトホール内に平坦な貴金属電極層を形成することができるので、上層銅配線(ワード線又はビット線)と下層銅配線(ビット線又はワード線)との間のリークを抑制することできる。また、コンタクトホールに抵抗変化層を埋め込み形成するので、不揮発性半導体記憶装置の微細化かつ大容量化が可能である。
なお、「前記コンタクトホールの底に位置するように前記下層銅配線上に選択成長めっきによって貴金属を含む貴金属電極層を形成する」とは、コンタクトホールの底にのみ位置するように貴金属電極層を形成する態様と、コンタクトホールの底を含む領域に位置するように貴金属電極層を形成する態様との双方を含む。
すなわち、本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法の一態様は、基板上に複数のストライプ形状の下層銅配線を形成する工程(A)と、各前記下層銅配線に積層するように選択成長めっきによってストライプ形状の貴金属を含む貴金属電極層を形成する工程(B1)と、前記下層銅配線と前記貴金属電極層とを含む前記基板上に層間絶縁層を形成する工程(B2)と、前記層間絶縁層に、各前記貴金属電極層の表面まで貫通する複数のコンタクトホールを形成する工程(B3)と、前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に抵抗変化層を埋め込み形成する工程(C)と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線を形成する工程(D)とを含んでもよい。
このような方法とすることにより、選択成長めっきを用いて下層銅配線上にのみ貴金属電極層を形成することができるため、リソグラフィやエッチングによる貴金属材料の加工が不要になる。そのため、ReRAMに貴金属材料を用いた場合に、エッチングによる加工では困難だった微細化が実現できることから、大容量の不揮発性半導体記憶装置を製造することが可能になる。また、めっきプロセスを用いることから、銅ダマシンを用いた配線形成工程との親和性もよい。さらに、コンタクトホールの側壁やコンタクトホール外の層間絶縁層上に貴金属電極層を成膜することがないため、上層銅配線(ワード線又はビット線)と下層銅配線(ビット線又はワード線)との間のリークを抑制することできる。
さらに、上記方法において、前記工程(C)後に抵抗変化層に直列に接続するダイオード素子を形成する工程(E)を追加してもよい。
このような方法とすることにより、読み込み時あるいは書き込み時において十分な電流を流しながら、クロストークを防止することができるので、抵抗変化特性の再現性に優れ、かつ高信頼性の不揮発性半導体記憶装置を製造することが可能になる。
さらに、本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法の他の態様は、基板上に複数のストライプ形状の下層銅配線を形成する工程(A)と、前記下層銅配線を含む前記基板上に層間絶縁層を形成する工程(B1´)と、各前記層間絶縁層に、前記下層銅配線の表面まで貫通する複数のコンタクトホールを形成する工程(B2´)と、前記コンタクトホール内の底部でかつ前記下層銅配線上に選択成長めっきによって貴金属電極層を形成する工程(B3´)と、前記貴金属電極層二接続するように前記コンタクトホール内に抵抗変化層を埋め込み形成する工程(C)と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線を形成する工程(D)とを含んでもよい。
このような方法とすることにより、選択成長めっきを用いてコンタクトホール内に平坦な貴金属電極層を形成することができるので、上層銅配線(ワード線又はビット線)と下層銅配線(ビット線又はワード線)との間のリークを抑制することできるとともに、リソグラフィやエッチングによる貴金属材料の加工が不要になる。さらに、上述の下層銅配線上に貴金属電極層を形成する製造方法に比べ、コンタクトホール底部にのみ貴金属電極層を形成できることから、貴金属材料の使用量を減らすことができ、貴金属材料を用いた場合にも低コストで大容量の不揮発性半導体記憶装置を製造することが可能になる。
さらに、上記方法においても、前記工程(C)後に抵抗変化層に直列に接続するダイオード素子を形成する工程(E)を追加してもよい。
なお、請求の範囲及び明細書の記載において、「抵抗変化層に接続する」とは抵抗変化層と電気的に接続することを意味し、直接的に接続(すなわち、接触)する態様及び他の導電層等を介して間接的に接続する態様の何れも含む概念である。
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置は、基板と、前記基板上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線と、各前記下層銅配線に積層するようにストライプ形状に形成された貴金属電極層と、前記下層銅配線と前記貴金属電極層とを含む前記基板上に形成された層間絶縁層と、前記層間絶縁層に、前記貴金属電極層の表面まで貫通するように形成された複数のコンタクトホールと、前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に埋め込み形成された抵抗変化層と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状に形成された上層銅配線とを備える。
このような構成とすることにより、コンタクトホールの側壁やコンタクトホール外の層間絶縁層上に貴金属電極層を成膜することなく、コンタクトホール内に平坦な貴金属電極層を形成することができるので、上層銅配線(ワード線又はビット線)と下層銅配線(ビット線又はワード線)との間のリークを抑制することできる。また、コンタクトホールに抵抗変化層を埋め込み形成するので、不揮発性半導体記憶装置の微細化かつ大容量化が可能である。さらに、貴金属電極層が抵抗変化層の下部電極として機能するだけでなく、下層銅配線の拡散を防止するバリア層としても機能し、高信頼性を有する不揮発性半導体記憶装置を製造することが可能になる。
さらに、上記構成において、抵抗変化層に直列に接続するダイオード素子を備えるようにしてもよい。
このような構成とすることにより、読み込み時あるいは書き込み時において十分な電流を流しながら、隣接セルとのクロストークを防止することができるので、抵抗変化特性の再現性に優れ、かつ高信頼性の不揮発性半導体記憶装置を実現できる。
さらに、本発明の他の実施形態の不揮発性半導体記憶装置は、基板と、前記基板上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線と、前記下層銅配線を含む前記基板上に形成された層間絶縁層と、前記層間絶縁層に、各前記下層銅配線の表面まで貫通するように形成された複数のコンタクトホールと、各前記下層銅配線に接続し、前記コンタクトホール内の底部に形成された貴金属電極層と、前記貴金属電極層に接続し、前記コンタクトホール内に埋め込み形成された抵抗変化層と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該前記抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線とを備える。
このような構成にすることにより、上述の下層銅配線上に選択成長めっきにより貴金属電極層を形成する不揮発性半導体記憶装置に比べ、コンタクトホール底部にのみ選択成長めっきにより貴金属電極層を形成することから、貴金属電極層の形成による隣接する下層銅配線間での配線間ショートの懸念がなくなるという利点がある。
また、上記構成においても、抵抗変化層に直列に接続するダイオード素子を備えるようにしてもよい。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明は上記のように構成され、電極材料にPt等の貴金属を用いたクロスポイント型のReRAMを備え、ワード線とビット線との間のリークを抑制できるとともに微細化かつ大容量化が可能な不揮発性半導体記憶装置とその製造方法を提供できるという効果を奏する。
図1(a)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を説明する平面図であり、図1(b)は同図(a)の1A−1A線の断面を矢印方向に見た断面図である。 図2(a)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部の構成を示すための要部の部分拡大図の平面図であり、図2(b)は同図(a)の2A−2A線の断面を矢印方向に見た断面図である。 図3(a)から図3(c)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、能動素子が形成された基板上に層間絶縁層までを形成し、さらに下層銅配線を形成するまでの工程を示す断面図である。 図4(a)及び図4(b)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、下層銅配線を含む層間絶縁層上に貴金属電極層を形成し、さらに層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。 図5は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、層間絶縁層の所定の位置にコンタクトホールを形成する工程を示す図であり、図5(a)は平面図であり、図5(b)は同図5(a)に示す5A−5A線での断面を矢印方向に見た断面図である。 図6(a)及び図6(b)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、コンタクトホール中に抵抗変化層を埋め込み形成するまでの工程を示す図である。 図7は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、抵抗変化層に接続するように上層銅配線を形成した状態の図であり、図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)に示す7A−7A線での断面を矢印方向に見た断面図である。 図8(a)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を説明する断面図であり、図8(b)は第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部とダイオード素子の構成を示すための要部の部分拡大図の断面図である。 図9(a)から図9(d)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、半導体層間絶縁層中に、下層銅配線をストライプ形状に形成し、さらにその上に層間絶縁層を形成し、コンタクトホールを形成し、コンタクトホール底部に貴金属電極層を形成するまでの工程を示す断面図である。 図10(a)から図10(c)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、コンタクトホール中に抵抗変化層を埋め込み形成する工程を示す断面図である。 図11(a)から図11(c)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、コンタクトホール中の抵抗変化層上に、中間電極を埋め込み形成し、さらにその上に層間絶縁層を形成するまでの工程を示す断面図である。 図12(a)から図12(c)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、層間絶縁層中に配線溝を形成し、ダイオード素子及び上層銅配線を埋め込み形成するまでの工程を示す断面図である。 図13は本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を説明する断面図である。 図14(a)及び図14(b)は本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部の構成を示すための要部の断面図である。 図15(a)及び図15(b)は本発明の第5の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部の構成を示すための要部の断面図である。 図16(a)及び図16(b)は本発明の第6の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部の構成を示すための要部の断面図である。 図17(a)及び図17(b)は本発明の第7の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す断面図である。 図18(a)及び図18(b)は下層銅配線上にニッケルの電極シード層を介して無電解Pdめっきによりパラジウムの貴金属電極層を形成した場合における貴金属電極層表面のX線分析結果を示す図である。 図19(a)から図19(e)は従来の不揮発性半導体記憶素子の製造方法の主要な工程を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素については同じ符号を付しており説明を省略する場合がある。また、トランジスタや記憶部等の形状については模式的なものであり、その個数等についても図示しやすい個数としている。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の構成を説明する図で、(a)は平面図、(b)は(a)に示す1A−1A線に沿う断面を矢印方向に見た断面図を示す。また、図2は、記憶部23の構成を示すための要部の部分拡大図で、(a)は平面図、(b)は(a)に示す2A−2A線に沿う断面を矢印方向に見た断面図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100は、基板11と、この基板11上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線18と、下層銅配線18上に形成された貴金属電極層20と、下層銅配線18と貴金属電極層20とを含む基板11上に形成された層間絶縁層19と、層間絶縁層19に、貴金属電極層20に至るように形成された複数のコンタクトホールと、上記コンタクトホール中に埋め込まれ、貴金属電極層20に接続する抵抗変化層21と、抵抗変化層21に接続し、層間絶縁層19上の層間絶縁層24中に形成された複数の上層銅配線22とを備えている。
複数の下層銅配線層18は、それぞれがストライプ形状に形成されていて、それぞれの幅方向に互いに間隔を置いて配置されている。
それぞれの貴金属電極層20は、それぞれの下層銅配線層18に積層して形成されていて、両者は、積層方向から見て、実質的に互いに重なり合う形状(実質的に互いに同じ形状)に形成されている。貴金属電極層20は、1つの種類の貴金属で構成されていてもよいが、2種類以上の金属の積層、又は1つの種類の貴金属に他の金属がドープされている構成でもよい。貴金属電極層20を上記のような構成にすることにより、貴金属電極層20に含まれる貴金属が抵抗変化層にマイグレーションして界面形状が平坦でなくなることを防止できる。
さらに、本実施の形態の場合には、上層銅配線22が層間絶縁層19上で、下層銅配線18に対して交差する(例えば、直交する)ストライプ形状に形成されている。複数の上層銅配線層22は、それぞれがストライプ形状に形成されていて、それぞれの幅方向に互いに間隔を置いて配置されている。そして、上層銅配線22と下層銅配線18との交点にコンタクトホール26が形成されている。コンタクトホール26は、それぞれの貴金属電極層20に対して複数形成されている。そして、それぞれのコンタクトホール26を埋めるようにして抵抗変化層21が形成されていて、この抵抗変化層21と、この抵抗変化層21に接続する領域の貴金属電極層20と上層銅配線22とにより記憶部23を構成している。抵抗変化層21としては、酸素不足型の遷移金属酸化物膜もしくはペロブスカイト系酸化膜が用いられ得る。酸素不足型の遷移金属酸化物膜として、例えば、タンタル酸化膜(TaO)、ニッケル酸化膜(NiO)、ハフニウム酸化膜(HfO)、鉄酸化膜(FeO)、バナジウム酸化膜(VO)、亜鉛酸化膜(ZnO)、ニオブ酸化膜(NbO)、チタン酸化膜(TiO)、タングステン酸化膜(WO)又はコバルト酸化膜(CoO)又は銅酸化膜(CuO)等が用いられ得る。ペロブスカイト系酸化膜として、例えば、PrCaMnO、LaCaMnO又はSrTiO等が用いられ得る。これらのうち、酸素不足型タンタル酸化物(TaO)は、抵抗変化特性の安定性や作製の再現性等の面から好ましく、以下では抵抗変化層21が酸素不足型タンタル酸化物(TaO)で構成される例を示す。ここで、酸素不足型とは、TaOと記したときに、TaとOの組成比に関して、化学量論組成よりも酸素量が少ない組成を意味している。TaOにおけるxの範囲としては、0<x<2.5の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.8≦x≦1.9である。なお、図1に示すように、上層銅配線22は、記憶部23がマトリクス状に形成された領域外まで延在されている。
さらに、本実施の形態においては、基板11としてシリコン単結晶基板を用いてトランジスタ等の能動素子12を集積した半導体回路を有する。図1では、能動素子12は、ソース領域12a、ドレイン領域12b、ゲート絶縁膜12c及びゲート電極12dからなるトランジスタを示しているが、これらの能動素子12だけでなく、一般にDRAM等のメモリ回路に必要な素子を含む。
下層銅配線18及び上層銅配線22は、記憶部23が形成されたマトリクス領域とは異なる領域において能動素子12にそれぞれ接続(正確には電気的に接続)されている。すなわち、図1においては、下層銅配線18は、埋め込み導体14、17及び半導体電極配線15を介して能動素子12のソース領域12aに接続されている。なお、上層銅配線22についても、埋め込み導体25を介して同様に別の能動素子(図示せず)に接続されている。
また、本実施の形態においては、層間絶縁層19、24としては、CVD法による酸化シリコン(SiO)やオゾン(O)とテトラエトキシシラン(TEOS)を用いてCVD法により形成したTEOS−SiO膜、低誘電率材料であるシリコン炭酸化膜(SiOC膜)あるいはシリコンフッ素酸化膜(SiOF膜)等を用いてもよい。
また、層間絶縁層19中のコンタクトホール形成を容易にするために、層間絶縁層19の下層側にフッ素系エッチングガスを用いたドライエッチングに対し、エッチング耐性を有する膜、具体的には、CVD法により形成したシリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜やシリコン炭窒化(SiCN)膜等を用い、上層には上記のSiN、SiON以外の膜種の絶縁性酸化物材料を用いて層間絶縁層を複数構成にしてもよい。
次に、記憶部23を構成する抵抗変化層21は、前述した酸素不足型遷移金属酸化物を用い、スパッタリング法等で形成することができる。このような酸素不足型遷移金属酸化物材料は、閾値以上の電圧又は電流が印加されたときに特定の抵抗値を示し、その抵抗値は新たに一定の大きさのパルス電圧又はパルス電流が印加されるまでは、その抵抗値を維持し続ける。
次に、図3から図7を用いて本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100の製造方法について説明する。
図3は、能動素子12が形成された基板11上に、層間絶縁層16までを形成し、さらに下層銅配線18及び埋め込み導体17を形成するまでの工程を示す図である。図3(a)は能動素子12が形成された基板11上に、層間絶縁層16を形成した状態の断面図であり、図3(b)は層間絶縁層16の所定の位置にストライプ形状の配線溝18aと、電極配線15に接続するためのコンタクトホール17aとを形成した状態の断面図であり、図3(c)はデュアルダマシン法によって下層銅配線18と埋め込み導体17とを層間絶縁層16中に埋め込み形成した状態の断面図である。
初めに、図3(a)及び図3(b)に示す工程では、複数の能動素子12、埋め込み導体14、電極配線15及び層間絶縁層13が形成されている基板11上に、層間絶縁層16を形成する。埋め込み導体14及び電極配線15については、従来はアルミ(Al)が主に用いられたが、最近では微細化しても低抵抗を実現できる銅が用いられる。また、層間絶縁層13、16についても、配線間の寄生容量の低減のためにフッ素含有酸化物(例えば、SiOF)やカーボン含有窒化物(例えば、SiCN)あるいは有機樹脂材料(例えば、ポリイミド)が用いられている。本実施の形態の場合にも、電極配線15としては銅(Cu)を用い、半導体層間絶縁層13、16としては、例えばフッ素含有酸化物であるSiOFを用いることができる。
次に、図3(c)に示す工程では、下層銅配線18を層間絶縁層16中に埋め込み形成する(工程A)。これは以下のようにすれば形成できる。まず、図3(b)に示すように、半導体層間絶縁層16に下層銅配線18を埋め込むためのストライプ形状の配線溝18aと半導体電極配線15に接続するためのコンタクトホール17aとを形成する。これらについては、一般的な半導体プロセスで用いられている技術を用いれば容易に形成することができる。このような配線溝18aとコンタクトホール17aとを形成し、当該配線溝18aとコンタクトホール17aとに銅を充填するように、下層銅配線18及び埋め込み導体17となる導体膜を形成した後、例えばCMPを行うことで、図3(c)に示すような形状の下層銅配線18と埋め込み導体17を埋め込み形成することができる。なお、銅配線は、層間絶縁層への銅の拡散を抑制するために、銅層の下層側にバリアメタル層や、銅層の上層側にメタルキャップ層を有する積層構造を用いてもよい。銅配線のバリアメタル層やトップキャップ層には、一般的には、CoWPやTiWN、TiやTiN、TaやTaNが用いられる。なお、本実施の形態においては、デュアルダマシン法によって下層銅配線18と埋め込み導体17とを層間絶縁層16中に埋め込み形成しているが、もちろん、埋め込み導体17と下層銅配線18とを別々に形成するシングルダマシン法を用いてもよい。
図4は、下層銅配線18上に、選択成長めっき法を用いて貴金属電極層20を形成し、さらに下層銅配線18と貴金属電極層20とを含む層間絶縁層16上に層間絶縁層19を形成するまでの工程を示す図である。図4(a)は下層銅配線18上に貴金属電極層20を形成した状態の断面図であり、図4(b)は下層銅配線18と貴金属電極層20とを含む層間絶縁層16上に層間絶縁層19を形成した状態の断面図である。
図4(a)に示す工程では、各下層銅配線18に積層するように選択成長めっき法によってストライプ形状の貴金属を含む貴金属電極層20を形成する(工程B1)。本実施の形態においては、貴金属電極層20の形成には銅上において無電解選択成長めっきを用いている。本実施の形態では、抵抗変化層21に酸素不足型タンタル酸化物(TaO)を用いるため、貴金属電極層20にはTaOの抵抗変化特性がよい電極材料である白金(Pt)が好適に用いられる。無電解Ptめっき浴には、ヒドラジン−アンモニア系Ptめっき浴、ホウ素系化合物や次亜リン酸を還元剤として含むPtめっき浴などを用いることができる。Pt電極膜の膜厚は5nm以上24nm以下としてもよい。膜厚がこの範囲内にある場合には、Pt電極層を薄膜化することで、熱処理によるPtのヒロック発生を抑制し、抵抗変化層との界面を平坦化することができる。また、下層銅配線18上に、ニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−ホウ素合金のいずれかを含む電極シード層を形成した後、上記の無電解Ptめっきを行うことにより、より効率よくCu上にPtの選択成長を行うことができる。また、電極シード層は、パラジウム層及びニッケル層、パラジウム層及びニッケル−リン合金層もしくはパラジウム層及びニッケル−ホウ素合金層のいずれかの組み合わせの積層構造としてもよい。
また、貴金属電極層20を形成する工程において、下層銅配線18に外部から一括して電圧を印加できるよう配線パターンを工夫すれば、電解めっき法を使用することも可能である。
選択成長めっきを用いることで、層間絶縁層16中に埋め込み形成された下層銅配線18上にのみ選択的に貴金属電極層20が形成され、層間絶縁層16上には貴金属電極層20が形成されないため、この貴金属電極層20は下層銅配線18上に、下層銅配線18と同様のストライプ形状に形成され、露光プロセスやエッチングなどを用いた形状加工が不要となる。
次に、図4(b)に示す工程では、この下層銅配線18と貴金属電極層20とを含む基板11上に、例えばCVD法を用いてTEOS−SiOからなる層間絶縁層19を形成する(工程B2)。なお、この層間絶縁層19としては、先述したように種々の材料を用いることができる。
図5は、層間絶縁層19の所定の位置にコンタクトホール26を形成するまでの工程を示す図である。図5(a)は層間絶縁層の所定の位置にコンタクトホール26を形成した状態の平面図であり、図5(b)は図5(a)に示す5A−5A線での断面を矢印方向に見た断面図である。
図5に示す工程では、層間絶縁層19に、各貴金属電極層20の表面まで貫通する複数のコンタクトホール26を形成する(工程B3)。本実施の形態においては、各金属電極層20の長さ方向に沿った一定の配列ピッチでコンタクトホール26を形成する。このコンタクトホール26は、図5(a)からわかるように、下層銅配線18とその上に形成された貴金属電極層20の幅より小さな外形としている。なお、図では四角形状としているが、円形状でも楕円形状でも、あるいはさらに他の形状であってもよい。
図6は、コンタクトホール26中に抵抗変化層21を埋め込み形成するまでの工程を示す図である。図6(a)はコンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に抵抗変化層21となる抵抗薄膜層21aを形成した状態の断面図であり、図6(b)はCMPによって層間絶縁層19上の抵抗薄膜層21aを除去した状態の断面図である。
図6(a)に示す工程では、コンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に、抵抗変化層21となる抵抗薄膜層21aを形成する。本実施の形態では、抵抗変化層21として酸素不足型タンタル酸化物(TaO)をスパッタリング法により形成している。なお、成膜方法としては、スパッタリングだけでなく、CVD法やALD法等を用いてもよい。
また、金属Ta膜を形成した後、Ta膜を酸化してTaOを形成してもよい。
続いて、図6(b)に示す工程では、CMPプロセスを用いて層間絶縁層19上の抵抗薄膜層21aを除去する。このようにして、貴金属電極層20に接続するようにコンタクトホール26内に抵抗変化層21を埋め込み形成する(工程C)。なお、このように抵抗薄膜層21aを除去する方法としては、CMPだけでなくエッチバックする方法でもよい。なお、コンタクトホール26内に抵抗変化層21を埋め込み形成する方法として、上記方法に代えて、選択成長めっき法を用いてもよい。
図7は、層間絶縁層19上に抵抗変化層21に接続するように上層銅配線22を形成した状態の図であり、図7(a)は平面図を示し、図7(b)は図7(a)に示す7A−7A線での断面を矢印方向に見た断面図を示す。
図7に示す工程では、抵抗変化層21及び層間絶縁層19上に、層間絶縁層24を形成し、下層銅配線18を形成した方法と同じようにして、層間絶縁層24中に抵抗変化層21に接続するように上層銅配線22を形成する(工程D)。この場合に、この上層銅配線22は層間絶縁層19上に、少なくともコンタクトホール26より大きな形状で、かつ下層銅配線18と交差するストライプ形状に形成する。本実施の形態では、上層銅配線22として、下層銅配線18と同様の材料を用いることができる。
そして、この上層銅配線22を形成するときに、埋め込み導体25も同時に形成し(所定のコンタクトホールに導体材料を充填して形成する)、この埋め込み導体25を介して電極配線(図示せず)に接続し、図示しない位置に設けられている能動素子に電気的に接続する。このようにして、図1に示すような不揮発性半導体記憶装置100を製造することができる。
なお、本実施の形態においては、貴金属電極層20として白金を用いたが、白金の代わりにパラジウム(Pd)を用いることとしてもよい。無電解Pdめっき浴には、ヒドラジン−アンモニア系Pdめっき浴、ホウ素系化合物や次亜リン酸を還元剤として含むPdめっき浴などを用いることができる。Pd電極膜の膜厚は5nm以上24nm以下としてもよい。膜厚がこの範囲内にある場合には、Pd電極層を薄膜化することで、熱処理によるPdのヒロック発生を抑制し、抵抗変化層との界面を平坦化することができると推測される。また、下層銅配線18上に、ニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−ホウ素合金のいずれかを含む電極シード層を形成した後、無電解Pdめっきを行うことにより、より効率よく銅配線上にパラジウムの選択成長を行うことができる。
ここで、下層銅配線18上にニッケルの電極シード層を介して無電解Pdめっきによりパラジウムの貴金属電極層20を形成した場合において、貴金属電極層20の表面をX線分析装置により元素分析した結果について説明する。図18は、下層銅配線上にニッケルの電極シード層を介して無電解Pdめっきによりパラジウムの貴金属電極層を形成した場合における貴金属電極層表面のX線分析結果を示す図である。
図18の例においては、分析サンプルとして、図18(a)に示すように、銅配線膜80の上に無電解Niめっきによりニッケルの電極シード層81を形成し、当該電極シード層81の上に無電解Pdめっきによりパラジウムの貴金属電極層82を形成したものを使用した。このとき、無電解Niめっき及び無電解Pdめっきにおいてはリンを含むめっき液を用いた。このような分析サンプルをSEM−EDX(走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散型X線分析装置;株式会社堀場製作所のEMAX ENERGY EX−250)を用いて元素分析を行った。具体的には、分析サンプルの貴金属電極層82の表面に電子を照射し、反射される特性X線を検出することにより、元素分析を行った。なお、SEMの加速電圧を15keVとし、EDXの分析領域を100nm×100nmとした。
その結果、図18(b)に示すように、貴金属電極層82の主成分であるパラジウムのピークの他にめっき液の成分であるリンのピークも観測された。すなわち、リンを含むめっき液を用いた無電解Pdめっきによって形成された貴金属電極層20には、パラジウム以外にリンが含まれるものと推察される。なお、図18(b)においては炭素のピークも観測されているが、これはSEMにおけるコンタミネーションであり、貴金属電極層82の構成元素とは無関係である。
同様に、リンを含むめっき液を用いた無電解Ptめっきによって形成された貴金属電極層20には、白金以外にリンが含まれるものと推察される。また、リンが含まれない他のめっき液を用いた場合には、無電解めっきの反応に寄与する元素で、かつ金属膜成分以外の元素が含まれるものと推察される。
このように、本実施の形態における製造方法にて形成された貴金属電極層20において元素分析を行うと、貴金属以外に無電解めっきの反応に寄与する元素で、かつ金属膜成分以外の元素が検出されるものと推察される。
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置200の構成を説明する図で、(a)は断面図、(b)は記憶部33とダイオード素子36の構成を示すための要部の部分の拡大断面図である。
本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200は、第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100と基本構成は同じであるが、記憶部33と直列に接続するダイオード素子36を備え、貴金属電極層30がコンタクトホール内に形成されていることが第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100と異なる。
具体的には、それぞれのコンタクトホール26の内部に、貴金属電極層30と、抵抗変化層31と、中間電極32とが順に積層されて形成されている。そして、貴金属電極層30、抵抗変化層31、及び中間電極32が記憶部33を構成している。貴金属電極層30には、第1の実施の形態の貴金属層20と同じ材料が用いられる。抵抗変化層31には、第1の実施の形態の抵抗変化層21と同じ材料が用いられる。中間電極32には、例えば、TaN、TiN又はWが用いられる。中間電極層32は、ダイオード素子36の一方の電極として機能するが、これらの材料は当該電極の材料として必要とされる条件をも満たす。
そして、層間絶縁層19上に形成された層間絶縁層37に配線溝39が形成されていて、この配線溝39の内部に、半導体層34と、上部電極35と、銅配線38とが順に積層されて形成されている。そして、中間電極32、半導体層34、及び上部電極35がダイオード素子36の一例であるMSMダイオードを構成している。ダイオード素子36としては、このように半導体層とこの半導体層を挟む金属電極体層との3層の積層構成からなるMSMダイオード、絶縁体層とこの絶縁体層を挟む金属電極体層との3層の積層構成からなるMIMダイオード、p型半導体とn型半導体との2層の積層構成からなるpn接合ダイオード、又は半導体層と金属電極体層との2層の積層構成からなるショットキーダイオードなど、非線形のスイッチング特性を有する素子を、記憶部の抵抗変化特性に応じて用いるとよい。
抵抗変化層に対して直列にダイオード素子を挿入することにより、クロスポイント型ReRAMの場合には、下層配線(例えばビット線)と上層配線(例えばワード線)とがクロスした交点に形成されている抵抗変化層の抵抗値の読み取りや書き込み時のクロストークを低減することができる。
次に、図9から図12を用いて、本実施の形態の製造方法について説明する。なお、図9から図12においては、図面の簡単化のために層間絶縁層16から上部の構成のみを示している。
図9は、層間絶縁層16中に、ダマシンプロセスによって複数の下層銅配線18をストライプ形状に形成し、さらにその上に層間絶縁層19を形成し、層間絶縁層19にコンタクトホール26を形成し、コンタクトホール底部の下層銅配線18が露出した部分に貴金属電極層30を形成するまでの工程を示す図である。図9(a)は層間絶縁層16中にストライプ形状の下層銅配線18を形成した状態の断面図であり、図9(b)はその上に層間絶縁層19を形成した状態の断面図であり、図9(c)はドライエッチングを用いて、下層銅配線18に接続するコンタクトホール26を形成した状態の断面図であり、図9(d)はコンタクトホール26底部の下層銅配線18が露出した部分に選択成長めっき法を用いて貴金属電極層20を形成した状態の断面図である。
初めに、図9(a)に示す工程では、層間絶縁層16中に、複数の下層銅配線18をストライプ形状に形成し(工程A)、さらに、図9(b)に示すように、CVD法等を用いてTEOS−SiO等からなる層間絶縁層19を形成する(工程B1´)。この場合にも、層間絶縁層19は、層間絶縁層19中にコンタクトホール26の形成を容易にするために、層間絶縁層19の下層側にエッチングストッパ層として機能するSiNやSiON、あるいはSiCN等を挿入して、層間絶縁層19を複数層からなる積層構造にしてもよい。さらに、層間絶縁層19の上層側に、このTEOS−SiOよりもCMPにおいて硬質の、例えばSiONを形成してもよい。層間絶縁層19の上層側にSiONを形成することで、後の抵抗変化層31及び中間電極32をコンタクトホール26中に埋め込み形成する際のCMPプロセスを容易に、かつ確実に行うことができる。
次に、図9(c)に示す工程では、層間絶縁層19に、各下層銅配線18の表面まで貫通する複数のコンタクトホール26を形成する(工程B2´)。本実施の形態においては、下層銅配線18の長さ方向に沿って一定の配列ピッチでコンタクトホール26を形成する。このコンタクトホール26は、下層銅配線18の幅より小さな外形としており、第1の実施の形態において図5から図7で説明した形状と同様である。
さらに、図9(d)に示す工程では、コンタクトホール26底部に露出した下層銅配線18上に無電解選択成長めっきを用いて、貴金属電極層30を形成する(工程B3´)。本実施の形態においても、貴金属電極には白金(Pt)を用い、無電解Ptめっき浴には、ヒドラジン−アンモニア系Ptめっき浴、又はホウ素系化合物や次亜リン酸を還元剤として含むPtめっき浴を用いるとよい。また、Pt電極膜の膜厚は5nm以上24nm以下としてもよい。この場合には、Pt電極層を薄膜化することで、熱処理による白金のヒロック発生を抑制し、抵抗変化層との界面を平坦化することができる。また下層銅配線18上に、ニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−ホウ素合金のいずれかを含む電極シード層を形成した後、上記の無電解Ptめっきを行うことにより、より効率よく銅上に白金の選択成長を行うことができる。また、電極シード層は、パラジウムとニッケル、パラジウムとニッケル−リン合金又はパラジウムとニッケル−ホウ素合金のいずれかの組み合わせの積層構成としてもよい。なお、本実施の形態においても、貴金属電極にパラジウム(Pd)を用いた無電解選択めっきにより貴金属電極層30を形成してもよい。
無電解選択成長めっきを用いることで、導電体である下層銅配線上にのみ選択的に貴金属が析出するため、層間絶縁層から成るコンタクトホール側壁には貴金属電極が成膜されない。したがって、コンタクトホール側壁に電極材料が成膜された場合には、側壁に成膜された電極によって上下の配線間でリークが起こりうるが、無電解選択成長めっきを用いることで、側壁リークが発生しない。
また、コンタクトホール底部にのみ貴金属電極を成膜することができるので、層間絶縁層上には成膜されないため、CMPやエッチバックなどによる層間絶縁層上に成膜された電極材料を除去する工程が必要ない。特に、貴金属材料は反応性が低いため、CMPによる除去は困難である。したがって、無電解選択成長めっきを用いることで、CMPによるダマシンプロセスが不要になるため工数の減少が可能で、しかも、コンタクトホール底部にのみ成膜でき、余計な部分には成膜されないことから、コスト面でも優れている。
図10は、コンタクトホール26中に抵抗変化層31を埋め込み形成する工程を示す図である。図10(a)はコンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に抵抗変化層31となる抵抗薄膜層31aを形成した状態の断面図であり、図10(b)はCMPにより層間絶縁層19上の抵抗薄膜層31aを除去した状態の断面図であり、図10(c)はコンタクトホール26中の抵抗変化層31をさらにオーバポリッシュして表層側に凹部を形成した状態の断面図である。
図10(a)に示す工程では、コンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に、抵抗変化層31となる抵抗薄膜層31aを形成する。本実施の形態でも抵抗薄膜層31aとして酸素不足型のTa酸化物(TaO)を用いている。
次に、図10(b)に示す工程では、CMPプロセスを用いて層間絶縁層19上の抵抗薄膜層31aを除去する。このようにして、コンタクトホール26内の貴金属電極層30上に抵抗変化層31を埋め込み形成する(工程C)。なお、このように層間絶縁層19上の抵抗薄膜層31aを除去し、抵抗変化層31を埋め込み形成する方法としては、CMPでなくエッチバックを用いてもよい。
その後、図10(c)に示す工程では、さらにオーバポリッシュを行うことで、コンタクトホール26中の抵抗変化層31の表層側の一部を除去する。なお、このように抵抗変化層31の一部を除去する方法としては、オーバポリッシュだけでなくエッチバックする方法でもよい。
図11は、コンタクトホール26中の抵抗変化層31上に、記憶部33の上部電極となり、かつダイオード素子36の下部電極となる中間電極32を形成し、さらにその上に層間絶縁層37を形成するまでの工程を示す図である。図11(a)はコンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に記憶部の上部電極、かつダイオード素子36の下部電極として機能する中間電極32となる電極薄膜層32aを形成した状態の断面図であり、図11(b)は層間絶縁層19上の電極薄膜層32aをCMPにより除去した状態の断面図であり、図11(c)は中間電極32を含む層間絶縁層19上にさらに層間絶縁層37を形成した状態の断面図である。
図11(a)に示す工程では、コンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に、記憶部33の上部電極として機能し、かつダイオード素子36の下部電極として機能する中間電極32となる電極薄膜層32aを形成する。本実施の形態においては、電極薄膜層32aとしてTaN、TiN又はWからなる膜をスパッタリングにより形成している。
次に、図11(b)に示すように、CMPプロセスを用いて層間絶縁層19上の電極薄膜層32aを除去して、コンタクトホール26中に中間電極32を埋め込み形成する。
次に、図11(c)に示すように、中間電極32を含む層間絶縁層19上に、さらにCVDなどを用いて層間絶縁層37を形成する。
図12(a)に示す工程では、層間絶縁層37に、ダイオード素子36の一部となる半導体層34と上部電極35、さらに上部銅配線38を埋め込み形成するための配線溝39を形成する。本実施の形態では、配線溝39を下層銅配線18と交差するストライプ形状に形成することにより、半導体層34、上部電極35、及び上層銅配線38を下層銅配線18と交差するストライプ形状に形成している。
そして、図12(b)に示す工程では、配線溝39を含む層間絶縁層37上にダイオード素子36の半導体層34となる半導体薄膜層34aと、上部電極31となる金属薄膜層35a、さらに上部銅配線38となる銅薄膜層38aを積層形成する(工程D、E)。
また、本実施の形態では、半導体層34の材料として窒素不足型シリコン窒化物(SiN)、上部電極35の材料としてTaN、TiN又はWを用い、半導体層34とそれを挟む中間電極32及び上部電極35とによりMSMダイオードを形成している。なお、このような半導体特性を有するSiN膜は、例えばSiターゲットを用いた窒素ガス雰囲気中でのリアクティブスパッタリングにより形成することができる。例えば、室温条件で、チャンバーの圧力を0.1Pa〜1Paとし、Ar/N流量を18sccm/2sccmとして作製すればよい。
半導体特性を有するSiNを上記の条件で、かつ16nmの厚みで作製した場合には、1.6Vの電圧印加で2.5×10A/cmの電流密度が得られ、0.8Vの電圧印加では5×10A/cmの電流密度が得られる。したがって、これらの電圧を基準として用いる場合には、オン/オフ比は5となり、不揮発性半導体記憶装置のダイオード素子として充分使用可能であることが分かる。
また、上層銅配線38には下層銅配線18と同様の材料を用いることができる。
次に、図12(c)に示す工程では、層間絶縁層37上の半導体薄膜層34aと金属薄膜層35a、及び銅薄膜層38aをCMPにより除去することで、配線溝39にダイオード素子36の半導体層34と上部電極35、及び上層銅配線38を埋め込み形成する。上層銅配線38は、上部電極35、半導体層34、及び中間電極32を介して、抵抗変化層31と電気的に接続される。
このような工程により、貴金属電極層30、抵抗変化層31及び中間電極32により記憶部33が構成され、中間電極32、半導体層34及び上部電極35によりダイオード素子36が構成される。これにより、本実施の形態の製造方法による不揮発性半導体記憶装置200を作製することができる。
本実施の形態では、ダイオードに最適な下部電極を形成するため、中間電極32をコンタクトホール内の抵抗変化層31の上部に形成する事例を示したが、抵抗変化層の材料とダイオード材料の組み合わせによっては、抵抗変化層31の上部に直接ダイオード材料34を形成してもよい。
また、本実施の形態では、ダイオード素子としてMSMダイオードを用いたが、他にも、絶縁体層と、絶縁体層を両側から挟む金属電極体層との3層の積層構成からなるMIMダイオードや、p型半導体層とn型半導体層との2層の積層構成からなるpn接合ダイオード、半導体層と金属電極体層との2層の積層構成からなるショットキーダイオードを形成してもよい。
(第3の実施の形態)
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置300の構成を示す断面図である。この不揮発性半導体記憶装置300は、図8に示す第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200を基本構成としており、層間絶縁層、この層間絶縁層のコンタクトホール中に埋め込まれた記憶部及びダイオード素子と上層銅配線とを1つの構成単位として、この構成単位をこの基本構成の上にさらに2層積層した構成からなる。このように積層することにより、さらに大容量の不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
以下、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置300の構成を簡単に説明する。なお、この不揮発性半導体記憶装置300では、記憶部とダイオード素子とがそれぞれ3段ずつ積層されているので、第1段目、第2段目及び第3段目のそれぞれの構成を理解しやすくするために、第1段目の構成要素については第1、第2段目の構成要素については第2、第3段目の構成要素については第3の番号をそれぞれの名称の頭部に付して、それぞれの段の構成要素を互いに区別して表記する。
第1上層Cu配線38を含む層間絶縁層37上に、さらに層間絶縁層41が形成されている。この層間絶縁層41には、第1記憶部33に対応する位置にそれぞれコンタクトホールが設けられ、このコンタクトホール中に第2貴金属電極層42と第2抵抗変化層43、および第2記憶部45の上部電極かつ第2ダイオード素子48の下部電極として機能する中間電極44とが埋め込み形成されている。そして、中間電極44を含む層間絶縁層41上に第2ダイオード素子48と第2上層Cu配線50を埋め込み形成するための層間絶縁層49が形成され、第2中間電極44に接続し、第1上層Cu配線に交差するストライプ形状に第2ダイオード素子48の第2半導体層46と第2上部電極47、および第2上層Cu配線50が層間絶縁層49中に埋め込み形成されている。
次に、第2上層Cu配線を含む層間絶縁層49上に層間絶縁層52が形成され、第1記憶部33および第2記憶部45に対応する位置にコンタクトホールが設けられ、このコンタクトホール中に第3貴金属電極層53と第3抵抗変化層54、および第3中間電極55が埋め込み形成されている。
そして、第3中間電極55を含む層間絶縁層52上に層間絶縁層60が形成され、この層間絶縁層60中に、第3中間電極55に接続し、第2上層銅配線に交差するストライプ形状に第3ダイオード素子59の第3半導体層57及び第3上部電極58と第3上層銅配線61が層間絶縁層60中に埋め込み形成されている。
なお、第2貴金属電極層42、第2抵抗変化層43、及び第2中間電極44で第2記憶部45を構成している。また、第2中間電極44、第2半導体層46、及び第2上部電極47で第2ダイオード素子48を構成している。また、第3貴金属電極層53、第3抵抗変化層54、及び第3中間電極55で第3記憶部56を構成している。また、第3中間電極55、第3半導体層57、及び第3上部電極58で第3ダイオード素子59を構成している。
下層銅配線18は、埋め込み導体14、17と半導体電極配線15とを介して能動素子12のソース領域12aに接続している。また、第1上層銅配線38についても同様に、埋め込み導体(図示せず)と半導体電極配線(図示せず)とを介して別の能動素子(図示せず)に接続されている。さらに、第2上層銅配線50は、図13に示すように埋め込み導体14、17、40、51と半導体電極配線15とを介して別の能動素子12のソース領域12aに接続されている。また、第3上層銅配線61についても、第1上層銅配線38と同様に埋め込み導体(図示せず)と半導体電極配線(図示せず)とを介して別の能動素子(図示せず)に接続されている。
第1段目の下層銅配線18と第1上層銅配線38とは、それぞれビット線又はワード線のいずれかとなり、また、第1上層銅配線38と第2上層銅配線50とは、同様にそれぞれビット線又はワード線のいずれかとなる。ただし、第1段目において、第1上層銅配線38がビット線を構成している場合には、第2段目においてもビット線を構成し、第2上層銅配線50はワード線を構成するように設計されている。さらに、第2上層銅配線50がワード線を構成する場合には、第3上層銅配線61はビット線を構成するように設計されている。
以上のように、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置300の場合には、それぞれの段に設けた記憶部33、45、56に対して個別にそれぞれダイオード素子36、48、59が設けられているので、それぞれの段に設けられている記憶部33、45、56の書き込みと読み出しを安定に、かつ確実に行うことができる。
このような2段以上の多段構造の記憶部とダイオード素子を有する不揮発性半導体記憶装置300の製造工程は、基本的には第2の形態の不揮発性半導体記憶装置200において説明した製造工程を繰り返せばよい。
(第4の実施の形態)
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す断面図である。図14(a)に示す不揮発性半導体記憶装置400aは、図1、図2に示す第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100と基本構成は同じであるが、貴金属電極層72の下部に電極シード層71を有することが第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100と異なる。この電極シード層71は2層以上の積層構造としてもよい。例えば、白金の貴金属電極層72に対する電極シード層71としては、ニッケル層及びニッケル−ホウ素合金層の積層構造としてもよいし、パラジウム及びニッケル−ホウ素合金の積層構造としてもよい。また、電極シード層71の形成には、それぞれ銅上の無電解めっきが用いられる。電極シード層71を挿入する理由としては、貴金属電極層72の形成に無電解選択成長めっきを用いる際に、めっき浴に含まれる還元剤に次亜リン酸を用いる場合には、次亜リン酸に対して触媒活性なニッケル層などの電極シード層71を介することで、貴金属の無電解めっきを有効に析出させることができる。
また、図14(b)に示す不揮発性半導体記憶装置400bは、図8に示す第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200の記憶部33と同様に、記憶部75の一部となる貴金属電極層78と抵抗変化層73が層間絶縁層76中のコンタクトホール底部に形成されているが、貴金属電極層78の下部のコンタクトホール底部の下層銅配線70が露出した部分に電極シード層77を有することが異なる。このシード電極層77も不揮発性半導体記憶装置400aと同様に、貴金属電極層78を無電解選択成長めっきにより形成する際に、シード電極層77を介することで貴金属めっき浴の還元剤の選択肢の幅を広げることができる。
(第5の実施の形態)
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置500の構成を示す断面図である。図15(a)に示す不揮発性半導体記憶装置500aは、図14に示す不揮発性半導体記憶装置400aと400bの基本構成を組み合わせた構造になっている。この不揮発性半導体記憶装置500aの特徴は、下層Cu配線70上にトップキャップ層79を有し、貴金属電極層78がコンタクトホール底部のトップキャップ層79上に形成されていることである。
通常、下層Cu配線70上にCuの拡散を抑制するためにトップキャップ層79が形成される。トップキャップ層79としては、CoWP、TiWN、TiN、Ti、Taまたは、TaN、あるいはそれらの積層膜などが用いられる。これらの材料をトップキャップ層79として用いると、無電解選択成長めっきで貴金属電極層78を形成する際に、このトップキャップ層79がめっき浴の触媒活性層として機能する。
また、図15(b)に示す不揮発性半導体記憶装置500bは、図15(a)に示す不揮発性半導体記憶装置500aと基本構成はほぼ同じであるが、コンタクトホールがトップキャップ層79を貫いて下層銅配線70に接続していることが不揮発性半導体記憶装置500aと異なる。無電解選択成長めっきで貴金属電極層78を形成する際に、貴金属めっき浴に含まれる還元剤の種類によっては、トップキャプ層上でめっき浴が触媒活性化しない場合がある。そのため、本実施の形態においては、コンタクトホールを下層銅配線70に接続するように形成し、コンタクトホール底部に銅を露出させ、銅上の無電解選択成長めっきにより貴金属電極層78を形成している。この場合には、トップキャップ層が導電性である必要がないため、トップキャップ層79としてSiN等の絶縁性バリア膜を用いることができる。
(第6の実施の形態)
図16は、本発明の第6の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す断面図である。不揮発性半導体記憶装置600a、600bは、図8に示す第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200の記憶部33と基本構成は同じであるが、貴金属電極層78の断面形状が図16(a)の不揮発性半導体記憶装置600aでは凹状、図16(b)の不揮発性半導体記憶装置600bでは凸状になっていることが第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200と異なる。何れの場合も、貴金属電極層78と抵抗変化層73の界面の面積が、記憶部のサイズを大きくすることなく増大でき、安定な抵抗変化特性、高歩留、及び高信頼性が得られる。
貴金属電極層78を無電解選択成長めっきで形成する場合、貴金属電極の材料や膜厚、粒状成長や柱状成長などの結晶成長性の違いにより凹凸形状が異なる。さらに、層間絶縁層76に用いる材料が親水性か疎水性かによっても、貴金属電極層78の断面形状が異なってくる。
(第7の実施の形態)
図17は、本発明の第7の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す断面図である。図17(a)に示す不揮発性半導体記憶装置700aは、図1(b)に示す不揮発性半導体記憶装置100の抵抗変化層21において、第1の抵抗変化層211及び第2の抵抗変化層212を積層した構成となっている。詳しくは、不揮発性半導体記憶装置700aの抵抗変化層は、コンタクトホール26の内部に形成され、貴金属電極層20に接続された第1の抵抗変化層211と、コンタクトホール26の内部に形成され、第1の抵抗変化層211上に形成された第2の抵抗変化層212とを有しており、第1の抵抗変化層211及び第2の抵抗変化層212は同種の金属酸化物(酸素不足型の遷移金属酸化物)からなり、第1の抵抗変化層211の酸素含有率は第2の抵抗変化層212の酸素含有率より高いように構成されている。
また、図17(b)に示す不揮発性半導体記憶装置700bは、図8(a)に示す不揮発性半導体記憶装置200の抵抗変化層31において、第1の抵抗変化層311及び第2の抵抗変化層312を積層した構成となっている。詳しくは、不揮発性半導体記憶装置700bの抵抗変化層は、コンタクトホール26の内部に形成され、貴金属電極層30に接続された第1の抵抗変化層311と、コンタクトホール26の内部に形成され、第1の抵抗変化層311上に形成された第2の抵抗変化層312とを有しており、第1の抵抗変化層311及び第2の抵抗変化層312は同種の金属酸化物(酸素不足型の遷移金属酸化物)からなり、第1の抵抗変化層311の酸素含有率は第2の抵抗変化層312の酸素含有率より高いように構成されている。
このような構成とすることにより、微細化に適したホール構造に抵抗変化素子を埋め込むことができるので、大容量及び高集積化に適した抵抗変化型の不揮発性記憶装置を実現できる。また、貴金属電極層20、30に接続し、酸素含有率の高い第1の抵抗変化層211、311をコンタクトホール26の底部に配置し、その上部に酸素含有率の低い第2の抵抗変化層212、312を配置することで、貴金属電極層20、30の界面領域で確実に抵抗変化をさせることができ、抵抗変化する極性が常に安定することで、安定なメモリ特性を得ることができる。抵抗変化動作のメカニズムは、電極界面近傍における酸素の酸化還元が支配的であり、酸化還元に寄与できる酸素が多い界面で優先的に動作するからである。
第1の抵抗変化層211、311及び第2の抵抗変化層212、312をコンタクトホール26内に形成する方法としては、選択成長めっき法が好適に用いられる。すなわち、コンタクトホール26の底部に露出した貴金属電極層20、30上にのみ選択成長するように金属(ここでは、タンタル)を形成する。まず、この金属を酸素雰囲気中(400〜450℃)で酸化してタンタル酸化物からなる第1の抵抗変化層211、311を形成する。このとき、タンタルは、完全に酸化するので、その酸素含有率は、Taのストイキオメトリー(化学量論組成)に近い72atm%程度となる。なお、この工程では金属から金属酸化物に完全に酸化させるために、効率の良い熱酸化を用いることが好ましい。
次に、コンタクトホール26内に第1の抵抗変化層211、311より酸素含有率が低い第2の抵抗変化層212、312の金属酸化物(タンタル酸化物)を形成する。第2の抵抗変化層212、312の形成においては、例えばタンタルターゲットをアルゴンと酸素ガス雰囲気中でスパッタリングする、いわゆる、反応性スパッタリングで形成する。このときの酸素含有率は65atm%前後である。コンタクトホール26内に金属を完全に充填するまで、スパッタリングで成膜し、その後、層間絶縁層上の不要なタンタル酸化物をCMPで除去し、コンタクトホール26内にのみ第2の抵抗変化層212、312を形成する。タンタル酸化物の代わりにハフニウム酸化物を用いた場合についても、同様にハフニウムターゲットをアルゴンと酸素ガス雰囲気中でスパッタリングする反応性スパッタリングで形成できる。
以上、第1から第7の実施の形態について説明したが、これらの組み合わせによる種々の変更も可能である。例えば、第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100や第4の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置400、第5の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置500、および第6の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置600においても、第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200のように、記憶部と直列に接続するダイオード素子を備える構造にすることもできる。さらに、第3の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置300のように、記憶部とダイオード素子を一つの基本構成として、積層構成にすることもできる。
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、微細化かつ大容量化が可能なクロスポイント構造を備え、また、従来の製造方法では実現困難なメモリセル構造を形成することができるため、不揮発性記憶装置を用いる種々の電子機器分野に有用である。
100,200,300a,300b,400a,400b,500a,500b,600a,600b 不揮発性半導体記憶装置(ReRAM)
1 ワード線
2 下部電極
3 抵抗変化層
4 中間電極
5 半導体層
6 上部電極
7 抵抗変化素子
8 ダイオード素子
9 ビット線
11 基板
12 能動素子
12a ソース領域
12b ドレイン領域
12c ゲート絶縁膜
12d ゲート電極
13,16 半導体層間絶縁層
14,17,25,40,51 埋め込み導体
15 半導体電極配線
17a,26 コンタクトホール 18,70 下層銅配線
18a,39 配線溝
19,24,37,41,49,52,60,76 層間絶縁層
20,30,72,78,78a,78b 貴金属電極層
21,31,73 抵抗変化層
21a,31a 抵抗薄膜層
22,38,74 上層銅配線(第1上層銅配線)
23,33,75 記憶部(第1記憶部)
32 中間電極
32a,35a 金属薄膜層
34 半導体層
34a 半導体薄膜層
35 上部電極
36 ダイオード素子(第1ダイオード素子)
38a 銅薄膜層
42 第2貴金属電極層
43 第2抵抗変化層
44 第2中間電極層
45 第2記憶部
46 第2半導体層
47 第2上部電極
48 第2ダイオード素子
50 第2上層銅配線
53 第3貴金属電極
54 第3抵抗変化層
55 第3中間電極
56 第3記憶部
57 第3半導体層
58 第3上部電極
59 第3ダイオード素子
61 第3上層銅配線
71,77 電極シード層
79 トップキャップ層
211,311 第1の抵抗変化層
212,312 第2の抵抗変化層
【書類名】明細書
【発明の名称】不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗変化層を用いたクロスポイント型の不揮発性半導体記憶装置に関し、特に微細化に適した構造の不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器におけるデジタル技術の進展に伴い、音楽、画像、情報等のデータを保存するために、大容量かつ不揮発性の半導体記憶装置の開発が活発に行われている。例えば、強誘電体を容量素子として用いる不揮発性半導体記憶装置は既に多くの分野で用いられている。さらに、このような強誘電体キャパシタを用いる不揮発性記憶装置に対して、電気的パルスの印加によって抵抗値が変化し、その状態を保持し続ける材料を用いた不揮発性半導体記憶装置(以下、ReRAMとよぶ)が、通常の半導体プロセスとの整合性を取りやすいという点で注目されている。
【0003】
抵抗変化層としては、ニッケル酸化膜(NiO)、バナジウム酸化膜(V)、亜鉛酸化膜(ZnO)、ニオブ酸化膜(Nb)、チタン酸化膜(TiO)、タングステン酸化膜(WO)またはコバルト酸化膜(CoO)等が用いられている。このような遷移金属酸化膜は閾値以上の電圧または電流が印加されたときに特定の抵抗値を示し、その抵抗値は新たに電圧または電流が印加されるまでは、その抵抗値を保持し続けることが知られており、かつ既存のDRAM工程をそのまま使用して作製できるという特徴を有している。
【0004】
特許文献1では、クロスポイント型構成のReRAMにおいて、X方向の導電アレイラインと、Y方向の導電アレイラインとの交点部分にメモリプラグを形成した構成が示されている。このメモリプラグは抵抗変化型記憶素子と金属−絶縁物−金属(MIM)構造のダイオード素子から構成させている。メモリプラグは7層の積層構成から成っており、2層の電極層に挟まれた複合金属酸化物が記憶素子であり、この記憶素子上にMIMダイオード素子を形成している。
【0005】
また、特許文献2では、相互並行した間隔をもって配列された2以上のビット線と、相互並行した間隔をもって、上記ビット線と交差する方向に形成された2以上のワード線と、ビット線及びワード線の交差する位置であり、かつビット線上に形成された抵抗構造体と、この抵抗構造体及びワード線と接触するように抵抗構造体上に形成されたダイオード構造体とを備えた基板と、この基板上に形成された下部電極と、下部電極上に形成された抵抗構造体と、抵抗構造体上に形成されたダイオード構造体と、ダイオード構造体上に形成された上部電極とを備えたReRAMが開示されている。
【0006】
特許文献3においても、ビット線とワード線との間に下部電極と可変抵抗体及び上部電極からなる可変抵抗素子と、この可変抵抗素子に直列に接続した非線形素子からなるクロスポイント型ReRAMが開示されている。
【先行特許文献】
【0007】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6753561号明細書
【特許文献2】特開2006−140489号公報
【特許文献3】特開2006−203098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1、特許文献2及び特許文献3等に記載のメモリセル構造は、ビット線とワード線との交点部分に抵抗変化型の記憶素子とダイオード素子を形成するため、少なくとも3層以上の積層構成が必要である。その製造方法としては、例えば、図19(a)のように、ビット線1上に、下部電極2、抵抗変化層3及び中間電極4からなる抵抗変化素子7と、中間電極4、半導体層5及び上部電極6からなる金属−半導体−金属(MSM)ダイオード素子8とを構成するすべての層を積層した後に、図19(b)のようにリソグラフィとドライエッチングを用いて、ピラー形状に加工する方法が考えられる。
【0010】
この手法の場合には、抵抗変化素子とダイオード素子の膜厚を変えずに設計ルールを微細化しようとすると、メモリセルを高アスペクト比をもつピラー形状に加工する必要がある。高アスペクト比のピラー構造のドライエッチングには、エッチング不足やサイドエッチ、プラズマチャージダメージといった問題が生じる。また、エッチング時のマスク材料の消耗も問題となり、ピラーがテーパー形状になりやすくなる。マスク自体を厚くすることでマスクの耐久性を向上できるが、マスクを厚膜化することは微細パターンの精度を損なうという問題を生じる。したがって、ドライエッチングにより高アスペクト比のピラー構造を形成する方法は微細化に適しないため、大容量の不揮発性半導体記憶装置を実現することは困難である。また、材料によっては、例えば、蒸気圧が低い銅(Cu)や、反応性が低く蒸気圧が低い貴金属材料、例えば白金(Pt)やイリジウム(Ir)等はそもそもドライエッチングによる微細なパターン形成が困難である。
【0011】
また、微細化に適したホール埋め込み型構造においてコンタクトホール内に抵抗変化素子7とダイオード素子8を形成する場合、コンタクトホール内に電極層や半導体層を形成する必要がある。しかし、従来のスパッタリング法やCVD法では、コンタクトホール内に金属薄膜や半導体薄膜等を平坦に成膜することは困難である。すなわち、従来のスパッタリング法やCVD法では、図19(c)のように必ずホール側壁やホール外の層間絶縁層上にも成膜されてしまうため、コンタクトホール内に金属薄膜や半導体薄膜を平坦に積層することは現実的には不可能である。
【0012】
また、成膜後に図19(d)のように、CMPやエッチバックを用いて、ホール外に成膜された金属薄膜などの除去や平坦化をする必要がある。しかし、電極材料に貴金属材料を用いた場合、貴金属材料は反応性が低く酸化しにくいため、一般的な酸化剤及び固体研磨砥粒等からなる金属用研磨液によるCMPは非常に困難である。また、研磨液に含まれる微粒子の機械的研磨作用により、貴金属材料を物理的に研磨できたとしても層間絶縁層に傷が付くスクラッチ傷が発生しやすくなり、歩留り低下を引き起こす要因となる。
【0013】
そして、CMPなどを用いて層間絶縁層上の電極材料等を除去して、ホール内に抵抗変化素子やダイオード素子を埋め込み形成しても、スパッタリングやCVDによる成膜方法では、必ず図19(e)のようなメモリセル構造になり、上述のようにコンタクトホール側壁に成膜された層(例えば、図19(e)では下部電極2)を介して、メモリセルに接続する上下のビット線1とワード線9との間でリークが発生する。
【0014】
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するもので、電極材料にPt等の貴金属を用いたクロスポイント型のReRAMを備え、ワード線とビット線との間のリークを抑制できるとともに微細化かつ大容量化が可能な不揮発性半導体記憶装置とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法は、基板上に複数のストライプ形状の下層銅配線を形成する工程(A)と、前記下層銅配線が形成された前記基板上に、前記下層銅配線の上方に複数のコンタクトホールが位置するように層間絶縁層を形成するとともに、前記コンタクトホールの底に位置するように前記下層銅配線上に選択成長めっきによって貴金属を含む貴金属電極層を形成する工程(B)と、前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に抵抗変化層を埋め込み形成する工程(C)と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線を形成する工程(D)と、を含んでいる。
【0016】
このような方法とすることにより、コンタクトホールの側壁やコンタクトホール外の層間絶縁層上に貴金属電極層を成膜することなく、コンタクトホール内に平坦な貴金属電極層を形成することができるので、上層銅配線(ワード線又はビット線)と下層銅配線(ビット線又はワード線)との間のリークを抑制することできる。また、コンタクトホールに抵抗変化層を埋め込み形成するので、不揮発性半導体記憶装置の微細化かつ大容量化が可能である。
【0017】
なお、「前記コンタクトホールの底に位置するように前記下層銅配線上に選択成長めっきによって貴金属を含む貴金属電極層を形成する」とは、コンタクトホールの底にのみ位置するように貴金属電極層を形成する態様と、コンタクトホールの底を含む領域に位置するように貴金属電極層を形成する態様との双方を含む。
【0018】
すなわち、本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法の一態様は、基板上に複数のストライプ形状の下層銅配線を形成する工程(A)と、各前記下層銅配線に積層するように選択成長めっきによってストライプ形状の貴金属を含む貴金属電極層を形成する工程(B1)と、前記下層銅配線と前記貴金属電極層とを含む前記基板上に層間絶縁層を形成する工程(B2)と、前記層間絶縁層に、各前記貴金属電極層の表面まで貫通する複数のコンタクトホールを形成する工程(B3)と、前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に抵抗変化層を埋め込み形成する工程(C)と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線を形成する工程(D)とを含んでもよい。
【0019】
このような方法とすることにより、選択成長めっきを用いて下層銅配線上にのみ貴金属電極層を形成することができるため、リソグラフィやエッチングによる貴金属材料の加工が不要になる。そのため、ReRAMに貴金属材料を用いた場合に、エッチングによる加工では困難だった微細化が実現できることから、大容量の不揮発性半導体記憶装置を製造することが可能になる。また、めっきプロセスを用いることから、銅ダマシンを用いた配線形成工程との親和性もよい。さらに、コンタクトホールの側壁やコンタクトホール外の層間絶縁層上に貴金属電極層を成膜することがないため、上層銅配線(ワード線又はビット線)と下層銅配線(ビット線又はワード線)との間のリークを抑制することできる。
【0020】
さらに、上記方法において、前記工程(C)後に抵抗変化層に直列に接続するダイオード素子を形成する工程(E)を追加してもよい。
【0021】
このような方法とすることにより、読み込み時あるいは書き込み時において十分な電流を流しながら、クロストークを防止することができるので、抵抗変化特性の再現性に優れ、かつ高信頼性の不揮発性半導体記憶装置を製造することが可能になる。
【0022】
さらに、本発明の不揮発性半導体記憶装置の製造方法の他の態様は、基板上に複数のストライプ形状の下層銅配線を形成する工程(A)と、前記下層銅配線を含む前記基板上に層間絶縁層を形成する工程(B1´)と、各前記層間絶縁層に、前記下層銅配線の表面まで貫通する複数のコンタクトホールを形成する工程(B2´)と、前記コンタクトホール内の底部でかつ前記下層銅配線上に選択成長めっきによって貴金属電極層を形成する工程(B3´)と、前記貴金属電極層二接続するように前記コンタクトホール内に抵抗変化層を埋め込み形成する工程(C)と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線を形成する工程(D)とを含んでもよい。
【0023】
このような方法とすることにより、選択成長めっきを用いてコンタクトホール内に平坦な貴金属電極層を形成することができるので、上層銅配線(ワード線又はビット線)と下層銅配線(ビット線又はワード線)との間のリークを抑制することできるとともに、リソグラフィやエッチングによる貴金属材料の加工が不要になる。さらに、上述の下層銅配線上に貴金属電極層を形成する製造方法に比べ、コンタクトホール底部にのみ貴金属電極層を形成できることから、貴金属材料の使用量を減らすことができ、貴金属材料を用いた場合にも低コストで大容量の不揮発性半導体記憶装置を製造することが可能になる。
【0024】
さらに、上記方法においても、前記工程(C)後に抵抗変化層に直列に接続するダイオード素子を形成する工程(E)を追加してもよい。
【0025】
なお、請求の範囲及び明細書の記載において、「抵抗変化層に接続する」とは抵抗変化層と電気的に接続することを意味し、直接的に接続(すなわち、接触)する態様及び他の導電層等を介して間接的に接続する態様の何れも含む概念である。
【0026】
また、本発明の不揮発性半導体記憶装置は、基板と、前記基板上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線と、各前記下層銅配線に積層するようにストライプ形状に形成された貴金属電極層と、前記下層銅配線と前記貴金属電極層とを含む前記基板上に形成された層間絶縁層と、前記層間絶縁層に、前記貴金属電極層の表面まで貫通するように形成された複数のコンタクトホールと、前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に埋め込み形成された抵抗変化層と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状に形成された上層銅配線とを備える。
【0027】
このような構成とすることにより、コンタクトホールの側壁やコンタクトホール外の層間絶縁層上に貴金属電極層を成膜することなく、コンタクトホール内に平坦な貴金属電極層を形成することができるので、上層銅配線(ワード線又はビット線)と下層銅配線(ビット線又はワード線)との間のリークを抑制することできる。また、コンタクトホールに抵抗変化層を埋め込み形成するので、不揮発性半導体記憶装置の微細化かつ大容量化が可能である。さらに、貴金属電極層が抵抗変化層の下部電極として機能するだけでなく、下層銅配線の拡散を防止するバリア層としても機能し、高信頼性を有する不揮発性半導体記憶装置を製造することが可能になる。
【0028】
さらに、上記構成において、抵抗変化層に直列に接続するダイオード素子を備えるようにしてもよい。
【0029】
このような構成とすることにより、読み込み時あるいは書き込み時において十分な電流を流しながら、隣接セルとのクロストークを防止することができるので、抵抗変化特性の再現性に優れ、かつ高信頼性の不揮発性半導体記憶装置を実現できる。
【0030】
さらに、本発明の他の実施形態の不揮発性半導体記憶装置は、基板と、前記基板上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線と、前記下層銅配線を含む前記基板上に形成された層間絶縁層と、前記層間絶縁層に、各前記下層銅配線の表面まで貫通するように形成された複数のコンタクトホールと、各前記下層銅配線に接続し、前記コンタクトホール内の底部に形成された貴金属電極層と、前記貴金属電極層に接続し、前記コンタクトホール内に埋め込み形成された抵抗変化層と、前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該前記抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線とを備える。
【0031】
このような構成にすることにより、上述の下層銅配線上に選択成長めっきにより貴金属電極層を形成する不揮発性半導体記憶装置に比べ、コンタクトホール底部にのみ選択成長めっきにより貴金属電極層を形成することから、貴金属電極層の形成による隣接する下層銅配線間での配線間ショートの懸念がなくなるという利点がある。
【0032】
また、上記構成においても、抵抗変化層に直列に接続するダイオード素子を備えるようにしてもよい。
【0033】
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は上記のように構成され、電極材料にPt等の貴金属を用いたクロスポイント型のReRAMを備え、ワード線とビット線との間のリークを抑制できるとともに微細化かつ大容量化が可能な不揮発性半導体記憶装置とその製造方法を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を説明する平面図であり、図1(b)は同図(a)の1A−1A線の断面を矢印方向に見た断面図である。
【図2】図2(a)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部の構成を示すための要部の部分拡大図の平面図であり、図2(b)は同図(a)の2A−2A線の断面を矢印方向に見た断面図である。
【図3】図3(a)から図3(c)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、能動素子が形成された基板上に層間絶縁層までを形成し、さらに下層銅配線を形成するまでの工程を示す断面図である。
【図4】図4(a)及び図4(b)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、下層銅配線を含む層間絶縁層上に貴金属電極層を形成し、さらに層間絶縁層を形成する工程を示す断面図である。
【図5】図5は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、層間絶縁層の所定の位置にコンタクトホールを形成する工程を示す図であり、図5(a)は平面図であり、図5(b)は同図5(a)に示す5A−5A線での断面を矢印方向に見た断面図である。
【図6】図6(a)及び図6(b)は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、コンタクトホール中に抵抗変化層を埋め込み形成するまでの工程を示す図である。
【図7】図7は本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、抵抗変化層に接続するように上層銅配線を形成した状態の図であり、図7(a)は平面図であり、図7(b)は図7(a)に示す7A−7A線での断面を矢印方向に見た断面図である。
【図8】図8(a)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を説明する断面図であり、図8(b)は第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部とダイオード素子の構成を示すための要部の部分拡大図の断面図である。
【図9】図9(a)から図9(d)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、半導体層間絶縁層中に、下層銅配線をストライプ形状に形成し、さらにその上に層間絶縁層を形成し、コンタクトホールを形成し、コンタクトホール底部に貴金属電極層を形成するまでの工程を示す断面図である。
【図10】図10(a)から図10(c)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、コンタクトホール中に抵抗変化層を埋め込み形成する工程を示す断面図である。
【図11】図11(a)から図11(c)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、コンタクトホール中の抵抗変化層上に、中間電極を埋め込み形成し、さらにその上に層間絶縁層を形成するまでの工程を示す断面図である。
【図12】図12(a)から図12(c)は本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の製造方法において、層間絶縁層中に配線溝を形成し、ダイオード素子及び上層銅配線を埋め込み形成するまでの工程を示す断面図である。
【図13】図13は本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を説明する断面図である。
【図14】図14(a)及び図14(b)は本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部の構成を示すための要部の断面図である。
【図15】図15(a)及び図15(b)は本発明の第5の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部の構成を示すための要部の断面図である。
【図16】図16(a)及び図16(b)は本発明の第6の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の記憶部の構成を示すための要部の断面図である。
【図17】図17(a)及び図17(b)は本発明の第7の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す断面図である。
【図18】図18(a)及び図18(b)は下層銅配線上にニッケルの電極シード層を介して無電解Pdめっきによりパラジウムの貴金属電極層を形成した場合における貴金属電極層表面のX線分析結果を示す図である。
【図19】図19(a)から図19(e)は従来の不揮発性半導体記憶素子の製造方法の主要な工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素については同じ符号を付しており説明を省略する場合がある。また、トランジスタや記憶部等の形状については模式的なものであり、その個数等についても図示しやすい個数としている。
【0037】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置100の構成を説明する図で、(a)は平面図、(b)は(a)に示す1A−1A線に沿う断面を矢印方向に見た断面図を示す。また、図2は、記憶部23の構成を示すための要部の部分拡大図で、(a)は平面図、(b)は(a)に示す2A−2A線に沿う断面を矢印方向に見た断面図である。
【0038】
図1及び図2に示すように、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100は、基板11と、この基板11上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線18と、下層銅配線18上に形成された貴金属電極層20と、下層銅配線18と貴金属電極層20とを含む基板11上に形成された層間絶縁層19と、層間絶縁層19に、貴金属電極層20に至るように形成された複数のコンタクトホールと、上記コンタクトホール中に埋め込まれ、貴金属電極層20に接続する抵抗変化層21と、抵抗変化層21に接続し、層間絶縁層19上の層間絶縁層24中に形成された複数の上層銅配線22とを備えている。
【0039】
複数の下層銅配線層18は、それぞれがストライプ形状に形成されていて、それぞれの幅方向に互いに間隔を置いて配置されている。
【0040】
それぞれの貴金属電極層20は、それぞれの下層銅配線層18に積層して形成されていて、両者は、積層方向から見て、実質的に互いに重なり合う形状(実質的に互いに同じ形状)に形成されている。貴金属電極層20は、1つの種類の貴金属で構成されていてもよいが、2種類以上の金属の積層、又は1つの種類の貴金属に他の金属がドープされている構成でもよい。貴金属電極層20を上記のような構成にすることにより、貴金属電極層20に含まれる貴金属が抵抗変化層にマイグレーションして界面形状が平坦でなくなることを防止できる。
【0041】
さらに、本実施の形態の場合には、上層銅配線22が層間絶縁層19上で、下層銅配線18に対して交差する(例えば、直交する)ストライプ形状に形成されている。複数の上層銅配線層22は、それぞれがストライプ形状に形成されていて、それぞれの幅方向に互いに間隔を置いて配置されている。そして、上層銅配線22と下層銅配線18との交点にコンタクトホール26が形成されている。コンタクトホール26は、それぞれの貴金属電極層20に対して複数形成されている。そして、それぞれのコンタクトホール26を埋めるようにして抵抗変化層21が形成されていて、この抵抗変化層21と、この抵抗変化層21に接続する領域の貴金属電極層20と上層銅配線22とにより記憶部23を構成している。抵抗変化層21としては、酸素不足型の遷移金属酸化物膜もしくはペロブスカイト系酸化膜が用いられ得る。酸素不足型の遷移金属酸化物膜として、例えば、タンタル酸化膜(TaO)、ニッケル酸化膜(NiO)、ハフニウム酸化膜(HfO)、鉄酸化膜(FeO)、バナジウム酸化膜(VO)、亜鉛酸化膜(ZnO)、ニオブ酸化膜(NbO)、チタン酸化膜(TiO)、タングステン酸化膜(WO)又はコバルト酸化膜(CoO)又は銅酸化膜(CuO)等が用いられ得る。ペロブスカイト系酸化膜として、例えば、PrCaMnO、LaCaMnO又はSrTiO等が用いられ得る。これらのうち、酸素不足型タンタル酸化物(TaO)は、抵抗変化特性の安定性や作製の再現性等の面から好ましく、以下では抵抗変化層21が酸素不足型タンタル酸化物(TaO)で構成される例を示す。ここで、酸素不足型とは、TaOと記したときに、TaとOの組成比に関して、化学量論組成よりも酸素量が少ない組成を意味している。TaOにおけるxの範囲としては、0<x<2.5の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.8≦x≦1.9である。なお、図1に示すように、上層銅配線22は、記憶部23がマトリクス状に形成された領域外まで延在されている。
【0042】
さらに、本実施の形態においては、基板11としてシリコン単結晶基板を用いてトランジスタ等の能動素子12を集積した半導体回路を有する。図1では、能動素子12は、ソース領域12a、ドレイン領域12b、ゲート絶縁膜12c及びゲート電極12dからなるトランジスタを示しているが、これらの能動素子12だけでなく、一般にDRAM等のメモリ回路に必要な素子を含む。
【0043】
下層銅配線18及び上層銅配線22は、記憶部23が形成されたマトリクス領域とは異なる領域において能動素子12にそれぞれ接続(正確には電気的に接続)されている。すなわち、図1においては、下層銅配線18は、埋め込み導体14、17及び半導体電極配線15を介して能動素子12のソース領域12aに接続されている。なお、上層銅配線22についても、埋め込み導体25を介して同様に別の能動素子(図示せず)に接続されている。
【0044】
また、本実施の形態においては、層間絶縁層19、24としては、CVD法による酸化シリコン(SiO)やオゾン(O)とテトラエトキシシラン(TEOS)を用いてCVD法により形成したTEOS−SiO膜、低誘電率材料であるシリコン炭酸化膜(SiOC膜)あるいはシリコンフッ素酸化膜(SiOF膜)等を用いてもよい。
【0045】
また、層間絶縁層19中のコンタクトホール形成を容易にするために、層間絶縁層19の下層側にフッ素系エッチングガスを用いたドライエッチングに対し、エッチング耐性を有する膜、具体的には、CVD法により形成したシリコン窒化(SiN)膜、シリコン酸窒化(SiON)膜やシリコン炭窒化(SiCN)膜等を用い、上層には上記のSiN、SiON以外の膜種の絶縁性酸化物材料を用いて層間絶縁層を複数構成にしてもよい。
【0046】
次に、記憶部23を構成する抵抗変化層21は、前述した酸素不足型遷移金属酸化物を用い、スパッタリング法等で形成することができる。このような酸素不足型遷移金属酸化物材料は、閾値以上の電圧又は電流が印加されたときに特定の抵抗値を示し、その抵抗値は新たに一定の大きさのパルス電圧又はパルス電流が印加されるまでは、その抵抗値を維持し続ける。
【0047】
次に、図3から図7を用いて本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100の製造方法について説明する。
【0048】
図3は、能動素子12が形成された基板11上に、層間絶縁層16までを形成し、さらに下層銅配線18及び埋め込み導体17を形成するまでの工程を示す図である。図3(a)は能動素子12が形成された基板11上に、層間絶縁層16を形成した状態の断面図であり、図3(b)は層間絶縁層16の所定の位置にストライプ形状の配線溝18aと、電極配線15に接続するためのコンタクトホール17aとを形成した状態の断面図であり、図3(c)はデュアルダマシン法によって下層銅配線18と埋め込み導体17とを層間絶縁層16中に埋め込み形成した状態の断面図である。
【0049】
初めに、図3(a)及び図3(b)に示す工程では、複数の能動素子12、埋め込み導体14、電極配線15及び層間絶縁層13が形成されている基板11上に、層間絶縁層16を形成する。埋め込み導体14及び電極配線15については、従来はアルミ(Al)が主に用いられたが、最近では微細化しても低抵抗を実現できる銅が用いられる。また、層間絶縁層13、16についても、配線間の寄生容量の低減のためにフッ素含有酸化物(例えば、SiOF)やカーボン含有窒化物(例えば、SiCN)あるいは有機樹脂材料(例えば、ポリイミド)が用いられている。本実施の形態の場合にも、電極配線15としては銅(Cu)を用い、半導体層間絶縁層13、16としては、例えばフッ素含有酸化物であるSiOFを用いることができる。
【0050】
次に、図3(c)に示す工程では、下層銅配線18を層間絶縁層16中に埋め込み形成する(工程A)。これは以下のようにすれば形成できる。まず、図3(b)に示すように、半導体層間絶縁層16に下層銅配線18を埋め込むためのストライプ形状の配線溝18aと半導体電極配線15に接続するためのコンタクトホール17aとを形成する。これらについては、一般的な半導体プロセスで用いられている技術を用いれば容易に形成することができる。このような配線溝18aとコンタクトホール17aとを形成し、当該配線溝18aとコンタクトホール17aとに銅を充填するように、下層銅配線18及び埋め込み導体17となる導体膜を形成した後、例えばCMPを行うことで、図3(c)に示すような形状の下層銅配線18と埋め込み導体17を埋め込み形成することができる。なお、銅配線は、層間絶縁層への銅の拡散を抑制するために、銅層の下層側にバリアメタル層や、銅層の上層側にメタルキャップ層を有する積層構造を用いてもよい。銅配線のバリアメタル層やトップキャップ層には、一般的には、CoWPやTiWN、TiやTiN、TaやTaNが用いられる。なお、本実施の形態においては、デュアルダマシン法によって下層銅配線18と埋め込み導体17とを層間絶縁層16中に埋め込み形成しているが、もちろん、埋め込み導体17と下層銅配線18とを別々に形成するシングルダマシン法を用いてもよい。
【0051】
図4は、下層銅配線18上に、選択成長めっき法を用いて貴金属電極層20を形成し、さらに下層銅配線18と貴金属電極層20とを含む層間絶縁層16上に層間絶縁層19を形成するまでの工程を示す図である。図4(a)は下層銅配線18上に貴金属電極層20を形成した状態の断面図であり、図4(b)は下層銅配線18と貴金属電極層20とを含む層間絶縁層16上に層間絶縁層19を形成した状態の断面図である。
【0052】
図4(a)に示す工程では、各下層銅配線18に積層するように選択成長めっき法によってストライプ形状の貴金属を含む貴金属電極層20を形成する(工程B1)。本実施の形態においては、貴金属電極層20の形成には銅上において無電解選択成長めっきを用いている。本実施の形態では、抵抗変化層21に酸素不足型タンタル酸化物(TaO)を用いるため、貴金属電極層20にはTaOの抵抗変化特性がよい電極材料である白金(Pt)が好適に用いられる。無電解Ptめっき浴には、ヒドラジン−アンモニア系Ptめっき浴、ホウ素系化合物や次亜リン酸を還元剤として含むPtめっき浴などを用いることができる。Pt電極膜の膜厚は5nm以上24nm以下としてもよい。膜厚がこの範囲内にある場合には、Pt電極層を薄膜化することで、熱処理によるPtのヒロック発生を抑制し、抵抗変化層との界面を平坦化することができる。また、下層銅配線18上に、ニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−ホウ素合金のいずれかを含む電極シード層を形成した後、上記の無電解Ptめっきを行うことにより、より効率よくCu上にPtの選択成長を行うことができる。また、電極シード層は、パラジウム層及びニッケル層、パラジウム層及びニッケル−リン合金層もしくはパラジウム層及びニッケル−ホウ素合金層のいずれかの組み合わせの積層構造としてもよい。
【0053】
また、貴金属電極層20を形成する工程において、下層銅配線18に外部から一括して電圧を印加できるよう配線パターンを工夫すれば、電解めっき法を使用することも可能である。
【0054】
選択成長めっきを用いることで、層間絶縁層16中に埋め込み形成された下層銅配線18上にのみ選択的に貴金属電極層20が形成され、層間絶縁層16上には貴金属電極層20が形成されないため、この貴金属電極層20は下層銅配線18上に、下層銅配線18と同様のストライプ形状に形成され、露光プロセスやエッチングなどを用いた形状加工が不要となる。
【0055】
次に、図4(b)に示す工程では、この下層銅配線18と貴金属電極層20とを含む基板11上に、例えばCVD法を用いてTEOS−SiOからなる層間絶縁層19を形成する(工程B2)。なお、この層間絶縁層19としては、先述したように種々の材料を用いることができる。
【0056】
図5は、層間絶縁層19の所定の位置にコンタクトホール26を形成するまでの工程を示す図である。図5(a)は層間絶縁層の所定の位置にコンタクトホール26を形成した状態の平面図であり、図5(b)は図5(a)に示す5A−5A線での断面を矢印方向に見た断面図である。
【0057】
図5に示す工程では、層間絶縁層19に、各貴金属電極層20の表面まで貫通する複数のコンタクトホール26を形成する(工程B3)。本実施の形態においては、各金属電極層20の長さ方向に沿った一定の配列ピッチでコンタクトホール26を形成する。このコンタクトホール26は、図5(a)からわかるように、下層銅配線18とその上に形成された貴金属電極層20の幅より小さな外形としている。なお、図では四角形状としているが、円形状でも楕円形状でも、あるいはさらに他の形状であってもよい。
【0058】
図6は、コンタクトホール26中に抵抗変化層21を埋め込み形成するまでの工程を示す図である。図6(a)はコンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に抵抗変化層21となる抵抗薄膜層21aを形成した状態の断面図であり、図6(b)はCMPによって層間絶縁層19上の抵抗薄膜層21aを除去した状態の断面図である。
【0059】
図6(a)に示す工程では、コンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に、抵抗変化層21となる抵抗薄膜層21aを形成する。本実施の形態では、抵抗変化層21として酸素不足型タンタル酸化物(TaO)をスパッタリング法により形成している。なお、成膜方法としては、スパッタリングだけでなく、CVD法やALD法等を用いてもよい。
【0060】
また、金属Ta膜を形成した後、Ta膜を酸化してTaOを形成してもよい。
【0061】
続いて、図6(b)に示す工程では、CMPプロセスを用いて層間絶縁層19上の抵抗薄膜層21aを除去する。このようにして、貴金属電極層20に接続するようにコンタクトホール26内に抵抗変化層21を埋め込み形成する(工程C)。なお、このように抵抗薄膜層21aを除去する方法としては、CMPだけでなくエッチバックする方法でもよい。なお、コンタクトホール26内に抵抗変化層21を埋め込み形成する方法として、上記方法に代えて、選択成長めっき法を用いてもよい。
【0062】
図7は、層間絶縁層19上に抵抗変化層21に接続するように上層銅配線22を形成した状態の図であり、図7(a)は平面図を示し、図7(b)は図7(a)に示す7A−7A線での断面を矢印方向に見た断面図を示す。
【0063】
図7に示す工程では、抵抗変化層21及び層間絶縁層19上に、層間絶縁層24を形成し、下層銅配線18を形成した方法と同じようにして、層間絶縁層24中に抵抗変化層21に接続するように上層銅配線22を形成する(工程D)。この場合に、この上層銅配線22は層間絶縁層19上に、少なくともコンタクトホール26より大きな形状で、かつ下層銅配線18と交差するストライプ形状に形成する。本実施の形態では、上層銅配線22として、下層銅配線18と同様の材料を用いることができる。
【0064】
そして、この上層銅配線22を形成するときに、埋め込み導体25も同時に形成し(所定のコンタクトホールに導体材料を充填して形成する)、この埋め込み導体25を介して電極配線(図示せず)に接続し、図示しない位置に設けられている能動素子に電気的に接続する。このようにして、図1に示すような不揮発性半導体記憶装置100を製造することができる。
【0065】
なお、本実施の形態においては、貴金属電極層20として白金を用いたが、白金の代わりにパラジウム(Pd)を用いることとしてもよい。無電解Pdめっき浴には、ヒドラジン−アンモニア系Pdめっき浴、ホウ素系化合物や次亜リン酸を還元剤として含むPdめっき浴などを用いることができる。Pd電極膜の膜厚は5nm以上24nm以下としてもよい。膜厚がこの範囲内にある場合には、Pd電極層を薄膜化することで、熱処理によるPdのヒロック発生を抑制し、抵抗変化層との界面を平坦化することができると推測される。また、下層銅配線18上に、ニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−ホウ素合金のいずれかを含む電極シード層を形成した後、無電解Pdめっきを行うことにより、より効率よく銅配線上にパラジウムの選択成長を行うことができる。
【0066】
ここで、下層銅配線18上にニッケルの電極シード層を介して無電解Pdめっきによりパラジウムの貴金属電極層20を形成した場合において、貴金属電極層20の表面をX線分析装置により元素分析した結果について説明する。図18は、下層銅配線上にニッケルの電極シード層を介して無電解Pdめっきによりパラジウムの貴金属電極層を形成した場合における貴金属電極層表面のX線分析結果を示す図である。
【0067】
図18の例においては、分析サンプルとして、図18(a)に示すように、銅配線膜80の上に無電解Niめっきによりニッケルの電極シード層81を形成し、当該電極シード層81の上に無電解Pdめっきによりパラジウムの貴金属電極層82を形成したものを使用した。このとき、無電解Niめっき及び無電解Pdめっきにおいてはリンを含むめっき液を用いた。このような分析サンプルをSEM−EDX(走査型電子顕微鏡及びエネルギー分散型X線分析装置;株式会社堀場製作所のEMAX ENERGY EX−250)を用いて元素分析を行った。具体的には、分析サンプルの貴金属電極層82の表面に電子を照射し、反射される特性X線を検出することにより、元素分析を行った。なお、SEMの加速電圧を15keVとし、EDXの分析領域を100nm×100nmとした。
【0068】
その結果、図18(b)に示すように、貴金属電極層82の主成分であるパラジウムのピークの他にめっき液の成分であるリンのピークも観測された。すなわち、リンを含むめっき液を用いた無電解Pdめっきによって形成された貴金属電極層20には、パラジウム以外にリンが含まれるものと推察される。なお、図18(b)においては炭素のピークも観測されているが、これはSEMにおけるコンタミネーションであり、貴金属電極層82の構成元素とは無関係である。
【0069】
同様に、リンを含むめっき液を用いた無電解Ptめっきによって形成された貴金属電極層20には、白金以外にリンが含まれるものと推察される。また、リンが含まれない他のめっき液を用いた場合には、無電解めっきの反応に寄与する元素で、かつ金属膜成分以外の元素が含まれるものと推察される。
【0070】
このように、本実施の形態における製造方法にて形成された貴金属電極層20において元素分析を行うと、貴金属以外に無電解めっきの反応に寄与する元素で、かつ金属膜成分以外の元素が検出されるものと推察される。
【0071】
(第2の実施の形態)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置200の構成を説明する図で、(a)は断面図、(b)は記憶部33とダイオード素子36の構成を示すための要部の部分の拡大断面図である。
【0072】
本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200は、第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100と基本構成は同じであるが、記憶部33と直列に接続するダイオード素子36を備え、貴金属電極層30がコンタクトホール内に形成されていることが第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100と異なる。
【0073】
具体的には、それぞれのコンタクトホール26の内部に、貴金属電極層30と、抵抗変化層31と、中間電極32とが順に積層されて形成されている。そして、貴金属電極層30、抵抗変化層31、及び中間電極32が記憶部33を構成している。貴金属電極層30には、第1の実施の形態の貴金属層20と同じ材料が用いられる。抵抗変化層31には、第1の実施の形態の抵抗変化層21と同じ材料が用いられる。中間電極32には、例えば、TaN、TiN又はWが用いられる。中間電極層32は、ダイオード素子36の一方の電極として機能するが、これらの材料は当該電極の材料として必要とされる条件をも満たす。
【0074】
そして、層間絶縁層19上に形成された層間絶縁層37に配線溝39が形成されていて、この配線溝39の内部に、半導体層34と、上部電極35と、銅配線38とが順に積層されて形成されている。そして、中間電極32、半導体層34、及び上部電極35がダイオード素子36の一例であるMSMダイオードを構成している。ダイオード素子36としては、このように半導体層とこの半導体層を挟む金属電極体層との3層の積層構成からなるMSMダイオード、絶縁体層とこの絶縁体層を挟む金属電極体層との3層の積層構成からなるMIMダイオード、p型半導体とn型半導体との2層の積層構成からなるpn接合ダイオード、又は半導体層と金属電極体層との2層の積層構成からなるショットキーダイオードなど、非線形のスイッチング特性を有する素子を、記憶部の抵抗変化特性に応じて用いるとよい。
【0075】
抵抗変化層に対して直列にダイオード素子を挿入することにより、クロスポイント型ReRAMの場合には、下層配線(例えばビット線)と上層配線(例えばワード線)とがクロスした交点に形成されている抵抗変化層の抵抗値の読み取りや書き込み時のクロストークを低減することができる。
【0076】
次に、図9から図12を用いて、本実施の形態の製造方法について説明する。なお、図9から図12においては、図面の簡単化のために層間絶縁層16から上部の構成のみを示している。
【0077】
図9は、層間絶縁層16中に、ダマシンプロセスによって複数の下層銅配線18をストライプ形状に形成し、さらにその上に層間絶縁層19を形成し、層間絶縁層19にコンタクトホール26を形成し、コンタクトホール底部の下層銅配線18が露出した部分に貴金属電極層30を形成するまでの工程を示す図である。図9(a)は層間絶縁層16中にストライプ形状の下層銅配線18を形成した状態の断面図であり、図9(b)はその上に層間絶縁層19を形成した状態の断面図であり、図9(c)はドライエッチングを用いて、下層銅配線18に接続するコンタクトホール26を形成した状態の断面図であり、図9(d)はコンタクトホール26底部の下層銅配線18が露出した部分に選択成長めっき法を用いて貴金属電極層20を形成した状態の断面図である。
【0078】
初めに、図9(a)に示す工程では、層間絶縁層16中に、複数の下層銅配線18をストライプ形状に形成し(工程A)、さらに、図9(b)に示すように、CVD法等を用いてTEOS−SiO等からなる層間絶縁層19を形成する(工程B1´)。この場合にも、層間絶縁層19は、層間絶縁層19中にコンタクトホール26の形成を容易にするために、層間絶縁層19の下層側にエッチングストッパ層として機能するSiNやSiON、あるいはSiCN等を挿入して、層間絶縁層19を複数層からなる積層構造にしてもよい。さらに、層間絶縁層19の上層側に、このTEOS−SiOよりもCMPにおいて硬質の、例えばSiONを形成してもよい。層間絶縁層19の上層側にSiONを形成することで、後の抵抗変化層31及び中間電極32をコンタクトホール26中に埋め込み形成する際のCMPプロセスを容易に、かつ確実に行うことができる。
【0079】
次に、図9(c)に示す工程では、層間絶縁層19に、各下層銅配線18の表面まで貫通する複数のコンタクトホール26を形成する(工程B2´)。本実施の形態においては、下層銅配線18の長さ方向に沿って一定の配列ピッチでコンタクトホール26を形成する。このコンタクトホール26は、下層銅配線18の幅より小さな外形としており、第1の実施の形態において図5から図7で説明した形状と同様である。
【0080】
さらに、図9(d)に示す工程では、コンタクトホール26底部に露出した下層銅配線18上に無電解選択成長めっきを用いて、貴金属電極層30を形成する(工程B3´)。本実施の形態においても、貴金属電極には白金(Pt)を用い、無電解Ptめっき浴には、ヒドラジン−アンモニア系Ptめっき浴、又はホウ素系化合物や次亜リン酸を還元剤として含むPtめっき浴を用いるとよい。また、Pt電極膜の膜厚は5nm以上24nm以下としてもよい。この場合には、Pt電極層を薄膜化することで、熱処理による白金のヒロック発生を抑制し、抵抗変化層との界面を平坦化することができる。また下層銅配線18上に、ニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−ホウ素合金のいずれかを含む電極シード層を形成した後、上記の無電解Ptめっきを行うことにより、より効率よく銅上に白金の選択成長を行うことができる。また、電極シード層は、パラジウムとニッケル、パラジウムとニッケル−リン合金又はパラジウムとニッケル−ホウ素合金のいずれかの組み合わせの積層構成としてもよい。なお、本実施の形態においても、貴金属電極にパラジウム(Pd)を用いた無電解選択めっきにより貴金属電極層30を形成してもよい。
【0081】
無電解選択成長めっきを用いることで、導電体である下層銅配線上にのみ選択的に貴金属が析出するため、層間絶縁層から成るコンタクトホール側壁には貴金属電極が成膜されない。したがって、コンタクトホール側壁に電極材料が成膜された場合には、側壁に成膜された電極によって上下の配線間でリークが起こりうるが、無電解選択成長めっきを用いることで、側壁リークが発生しない。
【0082】
また、コンタクトホール底部にのみ貴金属電極を成膜することができるので、層間絶縁層上には成膜されないため、CMPやエッチバックなどによる層間絶縁層上に成膜された電極材料を除去する工程が必要ない。特に、貴金属材料は反応性が低いため、CMPによる除去は困難である。したがって、無電解選択成長めっきを用いることで、CMPによるダマシンプロセスが不要になるため工数の減少が可能で、しかも、コンタクトホール底部にのみ成膜でき、余計な部分には成膜されないことから、コスト面でも優れている。
【0083】
図10は、コンタクトホール26中に抵抗変化層31を埋め込み形成する工程を示す図である。図10(a)はコンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に抵抗変化層31となる抵抗薄膜層31aを形成した状態の断面図であり、図10(b)はCMPにより層間絶縁層19上の抵抗薄膜層31aを除去した状態の断面図であり、図10(c)はコンタクトホール26中の抵抗変化層31をさらにオーバポリッシュして表層側に凹部を形成した状態の断面図である。
【0084】
図10(a)に示す工程では、コンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に、抵抗変化層31となる抵抗薄膜層31aを形成する。本実施の形態でも抵抗薄膜層31aとして酸素不足型のTa酸化物(TaO)を用いている。
【0085】
次に、図10(b)に示す工程では、CMPプロセスを用いて層間絶縁層19上の抵抗薄膜層31aを除去する。このようにして、コンタクトホール26内の貴金属電極層30上に抵抗変化層31を埋め込み形成する(工程C)。なお、このように層間絶縁層19上の抵抗薄膜層31aを除去し、抵抗変化層31を埋め込み形成する方法としては、CMPでなくエッチバックを用いてもよい。
【0086】
その後、図10(c)に示す工程では、さらにオーバポリッシュを行うことで、コンタクトホール26中の抵抗変化層31の表層側の一部を除去する。なお、このように抵抗変化層31の一部を除去する方法としては、オーバポリッシュだけでなくエッチバックする方法でもよい。
【0087】
図11は、コンタクトホール26中の抵抗変化層31上に、記憶部33の上部電極となり、かつダイオード素子36の下部電極となる中間電極32を形成し、さらにその上に層間絶縁層37を形成するまでの工程を示す図である。図11(a)はコンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に記憶部の上部電極、かつダイオード素子36の下部電極として機能する中間電極32となる電極薄膜層32aを形成した状態の断面図であり、図11(b)は層間絶縁層19上の電極薄膜層32aをCMPにより除去した状態の断面図であり、図11(c)は中間電極32を含む層間絶縁層19上にさらに層間絶縁層37を形成した状態の断面図である。
【0088】
図11(a)に示す工程では、コンタクトホール26を含む層間絶縁層19上に、記憶部33の上部電極として機能し、かつダイオード素子36の下部電極として機能する中間電極32となる電極薄膜層32aを形成する。本実施の形態においては、電極薄膜層32aとしてTaN、TiN又はWからなる膜をスパッタリングにより形成している。
【0089】
次に、図11(b)に示すように、CMPプロセスを用いて層間絶縁層19上の電極薄膜層32aを除去して、コンタクトホール26中に中間電極32を埋め込み形成する。
【0090】
次に、図11(c)に示すように、中間電極32を含む層間絶縁層19上に、さらにCVDなどを用いて層間絶縁層37を形成する。
【0091】
図12(a)に示す工程では、層間絶縁層37に、ダイオード素子36の一部となる半導体層34と上部電極35、さらに上部銅配線38を埋め込み形成するための配線溝39を形成する。本実施の形態では、配線溝39を下層銅配線18と交差するストライプ形状に形成することにより、半導体層34、上部電極35、及び上層銅配線38を下層銅配線18と交差するストライプ形状に形成している。
【0092】
そして、図12(b)に示す工程では、配線溝39を含む層間絶縁層37上にダイオード素子36の半導体層34となる半導体薄膜層34aと、上部電極31となる金属薄膜層35a、さらに上部銅配線38となる銅薄膜層38aを積層形成する(工程D、E)。
【0093】
また、本実施の形態では、半導体層34の材料として窒素不足型シリコン窒化物(SiN)、上部電極35の材料としてTaN、TiN又はWを用い、半導体層34とそれを挟む中間電極32及び上部電極35とによりMSMダイオードを形成している。なお、このような半導体特性を有するSiN膜は、例えばSiターゲットを用いた窒素ガス雰囲気中でのリアクティブスパッタリングにより形成することができる。例えば、室温条件で、チャンバーの圧力を0.1Pa〜1Paとし、Ar/N流量を18sccm/2sccmとして作製すればよい。
【0094】
半導体特性を有するSiNを上記の条件で、かつ16nmの厚みで作製した場合には、1.6Vの電圧印加で2.5×10A/cmの電流密度が得られ、0.8Vの電圧印加では5×10A/cmの電流密度が得られる。したがって、これらの電圧を基準として用いる場合には、オン/オフ比は5となり、不揮発性半導体記憶装置のダイオード素子として充分使用可能であることが分かる。
【0095】
また、上層銅配線38には下層銅配線18と同様の材料を用いることができる。
【0096】
次に、図12(c)に示す工程では、層間絶縁層37上の半導体薄膜層34aと金属薄膜層35a、及び銅薄膜層38aをCMPにより除去することで、配線溝39にダイオード素子36の半導体層34と上部電極35、及び上層銅配線38を埋め込み形成する。上層銅配線38は、上部電極35、半導体層34、及び中間電極32を介して、抵抗変化層31と電気的に接続される。
【0097】
このような工程により、貴金属電極層30、抵抗変化層31及び中間電極32により記憶部33が構成され、中間電極32、半導体層34及び上部電極35によりダイオード素子36が構成される。これにより、本実施の形態の製造方法による不揮発性半導体記憶装置200を作製することができる。
【0098】
本実施の形態では、ダイオードに最適な下部電極を形成するため、中間電極32をコンタクトホール内の抵抗変化層31の上部に形成する事例を示したが、抵抗変化層の材料とダイオード材料の組み合わせによっては、抵抗変化層31の上部に直接ダイオード材料34を形成してもよい。
【0099】
また、本実施の形態では、ダイオード素子としてMSMダイオードを用いたが、他にも、絶縁体層と、絶縁体層を両側から挟む金属電極体層との3層の積層構成からなるMIMダイオードや、p型半導体層とn型半導体層との2層の積層構成からなるpn接合ダイオード、半導体層と金属電極体層との2層の積層構成からなるショットキーダイオードを形成してもよい。
【0100】
(第3の実施の形態)
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置300の構成を示す断面図である。この不揮発性半導体記憶装置300は、図8に示す第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200を基本構成としており、層間絶縁層、この層間絶縁層のコンタクトホール中に埋め込まれた記憶部及びダイオード素子と上層銅配線とを1つの構成単位として、この構成単位をこの基本構成の上にさらに2層積層した構成からなる。このように積層することにより、さらに大容量の不揮発性半導体記憶装置を実現することができる。
【0101】
以下、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置300の構成を簡単に説明する。なお、この不揮発性半導体記憶装置300では、記憶部とダイオード素子とがそれぞれ3段ずつ積層されているので、第1段目、第2段目及び第3段目のそれぞれの構成を理解しやすくするために、第1段目の構成要素については第1、第2段目の構成要素については第2、第3段目の構成要素については第3の番号をそれぞれの名称の頭部に付して、それぞれの段の構成要素を互いに区別して表記する。
【0102】
第1上層Cu配線38を含む層間絶縁層37上に、さらに層間絶縁層41が形成されている。この層間絶縁層41には、第1記憶部33に対応する位置にそれぞれコンタクトホールが設けられ、このコンタクトホール中に第2貴金属電極層42と第2抵抗変化層43、および第2記憶部45の上部電極かつ第2ダイオード素子48の下部電極として機能する中間電極44とが埋め込み形成されている。そして、中間電極44を含む層間絶縁層41上に第2ダイオード素子48と第2上層Cu配線50を埋め込み形成するための層間絶縁層49が形成され、第2中間電極44に接続し、第1上層Cu配線に交差するストライプ形状に第2ダイオード素子48の第2半導体層46と第2上部電極47、および第2上層Cu配線50が層間絶縁層49中に埋め込み形成されている。
【0103】
次に、第2上層Cu配線を含む層間絶縁層49上に層間絶縁層52が形成され、第1記憶部33および第2記憶部45に対応する位置にコンタクトホールが設けられ、このコンタクトホール中に第3貴金属電極層53と第3抵抗変化層54、および第3中間電極55が埋め込み形成されている。
【0104】
そして、第3中間電極55を含む層間絶縁層52上に層間絶縁層60が形成され、この層間絶縁層60中に、第3中間電極55に接続し、第2上層銅配線に交差するストライプ形状に第3ダイオード素子59の第3半導体層57及び第3上部電極58と第3上層銅配線61が層間絶縁層60中に埋め込み形成されている。
【0105】
なお、第2貴金属電極層42、第2抵抗変化層43、及び第2中間電極44で第2記憶部45を構成している。また、第2中間電極44、第2半導体層46、及び第2上部電極47で第2ダイオード素子48を構成している。また、第3貴金属電極層53、第3抵抗変化層54、及び第3中間電極55で第3記憶部56を構成している。また、第3中間電極55、第3半導体層57、及び第3上部電極58で第3ダイオード素子59を構成している。
【0106】
下層銅配線18は、埋め込み導体14、17と半導体電極配線15とを介して能動素子12のソース領域12aに接続している。また、第1上層銅配線38についても同様に、埋め込み導体(図示せず)と半導体電極配線(図示せず)とを介して別の能動素子(図示せず)に接続されている。さらに、第2上層銅配線50は、図13に示すように埋め込み導体14、17、40、51と半導体電極配線15とを介して別の能動素子12のソース領域12aに接続されている。また、第3上層銅配線61についても、第1上層銅配線38と同様に埋め込み導体(図示せず)と半導体電極配線(図示せず)とを介して別の能動素子(図示せず)に接続されている。
【0107】
第1段目の下層銅配線18と第1上層銅配線38とは、それぞれビット線又はワード線のいずれかとなり、また、第1上層銅配線38と第2上層銅配線50とは、同様にそれぞれビット線又はワード線のいずれかとなる。ただし、第1段目において、第1上層銅配線38がビット線を構成している場合には、第2段目においてもビット線を構成し、第2上層銅配線50はワード線を構成するように設計されている。さらに、第2上層銅配線50がワード線を構成する場合には、第3上層銅配線61はビット線を構成するように設計されている。
【0108】
以上のように、本実施の形態の不揮発性半導体記憶装置300の場合には、それぞれの段に設けた記憶部33、45、56に対して個別にそれぞれダイオード素子36、48、59が設けられているので、それぞれの段に設けられている記憶部33、45、56の書き込みと読み出しを安定に、かつ確実に行うことができる。
【0109】
このような2段以上の多段構造の記憶部とダイオード素子を有する不揮発性半導体記憶装置300の製造工程は、基本的には第2の形態の不揮発性半導体記憶装置200において説明した製造工程を繰り返せばよい。
【0110】
(第4の実施の形態)
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す断面図である。図14(a)に示す不揮発性半導体記憶装置400aは、図1、図2に示す第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100と基本構成は同じであるが、貴金属電極層72の下部に電極シード層71を有することが第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100と異なる。この電極シード層71は2層以上の積層構造としてもよい。例えば、白金の貴金属電極層72に対する電極シード層71としては、ニッケル層及びニッケル−ホウ素合金層の積層構造としてもよいし、パラジウム及びニッケル−ホウ素合金の積層構造としてもよい。また、電極シード層71の形成には、それぞれ銅上の無電解めっきが用いられる。電極シード層71を挿入する理由としては、貴金属電極層72の形成に無電解選択成長めっきを用いる際に、めっき浴に含まれる還元剤に次亜リン酸を用いる場合には、次亜リン酸に対して触媒活性なニッケル層などの電極シード層71を介することで、貴金属の無電解めっきを有効に析出させることができる。
【0111】
また、図14(b)に示す不揮発性半導体記憶装置400bは、図8に示す第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200の記憶部33と同様に、記憶部75の一部となる貴金属電極層78と抵抗変化層73が層間絶縁層76中のコンタクトホール底部に形成されているが、貴金属電極層78の下部のコンタクトホール底部の下層銅配線70が露出した部分に電極シード層77を有することが異なる。このシード電極層77も不揮発性半導体記憶装置400aと同様に、貴金属電極層78を無電解選択成長めっきにより形成する際に、シード電極層77を介することで貴金属めっき浴の還元剤の選択肢の幅を広げることができる。
【0112】
(第5の実施の形態)
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置500の構成を示す断面図である。図15(a)に示す不揮発性半導体記憶装置500aは、図14に示す不揮発性半導体記憶装置400aと400bの基本構成を組み合わせた構造になっている。この不揮発性半導体記憶装置500aの特徴は、下層Cu配線70上にトップキャップ層79を有し、貴金属電極層78がコンタクトホール底部のトップキャップ層79上に形成されていることである。
【0113】
通常、下層Cu配線70上にCuの拡散を抑制するためにトップキャップ層79が形成される。トップキャップ層79としては、CoWP、TiWN、TiN、Ti、Taまたは、TaN、あるいはそれらの積層膜などが用いられる。これらの材料をトップキャップ層79として用いると、無電解選択成長めっきで貴金属電極層78を形成する際に、このトップキャップ層79がめっき浴の触媒活性層として機能する。
【0114】
また、図15(b)に示す不揮発性半導体記憶装置500bは、図15(a)に示す不揮発性半導体記憶装置500aと基本構成はほぼ同じであるが、コンタクトホールがトップキャップ層79を貫いて下層銅配線70に接続していることが不揮発性半導体記憶装置500aと異なる。無電解選択成長めっきで貴金属電極層78を形成する際に、貴金属めっき浴に含まれる還元剤の種類によっては、トップキャプ層上でめっき浴が触媒活性化しない場合がある。そのため、本実施の形態においては、コンタクトホールを下層銅配線70に接続するように形成し、コンタクトホール底部に銅を露出させ、銅上の無電解選択成長めっきにより貴金属電極層78を形成している。この場合には、トップキャップ層が導電性である必要がないため、トップキャップ層79としてSiN等の絶縁性バリア膜を用いることができる。
【0115】
(第6の実施の形態)
図16は、本発明の第6の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す断面図である。不揮発性半導体記憶装置600a、600bは、図8に示す第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200の記憶部33と基本構成は同じであるが、貴金属電極層78の断面形状が図16(a)の不揮発性半導体記憶装置600aでは凹状、図16(b)の不揮発性半導体記憶装置600bでは凸状になっていることが第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200と異なる。何れの場合も、貴金属電極層78と抵抗変化層73の界面の面積が、記憶部のサイズを大きくすることなく増大でき、安定な抵抗変化特性、高歩留、及び高信頼性が得られる。
【0116】
貴金属電極層78を無電解選択成長めっきで形成する場合、貴金属電極の材料や膜厚、粒状成長や柱状成長などの結晶成長性の違いにより凹凸形状が異なる。さらに、層間絶縁層76に用いる材料が親水性か疎水性かによっても、貴金属電極層78の断面形状が異なってくる。
【0117】
(第7の実施の形態)
図17は、本発明の第7の実施の形態に係る不揮発性半導体記憶装置の構成を示す断面図である。図17(a)に示す不揮発性半導体記憶装置700aは、図1(b)に示す不揮発性半導体記憶装置100の抵抗変化層21において、第1の抵抗変化層211及び第2の抵抗変化層212を積層した構成となっている。詳しくは、不揮発性半導体記憶装置700aの抵抗変化層は、コンタクトホール26の内部に形成され、貴金属電極層20に接続された第1の抵抗変化層211と、コンタクトホール26の内部に形成され、第1の抵抗変化層211上に形成された第2の抵抗変化層212とを有しており、第1の抵抗変化層211及び第2の抵抗変化層212は同種の金属酸化物(酸素不足型の遷移金属酸化物)からなり、第1の抵抗変化層211の酸素含有率は第2の抵抗変化層212の酸素含有率より高いように構成されている。
【0118】
また、図17(b)に示す不揮発性半導体記憶装置700bは、図8(a)に示す不揮発性半導体記憶装置200の抵抗変化層31において、第1の抵抗変化層311及び第2の抵抗変化層312を積層した構成となっている。詳しくは、不揮発性半導体記憶装置700bの抵抗変化層は、コンタクトホール26の内部に形成され、貴金属電極層30に接続された第1の抵抗変化層311と、コンタクトホール26の内部に形成され、第1の抵抗変化層311上に形成された第2の抵抗変化層312とを有しており、第1の抵抗変化層311及び第2の抵抗変化層312は同種の金属酸化物(酸素不足型の遷移金属酸化物)からなり、第1の抵抗変化層311の酸素含有率は第2の抵抗変化層312の酸素含有率より高いように構成されている。
【0119】
このような構成とすることにより、微細化に適したホール構造に抵抗変化素子を埋め込むことができるので、大容量及び高集積化に適した抵抗変化型の不揮発性記憶装置を実現できる。また、貴金属電極層20、30に接続し、酸素含有率の高い第1の抵抗変化層211、311をコンタクトホール26の底部に配置し、その上部に酸素含有率の低い第2の抵抗変化層212、312を配置することで、貴金属電極層20、30の界面領域で確実に抵抗変化をさせることができ、抵抗変化する極性が常に安定することで、安定なメモリ特性を得ることができる。抵抗変化動作のメカニズムは、電極界面近傍における酸素の酸化還元が支配的であり、酸化還元に寄与できる酸素が多い界面で優先的に動作するからである。
【0120】
第1の抵抗変化層211、311及び第2の抵抗変化層212、312をコンタクトホール26内に形成する方法としては、選択成長めっき法が好適に用いられる。すなわち、コンタクトホール26の底部に露出した貴金属電極層20、30上にのみ選択成長するように金属(ここでは、タンタル)を形成する。まず、この金属を酸素雰囲気中(400〜450℃)で酸化してタンタル酸化物からなる第1の抵抗変化層211、311を形成する。このとき、タンタルは、完全に酸化するので、その酸素含有率は、Taのストイキオメトリー(化学量論組成)に近い72atm%程度となる。なお、この工程では金属から金属酸化物に完全に酸化させるために、効率の良い熱酸化を用いることが好ましい。
【0121】
次に、コンタクトホール26内に第1の抵抗変化層211、311より酸素含有率が低い第2の抵抗変化層212、312の金属酸化物(タンタル酸化物)を形成する。第2の抵抗変化層212、312の形成においては、例えばタンタルターゲットをアルゴンと酸素ガス雰囲気中でスパッタリングする、いわゆる、反応性スパッタリングで形成する。このときの酸素含有率は65atm%前後である。コンタクトホール26内に金属を完全に充填するまで、スパッタリングで成膜し、その後、層間絶縁層上の不要なタンタル酸化物をCMPで除去し、コンタクトホール26内にのみ第2の抵抗変化層212、312を形成する。タンタル酸化物の代わりにハフニウム酸化物を用いた場合についても、同様にハフニウムターゲットをアルゴンと酸素ガス雰囲気中でスパッタリングする反応性スパッタリングで形成できる。
【0122】
以上、第1から第7の実施の形態について説明したが、これらの組み合わせによる種々の変更も可能である。例えば、第1の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置100や第4の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置400、第5の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置500、および第6の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置600においても、第2の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置200のように、記憶部と直列に接続するダイオード素子を備える構造にすることもできる。さらに、第3の実施の形態の不揮発性半導体記憶装置300のように、記憶部とダイオード素子を一つの基本構成として、積層構成にすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明の不揮発性半導体記憶装置は、微細化かつ大容量化が可能なクロスポイント構造を備え、また、従来の製造方法では実現困難なメモリセル構造を形成することができるため、不揮発性記憶装置を用いる種々の電子機器分野に有用である。
【符号の説明】
【0124】
100,200,300a,300b,400a,400b,500a,500b,600a,600b 不揮発性半導体記憶装置(ReRAM)
1 ワード線
2 下部電極
3 抵抗変化層
4 中間電極
5 半導体層
6 上部電極
7 抵抗変化素子
8 ダイオード素子
9 ビット線
11 基板
12 能動素子
12a ソース領域
12b ドレイン領域
12c ゲート絶縁膜
12d ゲート電極
13,16 半導体層間絶縁層
14,17,25,40,51 埋め込み導体
15 半導体電極配線
17a,26 コンタクトホール 18,70 下層銅配線
18a,39 配線溝
19,24,37,41,49,52,60,76 層間絶縁層
20,30,72,78,78a,78b 貴金属電極層
21,31,73 抵抗変化層
21a,31a 抵抗薄膜層
22,38,74 上層銅配線(第1上層銅配線)
23,33,75 記憶部(第1記憶部)
32 中間電極
32a,35a 金属薄膜層
34 半導体層
34a 半導体薄膜層
35 上部電極
36 ダイオード素子(第1ダイオード素子)
38a 銅薄膜層
42 第2貴金属電極層
43 第2抵抗変化層
44 第2中間電極層
45 第2記憶部
46 第2半導体層
47 第2上部電極
48 第2ダイオード素子
50 第2上層銅配線
53 第3貴金属電極
54 第3抵抗変化層
55 第3中間電極
56 第3記憶部
57 第3半導体層
58 第3上部電極
59 第3ダイオード素子
61 第3上層銅配線
71,77 電極シード層
79 トップキャップ層
211,311 第1の抵抗変化層
212,312 第2の抵抗変化層

Claims (28)

  1. 基板上に複数のストライプ形状の下層銅配線を形成する工程(A)と、
    前記下層銅配線が形成された前記基板上に、前記下層銅配線の上方に複数のコンタクトホールが位置するように層間絶縁層を形成するとともに、前記コンタクトホールの底に位置するように前記下層銅配線上に選択成長めっきによって貴金属を含む貴金属電極層を形成する工程(B)と、
    前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に抵抗変化層を埋め込み形成する工程(C)と、
    前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線を形成する工程(D)と、
    を含むことを特徴とする不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  2. 基板上に複数のストライプ形状の下層銅配線を形成する工程(A)と、
    各前記下層銅配線に積層するように選択成長めっきによってストライプ形状の貴金属を含む貴金属電極層を形成する工程(B1)と、
    前記下層銅配線と前記貴金属電極層とを含む前記基板上に層間絶縁層を形成する工程(B2)と、
    前記層間絶縁層に、各前記貴金属電極層の表面まで貫通する複数のコンタクトホールを形成する工程(B3)と、
    前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に抵抗変化層を埋め込み形成する工程(C)と、
    前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線を形成する工程(D)と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  3. 基板上に複数のストライプ形状の下層銅配線を形成する工程(A)と、
    前記下層銅配線を含む前記基板上に層間絶縁層を形成する工程(B1´)と、
    前記層間絶縁層に、各前記下層銅配線の表面まで貫通する複数のコンタクトホールを形成する工程(B2´)と、
    前記コンタクトホール内の底部でかつ前記下層銅配線上に選択成長めっきによって貴金属電極層を形成する工程(B3´)と、
    前記コンタクトホール内の前記貴金属電極層上に接続するように前記コンタクトホール内に抵抗変化層を埋め込み形成する工程(C)と、
    前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、上に前記当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線を形成する工程(D)と
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  4. 前記貴金属電極層が白金を含むことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  5. 前記貴金属電極層が白金を含み、かつ膜厚が5nmから24nmであることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  6. 前記下層銅配線上に選択成長めっきによって電極シード層を形成し、前記電極シード層上に前記貴金属電極層を形成することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  7. 前記電極シード層がニッケル、ニッケル−リン合金、又はニッケル−ホウ素合金を含み、かつ前記貴金属電極層が白金を含むことを特徴とする請求項6に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  8. 前記電極シード層がパラジウム層とニッケル層との積層構造、パラジウム層とニッケル−リン合金層との積層構造、又はパラジウム層とニッケル−ホウ素合金層との積層構造を含み、かつ前記貴金属電極層が白金を含むことを特徴とする請求項6に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  9. 前記抵抗変化層上に当該抵抗変化層に接続するダイオード素子をさらに形成することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  10. 前記下層銅配線上に、前記貴金属電極層又は前記層間絶縁層を形成する工程から前記上層銅配線を形成する工程までを、さらに繰り返して形成し、前記抵抗変化層と前記ダイオード素子からなる記憶素子層をさらに積層することを特徴とする請求項9に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  11. 前記貴金属電極層がパラジウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  12. 前記貴金属電極層がパラジウムを含み、かつ膜厚が5nmから24nmであることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  13. 前記電極シード層がニッケル、ニッケル−リン合金、又はニッケル−ホウ素合金を含み、かつ前記貴金属電極層がパラジウムを含むことを特徴とする請求項6に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  14. 前記工程(C)は、前記コンタクトホール内に前記貴金属電極層に接続するように第1の抵抗変化層を埋め込み形成する工程と、前記コンタクトホール内において前記第1の抵抗変化層上に第2の抵抗変化層を形成する工程とを含み、前記第1の抵抗変化層及び前記第2の抵抗変化層は同種の金属酸化物からなり、前記第1の抵抗変化層の酸素含有率は前記第2の抵抗変化層の酸素含有率より高いことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性半導体記憶装置の製造方法。
  15. 基板と、
    前記基板上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線と、
    前記基板上に、前記下層銅配線の上方に複数のコンタクトホールが位置するように形成された層間絶縁層と、
    前記コンタクトホールの底に位置するように前記下層銅配線上に形成された貴金属を含む貴金属電極層と、
    前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に埋め込み形成された抵抗変化層と、
    前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続しかつ各前記下層銅配線に交差するように形成された複数のストライプ形状の上層銅配線と、
    を備えることを特徴とする不揮発性半導体記憶装置。
  16. 基板と、
    前記基板上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線と、
    各前記下層銅配線に積層するようにストライプ形状に形成された貴金属電極層と、
    前記下層銅配線と前記貴金属電極層とを含む前記基板上に形成された層間絶縁層と、
    前記層間絶縁層に、前記貴金属電極層の表面まで貫通するように形成された複数のコンタクトホールと、
    前記貴金属電極層に接続するように前記コンタクトホール内に埋め込み形成された抵抗変化層と、
    前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状に形成された上層銅配線と
    を含むことを特徴とする請求項15に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  17. 基板と、
    前記基板上に形成された複数のストライプ形状の下層銅配線と、
    前記下層銅配線を含む前記基板上に形成された層間絶縁層と、
    前記層間絶縁層に、各前記下層銅配線の表面まで貫通するように形成された複数のコンタクトホールと、
    各前記下層銅配線に接続し、前記コンタクトホール内の底部に形成された貴金属電極層と、
    前記貴金属電極層に接続し、前記コンタクトホール内に埋め込み形成された抵抗変化層と、
    前記層間絶縁層及び前記抵抗変化層上に、当該抵抗変化層に接続し、かつ各前記下層銅配線に交差する複数のストライプ形状の上層銅配線と
    を含むことを特徴とする請求項15に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  18. 前記貴金属電極層が白金を含むことを特徴とする請求項15に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  19. 前記貴金属電極層が白金を含み、かつ膜厚が5nmから24nmであることを特徴とする請求項15に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  20. 前記下層銅配線と前記貴金属電極層との間に、電極シード層を有することを特徴とする請求項15に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  21. 前記電極シード層がニッケル、ニッケル−リン合金、又はニッケル−ホウ素合金を含み、かつ前記貴金属電極層が白金を含むことを特徴とする請求項20に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  22. 前記電極シード層がパラジウム層とニッケル層との積層構造、パラジウム層とニッケル−リン合金層との積層構造、又はパラジウム層とニッケル−ホウ素合金層の積層構造を含み、かつ前記貴金属電極層が白金を含むことを特徴とする請求項20に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  23. 前記抵抗変化層上に当該抵抗変化層に接続するダイオード素子をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  24. 前記下層銅配線上に形成された、前記層間絶縁層、前記貴金属電極層、前記抵抗変化層、前記ダイオード素子及び前記上層銅配線を1つの構成単位として、前記構成単位をさらに1層以上積層し、2層目以降の前記構成単位の層においては、1層下の前記構成単位の層の前記上層銅配線が、2層目以降の前記構成単位の層の前記下層銅配線を兼ねることを特徴とする請求項23に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  25. 前記貴金属電極層がパラジウムを含むことを特徴とする請求項15に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  26. 前記貴金属電極層がパラジウムを含み、かつ膜厚が5nmから24nmであることを特徴とする請求項15に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  27. 前記電極シード層がニッケル、ニッケル−リン合金又はニッケル−ホウ素合金のいずれかを含み、かつ貴金属電極層がパラジウムを含むことを特徴とする請求項20に記載の不揮発性半導体記憶装置。
  28. 前記抵抗変化層は、前記コンタクトホールの内部に形成され、前記貴金属電極層に接続された第1の抵抗変化層と、前記コンタクトホールの内部に形成され、前記第1の抵抗変化層上に形成された第2の抵抗変化層とを有し、前記第1の抵抗変化層及び前記第2の抵抗変化層は同種の金属酸化物からなり、前記第1の抵抗変化層の酸素含有率は前記第2の抵抗変化層の酸素含有率より高いことを特徴とする請求項17に記載の不揮発性半導体記憶装置。
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