JPWO2010035825A1 - 改質乳の製造方法 - Google Patents

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Abstract

熱履歴の低い原料乳に存在するタンパク質脱アミド酵素の反応阻害物質を低減、除去することにより、熱履歴の低い原料乳に対してより効率よく効果的にタンパク質脱アミド酵素を作用させ、濃厚でクリーミーな食感を有する乳製品を得る方法を提供する。熱履歴の低い原料乳に、カルシウムキレート剤添加処理等タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理を施した後、あるいは施しながら、タンパク質脱アミド酵素を作用させる。

Description

[関連出願の記載]
本発明は、日本国特許出願:特願2008−250111号(2008年 9月29日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明は、原料乳をタンパク質脱アミド酵素の反応性が向上するよう処理し、該酵素を作用させることによる改質乳の製造方法並びに該改質乳を用いる乳製品の製造方法に関する。
生乳(牛から搾ったままの乳)は、牛乳として飲用されるだけでなく、牛乳を使ってアイスクリームやヨーグルト、チーズ、粉乳、乳酸菌飲料等が作られたり、生乳から分離されたクリームを使ってバターが作られたり、さまざま乳製品に加工され、我々の毎日の食卓を豊かに彩っている。
これら乳製品の“おいしさ”を決定する大きな指標の一つに、乳脂肪由来の濃厚でクリーミーな食感の大きさが挙げられ、その食感は乳製品の脂肪含有量と密接な関係があると言われている。近年は、商品価値を決める要因として、その他にも“安価”、“低カロリー”といった、消費者の買い求め安さや健康への関心も高まりつつある。これら需要の拡大により、無脂肪、低脂肪といった乳脂肪含有量の少ない乳製品が多く開発されているが、その味は依然淡白で、水っぽく、乳風味に欠けるものであり、消費者にとって決して満足できるものではなかった。このため、乳脂肪含有量が低くても、或いは乳脂肪含有量を増加させることなく消費者の満足が得られるおいしい乳製品の開発が求められている。
ところで、食品産業では、現在多くの分野で酵素が利用されている。酵素を利用する利点としては、温和な条件で特定の物質にのみ作用すること、また味への影響が少ないことが挙げられる。こうした酵素の優れた性質を利用して、食品の開発、改質や製造工程の改良がさまざまな目的で行われている。
とりわけ、乳脂肪を加えたときのような、濃厚でクリーミーな食感を乳製品に付与する新しい酵素として、タンパク質脱アミド酵素が注目されている。本酵素は、タンパク質中のグルタミン残基に作用し脱アミド化反応を触媒する酵素であり、プロテイングルタミナーゼ(以下、PG)とも称される。PGにより、タンパク質中のグルタミン残基はグルタミン酸残基に変換され、カルボキシル基が生じることから、タンパク質の負電荷の増加、静電反発力の上昇、等電点の低下、水和力の増加等が起こる。その結果、タンパク質の溶解性、水分散性の増加、乳化力、乳化安定性の向上など様々な機能特性の向上をもたらすことが知られている(非特許文献1、2、特許文献1〜4)。このような特徴を有するPGをヨーグルトやチーズ等の乳製品に用いると、滑らかな食感を向上させることが既にわかっており(特許文献4)、PGが乳製品の脂肪を低減した場合においても乳本来の濃厚でクリーミーな食感を付与することが期待されている。
ところで、牛乳に3.0〜3.5%含まれている乳タンパク質は、カゼインとホエー(乳清)タンパク質の2つに大別される。全タンパク質に対して、カゼインは約80%、ホエータンパク質は約20%を占めている。カゼインは、αs1−カゼイン、αs2−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼインの4つの成分から構成され、ホエータンパク質は、α−ラクトアルブミンとβ−ラクトグロブリンから構成される。
これまでに、これら乳タンパク質へのPGの作用に関しては、いくつか報告されている。非特許文献1では、α−、β−カゼインに対するPGの反応性は高く、α−ラクトアルブミンやα−ラクトグロブリンに対しては乏しいことが記されている。また、非特許文献3および特許文献3では、α−ラクトアルブミンに対するPGの反応性が、モルテングロビュール状態、すなわちタンパク質の変性過程での中間状態で、未変性状態に比べ高まることが記されている。
牛乳に対するPGの反応性は、ホエータンパク質よりむしろ、大部分を占めるカゼインの反応性に依存すると言っても過言ではない。牛乳中では、大部分のカゼインは直径0.05〜0.3ミクロン、平均が約0.1ミクロンのカゼインミセルと呼ばれるコロイド粒子を形づくって分散している。それだけでなく、熱感受性の高いホエータンパク質はカゼインミセル(特にカゼインミセル表面を覆うκ−カゼイン)と加熱により相互作用することも知られている(非特許文献4)。
しかしながら、非特許文献1、3および特許文献3の開示は、いずれも試薬レベルでの研究結果であり、乳製品の原料となる牛乳全体の反応性については言及されていない。また、非特許文献4のように複雑な牛乳の系におけるPGの反応性は、乳タンパク質の単一成分の反応性とは異なることが予想されるが、これまで牛乳におけるPGの反応性について報告されていない。
特開2000−50887号公報 特開2001−218590号公報 WO2002/068671 WO2006/075772
Yamaguchi et al., Appl. Environ. Microbiol., 66, p.3337-3343 (2000) Yamaguchi et al., Eur. J. Biochem 268 p.1410-1421 (2001) Matsumura et al., J. Agric. Food Chem. (2001), 49, p.5999-6005 ミルク総合事典 山内邦男編集 朝倉書店,p.60 G.A.H De Jong et al., Journal of Food Science Vol.68, Nr.3, (2003) p.820-825
以上の特許文献1〜4及び非特許文献1〜5の全開示内容は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとする。
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
以上のような背景のもと、本発明者らはPGの乳製品への利用開発を進めていた。その中で、本発明者らは、「加熱履歴の低い原料乳に対するPGの反応性が低い」という課題を初めて見出した。例えば、低温保持式殺菌法(LTLT法)で殺菌された牛乳(以下、LTLT牛乳)と超高温加熱処理法(UHT法)で殺菌された牛乳(以下、UHT牛乳)と比べると、同じ酵素添加量で前者は後者の約2〜3割程度の反応量しか認められないことを見出した。つまり、LTLT牛乳では、UHT牛乳と同等の酵素処理の効果を得るためにより多くの酵素を必要とし、コストが高くなることが懸念される。
このように、原料乳の加熱履歴によりPGの反応性が異なることは、乳製品への本酵素の利用機会を制限するものであり、乳製品加工業者にとって使いやすい技術とは言い難い。なぜなら、風味や物性の観点から、乳製品全ての原料乳をUHT方式で殺菌できるとは限らないからである。
そこで本発明者らは、熱履歴の低い原料乳のPG反応性が何故低いのか、原因の究明を行った。その研究の結果、熱履歴の低い原料乳中にはPGの阻害物質が存在し、それがPGの低反応性の原因であることが明らかとなった。このことから、原料乳中に存在するPGの阻害物質を減少、消失させる方法を見出すことが課題となった。
これまでに、タンパク質架橋酵素であるトランスグルタミナーゼの阻害物質が牛乳中に存在することは知られていた(非特許文献5)が、PGの阻害物質が存在することは知られていなかった。しかも、PGは最近見出された新規な酵素であり、過去の知見が少ないこと、またTGとは起源、タンパク質の一次配列、分子量、構造、触媒機能等の種々特性が異なることから、TGとは異なる阻害機構が寄与することが考えられ、新たに本課題に取り組む必要が生じた。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、熱履歴の低い原料乳に存在するタンパク質脱アミド酵素(PG)の反応阻害物質を低減または除去することにより、熱履歴の低い原料乳に対してより効率よく効果的にPGを作用させ、物性、食感(特に脂肪様の食感付与)の良好な乳製品を得る方法を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、生乳、LTLT殺菌乳、HTST殺菌乳といった加熱履歴の低い乳の低分子画分(分子量1万以下)にPGの反応阻害物質が存在することを見出した。さらに、PGの反応阻害物質が、加熱処理(原料乳のホエータンパク質変性度が40〜80%となるように原料乳を加熱する)、カルシウムキレート剤添加処理、アルカリ素材添加処理(原料乳をpH7〜8に調整する)、還元剤添加処理、あるいは低分子画分を除去する処理を施すことにより、低減または除去され、加熱履歴の低い原料乳であっても効率よく効果的にPGを作用させることができることを見出した。さらに、加熱履歴の低い乳にPGを添加し60〜65℃で作用させれば、効率よく効果的にPGを作用させることができることを見出した。そして、上記の方法により得られたPG改質乳を原料として用いることにより、物性、食感(特に脂肪様の食感付与)の良好な乳製品を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)生乳又はLTLT殺菌乳又はHTST殺菌乳より成る原料乳に、タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理を施す工程と、タンパク質脱アミド酵素を作用させる工程と含むことを特徴とする改質乳の製造方法。
(2)タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理が、原料乳100g当たり0.2〜1.0gのカルシウムキレート剤を原料乳に添加する処理である(1)記載の方法。
(3)カルシウムキレート剤が、クエン酸ナトリウム塩、γ−ポリグルタミン酸ナトリウム塩又はエチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩である(2)記載の方法。
(4)タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理が、原料乳100g当たり0.01〜0.5gのアルカリ素材を原料乳に添加する処理である(1)記載の方法。
(5)アルカリ素材が、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸3ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、焼成カルシウム又はアルギニンである(4)記載の方法。
(6)タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理が、原料乳100g当たり0.0001〜0.1gの還元物質若しくは原料乳100g当たり0.0001〜0.1gの還元物質を含有する酵母エキスを原料乳に添加する処理である(1)記載の方法。
(7)還元物質が、グルタチオン、システイン又はγ−グルタミルシステインである(6)記載の方法。
(8)タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理が、原料乳より分子量1万以下の低分子画分を分画除去する処理である(1)記載の方法。
(9)低分子画分を分画除去する処理が限外ろ過膜によるものである(8)記載の方法。
(10)生乳又はLTLT殺菌乳又はHTST殺菌乳より成る原料乳に、タンパク質脱アミド酵素を添加し、60〜65℃で作用させることを特徴とする改質乳の製造方法。
(11)(1)乃至(10)の何れかに記載の方法で得られた改質乳を用いることを特徴とする乳製品の製造方法。
(12)乳製品がヨーグルト又はチーズ様食品又はプリン又は乳飲料である(11)記載の方法。
本発明によれば、タンパク質脱アミド酵素の反応性が低い、生乳等の熱履歴の低い原料乳であっても、効率よく、タンパク質脱アミド酵素による改質乳を得ることができる。また、該改質乳を原料として用いることで、濃厚でクリーミーな食感を有する乳製品を製造することができる。
LTLT牛乳とUHT牛乳へのPGの反応性を示す図である。(実験例1) 還元剤添加牛乳へのPGの反応性を示す図である。(実施例3) グルタチオン酵母エキス添加牛乳へのPGの反応性を示す図である。(実施例3) 低分子画分除去牛乳へのPGの反応性を示す図である。(実施例4) PG反応温度とPGの反応性を示す図である。(実施例5) ヨーグルトの物性測定結果である。(実施例6)
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明の改質乳の製造方法は、生乳、LTLT殺菌乳、HTST殺菌乳等の熱履歴の低い原料乳に、タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理を施し、タンパク質脱アミド酵素を作用させるものである。PG阻害物質の低減処理を施す工程とPGを作用させる工程の順序については、PG阻害物質の低減処理を施した後、PGを作用させてもよいし、PG阻害物質の低減処理を施しながら、PGを作用させてもよいし、PGを作用させながら、PG阻害物質の低減処理を施してもよい。例えば、カルシウムキレート剤の添加、アルカリ素材の添加、還元剤の添加によって、PG阻害物質の低減処理を施す場合、カルシウムキレート剤、アルカリ素材、還元剤とPGを同時に原料乳に添加してもよいし、一方を先に添加した後、他方を添加してもよい。
本発明に使用される生乳又はLTLT殺菌乳又はHTST殺菌乳より成る原料乳は、牛、山羊等の動物から搾乳された未加工の生乳、生乳をLTLT殺菌又はHTST殺菌して得られる乳、それらを混合した乳、それらの脱脂乳、部分脱脂乳、或いはそれらを加工処理した乳のことをいう。生乳とは、搾取したままの乳、いわゆる未加工乳である。LTLT殺菌乳とは低温時保持式殺菌法(LTLT法)により殺菌された牛乳であり、具体的には62〜66℃までの間で30分間加熱殺菌するか、あるいは75℃以上で15分間以上加熱殺菌されたものである。HTST殺菌乳とは、LTLT法とほぼ同等の殺菌効果を有するものであり、72〜75℃で15秒保持する殺菌方法である。脱脂乳は、生乳から脂肪分をほとんどすべて除去したもの、部分脱脂乳は部分的に除去したものをいう。
本発明のタンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理として、カルシウムキレート剤の添加、アルカリ素材の添加、還元剤の添加、低分子画分の分画・除去、酵素反応を60〜65℃にすることが有効である。尚、原料乳をホエータンパク質変性度が、40〜75%の範囲になるように加熱条件を制御することによってもUHT牛乳並みのPG反応性を獲得することができる。
カルシウムキレート剤を添加する場合、その添加量は原料乳100g当たり0.05〜0.5gが好ましい。添加の時期はPGを原料乳に添加する前、あるいはPGと同時に原料乳に添加するのが好ましいが、PGが失活しない限り、PGを添加後、カルシウムキレート剤を添加してもよい。カルシウムキレート剤をとしては、クエン酸ナトリウム塩、γ−ポリグルタミン酸ナトリウム塩、エチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩が好ましい。これら物質は、塩でないと、pHが低下し、乳が不安定になり、反応性は逆に低下してしまう傾向にあるため、塩であることが望ましい。
アルカリ素材を添加する場合、本発明のアルカリ素材には、食品添加物である炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸3ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、焼成カルシウム、アルギニンが含まれる。これらアルカリ素材を添加することにより、原料乳のpH7〜8になるよう調整する。したがって、用いるアルカリ素材により添加量は適宜調節すればよいが、原料乳100g当たり0.01〜0.5gとすればよい。添加の時期はPGを原料乳に添加する前、あるいはPGと同時に原料乳に添加するのが好ましいが、PGが失活しない限り、PGを添加後、アルカリ素材を添加してもよい。或いは、直接水酸化ナトリウム溶液を用いて、原料乳のpHを7〜8に調節することも可能である。酵素反応の後は、pHはそのままでもよいが、酸により元に戻してもよい。
還元剤を添加する場合、本発明の還元剤としては、チオール系化合物、すなわち、グルタチオン、システイン、γ−グルタミルシステイン、さらに、これらを高濃度で含む酵母エキスが挙げられ、これらを含有してなる製剤もこれに含まれる。還元剤の添加量は原料乳100g当たり0.0001〜0.1gの範囲で適用される。還元剤を高濃度で含む酵母エキスを用いる場合は原料乳100g当たり0.0001〜0.1gの還元物質を含有する酵母エキスを原料乳に添加すればよい。添加量は、ここで示す範囲より少ないと効果が得られにくく、逆に、還元剤の添加量を多くすると食味へ悪影響を及ぼしたり、種類にもよるが、ある一定以上添加量を増やしても反応性向上効果は一定となる。原料乳に還元剤を添加する時期は、あらかじめ原料乳に添加しておくのもよいし、PGが失活しない限り、PGを添加後、還元剤を添加してもよいが、実用面では、還元剤をPGと同時に添加するのが望ましい。また還元剤の効力を考えても、原料乳中で還元剤を長時間インキュベートすると本来の還元力が低下するため、なるべく酵素と同時がよい。
原料乳の低分子画分を分画除去する場合、乳業界で工業的に使用されている低分子画分除去法であるイオン交換、電気透析、限外ろ過(Ultra Filtrate:UF)、逆浸透法等が好ましい。特に、溶媒である水および低分子溶質を透過させ、タンパク質などの高分子溶質を保持することができる、UF膜による低分子画分除去法が望ましい。例えば、分子量1〜2万のUF膜で低分子画分を除去するのが、効率がよい。なお、実験室レベルでは透析膜を用いることもできる。
原料乳の反応性を向上させる方法として、添加物、分画によらない方法も見出している。反応温度の工夫である。PGの至適温度は、非特許文献2に記されているように、50〜60℃付近にあるが、安定性は50℃を過ぎたあたりから急激に低下する。本発明では、その安定性の低下が急激に起こり始める60〜65℃で反応させることで、低熱履歴の原料乳とUHT牛乳の反応性の差が小さくなることを明らかとした。そのため、反応は長時間行う必要がなく、5分〜60分程度の短い時間で酵素反応を終えることができる。
本発明におけるタンパク質脱アミド酵素は、タンパク質のアミド基に直接作用してペプチド結合の切断及びタンパク質の架橋を伴わず脱アミドする作用を有する限りにおいてその種類は特に限定されるものではない。この様な酵素の例として、特開2000-50887号公報(特許文献1)、特開2001−21850号公報(特許文献2)、WO2006/075772(特許文献4)に開示された、クリセオバクテリウム属、フラボバクテリウム属又はエンペドバクター属由来のタンパク質脱アミド酵素、市販されているクリセオバクテリウム属由来のプロテイングルタミナーゼ等があるが、これらに特に限定されるものではない。好ましくはクリセオバクテリウム属由来の酵素が選択される。尚、トランスグルタミナーゼは食品原料に作用させる場合、タンパク質の架橋反応が優先的に起こり、脱アミド反応はほとんど起こらないため、本発明のタンパク質脱アミド酵素にはトランスグルタミナーゼは含まれない。
タンパク質脱アミド酵素は、タンパク質脱アミド酵素を産生する微生物の培養液より調製したものを用いることができるが、その調製方法については、公知のタンパク質分離、精製方法(遠心分離、UF濃縮、塩析、イオン交換樹脂等を用いた各種クロマトグラフィー等)を用いることができる。例えば、培養液を遠心分離して菌体を除去し、その後塩析、クロマトグラフィー等を組み合わせて目的の酵素を得ることができる。菌体内から酵素を回収する場合には、例えば菌体を加圧処理、超音波処理などによって破砕した後、上記と同様に分離、精製を行うことにより目的の酵素を取得することができる。尚、ろ過、遠心処理などによって予め培養液から菌体を回収した後、上記一連の工程(菌体の破砕、分離、精製)を行ってもよい。酵素は凍結乾燥、減圧乾燥等の乾燥法により粉末化してもよいし、その際に適当な賦形剤、乾燥助剤を用いてもよい。
本発明のタンパク質脱アミド酵素の活性は、下記の方法で測定する。
(1)30mM Z−Gln−Gly(ペプチド研究所)を含む0.2Mリン酸バッファー(pH6.5)1mlにタンパク質脱アミド酵素を含む水溶液100μlを添加して、37℃、10分間インキュベートした後、0.4M TCA溶液1mlを加えて反応を停止させる。
(2)(1)の反応液についてアンモニアテスト−ワコー−(和光純薬工業株式会社製造販売)を用いてアンモニアの定量を行う。
(3)ブランクとして、酵素を添加せずに、37℃、10分間インキュベートした後、0.4M TCA溶液1mlを加え、それからタンパク質脱アミド酵素を含む水溶液100μlを添加したものも同時に行う。
(4)酵素の調製濃度は、630nmの吸光度値がΔ0.2〜0.8の範囲に入るようにリン酸バッファー(pH6.5)を用いて希釈する。
(5)活性は、1分間に1μmolのアンモニアを生成する酵素量を1単位(U)とする。酵素活性は以下の式から算出される。
酵素活性(U/ml)=(Es−Eb)*F*0.123×Df
Es:酵素反応液の吸光度値
Eb:ブランクの吸光度値
F:ファクター(アンモニア標準液の検量線を作成したときの直線の傾きの逆数)
Df:酵素溶液の希釈率
本発明においてPGの添加量は、原料乳中の乳タンパク質1g当たり0.01〜100Uが好ましく、0.1〜20Uがより好ましい。0.1U以下では期待する効果が得にくく、20U以上では経済的メリットが得難くなる。反応温度は一般に、0℃〜65℃程度であり、反応時間は約1分〜約40時間程度とすることができる。しかし、好ましくは5℃〜65℃程度で約5分〜約20時間程度で反応させるのがよい。
PGによる乳タンパク質の脱アミド化度、すなわち乳の改質度合いは、求められる乳製品の物性に応じて適宜、PGの添加量や反応時間、反応温度などの反応条件により調節することができる。乳タンパク質の脱アミド化度を調べる手段は、脱アミド反応により生じるアンモニアの発生量の測定がある。反応の停止は、通常、乳製品の製造において用いられる加熱殺菌条件が適用され、特に限定すべきものではない。勿論、このような加熱殺菌工程を採用しなくても、本発明の効果を得ることができる。このようにして得られる改質された原料乳も、本発明の製造方法により得られる乳製品に含まれる。他にも本発明により製造される乳製品、すなわち、熱履歴の低い牛乳のPGの低反応性が改善された原料乳にPG処理を施してから調製される、濃厚でクリーミーな食感を有する乳製品としては、ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、全粉乳、脱脂粉乳、トータルミルクプロテイン、ホエイパウダー、乳酸菌飲料、及び乳飲料等が挙げられる。さらに、食塩、砂糖、甘味料、香料、調味料等の副原料が添加された加工食品、たとえばホワイトソースのようなものも本発明に含まれる。
以下に実験例、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。
実験例1
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳)およびUHT殺菌牛乳(130℃、2秒:まごころ酪農3.6牛乳)それぞれのPGに対する反応性の違いを確認するため、各牛乳にPG(非特許文献〔Appl Microbiol Biotechnol (2008) 78: 67-74〕〈参考文献1〉記載の方法により調製された精製品:比活性120U/mg−protein)を 0〜0.4U/mlを添加し、50℃で、60分反応させた。その結果、図1に示すようにLTLT牛乳はUHT牛乳に比べると反応性が低く、同じ酵素量で1/5〜1/4程度の反応量しか得られなかった。これは、次の実験例2〜4に示すとおり、牛乳中の低分子画分に存在する阻害物質が原因であることが考えられ、本発明では、その阻害要因を取り除き、原料乳の反応性を向上させることを目的とする。なお、参考文献1の記載内容は、引用をもって本書に組み込まれる。
実験例2
実験例1記載のPG精製品(50U/ml)を、次のa〜cの溶媒を用いて100倍希釈した。a:20mMリン酸緩衝液(pH6.3)、b:LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳)、c:bの超遠心分離上清の限外ろ過透過液(アミコン、セントリプレップYM−10;分子量10,000カット)。それぞれ、本明細書の段落[0030]記載のZ−Gln−Glyを基質としたPG活性測定法に従って測定し、その結果を表1に示した。PGをリン酸緩衝液で希釈した場合、活性は0.5u/mlであったのに対し、LTLT殺菌牛乳で希釈した場合、活性は約12%に低下した。LTLT殺菌牛乳の限外ろ過により得られた低分子画分で希釈したものでは、活性が完全に消失した。これは、LTLT殺菌牛乳の中、特にその低分子画分にPGの阻害物質が存在することを示すものである。
Figure 2010035825
実験例3
次に、LTLT殺菌牛乳の限外ろ過により得られた低分子画分を加熱処理或いは還元剤添加処理をするとPG活性が回復する例を示す。限外ろ過液をヒートブロックで90℃、5分間処理したもの、或いは還元剤として還元型グルタチオン1.0mM(原料乳100g当たり0.03gに相当)を添加したもので、実験例2記載のPG精製品(0.5U/ml)を100倍希釈した。実験例2と同様に、PG活性を測定した結果を表2に示す。限外ろ過液がPG活性をほぼ消失させたのに対し、加熱処理、還元剤添加により活性が大幅に回復したことがわかる。この結果は、基質がZ−Gln−Glyでなく、牛乳中のカゼインミセル(超遠心分離(日立工機Himac CP80WX、28,600rpm、60min、25℃)により得られる沈殿ペレット)のときも、同様であった(データには示さず)。つまり、原料乳中の主要タンパク質であるカゼインミセルのPG反応性は問題なく良好であり、溶媒にPGの低反応性の原因があることが確認できた。
Figure 2010035825
以降の実施例で、低温殺菌牛乳中の低分子画分に存在する阻害物質を消失、低減させることで低熱履歴牛乳のPG反応性を向上させる手法を紹介するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳)にカルシウムキレート素材を適宜添加した。各々の牛乳のPG反応性を次のようにして調べた。各々の牛乳に対しPG(実験例1記載の精製品)を0.4U/ml(乳タンパク質1g当たり約12uに相当)添加し、50℃、60分インキュベートした。反応液と等量の12%TCAを添加することで酵素反応を停止し、遠心分離(12,000rpm、5℃、5分間)により得られた上清中のアンモニアをアンモニア定量キット、F−kit(Roche社)により測定した。その結果、表3に示すように無添加(対照)と比べて各種カルシウムキレート素材を添加したものはPGの反応性が向上した。
Figure 2010035825
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳)にアルカリ素材をpHが7〜8.4になるように適宜添加した。各々の牛乳のPG反応性を実施例1と同様にして調べた。その結果、表4に示すように無添加(対照)と比べて各種アルカリ素材を添加したものはpH依存的にPGの反応性が向上した。
Figure 2010035825
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳)にチオール系還元剤として、グルタチオン又はシステイン(いずれも試薬、ナカライテスク)を適宜添加した。各々の牛乳のPG反応性を実施例1と同様にして調べた。その結果、図2に示すようにどちらの物質も添加量依存的にPGの反応性が向上し、0.001%の添加で80〜90%程度の反応性が回復した。同様にして、グルタチオン酵母エキス(アロマイルドUG8、興人社)についても濃度を変えて牛乳に添加し、PG反応性を調べた。その結果、図3に示すように0.02%以上で70%程度、0.05%以上でほぼ100%反応性が回復した。
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳)を遠心分離(8,000rpm、1hr、10℃)により部分脱脂したものを調製した。それを限外ろ過膜(ザルトリウス、ハイドロザルト膜、MW10,000カット)を用いて約3倍に濃縮した。実験例1記載のPG精製品を乳タンパク質当たりの酵素添加量を同じにし、PG反応性を調べた(反応条件は50℃、1時間)。反応により生じたアンモニア量をタンパク質当たりに換算して反応性を比較したところ、濃縮後の牛乳は、図4のとおり、3倍近く反応性が増加した。また、セルロース透析膜(分子量MW8,000カット)により、4℃で一晩牛乳を透析したところ、PGの反応性は更に増加した。このように、牛乳中の低分子画分を除くことで反応性が向上することが示された。
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳)にPGを反応させるときの温度とPG反応量の関係を調べたところ、図5に示すようにUHTとは異なる挙動を示した。UHT牛乳では50〜60℃が最大の反応性を示す温度帯であり、60℃を超えると直線的に反応性は低下した。一方、LTLT牛乳では、いずれの温度帯でもUHT牛乳と比べると反応性は低いものの、60℃から65℃にかけて反応性が急激に高まり、その温度帯においてはUHTに対して80〜90%程度反応性が回復することがわかった。
本発明は、熱履歴の低い原料乳のPG反応性を向上させる手段を提供することで、より安価で高品質の乳製品を製造することができる。これまで例示した各種手段が実際の食品の系で応用できることを、ヨーグルトを例に挙げて説明する。
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳;乳蛋白質3.2%、乳脂肪分3.7%)に実験例1記載のPG精製品を原料乳中の乳タンパク質1g当たり1Uの割合で加えると同時に、対原料乳0.4%のクエン酸3Na(食品添加物)を添加し、品温を50℃に保って1時間反応させた。反応停止および殺菌の目的で95℃に達温させて1分保持した後、直ちに47℃まで冷却した。市販の乳酸菌スターター「Yo−Flex YC−370」(クリスチャンハンセン社製)を対原料乳で0.0063%添加し、容器に充填した後、44℃でpHが4.5〜4.6になるまで発酵させてヨーグルトを作成した(本発明品)。同様にして、50℃で1時間インキュベートしただけのもの(対照品1)、対乳0.4%のクエン酸3Naを添加し、品温を50℃に保って1時間インキュベートしたもの(対照品2)、50℃でPGを乳タンパク質1g当たり 3.5Uの割合で加えて50℃で1時間インキュベートしたもの(対照品3)も比較のために作成した。いずれも発酵終了後は冷蔵下(5℃)で静置保存し、1日後の物性(破断面積および付着性)を測定した。用いたのは、テクスチャーアナライザー(Stable Macro Systems, LTD)で、測定の条件は、テスト速度1mm/s、直径10mmの平板プランジャー、10%圧縮で行った。また、訓練されたパネル5名による官能評価を行った。その結果を表5に示した。
Figure 2010035825
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳;乳蛋白質3.2%、乳脂肪分3.7%)に実験例1記載のPG精製品を乳タンパク質1g当たり1Uの割合で加えると同時に、アロマイルドUG8(興人社、グルタチオン酵母エキス、以下YEと略す)を対乳0.01%、0.02%添加(原料乳100gに対するGSH含量はそれぞれ、約0.0007g、0.0014g)し、品温を50℃に保って1時間攪拌し反応させた。反応停止および殺菌の目的で95℃に達温させて1分保持した後、直ちに47℃まで冷却した。市販の乳酸菌スターター「Yo−Flex YC−370」(クリスチャンハンセン社製)を対乳原料で0.0063%添加し、容器に充填した後、44℃でpHが4.5〜4.6になるまで発酵させてヨーグルトを作成した(本発明品1、2)。比較のために、PGもYEも無添加(対照区1)、PGのみ添加したもの(対照区2)について同様にヨーグルトを作成した。なお、YEのみ0.01%、0.02%添加したものは、対照区1とほとんど変わらないことをこれまでに確認済みである。いずれも発酵終了後は冷蔵下(5℃)で静置保存し、1日後の物性(破断面積および付着性)を測定した。物性測定および官能評価の方法は実施例6記載の通りである。
物性測定の結果(図6)に示すように、PG単独添加品(対照区2)は無添加品(対照区1)と比してほとんど差がないのに対し、本発明品1および本発明品2では、破断面積の減少および付着性の増加が明らかに確認できた。これは、ヨーグルトの物性がやわらかく、クリーミーになっていることを示しており、表6の官能評価と一致する結果となった。このように、グルタチオン酵母エキスを添加することで、今まで以上に高いPGの効果を得ることができ、その添加量により効果を調節できることも示された。
Figure 2010035825
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳;乳蛋白質3.2%、乳脂肪分3.7%)を遠心分離(8,000rpm、1hr、10℃)により部分脱脂したものを限外ろ過膜(ザルトリウス、ハイドロザルト膜、MW10,000カット)を用いて4倍に濃縮し、粘度のついた濃縮乳を得た。そこに、実験例1記載のPG精製品を乳タンパク質1g当たり8Uの割合で加えて50℃で60分反応させたところ、凝乳し、とても濃厚でなめらかなチーズ様食品が得られた。比較としてPGを添加しないものも同様に実施したが、凝乳せず液状のままであった。このように脱塩濃縮により得られた濃縮乳に、効果的にPGを作用させることができ、滑らかな食感のチーズ様乳製品を製造することができる。
LTLT殺菌牛乳(66℃、30分:タカナシ低温殺菌牛乳;乳蛋白質3.2%、乳脂肪分3.7%)に実験例1記載のPG精製品を乳タンパク質1gあたり10U加え、65℃で60分間反応させた。沸騰浴中で85℃に達するまで加熱し、酵素を失活させた後、速やかに冷却して脱アミド処理牛乳を調製した(試験品a)。比較として、酵素を添加しない以外は同様に調製したもの(試験品b)、そして同牛乳にPG精製品を乳タンパク質1gあたり10U添加して50℃で60分間反応させたもの(試験品c)も同様に調製した。反応後の牛乳中のアンモニア濃度は、試験品aが、11.1mmol/l、試験品bは0.12mmol/l、試験品cは、2.05mmol/lであった。
卵100g(約2個分)と砂糖30gを混ぜ攪拌したものに、40℃程度に温めた試験品a〜c加えた。シノアで濾しながらアルミカップに分注し、蒸し器で15分間中火加熱した。冷却し、1日冷蔵したものについて官能評価(n=3)を行った。表7に示すように、試験品b、cの牛乳でつくったプリン(比較品1、2)に比べると、試験品aの牛乳でつくったプリン(本発明品)は、卵の黄色が最も濃く出ており、スの入りが少ないなめらかな断面であった。食感も、とてもなめらかであり、乳風味をより感じることができる、好ましいものであった。プリンの品質は、使用する牛乳の種類によって異なり、特に低温殺菌牛乳を使って作るプリンは、生乳のもつ風味を損なうことなく自然なおいしさを堪能できることで人気が高い。本発明によれば、LTLT牛乳のPG反応温度を65℃に設定することによりPGの高い反応性を確保し、風味のよい、なめらかな食感のプリンを製造できることが確認された。
Figure 2010035825
搾乳後の生乳を40℃加温条件下でセパレーターにかけ、脱脂処理を行った。続いて、プレート殺菌機による高温短時間(HTST)殺菌(75℃、15秒)処理を行い、殺菌された脱脂乳を得た。該脱脂乳を55℃でプレインキュベートし、グルタチオン含有酵母エキス(興人製、アロマイルドUG8)を対乳0.02%(w/v)添加するとともに、PG(天野エンザイム製プロテイングルタミナーゼ)を1g乳タンパク質あたり、1.5、4.5、15ユニット(以下、単位をu/gpと表記する)添加し、1時間反応させた。酵素失活のため、湯浴で80℃達温加熱を行った(本発明品)。対照として、グルタチオン含有酵母エキスを対乳0.02%(w/v)添加せずに、PGを1.5、4.5、15 u/gp添加したものも同様に調製した(対照品)。また比較として、HTST殺菌(75℃、15秒)した後の脱脂乳に更なる加熱処理(95℃達温)を施し、次いで、PGを1.5、4.5、15 u/gp添加し、55℃、1時間反応させたものを別途調製した(比較品)。対照品、本発明品、比較品について、反応により生じたアンモニア量を測定した。PG無添加の場合、牛乳中のアンモニア量は、対照品、本発明品、比較品それぞれ0.38、0.38、0.34mMであった。一方、PG添加の場合、表8に示すとおり、同じPG添加量では、対照品に比べて本発明品のアンモニア発生量は明らかに多く、その反応量は比較品とほぼ同等であった。本結果は、グルタチオン含有酵母エキスを対乳0.02%(w/v)を添加することで、付加的に加熱処理を施すことなく、PG反応性を高めることが可能なことを示している。
Figure 2010035825
実施例10で調製した本発明品の脱脂乳をスプレードライに供し、粉乳化した。この脱脂粉乳を用いて、表9記載の配合に従い、弱酸性乳飲料を調製した。水をジョッキに計量し、脱脂粉乳とグラニュー糖を溶解させた後、TKロボミックス(特殊機化工業(株))で3,000rpmの攪拌下、クエン酸(無水)10%溶液を滴下した。すぐに回転速度を上げ、8,000rpmで3分攪拌溶解させた。耐熱性ペットボトル(500ml容)に分注し、96℃達温の加熱処理を行った。その後の沈殿の有無の様子を調べたところ、表10 記載の通り、PG未処理の脱脂粉乳を用いた飲料と、PG1.5 u/gp処理品については沈殿が生じたが、4.5u/gpおよび15u/gp処理品については、沈殿が顕著に抑制されており、分散状態を維持していた。また、最終pHが対照品で5.09であったのに対し、本発明品ではpHが5.2〜5.3であり、クエン酸添加量は同じにもかかわらず溶解時のpHが未処理品に比べて0.2〜0.3程度高く、本発明品は緩衝能の高い脱脂粉乳であることが明らかになった。
Figure 2010035825
Figure 2010035825
次に、対照品および本発明品2(PG15u/gp処理品)の脱脂粉乳を用い、乳飲料のpHが沈殿防止効果に及ぼす影響を調べた。表10をもとに、最終pHが5.0〜5.6になるようにクエン酸量を調節し、合計100%になるように水で最終重量を合わせた。調製後、耐熱性ペットボトルに分注し、96℃達温の加熱処理を行った。その結果、表11に示すように、対照品の加熱前の飲料はpH5.55、5.63で白く分散していたが、加熱により沈殿凝集が生じた。一方、本発明品を使用した飲料では、加熱処理の有り無しに関わらず、pH5.2以上で沈殿の形成が顕著に抑制されていた。対照品の結果からわかるように、通常、弱酸性域における乳タンパク質の安定性は低い。しかし本発明品のように、PG処理を予めほどこした脱脂粉乳では安定性が著しく向上することが明らかになった。この結果は、コーヒー乳飲料や果実入りの弱酸性乳飲料など製造する際において役立つ技術であるであることを示唆している。
Figure 2010035825
本発明によれば、タンパク質脱アミド酵素の反応性が低い、生乳等の熱履歴の低い原料乳であっても、効率よく、タンパク質脱アミド酵素による改質乳を得ることができる。また該改質乳を原料として用いることで、濃厚でクリーミーな食感を有する乳製品を製造することができる。よって、本発明は食品分野において極めて有用である。
本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施例ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。

Claims (12)

  1. 生乳又はLTLT殺菌乳又はHTST殺菌乳より成る原料乳に、タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理を施す工程と、タンパク質脱アミド酵素を作用させる工程とを含むことを特徴とする改質乳の製造方法。
  2. タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理が、原料乳100g当たり0.2〜1.0gのカルシウムキレート剤を原料乳に添加する処理である請求項1記載の方法。
  3. カルシウムキレート剤が、クエン酸ナトリウム塩、γ−ポリグルタミン酸ナトリウム塩又はエチレンジアミン四酢酸4ナトリウム塩である請求項2記載の方法。
  4. タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理が、原料乳100g当たり0.01〜0.5gのアルカリ素材を原料乳に添加する処理である請求項1記載の方法。
  5. アルカリ素材が、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸3ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、焼成カルシウム又はアルギニンである請求項4記載の方法。
  6. タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理が、原料乳100g当たり0.0001〜0.1gの還元物質若しくは原料乳100g当たり0.0001〜0.1gの還元物質を含有する酵母エキスを原料乳に添加する処理である請求項1記載の方法。
  7. 還元物質が、グルタチオン、システイン又はγ−グルタミルシステインである請求項6記載の方法。
  8. タンパク質脱アミド酵素の阻害物質を低減させる処理が、原料乳より分子量1万以下の低分子画分を分画除去する処理である請求項1記載の方法。
  9. 低分子画分を除去する処理が限外ろ過膜によるものである請求項8記載の方法。
  10. 生乳又はLTLT殺菌乳又はHTST殺菌乳より成る原料乳に、タンパク質脱アミド酵素を添加し、60〜65℃で作用させることを特徴とする改質乳の製造方法。
  11. 請求項1乃至10の何れかに記載の方法で得られた改質乳を用いることを特徴とする乳製品の製造方法。
  12. 乳製品がヨーグルト又はチーズ様食品又はプリン又は乳飲料である請求項11記載の方法。
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