JP6774005B2 - 発酵乳およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、滑らかな食感の発酵乳およびその製造方法に関する。
近年、健康志向やアンチエイジング、体力向上のためのスポーツへの関心の高まり等により高タンパク食品の需要が伸びており、発酵乳(ヨーグルト)は高タンパク質で低カロリーな食品としてその市場が伸長してきている。
また、発酵乳の中でも通常のヨーグルトに比べタンパク質含量が増加された高タンパクヨーグルトや脂肪含量を低減した低脂肪ヨーグルトは健康志向の消費者のニーズから人気が高まっている。しかし、タンパク質含量が上昇すると、ざらつき、ごわつきなど物性面でのマイナスの現象が増強され、ヨーグルトの滑らかな食感を保持することが難しい。脂肪分を低減した発酵乳も脂肪含量が減少するにつれて滑らかな食感が失われる傾向がある。
発酵乳は牛乳または乳製品に乳酸菌を添加することにより製造され、乳酸菌の生成する乳酸が、ヨーグルト独特の風味を作り出し、牛乳のタンパク質を固める働きをする。発酵乳の滑らかな食感を保持したり向上させる方法として、従来、寒天やゼラチンや安定剤など添加する方法、適切な乳酸菌スターターを選択する方法、脂肪分を多くする方法が知られている。また、発酵時の溶存酸素濃度を下げる方法(例えば、特許文献1参照)や特定の乳タンパクやペプチドを添加する方法(例えば、特許文献2参照)も報告されているが、これらの方法はざらつきが十分に改善されなかったり、製法が複雑になったりするため、滑らかな食感の発酵乳を簡便に製造する方法が望まれている。
特開2013−150626号公報 特開2004−283047号公報
本発明は、滑らかな食感の発酵乳を簡便に製造できる方法、およびかかる方法により製造される発酵乳を提供することを主な目的とする。本発明はまた、発酵乳の食感を滑らかにする方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、発酵乳の製造において、発酵前の発酵原料に微量の有機酸又はその塩を添加して発酵することにより、発酵速度やpH、酸度にほとんど影響を与えることなく、滑らかな食感の発酵乳を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明として、例えば、下記のものを挙げることができる。
(1)乳原料およびスターターを含む発酵原料の調製工程と発酵工程とを含み、調製工程において有機酸またはその塩を添加する、発酵乳の製造方法。
(2)調整工程において有機酸を添加し、かかる有機酸の添加量が発酵原料の0.001〜0.07重量%である、前記(1)の製造方法。
(3)調整工程において有機酸の塩を添加し、かかる有機酸の塩の添加量が発酵原料の0.001〜0.7重量%である、前記(1)の製造方法。
(4)有機酸がリンゴ酸である、前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の製造方法。
(5)有機酸の塩がナトリウム塩である、前記(3)に記載の製造方法。
(6)前記(1)から(5)のいずれか一つに記載の製造方法により製造される発酵乳。
(7)乳原料およびスターターを含む発酵原料を発酵させて製造する発酵乳において、発酵原料に有機酸またはその塩を添加して発酵乳の食感を滑らかにする方法。
(8)発酵原料に有機酸を添加し、かかる有機酸の添加量が発酵原料全体の0.001〜0.07重量%である、前記(7)の方法。
(9)発酵原料に有機酸の塩を添加し、かかる有機酸の塩の添加量が発酵原料の0.001〜0.7重量%である、前記(7)の方法。
(10)有機酸がリンゴ酸である、前記(7)〜(9)のいずれか一つに記載の方法。
(11)有機酸の塩がナトリウム塩である、前記(9)に記載の方法。
本発明に係る発酵乳の製造方法によれば、発酵速度やpH、酸度にほとんど影響を与えることなく、簡便な方法で、滑らかな食感の発酵乳を製造することができる。また、本発明にかかる方法は、発酵乳の食感を滑らかにすることができる。
図1は、実施例2および比較例2で製造したヨーグルトをレオメーターにより、10℃下で測定した結果を示す。縦軸は粘度(mPa・s)を表し、横軸は時間(秒)を表す。 図2は、実施例2および比較例2で製造したヨーグルトをレオメーターにより、30℃下で測定した結果を示す。縦軸は粘度(mPa・s)を表し、横軸は時間(秒)を表す。 図3は、実施例3および比較例3で製造したヨーグルトをレオメーターにより、10℃下で測定した結果を示す。縦軸は粘度(mPa・s)を表し、横軸は時間(秒)を表す。 図4は、実施例3および比較例3で製造したヨーグルトをレオメーターにより、30℃下で測定した結果を示す。縦軸は粘度(mPa・s)を表し、横軸は時間(秒)を表す。 図5は、実施例4および比較例4で製造したヨーグルトをレオメーターにより、10℃下で測定した結果を示す。縦軸は粘度(mPa・s)を表し、横軸は時間(秒)を表す。 図6は、実施例4および比較例4で製造したヨーグルトをレオメーターにより、30℃下で測定した結果を示す。縦軸は粘度(mPa・s)を表し、横軸は時間(秒)を表す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明にかかる発酵乳の製造方法は、発酵原料を調製する調製工程と発酵原料の発酵工程とを含み、前記調製工程において有機酸またはその塩を添加することを特徴とする。
発酵乳としては、例えば、プレーンヨーグルト、ソフトヨーグルト、ハードヨーグルト、ドリンクヨーグルトおよびフローズンヨーグルトを挙げることができる。
本発明における調製工程は、乳原料、スターターおよび有機酸またはその塩を含む発酵原料を調製する工程である。乳原料、スターターおよび有機酸またはその塩を混合する順番は特に限定されず、乳原料およびスターターを含む混合物を調製した後、有機酸またはその塩を添加することもできるし、乳原料又はスターターのどちらかに有機酸またはその塩を添加した後に、残りの原料と混合してもよい。
前記有機酸としては、例えば、リンゴ酸、グルコノデルタラクトン(GDL)、フィチン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸を挙げることができる。リンゴ酸が好ましい。
前記リンゴ酸としては、例えば、精製した市販のリンゴ酸またはその塩を用いることもできるし、果汁やその濃縮物、リンゴ酸またはその塩を油脂などでコーティングしたものを用いることもできる。リンゴ酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩を挙げることができる。DL−リンゴ酸またはDL−リンゴ酸ナトリウムが好ましい。
有機酸の添加量は、発酵原料全体に対して0.001〜0.07重量%好ましくは0.001〜0.05重量%を添加することができる。より好ましくは、0.01〜0.03重量%であり、0.02重量%が最も好ましい。
有機酸の塩の添加量は、発酵原料全体に対して0.001〜0.7重量%好ましくは0.001〜0.3重量%を添加することができる。より好ましくは、0.01〜0.2重量%であり、0.1重量%が最も好ましい。
前記乳原料としては、生乳、牛乳、脱脂乳、脱脂粉乳、クリーム、乳タンパク製品(例えば、MPC(Milk Protein Concentrate)、MCI(Micellar Casein Isolate)、MPI(Milk Protein Isolate)、WPC(Whey Protein Concentrate)、WPI(Whey protein Isolate)、カゼイネート)等を挙げることができる。
前記発酵原料におけるタンパク質の含有量としては、発酵原料全体に対して、例えば、2−30重量%、3−25重量%、または4−20重量%、5−20重量%を挙げることができる。
前記スターターとしては、乳酸菌または酵母を挙げることができる。前記乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(S.thermophilus)、ラクトバチルス・ラクティス(L.lactis)、ラクトバチルス・アシドフィリス(L.acidophilus)、ビフィズス(Bifidobacterium spp.)を用いることができる。
前記発酵原料は、乳原料およびスターターを含む。さらに、水、糖(例えば、ラクトース、グラニュー糖)、甘味料(例えば、スクラロース、ステビア)、香料(例えば、ヨーグルトフレーバー)、ゼラチン、ペクチン、安定化剤、増粘多糖類、加工デンプン等を含むことができる。
発酵原料の調製工程は、例えば、乳原料を含む原材料を混合して均質化(ホモジナイズ)し、加熱殺菌および冷却後、スターターを添加することにより行うことができる。有機酸またはその塩の添加は、加熱殺菌前でも後でも特に限定されない。加熱殺菌前に有機酸を添加するのが好ましい。
本発明における発酵工程は、発酵乳の製造において通常用いられる方法で行うことができる。例えば、30〜45℃で4〜36時間発酵することにより行うことができる。
本発明にかかる発酵乳は、発酵工程が終了後、さらに、甘味料、果肉などを混合することができる。前記発酵乳のタンパク質含有量は、発酵原料全体に対して、例えば2−30重量%、3−25重量%、4−20重量%、または5−20重量%である。また、前記発酵乳の脂肪分は、例えば、0−4重量%、0−3重量%である。
本発明にかかる発酵乳の滑らかさは、官能検査またはレオメーター(HAAKE RheoStress 6000、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)により評価することができる。両者を併用して評価するのが好ましい。
以下に、実施例を掲げて本発明をさらに詳述する。但し、本発明が下記実施例に限定されないことは言うまでもない。
実施例1 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
脱脂粉乳(脱脂粉乳L、雪印メグミルク株式会社製)、グラニュー糖(三井製糖株式会社製)、乳タンパクMCI(PRODIET 85B、日本新薬株式会社製)、DL−リンゴ酸(扶桑化学株式会社)、水を表1の割合で攪拌しながら溶解し、65℃まで加温後、150barでホモジナイズした。次いで80℃まで加熱して殺菌した後、43℃に冷却した。Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium spp.およびStreptococcus salivarius subsp.thermophilusからなるスターター(ABT−1、 クリスチャンハンセン社製)を表1の割合で加え、容器に分注後、37℃で31.5時間発酵した。ブレンダーにて調製した後、カップに注入して8℃にて保管し、タンパク含量10%のヨーグルトを製造した。
比較例1 発酵乳(ヨーグルト)の製造
発酵原料にリンゴ酸を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で表1の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。
試験例1
実施例1および比較例1で製造したヨーグルトの食感の滑らかさを成人17名による官能検査を行い評価した。2点識別試験法により実施例1と比較例1で得られたヨーグルトを比較した結果、17名全員が実施例1の方が滑らかな食感であると評価した。
また、実施例1および比較例1で製造したヨーグルトのpH測定、酸度測定を行った。pH測定はpHメーター(HM−25R、東亜DKK社製)を用いて行った。酸度は0.1N NaOHにて電位差自動滴定装置(AT−510、京都電子工業株式会社製)を用いて滴定し、滴定量から酸度表示法に従って算出した。その結果を表1に示す。

Figure 0006774005


以上の通り、リンゴ酸を添加した実施例1で得られた本発明のヨーグルトは比較例1で得られたヨーグルトと比較して滑らかさが明らかに向上した。また、表1に示されるように、0.02重量%のリンゴ酸の添加は、pH、酸度、発酵速度にほとんど影響を与えなかった。
実施例2 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
脱脂粉乳(脱脂粉乳L、雪印メグミルク株式会社製)、グラニュー糖(三井製糖株式会社製)、乳タンパクMPC(MGL85K、日本新薬株式会社製)、DL−リンゴ酸(扶桑化学株式会社製)、水1を表2の割合で撹拌しながら溶解し、65℃まで加温後、150barでホモジナイズした。次いで、80℃まで加熱して殺菌した後、43℃に冷却した。Lactobacilus delbrueckii subsp.bulgaricusおよびS.thermophilusからなるスターター(YC370、クリスチャンハンセン社製)を水2(滅菌水)にて分散し、表2の割合で加え、容器に分注後、43℃で4.5時間発酵した。ブレンダーにて調製した後、カップに注入して8℃にて保管し、タンパク含量10%のヨーグルトを製造した。
比較例2 発酵乳(ヨーグルト)の製造
発酵原料にリンゴ酸を添加しなかった以外は実施例2と同様の方法で、表2の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。
試験例2
実施例2および比較例2で製造したヨーグルトの食感の滑らかさを成人10名による官能検査を行い評価した。2点識別試験法により実施例2と比較例2で得られたヨーグルトを比較した結果、10名全員が実施例2の方が滑らかな食感であると評価した。
また、試験例1と同様の方法で、pH測定、酸度測定を行った。その結果を表2に示す。

Figure 0006774005

以上の通り、リンゴ酸を添加した実施例1で得られた本発明のヨーグルトは比較例2で得られたヨーグルトと比較して明らかに滑らかさが向上した。また、表2に示されるように、0.02重量%のリンゴ酸添加は、pH、酸度、発酵速度にほとんど影響を与えなかった。
試験例3
実施例2および比較例2で製造したヨーグルトについて食感の滑らかさのうち、口どけ感や付着性、喉ごしに影響を与える粘性について、レオメーター(HAAKE RheoStress 6000、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて測定した。試料台は直径20mmのアルミニウムプレートを、測定センサーは直径20mmのコーン型(Cone C20/2° Til 体積0.8mL)を使用した。試料台温度を10℃または30℃に設定し、試料台とセンサーのギャップは0.105mmに固定した。測定モードはCS−CRフローカーブを選択し、軸回転速度は線形加速で2分間の速度範囲を0−20/sに設定した。その結果を図1に示す。
図1に示されるように、実施例2で得られた本発明のヨーグルトは比較例2で得られたヨーグルトより粘性が低いことが確認された。
実施例3 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
牛乳(あじわい牛乳、雪印メグミルク株式会社製)、グラニュー糖(三井製糖株式会社製)、乳タンパク(カゼインとWPCの混合物)、DL−リンゴ酸(扶桑化学株式会社製)を表3の割合で撹拌しながら溶解し、65℃まで加温後、150barでホモジナイズした。次いで80℃まで加熱して殺菌した後、43℃に冷却した。Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. BulgaricusおよびBifidobacteriumからなるスターター(ソーグリークF1、クリスチャンハンセン社製)を表3の割合で加え、容器に分注後、43℃で5時間発酵した。8℃にて保管し、タンパク含量10%のヨーグルト(ハード)を製造した。
実施例4 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
実施例3と同様の方法によりヨーグルトを製造した。ただし、発酵終了後、ブレンダーにて調製した後カップに注入し、8℃にて保管し、タンパク含量10%のヨーグルト(ソフト)を製造した。
比較例3 発酵乳(ヨーグルト)の製造
リンゴ酸を添加しなかった以外は実施例3と同様の方法で、表3の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。
比較例4 発酵乳(ヨーグルト)の製造
リンゴ酸を添加しなかった以外は実施例4と同様の方法で、表3の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。
試験例4
実施例3、4、比較例3、4で製造したヨーグルトの食感の滑らかさを成人6名による官能検査を行い評価した。2点識別試験法により実施例3と比較例3で得られたヨーグルトを比較した結果、6名全員が実施例3で得られた本発明のヨーグルトの方が滑らかな食感であると評価した。実施例4と比較例4で得られたヨーグルトを2点識別試験法により比較した結果では、6名全員が実施例4で得られた本発明のヨーグルトの方が滑らかな食感であると評価した。
また、試験例1と同様の方法で、pH測定、酸度測定を行った。その結果を表3に示す。

Figure 0006774005

以上の通り、リンゴ酸を添加した実施例3または実施例4で得られた本発明のヨーグルトは比較例3または比較例4で得られたヨーグルトとそれぞれ比較した結果、明らかに滑らかさが向上した。また、表3に示されるように、0.02重量%のリンゴ酸添加は、pH、酸度、発酵速度にほとんど影響を与えなかった。
試験例5
実施例3、4および比較例3、4で製造したヨーグルトについて食感の滑らかさのうち、口どけ感や付着性、喉ごしに影響を与える粘性について、レオメーター(HAAKE RheoStress 6000、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いて測定した。試料台は直径20mmのアルミニウムプレートを、測定センサーは直径20mmのコーン型(Cone C20/2° Til 体積0.8mL)を使用した。試料台温度を10℃または30℃に設定し、試料台とセンサーのギャップは0.105mmに固定した。測定モードはCS−CRフローカーブを選択し、軸回転速度は線形加速で2分間の速度範囲を0−20/sに設定した。その結果を図3〜6に示す。
図3〜6に示されるように、実施例3で得られた本発明のヨーグルトは比較例3で得られたヨーグルトより、また実施例4で得られた本発明のヨーグルトは比較例4で得られたヨーグルトより粘性が低いことが確認された。
実施例5 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
脱脂粉乳(脱脂粉乳L、雪印メグミルク株式会社製)、グラニュー糖(三井製糖株式会社製)、乳タンパクMPC(MGL85K、日本新薬株式会社製)、DL−リンゴ酸(扶桑化学株式会社製)、水を表4の割合で撹拌しながら溶解し、65℃まで加温後、150barでホモジナイズした。次いで、80℃まで加熱して殺菌した後、43℃に冷却した。スターター(ソーグリークF1、クリスチャンハンセン社製)を表4の割合で加え、容器に分注後、43℃で4.5時間発酵した。8℃にて保管し、タンパク含量10%のヨーグルト(ハード)を製造した。
実施例6 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
DL−リンゴ酸の代わりにDL−リンゴ酸ナトリウム(扶桑化学株式会社製)を添加した以外は実施例5と同様の方法で、表4の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。
実施例7 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
実施例6と同様の方法で、表4の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。
実施例8 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
実施例6と同様の方法で、表4の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。
比較例5 発酵乳(ヨーグルト)の製造
発酵原料にリンゴ酸を添加しなかった以外は実施例5と同様の方法で、表4の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。
試験例6
実施例5〜8および比較例5で製造したヨーグルトの食感の滑らかさを成人6名による官能検査を行い評価した。2点識別試験法により実施例5〜8と比較例5で得られたヨーグルトを比較した結果、6名全員が実施例5〜8の方が比較例5よりも滑らかな食感であると評価した。
また、試験例1と同様の方法で、pH測定、酸度測定を行った。その結果を表4に示す。

Figure 0006774005

以上の通り、リンゴ酸を添加した実施例5またはリンゴ酸ナトリウムを添加した実施例6〜8で得られた本発明のヨーグルトは比較例5で得られたヨーグルトとそれぞれ比較して、明らかに滑らかさが向上した。また、リンゴ酸またはリンゴ酸ナトリウムの添加は、pH、発酵速度にほとんど影響を与えなかった。
実施例9 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
脱脂粉乳(脱脂粉乳L、雪印メグミルク株式会社製)、グラニュー糖(三井製糖株式会社製)、乳タンパクMPC(MGL85K、日本新薬株式会社製)、DL−リンゴ酸(扶桑化学株式会社製)、水を表5の割合で撹拌しながら溶解し、65℃まで加温後、150barでホモジナイズした。次いで、80℃まで加熱して殺菌した後、43℃に冷却した。スターター(ソーグリークF1、クリスチャンハンセン社製)を表5の割合で加え、得られたヨーグルトミックス29gを50mL容の遠心チューブに分注後、43℃でpH4.9になるまで発酵した。8℃にて1日保管し、タンパク含量10%のヨーグルト(ハード)を製造した。

実施例10 本発明発酵乳(ヨーグルト)の製造
DL−リンゴ酸の代わりにDL−リンゴ酸ナトリウム(扶桑化学株式会社製)を添加した以外は実施例9と同様の方法で、表5の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。
比較例6 発酵乳(ヨーグルト)の製造
発酵原料にリンゴ酸を添加しなかった以外は実施例9と同様の方法で、表5の割合で原材料を調製し、ヨーグルトを製造した。

Figure 0006774005
試験例6
実施例9、10および比較例6で製造したヨーグルトを3600rpmで10分間遠心した後、テクスチャーアナライザー(TA−XT2、Stable Micro Systems社製)を用い、先端細部円柱プローブにて1mm/秒、10mm侵入の条件で穿刺した。8℃にて16時間保管後、8℃下、3600rpmで10分間遠心する前と後の各ヨーグルトについて離水量を測定した。その結果を表6に示す。

Figure 0006774005

表6に示されるように、実施例9および10で得られた本発明のヨーグルトは比較例6より離水量が少なく、離水が防止されていた。
本発明によれば、滑らかな食感の発酵乳を通常の製造方法で簡便に製造することができる。

Claims (7)

  1. 乳原料およびスターター(但し、ラクトバチルス・ブルガリクスのみからなるスターターを除く)を含む発酵原料の調製工程と発酵工程とを含み、
    調製工程において、リンゴ酸、グルコノデルタラクトン(GDL)、フマル酸、及びコハク酸からなる群より選択される有機酸またはその塩を添加し、有機酸を添加する場合、かかる有機酸の添加量が発酵原料の0.001〜0.07重量%であり、有機酸の塩を添加する場合、かかる有機酸の塩の添加量が発酵原料の0.001〜0.7重量%である、発酵乳の製造方法。
  2. 有機酸がリンゴ酸である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 有機酸の塩がナトリウム塩である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法により製造される発酵乳。
  5. 乳原料およびスターター(但し、ラクトバチルス・ブルガリクスのみからなるスターターを除く)を含む発酵原料を発酵させて製造する発酵乳の食感を滑らかにする方法であって、発酵原料に、リンゴ酸、グルコノデルタラクトン(GDL)、フマル酸、及びコハク酸からなる群より選択される有機酸またはその塩を添加することを含み、有機酸を添加する場合、かかる有機酸の添加量が発酵原料の0.001〜0.07重量%であり、有機酸の塩を添加する場合、かかる有機酸の塩の添加量が発酵原料の0.001〜0.7重量%である、発酵乳の食感を滑らかにする方法。
  6. 有機酸がリンゴ酸である、請求項に記載の方法。
  7. 有機酸の塩がナトリウム塩である、請求項5又は6に記載の方法。
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