JPWO2009096342A1 - 硬化性組成物、含フッ素硬化物、それらを用いた光学材料および発光素子 - Google Patents

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Abstract

硬化速度が速く生産性に優れ、かつ硬化反応中の発泡による体積収縮を抑えることにより、得られる含フッ素硬化物が優れた寸法安定性を示す硬化性組成物、および該硬化性組成物の製造方法の提供を目的とする。重合性二重結合を有する重合性化合物を含む硬化性組成物であって、前記硬化性組成物中の全重合性化合物に占める分子量1000以上の重合性化合物(P)の質量割合が90質量%以上であり、かつ前記重合性化合物(P)が特定の繰り返し単位を有する分子量1000以上のフルオロポリマー(X)を含むことを特徴とする硬化性組成物。

Description

本発明は、硬化性組成物および含フッ素硬化物ならびにそれらの製造方法、さらにはそれらを用いた光学材料および発光素子に関する。
近年、次世代の高効率照明光源として白色LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)等の発光素子の開発が進められている。これらの発光素子は保護のためにシリコーン樹脂等の透光性封止樹脂により封止される。しかし、投入される電力が大きくなるにつれて発光素子での発熱量が増大しており、発光素子が高温になるために透光性封止樹脂が劣化することが問題となっている。透光性封止樹脂の劣化は、発光素子からの発光出力を低下させ、光源としての寿命を短くしてしまう。
一方、フルオロポリマーを接着剤やコーティング剤として種々の用途に用いる方法が示されている(特許文献1および2参照)。このフルオロポリマーは、主鎖に含フッ素脂肪族環状構造を有しており、低屈折率性、低表面エネルギー性を示す。また、透明性、耐光性(とりわけ短波長光に対する耐久性)、耐薬品性等に優れており、特定の溶媒に溶解させることができる。そのため、このフルオロポリマーを用いた接着剤やコーティング剤は前記性質を有する被膜を形成する。
そこで、白色LEDを封止する透光性封止樹脂として、前記フルオロポリマーと含フッ素溶剤とからなるコーティング剤により形成される被膜を利用することが開示されている(特許文献3参照)。
しかし、特許文献3のコーティング剤は、含有されるフルオロポリマーの濃度が最大でも25質量%程度であるため、LEDを封止するために必要な厚さ(100μm以上)を得ることが困難であるという問題がある。封止に充分な厚さを得るにはコーティング剤を重ね塗りする方法が挙げられるが、この方法では重ね塗りの際に被膜に発生するクラックや、溶剤の揮発により生じる発泡等により均一な封止が困難である。
また、非晶質フルオロポリマーも透明性、耐光性(とりわけ短波長光に対する耐久性)、耐薬品性等に優れており、耐久性が高い。そのため、シリコーン樹脂に代わる透光性封止樹脂の形成に有用である。例えば、特許文献4には、フルオロポリマーとフルオロモノマーを含む液状の硬化性組成物を利用したLEDの透光性封止が示されている。
しかし、特許文献4の硬化性組成物におけるフルオロポリマーは、構造が特殊でかつ多くの成分から構成されているため、含フッ素硬化物を得るまでの製造工程が長く生産性が低かった。また、硬化反応の条件によっては、硬化性組成物中に含まれる未反応のフルオロモノマー成分が揮発することにより体積収縮が起きるため、得られる含フッ素硬化物の寸法安定性が低下することがあった。このような未反応のフルオロモノマー成分の揮発は、環境にも好ましくない。そのため、硬化反応時の温度を高く設定することができないことから、硬化性組成物の硬化速度が遅かった。
そのため、硬化速度が高く、かつ得られる含フッ素硬化物の寸法安定性が、未反応のフルオロモノマーを含む低分子量成分の揮発によって低下することが抑えられる硬化性組成物が望まれている。
特開平2−84456号公報 特開平2−129254号公報 特開2003−8073号公報 国際公開第07/145181号パンフレット
そこで、本発明は、硬化速度が速く生産性に優れ、かつ硬化反応中の未反応のフルオロモノマーを含む低分子量成分の揮発による体積収縮を抑えることにより、得られる含フッ素硬化物が優れた寸法安定性を示す硬化性組成物の製造方法の提供を目的とする。
さらには、本発明は、前記硬化性組成物により得られる含フッ素硬化物および該製造方法、ならびに該含フッ素硬化物からなる光学材料および含フッ素硬化物により透光封止された発光素子の提供を目的とする。
本発明の硬化性組成物は、重合性二重結合を有する重合性化合物を含む硬化性組成物であって、前記硬化性組成物中の全重合性化合物に占める分子量1000以上の重合性化合物(P)の質量割合が90質量%以上であり、かつ前記重合性化合物(P)が下記に示すフルオロポリマー(X)を含むことを特徴とする組成物である。
フルオロポリマー(X):フルオロモノエン、および環化重合性のフルオロジエンからなる群から選択される1種以上のフルオロモノマー(a)に由来する繰り返し単位と、不飽和側鎖残存性のフルオロジエン(b)に由来する繰り返し単位とを有する共重合体であるフルオロポリマー(X)’のうち、分子量1000以上の共重合体。
また、本発明の硬化性組成物は、前記フルオロポリマー(X)の質量平均分子量が3000〜20000であることが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物において、前記フルオロモノマー(a)がペルフルオロモノマーであり、かつ前記フルオロジエン(b)がペルフルオロジエンであることが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物において、前記フルオロモノマー(a)がテトラフルオロエチレンであることが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物において、前記フルオロジエン(b)が、CF=CFO−QF1−OCF=CF(ただし、式中、QF1は、ペルフルオロアルキル基の側鎖を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であって、該ペルフルオロアルキレン基における炭素原子数は3〜8であり、かつ炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい、2価のペルフルオロアルキレン基である。)で示される化合物であることが好ましい。
また、本発明の硬化性組成物の製造方法は、前記いずれかの硬化性組成物の製造方法であって、前記フルオロポリマー(X)’の合成に用いる前記フルオロモノマー(a)および前記フルオロジエン(b)の全使用量のうちの一部を予め反応容器内に投入して重合反応を開始させ、重合反応の進行中に残りのフルオロモノマー(a)およびフルオロジエン(b)を逐次添加しながら重合させて前記フルオロポリマー(X)’を製造する工程を含む方法である。
また、本発明の含フッ素硬化物の製造方法は、前記いずれかの硬化性組成物を100〜250℃で硬化させる工程を含む方法である。
また、本発明の含フッ素硬化物の製造方法は、前記いずれかに記載の硬化性組成物を波長150〜400nmの紫外線で硬化させる工程を含む方法である。
また、本発明は、前記いずれかの硬化性組成物を硬化させて得られる含フッ素硬化物である。
また、本発明は、前記含フッ素硬化物を用いた光学材料である。
また、本発明は、前記含フッ素硬化物により透光封止した発光素子である。
本発明の硬化性組成物は、硬化速度が速く、生産性に優れている。また、硬化反応中の未反応のフルオロモノマーを含む低分子量成分の揮発による体積収縮を抑えることができ、得られる含フッ素硬化物が優れた寸法安定性を示す。
また、本発明の製造方法によれば、高い生産性で、優れた寸法安定性を有する含フッ素硬化物が得られる。
また、本発明によれば、前記硬化性組成物により得られる含フッ素硬化物、ならびに該含フッ素硬化物を用いた光学材料および該含フッ素硬化物により透光封止された発光素子を提供できる。
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、重合性二重結合(炭素−炭素二重結合)を有する重合性化合物を含んでおり、その全重合性化合物中に占める分子量が1000以上の重合性化合物(P)の質量割合が90質量%以上である。前記重合性化合物(P)の質量割合は、95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
分子量1000未満のものは、主として重合性化合物(P)を合成する際に残存する未反応モノマー、または重合が不充分なオリゴマーで構成されている(以下、この成分を単に低分子量成分という場合がある)。
硬化性組成物中の分子量1000未満の重合性化合物が少ないことにより、硬化反応時に低分子量成分が揮発することを抑え、寸法安定性に優れた含フッ素硬化物を高い生産性で得ることができる。
[重合性化合物(P)]
重合性化合物(P)は、少なくとも、重合性二重結合を有する分子量が1000以上のフルオロポリマー(X)を含む。
(フルオロポリマー(X))
フルオロポリマー(X)は、フルオロモノマー(a)に由来する繰り返し単位と、不飽和側鎖残存性のフルオロジエン(b)(以下、単にフルオロジエン(b)という)に由来する繰り返し単位とを有する、熱硬化性の共重合体であるフルオロポリマー(X)’のうち、分子量が1000以上の共重合体である。すなわち、フルオロモノマー(a)とフルオロジエン(b)とを共重合させて得られるフルオロポリマー(X)’のうち、分子量1000以上のものである。
フルオロモノマー(a)は、フルオロモノエン、および環化重合性のフルオロジエンからなる群から選択される1種以上である。フルオロモノマー(a)は、熱安定性の点から、ペルフルオロモノマーであることが好ましい。
フルオロモノマー(a)におけるフルオロモノエンは、分子内に重合性二重結合を1つ有する含フッ素化合物である。
フルオロモノエンとしては、たとえば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等のフルオロエチレンや、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロアルコキシエチレン、下記式(a−1)、下記式(a−2)に示す化合物等が挙げられる。
Figure 2009096342
式中、R、およびRはそれぞれ独立にフッ素原子またはOCF基であり、R、およびRはそれぞれ独立にフッ素原子またはCF基である。また、R、およびRはそれぞれ独立にフッ素原子、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルコキシ基またはペルフルオロアルコキシアルキル基である。
フルオロモノマー(a)における環化重合性のフルオロジエンは、分子内に2つの重合性二重結合を有する含フッ素化合物であり、これらが共に環化重合反応に寄与し、重合後に二重結合を残存させない含フッ素化合物である。
環化重合性のフルオロジエンとしては、たとえば、CF=CFOCXCXCF=CF等が挙げられる。ただし、式中、X、およびXはそれぞれ独立に、フッ素原子、CF基、塩素原子、または水素原子のいずれかであり、X、およびXはそれぞれ独立に、フッ素原子、CF基または水素原子である。
フルオロモノマー(a)を用いることにより、硬化性組成物の熱安定性が高くなるので硬化反応時の温度を高くすることができる。そのため、分子量が1000未満の重合性化合物や溶剤がなくても成形時の硬化性組成物の流動性を高くすることができる。また、硬化速度を速くすることができる。さらに、フルオロモノマー(a)を用いることにより、得られる含フッ素硬化物の機械的強度も向上する。
フルオロモノエンとしては、ペルフルオロモノマーが好ましく、テトラフルオロエチレンがより好ましい。特にテトラフルオロエチレンをフルオロモノマー(a)として用いる場合に、フルオロポリマー(X)および(X)’は、熱安定性、流動性に最も優れる。
フルオロジエン(b)は、炭素−炭素二重結合を2つ有しており、炭素−炭素二重結合の少なくとも一部が重合反応に寄与せず、重合後も二重結合のまま残存する化合物である。すなわち、フルオロジエン(b)の一方の炭素−炭素二重結合における2つの炭素原子は重合後に主鎖を形成する。もう一方の炭素−炭素二重結合のうち少なくとも一部は重合反応に寄与せず、フルオロポリマー(X)中に炭素−炭素二重結合を有する不飽和側鎖を形成させる。フルオロジエン(b)を用いることにより、フルオロポリマー(X)中に不飽和側鎖が残存するため、この不飽和側鎖を利用した硬化反応により含フッ素硬化物が得られる。
フルオロジエン(b)としては、炭素原子とフッ素原子のみから構成されるか、または炭素原子とフッ素原子と酸素原子のみから構成されるペルフルオロジエンが挙げられる。また、前記ペルフルオロジエンの1つもしくは2つのフッ素原子が水素原子で置換されたフルオロジエンが挙げられる。フルオロジエン(b)は、熱安定性の点から、ペルフルオロジエンであることが好ましい。
フルオロジエン(b)は、2つの炭素−炭素二重結合を連結する連結鎖の原子数が5〜10であることが好ましく、5〜8であることがより好ましい。
前記連結鎖の原子数が5以上であれば、重合反応時にこれら2つの炭素−炭素二重結合が反応して分子内環化が起こることを抑えて、フルオロポリマー(X)中に炭素−炭素二重結合を有する不飽和側鎖を残存させやすい。また、前記連結鎖の原子数が10以下であれば、硬化前に各々のフルオロポリマー(X)の側鎖に残存した炭素−炭素二重結合により架橋反応が起こり、フルオロポリマー(X)の高分子量化やゲル化が生じてしまうことを防ぎやすい。これにより、硬化性組成物を硬化させる前の流動性が著しく低下することを防止するのが容易になる。また、連結鎖の長すぎるフルオロジエン(b)は、それ自体を合成し、高純度に精製することが容易でない。
フルオロジエン(b)は、分子内に脂肪族環構造を有するフルオロ環状ジエンであってもよく、脂肪族環構造を有さないフルオロ非環状ジエンであってもよい。その中でも、フルオロジエン(b)は、硬化性組成物を硬化して得られる含フッ素硬化物に柔軟性を付与する効果が大きい点、流動性が低下しすぎない点から、脂肪族環構造を有さないフルオロ非環状ジエンであることが好ましい。
また、フルオロ非環状ジエンは、前記のような脂肪族環構造を有さない化合物である。また、2個の炭素−炭素二重結合を連結する連結鎖は、流動性が低下しすぎることを防ぐ点から、環構造を有さない直鎖構造であることが好ましい。
フルオロ非環状ジエンとしては、下記式に示す化合物が好ましい。
CF=CFO−QF1−OCF=CF
CF=CFOCH−QF2−CHOCF=CF
CH=CFCFO−QF3−OCFCF=CH
ただし、式中、QF1およびQF3は、それぞれ独立に、ペルフルオロアルキル基の側鎖を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であって、該ペルフルオロアルキレン基における炭素原子数は3〜8、好ましくは3〜6であり、かつ炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい、2価のペルフルオロアルキレン基である。QF2は、ペルフルオロアルキル基の側鎖を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であって、該ペルフルオロアルキレン基における炭素原子数は2〜6、好ましくは2〜4であり、かつ炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい、2価のペルフルオロアルキレン基である。
フルオロジエン(b)としては、CF=CFO−QF1−OCF=CFで示される化合物がより好ましい。
前記フルオロ非環状ジエンの具体例としては、下記式に示す化合物が挙げられる。
CF=CFO(CFOCF=CF
CF=CFO(CFOCF=CF
CF=CFO(CFOCF=CF
CF=CFO(CFOCF(CF)CFOCF=CF
CF=CFOCH(CFCHOCF=CF
CF=CFOCH(CFCHOCF=CF
CH=CFCFOCF(CF)CFOCF=CF
CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CFOCF=CF
これらフルオロジエン(b)は、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
フルオロ環状ジエンは、脂肪族環構造を1つまたは2つ有する化合物である。フルオロ環状ジエンにおける脂肪族環構造は、炭素原子のみから構成されるか、または炭素原子と酸素原子とから構成される。脂肪族環構造を構成する原子数は4〜8であることが好ましく、5または6であることがより好ましい。特に好ましい脂肪族環構造は、1つまたは2つの酸素原子を含む5員環または6員環である。
フルオロ環状ジエンが脂肪族環構造を2つ有する場合は、それらの脂肪族環同士は単結合や2価以上の連結基で連結されていてもよく、縮合(1個の炭素結合を共有する場合も含む)していてもよい。前記連結基としては、たとえば、酸素原子、ペルフルオロアルキレン基(炭素原子数8以下が好ましい)、一方もしくは両方の末端、または炭素原子間にエーテル性酸素原子を有するペルフルオロアルキレン基(炭素原子数8以下が好ましい)等が挙げられる。
脂肪族環構造を構成する炭素原子には、フッ素原子以外の置換基が結合していてもよい。置換基としては、炭素原子数15以下のペルフルオロアルキル基、炭素原子間に1つ以上のエーテル性酸素原子を有する炭素原子数15以下のペルフルオロアルキル基、炭素原子数15以下のペルフルオロアルコキシ基、炭素原子間に1つ以上のエーテル性酸素原子を有する炭素原子数15以下のペルフルオロアルコキシ基等が好ましい。
フルオロ環状ジエンが有する2つの炭素−炭素二重結合のうち、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合における一方または両方の炭素原子は、前記脂肪族環構造を構成する炭素原子である。すなわち、フルオロ環状ジエンでは、前記脂肪族環構造を構成する隣接する炭素原子間において炭素−炭素二重結合が形成されているか、または前記脂肪族環構造を構成する1つの炭素原子と該炭素原子に結合する炭素原子との間に炭素−炭素二重結合が形成されている。フルオロ環状ジエンが脂肪族環構造を2つ有する場合は、2つの炭素−炭素二重結合はそれぞれの脂肪族環構造が有する。
フルオロ環状ジエンの全炭素原子数は、その沸点や得られる含フッ素硬化物の耐熱性の観点から、8〜24であることが好ましく、10〜18であることがより好ましい。
また、フルオロ環状ジエンとしては、前記脂肪族環構造を2つ有し、その脂肪族環のそれぞれが炭素−炭素二重結合を有する化合物であることが好ましく、ペルフルオロ(2−メチレン−1,3−ジオキソラン)構造を2つ有する化合物がより好ましい。また、下記式(b−1)に示す、ペルフルオロ(2−メチレン−1,3−ジオキソラン)構造を2つ有し、それらの脂肪族環同士を、4位を連結位として単結合や2価の連結基で結合した化合物(以下、化合物(b−1)という)、または下記式(b−2)に示すペルフルオロ(2−メチレン−1,3−ジオキソラン)構造を2つ有し、それらの脂肪族環同士を、4位および5位を連結位として単結合や2価の連結基で結合した化合物であることがさらに好ましく、化合物(b−1)が特に好ましい。
また、その他のフルオロ環状ジエンとしては、下記式(b−3)に示す化合物が挙げられる。
Figure 2009096342
式中、QF4は、単結合、酸素原子、またはエーテル性酸素原子を有していてもよい炭素原子数1〜10のペルフルオロアルキレン基のいずれかである。また、QF5およびQF6は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、またはエーテル性酸素原子を有していてもよい炭素原子数1〜5のペルフルオロアルキレン基である。
化合物(b−1)に由来する繰り返し単位において側鎖に残存した炭素−炭素二重結合は、ラジカル重合性が高い。そのため、硬化性組成物の硬化反応の際に充分に反応することができ、得られる含フッ素硬化物中に炭素−炭素二重結合を有する側鎖が残存してしまうことが抑えられることから、含フッ素硬化物の熱安定性が向上する。
化合物(b−1)の具体例としては、下記式に示す化合物が挙げられる。化合物(b−1)は、国際公開第2005/085303号パンフレットに記載された方法により製造することが好ましい。
Figure 2009096342
以上のように、フルオロモノマー(a)とフルオロジエン(b)とを共重合させることにより、フルオロジエン(b)に由来する繰り返し単位の少なくとも一部に、炭素−炭素二重結合を有する不飽和側鎖が残存している共重合体であるフルオロポリマー(X)が得られる。
たとえば、フルオロジエン(b)として、CF=CF−O−(CF−O−CF=CFを使用した場合、フルオロポリマー(X)は、下記式に示す繰り返し単位を少なくとも有する。
Figure 2009096342
フルオロポリマー(X)’中に占めるフルオロポリマー(X)の質量割合は90質量%以上であり、95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが特に好ましい。
フルオロポリマー(X)中に分子量1000未満の重合性化合物が含まれないことにより、これをそのまま硬化性組成物として用いても硬化反応時に低分子量成分が揮発することを抑え、寸法安定性に優れた含フッ素硬化物を高い生産性で得ることができる。
フルオロポリマー(X)’は、前記フルオロモノマー(a)と前記フルオロジエン(b)とを共重合させることにより得られる。フルオロモノマー(a)とフルオロジエン(b)とを共重合させる重合方法は特に限定されず、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合等の公知の重合方法を採用することができ、溶媒で希釈した状態で重合でき、側鎖に残存する炭素−炭素二重結合による分子間の架橋反応を抑制できる点から、溶液重合が特に好ましい。
溶液重合における重合媒体としては、生成するフルオロポリマー(X)’が溶解できる含フッ素溶媒であることが好ましい。含フッ素溶媒としては、たとえば、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)、CFCHCFH(HFC−245fa)、CFCFCHCFH(HFC−365mfc)、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、ペルフルオロ(トリブチルアミン)、CFCFCFCFCFCFH、CFCHOCFCFH、CFCHOCHCF、CFCFOCFCFOCFCF等が挙げられる。
また、フルオロポリマー(X)’の製造においては、フルオロポリマー(X)’の合成に用いるフルオロモノマー(a)とフルオロジエン(b)の全使用量を一度に反応させずに、その全使用量のうちの一部を予め反応容器内に投入して重合反応を開始させ、重合反応の進行中に残りのフルオロモノマー(a)およびフルオロジエン(b)を逐次添加しながら重合させる工程を含むことが特に好ましい。これにより、得られるフルオロポリマー(X)’及びフルオロポリマー(X)の分子量分布および組成分布を狭くすることができ、フルオロポリマー(X)’中の分子量1000未満の低分子量成分の含有量を10質量%未満にすることが容易になり、フルオロポリマー(X)の収率が向上する。また、フルオロポリマー(X)’中には、重合性化合物である低分子量成分以外に、特にフルオロジエン(b)含量が少なく、実質的に重合性化合物とならない成分が含まれるが、このような化合物を低減することが容易になる。
フルオロポリマー(X)’を得た後の工程としては、後述する重合性化合物(Y)や添加剤等を混合する工程等が挙げられる。
フルオロポリマー(X)’の製造における、フルオロモノマー(a)とフルオロジエン(b)とのモル比は、60:40〜95:5であることが好ましい。また、フルオロモノマー(a)としてフルオロエチレンを用いる場合、フルオロエチレンとフルオロジエンのモル比は60:40〜95:5であることがより好ましく、70:30〜90:10であることが特に好ましい。フルオロモノマー(a)の仕込み割合が大きくなりすぎると、フルオロポリマー(X)’の分子量が高くなりすぎて流動性が低下する。また、得られる含フッ素硬化物の透明性が低下する傾向がある。
重合反応に用いる重合開始剤としては、10時間半減温度が20〜120℃の有機過酸化物の多くが使用可能であるが、重合開始剤中の水素原子の引き抜き反応による反応率の低下が起きることを防ぐ点から、含フッ素ジアシルペルオキシド等の含フッ素過酸化物を用いることが好ましい。
反応溶液中の重合開始剤の濃度は、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。
また、重合温度は、開始剤の10時間半減温度とモノマーの重合速度によっても異なるが、20〜120℃が好ましく、40〜90℃がより好ましい。
重合反応においては、連鎖移動剤を用いることが好ましい。
連鎖移動剤としては、たとえば、CCl、CHCl、SOCl、CHFCl等の塩素化合物、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサン、ジエチルエーテル等の炭化水素化合物が挙げられる。なかでも、連鎖移動効率が高く、高収率でフルオロポリマー(X)が得られる点から、SOClが好ましい。
連鎖移動剤の使用量は、連鎖移動定数によっても異なるが、SOClを用いた場合、フルオロモノマー(a)とフルオロジエン(b)との混合物の合計量に対し、モル比で0.001〜0.1であることが好ましく、0.001〜0.05であることがより好ましい。前記モル比が0.001以上であれば、ポリマーの分子量が高くなりすぎることを防ぎやすい。また、前記モル比が0.1以下であれば、フルオロポリマー(X)’の分子量が低下しすぎるのを防ぎやすい。
本発明におけるフルオロポリマー(X)は、上記で得たフルオロポリマー(X)’から分子量1000未満の低分子量成分を除去することにより、容易に得ることができる。分子量1000未満の低分子量成分の除去方法としては、フルオロポリマー(X)’を減圧下に加熱し除去する方法、超臨界二酸化炭素によりフルオロポリマー(X)’から低分子量成分を抽出する方法、フルオロポリマー(X)’の溶液を貧溶媒中に投入し、フルオロポリマー(X)を沈殿させ、沈殿しない低分子量成分を除去する方法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、低分子量成分を分割し除去する方法等が挙げられる。好ましい低分子量成分の除去方法は、減圧下に加熱し除去する方法である。
減圧下に加熱することにより、分子量1000未満のものを除去する条件としては圧力が1〜100hPaが好ましく、1〜20hPaがより好ましく、1〜10hPaが最も好ましい。温度は、100〜150℃が好ましく、120〜150℃がより好ましい。圧力は低い(真空度が高い)ほど良いが、装置サイズが大きくなるにつれ、圧力を低くすることは一般的に容易ではない。温度は低すぎると、低分子量成分の除去に長い時間を要したり、除去できない場合もある。また、温度が高すぎる場合、加熱中に部分的にゲル化反応が生じる場合があるので好ましくない。
より好ましい実施様態としては、減圧下に加熱する方法を用いて、フルオロポリマー(X)’に含有される低分子量体の含有量を低下させた後に、更に超臨界状態にある抽出溶媒を用いて低分子量体を除去し、フルオロポリマー(X)を得る方法である。
フルオロポリマー(X)’を超臨界状態にある抽出溶媒と接触させた後にフルオロポリマー(X)と抽出溶媒を分離することで、フルオロポリマー(X)’に含まれている低分子量体の量を低減することができる。
上記抽出における抽出溶媒は、上記低分子量体を溶解することにより、該低分子量体とフルオロポリマー(X)とを分離することができる媒体である。
抽出溶媒としては、用いる抽出溶媒の臨界温度以上、130℃未満の温度、且つ、該抽出溶媒の臨界圧力以上の圧力下に、上述の低分子量体を抽出することができるものであれば特に限定されない。例えば、二酸化炭素の他、フルオロホルム(CFH;R23)、パーフルオロエタン(C;R116)等の炭素数1〜3のフルオロカーボン等が挙げられる。なかでも、容易に超臨界状態にすることができ、抽出効率に優れる点で、二酸化炭素、フルオロホルム又はパーフルオロエタンが好ましく、二酸化炭素がより好ましい。
抽出溶媒は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよいが、二酸化炭素、フルオロホルム及びパーフルオロエタンは、それぞれ1種のみを用いても充分にフルオロポリマー(X)を精製することができる。
抽出における抽出溶媒の温度は、上記抽出溶媒の臨界温度以上、130℃未満の温度であり、且つ、上記抽出溶媒の臨界圧力以上の圧力下にある。即ち、上記抽出は、用いる抽出溶媒を130℃未満の超臨界流体にしてフルオロポリマー(X)’に接触させることにより行う。
上記温度は、上記範囲内であれば、使用する抽出溶媒に応じて適宜設定することができるが、好ましい下限が臨界温度より0.1℃高い温度であり、好ましい上限は100℃であり、より好ましい上限は80℃である。
上記圧力は、上記範囲内であれば、使用する抽出溶媒に応じて適宜設定することができるが、好ましい下限は、臨界圧力より10000Pa高い圧力であり、好ましい上限は、臨界圧力より70MPa高い圧力である。
上記記載の精製方法において、二酸化炭素、フルオロホルム等の上記抽出溶媒の密度を高くすることにより、低分子量体の抽出効率を向上することができる。この機構として、抽出溶媒の密度が高い方が低分子量体の抽出溶媒に対する溶解度が上昇することが考えられる。
二酸化炭素、フルオロホルム等の抽出溶媒の密度は、抽出の場、即ち、抽出溶媒が上述の温度と圧力である条件下において、0.2g/cm以上、1.3g/cm以下であることが好ましい。
また、助溶媒として、超臨界状態にある抽出溶媒と併用してハロゲン化炭化水素系溶媒または炭化水素系溶媒(以下、エントレーナーという)を用いても良い。用いるエントレーナーは、単独で使用しても良いし、混合して用いても良い。用いる含フッ素系溶媒の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
例えば、CFCFCHCl、CFClCFCHClF、CFCFCHCl、CFC12CF2Cl、CCl、CFCHFCHFCFCF、CFCHOCFCFHなどである。
用いる炭化水素系の溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ジメチルエーテルなどが挙げられる。
上記記載の精製方法は、超臨界状態にある抽出溶媒を用いて抽出を行うものであるので、低分子量体を効率的に低減することができ、得られるフルオロポリマー(X)は、分子量分布が狭分散なものとして得ることができる。
上記記載の精製方法は、上記低分子量体を低減することができるものであるので、得られるフルオロポリマー(X)は、GPCにより測定した数平均分子量Mnと質量平均分子量Mwとの比であるMw/Mnで表される分子量分布がより小さく狭分散なものとすることができる。
フルオロポリマー(X)’及びフルオロポリマー(X)は、質量平均分子量が3,000〜20,000であることが好ましく、5,000〜15,000であることがより好ましい。フルオロポリマー(X)’及びフルオロポリマー(X)の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、PMMA(ポリメチルメタクリレート)換算分子量として算出できる。
フルオロポリマー(X)の質量平均分子量が3,000以上であれば、硬化性組成物の硬化反応中における低分子量成分の揮発を防止しやすい。また、フルオロポリマー(X)の質量平均分子量が20,000以下であれば、成形時に硬化反応が起こる最低温度以下での流動性が確保される。分子量が高すぎて流動性が悪い場合には、所望の形状に成形ができなかったり、流動が不均一になり成形物の特性に偏りが発生する。
また、フルオロポリマー(X)の質量平均分子量を前記範囲内において高く設定することにより、より高い熱安定性を有する含フッ素硬化物が得られやすい。
また、フルオロポリマー(X)’及びフルオロポリマー(X)は、分子中の側鎖に残存する炭素−炭素二重結合の含有量が、0.1〜2mmol/gであることが好ましく、0.5〜1.0mmol/gであることがより好ましい。前記炭素−炭素二重結合の含有量は、F19−NMRによる測定により算出できる。
前記炭素−炭素二重結合の含有量が0.1mmol/g以上であれば、硬化性組成物を硬化して得られる含フッ素硬化物において架橋が不足して硬度が低下したり、硬化性組成物の表面の粘性が高くなりすぎたりすることを防ぎやすい。また、前記炭素−炭素二重結合の含有量が2mmol/g以下であれば、フルオロポリマー(X)同士の架橋反応によるゲル化や高分子量化により、重合反応時における溶媒に対する溶解性や硬化反応時に溶剤を用いる場合の溶解性が低くなりすぎることを防ぎやすい。また、得られる含フッ素硬化物中に未反応の炭素−炭素二重結合が残り、熱安定性を低下させることを防ぎやすい。
フルオロポリマー(X)は、高分子量であるために室温では高粘度液状であるが、加熱されれば粘度が下がり、流動性を得ることができる。フルオロポリマー(X)は、50〜100℃において粘度が1〜100Pa・sとなることが好ましい。
また、フルオロポリマー(X)は、100℃以下においては実質的に硬化せず、100〜200℃、好ましくは150〜200℃において熱硬化する。
重合性化合物(P)(100質量%)中のフルオロポリマー(X)の含有量は、60〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることが特に好ましい。
フルオロポリマー(X)の含有量が60質量%以上であれば、硬化速度が速い硬化性組成物が得られやすく、寸法安定性に優れた含フッ素硬化物が得られやすい。
(その他の重合性化合物(Y))
重合性化合物(P)は、フルオロポリマー(X)以外に、その他の重合性化合物(Y)を含んでいてもよい。重合性化合物(Y)は、単体で分子量が1000以上であるモノマーか、または、重合させて分子量を1000以上としたものである。
重合性化合物(Y)は、フルオロポリマーまたはフルオロオリゴマーが好ましく、ペルフルオロポリマーまたはペルフルオロオリゴマーがより好ましい。ペルフルオロポリマーまたはペルフルオロオリゴマーを構成するモノマーとしては、たとえば、CF=CFO−Rf−OCF=CF、またはCF=CFOCH−Rf−CHOCF=CFが挙げられる。
ただし、式中、Rfは、側鎖にペルフルオロアルキル基を有していてもよいペルフルオロアルキレン基またはペルフルオロオキシアルキレン基である。
Rfの具体例としては、たとえば、−CF−、−CFO−、−CFCFO−、−CFCFCFO−、−CF(CF)CFO−等の繰り返し単位を含有するペルフルオロポリエーテルが挙げられる。
また、本発明の硬化性組成物は、重合性化合物以外に、必要に応じて添加物が添加されていてもよい。
前記添加物としては、たとえば、光学素子用としての蛍光体、色素、シリカまたはアルミナ微粒子等の光拡散剤等が挙げられる。また、光学材料以外の耐熱性、耐薬品性を必要とする用途における添加物としては、各種の無機フィラー、ガラス繊維、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)粒子等が挙げられる。
添加物としてジルコニアナノ粒子、チタニアナノ粒子などを用いた場合、透明性を維持したまま添加量に応じて屈折率を0.05から0.15程度高めることが可能である。
<含フッ素硬化物>
本発明の含フッ素硬化物は、前記硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化物である。
本発明における含フッ素硬化物は、耐光性(特に波長200〜500nmの短波長光に対する耐久性)および透明性が高く、かつ耐熱性に優れる。
(製造方法)
本発明の含フッ素硬化物の製造方法は、前記硬化性組成物を100〜250℃で硬化させる工程を含む方法である。
硬化温度は、125〜220℃であることが好ましく、150〜200℃であることがより好ましい。
硬化温度を100℃以上にすることにより、短時間で含フッ素硬化物を得ることができ、生産性が高くなる。また、硬化温度を250℃以下にすることにより、寸法安定性に優れた含フッ素硬化物を得ることが容易になる。
硬化性組成物を硬化させる方法は、特に限定されず、硬化性組成物を50〜100℃で加熱して流動させ、これを塗布した後に硬化させる方法、溶剤を使用して塗布した後に硬化させる方法等が挙げられ、前者が好ましい。
硬化反応は、段階的に温度が高くなるように多段階で行ってもよい。硬化反応を多段階で行う場合は、硬化温度は少なくともその最高温度が前記範囲内となるようにすればよい。
また、硬化性組成物の硬化反応においては、含フッ素有機過酸化物等の硬化剤を用いてもよく、用いなくてもよい。本発明の硬化性組成物は前記硬化剤を用いない場合であっても、加熱によって硬化させることができる。含フッ素有機過酸化物としては、たとえば、(CC(CO)O)、((CFCO)等が挙げられる。
前記硬化剤を用いない場合の架橋反応の機構は明らかでないが、フルオロポリマー(X)中に溶解している酸素がラジカル源となること、フルオロポリマー(X)中の構造の一部が熱分解してラジカルを発生すること、フルオロポリマー(X)中の側鎖−CF=CF基同士の熱カップリング反応等が要因であると考えられる。
また、本発明の含フッ素硬化物の製造方法は、硬化性組成物を波長150〜400nmの紫外線で硬化させる工程を含む方法が好ましい。この場合は室温でも硬化反応は進行し、熱硬化させたものよりも硬度の高い硬化物が得られる。
紫外線の波長は、150〜400nmが好ましく、193〜365nmがより好ましく、248〜365nmが最も好ましい。
250〜400nmにおいてはメタルハライドランプ、254nm、313nm、および365nmには高圧水銀ランプが用いられる。また、248nmにはKrFエキシマーレーザー、193nmにはArFエキシマーレーザー、157nmにはFレーザーが用いられる。
特に、254nmの短波長紫外線を照射する場合は光開始剤を用いなくても良く、紫外線照射強度に応じて照射時間を調節することにより、硬化物を作製できる。硬化は、照射強度が0.1〜500mW/cmの範囲で1分〜10時間程度照射することにより行えばよい。
また、光開始剤を用いれば300〜400nmの紫外線を照射することにより硬化させることができる。
なお、254nmの短波長紫外線を用いた場合に、光開始剤を用いなくても硬化する機構については明らかではない。しかし、19F−NMRによる構造解析によれば、硬化物中に、フルオロポリマー(X)中の側鎖の−CF=CF基同士の熱カップリングで生じるシクロブタン環が存在しないことが確認できた。このことから、フルオロポリマー(X)中の−CF=CF基の重合が進行していることが示唆される。開始源としては、フルオロポリマー(X)の末端に存在するCOOHなどのカルボニル基を有する末端基が紫外線により脱COを起こすか、または、微量に存在するOが−CF=CF基と反応して生成した−COFが紫外線により脱COFを起こしてラジカルを発生する(J.Fluorine Chemistry,(1987)Vol.36、449)こと等が考えられる。
光開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、ベンゾフェノン、ベンジルなどのケトン系、アシルフォスフォンオキサイド系、O-アシルオキシム系、チタノセン系、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのハロメチルトリアジン系の各種の化合物が挙げられる。好ましくは、フルオロポリマー(X)との相溶性から、水素の一部がフッ素またはフルオロアルキル基に置換された含フッ素系光開始剤である。
光開始剤の使用量は、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜1質量%がより好ましい。光開始剤の使用量が前記範囲にあれば、硬化速度を低下させずに着色の少ない透明な硬化物を得ることが容易になる。
また、本発明の含フッ素硬化物の製造方法は、硬化性組成物を1kGy〜500kGyの放射線で硬化させる工程を含む方法も好ましい。
[光学材料および発光素子]
本発明における含フッ素硬化物は、耐光性(特に波長200〜500nmの短波長光に対する耐久性)および透明性が高く、かつ耐熱性に優れることから、光学材料として有用である。
光学材料としては、光ファイバーのコア材料またはクラッド材料、光導波路のコア材料またはクラッド材料、ペリクル材料、ディスプレイ(たとえば、PDP(Plasma Display Panel)、LCD(Liquid Crystal Display)、FED(Field Emission Display)、有機EL等)用表面保護材料、レンズ(たとえば、発光素子用集光レンズ、人工水晶体レンズ、コンタクトレンズ、低屈折率レンズ等)用表面保護材料、レンズ(たとえば、発光素子用集光レンズ、人工水晶体レンズ、コンタクトレンズ、低屈折率レンズ等)用材料、素子(たとえば、発光素子、太陽電池素子、半導体素子等)用封止材料等の用途が挙げられる。
本発明の光学材料は、前記硬化性組成物を任意形状の型中で硬化させて、任意形状(たとえば、板型、管状、棒状等)を有する含フッ素硬化物からなる成形品として用いるか、または前記硬化性組成物等を任意基材(たとえば、前記のディスプレイ、レンズ、素子等)上で硬化させて、形成された含フッ素硬化物の被膜により任意基材を透光封止するようにして用いることが好ましい。
前記成形品としては、光ファイバーのコア材料やクラッド材料、光導波路のコア材料やクラッド材料、レンズ用材料が好ましい。
前記被膜としては、半導体素子、太陽電池素子、発光素子(たとえば、LED、レーザーダイオード(LE)、エレクトロルミネッセンス素子等)等を透光封止する素子用の封止材料が好ましく、本発明における含フッ素硬化物が前記性質を有する観点から、短波長光発光素子を透光封止する封止材料が特に好ましい。短波長光発光素子としては、白色LEDが挙げられる。
このように、本発明は、前記光学材料で透光封止した発光素子を得ることができる。本発明の発光素子が、波長200〜500nmの短波長光発光素子である場合、前記硬化性組成物には、必要に応じてLEDの発光波長変換用の蛍光体等が添加されてもよい。
以上のように、本発明の硬化性組成物は、硬化速度が速く、短時間で含フッ素硬化物を得ることができるため、生産性が高くなる。これは、硬化性組成物中の全重合性化合物に占める分子量1000未満の重合性化合物の割合が小さく、硬化反応における温度が高くても環境に好ましくない低分子量成分の揮発が少ないため、高温で硬化反応を行えるためである。
また、本発明の硬化性組成物は、硬化反応中における体積収縮による、含フッ素硬化物の寸法安定性の低下が抑えられる。そのため、本発明の含フッ素硬化物を用いることにより精密な成形体が製造できる。これは、硬化性組成物中の全重合性化合物に占める分子量1000未満の重合性化合物の割合が小さいため、低分子量成分の揮発が抑えられるためであると考えられる。
また、フルオロモノマー中の重合性二重結合は、重合反応に用いられた際に一般に体積収縮を伴うことが知られている。本発明の硬化性組成物では、全重合性化合物中に占める分子量1000未満の重合性化合物の割合が小さく、単位体積あたりの重合性二重結合の割合が少ないことも、体積収縮が抑えられて含フッ素硬化物の寸法安定性が向上する要因となっていると考えられる。
また、特許文献4に記載の硬化性組成物では、硬化後の含フッ素硬化物の硬度を上げるために硬化性組成物中に環状モノエンを含有していた。そのため、仮にこの成分を用いずに硬化すると表面に粘性を生じてしまい、充分な硬度を得られないものであった。
しかし、本発明では、フルオロポリマー(X)を用いているため、硬化性組成物を硬化させる際に、架橋構造が形成されるため前記環状モノエンを用いなくても充分な硬度を有する含フッ素硬化物が得られる。とくに、254nmの紫外線により硬化させると、熱硬化よりも効果的に架橋構造が形成され、硬度および熱安定性がより高い硬化物が得られる。
以下、実施例および比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
本実施例では、フルオロポリマー(X)及び(X)’における二重結合の含有量は、19F−NMRにより測定した。また、質量平均分子量は、CFClCFCHClF(旭硝子社製、商品名:AK225cb、以下、AK225cbという。)を溶媒として用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりPMMA(ポリメチルメタクリレート)換算分子量として算出した。
本実施例に用いたフルオロポリマーの製造方法について説明する。
[合成例1]フルオロポリマー(X1)の製造
内容積が1Lの撹拌機付きステンレス製オートクレーブを脱気した後、このオートクレーブに、フルオロモノマー(a)であるテトラフルオロエチレン(以下、TFEという)(21g)、フルオロジエン(b)であるCF=CFOCOCF=CF(ペルフルオロテトラメチレンジビニルエーテル(以下、C4DVEという))(78g)、AK225cb(1050g)、連鎖移動剤であるSOCl(9.0g)、および重合開始剤であるペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド(12g)を圧入し、撹拌しながらオートクレーブ内を50℃に昇温した。その後、TFE(全仕込み量51g)およびC4DVE(全使用量129g)を、圧力を0.13MPaに保ちながら逐次添加して4時間重合反応を行った。
ついで、オートクレーブを冷却して内容物を取り出し、内容積が2Lのガラスビーカーに移した。該ガラスビーカーに、撹拌しながらメタノール500gを投入して共重合体を析出させた。上澄みを除去してAK225cbに再溶解した後、これを細孔径1μmのポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)製メンブランフィルターでろ過して重合体溶液を得た。ついで、エバポレーターを用いて得られた重合体溶液の溶媒を留去することにより、無色透明な高粘度液状のフルオロポリマー(X1)’(72g)が得られた。
ついで、120℃で2時間真空下に加熱することにより、フルオロポリマー(X1)の70gを得た。フルオロポリマー(X1)の質量平均分子量をGPCにより測定したところ、12,000であった。また、フルオロポリマー(X1)は、分子量1000未満の重合性化合物を含有しなかった。
GPCの測定は以下の条件下に実施した。
東ソー社製高速GPC「HLC−8220」を用いて測定した。溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノール/アサヒクリンAK225G=1/99(体積比)を流量1.0mL/分でカラム(Varian,Inc.社製PLgel5μMIXED−C)に流した。圧力は40MPa、温度40℃であった。測定試料としてアサヒクリンAK225Gにフルオロポリマー(X1)を溶解して0.5質量%の溶液を用いて、Alltech Associates,Inc.社製500ELSD検出器により分子量を測定した。
また、19F−NMRによりフルオロポリマー(X1)の組成および二重結合含有量を測定したところ、フルオロポリマー(X1)中のTFEに基づく繰り返し単位とC4DVEに基づく繰り返し単位とのモル比は70/30であり、二重結合含有量は1.0mmol/gであった。
[合成例2]フルオロポリマー(X2)の製造
内容積が1Lの撹拌機付きステンレス製オートクレーブを脱気した後、このオートクレーブに、フルオロモノマー(a)であるペルフルオロプロピルビニルエーテル(以下、PPVEという)(112g)とTFE(20g)、フルオロジエン(b)であるC4DVE(28g)、AK225cb(994g)、連鎖移動剤であるSOCl(4.5g)、および重合開始剤であるペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド(12g)を圧入し、撹拌しながらオートクレーブ内を50℃に昇温した。その後、TFE(全仕込み量48g)およびC4DVE(全仕込み量43g)を、圧力を0.15MPaに保ちながら逐次添加して4時間重合反応を行った。
ついで、オートクレーブを冷却して内容物を取り出し、内容積が2Lのガラスビーカーに移した。該ガラスビーカーに、撹拌しながらメタノール500gを投入して共重合体を析出させた。上澄みを除去してAK225cbに再溶解した後、細孔径1μmのPTFE製メンブランフィルターでろ過して重合体溶液を得た。ついで、エバポレーターを用いて得られた重合体溶液の溶媒を留去することにより、無色透明な高粘度液状のフルオロポリマー(X2)’(67g)が得られた。
ついで、120℃で2時間真空下に加熱することにより、フルオロポリマー(X2)の65gを得た。フルオロポリマー(X2)の質量平均分子量をGPCにより測定したところ、7,600であった。また、フルオロポリマー(X2)は、分子量1000未満の重合性化合物を含有しなかった。
また、19F−NMRによりフルオロポリマー(X2)の組成および二重結合含有量を測定したところ、フルオロポリマー(X2)中のTFEに基づく繰り返し単位とC4DVEに基づく繰り返し単位とPPVEに基づく繰り返し単位とのモル比は61/12/27であり、二重結合含有量は0.6mmol/gであった。
[合成例3]フルオロポリマー(X3)’の製造
内容積が1Lの撹拌機付きステンレス製オートクレーブを脱気した後、このオートクレーブに、フルオロモノマー(a)であるTFE(17g)、フルオロジエン(b)であるC4DVE(79g)、AK225cb(880g)、連鎖移動剤であるSOCl(10g)、および重合開始剤であるペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド(5g)を圧入し、撹拌しながらオートクレーブ内を50℃に昇温した後に5時間重合反応を行った。
ついで、オートクレーブを冷却して内容物を取り出し、内容積が2Lのガラスビーカーに移した。該ガラスビーカーに、撹拌しながらメタノール500gを投入して共重合体を析出させた。上澄みを除去してAK225cbに再溶解した後、細孔径1μmのPTFE製メンブランフィルターでろ過して重合体溶液を得た。ついで、エバポレーターを用いて得られた重合体溶液の溶媒を留去することにより、無色透明な高粘度液状のフルオロポリマー(X3)’の60gが得られた。
フルオロポリマー(X3)’の質量平均分子量をGPCにより測定したところ、3,500であり、分子量1000未満の重合性化合物を3質量%含有していた。また、19F−NMRによりフルオロポリマー(X3)’の二重結合含有量を測定したところ、0.9mmol/gであった。
[合成例4]フルオロポリマー(X4)’の製造
内容積が1Lの撹拌機付きステンレス製オートクレーブを脱気した後、このオートクレーブに、フルオロモノマー(a)であるPPVE(120g)とTFE(36g)、フルオロジエン(b)であるC4DVE(40g)、AK225cb(800g)、連鎖移動剤であるSOCl(5.0g)、および重合開始剤であるペルフルオロシクロヘキサンカルボニルペルオキシド(10g)を圧入した以外は、合成例3と同様にしてフルオロポリマー(X4)’の69gを得た
フルオロポリマー(X4)’の質量平均分子量をGPCにより測定したところ、3,400であり、分子量1000未満の重合性化合物を3質量%含有していた。
また、19F−NMRによりフルオロポリマー(X4)’の組成および二重結合含有量を測定したところ、フルオロポリマー(X4)’中のTFEに基づく繰り返し単位とC4DVEに基づく繰り返し単位とPPVEに基づく繰り返し単位とのモル比は58/11/32であり、二重結合含有量は0.5mmol/gであった。
以下、実施例および比較例について説明する。
[実施例1]
合成例1で得られたフルオロポリマー(X1)のみからなる硬化性組成物を、ガラス製サンプルビン中において200℃で2時間硬化反応をさせたところ、無色透明の含フッ素硬化物が得られた。得られた含フッ素硬化物の硬度をデュロメータ硬度計にて測定した。また、硬化前の硬化性組成物の質量(Ma)と、得られた含フッ素硬化物の質量(Mb)とを測定することにより、これらの質量から下記式により質量減少(%)を算出して、硬化反応時における揮発成分量(揮発した低分子量成分量)を確認した。
質量減少(%)=(1−Mb/Ma)×100
[実施例2]
合成例2で得られたフルオロポリマー(X2)のみからなる硬化性組成物を、ガラス製サンプルビン中において200℃で2時間硬化反応をさせたところ、無色透明の含フッ素硬化物が得られた。得られた含フッ素硬化物について、実施例1と同様にして硬度と質量減少を測定した。
[比較例1]
合成例3で得られたフルオロポリマー(X3)’(70部)、下記式(Z1)に示す重合性化合物Z1(30部)、および硬化剤である(CC(CO)O)(0.2部)を、ガラス製サンプルビン中で混合して粘度(振動式粘度計、20℃)が10Pa・sのシロップ状の硬化性組成物を調製した。該硬化性組成物をガラス製サンプルビン中において、60℃で2時間、70℃で2時間、90℃で2時間、120℃で1時間、150℃で1時間、さらに180℃で1時間の硬化反応をさせたところ、無色透明の含フッ素硬化物が得られた。得られた含フッ素硬化物について、実施例1と同様にして、200℃で2時間加熱後の硬度と質量減少を測定した。
Figure 2009096342
[比較例2]
合成例4で得られたフルオロポリマー(X4)’(70部)、前記式の重合性化合物Z1(30部)、および硬化剤である(CC(CO)O)(0.2部)を、ガラス製サンプルビン中で混合して粘度(振動式粘度計、20℃)が6Pa・sのシロップ状の硬化性組成物を調製した。該硬化性組成物をガラス製サンプルビン中において、60℃で2時間、70℃で2時間、90℃で2時間、120℃で1時間、150℃で1時間、さらに180℃で1時間硬化反応をさせたところ、無色透明の含フッ素硬化物が得られた。得られた含フッ素硬化物について、実施例1と同様にして硬度と質量減少を測定した。
実施例1〜2および比較例1〜2で得られた含フッ素硬化物について、硬度および質量減少の測定結果、ならびに硬化反応に要した時間を表1に示す。また、硬度の表示はAよりもDの方が硬く、数値は大きい方が硬い。
Figure 2009096342
表1に示すように、本発明の硬化性組成物を使用した実施例1および2では、硬化時間が2時間であり、非常に硬化速度が速かった。また、質量減少が小さく、硬化反応時の低分子量成分の揮発が抑えられていた。また、得られた含フッ素硬化物は、従来の方法である比較例と同程度の硬度を有していた。
一方、比較例1では、揮発性を有する重合性化合物Z1およびフルオロポリマー(X3)’中に含まれる分子量1000未満の低分子量成分による揮発を抑えるため、特に硬化反応初期における反応温度を低く設定しなければならなかった。また、その条件においても、フルオロモノマー(a)成分が同じ(1種)である実施例1と比べて質量減少が大きく、硬化反応時において低分子量成分の揮発が多く見られた。また、硬化反応は反応温度が低いために重合開始剤が必要であり、硬化速度も遅かった。
また、比較例2も比較例1と同様に、フルオロモノマー(a)成分が同じ(2種)である実施例2と比べて質量減少が大きく、硬化反応時において低分子量成分の揮発が多く見られた。また、硬化反応は反応温度が低いために重合開始剤が必要であり、硬化速度も遅かった。
[実施例3]
合成例2で得られたフルオロポリマー(X2)を用いて、LED素子を封止した。
具体的には、GaN系LED(発光波長460nm)をワイヤーボンディング接続したカップ型のLED素子の凹部にフルオロポリマー(X2)を注入し、100℃で30分加熱して泡(空気)を除去して緊密に充填した。その後、150℃で30分、200℃で2時間加熱することにより硬化反応を行ってLED素子を封止した。
該LED素子に3.5V、350mAの電流を通電したところ、2週間後においても電流量は変化せず、透明性を維持していた。
[実施例4]
合成例2で得られたフルオロポリマー(X2)のみからなる硬化性組成物をガラス板に流延し、窒素雰囲気下にセン特殊光源社製1kW高圧水銀ランプ(単位長出力80W/cm)を用いて、10cmの距離から20分間紫外線(波長254nmを含む)を照射したところ無色透明の含フッ素硬化物が得られた。
得られた含フッ素硬化物をガラス板から剥離し、デュロメーター硬度を測定したところ、A60であり、実施例1の加熱硬化により得られた硬化物よりも架橋密度が増加し、硬度が高くなることが確認された。また、硬化時の質量減少は0.4%以下であった。
また、得られた含フッ素硬化物の0.1gを、パーフルオロベンゼンの0.4g中に入れて硬化物を膨潤した状態で、積算回数256回で19F−NMRを測定した。
フルオロポリマー(X)中の側鎖の−CF=CF基同士のカップリングで生じるシクロブタン環が存在しないことが確認できた。一方、実施例1の含フッ素硬化物について同様にして19F−NMRを測定した結果、シクロブタン環に由来するCFOのシグナルが存在することが確認できたため、熱硬化と紫外線硬化では反応機構が異なることが示唆された。
本発明の硬化性組成物は、光学材料、特にレンズ用材料、素子用封止材料(特に発光素子(白色LED等の短波長発光素子)、有機EL素子封止材、無機EL蛍光体分散材、太陽電子セル封止材など)、光導波路用材料として有用である。さらには各種の充填材を添加した状態でも用いられるため、耐熱・耐薬品性のシーリング材、接着剤、コーティング材にも有用である。高絶縁性・低誘電率であるためガラスクロスに含浸させて硬化することにより回路基板としても使用される。
UV硬化性を利用した場合には、室温で硬化が可能であるためLCD、色素増感太陽電池などのセル用サイドシール材、あるいは各種のパターニング用材料、フレキシブルディスプレイ等の反射防止コーティングとしても用いられる。
また、食塩電解や燃料電池材料として用いられるフッ素系イオン交換膜の架橋ポリマー成分としても有用である。
なお、2008年1月28日に出願された日本特許出願2008−016631号及び2008年9月18日に出願された日本特許出願2008−239342号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (11)

  1. 重合性二重結合を有する重合性化合物を含む硬化性組成物であって、
    前記硬化性組成物中の全重合性化合物に占める分子量1000以上の重合性化合物(P)の質量割合が90質量%以上であり、かつ前記重合性化合物(P)が下記に示すフルオロポリマー(X)を含むことを特徴とする硬化性組成物。
    フルオロポリマー(X):フルオロモノエン、および環化重合性のフルオロジエンからなる群から選択される1種以上のフルオロモノマー(a)に由来する繰り返し単位と、不飽和側鎖残存性のフルオロジエン(b)に由来する繰り返し単位とを有する共重合体であるフルオロポリマー(X)’のうち、分子量1000以上の共重合体。
  2. 前記フルオロポリマー(X)の質量平均分子量が3000〜20000である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記フルオロモノマー(a)がペルフルオロモノマーであり、かつ前記フルオロジエン(b)がペルフルオロジエンである、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記フルオロモノマー(a)がテトラフルオロエチレンである、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性組成物。
  5. 前記フルオロジエン(b)が、CF=CFO−QF1−OCF=CF(ただし、式中、QF1は、ペルフルオロアルキル基の側鎖を有していてもよいペルフルオロアルキレン基であって、該ペルフルオロアルキレン基における炭素原子数は3〜8であり、かつ炭素原子間にエーテル性酸素原子を有していてもよい、2価のペルフルオロアルキレン基である。)で示される化合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物の製造方法であって、
    前記フルオロポリマー(X)’の合成に用いる前記フルオロモノマー(a)および前記フルオロジエン(b)の全使用量のうちの一部を予め反応容器内に投入して重合反応を開始させ、重合反応の進行中に残りのフルオロモノマー(a)およびフルオロジエン(b)を逐次添加しながら重合させて前記フルオロポリマー(X)’を製造する工程を含むことを特徴とする硬化性組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を100〜250℃で硬化させる工程を含むことを特徴とする含フッ素硬化物の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を波長150〜400nmの紫外線で硬化させる工程を含む含フッ素硬化物の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させて得られることを特徴とする含フッ素硬化物。
  10. 請求項9に記載の含フッ素硬化物を用いることを特徴とする光学材料。
  11. 請求項9に記載の含フッ素硬化物により透光封止されることを特徴とする発光素子。
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