JPH05230151A - 含フッ素ポリマーおよび硬化物 - Google Patents
含フッ素ポリマーおよび硬化物Info
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- JPH05230151A JPH05230151A JP22465592A JP22465592A JPH05230151A JP H05230151 A JPH05230151 A JP H05230151A JP 22465592 A JP22465592 A JP 22465592A JP 22465592 A JP22465592 A JP 22465592A JP H05230151 A JPH05230151 A JP H05230151A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来の含フッ素ポリマーの持つ耐熱性、耐薬品
性等の優れた特性を有し、硬化可能な新しい含フッ素ポ
リマー、特には硬化性パーフルオロポリマーを提供す
る。 【構成】式(1)で表される5つ以上の炭素原子または
酸素原子を介して反応性の異なる二つの二重結合を有す
るパーフルオロジエン単量体と少なくとも一種の他の単
量体との共重合することにより、側鎖末端に二重結合を
有する含フッ素ポリマーを得る。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
性等の優れた特性を有し、硬化可能な新しい含フッ素ポ
リマー、特には硬化性パーフルオロポリマーを提供す
る。 【構成】式(1)で表される5つ以上の炭素原子または
酸素原子を介して反応性の異なる二つの二重結合を有す
るパーフルオロジエン単量体と少なくとも一種の他の単
量体との共重合することにより、側鎖末端に二重結合を
有する含フッ素ポリマーを得る。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な硬化性含フッ素
ポリマーに関するものである。
ポリマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性や耐薬品性の優れた含フッ
素ポリマーとして、樹脂の分野ではポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE樹脂)、テトラフルオロエチレン/
ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP樹脂)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE樹脂)、テ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA樹脂)、エチレン/テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE樹脂)等が知られてい
るが、一般に含フッ素ポリマーは物理的に柔らかいもの
が多い。
素ポリマーとして、樹脂の分野ではポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE樹脂)、テトラフルオロエチレン/
ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP樹脂)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE樹脂)、テ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA樹脂)、エチレン/テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE樹脂)等が知られてい
るが、一般に含フッ素ポリマーは物理的に柔らかいもの
が多い。
【0003】その一つの理由として、これらの(共)重
合体が線状構造を有していることが挙げられる。また、
線状構造を有しているため、ある温度以上になるとそれ
までの形状を保てなくなり、流れてしまうという短所を
有している。
合体が線状構造を有していることが挙げられる。また、
線状構造を有しているため、ある温度以上になるとそれ
までの形状を保てなくなり、流れてしまうという短所を
有している。
【0004】一方、含フッ素ゴムの分野では、ポリアミ
ン架橋、過酸化物架橋やポリオール架橋による架橋が行
われているが、これらの適用はプロピレン/テトラフル
オロエチレン共重合体やフッ化ビニリデン/ヘキサフル
オロプロピレン共重合体のようなC−H結合を有するポ
リマーに限られていた。パーフルオロゴムの製造におい
ては、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキル
ビニルエーテルとシアノ基含有パーフルオロモノマーの
三元共重合体が用いられているが、この場合には、特殊
なシアノ基含有パーフルオロモノマーを用いる必要があ
り、またテトラフェニル錫のような架橋助剤を添加する
必要があった。
ン架橋、過酸化物架橋やポリオール架橋による架橋が行
われているが、これらの適用はプロピレン/テトラフル
オロエチレン共重合体やフッ化ビニリデン/ヘキサフル
オロプロピレン共重合体のようなC−H結合を有するポ
リマーに限られていた。パーフルオロゴムの製造におい
ては、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキル
ビニルエーテルとシアノ基含有パーフルオロモノマーの
三元共重合体が用いられているが、この場合には、特殊
なシアノ基含有パーフルオロモノマーを用いる必要があ
り、またテトラフェニル錫のような架橋助剤を添加する
必要があった。
【0005】また、含フッ素ポリマーの側鎖に二重結合
を導入した例は、特開昭56−79142号公報、およ
び特開昭56−84711号公報に見られるが、二重結
合の導入方法および加硫方法において本発明とは異なる
ものである。これらの発明においては式(3)の単量体
の共重合体の熱分解または式(4)の単量体の共重合に
よる方法が記載されている。 CF2=CFOCF2CF2CO2Na 式(3) CF2=CFOCF2CF=CF2 式(4)
を導入した例は、特開昭56−79142号公報、およ
び特開昭56−84711号公報に見られるが、二重結
合の導入方法および加硫方法において本発明とは異なる
ものである。これらの発明においては式(3)の単量体
の共重合体の熱分解または式(4)の単量体の共重合に
よる方法が記載されている。 CF2=CFOCF2CF2CO2Na 式(3) CF2=CFOCF2CF=CF2 式(4)
【0006】前者の方法は本発明とは物質も手法も異な
るものであり、後者の方法は特開平1−131215号
公報に見られるように、このような二重結合の間隔が小
さいジエンモノマーは環化重合が優先的に起こるので側
鎖に二重結合を導入する方法としては得策ではない。
るものであり、後者の方法は特開平1−131215号
公報に見られるように、このような二重結合の間隔が小
さいジエンモノマーは環化重合が優先的に起こるので側
鎖に二重結合を導入する方法としては得策ではない。
【0007】また加硫にはポリヒドロキシ芳香族化合物
や、パーオキシ化合物および多アリル化合物からなる加
硫剤が用いられており、耐熱性や化学的安定性のさらに
優れた含フッ素またはパーフルオロ共重合体を得るため
には、加硫剤を必要としない加硫方法が望まれる。
や、パーオキシ化合物および多アリル化合物からなる加
硫剤が用いられており、耐熱性や化学的安定性のさらに
優れた含フッ素またはパーフルオロ共重合体を得るため
には、加硫剤を必要としない加硫方法が望まれる。
【0008】一方で、重合時に架橋されたパーフルオロ
ポリマーを得る方法はパーフルオロジビニルエーテル単
量体の重合に関して米国特許3,310,606号明細
書および特開昭62−59610号公報に開示されてい
るが、単量体の二つの二重結合がいずれも重合反応性が
大きいので、このポリマーは重合時に架橋が起こってし
まい、溶融成形し得る樹脂状物を製造することが困難で
あるという短所を有していた。
ポリマーを得る方法はパーフルオロジビニルエーテル単
量体の重合に関して米国特許3,310,606号明細
書および特開昭62−59610号公報に開示されてい
るが、単量体の二つの二重結合がいずれも重合反応性が
大きいので、このポリマーは重合時に架橋が起こってし
まい、溶融成形し得る樹脂状物を製造することが困難で
あるという短所を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な課題を克服するため、従来の含フッ素ポリマーの持つ
優れた特性を損なうことなく、成形性と優れた機械的特
性を合わせ有する含フッ素ポリマーを新規に提供するこ
とを目的とするものである。
な課題を克服するため、従来の含フッ素ポリマーの持つ
優れた特性を損なうことなく、成形性と優れた機械的特
性を合わせ有する含フッ素ポリマーを新規に提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明は反応
性の異なる二つの二重結合を有する単量体を共重合する
ことにより、ポリマーの側鎖に二重結合を導入し、その
ポリマーを成形加工したのち、熱処理や放射線処理等の
後処理により、従来の含フッ素ポリマーの持つ優れた特
性を損なうことなく、成形性と優れた機械的特性を合わ
せ有する含フッ素ポリマーを新規に提供するものであ
る。
性の異なる二つの二重結合を有する単量体を共重合する
ことにより、ポリマーの側鎖に二重結合を導入し、その
ポリマーを成形加工したのち、熱処理や放射線処理等の
後処理により、従来の含フッ素ポリマーの持つ優れた特
性を損なうことなく、成形性と優れた機械的特性を合わ
せ有する含フッ素ポリマーを新規に提供するものであ
る。
【0011】すなわち、式(1)のパーフルオロジエン
単量体および他のラジカル重合性単量体をラジカル重合
開始源の存在下に共重合することを特徴とする含フッ素
ポリマーの製造方法、およびこれにより得られる含フッ
素ポリマーを提供するものである。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
単量体および他のラジカル重合性単量体をラジカル重合
開始源の存在下に共重合することを特徴とする含フッ素
ポリマーの製造方法、およびこれにより得られる含フッ
素ポリマーを提供するものである。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
【0012】本発明に用いられるパーフルオロジエン単
量体は二つの二重結合の間に連結鎖を構成する5個以上
の炭素または酸素原子を有するものである。例えば特開
平1−131215号公報に開示されているように二つ
の二重結合の間の連結鎖を構成する炭素原子または酸素
原子の数が2〜4個の場合には5〜6員環を生成する環
化重合が支配的になるために、二重結合の側鎖部への導
入は効率よく起こらない。
量体は二つの二重結合の間に連結鎖を構成する5個以上
の炭素または酸素原子を有するものである。例えば特開
平1−131215号公報に開示されているように二つ
の二重結合の間の連結鎖を構成する炭素原子または酸素
原子の数が2〜4個の場合には5〜6員環を生成する環
化重合が支配的になるために、二重結合の側鎖部への導
入は効率よく起こらない。
【0013】また、本発明に用いられるパーフルオロジ
エン単量体は二つの二重結合の重合反応性が異なるた
め、含フッ素ポリマー側鎖中に容易に二重結合を導入す
ることが可能である。
エン単量体は二つの二重結合の重合反応性が異なるた
め、含フッ素ポリマー側鎖中に容易に二重結合を導入す
ることが可能である。
【0014】本発明に用いられる単量体は例えば式
(5)(ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整
数、Mはアルカリ金属)の化合物を熱分解することによ
り得ることができる(特開昭55−15410号)。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF2CF2COOM 式(5) また、特開平1−143844号公報に記載されている
式(1)でn=1〜3、m=2の化合物の製造方法を以
下に示す。
(5)(ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整
数、Mはアルカリ金属)の化合物を熱分解することによ
り得ることができる(特開昭55−15410号)。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF2CF2COOM 式(5) また、特開平1−143844号公報に記載されている
式(1)でn=1〜3、m=2の化合物の製造方法を以
下に示す。
【0015】
【化1】
【0016】本発明に用いられるパーフルオロジエン単
量体は、合成副生成物であるヘキサフルオロプロピレン
オキシドが逆向きに付加した例えば式(6)のような化
合物を含有していてもよい。 CF2=CFO(CF(CF3)CF2O)n(CF2)mCF=CF2 式(6) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
量体は、合成副生成物であるヘキサフルオロプロピレン
オキシドが逆向きに付加した例えば式(6)のような化
合物を含有していてもよい。 CF2=CFO(CF(CF3)CF2O)n(CF2)mCF=CF2 式(6) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
【0017】本発明に用いられるパーフルオロジエン単
量体と共重合する単量体はラジカル重合性単量体であれ
ば特に特定する必要はない。
量体と共重合する単量体はラジカル重合性単量体であれ
ば特に特定する必要はない。
【0018】かかるラジカル重合性単量体としては、テ
トラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パ
ーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ
(ブテニルビニルエーテル)、パーフルオロ(2,2−
ジメチル−1,3−ジオキソール)、クロロトリフルオ
ロエチレン、フッ化ビニリデン、1,1−ジフルオロ−
2,2−ジクロロエチレン、1,1−ジフルオロ−2−
クロロヘキサフルオロプロピレン、1,1,1,3,3
−ペンタフルオロプロピレン、エチレン、塩化ビニル、
パーフルオロニトロソメタン、パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)、(パーフルオロアルキル)エチレン
などが例示される。
トラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パ
ーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ
(ブテニルビニルエーテル)、パーフルオロ(2,2−
ジメチル−1,3−ジオキソール)、クロロトリフルオ
ロエチレン、フッ化ビニリデン、1,1−ジフルオロ−
2,2−ジクロロエチレン、1,1−ジフルオロ−2−
クロロヘキサフルオロプロピレン、1,1,1,3,3
−ペンタフルオロプロピレン、エチレン、塩化ビニル、
パーフルオロニトロソメタン、パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)、(パーフルオロアルキル)エチレン
などが例示される。
【0019】また、イオン交換能を付与したり表面エネ
ルギーを調整するために式(7)、(8)(nは0〜3
の整数、mは1〜3の整数、Rはアルキル基)に示した
パーフルオロモノマーやアクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、含フッ素アルキルアクリレ
ート、含フッ素アルキルメタクリレート等を用いること
もできる。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCO2R 式(7) CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mSO2F 式(8)
ルギーを調整するために式(7)、(8)(nは0〜3
の整数、mは1〜3の整数、Rはアルキル基)に示した
パーフルオロモノマーやアクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、含フッ素アルキルアクリレ
ート、含フッ素アルキルメタクリレート等を用いること
もできる。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCO2R 式(7) CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mSO2F 式(8)
【0020】上記パーフルオロジエン単量体以外のラジ
カル重合性単量体は、一種の単独使用であってもよいし
二種以上の混合物を使用してもよい。
カル重合性単量体は、一種の単独使用であってもよいし
二種以上の混合物を使用してもよい。
【0021】耐熱性、耐薬品性に優れた含フッ素弾性体
または含フッ素樹脂を提供するという観点からは、ラジ
カル重合性単量体の少なくとも一種として含フッ素単量
体を含んでいることが好ましい。特に、式(2)で表さ
れる含フッ素単量体が好ましい。 CF2=CFX 式(2) (Xは、フッ素、塩素、炭素数1〜3のパーフルオロア
ルキル基または炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ
基)
または含フッ素樹脂を提供するという観点からは、ラジ
カル重合性単量体の少なくとも一種として含フッ素単量
体を含んでいることが好ましい。特に、式(2)で表さ
れる含フッ素単量体が好ましい。 CF2=CFX 式(2) (Xは、フッ素、塩素、炭素数1〜3のパーフルオロア
ルキル基または炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ
基)
【0022】重合方法としてはラジカル重合が用いられ
る。即ち、重合方法としては、ラジカル的に進行するも
のであれば手段は何ら制限されないが、バルク重合、溶
液重合、懸濁重合または乳化重合を用いることができ
る。
る。即ち、重合方法としては、ラジカル的に進行するも
のであれば手段は何ら制限されないが、バルク重合、溶
液重合、懸濁重合または乳化重合を用いることができ
る。
【0023】また、重合は、ラジカル重合開始源の存在
下に行われる。ラジカル重合開始源としては、電離性放
射線などの活性エネルギー線や重合開始剤が通常に使用
される。重合開始剤としては遊離ラジカル重合開始剤が
好ましく、例えばジ(フルオロアシル)パーオキシド
類、ジ(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジア
ルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキ
シド類、パーオキシエステル類、アゾビス化合物類、過
硫酸塩類などが挙げられる。
下に行われる。ラジカル重合開始源としては、電離性放
射線などの活性エネルギー線や重合開始剤が通常に使用
される。重合開始剤としては遊離ラジカル重合開始剤が
好ましく、例えばジ(フルオロアシル)パーオキシド
類、ジ(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジア
ルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキ
シド類、パーオキシエステル類、アゾビス化合物類、過
硫酸塩類などが挙げられる。
【0024】また、重合媒体としては、溶液重合ではト
リクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタ
ンなどのクロロフルオロカーボン類、tert- ブタノール
などが挙げられ、懸濁重合、乳化重合では水または前述
のような他の溶媒との混合媒体が用いられる。
リクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタ
ンなどのクロロフルオロカーボン類、tert- ブタノール
などが挙げられ、懸濁重合、乳化重合では水または前述
のような他の溶媒との混合媒体が用いられる。
【0025】重合温度は0〜100℃の範囲から選択す
ることができる。重合圧力は使用するモノマーによって
異なるが、例えばテトラフルオロエチレンとの共重合で
は0.5〜30kg/cm2 Gの範囲から選択すること
ができる。
ることができる。重合圧力は使用するモノマーによって
異なるが、例えばテトラフルオロエチレンとの共重合で
は0.5〜30kg/cm2 Gの範囲から選択すること
ができる。
【0026】このようにして得られた含フッ素ポリマー
は側鎖に反応性の高い二重結合を有するので、熱処理に
よって共重合体を硬化させることが可能である。熱処理
温度は100〜500℃が適当であり、好ましくは15
0〜450℃の範囲から選択される。また電子線、紫外
線、γ線等の放射線により硬化させることも可能であ
り、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。紫外線
硬化の場合には必要に応じて光重合開始剤を添加しても
よい。放射線処理の手法は、含フッ素ポリマーによる電
線被覆の分野において有用であり、電子線照射が好んで
用いられる。
は側鎖に反応性の高い二重結合を有するので、熱処理に
よって共重合体を硬化させることが可能である。熱処理
温度は100〜500℃が適当であり、好ましくは15
0〜450℃の範囲から選択される。また電子線、紫外
線、γ線等の放射線により硬化させることも可能であ
り、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。紫外線
硬化の場合には必要に応じて光重合開始剤を添加しても
よい。放射線処理の手法は、含フッ素ポリマーによる電
線被覆の分野において有用であり、電子線照射が好んで
用いられる。
【0027】硬化は側鎖に導入された二重結合の環化付
加反応(四員環の形成)や重合、オリゴメリゼーション
によって進行すると考えられる。
加反応(四員環の形成)や重合、オリゴメリゼーション
によって進行すると考えられる。
【0028】また、空気中における熱処理では上述の反
応による機構だけでなく、二重結合の酸化反応に伴うカ
ルボキシル基の生成による硬化機構も考えられる。即
ち、カルボキシル基の会合、イオン的な架橋やカルボキ
シル基の分解により生成したラジカルのカップリングに
よる架橋等が起こっていると考えられる。酸化により生
成したカルボン酸フルオリドと二重結合との環化付加反
応によるオキセタン構造の形成も考えられる。二重結合
はこのように空気中高温では反応性が高いので、真空中
または不活性ガス雰囲気で硬化させた共重合体中に二重
結合が残存している場合には、再度空気中で熱処理する
ことにより物性を安定化させることもできる。
応による機構だけでなく、二重結合の酸化反応に伴うカ
ルボキシル基の生成による硬化機構も考えられる。即
ち、カルボキシル基の会合、イオン的な架橋やカルボキ
シル基の分解により生成したラジカルのカップリングに
よる架橋等が起こっていると考えられる。酸化により生
成したカルボン酸フルオリドと二重結合との環化付加反
応によるオキセタン構造の形成も考えられる。二重結合
はこのように空気中高温では反応性が高いので、真空中
または不活性ガス雰囲気で硬化させた共重合体中に二重
結合が残存している場合には、再度空気中で熱処理する
ことにより物性を安定化させることもできる。
【0029】また、ガス状ハロゲン、例えばフッ素ガス
で硬化物を処理することにより未反応の二重結合を安定
化させることもできる。フッ素ガスは必要に応じて窒素
ガス等の不活性ガスで希釈して用いてもよい。
で硬化物を処理することにより未反応の二重結合を安定
化させることもできる。フッ素ガスは必要に応じて窒素
ガス等の不活性ガスで希釈して用いてもよい。
【0030】本発明の含フッ素ポリマーにおいて、パー
フルオロジエン単量体に基づく重合単位が、0.01モ
ル%以上の割合で含有するものが好ましい。この重合単
位の割合が少な過ぎると本発明の目的である硬化物を得
ることが難しくなる。また、上限は特に設定されない
が、40モル%も含有していれば十分である。
フルオロジエン単量体に基づく重合単位が、0.01モ
ル%以上の割合で含有するものが好ましい。この重合単
位の割合が少な過ぎると本発明の目的である硬化物を得
ることが難しくなる。また、上限は特に設定されない
が、40モル%も含有していれば十分である。
【0031】また、残部は、ラジカル重合性単量体に基
づく単位であるが、含フッ素単量体に基づく単位が60
〜99.99モル%であることが耐薬品性、耐熱性に優
れた含フッ素ポリマーまたはその硬化物が得られること
から好ましい。
づく単位であるが、含フッ素単量体に基づく単位が60
〜99.99モル%であることが耐薬品性、耐熱性に優
れた含フッ素ポリマーまたはその硬化物が得られること
から好ましい。
【0032】また、本発明において、含フッ素ポリマー
の分子量は特に限定されることなく、室温で液状のもの
から、室温で固体であるが高温で溶融流動性を示す程度
のものや、室温および高温において流動性を示さない高
分子量体まで適用できる。低分子量体はゴムの原料とし
て用いることができ、室温で固体であるが高温で溶融流
動性を示すものは熱可塑性と熱硬化性とを合わせ有する
成形性の優れた成形材料を提供する。また、溶融温度が
高く高温で溶融するとすぐに硬化してしまうものは粉体
塗装用または焼結成形用の材料として好適である。高温
でも流動性を示さないものは焼結成形により硬化物を得
ることができる。また、室温で液状の低分子量体は、そ
れ自体で塗料用として使用することができる。
の分子量は特に限定されることなく、室温で液状のもの
から、室温で固体であるが高温で溶融流動性を示す程度
のものや、室温および高温において流動性を示さない高
分子量体まで適用できる。低分子量体はゴムの原料とし
て用いることができ、室温で固体であるが高温で溶融流
動性を示すものは熱可塑性と熱硬化性とを合わせ有する
成形性の優れた成形材料を提供する。また、溶融温度が
高く高温で溶融するとすぐに硬化してしまうものは粉体
塗装用または焼結成形用の材料として好適である。高温
でも流動性を示さないものは焼結成形により硬化物を得
ることができる。また、室温で液状の低分子量体は、そ
れ自体で塗料用として使用することができる。
【0033】本発明は、共重合組成の選択によりゴムか
ら樹脂まで幅広く適用することができる。硬化されたゴ
ムを作成するには、従来知られている重合組成に本発明
に用いられるパーフルオロジエン単量体を適当量添加し
て共重合し、次いで熱処理や放射線処理等で硬化させる
ことが可能である。例えばパーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)を10〜40モル%、パーフルオロジエン
単量体を0.01〜20モル%含有し、テトラフルオロ
エチレン(残部)との三元共重合体を硬化させることに
より弾性体を得ることができる。
ら樹脂まで幅広く適用することができる。硬化されたゴ
ムを作成するには、従来知られている重合組成に本発明
に用いられるパーフルオロジエン単量体を適当量添加し
て共重合し、次いで熱処理や放射線処理等で硬化させる
ことが可能である。例えばパーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)を10〜40モル%、パーフルオロジエン
単量体を0.01〜20モル%含有し、テトラフルオロ
エチレン(残部)との三元共重合体を硬化させることに
より弾性体を得ることができる。
【0034】一方、樹脂の分野では、組成、分子量の選
択により熱硬化温度よりも低い温度範囲では熱可塑性を
示すような、熱可塑性と熱硬化性の両方を備えた共重合
体の調製が可能である。また熱硬化温度付近に融点を有
するような共重合体を調製すれば、溶融するとすぐに硬
化するような粉体塗装に適した共重合体を調製すること
が可能である。ただし、このような場合には実際に溶融
したかどうかを熱分析から判断するのは困難である。す
なわち、熱分析からは同じ温度範囲で溶融による吸熱と
硬化に伴う発熱があるために熱分析ピークの同定が困難
である。
択により熱硬化温度よりも低い温度範囲では熱可塑性を
示すような、熱可塑性と熱硬化性の両方を備えた共重合
体の調製が可能である。また熱硬化温度付近に融点を有
するような共重合体を調製すれば、溶融するとすぐに硬
化するような粉体塗装に適した共重合体を調製すること
が可能である。ただし、このような場合には実際に溶融
したかどうかを熱分析から判断するのは困難である。す
なわち、熱分析からは同じ温度範囲で溶融による吸熱と
硬化に伴う発熱があるために熱分析ピークの同定が困難
である。
【0035】溶融したかどうかは熱処理前後で外観を比
較することによりわかる。即ち熱処理前では白い共重合
体の粉、粉体塗装膜または圧縮成形品が熱処理後には半
透明もしくは透明な樹脂に変化する。非常に分子量の大
きい共重合体の場合にはポリテトラフルオロエチレンの
ように熱処理した後も不透明の場合もあるが、このよう
な場合でも熱処理により硬化させることができる。
較することによりわかる。即ち熱処理前では白い共重合
体の粉、粉体塗装膜または圧縮成形品が熱処理後には半
透明もしくは透明な樹脂に変化する。非常に分子量の大
きい共重合体の場合にはポリテトラフルオロエチレンの
ように熱処理した後も不透明の場合もあるが、このよう
な場合でも熱処理により硬化させることができる。
【0036】そして、ゴム、樹脂のいずれにおいてもラ
ジカル重合性単量体として完全フッ素置換の単量体を選
択すれば、パーフルオロの硬化性ポリマーおよび硬化物
を合成できるという特徴を有する。ただし、ここでパー
フルオロコポリマーとは共重合体の中に含まれる炭素原
子と酸素原子を除いた全ての原子数に対するフッ素原子
数の割合が95%以上である共重合体を指すものとす
る。このようなパーフルオロコポリマーを十分に硬化さ
せると非常に優れた耐熱性および耐薬品性を有するパー
フルオロの硬化物が得られる。
ジカル重合性単量体として完全フッ素置換の単量体を選
択すれば、パーフルオロの硬化性ポリマーおよび硬化物
を合成できるという特徴を有する。ただし、ここでパー
フルオロコポリマーとは共重合体の中に含まれる炭素原
子と酸素原子を除いた全ての原子数に対するフッ素原子
数の割合が95%以上である共重合体を指すものとす
る。このようなパーフルオロコポリマーを十分に硬化さ
せると非常に優れた耐熱性および耐薬品性を有するパー
フルオロの硬化物が得られる。
【0037】特に、式(1)のパーフルオロジエン単量
体とテトラフルオロエチレンであってそれぞれに基づく
単位を0.01〜40モル%、99.99〜60モル%
で含有する場合に硬化体はバランスのとれた機械的物性
および各種薬品に対する耐性等が得られる。この場合、
未硬化状態の含フッ素ポリマーが常温において固体であ
り、高温で流動性を示す程度の分子量を有することが好
ましい。常温で固体でないものは成形作業時、輸送時等
の取扱いが煩雑になり、好ましくない。また、高温で流
動性を示さないものは成形作業性に劣り、また、硬化体
にしたときに期待通りの機械的強度が達成されないこと
もある。溶融成形する上で好ましい分子量は、成形条件
にも依存するが、容量流速(実施例に示す方法に従って
測定)が、5〜50kg重の荷重を用いて20〜300
℃の間のある温度において0.1〜1000mm3 /秒
となる値である。
体とテトラフルオロエチレンであってそれぞれに基づく
単位を0.01〜40モル%、99.99〜60モル%
で含有する場合に硬化体はバランスのとれた機械的物性
および各種薬品に対する耐性等が得られる。この場合、
未硬化状態の含フッ素ポリマーが常温において固体であ
り、高温で流動性を示す程度の分子量を有することが好
ましい。常温で固体でないものは成形作業時、輸送時等
の取扱いが煩雑になり、好ましくない。また、高温で流
動性を示さないものは成形作業性に劣り、また、硬化体
にしたときに期待通りの機械的強度が達成されないこと
もある。溶融成形する上で好ましい分子量は、成形条件
にも依存するが、容量流速(実施例に示す方法に従って
測定)が、5〜50kg重の荷重を用いて20〜300
℃の間のある温度において0.1〜1000mm3 /秒
となる値である。
【0038】さらに、式(1)のパーフルオロジエン単
量体に基づく単位が0.5〜30モル%であることが好
ましい。この単位の量が少な過ぎると、架橋硬化物は得
られるが、機械的物性の向上が十分に達成されないこと
がある。また、この単位の量が多いと、より硬い硬化体
が得られるが、多過ぎると硬化体が脆くなることがあっ
たり、硬化時の収縮により精密成形品の製造が難しくな
ったり、取扱いの容易な高分子量体を得るのが困難にな
ったりするため好ましくない。
量体に基づく単位が0.5〜30モル%であることが好
ましい。この単位の量が少な過ぎると、架橋硬化物は得
られるが、機械的物性の向上が十分に達成されないこと
がある。また、この単位の量が多いと、より硬い硬化体
が得られるが、多過ぎると硬化体が脆くなることがあっ
たり、硬化時の収縮により精密成形品の製造が難しくな
ったり、取扱いの容易な高分子量体を得るのが困難にな
ったりするため好ましくない。
【0039】
実施例1 100cm3 のオートクレーブにCF2 =CFOCF2
CF(CF3 )OCF2 CF2 CF=CF2 (以下PG
BVという)24.4g、1,1,2−トリクロロトリ
フルオロエチレン(以下R113という)を20.6
g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを45m
g、メタノールを0.45g仕込み、液体窒素で冷却し
て脱気したのち40℃にてテトラフルオロエチレンを逐
次添加しつつ圧力を7kg/cm2 Gに保持した。15
時間反応したのち四塩化炭素で3回再沈を繰り返し60
℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー7.0gを得た。
赤外吸収スペクトルには1788cm-1に側鎖の二重結
合による強い吸収が観測された。
CF(CF3 )OCF2 CF2 CF=CF2 (以下PG
BVという)24.4g、1,1,2−トリクロロトリ
フルオロエチレン(以下R113という)を20.6
g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを45m
g、メタノールを0.45g仕込み、液体窒素で冷却し
て脱気したのち40℃にてテトラフルオロエチレンを逐
次添加しつつ圧力を7kg/cm2 Gに保持した。15
時間反応したのち四塩化炭素で3回再沈を繰り返し60
℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー7.0gを得た。
赤外吸収スペクトルには1788cm-1に側鎖の二重結
合による強い吸収が観測された。
【0040】得られた含フッ素ポリマーの容量流速をフ
ローテスタ(島津製作所製)を用いて測定した。100
℃、荷重10kg重で1mmφ、長さ2mmのダイを用
いて測定したところ、容量流速は19mm3 /秒であっ
た。
ローテスタ(島津製作所製)を用いて測定した。100
℃、荷重10kg重で1mmφ、長さ2mmのダイを用
いて測定したところ、容量流速は19mm3 /秒であっ
た。
【0041】この含フッ素ポリマーを200℃、空気中
で16時間熱処理した後同様にして容量流速を測定した
ところ、100℃および200℃のいずれの温度でも容
量流速は0であった。
で16時間熱処理した後同様にして容量流速を測定した
ところ、100℃および200℃のいずれの温度でも容
量流速は0であった。
【0042】19F−NMR(CFCl3 基準)にて重合
で得られた含フッ素ポリマーの組成を調べたところPG
BVの割合は14モル%であった。
で得られた含フッ素ポリマーの組成を調べたところPG
BVの割合は14モル%であった。
【0043】実施例2 仕込のメタノールを90mgにした以外は実施例1と同
様にして重合を行った。16時間の重合で6.8gの含
フッ素ポリマーが得られた。170℃、10kg重で他
の条件は実施例1と同じにして容量流速を測定したとこ
ろ4.7mm3/秒であった。19F−NMR(CFCl3
基準)で含フッ素ポリマーの組成を調べたところPG
BVの割合は14モル%であった。赤外吸収スペクトル
の図を図1に示す。
様にして重合を行った。16時間の重合で6.8gの含
フッ素ポリマーが得られた。170℃、10kg重で他
の条件は実施例1と同じにして容量流速を測定したとこ
ろ4.7mm3/秒であった。19F−NMR(CFCl3
基準)で含フッ素ポリマーの組成を調べたところPG
BVの割合は14モル%であった。赤外吸収スペクトル
の図を図1に示す。
【0044】200℃、空気中で16時間熱処理すると
含フッ素ポリマーは硬化し、170℃の容量流速は0に
なった。200℃、真空中で16時間処理した場合には
定性的には硬化が認められなかったが、300℃、真空
中で16時間の熱処理では明かな硬化が認められ、17
0℃および300℃の容量流速は0になった。重合上が
りの含フッ素ポリマーを160℃で溶融した塊の室温に
おけるデュロメーター硬度はD20で、それを空気中2
00℃で硬化させるとD60になった。
含フッ素ポリマーは硬化し、170℃の容量流速は0に
なった。200℃、真空中で16時間処理した場合には
定性的には硬化が認められなかったが、300℃、真空
中で16時間の熱処理では明かな硬化が認められ、17
0℃および300℃の容量流速は0になった。重合上が
りの含フッ素ポリマーを160℃で溶融した塊の室温に
おけるデュロメーター硬度はD20で、それを空気中2
00℃で硬化させるとD60になった。
【0045】実施例3 100cm3 のオートクレーブにPGBV24.4g、
R113を20.6g、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート45mgを添加し、40℃でテトラフルオロ
エチレンを逐次添加しつつ圧力を7kg/cm2 Gに保
持した。0.5時間反応したのち四塩化炭素で3回再沈
を繰り返し60℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー
6.4gを得た。熱分析によって得られた含フッ素ポリ
マーの融点は344℃であり、350℃でプレスすると
脆い薄膜が得られた。この薄膜を再度380℃で10分
プレスすると強靭なフイルムが得られた。380℃のプ
レスの前後で赤外吸収スペクトルを測定すると、178
8cm-1の二重結合の吸光度と1788cm-1の−CF
2 −の吸光度との比は、プレス前後で1.8から1.2
になった。
R113を20.6g、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート45mgを添加し、40℃でテトラフルオロ
エチレンを逐次添加しつつ圧力を7kg/cm2 Gに保
持した。0.5時間反応したのち四塩化炭素で3回再沈
を繰り返し60℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー
6.4gを得た。熱分析によって得られた含フッ素ポリ
マーの融点は344℃であり、350℃でプレスすると
脆い薄膜が得られた。この薄膜を再度380℃で10分
プレスすると強靭なフイルムが得られた。380℃のプ
レスの前後で赤外吸収スペクトルを測定すると、178
8cm-1の二重結合の吸光度と1788cm-1の−CF
2 −の吸光度との比は、プレス前後で1.8から1.2
になった。
【0046】実施例4 100cm3 のオートクレーブにパーフルオロプロピル
ビニルエーテル1.66g、PGBV1.38g、R1
13を117.3g、メタノール45mg、パーフルオ
ロブタノイルパーオキシド5%溶液(溶媒R113)
4.0gを添加し、25℃でテトラフルオロエチレンを
逐次添加しつつ圧力を2kg/cm2 Gに保持した。
2.5時間反応したのちn−ヘキサンで3回再沈を繰り
返し60℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー9.6g
を得た。得られた含フッ素ポリマーを室温で圧縮成形
し、380℃で10分加熱すると半透明な樹脂が得ら
れ、室温でデュロメーター(D型)を用いて硬さを測定
したところD65であって、市販のPFA樹脂(D6
0)よりも硬いことが確かめられた。
ビニルエーテル1.66g、PGBV1.38g、R1
13を117.3g、メタノール45mg、パーフルオ
ロブタノイルパーオキシド5%溶液(溶媒R113)
4.0gを添加し、25℃でテトラフルオロエチレンを
逐次添加しつつ圧力を2kg/cm2 Gに保持した。
2.5時間反応したのちn−ヘキサンで3回再沈を繰り
返し60℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー9.6g
を得た。得られた含フッ素ポリマーを室温で圧縮成形
し、380℃で10分加熱すると半透明な樹脂が得ら
れ、室温でデュロメーター(D型)を用いて硬さを測定
したところD65であって、市販のPFA樹脂(D6
0)よりも硬いことが確かめられた。
【0047】実施例5 1000cm3 のオートクレーブにPGBVを45g、
R113を955g、メタノールの4%R113溶液を
52g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを
1.0g添加し、40℃でテトラフルオロエチレンを逐
次添加しつつ圧力を3.0kg/cm3 Gに保持した。
8.5時間反応した後ヘキサンで3回再沈を繰り返し6
0℃で真空乾燥し含フッ素ポリマー78gを得た。この
ポリマーを320℃でプレスしてフィルムを作成し、弾
性率を測定した。室温弾性率は7×109 dyn/cm
2 、200℃弾性率は6×108 dyn/cm2 であっ
た。電子線を50Mrad照射した後の200℃弾性率
は1.2×109 dyn/cm2 になった。
R113を955g、メタノールの4%R113溶液を
52g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを
1.0g添加し、40℃でテトラフルオロエチレンを逐
次添加しつつ圧力を3.0kg/cm3 Gに保持した。
8.5時間反応した後ヘキサンで3回再沈を繰り返し6
0℃で真空乾燥し含フッ素ポリマー78gを得た。この
ポリマーを320℃でプレスしてフィルムを作成し、弾
性率を測定した。室温弾性率は7×109 dyn/cm
2 、200℃弾性率は6×108 dyn/cm2 であっ
た。電子線を50Mrad照射した後の200℃弾性率
は1.2×109 dyn/cm2 になった。
【0048】比較例1 PGBVの代わりにそれと等モルのCF2 =CFO(C
F2 )5 OCF=CF2 を用いたほかは実施例1と同様
にして共重合体を合成した。この共重合体について、2
0、100、200、300℃にて実施例1と同様にし
て測定した容量流速はいずれも0mm3 /秒であった。
F2 )5 OCF=CF2 を用いたほかは実施例1と同様
にして共重合体を合成した。この共重合体について、2
0、100、200、300℃にて実施例1と同様にし
て測定した容量流速はいずれも0mm3 /秒であった。
【0049】比較例2 PGBVの代わりにそれと等モルのCF2 =CFO(C
F2 )5 OCF=CF2 を用いたほかは実施例2と同様
にして共重合体を合成した。この共重合体は、比較例2
と同様に溶融流動性を示さなかった。
F2 )5 OCF=CF2 を用いたほかは実施例2と同様
にして共重合体を合成した。この共重合体は、比較例2
と同様に溶融流動性を示さなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、優れた耐熱性および耐
薬品性を有し、成形性に優れ、硬化させることにより機
械的強度の優れた含フッ素ポリマーを得ることができ
る。
薬品性を有し、成形性に優れ、硬化させることにより機
械的強度の優れた含フッ素ポリマーを得ることができ
る。
【図1】実施例2の含フッ素ポリマーの赤外吸収スペク
トルの図
トルの図
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】含フッ素ポリマーおよび硬化物
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な硬化性含フッ素
ポリマーに関するものである。
ポリマーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱性や耐薬品性の優れた含フッ
素ポリマーとして、樹脂の分野ではポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE樹脂)、テトラフルオロエチレン/
ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP樹脂)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE樹脂)、テ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA樹脂)、エチレン/テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE樹脂)等が知られてい
るが、一般に含フッ素ポリマーは物理的に柔らかいもの
が多い。
素ポリマーとして、樹脂の分野ではポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE樹脂)、テトラフルオロエチレン/
ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP樹脂)、ポ
リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE樹脂)、テ
トラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合体(PFA樹脂)、エチレン/テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE樹脂)等が知られてい
るが、一般に含フッ素ポリマーは物理的に柔らかいもの
が多い。
【0003】その一つの理由として、これらの(共)重
合体が線状構造を有していることが挙げられる。また、
線状構造を有しているため、ある温度以上になるとそれ
までの形状を保てなくなり、流れてしまうという短所を
有している。
合体が線状構造を有していることが挙げられる。また、
線状構造を有しているため、ある温度以上になるとそれ
までの形状を保てなくなり、流れてしまうという短所を
有している。
【0004】一方、含フッ素ゴムの分野では、ポリアミ
ン架橋、過酸化物架橋やポリオール架橋による架橋が行
われているが、これらの適用はプロピレン/テトラフル
オロエチレン共重合体やフッ化ビニリデン/ヘキサフル
オロプロピレン共重合体のようなC−H結合を有するポ
リマーに限られていた。パーフルオロゴムの製造におい
ては、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキル
ビニルエーテルとシアノ基含有パーフルオロモノマーの
三元共重合体が用いられているが、この場合には、特殊
なシアノ基含有パーフルオロモノマーを用いる必要があ
り、またテトラフェニル錫のような架橋助剤を添加する
必要があった。
ン架橋、過酸化物架橋やポリオール架橋による架橋が行
われているが、これらの適用はプロピレン/テトラフル
オロエチレン共重合体やフッ化ビニリデン/ヘキサフル
オロプロピレン共重合体のようなC−H結合を有するポ
リマーに限られていた。パーフルオロゴムの製造におい
ては、テトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキル
ビニルエーテルとシアノ基含有パーフルオロモノマーの
三元共重合体が用いられているが、この場合には、特殊
なシアノ基含有パーフルオロモノマーを用いる必要があ
り、またテトラフェニル錫のような架橋助剤を添加する
必要があった。
【0005】また、含フッ素ポリマーの側鎖に二重結合
を導入した例は、特開昭56−79142号公報、およ
び特開昭56−84711号公報に見られるが、二重結
合の導入方法および加硫方法において本発明とは異なる
ものである。これらの発明においては式(3)の単量体
の共重合体の熱分解または式(4)の単量体の共重合に
よる方法が記載されている。 CF2=CFOCF2CF2CO2Na 式(3) CF2=CFOCF2CF=CF2 式(4)
を導入した例は、特開昭56−79142号公報、およ
び特開昭56−84711号公報に見られるが、二重結
合の導入方法および加硫方法において本発明とは異なる
ものである。これらの発明においては式(3)の単量体
の共重合体の熱分解または式(4)の単量体の共重合に
よる方法が記載されている。 CF2=CFOCF2CF2CO2Na 式(3) CF2=CFOCF2CF=CF2 式(4)
【0006】前者の方法は本発明とは物質も手法も異な
るものであり、後者の方法は特開平1−131215号
公報に見られるように、このような二重結合の間隔が小
さいジエンモノマーは環化重合が優先的に起こるので側
鎖に二重結合を導入する方法としては得策ではない。
るものであり、後者の方法は特開平1−131215号
公報に見られるように、このような二重結合の間隔が小
さいジエンモノマーは環化重合が優先的に起こるので側
鎖に二重結合を導入する方法としては得策ではない。
【0007】また加硫にはポリヒドロキシ芳香族化合物
や、パーオキシ化合物および多アリル化合物からなる加
硫剤が用いられており、耐熱性や化学的安定性のさらに
優れた含フッ素またはパーフルオロ共重合体を得るため
には、加硫剤を必要としない加硫方法が望まれる。
や、パーオキシ化合物および多アリル化合物からなる加
硫剤が用いられており、耐熱性や化学的安定性のさらに
優れた含フッ素またはパーフルオロ共重合体を得るため
には、加硫剤を必要としない加硫方法が望まれる。
【0008】一方で、重合時に架橋されたパーフルオロ
ポリマーを得る方法はパーフルオロジビニルエーテル単
量体の重合に関して米国特許3,310,606号明細
書および特開昭62−59610号公報に開示されてい
るが、単量体の二つの二重結合がいずれも重合反応性が
大きいので、このポリマーは重合時に架橋が起こってし
まい、溶融成形し得る樹脂状物を製造することが困難で
あるという短所を有していた。
ポリマーを得る方法はパーフルオロジビニルエーテル単
量体の重合に関して米国特許3,310,606号明細
書および特開昭62−59610号公報に開示されてい
るが、単量体の二つの二重結合がいずれも重合反応性が
大きいので、このポリマーは重合時に架橋が起こってし
まい、溶融成形し得る樹脂状物を製造することが困難で
あるという短所を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な課題を克服するため、従来の含フッ素ポリマーの持つ
優れた特性を損なうことなく、成形性と優れた機械的特
性を合わせ有する含フッ素ポリマーを新規に提供するこ
とを目的とするものである。
な課題を克服するため、従来の含フッ素ポリマーの持つ
優れた特性を損なうことなく、成形性と優れた機械的特
性を合わせ有する含フッ素ポリマーを新規に提供するこ
とを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明は反応
性の異なる二つの二重結合を有する単量体を共重合する
ことにより、ポリマーの側鎖に二重結合を導入し、その
ポリマーを成形加工したのち、熱処理や放射線処理等の
後処理により、従来の含フッ素ポリマーの持つ優れた特
性を損なうことなく、成形性と優れた機械的特性を合わ
せ有する含フッ素ポリマーを新規に提供するものであ
る。
性の異なる二つの二重結合を有する単量体を共重合する
ことにより、ポリマーの側鎖に二重結合を導入し、その
ポリマーを成形加工したのち、熱処理や放射線処理等の
後処理により、従来の含フッ素ポリマーの持つ優れた特
性を損なうことなく、成形性と優れた機械的特性を合わ
せ有する含フッ素ポリマーを新規に提供するものであ
る。
【0011】すなわち、式(1)のパーフルオロジエン
単量体および他のラジカル重合性単量体をラジカル重合
開始源の存在下に共重合することを特徴とする含フッ素
ポリマーの製造方法、およびこれにより得られる含フッ
素ポリマーを提供するものである。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
単量体および他のラジカル重合性単量体をラジカル重合
開始源の存在下に共重合することを特徴とする含フッ素
ポリマーの製造方法、およびこれにより得られる含フッ
素ポリマーを提供するものである。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
【0012】本発明に用いられるパーフルオロジエン単
量体は二つの二重結合の間に連結鎖を構成する5個以上
の炭素または酸素原子を有するものである。例えば特開
平1−131215号公報に開示されているように二つ
の二重結合の間の連結鎖を構成する炭素原子または酸素
原子の数が2〜4個の場合には5〜6員環を生成する環
化重合が支配的になるために、二重結合の側鎖部への導
入は効率よく起こらない。
量体は二つの二重結合の間に連結鎖を構成する5個以上
の炭素または酸素原子を有するものである。例えば特開
平1−131215号公報に開示されているように二つ
の二重結合の間の連結鎖を構成する炭素原子または酸素
原子の数が2〜4個の場合には5〜6員環を生成する環
化重合が支配的になるために、二重結合の側鎖部への導
入は効率よく起こらない。
【0013】また、本発明に用いられるパーフルオロジ
エン単量体は二つの二重結合の重合反応性が異なるた
め、含フッ素ポリマー側鎖中に容易に二重結合を導入す
ることが可能である。
エン単量体は二つの二重結合の重合反応性が異なるた
め、含フッ素ポリマー側鎖中に容易に二重結合を導入す
ることが可能である。
【0014】本発明に用いられる単量体は例えば式
(5)(ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整
数、Mはアルカリ金属)の化合物を熱分解することによ
り得ることができる(特開昭55−15410号)。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF2CF2COOM 式(5) また、特開平1−143844号公報に記載されている
式(1)でn=1〜3、m=2の化合物の製造方法を以
下に示す。
(5)(ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整
数、Mはアルカリ金属)の化合物を熱分解することによ
り得ることができる(特開昭55−15410号)。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF2CF2COOM 式(5) また、特開平1−143844号公報に記載されている
式(1)でn=1〜3、m=2の化合物の製造方法を以
下に示す。
【0015】
【化1】
【0016】本発明に用いられるパーフルオロジエン単
量体は、合成副生成物であるヘキサフルオロプロピレン
オキシドが逆向きに付加した例えば式(6)のような化
合物を含有していてもよい。 CF2=CFO(CF(CF3)CF2O)n(CF2)mCF=CF2 式(6) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
量体は、合成副生成物であるヘキサフルオロプロピレン
オキシドが逆向きに付加した例えば式(6)のような化
合物を含有していてもよい。 CF2=CFO(CF(CF3)CF2O)n(CF2)mCF=CF2 式(6) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数)
【0017】本発明に用いられるパーフルオロジエン単
量体と共重合する単量体はラジカル重合性単量体であれ
ば特に特定する必要はない。
量体と共重合する単量体はラジカル重合性単量体であれ
ば特に特定する必要はない。
【0018】かかるラジカル重合性単量体としては、テ
トラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パ
ーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ
(ブテニルビニルエーテル)、パーフルオロ(2,2−
ジメチル−1,3−ジオキソール)、クロロトリフルオ
ロエチレン、フッ化ビニリデン、1,1−ジフルオロ−
2,2−ジクロロエチレン、1,1−ジフルオロ−2−
クロロヘキサフルオロプロピレン、1,1,1,3,3
−ペンタフルオロプロピレン、エチレン、塩化ビニル、
パーフルオロニトロソメタン、パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)、(パーフルオロアルキル)エチレン
などが例示される。
トラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パ
ーフルオロ(アリルビニルエーテル)、パーフルオロ
(ブテニルビニルエーテル)、パーフルオロ(2,2−
ジメチル−1,3−ジオキソール)、クロロトリフルオ
ロエチレン、フッ化ビニリデン、1,1−ジフルオロ−
2,2−ジクロロエチレン、1,1−ジフルオロ−2−
クロロヘキサフルオロプロピレン、1,1,1,3,3
−ペンタフルオロプロピレン、エチレン、塩化ビニル、
パーフルオロニトロソメタン、パーフルオロ(アルキル
ビニルエーテル)、(パーフルオロアルキル)エチレン
などが例示される。
【0019】また、イオン交換能を付与したり表面エネ
ルギーを調整するために式(7)、(8)(nは0〜3
の整数、mは1〜3の整数、Rはアルキル基)に示した
パーフルオロモノマーやアクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、含フッ素アルキルアクリレ
ート、含フッ素アルキルメタクリレート等を用いること
もできる。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCO2R 式(7) CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mSO2F 式(8)
ルギーを調整するために式(7)、(8)(nは0〜3
の整数、mは1〜3の整数、Rはアルキル基)に示した
パーフルオロモノマーやアクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、含フッ素アルキルアクリレ
ート、含フッ素アルキルメタクリレート等を用いること
もできる。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCO2R 式(7) CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mSO2F 式(8)
【0020】上記パーフルオロジエン単量体以外のラジ
カル重合性単量体は、一種の単独使用であってもよいし
二種以上の混合物を使用してもよい。
カル重合性単量体は、一種の単独使用であってもよいし
二種以上の混合物を使用してもよい。
【0021】耐熱性、耐薬品性に優れた含フッ素弾性体
または含フッ素樹脂を提供するという観点からは、ラジ
カル重合性単量体の少なくとも一種として含フッ素単量
体を含んでいることが好ましい。特に、式(2)で表さ
れる含フッ素単量体が好ましい。 CF2=CFX 式(2) (Xは、フッ素、塩素、炭素数1〜3のパーフルオロア
ルキル基または炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ
基)
または含フッ素樹脂を提供するという観点からは、ラジ
カル重合性単量体の少なくとも一種として含フッ素単量
体を含んでいることが好ましい。特に、式(2)で表さ
れる含フッ素単量体が好ましい。 CF2=CFX 式(2) (Xは、フッ素、塩素、炭素数1〜3のパーフルオロア
ルキル基または炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ
基)
【0022】重合方法としてはラジカル重合が用いられ
る。即ち、重合方法としては、ラジカル的に進行するも
のであれば手段は何ら制限されないが、バルク重合、溶
液重合、懸濁重合または乳化重合を用いることができ
る。
る。即ち、重合方法としては、ラジカル的に進行するも
のであれば手段は何ら制限されないが、バルク重合、溶
液重合、懸濁重合または乳化重合を用いることができ
る。
【0023】また、重合は、ラジカル重合開始源の存在
下に行われる。ラジカル重合開始源としては、電離性放
射線などの活性エネルギー線や重合開始剤が通常に使用
される。重合開始剤としては遊離ラジカル重合開始剤が
好ましく、例えばジ(フルオロアシル)パーオキシド
類、ジ(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジア
ルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキ
シド類、パーオキシエステル類、アゾビス化合物類、過
硫酸塩類などが挙げられる。
下に行われる。ラジカル重合開始源としては、電離性放
射線などの活性エネルギー線や重合開始剤が通常に使用
される。重合開始剤としては遊離ラジカル重合開始剤が
好ましく、例えばジ(フルオロアシル)パーオキシド
類、ジ(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジア
ルキルパーオキシジカーボネート類、ジアシルパーオキ
シド類、パーオキシエステル類、アゾビス化合物類、過
硫酸塩類などが挙げられる。
【0024】また、重合媒体としては、溶液重合ではト
リクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタ
ンなどのクロロフルオロカーボン類、tert- ブタノール
などが挙げられ、懸濁重合、乳化重合では水または前述
のような他の溶媒との混合媒体が用いられる。
リクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエタ
ンなどのクロロフルオロカーボン類、tert- ブタノール
などが挙げられ、懸濁重合、乳化重合では水または前述
のような他の溶媒との混合媒体が用いられる。
【0025】重合温度は0〜100℃の範囲から選択す
ることができる。重合圧力は使用するモノマーによって
異なるが、例えばテトラフルオロエチレンとの共重合で
は0.5〜30kg/cm2 Gの範囲から選択すること
ができる。
ることができる。重合圧力は使用するモノマーによって
異なるが、例えばテトラフルオロエチレンとの共重合で
は0.5〜30kg/cm2 Gの範囲から選択すること
ができる。
【0026】このようにして得られた含フッ素ポリマー
は側鎖に反応性の高い二重結合を有するので、熱処理に
よって共重合体を硬化させることが可能である。熱処理
温度は100〜500℃が適当であり、好ましくは15
0〜450℃の範囲から選択される。また電子線、紫外
線、γ線等の放射線により硬化させることも可能であ
り、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。紫外線
硬化の場合には必要に応じて光重合開始剤を添加しても
よい。放射線処理の手法は、含フッ素ポリマーによる電
線被覆の分野において有用であり、電子線照射が好んで
用いられる。
は側鎖に反応性の高い二重結合を有するので、熱処理に
よって共重合体を硬化させることが可能である。熱処理
温度は100〜500℃が適当であり、好ましくは15
0〜450℃の範囲から選択される。また電子線、紫外
線、γ線等の放射線により硬化させることも可能であ
り、これらの方法を組み合わせて用いてもよい。紫外線
硬化の場合には必要に応じて光重合開始剤を添加しても
よい。放射線処理の手法は、含フッ素ポリマーによる電
線被覆の分野において有用であり、電子線照射が好んで
用いられる。
【0027】硬化は側鎖に導入された二重結合の環化付
加反応(四員環の形成)や重合、オリゴメリゼーション
によって進行すると考えられる。
加反応(四員環の形成)や重合、オリゴメリゼーション
によって進行すると考えられる。
【0028】また、空気中における熱処理では上述の反
応による機構だけでなく、二重結合の酸化反応に伴うカ
ルボキシル基の生成による硬化機構も考えられる。即
ち、カルボキシル基の会合、イオン的な架橋やカルボキ
シル基の分解により生成したラジカルのカップリングに
よる架橋等が起こっていると考えられる。酸化により生
成したカルボン酸フルオリドと二重結合との環化付加反
応によるオキセタン構造の形成も考えられる。二重結合
はこのように空気中高温では反応性が高いので、真空中
または不活性ガス雰囲気で硬化させた共重合体中に二重
結合が残存している場合には、再度空気中で熱処理する
ことにより物性を安定化させることもできる。
応による機構だけでなく、二重結合の酸化反応に伴うカ
ルボキシル基の生成による硬化機構も考えられる。即
ち、カルボキシル基の会合、イオン的な架橋やカルボキ
シル基の分解により生成したラジカルのカップリングに
よる架橋等が起こっていると考えられる。酸化により生
成したカルボン酸フルオリドと二重結合との環化付加反
応によるオキセタン構造の形成も考えられる。二重結合
はこのように空気中高温では反応性が高いので、真空中
または不活性ガス雰囲気で硬化させた共重合体中に二重
結合が残存している場合には、再度空気中で熱処理する
ことにより物性を安定化させることもできる。
【0029】また、ガス状ハロゲン、例えばフッ素ガス
で硬化物を処理することにより未反応の二重結合を安定
化させることもできる。フッ素ガスは必要に応じて窒素
ガス等の不活性ガスで希釈して用いてもよい。
で硬化物を処理することにより未反応の二重結合を安定
化させることもできる。フッ素ガスは必要に応じて窒素
ガス等の不活性ガスで希釈して用いてもよい。
【0030】本発明の含フッ素ポリマーにおいて、パー
フルオロジエン単量体に基づく重合単位が、0.01モ
ル%以上の割合で含有するものが好ましい。この重合単
位の割合が少な過ぎると本発明の目的である硬化物を得
ることが難しくなる。また、上限は特に設定されない
が、40モル%も含有していれば十分である。
フルオロジエン単量体に基づく重合単位が、0.01モ
ル%以上の割合で含有するものが好ましい。この重合単
位の割合が少な過ぎると本発明の目的である硬化物を得
ることが難しくなる。また、上限は特に設定されない
が、40モル%も含有していれば十分である。
【0031】また、残部は、ラジカル重合性単量体に基
づく単位であるが、含フッ素単量体に基づく単位が60
〜99.99モル%であることが耐薬品性、耐熱性に優
れた含フッ素ポリマーまたはその硬化物が得られること
から好ましい。
づく単位であるが、含フッ素単量体に基づく単位が60
〜99.99モル%であることが耐薬品性、耐熱性に優
れた含フッ素ポリマーまたはその硬化物が得られること
から好ましい。
【0032】また、本発明において、含フッ素ポリマー
の分子量は特に限定されることなく、室温で液状のもの
から、室温で固体であるが高温で溶融流動性を示す程度
のものや、室温および高温において流動性を示さない高
分子量体まで適用できる。低分子量体はゴムの原料とし
て用いることができ、室温で固体であるが高温で溶融流
動性を示すものは熱可塑性と熱硬化性とを合わせ有する
成形性の優れた成形材料を提供する。また、溶融温度が
高く高温で溶融するとすぐに硬化してしまうものは粉体
塗装用または焼結成形用の材料として好適である。高温
でも流動性を示さないものは焼結成形により硬化物を得
ることができる。また、室温で液状の低分子量体は、そ
れ自体で塗料用として使用することができる。
の分子量は特に限定されることなく、室温で液状のもの
から、室温で固体であるが高温で溶融流動性を示す程度
のものや、室温および高温において流動性を示さない高
分子量体まで適用できる。低分子量体はゴムの原料とし
て用いることができ、室温で固体であるが高温で溶融流
動性を示すものは熱可塑性と熱硬化性とを合わせ有する
成形性の優れた成形材料を提供する。また、溶融温度が
高く高温で溶融するとすぐに硬化してしまうものは粉体
塗装用または焼結成形用の材料として好適である。高温
でも流動性を示さないものは焼結成形により硬化物を得
ることができる。また、室温で液状の低分子量体は、そ
れ自体で塗料用として使用することができる。
【0033】本発明は、共重合組成の選択によりゴムか
ら樹脂まで幅広く適用することができる。硬化されたゴ
ムを作成するには、従来知られている重合組成に本発明
に用いられるパーフルオロジエン単量体を適当量添加し
て共重合し、次いで熱処理や放射線処理等で硬化させる
ことが可能である。例えばパーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)を10〜40モル%、パーフルオロジエン
単量体を0.01〜20モル%含有し、テトラフルオロ
エチレン(残部)との三元共重合体を硬化させることに
より弾性体を得ることができる。
ら樹脂まで幅広く適用することができる。硬化されたゴ
ムを作成するには、従来知られている重合組成に本発明
に用いられるパーフルオロジエン単量体を適当量添加し
て共重合し、次いで熱処理や放射線処理等で硬化させる
ことが可能である。例えばパーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)を10〜40モル%、パーフルオロジエン
単量体を0.01〜20モル%含有し、テトラフルオロ
エチレン(残部)との三元共重合体を硬化させることに
より弾性体を得ることができる。
【0034】一方、樹脂の分野では、組成、分子量の選
択により熱硬化温度よりも低い温度範囲では熱可塑性を
示すような、熱可塑性と熱硬化性の両方を備えた共重合
体の調製が可能である。また熱硬化温度付近に融点を有
するような共重合体を調製すれば、溶融するとすぐに硬
化するような粉体塗装に適した共重合体を調製すること
が可能である。ただし、このような場合には実際に溶融
したかどうかを熱分析から判断するのは困難である。す
なわち、熱分析からは同じ温度範囲で溶融による吸熱と
硬化に伴う発熱があるために熱分析ピークの同定が困難
である。
択により熱硬化温度よりも低い温度範囲では熱可塑性を
示すような、熱可塑性と熱硬化性の両方を備えた共重合
体の調製が可能である。また熱硬化温度付近に融点を有
するような共重合体を調製すれば、溶融するとすぐに硬
化するような粉体塗装に適した共重合体を調製すること
が可能である。ただし、このような場合には実際に溶融
したかどうかを熱分析から判断するのは困難である。す
なわち、熱分析からは同じ温度範囲で溶融による吸熱と
硬化に伴う発熱があるために熱分析ピークの同定が困難
である。
【0035】溶融したかどうかは熱処理前後で外観を比
較することによりわかる。即ち熱処理前では白い共重合
体の粉、粉体塗装膜または圧縮成形品が熱処理後には半
透明もしくは透明な樹脂に変化する。非常に分子量の大
きい共重合体の場合にはポリテトラフルオロエチレンの
ように熱処理した後も不透明の場合もあるが、このよう
な場合でも熱処理により硬化させることができる。
較することによりわかる。即ち熱処理前では白い共重合
体の粉、粉体塗装膜または圧縮成形品が熱処理後には半
透明もしくは透明な樹脂に変化する。非常に分子量の大
きい共重合体の場合にはポリテトラフルオロエチレンの
ように熱処理した後も不透明の場合もあるが、このよう
な場合でも熱処理により硬化させることができる。
【0036】そして、ゴム、樹脂のいずれにおいてもラ
ジカル重合性単量体として完全フッ素置換の単量体を選
択すれば、パーフルオロの硬化性ポリマーおよび硬化物
を合成できるという特徴を有する。ただし、ここでパー
フルオロコポリマーとは共重合体の中に含まれる炭素原
子と酸素原子を除いた全ての原子数に対するフッ素原子
数の割合が95%以上である共重合体を指すものとす
る。このようなパーフルオロコポリマーを十分に硬化さ
せると非常に優れた耐熱性および耐薬品性を有するパー
フルオロの硬化物が得られる。
ジカル重合性単量体として完全フッ素置換の単量体を選
択すれば、パーフルオロの硬化性ポリマーおよび硬化物
を合成できるという特徴を有する。ただし、ここでパー
フルオロコポリマーとは共重合体の中に含まれる炭素原
子と酸素原子を除いた全ての原子数に対するフッ素原子
数の割合が95%以上である共重合体を指すものとす
る。このようなパーフルオロコポリマーを十分に硬化さ
せると非常に優れた耐熱性および耐薬品性を有するパー
フルオロの硬化物が得られる。
【0037】特に、式(1)のパーフルオロジエン単量
体とテトラフルオロエチレンであってそれぞれに基づく
単位を0.01〜40モル%、99.99〜60モル%
で含有する場合に硬化体はバランスのとれた機械的物性
および各種薬品に対する耐性等が得られる。この場合、
未硬化状態の含フッ素ポリマーが常温において固体であ
り、高温で流動性を示す程度の分子量を有することが好
ましい。常温で固体でないものは成形作業時、輸送時等
の取扱いが煩雑になり、好ましくない。また、高温で流
動性を示さないものは成形作業性に劣り、また、硬化体
にしたときに期待通りの機械的強度が達成されないこと
もある。溶融成形する上で好ましい分子量は、成形条件
にも依存するが、容量流速(実施例に示す方法に従って
測定)が、5〜50kg重の荷重を用いて20〜300
℃の間のある温度において0.1〜1000mm3 /秒
となる値である。
体とテトラフルオロエチレンであってそれぞれに基づく
単位を0.01〜40モル%、99.99〜60モル%
で含有する場合に硬化体はバランスのとれた機械的物性
および各種薬品に対する耐性等が得られる。この場合、
未硬化状態の含フッ素ポリマーが常温において固体であ
り、高温で流動性を示す程度の分子量を有することが好
ましい。常温で固体でないものは成形作業時、輸送時等
の取扱いが煩雑になり、好ましくない。また、高温で流
動性を示さないものは成形作業性に劣り、また、硬化体
にしたときに期待通りの機械的強度が達成されないこと
もある。溶融成形する上で好ましい分子量は、成形条件
にも依存するが、容量流速(実施例に示す方法に従って
測定)が、5〜50kg重の荷重を用いて20〜300
℃の間のある温度において0.1〜1000mm3 /秒
となる値である。
【0038】さらに、式(1)のパーフルオロジエン単
量体に基づく単位が0.5〜30モル%であることが好
ましい。この単位の量が少な過ぎると、架橋硬化物は得
られるが、機械的物性の向上が十分に達成されないこと
がある。また、この単位の量が多いと、より硬い硬化体
が得られるが、多過ぎると硬化体が脆くなることがあっ
たり、硬化時の収縮により精密成形品の製造が難しくな
ったり、取扱いの容易な高分子量体を得るのが困難にな
ったりするため好ましくない。
量体に基づく単位が0.5〜30モル%であることが好
ましい。この単位の量が少な過ぎると、架橋硬化物は得
られるが、機械的物性の向上が十分に達成されないこと
がある。また、この単位の量が多いと、より硬い硬化体
が得られるが、多過ぎると硬化体が脆くなることがあっ
たり、硬化時の収縮により精密成形品の製造が難しくな
ったり、取扱いの容易な高分子量体を得るのが困難にな
ったりするため好ましくない。
【0039】
【実施例】 実施例1 100cm3 のオートクレーブにCF2 =CFOCF2
CF(CF3 )OCF2 CF2 CF=CF2 (以下PG
BVという)24.4g、1,1,2−トリクロロトリ
フルオロエチレン(以下R113という)を20.6
g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを45m
g、メタノールを0.45g仕込み、液体窒素で冷却し
て脱気したのち40℃にてテトラフルオロエチレンを逐
次添加しつつ圧力を7kg/cm2 Gに保持した。15
時間反応したのち四塩化炭素で3回再沈を繰り返し60
℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー7.0gを得た。
赤外吸収スペクトルには1788cm-1に側鎖の二重結
合による強い吸収が観測された。
CF(CF3 )OCF2 CF2 CF=CF2 (以下PG
BVという)24.4g、1,1,2−トリクロロトリ
フルオロエチレン(以下R113という)を20.6
g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを45m
g、メタノールを0.45g仕込み、液体窒素で冷却し
て脱気したのち40℃にてテトラフルオロエチレンを逐
次添加しつつ圧力を7kg/cm2 Gに保持した。15
時間反応したのち四塩化炭素で3回再沈を繰り返し60
℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー7.0gを得た。
赤外吸収スペクトルには1788cm-1に側鎖の二重結
合による強い吸収が観測された。
【0040】得られた含フッ素ポリマーの容量流速をフ
ローテスタ(島津製作所製)を用いて測定した。100
℃、荷重10kg重で1mmφ、長さ2mmのダイを用
いて測定したところ、容量流速は19mm3 /秒であっ
た。
ローテスタ(島津製作所製)を用いて測定した。100
℃、荷重10kg重で1mmφ、長さ2mmのダイを用
いて測定したところ、容量流速は19mm3 /秒であっ
た。
【0041】この含フッ素ポリマーを200℃、空気中
で16時間熱処理した後同様にして容量流速を測定した
ところ、100℃および200℃のいずれの温度でも容
量流速は0であった。
で16時間熱処理した後同様にして容量流速を測定した
ところ、100℃および200℃のいずれの温度でも容
量流速は0であった。
【0042】19F−NMR(CFCl3 基準)にて重合
で得られた含フッ素ポリマーの組成を調べたところPG
BVの割合は14モル%であった。
で得られた含フッ素ポリマーの組成を調べたところPG
BVの割合は14モル%であった。
【0043】実施例2 仕込のメタノールを90mgにした以外は実施例1と同
様にして重合を行った。16時間の重合で6.8gの含
フッ素ポリマーが得られた。170℃、10kg重で他
の条件は実施例1と同じにして容量流速を測定したとこ
ろ4.7mm3/秒であった。19F−NMR(CFCl3
基準)で含フッ素ポリマーの組成を調べたところPG
BVの割合は14モル%であった。赤外吸収スペクトル
の図を図1に示す。
様にして重合を行った。16時間の重合で6.8gの含
フッ素ポリマーが得られた。170℃、10kg重で他
の条件は実施例1と同じにして容量流速を測定したとこ
ろ4.7mm3/秒であった。19F−NMR(CFCl3
基準)で含フッ素ポリマーの組成を調べたところPG
BVの割合は14モル%であった。赤外吸収スペクトル
の図を図1に示す。
【0044】200℃、空気中で16時間熱処理すると
含フッ素ポリマーは硬化し、170℃の容量流速は0に
なった。200℃、真空中で16時間処理した場合には
定性的には硬化が認められなかったが、300℃、真空
中で16時間の熱処理では明かな硬化が認められ、17
0℃および300℃の容量流速は0になった。重合上が
りの含フッ素ポリマーを160℃で溶融した塊の室温に
おけるデュロメーター硬度はD20で、それを空気中2
00℃で硬化させるとD60になった。
含フッ素ポリマーは硬化し、170℃の容量流速は0に
なった。200℃、真空中で16時間処理した場合には
定性的には硬化が認められなかったが、300℃、真空
中で16時間の熱処理では明かな硬化が認められ、17
0℃および300℃の容量流速は0になった。重合上が
りの含フッ素ポリマーを160℃で溶融した塊の室温に
おけるデュロメーター硬度はD20で、それを空気中2
00℃で硬化させるとD60になった。
【0045】実施例3 100cm3 のオートクレーブにPGBV24.4g、
R113を20.6g、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート45mgを添加し、40℃でテトラフルオロ
エチレンを逐次添加しつつ圧力を7kg/cm2 Gに保
持した。0.5時間反応したのち四塩化炭素で3回再沈
を繰り返し60℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー
6.4gを得た。熱分析によって得られた含フッ素ポリ
マーの融点は344℃であり、350℃でプレスすると
脆い薄膜が得られた。この薄膜を再度380℃で10分
プレスすると強靭なフイルムが得られた。380℃のプ
レスの前後で赤外吸収スペクトルを測定すると、178
8cm-1の二重結合の吸光度と1788cm-1の−CF
2 −の吸光度との比は、プレス前後で1.8から1.2
になった。
R113を20.6g、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート45mgを添加し、40℃でテトラフルオロ
エチレンを逐次添加しつつ圧力を7kg/cm2 Gに保
持した。0.5時間反応したのち四塩化炭素で3回再沈
を繰り返し60℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー
6.4gを得た。熱分析によって得られた含フッ素ポリ
マーの融点は344℃であり、350℃でプレスすると
脆い薄膜が得られた。この薄膜を再度380℃で10分
プレスすると強靭なフイルムが得られた。380℃のプ
レスの前後で赤外吸収スペクトルを測定すると、178
8cm-1の二重結合の吸光度と1788cm-1の−CF
2 −の吸光度との比は、プレス前後で1.8から1.2
になった。
【0046】実施例4 100cm3 のオートクレーブにパーフルオロプロピル
ビニルエーテル1.66g、PGBV1.38g、R1
13を117.3g、メタノール45mg、パーフルオ
ロブタノイルパーオキシド5%溶液(溶媒R113)
4.0gを添加し、25℃でテトラフルオロエチレンを
逐次添加しつつ圧力を2kg/cm2 Gに保持した。
2.5時間反応したのちn−ヘキサンで3回再沈を繰り
返し60℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー9.6g
を得た。得られた含フッ素ポリマーを室温で圧縮成形
し、380℃で10分加熱すると半透明な樹脂が得ら
れ、室温でデュロメーター(D型)を用いて硬さを測定
したところD65であって、市販のPFA樹脂(D6
0)よりも硬いことが確かめられた。
ビニルエーテル1.66g、PGBV1.38g、R1
13を117.3g、メタノール45mg、パーフルオ
ロブタノイルパーオキシド5%溶液(溶媒R113)
4.0gを添加し、25℃でテトラフルオロエチレンを
逐次添加しつつ圧力を2kg/cm2 Gに保持した。
2.5時間反応したのちn−ヘキサンで3回再沈を繰り
返し60℃で真空乾燥をして含フッ素ポリマー9.6g
を得た。得られた含フッ素ポリマーを室温で圧縮成形
し、380℃で10分加熱すると半透明な樹脂が得ら
れ、室温でデュロメーター(D型)を用いて硬さを測定
したところD65であって、市販のPFA樹脂(D6
0)よりも硬いことが確かめられた。
【0047】実施例5 1000cm3 のオートクレーブにPGBVを45g、
R113を955g、メタノールの4%R113溶液を
52g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを
1.0g添加し、40℃でテトラフルオロエチレンを逐
次添加しつつ圧力を3.0kg/cm3 Gに保持した。
8.5時間反応した後ヘキサンで3回再沈を繰り返し6
0℃で真空乾燥し含フッ素ポリマー78gを得た。この
ポリマーを320℃でプレスしてフィルムを作成し、弾
性率を測定した。室温弾性率は7×109 dyn/cm
2 、200℃弾性率は6×108 dyn/cm2 であっ
た。電子線を50Mrad照射した後の200℃弾性率
は1.2×109 dyn/cm2 になった。
R113を955g、メタノールの4%R113溶液を
52g、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートを
1.0g添加し、40℃でテトラフルオロエチレンを逐
次添加しつつ圧力を3.0kg/cm3 Gに保持した。
8.5時間反応した後ヘキサンで3回再沈を繰り返し6
0℃で真空乾燥し含フッ素ポリマー78gを得た。この
ポリマーを320℃でプレスしてフィルムを作成し、弾
性率を測定した。室温弾性率は7×109 dyn/cm
2 、200℃弾性率は6×108 dyn/cm2 であっ
た。電子線を50Mrad照射した後の200℃弾性率
は1.2×109 dyn/cm2 になった。
【0048】比較例1 PGBVの代わりにそれと等モルのCF2 =CFO(C
F2 )5 OCF=CF2 を用いたほかは実施例1と同様
にして共重合体を合成した。この共重合体について、2
0、100、200、300℃にて実施例1と同様にし
て測定した容量流速はいずれも0mm3 /秒であった。
F2 )5 OCF=CF2 を用いたほかは実施例1と同様
にして共重合体を合成した。この共重合体について、2
0、100、200、300℃にて実施例1と同様にし
て測定した容量流速はいずれも0mm3 /秒であった。
【0049】比較例2 PGBVの代わりにそれと等モルのCF2 =CFO(C
F2 )5 OCF=CF2 を用いたほかは実施例2と同様
にして共重合体を合成した。この共重合体は、比較例2
と同様に溶融流動性を示さなかった。
F2 )5 OCF=CF2 を用いたほかは実施例2と同様
にして共重合体を合成した。この共重合体は、比較例2
と同様に溶融流動性を示さなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、優れた耐熱性および耐
薬品性を有し、成形性に優れ、硬化させることにより機
械的強度の優れた含フッ素ポリマーを得ることができ
る。
薬品性を有し、成形性に優れ、硬化させることにより機
械的強度の優れた含フッ素ポリマーを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の含フッ素ポリマーの赤外吸収スペク
トルの図
トルの図
Claims (8)
- 【請求項1】式(1)のパーフルオロジエン単量体およ
び他のラジカル重合性単量体をラジカル重合開始源の存
在下に共重合することを特徴とする含フッ素ポリマーの
製造方法。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数) - 【請求項2】ラジカル重合性単量体の全部または少なく
とも一種が含フッ素単量体である請求項1の製造方法。 - 【請求項3】ラジカル重合性単量体が式(2)で表され
る含フッ素単量体の少なくとも一種である請求項1の製
造方法。 CF2=CFX 式(2) (Xは、フッ素、塩素、炭素数1〜3のパーフルオロア
ルキル基または炭素数1〜3のパーフルオロアルコキシ
基) - 【請求項4】式(1)のパーフルオロジエン単量体と少
なくとも一種の他のラジカル重合性単量体との共重合体
であって、他のラジカル重合性単量体の全部または少な
くとも一種が含フッ素単量体であることを特徴とする含
フッ素ポリマー。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数) - 【請求項5】請求項4において含フッ素ポリマー中の式
(1)の単量体に基づく単位の割合が0.01〜40モ
ル%であり、共重合させた他の含フッ素単量体に基づく
単位の割合が60〜99.99モル%であることを特徴
とする含フッ素ポリマー。 - 【請求項6】式(1)のパーフルオロジエン単量体とテ
トラフルオロエチレンとの共重合体であって、式(1)
の単量体に基づく単位の割合が0.01〜40モル%で
あり、テトラフルオロエチレンに基づく単位の割合が6
0〜99.99モル%である含フッ素ポリマー。 CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)n(CF2)mCF=CF2 式(1) (ただし、n、mはそれぞれ独立に1〜3の整数) - 【請求項7】請求項4〜6のいずれかの含フッ素ポリマ
ーを加熱処理または放射線処理することを特徴とする含
フッ素ポリマーの硬化方法。 - 【請求項8】請求項4〜6のいずれかの含フッ素ポリマ
ーを加熱処理または放射線処理して得られる硬化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22465592A JPH05230151A (ja) | 1991-08-06 | 1992-07-31 | 含フッ素ポリマーおよび硬化物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-219272 | 1991-08-06 | ||
JP21927291 | 1991-08-06 | ||
JP22465592A JPH05230151A (ja) | 1991-08-06 | 1992-07-31 | 含フッ素ポリマーおよび硬化物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05230151A true JPH05230151A (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=26523023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22465592A Pending JPH05230151A (ja) | 1991-08-06 | 1992-07-31 | 含フッ素ポリマーおよび硬化物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05230151A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5585449A (en) * | 1993-12-29 | 1996-12-17 | Ausimont S.P.A. | Fluoroelastomers comprising monomeric units deriving from a bis-olefin |
WO2001005881A1 (fr) * | 1999-07-14 | 2001-01-25 | Daikin Industries, Ltd. | Procede de solidification d'un fluoropolymere |
JP2005048193A (ja) * | 1996-11-25 | 2005-02-24 | E I Du Pont De Nemours & Co | 硬化性パーフルオロエラストマー組成物 |
US7262252B2 (en) | 2001-05-17 | 2007-08-28 | Daikin Industries, Ltd. | Nonlinear optical materials comprising fluorine-containing polymer |
WO2007145181A1 (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-21 | Asahi Glass Company, Limited | 硬化性組成物および含フッ素硬化物 |
US7670640B2 (en) | 2000-08-29 | 2010-03-02 | Daikin Industries, Ltd. | Curable fluorine-containing polymer, curable resin composition prepared from same and antireflection film |
WO2012073977A1 (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-07 | 旭硝子株式会社 | 架橋性フッ素ゴム組成物および架橋ゴム物品 |
WO2017057512A1 (ja) * | 2015-10-01 | 2017-04-06 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素弾性共重合体、その製造方法、架橋ゴムおよびその製造方法 |
WO2022114012A1 (ja) | 2020-11-25 | 2022-06-02 | ダイキン工業株式会社 | フルオロポリマー、水性分散液、組成物および架橋物 |
-
1992
- 1992-07-31 JP JP22465592A patent/JPH05230151A/ja active Pending
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5585449A (en) * | 1993-12-29 | 1996-12-17 | Ausimont S.P.A. | Fluoroelastomers comprising monomeric units deriving from a bis-olefin |
JP2005048193A (ja) * | 1996-11-25 | 2005-02-24 | E I Du Pont De Nemours & Co | 硬化性パーフルオロエラストマー組成物 |
WO2001005881A1 (fr) * | 1999-07-14 | 2001-01-25 | Daikin Industries, Ltd. | Procede de solidification d'un fluoropolymere |
US6835782B1 (en) | 1999-07-14 | 2004-12-28 | Daikin Industries, Ltd. | Method for curing fluoropolymer |
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JP5157902B2 (ja) * | 2006-06-12 | 2013-03-06 | 旭硝子株式会社 | 硬化性組成物および含フッ素硬化物 |
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US7847028B2 (en) | 2006-06-12 | 2010-12-07 | Asahi Glass Company, Limited | Curable composition and fluorinated cured product |
WO2012073977A1 (ja) * | 2010-11-30 | 2012-06-07 | 旭硝子株式会社 | 架橋性フッ素ゴム組成物および架橋ゴム物品 |
WO2017057512A1 (ja) * | 2015-10-01 | 2017-04-06 | 旭硝子株式会社 | 含フッ素弾性共重合体、その製造方法、架橋ゴムおよびその製造方法 |
CN108137723A (zh) * | 2015-10-01 | 2018-06-08 | 旭硝子株式会社 | 含氟弹性共聚物、其制造方法、交联橡胶及其制造方法 |
RU2731565C1 (ru) * | 2015-10-01 | 2020-09-04 | ЭйДжиСи Инк. | Фторированный эластичный сополимер, способ его получения, сшитый каучук и способ его получения |
US10787531B2 (en) | 2015-10-01 | 2020-09-29 | AGC Inc. | Fluorinated elastic copolymer, method for its production, crosslinked rubber and method for its production |
WO2022114012A1 (ja) | 2020-11-25 | 2022-06-02 | ダイキン工業株式会社 | フルオロポリマー、水性分散液、組成物および架橋物 |
KR20230091986A (ko) | 2020-11-25 | 2023-06-23 | 다이킨 고교 가부시키가이샤 | 플루오로폴리머, 수성 분산액, 조성물 및 가교물 |
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