JP2018531316A6 - 非晶質フルオロポリマーとフルオロプラスチック粒子とを含む組成物及びその製造方法 - Google Patents

非晶質フルオロポリマーとフルオロプラスチック粒子とを含む組成物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

式Iで表されるセグメント:
−CF(R)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)−(I);又は
式IIIで表される末端セグメント:
−CF(I)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)−(III)
のうちの少なくとも1つを有する、非晶質フルオロポリマーと、500ナノメートル未満の平均粒径を有するフルオロプラスチック粒子と、を含む組成物。各Xは、独立してF、H、又はClであり、R及びR’は、それぞれ独立して、Fであるか又は1〜3個の炭素原子を有する一価のペルフルオロアルキルであり、Rは、Fであるか又は1〜3個の炭素原子を有する部分フッ素化又は全フッ素化アルキルであり、R”は、1〜8個の炭素原子を有する二価のフルオロアルキレン又は1〜20個の炭素原子と少なくとも1つのエーテル結合とを有する二価のフッ素化アルキレンエーテルであり、kは0又は1であり、n、m、p、及びqは、それぞれ独立して0〜5の整数であり、ただしkが0のとき、n+mは少なくとも1であり、p+qは少なくとも1である。組成物の製造方法も提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年10月23日に出願された米国特許仮出願第62/245,334号の優先権を主張するものであり、その開示の全容が参照により本明細書に組み込まれる。
フルオロエラストマーは、例えば、卓越した機械的特性、耐熱性、耐候性及び耐化学薬品性を有することが知られている。かかる有益な特性により、例えば、Oリング、シール、ホース、スキッドの材料、及び高温又は腐食性環境に曝される可能性のあるコーティング(例えば、自動車用金属ガスケットコーティング)として、フルオロエラストマーを有用なものにする。フルオロエラストマーは、とりわけ自動車、化学処理、半導体、航空宇宙、及び石油産業で有用であることがわかっている。
フルオロエラストマーは、典型的には、非晶質フルオロポリマー(フルオロエラストマーガムと呼ばれることもある)を、1又は複数の硬化剤と組み合わせ、得られた硬化性組成物を所望の形状に成形し、この硬化性組成物を硬化することによって調製される。非晶質フルオロポリマーは、多くの場合、硬化部位を含み、硬化部位は、いくつかの硬化剤と反応することができる、非晶質フルオロポリマー主鎖に組み込まれた官能基である。
1又は複数の特性を改良するために、様々な粒径で、硬化部位があるか又は硬化部位がないかのいずれかのフルオロプラスチック粒子が、フルオロエラストマーマトリックスに組み込まれてきた。例えば、米国特許第7,476,711号(Takahashi et al.);同第7,022,773号(Albano et al.);同第7,019,083号(Grootaert et al.);同第6,756,445号(Irie et al.);同第6,734,254号(Worm et al.);同第6,395,834号(Albano et al.);及び米国特許出願公開第2011/0245402号(Stanga et al.)を参照されたい。
いくつかの用途では、機械的特性及び耐化学薬品性に対する要求(例えば、エラストマーの)は極めて困難である。機械的特性を犠牲にすることなく耐化学薬品性を改良することは、絶えず必要とされている。
一態様において、本開示は、
式Iで表されるセグメント:
−CF(R)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)− (I);又は
式IIIで表される末端セグメント:
−CF(I)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)− (III)、
のうちの少なくとも1つを有する非晶質フルオロポリマーと、500ナノメートル未満の平均粒径を有するフルオロプラスチック粒子と、を含む組成物を提供する。式I及びIIIにおいて、Xは、F、H、及びClから独立して選択され、R及びR’は、F及び1〜3個の炭素原子を有する一価のペルフルオロアルキルから独立して選択され、Rは、Fであるか又は1〜3個の炭素原子を有する部分フッ素化又は全フッ素化アルキルであり、R”は、1〜8個の炭素原子を有する二価のフルオロアルキレン又は1〜20個の炭素原子と少なくとも1つのエーテル結合とを有する二価のフッ素化アルキレンエーテルであり、kは0又は1であり、n、m、p、及びqは、0〜5の整数から独立して選択され、ただしkが0のとき、n+mは少なくとも1であり、p+qは少なくとも1である。
別の態様では、本開示は、組成物の製造方法を提供する。当該方法は、フルオロプラスチック粒子の第1のラテックスと、非晶質フルオロポリマーの第2のラテックスとをブレンドすることを含む。
別の態様では、本開示は、組成物とペルオキシドとの硬化反応の反応生成物を含む硬化フルオロエラストマー組成物を提供する。
別の態様では、本開示は、硬化フルオロエラストマーから製造された成形物品を提供する。
本願において、
「a」、「an」、及び「the」などの用語は、単数の実体のみを指すことを意図するものではなく、具体例を例示のために用いることができる一般部類を含む。用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つの」と互換的に使用される。また、本明細書において、「少なくとも1」の記載は、1以上の全ての数(例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも100等)を含む。
リストに続く、「のうちの少なくとも1つを含む」という語句は、リスト中の項目のうちのいずれか1つ、及びリスト中の2つ以上の項目の任意の組み合わせを含むことを指す。リストに続く、「のうちの少なくとも1つ」という語句は、リスト中の項目のうちのいずれか1つ、又はリスト中の2つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。
特に規定しない限り、「アルキル基」及び接頭語「アルキ−」は、直鎖及び分枝鎖、並びに最大30個の炭素(いくつかの実施形態では、最大20、15、12、10、8、7、6又は5個の炭素)を有する環状基の両方を含む。環状基は単環でも多環でもよく、いくつかの実施形態においては、3〜10個の環炭素原子を有していてよい。
用語「ペルフルオロアルキル基」としては、線状、分枝状、及び/又は環状アルキル基が挙げられ、ここで、全てのC−H結合は、C−F結合によって置き換えられている。
用語「硬化」及び「硬化性」とは、通常架橋分子又は基を介して、ポリマー鎖が共有化学結合で互いに結合して網状ポリマーを形成することを指す。したがって、本開示では、用語「硬化」及び「架橋」は、互換的に用いることができる。硬化又は架橋ポリマーは、一般に、不溶性であることを特徴とするが、適当な溶媒の存在下では膨潤性であることもある。
「硬化部位」は、架橋に関与する場合がある、官能基を指す。
「モノマー」は、重合を経てその後ポリマーの基本的構造の部分を形成することができる分子である。
「ポリマー」は、少なくとも50,000ダルトン、少なくとも100,000ダルトン、少なくとも300,000ダルトン、少なくとも500,000ダルトン、少なくとも750,000ダルトン、少なくとも1,000,000ダルトン、又は更には少なくとも1,500,000ダルトンであり、かつポリマーの早期ゲル化を引き起こすほどには高くない数平均分子量(Mn)を有するマクロ構造を指す。
「主鎖」とは、ポリマーの主な連続鎖を指す。
すべての数値範囲は、別途明言されない限り、これらの範囲の端点、及び端点と端点との間の非整数値を含む(例えば、1〜10は、1.4、1.9、2.33、5.75、9.98等を含む)。
上記の発明の概要は、各実施形態について説明することを意図するものではない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細についても、以下の明細書に記載する。他の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び特許請求の範囲から明らかとなる。
本開示による組成物は、式I:
−CF(R)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)−
で表される少なくとも1つのセグメントを有する非晶質フルオロポリマーを含む。
式Iで表されるセグメントは、概ね、非晶質フルオロポリマーの主鎖に見られる。式Iで表されるセグメントは、例えば、式II:
−CF(I)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(I)−R’
で表されるフッ素化ジヨードエーテル化合物を含む構成成分を共重合することによって、非晶質フルオロポリマーに導入することができる。
典型的には、硬化の前に、非晶質フルオロポリマーは、式III:
−CF(I)−(CX−(CXCXR)−O−R”f−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)−
で表される末端セグメントを少なくとも1つ有してもよい。
式I、II、及びIIIにおいて、各Xは、独立してF、H、又はClである。いくつかの実施形態では、各Xは、独立してF又はHである。いくつかの実施形態では、式Iで表されるセグメントは、全フッ素化されており、各XはFである。
式I、II、及びIIIにおいて、R及びR’は、それぞれ独立して、Fであるか又は1、2、若しくは3個の炭素原子を有する一価のペルフルオロアルキルであり、これは直鎖でも分枝鎖でもよい。いくつかの実施形態では、R又はR’のうちの少なくとも1つはFである。いくつかの実施形態では、R又はR’のうちの少なくとも1つは独立して全フッ素化アルキル(例えば、−CF又は−CFCF)である。いくつかの実施形態では、R又はR’のうちの少なくとも1つはFであり、他方のR又はR’は−CFである。いくつかの実施形態では、各R及びR’はFである。
式I、II、及びIIIにおいて、R及びR’は、それぞれ独立して、Fであるか又は1、2、若しくは3個の炭素原子を有する部分フッ素化又は全フッ素化アルキルであり、これは直鎖でも分枝鎖でもよい。いくつかの実施形態では、R又はR’のうちの少なくとも1つはFである。いくつかの実施形態では、R又はR’のうちの少なくとも1つは、独立して、部分フッ素化又は全フッ素化アルキル(例えば、−CF、−CFCF、又は−CF−CFH)である。いくつかの実施形態では、R及びR’は、それぞれ独立して、Fであるか又は1、2、又は3個の炭素原子を有する全フッ素化アルキルであり、これは直鎖でも分枝鎖でもよい。いくつかの実施形態では、R又はR’のうちの少なくとも1つはFであり、他方のR又はR’は−CFである。いくつかの実施形態では、各R及びR’はFである。
式I、II、及びIIIにおいて、R”は、1〜8個の炭素原子を有する二価のフルオロアルキレン、又は1〜20個の炭素と少なくとも1つのエーテル結合とを有する二価のフッ素化アルキレンエーテルである。いくつかの実施形態では、R”は、1〜8個(いくつかの実施形態では、1〜6、1〜5、1〜4、1〜3、又は1〜2個)の炭素原子を有する二価の直鎖又は分枝鎖フルオロアルキレンである。他の実施形態では、R”は、1〜20個(いくつかの実施形態では、1〜15、1〜10、1〜8、又は1〜6個)の炭素原子及び少なくとも1個(いくつかの実施形態では、2、3、4、又は5個)のエーテル結合を有する二価の直鎖又は分枝鎖フッ素化アルキレンエーテルである。エーテル結合は、酸素原子の両側に炭素原子を必要とすること、及びR”は、−O−基を末端として、式I、II、又はIIIにおいてペルオキシ基(すなわち、−O−O−)を生成することができないことは理解されるべきである。有用なR”セグメントの例としては、−CF−;−CF−CF−;−CF−CF−CF−;−(CF−[式中、xは1〜5の整数である];−CFH−;−CFH−CF−;−CH−CF−;−CF−CF(CF)−;−CH−CF−CF−;−CF−CHF−CF−;
−CF−CH−CF−;−CF−(OCF−[式中、yは0〜6の整数である];−CF−(O−[CF−[式中、xは1〜5の整数であり、zは1〜4の整数である];−CF−(O−[CF)−CF−[式中、xは0〜5の整数である];−CX−(O−[CFX])−CX'X−[式中、hは0〜5の整数であり、かつ式中、X1、2、3、、及びXは、それぞれ独立して、H、F、又はClである];−(CF−(OCF−CF(CF))−O−(CF[式中、各xは、独立して1〜5の整数であり、jは0〜5の整数である];及び−(CF−CF(CF)−O)−O−(CF−O−(CF−CF(CF)O)−(CF−[式中、kは1〜3の整数であり、各xは独立して1〜5の整数であり、lは0〜3の整数である]が挙げられる。
式I、II、及びIIIにおいて、kは0又は1であり、n、m、q、及びpは、それぞれ独立して0〜5の整数である。いくつかの実施形態では、kは0である。kが0のとき、n+mは少なくとも1であり、p+qは少なくとも1である。いくつかの実施形態では、kは1である。いくつかの実施形態では、n及びqは、それぞれ独立して1〜10、2〜10、又は3〜10である。いくつかの実施形態では、n及びqは、それぞれ1である。
いくつかの実施形態では、式Iで表されるセグメント、式IIIで表される末端セグメント、及び/又は式IIで表されるフッ素化ジヨードエーテル化合物は、全フッ素化されている(C−F結合を含み、C−H結合を含まない)か、又は高度にフッ素化されていて、1重量%、0.5重量%又は更には0.25重量%未満の水素を含むかのいずれかである。
式Iで表されるセグメント又は式IIIで表される末端セグメントを非晶質フルオロポリマーに導入するのに有用となり得る有用なフッ素化ジヨードエーテル化合物の例としては:
I−CF−CF−O−CF−CF−I;I−CF−CF−O−(CF−I[式中、bは3〜10の整数である];
I−(CF−O−(CF−I[式中、cは3〜10の整数であり、bは3〜10の整数である];
ICF−CF−O−CF−O−CF−CF−I;
ICF−CF−O−CF−(CF−O−CF−CFI[式中、bは1〜5の整数である];
ICF−CF−[O−CF−(CF−O−CF−CFI[式中、bは1〜5の整数であり、zは1〜4の整数である];
ICF−CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CFI;
I−CF−CH−O−CF−CF−CFI;I−CF−CH−CF−O−CF−CF−CFI;
I−CF−CHF−CF−O−CF−CF−CFI;ICF−CF−O−CF−CFI−CF
ICF−CF−(CF−[O−CF(CF)−CF−(O−[CF−O[−CF−CF−CFI[式中、aは0〜6の整数であり、bは0〜5の整数であり、cは1〜6の整数であり、dは0〜6の整数であり、zは0〜6の整数である];
ICF−(CF−(O−CFCF(CF))−O−(CF−O−(CF−CF(CF)−O)−(CF−O−CFCF−I[式中、aは0〜6の整数であり、bは0〜5の整数であり、cは1〜6の整数であり、dは0〜5の整数であり、zは0〜5の整数である];及びI−CF−(CF−O−(CF−O−CF−CF(CF)−I[式中、aは1〜5の整数であり、bは1〜5の整数である]。
これらの化合物の一部は、例えばAnles(St.Petersburg−ロシア)から、市販されている。その他は、既知の合成によって、例えば、ビス−オレフィンへのIFの付加によって、調製できる。別の実施例では、ヨウ素含有酸フッ化物をアルキルフルオロ−サルフェートと反応させた後、IF付加を行うことができる。別の実施例では、フッ素化スルフィナートをヨウ素塩と反応させることができる。
式I又はIIIで表される1又は複数のセグメントが非晶質フルオロポリマー中に存在してもよく、式I又はIIIで表される各セグメントは、独立して選択されてもよい。式I又はIIIの各セグメントが独立して選択される場合、各X、R、R’、R、R’、R”、k、m、n、p、及びqは独立して選択されることは理解されるべきである。式I又はIIIで表されるセグメントを1個よりも多く非晶質フルオロポリマーに導入するため、式IIで表される2つ以上の独立して選択されたジヨードエーテル化合物の混合物を、非晶質フルオロポリマーの調製における連鎖移動剤として使用できる。
ヨウ素基は、例えば、有機連鎖移動剤(例えば、CF又はICFCFCFCFI)、及び/又はフッ素化硬化部位モノマーを用いて非晶質フルオロポリマーに導入されてきたが、上記化合物の使用には欠点がある。これらのフッ素化化合物は、時として高額である。更に、上記化合物は、典型的にはあまり水溶性が高くないことから、水性重合を実施する際は、それらの組み込みを改善するためのいくつかの措置が通常は講じられる。例えば、共溶媒、フッ素化乳化剤、並びに/又はフッ素化連鎖移動剤及び/若しくはフッ素化硬化部位モノマーのプレエマルションを、重合中に使用して、フッ素化連鎖移動剤及び/又はフッ素化硬化部位モノマーの溶解度の問題への対処を援助することができる。別の例では、フッ素化連鎖移動剤及び/又はフッ素化硬化部位モノマーをより迅速に水に溶解させるため、フッ素化連鎖移動剤及び/又はフッ素化硬化部位モノマーを、小さな液滴として反応容器内に噴霧してもよい。これは、溶媒の除去及び再利用が必要であることから、重合コストを増加させるので、製造において欠点を有する。乳化剤はまた、得られるフルオロポリマーから除去されることが好ましく、これもプロセスの工程及びコストの増大を招く。
国際公開第2015/134435号(Hintzer et al.)に報告されているように、上記のフッ素化ジヨードエーテル化合物を、フッ素化モノマーの重合中にその実施形態のいずれかに使用することは、典型的には上記の問題を防ぐ。例えば、フッ素化ジヨードエーテル化合物は、同じ数の炭素を有するが酸素を有さない材料と比較して、水への溶解度がより高く、十分な量のヨウ素をフルオロポリマーに組み込むことを可能にしながら、有機溶媒及び/又はフッ素化乳化剤の必要性を排除又は低減する。更に、理論に束縛されることを望むものではないが、これらのフッ素化ジヨードエーテル化合物は、両方の末端で重合させることができ、かつエーテル結合を含むことから、これらの化合物は、ポリマー主鎖を柔軟なものにし、これによりT(ガラス転移温度)に影響を与え及び/又はポリマー伸長中の結晶化を防止し得る。
本開示による組成物に有用な非晶質フルオロポリマーは、典型的には、フッ素化ジヨードエーテル化合物の存在下で調製された少なくとも1つのフッ素化オレフィンのポリマー又はコポリマーである。コポリマーは、1又は複数のフッ素化オレフィン、その他のフッ素化モノマー、非フッ素化モノマー、硬化部位モノマー、又はこれらのモノマーの組み合わせのコポリマーであり得る。
好適なフッ素化オレフィンの例としては、ペルフルオロオレフィン(例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)、又は式CF=CF−Rf[式中、Rfは、フッ素であるか又は炭素原子が1〜8個、いくつかの実施形態では1〜3個のペルフルオロアルキルである]の任意のペルフルオロオレフィン、ハロゲン化フルオロオレフィン(例えば、トリフルオロクロロエチレン(CTFE))、及び部分フッ素化オレフィン(例えば、フッ化ビニリデン(VDF)、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、CH=CF−CF、又は水素原子の半分未満又は4分の1未満がフッ素で置換されているオレフィン)が挙げられる。その他の有用なフッ素化モノマーとしては、ペルフルオロビニルエーテル(例えば、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)及びペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル(PAAVE))、及びオレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、又はC〜Cαオレフィン等の別の非フッ素化αオレフィン)のような水素含有モノマーが挙げられる。かかる非晶質フルオロポリマーの例としては、例えば、当該技術分野において「フルオロエラストマーガム」及び「ペルフルオロエラストマーガム」と呼ばれるものが挙げられる。いくつかの実施形態では、フルオロポリマーは、テトラフルオロエチレンと、異なる全フッ素化オレフィン、部分フッ素化オレフィン、非フッ素化オレフィン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、又はペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテルのうちの少なくとも1つとのインターポリマー化単位を含む。いくつかの実施形態では、非晶質フルオロポリマーは、フッ素化オレフィンと、フッ素化ビニルエーテル又はフッ素化アリルエーテルのうちの少なくとも1つとのコポリマーである。当業者は、特定のインターポリマー化単位を、フルオロエラストマーを形成するのに適切な量で選択することができる。
いくつかの実施形態では、非晶質フルオロポリマーのモノマーとして有用なハロゲン含有オレフィン又は水素含有オレフィンとして、式CX=CX−R[式中、各X、は独立して水素、フルオロ、又はクロロであり、Rは水素、フルオロ、又はC〜C12であり、いくつかの実施形態ではC〜C、アルキルであり、ただしX及びR基の全てがフルオロ基ではない]のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、非フッ素化オレフィンモノマー(例えば、プロピレン、エチレン、又はイソブチレンのうちの少なくとも1つ)から誘導される重合単位は、非晶質フルオロポリマー中に、最大でフルオロポリマーの40mol%、30mol%、又は25mol%、いくつかの実施形態では最大10mol%、5mol%、又は最大3mol%で存在する。
非晶質フルオロポリマーの調製に好適なペルフルオロアルキルビニルエーテルとしては、式CF=CFORf[式中、Rfは1〜6、1〜5、1〜4、又は1〜3個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基である]で表されるものが挙げられる。有用なペルフルオロアルキルビニルエーテルの例としては、ペルフルオロメチルビニルエーテル(CF=CFOCF)、ペルフルオロエチルビニルエーテル(CF=CFOCFCF)、及びペルフルオロプロピルビニルエーテル(CF=CFOCFCFCF)が挙げられる。
非晶質フルオロポリマーの調製に好適なペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテルとしては、式CF=CF(OC2nORf[式中、各nは独立して1〜6であり、zは1又は2であり、Rfは、1〜8個の炭素原子を有し、かつ1又は複数の−O−基が任意選択で介在する、直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基である]で表されるものが挙げられる。いくつかの実施形態においてnは、1〜4、又は1〜3、又は2〜3、又は2〜4である。いくつかの実施形態では、nは1又は3である。いくつかの実施形態では、nは3である。C2nは、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。いくつかの実施形態では、C2nは、(CFと表記することもでき、これは直鎖ペルフルオロアルキレン基を指す。いくつかの実施形態では、C2nは、−CF−CF−CF−である。いくつかの実施形態では、C2nは、分枝鎖であり、例えば−CF−CF(CF)−である。いくつかの実施形態では、(OC2nは、−O−(CF1−4−[O(CF1−40−1によって表される。いくつかの実施形態では、Rfは、1〜8個(又は1〜6個)の炭素原子を有し、かつ最大4つ、3つ、又は2つの−O−基が任意選択で介在する、直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基である。いくつかの実施形態では、Rfは、1〜4個の炭素原子を有し、1つの−O−基が任意選択で介在するペルフルオロアルキル基である。好適なペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテルの例としては、CF=CFOCFOCF、CF=CFOCFOCFCF、CF=CFOCFCFOCF、CF=CFOCFCFCFOCF、CF=CFOCFCFCFCFOCF、CF=CFOCFCFOCFCF、CF=CFOCFCFCFOCFCF、CF=CFOCFCFCFCFOCFCF、CF=CFOCFCFOCFOCF、CF=CFOCFCFOCFCFOCF、CF=CFOCFCFOCFCFCFOCF、CF=CFOCFCFOCFCFCFCFOCF、CF=CFOCFCFOCFCFCFCFCFOCF、CF=CFOCFCF(OCFOCF、CF=CFOCFCF(OCFOCF、CF=CFOCFCFOCFOCFOCF、CF=CFOCFCFOCFCFCF、CF=CFOCFCFOCFCFOCFCFCF、CF=CFOCFCF(CF)−O−C(PPVE−2)、CF=CF(OCFCF(CF))−O−C(PPVE−3)、及びCF=CF(OCFCF(CF))−O−C(PPVE−4)が挙げられる。これらのペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテルの多くは、米国特許第6,255,536号(Worm et al.)及び同第6,294,627号(Worm et al.)に記載されている方法に従って調製することができる。
ペルフルオロアルキルアリルエーテル及びペルフルオロアルコキシアルキルアリルエーテルは、本開示による組成物における非晶質ポリマーの製造にも有用となり得る。好適なペルフルオロアルコキシアルキルアリルエーテルとしては、式CF=CFCF(OC2nORf[式中、n、z、及びRfは、ペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテルの実施形態のいずれかにおいて上に定義されるとおりである]によって表されるようなものが挙げられる。好適なペルフルオロアルコキシアルキルアリルエーテルの例としては、CF=CFCFOCFCFOCF、CF=CFCFOCFCFCFOCF、CF=CFCFOCFOCF3、CF=CFCFOCFOCFCF、CF=CFCFOCFCFCFCFOCF、CF=CFCFOCFCFOCFCF、CF=CFCFOCFCFCFOCFCF、CF=CFCFOCFCFCFCFOCFCF、CF=CFCFOCFCFOCFOCF、CF=CFCFOCFCFOCFCFOCF、CF=CFCFOCFCFOCFCFCFOCF、CF=CFCFOCFCFOCFCFCFCFOCF、CF=CFCFOCFCFOCFCFCFCFCFOCF、CF=CFCFOCFCF(OCFOCF、CF=CFCFOCFCF(OCFOCF、CF=CFCFOCFCFOCFOCFOCF、CF=CFCFOCFCFOCFCFCF、CF=CFCFOCFCFOCFCFOCFCFCF、CF=CFCFOCFCF(CF)−O−C、及びCF=CFCF(OCFCF(CF))−O−Cが挙げられる。これらのペルフルオロアルコキシアルキルアリルエーテルの多くは、例えば、米国特許第4,349,650号(Krespan)に記載されている方法に従って調製することができる。
全フッ素化ビニルエーテル及び全フッ素化アリルエーテルは、典型的には液体であり、他のコモノマーとの共重合の前、例えば、気体状フルオロオレフィンの付加の前に、乳化剤で予備乳化されてもよい。いくつかの実施形態では、PAVE又はPAAVEモノマーのうちの少なくとも1つから誘導される重合単位は、非晶質フルオロポリマー中に、最大でフルオロポリマーの50mol%、いくつかの実施形態では最大40mol%、又は最大30mol%、又は最大10mol%で存在する。
非晶質フルオロポリマーが全ハロゲン化されている場合、いくつかの実施形態では全フッ素化されており、典型的にはそのインターポリマー化単位のうちの少なくとも50モルパーセント(mol%)は、TFE及び/又はCTFEから誘導され、任意にHFPを含む。非晶質フルオロポリマーのインターポリマー化単位の残部(例えば10〜50mol%)は、1又は複数のペルフルオロアルキルビニルエーテル及び/又はペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル及び/又はペルフルオロアリルエーテル及び/又はペルフルオロアルコキシアリルエーテル、並びに、いくつかの実施形態では、硬化部位モノマーで構成される。フルオロポリマーが全フッ素化されていない場合、それは、典型的にはTFE、CTFE、及び/又はHFPから誘導されるそのインターポリマー化単位を約5mol%〜約90mol%;VDF、エチレン、及び/又はプロピレンから誘導されるそのインターポリマー化単位を約5mol%〜約90mol%;ビニルエーテルから誘導されるそのインターポリマー化単位を最大約40mol%;並びに、硬化部位モノマーを約0.1mol%〜約5mol%、いくつかの実施形態では約0.3mol%〜約2mol%、含有する。
本開示の実施に有用な非晶質フルオロポリマーの例としては、TFE/プロピレンコポリマー、TFE/プロピレン/VDFコポリマー、VDF/HFPコポリマー、TFE/VDF/HFPコポリマー、TFE/ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)コポリマー、TFE/CF=CFOCコポリマー、TFE/CF=CFOCF/CF=CFOCコポリマー、TFE/CF=COCコポリマー、TFE/エチルビニルエーテル(EVE)コポリマー、TFE/CF=CFOCFOCFコポリマー、TFE/CF=CFOCFOCFCFコポリマー、TFE/ブチルビニルエーテル(BVE)コポリマー、TFE/EVE/BVEコポリマー、VDF/CF=CFOCコポリマー、エチレン/HFPコポリマー、TFE/HFPコポリマー、CTFE/VDFコポリマー、TFE/VDFコポリマー、TFE/VDF/PMVE/エチレンコポリマー、及びTFE/VDF/CF=CFO(CFOCFコポリマーが挙げられる。
いくつかの実施形態では、非晶質フルオロポリマーを調製するために重合される構成成分は、次式で表されるフッ素化ビスオレフィン化合物:
CY=CX−(CF−(O−CF(Z)−CF−O−(CF−(O−CF(Z)−CF−(O)−(CF(A))−CX=CY
[式中、aは0、1、及び2から選択される整数であり、bは0、1、及び2から選択される整数であり、cは0、1、2、3、4、5、6、7、及び8から選択される整数であり、dは0、1、及び2から選択される整数であり、eは0又は1であり、fは0、1、2、3、4、5、及び6から選択される整数であり、ZはF及びCFから独立して選択され、AはF又は全フッ素化アルキル基であり、Xは独立してH又はFであり、YはH、F、及びCFから独立して選択される]を更に含んでもよい。好ましい実施形態では、高フッ素化ビスオレフィン化合物は全フッ素化されており、これはX及びYがF及びCFから独立して選択されることを意味する。
有用なフッ素化ビスオレフィン化合物の例としては、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF
CF=CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF=CF
CF=CF−CF−O−(CF−O−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF=CF
CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF
CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF、CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF
CF=CF−CF−O−(CF−O−CF−CF=CF、CF=CF−O−CFCF−CH=CH
CF=CF−(OCF(CF)CF)−O−CFCF−CH=CH、CF=CF−(OCF(CF)CF−O−CFCF−CH=CH
CF=CFCF−O−CFCF−CH=CH、CF=CFCF−(OCF(CF)CF)−O−CFCF−CH=CH
CF=CFCF−(OCF(CF)CF−O−CFCF−CH=CH、CF=CF−CF−CH=CH
CF=CF−O−(CF−O−CF−CF−CH=CH[式中、cは2〜6から選択される整数である]、
CF=CFCF−O−(CF−O−CF−CF−CH=CH[式中、cは2〜6から選択される整数である]、
CF=CF−(OCF(CF)CF−O−CF(CF)−CH=CH[式中、bは0、1、又は2である]、
CF=CF−CF−(OCF(CF)CF−O−CF(CF)−CH=CH[式中、bは0、1、又は2である]、
CH=CH−(CF−O−CH=CH[式中、nは1〜10の整数である]、及び
CF=CF−(CF−(O−CF(CF)CF−O−(CF−(OCF(CF)CF−O−CF=CF[式中、aは0又は1であり、bは0、1、又は2であり、cは1、2、3、4、5、又は6であり、fは0、1、又は2である]が挙げられる。
いくつかの実施形態では、フッ素化ビスオレフィン化合物は、CF=CF−O−(CF−O−CF=CF[式中、nは2〜6の整数である];CF=CF−(CF−O−(CF−O−(CF−CF=CF[式中、nは2〜6の整数であり、bは0又は1である];又は、全フッ素化ビニルエーテル及び全フッ素化アリルエーテルを含む全フッ素化化合物である。
フッ素化ビスオレフィンの有用な量としては、組み込まれるモノマーの総モルを基準として、0.01mol%〜1mol%のフッ素化ビスオレフィン化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、非晶質ポリマーに組み込まれるモノマーの総モルを基準として、少なくとも0.02、0.05、又は更には0.1mol%のフッ素化ビスオレフィン化合物が使用され、多くとも0.5、0.75、又は更には0.9mol%のフッ素化ビスオレフィン化合物の化合物が使用される。
いくつかの実施形態では、本開示による組成物に有用な非晶質フルオロポリマーは、硬化部位を備える重合単位を含む。これらの実施形態では、硬化部位モノマーは、非晶質フルオロポリマーを調製するための重合中に有用となり得る。このような硬化部位モノマーとしては、フリーラジカル重合可能なモノマーが挙げられる。更に、得られるエラストマーの十分な熱安定性が保証されるよう、硬化部位モノマーを全フッ素化することができる。有用な硬化部位の例としては、Br硬化部位、I硬化部位、ニトリル硬化部位、炭素−炭素二重結合、及びこれらの組み合わせが挙げられる。これらの硬化部位のいずれも、後述のようなペルオキシドを使用して硬化することができる。ただし、複数の異なる硬化部位が存在するいくつかの場合には、二重硬化系又は多重硬化系が有用となる場合がある。ペルオキシドと組み合わせて使用してもよい他の好適な硬化系としては、ビスフェノール硬化系又はトリアジン硬化系が挙げられる。
いくつかの実施形態では、硬化部位モノマーは、ペルオキシド硬化反応に関与できるヨウ素を含み、それは例えば、ペルオキシド硬化反応に関与できるヨウ素原子が主鎖の末端位に位置する場合である。いくつかの実施形態では、次式で表されるような、フッ素化ヨウ素含有硬化部位モノマーを使用してもよい:
CY=CX−(CF−(O−CF(CF)−CF−O−(CF−(O)−(CF−CF(I)−X (IV)
[式中、X及びYは、H、F、及びCFから独立して選択され、gは、0又は1であり、hは、0、2、及び3から選択される整数であり、iは、0、1、2、3、4、及び5から選択される整数であり、jは、0又は1であり、並びにkは、0、1、2、3、4、5、及び6から選択される整数である]。一実施形態では、フッ素化ヨウ素含有硬化部位モノマーは、全フッ素化されている。式(IV)で表される好適な化合物の例としては、CF=CFOCI(MV4I)、CF=CFOCI、CF=CFOCFCF(CF)OCI、CF=CF−(OCFCF(CF))−O−CI、CF=CF−O−CFCFI−CF、CF=CF−O−CFCF(CF)−O−CFCFI−CF、CF=CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−CF−O−CF−O−CI、CF=CF−CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−CF−O−(CF−O−CI、CF=CF−CF−O−CI、CF=CF−CF−O−CI、CF=CF−CF−O−CFCF(CF)−O−CI、CF=CF−CF−(OCFCF(CF))−O−CI、CF=CF−CF−O−CFCFI−CF、CF=CF−CF−O−CFCF(CF)−O−CFCFI−CF、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、硬化部位モノマーは、CF=CFOCI;CF=CFCFOCI;CF=CFOCI;CF=CFCFOCI;CF=CF−O−(CF−O−CF−CFI、又はCF=CFCF−O−(CF−O−CF−CFI[式中、nは、2、3、4、又は6から選択される整数である]のうちの少なくとも1つを含む。
組み込まれるモノマーの総モルを基準として、0.01mol%〜1mol%を含む有用な量の式(IV)の化合物を使用してもよい。いくつかの実施形態では、非晶質フルオロポリマーに組み込まれるモノマーの総モルを基準として、少なくとも0.02、0.05、又は更には0.1mol%の式(IV)の化合物が使用され、かつ多くとも0.5、0.75、又は更には0.9mol%の式(IV)の化合物が使用される。
その他の有用な硬化部位モノマーの例としては、式ZRf−O−CX=CX[式中、各Xは、同じでも異なっていてもよく、H又はFを表し、ZはBr又はIであり、Rfは、C〜C12(ペル)フルオロアルキレンであり、塩素及び/又はエーテル酸素原子を任意に含有する]を有するブロモ−又はヨード−(ペル)フルオロアルキル−(ペル)フルオロビニルエーテルが挙げられる。好適な例としては、ZCF−O−CF=CF、ZCFCF−O−CF=CF、ZCFCFCF−O−CF=CF、CFCFZCF−O−CF=CF[式中、Zは、Br又はIを表す]が挙げられる。更に他の有用な硬化部位モノマーの例としては、式
Z’−(Rf’)−CX=CX[式中、各Xは独立してH又はFを表し、Z’はBr又はIであり、Rf’はC〜C12ペルフルオロアルキレンであり、任意に塩素原子を含有し、rは0又は1である]を有するもの等のブロモ−又はヨード−(ペル)フルオロオレフィンが挙げられる。好適な例としては、ブロモ−若しくはヨード−トリフルオロエテン、4−ブロモ−ペルフルオロブテン−1,4−ヨード−ペルフルオロブテン−1、又はブロモ−若しくはヨード−フルオロオレフィン、例えば1−ヨード,2,2−ジフルオロエテン、1−ブロモ−2,2−ジフルオロエテン、4−ヨード−3,3,4,4,−テトラフルオロブテン−1、及び4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブテン−1が挙げられる。非フッ素化ブロモ及びヨード−オレフィン、例えば、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、4−ブロモ−1−ブテン、及び4−ヨード−1−ブテンも、硬化部位モノマーとして有用となり得る。通常、これらの硬化部位モノマーが使用される場合、それらは非晶質フルオロポリマーに組み込まれるモノマーの総モルを基準として、少なくとも0.01、0.02、0.05、又は0.1mol%、かつ多くとも0.5,0.75,0.9、又は1mol%の量で使用される。
いくつかの実施形態では、本開示による組成物に有用な非晶質フルオロポリマーはニトリル硬化部位を含む。ニトリル硬化部位は、重合中にニトリル含有モノマーを使用することによってポリマー内に導入できる。好適なニトリル含有モノマーの例としては、式CF=CF−CF−O−Rf−CN;CF=CFO(CFCN;CF=CFO[CFCF(CF)O](CFOCF(CF)CN;及びCF=CF[OCFCF(CF)]O(CFCN[式中、rは2〜12の整数を表し、pは0〜4の整数を表し、kは1又は2を表し、vは0〜6の整数を表し、uは1〜6の整数を表し、Rfはペルフルオロアルキレン又は二価のペルフルオロエーテル基である]で表されるものが挙げられる。ニトリル含有フッ素化モノマーの具体例としては、ペルフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、CF=CFO(CFCN、及びCF=CFO(CFOCF(CF)CNが挙げられる。通常、これらの硬化部位モノマーが使用される場合、それらは非晶質フルオロポリマーに組み込まれるモノマーの総モルを基準として、少なくとも0.01、0.02、0.05、又は0.1mol%、かつ多くとも0.5、0.75、0.9、又は1mol%の量で使用される。
本開示の組成物に有用な非晶質フルオロポリマーは、典型的には融点を持たない。一般に、上記フルオロポリマーは、最大25℃、いくつかの実施形態では0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。
本開示の組成物において有用なフルオロプラスチック粒子は、半結晶性材料である。フルオロプラスチックは、ポリテトラフルオロエチレン粒子を含むことができ、これはフィブリル化粒子であってもなくてもよい。フルオロプラスチックは、わずかに変性されたテトラフルオロエチレンポリマー(例えば、コモノマーが約5mol%未満)から、又は少なくとも1つのエチレン性不飽和を含む1又は複数のモノマー(例えば、コモノマーが少なくとも約5mol%)とのテトラフルオロエチレンコポリマーから、形成させることができる。上記の全フッ素化オレフィン、部分フッ素化オレフィン、ハロゲン化フルオロオレフィン、非フッ素化オレフィン、フッ素化アリルエーテル、及びフッ素化ビニルエーテルのいずれも、有用なコモノマーとなり得る。テトラフルオロエチレンのフルオロプラスチックコポリマーは、0.001mol%〜15mol%、いくつかの実施形態では0.01〜10mol%の様々な量のコモノマーを有することができる。いくつかの実施形態では、粒子中のフルオロプラスチックは、約100〜327℃、いくつかの実施形態では約200〜320℃、いくつかの実施形態では240〜320℃の範囲の融点を有する。
本開示の実施に有用なフルオロプラスチック粒子の製造に役立つその他の有用なフルオロプラスチックは、フッ素化熱可塑性材料である。好適なフッ素化熱可塑性ポリマーの例としては、VDF及びHFPからのみ誘導されるフルオロプラスチックが挙げられる。これらのフルオロプラスチックは、典型的には、99〜67重量%のVDFと1〜33重量%のHFP、更にいくつかの実施形態では、90〜67重量%のVDFと10〜33重量%のHFPから誘導されるインターポリマー化単位を有する。有用なフルオロプラスチックの別の例は、(i)TFE、(ii)5重量%を超える、TFE以外の1又は複数のエチレン性不飽和共重合性フッ素化モノマー、からのみ誘導されるインターポリマー化単位を有するフルオロプラスチックである。いくつかの実施形態では、これらのフルオロプラスチックは、30〜70重量%のTFEと、10〜30重量%のHFPと、5〜50重量%の、TFE及びHFP以外の第3のエチレン性不飽和フッ素化コモノマーとの共重合から誘導される。例えば、このようなフルオロポリマーは、TFE(例えば、45〜65重量%の量)、HFP(例えば、10〜30重量%の量)、及びVDF(例えば、15〜35重量%の量)である投入モノマーの共重合から誘導されてもよい。有用なフルオロプラスチックの別の例は、TFE(例えば、45〜70重量%)、HFP(例えば、10〜20重量%)、及びエチレン又はプロピレンのような1〜3個の炭素原子を有するαオレフィン炭化水素エチレン性不飽和コモノマー(例えば、10〜20重量%)である投入モノマーの共重合から誘導されるフルオロプラスチックである。有用なフルオロプラスチックの別の例は、TFE及びαオレフィン炭化水素エチレン性不飽和コモノマーから誘導されるフルオロプラスチックである。この小区分のポリマーの例は、TFEとプロピレンとのコポリマーである。このようなコポリマーは、典型的には、50〜95重量%、いくつかの実施形態では85〜90重量%のTFEを、50〜15重量%、いくつかの実施形態では15〜10重量%のコモノマーと共重合することによって誘導される。有用なフルオロプラスチックの更に他の例としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)並びに50〜99mol%のVdF単位、30〜0mol%のTFE単位、及び20〜1mol%のCTFE単位を含むVdF/TFE/CTFEが挙げられる。
いくつかの実施形態では、フルオロプラスチック粒子は、フッ素化オレフィンと、フッ素化ビニルエーテル又はフッ素化アリルエーテルのうちの少なくとも1つとのコポリマーから調製される。これらの実施形態の一部では、フッ素化オレフィンはTFEである。これらの実施形態では、フッ素化ビニルエーテル又はフッ素化アリルエーテル単位は、コポリマー中に0.01mol%〜15mol%、いくつかの実施形態では0.01mol%〜10mol%、いくつかの実施形態では0.05mol%〜5mol%の範囲で存在する。フッ素化ビニルエーテル又はフッ素化アリルエーテルは、上記のうちのいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、フッ素化ビニルエーテルは、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)、ペルフルオロ(n−プロピルビニル)エーテル(PPVE−1)、ペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル(PPVE−2)、ペルフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルビニルエーテル、ペルフルオロ−2−メトキシ−エチルビニルエーテル、又は
CF−(CF−O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF=CFのうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、フルオロプラスチック粒子は、硬化部位を有しない。いくつかの実施形態では、フルオロプラスチックコポリマーは、(a)Br硬化部位、(b)I硬化部位、(c)ニトリル硬化部位、又は(d)炭素−炭素二重結合のうちの少なくとも1つを含む単位を更に含む。硬化部位は、本開示による組成物中で非晶質フルオロポリマーと組み合わされたときに、フルオロプラスチックの硬化反応への関与を可能にする。Br、I、又はニトリル硬化部位は、上記の硬化部位モノマーのいずれかを用いてフルオロプラスチックに組み込むことができる。窒素含有硬化部位は、選択された連鎖移動剤(例えば、I(CFCN[式中、dは1〜10又は1〜6である])を用いることによって、又はNC(CFSOG[式中、Gは水素原子又は1又は2価のカチオンを表す]のようなペルフルオロスルフィナートの存在下でフリーラジカル重合を実行することによっても、フルオロプラスチックに組み込むことができる。ブロモ及びヨード含有硬化部位は、式IIで表されるもの以外の連鎖移動剤を用いてフルオロプラスチックに組み込むことができる。好適な連鎖移動剤Iの例としては、式Rを有するものが挙げられ、式中、Pは、Br又はI、好ましくはIであり、Rは、所望により塩素原子を含有する場合がある、1〜12個の炭素原子を有するx価のアルキル基である。典型的には、xは1又は2である。有用な連鎖移動剤としては、全フッ素化一ヨウ化アルキル、全フッ素化二ヨウ化アルキル、全フッ素化一臭化アルキル、全フッ素化二臭化アルキル、全フッ素化一臭化一ヨウ化アルキル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。具体例としては、CFBr、Br(CFBr、Br(CFBr、CFClBr、CFCFBrCFBr、I(CFI(式中、nは1〜10の整数である)(例えば、I(CFI)、Br(CFI(式中、nは1〜10の整数である)(例えば、Br(CFI)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
フルオロプラスチック中の硬化部位は、非晶質フルオロポリマー中の硬化部位と同じ種類であってもなくてもよい。例えば、フルオロプラスチック及び非晶質フルオロポリマーの両方がヨード硬化部位を有してもよい。いくつかの実施形態では、フルオロプラスチックと非晶質フルオロポリマーは、異なる種類の硬化部位を有する。例えば、フルオロプラスチックはニトリル硬化部位を有してもよく、非晶質フルオロポリマーはヨード硬化部位を有してもよい。フルオロプラスチックと非晶質フルオロポリマーとが異なる種類の硬化部位を有する場合、具体的な硬化部位に応じて同じ硬化剤又は異なる硬化剤が有用となり得る。いくつかの実施形態では、二重硬化系が有用となり得る。
本開示の組成物に有用なフルオロプラスチック粒子は、500ナノメートル(nm)未満の平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、フルオロプラスチック粒子は、約10nm〜約500nmの範囲の平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、フルオロプラスチック粒子は、約100nm〜約500nmの範囲の平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、フルオロプラスチック粒子は、約120nm〜約500nmの範囲の平均粒径を有する。いくつかの実施形態では、フルオロプラスチック粒子は、約80nm、120nm、125nm、又は130nm〜約300nm、275nm、又は250nmの範囲の平均粒径を有する。これらの粒径は、フルオロプラスチックが、非テロゲン性フッ素含有界面活性剤の存在下で、下記の方法を用いた水性乳化重合によって調製される場合に達成できる。重合が水性マイクロエマルション中で(例えば、ペルフルオロポリオキシアルキレンを用いて)実施されたときに、より小さい粒子が得られる場合がある。粒径は、下の実施例に記載の方法に従って動的光散乱によって測定される。
非晶質フルオロポリマー及びフルオロプラスチックは、いずれも、乳化重合(重合が、静電気的に安定化され得る、水に分散されたポリマー粒子で起こる)等の既知の水性重合法を使用して調製できる。
本開示の重合プロセスに使用するための反応容器は、典型的には、重合反応中に内部圧力に耐えることができる加圧可能な容器である。典型的には、反応容器は、反応器内容物の完全な混合を生じる機械的撹拌機と、熱交換システムとを含む。任意の量のフッ素化モノマー及び追加モノマーが、反応容器に投入されてもよい。モノマーは、バッチ式、又は連続的若しくは半連続的な方法で、投入されてもよい。半連続的とは、重合の過程中、モノマーの複数のバッチが容器に投入されることを意味する。ケトルへのモノマー添加速度は独立しており、特定のモノマーの経時的な消費速度に依存する。いくつかの実施形態では、モノマーの添加速度は、モノマーの消費(すなわち、モノマーからポリマーへの変換)の速度に等しくなる。
反応ケトルには水が投入されるが、その量は重要ではない。水相には、一般にフッ素化界面活性剤、典型的には非テロゲン性フッ素化界面活性剤も添加されるが、フッ素化界面活性剤を添加しない水性乳化重合も実施されてもよい。好適なフッ素化界面活性剤には、水性乳化重合で一般的に用いられる任意のフッ素化界面活性剤も挙げられる。
有用なフッ素化界面活性剤の例は、一般式:
Y−Rf−Z−M
[式中、Yは、水素、Cl、又はFを表し、Rfは、4〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖全フッ素化アルキレンを表し、Zは、COO又はSO を表し、Mは、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを表す]に対応する。このようなフッ素化界面活性剤としては、フッ素化アルカン酸及びフッ素化アルカンスルホン酸並びにその塩、例えば、ペルフルオロオクタン酸及びペルフルオロオクタンスルホン酸のアンモニウム塩が挙げられる。本明細書に記載するポリマーの調製における使用について、次の一般式のフッ素化界面活性剤も想到される:
[Rf−O−L−COO−]i+
[式中、Lは、直鎖状の部分若しくは完全フッ素化アルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、Rfは、直鎖状の部分若しくは完全フッ素化脂肪族基又は1つ以上の酸素原子で中断された直鎖状の部分若しくは完全フッ素化基を表し、Xi+は、価数iを有するカチオンを表し、iは、1、2及び3である]。一実施形態では、乳化剤は、CF−O−(CF−O−CHF−CF−C(O)OH及びその塩から選択される。具体例は、米国特許出願公開第2007/0015937号に記載されている。有用な乳化剤のその他の例としては、CFCFOCFCFOCFCOOH、CHF(CFCOOH、CF(CFCOOH、CFO(CFOCF(CF)COOH、CFCFCHOCFCHOCFCOOH、CFO(CFOCHFCFCOOH、CFO(CFOCFCOOH、CF(CF(CHCFCFCFCFCOOH、CF(CFCH(CFCOOH、CF(CFCOOH、CF(CF(OCF(CF)CF)OCF(CF)COOH、CF(CF(OCFCFOCF(CF)COOH、CFCFO(CFCFO)CFCOOH、及びこれらの塩が挙げられる。米国特許第6,429,258号に記載されているようなフッ素化ポリエーテル界面活性剤も、本明細書に記載のフッ素化ポリマーの調製への使用が想到される。
いくつかの実施形態では、次式による重合性フッ素化乳化剤を、本明細書に記載のポリマーの調製に使用でき、
C=CX(CF(CH[O−(CX−[O−(CX−[O−(CX−CX)]−[(O)−(CX−[CH−Y
[式中、Xは、H、F、又はCFから独立して選択され、Yは、COOM又はSOMである]、当該重合性フッ素化乳化剤は、少なくとも1つのフッ素原子を含む。Mは、H、アルカリ金属(例えば、Na、Ca等)、又はNH4である。下付き文字mは、0〜6、0〜5、0〜4;0〜3、又は更には0〜2である。下付き文字nは、0〜6、0〜5、0〜4;0〜3、又は更には0〜2である。下付き文字pは、少なくとも1、2、3、4、又は更には5であり、かつ20、10、8、又は更には6以下である。下付き文字qは、0〜6、0〜5、0〜4;0〜3、又は更には0〜2である。下付き文字rは、0〜6、0〜5、0〜4;0〜3、又は更には0〜2である。下付き文字sは、0〜6、0〜5、0〜4;0〜3、又は更には0〜2である。下付き文字tは、0〜6、0〜5、0〜4;0〜3、又は更には0〜2である。下付き文字uは、0〜6、0〜5、0〜4;0〜3、又は更には0〜2である。下付き文字vは、0〜6、0〜5、0〜4;0〜3、又は更には0〜2である。下付き文字wは、0又は1である。下付き文字zは、0〜6、0〜5、0〜4;0〜3、又は更には0〜2である。m、n、q、s、t、u、v、及びzのうちの少なくとも1つは少なくとも1である。これらのフッ素化乳化剤は、重合中にポリマーへと重合させることができる。
有用な重合性乳化剤の例としては、
CF=CF−(CF−O−(CF−O−(CF2)r−Y;CF=CF−(CF−O−(CF−CH−Y;
CF=CF−(CF−O−(CF−[O−CF[CF]−CF−O−CF(CF)−Y;
CF2=CF−(CF−O−(CF−O−CHF−CF−Y;及びCF=CF−(CF−O−(CF−O−CHF−Y
[式中、YはCOOM又はSOMである]等のフッ素化アリルエーテル及びフッ素化ビニルエーテルが挙げられる。Mは、H、アルカリ金属、又はNHである。下付き文字mは、0〜6の整数である。下付き文字rは、0〜6の整数である。下付き文字tは、0〜6の整数である。下付き文字pは、1〜6の整数である。
有用な重合性乳化剤のその他の例としては、
CX=CX−(CF−Y及びCF=CF−(CF−Y
[式中、XはH、F、又はCFから独立して選択され、YはCOOM又はSOMである]等のフッ素化オレフィンが挙げられる。Mは、H、アルカリ金属、又はNHである。下付き文字mは、1〜6の整数である。一実施形態では、フッ素化オレフィン中のXのうちの少なくとも1つはHである。いくつかの実施形態では、フッ素化オレフィン中のXのうちの少なくとも1つはF原子を含有する。これらの乳化剤は、国際公開第2014/088804号(Hintzer et al.)及び国際公開第2014/088820号(Hintzer et al.)に記載されている。
界面活性剤は、単独で使用されてもよく、又は2つ以上のフッ素化界面活性剤の組み合わせが有用な場合もある。界面活性剤の量は概して、使用される水の質量に基づいて、250〜5,000ppm(百万分率)、好ましくは250〜2000ppm、より好ましくは300〜1000ppmの範囲である。
いくつかの実施形態では、重合は、酸又は塩を含む乳化剤を実質的に含まない。このような乳化剤としては、フッ素化アルカン酸及びその塩、フッ素化アルカンスルホン酸及びその塩、フルオロエトキシアルカン酸及びその塩;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書で使用するとき、乳化剤を実質的に含まないとは、分散体の総重量に対して、0.1重量%、0.05重量%、0.01重量%、又は更には0.001重量%未満の乳化剤が存在すること、又は更には、得られる分散体中に乳化剤が検出されないことを意味する。
本明細書に開示の非晶質フルオロポリマーを調製するための重合では、式IIで表されるフッ素化ジヨードエーテル化合物を最初に反応ケトルに投入し、及び/又は続けて重合中に連続的に又は半連続的に添加してもよい。典型的には、添加される式IIのフッ素化ジヨードエーテル化合物の量は、反応ケトルに供給されるモノマーの総重量に対して少なくとも0.01、0.05、又は更には0.1重量%であり、多くとも0.5、0.75、1、2、3、4、又は更には5重量%である。フルオロプラスチック粒子の調製のため、上記以外の連鎖移動剤を、これらの方法のいずれかを用いて反応容器に添加してもよい。
非晶質フルオロポリマー及びフルオロプラスチックのいくつかの実施形態では、その実施形態のいずれかにおいて、上記の硬化部位モノマーも、これらの方法のいずれかを使用して反応ケトルに添加してもよい。
連鎖移動剤及び/又は硬化部位モノマーの供給量は、モノマー供給量と比較して相対的に少ないため、少量の連鎖移動剤及び/又は硬化部位モノマーを反応器内へ連続供給することは、硬化部位モノマー又は連鎖移動剤を1又は複数のモノマー内でブレンドすることによって達成できる。このようなブレンドに有用なモノマーの例としては、それらの実施形態のいずれかにおいて上に記載したHFP及びフッ素化ビニルエーテル又はフッ素化アリルエーテルが挙げられる。
重合は、通常、モノマーの初期投入後、開始剤又は開始剤系を水相に添加することにより開始される。例えば、ペルオキシドはフリーラジカル開始剤として使用され得る。ペルオキシド開始剤の具体例としては、過酸化水素、ジアシルペルオキシド、例えばジアセチルペルオキシド、ジプロピオニルペルオキシド、ジブチリルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルアセチルペルオキシド、ジグルタル酸ペルオキシド及びジラウリルペルオキシド、並びに更なる水溶性過酸及びそれらの水溶性の塩、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、又はカリウム塩が挙げられる。過酸の例としては、過酢酸が挙げられる。過酸のエステルも同様に使用することができ、その例としては、第三ブチルペルオキシアセテート及び第三ブチルペルオキシピバレートが挙げられる。使用され得る開始剤の更なる分類は、水溶性アゾ化合物である。開始剤として使用するために好適なレドックス系には、例えば、ペルオキソ二硫酸塩と亜硫酸水素塩若しくは二亜硫酸塩との組み合わせ、チオ硫酸とペルオキソ二硫酸塩との組み合わせ、又はペルオキソ二硫酸塩とヒドラジンとの組み合わせが挙げられる。使用することができる更なる開始剤は、過硫酸、過マンガン酸若しくはマンガン酸又は複数のマンガン酸のアンモニウム塩、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である。用いられる開始剤の量は、重合混合物の総重量に基づいて、典型的には0.001〜2重量%、好ましくは0.005〜1重量%である。開始剤の全量が重合の開始時に添加されてもよく、又は重合中に開始剤を、70〜80%の変換率まで連続的に重合に添加することもできる。開始剤の一部を開始時に添加して、残りを重合中に一度に又は別々の追加部分で添加することができる。また、例えば鉄、銅、及び銀の水溶性塩のような促進剤が添加されてもよい。
重合反応の開始中、密閉した反応ケトル及びその内容物は、都合良く反応温度まで予熱される。重合温度は、20℃、30℃、又は更には40℃から、更には最大100℃、最大110℃、又は更には最大150℃であってもよい。重合圧力は、例えば、4〜30bar、特に8〜20barの範囲であってもよい。水性乳化重合システムは更に、緩衝剤及び錯体形成剤のような助剤を含んでもよい。
非晶質フルオロポリマーの調製では、例えば、プレエマルション又はホットエアロゾルスプレーの使用において、共溶媒を使用して、式IIで表されるジヨード化合物の小液滴を生成してもよい。共溶媒は、通常、少なくとも10℃、20℃、又は更には30℃の沸点を有するフッ素化有機液体である。しかしながら、上記のとおり、フッ素化ジヨードエーテル化合物は、それらのフッ素化炭化水素類似体よりも水溶性が高いことから、式Iのジヨード化合物を使用する時は共溶媒は必要ではない場合がある。したがって、一実施形態では、重合は有機溶媒なしで実施される。いくつかの実施形態では、非晶質フルオロポリマーを含む得られる分散体は、溶媒を実質的に含まない、つまり、分散体の総重量に対して1%未満が存在する。
重合の終了時に得られるポリマー固体の量は、典型的には少なくとも10重量%、又は更に少なくとも20重量%、かつ最大40重量%、又は更には最大45重量%である。フルオロプラスチック粒子の平均粒径は、上に記載している。非晶質フルオロポリマーの平均粒径はまた、50nm〜500nmでもよく、いくつかの実施形態では、80nm〜250nmでもよい。
重合後、非晶質ポリマー又はフルオロプラスチックを含む分散体を、当該技術分野で知られているように凝固及び洗浄してもよい。得られたラテックスを凝固させるには、フルオロポリマーラテックスの凝固のために一般に使用される任意の凝固剤を使用することができ、それは例えば、水溶性塩(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、又は硝酸アルミニウム)、酸(例えば、硝酸、塩酸、又は硫酸)、又は水溶性有機液体(例えば、アルコール又はアセトン)であってもよい。添加される凝固剤の量は、ラテックス100質量部当たり0.001〜20質量部の範囲、例えば、0.01〜10質量部の範囲であってもよい。あるいは、又は追加的に、ラテックスを、凝固させるために凍結してもよく、又は剪断によって凝固してもよい。凝固したフルオロポリマーは、濾過によって回収し、水で洗浄してよい。洗浄水は、例えば、イオン交換水、純水又は超純水であってもよい。洗浄水の量は、フルオロポリマーに対して1〜5倍の質量であってもよく、これにより、1回の洗浄で、フルオロポリマーに結合している乳化剤の量を十分に低減することができる。
本開示による組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、フルオロプラスチック粒子を含む第2のラテックスと、非晶質フルオロポリマーを含む第1のラテックスとを含むラテックスブレンドの形態である。組成物の製造方法は、フルオロプラスチック粒子を含む第1のラテックスと、非晶質フルオロポリマーを含む第2のラテックスとをブレンドすることを含み得る。第1のラテックスと第2のラテックスとのブレンドを、所望であれば、上記の方法のいずれかを用いて共凝固してもよい。又は、ブレンドを、高圧ホモジナイザーを用いて凝固することができ、溶解ガスの存在下での高剪断凝固も使用できる。高圧凝固法は、既知のフルオロプラスチック加工技術である(例えば、米国特許第5,463,021号)。一般的には、高圧均質化では、ラテックスブレンドを一連の狭い開口部を通して圧縮及び減圧して、凝固したブレンドを形成する。
いくつかの実施形態では(例えば、組成物に含まれる総金属イオン含有量が1ppm未満の実施形態では)、凝固剤として塩(例えば、アルカリ金属塩)を避けることが有用である。金属の混入を避けるために、凝固剤として、酸、アルカリ土類金属塩、及びその他の金属塩を避けることも有用となり得る。組成物に含まれる総金属イオン含有量が1ppm未満の実施形態では、高圧凝固又は凍結凝固が有用となり得る。
第1のラテックスと第2のラテックスとのブレンドは、非晶質フルオロポリマー又はフルオロプラスチックを含んでもよい第3のラテックスと更に組み合わされて、本開示による組成物を製造してもよい。第3のラテックスは、第1又は第2のラテックスのうちの1つと同じフルオロポリマー組成物を有してもよく、又は異なるフルオロポリマー組成物(例えば、異なる硬化部位モノマーを含む異なるモノマー)を有してもよい。いくつかの実施形態では、単離されたフルオロポリマーをブレンドすることによって本開示による組成物を製造することも有用である。例えば、単離及び乾燥された非晶質フルオロポリマーを、同じく単離及び乾燥された別の非晶質フルオロポリマーと混合してもよく、その際、非晶質フルオロポリマーのうちの1つのみがその中に分散されたフルオロプラスチック粒子を含む。
本開示の組成物中のフルオロプラスチックの量は、約1〜約95重量パーセント(重量%)、1〜約90重量%、又は1〜約50重量%であり得る。いくつかの実施形態では、組成物中のフルオロプラスチックの量は、少なくとも約5重量%であり、いくつかの実施形態では少なくとも約10重量%である。いくつかの実施形態では、組成物中のフルオロプラスチックの量は、約30重量%未満、いくつかの実施形態では約20重量%未満である。組成物中のフルオロプラスチックの量は、組成物の総重量に基づく。
本明細書に開示されるフルオロプラスチック粒子が硬化部位モノマー(例えば、CF=CFO(CFCN)を含む実施形態では、フルオロプラスチック粒子は、コモノマーを均質に組み込むことによって製造することができ、又は実質量の硬化部位モノマー(複数可)を添加する前に組成物の少なくとも約60mol%が重合されている場合にはコア−シェル材料として製造できる。フルオロプラスチックの有用な重合法の1つは乳化重合を伴い、当該方法では、最初に少なくとも60重量パーセント(重量%)(又は少なくとも70重量%)のフッ素化モノマー含有組成物を重合反応器に導入し、その後少なくとも70重量%(好ましくは少なくとも95重量%)の硬化部位含有組成物を反応器に導入する。硬化部位材料を、フッ素化モノマーと共重合させる。最終的に得られる結果は、コア−シェル構造を有し得るフルオロプラスチックであり、そのコアはフッ素化モノマーから誘導される単位を主に含み、シェルは窒素含有硬化部位を含む。このプロセスに関する更なる詳細は、米国特許第7,019,083号(Grootaert et al.)に見ることができる。
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、同一反応器内で実施される2段階重合で調製される。いくつかの実施形態では、第1の工程で半結晶性フルオロプラスチック(所望の粒径を有する)が調製され、第2の工程で非晶質フルオロポリマーが調製される。この手順を用いると、本開示による組成物は、コアは主としてフルオロプラスチックから誘導される単位を含み、シェルは非晶質フルオロポリマーを含む、コア−シェルポリマーの形態となり得る。他の実施形態では、第1の工程で非晶質フルオロポリマーが調製され、第2の工程でフルオロプラスチックが調製される。この手順を用いた場合、本開示による組成物は、コアは主として非晶質フルオロポリマーフルから誘導される単位を含み、シェはフルオロプラスチックを含む、コア−シェルポリマーの形態である。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される非晶質フルオロポリマー及び/又はフルオロプラスチックは高フッ素化ポリマーであり、すなわちポリマーは、ポリマーの総重量に対し、重量ベースで少なくとも50%、少なくとも60%、又は更には少なくとも70%、及び多くとも76%のフッ素を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される非晶質フルオロポリマー及び/又はフルオロプラスチックは、総金属イオン含有量が低い。これらの実施形態において、本開示による組成物は、半導体産業(例えば、半導体ウェットケミカルプロセス用途)並びに高純度を必要とするその他の用途に有用となり得る。いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、1ppm未満の総金属イオン含有量を含む。いくつかの実施形態では、組成物中の総金属イオン含有量は、500ppb又は200ppb未満である。
本明細書に開示される非晶質フルオロポリマー及び/又はフルオロプラスチックは、末端基を含む。本明細書で使用するとき、ポリマーの「末端基」という用語は、両端の基(すなわち、ポリマー主鎖の終端部にある基)並びに側基(すなわち、ポリマー主鎖から分岐している基)を含む。ポリマー鎖は、少なくとも1つの末端基(すなわち、2つの終端基)を含む。ポリマー鎖が分枝を含む場合、ポリマー鎖は、2つ以上の末端基を含むことになる。
式IIのジヨード化合物を用いて製造された非晶質フルオロポリマーが水素含有モノマー(例えば、VDF、エチレン、プロピレン等)から誘導される場合、フッ素化ポリマーは、少なくとも1つの−CHI末端基(例えば、少なくとも2、少なくとも4、少なくとも6、少なくとも8、又は更には少なくとも10)を含むことが分かっている。−CFI末端基の存在は、Boyer et al.によりMacromolecules,2005、Vol.38、10353−10362に記載されているように、C19FCl標準物質を使用して、−38〜−40ppmの領域を調べる標準的な19F NMR法によって検出されてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される非晶質フルオロポリマーは、1ポリマー鎖当たり1個又は複数のヨウ素原子(例えば、1ポリマー鎖当たり2、3、4、5個又は更にはそれより多くのヨウ素原子)を含み、これは重合中にヨウ素がフルオロポリマーに組み込まれていることを示す。
上記のように、臭素又はヨウ素原子は、重合中にポリマー鎖に組み込まれて、その後のの架橋点をもたらす。本開示において、理論に束縛されるものではないが、ヨウ素原子は、連鎖移動剤として機能する式IIのフッ素化ジヨードエーテル化合物により、非晶質フルオロポリマーに組み込まれるものと考えられる。非晶質フルオロポリマーは、硬化される前に、典型的には、式III:R−CF(I)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)−で表される末端セグメントを有するであろう。追加のヨウ素原子も、ヨウ素含有硬化部位モノマーを用いて組み込まれてもよい。
いくつかの実施形態では、非晶質フルオロポリマーは、0.01〜3重量%のヨウ素を含む。一実施形態では、本開示の高フッ素化ポリマーは、非晶質フルオロポリマーガムの総重量に対して少なくとも0.05、0.1、0.2又は更には0.3重量%のヨウ素を含む。一実施形態では、本開示の非晶質フルオロポリマーは、非晶質フルオロポリマーの総重量に対して多くとも0.4、0.5、又は更には0.75重量%のヨウ素ガムを含む。このようなヨウ素基は、ヨウ素連鎖移動剤による末端基及び/又はヨウ素含有硬化部位モノマーによる末端基であると考えられる。これらのヨウ素基は、その後非晶質フルオロポリマーの架橋に使用できる。一実施形態では、フルオロエラストマー組成物の製造においても、硬化部位モノマーは必要ではない場合がある。一方、他の実施形態では、硬化部位モノマーを含めることにより、フルオロポリマー中に更に硬化部位を増やすことが望ましい場合がある。
本明細書に開示される非晶質フルオロポリマーは、典型的には、5、10、15、20、30、40、50、60、80、又は更には100単位より大きく150単位以下のムーニー粘度(ML 1+10、121℃)を有する。ムーニー粘度は、例えば、ASTM D−1646−07(2012)により測定できる。フルオロエラストマーは、単峰性又は二峰性又は多峰性の分子量分布を有し得る。
いくつかの実施形態では、非晶質フルオロポリマーは、特にカルボニル含有量が低い。非晶質フルオロポリマーのカルボニル含有量は、フーリエ変換赤外分光分析(FTIR)に基づく積分吸光度比法によって測定することができる。当該方法は、カルボキシル、カルボキシレート、カルボキサミド基の測定にも用いられるものであって、高フッ素化エラストマーガムのプレスされたフィルムのFT−IRスペクトルの突出したピーク下の積分吸光度に補正されたベースラインに基づく。特に、約1620cm−1〜1840cm−1の最も突出したピークの積分吸光度を測定する。これらのピークは、ポリマー内に存在するカルボニル部分に起因する吸光度と一致する。1620cm−1〜1840cm−1の範囲内の最も強いピーク下の積分吸光度に補正されたこのベースラインは、2220cm−1〜2740cm−1のC−F高次倍音の積分吸光度に補正されたベースラインによって分割され、これは、試料の厚さを示す。これは、ポリマーのカルボキシル、カルボン酸塩、及びカルボキサミド含有量を特徴付けるカルボニル吸光度比を与える。本開示に有用なポリマーは、0.07未満、0.04未満、又は更には0.03未満の積分吸光度比を有する。当該測定方法は、米国特許第6,114,452号(Schmiegel)及び同第8,604,137号(Grootaert et al.)に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
酸性末端基の存在は、非晶質フルオロポリマーのいくつかの特性に悪影響を及ぼすことが知られている。したがって、これまで加熱技術を使用して、カルボキシレート末端基が非イオン末端基に変換されてきた。これらのカルボキシレート末端基は非イオン酸フッ化末端基に変換されるが、そのような酸フッ化末端基は、環境中の周囲水により緩やかに加水分解されて、カルボキシル末端基に戻るよう変換され得る。したがって、フルオロポリマーは熱処理後に積分吸光度比が低くなるが、時間経過とともに積分吸光度比は増加し得る。選択されたモノマー及び採用された重合方法から、一実施形態において本明細書に開示される非晶質フルオロポリマーは、イオン性末端基の量が極めて少なく、そのため、本明細書に開示される低い積分吸光度比を達成するのに熱処理を必要としない。
一実施形態では、非晶質フルオロポリマーは、特に少量で使用された場合に、分枝状ポリマーの生成によって非晶質フルオロポリマーの機械的特性及び/又は硬化挙動に好都合に影響するポリマー構造を有する。分枝又は非直線性の程度は、長鎖分枝指数(LCBI)によって特徴付けることができる。LCBIは、R.N.Shroff,H.Mavridis;Macromol.,32,8464−8464(1999)&34,7362−7367(2001)に記載されるように、次の等式に従って求めることができる。
Figure 2018531316
上記の等式では、分枝状ポリマーを溶融することができる溶媒中で、η0,brは、温度Tで測定された分枝状ポリマーのゼロ剪断粘度(単位Pa・s)であり、[η]brは、温度T’における分枝状ポリマーの固有粘度(単位mL/g)であり、a及びkは、定数である。これらの定数は、次の等式から求める:
Figure 2018531316
式中、η0,lin及び[η]linは、それぞれ、対応する直鎖ポリマーの、それぞれ同じ温度T及びT’並びに同じ溶媒中で測定されたゼロ剪断粘度及び固有粘度を表す。したがって、当然のことながら、同一の溶媒及び温度を等式1及び2で使用することを条件とする限り、LCBIは、選ばれた測定温度及び溶媒の選択とは無関係である。ゼロ剪断粘度及び固有粘度は、典型的には、凍結凝固ポリマーに関して求める。
使用されるフルオロポリマーのLCBIは、少なくとも0.2の値を有する必要がある。しかしながら、分枝のレベル(したがって、LCBI値)が大き過ぎる場合、ポリマーは、有機溶媒に溶融できないゲル分率を有する場合がある。当業者は、日常的な実験によってLCBIの適切な値を容易に求めることができる。一般に、LCBIは、0.2〜5、好ましくは0.5〜1.5であろう。一実施形態では、LCBIは、0.2、0.5、1、1.5、2、2.5、4、又は更には6よりも大きい。
本開示による組成物は、未硬化でも硬化されていてもよい。一般に使用される硬化系は、次にはフリーラジカルを生成すると考えられているペルオキシドを有する又は生成する適切な硬化化合物を使用したペルオキシド硬化反応に基づく。ペルオキシド硬化系での使用に適しているフルオロポリマー(ペルオキシド硬化性フルオロポリマー)は、臭素及び/又はヨウ素等のハロゲンを含む反応部位を含有する。臭素原子又はヨウ素原子は、フリーラジカルペルオキシド硬化反応に取り込まれ、それによってフルオロポリマー分子を架橋させ、三次元網目構造を形成させると一般に考えられている。したがって、本開示による組成物が硬化されたとき、それは、典型的には、式I:
−CF(R)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)−で表されるセグメントを、三次元網目構造内に有するであろう。
上記の組成物はその実施形態のいずれかにおいて、硬化されてフッ素化エラストマーになってもよい。硬化性組成物は、1又は複数の硬化系を含有し得る。いくつかの実施形態では、硬化系はペルオキシド硬化系である。ペルオキシド硬化系は、典型的には、有機ペルオキシドを含む。ペルオキシドは、活性化されると、組成物を硬化させて、架橋(硬化)フルオロエラストマーを形成する。好適な有機ペルオキシドは、硬化温度でフリーラジカルを生成する有機ペルオキシドである。50℃を超える温度で分解するジアルキルペルオキシド又はビス(ジアルキルペルオキシド)が特に好ましい。多くの場合、ペルオキシ酸素に結合した第三級炭素原子を有するジ−tert−ブチルペルオキシドを使用することが好ましい。この種のペルオキシドで最も有用なものは、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンである。他のペルオキシドは、過酸化ジクミルペル、過酸化ジベンゾイル、第三ブチルペルベンソエート、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−ジイソプロピルベンゼン)、及びジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)−ブチル]カーボネートなどであるがこれらに限定されない化合物から選択することができる。ペルオキシ酸素に結合した第三級炭素原子を有するtert−ブチルペルオキシドは、有用なペルオキシドの分類となり得る。ペルオキシドの更なる例としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジクミルペルオキシド、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジアルキルペルオキシド、ビス(ジアルキルペルオキシド)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)3−ヘキシン、ジベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、第三ブチルペルベンゾエート、ジ(t−ブチルペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、t−アミルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジ[1,3−ジメチル−3−(t−ブチルペルオキシ)ブチル]カーボネート、カルボノペルオキソ酸、O,O’−1,3−プロパンジイルOO,OO’−ビス(1,1−ジメチルエチル)エステル、及びこれらの組み合わせが挙げられる。使用されるペルオキシド硬化剤の量は通常、使用され得る非晶質フルオロポリマー及びフルオロプラスチック100部当たり、少なくとも0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.2、又は更には1.5、多くとも2、2.25、2.5、2.75、3、3.5、4、4.5、5、又は更には5.5重量部となる。
硬化剤は、担体、例えばシリカ含有担体上に存在してもよい。
ペルオキシド硬化系はまた、1又は複数の共作用剤(coagent)を含んでもよい。典型的には、共作用剤としては、ペルオキシドと協働して、有用な硬化をもたらすことのできる多価不飽和化合物が挙げられる。これらの共作用剤は、フルオロポリマー100部当たり、0.1〜10部、好ましくはフルオロポリマー100部当たり2〜5部の量で添加することができる。例示的な共作用剤としては、トリ(メチル)アリルイソシアヌレート(TMAIC)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリ(メチル)アリルシアヌレート、ポリ−トリアリルイソシアヌレート(ポリ−TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)、キシリレン−ビス(ジアリルイソシアヌレート)(XBD)、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジアリルフタレート、トリス(ジアリルアミン)−s−トリアジン、トリアリルホスファイト、1,2−ポリブタジエン、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。別の有用な共作用剤は、式CH2=CH−Rf1−CH=CH2[式中、Rf1は、1〜8個の炭素原子のペルフルオロアルキレンであり得る]で表すことができる。このような共作用剤は、最終硬化エラストマーの機械的強度を向上させる。
本開示によるフルオロポリマー組成物の硬化はまた、非晶質フルオロポリマー又はフルオロプラスチックのうちの少なくとも1つが窒素含有硬化部位を有する場合、二重硬化系を実施するための更に他の種類の硬化剤を使用することによって変更することもできる。ニトリル硬化部位を有する非晶質フルオロポリマーのこのような硬化剤の例としては、フルオロアルコキシオルガノホスホニウム(organophosphohium)、オルガノアンモニウム、又はオルガノスルホニウム化合物(例えば、国際公開第2010/151610号(Grootaert et al.)、ビス−アミノフェノール(例えば、米国特許第5,767,204号(Iwa et al.)及び同第5,700,879号(Yamamoto et al.))、ビス−アミドオキシム(例えば、米国特許第5,621,145号(Saito et al.))、及びアンモニウム塩(例えば、米国特許第5,565,512号(Saito et al.))が挙げられる。更に、米国特許第4,281,092号(Breazeale)及び同第5,554,680号(Ojakaar)に記載されているヒ素、アンチモン、及びスズの有機金属化合物(例えば、アリル−、プロパルギル−、トリフェニル−アレニル−、及びテトラフェニルスズ並びに水酸化トリフェニルスズ)、並びにアンモニア生成化合物が有用となり得る。「アンモニア生成化合物」は、周囲条件で固体又は液体であるが、硬化条件下でアンモニアを生成する化合物を含む。このような化合物としては、例えば、ヘキサメチレンテトラアミン(ウロトロピン)、ジシアンジアミド、及び式Aw+(NHw−[式中、Aw+は、Cu2+、Co2+、Co3+、Cu、及びNi2+等の金属カチオンであり、wは金属カチオンの価数に等しく、Yw−は対イオン(例えば、ハライド、サルフェート、ニトレート、アセテート)であり、xは1〜約7の整数である]の金属含有化合物が挙げられる。更なる例としては、式:
Figure 2018531316
[式中、Rは水素原子又は1〜約20個の炭素原子を有する置換若しくは非置換のアルキル、アリール、若しくはアラルキル基である]のもの等の置換及び非置換トリアジン誘導体が挙げられる。特定の有用なトリアジン誘導体としては、ヘキサヒドロ−1,3,5−s−トリアジン及びアセトアルデヒドアンモニア三量体が挙げられる。
硬化性組成物は、酸受容体を更に含有してもよい。フルオロエラストマー耐蒸気性及び耐水性を改善するために酸受容体を添加してもよい。かかる酸受容体は、無機酸受容体、又は無機酸受容体と有機酸受容体とのブレンドであることができる。無機受容体の例としては、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、第二リン酸鉛、酸化亜鉛、炭酸バリウム、水酸化ストロンチウム、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイトなどが挙げられる。有機受容体としては、エポキシ、ステアリン酸ナトリウム、及びシュウ酸マグネシウムが挙げられる。特に好適な酸受容体としては、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛が挙げられる。酸受容体のブレンドも同様に使用することができる。酸受容体の量は、概して、使用される酸受容体の性質に依存する。しかしながら、燃料電池シーラント又は半導体産業用ガスケットのようないくつかの用途では、低い金属含有量が要求される。したがって、いくつかの実施形態では、組成物は、かかる酸受容体を含まないか、又は組成物に含まれる総金属イオン含有量が1ppm未満となる量のこれら酸受容体を含む。
いくつかの実施形態では、硬化性組成物100部当たり0.5〜5部で酸受容体を使用する。他の実施形態において、酸受容体は不要であり、組成物は酸受容体を本質的に含まない。本開示の一実施形態において、金属含有酸受容体は不要であり、硬化性組成物は金属含有酸受容体を本質的に含まない。本明細書で使用するとき、酸受容体を本質的に含まない又は金属含有酸受容体を本質的に含まないとは、本開示による組成物100部当たり0.01、0.005、又は更には0.001部未満が存在するか、又は更には存在しないことを意味する。
フッ素化エラストマー組成物は、本開示による組成物、ペルオキシド硬化剤、及び任意に添加剤を、従来のゴム加工設備の中で混合することによって調製されて、当該技術分野において「コンパウンド」とも呼ばれる固体混合物、すなわち追加成分を含有する固体ポリマーがもたらされる。これらの成分を混合して他の成分を含有するかかる固体ポリマー組成物を生成するこのプロセスは、典型的には、「配合」(compounding)と呼ばれる。このような設備としては、ゴム用ロール機、バンバリーミキサなどの密閉式ミキサ、及び混合押出成形機が挙げられる。混合中の混合物の温度は、典型的には、約120℃を超えて上昇することはない。混合中、構成成分及び添加剤は、結果として得られるフッ素化ポリマー「コンパウンド」又はポリマーシート全体にわたって一様に分布する。この「コンパウンド」は、その後押出されるか、又は成形型内で、例えば、空洞又はトランスファー成形型内でプレスされ、続いてオーブン硬化され得る。代替的実施形態では、硬化は、オートクレーブで行われてもよい。
硬化は、典型的には、硬化性組成物を熱処理することによって達成される。熱処理は、硬化フルオロエラストマーを形成するのに有効な温度でかつ有効な時間行われる。最適条件は、硬化した高フッ素化エラストマーの機械的及び物理的特性を調べることにより、試験することができる。典型的には、硬化は、120℃超又は150℃超の温度で実行される。典型的な硬化条件としては、160℃〜210℃又は160℃〜190℃の温度での硬化が挙げられる。典型的な硬化期間としては、3〜90分間が挙げられる。硬化は、圧力下で行われるのが好ましい。例えば、10〜100barの圧力を印加してもよい。硬化プロセスの完全な完了を確実にするために、後硬化サイクルを適用してもよい。後硬化は、170℃〜250℃の温度で1〜24時間にわたって実施することができる。
本発明の硬化プロセスでは、高フッ素化ポリマーガムを、必要量のペルオキシド、共作用剤、及び他の構成成分(例えば、充填材、可塑剤、潤滑剤等)と共に、従来手段、例えば2本ロールミル内で、高温にて配合する。その後、フルオロポリマーガムを加工し、成形(例えば、ホース又はホースライニングの形状に)又は型成形(例えば、Oリングの形状に)する。次に、成形物品を加熱して、ガム組成物を硬化させ、硬化エラストマー物品を形成することができる。
硬化されたエラストマーは、高温及び/又は腐食性物質に曝される系、例えばとりわけ自動車、化学処理、半導体、航空宇宙、及び石油産業用途において、封止、ガスケット、及び成型品として特に有用である。このフルオロエラストマーは封止用途で使用され得るため、エラストマーが圧縮下で良好に機能することが重要である。圧縮封止は、容易に圧縮され、かつ接合表面上で押し戻す合力を発達させるエラストマーの能力に基づく。この合力を広域な環境条件に及ぶ時間に応じて維持する材料の能力は、長期安定性にとって重要である。熱膨張、応力緩和、及び熱エージングの結果、初期封止力は、時間と共に減衰するであろう。保持された封止力を測定することにより、様々な条件下、特に200℃、225℃、250℃、及び更には275℃などの高温条件下におけるエラストマー材の封止力保持性を評価することができる。
本開示のいくつかの実施形態
1.500nm未満の平均粒径を有するフルオロプラスチック粒子と、
非晶質フルオロポリマーであって、式Iで表されるセグメント:
−CF(R)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)− (I);又は
式IIIで表される末端セグメント:
−CF(I)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)− (III)
[式中、
Xは、F、H、及びClから独立して選択され、
及びR’は、F及び1〜3個の炭素原子を有する一価のペルフルオロアルキルから独立して選択され、
Rは、Fであるか又は1〜3個の炭素原子を有する部分フッ素化又は全フッ素化アルキルであり、
R”は、1〜8個の炭素原子を有する二価のフルオロアルキレン、又は1〜20個の炭素原子及び少なくとも1個のエーテル結合を有する二価のフッ素化アルキレンエーテルであり、
kは0又は1であり、n、m、p、及びqは、0〜5の整数から独立して選択され、ただしkが0のとき、n+mは少なくとも1であり、p+qは少なくとも1である]のうちの少なくとも1つを含む、非晶質フルオロポリマーと、
を含む、組成物。
2.非晶質フルオロポリマーが、
(a)次式IIのフッ素化ジヨードエーテル化合物:
−CF(I)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(I)−R’(II)
[式中、
Xは、F、H、及びClから独立して選択され、
及びR’は、F及び1〜3個の炭素原子を有する一価のペルフルオロアルキルから独立して選択され、
Rは、Fであるか又は1〜3個の炭素原子を有する部分フッ素化又は全フッ素化アルキルであり、
R”は、1〜8個の炭素原子を有する二価のフルオロアルキレン、又は1〜20個の炭素原子と少なくとも1つのエーテル結合とを有する二価のフッ素化アルキレンエーテルであり、
kは0又は1であり、n、m、p、及びqは、0〜5の整数から独立して選択され、ただしkが0のとき、n+mは少なくとも1であり、p+qは少なくとも1である]と、
(b)フッ素化オレフィンと、
を含む構成成分の反応生成物である、実施形態1に記載の組成物。
3.構成成分が、0.1〜1重量%の式IIのフッ素化ジヨードエーテル化合物を含む、実施形態2に記載の組成物。
4.非晶質フルオロポリマーが、フッ素化オレフィン単位と、(a)Br硬化部位、(b)I硬化部位、(c)ニトリル硬化部位、又は(d)炭素−炭素二重結合のうちの少なくとも1つを含む単位と、を含む非晶質コポリマーである、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
5.式Iで表されるセグメント又は式IIIで表される末端セグメントが、1重量%未満の水素を含む、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
6.式Iで表されるセグメント又は式IIIで表される末端セグメントのうちの少なくとも1つが全フッ素化されている、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
7.フッ素化オレフィンが、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、又はヘキサフルオロプロピレンのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
8.非晶質フルオロポリマーが、フッ素化オレフィンと、フッ素化ビニルエーテル又はフッ素化アリルエーテルのうちの少なくとも1つとの非晶質コポリマーである、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の組成物。
9.フッ素化オレフィンがテトラフルオロエチレンであり、フッ素化ビニルエーテルが、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)、ペルフルオロ(n−プロピルビニル)エーテル(PPVE−1)、ペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル(PPVE−2)、ペルフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルビニルエーテル、ペルフルオロ−2−メトキシ−エチルビニルエーテル、又は
CF−(CF−O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF=CFのうちの少なくとも1つを含む、実施形態8に記載の組成物。
10.フッ素化アリルエーテルが、ペルフルオロ(メチルアリル)エーテル、ペルフルオロ(エチルアリル)エーテル、ペルフルオロ(n−プロピルアリル)エーテル、ペルフルオロ−2−プロポキシプロピルアリルエーテル、ペルフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルアリルエーテル、ペルフルオロ−2−メトキシ−エチルアリルエーテル、又はCF−(CF−O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CF−O−CFCF=CFのうちの少なくとも1つを含む、実施形態9に記載の組成物。
11.非晶質フルオロポリマーが、非フッ素化モノマーからの単位を更に含む、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の組成物。
12.非フッ素化モノマーが、エチレン、プロピレン、又はこれらの組み合わせである、実施形態11に記載の組成物。
13.フルオロプラスチック粒子が、約10〜約500nmの範囲の平均粒径を有する、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の組成物。
14.フルオロプラスチック粒子が、フッ素化オレフィンのフルオロプラスチックポリマー又はコポリマーを含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の組成物。
15.フルオロプラスチック粒子が、フッ素化オレフィンとフッ素化ビニルエーテル又はフッ素化アリルエーテルのうちの少なくとも1つとのフルオロプラスチックコポリマーを含む、実施形態14に記載の組成物。
16.フッ素化オレフィンがテトラフルオロエチレンであり、フッ素化ビニルエーテルが、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)、ペルフルオロ(n−プロピルビニル)エーテル(PPVE−1)、ペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル(PPVE−2)、ペルフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルビニルエーテル、ペルフルオロ−2−メトキシ−エチルビニルエーテル、又は
CF−(CF−O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF=CFのうちの少なくとも1つを含む、実施形態15に記載の組成物。
17.フルオロプラスチックコポリマーが、(a)Br硬化部位、(b)I硬化部位、(c)ニトリル硬化部位、又は(d)炭素−炭素二重結合のうちの少なくとも1つを含む単位を更に含む、実施形態14〜16のいずれか1つに記載の組成物。
18.フルオロプラスチック粒子がコア−シェル粒子であり、コアはフッ素化オレフィンの単位を含み、シェルは硬化部位を含む、実施形態17に記載の組成物。
19.組成物がコア−シェルポリマーの形態であり、コアはフルオロプラスチック粒子を含み、シェルは非晶質フルオロポリマーを含む、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の組成物。
20.組成物がコア−シェル粒子の形態であり、コアは非晶質フルオロポリマーを含み、シェルはフルオロプラスチックを含む、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の組成物。
21.組成物が、フルオロプラスチック粒子を含む第2のラテックスと非晶質フルオロポリマーを含む第1のラテックスとを含む、ラテックスブレンドである、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の組成物。
22.フルオロプラスチック粒子は、組成物の総重量に基づいて、最大95重量%の量で存在する、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の組成物。
23.組成物が最大1ppmの金属イオンを含む、実施形態1〜22のいずれか1つに記載の組成物。
24.フルオロプラスチック粒子を含む第1のラテックスと、非晶質フルオロポリマーを含む第2のラテックスとをブレンドすることを含む、実施形態1〜18のいずれか1つに記載の組成物の製造方法。
25.実施形態1〜23のいずれか1つに記載の組成物とペルオキシドとの硬化反応の反応生成物を含む、硬化フルオロエラストマー。
26.実施形態25に記載の硬化フルオロエラストマーを含む、成形物品。
27.成形物品が、ホース、チューブ、又はOリングのうちの少なくとも1つである、実施形態20に記載の成形物品。
以下の実施例に示すように、数マイクロメートルの粒径を有する熱可塑性材料を含む硬化非晶質フルオロポリマーは、圧縮下で分裂した。本開示による硬化組成物は、圧縮下で分裂しなかった。
実施例において次の略語が使用される:min=分、hrs=時間、nm=ナノメートル、MPa=メガパスカル、dNm=デシニュートンメートル、comp set=圧縮永久歪み、重量%=重量パーセント、phr=ゴム100当たりの部数。
表示する結果は、特記のない限り、以下の試験方法を用いて得られた。試験結果を下の表に示す。
試験方法
粒径:ラテックスの粒径の測定は、Malvern(Worchestershire,UK)から商品名「Zetasizer 1000HSA」で入手可能な計器を用いて、DIN ISO 13321:2004−10に記載の同様の手順に従って、動的光散乱によって実施した。報告する平均粒径は、z平均である。測定前に、重合から得られたポリマーラテックスを、Riedel−de Haenから入手可能な0.01mol/LのNaCl溶液で希釈した。全ての場合において測定温度は20℃であった。
硬化レオロジー:表1の結果が得られた硬化レオロジー試験は、未硬化の配合試料を用い、Alpha technologies(Akron,OH)から商品名「MDR2000」で販売されているレオメータを使用して、ASTM D5289−93aに従い、177℃、前加熱なし、経過時間15分、及びアーク0.5度で実施した。表2の結果が得られた硬化レオロジー試験は、未硬化の配合試料を用い、Alpha technologies(Akron,OH)から商品名「PPA2000」で販売されているレオメータを使用して、ASTM D5289−93aに従い、160℃、前加熱なし、経過時間20分、及びアーク0.5度で実施した。いずれの表に示す結果も、最小トルク(M)と、平坦域又は最大トルクが得られない場合は特定の期間中に到達した最高トルク(M)との両方を測定した。また、トルクがMを超え2単位増加する時間(t2)、トルクがM+0.1(M−M)に等しい値に到達する時間(t’10)、トルクがM+0.5(M−M)に等しい値に到達する時間(t’50)、及びトルクがM+0.9(M−M)に到達する時間(t’90)も測定した。表1及び2に結果を示す。
コンパウンド配合:以下に記載し、表1及び表2に示すように、各試料のポリマーを、ペルオキシド硬化パッケージを用いてプレス硬化し、様々な物理的特性を測定した。バッチを、表1及び表2に掲載した量の材料を用い、2本ロールミル上にて配合した。
プレス硬化:150×150×2.0mmの試料シート及び断面厚さ3.5mmのOリングを、約6.9MPaでプレスすることによって、物理的特性の測定用に調製した。表1に示す実施例及び比較例の試料シート及びOリングを、177℃で5分間プレスした。表2に示す実施例及び比較例の試料シート及びOリングを、160℃で20分間プレスした。
後硬化:プレス硬化した試料シート及びOリングを、表1に示す実施例及び比較例については200℃で16時間、表2に示す実施例及び比較例については200℃で8時間、空気中で加熱した。すべての試料は試験前に周囲温度に戻した。
物理的特性:ダンベル状試験片をシートから切り出し、ASTM D412−06a(2013)に開示されている手順と同様に、物理特性試験を行った。
硬度:ASTM D2240−85 Method Aを用い、Type A2ショアデュロメーターで試料を測定した。単位はショアAスケール上の点で報告される。
圧縮永久歪み:Oリングを、D1414−94(2013)/ASTM 395−03の方法Bに開示されている手順と同様の圧縮永久歪み試験を行った(初期歪み25%)。結果を以下の表1及び表2に示す。
ペルフルオロエラストマーA
61.0mol%のテトラフルオロエチレン及び39.0mol%のペルフルオロメチルビニルエーテルのインターポリマー化単位とヨウ素含有硬化部位モノマーとを有する水性乳化重合によるペルフルオロポリマーは、国際公開第2015/134435号の実施例4に記載のとおりに調製した。
調製例B
ペルフルオロエラストマーラテックスを、国際公開第2015/134435号の実施例4のラテックスに関する記載に、ラテックスを凝固及び乾燥しないという変更を加えて、調製した。代わりに、ラテックス(70重量%)を、アンモニウムペルフルオロオクタノエートの代わりに(CF−O−(CF−O−CHF−CF−COONH)を使用した点を除いて米国特許第6,734,254号の「フルオロプラスチックB」に関する記載のとおりに調製した分散体(30重量%)とブレンドした。「フルオロプラスチックB」は、テトラフルオロエチレンとペルフルオロプロピルビニルエーテルとのポリマー(PFA)である。この分散体中のフルオロプラスチックの平均粒径は、140nmであった。その後、ラテックスブレンドを、凍結凝固、洗浄し、115℃で16時間乾燥した。
調製例C
ペルフルオロエラストマーラテックスを、国際公開第2015/134435号の実施例4のラテックスに関する記載に、ラテックスを凝固及び乾燥しないという変更を加えて、調製した。代わりに、ラテックス(70重量%)を、米国特許第7,019,083号の「フルオロプラスチックC]に関する記載のとおりに調製した分散体(30重量%)とブレンドした。「フルオロプラスチックC」は、テトラフルオロエチレン、ペルフルオロプロピルビニルエーテル及び硬化部位モノマーCF=CFO(CFCNのポリマー(PFA)である。この分散体中のフルオロプラスチックの平均粒径は、130nmであった。その後、ラテックスのブレンドを、凍結凝固、洗浄し、115℃で16時間乾燥した。
実施例1〜4
実施例1では、67phrのペルフルオロエラストマーA及び33phrの調製例Cを、2.5phrのTAIC72%(トリアリルイソシアヌレートと二酸化ケイ素とのブレンド、商品名「TAIC DLC−A」でNatrochem,Inc.(Savannah,GA)から入手可能)及び2phrのDBPH50%(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサン、50%活性、商品名「VAROX DBPH−50」 でVanderbilt Chemicals,LLC.(Norwalk,CT)から入手可能)と配合した。実施例2は、33phrのペルフルオロエラストマーA及び67phrの調製例Cを使用したことを除いて、実施例1と同様に調製した。実施例3では、100phrの調製例Cを、2.5phrのTAIC72%及び2phrのDBPH50%と配合した。実施例4は、67phrの調製例Bを調製例Cの代わりに使用したことを除き、実施例2と同様に調製した。結果を下の表1に示す。
実施例5、6、及び7
実施例5では、33.3phrの調製例C及び66.7phrのペルフルオロエラストマーAを、2phrのTAIC(トリアリルイソシアヌレート、商品名「TAIC」で日本化成株式会社は(日本)から入手可能)及び1.25phrのDBPHニート(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−ヘキサン、100%、商品名「PERHEXA 25B」でNOF Corporationから入手可能)と配合した。実施例6及び7は、実施例6では66.7phrの調製例C及び33.3phrのペルフルオロエラストマーAを使用し、実施例7では100phrの調製例C及び0phrのペルフルオロエラストマーAを使用した点を除き、実施例5と同様に調製した。結果を下の表2に示す。
比較例1及び2(Comp.Ex−1及びComp.Ex−2)
比較例1では、80phrのペルフルオロエラストマーA及び20phrのPFA粉末(商品名「PFA−6502TAZ」で3M(St.Paul,MN)から入手可能)を、2.5phrのTAIC72%及び2phrのDBPH50%と配合した。PFA粉末は、篩い分け法によって測定したときに、2000μmよりも大きい粒子を2%未満有し、200μmよりも大きい粒子を65%より多く有した。したがって、平均粒径は200〜2000μmであると結論付けた。比較例2は、100phrのペルフルオロエラストマーA及び0phrの「PFA 6502 TAZ」PFA粉末を使用したことを除いて、比較例1と同様に調製した。結果を下の表1に示す。
比較例3、4、及び5(Comp.EX−3 −4、及び−5)
比較例3では、90phrのペルフルオロエラストマーA及び10phrのPFA粉末(商品名「PFA−6503PAZ」で3M(St.Paul,MN)から入手可能)を、2phrのTAIC及び1.25phrのDBPHニートと配合した。PFA粉末は、約30μmの平均粒径を有する。比較例4及び5は、比較例4では80phrのペルフルオロエラストマーA及び20phrの「PFA−6503PAZ」PFA粉末を使用し、比較例5では70phrのペルフルオロエラストマーA及び30phrの「PFA−6503PAZ」PFA粉末を使用した点を除き、比較例3と同様に調製した。結果を下の表2に示す。
下の表1及び表2において、空白は、その表示材料が添加されなかったことを意味する。頭文字n.d.は、「未測定」を意味する。
Figure 2018531316

Figure 2018531316
本開示の範囲及び趣旨から外れることなく、本開示の予測可能な修正及び変更は、当業者にとって明白であろう。本発明は、例示目的のために本出願に記載した実施形態に限定されるものではない。

Claims (16)

  1. 500nm未満の平均粒径を有するフルオロプラスチック粒子と、
    非晶質フルオロポリマーであって、
    式Iで表されるセグメント:
    −CF(R)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)−(I);又は
    式IIIで表される末端セグメント:
    −CF(I)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(R’)−(III)
    [式中、
    各Xは、独立してF、H、又はClであり、
    及びR’は、それぞれ独立して、Fであるか又は1〜3個の炭素原子を有する一価のペルフルオロアルキルであり、
    Rは、Fであるか又は1〜3個の炭素原子を有する部分フッ素化又は全フッ素化アルキルであり、
    R”は、1〜8個の炭素原子を有する二価のフルオロアルキレン、又は1〜20個の炭素原子と少なくとも1つのエーテル結合とを有する二価のフッ素化アルキレンエーテルであり、
    kは0又は1であり、n、m、p、及びqは、それぞれ独立して0〜5の整数であり、ただしkが0のとき、n+mは少なくとも1であり、p+qは少なくとも1である]
    のうちの少なくとも1つを含む非晶質フルオロポリマーと、
    を含む、組成物。
  2. 前記非晶質フルオロポリマーが、
    (a)次式IIのフッ素化ジヨードエーテル化合物:
    −CF(I)−(CX−(CXCXR)−O−R”−O−(CXR’CX−(CX−CF(I)−R’(II)
    [式中、
    各Xは、独立してF、H、又はClであり、
    及びR’は、それぞれ独立して、Fであるか又は1〜3個の炭素原子を有する一価のペルフルオロアルキルであり、
    Rは、Fであるか又は1〜3個の炭素原子を有する部分フッ素化又は全フッ素化アルキルであり、
    R”は、1〜8個の炭素原子を有する二価のフルオロアルキレン、又は1〜20個の炭素原子と少なくとも1つのエーテル結合とを有する二価のフッ素化アルキレンエーテルであり、
    kは0又は1であり、n、m、p、及びqは、それぞれ独立して0〜5の整数であり、ただしkが0のとき、n+mは少なくとも1であり、p+qは少なくとも1である]と、
    (b)フッ素化オレフィンと、
    を含む構成成分の反応生成物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記構成成分が、0.1〜1重量%の前記式IIのフッ素化ジヨードエーテル化合物を含む、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記非晶質フルオロポリマーが、フッ素化オレフィン単位と、(a)Br硬化部位、(b)I硬化部位、(c)ニトリル硬化部位、又は(d)炭素−炭素二重結合のうちの少なくとも1つを含む単位と、を含む非晶質コポリマーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記式Iで表されるセグメント又は前記式IIIで表される末端セグメントのうちの少なくとも1つが全フッ素化されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記非晶質フルオロポリマーが、フッ素化オレフィンと、フッ素化ビニルエーテル又はフッ素化アリルエーテルのうちの少なくとも1つと、の非晶質コポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記フッ素化オレフィンが、テトラフルオロエチレンであり、前記フッ素化ビニルエーテルが、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)、ペルフルオロ(n−プロピルビニル)エーテル(PPVE−1)、ペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル(PPVE−2)、ペルフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルビニルエーテル、ペルフルオロ−2−メトキシ−エチルビニルエーテル、又はCF−(CF−O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF=CFのうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記フルオロプラスチック粒子が、フッ素化オレフィンのフルオロプラスチックポリマー又はフルオロプラスチックコポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記フルオロプラスチック粒子が、前記フッ素化オレフィンとフッ素化ビニルエーテル又はフッ素化アリルエーテルのうちの少なくとも1つとの前記フルオロプラスチックコポリマーを含む、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記フッ素化オレフィンが、テトラフルオロエチレンであり、前記フッ素化ビニルエーテルが、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)、ペルフルオロ(n−プロピルビニル)エーテル(PPVE−1)、ペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル(PPVE−2)、ペルフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルビニルエーテル、ペルフルオロ−2−メトキシ−エチルビニルエーテル、又はCF−(CF−O−CF(CF)−CF−O−CF(CF)−CF−O−CF=CFのうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記フルオロプラスチックコポリマーが、(a)Br硬化部位、(b)I硬化部位、(c)ニトリル硬化部位、又は(d)炭素−炭素二重結合のうちの少なくとも1つを含む単位を更に含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 前記フルオロプラスチック粒子が、前記組成物の総重量に基づいて、最大95重量%の量で存在する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 前記組成物が、前記フルオロプラスチック粒子を含む第2のラテックスと、前記非晶質フルオロポリマーを含む第1のラテックスと、を含むラテックスブレンドである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 前記フルオロプラスチック粒子を含む第1のラテックスと、前記非晶質フルオロポリマーを含む第2のラテックスと、をブレンドすることを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物とペルオキシドとの硬化反応の生成物を含む、硬化フルオロエラストマー。
  16. 請求項15に記載の硬化フルオロエラストマーを含む、成形物品。
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