JP6571639B2 - ビニルペルフルオロアルキル又はビニルペルフルオロアルキレンオキシドペルフルオロビニルエーテルに由来するモノマー単位を含むフルオロポリマー - Google Patents
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Description
「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は互換可能に使用され、1以上を意味する。
用語「及び/又は」は、生じ得る記載事例の一方又は両方を指すために用いられ、例えば、A及び/又はBは、(A及びB)並びに(A又はB)の両方を含む。
「主鎖」は、ポリマーの主となる連続鎖を指す。
「連結した」は、直列に結合していることを指し、例えば、連結した酸素原子は、エーテル酸素を指す。
「架橋」は、2つの予め形成されたポリマー鎖を、化学結合又は化学基を用いて接続することを指す。
「硬化部位」は、架橋に関与する場合がある、官能基を指す。
「共重合」は、モノマーが一緒に重合されてポリマー主鎖を形成することを指す。
「モノマー」は、重合を経てその後ポリマーの基本的構造の部分を形成することができる分子である。
「ポリマー」は、少なくとも50,000ダルトン、少なくとも100,000ダルトン、少なくとも300,000ダルトン、少なくとも500,000ダルトン、少なくとも750,000ダルトン、少なくとも1,000,000ダルトン、又は更には少なくとも1,500,000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有するマクロ構造を指す。
式中、nは1又は0であり、Rfは、1個以上の酸素原子の割り込みがあってもよい又はなくてもよいアルキル残基を表す。かかるエーテルの例としては、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)、ペルフルオロ(n−プロピルビニル)エーテル(PPVE−1)、ペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル(PPVE−2)、ペルフルオロ−3−メトキシ−n−プロピルビニルエーテル、ペルフルオロ−2−メトキシ−エチルビニルエーテル、及びCF3−(CF2)2−O−CF(CF3)−CF2−O−CF(CF3)−CF2−O−CF=CF2などの全フッ素化ビニルエーテル(PVE)が挙げられるが、これらに限定されない。
Y−Rf−Z−M
に対応するものであり、式中、Yは、水素、Cl、又はFを表し、Rfは、4〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖全フッ素化アルキレンを表し、Zは、COO−又はSO3 −を表わし、Mは、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを表す。例示的なフッ素化界面活性剤としては、ペルフルオロオクタン酸及びペルフルオロオクタンスルホン酸などの全フッ素化アルカン酸のアンモニウム塩を含む。
[Rf−O−L−COO−]iXi +(VI)
のものであり、式中、Lは、直鎖部分フッ素化若しくは完全フッ素化アルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、Rfは、直鎖部分フッ素化若しくは完全フッ素化脂肪族基、又は1つ以上の酸素原子で中断された直鎖部分フッ素化若しくは完全フッ素化基を表し、Xi +は、価数iを有する陽イオンを表し、iは、1、2、及び3である。具体的な実施例は、例えば、米国特許公開第2007/0015937号(Hintzerら)に記載されている。例示的な乳化剤としては、CF3CF2OCF2CF2OCF2COOH、CHF2(CF2)5COOH、CF3(CF2)6COOH、CF3O(CF2)3OCF(CF3)COOH、CF3CF2CH2OCF2CH2OCF2COOH、CF3O(CF2)3OCHFCF2COOH、CF3O(CF2)3OCF2COOH、CF3(CF2)3(CH2CF2)2CF2CF2CF2COOH、CF3(CF2)2CH2(CF2)2COOH、CF3(CF2)2COOH、CF3(CF2)2(OCF(CF3)CF2)OCF(CF3)COOH、CF3(CF2)2(OCF2CF2)4OCF(CF3)COOH、CF3CF2O(CF2CF2O)3CF2COOH、及びその塩が挙げられる。一実施形態では、界面活性剤の分子量は、1500、1000、又は更には500グラム/モル未満である。
A:265℃での剪断粘度及び35℃でのメチルエチルケトン中の固有粘度
B:230℃での剪断粘度及び23℃でのジメチルホルムアミド中の固有粘度
C:230℃での剪断粘度及び110℃でのジメチルホルムアミド中の固有粘度。
ムーニー粘度
ムーニー粘度値を、121℃で、大きなローター(ML 1+10)を使用して、MV2000測定器(Alpha Technologies(Ohio)から入手可能)によりASTM D 1646−06 Type Aに記載のものと同様の方法で測定した。結果はムーニー単位で報告されている。
硬化レオロジー試験を、硬化していないコンパウンドされた試料を使用して、Monsanto Company(Saint Louis,Missouri)によって商標名Monsanto Moving Die Rheometer(MDR)Model 2000型として販売されているレオメータを使用して、ASTM D5289−93aに従い、177℃で、前加熱なし、経過時間30分、及び0.5度arcで実施した。最小トルク(ML)、及び平坦域又は最大トルク(MH)が得られない場合は特定の期間中に到達する最も高いトルクの両方を、測定した。また、トルクがMLより上に2単位増加する時間(ts2)、トルクがML+0.5(MH−ML)に等しい値に到達する時間、(t’50)、及びトルクがML+0.9(MH−ML)に到達する時間、(t’90)、並びにML及びMHでのtan(デルタ)も測定した。tan(デルタ)は、引張損失弾性率と引張貯蔵弾性率との比率に等しい(tan(デルタ)がより低いということはより弾性であることを意味する)。結果を表1に報告する。
0.139インチ(3.5mm)の断面厚さを有するOリングを、成形し(177℃で10分間の硬化)、引き続き200℃の空気中で8時間の後硬化を行った。Oリングを、表2及び3の通りの様々な時間及び温度での25%の初期たわみで、ASTM 395−89方法Bに記載のものと同様の方法に従って圧縮永久歪み試験に供した(3回ずつ分析した)。
機械攪拌機、コンデンサ、追加漏斗、及び熱電対を装備した5リットルの3首丸底フラスコを、15℃で撹拌しながら151g(3.9mol)のNaBH4及び1250gのイソプロパノールで充填した。米国特許第6,624,328号(Guerra)の実施例の章A〜Cに記載の通りに作製された750g(1.97mol)のCF2=CFOC4F8SO2Fの添加を、35℃で5時間にわたって行い、1時間撹拌した。その後600g(2.0mol)の33%のH2SO4を25℃で添加した後、1250gの水に溶解した520gのNaClが続き、生成物の上相を単離した。生成物の上相の第2の抽出を、750gの水に溶解した310gのNaClを添加することによって行い、生成物の上相を単離した。回転式蒸発によって溶媒を除去して、1867gのCF2=CFOC4F8SO2H還元水性生成物溶液を与えた。機械攪拌機、コンデンサ、及び熱電対を装備した5リットルの3首丸底フラスコを、400gのアセトニトリル及び600gの水と一緒に、377g(1.48mol)のヨウ素及び352g(1.48mol)のNa2S2O8で充填し、50℃で撹拌した。1867gのCF2=CFOC4F8SO2H還元水性生成物溶液の添加を、2時間にわたって行った。この反応を、最高72℃で16時間加熱させた。この反応物を、25℃に冷却し、100gの水中20gのNaHSO3を添加して水溶液を脱色した。相分離後、より低い生成物相を、300gの蒸留水で洗浄し、蒸留して558gのMV4I、CF2=CFOC4F8Iを得、FNMR及びGCMSによって確定した。
600mlのParr反応器内に、3g(0.01mol)のt−ブチル−2−エチルヘキサン酸ペルオキシドと共に200g(0.47mol)のCF2=CFOC4F8I MV4Iを真空充填することによって、上述のMV4Iへのエチレンの添加を行った。反応器を、65℃に加熱し、14g(0.5mol)のエチレンを、18psi(0.12MPa)の反応器圧で1時間にわたって添加した。反応器を、25℃に冷却し、214gを排出した。真空蒸留により、105℃/46mmの沸騰を与え、19FNMRによって決定されるように、72%のCF2=CFOC4F8CH2CH2I MV4EI及び18.8%の環状ICH2CH2CF2−(CFOC4F8)として、192gの105℃/46mmでの沸騰を与えた。
CF2=CFOC4F8SO2FのClCF2CFClOC4F8SO2Fへの塩素化:機械攪拌機、コンデンサ、及び熱電対を装備した1リットルの3首丸底フラスコに、米国第6,624,328号に記載の通りに調製した1000g(2.63mol)のCF2=CFOC4F8SO2F(MV4S)を充填し、187g(2.64mol)の塩素を、気泡を発生して入れた。この反応を、2時間の添加にわたって最高50℃に加熱させた。添加後反応温度を25℃に下降させ、生成物を88℃/60mmで蒸留して99.1%の収率で1176g(2.61mol)得た。
窒素流入口及び流出口及びIKA UltraTurraxミキサを装備した1000mLの3首丸底フラスコに、17g(40mmol)のMV4I(CF2=CFOCF2CF2CF2CF2I)と、13g(40mmol)のMV4E(CF2=CFOCF2CF2CF2CF2CH=CH2)と、64g(142mmol)のDIOFBと、6gの、1.5重量%の「FLUORINERT FC−70」を添加したCF3OCF2CF2CF2OCHFCF2CO2Hの30%水溶液と、110gの脱イオン水と、を充填した。得られる混合物を、窒素雰囲気下で5分間ミキサの最大設定(23,800rpm)で撹拌した。この混合物は、室温で数時間安定している不透明マイクロエマルションを形成した。このマイクロエマルションを、ペルフルオロエラストマーの調製に使用した。
マイクロエマルションBを、35gのMV4I及び100gの水を使用したことを除いて、マイクロエマルションAと同様に調製した。
マイクロエマルションCを、MV4Iを使用せず135gの水を使用したことを除いて、マイクロエマルションAと同様に調製した。
窒素流入口及び流出口並びにIKA UltraTurraxミキサを装備した1000mLの3首丸底フラスコに、50g(154mmol)のMV4E(CF2=CFOCF2CF2CF2CF2CH=CH2)と、6gの、1.5重量%の「FLUORINERT FC−70」を添加したCF3OCF2CF2CF2OCHFCF2CO2Hの30%水溶液と、300gの脱イオン水と、を充填した。得られる混合物を、窒素雰囲気下で5分間ミキサの最大設定(23,800rpm)で撹拌した。
マイクロエマルションEを、60gのDIOFBを使用したことを除いて、マイクロエマルションDと同様に調製した。
マイクロエマルションFを、60gのDIOFB及び25gのMV4Eを使用したことを除いて、マイクロエマルションDと同様に調製した。
マイクロエマルションGを、32gのMV4I及び300gの水を使用し、MV4Eを使用しなかったことを除いて、マイクロエマルションAと同様に調製した。
マイクロエマルションHを、25gのMV4E及び90gのDIOFBを使用したことを除いて、マイクロエマルションGと同様に調製した。
窒素流入口及び流出口及びIKA UltraTurraxミキサを装備した1000mLの3首丸底フラスコに、35g(82mmol)のMV4I(CF2=CFOCF2CF2CF2CF2I)と、13g(40mmol)のMV4E(CF2=CFOCF2CF2CF2CF2CH=CH2)と、48g(106mmol)のDIOFBと、6gの、1.5重量%の「FLUORINERT FC−70」を添加したCF3OCF2CF2CF2OCHFCF2CO2Hの30%水溶液と、113gの脱イオン水と、を充填した。得られる混合物を、窒素雰囲気下で5分間ミキサの最大設定(23,800rpm)で撹拌した。
マイクロエマルションJを、13gのMV4E、64gのDIOFB、及び135gの水を使用したことを除いて、マイクロエマルションDと同様に調製した。
マイクロエマルションKを、34gのMV4EI、13gのMV4E、32gのDIOFB、及び125gの水を使用したことを除いて、マイクロエマルションDと同様に調製した。
4リットルの反応器を、2450gの脱イオン水で充填し、72℃に加熱し、一連の3回の真空吸引及び窒素による真空遮断を実行することによって不活性化した。第3回目の真空吸引からの反応器の真空を用いて、反応器を、58gの、1.5重量%の「FLUORINERT FC−70」を添加したCF3OCF2CF2CF2OCHFCF2CO2Hの30%水溶液と、種々の量の過硫酸アンモニウム(APS)(表1に示される通り)と、4.26gの28%の水酸化アンモニウムと、で充填した。得られる混合物を、650rpmで撹拌して、真空を、25gのペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)で遮断した。その後、反応器圧を、PMVEとテトラフルオロエチレン(TFE)との3:1の混合で、190psig(1.3MPa)に上昇させた。その後、680gのPMVE、675gのTFE、及び種々の量のマイクロエマルション(表1に示される通り)を、190psig(1.3MPa)の反応器圧を維持するような速度で反応器に添加した(実際の実行時間については表1を参照のこと)。添加が完了したら、撹拌機を150rpmに減速させ、バッチを38℃に冷却し、過剰な圧力を大気開放した。得られるラテックスは、34%の固形分及び2.90のpHを有した。ポリマーラテックスを、3000グラムの蒸留水及び37.5グラムのMgCl2・6H2Oの撹拌した塩の水溶液に添加することによって凝固させた。すべてのラテックスが添加されると、混合物を、更に10分間撹拌した。その後、水/ガムスラリーを、チーズクロスを通して濾過し、収集したガムを、脱イオン水ですすいだ。この洗浄手順を、合計4回の洗浄にわたって繰り返した。その後、ガムを、130℃で16時間空気循環オーブン内で乾燥させた。
ポリマーを、マイクロエマルション及び表1に詳述の量を用いて「ペルフルオロエラストマーの一般的な調製」の章で記載した方法で作製した。表1には、試料のそれぞれに対する重合時間及び得られる分散の固形分も示される。
Claims (10)
- (i)重合可能なフッ素化オレフィン系モノマーと、(ii)CF2=CFO−Rf−CH=CH2(式中、Rfは、全フッ素化アルキレン基であり、所望により連結したO原子を含むが、但し、前記Rf基が、前記ビニルエーテル基の前記酸素原子と前記ビニル基との間の2又は3個の連結した原子のみからなるものではないことを条件とする)から選択される炭化水素オレフィン含有ペルフルオロビニルエーテルモノマーと、の重合に由来するフルオロポリマーを含み、前記フルオロポリマーが、(a)全フッ素化一ヨウ化アルキル、全フッ素化二ヨウ化アルキル、全フッ素化一臭化アルキル、及び全フッ素化二臭化アルキルのうちの少なくとも1つから選択される連鎖移動剤、及び/又は(b)CF2=CHBr、CH2=CHCH2Br、CF2=CFCF2Br、CH2=CHCF2CF2Br、CF2=CHI、CH2=CHCH2I、CF2=CFCF2I、CH2=CHCF2CF2I、CF2=CFOC4F8I、CF2=CFOC2F4I、CF2=CFOCF2CF(CF3)OC2F4I、CH2=CHCF2CF2I、CF2=CFOCF2CF2CH2I、CF2=CFOCF2CF2CH2CH2I、及びCF2=CFOC4F8CH2CH2Iのうちの少なくとも1つから選択される硬化部位モノマーに更に由来する、組成物。
- Rfが、飽和、直鎖、又は分枝鎖であり、所望により連結した酸素原子を含む、請求項1に記載の組成物。
- Rfが、−CF2−及び4〜10個の炭素原子を含む全フッ素化アルキレンラジカルのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記炭化水素オレフィン含有ペルフルオロビニルエーテルモノマーの量が、使用されるモノマーの総モルの0.01〜0.1モル%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記Rfが直鎖である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記Rfが少なくとも1つのエーテル結合を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物及び硬化剤を含む、硬化性組成物。
- 請求項7に記載の硬化性組成物を含む物品を含む、硬化した物品。
- 硬化した物品が、金属酸化物及び金属水酸化物のうちの少なくとも1つから選択される酸受容体を含まない、請求項8に記載の硬化した物品。
- フルオロポリマーを作製する方法であって、
重合可能なフッ素化オレフィン系モノマー、及びCF2=CFO−Rf−CH=CH2(式中、Rfは、全フッ素化アルキレン基であるが、但し、前記Rf基が、前記ビニルエーテル基の前記酸素原子と前記ビニル基との間の2又は3個の連結した原子のみからなるものではないことを条件とする)から選択される炭化水素オレフィン含有ペルフルオロビニルエーテルモノマーを提供することと、
(i)開始剤及び(ii)(a)全フッ素化一ヨウ化アルキル、全フッ素化二ヨウ化アルキル、全フッ素化一臭化アルキル、及び全フッ素化二臭化アルキルのうちの少なくとも1つから選択される連鎖移動剤、及び/又は(b)CF2=CHBr、CH2=CHCH2Br、CF2=CFCF2Br、CH2=CHCF2CF2Br、CF2=CHI、CH2=CHCH2I、CF2=CFCF2I、CH2=CHCF2CF2I、CF2=CFOC4F8I、CF2=CFOC2F4I、CF2=CFOCF2CF(CF3)OC2F4I、CH2=CHCF2CF2I、CF2=CFOCF2CF2CH2I、CF2=CFOCF2CF2CH2CH2I、及びCF2=CFOC4F8CH2CH2Iのうちの少なくとも1つから選択される硬化部位モノマーの存在下で前記モノマーを重合することと、
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