JP4239514B2 - 転がり軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の燃料噴射制御装置、特に、アイドル回転数制御装置、排気ガス再循環装置、電子スロットル制御装置等に使用される転がり軸受に関し、特に防錆性能が良好で、低温トルク性能及び高温耐久性を向上させた燃料噴射制御装置用転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
アイドル回転数制御装置や排気ガス再循環装置、電子スロットル制御装置等の自動車の燃料噴射制御装置に使用される転がり軸受は、高温耐久性や低温トルク性能が要求されることが多い。そのため、従来では、潤滑剤として、リチウム石けん−エステル油系グリースやウレア−合成炭化水素油系グリース等を封入しており、合成油をベースオイルに用いることで高温耐久性や低温トルク性能を満たしてきた。また、低温トルク性能の要求が特に強い場合には、エステル油やフッ素油といった潤滑油を使用して性能をカバーしてきている。
【0003】
しかしながら、近年、上記燃料噴射制御装置に使用される転がり軸受に対する性能要求が厳しくなってきており、例えば排気ガス再循環装置では、エンジンの排気ガスに含まれるNOxをより低減するために、燃焼直後の排気ガスを再循環させており、そこに使用される転がり軸受は200℃近い高温下に置かれている。それに伴い、従来封入されてきたリチウム石けん−エステル油系グリースやウレア−合成炭化水素油系グリース、あるいはエステル油やフッ素油といった潤滑油では、高温耐久性を維持できなくなってきている。
【0004】
このような要求に対して、本出願人は、特開2000−119673号公報に示されているように、平均粒径0.1μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子を増ちょう剤とするフッ素系グリースを封入することにより、高温耐久性と低温トルク性能の向上を図った転がり軸受を提案している。しかし、フッ素系グリースは、他のグリースに比べて防錆添加剤を配合し難く、防錆性能において改良の余地があった。
【0005】
また、上記燃料噴射制御装置に使用される転がり軸受は、比較的大きな予圧を負荷した状態で使用されることが多く、使用に際して増ちょう剤であるポリテトラフルオロエチレン粒子、更には固体添加剤が添加されている場合はこの固体添加剤が軸受転走面に入り込み、所謂「ゴリ感」や「トルクスパイク」を起こしやすくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、従来よりも優れた低温トルク性能及び高温耐久性を有し、更には予圧が大きく高面圧となる使用形態であっても同様に優れた低温トルク性能及び高温耐久性を有し、特に自動車の燃料噴射制御装置に好適な転がり軸受を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果完成されたものであり、低温域(−40℃程度)から高温域(200℃程度)において、更には予圧が負荷された使用形態でも優れたトルク性能や耐久性を満足するために、本発明は、40℃における動粘度が20〜100mm/sで直鎖構造を持つパーフルオロポリエーテル油を基油とし、フッ素樹脂粒子を増ちょう剤とし、かつN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩をグリース全量に対して0.1〜10質量%、フッ化エーテル系リン酸をグリース全量に対して0.1〜10質量%含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受を提供する。
【0008】
上記において、基油となる直鎖構造を有するパーフルオロポリエーテル油は、分岐構造のものに比べて耐熱性能に優れ、200℃を越える高温においても十分な耐熱性を有するとともに、粘度指数が高く、温度によって粘度が変化し難い。しかも、40℃における動粘度が20〜100mm2/sの範囲にあることから、低温域でのトルク性能の向上に寄与する。また、増ちょう剤であるフッ素樹脂粒子も耐熱性能を備えている。更に、エステル系防錆剤は、上記の基油及び増ちょう剤との親和性が高く、グリースに良好な防錆性能を付与できる。また、フッ化エーテル系ジアミド及びフッ化エーテル系リン酸は油性剤としての機能を有しており、軸受の軌道面や転動面に吸着して潤滑性を向上させ、トルク低減に効果がある。
【0009】
従って、上記した特定のグリースを封入することにより、軸受は低温域から高温域における良好な軸受特性を長期にわたり維持するようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の転がり軸受は、その構造や構成において制限されるものではなく、従来より自動車のアイドル回転数制御装置、排気ガス再循環装置、電子スロットル制御装置等に使用されている転がり軸受を対象とすることができる。例えば、図1はその一例を示す断面図であるが、転がり軸受1は、外輪12の内周面に形成された外輪軌道12aと、内輪13の外周面に形成された内輪軌道13aとの間に、複数の転動体14を保持器15により転動自在に保持し、外輪12の取付溝12bに固定されたシール16により、下記に詳述されるグリース17を封止して構成される。
【0012】
グリースの基油は、直鎖構造を有するパーフルオロポリエーテル油であれば特に制限されるものではないが、例えば下記(1)〜(3)式で表されるパーフルオロポリエーテル油が好ましい。
【0013】
【化1】
Figure 0004239514
【0014】
また、低温域でのトルク性能を考慮すると、40℃における動粘度が100mm2/s以下であることが好ましい。他方、高温耐久性からは、40℃における動粘度が20mm2/s以上、特に30mm2/s以上であることが好ましい。
【0015】
これらの直鎖構造のパーフルオロポリエーテル油は単独で、または混合して用いることができる。
【0016】
増ちょう剤は、上記直鎖構造のパーフルオロポリエーテル油との親和性が高く、また高温安定性、耐薬品性、耐酸性を有するフッ素樹脂粒子が好ましい。例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等からなる粒子を使用でき、特にPTFE粒子が好ましい。また、PTFE粒子は大径のものほどトルクが大きくなる傾向にあり、特に低温でのトルク上昇を招きやすいため、平均粒径で0.3μm以下とすることが好ましく、0.1μm以下のものがより好ましい。更に、PTFE粒子は、この粒径を満足する限り、その形状は特に制限されず、球形や多面体(立方体や直方体)、極端には針状でも構わない。
【0017】
これらのフッ素樹脂粒子は単独でも、混合して使用してもよい。また、その配合量は、グリースとした時の混和ちょう度がNLGIに規定された等級でNo.1〜No.3、好ましくはNo.1〜No.2となる量を配合することが好ましく、それにより本発明に適する流動性を持たせることができる。
【0018】
また、グリースには、N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩と、フッ化エーテル系リン酸が添加される。
【0019】
−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩は下記で示されるが、式中Mは金属種を表し、具体的にはSb、Bi、Sn、Ni、Te、Se、Fe、Cu、Mo、Zn、Ca等から選択される。
【0020】
【化2】
Figure 0004239514
【0021】
N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩の添加量は、グリース全量に対して0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上とすることが好ましい。添加量が0.1質量%未満の場合、防錆性能が不十分となる。また、添加量の上限は、グリース全量に対して10質量%、特に8質量%であり、10質量%を超えて添加しても、増分に見合う効果の向上が得られず、むしろトルクの上昇と耐熱性の低下を招くおそれがある。
【0026】
また、フッ化エーテル系リン酸としては、下記一般式(B)で表されるものが好ましい。
【0027】
【化5】
Figure 0004239514
【0028】
ここで、Rは炭素数1〜30のアルキル基または炭素数6〜12のシクロヘキシル基または炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。また、Rf0は下記で表されるフッ化エーテルエーテル基(mは1〜50)である。
【0029】
【化6】
Figure 0004239514
【0030】
ッ化エーテル系リン酸添加量はグリース全量に対して0.1〜10質量%とする。ッ化エーテル系リン酸は油性剤としての機能を有しており、添加量が0.1質量%未満ではトルクの低減を図るのが困難になる。また、添加量が10質量%を超える場合には、基油粘度が高くなり、逆にトルクが高くなる。
【0031】
上記のN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩と、フッ化エーテル系リン酸とを組み合わせて添加することにより、防錆性能とともに低トルク化を図ることができる。そのため、両効果を効果的に得るためには、N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩と、フッ化エーテル系リン酸とを等量ずつ添加することが好ましい。また、この場合の添加量は、合計でグリース全量の0.2〜15質量%とすることが好ましい。添加量の下限値である0.2質量%は、N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩の添加量の下限値と、フッ化エーテル系リン酸の添加量の下限値との合計であり、この値未満では、防錆性能の向上及び低トルク化を同時に実現できない。また、添加量が15質量%を超える場合は、トルク上昇を招く。
【0032】
上記のグリースには更に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の各種添加剤を配合することができる。
【0033】
また、上記のグリースは公知の方法により製造でき、例えば基油に増ちょう剤及びN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩、更にフッ化エーテル系リン酸を加え、加熱、攪拌して得られる半固体状物を徐冷した後、必要に応じて各種添加剤を添加し、ロールミル等により均一に混練することにより得られる。この時の加熱温度や攪拌・混練時間等の諸条件は、使用する基油や増ちょう剤、N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはアンモニウム塩、フッ化エーテル系リン酸、その他の添加剤等により適宜設定される。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
【0035】
[試験−1:エステル系防錆剤]
(グリースの調製)
・グリースA:表1に示す分子構造(1)を有し、40℃における動粘度が10〜150mm2/sの基油に、PTFE粒子(平均粒径0.1μm)及び防錆剤(1)を1質量%加え、攪拌加熱して得られた半固体状物を徐冷した後、ロールミルを通して得た。また、混和ちょう度は、NLGI No.1とした。
・グリースB:表1に示す分子構造(2)を有し、40℃における動粘度が85mm2/sの基油に、PTFE粒子(平均粒径0.1μm)及び防錆剤(1)を0.05〜12質量%加え、攪拌加熱して得られた半固体状物を徐冷した後、ロールミルを通して得た。また、混和ちょう度は、NLGI No.2とした。
・グリースC:表1に示す分子構造(2)を有し、40℃における動粘度が85mm2/sの基油に、PTFE粒子(平均粒径0.1μm)及び防錆剤としてNaNO2を0.05〜0.5質量%加え、攪拌加熱して得られた半固体状物を徐冷した後、ロールミルを通して得た。また、混和ちょう度は、NLGI No.2とした。
【0036】
以上のグリースA、グリースB、グリースCの組成を表2にまとめて示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004239514
【0038】
【表2】
Figure 0004239514
【0039】
(低温トルク試験−1)
鋼シールド板付き深溝玉軸受(内径φ8、外形φ16、幅4mm)に、上記したグリースAを軸受空間容積の30%を占めるように封入した。そして、1800min-1で30秒間回転させた後、−40℃の恒温槽に4時間放置し、その後に内輪回転速度300min-1で3分間回転させた時の動トルク値を測定した。この動トルク値は、0.01N・m以上を不可とした。試験は各グリースにつき3回行い、結果を図2〜4に示した。
【0040】
(高温耐久試験)
鋼シールド板付き深溝玉軸受(内径φ17、外形φ40、幅12mm)に、上記したグリースAを軸受空間容積の35%を占めるように封入した。そして、軸受温度200℃、内輪回転速度6000min-1、アキシアル荷重196Nの条件で軸受を連続回転させた。軸受が210℃に温度上昇するまでの時間(焼付き時間)を測定した。この焼付き時間は、300時間以上が合格である。試験は各グリースにつき3回行い、結果を図2に示した。
【0041】
図2より、グリースの基油の動粘度が20〜100mm2/s(40℃)の範囲であれば、低温トルク性能と高温耐久性能とを両方満足することがわかる。
【0042】
(添加量の検証)
上記したグリースB及びグリースCを用いて、同様の低温トルク試験を行った。結果を図2に示すが、N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルCa塩の添加量が10質量%未満であれば、トルク値で0.01N・m以下であり、低温トルク性能を満足することがわかる。これに対し、N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルCa塩ではない防錆剤では、極少量であっても満足できる低温トルク性能が得られない。
【0043】
(防錆試験)
円接触ゴムシール付き深溝玉軸受(内径φ17、外形φ47、幅14mm)に、上記したグリースBまたはグリースCを2.3g封入した。そして、回転速度1800min-1で1分間回転させた後、軸受内に純水を0.5cc注入し、再び、回転速度1800min-1で1分間回転させた。次いで、50℃、95%HRの条件下に120時間放置した後、軸受の内外輪軌道面の錆発生状況を観察した。評価は表3に示す基準で行い、錆評価点が2以下を合格とした。
【0044】
【表3】
Figure 0004239514
【0045】
結果を図3に示すが、N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルCa塩を0.1質量%以上添加することにより、優れた防錆性能を付与できることがわかる。
【0046】
(試験−2:フッ化エーテル系リン酸)
(グリースの調製)
・グリースE:表4及び表5に示す分子構造を有し、40℃における動粘度が85mm2/sの基油2に、PTFE粒子(平均粒径0.1μm)及び添加剤2を0.05〜12質量%加え、攪拌加熱して得られた半固体状物を徐冷した後、ロールミルを通して得た。また、混和ちょう度は、NLGI No.2とした。
【0047】
【表4】
Figure 0004239514
【0048】
【表5】
Figure 0004239514
【0049】
(低温トルク試験−2)
鋼シールド板付き深溝玉軸受(内径φ8、外形φ16、幅4mm)に、上記の各グリースを軸受空間容積の30%を占めるように封入し、1800min-1で30秒間回転させた後、−40℃の恒温槽に4時間放置し、その後にアキシアル荷重108N、内輪回転速度10min-1で3分間回転させた時の動トルク値を測定した。この動トルク値は、0.01N・m以上を不可とした。試験は各グリースにつき3回行い、結果を図4に示した。
【0050】
図4から、フッ化エーテル系リン酸の添加量が0.1〜10質量%以下であれば、トルク値で0.01N・m以下であり、低温トルク性能を満足することがわかる。また、添加量10質量%において、基準値(0.01N・m)との差ΔAが存在するが、図3において基準値(0.01N・m)との差ΔBがこのΔAよりも小さくなるN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルCa塩の添加量を求めると、5質量%以下の範囲となる。このことから、N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルCa塩、フッ化エーテル系リン酸とを合計で、グリース全量に対して15質量%以下の範囲で添加する限り、低トルクを維持できることがわかる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の転がり軸受は、特定の動粘度で、直鎖構造を有するパーフルオロポリエーテル油に、PTFE等のフッ素樹脂粒子及びN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩、フッ化エーテル系リン酸を配合したグリースを封入したことにより、低温トルク性能及び高温耐久性の両方が改善され、また優れた防錆性能も有するため、例えばアイドル回転数制御装置や排気ガス再循環装置、電子スロットル制御装置等の自動車の燃料噴射制御装置に使用されるような、低温域から高温域まで安定した軸受性能が要求され、更に予圧が負荷された状態で使用される転がり軸受として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一例を示す断面図である。
【図2】試験−1で得られた、基油動粘度と、トルク及び焼付き時間との関係を示すグラフである。
【図3】試験−1で得られた、防錆剤の添加量と、トルク及び錆発生状態との関係を示すグラフである。
【図4】試験−2で得られた、添加剤量とトルクとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 転がり軸受
12 外輪
13 内輪
14 転動体
15 保持器
16 シール
17 グリース

Claims (5)

  1. 40℃における動粘度が20〜100mm/sで直鎖構造を持つパーフルオロポリエーテル油を基油とし、フッ素樹脂粒子を増ちょう剤とし、かつN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩をグリース全量に対して0.1〜10質量%、フッ化エーテル系リン酸をグリース全量対して0.1〜10質量%含有するグリースを封入したことを特徴とする転がり軸受。
  2. N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩の添加量が、グリース全量に対して0.5〜8質量%であることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
  3. N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩における金属種がSb、Bi、Sn、Ni、Te、Se、Fe、Cu、Mo、Zn、Caから選択されることを特徴とする請求項1または2記載の転がり軸受。
  4. グリースが、N−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステル金属塩またはN−アシル−N−ヒドロカーボンオキシアルキルアスパラギン酸エステルアンモニウム塩と、フッ化エーテル系リン酸とを、グリース全量に対して合計量で0.2〜15質量%含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の転がり軸受。
  5. 予圧を負荷した状態で使用されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の転がり軸受。
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