JP5560025B2 - グリース組成物およびグリース封入軸受 - Google Patents
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Description
本発明は、グリース組成物および該グリース封入軸受に関し、特にイオン性液体を基油に含むグリース組成物および該グリース封入軸受に関する。
軸受用潤滑剤として、一般的に潤滑油またはグリースが多用されている。これらの潤滑油またはグリースの主成分となる基油としては、鉱物油やポリ-α-オレフィン油、エステル油、シリコーン油、フッ素油などの合成油を挙げることができる。近年、省エネルギーの観点から軸受などに用いられる潤滑油またはグリースについては低摩擦化、低粘化の要求が高まっている。また、モータ、オルタネータ、コンプレッサ、ファンクラッチ等の自動車電装品等に用いられる軸受については、小型化、高性能化の要求に伴い、軸受に封入される潤滑剤に対し高温耐久性向上の要求が高まっている。
この要求に対し解決の可能性を示唆する技術として、例えば導電性付与剤としてイオン性液体を添加した潤滑剤を用いた流体軸受装置(特許文献1参照)や、イオン性液体を含んでなる基油と、増ちょう剤とからなるグリース組成物(特許文献2参照)が知られている。これらは常温溶融塩であるイオン性液体が、様々な有機イオンの組合せによって低粘度であることを利用したものである。
また、高温耐久性向上のため、軸受などに用いられる潤滑油やグリース組成物には、酸化防止剤として、アルキルジチオりん酸亜鉛などの有機亜鉛化合物や、アルキル化ジフェニルアミンなどのアミン系化合物などを単独で、または、複数種類を組み合わせて用いている。
しかしながら、特許文献1には潤滑剤が導電性付与添加剤であるイオン性液体を含有することにより回転部位に静電気が蓄積することなく、高速回転等の使用条件下でも安定かつ低トルク損失を実現できると記載されてはいるものの、イオン性液体を含有することによる潤滑剤の低粘化効果や高温耐久性の向上効果等については不明である。また、特許文献2についてもイオン性液体を用いて潤滑剤の低粘化が図られているものの、イオン性液体による軸受鋼の腐食が進行しやすくなると予想され、この潤滑剤を用いた軸受の高温耐久性をより高めるには十分ではない。
また、高温耐久性向上のため、従来の酸化防止剤を組み合わせて添加する場合でも、モータ、オルタネータ、コンプレッサ、ファンクラッチ等に用いられ、高温高速回転で使用される軸受に封入した際には、高温高速耐久性について性能を満足させることができない場合がある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、低摩擦、低粘化を図りながら、高温耐久性をより高めることができるグリース組成物、およびこのグリースを封入したグリース封入軸受を提供することを目的とする。
本発明のグリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含むグリース組成物であって、上記基油は、カチオン成分とアニオン成分とからなるイオン性液体を含んでなり、上記添加剤は、植物由来のポリフェノール化合物およびその分解化合物から選ばれた少なくとも一つの化合物を含有することを特徴とする。また、上記植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物は、1分子内に複数の水酸基を有することを特徴とする。
上記植物由来のポリフェノール化合物は、クルクミンまたはその誘導体であることを特徴とする。また、上記植物由来のポリフェノール化合物は、ケルセチンまたはその誘導体であることを特徴とする。また、上記化合物の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.1〜5 重量部であることを特徴とする。
上記基油は、40℃における動粘度が 100 mm2/sec 以下であることを特徴とする。
上記カチオン成分はイミダゾリウムカチオンであり、上記アニオン成分はビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンであることを特徴とする。
上記増ちょう剤は、フッ素系樹脂を含有することを特徴とする。また、上記フッ素系樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)樹脂であることを特徴とする。
本発明のグリース封入軸受は、上記グリース組成物が封入されてなることを特徴とする。また、上記グリース封入軸受は、モータ、オルタネータ、コンプレッサ、ファンクラッチに使用される軸受であることを特徴とする。
本発明のグリース組成物は、基油に、カチオン成分とアニオン成分とからなるイオン性液体を含むので、低摩擦、低粘化を図れ、このグリース組成物を軸受に封入することで、軸受の低トルク化が図れる。また、添加剤として、(1)植物由来のポリフェノール化合物、および(2)植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物、から選ばれた少なくとも一つの化合物を含むので、このグリース組成物を軸受に封入することで、従来の酸化防止剤などを配合したグリース組成物よりも耐酸化劣化性を向上させることができ、高温高速下での軸受の長寿命化が図れる。
また、増ちょう剤として、PTFE樹脂を用いることにより、イオン性液体を含む基油の増ちょう性に優れるとともに、高温耐久性を向上できる。
本発明のグリース封入軸受は、上記グリースを封入してなるので、軸受の低トルク化が図れ、かつ、軸受高温耐久性を向上させることができる。このため、高温高速回転で使用される軸受、例えば、モータ、オルタネータ、コンプレッサ、ファンクラッチの軸受として好適に利用できる。
低摩擦、低粘化を図るため、イオン性液体を含む基油を用いたグリース組成物を軸受に封入する際において、軸受の高温耐久性をより高めるべく鋭意検討を行なった。この結果、添加剤として、(1)植物由来のポリフェノール化合物、および(2)植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物、から選ばれた少なくとも一つの化合物を含有することで、高温耐久性試験において軸受寿命を延長できることがわかった。これは、上記化合物がグリース組成物の酸化防止剤として働き、酸化劣化を抑制できるためであると考えられる。本発明はこのような知見に基づくものである。
本発明のグリース組成物に使用できる基油は、イオン性液体を含む基油である。イオン性液体とは、カチオン成分とアニオン成分とからなるイオン結合性化合物であるにもかかわらず室温付近で液体となる物質をいう。基油としてイオン性液体とその他の油とを併用する場合、耐熱性を維持するために、イオン性液体を基油全体に対して 50 重量%以上とすることが好ましい。
本発明で使用できるイオン性液体のカチオン成分としては、脂肪族アミンカチオン(下記の化1参照)、脂環式アミンカチオン(下記の化2参照)、イミダゾリウムカチオン(下記の化3参照)、ピリジンカチオン(下記の化4参照)等が挙げられる。これらの中で耐熱性と低温流動性と環境適合性に優れることから、イミダゾリウムカチオンを用いることが好ましい。化1〜化4においてRはアルキル基またはアルコキシ基を示す。
化1〜化4においてアニオン成分(X- )としては、ハロゲン化物イオン、SCN-、BF4 -、ClO4 -、PF6 -、(CF3SO2)2N-、(CF3CF2SO2)2N-、CF3SO3 -、CF3COO-、Ph4B-、(CF3SO2)3C- 、PF3(C2F5)3 - 等が挙げられる。これらの中で耐熱性と低温流動性と環境適合性に優れることから、(CF3SO2)2N-(ビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオン)を用いることが好ましい。
本発明において基油は、40℃における動粘度が 100 mm2/sec 以下であることが好ましい。100 mm2/sec をこえるとグリースの十分な低粘化が図れなくなる。基油としてイオン性液体のみを用いる場合、イオン性液体を単独または 2 種類以上組み合わせて上記範囲に調節できる。
本発明のグリース組成物に使用できる増ちょう剤としては、リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、力ルシウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アルミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けん等の石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア系化合物、PTFE樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)樹脂などのフッ素系樹脂等を挙げることができる。
これらの中で、高温化でのグリースの性状変化を抑えるために耐熱性の良好なフッ素系樹脂を用いることが好ましく、フッ素系樹脂の中でも基油であるイオン性液体の増ちょう性に優れたPTFE樹脂を用いることが特に好ましい。
本発明において増ちょう剤は、グリース組成物全体に対して、3〜70 重量%含有させることが好ましい。より好ましくは 5〜60 重量%である。増ちょう剤の含有量が 3 重量%未満では、増ちょう効果が少なくなることでグリース化が困難となり、70 重量%をこえると得られたグリースが硬くなりすぎ、所定の効果が得られにくくなる。
本発明において使用できるポリフェノール化合物は、芳香族炭化水素環の水素原子を水酸基(ヒドロキシ基)で置換した、1分子内に複数の水酸基を有する芳香族ヒドロキシ化合物であり、植物由来のものである。
また、上記植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物は、該ポリフェノール化合物の加水分解などで生成する芳香族または脂環族ヒドロキシ化合物などである。ポリフェノール化合物と同様の作用効果を得るため、該分解化合物においても、1分子内に複数の水酸基を有することが好ましい。
本発明において使用できる植物由来のポリフェノール化合物またはその分解化合物としては、例えば、タンニン、没食子酸、エラグ酸、クロロゲン酸、コーヒー酸、キナ酸、クルクミン、ケルセチン、ピロガロール、テアフラビン、アントシアニン、ルチン、リグナン、カテキン等が挙げられる。また、植物由来のセサミン、イソフラボン、クマリンなどから得られるポリフェノール化合物も使用できる。以上のようなポリフェノール化合物またはその分解化合物は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中で、より長期間、酸化劣化を抑制できることから、クルクミンまたはその誘導体、ケルセチンまたはその誘導体を用いることが好ましい。
植物由来のポリフェノール化合物およびその分解化合物から選ばれた少なくとも一つの化合物の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.05〜10 重量部であることが好ましい。上記化合物の配合割合が 0.05 重量部未満であると、グリース組成物の酸化劣化を効果的に防止できないおそれがある。また、上記化合物の配合割合が 10 重量部をこえても潤滑剤の酸化劣化を防止する効果がそれ以上に向上しにくい。上記化合物のより好ましい配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.1〜5 重量部である。この範囲内であると後述する実施例に示すように、グリース組成物の酸化劣化をよく防止できている。
本発明のグリース組成物には、必要に応じて従来から一般に使用されている極圧剤、油性剤等の各種添加剤を添加することができる。各種添加剤として、例えば、有機亜鉛化合物、アミン系化合物等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾールなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤、金属スルホネート、ポリアルコールエステルなどの防錆剤、有機モリブデンなどの摩擦低減剤、エステル、アルコールなどの油性剤、りん系化合物などの摩耗防止剤等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組み合せて添加できる。
本発明のグリース封入軸受を図面に基づいて説明する。図1は本発明のグリース組成物が封入されている深溝玉軸受の断面図である。グリース封入軸受(深溝玉軸受)1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。この複数個の転動体4を保持する保持器5が設けられている。外輪3等に固定されるシール部材6が、内輪2および外輪3の軸方向両端開口部8a、8bにそれぞれ設けられている。少なくとも転動体4の周囲にグリース組成物7が封入される。グリース組成物7は、上述の本発明のグリース組成物である。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は、これによって何ら制限されるものではない。
実施例1〜実施例4
表1に示す配合割合で、基油と、増ちょう剤と、ポリフェノール化合物とを用いてグリース組成物を得た。基油であるイオン性液体はカチオン成分を1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、アニオン成分をビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンとするメルク社製:1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム-ビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミド(下記の化7に示すもの;表1にはOMI−TFSIと記す)を用いた。得られたグリース組成物を供試グリースとして以下に示す高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
表1に示す配合割合で、基油と、増ちょう剤と、ポリフェノール化合物とを用いてグリース組成物を得た。基油であるイオン性液体はカチオン成分を1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、アニオン成分をビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンとするメルク社製:1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム-ビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミド(下記の化7に示すもの;表1にはOMI−TFSIと記す)を用いた。得られたグリース組成物を供試グリースとして以下に示す高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
<高温高速グリース寿命試験>
得られた供試グリースを転がり軸受6204(内径 20 mm×外径 47 mm×厚さ 14 mm )に全空間容積の 38%封入し、アキシアル荷重 67 N とラジアル荷重 67 N の下で、軸受温度 180℃、10000 rpm の回転速度で回転させ、焼き付きに至るまでの時間を高温高速グリース寿命時間として測定した。
得られた供試グリースを転がり軸受6204(内径 20 mm×外径 47 mm×厚さ 14 mm )に全空間容積の 38%封入し、アキシアル荷重 67 N とラジアル荷重 67 N の下で、軸受温度 180℃、10000 rpm の回転速度で回転させ、焼き付きに至るまでの時間を高温高速グリース寿命時間として測定した。
実施例5
表1に示す配合割合で、基油と、増ちょう剤と、ポリフェノール化合物とを用いてグリース組成物を得た。基油であるイオン性液体はカチオン成分を1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、アニオン成分をビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンとするメルク社製:1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム-ビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミド(下記の化8に示すもの;表1にはHMI−TFSIと記す)を用いた。得られたグリース組成物を供試グリースとして上述の高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
表1に示す配合割合で、基油と、増ちょう剤と、ポリフェノール化合物とを用いてグリース組成物を得た。基油であるイオン性液体はカチオン成分を1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、アニオン成分をビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンとするメルク社製:1-ヘキシル-3-メチルイミダゾリウム-ビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミド(下記の化8に示すもの;表1にはHMI−TFSIと記す)を用いた。得られたグリース組成物を供試グリースとして上述の高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
比較例1
ポリフェノールを用いなかったこと以外は、実施例1〜実施例4と同様に処理して、グリース組成物を得た。得られたグリース組成物を供試グリースとして上述の高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
ポリフェノールを用いなかったこと以外は、実施例1〜実施例4と同様に処理して、グリース組成物を得た。得られたグリース組成物を供試グリースとして上述の高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
比較例2
ポリフェノールを用いなかったこと以外は、実施例5と同様に処理して、グリース組成物を得た。得られたグリース組成物を供試グリースとして上述の高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
ポリフェノールを用いなかったこと以外は、実施例5と同様に処理して、グリース組成物を得た。得られたグリース組成物を供試グリースとして上述の高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
比較例3〜比較例5
表1に示す配合割合で、基油と、増ちょう剤と、市販の酸化防止剤を用いてグリース組成物を得た。基油であるイオン性液体はカチオン成分を1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、アニオン成分をビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンとするメルク社製:1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム-ビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミド(上記の化7に示すもの;表1にはOMI−TFSIと記す)を用いた。得られたグリース組成物を供試グリースとして上述の高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
表1に示す配合割合で、基油と、増ちょう剤と、市販の酸化防止剤を用いてグリース組成物を得た。基油であるイオン性液体はカチオン成分を1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムカチオン、アニオン成分をビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンとするメルク社製:1-オクチル-3-メチルイミダゾリウム-ビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミド(上記の化7に示すもの;表1にはOMI−TFSIと記す)を用いた。得られたグリース組成物を供試グリースとして上述の高温高速グリース寿命試験に供し、高温高速グリース寿命時間を測定した。結果を表1に併記する。
表1に示すように実施例1〜実施例5は、高温、高速回転を伴う軸受などの潤滑剤に有用であることがわかる。
本発明のグリース組成物は、低摩擦、低粘化を図りながら、高温耐久性をより高めることができるので、高温、高速回転を伴う軸受などの潤滑剤として好適に利用できる。また、本発明のグリース封入軸受は、モータ、オルタネータ、コンプレッサなどの電装品等に好適に利用できる。
1 グリース封入軸受(転がり軸受)
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース組成物
8a、8b 開口部
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース組成物
8a、8b 開口部
Claims (11)
- 基油と、増ちょう剤と、添加剤とを含むグリース組成物であって、
前記基油は、カチオン成分とアニオン成分とからなるイオン性液体を含んでなり、
前記添加剤は、植物由来のポリフェノール化合物およびその分解化合物から選ばれた少なくとも一つの化合物を含有することを特徴とするグリース組成物。 - 前記植物由来のポリフェノール化合物の分解化合物は、1分子内に複数の水酸基を有することを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
- 前記植物由来のポリフェノール化合物は、クルクミンまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
- 前記植物由来のポリフェノール化合物は、ケルセチンまたはその誘導体であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
- 前記化合物の配合割合は、ベースグリース 100 重量部に対して 0.1〜5 重量部であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載のグリース組成物。
- 前記基油は、40℃における動粘度が 100 mm2/sec 以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項記載のグリース組成物。
- 前記カチオン成分はイミダゾリウムカチオンであり、前記アニオン成分はビス-トリフルオロメチルスルホニル-イミドアニオンであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項記載のグリース組成物。
- 前記増ちょう剤は、フッ素系樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項記載のグリース組成物。
- 前記フッ素系樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂であることを特徴とする請求項8記載のグリース組成物。
- グリース組成物が封入されてなるグリース封入軸受であって、前記グリース組成物が請求項1ないし請求項9のいずれか一項記載のグリース組成物であることを特徴とするグリース封入軸受。
- 前記グリース封入軸受は、モータ、オルタネータ、コンプレッサ、ファンクラッチに使用される軸受であることを特徴とする請求項10記載のグリース封入軸受。
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